【解決手段】予め設定されたエリア10に液体を散布する飛翔体1であって、本体と、その本体に設けられ、且つ、前記液体を散布する散布機構と、その散布機構の動作を制御する制御手段4と、前記エリア内の散布等が終了してから、前記散布機構の内部に残っている/外部に付着している前記液体の余剰液を前記エリアに落とすために予め設定された余剰時間10bに達するのに基づいて、前記エリアの外への飛行を実行するエリア外飛行手段7とを備えている、飛翔体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、液体を散布する飛翔体の飛行制御において、制御部は、予め設定したエリア内に液体を散布するように飛翔体を制御する。しかしながら、散布/噴射に用いられるチューブ等に液体が残っていたり、散布/噴射装置の周辺に液体が付着したままだと、予定していないエリアにこれらの液体(余剰液)を落とす恐れがある。
【0007】
例えば、近年のスマート農業と呼ばれる農業手法では、必要な場所に、必要な量の農薬をほぼピンポイントで散布する試みが行われている。このような散布をする場合、飛翔体は、散布が不要なエリアを跨いで散布が必要なエリア間を繰り返し飛行する。このため、散布が不要なエリアに液体を落とす恐れが高まる。
【0008】
そこで本発明は、液体が垂れる可能性の高い時間帯に、予定されたエリア内に飛翔体を留める液体散布用の飛翔体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の液体散布用の飛翔体は、予め設定されたエリアに液体を散布する飛翔体であって、本体と、その本体に設けられ、且つ、前記液体を散布する散布機構と、その散布機構の動作を制御する制御手段と、前記エリア内の散布等が終了してから、前記散布機構の内部に残っている/外部に付着している前記液体の余剰液を前記エリアに落とすために予め設定された余剰時間に達するのに基づいて、前記エリアの外への飛行を実行するエリア外飛行手段とを備えていることを特徴としている。
【0010】
(2)このような液体散布用の飛翔体は、前記散布機構が、回転運動により半径方向の外向きに前記液体を散布する回転ディスクを備えており、前記制御手段は、前記回転ディスクを前記余剰時間中、作動させるものが好ましい。
【0011】
(3)また、前記散布機構が、前記回転ディスクに前記液体を供給するポンプを備えており、前記制御手段は、前記エリア内の散布等の終了により前記ポンプを停止させるものが好ましい。
【0012】
(4)また、前記本体の位置情報を取得する位置取得手段と、その位置情報および前記エリアに関する位置情報を含むエリア情報に基づいて、前記本体が前記エリア内にあることを確認する確認手段とをさらに備えており、前記エリア外飛行手段が、前記確認手段により前記本体が前記エリア内にあることの確認にさらに基づいて、前記エリアの外への飛行を実行するものが好ましい。
【0013】
・「位置情報」とは、例えば所定の空間内における飛翔体の位置を与える高度、緯度及び経度の値・測定値およびそれらに換算できる量を含む概念である。
・「エリア情報」とは、例えば所定の空間エリアまたは平面エリアを示すGPS等による位置情報およびそれに換算できる量を含む概念である。一例として、エリア情報とは、対象となるエリアの周縁の位置情報を所定の間隔で取得(またはプロット)し、それらの取得した位置情報を結んだものとして表されている。
・「制御手段」とは、実施形態ではS4、S5が対応する。
・「位置取得手段」とは、実施形態ではS2が対応する。
・「確認手段」とは、実施形態ではS3が対応する。
・「エリア外飛行手段」とは、実施形態ではS6が対応する。
【0014】
