【解決手段】検出対象を検出する対象検出部131と、駐車スペースに隣接する通行路に移動可能な出庫位置に移動させる車両制御部70と、出庫位置に移動後の自車両1の移動量を検出する移動量検出部132と、自車両1のステアリングホイールを手動により操作して自車両1を通行路7と略平行にした場合の自車両1の予測位置を示す枠画像200を、自車両1の位置を示す車両画像300と共に表示部50の表示画面55に表示させる表示制御部137と、を備え、表示制御部137は、移動量検出部132により検出される自車両1の移動量に基づいて、表示画面55における枠画像200及び車両画像300の表示位置を変更し、対象検出部131により検出された検出対象と自車両1との距離に基づいて、枠画像200の表示態様を変更する。
縦列駐車した状態の前記車両を、前記車両の前方に駐車した他車両との接触を回避し、直進による移動が可能な出庫位置に移動させる移動経路を生成する経路生成部を備え、
前記車両制御部は、前記経路生成部が生成した前記移動経路に従って前記車両を移動させ、
前記移動量検出部は、前記車両が、前記移動経路に従った移動を完了した後、前記車両がクリープ現象により直進して移動する移動量を検出する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
前記車両が、前記移動経路に従った移動の完了後、前記車両を予め設定された旋回半径で、予め設定された旋回角度だけ旋回させても、前記車両が前記他車両と接触しない接触回避位置を検出する位置検出部を備え、
前記表示制御部は、前記車両が、前記接触回避位置に到達すると、前記予測位置画像の表示を開始する、ことを特徴とする請求項3記載の車載装置。
前記表示制御部は、前記予測位置画像の表示色、表示サイズ、輝度の少なくとも1つを、前記検出対象と前記車両との距離に基づいて変更し、前記表示態様を変更する、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車載装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、車載装置2の構成を示すブロック構成図である。以下では、車載装置2を搭載した車両を自車両1と表記し、自車両1以外の車両を他車両3と表記する。
車載装置2は、本発明の出庫支援方法に対応した処理を実行する装置である。車載装置2は、位置検出ユニット10、センサ部20、表示部50、スピーカ60、車両制御部70、操舵装置71、駆動装置72、制動装置73、変速装置74、舵角センサ75、回転数検出センサ76、制動力検出センサ77、シフトポジションセンサ78、車速センサ79及び出庫支援装置100を備える。
【0009】
位置検出ユニット10は、自車両1の現在位置を検出する。位置検出ユニット10は、GNSS(Global Navigation Satellite System)信号を受信するGNSS受信器と、GNSS受信器が受信したGNSS信号に基づいて自車両1の現在位置である緯度及び経度を演算するプロセッサと、を備える。GNSS受信器及びプロセッサの図示は省略する。位置検出ユニット10は、演算して求めた自車両1の現在位置を示す緯度及び経度を位置情報として出庫支援装置100に出力する。
【0010】
センサ部20は、複数のセンサを備える。本実施形態のセンサ部20は、複数のカメラを有する撮影部30と、ソナーユニット40とを備える。本実施形態では、センサ部20がカメラ及びソナーを備える場合について説明するが、センサ部20のセンサは、カメラ及びソナーに限定されない。例えば、電波や光等を利用して障害物との間の距離を測定可能なレーダーやライダー(LiDAR:Laser Imaging Detection and Ranging)をセンサ部20に搭載してもよい。センサ部20は、撮影部30の撮影画像や、ソナーユニット40のセンサデータを検出データとして出庫支援装置100に出力する。
【0011】
撮影部30は、自車両1の前方を撮影するフロントカメラ31、自車両1の後方を撮影するリアカメラ32、自車両1の左側方を撮影する左サイドカメラ33、及び自車両1の右側方を撮影する右サイドカメラ34を備える。これらのカメラは、それぞれCCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等のイメージセンサと、イメージセンサの受光状態から画像を生成するデータ処理回路とを備える。撮影部30は、4台のカメラにより自車両1を中心に360°の範囲を撮影可能となるように画角が調整されている。フロントカメラ31、リアカメラ32、左サイドカメラ33及び右サイドカメラ34は、各々の撮影範囲を所定のフレームレートで撮影して撮影画像を生成する。フロントカメラ31、リアカメラ32、左サイドカメラ33及び右サイドカメラ34は、生成した撮影画像を出庫支援装置100に出力する。
【0012】
ソナーユニット40は、前方、後方、左側方及び右側方等の自車両1の複数箇所に搭載され、超音波を用いて自車両1の周囲に存在する障害物の位置や、大きさ、障害物までの距離等を検出する。
【0013】
表示部50は、タッチパネル53を備え、出庫支援装置100によって生成された画像データに基づく画像をタッチパネル53に表示させる。タッチパネル53は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示パネルと、表示パネルに対するタッチ操作を検出するタッチセンサとを備える。タッチセンサには、抵抗膜方式や静電容量方式等の一般的に知られた方式のセンサが用いられる。タッチパネル53は、表示パネルに対して行われるタッチ操作をタッチセンサにより検出し、検出したタッチ操作の操作位置を示す位置信号を生成する。タッチパネル53は、生成した位置信号を含む操作情報を出庫支援装置100に出力する。
