【課題】オートエンコーダを使用して、心内心電図のノイズを削減し、1つ又は2つ以上の深層学習訓練損失関数を使用して、心内及び身体表面心電図を利用及び精緻化するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】システム及び方法は、ノイズ除去されたオートエンコーダのためのプロセッサ実行可能コードを格納するメモリと、信号ノイズを含む生信号データを受信することと、ノイズ除去されたオートエンコーダによって、ノイズ除去オートエンコーダ動作を実行することにより、潜在的な表現を生成するように、生信号データを符号化生信号データを符号化することと、ノイズ除去されたオートエンコーダによって、信号ノイズなしで復元されるクリーンな信号データを生成するように、潜在的な表現を復号化することと、を行うためのプロセッサ実行可能コードを実行するように、そのメモリに結合された1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備える。
前記プロセッサが、前記システムに、少なくとも前記重みベクトルを含む訓練データセットを構築させるように、前記訓練アルゴリズムの前記プロセッサ実行可能命令を実行するように更に構成されている、請求項2に記載のシステム。
前記ノイズ除去されたオートエンコーダが、1つ又は2つ以上のフィルタを含む専用グラフィックユーザインターフェースを構築するためのモードで実行する、請求項5に記載の方法。
前記ノイズ除去されたオートエンコーダが、管理環境内でノイズを記録し、かつ前記ノイズを前記クリーンな信号データに追加するためのモードで実行する、請求項5に記載の方法。
前記生信号データが、心内心電図のN個のチャネル、心内心電図及び身体表面心電図、又は各電極の位置及び解剖学的組織情報を有する心内心電図からの心臓の電気信号、を含む、請求項5に記載の方法。
前記ノイズ除去オートエンコーダ動作が、前記生信号データの次元数を削減するように、かつ重要な情報を保持するように、前記生信号データを、深層ニューラルネットワークを介して通過させることを含む、請求項5に記載の方法。
前記ノイズ除去されたオートエンコーダが、前記ノイズ除去オートエンコーダ動作中に、後続の生心内信号をノイズ除去するように、前記クリーンな信号データを学習する、請求項5に記載の方法。
前記ノイズ除去されたオートエンコーダは、前記品質が閾値を上回るかどうかに基づいて、前記後続の生心内信号に対して前記ノイズ除去オートエンコーダ動作を実行する、請求項18に記載の方法。
前記臨床上の重要性が、心臓疾患の起点位置を含み、前記1つ又は2つ以上の高周波エネルギーゾーンが、心房活動を示す少なくとも特定の値を含む、請求項21に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つ又は2つ以上の深層学習訓練損失関数(すなわち、人工知能及び機械学習動作のタイプ)を使用して、心内及び身体表面心電図を利用及び精緻化するためのシステムが、本明細書に開示されており、その関数は、通常、本明細書において訓練アルゴリズムと呼ばれる。心内及び身体表面心電図を利用及び精緻化するためのシステムの訓練アルゴリズムは、心臓疾患を治療するための改善されたECG及び心内ECGを提供するために医療デバイス機器の処理ハードウェアによって、またその処理ハードウェア内に必ず実装されているプロセッサ実行可能コード又はソフトウェアである。ある実施形態によれば、訓練アルゴリズムは、医療デバイス機器及びその中のオートエンコーダのための特定の訓練方法を提供する。この特定の訓練方法は、電気信号内の臨床上の重要なゾーン又は事象(例えば、心臓疾患の潜在的な起点位置)を強調する、心臓の電気信号の多段階データ操作を含む。
【0010】
これに関して、また動作中に、心内及び身体表面心電図を利用及び精緻化するためのシステムの訓練アルゴリズムは、ある信号を受信する。この信号は、心臓の活動を表す、心臓からの電気信号であり得る。その信号は、医療デバイス機器内に格納され、又は医療デバイス機器に提供され得る。訓練アルゴリズムは、その信号を処理して、それをクリーンにする。これに関して、訓練アルゴリズムは、第1のフィルタを信号に適用して信号内の活動を強調し、かつ第1の修正された信号を生成し、整流器及び第2のフィルタを第1の修正された信号に適用して臨床上の重要性を有する第1の修正された信号の領域を平滑化し、かつ第2の修正された信号を生成し、エネルギー閾値を使用して第2の修正された信号の高周波エネルギーゾーンを検出して重みベクトルを生成する。(例えば、重みベクトルに基づいて、加重MSE損失関数が、定義及び使用されて、ノイズ除去オートエンコーダを訓練する)。訓練アルゴリズムは、少なくとも重みベクトルを含む訓練データセットを更に構築し、その訓練データセットを使用してオートエンコーダ(例えば、任意のオートエンコーダタイプ)を訓練する。次に、オートエンコーダは、そのオートエンコーダによって出力される1つ又は2つ以上の出力心内信号から、改善された心電図を生成することができる。
【0011】
心内及び身体表面心電図(並びにその中の訓練アルゴリズム)を利用及び精緻化するためのシステムの利点には、オートエンコーダの訓練全体を10倍だけ削減することと、訓練されたオートエンコーダの信号の復元/ノイズ除去の精度及び確実性を増加させることと、が含まれる。加えて、このシステムの技術的効果及び利点により、改善されたECG及び心内ECGを使用して心臓活動を研究する医師(心臓手技中など)に対する、改善されたECG及び心内ECGの生成が、心臓疾患の潜在的な起点位置を特定することを更に可能にする。
【0012】
図1は、本開示の主題の1つ又は2つ以上の特徴が実施され得る典型的なシステム100(例えば、医療デバイス機器)の略図である。システム100の全て又は一部を使用して、訓練データセットのための情報を収集することができ、かつ/又はシステム100の全て又は一部を使用し、訓練アルゴリズムを実装して、オートエンコーダ(例えば、訓練済みモデル)を訓練することができる。オートエンコーダ(例えば、人工知能及び機械学習オートエンコーダ)は、心臓疾患を治療するための改善されたECG及び心内ECGを提供するために、医療デバイス機器の処理ハードウェアによる、またその処理ハードウェア内でのプロセス動作において必ず実装されているプロセッサ実行可能コード又はソフトウェアである。
【0013】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、オートエンコーダは、入力心内信号(例えば、信号干渉、信号アーチファクト、及び信号ノイズを含む心臓の電気信号)を受信することができる。心内信号は、リアルタイムで、監視及び処理装置(例えば、その中にオートエンコーダを有するカテーテル)によって記録及び処理され得、かつ/又は監視及び処理装置によって、その中にオートエンコーダを有するコンピューティングデバイスへの記録及び送信が行われ得る。オートエンコーダは、心内データセット(例えば、信号干渉、信号アーチファクト、及び信号ノイズを含まない、心臓の所定のかつ承認された電気信号)を利用して、入力心内信号を符号化することができる。オートエンコーダによるこの符号化は、入力心内信号から潜在的な表現を生成する。オートエンコーダは、その潜在的な表現を更に復号化して、出力心内信号を生成することができる。出力心内信号は、信号干渉、信号アーチファクト、及び信号ノイズなしで復元された入力心内信号である。次いで、心臓疾患を治療するための改善されたECG及び心内ECGは、出力心内信号から生成することができる。
【0014】
オートエンコーダは、ノイズ除去オートエンコーダ動作を実行する(例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)アーキテクチャなどの深層ニューラルネットワークを通じて生信号データを通過させる)ことによって、生信号データを符号化して、その生信号データの次元数を削減し、その中の重要な情報のみを保持する(例えば、ノイズ除去オートエンコーダ動作は、生信号データを洗浄する)。この符号化段階において、オートエンコーダは、削減された次元数、及び重要な情報を有する潜在的な表現を、生信号データから生成する。
【0015】
オートエンコーダは、更に、その潜在的な表現を復号化して、生信号データのクリーンなバージョンの復元を出力として生成する。すなわち、この復号化段階において、オートエンコーダは、潜在的な表現からクリーンな信号データを復元する。より具体的には、クリーンな信号データ(すなわち、復号化段階の出力)は、信号ノイズなしで復元された入力心内信号を含む。次に、オートエンコーダは、クリーンな信号データを学習して、更に、後続の生心内信号をノイズ除去し、対応する最終出力(例えば、改善されたECG)を生成する。
【0016】
オートエンコーダの技術的効果及び利点は、リアルタイムでその出力を生成することを含むが、これは、改善されたECGの生成により、その改善されたECGを使用して心臓活動を研究する医師(心臓手技中など)が心臓疾患の潜在的な起点位置を特定するのを更に可能にする。改善されたECGは、これらの問題が符号化中に除去されるため、生信号データの信号ノイズによって不明瞭化されていないことに留意せよ。更に、オートエンコーダの技術的効果及び利点には、(信号ノイズが除去されたために)精度を上げた改善されたECGを生成することが含まれ、その結果、心室及び心房の起点位置は、リアルタイムの場合に別個に提供することができる。
【0017】
図1は、本開示の主題の1つ又は2つ以上の特徴が実施され得る典型的なシステム100(例えば、医療デバイス機器)の略図である。システム100の全て又は一部を使用して、クリーンな信号データ(例えば、オートエンコーダを訓練する)を学習するための情報を収集することができ、かつ/又はシステム100の全て又は一部を使用して、本明細書に記載される改善されたECGを生成する(例えば、訓練されたオートエンコーダを実施して、後続の生データ入力をノイズ除去する)ことができる。
【0018】
システム120は、プローブ121を含み、そのプローブは、テーブル129上に横たわる患者128の、心臓126などの身体部分中に医師130がナビゲートすることができるシャフトを有する。複数の実施形態によれば、複数のプローブが提供され得るが、簡潔にするため、この例では、単一のプローブ121について説明されている。但し、プローブ121は複数のプローブを代表し得ることが理解されるであろう。
図1に示すように、医師130は、シース123を通してシャフト122を挿入することができ、同時にカテーテル140の近位端付近のマニピュレータを使用して、シャフト122の遠位端を操作し、かつ/又はシース123を偏向させる。挿入
図125に示すように、カテーテル140は、シャフト122の遠位端において取り付けることができる。カテーテル1740は、折り畳まれた状態でシース123を通して挿入され得、次いで、心臓126内で拡張され得る。カテーテル140は、本明細書に更に記載されるように、少なくとも1つのアブレーション電極147及びカテーテル針を含むことができる。
【0019】
システム100は、体内器官の組織領域に損傷を与えるように構成される、カテーテル105などの構成要素を含み得る。このカテーテル105はまた、心臓の電気信号(例えば、心内信号)を含む生体データを取得するように更に構成することができる。カテーテル105は、ポイントカテーテルであるように示されるが、1つ又は2つ以上の要素(例えば、電極)を含む任意の形状のカテーテルを使用して、本明細書に開示された実施形態を実施することができることが理解されるであろう。
【0020】
システム100は、プローブ110を含み、そのプローブは、医師又は医療専門家115がベッド(又はテーブル)130上に横たわっている患者125の、心臓120などの身体部分中にナビゲートすることができる、シャフトを有する。複数の実施形態によれば、複数のプローブが提供され得るが、簡潔にするため、本明細書には、単一のプローブ110が記載される。更に、プローブ110が複数のプローブを代表し得ることが理解される。
【0021】
典型的なシステム100を利用して、(例えば、心内信号を使用して)心臓疾患を検出、診断、及び治療することができる。心不整脈(特に、心房細動)などの心臓疾患は、特に老年人口において共通かつ危険な医療疾患として、いつまでもなくならない。正常な洞調律を有する患者(例えば、患者125)において、心臓(例えば、心臓120)は、心房、心室、及び興奮伝導組織を含み、電気的に刺激されて、同期的にパターン化された様式で脈動する(この電気的な興奮が、心内信号として検出され得ることに留意せよ)。
【0022】
心不整脈を有する患者(例えば、患者125)において、心組織の異常領域は、正常な洞調律を有する患者内におけるような、正常に伝わる組織に関連した同期鼓動サイクルには従わない。逆に、心組織の異常領域は、隣接組織に異常に伝わり、それによって、心サイクルを非同期心臓リズムへと混乱させる(この非同期心臓リズムもまた、心内信号として検出され得ることに留意せよ)。そのような異常な伝導は、以前から知られており、房室(AV)ノードの伝導路に沿った、例えば、洞房(SA)ノードの領域内において、又は心室及び心房の心腔の壁を形成する心筋組織内において、心臓(例えば、心臓120)の様々な領域で起こる。
【0023】
更に、心房不整脈を含む心不整脈は、多重小波リエントラント型である場合があり、心房の周りで散乱され、また多くの場合、自己伝播する電気インパルスの複数の非同期ループによって特徴付けられる(例えば、心内信号の別の例)。あるいは、又は多重小波リエントラント型に加えて、心不整脈はまた、心房内の組織の孤立領域が急速な反復の様式で自律的に興奮するときなどの、局所的な起源を有する可能性もある(例えば、心内信号の別の例)。心室性頻脈症(V−tach又はVT)は、心室のうちの1つにおいて起こる頻脈症又は高速な心律動である。これは、心室細動及び突然死につながり得るため、潜在的に致死性の不整脈である。
【0024】
不整脈のうちの1つのタイプである心房細動は、洞房結節によって発生する正常な電気インパルス(例えば、心内信号の別の例)が、心房及び肺静脈内で発生して不規則なインパルスを心室に伝導させる乱れた電気インパルス(例えば、信号干渉)によって圧倒されるときに、起こる。結果的に不規則な心拍が生じ、これは、数分から数週間、又は更に数年間、持続する場合がある。心房細動(AF)は、多くの場合、脳卒中による場合が多い死亡のリスクの僅かな増加を招く、慢性的な症状である。AFに関する第一選択の治療法は、心拍数を減らすか、又は心律動を通常に戻す投薬治療である。更には、AFを有する患者は、脳卒中のリスクから守るために、抗凝血剤を与えられる場合が多い。そのような抗凝血剤の使用は、それ自体のリスクである内出血を伴う。一部の患者において、薬物療法は、十分ではなく、その患者らのAFは、薬物では治りにくく、すなわち、標準的な薬理学的処置では治療不能と判断される。同期電気的除細動もまた、AFを通常の心律動に変換するために使用することができる。あるいは、AFの患者は、カテーテルアブレーションによって治療される。
【0025】
カテーテルアブレーションベースの治療は、心組織、特に心内膜及び心容積の電気的特性をマッピングすること、並びにエネルギーの印加により心組織を選択的にアブレーションすることを含み得る。心臓マッピング(例えば、ハートマッピング)は、例えば、心組織に沿った波動伝播の電位マップ(例えば、電圧マップ)、又は様々な組織の配置箇所までの到達時間のマップ(例えば、局所興奮時間(LAT)マップ)を作成することを含む。心臓マッピングは、局所的な心組織機能不全を検出するために使用することができる。心臓マッピングに基づくなどのアブレーションは、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することができる。
