特開2021-187182(P2021-187182A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-187182(P2021-187182A)
(43)【公開日】2021年12月13日
(54)【発明の名称】駐車支援装置、及び駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20211115BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20211115BHJP
   B60R 99/00 20090101ALI20211115BHJP
【FI】
   B60W30/06
   G08G1/16 C
   B60R99/00 340
   B60R99/00 351
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-91024(P2020-91024)
(22)【出願日】2020年5月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石野田 真
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BA22
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE04
3D241CE05
3D241DA52Z
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DB12Z
5H181AA01
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】乗員の負担をなるべく増やすことなく、前進と後退とを切り替える運転操作回数を減らせるように支援する。
【解決手段】車両1の現在位置Pを検出する位置検出部110と、前記車両1を駐車させる駐車位置を取得する駐車位置取得部114と、前記現在位置P、及び前記現在位置Pとは異なる仮想位置Fのそれぞれを移動の開始位置として前記駐車位置に前記車両1が移動するための駐車経路を計算する駐車経路計算部115と、前記駐車経路計算部115で計算された駐車経路のうち、前記車両1を前進から後進へ、又は、後進から前進へと切り替える運転操作回数が最も少ない駐車経路を選択する駐車経路選択部116と、前記駐車経路選択部116で選択された駐車経路の開始位置を出力する出力部117と、を備える駐車支援装置100を構成した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を検出する位置検出部と、
前記車両を駐車させる駐車位置を取得する駐車位置取得部と、
前記現在位置、及び前記現在位置とは異なる仮想位置のそれぞれを移動の開始位置として前記駐車位置に前記車両が移動するための駐車経路を計算する駐車経路計算部と、
前記駐車経路計算部で計算された駐車経路のうち、前記車両を前進から後進へ、又は、後進から前進へと切り替える運転操作回数が最も少ない駐車経路を選択する駐車経路選択部と、
前記駐車経路選択部で選択された駐車経路の開始位置を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする駐車支援装置。
【請求項2】
前記出力部は、
前記駐車経路選択部で選択された駐車経路における前記運転操作回数を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記駐車経路選択部は、
前記運転操作回数が最も少ない駐車経路が2以上ある場合、前記現在位置から前記開始位置までの距離が最も短い駐車経路を選択する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記仮想位置は、
前記車両の前進によって前記現在位置から到達可能な位置である、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の駐車支援装置。
【請求項5】
車両に搭載されたコンピュータが、
前記車両の現在位置を検出する第1ステップと、
前記車両を駐車させる駐車位置を取得する第2ステップと、
前記現在位置、及び前記現在位置とは異なる仮想位置のそれぞれを移動の開始位置として前記駐車位置に前記車両が移動するための駐車経路を計算する第3ステップと、
前記第3ステップで計算された駐車経路のうち、前記車両を前進から後進へ、又は、後進から前進へと切り替える運転操作回数が最も少ない駐車経路を選択する第4ステップと、
前記第4ステップで選択された駐車経路の開始位置を出力する第5ステップと、