(5)本発明の液体散布用の飛翔体の第二の態様は、予め設定されたエリアに液体を散布する飛翔体であって、本体と、その本体に設けられ、且つ、前記液体を送るポンプおよびそのポンプにより送られる前記液体を回転運動により半径方向の外向きに散布する回転ディスクからなる散布機構と、前記ポンプおよび前記散布機構を制御する制御手段とを備えており、前記制御手段は、前記エリア内で前記液体の散布を停止する際、前記ポンプの駆動を停止してから予め設定した余剰時間経過後に、前記回転ディスクの回転を停止するものが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の液体散布用の飛翔体は、予定しないエリアに液体を垂らすことを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[1.概略説明]
<第1実施形態>
(概略)
まず農業を例に挙げて、本発明の概略を説明する。例えば、防虫剤や農薬などは、予定されたエリア外に拡散するのは望ましくない。農薬等を散布する飛翔体の飛行制御において、基本的には、飛行制御を行う制御部は、設定したエリア内に農薬等を散布するように飛翔体を制御している。しかしながら、散布に用いられるチューブ18(
図5参照)等に農薬等が残っていたり、散布機構3(
図2参照)の周辺に希釈倍率の低い(高濃度の)農薬等が付着したりすると、予定していないエリア10a(
図1参照)に農薬等11a(余剰液)を落とす恐れがある。
【0018】
ここから、
図1の模式図を用いて本発明の液体散布用の飛翔体(以下、単に飛翔体という。)を説明する。
本実施形態では、例えば、飛翔体1は、予め設定された散布プログラム38(
図6参照)により、予め登録されエリアとしての水田(二点鎖線で示している)10に農薬(液体)11を散布する。散布のための飛行経路を点線(符号21参照)で示している。本実施形態では、散布は散布プログラム38に基づいて自動的に行われる。
散布が終了すると、次の散布エリア10に散布を行うため、例えば、あぜ道など(エリア外10a)を横切る必要がある。(横切る経路を矢印20で指している。)飛翔体1はエリア外10aに出る前にエリア10内に留まり、農薬の余剰液11aをエリア10で落とす。その後に、エリア外10aへ出る。
ここで符号8は飛翔体10の操縦者を示す。操縦者8はコントローラ9により飛翔体1に飛行制御のための指示を与えることができる。本実施形態では、操縦者8は、例えば、緊急時などに飛翔体1に対し、移動・ホバリング・着陸等の指示を与えることができる。
【0019】
次いで、
図2の機能ブロック図を用いて飛翔体1を説明する。図に示すように、具体的には、飛翔体1は、予定しているエリア10に関連する成分を有する液体(農薬等)11を散布する。その散布の終了後において、飛翔体1は、農薬等の余剰液11a(
図1参照)が機体から垂れる可能性の高い時間帯(余剰時間10b)を予定されたエリア10内でホバリング等して待機し、エリア10内で余剰液11aを落としてから、エリア外10aに出る。
【0020】
(エリア10)
エリア10としては、例えば、水田、畑、果樹園、花園、公園またはホール、ドーム球場などの施設において散布を予定している領域が相当する。本実施系形態におけるエリア10は水田である。
なお、1つの水田内にエリア10(
図1下方の二点鎖線参照)を複数設定し、それらのエリア10の外側をエリア外10aとしてもよい。
【0021】
(エリア外10a)
エリア外10aは、散布を予定していない領域が相当する。実質的にはエリア10の外側のエリアに相当する。本実施形態では、道路、あぜ道、さらには散布を予定していない他の水田・畑などが相当する。さらに例えば、ホール、ドーム球場などの施設において、観客席に消毒液を散布する場合は、観客席以外のエリアが散布を予定していないエリア外10aに相当する。
【0022】
(液体11)
液体11はエリア10に散布するものである。エリア10が、畑・水田である場合は、例えば、農薬、防虫剤、肥料などが挙げられる。またエリア10が、ホール・ドーム球場などの室内設備である場合は、例えば、消毒液、洗剤、ワックスなどが挙げられる。さらに、エリア10が、屋根や大きな構造物などである場合は、錆止め、塗料、ワックスなどが挙げられる。なお、液体11として従来公知のものを用いることができる。
