【解決手段】装置10は、電極37を備えるループ部材1,2,3を有するエンドエフェクタ100を備え、カテーテルベースのシステムにて、電気信号を測定又は提供するために使用できる。エンドエフェクタは、拡張され、拘束解除されているときは同一平面になく、表面に当てて偏向させたときには平面表面に接するようになる3つのループ部材、エンドエフェクタの遠位頂点において3つのループ部材を締結する機械的リンク部50、電極の表面粗さを増大させる表面処理を有する電極、電極ワイヤの撚り合わせ対、結合されたスパインカバー、及び/又はこれらの任意の組み合わせを備えていてよい。
前記3つのループ部材のそれぞれは、前記3つのループ部材のうちの対応ループ部材を通って延び、前記対応ループ部材の前記対応端部対の各端部において、前記細長いシャフトの前記遠位部分に取り付けられた支持フレームをそれぞれ備え、
前記エンドエフェクタが前記非拘束構成にあるとき、前記支持フレームのそれぞれは、前記対応ループ部材の対応ループ状経路を画定し、
前記支持フレームのそれぞれは、前記対応ループ状経路に直交する対応断面形状を含み、前記対応断面形状のそれぞれは、前記対応ループ状経路に沿って変化している、請求項1に記載の装置。
前記3つのループ部材に取り付けられた複数の電極を更に含み、前記複数の電極のうちの各電極は表面を含み、前記表面は、前記表面のプロフィールの算術平均偏差を表す粗さパラメータRaによって特徴付けられ、Raは、約0.3マイクロメートル〜約0.4マイクロメートルである、請求項1に記載の装置。
少なくとも1本の引張りワイヤを更に備え、前記少なくとも1本の引張りワイヤは、前記引張りワイヤが前記細長いシャフトに対して前記近位部分に向かって後退させられると、前記遠位部分及び前記エンドエフェクタが前記長手方向軸に対してある角度で曲げられるように、前記細長いシャフトを通って延び、かつ前記細長いシャフトの前記遠位部分に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
前記3つのループ部材のそれぞれは、前記3つのループ部材のうちの対応ループ部材を通って延び、前記管状部材の遠位部分に取り付けられた支持フレームをそれぞれ備え、
前記支持フレームのそれぞれは、前記対応ループ部材の対応ループ状経路を画定し、
前記支持フレームのそれぞれは、前記対応ループ状経路に直交する対応断面形状を含み、前記対応断面形状のそれぞれは、前記対応ループ状経路に沿って変化している、請求項8に記載の装置。
前記3つのループ部材は、前記ループ部材を平面表面に当てて位置付けたとき、平らな構成に移動可能であり、前記平らな構成において、前記3つのループ部材のそれぞれの長さの大部分は、前記平面表面に接し、
前記支持フレームのそれぞれは、
対応平行セグメント対を含み、前記対応平行セグメント対における各セグメントは対応長さを含み、
前記3つのループ部材が前記平らな構成にあるとき、前記対応平行セグメント対のそれぞれにおける各セグメントの前記対応長さの大部分は、前記対応平行セグメント対のそれぞれにおける他のセグメントのそれぞれの前記対応長さの大部分と略同一平面上にあり、
前記3つのループ部材が前記非拘束構成にあるとき、前記対応平行セグメント対のうちの少なくとも1つにおける前記セグメントの前記対応長さの前記大部分は、他の対応平行セグメント対の少なくとも1つのセグメントの前記対応長さの前記大部分と同一平面上にない、請求項9に記載の装置。
前記3つのループ部材に取り付けられた複数の電極を更に含み、前記複数の電極のうちの各電極は表面を含み、前記表面は、前記表面のプロフィールの算術平均偏差を表す粗さパラメータRaによって特徴付けられ、Raは、約0.3マイクロメートル〜約0.4マイクロメートルである、請求項8に記載の装置。
少なくとも1本の引張りワイヤを更に備え、前記少なくとも1本の引張りワイヤは、前記引張りワイヤが近位側に後退させられると、前記管状部材の遠位部分及び前記3つのループ部材が前記長手方向軸に対してある角度で曲げられるように、前記管状部材を通って延び、かつ前記遠位部分に取り付けられている、請求項8に記載の装置。
前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、前記第3のループ部材、及び前記細長いシャフトの前記遠位部分を血管内カテーテル内に位置付ける一方で、前記細長いシャフトの近位部分が前記血管内カテーテルから近位側に延びるようにすることと、
前記細長いシャフトの前記近位部分を操作することにより、前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、及び前記第3のループ部材を前記カテーテルの遠位端の外に移動させることと、
前記細長いシャフトの前記近位部分を操作することにより、前記第1のループ部材の前記大部分、前記第2のループ部材の前記大部分、及び前記第3のループ部材の前記大部分を、前記平面表面と接触するように押し付けることと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
第1の支持フレームが、第1のループ状経路に沿って変化する前記第1のループ状経路に直交する断面形状を含むように、前記第1の支持フレームを成形して前記第1のループ状経路を画定することと、
前記第1の支持フレームを前記第1のループ部材内に位置付けることと、
第2の支持フレームが、第2のループ状経路に沿って変化する前記第2のループ状経路に直交する断面形状を含むように、前記第2の支持フレームを成形して前記第2のループ状経路を画定することと、
前記第2の支持フレームを前記第2のループ部材内に位置付けることと、
第3の支持フレームが、第3のループ状経路に沿って変化する前記第3のループ状経路に直交する断面形状を含むように、前記第3の支持フレームを成形して前記第3のループ状経路を画定することと、
前記第3の支持フレームを前記第3のループ部材内に位置付けることと、
前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、及び前記第3のループ部材の前記対応端部対の各端部において、前記第1の支持フレーム、前記第2の支持フレーム、及び前記第3の支持フレームを、前記細長いシャフトの前記遠位部分に取り付けることと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
前記第1のループ状経路が、前記第2のループ状経路によって画定される第2の平面及び前記第3のループ状経路によって画定される第3の平面の少なくとも一方と交差する第1の平面を画定するように、前記第1の支持フレーム、前記第2の支持フレーム、及び前記第3の支持フレームを位置付けることと、
前記第1の支持フレームにおいて第1の平行セグメント対を成形し、前記第2の支持フレームにおいて第2の平行セグメント対を成形し、前記第3の支持フレームにおいて第3の平行セグメント対を成形することと、
前記細長いシャフトを操作することにより、前記第1の平行セグメント対、前記第2の平行セグメント対、及び前記第3の平行セグメント対の各セグメントの長さの大部分を、前記平面表面に対して平行に揃えられるように移動させることと、を更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マッピング解像度を高めるために、マッピングカテーテルについては、1平方センチメートルのオーダーの領域内にて、組織の電気的活動を感知する電極を複数用いることによって、高密度の信号マップを提供することが望ましい。心房又は心室(例えば、心室の心尖部)内でマッピングについては、カテーテルがより短い時間内により多くのデータ信号を収集することが望ましい。また、このようなカテーテルは、様々な組織表面、例えば、平らな、湾曲した、凹凸のある、又は非平面の表面組織に適合可能であり、患者の脈管系を通って非侵襲的に前進及び後退するために縮小可能であることが所望される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される例示的な装置は、心臓及び周囲の脈管系において電気信号を測定又は提供するために、カテーテルベースのシステムで一般的に使用可能である。例示的な装置は、一般に、電極を備えるループ部材を有するエンドエフェクタを備える。このエンドエフェクタは、既存のエンドエフェクタと比較して改善された、かつ/又は代替的な診断又は治療の選択肢を提供する特徴を含み得る。そのような特徴としては、拡張され、拘束解除されているときは同一平面になく、スパインを表面に当てて偏向させたときには平面表面に接するようになる3つのループ部材、エンドエフェクタの3つのループ部材を締結する機械的リンク部、電極の表面粗さを増大させる表面処理を有する電極、電極ワイヤの撚り合わせ対、結合されたスパインカバー、及び/又はこれらの任意の組み合わせを挙げることができる。
【0007】
例示的な装置は、細長いシャフトとエンドエフェクタを備える。細長いシャフトは、近位部分と遠位部分を備え、遠位部分を患者の心臓内に位置付けるように近位部分において操作されるように構成されている。細長いシャフトは、装置の長手方向軸を画定する。エンドエフェクタは、細長いシャフトの遠位部分に近接して配設されている。エンドエフェクタは、長手方向軸に沿って共通の遠位頂点で重なり合う3つのループ部材を備える。3つのループ部材のそれぞれは、細長いシャフトの遠位部分に取り付けられた対応端部対を備える。
【0008】
エンドエフェクタは、拘束解除されると非拘束構成に拡張し、3つのループ部材のそれぞれについての3つの異なる平面を画定するように構成されていてよい。細長いシャフトの遠位部分を長手方向軸に対してある角度で偏向させると、ループ部材のそれぞれの長さの大部分が、平面表面に接するようになって、エンドエフェクタを平らな構成に移動させる。これにより、ループ部材を平面表面に当てて位置付けると、3つのループ部材が平らな構成に移動可能となっている。
【0009】
エンドエフェクタが非拘束構成にあるとき、ループ部材のそれぞれの長さの大部分は、他のループ部材のうちの少なくとも1つの長さの大部分と同一平面上になくてもよい。
【0010】
ループ部材のそれぞれは、対応ループ部材を通って延びる支持フレームをそれぞれ備えていてもよい。各支持フレームは、対応ループ部材の対応端部対の各端部が細長いシャフトの遠位部分に取り付けられている箇所において、細長いシャフトの遠位部分に取り付けられていてもよい。エンドエフェクタが非拘束構成にあるとき、支持フレームのそれぞれは、対応ループ部材の対応ループ状経路を画定してよい。支持フレームのそれぞれは、対応ループ状経路に直交する対応断面形状を含んでいてもよく、対応断面形状のそれぞれは、対応ループ状経路に沿って変化している。
【0011】
支持フレームのそれぞれは、細長いシャフトの遠位部分に係合された鋸歯状縁部を含んでいてよい。
【0012】
支持フレームのそれぞれは、対応平行セグメント対を含んでいてよい。エンドエフェクタが平らな構成にあるとき、平行セグメント対の各セグメントの長さの大部分は、互いに同一平面上にあってよい。エンドエフェクタが非拘束構成にあるとき、平行セグメント対の少なくとも1つのセグメントの長さの大部分は、平行セグメント対の他のセグメントのうちの少なくとも1つの対応長さの大部分と同一平面上になくてよい。
【0013】
支持フレームのそれぞれは、対応接続セグメントを含んでいてよく、対応接続セグメントは、対応平行セグメント対の間に延びており、かつ遠位頂点において、他の支持フレームのそれぞれの対応接続セグメントと重なり合っている。
【0014】
装置は、共通の遠位頂点において3つのループ部材を束ねる機械的リンク部を更に備えていてよい。
【0015】
機械的リンク部は、内側を通って3つのループ部材が延びている開口部と、シームを含む辺と、を含む、長方形状又は卵形状を含んでいてもよい。あるいは、機械的リンク部は、連続した、すなわちシームを含まない、4つの辺を含んでいてもよい。あるいは、機械的リンク部は、対応ループ部材が内側を通って延びる3つの開口部を含んでいてもよい。これら3つの開口部のうちの少なくとも1つは、実質的に円形状であってよく、3つの開口部のうちの他の少なくとも1つは、横長の形状を有していてよい。
【0016】
機械的リンク部は、長方形状又は卵形状を有することの代替として、内部を通る3つの通路を備える円筒形状であってもよい。3つの通路はそれぞれ、内部を通って延びる3つのループ部材のうちの対応ループ部材を有していてよい。3つのループ部材の一部又は全ては、対応する支持フレームを取り囲み、対応する通路を通って同様に延びている、対応管状ハウジングを備えていてもよい。ループ状部材の一部又は全部は、対応する通路を通って延びる箇所において、外側ハウジングを欠いていてもよい(例えば、支持部材は遠位頂点においてむき出しになっていてもよい)。対応する通路を通過する箇所においてむき出しになっている支持部材の一部又は全ては、ループ状経路に沿った他の場所において対応する支持フレームを取り囲む対応管状ハウジングを有していてもよい。
【0017】
長方形状、卵形状、又は円筒形状を有することの代替として、機械的リンク部は、内側を通って3つのループ部材が延びている環状開口部と、環状開口部の直径にわたって延びるテーパ状高さと、を有する、テーパ状リングの形態に成形されていてもよい。
【0018】
装置は、3つのループ部材に取り付けられた複数の電極を更に備えていてもよい。各電極は表面を有していてよく、この表面は、表面のプロフィールの算術平均偏差を表す粗さパラメータRaによって特徴付けられ、Raは、約0.3マイクロメートル〜約0.4マイクロメートルであってもよい。
【0019】
装置は、ループ部材によって担持された電極に接続されたワイヤを更に備えていてもよい。ワイヤは、ループ部材内で束ねられてもよい。装置は、エンドエフェクタ内で互いに撚り合わされたワイヤ対を更に備えていてもよい。各ワイヤ対は、対応する電極対に電気的に接続されていてよい。
【0020】
第1の可能なループ部材のハウジング構成として、3つのループ部材が、内側管状ハウジング、外側管状ハウジング、及び導電体をそれぞれ備えていてもよい。内側管状ハウジングは、対応する支持フレームの少なくとも一部分を取り囲んでいてもよい。外側管状ハウジングは、内側管状ハウジングの少なくとも一部分を取り囲んでいてもよく、内側管状ハウジングに結合されていてもよい。導電体は、外側管状ハウジング内、かつ内側管状ハウジングの外側に少なくとも部分的に配設されていてもよい。3つのループ部材のそれぞれは、外側管状ハウジング内、かつ内側管状ハウジングの外側に位置付けられた灌注管を更に備えていてもよい。
【0021】
第2の可能なループ部材のハウジング構成として、第1の可能な構成の代替として、3つのループ部材が、管状ハウジング、導電体、及び灌注管をそれぞれ備えていてもよい。それぞれの対応管状ハウジングは、対応する支持フレームを取り囲んでいてもよく、内部を通る少なくとも2つのルーメンを備え、対応する支持フレームが2つのルーメンのうちの第1のルーメンを通って延びるようになっていてもよい。導電体は、第1のルーメンとは別個の、少なくとも2つのルーメンのうちの第2のルーメン内に配設されていてよい。灌注管も、第2のルーメン内に配設されていてよい。
