(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-185783(P2021-185783A)
(43)【公開日】2021年12月13日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01D 61/00 20060101AFI20211115BHJP
A01F 12/10 20060101ALI20211115BHJP
【FI】
A01D61/00 301C
A01D61/00 301E
A01F12/10 K
A01F12/10 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-92368(P2020-92368)
(22)【出願日】2020年5月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】加藤 勝秀
(72)【発明者】
【氏名】竹中 満
(72)【発明者】
【氏名】林 茂幸
(72)【発明者】
【氏名】永田 哲治
(72)【発明者】
【氏名】古野 文雄
【テーマコード(参考)】
2B084
【Fターム(参考)】
2B084AA01
2B084AC05
2B084BB03
2B084BB13
2B084BB25
2B084BD05
2B084BD19
2B084BD26
2B084BF03
2B084BF07
2B084BH01
(57)【要約】
【課題】穀稈の株元に水分が多く含まれているような場合であっても、搬送される穀稈の受け渡しが円滑に行えるようにすることが要望されていた。
【解決手段】穀稈搬送装置により搬送される穀稈の株元を挟持して穀稈を後方に搬送するフィードチェーン15と、穀稈の穂先を扱き処理する脱穀装置4と、フィードチェーン15よりも機体内側に位置して、搬送される穀稈の株元を搬送する第1補助搬送装置32と、搬送される穀稈の株元のうち、第1補助搬送装置32によって搬送される部分よりも機体外側の部分をフィードチェーン15の搬送始端部に向けて搬送する第2補助搬送装置48と、が備えられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取部で刈り取られた穀稈を後方に搬送する穀稈搬送装置と、
前記穀稈搬送装置により搬送される穀稈の株元を挟持して穀稈を後方に搬送するフィードチェーンと、
前記フィードチェーンにより挟持搬送しながら穀稈の穂先を扱き処理する脱穀装置と、
前記フィードチェーンよりも機体内側に位置して、搬送される穀稈の株元を前記フィードチェーンの搬送始端部に向けて搬送する第1補助搬送装置と、
前記穀稈搬送装置と前記フィードチェーンとの間において、前記第1補助搬送装置よりも機体外側に位置しかつ前記フィードチェーンの前方に位置する状態で、搬送される穀稈の株元のうち、前記第1補助搬送装置によって搬送される部分よりも機体外側の部分を前記フィードチェーンの搬送始端部に向けて搬送する第2補助搬送装置と、が備えられているコンバイン。
【請求項2】
前記第1補助搬送装置よりも機体外側に位置する状態で、前記穀稈搬送装置により搬送される穀稈の株元を下方から支持するガイド部材が備えられ、
前記第2補助搬送装置は、前記ガイド部材よりも機体外側に位置している請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記第2補助搬送装置が、外周部に移送用の係止部を有する回転体である請求項1又は2に記載のコンバイン。
コンバイン。
【請求項4】
前記係止部における穀稈に係止作用する作用面が、径方向外側ほど回転方向上手側に位置するように傾斜する請求項3に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記第1補助搬送装置は、複数の案内輪体と、前記複数の案内輪体にわたって掛け渡される無端回動体とを備え、
前記複数の案内輪体のうち最も機体前部側に位置する前部側案内輪体の回転軸が機体外側に向けて延長突出され、
前記第2補助搬送装置が、前記回転軸の突出部分に取り付けられている請求項1から4のいずれか一項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取部で刈り取られた穀稈を後方に搬送する穀稈搬送装置と、前記穀稈搬送装置により搬送される穀稈の株元を挟持して穀稈を後方に搬送するフィードチェーンと、前記フィードチェーンにより挟持搬送しながら穀稈の穂先部を扱き処理する脱穀装置と、が備えられているコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
