【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の組成物は、泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする。
【0013】
本発明の組成物は、経口や、皮膚や頭皮に適用する、非経口、外用剤として用いることができる。例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、化粧品や、トイレタリー用品等として用いることができる。
【0014】
以下、本発明の組成物について、その好ましい実施形態に基づいて説明する。本発明の組成物が経口の場合、「経口用組成物」、「経口剤」、「飲食用組成物」、「飲食用剤」、「飲食品」のいずれにも当てはまり、本発明の効果を得ることができる「ダイエット用組成物」、「ダイエット用剤」、「ダイエット用食品」、「抗肥満用組成物」、「抗肥満用剤」、「抗肥満用食品」、「肥満予防用組成物」、「肥満予防用剤」、「肥満予防用食品」、「肥満解消用組成物」、「肥満解消用剤」、「肥満解消用食品」、「代謝促進用組成物」、「代謝促進用剤」、「代謝促進用食品」のいずれにも当てはまる。
【0015】
本発明の経口組成物は、優れた細胞賦活作用を有し、ダイエット効果を有する。また、本発明によれば、細胞賦活により、代謝が促進されるため、脂質の分解燃焼等の脂質代謝活性の維持又は改善作用、脂肪代謝活性の維持又は改善作用、エネルギー代謝活性の維持又は改善作用、体重低減や体重上昇抑制作用、容姿のスリム化作用、リバウンドの抑制作用、抗肥満作用等が得られるダイエット用組成物及び/又はロコモ症候群の予防用組成物を提供することができる。
【0016】
本発明の経口組成物は、肥満の予防および改善に有用であり、医薬品および飲食品に好適に利用され得る。
【0017】
本発明の組成物が非経口の場合、「非経口用組成物」、「非経口剤」、「外用剤」のいずれにも該当し、その形態としては、例えば、ローション状、乳液状、ゲル状、クリーム状、軟膏状、粉末状、顆粒状等を挙げることができる。具体的には、化粧水、化粧クリーム、乳液、クリーム、パック、ヘアトニック、ヘアクリーム、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、ボディシャンプー、洗顔剤、石鹸、ファンデーション、白粉、口紅、リップグロス、頬紅、アイシャドー、整髪料、育毛剤、水性軟膏、油性軟膏、目薬、アイウォッシュ、シップ、ジェルなどが挙げられる。また、口腔へ適用する場合は、歯磨剤、マウスウォッシュ、スプレーなどが挙げられる。
【0018】
<泥炭>
泥炭は、植物が枯死し、長期間に渡って十分に分解されずに堆積したものであり、石炭の一種である。泥炭は、草炭、ピート(peat)とも呼ばれ、また、クレイ(clay)と呼ばれることもある。本明細書において「泥炭」とは、泥炭そのもののほか、泥炭と他の原料との混合物であってもよい。泥炭又は泥炭と他の原料との混合物は、市販されており、市販品を用いることができる。
【0019】
本発明の組成物で使用する泥炭としては、特に制限されるものではなく、例えば、日本のほか、北米、欧州などで採取されるものを挙げることができるが、入手容易性や経口摂取の安全性、ダイエットの効果を高める観点から、北米、北欧、ロシアで採取されるものが好ましく、北米、北欧で採取されるものがより好ましく、北米で採取されるものが特に好ましい。
【0020】
本発明の組成物で使用できる泥炭の形態としては、ペースト状の形態のほか、粉末状、顆粒状、粒状、クリーム状、ゲル状や、棒状、板状、ブロック状、固形状等の形態を挙げることができるが、入手容易性や経口摂取の容易性、ダイエットの効果を高める観点から、粉末状や顆粒状、ペースト状が好ましく、粉末状、ペースト状が特に好ましい。
【0021】
本発明の組成物における泥炭の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよいが、例えば、組成物中に0.001質量%以上80質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは0.05質量%以上20質量%以下である。
【0022】
<機能性素材>
以下、本発明の組成物において泥炭と共に使用される機能性素材について説明する。
【0023】
<ビタミン>
ビタミンは、生物の生存・生育に微量に必要な栄養素のうち、その生物の体内で十分な量を合成できない炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称であり、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンとに分類される。本発明においては、これらの水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンは、いずれかを単独で使用してもよいし、併用しても良い。
【0024】
水溶性ビタミンとしては、ビタミンB、ビタミンCが挙げられる。ビタミンBに属するビタミンとしては、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン)及びこれらの塩や誘導体などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても良い。