を備えることを特徴とする駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援装置、及び駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を縦列駐車させる際の前進と後進との繰り返し運転回数を低減する技術として、特許文献1が知られている。特許文献1の要約書に次の記載がある。「駐車空間検出処理で検出した駐車空間長Fをもとにして、切り返し開始位置での自車Aの駐車角度を切り返しによって目標駐車角度に修正した場合に、駐車空間Dの奥行き方向に対する自車Aの位置が目標駐車位置に合うように、切り返し開始位置における自車Aの駐車空間Dの奥行き方向に対する位置を変更する奥行き調整処理、及び切り返し開始位置における自車Aの駐車角度を変更する回転補正処理を行う。」。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-193526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、後退と前進との繰り返し運転(以下、「切り返し」という)を行って目標とする駐車位置に目標とする駐車角度で駐車させる必要がある場合に、なるべく切り返しの回数が少ない経路を生成するものである。
【0005】
本発明は、簡単な運転操作で乗員の負担を増やすことなく、前進と後退とを切り替える運転操作回数を減らせるように支援できる駐車支援装置、及び駐車支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、車両の現在位置を検出する位置検出部と、前記車両を駐車させる駐車位置を取得する駐車位置取得部と、前記現在位置、及び前記現在位置とは異なる仮想位置のそれぞれを移動の開始位置として前記駐車位置に前記車両が移動するための駐車経路を計算する駐車経路計算部と、前記駐車経路計算部で計算された駐車経路のうち、前記車両を前進から後進へ、又は、後進から前進へと切り替える運転操作回数が最も少ない駐車経路を選択する駐車経路選択部と、前記駐車経路選択部で選択された駐車経路の開始位置を出力する出力部と、を備えることを特徴とする駐車支援装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乗員の負担をなるべく増やすことなく、前進と後退とを切り替える運転操作回数を減らせるように支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る駐車支援装置が搭載された車両の構成を示す図である。
図2】ソナー及びカメラの設置態様の一例を示す図である。
図3】駐車支援開始時における車両と駐車区画の位置関係の一例を示す図である。
図4】駐車支援処理のフローチャートである。
図5】駐車経路の開始位置に用いられる現在位置、及び仮想位置の説明図である。
図6】開始位置の違いによる切り返し回数の違いを示す図である。
図7】開始位置の案内表示の具体例を示す図である。
図8】本発明の変形例に係る仮想位置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る駐車支援装置100が搭載された車両1の構成を示す図である。
車両1は、周辺検出センサ部10と、車両センサ部20と、ナビゲーション装置30と、駐車支援装置100と、を備え、これらがCAN(Controller Area Network)バスなどの車載ネットワーク5を通じてデータ通信可能に接続されている。
【0010】
周辺検出センサ部10は、車両1の周辺の情報を検出するための各種のセンサを備え、検出によって取得した周辺の情報を駐車支援装置100に出力する。以下、周辺の情報を「周辺情報」と言う。
周辺情報は、車両1の周辺に存在する物体の情報を含み、当該物体は、例えば障害物や、車両1の走行路や駐車区画Qを区画する区画線などである。障害物は、車両1の走行の妨げになる各種の物体である。障害物の典型的な例として、柱や壁、消火栓などの建造物、駐車中や走行中の他車両、及び通行人が挙げられる。
【0011】
本実施形態の周辺検出センサ部10は、ソナー10A、及びカメラ10Bを備えている。
ソナー10Aは、周辺の障害物を音波によって検出し、当該障害物と車両1との間の距離を測定する測距センサである。
本実施形態の車両1は、図2に示すように、左側、及び右側のそれぞれにソナー10Aが配置されている。これにより、車両1からみて右側、及び左側のそれぞれのセンシング範囲Rの障害物が各ソナー10Aによって検出される。また本実施形態のソナー10Aは、センシング範囲Rがビーム状に形成されることで、車両1の側方への指向性が高められている。これにより、車両1の側方の障害物がより高い精度で検出される。
なお、車両1におけるソナー10Aの配置位置、配置個数、及びセンシング範囲Rは適宜に変更可能である。例えば、適宜の数のソナー10Aを適宜の位置に車両1の全方位(360度の範囲)を検出可能に配置してもよい。またソナー10Aに代えてレーダーやライダー(Lidar)などの他の測距センサを用いてもよい。
【0012】
カメラ10Bは、走行路や駐車区画Qの区画線などの周辺の物体を撮影する撮影手段である。
本実施形態の車両1は、図2に示すように、前方、左側方、右側方、及び後方のそれぞれにカメラ10Bが設けられている。これらのカメラ10Bによって車両1を中心とした全方位が撮影される。
なお、カメラ10Bは全方位を1台のカメラで撮影するものであってもよい。またカメラ10Bによる撮影範囲、及びカメラ10Bの台数は適宜に変更可能である。