【0023】
(余剰液11a)
余剰液11a(
図1参照)とは、散布を終了しているにもかかわらず、飛翔体1から垂れて地面に落下する液体、または、垂れて落下する可能性のある液体である。落下する可能性とは、散布機構3内に残留しており、何らかの原因で垂れずに留まっている余剰液11aのことである。このような余剰液11aは、不意に落下する可能性が高いので、エリア10内で落下させるのが好ましい。
【0024】
(余剰時間10b)
余剰時間10bは、少なくとも余剰液11aのほぼ全てが本体2から垂れて地面に落ちるまでの時間である。なお余剰時間10bとして、少なくとも余剰液11aが本体2から離れるまでの時間としてもよい。本実施形態では、回転ディスク17b(
図5参照)の回転により余剰液11aを本体2から落とす(離れる)のに必要な時間としている。
その他、余剰液11aを落とすための機構や、余剰液11aを振り落とすような本体2の飛行運動がある場合は、余剰時間11aとは、それらの作動・運動を加味した上での時間である。一方で、そのような作動・運動を伴っていない場合は、余剰液11aが自然に落下するのを待っている時間に相当する。例えば、エリア10内でホバリングして余剰液11の自然落下を待つ時間が相当する。
余剰時間11aは、例えば、本実施形態では1〜5秒であるが、この範囲に限定されるものでなはない。余剰時間11aは、現場で適切であるかどうかを確認した上で設定するのが好ましい。なお、余剰時間10bとして、垂れて地面に落ちるまでの時間/本体2から離れるまでの時間に、余裕を持たせた時間を加えてもよい。
【0025】
[2.各構成]
(飛翔体1)
飛翔体1は、主要な構成として、本体2(
図3参照)と、その本体に設けられ、且つ、液体11を散布する散布機構3(
図3参照)と、その散布機構の動作を制御する制御手段4と、エリア外10aへの飛行を実行するエリア外飛行手段7とを備えている。
そして飛翔体1は、本体2の位置情報5aを取得する位置取得手段5と、その位置情報5aおよびエリア10に関する情報を含むエリア情報6aに基づいて、本体2がエリア10内にあることを確認する確認手段6とをさらに備えている。
なお、エリア情報6aは本体2に設けた記憶部31(
図6参照)に予め登録されている。例えば、エリア情報6a及び散布プログラム38に含まれる飛行パターンは、コントローラ9から無線送信で登録することができる。図示していないが、コントローラ9は、コンピュータと接続することが可能である。操縦者8は、事前にコンピュータを用いて、エリア情報6a及び散布プログラム38に含まれる飛行パターンを作成し、コントローラ9とコンピュータを接続して、作成した、エリア情報6a及び散布プログラム38のための飛行パターンを本体2に登録することができる。
【0026】
(本体2)
次いで、
図3および
図4を用いて本体2を説明する。図に示している本体2は、本実施形態では、ドローンと呼ばれる機体を用いている。例えば、本体2は、フレーム12と、そのフレーム12に搭載されるバッテリ13と、そのバッテリ13により駆動する駆動部14と、液体11を貯留するタンク15とからなる。なお、本体2はヘリコプターなどを含む有人の機体であってもよい。
【0027】
(フレーム12)
フレーム12は、例えば、アルミなどの金属からなる管状の部材に加え、合成樹脂製のベースとなる部材を組み合わせた従来公知のものである。フレーム12は矩形状の中央部12aと、その中央部12aの四隅から外向きに延びる4本の脚部12bとからなる。なお、従来公知のフレーム12を用いてもよい。
【0028】
(バッテリ13)
フレーム12の中央部12aの後部(
図3の下方)には、バッテリ13が搭載されている。本実施形態では、例えば、バッテリ13は充電式である。バッテリ13は常時使用するメインバッテリと、非常時に切り替わるサブバッテリとからなる。なお、従来公知のバッテリを用いてもよい。