【0026】
アブレーション法は、非伝導性の損傷部を形成することによって望ましくない電気経路を破壊するものである。様々なエネルギー送達の様式が、損傷部を形成する目的でこれまでに開示されており、心臓組織壁に沿って伝導ブロックを作成するためのマイクロ波、レーザ、及びより一般的には無線周波エネルギーの使用が挙げられる。2つのステップ手順−マッピング後のアブレーション−において、心臓内の電気活動点は、典型的には、1つ又は2つ以上の電気センサ(例えば、カテーテル105の少なくとも1つのアブレーション電極134)を含むカテーテル(例えば、カテーテル105)を、心臓(例えば、心臓120)中に前進させること、及び多数の点におけるデータを獲得することによって、検知及び測定される。次いで、このデータ(例えば、心内信号を含む生体データ)を利用して、心内膜の標的領域を選択し、そこで、アブレーションが実行され得る。訓練アルゴリズム(例えば、典型的なシステム100によって使用される)によって訓練されたオートエンコーダの使用に起因して、このデータは、信号干渉、信号アーチファクト、及び信号ノイズを含むECGの基礎的な電気信号よりも正確であり、アブレーションのための心内膜の標的領域を選択することをより良好にサポートすることができることに留意せよ。信号干渉、信号アーチファクト、及び信号ノイズは、本明細書において、集合的にアーチファクトと称され得る。
【0027】
心房細動及び心室頻拍などの困難な疾患を医師が治療する際の心臓アブレーション及びその他の心臓電気生理学的処置は、ますます複雑化している。複雑な不整脈の治療は、関心の心腔の解剖学的構造を復元するために、以降に3次元(3D)マッピングシステムの使用を基礎に置くことができる。この点については、本明細書において訓練アルゴリズム(例えば、典型的なシステム100によって使用される)によって訓練されたオートエンコーダは、基礎的な出力信号を提供し、その結果、心臓疾患を治療するための改善された3Dマップ及び/又はECGを生成することができる。
【0028】
例えば、心臓内科医は、Biosense Webster社(Diamond Bar、Calif.)製CARTO(登録商標)3 3DマッピングシステムのComplex Fractionated Atrial Electrograms(CFAE)モジュールなどのソフトウェアを信頼して、心内電気記録図(EGM)を生成及び分析する。訓練アルゴリズム(例えば、典型的なシステム100によって使用される)によって訓練されたオートエンコーダは、このソフトウェアを強化して、改善された心内電気記録図(EGM)を生成及び分析し、その結果、アブレーション箇所は、不規則な心房粗動及び心室頻拍を含む心臓疾患の広い範囲の治療のために、決定され得る。
【0029】
訓練アルゴリズム(例えば、典型的なシステム100によって使用される)によってサポートされた改善された3Dマップは、これらの困難な不整脈の解剖学的及び機能的基質を表す、組織の電気生理学的特性に関する情報の複数の断片を提供することができる。
【0030】
病因の異なる心筋症(虚血性、拡張型心筋症(DCM)、肥大型心筋症(HCM)、不整脈原右室異形成症(ARVD)、左心室緻密化障害(LVNC)等)は、識別可能な基質を有し、正常に機能している心筋細胞領域で囲まれている不健康な組織領域を特徴とする。
【0031】
異常組織は、一般に、低電位差のEGMを特徴とする。しかしながら、低電位差の領域は、そのような患者における唯一の不整脈発生機序として常に存在するとは限らないことが、心内膜−心外膜マッピングにおけるはじめの臨床経験によって示される。実際に、低又は中間電圧の領域は、洞調律中にEGM細分化及び遅延活動を提示する場合があり、これは、持続及び組織化された心室不整脈中に特定される重大な狭窄部に対応し、例えば、不耐用心室頻脈のみに当てはまる。更に、多くの場合、細分化及び遅延EGM活動は、正常な又はほぼ正常な電位振幅(>1〜1.5mV)を示す領域で観察される。後者の領域は、電圧振幅に応じて評価することができるが、それらは、心内信号に応じて正常であるものと見なすことはできない場合があり、したがって、真の不整脈惹起性の基質を表す。3Dマッピングは、右/左心室の心内膜及び/又は心外膜層に不整脈惹起性基質の場所を突き止めることが可能であり得、その場所は、主な疾患の拡大に応じた分布において変化する可能性がある。
【0032】
これらの心臓疾患に関係している基質を、心室腔(右及び左)の心内膜及び/又は心外膜層の細分化及び遅延EGMの存在と関連付ける。CARTO(登録商標)3などの3Dマッピングシステムは、異常EGM検出に関して、心筋症の潜在的な不整脈惹起性基質の場所を突き止めることが可能である。
【0033】
電極カテーテル(例えば、カテーテル105)は、医療行為中に使用される。電極カテーテルを使用して、心臓内の電気活動を刺激及びマッピングし、異常な電気活動の部位をアブレーションする。使用時には、電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈、例えば大腿動脈に挿入された後、対象の心腔内へと導かれる。典型的なアブレーション手技は、その遠位端に少なくとも1つの電極を有するカテーテルを心腔中に挿入することを必要とする。参照電極が、一般的には患者の皮膚にテープで貼り付けられるか、あるいは心臓内又は心臓付近に配置されている第2のカテーテルによって、提供される。高周波(RF)電流がアブレーションカテーテルの先端電極に印加され、参照電極に向かって先端電極の周囲の媒質、すなわち、血液及び組織に電流が流れる。電流の分布は、組織より高い導電性を有する血液と比較した場合、組織と接触している電極表面の量に依存する。組織の加熱は、組織の電気抵抗に起因して生じる。組織が十分に加熱されると、心臓組織において細胞破壊が引き起こされ、結果として、非電導性である心臓組織内に損傷部が形成される。このプロセスの間に、加熱された組織から電極自体への伝導によって電極も加熱される。電極温度が十分に高くなる場合、場合によっては、摂氏60度を上回る場合、脱水した血液たんぱく質の薄い透明被膜が、電極の表面上に形成し得る。温度が上昇し続けると、この脱水層が徐々に厚くなり、電極表面上に血液が凝固する。脱水された生物学的材料は、心内膜組織よりも高い電気抵抗を有するため、電気エネルギーの組織内部への流れに対するインピーダンスもまた増大する。インピーダンスが十分に高くなると、インピーダンス上昇が起こり、カテーテルは、身体から取り除かれ、そして先端電極は、洗浄されなければならない。
【0034】
心不整脈などの心臓疾患の治療は、多くの場合、心組織、心腔、静脈、動脈、及び/又は電気的経路の詳細なマッピングを獲得することを必要とする。例えば、カテーテルアブレーションを正常に実行するための前提条件は、心不整脈の原因を心腔内で正確に突き止めることである。そのような突き止めは、電気生理学的調査を介して行われ得、その調査の間に、心腔中に導入されるマッピングカテーテルを用いて、空間的に分解された電位を検出する。この電気生理学的調査は、いわゆる、電気解剖学上のマッピングであり、したがってモニタ上に表示することができる3Dマッピングデータを提供する。多くの場合、マッピング機能及び治療機能(例えば、アブレーション)は、単一のカテーテル、又はカテーテル群によって提供され、その結果、マッピングカテーテルはまた、同時に治療(例えば、アブレーション)カテーテルとしても動作する。この場合、訓練アルゴリズム、及び/又は訓練アルゴリズムにより訓練されたオートエンコーダは、カテーテル105によって直接格納され、実行することができる。
【0035】
心臓(例えば、120)の心臓領域、組織、静脈、動脈、及び/又は電気的経路などの心臓領域のマッピングにより、結果として、傷跡組織、不整脈源(例えば、電気ロータ)、健康領域などの問題領域を特定することができる。本明細書に更に開示されるように、心臓領域は、マッピングされた心臓領域の視覚的表現がディスプレイを使用して提供されるように、マッピングすることができる。更に、心臓マッピングは、以下に限定されないが、局所興奮時間(LAT)、電気活動、トポロジ、双極マッピング、優位周波数、又はインピーダンスなどの1つ又は2つ以上の形式に基づいて、マッピングを含むことができる。複数の形式に対応するデータは、患者の身体中に挿入されたカテーテルを使用して捕捉することができ、対応する設定値、及び/又は医療専門家の好みに基づいて、同時に又は異なる時点で表現するために提供することができる。
【0036】
心臓マッピングは、1つ又は2つ以上の技術を使用して実施することができる。第1の技術の一例として、心臓マッピングは、心組織、例えば、LATの電気的特性を、心臓内の正確な位置の関数として検知することによって、実施することができる。その対応するデータは、遠位の先端に電気及び位置センサを有するカテーテルを使用して、心臓中に前進される1つ又は2つ以上のカテーテルを用いて獲得することができる。具体的な例として、初めに、場所及び電気活動が、心臓の内側表面上の約10〜約20箇所で測定され得る。これらのデータ点は、通常、心臓表面の予備復元又はマップを満足な品質に生成するには十分であり得る。この予備マップは、追加点において取得されたデータと結合されて、心臓の電気活動のより包括的なマップを生成することができる。臨床的な状況において、100以上の部位におけるデータを集積して、心腔の電気活動の詳細な包括的マップを生成することも珍しいことではない。その後、生成された詳細なマップは、心臓の電気活動の伝播を改変させ正常な心調律を回復させるための治療上の行動指針、例えば、組織のアブレーションに関する決定を下すための基準となり得る。
【0037】
図1に戻ると、注目の心臓マッピングを実施するために、医療専門家115は、カテーテル105の近位端付近のマニピュレータ138、及び/又はシース136からの偏向を使用してシャフト137の遠位端を操作しながら、シース136を通してシャフト137を挿入することができる。挿入
図140に示すように、カテーテル105は、シャフト137の遠位端において装着することができる。カテーテル105は、折り畳まれた状態でシース136を通して挿入され得、次いで、心臓120内で拡張され得る。本明細書に更に記載されるように、カテーテル105は、少なくとも1つのアブレーション電極134及びカテーテル針を含むことができる。
【0038】
複数の実施形態によれば、カテーテル105は、心臓120の心腔の組織領域をアブレーションするように構成することができる。挿入
図150は、心臓120の心腔の内側にある、拡大図内のカテーテル105を示す。図に示すように、カテーテル105は、カテーテルの本体に結合された少なくとも1つのアブレーション電極134を含むことができる。他の実施形態によれば、複数の要素が、カテーテル105の形状を形成するスプラインを介して接続され得る。1つ又は2つ以上のその他の要素(図示せず)を設けることができ、それらは、アブレーションを行うか又は生体データを取得するように構成された任意の要素であってよく、電極、トランスデューサ又は1つ若しくは2つ以上のその他の要素であり得る。
【0039】
本明細書に開示された複数の実施形態によれば、少なくとも1つのアブレーション電極134などのアブレーション電極は、エネルギーを心臓120などの体内器官の組織領域に供給するように構成することができる。エネルギーは、熱エネルギーであり得、組織領域の表面から始まって組織領域の厚さに延在する組織領域への損傷を引き起こす可能性がある。
【0040】
本明細書に開示される複数の実施形態によれば、生体データは、LAT、電気活動、トポロジ、双極マッピング、卓越周波数、インピーダンスなどのうちの1つ又は2つ以上を含んでもよい。このLATは、正規化された初期開始点に基づいて計算された局所活性化に対応する閾値活動の際の時点であり得る。電気活動は、1つ又は2つ以上の閾値に基づいて測定され得る任意の適用可能な電気信号であってよく、信号対ノイズ比及び/又はその他のフィルタに基づいて、検知及び/又は拡張され得る。例えば、オートエンコーダは、電気信号のノイズタイプ及び/又は品質を検出し、ノイズタイプ及び/又は品質を1つ又は2つ以上の閾値と比較することができる。トポロジは、身体部分若しくは身体部分の一部の物理的構造に対応し得、身体部分の異なる部分に関する、又は異なる身体部分に関する物理的構造における変化に対応し得る。主要周波数は、身体部分の一部に行き渡る周波数又は周波数の範囲であり得、同じ身体部分の異なる部分において異なり得る。例えば、心臓の肺静脈の主要周波数は、同じ心臓の右心房の主要周波数と異なり得る。インピーダンスは、身体部分の所与の領域における抵抗測定値であり得る。
【0041】
図1に示すように、プローブ110及びカテーテル105は、コンソール160に接続することができる。このコンソール160は、コンピューティングデバイス161を含むことができ、そのコンピューティングデバイスは、本明細書に記載されるように、訓練アルゴリズム、及び/又はその訓練アルゴリズムによって訓練されるオートエンコーダを使用する。ある実施形態によれば、コンソール160及び/又はコンピューティングデバイス161は、少なくともプロセッサ及びメモリを含むが、プロセッサは、訓練アルゴリズム及び/又はオートエンコーダに関してコンピュータ命令を実行し、メモリは、プロセッサによる実行のための命令を格納する。
【0042】
コンピューティングデバイス161は、汎用コンピュータなどの、ソフトウェア及び/又はハードウェアを含む任意のコンピューティングデバイスとすることができ、カテーテル105間で信号を送信及び受信し、並びにシステム100の他の構成要素を制御するための適切な前端部及びインターフェース回路162を備える。コンピューティングデバイス161は、典型的には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として構成されるリアルタイムノイズ削減回路を含むことができ、その後に、アナログデジタル(A/D)心電計又は筋電図(EMG)信号変換集積回路が続く。コンピューティングデバイス161は、A/D ECG又はEMG回路から別のプロセッサに信号を通過させることができ、かつ/又は本明細書に開示される1つ又は2つ以上の機能を実行するようにプログラムすることができる。
【0043】
例えば、1つ又は2つ以上の機能は、第1のフィルタを信号に適用することを含み、これにより、信号内の活動を強調して第1の修正された信号を生成し、整流器及び第2のフィルタを第1の修正された信号に適用して臨床上の重要性を有する第1の修正された信号の領域を平滑化して、第2の修正された信号を生成し、また、エネルギー閾値を使用して第2の修正された信号の高周波エネルギーゾーンを自動的に検出して、訓練データセットを構築するために使用される重みベクトルを生成する。更に、1つ又は2つ以上の機能は、入力心内信号を受信することと、心内データセットを利用して入力心内信号を符号化して潜在的な表現を生成することと、その潜在的な表現を復号化して出力心内信号を生成することと、を含む。フロントエンド及びインターフェース回路162は、コンソール160が少なくとも1つのアブレーション電極134から信号を受信し、かつ/又はそのアブレーション電極に信号を伝達するのを可能にする入力/出力(I/O)通信インターフェースを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス161は、電気活動などの生体データを受信し、所与の組織領域が電気を伝導するかどうかを判定するように更に構成することができる。ある実施形態によれば、コンピューティングデバイス161は、コンソール160の外部にあってもよく、例えば、カテーテル内、外部デバイス内、モバイルデバイス内、クラウドベースデバイス内に配置されてもよく、又は独立型プロセッサであってもよい。