穀稈搬送装置は、刈取穀稈の株元を挟持して搬送する株元挟持搬送部と、穂先を係止搬送する穂先係止搬送部とを備えて、起立姿勢の刈取穀稈を横倒れ姿勢に変更するように案内しながら後方に搬送する。穂先係止搬送部は、脱穀装置の穀稈供給口の近くまで穂先を係止搬送するように構成されている。そして、株元挟持搬送部とフィードチェーンとの間に、フィードチェーンより少し機体内方(穂先側)に寄った箇所に無端回動チェーンからなる補助搬送装置が備えられたものがあった。又、株元挟持搬送部とフィードチェーンとの間に、株元挟持搬送部の搬送終端部から後方に延びる状態で株元を下方から支持しながら案内する棒状のガイド部材が備えられる場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−121938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、穀稈が乾燥している通常の状態であれば穀稈の搬送が良好に行えるが、例えば、穀稈の株元が水分を多く含んでいるような場合には、フィードチェーンへの受け渡し箇所において穀稈が滞留して搬送が良好に行えなくなるおそれがあった。
【0005】
説明を加えると、穀稈が乾燥している場合には問題はないが、穀稈の株元が水分を多く含んでいると穀稈の株元が重くなる。このように株元が濡れて重くなっていると、株元が下方に垂れ下がり穀稈の下方に位置する部材に接触して、摺動抵抗が大きくなる等、株元の移送に対する抵抗が大きくなって搬送が遅れ気味になる。穂先は、脱穀装置の穀稈供給口の近くまで強制的に係止搬送されるので、穂先が先行し過ぎる状態で移送され、搬送姿勢が乱れてしまうことがある。そうすると、搬送姿勢の乱れに起因して穀稈が滞留してしまい、後続の刈取穀稈が堆積する状態となって、搬送が良好に行えなくなる。
【0006】
そこで、穀稈の株元に水分が多く含まれているような場合であっても、搬送される穀稈の受け渡しが円滑に行えるようにすることが要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコンバインの特徴構成は、刈取部で刈り取られた穀稈を後方に搬送する穀稈搬送装置と、前記穀稈搬送装置により搬送される穀稈の株元を挟持して穀稈を後方に搬送するフィードチェーンと、前記フィードチェーンにより挟持搬送しながら穀稈の穂先を扱き処理する脱穀装置と、前記フィードチェーンよりも機体内側に位置して、搬送される穀稈の株元を前記フィードチェーンの搬送始端部に向けて搬送する第1補助搬送装置と、前記穀稈搬送装置と前記フィードチェーンとの間において、前記第1補助搬送装置よりも機体外側に位置しかつ前記フィードチェーンの前方に位置する状態で、搬送される穀稈の株元のうち、前記第1補助搬送装置によって搬送される部分よりも機体外側の部分を前記フィードチェーンの搬送始端部に向けて搬送する第2補助搬送装置と、が備えられている点にある。
【0008】
本発明によれば、穀稈搬送装置によって搬送されてきた穀稈が、第1補助搬送装置によって送り作用を受けてフィードチェーンに向けて搬送される。このとき、第1補助搬送装置によって搬送される部分よりも機体外側の部分が、第2補助搬送装置によってフィードチェーンに向けて搬送される。その結果、株元に水分を多く含まれて、摺動抵抗が大きくなるようなおそれがあっても、第2補助搬送装置によって強制的に搬送されるので、穀稈の株元が滞留することがなく、フィードチェーンの始端部に向けて良好に搬送される。
【0009】
従って、穀稈の株元に水分が多く含まれているような場合であっても、搬送される穀稈の受け渡しが円滑に行えるようにすることが可能となった。
【0010】
本発明においては、前記第1補助搬送装置よりも機体外側に位置する状態で、前記供給搬送装置により搬送される穀稈の株元を下方から支持するガイド部材が備えられ、前記第2補助搬送装置は、前記ガイド部材よりも機体外側に位置していると好適である。
【0011】
本構成によれば、水分が多く含まれて株元が重くなっている場合であっても、ガイド部材によって株元部が下方から支持されるので、株元が下方に垂れ下がることを阻止しながら、後方に搬送することができる。このようなガイド部材により支持する際に、摺動抵抗が作用しても、第2補助搬送装置による搬送力が作用して滞留することなく円滑に搬送することができる。
