【解決手段】電位を心臓組織付近の流体から検知しながら、その組織に電極を接触させることができるシステム及び方法を含む。組織と接触する電極は、エンドエフェクタ100によって担持され得るが、それらが接触する組織を検知及び/又はアブレーションするために使用することができる。基準電極は、エンドエフェクタに接続されたシャフト9によって絶縁されることができ、エンドエフェクタに接続されたシャフトの形状によって心臓組織と接触するのを防止されている間、組織の近くの流体から、電位を検知することができるようになっている。基準電極は管状であってもよく、流体と接触しかつ電位を検知するように構成されている内側表面と、電気的に絶縁された外側表面とを有していてよい。基準電極は、シャフトを通って延在している灌注管の延長部として機能することができる。
前記スパイン電極が前記心臓血管組織と接触していて、前記基準電極の前記外側表面が前記コネクタによって前記心臓血管組織から電気的に絶縁されている間、前記コネクタが、前記心臓血管組織に接触することが可能である、請求項2に記載の装置。
前記スパイン電極は、前記スパイン電極が前記心臓血管組織と接触するように構成されているときに、グリッドを形成するように配置されている、請求項1に記載の装置。
前記基準電極及び前記コネクタを取り付けて、前記基準電極の遠位端と前記コネクタの遠位端が、互いにほぼ同一平面上及び同軸であるようにすることを更に含む、請求項14に記載の方法。
前記細長いシャフトを前記エンドエフェクタに接合して、前記スパイン電極が前記心臓血管組織と接触している間、かつ前記基準電極が前記コネクタによって前記心臓血管組織から電気的に絶縁されている間に、前記コネクタが、前記心臓血管組織に接触することができるようにすることを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に提示される例は、一般に、電位を心臓組織付近の流体から検知しながら、その組織に電極を接触させることができるシステム及び方法を含む。組織と接触する電極は、エンドエフェクタによって担持され得る。エンドエフェクタセンサは、それらが接触している心臓組織をアブレーションし、かつ/又はその組織から電位を検知するように構成され得る。基準電極は、エンドエフェクタに接続されたシャフトによって絶縁されることができ、シャフトの形状によって心臓組織との接触が防止されている間、組織近くの流体からの電位を検知することができる。基準電極は、治療領域を灌注するように配置された灌注管の延長部として更に機能することができる。
【0009】
例示的な装置は、細長いシャフト、エンドエフェクタ、及び基準電極を含むことができる。細長いシャフトの近位部分を操作して、細長いシャフトの遠位部分を患者の心臓内に配置することができる。エンドエフェクタは、細長いシャフトの遠位部分の近くに配設することができ、かつ、それぞれが少なくとも1つのスパイン電極を担持するスパインを含むことができる。心臓血管組織に接触するように、スパイン電極は、配置される及びそのように構成されたその他の状態にされ得る。スパイン電極は、組織から電位を受信するように更に構成することができる。基準電極は、管状の導電性内側表面と共に、外側表面を含むことができる。基準電極は、電極が細長いシャフトを越えて突出しないように、細長いシャフト内に配置され得る。内側表面は、流体から電位を受信することができ、その結果、基準電極によって受信された電位が、スパインによって担持された電極によって受信された組織の電位の基準信号として作用する。基準電極の外側表面は、電気的絶縁カバーによって、流体の電位から実質的に、電気的に絶縁され得る。
【0010】
装置は、細長いシャフトをエンドエフェクタに接合しているコネクタを更に含むことができる。コネクタは、基準電極の外側表面を電気的に絶縁する電気的絶縁カバーを含むことができる。
【0011】
基準電極は、コネクタの遠位端とほぼ同一平面上又は同軸の遠位端を有することができる。コネクタは、基準電極が、コネクタの遠位端とほぼ同一平面上又は同軸であることによって、シャフトの遠位端とほぼ同一平面上又は同軸になるようにシャフトの遠位側延長部であり得る。
【0012】
コネクタは、スパイン電極が心臓血管組織と接触している間、かつ基準電極がコネクタによって心臓血管組織から電気的に絶縁されている間、心臓血管組織と接触することができる。
【0013】
エンドエフェクタは、装置の長手方向軸線と位置揃えされた非拘束構成と、非拘束構成における特定の形状とを有することができる。コネクタは、長手方向軸線に直交して測定された直径を有する管状外側表面を含むことができる。エンドエフェクタは、エンドエフェクタが非拘束構成にあるときに、長手方向軸線に直交して測定される高さと、高さ及び長手方向軸線に直交して測定される幅とを有することができる。エンドエフェクタの高さは、コネクタの管状外側表面の直径とほぼ等しい又はそれより小さく、エンドエフェクタの幅は、コネクタの管状外側表面の直径よりも大きくなり得る。
【0014】
装置は、基準電極の内側表面と流体連通する灌注管を更に含むことができる。基準電極は、灌注管の遠位側延長部として機能し得る。灌注管は、基準電極のルーメン内、及び/又は基準電極の外側表面の周囲に配置することができる。基準電極の外側表面が細長いシャフトをエンドエフェクタに接合しているコネクタによって電気的に絶縁されていることに加えて、あるいはそれに代えて、基準電極の外側表面は、基準電極の外側表面上に配置された灌注管の一部によって電気的に絶縁され得る。
【0015】
スパイン電極は、複数のスパイン電極が心臓血管組織と接触しているときに、心臓血管組織上で、基準電極の位置に対して、望ましくは半径方向に非対称なパターンで分布するように配置されることができる。
【0016】
スパイン電極は、複数のスパイン電極が心臓血管組織と接触しているときに、矩形グリッドを形成するように配置され得る。
【0017】
エンドエフェクタは、3つのループ部材を含む特定の形状を有することができる。ループ部材のそれぞれは、スパインのうちの少なくとも1つを含むことができる(スパインのそれぞれは、組織に接触するように配置されている電極を担持している)。ループ部材は、共通の遠位側頂点で接合されることができる。エンドエフェクタが非拘束状態であるとき、遠位側頂点は、細長いシャフトによって画定される長手方向軸線と位置揃えされている。3つのループ部材のそれぞれは、細長いシャフトの遠位部分に固定された、それぞれの一対の端部を含むことができる。エンドエフェクタは、長手方向軸線に対してある角度で、非拘束構成から離れるように偏向して、スパイン電極を平面表面に押し当てて配置することができる。
【0018】
コネクタは、ループ部材のそれぞれ対応する一対の端部のそれぞれを、細長いシャフトの遠位部分に固定することができる。
【0019】
エンドエフェクタは、長手方向軸線に対してある角度で偏向して、スパイン電極を心臓血管組織の平面領域に押し当てて配置することができる。
【0020】
スパイン電極が心臓血管組織と接触しているときには、そのスパイン電極は心臓血管組織から電位を受信することができる。
【0021】
スパイン電極が心臓血管組織と接触しているときには、そのスパイン電極はアブレーションを行うことができる。
【0022】