【0045】
上述したように、コンピューティングデバイス161は、汎用コンピュータを含んでもよく、その汎用コンピュータは、ソフトウェア内でプログラムされて、本明細書に記載される訓練アルゴリズム及び/又はオートエンコーダの機能を実行することができる。ソフトウェアは、例えば、ネットワーク上で、電子形式で汎用コンピュータにダウンロードされてもよく、又は、それは、あるいは若しくは更に、磁気メモリ、光メモリ、若しくは電子メモリなどの非一時的有形媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなどの任意の適切な揮発性及び/又は不揮発性メモリ)上に提供及び/若しくは格納されてもよい。
図1に示す例示的な構成は、本明細書に開示される実施形態を具現化するように修正されてもよい。本開示の実施形態は、他のシステム構成要素及び設定を使用して、同様に適用することができる。更に、システム100は、電気活動を検知するための要素、有線又は無線コネクタ、処理及びディスプレイデバイスなどの、追加の構成要素を含んでもよい。
【0046】
ある実施形態によれば、ディスプレイ165が、コンピューティングデバイス161に接続される。手技中、コンピューティングデバイス161は、医療専門家115に対する、ディスプレイ165上に描画する身体部分の表現を容易にし、メモリ内に描画する身体部分を表現するデータを格納することができる。いくつかの実施形態では、医療専門家115は、タッチパッド、マウス、キーボード、ジェスチャ認識装置などの1つ又は2つ以上の入力デバイスを使用して描画する身体部分を操作することが可能であり得る。例えば、入力デバイスを使用して、カテーテル105の位置を変更することができ、その結果、描画が更新される。代替的な実施形態では、ディスプレイ165は、タッチスクリーンを含むことができ、それは、身体部分が描画するのを提示することに加えて、医療専門家115からの入力を受け取るように構成することができる。ディスプレイ165は、同じ場所、若しくは別個の病院などの遠隔地、又は別個の健康管理提供業者ネットワーク内に設置されてもよいことに留意せよ。更に、システム100は、外科手術システムの一部であってもよく、その外科手術システムは、心臓120などの患者の器官の解剖学的及び電気的測定値を取得し、心臓のアブレーション手技を実行するように構成される。かかる外科用システムの一例は、Biosense Websterにより販売されているCarto(登録商標)システムである。
【0047】
コンソール160は、ケーブルによって、身体表面電極に接続することができ、その身体表面電極は、患者125に貼り付けられる粘着性皮膚パッチを含むことができる。プロセッサは、電流追跡モジュールと協力して、患者125の身体部分(例えば、心臓120)の内側のカテーテル105の位置座標を判定することができる。位置座標は、身体表面電極と、カテーテル105の電極又は他の電磁部品(例えば、少なくとも1つのアブレーション電極134)との間で測定されるインピーダンス又は電磁場に基づくことができる。加えて、又は別の方法として、位置パッドが、ベッド130の表面上に配置されてもよく、またベッド130から分離されてもよい。
【0048】
システム100はまた、超音波、コンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)、又は当該技術分野において既知の他の医療撮像技術を使用して、心臓120の解剖学上の測定値などの生体データも任意選択的に取得することができる。システム100は、カテーテル、又は心臓120の電気的特性を測定する他のセンサを使用して、ECG又は電気測定値を取得することができる。次いで、解剖学的及び電気的な測定値を含む生体データは、コンソール160の非一時的有形媒体内に格納することができる。生体データは、非一時的有形媒体からコンピューティングデバイス161に送信することができる。あるいは又は更に、生体データは、サーバに送信することができ、そのサーバは、本明細書に更に記載されるように、ネットワークを使用して、ローカル又はリモートであってもよい。
【0049】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、位置センサを含むカテーテルを使用して、心臓表面上の点の軌跡を判定することができる。これらの軌跡を使用して、組織の収縮力などの運動特性を推測することができる。そのような運動特性を図示するマップは、軌跡情報が心臓120内の十分な数の箇所において標本抽出される場合に、構築することができる。
【0050】
心臓120内のある点における電気活動は、典型的には、遠位先端(例えば、少なくとも1つのアブレーション電極134)に又はその近くに電気的センサを収容するカテーテル105を、心臓120内のその点に向かって前進させることによって測定することができ、組織をセンサに接触させて、その点でのデータを獲得する。単一の遠位先端電極のみを収容するカテーテル105を使用して、心腔をマッピングするのに伴う1つの欠点は、全体としての心腔の詳細マップのために必要とされる必須の点の数にわたって、点毎にデータを蓄積するのに必要とされる期間が長いことである。したがって、バルーンカテーテル135によって示されるように、多電極カテーテルを開発して、心腔内の複数の点における電気活動を同時に測定した。
【0051】
多電極カテーテルは、複数の電極を有する線形カテーテル、バルーンを形作る複数の骨材上に配設された電極を含むバルーンカテーテル135、複数の電極を有するラッソーカテーテル若しくはループカテーテル、又は任意の他の適用可能な形状を使用して実装することができる。線形カテーテルは、全体的に又は部分的に弾力性があり得、その結果、それは、受信した信号に基づいて、かつ/又は線形カテーテルへの外力(例えば、心組織)の印加に基づいて、ねじること、屈曲させること、又はその形状を変化させることができる。バルーンカテーテル135は、患者の身体中に展開されたときに、その電極が心内膜の表面に対して密接に接触して保持され得るように、設計することができる。例として、バルーンカテーテル135が、肺静脈(PV)などの管腔中に挿入され得る。バルーンカテーテル135は、収縮した状態でPV中に挿入され得、その結果、バルーンカテーテルは、PV中に挿入されている間、その最大容量を占有しない。PVの内側でバルーンカテーテル135上のそのようなそれらの電極がPVの円形領域全体と接触しながら、バルーンカテーテル135は、膨張することができる。PVの円形部分全体、又は任意の他の管腔とのこのような接触は、効率的なマッピング及び/又はアブレーションを可能にすることができる。
【0052】
ある例によれば、多電極カテーテルを心臓120の心腔中に前進させることができる。背腹方向(AP)及び横方向の蛍光図を取得して、電極の各々の位置及び配向を確立することができる。EGMは、身体表面ECGからの洞調律におけるP波の発生などの一時的な基準に対して、心臓表面と接触している電極の各々から記録することができる。本明細書に更に開示されるように、このシステムは、電気活動を登録するそれらの電極と、心内膜壁への接近がないことが原因ではない電極との間を区別することができる。最初のEGMが記録された後、カテーテルは、位置を変えることができ、蛍光図及びEGMは、再度、記録することができる。次いで、電気マップが、上記のプロセスの繰り返しから構築され得る。
【0053】
ある例によれば、心臓のマッピングが、心内電位場の検出に基づいて、生成され得る。膨大な量の心臓電気的情報を同時に獲得するための非接触技術を実施することができる。例えば、遠位端部分を有するカテーテルが、一連のセンサ電極を提供され得、それらのセンサ電極は、そのカテーテルの表面上にわたって分布し、かつ信号検知及び処理手段に接続するための絶縁された導体に接続され得る。端部分のサイズ及び形状は、電極が心腔の壁から実質的に離間されるようにすることができる。心内電位場が、単一の心拍の間に検出され得る。ある例によれば、センサ電極は、互いに離間した平面内にある一連の周縁部上に分散させることができる。これらの平面は、カテーテルの端部分の長軸に対して垂直であってもよい。少なくとも2つの追加の電極が、端部分の長軸の端部分に隣接して設けることができる。より具体的な例として、カテーテルは、各周縁部上に等角度に離間した8つの電極を有する4つの周縁部を含むことができる。したがって、この特定の実施態様では、カテーテルは、少なくとも34個の電極(32個の円周方向電極と2個の端部電極)を含むことができる。
【0054】
別の例によれば、非接触及び非拡張多電極カテーテルに基づく電気生理学的心臓マッピングシステム及び技術を実施することができる。EGMは、複数の電極(例えば、42〜122個の電極)を有するカテーテルを用いて取得することができる。この実施態様によれば、プローブ及び心内膜の相対的な幾何学的形状の知識は、経食道超音波心臓図検査などの独立した撮影法などによって取得することができる。独立した撮像の後、非接触電極を使用して、心臓の表面電位を測定し、そこからマップを構築することができる。この技術は、以下のステップ(独立した撮像ステップの後)、すなわち、(a)心臓120内に位置決めされたプローブ上に配設された複数の電極を用いて電位を測定すること、(b)プローブ表面及び心内膜表面の幾何学的関係を判定すること、(c)プローブ表面及び心内膜表面の幾何学的関係を表す係数のマトリクスを生成すること、並びに(d)電極電位及び係数マトリクスに基づいて、心内膜電位を決定すること、を含むことができる。
【0055】
別の例によれば、心腔の電位分布をマッピングするための技術及び装置を実施することができる。心臓内多電極マッピングカテーテルアセンブリが、患者の心臓120の中に挿入されてもよい。このマッピングカテーテルアセンブリは、一体化した基準電極を有する多電極アレイ、又は好ましくは、コンパニオン基準カテーテルを含むことができる。これらの電極は、実質的に球状のアレイの形態で使用することができる。この電極アレイは、心内膜表面に接触するようになる、基準電極又は基準カテーテルによって、心内膜表面上のある点に空間的に参照され得る。好ましい電極アレイカテーテルは、多数の個々の電極部位(例えば、少なくとも24個)を担持することができる。更に、この例示的な技術は、アレイ上の電極部位の各々の場所を知ること、並びに心臓の幾何学的形状を知ることと共に実施することができる。これらの場所は、好ましくは、インピーダンス血量測定法の技術によって決定される。
【0056】
別の例によれば、心臓マッピングカテーテルアセンブリは、多数の電極部位を画定する電極アレイを含むことができる。このマッピングカテーテルアセンブリはまた、心臓壁を精査するために使用され得る遠位先端電極アセンブリを有する基準カテーテルを受け入れるための管腔を含むこともできる。このマッピングカテーテルは、絶縁されたワイヤの編組(例えば、編組内に24〜64個のワイヤを有する)を含むことができ、それらのワイヤの各々を使用して電極部位を形成することができる。このカテーテルは、第1のセットの非接触電極部位、及び/又は第2のセットの接触電極部位から電気活動情報を獲得するために使用されるように、心臓120内で容易に位置決め可能とすることができる。
【0057】
別の例によれば、心臓内の電気生理学的活動をマッピングするための別のカテーテルを実施することができる。このカテーテル本体は、心臓のペースを調整するための刺激パルスの送達に適合される遠位先端、又はその先端と接触して組織をアブレーションするためのアブレーション電極を含むことができる。このカテーテルは、少なくとも一対の直交電極を更に含み、その直交電極は、その直交電極に隣接する局所的な心臓電気活動を示す差信号を生成することができる。
【0058】
別の例によれば、心腔内の電気生理学的データを測定するためのプロセスを実施することができる。この方法は、一組の活性電極及び不活性電極を心臓120中に挿入すること、電流を活性電極に供給することによって心腔内に電場を発生させること、及び不活性電極部位において電場を測定すること、を部分的に含むことができる。不活性電極は、バルーンカテーテルの膨張可能なバルーン上に位置決めされたアレイ内に収容される。好ましい実施形態では、そのアレイは、60〜64個の電極を有すると言われている。
【0059】
別の例によれば、心臓マッピングは、1つ又は2つ以上の超音波トランスデューサを使用して実施することができる。この超音波トランスデューサは、患者の心臓120中に挿入することができ、心臓120内の様々な場所及び配向において複数の超音波スライス(例えば、二次元又は三次元スライス)を収集することができる。所与の超音波トランスデューサの場所及び配向は、既知であり得、その収集された超音波スライスは、格納され得、それらは、後になって表示され得る。後になって、プローブ(例えば、治療カテーテル)の位置に対応する1つ又は2つ以上の超音波スライスが、表示され得、そのプローブは、その1つ又は2つ以上の超音波スライス上に重ね合わせることができる。
【0060】
他の例によれば、身体パッチ及び/又は身体表面電極は、患者の身体の上に、又はそれに隣接して位置決めすることができる。1つ又は2つ以上の電極を有するカテーテルは、患者の身体内(例えば、患者の心臓120内)に位置決めすることができ、カテーテルの位置は、カテーテルのその1つ又は2つ以上の電極と、身体パッチ及び/又は身体表面電極との間で送受信される信号に基づいて、システムによって判定することができる。更に、カテーテル電極は、患者の身体内(例えば、心臓120内)から生体データ(例えば、LAT値)を検知することができる。生体データは、カテーテルの判定された位置に関連付けることができ、その結果、患者の身体部分(例えば、心臓120)の描画を表示することができ、身体の形状の上に重ね合わされた生体データを示すことができる。
【0061】
ここで、
図2に転じると、生体データ(すなわち、患者生体情報、患者データ、又は患者生体データ)をリモートで監視及び伝達するための例示的なシステム200のブロック図が示される。
図2に示された例において、システム200は、患者204に関連付けられた監視及び処理装置202(すなわち、患者データ監視及び処理装置)、ローカルコンピューティングデバイス206、リモートコンピューティングシステム208、第1のネットワーク210、及び第2のネットワーク211を含む。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、監視及び処理装置202は、
図1のカテーテル105の例とすることができ、患者204は、
図1の患者125の例とすることができ、ローカルコンピューティングデバイス206は、
図1のコンソール160の例とすることができる。
【0062】
監視及び処理装置202は、患者生体センサ212、プロセッサ214、ユーザ入力(UI)センサ216、メモリ218、及び送信機−受信機(すなわち、送受信機)222を含む。手術中、監視及び処理装置202は、患者204の生体データ(例えば、電気信号、血圧、温度、血糖値、又は他の生体データ)を獲得し、かつ/又は任意の獲得された患者生体情報、並びに1つ又は2つ以上の他の患者生体情報監視及び処理装置からの任意の獲得された患者生体情報に関連付けられた追加情報、を表す生体データの少なくとも一部を受信する。追加情報は、例えば、ウェアラブルデバイスなどの追加のデバイスから得られる診断情報及び/又は追加情報であってもよい。