【0012】
本発明においては、前記第2補助搬送装置が、外周部に移送用の係止部を有する回転体であると好適である。
【0013】
本構成によれば、第2補助搬送装置は、回転体からなり、例えば、複数の輪体にわたって掛け渡される無端回動チェーン等のような構成に比べて簡素な構成でありながら、外周部に設けられた係止部が穀稈の株元に係止作用して確実に送り作用を発揮することができる。
【0014】
本発明においては、前記係止部における穀稈に係止作用する作用面が、径方向外側ほど回転方向上手側に位置するように傾斜すると好適である。
【0015】
本構成によれば、第2補助搬送装置の係止部が、穀稈の株元部に係止して送り作用を発揮する回転移送領域から、穀稈に対する係止作用を解除して穀稈を後方に送り出す解除領域にまで回転したときに、係止部の作用面が係止している穀稈から抜け外れし易いものになる。
【0016】
本発明においては、前記第1補助搬送装置は、複数の案内輪体と、前記複数の案内輪体にわたって掛け渡される無端回動体とを備え、前記複数の案内輪体のうち最も機体前部側に位置する前部側案内輪体の回転軸が機体外側に向けて延長突出され、前記第2補助搬送装置が、前記回転軸の突出部分に取り付けられていると好適である。
【0017】
本構成によれば、第1補助搬送装置の案内輪体の回転動力を利用することにより、専用の伝動機構を設ける等の構造の複雑化を招くことなく、第1補助搬送装置と同期した状態で、第2補助搬送装置を回転駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3】フィードチェーンへの穀稈受け渡し箇所の平面図である。
【
図4】フィードチェーンへの穀稈受け渡し箇所の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、矢印「F」の方向を「機体前側」、矢印「B」の方向を「機体後側」(
図1,4,5参照)とし、矢印「L」の方向を「機体左側」、矢印「R」の方向を「機体右側」(
図2,3,6参照)とする。
【0020】
図1に示すように、コンバインは、左右のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に横軸芯P周りで揺動操作可能に刈取搬送部3が連結され、走行機体2の後部に機体横幅方向に並ぶ状態で脱穀装置4と穀粒を貯留する穀粒タンク5とが備えられている。走行機体2の前部右側箇所にキャビン6にて覆われた搭乗運転部7が備えられている。
【0021】
刈取搬送部3は、伝動ケースを兼ねた筒状の刈取部フレーム8を介して、横軸芯P周りで揺動操作可能に機体に支持されている。刈取部フレーム8は、前下がり傾斜姿勢で備えられており、この刈取部フレーム8の後端基部が、走行機体2の前端部に立設された支持台9に横軸芯Pを中心として上下揺動可能に連結支持されている。刈取部フレーム8の前端部には、刈取搬送部3の支持枠部10が連結されている。刈取搬送部3は、刈取部フレーム8と一体的に油圧シリンダ11で上下に揺動操作されるようになっている。
【0022】
図1,2に示すように、刈取搬送部3は、倒伏した植立穀稈を引き起こす複数の引起し装置12、引起された植立穀稈の株元を切断する刈取部としてのバリカン型の刈刃13、刈刃により株元が切断された縦姿勢の刈取穀稈を徐々に横倒れ姿勢に姿勢変更しながら、機体後方側に位置する脱穀装置4に向けて搬送する穀稈搬送装置14等を備えている。
【0023】
図1に示すように、穀稈搬送装置14の後方には、穀稈の株元を挟持搬送するフィードチェーン15が備えられ、脱穀装置4は、株元がフィードチェーン15によって挟持されて搬送される穀稈の穂先側を内部の扱室にて脱穀処理する。扱室においては、図示はしないが、扱胴と受網とによって穀稈の穂先を扱き処理する。そして、扱室の下方に備えられた選別部にて脱穀処理物に対する穀粒選別処理を実行して、得られた穀粒を穀粒タンク5にて貯留する。詳述はしないが、穀粒タンク5にて貯留される穀粒を外部に排出する穀粒排出装置16が備えられている。
【0024】