【0013】
車両センサ部20は、車両1に搭載され、当該車両1の走行状態の検出と、自律航法(デッドレコニング)に要する各種の情報と、の検出のための各種のセンサを備える。かかるセンサは、例えば、ジャイロセンサや加速度センサ、車速センサ、車両1の操舵角を検出する舵角センサなどである。
【0014】
ナビゲーション装置30は、GPS(Global Positioning System)衛星からの測位信号を受信し、受信した測位信号に基づいて車両1の絶対位置(緯度及び経度)を算出する。また、ナビゲーション装置30は、車両1の乗員によって目的地が入力されると、交通情報等を考慮して現在位置と目的地とを結ぶ最適な誘導経路を探索する。また、ナビゲーション装置30は、ディスプレイを含む表示部31を備え、誘導経路や各種の案内を表示部31に表示して、これらを乗員に通知する。
【0015】
駐車支援装置100は、乗員による駐車のための運転操作を支援する装置である。
駐車支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Microprocessor Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリデバイス(主記憶装置とも呼ばれる)と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージ装置(補助記憶装置とも呼ばれる)と、センサ類や周辺機器などを接続するためのインターフェース回路と、車載ネットワーク5を介して他の車載装置と通信する車載ネットワーク通信回路と、を備えたコンピュータを備えている。かかるコンピュータとして、ECU(Electronic Conrtol Unit))が用いられている。
駐車支援装置100において、プロセッサがメモリデバイス又はストレージ装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行することで、図1に示す各種の機能的構成が実現されている。
【0016】
すなわち、駐車支援装置100は、機能的構成として、位置検出部110と、周辺情報取得部111と、障害物検出部112、マップ生成部113と、駐車位置取得部114と、駐車経路計算部115と、駐車経路選択部116と、出力部117と、を備えている。
【0017】
位置検出部110は、車両センサ部20の検出結果に基づいて、車両1の現在位置(自己位置)を、公知、又は周知のデッドレコニング手法を用いて検出する。
【0018】
周辺情報取得部111は、周辺検出センサ部10によって検出された周辺情報を取得する。
障害物検出部112は、周辺情報に基づいて、車両1の周辺の障害物を検出する。
より具体的には、障害物検出部112は、ソナー10Aの検出結果に基づいて周辺の障害物を検出し、車両1を基準にした障害物の位置(すなわち相対位置)を検出する。
マップ生成部113は、障害物検出部112の検出結果に基づいてマップデータを生成する。マップデータは、適宜のタイミングでの車両1の現在位置を原点としたローカル空間座標系に各障害物の位置を記録したデータである。換言すれば、マップデータは、各障害物の位置をローカル空間座標系の位置座標で表したデータでもある。
【0019】
駐車位置取得部114は、車両1が駐車する駐車位置の一態様である駐車区画Q(図3)を周辺情報に基づいて取得する。
より具体的には、駐車位置取得部114は、カメラ10Bの撮影画像に対する画像認識により駐車区画Qを認識する。そして駐車位置取得部114は、撮影画像の2次元座標系からマップデータのローカル空間座標系への投影変換により、撮影画像における駐車区画Qの位置を、マップデータのローカル空間座標系の位置に変換する。この投影変換は、公知、又は周知の適宜の技術を用いて行うことができる。これにより、ローカル座標系における駐車区画Qの位置が取得される。
【0020】
なお、駐車位置は、駐車区画Qに限らない。すなわち、駐車位置は、車両1が駐車可能な大きさの適宜の空間であればよく、例えば駐車中の2台の他車両3(図3)の間の空間であってもよい。駐車可能な大きさの空間は、マップデータによって示される障害物の分布に基づいて特定可能である。
【0021】
駐車経路計算部115は、マップデータに基づいて駐車経路を計算して算出する。
本実施形態の駐車経路は、車両1が周囲の障害物に衝突することなく駐車区画Qに後ろ向き駐車するように、開始位置から駐車区画Qへ車両1を移動させる経路である。
後ろ向き駐車は、車両1を駐車区画Qへ後進によって入庫させることを言う。なお、車両1を駐車区画Qへ前進によって入庫させることは、前向き駐車と称される。
開始位置は、車両1が駐車のために移動を開始する位置である。本実施形態では、車両1の現在位置P(図4)、及び、当該現在位置Pから車両1の前進によって到達可能な仮想位置F(図4)のそれぞれが開始位置として用いられる。
そして、駐車経路計算部115は、これらの開始位置(現在位置P、及び仮想位置F)ごとに駐車経路を計算する。
【0022】