【0025】
脂溶性ビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE及びこれらの塩や誘導体などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても良い。
【0026】
本発明の組成物においてビタミンを使用する場合、水溶性ビタミンのビタミンB、ビタミンCや脂溶性ビタミンのビタミンD、が好ましく、これらの中でも、ビタミンB、ビタミンDがより好ましく、ダイエット効果を高める観点から、ビタミンB5、ビタミンDが特に好ましい。以下、ビタミンB5、ビタミンDについて詳述する。
【0027】
<ビタミンB5>
本発明でビタミンB5を使用する場合、ビタミンB5は、植物由来であっても、動物由来であっても、合成品であってもよい。また、ビタミンB5の塩や誘導体であってもよい。
【0028】
<ビタミンD>
本発明でビタミンDを使用する場合、ビタミンDは、植物由来であっても、動物由来であっても、合成品であってもよい。ビタミンDとしては、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0029】
<乳酸菌>
乳酸菌は、代謝により乳酸を産生する細菌である。本発明で使用する乳酸菌は、生菌であっても死菌であってもよく、死菌の場合は菌体破砕物であってもよい。乳酸菌粉末は、例えば培養した乳酸菌又は発酵に使用した乳酸菌培養物から培地等の不要分を除いた後に乳酸菌の菌体を公知の方法で粉末化して得ることができる。乳酸菌の種類としては、代謝産物として乳酸を産生するものであれば特に限定されず、ヒト等の動物において従来経口摂取されているものが挙げられ、例えば、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、ラクトバチルス(Lactbacillus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、リューコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属、バチルス(Bacillus)属のものが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
Bifidobacterium属としては、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium longum、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium mongolienseが挙げられる。
Lactbacillus属としては、Lactbacillus brevis、Lactbacillus gasseri、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus bulgaricus、Lactobacillus delburvecki、Lactobacillus casei、Lactobacillus crispatus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus halivaticus、Lactobacillus pentosus、Lactobacillus plantarum、Lactobacilus paracasei、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus sporogenes、Lactobacillus sakei、Lactobacillus fructivorans、Lactobacillus hilgardii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentumが挙げられる。
Enterococcus属としては、Enterococcus faecalis(Streptococcus faecalis と称されることもある。)、Enterococcus faesium(Streptococcus faesiumと称されることもある。)、Streptococcus thermophilus、Lactococcus lactis(Streptococcus lactisと称されることもある。)が挙げられる。
Leuconostoc属としては、Leuconostoc mesenteroides、Leuconostoc oenos が挙げられる。
Pediococcus属としては、Pediococcus acidilactici、Pediococcus pentosaceusが挙げられる。
Staphylococcus属としては、Staphylococcus carnosus、Staphylococcus xylosusが挙げられる。
Tetragenococcus属としては、Tetragenococcus halophilusが挙げられる。
Bacillus属としては、Bacillus coagulans、及びBacillus mesentericus等が挙げられる。
【0031】