【0029】
(駆動部14)
駆動部14は、フレーム12の脚部12bの先端にそれぞれ設けられている。バッテリ13の電気によりモータを駆動させ、プロペラを回転させる従来公知のものである。なお、従来公知の駆動部14を用いてもよい。
【0030】
(タンク15)
タンク15は従来公知のものである。本実施形態では5Lの容積である。なお、大容量のものとして、例えば、15Lのものでもよい。タンク15の容量については、特に制限はない。エリア10の散布面積が大きい、または面積当たりの散布量が多い場合、タンク15へ液体11を補充するために、飛翔体1をエリア外10aの補充場所へ飛行させる頻度が高くなる。エリア外10aでの補充の頻度が高くなると、エリア外10aに、余剰液11aがたくさん落下する可能性がある。このため、とりわけエリア10の散布面積が大きい、または面積当たりの散布量が多い場合、飛翔体1はエリア外10aに液体11を垂らすのを防止するのに一層効果的である。
【0031】
(散布機構3)
次いで、
図5を用いて散布機構3を説明する。図に示している散布機構3は、例えば、タンク15から液体11を送るポンプ16と、そのポンプ16から供給される液体11を散布/噴霧するアトマイザ17とを備えている。さらにアトマイザ17とポンプ16の間には、液体11の流路を開閉する弁19が設けられている。それらのタンク15、ポンプ16、アトマイザ17および弁19は、チューブ18を介して連結されている。なお散布機構3として、他の従来公知の機構を用いてもよい。
【0032】
(ポンプ16、チューブ18、弁19)
ポンプ16は、例えば、液相用のポンプであり、従来公知のものである。チューブ18は、例えば、金属製または合成樹脂製のものであり、従来公知のものが採用されている。
弁19は、例えば、従来公知の電磁弁である。本実施形態において、その電磁弁19は、常時閉方向に付勢されており、通電で開くものが採用されている。
【0033】
(アトマイザ17)
アトマイザ17は、例えば、回転駆動部17aと、その回転駆動部17aにより回転する回転ディスク17bとからなる。
回転駆動部17aは、従来公知のモータであり、バッテリ13の電力により駆動する。回転ディスク17bには中心から半径方向の外側に向けて延びる孔(図示せず)が形成されている。液体11は回転ディスク17aの中心付近から孔に通される。このため、回転ディスク17aの回転運動による遠心力により、半径方向の外向き液体11が散布される。
【0034】
(制御手段4)
図2に戻って、制御手段4は散布機構3の動作を制御する。本実施形態では、例えば、ポンプ16、アトマイザ17および弁19の動作を制御している。具体的には、ポンプ16およびアトマイザ17の回転ディスク17aの運転・停止、ポンプの送水速度、回転ディスク17aの回転速度、弁19の開閉動作を制御している。
さらに制御手段4は、ポンプの送水速度、回転ディスク17aの回転速度を制御することにより、散布される液体11の水滴の径、散布範囲などを制御している。これにより制御手段4は、散布エリア面積当たりの散布量を制御する。
【0035】
(位置取得手段5)
本実施形態では、飛翔体1は、例えばGPS等のセンサを搭載している。位置取得手段5は、飛翔体1の位置を特定するための位置情報5aを取得時刻と共に、所定の間隔で取得する。なお、取得間隔が一定であるなら、取得時刻を取得しなくてもよい。位置取得手段5は、例えば、空間内において、飛翔体1の位置または空間位置を測定するものであればよい。例えば、本実施形態では、GPS衛星のほかにGLONASS衛星、beidou衛星などからの信号も受信している。そして例えば、複数の衛星電波の到達時間差分で位置情報を算出している。なお、GPS等のセンサとして、他の従来公知のセンサを用いてもよい。
【0036】
(確認手段6)
確認手段6は、位置情報5aおよびエリア10の範囲を示すエリア情報6aに基づいて、本体2がエリア10内にあることを確認する。エリア情報6aは、本実施形態においては、記憶部31に登録されている。