【0022】
第3の可能なループ部材のハウジング構成として、第1及び第2の可能な構成の代替として、3つのループ部材が、管状ハウジング、導電体、及び灌注ルーメンをそれぞれ備えていてもよい。各管状ハウジングは、対応する支持フレームを取り囲んでいてもよく、また、内側を通る少なくとも3つのルーメンを備えていてもよい。それぞれの支持フレームは、少なくとも3つのルーメンのうちの第1のルーメンを通って延びていてよい。導電体は、第1のルーメンとは別個の、少なくとも3つのルーメンのうちの第2のルーメン内に配設されていてよい。第1のルーメン及び第2のルーメンとは別個の、少なくとも3つのルーメンのうちの第3のルーメンは、灌注のために構成されていてよい。第3のルーメンは、方向を灌注する(irrigate direction)ように構成されていてよく、かつ/又は灌注管を備えていてもよい。
【0023】
装置におけるあるループ部材が、第1の可能なループ部材のハウジング構成、第2の可能なループ部材のハウジング構成、及び第3の可能なループ部材のハウジング構成のうちの1つを有し得るように、かつ装置における別のループ部材が異なる構成を有し得るように、第1のループ部材構成、第2のループ部材構成、及び第3のループ部材構成を組み合わせることができる。
【0024】
装置は、少なくとも1本の引張りワイヤを更に備えていてもよく、少なくとも1本の引張りワイヤは、引張りワイヤが細長いシャフトに対して近位部分に向かって後退させられると、遠位部分及びエンドエフェクタが長手方向軸に対してある角度で曲げられるように、細長いシャフトを通って延び、かつ細長いシャフトの遠位部分に取り付けられていてもよい。
【0025】
例示的な方法は、特定の順序で提示されていない、以下の工程のうちの1つ以上を含んでいてもよい。第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材をそれぞれ成形して、対応するループをそれぞれ形成してよい。第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材のそれぞれの対応端部対を、細長いシャフトの遠位部分に連結してよい。第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材が拘束解除されているとき、第1のループ部材の大部分が、第2のループ部材及び第3のループ部材の少なくとも一方の大部分と同一平面上にないように、細長いシャフトの遠位部分に対して遠位側にある、共通の遠位頂点において、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を重ね合わせてよい。細長いシャフトを操作することにより、第1のループ部材の大部分、第2のループ部材の大部分、及び第3のループ部材の大部分を、平面表面と接触するように押し付けてよい。第1のループ部材の大部分、第2のループ部材の大部分、及び第3のループ部材の大部分が平面表面に対して揃えられるように、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を平面表面と接触させて配置してよい。
【0026】
本方法は、第1のループ部材、第2のループ部材、第3のループ部材、及び細長いシャフトの遠位部分を血管内カテーテル(ガイドシース)内に位置付ける一方で、細長いシャフトの近位部分が血管内カテーテルから近位側に延びるようにすることを更に含んでいてもよい。
【0027】
本方法は、細長いシャフトの近位部分を操作することにより、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材をカテーテルの遠位端の外に移動させることを更に含んでいてもよい。
【0028】
本方法は、細長いシャフトの近位部分を操作することにより、第1のループ部材の大部分、第2のループ部材の大部分、及び第3のループ部材の大部分を、平面表面と接触するように押し付けることを更に含んでいてもよい。
【0029】
本方法は、第1の支持フレームが、第1のループ状経路に沿って変化する第1のループ状経路に直交する断面形状を含むように、第1の支持フレームを成形して第1のループ状経路を画定することを更に含んでいてもよい。本方法は、第1の支持フレームを第1のループ部材内に位置付けることを更に含んでいてもよい。本方法は、第2の支持フレームが、第2のループ状経路に沿って変化する第2のループ状経路に直交する断面形状を含むように、第2の支持フレームを成形して第2のループ状経路を画定することを更に含んでいてもよい。本方法は、第2の支持フレームを第2のループ部材内に位置付けることを更に含んでいてもよい。本方法は、第3の支持フレームが、第3のループ状経路に沿って変化する第3のループ状経路に直交する断面形状を含むように、第3の支持フレームを成形して第3のループ状経路を画定することを更に含んでいてもよい。本方法は、第3の支持フレームを第3のループ部材内に位置付けることを更に含んでいてもよい。
【0030】
本方法は、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材の対応端部対の各端部において、第1の支持フレーム、第2の支持フレーム、及び第3の支持フレームを、細長いシャフトの遠位部分に取り付けることを更に含んでいてもよい。
【0031】
本方法は、第1の支持フレーム、第2の支持フレーム、及び第3の支持フレームのそれぞれの鋸歯状縁部を細長いシャフトの遠位部分に係合させることを更に含んでいてもよい。
【0032】
本方法は、第1のループ状経路が、第2のループ状経路によって画定される第2の平面と第3のループ状経路によって画定される第3の平面の少なくとも一方と交差する第1の平面を画定するように、第1の支持フレーム、第2の支持フレーム、及び第3の支持フレームを位置付けることを更に含んでいてもよい。
【0033】
本方法は、第1の支持フレームにおいて第1の平行セグメント対を成形し、第2の支持フレームにおいて第2の平行セグメント対を成形し、第3の支持フレームにおいて第3の平行セグメント対を成形することを更に含んでいてもよい。本方法は、細長いシャフトを操作することにより、第1の平行セグメント対、第2の平行セグメント対、及び第3の平行セグメント対の各セグメントの長さの大部分を、平面表面に対して平行に揃えられるように移動させることを更に含んでいてもよい。
【0034】
本方法は、第1の平行セグメント対の間に延びる第1の接続セグメントと、第2の平行セグメント対の間に延びる第2の接続セグメントと、第3の平行セグメント対の間に延びる第3の接続セグメントとを成形することを更に含んでいてもよい。
【0035】
本方法は、遠位頂点において3つのループ部材を機械的に束ねることを更に含んでいてもよい。
【0036】
本方法は、2つの端部と、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を受容するように寸法決めされた開口部を有する部分的に巻かれた形状と、を有するクリップを形成することを更に含んでいてもよい。本方法は、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を、開口部を通して部分的に巻かれた形状内へと移動させることを更に含んでいてもよい。本方法は、クリップの2つの端部を移動させて開口部を縮小させることを更に含んでいてもよい。本方法は、遠位頂点において第1のループ部材、第2のループ部材、第3のループ部材をクリップで拘束することを更に含んでいてもよい。
【0037】
第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材をクリップで拘束することの代替として、本方法は、連続する外周を有する代替的な機械的リンク部の開口部内に、遠位頂点において、第1のループ部材、第2のループ部材、第3のループ部材を拘束することを含んでいてもよい。
【0038】
別の代替例として、本方法は、第1の開口部、第2の開口部、及び第3の開口部を有する長方形状又は卵形状を有する、別の代替的な機械的リンク部を形成することを含んでいてもよい。本方法は、第1のループ部材を第1の開口部内に位置付けることと、第2のループ部材を第2の開口部内に位置付けることと、第3のループ部材を第3の開口部内に位置付けることを更に含んでいてもよい。本方法は、遠位頂点において第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を機械的リンク部でリンクさせることを更に含んでいてもよい。本方法は、実質的に円形状となるように第1の開口部を形成することを更に含んでいてもよい。本方法は、第2の開口部及び第3の開口部のうちの少なくとも一方を、横長の形状に形成することを更に含んでいてもよい。
【0039】
別の代替例として、本方法は、内部を通る第1の通路と、内部を通る第2の通路と、内部を第3の通路とを有する円筒形状を有する、別の代替的な機械的リンク部を形成することを含んでいてもよい。本方法は、第1のループ部材を第1の通路内に位置付けることと、第2のループ部材を第2の通路内に位置付けることと、第3のループ部材を第3の通路内に位置付けることを更に含んでいてもよい。本方法は、遠位頂点において第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を機械的リンク部でリンクさせることを更に含んでいてもよい。本方法は、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材のそれぞれを対応管状ハウジングで取り囲むことを更に含んでいてもよい。本方法は、対応管状ハウジングのそれぞれを、第1の通路、第2の通路、及び第3の通路をそれぞれ通るように位置付けることを更に含んでいてもよい。対応管状ハウジングを、第1の通路、第2の通路、及び第3の通路を通るように位置付けることの代替として、本方法は、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材のそれぞれを、対応ループ部材が対応する通路を通って延びる箇所における、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材の少なくとも対応部分が除かれるようにして、対応管状ハウジングで取り囲むことを含んでいてもよい。
【0040】
第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材をクリップで拘束することの別の代替として、本方法は、内側を通って第1のループ部材、第2のループ部材、第3のループ部材が延びる環状開口部と、環状開口部の直径にわたってテーパ状になった高さと、を有する、テーパ状リングを含む機械的リンク部の開口部内に、遠位頂点において、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を拘束することを含んでいてもよい。
【0041】
本方法は、複数の電極を3つのループ部材に取り付けることを更に含んでいてもよい。本方法は、複数の電極のうちの各電極の表面の少なくとも一部分を研磨することを更に含んでいてもよい。本方法は、複数の電極のうちの各電極をスエージングすることを更に含んでいてもよい。
【0042】
本方法は、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材によって担持された電極に、ワイヤを電気的に接続することを更に含んでいてもよい。本方法は、第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材内のワイヤを束ねることを更に含んでいてもよい。
【0043】
本方法は、第1の支持フレームを内側管状ハウジング内に少なくとも部分的に取り囲むことを更に含んでいてもよい。本方法は、第1の支持フレームに隣接させて、かつ内側管状ハウジングの外側において、複数の導電体を位置付けることを更に含んでいてもよい。本方法は、内側管状ハウジング及び複数の導電体を、外側管状ハウジングで少なくとも部分的に取り囲むことを更に含んでいてもよい。本方法は、外側管状ハウジングを内側管状ハウジングに結合させることを更に含んでいてもよい。
【0044】
内側管状ハウジング及び外側管状ハウジングを含む工程の代替として、本方法は、内部を通る少なくとも2つのルーメンを有する管状ハウジングの第1のルーメン内に、第1の支持フレームを位置付けることを含んでいてもよい。本方法は、管状ハウジングの第2のルーメン内に複数の導電体を位置付けることを更に含んでいてもよく、ここで、第2のルーメンは、第1のルーメンとは別個である。本方法は、第2のルーメン内に灌注管を位置付けることを更に含んでいてもよい。
【0045】
内側管状ハウジング及び外側管状ハウジングを含む工程の別の代替として、本方法は、内部を通る少なくとも3つのルーメンを有する管状ハウジングの第1のルーメン内に、第1の支持フレームを位置付けることを更に含んでいてもよい。本方法は、管状ハウジングの第2のルーメン内に複数の導電体を位置付けることを更に含んでいてもよく、ここで、第2のルーメンは、第1のルーメンとは別個である。本方法は、管状ハウジングの第3のルーメン内に灌注管を位置付けることを更に含んでいてもよく、ここで、第3のルーメンは、第1のルーメン及び第2のルーメンとは別個である。
【0046】
別の例示的な方法は、特定の順序で提示されていない、以下の工程を含んでいてもよい。細長いシャフトの遠位部分、及び遠位部分から遠位側に延びるエンドエフェクタを、カテーテル(又はガイドシース)を通して心臓へと移動させてよい。細長いシャフトの近位部分を操作することにより、エンドエフェクタをカテーテルの遠位端から移動させてよい。エンドエフェクタは、カテーテルの遠位端から遠位側にて非拘束構成に拡張され、それにより、エンドエフェクタが、非拘束構成において、共通の遠位頂点において3層に重なり合う3つのループ部材を有するようにされてよい。細長いシャフトの近位部分を操作することにより、エンドエフェクタを心組織へと押し付けてよい。エンドエフェクタを心組織に押し付けた結果、ループ部材のそれぞれの大部分を心組織に適合させることができる。
【0047】
本方法は、3つのループ部材のそれぞれの大部分が、他の3つのループ部材のうちの少なくとも1つと同一平面上にないように、エンドエフェクタを非拘束構成に拡張させることを更に含んでいてもよい。
【0048】
本方法は、エンドエフェクタを心組織へと押し付けた結果として、それぞれ3つのループ部材のうちの対応ループ部材を通って延び、細長いシャフトの遠位部分に取り付けられている、3つの支持フレームを曲げることを更に含んでいてもよい。
【0049】