これらの中でも、Bifidobacterium属、Enterococcus属又はBacillus属の乳酸菌がより好ましく、ダイエット効果を高める観点から、Bacillus coagulans、Enterococcus faecalis及びBifidobacterium bifidumが特に好ましい。
【0032】
本発明で使用する乳酸菌は、本発明の組成物の剤形や品質に応じて、例えば、耐熱性、耐酸性、耐糖性、耐塩性、有胞子性などの性質を有するものを適宜選択することができる。乳酸菌の入手方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、ヨーグルトや野菜等の食品から単離された乳酸菌や市販品を用いることができる。
【0033】
本発明の組成物における乳酸菌の含有量は、特に限定されないが、例えば菌体数として、本発明の組成物中、1×10
3個以上、好ましくは1×10
5個以上1×10
20個以下、更に好ましくは1×10
7個以上1×10
15個以下とすることが、製剤の容易性及び乳酸菌の腸管付着効果を高める点から好ましい。
【0034】
<ピペリン>
ピペリンは、コショウやヒハツ、ヒハツモドキなど同属各種に含まれる辛味成分であり、アルカロイドの一種である。本明細書において「ピペリン」とは、植物から分離、精製されたもののほか、化学合成されたものであってもよく、また、ピペリンを含有する植物を使用してもよい。
【0035】
ピペリンを含有する植物としては、コショウ、ヒハツ、ヒハツモドキなどを挙げることができる。コショウは、コショウ科の植物(Piper nigrum)である。本発明の植物素材として用いる部位としては、果実が好ましい。収穫のタイミング等から、黒コショウ、白コショウ、赤コショウ、青コショウの種類が存在し、いずれの種類であってもよいが、入手容易性や長持ちの観点から、黒コショウ、白コショウが好ましく、中でも、ダイエットの効果を高める観点から、ピペリンを豊富に含む黒コショウが特に好ましい。
【0036】
ピペリンを含有する植物を使用する場合、植物をそのまま使用してもよいし、加工物として用いてもよい。加工物としては、粉砕した粉末、搾汁やその粉末、ペースト、抽出物(エキス末)、その他の加工方法による処理物のいずれも利用できる。本発明の植物素材として使用する場合、入手容易性やダイエットの効果を高める観点から、粉砕した粉末や抽出物(エキス末)が好ましい。
【0037】
本発明の組成物における機能性素材の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよいが、例えば、組成物中に0.001質量%以上70質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上50質量%以下であり、特に好ましくは0.1質量%以上20質量%以下である。なお、機能性素材を2種以上使用する場合は、その総量である。
【0038】
本発明の組成物の形態としては、経口組成物、非経口組成物、外用剤のいずれでも良いが、食品として摂取できることや、ダイエットの効果を高める観点から、経口組成物であることが好ましい。
【0039】
本発明の経口組成物の形態としては、例えば、錠状、カプセル状、ソフトカプセル状、粉末状、顆粒状、液状、粒状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、ペースト状、クリーム状、カプレット状、ゲル状、チュアブル状、スティック状等を挙げることができる。これらの中でも、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、液状、ペースト状の形態が特に好ましい。具体的には、サプリメントや、ペットボトル、缶、瓶等に充填された容器詰飲料や、水(湯)、牛乳、果汁、青汁等に溶解して飲むためのインスタント飲料(粉末飲料)や、食品添加剤を例示することができる。これらは食事の際などに手軽に飲用しやすく、また嗜好性を高めることができるという点で好ましい。
【0040】
本発明の組成物あるいはその配合製品は、剤形もしくは形状または好みに応じて、そのまま摂取しても良いし、水、湯、牛乳、豆乳、茶、ジュースなどに溶かして摂取しても良い。
【0041】
一般的には、本発明の経口組成物が錠状、錠剤状等のサプリメントや医薬品の場合には、本発明の効果をより有効に発揮させるためには、本発明の成分が組成物全体の0.01〜100質量%含まれていることが好ましく、0.1〜75質量%含まれていることがより好ましく、1〜50質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0042】
本発明の経口組成物が容器詰飲料である場合には、本発明の効果をより有効に発揮させるためには、本発明の成分が組成物全体の0.001〜30質量%含まれていることが好ましく、0.01〜20質量%含まれていることがより好ましく、0.1〜10質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0043】
また、本発明の経口組成物が青汁やスムージー等のインスタント飲料である場合には、本発明の効果をより有効に発揮させるためには、本発明の成分が組成物全体の0.01〜100質量%含まれていることが好ましく、0.1〜80質量%含まれていることがより好ましく、1〜60質量%含まれていることがさらに好ましい。
【0044】