【0063】
監視及び処理装置202は、本明細書に記載される訓練アルゴリズムを使用し得、第1のフィルタを信号に適用して信号内の活動を強調し第1の修正された信号を生成し、整流器及び第2のフィルタを第1の修正された信号に適用して臨床上の重要性を有する第1の修正された信号の領域を平滑化して第2の修正された信号を生成し、エネルギー閾値を使用して第2の修正された信号の高周波エネルギーゾーンを自動的に検出して重みベクトルを生成し、その結果、大きな重みは、臨床上の重要な領域に対応し、小さい重みは、他の領域に関連付けられる。
【0064】
監視及び処理装置202は、本明細書に記載されるオートエンコーダを使用し得、獲得された生体データ、並びに1つ又は2つ以上の他の患者生体情報監視及び処理装置から受信した任意の生体データ、を含むデータを処理することができる。例えば、これに関してデータを処理するとき、オートエンコーダは、生体データから教師なし方法で潜在的な表現(又はデータ符号化)を学習するために使用されるニューラルネットワークを含む。更に、オートエンコーダは、(訓練アルゴリズムを使用して)ニューラルネットワークを訓練することによって特定のデータを検出し、特定の規則で事前にプログラムされることなく、クリーンなデータセットを考慮することによって、信号干渉、信号アーチファクト、及び信号ノイズを無視することを学習する。
【0065】
監視及び処理装置202は、ネットワーク210を介して、任意の数の様々な患者生体情報(例えば、獲得された生体データ)を継続的又は定期的に監視、格納、処理、及び伝達することができる。本明細書に記載されるように、患者生体情報の例には、電気信号(例えば、ECG信号及び脳生体情報)、血圧データ、血糖データ、及び温度データが含まれる。それらの患者生体情報は、心臓血管疾患(例えば、不整脈、心筋症、及び冠動脈疾患)並びに自己免疫疾患(例えば、I型及びII型糖尿病)などの任意の数の様々な疾患にわたる治療のために監視及び伝達され得る。
【0066】
患者生体センサ212は、例えば、1つ又は2つ以上の環境条件を電気信号に変換するように構成された1つ又は2つ以上のトランスデューサを含み、その結果、異なるタイプの生体データが獲得される。例えば、患者生体センサ212には、電気信号(例えば、心臓信号、脳信号、又は他の生体電気信号)を獲得するように構成された1つ又は2つ以上の電極、温度センサ(例えば、熱電対)、血圧センサ、血糖センサ、血中酸素センサ、pHセンサ、加速度計、及びマイクロフォンが含まれ得る。
【0067】
本明細書に更に詳細に説明されるように、監視及び処理装置202は、心臓(例えば、
図1の心臓120)のECG信号を監視するためのECGモニタであってもよい。これに関して、ECGモニタの患者生体センサ212は、ECG信号を獲得するための1つ又は2つ以上の電極(例えば、
図1のカテーテル105の電極)を含むことができる。ECG信号は、様々な心臓血管疾患の治療に使用され得る。
【0068】
別の例では、監視及び処理装置202は、I型及びII型糖尿病などの様々な疾患の絶え間ない治療に基づいて、患者の血糖値を継続的に監視するための連続グルコースモニタ(CGM)であってもよい。この点に関して、CGMの患者生体センサ212は、皮下に配設された電極(例えば、
図1のカテーテル105の電極)を含むことができ、これは、患者の間質液から血糖値を監視することができる。CGMは、例えば、ユーザの介入のないインスリンの計算された送達のために、血糖データがインスリンポンプに送られる閉ループシステムの構成要素であってもよい。
【0069】
プロセッサ214は、患者生体センサ212によって獲得された生体データを受信、処理、及び管理し、並びにその生体データを、格納するためのメモリ218に、かつ/又は送受信機222を介してネットワーク210にわたって伝達させるように構成することができる。本明細書に更に詳細に説明されるように、1つ又は2つ以上の他の監視及び処理装置202からのデータはまた、送受信機222を通じてプロセッサ214によって受信することもできる。また、本明細書に更に詳細に説明されるように、プロセッサ214は、UIセンサ216(例えば、その中の容量性センサ)から受信した異なるタッピングパターン(例えば、シングルタップ又はダブルタップ)に選択的に応答するように構成することができ、その結果、パッチの異なるタスク(例えば、データの獲得、格納、又は送信)が、検出されたパターンに基づいて、起動され得る。いくつかの実施形態では、プロセッサ214は、ジェスチャを検出することに関して、可聴フィードバックを生成することができる。
【0070】
UIセンサ216は、例えば、タッピング又はタッチングなどのユーザ入力を受信するように構成された圧電式センサ又は容量性センサを含む。例えば、UIセンサ216は、患者204が監視及び処理装置202の表面をタップ又はタッチすることに応答して、容量性結合を実現するように構成することができる。ジェスチャ認識は、抵抗容量性、表面容量性、投影容量性、表面弾性波、圧電及び赤外線タッチなどの、様々な容量型のうちのいずれか1つを介して実装することができる。容量性センサは、その表面の小さい面積に、又はその長さにわたって配設することができ、その結果、その表面のタッピング又はタッチングは、監視デバイスを起動する。
【0071】
メモリ218は、磁気、光、若しくは電子メモリなどの任意の非一時的有形媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなどの任意の適切な揮発性及び/又は不揮発性メモリ)である。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、メモリ218は、訓練アルゴリズム及びオートエンコーダのプロセッサ実行可能コード、ソフトウェア、又は命令を格納する。
【0072】
送受信機222は、別個の送信機、及び別個の受信機を含むことができる。あるいは、送受信機222は、単一のデバイスに一体化された送受信機を含むことができる。
【0073】
ある実施形態によれば、監視及び処理装置202は、患者204の身体の内部にある(例えば、皮下に埋め込み可能である)デバイスであってもよい。監視及び処理装置202は、経口注入、静脈若しくは動脈を介した外科手術挿入、内視鏡手技、又は腹腔鏡手技を含む任意の適用可能な方法を介して、患者204に挿入することができる。
【0074】
ある実施形態によれば、監視及び処理装置202は、患者204の外部にある装置であってもよい。例えば、本明細書に更に詳細に説明されるように、監視及び処理装置202は、取り付け可能な(例えば、患者の皮膚に取り付ける)パッチを含んでもよい。監視及び処理装置202はまた、1つ又は2つ以上の電極を有するカテーテル、プローブ、血圧カフ、腕輪若しくはスマートウォッチ生体情報追跡機、グルコースモニタ、持続的気道陽圧(CPAP)マシン、又は患者の健康若しくは生体情報に関する入力を提供することができる、事実上任意のデバイスも含むことができる。
【0075】
ある実施形態によれば、監視及び処理装置202が、患者の内部にある構成要素、及び患者の外部にある構成要素の両方の構成要素を含むことができる。
【0076】
単一の監視及び処理装置202が
図2に示されるが、例示的なシステムは、複数の患者生体情報監視及び処理装置を含むことができる。例えば、監視及び処理装置202は、1つ又は2つ以上の他の患者の生体情報監視及び処理装置と通信してもよい。更に、又は別の方法として、1つ又は2つ以上の他の患者の生体情報監視及び処理装置は、システム200のネットワーク210及び他の構成要素と通信することができる。
【0077】
ローカルコンピューティングデバイス206及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、監視及び処理装置202と共に、訓練アルゴリズム、オートエンコーダ、及びそれらの機能を別々に若しくは集合的に格納、実行、及び実装するソフトウェア及び/又はハードウェアの任意の組み合わせであり得る。更に、本明細書に記載されるように、ローカルコンピューティングデバイス206及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、監視及び処理装置202と共に、様々な通信技術を利用するコンピューティングデバイス及びネットワークの任意の数及び組み合わせを包含かつ/又は使用する電子的なコンピュータの枠組みであり得る。ローカルコンピューティングデバイス206及び/又はリモートコンピューティングシステム208は、監視及び処理装置202と共に、容易に、拡大縮小可能、拡張可能、またモジュール式であり得、異なるサービスに変更し、又は他の特徴とは独立に一部の特徴を再構成する能力を有する。
【0078】
ある実施形態によれば、ローカルコンピューティングデバイス206及びリモートコンピューティングシステム208は、監視及び処理装置202と共に、少なくともプロセッサ及びメモリを含むが、プロセッサは、訓練アルゴリズム及びオートエンコーダに関するコンピュータ命令を実行し、メモリは、そのプロセッサにより実行するためのこれらのコンピュータ命令を格納する。
【0079】
システム200のローカルコンピューティングデバイス206は、監視及び処理装置202と通信し、第2のネットワーク211を通じてリモートコンピューティングシステム208へのゲートウエイとしての役割を果たすように構成することができる。ローカルコンピューティングデバイス206は、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、又はネットワーク211を介して他のデバイスと通信するように構成された他のポータブルスマートデバイスであってもよい。あるいは、ローカルコンピューティングデバイス206は、例えば、モデム及び/若しくはルータ機能を含む固定した基地局、PCの無線モジュールを介して処理装置202とリモートコンピューティングシステム208との間の情報を伝達するための実行可能プログラムを使用するデスクトップ若しくはラップトップコンピュータ、又はUSBドングルなどの、固定型又は独立型のデバイスであってもよい。生体データは、ローカルエリアネットワーク(LAN)(例えば、パーソナルエリアネットワーク(PAN))などの短距離無線ネットワーク210を介する短距離無線技術標準規格(例えば、ブルートゥース、Wi−Fi、ZigBee、Z−wave、及び他の短距離無線標準規格)を使用して、ローカルコンピューティングデバイス206と監視及び処理装置202との間を伝達することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に更に詳細に説明されるように、ローカルコンピューティングデバイス206はまた、獲得された患者電気信号、及びその獲得された患者電気信号に関連付けられた情報を表示するように構成することもできる。
【0080】
いくつかの実施形態では、リモートコンピューティングシステム208は、監視された患者生体情報、及び長距離ネットワークであるネットワーク211を介してその監視された患者に関連付けられた情報のうちの少なくとも一方を受信するように構成することができる。例えば、ローカルコンピューティングデバイス206がモバイルフォンである場合、ネットワーク211は、無線セルラー式ネットワークであってもよく、情報は、上述したいずれかの無線技術などの無線技術標準規格を介して、ローカルコンピューティングデバイス206とリモートコンピューティングシステム208との間で伝達することができる。本明細書に更に詳細に説明されるように、リモートコンピューティングシステム208は、患者生体情報及びその関連する情報のうちの少なくとも一方を、医療専門家、医師、健康管理専門家などに提供する(例えば、視覚的に表示し、かつ/又は音声で提供する)ように構成することができる。
【0081】
図2において、ネットワーク210は、短距離ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又はパーソナルエリアネットワーク(PAN))の一例である。情報は、短距離ネットワーク210を介して、ブルートゥース、Wi−Fi、ZigBee、Z−wave、近距離無線通信(NFC)、超広帯域無線、Zigbee、又は赤外線(IR)などの様々な短距離無線通信プロトコルのいずれか1つを使用して、監視及び処理装置202とローカルコンピューティングデバイス206との間で送信することができる。
【0082】
ネットワーク211は、有線ネットワーク、無線ネットワークであってもよく、又はイントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、直接接続若しくは直列接続、携帯電話ネットワーク、若しくはローカルコンピューティングデバイス206とリモートコンピューティングシステム208との間の通信を容易にすることが可能な任意の他のネットワーク若しくは媒体などの1つ又は2つ以上の有線及び無線ネットワークを含むことができる。情報は、様々な長距離無線通信プロトコル(例えば、TCP/IP、HTTP、3G、4G/LTE、又は5G/New Radio)のいずれか1つを使用するネットワーク211を介して送信することができる。有線接続は、イーサネット、ユニバーサルシリアルバス(USB)、RJ−11、又は当該技術分野において一般的に知られている任意のその他の有線接続を使用して実装することができる。無線接続は、Wi−Fi、WiMAX、及びブルートゥース、赤外線、セルラー式ネットワーク、衛星、又は任意の他の無線接続技法を使用して、実装することができる。更に、いくつかのネットワークは、単独で機能し、又は互いに通信し合って、ネットワーク211内の通信を容易にすることができる。いくつかの事例では、リモートコンピューティングシステム208は、ネットワーク211上の物理的なサーバとして、実装することができる。他の事例では、リモートコンピューティングシステム208は、ネットワーク211のパブリッククラウドコンピューティングプロバイダ(例えば、Amazon Web Services(AWS)(登録商標))の仮想サーバとして実装することができる。
【0083】
例示的な実施形態では、ネットワーク220は、有線ネットワーク、無線ネットワークであってもよく、又は1つ若しくは複数の有線及び無線ネットワークを含んでもよい。例えば、ネットワーク220は、長距離ネットワーク(例えば、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、又はセルラー式ネットワーク)であってもよい。情報は、様々な長距離無線通信プロトコル(例えば、TCP/IP、HTTP、3G、4G/LTE、又は5G/New Radio)のうちのいずれか1つを使用するネットワーク220を介して送信することができる。
【0084】
例示的な実施形態では、患者監視及び処理装置202は、患者生体センサ212、プロセッサ214、ユーザ入力(UI)センサ216、メモリ218、及び送信機−受信機(すなわち、送受信機)222を含むことができる。患者監視及び処理装置202は、ネットワーク210を介して、任意の数の様々な患者生体情報を、継続的又は定期的に監視、格納、処理、及び伝達することができる。患者の生体指標の例としては、電気信号(例えば、ECG信号及び脳生体指標)、血圧データ、血糖データ、及び体温データが挙げられる。それらの患者生体情報は、心臓血管疾患(例えば、不整脈、心筋症、及び冠動脈疾患)並びに自己免疫疾患(例えば、I型及びII型糖尿病)などの任意の数の様々な疾患にわたる治療のために監視及び伝達され得る。
【0085】