例示的な方法は、以下の順不同で提示される工程のうちの1つ以上を含むことができる。エンドエフェクタは、エンドエフェクタが、心臓血管組織に接触し、その組織から電位を受信するように構成された少なくとも1つのスパイン電極を、上に担持するように組み立てられ得る。基準電極は、エンドエフェクタに関連して取り付けられ得るが、基準電極は、流体からの電位がスパイン電極によって受信されている電位のための基準信号として作用することを目的として、基準電極の管状内側表面が電位を流体から受信するよう構成されるように、エンドエフェクタに関連して固定され得る。基準電極の外側表面は、電気的に絶縁することができ、その際、内側表面が心臓血管組織に近い流体の電位を受信することが可能である間に、外側表面が、流体からの電位から電気的に絶縁されるようになっている。エンドエフェクタ及び基準電極は、細長いシャフトの遠位部分に固定することができ、細長いシャフトは、細長いシャフトの近位部分で操作されて、遠位部分を患者の心臓内に配置するように構成されている。
【0023】
本方法は、コネクタを用いて細長いシャフトをエンドエフェクタに接合し、コネクタを用いて基準電極の外側表面を電気的に絶縁することを更に含むことができる。本方法は、エンドエフェクタを、コネクタと、部分的に電極を露出しかつ組織に触れる可能性がない状態で配置されている、基準電極の外側表面とを接合することを更に含むことができる。
【0024】
本方法は、基準電極及びコネクタを、基準電極の遠位端及びコネクタの遠位端が互いにほぼ同一平面上及び同軸になるように、取り付けることを更に含むことができる。コネクタは、基準電極が、コネクタの遠位端とほぼ同一平面上又は同軸であることによって、シャフトの遠位端とほぼ同一平面上又は同軸になっているため、シャフトの遠位側延長部であり得る。
【0025】
本方法は、コネクタが、心臓血管組織と接触している間、かつ基準電極が、コネクタによって心臓血管組織から電気的に絶縁されている間に、コネクタが、心臓血管組織に接触することができるように、細長いシャフトをエンドエフェクタに接合することを更に含むことができる。
【0026】
本方法は、エンドエフェクタが非拘束構成を有し、エンドエフェクタが非拘束構成にあるときには、エンドエフェクタは、ほぼ、コネクタの管状外側表面の直径と等しい又はそれより小さい高さを有し、かつ、コネクタの管状外側表面の直径よりも大きい幅を有する。なお、上記の直径及び高さは、細長いシャフトによって画定される長手方向軸線に直交して測定され、上記の幅は、長手方向軸線及び高さの測定方向に直交して測定されるように、エンドエフェクタを組み立てることを更に含み得る。
【0027】
この方法は、灌注管が基準電極の内側表面と流体連通するように細長いシャフト内に灌注管を配置することを、更に含み得る。
【0028】
この方法は、基準電極が灌注管の遠位側延長部となるように、基準電極を灌注管に取り付けることを更に含み得る。
【0029】
本方法は、矩形グリッド状にスパイン電極を配置することを更に含むことができる。あるいは、本方法は、非矩形のグリッド状にスパイン電極を配置することを更に含むことができる。
【0030】
本方法は、それぞれがそれぞれのループを形成するように、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を成形することと、それぞれの第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材の、それぞれ対応する端部対を、細長いシャフトの遠位部分に連結することと、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を、細長いシャフトの遠位部分の遠位側にある共通の遠位側頂点で接合することと、エンドエフェクタを、細長いシャフトによって画定された長手方向軸線に対してある角度で偏向させて、スパイン電極を平面表面に押し当てて配置するように構成することと、を更に含み得る。
【0031】
本方法は、コネクタを用いて、それぞれ対応する対の端部のそれぞれを、細長いシャフトの遠位部分に固定することと、コネクタを用いて、基準電極の外側表面を、電気的に絶縁することと、を更に含むことができる。
【0032】
本方法は、エンドエフェクタを長手方向軸線に対してある角度で偏向させて、スパイン電極を心臓血管組織の平面領域に押し当てて配置するように、エンドエフェクタを構成することを更に含み得る。
【0033】
別の例示的な方法は、以下の順不同で提示される工程のうちの1つ以上を含むことができる。この例示的方法の工程は、前述の例示的方法の工程と組み合わせることができる。細長いシャフトの遠位部分、及び細長いシャフトの遠位部分から遠位方向に延在しているエンドエフェクタは、カテーテルを通して心臓まで移動され得る。細長いシャフトの近位部分の操作によって、エンドエフェクタを、カテーテルの遠位端から移動させることができる。エンドエフェクタによって担持されるスパイン電極は、細長いシャフトの近位部分の操作によって、心臓血管組織のそばに並置され得る。スパイン電極は心臓血管組織と対向している間に、心臓血管組織に近接する流体から、電位を、基準電極の内側表面を介して受信することができ、基準電極の外側表面は、電位から電気的に絶縁されている。
【0034】
本方法は、スパイン電極が心臓血管組織に対向している(すなわち、物理的に接触している)間に、エンドエフェクタを細長いシャフトの遠位端に接合しているコネクタを心臓血管組織に接触させることと、基準電極の外側表面を、電位から電気的に絶縁することと、を更に含むことができる。
【0035】
本方法は、基準電極の内側表面によって画定されたルーメンを通して心臓血管組織を灌注することを更に含むことができる。
【0036】
本方法は、スパイン電極を心臓血管組織上に、基準電極の位置に対して半径方向に非対称であるパターンで配置することを更に含み得る。
【0037】
本方法は、スパイン電極を心臓血管組織上に、矩形グリッド状に配置することを更に含むことができる。
【0038】
本方法は、エンドエフェクタを、細長いシャフトによって画定される長手方向軸線に対してある角度で偏向させて、スパイン電極を心臓血管組織に押し当てて配置することを更に含むことができる。スパイン電極が押し当てられて配置されている心臓血管組織は、実質的に平面であり得る。
【0039】
本方法は、スパイン電極が心臓血管組織と対向している間に、スパイン電極を介して心臓血管組織から電位を受信することを更に含み得る。
【0040】
本方法は、スパイン電極が心臓血管組織と対向している間に、スパイン電極を介して心臓血管組織をアブレーションすることを更に含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の特定の例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく一例として例証するものである。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として含む以下の説明文から、関連する当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0043】
本明細書に記載される教示、式、変形例、例等は、本明細書の添付書類に添付された参考文献に提供される例を含む、本明細書に記載される他の教示、式、変形例、例等と組み合わせてもよい。したがって、以下に記載されている教示、式、変形例、例などは、互いに独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、関連する当業者には明らかである。このような修正形態及び変形形態は、特許請求の範囲の範囲に含まれるものとする。
【0044】