泥炭及び機能性素材の配合質量比としては、乾燥質量換算で、0.0001:1〜10000:1であることが好ましく、0.001:1〜1000:1であることがより好ましく、0.01:1〜100:1であることがさらに好ましい。
【0045】
本発明の経口組成物の摂取量としては特に制限はないが、本発明の効果をより顕著に発揮させる観点から、成人の1日当たり、泥炭の摂取量が、0.01g/日以上となるように摂取することが好ましく、0.1g/日以上となるように摂取することがより好ましく、0.5g/日以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は、例えば、30g/日であり、好ましくは20g/日であり、より好ましくは10g/日である。本発明の経口組成物は、1日の摂取量が前記摂取量となるように、1つの容器に、又は例えば2〜3の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0046】
本発明の経口組成物は、必要に応じて、本発明の成分以外の他の成分を添加して、公知の方法によって製造することができる。本発明の成分以外の他の成分としては、例えば、タウリン、ニンニク等に含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチン等のフラバノイド或いはフラボノイド類;コラーゲン等のタンパク質;ペプチド;アミノ酸;動物性油脂;植物性油脂;動物・植物の粉砕物又は抽出物等を挙げることができる。
【0047】
本発明の経口組成物は、一般的な食品、食品添加剤、飼料等の他、優れた細胞賦活作用に基づき、代謝促進作用、抗肥満作用を有し、ダイエット効果を有することから、例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品や、医薬品(医薬部外品を含む)として用いることができる。いわゆる健康食品においては、「細胞を賦活する」、「細胞を活性する」、「代謝を促進する」、「肥満の予防に」、「肥満を予防したい方に」、「肥満の改善に」、「肥満を改善したい方に」、「ダイエットに」、「ダイエットしたい方に」「ダイエットをサポート」「メラメラをサポート」等を表示したものを例示することができる。
【0048】
すなわち、本発明の組成物は、いわゆる健康食品や医薬品等のダイエットのために用いられるダイエット用経口組成物として用いることができ、かかるダイエット用経口組成物としては、泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種の機能性素材を含有し、細胞賦活や代謝促進、抗肥満、ダイエットに用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物のいずれかに、細胞賦活や代謝促進、抗肥満、ダイエットのほか、肥満の予防、肥満の改善等のダイエットの機能がある旨を表示したものが本発明の範囲に含まれる。
【0049】
本発明の経口組成物は、製品の包装等に、本発明の成分(泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種)が細胞賦活や代謝促進、抗肥満、ダイエットの有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよく、特定の素材を有効成分として表示したものであってもよい。
【0050】
本発明の組成物の配合量は、配合される製品の種類または剤形、投与または摂取の対象の年齢、性別、体重または状態、投与または摂取の方法、時期または時間などに応じて適宜設定され得る。
【0051】
本発明の組成物の投与量は、例えば、有効成分として、通常成人1人につき1日1回当たり10〜10000mg、好ましくは100〜5000mg、特に好ましくは500〜2500mgである。投与時期は、食前、食間および食後のいずれでもよく、数回に分けて投与してもよい。
【0052】
本発明の経口組成物は、後述する実施例で示された細胞賦活作用を奏することにより、細胞賦活用組成物、代謝促進用組成物、抗肥満用組成物、肥満の予防用組成物、肥満の改善用組成物、ダイエット用組成物として優れたものとなり得る。
【実施例】
【0053】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。しかし本発明の範囲はかかる実施例に限定されない。以下、特に断らない場合「%」は質量%を表す。
【0054】
<試験例>
泥炭としては、北欧産の、ペースト状の泥炭を用いた。
ビタミンとしては、粉末状のD−パントテン酸ナトリウムを用いた。
また、ビタミンとしては、粉末状のビタミンD3を用いた。
乳酸菌としては、粉末状の有胞子性乳酸菌(学名:Bacillus coagulans)を用いた。
ピペリンとしては、粉末状のピペリンを用いた。
【0055】
<細胞賦活試験>
(1)細胞培養
37℃、5%CO
2インキュベーター内で、75cm
2フラスコを用いて、ヒト肝癌由来細胞(HepG2、)を培養した。培地としては、P/S(ペニシリン/ストレプトマイシン)を1%添加したDMEMに、10%ウシ胎児血清(FBS)となるように調製したものを使用した。次いでトリプシン処理により浮遊させた細胞をFBS含有培地に懸濁し、75cm
2フラスコからコラーゲンコートした96well plateの各wellに1×10