本方法は、支持フレームのそれぞれが、対応平行セグメント対を有するように、3つの支持フレームを位置付けることを更に含んでいてもよい。本方法は、エンドエフェクタを心組織へと押し付けた結果として、対応平行セグメント対のそれぞれの各セグメントの各長さの大部分を、心組織に平行に揃えることを更に含んでいてもよい。本方法は、エンドエフェクタを心組織へと押し付けた結果として、対応平行セグメント対のそれぞれの各セグメントの各長さの大部分の両側において、3つの支持フレームを曲げることを更に含んでいてもよい。
【0050】
本方法は、支持フレームの細いセグメントに沿って3つの支持フレームを曲げることを更に含んでいてもよく、この細いセグメントは、対応平行セグメント対のそれぞれの各セグメントの各長さの大部分の断面積よりも小さな断面積を有する。
【0051】
本方法は、それぞれの支持フレームが、対応平行セグメント対の間に延び、遠位頂点において、他の支持フレームのそれぞれの対応接続セグメントと重なり合う、対応接続セグメントを含むように、3つの支持フレームを位置付けることを更に含んでいてもよい。
【0052】
本方法は、遠位頂点における3つのループ部材の重ね合わせを、遠位頂点に位置付けられた機械的リンク部により維持することを更に含んでいてもよい。
【0053】
本方法は、エンドエフェクタに位置付けられ、心組織と接触している電極から、0.03mV未満のノイズを示す信号を有する電気信号を受信することを更に含んでいてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく一例として例示するものである。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0056】
本明細書に記載の教示、表現、変更例、実施例などのうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変更例、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わされてもよい。したがって、以下に記載されている教示、表現、変更例、実施例などは、互いに独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正形態及び変形形態は、特許請求の範囲の範囲に含まれるものとする。
【0057】
本明細書で使用する場合、任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が、本明細書で述べる意図された目的に沿って機能することを可能とするような好適な寸法の許容範囲を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、挙げられた値の±10%の値の範囲を指していてもよく、例えば、「約90%」は、81%〜99%の値の範囲を指していてもよい。更に、本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。
【0058】
図1Aは、細長いシャフト9、遠位電極アセンブリ又はエンドエフェクタ100、及び偏向制御ハンドル16を有する例示的な装置10を示す。シャフト9は、好ましくは管状部材である。
図1B及び
図1Cは、
図1Aに示す装置10の変形例の直交側面図である。装置10は、本明細書に示す新規な態様を含む一方で、いくつかの設計変更を有していてもよい。装置10は、単に例として提示されており、制限を意図したものではない。
【0059】
細長いシャフト9は、細長いカテーテル本体の形状にある近位部分12と、中間偏向部分14と、遠位部分14Aと、を有する。偏向制御ハンドル16は、カテーテル本体12の近位端に取り付けられている。シャフトの遠位部分14Aは、コネクタ管46を介してエンドエフェクタ100に連結される。細長いシャフト9は、脈管系を通過するように寸法決めされるか、他の方法で構成された管状カテーテル本体を形成する。エンドエフェクタ100は、複数のループ部材1、2、3を有し、複数のループ部材1、2、3は、共通の遠位頂点で重なり合い、当該遠位頂点にて機械的リンク部50によって締結されている。
【0060】
デバイスが拘束解除され、整列しているとき、近位部分12、中間セクション14、遠位部分14A、及びエンドエフェクタ100は、長手方向軸L−Lに沿って概ね一直線になる。中間セクション14は、長手方向軸L−Lから遠位部分14A及びエンドエフェクタ100を偏向させるように曲がるように構成され得る。
【0061】
エンドエフェクタ100は、ガイドシース又はカテーテル(図示せず)内に収まるように、縮小する(長手方向軸L−Lに向かって圧縮する)ことができる。シャフト9を遠位側に押すことによって、エンドエフェクタ100をガイドシースを通って遠位側に移動させることができる。エンドエフェクタ100は、シャフト9及び/又は制御ハンドル16の操作により、ガイドシースの遠位端から出るように移動させることができる。この目的のために好適なガイドシースの一例は、Biosense Webster,Inc.(Irvine、California、USA)より市販されているPreface Braided Guiding Sheathである。
【0062】
エンドエフェクタ100は、第1のループ部材1、第2のループ部材2、及び第3のループ部材3を有する。各ループ部材1、2、3は、2つのスパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bと、対応ループ部材1、2、3の2つのスパインを接続するコネクタ1C、2C、3Cを有する。第1のループ部材1のスパイン1A、1Bは、第1のコネクタ1Cによって接続され、第2のループ部材2のスパイン2A、2Bは、第2のコネクタ2Cによって接続され、第3のループ部材3のスパイン3A、3Bは、第3のコネクタ3Cによって接続されている。コネクタ1C、2C、3Cは、図示されるように、好ましくは弓状部材である。
【0063】
各ループ部材1、2、3については、
図1Aに示すように、エンドエフェクタ100が非拘束構成に拡張されているとき、各スパイン対のスパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bは、それら各スパインの長さの大部分に沿って、互いに実質的に平行であってよい。好ましくは、エンドエフェクタ100が非拘束構成にあるとき、エンドエフェクタの全てのスパインは、それらスパインのそれぞれの長さの大部分に沿って互いに平行である。全てのスパインが平行である場合であっても、本明細書の他の箇所、例えば、
図4A〜
図4Cに関連してより詳細に記載されるように、全てのスパインが必ずしも同一平面上にあるわけではない。
【0064】
各スパイン1A、1B、2A、2B、3A、又は3Bは、約5〜50mmの範囲、好ましくは約10〜35mmの範囲、より好ましくは約28mmの長さを有してもよい。各スパイン1A、1B、2A、2B、3A、3Bの平行な部分は、約1mm〜約20mmの範囲、好ましくは約2〜10mmの範囲、より好ましくは約4mmの距離だけ互いに離間してもよい。好ましくは、各スパイン1A、1A、2A、2B、3A、3Bは、スパイン部材毎に少なくとも8個の電極を担持している。エンドエフェクタは、好ましくは、図示されるように6つのスパインを含む。6つのスパインが8個の電極を有する場合、エンドエフェクタ100は48個の電極を含む。
【0065】
シャフト9の遠位部分14Aの近くには、遠位電極38D及び近位電極38Pが配置されている。電極38D及び38Pは、一緒になって(例えば、一方の電極の一部分をマスキングし、他方の電極の異なる部分をマスキングすることによって)基準電極(組織と接触していない電極)を画定するように構成されていてよい。米国特許第5,944,022号、同第5,983,126号、及び同第6,445,864号(これらの写しが優先権主張された米国特許仮出願第63/031,955号にて提供されており、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、1つ以上のインピーダンス検知電極38Rを、インピーダンス位置検知技術による位置検知を可能とするように構成してもよい。
【0066】
図2A〜
図2Cには、装置のシャフト9の中間セクション14及び遠位部分14Aがより詳細に示されている。
図2Aは、近位部分12と中間セクション14との間の境界における細長いシャフト9の長手方向軸L−Lに沿った断面図である。
図2Bは、長手方向軸L−Lに直交する、中間セクション14の断面図である。
図2Cは、特定の構成要素を透明にして示す、遠位部分14A及びコネクタ管46の等角図である。
【0067】
図2Aに示すように、カテーテル本体12は、単一の軸方向通路又は中央ルーメン18を有する細長い管状構成であってよい。カテーテル本体12は、可撓性を有し、言い換えると屈曲可能であるが、その長さに沿っては実質的に圧縮不可能である。カテーテル本体12は、任意の好適な構造を有することができ、任意の好適な材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル本体12は、ポリウレタン又はPEBAXで作製された外壁20を有する。外壁20は、カテーテル本体12のねじり剛性を高めるために、ステンレス鋼などの埋め込まれた編組メッシュを含み、これにより、制御ハンドル16が回転すると、中間セクション14がこれに応じて回転するようになっていてもよい。
【0068】
カテーテル本体12の外径は、好ましくは約8フレンチ以下、より好ましくは約7フレンチである。外壁20の厚さは、中央ルーメン18が、少なくとも1つの引張りワイヤ、1つ以上のリードワイヤ及び他の任意の所望のワイヤ、ケーブル又は管を収容することができる程度に十分に薄い。所望される場合、外壁20の内側表面は、ねじり安定性を向上させるために補強管22で裏打ちされる。いくつかの実施形態において、外壁20は、外径が約0.090インチ〜約0.094インチ(約2.3mm〜約2.4mm)、内径が約0.061インチ〜約0.065インチ(約1.5mm〜約1.7mm)である。
【0069】
図2Bに具体的に示すように、中間セクション14は、軸からずれた4つのルーメン31、32、33及び34などの複数のルーメンを有する、短い管部分19を含んでいてもよい。第1のルーメン31は、スパイン1A、1B、2A、2B、3A、3B上に担持される環状電極37のための複数のリードワイヤ40Sを担持している。第2のルーメン32は、第1の引張りワイヤ24を担持している。第3のルーメン33は、電磁位置センサ42のためのケーブル36と、エンドエフェクタ100の近位においてカテーテルに担持されている遠位環状電極38D及び近位環状電極38Pのためのリードワイヤ40D及び40Pと、を担持している。電磁位置検知技術は、米国特許第5,391,199号、同第5,443,489号、同第5,558,091号、同第6,172,499号、同第6,590,963号、及び同第6,788,967号(これらの写しが優先権主張された米国特許仮出願第63/031,955号にて提供されており、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。磁気位置センサ42はインピーダンス検知電極38Rとともに、ACLとして知られているハイブリッド型の磁気及びインピーダンス位置検知技術において利用することができ、これは、米国特許第7,536,218号、同第7,756,567号、同第7,848,787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号(これらの写しが優先権主張された米国特許仮出願第63/031,955号にて提供されており、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0070】
第4のルーメン34(例えば、図示されているように、第2のルーメン32と直径方向に反対にある)は、第2の引張りワイヤ26を担持している。管19は、好ましくはカテーテル本体12よりも可撓性の高い、好適な非毒性材料で製造される。管19に好適な材料の1つは、編組ポリウレタン、すなわち、編組ステンレス鋼などの埋込みメッシュを有するポリウレタンである。各ルーメンの寸法は、リードワイヤ、引張りワイヤ、ケーブル、及び任意の他の部品を収納するのに十分な大きさである。
【0071】
カテーテルシャフト9、すなわちエンドエフェクタ以外の、身体内に挿入することができる装置10の部分の便利な長さは、必要に応じて変化し得る。好ましくは、有用な長さは、約110cm〜約120cmの範囲である。中間セクション14の長さは、有用な長さの比較的より小さい部分であり、好ましくは約3.5cm〜約10cm、より好ましくは約5cm〜約6.5cmの範囲である。
【0072】
米国特許第9,820,664号(その写しが優先権主張された米国特許仮出願第63/031,955号にて提供されており、参照により本明細書に組み込まれる)の
図2A及び
図2Bに示され、かつ記載されているように、カテーテル本体の近位部分12は、中間セクション14に取り付けられてもよい。所望される場合、スペーサ(図示せず)を、カテーテル本体12内の、補強管の遠位端(設けられている場合)と中間セクション14の近位端との間に配置してもよい。このスペーサにより、カテーテル本体12と中間セクション14との間の連結部で可撓性についての移行部を提供することができ、これによりこの連結部が、折り畳まれたり又はよじれたりすることなく滑らかに曲がることが可能になる。そのようなスペーサを有するカテーテルは、米国特許第5,964,757号(その写しが優先権主張された米国特許仮出願第63/031,955号にて提供されており、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0073】
シャフト9の遠位部分14Aは、中間セクションが遠位部分14Aを含むように、中間セクション14と実質的に連続していてもよい。この場合、遠位部分は、1つ以上の(任意の)環状電極38Rが位置付けられていることにより中間セクション14と区別される。したがって、本明細書で言及するように、シャフト9の遠位部分14Aは、中間セクション14の遠位部分に対応していてもよい。
【0074】
図2Cに示すように、シャフト9の遠位部分14Aは、コネクタ管46によりエンドエフェクタ100に連結されている。コネクタ管46は、カテーテル本体の中間部分14を通じた電気的接続を提供するための、ループ部材1、2、3の接続のためのインサートを含む。コネクタ管46は、接着剤などによってカテーテルの遠位部分14Aに取り付けることができる。
【0075】
コネクタ管46は、電磁位置センサ、引張りワイヤアンカー、環状電極38D、38Pなどの様々な構成要素を収容するような形状であってよい。コネクタ管46は、様々な構成要素を収容するための中央ルーメン48を含んでいてもよい。コネクタ管46の近位端の内側表面を受容する管19の遠位端における外周ノッチ27(