本明細書で使用する場合、任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が、本明細書で述べる意図された目的に沿って機能することを可能とするような好適な寸法の許容範囲を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、挙げられた値の±10%の値の範囲を指していてもよく、例えば、「約90%」は、81〜99%の値の範囲を指していてもよい。更に、本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。
【0045】
本明細書で使用する場合、用語「非一過性コンピュータ可読媒体」としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電子的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又はコンピュータ可読情報を記憶するために使用することができる任意の他の有形の物理媒体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0046】
本明細書で使用する場合、用語「管状」及び「管」は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、管状構造又は管状システムは、一般に、実質的に直円柱構造として図示される。しかしながら、管状システムは、本発明の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外側表面を有し得る。
【0047】
本明細書で使用する場合、用語「ワイヤ」は、細長い中実コア及び中空コア構造を含むことができる。導電体を指すために使用される場合、「ワイヤ」という用語は、絶縁導体、非絶縁導体、個々の導体、束ねられた導体、及び集積回路導体を含むことができる。
【0048】
図1は、細長いシャフト9と、遠位電極アセンブリ又はエンドエフェクタ100と、偏向制御ハンドル16とを有する例示的な装置10を示す。装置10は、本明細書に示される新規な態様を含む一方で、いくつかの設計変形形態を有することができる。装置10は、単に例示目的で提示され、限定的であることを意図したものではない。装置の詳細は、米国特許出願第63/031,955号を参照して理解され得るが、当該出願に対して、本出願は優先権の利益を主張し、かつ、当該出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
細長いシャフト9は、細長いカテーテル本体の形状の近位部分12と、中間偏向セクション14と、遠位部分14Aとを有する。偏向制御ハンドル16は、カテーテル本体12の近位端に取り付けられる。シャフトの遠位部分14Aは、コネクタ管材46を介してエンドエフェクタ100に連結される。コネクタ管材46は、コネクタ管材46が細長いシャフト9の一部と見なされるように、本明細書では、細長いシャフトの遠位側延長部と見なされる。細長いシャフト9は、血管構造を通るようにサイズ決めされ、及びその他ではそのような形状に構成された、管状のカテーテル本体を形成する。細長いシャフト9の近位部分12は、シャフト9の遠位部分14Aを患者の心臓内に配置するために(例えば、ハンドル16を介して)操作することができる。エンドエフェクタ100は、共通の遠位側頂点50で互いに重なり合う複数のループ部材1、2、3を有する。ループ部材1、2、3は、機械的連結によって遠位側頂点50で互いに接合され得る。
【0050】
エンドエフェクタ100は、非拘束構成で示されている。装置が非拘束状態でありかつ位置揃えされている場合、近位部分12、中間セクション14、遠位部分14A、及びエンドエフェクタ100は概ね、長手方向軸線A−Aに沿って位置揃えされる。なお、細長いシャフト9が、装置10の長手方向軸線A−Aを画定することができる。中間セクション14は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本明細書の添付書類に添付された、米国特許第9,820,664号に記載されている(
図6及び7を参照)のと同様に、遠位部分14A及びエンドエフェクタ100を屈曲させて、長手方向軸線A−Aから偏向するように構成することができる。装置の詳細は、米国特許出願第63/031,955号を参照して理解され得る。
【0051】
エンドエフェクタ100は、ガイドシース又はカテーテル(図示せず)内に嵌まるように、折り畳まれ得る(長手方向軸線A−Aに向かって圧縮される)。シャフト9は遠位方向に押されて、エンドエフェクタ100を、遠位方向にガイドシース内を通して移動させることができる。エンドエフェクタ100は、シャフト9及び/又は制御ハンドル16の操作を介してガイドシースの遠位端を出るように移動され得る。上記の目的のための好適なガイドシースの一例は、Biosense Webster(Irvine,California,USA)より市販されている、Preface Braided Guiding Sheathである。
【0052】
エンドエフェクタ100は、第1、第2、及び第3のループ部材1、2、及び3を有する。各ループ部材1、2、3は、2つのスパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bと、それぞれ対応するループ部材1、2、3の2つのスパインを接続するコネクタ1C、2C、3Cと、を有する。第1ループ部材1のスパイン1A、1Bは、第1コネクタ1Cによって接続され、第2のループ部材2のスパイン2A、2Bは、第2のコネクタ2Cによって接続され、第3のループ部材3のスパイン3A、3Bは、第3コネクタ3Cによって接続されている。各ループ部材1、2、3は、細長いシャフト9の遠位部分14Aに固定されている(例えば、細長いシャフト9の遠位部分14Aの延長部であるコネクタ46に固定されている)それぞれの対の端部を更に有する。
【0053】
エンドエフェクタ100が、
図1に示されるように、非拘束構成に拡張されている場合には、各ループ部材1、2、3に関して、それぞれのスパインの対中の、スパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bは、それぞれの長さの大部分に沿って実質的に互いに平行であり得る。好ましくは、エンドエフェクタ100が非拘束構成にあるときには、エンドエフェクタ内の全てのスパインは、それらのそれぞれの長さの大部分に沿って互いに平行である。全てのスパインが平行である場合であっても、スパインは必ずしも全て同一平面上にあるというわけではない。装置の詳細は、米国特許出願第63/031,955号を参照して理解され得る。
【0054】
各スパイン1A、1B、2A、2B、3A、又は3Bは、約5〜50mmの範囲の長さ、好ましくは約10〜35mmの範囲の長さ、より好ましくは約28mmの長さを有し得る。各スパイン1A、1B、2A、2B、3A、又は3Bの平行な部分は、約1〜約20mmの範囲の距離、好ましくは約2〜10mmの範囲の距離、より好ましくは約4mmの距離だけ互いに離間し得る。各スパイン1A、1A、1B、2A、2B、3A、3Bは、各スパイン部材につき、好ましくは少なくとも8つの電極を担持している。エンドエフェクタは、好ましくは、図示されるように6つのスパインを含む。6つのスパイン上に8個の電極を有すると、エンドエフェクタ100は、48個の電極を含む。心臓血管組織に接触するように、スパイン電極37は、配置及びそのように構成されたその他の状態にされ得る。スパイン電極37は、接触している組織から電位を受信し、かつ/又はその組織をアブレーションするように構成され得る。
【0055】