4cells/wellの細胞密度で播種した。その後、37℃、5%CO
2インキュベーター内で24時間前培養した。各wellより培地を除去後、所定濃度に調製した被験物質含有の調製用培地を100μL/well添加し、37℃、5%CO
2インキュベーター内で24時間培養した。なお、調製用培地としては、P/Sを1%添加したDMEMに、10%FBS、0.5%DMSO、0.5mM H
20
2となるように調製したものを使用した。
【0056】
(2)被験試料の調製
各被験物質を、調製用培地を用いて、表1乃至4の濃度となるように調製した。泥炭と、他素材(ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種)の組み合わせ(実施例1乃至4)は、泥炭と他素材を1:1の割合で混合したものを使用した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
(3)細胞賦活測定
上記の24時間培養後、培地を除去し、無血清DMEM200μL/wellで洗浄した。その後、30容量倍に希釈したCell counting kit−8溶液(同仁化学製社製)を各wellに150μLずつ添加し、37℃、5%CO
2インキュベーター内に静置し適度に発色させた後、450nmにおける吸光度を測定した。
【0062】
得られたデータを元に% of controlを算出した。
% of control = (Data sample−Data blank) /(Data control−Data blank)×100
【0063】
得られた結果を
図1乃至4に示す。
図1乃至4には、3連の平均値及び標準偏差を記載した。数値は、高いほど細胞賦活効果が高いことを示す。
図1乃至4に示す結果から明らかな通り、泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種とを含有する実施例1乃至4は、泥炭、ビタミン、乳酸菌、ピペリンのそれぞれのみからなる比較例1乃至6よりも、細胞賦活の優れた作用を有することが分かる。したがって、泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種とを含有することにより、細胞を賦活させ、代謝を促進して、その結果、抗肥満効果、ダイエット効果を得られる。
【0064】
以下に本発明の種々の態様の例を挙げるが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されない。
【0065】
<製造例1乃至3>
下記表5の配合にて、泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種を配合して、均一になるように混合した後、打錠装置を用いて成形することによって錠剤を製造した(1粒あたり250mg)。得られた飲食用組成物を摂取したところ、細胞賦活作用が高く、ダイエット効果が高いものであった。
【0066】
【表5】
【0067】
<製造例4乃至6>
下記表6の配合にて、泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種を配合して型流動層造粒機に投入し、数分間気流で混合し、これに、水60Lを1分間に2000mL噴霧することにより造粒を行った。つづいて、得られた造粒物を30メッシュの篩いにて篩別し顆粒を製造した。得られた飲食用組成物を摂取したところ、細胞賦活作用が高く、ダイエット効果が高いものであった。
【0068】
【表6】
【0069】
<製造例7乃至9>
下記表7の配合にて、泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種を配合して、均一になるように混合することによって粉末飲料を製造した。得られた飲食用組成物3gを150mLの水と混合し、飲用したところ、細胞賦活作用が高く、ダイエット効果が高いものであった。
【0070】
【表7】
【0071】
<製造例10乃至12>
下記表8の配合にて、泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種をそれぞれ配合して、均一になるように混合し、ゼラチン及びグリセリンを含む被膜で被包することによってソフトカプセルを製造した(1粒あたり300mg)。得られた飲食用組成物を摂取したところ細胞賦活作用が高く、ダイエット効果が高いものであった。
【0072】
【表8】
【0073】
<製造例13乃至15>
下記表9の配合にて、泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種をそれぞれ配合して、均一になるように混合し、ゼラチンを含む被膜に充填することによってハードカプセルを製造した(1粒あたり350mg)。得られた飲食用組成物を摂取したところ細胞賦活作用が高く、ダイエット効果が高いものであった。
【0074】
【表9】
【0075】
<製造例16乃至18>
下記表10の配合にて、泥炭と、ビタミン、乳酸菌及びピペリンから選ばれる少なくとも1種をそれぞれ配合して、均一になるように混合することによって液体飲料を製造した。得られた飲食用組成物を摂取したところ、細胞賦活作用が高く、ダイエット効果が高いものであった。
【0076】
【表10】