図2A)を使用して、コネクタ管46と中間セクション14(シャフト9の遠位部分14A)とを取り付けることができる。中間セクション14とコネクタ管46とは、接着剤などにより取り付けられる。
【0076】
コネクタ管46は、電磁位置センサ42、第1の引張りワイヤ24のための遠位アンカーバー及び第2の引張りワイヤ26のための別のアンカーバー51Bなどの、様々な構成要素を収容することができる。
図2Cでは、第2の引張りワイヤ26のためのアンカー51Bのみが視認できる。第1の引張りワイヤのためのアンカーバーは、図示した引張りワイヤアンカーバー51Bの鏡像として構成されてよい。中間偏向セクション14(シャフト9の遠位部分14A)の遠位端付近の管19の外側表面上に担持された、遠位環状電極38Dが、管19の側壁に形成されたリードワイヤに接続される。リードワイヤの遠位端は、当該技術分野で知られているように遠位環状電極38Dに溶接されるか、又は他の方法で取り付けられる。
【0077】
図3A及び
図3Bは、エンドエフェクタ100の正面図及び側面図である。3つのループ部材1、2、3は、長手方向軸L−Lに沿って共通の遠位頂点50で重なり合う。各ループ部材1、2、3は、装置10の細長いシャフト9の遠位部分14Aに取り付けられた近位端セグメント1D、2D、3D、1E、2E、3Eをそれぞれ含む。
【0078】
エンドエフェクタ100は、
図3A及び
図3Bに示すような非拘束構成にある。
図3Bの側面図において見やすく示されているように、エンドエフェクタが拘束解除されているとき、ループ部材1、2、3は互いに同一平面上にない。また、
図3Bには、長手方向軸L−Lに直交するとともに、エンドエフェクタ100の正面視に略直交する直交軸O−Oが示されている。
【0079】
図4A〜
図4Dは、エンドエフェクタのループ部材の配向を示す図である。
図4B及び
図4Cは、
図4Aに示すエンドエフェクタ100の断面図である。
図4Dは、
図4Aに示すエンドエフェクタ100の遠位端から近位側を見たときのエンドエフェクタ100の図である。
【0080】
図4Bは、コネクタ46を通る断面図を示す。コネクタ46は、長手方向軸L−Lと一致する中心を有する管状インサート200を含む。直交平面P4及びP5は、インサート200内に4つの四分円を画定するように、長手方向軸と整列している。平行基準面P5は、
図3Aに示すエンドエフェクタ100の正面図に略平行である。直交基準面P4は、平行基準面P5に対して略直交し、直交軸O−Oに対して略平行である。インサート200のアパーチャ202、204、206、208、210、212は、対応する端部セグメント1D、2D、3D、1E、2E、3Eが差し込まれるように、寸法決めされ、位置決めされ、また、他の方法で構成される。開口部214、216は、引張りワイヤ又は電線、並びにエンドエフェクタ100からの、及びエンドエフェクタ100へ向かう任意の他の構成要素が差し込まれるように、直交平面P4上に配設されている。アパーチャ202、204、206、208、210、212及び開口部214、216を横断する構成要素は、例示のための
図4Bには図示されていない。
【0081】
アパーチャ202、204、206、208、210及び212のこの構成により、ループ部材1、2及び3は、
図4Cの(近位端から見た)断面図に示す非同一平面的な非拘束配設で配列され、これにより、ループ3は、直交平面P4と交差する平面P3(スパイン3A及び3Bとコネクタ3Cによって境界が定められる平面)を画定し、ループ1は、直交平面P4及びP5の両方と交差する平面P1(スパイン1A及び1Bとコネクタ1Cによって境界が定められる平面)を有し、ループ2は、直交平面P4と交差し直交平面P5と実質的に平行である平面P2(スパイン2A及び2Bとコネクタ2Cによって境界が定められる平面)を有する。
図4Dは、エンドエフェクタの遠位端を近位方向に見たときの図である。具体的には、ループ1(スパイン1A、1B及びコネクタ1Cによって画定される)は、スパイン1A、1B及びループ1Cと連続するか又はそれらを通って延びる平面P1を画定するように配列されており、一方で、ループ2のスパイン2A、2B及びコネクタ2Cは、平面P1と交差する平面P2を画定するように配列されている。ループ3のスパイン3A、3B及びコネクタ3Cは、平面P1及びP2の両方と交差する平面P3を画定するように配列されている。対応するループ1、2及び3によって画定される平面P1、P2、及びP3は、ループP1、P2及びP3が、連続的とならないように、又は共通の平面がこれらのループを通過するように配列されないように、構成される。したがって、平面P1、P2及びP3は平行ではなく、互いに交差する。なお、長手方向軸L−Lは、第2の平面P2と連続していてもよい。代替的な実施形態では、長手方向軸L−Lは、平面P1、P2及びP3によって境界が定まる領域の間に位置していてもよい。
【0082】
図4A〜
図4Dは、エンドエフェクタにおけるループ部材1、2、3の非同一平面配置の一例である。図示されたエンドエフェクタ100のような外観のエンドエフェクタを提供可能な、ループ部材の非同一平面的な配置が多数考えられる。
【0083】
図5Aは、エンドエフェクタにおける電極の間隔及び寸法を示す図である。電極37は、狭い間隔で配置された双極微小電極37A、37Bの1つ以上の対を含んでいてよく、双極微小電極37A、37Bは、組織から心電図信号を拾うように構成されている。本実施例では、一対の微小電極37A、37Bは、それらの間に、約1mm〜200マイクロメートル、好ましくは約200マイクロメートル以下の分離間隔間隙距離(Lg)を有する。各電極37A、37Bは、電極面積(Ae)及び電極長さ(L)を有する。電極長さは、約2mm〜約0.5mmであってよい。各スパイン電極37は、好ましくは、1mm〜0.5mmの長さを有する。図示した電極37は円筒状であり、電極面積は電極の円周(C)と長さ(L)の積として計算される。スパインは、直径(D)を有する。
【0084】
加えて、又は代替的に、微小電極37A、37Bは、それぞれのループ1、2、3を完全に取り囲む必要はない。この場合、微小電極37A、37Bは、電極面積(Ae)が電極長さ(L)と幅(W)の積となるような、直線的な又は弧状の、幅(W)の長方形状(弧状の長方形の場合は、幅は弧の長さ)であってもよい。電極対の構成が直線的な形状、長方形状、又は円筒形状以外の形状である実施例では、変換係数CFを使用し、一対の電極のうちのいずれか一方の既知の面積に基づいて、電極間の適切な間隙距離を決定してもよい。変換係数CFは、電極の平面面積と同じルート次元単位(root dimensional unit)の逆数を単位として、約2〜0.1の範囲であってもよい。1つの電極の平面面積が約0.08平方mmである一実施例では、両電極を通って延びる長手方向軸に沿った最小間隙距離(Lg)は、変換係数CF(単位は同じ面積のルート次元単位又はmmの逆数)を適用することにより、約100マイクロメートルの間隙距離Lgとなるものと決定することができる。1つの電極の面積が0.24平方mmである別の実施例では、変換係数CF(単位は同じルート次元単位の逆数又はmm
−1)は1.25mm
−1以下であり得、最小間隙距離Lgの範囲は約300マイクロメートル〜約24マイクロメートルとなる。電極の形状にかかわらず、好ましい変換係数CFは、約0.8(単位は電極面積と同じルート次元単位の逆数)である。
【0085】
図5Bは、機械的リンク部50を含むエンドエフェクタ100の別の図である。本実施例では、狭い間隔で配置された双極微小電極37A、37Bの少なくとも1つの対が、各スパイン1A、2A、3A、1B、2B、3B上に設けられている。より具体的には、各スパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bは、4対の双極微小電極37を担持しており、これはスパイン当たり8個の微小電極37に対応する。この数は、所望に応じて変更されてよい。また、
図5Bは、コネクタ1C、2C、3Cを単一の接続点で連結するクリップ50を示す。クリップ50は、共通の遠位頂点におけるループ1、2、3間の空間的に固定された配置を維持する機能を果たす。
【0086】
図6A及び
図6Bは、平面表面Sに押し付けられたエンドエフェクタの図である。図示の例では、デバイスのシャフト9を操作することにより、ループ部材1、2、3が平面表面Sに押し付けられ得る。より具体的には、エンドエフェクタ100が患者内に位置付けられるとき、カテーテル本体12及び制御ハンドル16の操作によって、エンドエフェクタ100を、心臓及び/又は血管の内壁などの患者体内の空洞の壁部における表面に当てて位置付けることができる。エンドエフェクタ100を平面表面Sに当てて位置付けると、各スパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bのそれぞれの長さの大部分は、平面表面に接し、かつ平面表面に対して揃えられ得る。更に、エンドエフェクタ100を平面表面Sに当てて位置付けると、各スパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bのそれぞれの長さの大部分は、他のスパインのそれぞれの長さの大部分と揃えられ得る。スパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bが表面に接し、かつ揃えられるためには、表面Sが平面である必要は必ずしもない。エンドエフェクタ100は、例えば、湾曲表面に適合可能とされてもよい。
【0087】
図6Bに示すように、各スパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bの大部分が表面Sに押し付けられると、接続セグメント1C、2C、3Cを、リンク部50において遠位頂点にて表面Sの上に積み重ねることができる。リンク部50によって、表面Sに最も近い第1の接続セグメント1Cを表面Sから離すことができる。第1の接続セグメント1Cの上に積み重なった第2の接続セグメント3Cは、リンク部50及び第1の接続セグメント1Cによって表面Sから離され得る。第3の接続セグメント2Cは、リンク部50並びに第1の接続セグメント1C及び第2の接続セグメント3Cによって表面Sから離され得る。したがって、各スパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bの大部分が平面表面に押し付けられているとき、各接続セグメント1C、2C、3Cの少なくとも一部分は、平面表面Sから離され得る。あるいは、リンク部50は、第1の接続セグメントが平面表面Sに実質的に接するように、第1の接続セグメント1Cに挿入されてもよい。この場合、第2の接続セグメント3C及び第3の接続セグメント2Cのみが、遠位頂点において平面表面Sから離される。
【0088】
ループ部材1、2、3の近位セグメント1D、2D、3D、1E、2E、3Eは、近位セグメントのそれぞれの少なくとも一部分が表面Sから離れる方へ湾曲するように曲げられてもよい。
【0089】
各スパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bの大部分を表面Sに押し付けると、各スパインの電極37の少なくとも一部を表面Sと接触させることができる。いくつかの実施例では、各スパインの全ての電極37が表面37と接触することができる。
【0090】
各スパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bの大部分が表面Sに押し付けられると、各ループ部材のそれぞれの長さの大部分が表面Sに接するようになり得る。ここで、各ループ部材のそれぞれの長さには、対応ループ部材のスパイン1A、2A、3A、1B、2B、3B、コネクタ1C、2C、3C、及び近位セグメント1D、2D、3D、1E、2E、3E(コネクタ管46の遠位側)の長さが含まれている。
【0091】
図7は、約360°偏向されたカテーテルのシャフトの中間セクション14の図である。エンドエフェクタ100は、第1の側100A及び第2の側100Bを有する。これにより、ユーザは、少なくとも中間セクション14を(カテーテル本体12の遠位部分がそうではない場合でも)組織表面に対して概ね垂直とした状態で、第1の側100A(又は100B)を組織表面に当てて配置することができ、また、制御ハンドルを作動させて中間偏向セクション14を偏向させ、第2の側100Bがカテーテル本体12に向かって偏向するように、様々な偏向又は曲率半径(例えば、矢印D1及びD2)に到達させることができる。このように位置付けられることにより、中間セクション14が偏向するにつれて、組織表面にわたるループ部材1、2、3を含むエンドエフェクタ100の第2の側100Bのドラッギングが可能となり得る。中間セクションは、
図2A〜
図2Cに示す引張りワイヤ24、26の操作によって偏向され得る。引張りワイヤ24、26は、2つの別個の引張部材であってもよいし、又は単一の引張部材の一部であってもよい。いくつかの実施例では、引張りワイヤ24、26は、中間セクション14が双方向に偏向するように作動され得る。引張りワイヤ24及び26は、サム制御ノブ又は偏向制御ノブ11に応答する制御ハンドル16内の機構によって作動され得る。好適な制御ハンドルは、米国特許第6,123,699号、同第6,171,277号、同第6,183,435号、同第6,183,463号、同第6,198,974号、同第6,210,407号、及び同第6,267,746号(これらの写しが優先権主張された米国特許仮出願第63/031,955号にて提供されており、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている。
【0092】
中間セクション14でのTバー51B(
図2C参照)によるアンカーを含む引張りワイヤの構成の詳細は、当該技術分野において既知であり、例えば、米国特許第8,603,069号及び同第9,820,664号(これらの写しが優先権主張された米国特許仮出願第63/031,955号にて提供されており、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。引張りワイヤ24及び26は、ステンレス鋼又はニチノールなどの任意の好適な金属で作製されてよい。引張りワイヤ24、26は、好ましくはテフロンなどでコーティングされる。コーティングによって引張りワイヤに潤滑性が付与される。引張りワイヤは、好ましくは、約0.006インチ〜約0.010インチの範囲の直径を有する。
【0093】
図8A〜
図8Dは、エンドエフェクタ100の支持フレームアセンブリ80の図である。
図8A及び
図8Bは、非拘束構成にある支持フレームアセンブリ80を示す。
図8C及び