図1は、シャフト9の遠位部分14Aの近くに配置された、遠位電極38Dと近位電極38Pとを含むものとして図示されている。電極38D及び38Pは協働して(例えば、1つの電極の一部分を遮蔽し、他の電極上の異なる部分を遮蔽することによって)、基準電極(組織と接触していない電極)を画定するように構成することができる。
図3A〜
図3Fにより詳細に示されるように、装置10は、コネクタ管材46内に配置され、コネクタ管材46によって組織と接触することを防止されることを目的とした基準電極5を含むことができる。基準電極5は、
図1に示される遠位電極38D及び近位電極38Pの一方又は両方に加えて、あるいはその代わりに使用することができる。電極38D及び38Pが組織と接触する可能性があるため、基準電極5が単独で利用されることが好ましい。
【0056】
一部の単極EPマッピング技術においては、組織電位が取得されている組織付近の血液から、基準電位を得ることが望ましい場合がある。換言すれば、第1の電極を組織と接触して置き、それにより、組織から電位を取得して、第2の電極を、接触した組織付近の血液と電気的に連通した状態に置き、それにより、血液から基準電位を取得することが望ましい場合がある。基準電極は、血液と直接接触していてもよく、かつ/又は灌注流体などの他の流体を介して血液と電気的に連通していてもよい。第2の(基準)電極は、血液との電気的連通を維持しながら組織との接触を防止するように構成され得る。第2の(基準)電極が組織と接触するのを回避することによって、第2の(基準)電極が、局所的な組織電位を取得してしまうことを回避し得る。なお、この局所的な組織電位が取得されてしまうと、検知した基準電位の信頼性を損ないかねない。上記の構成では、組織に接触する電極と基準電極とが同じ心腔内に配置されているため、単極信号の特徴を依然として維持しながら、例えば、ノイズの低減及びファーフィールド信号の低減など、双極EPマッピングデバイス及び技術を用いて得られるのと同様の利点を提供し得る。
【0057】
再び
図1を参照すると、エンドエフェクタ100が組織に押し当てられると、外側シャフト9上の基準電極38D、38Pのそれぞれの一方の側が組織に接触し得る一方で、シャフト基準電極38D、38Pのそれぞれの反対側が組織から離れて面している状態であると予想される。電極38D、38Pは、それぞれ反対の側が電気絶縁体で遮蔽され得るが、そうすることで、一方の電極の遮蔽されていない側が組織に接しているとき、他方の電極の遮蔽されていない側が組織から離れて面するようになる。つまり、シャフト基準電極38D、38Pの一方が組織と電気的に接触している場合、シャフト電極38D、38Pの他方は、電気的絶縁遮蔽物によって組織から絶縁されている。
【0058】
本明細書に提示される例は、電気的に絶縁された外側表面を有する基準電極5を含み、その基準電極5の導電性部分は、組織と接触することを防止されている。これにより、2つの電極(例えば、上述のシャフト電極38D、38P)が不要になり、それによってワイヤが減り、小型化される。エンドエフェクタ100は、基準電極5の外側表面エリアが部分的に電気的露出状態となり、露出した外側表面が処置中に組織に触れることができないように、その露出した外側表面を配置する目的で、コネクタ管材46に接合され得る。
【0059】
1つ以上のインピーダンス検知電極38Rは、米国特許第5,944,022号、同第5,983,126号、及び同第6,445,864号に記載されているような、インピーダンス位置検知技術による位置検知を可能にするように構成され得る。なお、これらの文献のそれぞれについて、複製一部が、優先権対象の米国仮特許出願第63/052,553号において提供され、かつ、参照により本出願書に組み込まれる。
【0060】
図2A及び
図2Bは、装置のシャフト9の中間セクション14及び遠位部分14Aをより詳細に示す。
図2Aは、近位部分12と中間セクション14との間の境界面における、細長いシャフト9の長手方向軸線A−Aに沿った断面図である。
図2Bは、長手方向軸線A−Aに直交する、中間セクション14の断面図である。
【0061】
図2Aに示されるように、カテーテル本体12は、単一の軸方向通路又は中央ルーメン18を有する細長い管状構成体であり得る。中央ルーメン18は、灌注管15がその中を通過することを可能にするようにサイズ決めされ得る。カテーテル本体12は、可撓性を有し、言い換えると屈曲可能であるが、その長さに沿って圧縮するのは実質的に不可能である。カテーテル本体12は、任意の好適な構造を有することができ、任意の好適な材料で作製することができる。一部の実施形態では、カテーテル本体12は、ポリウレタン又はPEBAXで作製された外壁20を有する。外壁20は、ステンレス鋼などの埋め込まれた編組メッシュを含み、制御ハンドル16が回転された場合に、中間セクション14がこれに応じて回転するように、カテーテル本体12の捻り剛性を高めることができる。
【0062】
カテーテル本体12の外径は、好ましくは約8フレンチ未満、より好ましくは約7フレンチである。外壁20の厚さは、中央ルーメン18が、少なくとも1本の引張りワイヤ、1本以上のリード線、及び他の任意の所望のワイヤ、ケーブル又は管(例えば、灌注管15)を収容することができるほど十分に薄いものとなっている。所望される場合、外壁20の内側表面は、捻り安定性を向上させるために補強管22で裏打ちされる。一部の実施形態において、外壁20は、外径約0.090〜約0.094インチ(約2.3〜約2.4mm)、内径約0.061〜約0.065インチ(約1.5〜約1.7mm)である。
【0063】
特に
図2Bに示すように、中間セクション14は、複数のルーメン、例えば、4本の軸線からずれたルーメン31、32、33、及び34と、1本の中央ルーメン35とを有する、より短い管材セクション19を含み得る。第1のルーメン31は、スパイン1A、1B、2A、2B、3A、3B上に担持される環状電極37のための複数のリード線40Sを担持している。第2のルーメン32は、第1の引張りワイヤ24を担持している。第3のルーメン33は、電磁位置センサ42のためのケーブル36と、エンドエフェクタ100及び/又は管材46内の基準電極5の近位側にあるカテーテルの上に担持される近位の環状電極38D及び遠位の環状電極38Pのための複数のリード線40D及び40Pと、を担持している。
【0064】
電磁位置検知技術は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,590,963号、及び同第6,788,967号に記載され、これらの文献のそれぞれについて、複製一部が、優先権対象の米国仮特許出願第63/052,553号において提供され、かつ、参照により本出願書に組み込まれる。磁気位置センサ42は、米国特許第7,536,218号、同第7,756,567号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載されているACLとして知られている、磁気及びインピーダンスによるハイブリッド位置検知技術におけるインピーダンス検知電極38Rと共に利用することができる。なお、これらの文献のそれぞれについて、複製一部が、優先権対象の米国仮特許出願第63/052,553号において提供され、かつ、参照により本出願書に組み込まれる。
【0065】
第4のルーメン34(例えば、図示されているように、第2のルーメン32と180°反対側にある)は、第2の引張りワイヤ26を保持している。第5の、中央ルーメン35は、灌注管15を担持する。
【0066】