図3に示すように、穀稈搬送装置14は、引き起した穀稈を各条毎に後方に軽く掻き込む補助搬送ベルト17、刈り取られた穀稈の株元を各条毎に後方に掻き込み搬送する回転パッカ18、刈り取られた穀稈を2条ずつ刈幅内の中間部位に搬送して合流する3組の合流搬送装置19,20,21、および、合流された穀稈を脱穀装置4の横外側に備えられたフィードチェーン15の始端部にまで搬送する供給搬送装置22等が備えられている。
【0025】
図2に示すように、機体左側の合流搬送装置19は、左2条の刈取穀稈の株元を挟持搬送する株元搬送機構19aと穂先を係止搬送する穂先搬送機構19bとで構成される。中央部の合流搬送装置20は、中2条用の株元搬送機構20aと穂先搬送機構20bとで構成される。機体右側の合流搬送装置21は、右2条用の株元搬送機構21aと穂先搬送機構21bとから構成されている。株元搬送機構19a、20a,21aの前端に補助搬送ベルト17および回転パッカ18がそれぞれ装備され、2条単位で隣接する回転パッカ18同士が噛み合い連動されている。
【0026】
供給搬送装置22は、右2条の穂先搬送機構21bをフィードチェーン15の前方まで延ばされている穂先係止搬送機構23と、3組の合流搬送装置19,20,21による穀稈合流箇所から後方に延出された株元挟持搬送機構24と、フィードチェーン15の前方に配備された横回し型の中継搬送装置25とで構成されている。合流搬送装置19,20,21で合流された立姿勢の穀稈は供給搬送装置22の始端部に受取られ、後方上方に搬送されながら穀稈が横倒れ姿勢に変更されてフィードチェーン15の始端部に受け渡されるようになっている。
【0027】
図3に示すように、中継搬送装置25は、傾斜姿勢に巻回された搬送チェーン25aと、搬送穀稈を挟持する挟持レール25bとを備えている。搬送チェーン25aは、支持板(図示せず)によって回動可能に支持された複数の輪体25cにわたって巻回され、穂先係止搬送機構23からの動力によって回動操作される。搬送チェーン25aの支持板によって円弧状に案内される箇所に、挟持レール23bが備えられている。挟持レール23bは、保持枠26の内部に収容された図示しないバネによりが搬送チェーン25aに向けて押し付勢される状態で支持されている。保持枠26は、刈取部フレーム8の前端部から後上方に延びる支持杆27の後端部に支持されている。
【0028】
中継搬送装置25の支持板(図示せず)の裏面側に固定され、かつ、斜め後方外方に向けて延出されて片持ち状に延びる棒状のガイド部材28が取付けられている。ガイド部材28は、穀稈の株元のうち中継搬送装置25で挟持される箇所よりも株端側の箇所を、下方側から受止めてフィードチェーン15に向けて摺動案内する。
【0029】
図1,4に示すように、フィードチェーン15の上側に対向する状態で挟持レール29が備えられ、フィードチェーン15と挟持レール29とにより穀稈の株元を挟持して後方に搬送するように構成されている。
【0030】
図2,3,4に示すように、フィードチェーン15の前端部には、搬送される穀稈を上方から押え案内する押え部材30が備えられている。押え部材30は、バネ31によりフィードチェーン15に向けて押圧付勢されている。
【0031】
脱穀装置4の入口前方には、フィードチェーン15より少し機体内側(穂先側)に位置する状態で、穀稈の株元をフィードチェーン15の搬送始端部に向けて搬送する第1補助搬送装置32が備えられている。この第1補助搬送装置32は、縦回し巻回された突起付きの搬送チェーン33と、これの上方に対向して配備され、搬送される穀稈を上方から押え案内する押え部材34とを備えている。押え部材34は図示しないバネにより搬送チェーン33に向けて押圧付勢されている。
【0032】
図5,6に示すように、搬送チェーン33は、上部側に位置する前後の案内輪体35,36、それらの下方に位置する駆動輪体37、及び、駆動輪体37の下方に位置するテンション輪体38にわたって巻回されている。各輪体36〜38は、支持台9から上方に延びるパイプフレーム39に支持されている。パイプフレーム39の上部が横方向に延びるように前後方向視で略L字形に曲げられ、その横向き部の先端に支持部材40が連結されている。支持部材40の前後両側に平面視略U字状の軸支持部41が備えられ、前後の軸支持部41により前後の案内輪体35,36の回転軸35a,36aが回動可能に支持されている。パイプフレーム39の上下中間部に枢支ボス部42が連結され、駆動輪体37が一体回動可能な状態で装着される回転軸37aが枢支ボス部42により回動可能に内挿支持されている。
【0033】