【0037】
(エリア外飛行手段7)
エリア外飛行手段7は、確認手段6により本体2がエリア10内にあることが確認され、且つ、散布の終了後、予め設定された余剰時間10bだけ本体1がエリア10内に位置するのに基づいて、エリア外10aへの飛行を実行する。例えば飛行を制御するプログラムに対して、エリア外10aに移動することを許可する。前記飛行を制御するプログラムは、前記許可に基づいてエリア外10aへの移動について飛翔体1を制御する。
【0038】
本実施形態にける余剰時間10bは、ポンプ16が停止してから、回転ディスク17aの回転が停止するまでの時間にしている。なお、回転ディスク17aの回転が、余剰液11aを落とすのに必要とされる余剰時間10bを超えても良い。
【0039】
[3.ハードウェア構成]
次に、
図6を用いて本体2のハードウェア構成を説明する。
【0040】
(ハードウェア構成)
図6に示すように、本実施形態の本体2にはコンピュータが用いられている。そのコンピュータはCPU30を備えており、そのCPU30には、不揮発性メモリ31、揮発性メモリ32、USBやSDカードなど書き換え可能なデバイス33を読み込むドライブ34および外部とネットワークを介して通信するための通信回路35がバスライン36を介して接続されている。不揮発性メモリ31、揮発性メモリ32は記録部(以下、記憶部31等という。)である。
さらに本実施形態では、不揮発性メモリ31には、散布後の余剰液11a(
図1参照)を落とすための余剰プログラム37、液体11をエリア10内で散布させるための散布プログラム38およびエリア10に関する位置情報であるエリア情報6aが記録されている。本実施形態では、散布プログラム37の後に、余剰プログラム38が連続的に実行される。
なお、不揮発性メモリ31には、OS39(オペレーティングシステム)やブラウザプログラム39aが記録されていてもよい。さらになお、上で述べたプログラム37、38、39、39aの全部または一部を揮発性メモリ32に記憶してもよい。
【0041】
余剰プログラム37は、散布プログラム38の中に一体に組み込まれていてもよい。その際には、余剰プログラム37の工程順はそのままに、各工程を散布プログラム38の適切な個所に配置する。
また余剰プログラム37は、ブラウザプログラム39aおよびOS39の機能を利用して、協働して動作してもよい。なお余剰プログラム37は、ブラウザプログラム39aおよびOS39と異なる別個のプログラムと協働して動作してもよい。
余剰プログラム37、エリア情報6a、ブラウザプログラム39aおよびOS39は、例えばDVD、さらにはUSBやSDカードなど書き換え可能なデバイス33に記録されており、ドライブ34を介して、記録部31等にインストールされる。
【0042】
(ハードウェア構成のその他の例)
上述した
図6に示したハードウェア構成では、
図2に示す機能をCPU30と余剰プログラム37を用いて実現するようにしているが、その一部あるいは全部をマイコンなどの論理回路またはPLC(プログラマブルロジックコントローラ)を用いてシーケンス制御してもよい。
エリア情報6aは、その全てを記憶部31等に記録するのではなく、一部を記録し、その他を外部のサーバに記録してもよい。
さらに、上述したプログラム等の一部または全部を外部のサーバで実行するようにしてもよい。
さらになお、本実施形態において、メモリ31等に記録されているデータは、コンマ区切り値形式などを含む公知の方法で記録されている。
【0043】
[4.プログラム]
図7は、飛翔体1で用いられる余剰プログラム37の処理の一実施形態を示すフローチャートである。
【0044】
(S0)CPU30は、エリア10内の液体11の散布が終了すると、飛翔体1をホバリングさせ、ポンプ16および回転ディスク17aの作動を止める。本実施形態では、ホバリングの実行、ポンプ16および回転ディスク17aの作動停止は、散布プログラム38により実行される。