管材19は、好ましくはカテーテル本体12よりも高い可撓性を有する、好適な非毒性材料で製造される。管材19に好適な材料の1つは、編組ポリウレタン、すなわち、編組ステンレス鋼などの埋込みメッシュを有するポリウレタンである。各ルーメンのサイズは、リード線、引張りワイヤ、ケーブル、及び任意の他の部品を収納するのに十分なサイズである。
【0067】
カテーテルシャフト9の有用な長さ、すなわち、装置10の、身体内に挿入することができる部分であって、エンドエフェクタ100を除いた部分は、必要に応じて変化させることができる。好ましくは、有用な長さは、約110〜約120cmの範囲である。中間セクション14の長さ(カテーテル本体12への接続部からシャフト9の遠位端まで測定した長さ)は、上記の有用な長さのうちの相対的により小さい部分であり、好ましくは約3.5〜約10cmの範囲、より好ましくは約5〜約6.5cmの範囲である。
【0068】
カテーテル本体の近位部分12は、米国特許第9,820,664号の
図2A及び
図2Bに示されかつ説明されるように、中間セクション14に取り付けられてもよい。なお、上記特許文献は、その複製一部が、優先権対象の米国仮特許出願第63/052,553号において提供され、かつ参照により本明細書に組み込まれる。所望される場合、スペーサ(図示せず)を、カテーテル本体12内の、補強管の遠位端(提供される場合)と中間セクション14の近位端との間に配置してもよい。このスペーサは、カテーテル本体12と中間セクション14との間の接合部で可撓性の遷移をもたらし得るが、これにより、この接合部は、折り畳まれたり又はよじれたりすることなく、滑らかに曲がることが可能になる。そのようなスペーサを有するカテーテルは、米国特許第5,964,757号に記載されている。上記の特許文献は、その複製一部が優先権対象の米国仮特許出願第63/052,553号において提供され、かつ参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
シャフト9の遠位部分14Aは、中間部分が遠位部分14Aを含むよう、中間セクション14と実質的に切れ目なく連続している。遠位部分は、1つ以上の(任意選択で設けられる)リング電極38Rが配置されていることによって、中間セクション14と区別される。本明細書で言及される場合、シャフト9の遠位部分14Aは、それゆえ中間セクション14の遠位部分に対応し得る。コネクタ管材46はまた、シャフト9の遠位側延長部と考えることができ、そのため、コネクタ管材46は、シャフトの遠位部分14Aに含まれると理解される。
【0070】
図3A〜
図3Cは、エンドエフェクタ及びシャフト9の遠位部分(コネクタ管材46)を、様々な向きで図示しているが、図中では、コネクタ管材が半透明のものとして示され、例示の目的で、コネクタ管材内の全ての構成要素が、基準電極5及び灌注管15以外は不可視になっている。コネクタ管材46は、米国特許出願第63/031,955号に記載され、図示されている装置と同様に、ループ部材1、2、3内を通って延在する支持フレームの端部を更に収容して、ループ部材1、2、3をシャフト9に固定することができる。コネクタ管材46は、
図2A及び
図2Bに示されるような導電体36、40D、40P、40Sを更に収容することができる。
【0071】
図3D〜
図3Fは、コネクタ管材を、様々な向きで示しており、例示の目的のために、エンドエフェクタ100は、不可視になっている。
【0072】
直交座標系のx、y、z軸が、
図3A〜
図3Fのそれぞれに図示されて、それぞれの図について相対的な向きを示している。
【0073】
図3A〜
図3Fをまとめて参照すると、基準電極5は、管状内側表面5B及び管状外側表面5Cを含み得る。管状内側表面5Bは、導電性を有していてもよい。内側表面5Bは、スパイン電極37が心臓血管組織と接触しているときに、心臓血管組織付近の流体(例えば、血液及び/又は灌注流体)が、内側表面5Bと接触するように配置される他、そのような形状に構成され得る。内側表面5Bは、これらの流体から電位を受信することができ、その結果、基準電極によって受信された電位が、スパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bによって担持される電極37の電位の基準信号となる。
【0074】
基準電極5は、電極が細長いシャフト9を越えて突出しないように、細長いシャフト9内に配設され得る(シャフト9の遠位側延長部であるコネクタ46内に配設され得る)。基準電極5の外側表面5Cは、流体の電位から実質的に、電気的に絶縁され得る。シャフト9のコネクタ46は、外側表面5Cを電気的に絶縁する絶縁カバーとして機能し得る。基準電極5は、コネクタ46の遠位端46A(シャフト9の遠位端に対応する)とほぼ同軸又は同一平面である遠位端5Aを有し得る。基準電極遠位端5A及び遠位端46Aに関連して使用される「同一平面」という用語は、ある平面が、遠位端5A及び遠位端46Aの両方と交差して、両端部(5A及び46A)が同一平面上にあるということを意味する。
図3Dに示す例では、両端部5A及び46Aが同一平面上にあるように、ある仮想平面(図示せず)が、表面5C及び遠位端46Aと直交して交差している。用語「同軸」とは、コネクタ46の長手方向軸線及び基準電極5の長手方向軸線が、互いに一致していることを示す。コネクタ46は、スパイン電極が心臓血管組織と接触している間、かつ基準電極5が、
図4Cでより詳細に示されるように、コネクタによって心臓血管組織から電気的に絶縁されている間、心臓血管組織と接触することができる。
【0075】
灌注管は、基準電極5の内側表面5Bと流体連通することができる。流体は灌注管を通って流れ、基準電極5を通ってシャフト9から流出し得るが、そのため、基準電極5が、灌注管15の遠位側延長部として機能する。
【0076】
図3A及び
図3Bに示されるように、エンドエフェクタ100は、装置10の長手方向軸線A−Aと位置揃えされた非拘束構成と、非拘束構成において平坦又はパドル形状の形状とを有し得る。エンドエフェクタ100は、
図3A及び
図3Bにおいて示されるように測定された高さH及び幅Wを有し得る。ここで高さHは、幅Wよりも著しく小さい。更に、コネクタ46の寸法と比較して、エンドエフェクタ100の高さHは、
図3Aに示されるように測定された、コネクタ46の管状外側表面の直径D1とほぼ等しいか又はそれよりも小さくてよい。エンドエフェクタ100の幅Wは、コネクタ46の直径D1よりも実質的に大きくてよい。エンドエフェクタは、
図3Aに示されるように測定され、幅Wよりも大きい長さLを有し得る。
【0077】
パドル形状を有する場合、スパイン電極37は全て、基準電極5に対して遠位方向に配置される。表面に押し当てられると、スパイン電極37及び基準電極5は、非拘束構成と比較して、互いに対してそれらの相対位置を大まかに維持することができる。この結果、複数のスパイン電極37は、それらのスパイン電極37が心臓血管組織と接触しているときに、好ましくは、心臓血管組織上で、基準電極の位置に対して半径方向に非対称なパターンで分布するように配置される。換言すれば、基準電極5は、電極5、37が処置中に動作しているときには、スパイン電極37の集団の一方の側に配置される。これは、エンドエフェクタのスパインが、基準電極5から半径方向に延在し、その結果好ましくは、心臓血管組織上でスパイン電極を、基準電極の位置に対して半径方向に対称なパターンで分配することが可能である、
図8に示されるような他のエンドエフェクタの形状とは対照的である。例えば
図7A〜
図7Fに示されるもののようなパドル形状のエンドエフェクタはまた、組織上で、基準電極の位置に関して半径方向に非対称なパターンで分布されるように配置されたスパイン電極も含む。
【0078】