図3は、1つ又は2つ以上の実施形態に基づく人工知能システム300である。この人工知能システム300は、データ310、マシン320、モデル330、複数の成果340、及び基礎的なハードウェア350を含む。
図4は、
図3の人工知能システムにおいて実行される方法400のブロック図を示す。
図3〜
図4の説明は、理解を容易にするために、
図2を参照して行われる。
【0086】
概して、人工知能システム300は、複数の成果340(予測される)を可能にするためのモデル330を構築しながら、マシン320(例えば、訓練アルゴリズム、及びその上にオートエンコーダを有する、
図2のローカルコンピューティングデバイス206)を訓練するためのデータ310を使用することによって、方法400を動作させる。そのような構成では、人工知能システム300は、ハードウェア350(例えば、
図2の監視及び処理装置202)に関して動作させて、マシン320を訓練し、モデル330を構築し、アルゴリズムを使用して成果を予測することができる。これらのアルゴリズムを使用して、訓練されたモデル330を解き、ハードウェア350に関連付けられた成果340を予測することができる。これらのアルゴリズムは、通常、分類アルゴリズム、回帰アルゴリズム、及びクラスタリングアルゴリズムに区分することができる。
【0087】
ブロック410において、この方法400は、データ310をハードウェア350から収集することを含む。マシン320は、ハードウェア350に関連付けられたコントローラ若しくはデータ収集として動作し、かつ/又はそのハードウェアに関連付けられている。データ310(例えば、
図2の監視及び処理装置202を用いて発生し得る生体データ)は、ハードウェア350に関係することができる。例えば、データ310は、進行中のデータ、又はハードウェア350に関連付けられた出力データであってもよい。データ310はまた、現在収集されたデータ、履歴データ、又はハードウェア350からの他のデータを含むこともできる。例えば、データ310は、外科手技中の測定値を含んでもよく、外科手技の成果に関連付けられてもよい。例えば、心臓の温度(例えば、患者204の)が収集され、心臓手技の成果と相関される場合がある。
【0088】
ブロック420において、この方法400は、ハードウェア350に関するなどのマシン320を訓練することを含む。この訓練には、ブロック410において収集されたデータ310の分析及び相関関係が含まれ得る。例えば、この心臓の場合、温度及び成果のデータ310を訓練して、心臓手技中の心臓(例えば、患者204の)の温度とその成果との間に相関関係又は関連が存在するかどうかを判定することができる。
【0089】
図5に転じると、1つ又は2つ以上の実施形態に基づく方法500のブロック図が、示される。この方法500は、
図4のブロック420において使用され得る訓練動作の一例である。この訓練動作は、マシン320上に格納された訓練アルゴリズムを利用して、ブロック410において収集されたデータ310を分析し、そして相関を取ることを含むことができる。
【0090】
この方法500は、ブロック522から始まるが、訓練アルゴリズムは、第1のフィルタをある信号に適用して、信号内の活動を強調し、第1の修正された信号を生成する。ブロック524において、訓練アルゴリズムは、整流器及び第2のフィルタを第1の修正された信号に適用して、臨床上の重要性を有する第1の修正された信号の領域を平滑化し、第2の修正された信号を生成する。ブロック526において、訓練アルゴリズムは、エネルギー閾値を使用して、第2の修正された信号の高周波エネルギーゾーンを自動的に検出して重みベクトルを生成する。
【0091】
次いで、この重みベクトルは、アルゴリズムを訓練するための損失関数として使用される。次いで、例えば、この重みベクトルを利用して、モデル330を構築し、かつ/又は訓練データセットを構築する。
【0092】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、訓練アルゴリズムは、損失関数として加重平均二乗誤差を適用する。最適化関数でのこの点において、その最終層におけるニューラルネットワークが、心内ECG信号の「クリーン」バージョンを復元するが、yは、心内ECGのクリーンバージョンであり、
【0093】
【数1】
は、ノイズ除去オートエンコーダの出力であり、今の場合の損失関数は、加重平均二乗とすることができる。より具体的には、加重平均二乗誤差損失関数は、次式で与えられる式1に従って、決定することができる。
【0094】
【数2】
式中、L(θ)は、損失関数であり、θは、訓練手順中に評価されるモデルパラメータを表し、
【0095】
【数3】
は、評価された心内ECGの第n番目のサンプルであり、y
nは、心内ECG信号の第n番目のサンプルであり、w
nは、ブロック526において計算された重みベクトルの第n番目のサンプルである。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、他の損失関数(加重0〜1損失関数など)を使用することができ、次式で与えられる式2によって表される。
【0096】
【数4】
式中、Iは、次式で与えられる式3に従う特性関数である。
【0098】
ブロック430において、この方法400は、モデル330を、ハードウェア350に関連付けられたデータ310上に構築することを含む。モデル330を構築することは、物理的なハードウェア若しくはソフトウェアのモデル化、アルゴリズムのモデル化、及び/又はその同様のものを含むことができる。このモデル化は、収集され、そして訓練されたデータ310を表現しようと努めることができる。ある実施形態によれば、モデル330は、ハードウェア350の動作をモデル化し、ハードウェア350から収集されたデータ310をモデル化して、ハードウェア350によって達成される成果を予測するように構成することができる。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、モデル330は、オートエンコーダに関して、信号ノイズを含む生信号データを受信し、生信号データを符号化して潜在的な表現を生成し、その潜在的な表現を復号化して、信号ノイズなしで復元されたクリーンな信号データを生成する。
【0099】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、モデル330は、訓練アルゴリズムに関して、電気信号内の臨床上の重要なゾーン又は事象(例えば、心臓疾患の潜在的な起点位置)を強調する。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、モデル330は、オートエンコーダに関して、心室遠視野と心房活性化との間を分離し、心房及び心室の活性化のための別個のマップを発生させる。
【0100】
ブロック440において、この方法400は、ハードウェア350に関連付けられたモデル330の複数の成果340を予測することを含む。複数の成果340についてのこの予測は、訓練されたモデル330に基づくことができる。例えば、本開示の理解を高めるために、この心臓の場合、手技中の温度が摂氏36.5度〜摂氏37.89度(すなわち、華氏97.7度〜華氏100.2度)であり、心臓手技からより良好な結果を生成する場合、その成果は、心臓手技中のその心臓の温度に基づいて、所与の手技において予測することができる。したがって、予測される成果340を使用して、ハードウェア350は、ハードウェア350からの特定の所望の成果340を提供するように構成することができる。
【0101】
図6A及び
図6Bは、集合的に
図6と称されるが、ニューラルネットワーク600(
図6A)の一例、及びニューラルネットワーク内で実行される方法601(
図6B)のブロック図が、1つ又は2つ以上の実施形態に基づいて示される。このニューラルネットワーク600は、オートエンコーダの一実施態様として動作する。このニューラルネットワーク600は、マシン320(例えば、
図2のローカルコンピューティングデバイス206)及び/又はハードウェア350(例えば、
図2の監視及び処理装置202)などのハードウェア内に実装することができる。一般に、ニューラルネットワークは、ニューロンのネットワーク若しくは回路であり、又は現代的な意味で、人工的なニューロン又はノード若しくはセルから成る人工ニューラルネットワーク(ANN)である。
【0102】
例えば、ANNは、複雑で包括的な挙動を提示し得る処理要素(人工ニューロン)のネットワークを内包し、処理要素と要素パラメータとの間の接続によって決定される。ニューロンのネットワーク又は回路のこれらの接続は、重みとしてモデル化される。正の重みは興奮性のつながりを反映し、負の値は抑制性のつながりを意味する。入力は重みで修正され、線形結合を使用して合計される。活性化関数が、出力の振幅を制御することができる。例えば、出力の許容範囲は通常0〜1であるが、−1〜1の場合もある。
【0103】
ほとんどの場合、ANNは、ネットワークを通って流れる外部情報又は内部情報に基づいて、その構造を変化させる適応システムである。より実用的な用語では、ニューラルネットワークは、入力と出力との間の複雑な関係をモデル化し、又はデータ内のパターンを見つけ出すために使用することができる非線形統計データモデル化ツール又は意志決定ツールである。したがって、ANNは、データセットを介して訓練されながら、予測モデル化及び適応制御アプリケーションのために使用することができる。経験からもたらされる自己学習が、ANN内で起こる可能性があり、複雑で、一見無関係に見える一組の情報から結論を導き出すことができることに留意せよ。人工ニューラルネットワークモデルの有用性は、観測から関数を推定し、それを使用するために使用することができるという事実にある。教師なしニューラルネットワークは、入力分布の顕著な特徴をキャプチャする入力の表現の学習や、最近では、観測データの分布関数を暗黙的に学習することができる深層学習アルゴリズムにも使用することができる。ニューラルネットワークでの学習は、データやタスクの複雑さのためにそのような関数の設計を手作業では行えない用途において特に有用である。
【0104】
ニューラルネットワークは、様々な分野で使用可能である。ANNが適用されるタスクは、関数近似、又は時系列予測及びモデル化を含む回帰分析、パターン及び配列認識、新規性の検出及び逐次的な意思決定を含む分類、フィルタリング、クラスタリング、ブラインド信号分離及び圧縮を含むデータ処理を含む広いカテゴリにわたる傾向がある。
【0105】
ANNの適用領域には、非線形システムの識別及び制御(車両制御、プロセス制御)、ゲームのプレー及び意思決定(バックギャモン、チェス、レース)、パターン認識(レーダーシステム、顔識別、オブジェクト認識)、シーケンス認識(ジェスチャ、スピーチ、手書きテキスト認識)、医療診断、金融アプリケーション、データマイニング(又はデータベースでの知識発見、すなわち「KDD」)、視覚化並びに電子メールスパムフィルタリングが含まれる。例えば、オブジェクト認識のために訓練された写真から生じるユーザの興味のセマンティックプロファイルを作成することが可能である。
【0106】
図6に戻ると、方法601のブロック図が、1つ又は2つ以上の実施形態に基づいて示される。この方法601は、ニューラルネットワーク600(例えば、オートエンコーダ)の動作を図示する。このニューラルネットワーク600では、入力層610が、612及び614などの複数の入力によって表される。この方法601のブロック620に関して、入力層610は、初期動作として複数の入力(例えば、入力心内信号)を受信する。この複数の入力は、超音波信号、無線信号、音響信号、又は二次元画像であり得る。より具体的には、この複数の入力は、入力データ(X)として表すことができ、心房から記録された生データである。所望の情報は、心臓(例えば、心房)の高周波ゾーン内にあり、オートエンコーダは、入力心内信号のより良好な構造を提供することに留意せよ。
【0107】
この方法601のブロック625において、ニューラルネットワーク600は、心内データセット(例えば、訓練アルゴリズムによって、「クリーンな」信号として生成される)を利用して入力心内信号を符号化して、潜在的な表現を生成する。潜在的な表現は、入力心内信号から導入される1つ又は2つ以上の中間画像を含む。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、その潜在的な表現は、オートエンコーダの要素的な活性化関数(例えば、S字形関数又は整流線形ユニット)によって生成され、その関数は、重みマトリクスを入力心内信号に適用し、バイアスベクトルをその結果に付加する。重みマトリクスの重み及びバイアス、並びにバイアスベクトルは、ランダムに初期化され、次いで訓練中に繰り返し更新され得ることに留意せよ。
【0108】
心内データセットは、干渉、アーチファクト、及びノイズを含まない所定の承認された信号を含むクリーンなデータであり得る(例えば、クリーンの一例)。ある実施形態では、訓練アルゴリズムは、1つ又は2つ以上の信号を生成する。ある実施形態では、エキスパート医療専門家、医師などが精査、編集して、信号干渉、信号アーチファクト、及び信号ノイズを除去し、心内データセットの各電気信号を承認することができる。ある実施形態では、心内データは、数千以上のオーダーの電気信号数を有することができるが、各電気信号の信号形態が、テンプレート照合及び消去を使用して検査される。電気信号の量、並びに精査、編集、及び承認の複雑さを考慮すると、心内データセットの作成が、オートエンコーダによって多段データ操作のデータ訓練部分と見なされ得る。
【0109】
図6に示すように、入力612及び614は、ノード632、634、636、及び638を含むものとして図示してある隠れ層630に提供される。したがって、層610、630、及び650は、エンコーダ段階と見なすことができ、そのエンコーダ段階は、複数の入力612及び614を取得し、それを630内に図示してある深層ニューラルネットワークに転送して、その入力のいくらかのより小さい表現(例えば、結果として得られた潜在的な表現又はデータ符号化652)を学習する。深層ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク、長短期メモリニューラルネットワーク、全結合ニューラルネットワーク、又はそれらの組み合わせとすることができる。入力612及び614は、心内ECG、ECG、又は心内ECG及びECGとすることができる。この符号化により、入力心内信号の次元数削減が与えられる。次元数削減とは、一組の主要変数を取得することによって、考慮下にある(複数の入力の)ランダム変数の数を削減するプロセスである。例えば、次元数削減は、高次元空間(例えば、10次元を上回る)から低次元空間(例えば、2〜3次元)にデータ(例えば、複数の入力)を変換する特徴抽出であり得る。次元数削減の技術的効果及び利点としては、データに要求される時間及び記憶空間を削減すること、データの可視化を改善すること、及び機械学習のためのパラメータ解釈を改善することが挙げられる。このデータ変換は、線形又は非線形であり得る。受信(ブロック620)及び符号化(ブロック625)の動作は、オートエンコーダによる多段データ操作のデータ調製部分と見なすことができる。
【0110】
ある実施形態によれば、データ調製は、心室(心臓の2つの下部心腔)からの同時記録を伴って、心房(血液が心臓の心室に入り込む上部心腔)の心内心電図(IC−ECG)データ収集を更に含むことができる。
【0111】