図8Dは、表面Sに押し付けられた支持フレームアセンブリ80を示す。エンドエフェクタ100が組み立てられると、ループ部材1、2、3はそれぞれ、対応する支持フレーム81、82、83を含む。ループ部材1、2、3がシャフト9に対して機械的に取り付けられるよう、支持フレームアセンブリ80は、コネクタ管46内へと延びている。支持フレーム81、82、83により、ループ部材1、2、3の構造的一体性がもたらされる。支持フレーム81、82、83は、プラスチック若しくは金属の切り出し(cut-off)シート、プラスチック若しくは金属の丸形ワイヤ、プラスチック若しくは金属の正方形ワイヤ、又は他の好適な生体適合性材料を含むことができる。好ましい実施形態では、支持フレームは、例えばニチノールなどの形状記憶材料から作製される。テスト及び例示の目的のために、支持フレームアセンブリ80は、機械的リンク部50によって遠位頂点で締結されている。組み立てられたエンドエフェクタ100では、支持フレーム81、82、83は、ループ部材1、2、3の外側ハウジングに取り付けられた機械的リンク部、又は支持フレーム81、82、83間の直接的なリンク部によって組み立てられていてもよい。
【0094】
エンドエフェクタが拘束解除されているとき、支持フレーム81、82、83のそれぞれは、
図8Aに示すように、対応ループ部材1、2、3の対応ループ状経路を画定する。各支持フレーム81、82、83は、エンドエフェクタ100の対応するスパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bを通って延びる対応平行セグメント81A、82A、83A、81B、82B、83Bを含む。各支持フレーム81、82、83は、対応ループ部材1、2、3の対応する近位セグメント1D、2D、3D、1E、2E、3Eを通って延びる対応近位セグメント81D、82D、83D、81E、82E、83Eを含む。エンドエフェクタ100がシャフト9に接合されるよう、近位セグメント81D、82D、83D、81E、82E、83Eは、コネクタ管46内に延びている。各支持フレーム81、82、83は、平行セグメント81A、82A、83A、81B、82B、83Bの対応する対の間に、対応ループ部材1、2、3の対応接続セグメント1C、2C、3Cを通って延びる対応接続セグメント81C、82C、83Cを含む。
【0095】
エンドエフェクタが拘束解除されているとき、平行セグメント81A、82A、83A、81B、82B、83Bのうちの少なくとも1つは、他の平行セグメントと共通の平面内において整列していない。換言すると、ループ状経路のうちの少なくとも1つは、他のループ状経路のうちの一方又は両方と同一平面上にない。各支持フレーム81、82、83の平行セグメント81A、82A、83A、81B、82B、83Bの対は、当該対に対応する支持フレーム81、82、83についての平面を画定することができる。エンドエフェクタ100が非拘束構成にあるとき、支持部材81、82、83は、
図4Cに示すように、3つの平面P3、P4、P5を画定するように概ね並んでいてよい。
【0096】
図8C及び
図8Dの一連の図にあるように、ループ部材1、2、3が表面Sに押し付けられると、対応平行セグメント対のそれぞれの各セグメントの対応長さの大部分は、対応平行セグメント対のそれぞれにおける他のセグメントのそれぞれの対応長さの大部分と略同一平面上にあるようになり得る。支持部材80は、
図6Bに示すように、ループ部材1、2、3が表面Sへと押し付けられると、表面S対して揃えられるようになり得る。表面Sが平面であるとき、平行セグメント81A、82A、83A、81B、82B、83Bは、それらの対応長さの大部分に沿って互いに同一平面上にあるようになる。
【0097】
各支持フレーム81、82、83は、ループ部材1、2、3の表面Sへの適合性を高めるためのナックルを含んでいてもよい。ナックルは、対応する支持部材81、82、83のループ状経路に沿って均等に又は不均等に離間して配置され得る。ナックル特徴部は、支持部材81、82、83の材料が細くなったセクションを含んでいてもよい。加えて、又は代替的に、ナックル特徴部はヒンジ機構を含んでいてもよい。
【0098】
図9A及び
図9Bは、各支持フレームの対応ループ状経路に沿って断面が変化する例示的な支持フレームの図である。各支持フレーム80は、個々の支持フレームのループ状経路に沿って変化する断面形状をそれぞれ有することができ、ここで、断面形状とは、ループ状経路の方向に直交する断面から取ったものである。
図9A及び
図9Bには、2つの異なる例示的な支持フレームアセンブリ80a、80bが示されている。例示的な支持フレームアセンブリ80a、80bのそれぞれは、偏向に抵抗するように構成された断面積を有する領域I−Iと、偏向しやすいように構成された領域II−IIとを有する。偏向に抵抗するように構成された領域I−Iは、偏向しやすいように構成された領域II−IIと比較して、より大きな断面積を有し得る。あるいは、偏向に抵抗するように構成された領域I−Iは、平たくなっていないか、又はより平たくなっていない領域II−IIと似た断面を有する一方で、断面の長辺方向の偏向に抵抗するように平たくされてもよい。すなわち、
図9Aでは、細いセクションは、シース後退を促進すること(より小さい力でのフレームの縮小)を意図したものである一方で、
図9Bでは、遠位側のII−II部分は依然としてフレームの縮小を意図したものであるが、近位側のII−IIセクション(ナックル)は、長手方向軸L−Lに対する偏向を促進することを意図したものである。
【0099】
図10Aは、エンドエフェクタ100の例示的な支持フレームアセンブリ80cの別の図である。
図10B〜
図10Eは、
図10Aに示す例示的な支持フレームの断面積の図である。
図10F及び
図10Gは、幅広領域と幅狭領域との間の例示的な移行様式の図である。
【0100】
図10Aは、エフェクタ100の別の例示的な支持フレームアセンブリ80cの(第2の平面P2上を見下ろしたときの)上面図を示す(配向については
図4C参照)。支持フレーム81、82、83には、
図10B〜
図10Eに示す近似断面形状を有する位置を示すローマ数字が付されている。各断面は、各支持フレーム81、82、83の対応ループ状経路に直交して取ったものである。各支持フレーム81、82、83は、そのループ状経路に沿って断面が変化する。断面を変化させることによって、各支持フレーム81、82、83の剛性/可撓性は、そのループ状経路に沿って変化し得る。
【0101】
図10Bは、ローマ数字I−Iが付された各支持フレーム81、82、83のセクションに対応する、実質的に長方形状の断面を示す。拘束解除されているとき、平行セグメント81A、82A、83A、81B、82B、83Bは、各支持フレーム81、82、83に対応する平面を画定している。この長方形は、それぞれの支持フレームの平面内で長くなっている。この長方形は、それぞれの支持フレーム81、82、83の平面に直交する方向に短くなっている。当業者には理解されるように、当該形状により、この形状の短縁部と整列した軸に沿う可撓性を、この形状の長縁部と整列した軸に沿う可撓性よりも、大きくすることができる。いくつかの実施例では、長方形の長辺の幅は約0.012インチ(0.3ミリメートル)であり、長方形の短辺は約0.008インチ(0.2ミリメートル)である。
【0102】
図10Cは、ローマ数字I−Iが付された各支持フレーム81、82、83のセクションに対応する、卵形又は楕円形の代替的断面を示す。
図10Bに示す長方形と同様に、
図10Cに示す楕円形は、対応する支持フレーム81、82、83の平面内で長く、それぞれの平面に直交する方向に短い。このことは、当業者に理解されるように、各方向における相対的な可撓性に影響を及ぼす。いくつかの実施例では、楕円形の長辺の幅は約0.012インチ(0.3ミリメートル)であり、楕円形の短辺は約0.005インチ(0.13ミリメートル)である。
【0103】
図10Dは、各支持フレーム81、82、83のローマ数字II−IIが付されたセクションに対応する断面を示す。
図10Dに示す断面は、実質的に長方形状であり、対応する支持フレーム81、82、83の平面における幅が、
図10Bに示す長方形断面の幅と比較して、より短くなっている。
図10Dに示す断面において支持フレーム81、82、83の平面に直交する高さは、
図10Bに示す長方形の断面の高さとほぼ等しくてもよい。あるいは、幅狭セクションII−IIの高さは、幅広セクションI−Iの高さよりも高くてもよい。
図10Dに示す断面を有するそれぞれの支持フレーム81、82、83の領域は、
図10Bに示す断面を有するそれぞれの支持フレームの領域よりも、それぞれの支持フレームの平面内での可撓性が大きくなる。いくつかの実施例では、断面は、約0.008インチ(0.2ミリメートル)の縁部長さを有する略正方形である。
【0104】
図10B及び
図10Dに示す長方形状断面を含む支持フレーム81、82、83は、
図10B及び
図10Dに示す断面形状の高さにほぼ等しい厚さのシートを選択し、そのシートを、各支持フレーム81、82、83の各セグメントの幅を、ローマ数字I−Iによって示す領域では広くなり、ローマ数字II−IIによって示す領域では狭くなるように変化させて、
図10Aに示すようなそれぞれの支持フレーム81、82、83の形状に切断することによって、形成することができる。あるいは、支持フレーム81、82、83は、正方形又は長方形状のワイヤを選択し、ワイヤを成形してループ状経路を形成し、幅広の断面I−I及び幅狭な断面II−IIを有する各領域を有するように、ワイヤを平たくすることによって、形成することもできる。
【0105】
図10Eは、ローマ数字II−IIが付された各支持フレーム81、82、83のセクションに対応する代替の断面を示す。この断面は、卵形又は楕円形状であり、
図10Cに示す楕円形断面の幅と比較して、対応する支持フレーム81、82、83の平面において、より短くなっている。
図10Eに示す断面において支持フレーム81、82、83の平面に直交する高さは、
図10Cに示す楕円形の断面の高さよりも高くてよい。
図10Eに示す断面を有するそれぞれの支持フレーム81、82、83の領域は、
図10Cに示す断面を有するそれぞれの支持フレームの領域よりも、それぞれの支持フレームの平面内での可撓性が大きくなる。いくつかの実施例では、断面は、約0.008インチ(0.2ミリメートル)の直径を有する略円形である。
【0106】
図10C及び
図10Eに示す卵形又は楕円形の断面を含む支持フレーム81、82、83は、円形又は楕円形のワイヤを選択し、ワイヤを成形してループ状経路を形成し、幅広の断面I−I及び幅狭な断面II−IIを有する各領域を有するように、ワイヤを平たくすることによって、形成することができる。
【0107】
図10A〜
図10Eをまとめて参照すると、エンドエフェクタ100は、任意の組み合わせで
図10B〜
図10Eに示す断面の一部又は全てを有する支持フレームアセンブリ80cを含んでいてもよい。更に、各支持フレーム81、82、83は、
図10B〜
図10Eに示す断面の一部又は全てを、任意の組み合わせで個別に含んでいてもよい。エフェクタ100は、本明細書の教示に従って当業者に理解されるように、ローマ数字I−Iによって示す領域とローマ数字II−IIによって示す領域との間の可撓性の違いを達成するために、本明細書に例示されていない断面を追加的に、又は代替的に含んでいてもよい。同じ支持フレーム81、82、83において長方形状と卵形とを組み合わせた場合、コスト及び/又は製造の困難さが増す可能性があるため、好ましくは、製造可能性のために、個々の支持フレーム81、82、83は、主に長方形状の断面形状(例えば、
図10B及び
図10D)又は主に卵形形状(例えば、
図10C及び
図10E)を含んでいてもよい。
【0108】
図10F及び
図10Gに、エンドエフェクタの支持フレームの領域間の考え得る移行様式(ナックル)を示す。
図10Fに示すように、支持フレームは、幅広な断面I−Iから幅狭な断面II−IIへと、またその逆方向に、幅方向に非対称に移行してもよい。
図10Gに示すように、支持フレームは、幅広な断面I−Iから幅狭な断面II−IIへと、またその逆方向に、幅方向に対称に移行してもよい。支持フレームは、幅方向に非対称な移行のみ、幅方向に対称な移行のみ、又は幅方向に非対称及び対称な移行の混合を含んでいてもよい。このような移行は、本明細書で図示又は記載される例示的な支持部材のいずれにも適用することができる。
【0109】
図11Aは、エンドエフェクタ100の非対称支持フレーム181の図である。
図11B及び
図11Cは、
図11Aに示すような非対称支持フレーム181の断面図である。非対称支持フレーム181は、本明細書の他の箇所(例えば、
図8A〜
図8Dに関して)で図示及び記載される外側の支持フレーム81、83の代わりに使用することができる、別の例示的な支持フレームである。
図12Aは、エンドエフェクタ100の対称支持フレーム182の図である。対称支持フレーム182は、本明細書の他の箇所(例えば、
図8A〜
図8Dに関して)で図示及び記載される中央の支持フレーム82の代わりに使用することができる、別の例示的な支持フレームである。
図12B及び
図12Cは、
図12Aに示す対称支持フレームの断面図である。
図12Dは、
図12Aに示す対称支持フレームの詳細なセクションの図である。いくつかの実施例では、支持フレームアセンブリ80は、2つの非対称支持フレーム181及び単一の対称支持フレーム182を含んでいてよい。
【0110】
図11Aには、非対称支持フレーム181の平行セグメント81A、81Bが、
図11Bに示す接続セグメント81Cの幅狭な断面II−IIよりも幅広な、
図11Cに示すような断面I−Iを有し得ることが示されている。いくつかの実施例では、平行セグメント81A、81Bの断面形状は、支持フレーム181の平面における幅が約0.013インチ(0.33ミリメートル)であり、支持フレーム181の平面に直交する高さが約0.005インチ(0.13ミリメートル)である、実質的に長方形状であってもよい。いくつかの実施例では、接続セグメント81Cの断面形状は、支持フレーム181の平面における幅が約0.008インチ(0.2ミリメートル)であり、支持フレーム181の平面に直交する高さが約0.008インチ(0.2ミリメートル)である、実質的な長方形状又は正方形状であってもよい。更に、近位セグメント81E、81Dは、平行セグメント81A、81Bとほぼ同じ寸法の断面I−Iを有していてもよい。
【0111】
図12Aには、対称支持フレーム182の平行セグメント82A、82Bの長さの大部分が、接続セグメント82Cの幅狭な断面II−IIよりも幅広な、
図12Cに示すような断面I−Iを有し得ることが示されている。平行セグメント82A、82Bは、
図12Dに図示され、また
図12Aに示されているような、幅広な断面I−Iの広い幅から、幅狭な断面II−IIの狭い幅II−IIまで細くなる、テーパ状移行部を含んでいてもよい。テーパ状移行部の遠位にある各平行セグメント82A、82Bの遠位部分は、より狭い断面I−Iを有していてよい。近位セグメント82E、83Dは、平行セグメント82A、82Bの長さの大部分とほぼ同じ寸法の断面I−Iを有していてよい。対称支持フレーム182は、幅狭なセクション82F、82Gを更に含んでいてもよく、幅狭なセクション82F、82Gは、対応平行セグメント82A、82Bの近位部分と、対応近位セグメント82D、82Eの遠位部分と、をそれぞれ含んでいてもよい。これらの幅狭なセクション82F、82Gは、