スパイン電極37は、スパイン電極37が心臓血管組織と接触しているときに、矩形グリッドを形成するように配置され得る。あるいは、スパイン電極37は、非矩形の、例えば、円形、三角形、又は他のそのような形状のグリッドを形成するように配置されてもよい。
【0079】
図3D及び
図3Eにより詳細に示されるように、灌注管15は、基準電極5のルーメン内に配置され得る。装置10は、基準電極5と灌注管15との間の流体不透過性シールとして機能する灌注管カバー45を、更に含み得る。
【0080】
電極5の遠位端5Aは、コネクタ46の遠位端46Aとほぼ同一平面上にあるか、又は凹んでさえいる(
図3E)ため、電極5はシャフト9から突出しない(例えば、
図1)。電極5の外側表面5Cとコネクタ46の内側表面46Bとの間に、絶縁材料51を設けることができる。一実施形態では、材料51は、例えばポリウレタンなどのポリマーであり得る。絶縁材料51は上述のように構成されているので、電極5の外側表面5Cを絶縁して、使用中に、外側表面5Cが組織と電気的に接触することを防止する。しかしながら同時に、基準電極5の内側表面5Cは、流体内で伝播された電気信号を受信又は記録するために、器官内の生物学的流体(例えば、血液)と電気的及び物理的接触をすることができる。灌注ライン15はまた、逆に作用して、器官から灌注ライン15へ血液を吸引又は吸い込むことができるということに留意されたい。これにより、灌注管15中へ引き込まれる血液によって導電性内側表面5Cの浸漬を可能としている灌注管15中へ、血液が引き込み可能となるため、基準電極5が血液内の電気信号を、(配線5D又は電気トレースを介して)著しくより良好に受信又は検知することが可能になる。
【0081】
図3Fにより詳細に示されるように、コネクタ46は、コネクタ46の外側表面46Aを形成するカラー41と、カラー41内に配置されたインサート43とを含み得る。インサート43は、ループ部材1、2、3の端部を受容するように成形された開口部44と、基準電極45を収容するようにサイズを決められた中央ルーメン48とを含むことができる。コネクタ46内のループ部材1、2、3及び基準電極5を固定する一助となるために、ポリマーをカラー41及びインサート43内に流し込むことができる。
【0082】
図4A〜
図4Cは、表面Sに押し当てられているエンドエフェクタ100の図である。エンドエフェクタ100は、長手方向軸線A−Aに対してある角度θで偏向して、スパイン電極37を表面Sに配置することができる。表面Sは、平面として図示されているが、表面は湾曲し得る。例えば、表面Sは、心内組織表面と一致する曲率を有し得る。
【0083】
図4Aは、スパイン電極37の一部分が表面Sに押し当てられ、スパイン電極37の別の部分が表面Sの上方にあり、表面Sに接触していない状態の、エンドエフェクタ100を示す。
【0084】
図4Bは、表面Sの上に配置されたコネクタ46を、全てのスパイン電極37が表面と接触している状態で示す。エンドエフェクタ100は、長手方向軸線A−Aに対して、ほぼ90°の角度θで偏向している。このような角度において、基準電極5が、シャフト9から突出するように配置されている場合には、突出部の長さ及びコネクタ46の遠位端46Aと表面Sとの間の距離に応じて、基準電極5が表面Sと接触し得る。基準電極5が表面Sと電気的に接触する場合には、基準電位として機能し得る電位を検知する、基準電極の能力の有効性を低減する可能性がある。換言すれば、基準電極5が組織と電気的に接触する場合には、信頼性の高い基準電極として機能しない場合がある。基準電極5がシャフト9のコネクタ46から突出しないように基準電極5を配置することにより、エンドエフェクタ100がシャフト9の長手方向軸線A−Aから約90°の角度で偏向しても、基準電極5の表面Sとの接触が防止される。
【0085】
図4Cは、表面Sと接触しているコネクタ46を、全てのスパイン電極37が表面Sと接触している状態で示す。エンドエフェクタ100は、長手方向軸線A−Aに対して鋭角θをなして偏向している。コネクタ46が表面Sに非常に近くにあって、かつ表面Sに対してゼロではない角度をなしているとすると、基準電極5が、シャフト9から突出するように配置されている場合には、突出部の長さ及び角度θに応じて、基準電極5が、表面Sと接触し得る。基準電極5がシャフト9のコネクタ46から突出しないように配置することにより、コネクタ46が表面Sと接触し、表面Sに向かって角度が付けられていても、基準電極5の、表面Sへの接触は防止される。
【0086】
図5A及び
図5Bは、基準電極の代替的な構成の図である。これらの図は、
図3A〜
図3Fに関連する向きを提供するためのz軸を含む。
【0087】
図5Aは、基準電極の代替的な構成の断面図である。例示の目的で、コネクタ46、基準電極5、及び灌注管5のみが示されている。装置10は、本明細書の他の箇所(添付書類を含む)に記載される、エンドエフェクタ100への導体及び機械的接続などの、ここには図示されない追加的構成要素を含むことができる。灌注管15は、基準電極5の外側表面5Cの周囲に配置され得る。灌注管15から基準電極5への移行部を封止することで、基準電極5を灌注管15の延長部とすることができる。基準電極5の外側表面5Cがコネクタ46によって電気的に絶縁されていることに加えて、あるいはそれに代えて、基準電極5の外側表面5C上に配置された灌注管15の一部によって、基準電極5の外側表面5Cは電気的に絶縁され得る。例えば図示されているもののような一部の構成では、灌注管15が、基準電極5の外側表面5Cの組織との接触を防止するよう、灌注管15及び基準電極5を細長いシャフトから突出させることができる。例えば、基準電極5が灌注管15から突出しないように、基準電極5の遠位端5Aを灌注管15内に配置することができる。
【0088】
図5Bは、基準電極の別の代替的な構成の断面図である。その代替的な構成では、基準電極は灌注管15への延長部として機能しないが、その代わりに遠位端5Aに、スパイン電極37からの電位の基準信号として作用する流体からの電位を受信するように構成された導電性の遠位表面を有する。基準電極5の遠位端5Aに位置する導電性の表面は、コネクタ46の遠位端46Aとほぼ同一平面上又は同軸である。例示の目的で、コネクタ46及び基準電極5のみが示されている。装置10は、本明細書の他の箇所(添付書類を含む)に記載される、エンドエフェクタ100への導体及び機械的接続などの、ここには図示されない追加的構成要素を含むことができる。
【0089】
図6は、装置10(カテーテルアセンブリとも呼ばれる)を利用し得る心臓電気生理学(EP)マッピングカテーテルシステムの、例示的な医療処置及び関連する構成要素の図である。医師PHが、患者PAの心臓H内又はその付近でEPマッピングを実行するため、エンドエフェクタ100(
図6には示されていない)を患者PA内に配設し、装置のハンドル16を把持しているのが図示されている。装置10は、ケーブル130を介して、誘導駆動システム110と連結されている。装置10は任意選択的に、流体導管140を介して流体源142とも連結され得る。一組の磁場発生器120が、患者PAの下に配置され、別のケーブル122を介して誘導駆動システム110と連結されている。磁場発生器120を設けるかどうかもまた、任意である。
【0090】