【0045】
(S1)次いで、前記散布の終了に基づいて、あるいは、操縦者8によるコントローラ9からの指示に基づいて、余剰液11aを落とす余剰プログラム37を実行する。
【0046】
(S2)位置情報5aを取得する。本実施系形態における位置情報5aは、GPS等の基準点に基づいて補正されている。なお、他の補正手法により補正してもよい。さらになお、補正せずにGPS等からの信号を用いてもよい。
【0047】
(S3)記憶部31等からエリア情報6aを取得する。位置情報5aおよびエリア情報6aに基づいて、本体2がエリア10内にあることを確認する。例えば、飛翔体1の高さ、緯度および経度が、エリア情報6aに記憶されている高さ、緯度および経度の範囲内にあることを確認する。
【0048】
(エリア情報6a)
本実施形態では、エリア情報6aのデータ構造(図示せず)は、GPS等から得られたエリアの周縁の位置情報からなる。さらに例えば、本実施形態では、周縁の位置情報を所定の距離毎に取得し、それらの取得した点を結んで設定されている。それらの点を結んだ内部がエリア10である。高さについては、本実施形態では予め地面または作物・散布対象物の先端から2mに設定されている。なお高さについて、2mの値に限定されるものでない。設定される高さについて、一例を挙げるなら、2〜5mの範囲で設定されるのが好ましい。
【0049】
(S4)本体2がエリア10内にあることを確認すると、回転ディスク17bの回転を実行する。なお、工程S0で回転ディスク17aの回転を止めないで、回転を維持してもよい。一方で、本体2がエリア10内にあることが確認できなかったり、エリア10内にいなかった場合(エリア外10aにある)、例えば、自動的に飛翔体1をエリア10内に戻したり、その場所で着陸などさせても良い。さらには、操縦者8がコントローラ9による飛翔体1に次の行動の指示を与えても良い。
【0050】
(S5)、回転ディスク17bを余剰時間10bの間、回転させた後、回転ディスク17bを止める。
【0051】
(S6)余剰時間10bの間回転したこと、且つ、本体2がエリア10内にあることに基づき、エリア外10aへの飛行を実行する。
【0052】
[5.他の実施形態]
(変形例1)
次に、本発明の飛翔体1の変形例を説明する。この変形例は、前述した飛翔体1とほぼ同様であるので、同じ部分の説明を省略する。
前述の実施形態においては、位置取得手段5により本体2の位置情報5aを取得し、確認手段6により位置情報5aおよびエリア情報6aに基づいて本体2がエリア10内にあることを確認していたが、散布プログラム38において予めエリア10内を飛行することが確認できているなら、散布後の余剰時間10bの経過に基づいてエリア外飛行手段7により本体2をエリア外10aに飛行するようにしてもよい。
【0053】
(変形例2)
前述の実施形態においては、回転ディスク17bが余剰時間の間、回転することにより余剰液11aをエリア10内で振り落としていたが、回転ディスク17bを設けていなかったり、設けているが回転ディスク17bを回転させなかったりする場合、飛翔体1をホバリングさせて余剰液11aを自然に落下させてもよい。その際に、飛翔体1を左右・上下に運動させ、または、それらを組み合わせた運動により、余剰液11aを振り落とすようにしてもよい。
【0054】
(変形例3)
前述の実施形態においては、ポンプ16を用いていたが、ポンプ16を用いないで、重力により液体11を自然に落下させるようにしてもよい。その際に、回転ディスク17bにより液体11を散布することで、タンク15の液体11を引き込むようにし、ポンプ16のように作用させても良い。
【0055】
前述の実施形態に、これらの変形例を、それぞれを適宜に組み合わせて用いることができる。
【0056】
[6.その他]
・液体11として、ゲル状の溶液を用いてもよい。また液体11の中に粉粒体を混ぜてもよい。