方法610のブロック660において、ニューラルネットワーク600は、潜在的な表現を復号化して、出力心内信号を生成する。復号化段階は、エンコーダ出力(例えば、結果として得られた潜在的な表現又はデータ符号化652)を取得し、別の深層ニューラルネットワーク660を使用して、入力612及び614のいくつかの形式を復元しようと試みる。これに関して、ノード672、674、676、及び678は、結合されて、ブロック699に示されるように、出力層690において出力692及び694を生成する。すなわち、出力層690は、削減された次元で、但し、信号干渉、信号アーチファクト、及び信号ノイズなしで、入力612及び614を復元する。出力心内信号692及び694は、IC−ECGの場合の心室遠視野推定であり得る。出力692及び694の他の例としては、心内ECG、クリーンなバージョンの心内ECG(ノイズ除去されたバージョン)、ECG、及びノイズ除去されたECGが挙げられる。ノイズ除去されたバージョンの心内ECGは、以下の遠視野削減、電力線ノイズ、接触ノイズ、偏向ノイズ、基線変動、呼吸ノイズ、及びFluroノイズのうちの1つ又は2つ以上を含まない場合がある。
【0112】
ニューラルネットワーク600は、ノード632、634、636、及び638の隠れ層630を介して処理を実行し、複雑で包括的な挙動を提示し、処理要素と要素パラメータとの間の接続によって決定される。出力層650の目標データは、目標データタイプ1の心室活動(Y1)を含み、また遠視野削減後の目標データタイプ2の入力データ(Y2)を含む。遠視野が3Dマップを生成及びナビゲートすることに関して問題を引き起こす(例えば、心室遠視野は、心房活性化と干渉し得る)ことに留意せよ。したがって、ニューラルネットワーク600を使用するオートエンコーダの技術的効果及び利点には、アーチファクト(遠視野に関する)除去により3Dマップの精度を改善することが含まれる。
【0113】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、ニューラルネットワーク600を使用するオートエンコーダのモデルは、心室遠視野と、心房ベースの活性化との間を分離し、心房及び心室の活性化について別個のマップを生成することができる。
【0114】
ある実施形態によれば、オートエンコーダは、f(X)=Y1かつg(X)=Y2であるように、マッピング関数(f,g)を見つけるためのノイズ除去オートエンコーダであり得る。ソフトウェア及び/又はハードウェアの任意の組み合わせ(例えば、監視及び処理装置202と協働するローカルコンピューティングデバイス206及びリモートコンピューティングシステム208)は、別々に又は集合的に、ノイズ除去オートエンコーダ及びその機能を格納、実行、及び実装することができる。ノイズ除去オートエンコーダは、オートエンコーダを訓練して、それ自体の劣化バージョンからの入力を復元し、隠れ層(例えば、
図6の隠れ層630)に更に堅牢な特徴(すなわち、入力のより良好な更に高レベルの表現を構成することになる有用な特徴)を発見させ、入力が特定の独自性を学習する(すなわち、常に同じ値に戻る)ことを防止する。これに関して、ノイズ除去オートエンコーダは、入力を符号化し(例えば、入力についての情報を保存するために)、オートエンコーダの入力に確率的に適用された破損プロセスの影響を逆転させる。
【0115】
図7は、管理された水槽環境内で記録された接触ノイズ例700を示す。マップ1〜4 710(集合的に、また個別には710
1、710
2、710
3、710
4)が、この例では、マッピングカテーテルとして提供され得る。カテーテルP1〜P20 720(集合的に、また個別には720
1、720
2、720
3、720
4、720
5、720
6、720
7、720
8、720
9、720
10、720
11、720
12、720
13、720
14、720
15、720
16、720
17、720
18、720
19、720
20)が、ペンタレイの異なるカテーテルとして提供される。例700のこの説明図では、マップ1 710
1(マッピングカテーテル電極1)が、ペンタレイ電極5 720
5及びペンタレイ電極6 720
6(P5、P6)に接触しており、マップ2 710
2が、接触ノイズを示すP8 720
8に接触する。
【0116】
図8Aは、管理された水槽環境内で記録された偏向ノイズ例800を示す。これらのデータサンプルは、ランダムな開始時間が提供され得、ランダムな持続時間を有し得る。
図8Bは、x軸の増加に伴う、
図8Aの偏向ノイズ例800を示し、特徴に関して拡大している。特に、底部プロット830は、水槽内で記録された偏向ノイズを表す。底部プロット830は、カテーテルが偏向された3時点を示す、3つの高周波バースト830
1、830
2、830
3を示す。上部プロット810は、偏向ノイズ又は接触ノイズを含まない信号を表す。中央プロット820は、偏向ノイズ及び接触ノイズの合計である信号を示す。
【0117】
これらの例は、ノイズ除去されたオートエンコーダを使用するための別の方法を解説する。干渉(接触ノイズ、偏向ノイズ、電力線ノイズ等)が記録され、次いで、心内ECGのクリーンなバージョンに追加される。したがって、その信号のノイズ除去されたバージョン及びクリーンなバージョンが、訓練目的のために作成される。
【0118】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、ノイズ除去オートエンコーダは、長短期メモリニューラルネットワークアーキテクチャ、畳み込みニューラルネットワークアーキテクチャなどを実装する。ノイズ除去オートエンコーダのアーキテクチャは、層数、接続数(例えば、エンコーダ/デコーダ接続)、正則化技術(例えば、脱落又はBN)、及び最適化特徴に関して構成可能であり得る。
【0119】
長短期メモリニューラルネットワークアーキテクチャは、フィードバック接続を含み、データ(例えば、音声又はビデオなど)の全体的な順序と協同して、単一のデータ点(例えば、画像など)を処理することができる。長短期メモリニューラルネットワークアーキテクチャのユニットは、セル、入力ゲート、出力ゲート、及び忘却ゲートからなり得るが、セルは、任意の時間間隔にわたって値を覚えており、ゲートは、セルを出入りする情報の流れを調整する。
【0120】
畳み込みニューラルネットワークアーキテクチャは、1つの層内の各ニューロンが次の層内の全てのニューロンに接続される、変換不変性を有する共有加重アーキテクチャである。畳み込みニューラルネットワークアーキテクチャの正則化技術は、データ内の階層パターンを利用し、より小さくかつより単純なパターンを使用して、より複雑なパターンを組み立てることができる。ノイズ除去オートエンコーダが畳み込みニューラルネットワークアーキテクチャを実装する場合、そのアーキテクチャの他の構成可能な態様は、各段階でのフィルタ数、カーネルサイズ、層毎のカーネル数を含むことができる。
【0121】
1つ又は2つ以上の実施形態による例示的な動作において、ノイズ除去オートエンコーダは、複数の電気信号から「クリーンで承認された」心内データセットを受信する。本明細書に示されるように、エキスパート医療専門家、医師などは、データセットを精査及び編集して、信号干渉、信号アーチファクト、及び信号ノイズを除去し、心内データセットの各電気信号を承認することができる。次に、ノイズ除去オートエンコーダは、クリーンでかつ承認された心内データセットからモデル(例えば、
図3のモデル330)を構築する。
【0122】
ノイズ除去オートエンコーダは、入力心内信号を受信するが、その信号は、少なくとも遠視野アーチファクトを含む。入力心内信号は、1つ又は2つ以上の監視及び処理装置(例えば、20個の電極を有するペンタレイカテーテル、64個の電極を有するバスケットカテーテル、複数の身体表面リード線等)によって記録することができる。遠視野が3Dマップを生成及びナビゲートすることに関して問題を引き起こす(すなわち、心室遠視野は、心房活性化と干渉し得る)ことに留意せよ。
【0123】
ノイズ除去オートエンコーダは、モデルを使用して入力心内信号を符号化する。この符号化により、少なくとも遠視野アーチファクトを除去するモデルがその削減をどのように命令するかに従って、入力心内信号の次元数削減が提供される。符号化の結果は、潜在的な表現の生成である。この符号化により、入力心内信号の次元数削減が与えられる。
【0124】
ノイズ除去オートエンコーダは、潜在的な表現を復号化して、出力心内信号を生成し、そして出力心内信号をマッピングする。例えば、ノイズ除去オートエンコーダは、(その基礎的なアーキテクチャを利用して)f(X)=Y1かつg(X)=Y2となるように、マッピング関数(f,g)を見つけ出す。
【0125】
ECGは、マッピングされた出力心内信号から生成される。このECGは、ノイズ除去オートエンコーダを実行しているコンピューティングデバイスによって、又は別のデバイスによって、生成することができる。このECGは、信号干渉、信号ノイズ、及び信号アーチファクトが除去されるために改善されるが、次いで、医師に向けて表示することができる。改善されたECG及び心内ECGは、各心臓の場合に費やされる時間を劇的に削減する。
【0126】
本明細書に示されるように、心内電気記録図マッピング中に、マッピングカテーテルは、心房及び心室の活性化の両方を記録する。場合によっては、心室遠視野は、心房活性化に干渉する場合があるが(例えば、信号干渉)、Cartoマップの臨床上の理解及び解釈に影響を及ぼす可能性がある。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、ノイズ除去オートエンコーダの技術的効果及び利点は、心室遠視野と、心房ベースの活性化との間を分離すること、並びに心房及び心室の活性化のための別個のマップを生成すること(例えば、ノイズ除去オートエンコーダは、復号化中にモデルを使用して、その1つ又は2つ以上の出力心内信号内の心室遠視野と、心房ベースの活性化との間を分離する)を含む。
【0127】
図9に転じると、1つ又は2つ以上の実施形態に基づく信号900のグラフィカルな描写が示される。信号900によって示されるように、ECG信号は、P波910(心房脱分極に起因する)、QRS複合体920(心房再分極及び心室脱分極に起因する)及びT波930(心室再分極に起因する)を含む。ECG信号は、心臓の心房筋及び心室筋の収縮(脱分極)及び弛緩(再分極)によって生成される。ECG信号を記録するために、電極が、人体上の特定の位置に配置され得るか、又はカテーテルを介して人体内に配置され得る。アーチファクト(例えば、ノイズ)は、ECG信号などの電気信号と合併する望ましくない信号であり、場合によっては、心臓疾患の診断及び/又は治療への障害を作り出す。電気信号におけるアーチファクトは、基線変動、電力線干渉、EMGノイズ、電力線ノイズ等であり得る。すなわち、アーチファクトの例としては、電力ノイズ(例えば、回路と、50又は60Hz電力線との間の静電的結合及び電磁的結合)、Fluroノイズ(例えば、蛍光灯)、接触ノイズ(例えば、カテーテル電極間の衝突)、及び偏向ノイズ(例えば、カテーテル偏向中の静電気の放電)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
基線変動又は基線ドリフトは、信号のベース軸(x軸)が直線であることよりも、「変動」又は上下に移動するように見えるところで生じる。これにより、信号全体をその正常なベースからシフトさせることができる。ECG信号において、基線変動は、不適切な電極接触(例えば、電極皮膚インピーダンス)、患者の動き、及び周期的な動き(例えば、呼吸)に起因して引き起こされる。
【0129】
図10は、1つ又は2つ以上の実施形態に基づいて、プロット1000に示される信号1010のグラフィカルな描写を示す。これに関して、信号1010は、基線変動1020によって影響を受ける典型的なECG信号である。基線変動1020の周波数成分は、0.5Hzの範囲にある。運動又はストレス試験中に身体の動きが増えると、基線変動の周波数成分は増加する。複数の実施態様によれば、基線信号が低周波数信号であることを考慮すると、ECG信号1010内の基線変動1020を評価及び除去するために、0.5Hzのカットオフ周波数を用いて高域通過ゼロ位相前方後方フィルタリングを行う有限インパルス応答(FIR)が、使用され得る。
【0130】
電力線によって生じる電磁場は、ECGなどの電気信号において、並びに患者の身体から記録された任意の他の生体電気信号に共通のノイズ源を代表する。そのようなノイズは、例えば、50又は60Hz正弦波干渉によって特徴付けられ、場合によっては、多くの高調波が付随する。そのような狭帯域ノイズは、ECGの分析及び解釈をより困難に描画するが、その理由は、低振幅波形の表現の信頼性がなくなり、スプリアス波形がもたらされ得るからである。P波910及びT波930のような低周波数ECG波と重畳するときに、ECG信号から電力線干渉を除去することが必要であり得る。
【0131】
筋肉ノイズの存在がECG分野などの多くの電気信号分野で干渉し得、このため、低振幅波形が隠れて見えなくなる場合がある。筋肉ノイズは、基線変動1020及び50/60Hz干渉とは対照的に、狭帯域フィルタリングによっては除去されないが、筋肉活動のスペクトル成分がPQRST複合体920のスペクトル成分とかなり重なり合うため、異なるフィルタリング問題を提示する。ECG信号1010が繰り返し信号であるため、誘発電位の処理と同様の方法で筋肉ノイズを削減するための技術を使用することができる。
図11は、1つ又は2つ以上の実施形態に基づいて示される信号1110のグラフィカルな描写1100を示す。これに関して、信号1110は、EMGノイズ1120によって干渉されたECG信号である。ECG信号などの電気信号を測定するための計器は、線、又は電源、周波数に対応する電気的干渉を検出することが多い。ほとんどの国の線周波数は、名目上、50Hz又は60Hzに設定されるが、これらの公称値から数パーセントだけ変動し得る。
【0132】
電気信号1110から電気的干渉を除去するための様々な技術が、実装され得る。これらの技術のいくつかは、1つ又は2つ以上の低域通過フィルタ又はノッチフィルタを使用する。例えば、ECG信号内のノイズを可変フィルタリングするためのシステムが実装され得る。このシステムは、例えば、ほぼ50Hzにおいて3dB点を有する1つのフィルタ、及びほぼ5Hzにおいて3dB点を有する第2の低域通過フィルタを備える複数の低域通過フィルタを有することができる。
【0133】
別の例によれば、電気信号1110の線周波数成分を阻止するためのシステムが、2つの直列結合されたノッチフィルタに信号を通過させることによって実現することができる。ECG信号から線周波数成分を除去するための低域通過係数及び高域通過係数のどちらか一方又はその両方を有することができるノッチフィルタを備えるシステムが、実現され得る。このシステムはまた、バーストノイズの除去をサポートすることもでき、ノッチフィルタ出力からの心拍数を計算することもできる。
【0134】
別の例によれば、干渉を除去するためのいくつかのユニットを備えるシステムが、実現され得る。これらのユニットは、いくつかの心臓周期にわたって平均信号を発生させるための平均値ユニット、入力信号から平均信号を減算して残余信号を発生させるための減算ユニット、残余信号からフィルタリングされた信号を提供するためのフィルタユニット、及び/又はフィルタリングされた信号を平均信号に加算するための加算ユニットを含むことができる。
【0135】
別の例によれば、アナログデジタル(A/D)変換器が、その変換器のクロックを、線周波数に設定された位相ロックループと同期させることによって、ノイズ除去を提供することができる。
【0136】