駐車経路選択部116は、駐車経路計算部115によって計算された駐車経路の中から最も切り返し回数が少ない経路を選択する。
切り返しは、駐車区画Qへの車両1の進入角度を変更するために、車両1の前進から後進へ、又は、後進から前進へといったように、前進と後進とを切り替える運転操作のことであり、スイッチバックと称されることもある。
【0023】
出力部117は、駐車経路選択部116によって選択された駐車経路における開始位置をナビゲーション装置30に出力し、当該開始位置を表示部31に表示させることで、乗員に開始位置を案内する。
【0024】
次いで、本実施形態の動作として、図3に示すように、駐車場内を乗員が車両1を運転して移動し、左右両側に他車両3が駐車している駐車区画Qの傍に車両1を停車させときに、当該駐車区画へ後ろ向き駐車する際に最も切り返し回数が少なくなる開始位置を駐車支援装置100が乗員に案内することで、乗員の運転操作を支援する場合を説明する。
【0025】
図4は、駐車支援装置100が実行する駐車支援処理のフローチャートである。
駐車支援装置100は、車両センサ部20の検出結果に基づいて車両1の移動が検出されている間(ステップS1:No)、障害物検出部112が周辺情報に基づいて周辺の障害物を継続的に検出し(ステップSa2)、また障害物検出部112によって検出された障害物の位置をマップ生成部113がマップデータを逐次に記録し(ステップSa3)、さらにまた駐車位置取得部114が駐車区画Qを周辺情報に基づいて逐次検出する(ステップSa4)。
【0026】
次いで、駐車支援装置100は、車両1の停車を検出した場合(ステップSa1:Yes)、先ず、駐車位置取得部114が駐車位置を取得する(ステップSa5)。
具体的には、駐車位置取得部114は、ステップSa4において検出した駐車区画Qの中から後ろ向き駐車が可能な直近の駐車区画Qを選択し、当該駐車区画Qの位置を取得する。なお、乗員が図示せぬHMI(human machine interface)を操作することで、駐車目標の駐車区画Qを駐車支援装置100に指示し、駐車位置取得部114が当該駐車区画Qの位置を取得する構成であってもよい。
【0027】
次に、駐車経路計算部115が現在位置Pを開始位置とした駐車経路を計算する(ステップSa6)。
次いで、駐車経路選択部116は駐車経路によって車両1を移動させた場合の切り返し回数が所定の許容回数(例えばゼロ回など)を超えているか否かを判定する(ステップSa7)。
【0028】
切り返し回数が許容回数以下である場合(ステップSa7:No)、現在位置Pが駐車のための移動の開始位置として適切であるため、駐車支援装置100は、そのまま処理を終了する。
一方、切り返し回数が許容回数を超えている場合(ステップSa7:Yes)、駐車経路計算部115が複数の仮想位置Fのそれぞれを開始位置とした駐車経路を計算する(ステップSa8)。
仮想位置Fは、図5に示すように、現在位置Pから車両1を前進させたと仮定したときに到達する位置である。本実施形態では、操舵角を変更せずに現在位置Pから到達する位置が仮想位置Fとして用いられる。なお、駐車経路計算部115は、駐車経路の計算に際し、仮想位置Fの間隔、及び数を、目標の駐車区画Qから所定距離L(例えばL=2メートルなど)以上離れない範囲で適宜に設定する。
【0029】
次に、駐車経路選択部116は、現在位置P、及び仮想位置Fのそれぞれを開始位置として計算された複数の駐車経路の中から、最も切り返し回数が少ない駐車経路を選択する(ステップSa9)。
例えば、図6(A)に示すように、現在位置Pを開始位置として求められた駐車経路が1回以上の切り返しを含むのに対し、図6(B)に示すように、仮想位置Fを開始位置として求められた駐車経路が切り返しを含まない(切り返し回数=ゼロ)である場合は、当該仮想位置Fが開始位置の駐車経路が選択される。
なお、駐車経路選択部116は、最も切り返し回数が少ない駐車経路が2以上存在する場合、現在位置Pから開始位置までの距離が最も短い駐車経路を選択する。
【0030】
次いで、出力部117は、駐車経路選択部116によって選択された駐車経路の開始位置が仮想位置Fであるか否かを判定する(ステップSa10)。
開始位置が仮想位置Fでない場合、すなわち開始位置が現在位置Pである場合(ステップSa10:No)、現在位置Pが駐車のための移動の開始位置として適切であるため、駐車支援装置100は、そのまま処理を終了する。
一方、開始位置が仮想位置Fである場合(ステップSa10:Yes)、出力部117は、この開始位置を表示部31に出力することで、切り返し回数が最も少なくなる開始位置を乗員に案内する(ステップSa11)。
【0031】
図7は開始位置の案内表示の具体例を示す図である。
開始位置の案内表示は、乗員が開始位置を正確、かつ迅速に把握可能にするために、典型的には、カメラ10Bの撮影画像に開始位置を重ねた表示が採用されている。
例えば、表示例Aに示すように、車両1の上方から当該車両1を平面視(俯瞰)した俯瞰画像Caに、開始位置を示す開始位置マークDを重ねた態様を用いて開始位置の案内表示が行われる。俯瞰画像Caは、カメラ10Bによる車両1の前方、後方、左側方、及び右側方のそれぞれの撮影画像の合成によって生成可能である。