・工程S0において、ホバリングの他に、エリア10内の例えば、略中心方向に飛行しながら、余剰液11aを落としてもよい。余剰液11をエリア10内で拡散させるようにして落とすためである。
・余剰液11aを振り落とす際に、回転ディスク17bの回転数を速くしたり、遅くしたり、止めたりするなど、これらの動作を組み合わせて余剰液11aを振り落としても良い。
・余剰液11aを落とすのを促す機構として、回転ディスク17bの他に、本体2または散布機構3等の余剰液11aが付着している付近に振動を与える機構を設けてもよい。さらに空気で吹き飛ばすような機構を設けてもよい。
・エリア情報6aとして設定される高さは、畑など作物の成長に応じて設定してもよい。例えば、作物の先端からの高さを所定の値になるように設定してもよい。さらに、傾斜面に設けたミカン畑などについては、斜面または果樹からの高さが所定の値になるように設定してもよい。
【0057】
[7.まとめ]
(1)本発明の液体散布用の飛翔体1は、予め設定されたエリア10に液体11を散布する飛翔体であって、本体2と、その本体2に設けられ、且つ、液体11を散布する散布機構3と、その散布機構3の動作を制御する制御手段4と、エリア10内の散布等が終了してから、散布機構3の内部に残っている/外部に付着している液体11の余剰液11aをエリア10に落とすために予め設定された余剰時間11bに達するのに基づいて、エリアの外10aへの飛行を実行するエリア外飛行手段7とを備えている。このため、余剰液11aをエリア10内で落としてから、エリア外10aに出るので、散布を予定していないエリア外10aに液体11を垂らすのを防止できる。
【0058】
(2)このような液体散布用の飛翔体1は、散布機構3が、回転運動により半径方向の外向きに液体11を散布する回転ディスク17aを備えており、制御手段4は、回転ディスク17aを余剰時間10b中、作動させる場合は、回転ディスク17の回転により余剰液10bを素早く落とすことができる。
【0059】
(3)また、散布機構3が、回転ディスク17bに液体11を供給するポンプ16を備えており、制御手段4は、エリア10内の散布等の終了によりポンプ16を停止させる場合は、散布の終了により液体11の供給を停止するので、エリア10内に過剰の液体11を散布するのを防止できる。また同じ畑・施設・構造物等において(
図1参照)、散布すべきエリア10が複数ある場合に、越境毎にポンプ16を停止できるので、エリア外10aに余剰液11aを落とすのを、より確実に防止できる。
【0060】
(4)また、本体2の位置情報5aを取得する位置取得手段5と、その位置情報5aおよびエリア10に関する位置情報を含むエリア情報6aに基づいて、本体2がエリア10内にあることを確認する確認手段6とをさらに備えており、エリア外飛行手段7が、確認手段6により本体2がエリア10内にあることの確認にさらに基づいて、エリアの外10aへの飛行を実行する場合は、エリア外10aに余剰液11aを落とすのを、より一層確実に防止できる。
【0061】
(5)本発明の液体散布用の飛翔体の第二の態様は、予め設定されたエリア10に液体11を散布する飛翔体1であって、本体2と、その本体2に設けられ、且つ、液体11を送るポンプ16およびそのポンプにより送られる液体11を回転運動により半径方向の外向きに散布する回転ディスク17bからなる散布機構3と、散布機構3を制御する制御手段4とを備えており、制御手段4は、エリア10内で液体11の散布を停止する際、ポンプ16の駆動を停止してから予め設定した余剰時間経過後に、回転ディスク17bの回転を停止するので、エリア10内に過剰の液体11を散布するのを防止できる。また同じ畑・施設・構造物等において(
図1参照)、散布すべきエリア10が複数ある場合に、越境毎にポンプ16を停止できるので、エリア外10aに余剰液11aを落とすのを、より確実に防止できる。さらに回転ディスク17の回転により余剰液10bを素早く落とすことができる。