更に、生体情報(例えば、生体電位)患者モニタは、表面電極を使用して、ECG又は脳電図(EEG)などの生体電位の測定を行うことができる。これらの測定値の忠実度は、電極の、患者との接続の有効性によって制限される。電極システムの、電流の流れに対する抵抗は、電気インピーダンスとして既知であり、接続の有効性を特徴付ける。典型的には、インピーダンスが高いほど、測定の忠実度は低くなる。いくつかの機構は、より低い忠実度に寄与し得る。
【0137】
高インピーダンスを有する電極からの信号は、熱ノイズ(又はいわゆるジョンソンノイズ)、インピーダンス値の平方根と共に増加する電圧から影響を受ける。更に、生体電位電極は、ジョンソンによって予測される電圧ノイズを上回る傾向がある。また、生体電位電極から測定を行う増幅器システムは、より高い電極インピーダンスにおいて、性能を低下させた場合がある。それらの悪化は、低品位の共通モード阻止によって特徴付けられるが、患者の動き、及び患者の上又はその周りで使用され得る電子機器などのノイズ源によって、生体電気信号の汚染を増加させる傾向がある。これらのノイズ源は、特に、手術室において蔓延しており、電気外科ユニット(ESU)、人工心肺ポンプ(CPB)、電気モータ駆動式外科用のこぎり、レーザ、及び他の供給源を含み得る。
【0138】
心臓手技中、多くの場合、患者を監視しながら、電極インピーダンスをリアルタイムで継続的に測定することが望ましい。これを実行するため、非常に小さい電流が、典型的には、電極に注入され、その結果得られた電圧が測定され、それによって、オームの法則を使用してインピーダンスを確立する。この電流は、DC又はAC電源を使用して注入され得る。多くの場合、干渉から生じる電圧アーチファクトから、電極インピーダンスに起因する電圧を分離することは不可能である。干渉は、測定された電圧を増加させる傾向があり、したがって、見かけの測定されたインピーダンスは、生体電子測定システムに、実際に提示されたものよりも高いインピーダンスを誤って検出させる。多くの場合、そのような監視システムは、最大インピーダンス閾値限界を有し、その限界は、プログラムされて、それらの監視システムがこれらの限界を上回るインピーダンスを検出したときに、監視システムの動作を防止することができる。これは、EEGなどの非常に小さい電圧の測定を行うシステムには、特に当てはまる。そのようなシステムは、非常に低い電極インピーダンスを必要とする。
【0139】
図12は、1つ又は2つ以上の実施形態に基づく方法1200のブロック図を示す。ある実施形態によれば、方法1200は、オートエンコーダによって実施されるが、オートエンコーダは、本明細書に記載されるような訓練アルゴリズムを含む。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、この訓練アルゴリズムは、深層学習訓練損失関数、より具体的には、オートエンコーダ臨床加重MSE損失関数と見なすことができる。更に、オートエンコーダは、1つ又は2つ以上のモードで実行することができる。例えば、第1のモードが、1つ又は2つ以上のフィルタを含む専用グラフィックユーザインターフェースを構築することを含むことができる。第1の方法では、専用GUIが、事前定義されたフィルタのセットに基づいて、手動でノイズ成分をフィルタ除去する能力を用いて構築される(生データ信号は、通常、ノイズと共に記録されることに留意せよ)。このように、オートエンコーダは、ノイズを含む元の信号、及びそのオートエンコーダを訓練するために使用される、ノイズ除去された信号などの少なくとも二組のセットの信号を経験する。第2のモードが、管理環境内のノイズを記録すること、及びノイズをクリーンな信号データ(例えば、以前の段階からのクリーンなバージョン)に追加することを含むことができる。ノイズは、電力線ノイズ、接触ノイズ、偏向ノイズ、Fluroノイズ、及び心室遠視野のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0140】
ソフトウェア及び/又はハードウェアの任意の組み合わせ(例えば、監視及び処理装置202と協働する、ローカルコンピューティングデバイス206及びリモートコンピューティングシステム208)は、別々に又は集合的に、オートエンコーダ及びその機能を格納、実行、及び実装することができる。
図13は、複数のグラフ1322、1324、1326、及び1328を示しており、それらのグラフは、1つ又は2つ以上の実施形態に基づく、オートエンコーダによる信号処理(例えば、オートエンコーダ臨床加重MSE損失関数のための段階)、及び/又は訓練アルゴリズムによる信号処理(例えば、オートエンコーダ臨床加重MSE損失関数のための段階)を示す。
図12〜
図13の説明は、容易に理解するために、集合的に行われる。
【0141】
オートエンコーダは、自動的に自己訓練して、それ自体の劣化バージョンからの入力を復元する。これに関して、オートエンコーダは、隠れ層(例えば、
図6の隠れ層)をその中に強制してより堅牢な特徴(すなわち、入力のより良好な更に高レベルの表現を構成する有用な特徴)を発見させ、入力が特定の独自性を学習する(すなわち、常に同じ値に戻る)ことを防止する。更に、オートエンコーダは、入力を符号化し(例えば、入力についての情報を保存するために)、オートエンコーダの入力に確率的に適用された破損プロセスの影響を逆転させる。
【0142】
一般に、深層学習では、逆伝播アルゴリズムは、教師あり学習のためのフィードフォワードニューラルネットワークを訓練する際に使用される。深層学習における形容詞「深い」は、
図6において、本明細書に記載されるようなネットワークで多重層を使用することに由来する。逆伝播アルゴリズムは、連鎖規則による各重みに関して、損失関数の勾配を計算することによって機能する。それらの重みは、損失関数を最小に抑制するように更新される。更に、確率的勾配降下などの勾配降下又は変形体を使用することができる。
【0143】
例えば、深層学習ニューラルネットワークは、一組の入力を、訓練データからの一組の出力にマッピングすることを学習する。学習の問題は、探索又は最適化問題として割り当てられ、アルゴリズムを使用して、所望の出力の合理的な予測を行うために使用され得る可能なモデルパラメータの空間をナビゲートする。典型的には、ニューラルネットワークモデルは、確率的勾配降下最適化アルゴリズムを使用して訓練され、誤差アルゴリズムの逆伝播を使用して、一組のモデルパラメータを学習する。勾配降下アルゴリズムは、モデルのパラメータを変化させようと努め、その結果、次の評価は、誤差を削減し、最適化アルゴリズムが、損失関数の勾配(又は傾斜)を減らすようにナビゲートすることを意味する。これに関して、損失関数は、
【0144】
【数6】
として記述されて、所望の出力yがモデル出力
【0145】
【数7】
にどの程度似ているかについての測定指標を提供することができる。損失関数の例としては、MeanSquaredErrorクラス、MeanAbsoluteErrorクラス、MeanAbsolutePercentageErrorクラス、MeanSquaredLogarithmicErrorクラス、CosineSimilarityクラス、mean_squared_error関数、mean_absolute_error関数、mean_absolute_percentage_error関数、mean_squared_logarithmic_error関数、and cosine_similarity関数が挙げられるが、これらに限定されない。時系列分析のための損失関数(臨床重み関数を含むように修正された)の例としては、MSE関数又は平均絶対誤差(MAE)関数が挙げられる。例えば、オートエンコーダ臨床加重MSE損失関数は、信号内の高周波ゾーンを検出又は定量化又は検出するための、電気信号の多段データ操作であり、次いで、オートエンコーダ臨床加重MSE損失関数を使用して、心房活動の周りの信号復元を強化する。
【0146】
本明細書に示されるように、重要な特徴/表現(例えば、IC−ECG又は身体表面心内心電
図BS−ECGの分類又は自動符号化)を抽出又は学習しようと努めるとき、臨床上の重要なゾーン又は事象を強調することは重要である。MSE関数、MAE関数、及び/又は他の回帰損失関数が臨床上の重要なゾーン又は事象を強調し損なうとき、訓練アルゴリズムは、心内心電図及び身体表面心電図を用いて使用するための、臨床上の重要なゾーン又は事象を強調する改善された方法を提供する。例えば、オートエンコーダ臨床加重MSE損失関数の技術的効果及び利点には、IC−ECGノイズ除去オートエンコーダの訓練全体を10倍に削減すること、及びIC−ECGノイズ除去オートエンコーダの信号の復元/ノイズ除去の精度及び確実性を増加させることが含まれる。
【0147】
方法1200は、ブロック1215から開始し、そこでは、訓練アルゴリズムは、信号を受信する(
図13のグラフ1322のECG信号1342を参照)。この信号は、心臓の活動を記述する、心臓からの電気信号であり得る。その信号は、医療デバイス機器内に格納されるか、又は訓練アルゴリズムが実行するところの医療デバイス機器に提供され得る。身体表面ECGの場合、信号(例えば、生信号データ)の信号ノイズには、基線変動、電力線干渉、動きアーチファクト、筋肉アーチファクト、付加白色ガウスノイズ等が含まれ得るが、これらに限定されない。IcECGの場合、信号(例えば、生信号データ)の信号ノイズには、電力線ノイズ、偏向ノイズ、接触ノイズ、心室遠視野ノイズ、Fluroノイズ、付加白色ガウスノイズ等が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0148】
ブロック1220において、訓練アルゴリズムは、第1のフィルタをある信号に適用して信号内の活動を強調し、第1の修正された信号を生成する。第1のフィルタは、高域通過フィルタ(例えば、医療デバイス機器内のハードウェア及び/又はソフトウェアを通じて実装される)であり得、その高域通過フィルタは、所定のカットオフ周波数よりも高い周波数を有するECG信号1342の部分を通過させ、所定のカットオフ周波数よりも低い周波数を有するECG信号1342の部分を減衰させる。訓練アルゴリズムによって強調された活動は、心房若しくは心室の活動、又は(心房/心室)活動を有するECG信号1342に沿ったゾーンを含む。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、所定のカットオフ周波数は、40Hzに設定され得る(例えば、第1の修正された信号として、
図13のグラフ1324の高域通過40Hz信号1344を参照)。
【0149】
ブロック1230において、訓練アルゴリズムは、整流器を第1の修正された信号に適用して、第2の修正された信号を生成する。この整流器(例えば、医療デバイス機器内のハードウェア及び/又はソフトウェアを通じて実装される)は、第1の修正された信号の交番電流を、電流がそれを通って一方向のみに流れるのを可能にすることによって、直接一方に変換する。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、第2の修正された信号は、
図13のグラフ1326の整流された信号1346として示される。
【0150】
ブロック1235において、訓練アルゴリズムは、第2のフィルタを第2の修正された信号に適用して、第3の修正された信号を生成する。第2のフィルタは、低域通過フィルタ(例えば、医療デバイス機器内のハードウェア及び/又はソフトウェアを通じて実装される)であり得、その低域通過フィルタは、所定のカットオフ周波数よりも低い周波数を用いて、整流された信号1346の部分を通過させ、所定のカットオフ周波数よりも高い周波数を用いて、整流された信号1346の部分を減衰させる。訓練アルゴリズムの第2のフィルタ(first)は、臨床上の重要な領域を平滑化する(例えば、第3の修正された信号として、
図13のグラフ1328の正規化された低域通過信号1348を参照)。臨床上の重要性は、心臓疾患の起点位置を含むことができる。
【0151】
ブロック1240において、訓練アルゴリズムは、エネルギー閾値を使用して第3の修正された信号の高周波エネルギーゾーンを自動的に検出して、第4の修正された信号を生成する(例えば、
図13のグラフ1328の信号1350を参照)。言い替えると、高エネルギーを有するゾーンは、エネルギーの閾値を使用して臨床上から検出され、その結果、エネルギーが特定の値を上回ったとき、心房活動が存在する。エネルギーの閾値、エネルギー閾値、及び/又は特定の値は、訓練アルゴリズムの所定のデータ設定値であり得る。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、エネルギー閾値は、10%に設定され得る。
【0152】
ブロック1250において、訓練アルゴリズムは、ある比に由来する加重ベクトルを適用する。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、その比は、1:P(P>1)であり、その結果、「心房又は心室」活動を伴うゾーン内の重みは、BS−ECG又はIC ECGの「静かな」ゾーンよりもP倍高い。例えば、1:P=1:3の場合、1は高エネルギーであり、3は低エネルギーであり、心房活動の周りの徴候の誤差は、心房ゾーンよりも3倍高いであろう。学習のために加重MSEを使用する際、重みは、信号それ自体に基づく。
【0153】
ブロック1260において、方法1200は、クリーンな信号を訓練データセットに追加することを含む。訓練アルゴリズムは、少なくともクリーンな信号を含む訓練データセットを構築する。この訓練データセットは、クリーンな信号の有効なアクセス、修正、及び使用を可能にする任意のデータ構造(例えば、データ編成、管理、及び格納フォーマット)中に構築され得る。このデータ構造は、本明細書に記載されるように、医療デバイス機器のメモリ内に格納することができる。1つ又は2つ以上の実施形態によれば、訓練データセットは、最適なフィルタを有するクリーンなデータバージョンを含むことができる。訓練アルゴリズムは、信号ノイズの一部を別個に記録することができ、信号ノイズを訓練データセットにランダムに追加して戻すことができる。
【0154】
ブロック1270において、方法1200は、訓練データセットを使用してオートエンコーダを訓練することを含む。訓練アルゴリズムは、訓練データセットを使用して心内信号内の心臓疾患をどのようにして見つけるかをオートエンコーダに直接教示する。ブロック1280において、方法1200は、本明細書に記載されるように、心内データセットを使用して、訓練されたオートエンコーダによって出力された1つ又は2つ以上の出力心内信号から心電図を生成することを含む。
【0155】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、オートエンコーダは、固有のコスト関数(臨床上の意味を有する)を含み、「人工」信号を乗り越えることができる。緻密層に接続されたLSTM層のスタックを使用して、ノイズのタイプ、及び心内信号の品質を検出する。次に、オートエンコーダは、心内信号の品質が特定の閾値を上回った場合、心内信号を「ノイズ除去」する。オートエンコーダは、全てのノイズタイプをノイズ除去することができる。多重電極アプローチ(例えば、診断カテーテル及び治療カテーテルの異なるタイプを用いて)、本明細書の実施形態は、ニューラルネットワークを使用して、微小電極の信号を「ノイズ除去」することができる。ニューラルネットワークは、本明細書に記載されるように、深層学習オートエンコーダに基づくことができる。