図12Bに示すような断面II−IIを有していてよい。これらの幅狭なセクション82F、82Gは、約0.102インチ(2.6ミリメートル)の長さを有していてよい。対称支持フレーム82は、図示のように、支持フレーム82の平面において平行セグメント82A、82Bの外縁間で測定して、約0.294インチ(7.5ミリメートル)の幅を有していてよい。
【0112】
図12Bに示すように、いくつかの実施例では、幅狭な断面領域II−IIは、支持フレーム182の平面における幅が約0.005インチ(0.13ミリメートル)であり、支持フレーム182の平面に直交する高さが約0.005インチ(0.13ミリメートル)である実質的に矩形状又は正方形状の断面形状あってもよい。
【0113】
図12Cに示すように、いくつかの実施例では、幅広な断面領域I−Iは、支持フレーム182の平面における幅が約0.01インチ(0.25ミリメートル)であり、支持フレーム182の平面に直交する高さが約0.005インチ(0.13ミリメートル)である実質的に長方形状の断面形状あってもよい。
【0114】
図13Aは、エンドエフェクタ100の非対称支持フレーム281の図である。
図13B及び
図13Cは、
図13Aに示す非対称支持フレーム281の断面図である。非対称支持フレーム281は、本明細書の他の箇所(例えば、
図8A〜
図8Dに関して)で図示及び記載される外側の支持フレーム81、83の代わりに使用することができる、別の例示的な支持フレームである。
図13D及び
図13Eは、
図13Aに示す非対称支持フレーム281の詳細なセクションの図である。
図14Aは、エンドエフェクタ100の対称支持フレーム282の図である。対称支持フレーム282は、本明細書の他の箇所(例えば、
図8A〜
図8Dに関して)で図示及び記載される中央の支持フレーム82の代わりに使用することができる、別の例示的な支持フレームである。
図14B及び
図14Cは、
図14Aに示す対称支持フレームの断面図である。
図14D及び
図14Eは、
図14Aに示す対称支持フレームの詳細なセクションの図である。いくつかの実施例では、支持フレームアセンブリ80は、2つの非対称支持フレーム281及び単一の対称支持フレーム282を含んでいてよい。
【0115】
図13Aには、非対称支持フレーム281の平行セグメント81A、81Bが、接続セグメント81Cの幅狭な断面II−IIよりも幅広な、
図13Bに示すような断面I−Iを有し得ることが示されている。いくつかの実施例では、平行セグメント81A、81Bの断面形状は、支持フレーム281の平面における幅が約0.01インチ(0.25ミリメートル)であり、支持フレーム281の平面に直交する高さが約0.007インチ(0.18ミリメートル)である、実質的な長方形状であってもよい。いくつかの実施例では、少なくとも
図13Aの断面A−Aによって示す領域内の接続セグメント81Cの断面形状は、支持フレーム281の平面における幅が、平行セグメント81B、81Aの断面の幅よりも狭い、実質的に正方形であってもよい。断面I−Iは、約0.005〜約0.007インチ(約0.13〜0.18ミリメートル)の幅を有していてよい。断面I−Iは、約0.007インチ(約0.18ミリメートル)の高さを有していてよい。更に、近位セグメント81E、81Dは、平行セグメント81A、81Bとほぼ同じ寸法の断面I−Iを有していてもよい。遠位端から近位端にかけて測定したときのフレーム81Bの長さL1(
図13Aにおいて「y」として示す)は、約1.4インチ(又は36mm)であってよく、フレーム81Aからフレーム81Bまで測定したときの幅W1は、約0.29インチ(又は7.4mm)である。
【0116】
図13Dは、
図13Dに示す幅広な断面I−Iと、
図13Cに示す幅狭な断面II−IIとの間の、コネクタセグメント81Cにおける移行部を示す。
【0117】
図13Eは、ループ部材の2つの端部をシャフト9又はコネクタ管46の遠位部分に固定するように成形された支持フレーム281の鋸歯状セグメントを示す。
【0118】
図14Aには、対称支持フレーム282の平行セグメント82A、82Bの長さの大部分が、
図14Bに示す接続セグメント82Cの幅狭な断面II−IIよりも幅広な、
図14Cに示すような断面I−Iを有し得ることが示されている。平行セグメント82A、82Bは、
図14Dに図示され、また
図14Aに示されているような、幅広な断面I−Iの広い幅から、幅狭な断面II−IIの狭い幅II−IIまで細くなる、テーパ状移行部を含んでいてもよい。
図14Eは、ループ部材の2つの端部をシャフトの遠位部分に固定するように成形された支持フレーム282の鋸歯状セグメントを示す。本発明者らは、長さL1対幅W1(すなわち、L1/W1)のアスペクト比が4〜5となり得るように、
図14A(並びに
図13A)の支持フレームの構成を考案した。好ましい実施形態では、
図13A及び
図14Aのフレーム支持体のアスペクト比(L1/W1)は、4.5又は4.75のうちの一方である。
【0119】
図14Bに示すように、いくつかの実施例では、幅狭な断面領域II−IIは、支持フレーム282の平面における幅が約0.005インチ(0.13ミリメートル)であり、支持フレーム282の平面に直交する高さが約0.007インチ(0.18ミリメートル)である、実質的な長方形状である断面形状であってもよい。
【0120】
図14Cに示すように、いくつかの実施例では、幅広な断面領域I−Iは、支持フレーム282の平面における幅が約0.01インチ(0.25ミリメートル)であり、支持フレーム282の平面に直交する高さが約0.005インチ(0.13ミリメートル)である、実質的な長方形状である断面形状であってもよい。
【0121】
図15は、支持フレームの端部における波状又は鋸歯状形状86の図である。波状又は鋸歯状形状86により、(例えば、コネクタ管46内での)シャフト9の遠位端14Aへの、支持フレーム81、82、83の係合が容易になり得る。具体的には、各支持フレームの鋸歯状部86は、コネクタ管46とモールディングされてもよく、又はコネクタ管46に取り付け(例えば、接着剤又はエポキシ)られてもよい。ループが管46から外に出ているときの各ループフレームの構造的強固さを確保するために、各支持フレームの各鋸歯状部86は、管46に直接取り付けられ、ある鋸歯状部86が別の支持部材からの別の鋸歯状部86と係合又はかみ合わせられることはない。これにより、鋸歯状部86が、他の鋸歯状部86ではなく管46に個別に取り付けられていることから、ループ遠位端からフレーム81に伝達される力が、鋸歯状部を介してそれ自体に、又は他のフレーム82及び83に、伝達されないことが確保される。
【0122】
図16A〜
図16Dは、様々な力がかかることによる支持フレームアセンブリの変形の図である。各支持フレームアセンブリ80は、第1の支持フレーム81、第2の支持フレーム82、及び第3の支持フレーム83を含む。第1の支持フレーム81及び第3の支持フレーム83は、第2の中央の支持フレーム82を取り囲む外側の支持フレームである。支持フレームアセンブリ80は、遠位頂点において第1の支持フレーム81、第2の支持フレーム82、及び第3の支持フレーム83を締結する機械的リンク部50を含む。
【0123】
図16Aは、楔Wの頂点が力F1で第3の支持フレーム83に押し付けられたときに、第1の支持フレーム81が平面表面Sに押し付けられている様子を示す。支持フレームアセンブリ80は、平面表面Sに略直交して揃えられている。力F1は、平面表面Sに略直交して、かつ平面表面Sに向かう方向に加えられている。力F1は、第3の支持フレーム83の外側の平行セグメント83Bの長さに沿った中央に加えられている。第3の支持フレームの外側の平行セグメント83Bは、力F1の結果として表面Sに向かって曲がる。支持フレームアセンブリ80は、力F1が加わったときにスパイン間の接触に抵抗するように構成されていてよい。
図16Aでは、第3の支持フレームの外側の平行セグメント83Bは曲がって、第2の支持フレーム82に接触している。第3の支持フレーム83の外側の平行セグメント83Bを移動させて、第2の支持フレーム82と接触させるのに十分な力F1は、(例えば、支持フレーム断面設計が異なる)様々な支持フレームアセンブリ設計を比較するために用いるメトリックとなり得る。この場合、力F1が大きいほど、この試験についてのより良好な結果を示す。
【0124】
図16Bは、2つの平面表面S1、S2の間において、力F2で圧縮された支持フレームアセンブリ80を示す。平面表面S1、S2は、互いに略平行に整列している。支持フレームアセンブリ80は、平面表面S1、S2に略直交するように揃えられる。第1の支持フレーム81の外側の平行セグメント81Aは、第1の平面表面S1によって押されている。第3の支持フレーム83の外側の平行セグメント83Bは、第2の平面表面S2によって押されている。平面表面S1、S2間において力F2で圧縮された結果、外側の平行セグメント81A、83Bは、反対側の平面表面S1、S2に向かって曲がっている。支持フレームアセンブリ80は、力F2が加わったときにスパイン間の接触に抵抗するように構成されていてよい。第3の支持フレーム83の外側の平行セグメント83B又は第1の支持フレーム81の外側の平行セグメント81Aを移動させて、第2の支持フレーム82と接触させるのに十分な力F2は、(例えば、支持フレーム断面設計が異なる)様々な支持フレームアセンブリ設計を比較するために用いるメトリックとなり得る。この場合、力F2が大きいほど、この試験についてのより良好な結果を示す。好ましい実施形態では、F1又はF2は、約10重量グラム以上である。好適な力の範囲は、F1について約10重量グラム〜50重量グラムであり、10重量グラム〜70重量グラムである。
【0125】
図16Cは、平面表面Sによって支持フレームアセンブリ80の遠位端に力F3が加えられることにより圧縮されている、支持フレームアセンブリ80を示す。シャフト9の遠位部分14Aは、シャフト9によって画定される長手方向軸L−Lが表面Sに略直交するように、コネクタ管46の近位側の位置に保持されている。力F3は、第1の支持フレーム81及び第3の支持フレーム83のコネクタセグメント81C、83Cに加えられている。力F3により長手方向軸L−Lの方向へ圧縮された結果、支持フレームアセンブリ80及びコネクタ管46は偏向して、長手方向軸L−Lに対して揃わなくなる。これは、シャフト9の遠位セクション14A及び/又はエンドエフェクタが、心臓壁に適用されたときに、エンドエフェクタが心臓壁に穴を開けてしまうことがないように、エンドエフェクタ及び/又はシャフトの遠位セクションが十分に弱い力でねじ曲がる程度に、十分に可撓性であることを確保するためである。
【0126】
図16Dは、遠位頂点にある機械的リンク部50の近くで支持フレームアセンブリに略直交して加えられる力F4によって偏向された支持フレームアセンブリ80を示す。シャフト9の遠位部分14Aは、コネクタ管46付近で保持されている。力F4の結果、支持フレーム80は偏向し、長手方向軸L−Lと揃わなくなっている。いくつかの使用事例では、治療領域の形状、及び/又は触覚フィードバックに関する医師の好みに応じて、力F4による偏向がより大きく、又はより小さくなることが望ましい場合もある。
【0127】
図17A〜
図17Dは、本発明の態様に係る例示的な長方形状又は卵形状の機械的リンク部50aの図であり、機械的リンク部50aは、単一の閉鎖可能な開口部を有し、ループ部材を締結するために使用される。代替的な機械的リンク部50b〜hを
図18A〜
図22Cに示す。本明細書に記載及び図示されたような、遠位頂点におけるループ部材1、2、3の締結様式と同様に、リンク部50a〜hを用いてカテーテルベースのデバイスのループ部材(又は他の電極保持構造体)の締結を行うことができる。機械的リンク部は、エンドエフェクタ100のスパイン1A、2A、3A、1B、2B、3Bの電極37が互いに接触することを防ぐ機能を発揮し得る。ループ部材1、2、3は、エンドエフェクタ100の近位端付近のコネクタ管46によって、互いに対して空間的に取り付けられている。機械的リンク部がない場合、
図16A〜
図16Dに示す力F1、F2、F3、F4などの力が作用すると、対応ループ部材1、2、3の遠位端は、互いに対して自由に移動してしまう。機械的リンク部は、カテーテル又はガイドシースを通って治療部位へと送達されるよう、エンドエフェクタ100の縮小が可能なように、寸法決め、成形、及び他の方法で構成される。また、エンドエフェクタ100の組み立ての容易さも、機械的リンク部の設計上の考慮事項である。
【0128】
図17Aは、3つのループ部材1、2、3を締結する機械的リンク部50aを示す。機械的リンク部50aは、シーム又は間隙52を含む。
図17B及び
図17Cは、製造時の機械的リンク部50aを示す。リンク部50aは、最初は、開放したクリップとして形成される。硬質材料、好ましくは金属を、開放したペーパークリップに似た形状に、成形又は切断する。個々のループ部材1、2、3は、機械的リンク部50aによって締結される前に構築され得る。構築のいくつかの例示的な方法では、エンドエフェクタ100は、リンク部50aがループ部材1、2、3に取り付けられる前に、完全に収縮され、シャフト9に取り付けられ得る。リンク部50aは、一度に1つのループ部材1、2、3がリンク部50aに挿入され得るように寸法決めされた開口部52を含んでいてもよい。製造時の開口部52は、遠位頂点付近におけるループ部材1、2、3のそれぞれの直径よりも大きくてもよい。ループ部材1、2、3がリンク部50aに挿入されると、
図17Dに示すように、開口部52が縮小され得る。開口部52は、リンク部50aの自由開放端部を、リンク機構50aの他方の開放端部と一直線になるまでかしめることによって縮小され得る。開口部が縮小させられるとき、
図17Bに示すように、リンク部50aの短辺は、約20°の角度にわたって移動させられ得、リンク部50aの長辺の自由開放端は、約59°の角度にわたって移動させられ得る。
【0129】
図17A〜
図17Dに示す機械的リンク部50aは、対称である。代替的には、機械的リンク部50aは、カテーテルを通して送達するため、エンドエフェクタが偏りなく縮小形状となりやすいように、非対称であってもよい。
【0130】
図18A〜
図18Cは、単一の開口部を有し、ループ部材1、2、3を締結するために使用される、例示的な長方形状又は卵形状の機械的リンク部50bの図である。例示的な機械的リンク部50bは、連続した4つの辺を有する。
図17A〜
図17Dに示す例示的な機械的リンク部50aと比較すると、
図18A〜