また例えば、表示例Bに示すように、車両1の前方を映した撮影画像Cbに開始位置マークDを重ねた態様を用いて開始位置の案内表示が行われる。
【0032】
また、開始位置の案内表示において、乗員に車両1の前進を促す案内メッセージEが表示される。この案内メッセージEの内容は、車両1を前進させることで切り返し回数を減らせることを伝えるものとなっており、乗員が、車両1を前進させる理由と、それによって得られる効果を明確に把握できるようになっている。
【0033】
なお、図4の駐車支援処理において、駐車支援装置100は、車両1が開始位置に位置した後、当該車両1が駐車経路に沿って走行するように乗員の操舵支援、或いは、自動操舵を行うことで駐車を支援する。これら操舵支援、及び自動操舵には、公知または周知の適宜の技術を用いることができる。
【0034】
本実施形態によれば、次の効果を奏する。
【0035】
本実施形態の駐車支援装置100は、現在位置P、及び現在位置Pとは異なる仮想位置Fのそれぞれを移動の開始位置として駐車区画Q(駐車位置)に車両1が移動するための駐車経路を計算する駐車経路計算部115と、この駐車経路計算部115で計算された駐車経路のうち、車両1の切り返し回数が最も少ない駐車経路を選択する駐車経路選択部116と、この駐車経路選択部116で選択された駐車経路の開始位置を出力する出力部117と、を備える。
この駐車支援装置100によれば、仮想位置Fの方が現在位置Pから移動するよりも切り返し回数が少ない場合、当該仮想位置Fが出力部117から出力され、乗員に通知される。
したがって、乗員は、車両1を現在位置Pから仮想位置Fに移動させるという簡単な運転操作だけで負担なく切り返し回数を減らすことができる。
【0036】
本実施形態の駐車支援装置100において、出力部117は、駐車経路選択部116で選択された駐車経路における切り返し回数を出力するため、乗員に切り返し回数を知らせることができる。
また駐車経路選択部116で選択された駐車経路の開始位置が仮想位置Fである場合には、出力部117が現在位置を開始位置とした駐車経路の切り返し回数も出力することで、乗員は、現在位置Pから仮想位置Fに車両1を移動させることで、切り返し回数をどの程度減らすことができるかを把握できる。
【0037】
本実施形態の駐車支援装置100において、駐車経路選択部116は、切り返し回数が最も少ない駐車経路が2以上ある場合、現在位置Pから開始位置までの距離が最も短い駐車経路を選択する。
これにより、切り返し回数が最小の駐車経路の中で、運転操作の負担が少ない駐車経路を選択することができる。
【0038】
本実施形態の駐車支援装置100において、仮想位置Fは、車両1の前進によって現在位置Pから到達可能な位置である。
これにより、現在位置Pからの移動が簡単な位置が仮想位置Fに用いられるので、乗員の運転の技能の程度によらずに車両1を仮想位置Fに概ね移動させることができ、また、車両1を移動させる際の乗員の運転操作の負担も少なくできる。
【0039】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形、及び応用が可能である。
【0040】
例えば、上述した実施形態では後進駐車の例を説明したが、前進駐車に本発明を適用することも可能である。
【0041】
また例えば、仮想位置Fは、前掲図5に示したような車両1が前進によって現在位置Pから到達可能な位置ではなく、図8に示すように、車両1の後進によって現在位置Pから到達可能な位置に設定されてもよい。この場合、かかる仮想位置Fが開始位置となった場合には、車両1は、現在位置Pから最初に仮想位置Fまで後進によって移動し、駐車区画Qへ移動する。
なお、仮想位置Fは、簡単な運転操作で仮想位置Fへ移動可能にするために、操舵角を変更することなく後進することで到達可能な位置であってもよい。
【0042】
例えば、駐車経路は、図8に示すように、駐車区画Q(駐車位置)へ前向き駐車するように車両1を開始位置から駐車区画Qへ移動させる経路でもよい。
【0043】
図1に示す機能ブロックは、本願発明を理解容易にするために、車両1や駐車支援装置100の構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、これらの構成要素は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0044】
また、駐車支援装置100の各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアにより実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 車両
100 駐車支援装置
110 位置検出部
114 駐車位置取得部
115 駐車経路計算部
116 駐車経路選択部
117 出力部
Ca 俯瞰画像
Cb 撮影画像
D 開始位置マーク
F 仮想位置
P 現在位置
Q 駐車区画(駐車位置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8