誘導駆動システム110は、コンソール112と、ディスプレイ118とを含み得る。コンソール112は、第1のドライバモジュール114と、第2のドライバモジュール116とを含み得る。第1のドライバモジュール114は、ケーブル130を介して装置と連結することができる。一部の変形形態では、第1のドライバモジュール114は、エンドエフェクタ100のスパイン電極37を介して取得されたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール112は、そのようなEPマッピング信号を処理してEPマッピングを行うプロセッサ(図示せず)を含み得る。これに加えて、又はこれに代えて、第1のドライバモジュール114は、エンドエフェクタ100のスパイン電極37にRF電力を供給して組織をアブレーションするように動作可能であり得る。一部の変形例では、第1のドライバモジュール114はまた、エンドエフェクタ100内の位置センサから位置表示信号を受信するようにも動作可能である。このような変形例では、コンソール112のプロセッサはまた、位置センサからの位置表示信号を処理して患者PA内のエンドエフェクタ100の位置を判定するようにも動作可能である。
【0091】
誘導駆動システム110は、駆動システム110に本明細書に記載される機能を実行させるための命令、及び/又は同様の装置の使用に関連して既知である命令を有する非一過性コンピュータ可読媒体を更に含むことができる。一部の例では、非一過性コンピュータ可読メモリは、(例えば、第1のドライバモジュール114のプロセッサ及び/又はコンソール112のプロセッサと通信することによって)第1のドライバモジュール114と通信することができる。非一過性コンピュータ可読媒体は、第1のドライバモジュール114によって実行されると、第1のドライバモジュール114に、スパイン電極37からEPマッピング信号を受信させ、基準電極5から基準信号を受信させる命令を含むことができる。
【0092】
第2のドライバモジュール116は、ケーブル122を介して磁場発生器120に連結されている。第2のドライバモジュール116は、磁場発生器120を作動させて、患者PAの心臓Hの周囲に交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器120は、心臓Hを含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0093】
装置10の一部の変形例は、患者PA内のエンドエフェクタ100の位置及び向きを示す信号を生成するように動作可能な位置センサを、エンドエフェクタ100付近又はその内部に含む。各位置センサは、磁場発生器120によって発生された交流電磁場の存在に応答して電気信号を発生させるように構成された、1つのワイヤコイル又は複数のワイヤコイル(例えば、3つの直交コイル)を含んでもよい。エンドエフェクタ100に関連付けられたリアルタイム位置データを生成するために使用可能な他の構成要素及び技術として、無線三角測量、音響トラッキング、光学トラッキング、慣性トラッキングなどを挙げることができる。あくまで一例として、位置検知は、米国特許第9,480,416号の教示の少なくとも一部に従って提供されてもよく、この特許文献は、その複製一部が、優先権対象の米国仮特許出願第63/052,553号において提供され、参照により本明細書に組み込まれる。あるいは、装置10は、エンドエフェクタ100の近くにあるべき位置センサを欠いていてもよい。
【0094】
ディスプレイ118は、コンソール112のプロセッサと連結され、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、一組の手術前又は術中に得られた画像(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づいてもよい。ディスプレイ118を通して提供される患者の解剖学的構造の図はまた、エンドエフェクタ100の近くの位置センサからの信号に基づいて動的に変化してもよい。
【0095】
コンソール112のプロセッサはまた、例えば、発光点、十字線、若しくはエンドエフェクタ100の視覚的表示、又は視覚的表示の何らかの他の形態を重ね合わせることによって、患者の解剖学的構造の画像上のエンドエフェクタ100の現在位置を重ね合わせるようにディスプレイ118を駆動してもよい。
【0096】
流体源142は、生理食塩水又は何らかの他の好適な灌注流体を含む袋を含むことができる。導管140は、ポンプ144と更に連結された可撓性チューブを含み得るが、そのポンプ144は、流体源142から装置10の灌注管15に流体を選択的に運ぶように動作可能なものである。
図5Bに構成されたような基準電極5を含むなどの、一部の変形形態では、導管140、流体源142、及びポンプ144は完全に省略される。
【0097】
図7A〜
図7Fは、ループ部材を有し、本明細書の他の箇所に記載される管腔内基準電極5を含む、代替的なエンドエフェクタ100a〜100fの図である。エンドエフェクタは、シャフト9から突出しないため、図中では見ることができない基準電極を含む。他の場合では、上記のエンドエフェクタは、米国特許第9,820,664号(
図8A〜
図8Fを参照)、米国特許出願公開第2020/0038101号、及び同第2020/0038101号(
図10〜
図15を参照)に示されるエンドエフェクタと同様に構成することができる。なお、これらの文献のそれぞれについて、複製一部が、優先権対象の米国仮特許出願第63/052,553号において提供され、かつ、参照により本出願書に組み込まれる。
【0098】
図8は、本発明の態様による、放射状の形状を有し、管腔内基準電極を含む、代替的なエンドエフェクタ100gの図である。エンドエフェクタは、シャフト9を越えては延在しない基準電極5を含む。あるいは、エンドエフェクタは、米国特許第9,907,480号(
図5参照)、米国特許出願公開第2018/0056038号(
図5を参照)、及び米国特許出願公開第2020/0038101号(
図2〜
図7、
図19、及び
図20を参照)に例示されるエンドエフェクタと同様に構成することができる。本明細書に説明され図示される基準電極は、スパインのそれぞれが外向きに拡張し、遠位端に向かって収束するバスケット構成を有するエンドエフェクタと共に利用することができ、これは本発明の範囲内であることに留意されたい。このようなバスケット構成の一例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,575,743(B2)号に例示的に示されている。
【0099】
図9は、本発明の態様による管腔内基準電極を含む別の代替的なエンドエフェクタ100hの図である。エンドエフェクタは、シャフト9から突出しないため、図中では見ることができない基準電極を含む。他の場合では、エンドエフェクタは、米国特許第9,820,664号(
図5A〜
図7参照)及び米国特許出願公開第2020/0038101号(
図16を参照)に例示されるエンドエフェクタと同様に構成することができる。
【0100】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
近位部分及び遠位部分を備える細長いシャフトであって、前記近位部分で操作されて、前記遠位部分を患者の心臓内に配置するように構成されている、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記遠位部分に近接して配設されたエンドエフェクタであって、心臓血管組織に接触して、前記組織から電位を受信するように構成された少なくとも1つのスパイン電極をそれぞれ担持しているスパインを備える、エンドエフェクタと、
前記細長いシャフトに沿って延在している長手方向軸線の周りに配設された内側表面と外側表面とを備える基準電極であって、前記細長いシャフト内に配置され、前記細長いシャフトを越えて突出しないようになっている、基準電極と、を備え、