図18Cの例示的な機械的リンク部50bには、間隙又はシーム52がない。組み立ての際、ループ部材1、2、3は、ループ部材1、2、3の端部がシャフト9に取り付けられる前に、リンク部50bの開口部54を通って設けられ得る。
【0131】
図18A〜
図18Cに示す機械的リンク部50bは、対称である。代替的には、カテーテル又はガイドシースを通して送達するためにエンドエフェクタ100が縮小されるときに、ループ部材1、2、3を特定の側に畳みやすいように、リングの一辺が他の辺よりも幅広になっていてもよい。
【0132】
図19A〜
図19Cは、3つの開口部56、57、58を有し、ループ部材1、2、3を締結するために使用される、例示的な長方形状又は卵形状の機械的リンク部50cの図である。各開口部56、57、58は、ループ部材1、2、3を受容するように成形されるか、他の方法で構成され得る。
【0133】
リンク部50cは、中央の対称なループ部材2を受容するための円形開口部57を含んでいてもよい。中央のループ部材2は、遠位頂点においてリンク部50cに略直交していてよく、これにより、リンク部50cの対応する開口部57は円形であってよい。リンク部50cは、2つの横長の開口部58、56を含んでいてよく、開口部58、56のそれぞれは、対応する外側の非対称なループ部材1、3を受容するようにそれぞれ成形されている。外側のループ部材1、3は、直交しない角度でリンク部50cを通過していてよい。リンク部50cを通る外側ループ部材1、3の非直交性の軌道に対応するため、対応するリンク部の開口部56、58の横長の形状を伸長させてもよい。
【0134】
各ループ部材1、2、3は、対応管状ハウジング91、92、93を備えていてもよく、管状ハウジング91、92、93は、そのループ部材1、2、3の支持フレーム81、82、83の大部分を覆う。遠位頂点における支持フレーム81、82、83間の距離を縮めるため、ループ部材1、2、3が、遠位頂点付近において管状ハウジング91、92、93を含んでいなくてもよい。リンク部50cの開口部56、57、58は、ループ部材の支持フレーム81、82、83が通過可能なように寸法決めされてよいが、管状ハウジング91、92、93が通過可能なように寸法決めされる必要はない。組み立ての際、支持フレーム81、82、83は、管状ハウジング91、92、93がループ部材1、2、3に追加される前に、リンク部50cの開口部56、57、58を通して位置付けられ得る。
【0135】
あるいは、ループ部材1、2、3の管状ハウジング91、92、93が通過可能なように開口部56、57、58を寸法決めすることにより、管状ハウジング91、92、93の一部又は全てが遠位頂点を横断する設計を可能にしたり、かつ/又は機械的リンク部50cより先に管状ハウジング91、92、93をループ部材1、2、3に取り付ける組み立てプロセスを可能にしたりすることもできる。
【0136】
図20A〜
図20Cは、3つの通路60、62、64を有し、ループ部材1、2、3の支持部材81、82、83を締結するために使用される、例示的な円筒状機械的リンク部50dの図である。リンク部50dの開口部60、62、64は、ループ部材の支持フレーム81、82、83が通過可能なように寸法決めされ得るが、管状ハウジング91、92、93が通過可能なように寸法決めされる必要はない。組み立ての際、支持フレーム81、82、83は、管状ハウジング91、92、93がループ部材1、2、3に追加される前に、リンク部50dの開口部60、62、64を通して位置付けられ得る。
【0137】
図21A〜
図21Cは、3つの通路66、68、70を有し、支持部材81、82、83を覆う管状ハウジング91、92、93を有するループ部材1、2、3を締結するために使用される、例示的な円筒状機械的リンク部50eの図である。いくつかの実施例では、通路66、68、70は、機械的リンク部50eよりも先に、管状ハウジング91、92、93がループ部材1、2、3に取り付けられる組み立てプロセスを可能にするように寸法決めされ得る。
【0138】
図22A〜
図22Cは、更なる例示的な機械的リンク部の図である。
図22Aは、ループ部材1、2、3の寸法に対して高度に適合化させた形状を有するポリマーを含む機械的リンク部50fを示す。リンク部50fは、接着剤を含み得る。リンク部50fは、手作業で、オーバーモールドによって、又は当業者によって理解される他の手段によって適用されてよい。
図22Bは、接着剤を含む機械的リンク部50gを示す。
図22Cは、内側を通って3つのループ部材1、2、3が延びることができる環状開口部72と、開口部72の直径にわたって、より大きい寸法H2からより小さい寸法H1へと細くなった高さを有する、テーパ状リング型リンク部50hを示す。リンク50hは、他方側部分H2よりも狭くなった、一方の側にある一方側部分(H1)を有する。この狭くなった部分H1により、シース内への後退時に、ループ1、2及び3を狭くなっている側に向かって曲げやすくなる。これにより、シース後退に必要な力を減らすことができる。
【0139】
図23A及び
図23Bは、支持フレーム81を取り囲む内側ハウジング94及び外側ハウジング90を有する、例示的なループ部材1の図である。図示されたループ部材1は、本明細書の教示に従って本明細書に図示及び他の方法で開示されるループ部材1、2、3の代わりに使用することができる。具体的には、
図19C及び
図20Cに示すループ部材1、2、3の代わりに、図示されたループ部材を使用することが有利な場合がある。内側ハウジング94及び外側ハウジング90は組み合わさって、本明細書の他の箇所に例示される管状ハウジング91、92、93として機能し得る。
【0140】
外側ハウジング90は、ポリマーチューブ(例えば、熱可塑性ポリウレタン)を含んでいてよく、このポリマーチューブは、支持フレーム80及びエンドエフェクタ電極37への電気的接続を提供するワイヤ40を収容するように寸法決めされた、単一のルーメンを有していてよい。また、外側ハウジング90のルーメンは、内部を通る灌注ルーメンを有する灌注管96を収容するように寸法決めされていてよい。この構成では、導体を損傷させないように、支持フレームの縁部を隔離するため、支持フレームはスリーブによって取り囲まれている。支持フレーム、スリーブ、及び導体は、
図23Bに示す1つのルーメン内にある(潅注は任意選択的なものである)。
図23Aの小径管95は、機械的リンク部を通過するときの外径を小さくするための、より大きい管に結合される別個の部品である。
【0141】
内側ハウジング94(
図23B)は、支持フレーム81を近接して取り囲むように成形、寸法決め、及び他の方法で構成されていてよい。内側ハウジング94は、ポリマー材料、例えば、リフロー処理中に適用されるシュリンクスリーブを含んでいてもよい。ワイヤ40及び灌注管96はどちらもループ部材のスパインより先に延びていなくてもよいことから、ループ部材のコネクタセグメントを外側ハウジング90で被覆する必要はない。内側ハウジング94は、遠位頂点と交差するか、又は遠位頂点付近を延びる外側ハウジング90と同様の寸法の管状ハウジングを有するループ部材と比較して、遠位頂点付近においてループ部材1、2、3間の距離をより短縮可能な寸法を有していてよい。更に、エンドエフェクタ100の遠位端は、遠位頂点と交差するか、又は遠位頂点付近を延びる外側ハウジング90と同様の寸法の管状ハウジングを有するエンドエフェクタと比較して、より小さい寸法に縮小し得る。
【0142】
外側ハウジング90内で、内側ハウジング94は、外側ハウジング90に結合されていてよい。内側ハウジング94と外側ハウジング90とが結合することにより、流体の漏れを抑制することができる。内側ハウジング94と外側ハウジング90とが結合することにより、エンドエフェクタ100がその非拘束構成から変形させられるときに、外側ハウジング90の形状が支持フレーム81の形状に追従しやすくなり、外側ハウジング90内での支持フレーム81のずれを防ぐことができる。
【0143】
外側ハウジング90の遠位端において、ループ部材1は、外側ハウジング90への流体進入を阻止するように構成された継手41を含んでいてもよい。継手41は、外側ハウジング90及び内側ハウジング94に結合していてよい。
【0144】
図24A〜
図24Cは、代替的な例示的ループ部材の図であり、ループ部材は、内部を通る2つのルーメン(90a)又は3つのルーメン(90b)を有する管状ハウジング90a、90bを有し、管状ハウジング90a、90b内には、支持フレーム81、導電性ワイヤ40、及び灌注管96が位置付けられている。管状ハウジング90a、90bのルーメンが2つあるか3つあるかとは関わりなく、ループ部材は、
図24Aに示すものと同様の外観を有し得る。
図24Bは、2つのルーメンを有する管状ハウジング90aを有するループ部材の断面を示す。
図24Bの実施形態における設計の目的は、導体又は潅注ラインを損傷しないように支持部材を隔離することである。
図24Cは、3つのルーメンを有する管状ハウジング90bを有するループ部材の断面を示す。
図24B及び
図24Cに示す断面は、
図24Aに示すようなループ部材のスパインに沿って見たものである。
【0145】
図24Bでは、2ルーメン管状ハウジング90aの一方のルーメン内に支持フレーム81が位置付けられており、2ルーメン管状ハウジング90bの他方のルーメン内にワイヤ40及び灌注管96が位置付けられている。ワイヤ40及び灌注管96から支持フレーム81を分離することにより、支持フレーム81の縁部が、ワイヤ40又は灌注管96の壁部の隔離を損なってしまうことを防ぐことができる。2ルーメン管状ハウジング90bは、本明細書の他の箇所に例示される管状ハウジング91、92、93の代わりに使用することができる。
【0146】
図24Cでは、支持フレーム81が3ルーメン管状ハウジング90bの第1のルーメン内に位置付けられ、ワイヤ40が3ルーメン管状ハウジング90bの第2のルーメン内に位置付けられ、灌注管96が3ルーメン管状ハウジング90bの第3のルーメン内に位置付けられている。3ルーメン管状ハウジング90cは、本明細書の他の箇所に例示される管状ハウジング91、92、93の代わりに使用することができる。
図24Cのこの設計の目的は、潅注ライン96を他の材料との接触から隔離することである。
図24Cの例の代替として、ループ部材1は、灌注管96を含む必要はなく、内部に灌注管96が示されている管状ハウジング90bのルーメンを直接灌注のために用いてもよい。
【0147】
スパインカバー90、90a、90bは、好ましくは、3フレンチ〜2フレンチであり得る。いくつかの実施例では、
図23A及び
図23Bに示すスパインカバー90では、
図24A〜
図24Bに示すスパインカバー90a、90bと比較して、同じフレンチサイズにて、より大きな内部空間が使用できる。これにより、支持フレームをより大きくしたり、灌注管96をより大きくしたり、かつ/又はワイヤ40の体積を増加させたりすることが可能となる。
【0148】
図25A〜
図25Fは、様々な表面粗さを有する例示的なエンドエフェクタ電極37の図である。電極と組織との間の接触抵抗は、組織と接触する電極の表面積に反比例する。換言すれば、電極と組織との間の接触面積が増加すると、電気エネルギーが電極から組織へ、また、組織から電極へとより効率的に伝達される。診断測定では、組織から電極へと電気エネルギーがより効率的に伝達されることにより、より明瞭で、ノイズが少なく、より正確な電気信号(センサ測定値)が得られる。電極のフットプリント又は外周の寸法は、エンドエフェクタ100が治療部位に到達するまで通り抜けていく脈管系の形状、処置部位の形状、及びエンドエフェクタ100の他の構成要素の形状によって制限される。電極表面上の微小粗さにより、電極のフットプリントを増大させることなく電極の有効表面積が増大し、これによって電極表面が組織に押し付けられるときの接触抵抗を低減させる。しかしながら、表面粗さを増加させることは同時に、電極上での血栓形成を促進し得、これにより治療中に合併症が引き起こされる可能性がある。
【0149】
図25Aは、処理されていない表面を有する制御電極37を示す。
図25Bは、スエージング処理により縮小させた電極37を示す。この縮小させた電極は、管状ハウジング91、92、93の外周とほぼ等しい外周を有するように圧縮されている。
図25Cは、スエージングされていないマイクロブラスト処理された電極37を示す。マイクロブラスト処理により、マイクロメートルオーダーの表面粗さが付与される。あるいは、化学エッチング、スパッタリング、及び/又は他の堆積法などの他の好適な処理によって、表面を粗面化してもよい。
図25Dは、マイクロブラスト処理とスエージング処理を施した電極37を示す。
【0150】
電極表面の粗面化(例えばマイクロブラスト処理)とスエージングとを組み合わせることで、調整された浅い表面粗さを作り出す。スエージングにより、電極37のリング直径が減少するとともに、粗面化により形成された一部の垂直形状を平坦化することもでき、これにより、より広い表面積と比較的平坦な外表面を有する電極が得られる。表面積が広いほど、電極と組織との間の接触抵抗を低減するのに有効であり得る。
【0151】
表面粗さは、表面のプロフィールの算術平均偏差を表す粗さパラメータRaによって特徴付けることができる。
図25Fに示すように、いくつかの実施例では、エンドエフェクタ100の電極37の一部又は全てが、約0.3マイクロメートル〜約0.4マイクロメートルの表面粗さパラメータRaを有することができる。この表面粗さは、血栓の形成を強く促進することなく、電極37の表面積を増やして、組織に対する接触抵抗を減少させるために有効であり得る。比較すると、
図25Eに示すような処理されていない表面は、約0.1マイクロメートル〜約0.2マイクロメートルの表面粗さパラメータRaを有し得る。
【0152】
装置を操作する際(例えば、表面への押し付け、及び/又は中間セクション14の偏向)、エンドエフェクタ電極37の電気信号を伝送するワイヤ40がずれたり、振動したりする場合がある。この振動により、ワイヤ40が伝送する電気信号にノイズが生じる場合がある。いくつかの実施例では、ワイヤ40を、エンドエフェクタ100内、及び/又はシャフト9内で撚り合わせた束とし、これによりワイヤ40の動き及び振動を抑制してもよい。追加的に、又は代替的に、ワイヤ40を束ねてワイヤの動きを抑制するための他の方策としては、ワイヤ40をシュリンクスリーブ加工すること、接着剤でワイヤ40を接合すること、及び/又はワイヤ40を編むことなどが挙げられ得る。追加的に、又は代替的に、電極37の双極対に接続されたワイヤ40の対を、対応するスパイン1A、2A、3A、1B、2B、3B内で撚り合わせて、各撚り合わせ対間における電磁両立性を高めることにより、各撚り合わせ対によって伝送される電気信号における電気ノイズを低減させてもよい。
【0153】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