【0156】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、オートエンコーダは、2つの部品、すなわち、エンコーダ及びデコーダを含む。このエンコーダは、非線形変換を介して、入力(例えば、IcECG信号)を隠れ表現(u)にマッピングする。このデコーダは、式4及び式5に示すように、別の非線形変換を介して、隠れ表現を復元されたデータに逆マッピングする。
u=f(noisy IcECG,encoder) 式4
clean IcECG=g(u,decoder) 式5
【0157】
1つ又は2つ以上の実施形態によれば、ノイズ除去されたオートエンコーダは、心房活動を強調する損失関数に基づいて、訓練することができる。この損失関数は、最終層がクリーンな信号データを復元するところのニューラルネットを利用する。損失関数は、式6の従う加重平均二乗誤差損失関数L(θ)であり得、ここで、θは、訓練手順中に評価されるモデルパラメータを表し、
【0158】
【数8】
は、評価されるIcECGの第n番目のサンプルであり、y
nは、IcECG信号の第n番目のサンプルであり、w
nは、重みである。自動化されたプロセスが、式6中の重みを定義することができる。
【0160】
隠れ表現(u)は、ノイズのあるIcECG信号を使用して、教示される。ニューラルネットワークを教示する際、クリーンなIcECG信号が、最初、実際のIcECG信号から、電力線干渉、呼吸に起因する基線変動、及び典型的に筋肉収縮に起因する高周波ノイズをフィルタリング除去することによって、生成される。ノイズのあるIcECG信号は、ランダム化された様式で、これらのタイプのノイズをクリーンな信号に追加することによって、生成することができる。場合によっては、白色ガウスノイズが、追加され得る。
図14は、1つ又は2つ以上の実施形態に基づく複数のグラフ1410及び1440を示す。グラフ1410は、入力についての信号対ノイズ(SNR)比を示し、これに対して、グラフ1440は、出力についてのSNR比を示す。SNR入力がグラフ1410の点1410
1おいて低い場合、その結果SNR出力は、グラフ1440の点1440
1において低い。SNR出力が低いにもかかわらず、オートエンコーダが信号をクリーンにし、改善を提供しているため、信号には依然として改善が存在する。この改善は、点1410
1と比較するとき、点1440
1のより小さいSNR内に示される。SNR入力が、グラフ1410の点1410
6において、(点1410
1と比較して)より高い場合、SNR出力は、グラフ1440の点1440
6において、(点1440
1と比較して)より高い。SNR出力がより高いにもかかわらず、オートエンコーダが信号をクリーンにし、改善を提供しているため、信号には依然として改善が存在する。この改善は、点1410
6と比較するとき、点1440
6のより小さいSNR内に示される。SNR改善(imp)は、SNR出力からSNR入力を減算したものである。
【0161】
技術的効果及び利点は、臨床上の平均化を有するコスト関数を備えるオートエンコーダをノイズ除去することと、IcECGノイズの異なるタイプを検出することと、望ましいノイズ除去された信号の品質を評価して低品質のノイズ信号として印を付けることと、を含む。
【0162】
図中のフロー図及びブロック図は、本発明の様々な実施形態に基づくシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施態様のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。これに関して、フロー図又はブロック図中の各ブロックは、モジュール、セグメント、又は命令の部分を表し得、その命令の部分には、特定の論理機能(複数可)を実現するための1つ又は2つ以上の実行可能命令を含む。いくつかの代替的実施態様では、ブロック内に記述された機能は、図に記述された順序以外でも引き起こることができる。例えば、連続して示す2つのブロックは、実際に、実質的に同時に実行されてもよく、あるいはそれらのブロックは、時には、関連する機能性に応じて、逆の順序で実行されてもよい。ブロック図及び/又はフロー図解説の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフロー図解説内のブロックの組み合わせは、特定の機能若しくは動作を実行し、又は専用ハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせを実行する、専用ハードウェアベースシステムによって実施することができることにも留意されたい。
【0163】
特徴及び要素が特定の組み合わせで上に記載されるが、当業者であれば、特徴又は要素の各々を単独で又は他の特徴及び要素と組み合わせて使用することができることを理解するであろう。加えて、本明細書に記載される方法は、コンピュータ又はプロセッサで実行するために、コンピュータ可読媒体に組み込まれるコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにおいて実装され得る。本明細書で使用されるとき、コンピュータ可読媒体は、電波若しくは他の自由伝播電磁波、導波路若しくは他の伝送媒体(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通って伝送される電気信号などの、それ自体一時的な信号であるものと解釈されるべきではない。
【0164】
コンピュータ可読媒体の例としては、電気信号(有線又は無線接続を介して伝送される)及びコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及び取り外し可能ディスクなどの磁気媒体、光磁気媒体、コンパクトディスク(CD)及びデジタルビデオディスク(DVD)などの光媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、及びメモリスティックなどが挙げられるが、これらに限定されない。ソフトウェアに関連するプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、又は任意のホストコンピュータで使用するための無線周波数送受信機を実装することができる。
【0165】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためであり、限定することを意図しない。本明細書で使用するとき、文脈上特に明記されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の形態をも含むものとする。本明細書で使用されるとき、「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」という用語は、記述された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定しており、1つ又は2つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素部品、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外するものではないことを更に理解されたい。
【0166】
本明細書の様々な実施形態の説明は、例示を目的として提示されており、開示された実施形態に対して網羅的又は限定されるものと意図されるべきではない。多くの修正及び変形が、記載された実施形態の範囲及び趣旨から逸脱することなく可能であることは、当業者には明らかであろう。本明細書で使用される専門用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術にわたる実際のアプリケーション若しくは技術的改善を最もよく説明するために、又は当業者が本明細書に開示された実施形態を理解することができるように、選択された。
【0167】
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
信号ノイズを含む生信号データを受信することと、
ノイズ除去されたオートエンコーダによって、ノイズ除去オートエンコーダ動作を実行することにより、潜在的な表現を生成するように、前記生信号データを符号化することと、
前記ノイズ除去されたオートエンコーダによって、前記信号ノイズなしで復元されたクリーンな信号データを生成するように、前記潜在的な表現を復号化することと、を含む、方法。
(2) 前記生信号データが、電力線ノイズ、接触ノイズ、偏向ノイズ、Fluroノイズ(Fluro noise)、及び心室遠視野のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記ノイズ除去されたオートエンコーダが、1つ又は2つ以上のフィルタを含む専用グラフィックユーザインターフェースを構築するためのモードで実行する、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記ノイズ除去されたオートエンコーダが、管理環境内でノイズを記録し、かつ前記ノイズを前記クリーンな信号データに追加するためのモードで実行する、実施態様1に記載の方法。
(5) 前記生信号データが、心内心電図のN個のチャネル、心内心電図及び身体表面心電図、又は各電極の位置及び解剖学的組織情報を有する心内心電図からの心臓の電気信号、を含む、実施態様1に記載の方法。
【0168】
(6) 前記ノイズ除去されたオートエンコーダが、心房活動を強調する損失関数に基づいて訓練される、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記損失関数が、最終層がクリーンな信号データを復元するニューラルネットワークを利用する、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記損失関数が、加重平均二乗誤差損失関数を含む、実施態様6に記載の方法。
(9) 監視及び処理装置の患者生体センサが、前記生信号データを記録する、実施態様1に記載の方法。
(10) 前記ノイズ除去オートエンコーダ動作が、前記生信号データの次元数を削減するように、かつ重要な情報を保持するように、前記生信号データを、深層ニューラルネットワークを介して通過させることを含む、実施態様1に記載の方法。
【0169】
(11) 前記潜在的な表現が、前記生信号データからの削減された次元数、及び重要な情報を含む、実施態様1に記載の方法。
(12) 前記クリーンな信号データが、前記信号ノイズを最小限に抑える、復元された入力心内信号を含む、実施態様1に記載の方法。
(13) 前記ノイズ除去されたオートエンコーダが、前記ノイズ除去オートエンコーダ動作中に、後続の生心内信号をノイズ除去するように、前記クリーンな信号データを学習する、実施態様1に記載の方法。
(14) 前記ノイズ除去されたオートエンコーダが、前記後続の生心内信号のノイズタイプ及び品質を検出する、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記ノイズ除去されたオートエンコーダは、前記品質が閾値を上回るかどうかに基づいて、前記後続の生心内信号に対して前記ノイズ除去オートエンコーダ動作を実行する、実施態様14に記載の方法。
【0170】
(16) 前記方法が、前記クリーンな信号データから心電図を生成することを更に含み、前記心電図が、前記信号ノイズを実質的に含まない、実施態様1に記載の方法。
(17) システムであって、
ノイズ除去されたオートエンコーダのためのプロセッサ実行可能コードを格納するメモリと、
前記メモリに結合された1つ又は2つ以上のプロセッサであって、前記1つ又は2つ以上のプロセッサが、前記プロセッサ実行可能コードを実行するように構成され、前記プロセッサ実行可能コードが、
信号ノイズを含む生信号データを受信することと、
前記ノイズ除去されたオートエンコーダによって、ノイズ除去オートエンコーダ動作を実行することにより、潜在的な表現を生成するように、前記生信号データを符号化することと、
前記ノイズ除去されたオートエンコーダによって、前記信号ノイズなしで復元されたクリーンな信号データを生成するように、前記潜在的な表現を復号化することと、を行わせる、システム。
(18) 方法であって、
メモリに結合されたプロセッサにより実行される訓練アルゴリズムによって、第1のフィルタを、信号内の活動を強調するように、かつ第1の修正された信号を生成するように、前記信号に適用することと、
前記訓練アルゴリズムによって、整流器及び第2のフィルタを、臨床上の重要性を有する前記第1の修正された信号の領域を平滑化するように、かつ第2の修正された信号を生成するように、前記第1の修正された信号に適用することと、
前記訓練アルゴリズムによって、重みベクトルを生成するように、エネルギー閾値を使用して、前記第2の修正された信号の1つ又は2つ以上の高周波エネルギーゾーンを自動的に検出することと、を含む、方法。
(19) 前記活動が、心房活動又は心室活動を含む、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記第1のフィルタが、高域通過フィルタを含み、前記第2のフィルタが、低域通過フィルタを含む、実施態様18に記載の方法。
【0171】
(21) 前記高域通過フィルタが、40Hzに設定されている、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記臨床上の重要性が、心臓疾患の起点位置を含み、前記1つ又は2つ以上の高周波エネルギーゾーンが、心房活動を示す少なくとも特定の値を含む、実施態様18に記載の方法。
(23) 前記エネルギー閾値が、10%である、実施態様18に記載の方法。
(24) 前記方法が、比に由来する加重ベクトルを適用することを含む、実施態様18に記載の方法。
(25) 前記比が、1:Pを含み、ここで、1は、高エネルギーであり、Pは、低エネルギーである、実施態様24に記載の方法。
【0172】
(26) 前記方法が、少なくとも前記重みベクトルを含む訓練データセットを構築することを更に含む、実施態様18に記載の方法。
(27) 前記方法が、
前記訓練アルゴリズムによって、前記訓練データセットを使用してオートエンコーダを訓練することと、
出力された1つ又は2つ以上の出力心内信号から心電図を生成することと、を更に含む、実施態様26に記載の方法。
(28) システムであって、
訓練アルゴリズムのプロセッサ実行可能命令を格納するメモリと、
前記訓練アルゴリズムの前記プロセッサ実行可能命令を実行するように構成されたプロセッサであって、前記プロセッサ実行可能命令が、前記システムに、
第1のフィルタを、信号内の活動を強調するように、かつ第1の修正された信号を生成するように、前記信号に適用することと、
整流器及び第2のフィルタを、臨床上の重要性を有する前記第1の修正された信号の領域を平滑化するように、かつ第2の修正された信号を生成するように、前記第1の修正された信号に適用することと、
重みベクトルを生成するように、エネルギー閾値を使用して、前記第2の修正された信号の1つ又は2つ以上の高周波エネルギーゾーンを自動的に検出することと、を行わせる、プロセッサと、を含む、システム。
(29) 前記プロセッサが、前記システムに、少なくとも前記重みベクトルを含む訓練データセットを構築させるように、前記訓練アルゴリズムの前記プロセッサ実行可能命令を実行するように更に構成されている、実施態様28に記載のシステム。
(30) 前記プロセッサが、前記訓練アルゴリズムの前記プロセッサ実行可能命令を実行するように更に構成され、前記プロセッサ実行可能命令が、前記システムに、
前記訓練データセットを使用してオートエンコーダを訓練することと、
出力された1つ又は2つ以上の出力心内信号から心電図を生成することと、を行わせる、実施態様29に記載のシステム。