搬送チェーン33よりも機体内側に、搬送チェーン33に動力を伝達する駆動チェーン43が備えられている。駆動チェーン43は、刈取搬送部3の揺動支点部に対応する位置に備えられた駆動輪体44と従動輪体45とにわたって巻回されている。従動輪体45は、枢支ボス部42により回動可能に内挿支持された回転軸37aに一体回動する状態で装着されている。エンジンからの動力が駆動輪体44に伝達され、駆動チェーン43、回転軸37a、及び、駆動輪体37を介して搬送チェーン33に伝達される。
【0034】
回転軸37aの外周部に軸芯周りで揺動可能に揺動アーム46が支持されている。揺動アーム46の一方の揺動端に回動可能にテンション輪体38が支持され、揺動アーム46の他方の揺動端に引っ張りバネ47が備えられている。テンション輪体38は、引っ張りバネ47の付勢力により、揺動アーム46を介して搬送チェーン33に緊張力を付与する方向に移動付勢される。
【0035】
第1補助搬送装置32よりも機体外側に寄った箇所をガイド部材28が後方に延びる状態で備えられている。穀稈の株元が中継搬送装置25から後方に向けて片持ち状に延びるガイド部材28によって摺動案内される。
【0036】
図3に示すように、穀稈搬送装置14とフィードチェーン15との間において、第1補助搬送装置32よりも機体外側に位置しかつフィードチェーン15の前方に位置する状態で、搬送される穀稈の株元のうち、第1補助搬送装置32によって搬送される部分よりも機体外側の部分をフィードチェーン15の搬送始端部に向けて搬送する第2補助搬送装置48が備えられている。
【0037】
第2補助搬送装置48は、ガイド部材28よりも機体外側に位置しており、外周部に移送用の係止部49を有する回転体にて構成されている。すなわち、
図4,5に示すように、第2補助搬送装置48は、外周部に径方向外方に突出する係止部49が周方向に並ぶ状態で複数形成された略星形の円板状部材にて構成されている。
【0038】
図6に示すように、搬送チェーン33を支持する前後の案内輪体35,36のうち最も機体前部側に位置する前部側の案内輪体35の回転軸35aが機体外側に向けて延長突出されている。この回転軸35aの突出部分35bに第2補助搬送装置48が一体回転する状態で取り付けられている。第1補助搬送装置32の搬送チェーン33が回動すると、それに伴って前部側の案内輪体35が回転軸35aと共に回転し、それに伴って第2補助搬送装置48が同期する状態で回転する。これにより、第2補助搬送装置48が穀稈の株元をフィードチェーン15に向けて送り出すように係止搬送する。
【0039】
図5に示すように、係止部49における穀稈に係止作用する作用面49a、すなわち、回転方向下手側に位置する端面が、径方向外側ほど回転方向上手側に位置するように傾斜している。つまり、係止部49は回転方向と反対方向に後退する後退角を有しており、穀稈の株元に対して係止して搬送方向下手側に送り出すときに、係止部49が穀稈から外れ易くなり、穀稈の円滑な搬送を行うことができる。
【0040】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、第2補助搬送装置48がガイド部材28よりも機体外側に位置する構成としたが、この構成に代えて、第2補助搬送装置48がガイド部材28よりも機体内側に位置する構成としてもよい。又、ガイド部材28を設けない構成としてもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では、第2補助搬送装置48が外周部に移送用の係止部49を有する回転体にて構成されるものを示したが、この構成に代えて、複数の輪体にわたって巻回される突起付無端回動チェーンを備える構成であってもよい。
【0042】
(3)上記実施形態では、第2補助搬送装置48が第1補助搬送装置32の案内輪体35の回転軸35aを利用して回転駆動される構成としたが、このような構成に代えて、例えば、フィードチェーン15から動力が伝達される構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、自脱型のコンバインに適用できる。
【符号の説明】
【0044】
4 脱穀装置
13 刈取部
14 穀稈搬送装置
15 フィードチェーン
28 ガイド部材
32 第1補助搬送装置
33 無端回動体
35,36 案内輪体
35a 回転軸
35b 突出部分
48 第2補助搬送装置
49 係止部
49a 作用面