近位部分と遠位部分を備える細長いシャフトであって、前記細長いシャフトは、前記遠位部分を患者の心臓内に位置付けるように前記近位部分において操作されるように構成され、前記細長いシャフトは、前記装置の長手方向軸を画定する、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記遠位部分に近接して配設されたエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、前記長手方向軸に沿って共通の遠位頂点で重なり合う3つのループ部材を備え、前記3つのループ部材のそれぞれは、前記細長いシャフトの前記遠位部分に取り付けられた対応端部対を備え、前記エンドエフェクタは、拘束解除されると非拘束構成に拡張し、前記3つのループ部材のそれぞれについての3つの異なる平面を画定するように構成され、これにより、前記細長いシャフトの遠位端を前記長手方向軸に対してある角度で偏向させ、前記ループ部材を平面表面に当てて位置付けると、前記3つのループ部材のそれぞれの長さの大部分が、平らな構成にて、前記平面表面に接するようになる、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(2) 前記3つのループ部材のそれぞれは、前記3つのループ部材のうちの対応ループ部材を通って延び、前記対応ループ部材の前記対応端部対の各端部において、前記細長いシャフトの前記遠位部分に取り付けられた支持フレームをそれぞれ備え、
前記エンドエフェクタが前記非拘束構成にあるとき、前記支持フレームのそれぞれは、前記対応ループ部材の対応ループ状経路を画定し、
前記支持フレームのそれぞれは、前記対応ループ状経路に直交する対応断面形状を含み、前記対応断面形状のそれぞれは、前記対応ループ状経路に沿って変化している、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記3つのループ部材はそれぞれ、
対応する前記支持フレームの少なくとも一部分を取り囲む内側管状ハウジングと、
前記内側管状ハウジングの少なくとも一部分を取り囲み、前記内側管状ハウジングに結合された外側管状ハウジングと、
前記外側管状ハウジング内、かつ前記内側管状ハウジングの外側に少なくとも部分的に配設された複数の導電体と、を備える、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記支持フレームのそれぞれは、
対応平行セグメント対を含み、前記対応平行セグメント対における各セグメントは対応長さを含み、
前記エンドエフェクタが前記平らな構成にあるとき、前記対応平行セグメント対のそれぞれにおける各セグメントの前記対応長さの大部分は、前記対応平行セグメント対のそれぞれにおける他のセグメントのそれぞれの前記対応長さの大部分と略同一平面上にあり、
前記エンドエフェクタが前記非拘束構成にあるとき、前記対応平行セグメント対のうちの少なくとも1つにおける前記セグメントの前記対応長さの前記大部分は、他の対応平行セグメント対の少なくとも1つのセグメントの前記対応長さの前記大部分と同一平面上にない、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記遠位頂点において前記3つのループ部材を束ねる機械的リンク部を更に備え、前記機械的リンク部は、
内側を通って前記3つのループ部材が延びている開口部と、シームを含む辺と、を含む、長方形状又は卵形状、
内側を通って前記3つのループ部材が延びている開口部と、連続した4つの辺と、を含む、長方形状又は卵形状、
それぞれが内側を通って延びる、前記3つのループ部材のうちの対応ループ部材を含む3つの開口部を含む、長方形状又は卵形状、
内部を通る3つの通路を備える円筒形状であって、前記3つの通路はそれぞれ、内部を通って延びる前記3つのループ部材のうちの対応ループ部材を含む、円筒形状、及び
内側を通って前記3つのループ部材が延びている環状開口部と、環状開口部の直径にわたって延びるテーパ状高さと、を含む、テーパ状リング、のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の装置。
【0154】
(6) 前記3つのループ部材に取り付けられた複数の電極を更に含み、前記複数の電極のうちの各電極は表面を含み、前記表面は、前記表面のプロフィールの算術平均偏差を表す粗さパラメータRaによって特徴付けられ、Raは、約0.3マイクロメートル〜約0.4マイクロメートルである、実施態様1に記載の装置。
(7) 少なくとも1本の引張りワイヤを更に備え、前記少なくとも1本の引張りワイヤは、前記引張りワイヤが前記細長いシャフトに対して前記近位部分に向かって後退させられると、前記遠位部分及び前記エンドエフェクタが前記長手方向軸に対してある角度で曲げられるように、前記細長いシャフトを通って延び、かつ前記細長いシャフトの前記遠位部分に取り付けられている、実施態様1に記載の装置。
(8) 長手方向軸に沿って延びる、管状部材と、
前記管状部材から延び、弓状部材に接続された2つのスパイン部材を備える第1のループ部材であって、第1の平面上に配列された、第1のループ部材と、
前記管状部材から延び、弓状部材に接続された2つのスパイン部材を備える第2のループ部材であって、前記第1の平面と交差する第2の平面上に配列された、第2のループ部材と、
前記管状部材から延び、弓状部材に接続された2つのスパイン部材を備える第3のループ部材であって、非拘束構成において、前記3つのループ部材のそれぞれの長さの大部分が他の3つのループ部材のうちの少なくとも1つの長さの大部分と同一平面上にないように、前記第3のループ部材は、前記第1の平面及び前記第2の平面と交差する第3の平面上に配列されている、第3のループ部材と、を備え、
前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、及び前記第3のループ部材のそれぞれは、各ループ部材に配設された複数の電極を備える、マッピングカテーテル用の装置。
(9) 前記3つのループ部材のそれぞれは、前記3つのループ部材のうちの対応ループ部材を通って延び、前記管状部材の遠位部分に取り付けられた支持フレームをそれぞれ備え、
前記支持フレームのそれぞれは、前記対応ループ部材の対応ループ状経路を画定し、
前記支持フレームのそれぞれは、前記対応ループ状経路に直交する対応断面形状を含み、前記対応断面形状のそれぞれは、前記対応ループ状経路に沿って変化している、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記3つのループ部材はそれぞれ、
対応する前記支持フレームの少なくとも一部分を取り囲む内側管状ハウジングと、
前記内側管状ハウジングの少なくとも一部分を取り囲み、前記内側管状ハウジングに結合された外側管状ハウジングと、
前記外側管状ハウジング内、かつ前記内側管状ハウジングの外側に少なくとも部分的に配設された複数の導電体と、を備える、実施態様9に記載の装置。
【0155】
(11) 前記3つのループ部材は、前記ループ部材を平面表面に当てて位置付けたとき、平らな構成に移動可能であり、前記平らな構成において、前記3つのループ部材のそれぞれの長さの大部分は、前記平面表面に接し、
前記支持フレームのそれぞれは、
対応平行セグメント対を含み、前記対応平行セグメント対における各セグメントは対応長さを含み、
前記3つのループ部材が前記平らな構成にあるとき、前記対応平行セグメント対のそれぞれにおける各セグメントの前記対応長さの大部分は、前記対応平行セグメント対のそれぞれにおける他のセグメントのそれぞれの前記対応長さの大部分と略同一平面上にあり、
前記3つのループ部材が前記非拘束構成にあるとき、前記対応平行セグメント対のうちの少なくとも1つにおける前記セグメントの前記対応長さの前記大部分は、他の対応平行セグメント対の少なくとも1つのセグメントの前記対応長さの前記大部分と同一平面上にない、実施態様9に記載の装置。
(12) 前記3つのループ部材の前記弓状部材を束ねる機械的リンク部を更に備え、前記機械的リンク部は、
内側を通って前記3つのループ部材が延びている開口部と、シームを含む辺と、を含む、長方形状又は卵形状、
内側を通って前記3つのループ部材が延びている開口部と、連続した4つの辺と、を含む、長方形状又は卵形状、
それぞれが内側を通って延びる、前記3つのループ部材のうちの対応ループ部材を含む3つの開口部を含む、長方形状又は卵形状、
内部を通る3つの通路を備える円筒形状であって、前記3つの通路はそれぞれ、内部を通って延びる前記3つのループ部材のうちの対応ループ部材を含む、円筒形状、及び
内側を通って前記3つのループ部材が延びている環状開口部と、環状開口部の直径にわたって延びるテーパ状高さと、を含む、テーパ状リング、のうちの少なくとも1つを含む、実施態様8に記載の装置。
(13) 前記3つのループ部材に取り付けられた複数の電極を更に含み、前記複数の電極のうちの各電極は表面を含み、前記表面は、前記表面のプロフィールの算術平均偏差を表す粗さパラメータRaによって特徴付けられ、Raは、約0.3マイクロメートル〜約0.4マイクロメートルである、実施態様8に記載の装置。
(14) 少なくとも1本の引張りワイヤを更に備え、前記少なくとも1本の引張りワイヤは、前記引張りワイヤが近位側に後退させられると、前記管状部材の遠位部分及び前記3つのループ部材が前記長手方向軸に対してある角度で曲げられるように、前記管状部材を通って延び、かつ前記遠位部分に取り付けられている、実施態様8に記載の装置。
(15) 第1のループ部材、第2のループ部材、及び第3のループ部材を成形して、対応するループをそれぞれ形成することと、
前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、及び前記第3のループ部材のそれぞれの対応端部対を、細長いシャフトの遠位部分に連結することと、
前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、及び前記第3のループ部材が拘束解除されているとき、前記第1のループ部材の大部分が、前記第2のループ部材及び前記第3のループ部材の少なくとも一方の大部分と同一平面上にないように、前記細長いシャフトの前記遠位部分に対して遠位側にある、共通の遠位頂点において、前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、及び前記第3のループ部材を重ね合わせることと、
前記細長いシャフトを操作することにより、前記第1のループ部材の前記大部分、前記第2のループ部材の前記大部分、及び前記第3のループ部材の前記大部分を、平面表面と接触するように押し付けることと、
前記第1のループ部材の前記大部分、前記第2のループ部材の前記大部分、及び前記第3のループ部材の前記大部分が平面表面に対して揃えられるように、前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、及び前記第3のループ部材を前記平面表面と接触させることと、を含む、方法。
【0156】
(16) 前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、前記第3のループ部材、及び前記細長いシャフトの前記遠位部分を血管内カテーテル内に位置付ける一方で、前記細長いシャフトの近位部分が前記血管内カテーテルから近位側に延びるようにすることと、
前記細長いシャフトの前記近位部分を操作することにより、前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、及び前記第3のループ部材を前記カテーテルの遠位端の外に移動させることと、
前記細長いシャフトの前記近位部分を操作することにより、前記第1のループ部材の前記大部分、前記第2のループ部材の前記大部分、及び前記第3のループ部材の前記大部分を、前記平面表面と接触するように押し付けることと、を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 第1の支持フレームが、第1のループ状経路に沿って変化する前記第1のループ状経路に直交する断面形状を含むように、前記第1の支持フレームを成形して前記第1のループ状経路を画定することと、
前記第1の支持フレームを前記第1のループ部材内に位置付けることと、
第2の支持フレームが、第2のループ状経路に沿って変化する前記第2のループ状経路に直交する断面形状を含むように、前記第2の支持フレームを成形して前記第2のループ状経路を画定することと、
前記第2の支持フレームを前記第2のループ部材内に位置付けることと、
第3の支持フレームが、第3のループ状経路に沿って変化する前記第3のループ状経路に直交する断面形状を含むように、前記第3の支持フレームを成形して前記第3のループ状経路を画定することと、
前記第3の支持フレームを前記第3のループ部材内に位置付けることと、
前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、及び前記第3のループ部材の前記対応端部対の各端部において、前記第1の支持フレーム、前記第2の支持フレーム、及び前記第3の支持フレームを、前記細長いシャフトの前記遠位部分に取り付けることと、を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記第1の支持フレームを内側管状ハウジング内に少なくとも部分的に取り囲むことと、
前記第1の支持フレームに隣接させて、かつ前記内側管状ハウジングの外側において、複数の導電体を位置付けることと、
前記内側管状ハウジング及び前記複数の導電体を、外側管状ハウジングで少なくとも部分的に取り囲むことと、
前記外側管状ハウジングを前記内側管状ハウジングに結合させることと、を更に含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記第1のループ状経路が、前記第2のループ状経路によって画定される第2の平面及び前記第3のループ状経路によって画定される第3の平面の少なくとも一方と交差する第1の平面を画定するように、前記第1の支持フレーム、前記第2の支持フレーム、及び前記第3の支持フレームを位置付けることと、
前記第1の支持フレームにおいて第1の平行セグメント対を成形し、前記第2の支持フレームにおいて第2の平行セグメント対を成形し、前記第3の支持フレームにおいて第3の平行セグメント対を成形することと、
前記細長いシャフトを操作することにより、前記第1の平行セグメント対、前記第2の平行セグメント対、及び前記第3の平行セグメント対の各セグメントの長さの大部分を、前記平面表面に対して平行に揃えられるように移動させることと、を更に含む、実施態様17に記載の方法。
(20) 複数の電極を前記第1のループ部材、前記第2のループ部材、及び前記第3のループ部材に取り付けることと、
前記複数の電極のうちの各電極の表面の少なくとも一部分を研磨することと、
前記複数の電極のうちの各電極をスエージングすることと、を更に含む、実施態様15に記載の方法。