前記基準電極の前記内側表面は、前記少なくとも1つのスパイン電極の前記電位のための基準信号として作用する電位を、流体から受信するように構成され、
前記基準電極の前記外側表面は、前記流体の前記電位から電気的に絶縁されている、装置。
(2) 前記細長いシャフトを前記エンドエフェクタに接合し、前記電気的絶縁カバーを備えるコネクタを更に備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記基準電極が、前記コネクタの遠位端とほぼ同一平面上にある遠位端を備える、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記スパイン電極が前記心臓血管組織と接触していて、前記基準電極の前記外側表面が前記コネクタによって前記心臓血管組織から電気的に絶縁されている間、前記コネクタが、前記心臓血管組織に接触することが可能である、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記エンドエフェクタが、前記装置の長手方向軸線と位置揃えされた非拘束構成を有し、
前記コネクタが、前記長手方向軸線に直交して測定された直径を有する管状外側表面を備え、
前記エンドエフェクタは、前記エンドエフェクタが前記非拘束構成にあるときに、前記長手方向軸線に直交して測定された高さと、前記高さ及び前記長手方向軸線に直交して測定された幅と、を備え、
前記高さは、前記コネクタの前記管状外側表面の前記直径とほぼ等しい又はそれより小さく、
前記幅は、前記コネクタの前記管状外側表面の前記直径よりも大きい、
実施態様2に記載の装置。
【0101】
(6) 前記基準電極の前記内側表面と流体連通する灌注管を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記灌注管が、
1つのモードでは、灌注流体を前記灌注管から外に移動させるように構成されており、
別のモードでは、体液を器官から前記灌注管へと移動させて、前記体液と前記基準電極の前記内側表面との接触を可能にするように構成されている、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記スパイン電極は、前記スパイン電極が前記心臓血管組織と接触するように構成されているときに、グリッドを形成するように配置されている、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記細長いシャフトが、前記装置の長手方向軸線を画定し、
前記エンドエフェクタは、それぞれが前記スパインの少なくとも1つを備え、かつ前記長手方向軸線に沿って共通の遠位側頂点で接合された、3つのループ部材を備えており、
前記3つのループ部材のそれぞれが、前記細長いシャフトの前記遠位部分に固定された、それぞれの一対の端部を備え、
前記エンドエフェクタが、前記長手方向軸線に対してある角度で偏向して、前記スパイン電極を、平坦な表面に押し当てて配置するように構成されている、
実施態様1に記載の装置。
(10) 前記スパイン電極が、前記心臓血管組織と接触しているときに、前記心臓血管組織から電位を受信するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0102】
(11) 前記スパイン電極が、前記心臓血管組織と接触しているときに、アブレーションを行うように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記基準電極が、前記長手方向軸線の周りに配設された円筒状部材を備え、
前記円筒状部材の内側表面が、器官内に配置されたときに体液と接触するように構成されている、
実施態様1に記載の装置。
(13) 方法であって、
エンドエフェクタを組み立てて、前記エンドエフェクタが、心臓血管組織と接触し、前記組織から電位を受信するように構成された少なくとも1つのスパイン電極を上に備えるようにすることと、
基準電極を前記エンドエフェクタとの関連で取り付けて、前記基準電極の管状内側表面が心臓血管組織と接触せず、前記電極によって受信されている前記電位のための基準信号として作用する電位を、流体から受信するように構成されるようにすることと、
前記基準電極の外側表面を電気的に絶縁して、前記内側表面が前記心臓血管組織に近い流体の前記電位を受信することが可能である間に、前記外側表面が、前記流体からの前記電位から電気的に絶縁されるようにすることと、
前記エンドエフェクタ及び前記基準電極を、細長いシャフトの遠位部分に取り付けることと、
を含み、
前記細長いシャフトが、前記細長いシャフトの近位部分で操作されて、前記遠位部分を患者の心臓内に配置するように構成されている、方法。
(14) 前記細長いシャフトを、コネクタで前記エンドエフェクタに接合することと、
前記コネクタを用いて、前記基準電極の前記外側表面の一部を電気的に絶縁して、前記外側表面の電気的に露出した部分を、治療中に組織と接触することがないように配置することと、
を更に含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記基準電極及び前記コネクタを取り付けて、前記基準電極の遠位端と前記コネクタの遠位端が、互いにほぼ同一平面上及び同軸であるようにすることを更に含む、実施態様14に記載の方法。
【0103】
(16) 前記細長いシャフトを前記エンドエフェクタに接合して、前記スパイン電極が前記心臓血管組織と接触している間、かつ前記基準電極が前記コネクタによって前記心臓血管組織から電気的に絶縁されている間に、前記コネクタが、前記心臓血管組織に接触することができるようにすることを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記細長いシャフト内に灌注管を配置して、前記灌注管が、前記基準電極の前記内側表面と流体連通するようにすることを更に含む、実施態様14に記載の方法。
(18) 方法であって、
細長いシャフトの遠位部分及び前記遠位部分から遠位方向に延在しているエンドエフェクタを、カテーテルを通して心臓まで移動させることと、
前記細長いシャフトの近位部分の操作によって、前記カテーテルの遠位端から前記エンドエフェクタを移動させることと、
前記細長いシャフトの前記近位部分の操作によって、前記エンドエフェクタが担持しているスパイン電極を、心臓血管組織に対向させることと、
前記スパイン電極が、前記心臓血管組織と対向している間に、前記心臓血管組織に近い流体から、基準電極の内側表面を介して電位を受信することと、を含み、
前記基準電極の外側表面が、前記電位から電気的に絶縁されている、方法。
(19) 前記エンドエフェクタを前記細長いシャフトの前記遠位部分に接合し、かつ前記基準電極の前記外側表面を前記電位から電気的に絶縁しているコネクタを、前記スパイン電極が前記心臓血管組織と対向している間に、前記心臓血管組織と接触させることを更に含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記細長いシャフトによって画定された長手方向軸線に対してある角度で前記エンドエフェクタを偏向させて、前記スパイン電極を前記心臓血管組織に対向させることと、
前記スパイン電極が前記心臓血管組織と対向している間に、前記スパイン電極を介して前記心臓血管組織から電位を受信することと、
前記スパイン電極が前記心臓血管組織と対向している間に、前記スパイン電極を介して前記心臓血管組織をアブレーションすることと、
を更に含む、実施態様18に記載の方法。