【0014】
スピーカ60は、本発明の報知部に相当する。スピーカ60は、出庫支援装置100から入力される音声信号を出力する。
【0015】
車両制御部70は、ECU(Electronic Control Unit)等のコンピュータ装置であり、自車両1に搭載された操舵装置71、駆動装置72、制動装置73及び変速装置74を制御するユニットである。車両制御部70は、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して操舵装置71、駆動装置72、制動装置73、変速装置74、舵角センサ75、回転数検出センサ76、制動力検出センサ77、シフトポジションセンサ78、車速センサ79、出庫支援装置100に接続される。車両制御部70は、出庫支援装置100から入力される制御情報に従って操舵装置71、駆動装置72、制動装置73及び変速装置74を制御する。
【0016】
また、車両制御部70には、舵角センサ75、回転数検出センサ76、制動力検出センサ77、シフトポジションセンサ78及び車速センサ79のセンサデータが入力される。車両制御部70は、入力されたこれらのセンサデータに基づき、自車両1が、出庫支援装置100により生成された移動経路に従って走行するように操舵装置71、駆動装置72、制動装置73をフィードバック制御する。
【0017】
操舵装置71は、自車両1の操舵輪を操舵させるアクチュエータを含む装置である。
駆動装置72は、自車両1の駆動輪の駆動力を調整するアクチュエータを含む装置である。このアクチュエータは、自車両1の動力源がエンジンである場合には、スロットルアクチュエータが該当し、動力源がモータである場合には当該モータが該当する。
制動装置73は、自車両1に設けられたブレーキシステムを制御し、自車両1の車輪へ付与する制動力を制御するアクチュエータを含む装置である。
変速装置74は、変速機及びアクチュエータを含む装置である。変速装置74は、アクチュエータを駆動させて変速機のシフト位置を制御し、変速機の変速比や、自車両1の前進及び後進を切り替える。
【0018】
舵角センサ75は、不図示のステアリングホイールの回転角度を検出し、検出した回転角度を示すセンサデータを出庫支援装置100及び車両制御部70に出力する。
回転数センサ76は、自車両1の動力源がエンジンやモータの回転数を検出し、検出した回転数を示すセンサデータを出庫支援装置100及び車両制御部70に出力する。
制動力検出センサ77は、不図示のブレーキペダルの踏込量を検出し、検出した踏込量を示すセンサデータを出庫支援装置100及び車両制御部70に出力する。
シフトポジションセンサ78は、変速装置74のシフト位置を検出し、検出したシフト位置を示すセンサデータを出庫支援装置100及び車両制御部70に出力する。
車速センサ79は、自車両1の車速を検出し、検出した車速を示すセンサデータを出庫支援装置100及び車両制御部70に出力する。
【0019】
出庫支援装置100は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ110と、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Microprocessor Unit)等のプロセッサ130と、を備えるコンピュータ装置である。出庫支援装置100は、これらの装置の他に、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等のストレージ装置や、センサ類や周辺機器等を接続するためのインターフェース回路等を備える。出庫支援装置100は、メモリ110又はストレージ装置が記憶するコンピュータプログラムをプロセッサが実行することで各種の機能的構成を実現する。
【0020】
メモリ110には、プロセッサ130が実行するコンピュータプログラムや、プロセッサ130がコンピュータプログラムの実行時に処理されるデータや処理結果のデータが記憶される。また、メモリ110は、撮影部30が撮影した撮影画像や、ソナーユニット40、舵角センサ75、回転数検出センサ76、制動力検出センサ77、シフトポジションセンサ78及び車速センサ79のセンサデータを記憶する。
【0021】
出庫支援装置100は、機能的構成として、対象検出部131、移動量検出部132、縦列駐車判定部133、経路生成部134、制御情報生成部135、位置検出部136、表示制御部137及び停止指示部138を備える。
【0022】
対象検出部131は、メモリ110に記憶された撮影画像や、ソナーユニット40のセンサデータを読み出す。対象検出部131は、読み出した撮影画像や、センサデータに基づいて検出対象を検出する。対象検出部131が検出する検出対象には、駐車場の壁や柱等の構造物、他車両3や、人、ショッピングカート等の障害物や、路面に引かれた白線等の駐車枠線が含まれる。
【0023】
移動量検出部132には、車速センサ79のセンサデータが入力される。移動量検出部132は、入力されたセンサデータが示す車速に基づき、自車両1が移動した移動距離を移動量として検出する。より具体的には、移動量検出部132は、自車両1が、後述する経路生成部134が生成した移動経路に従った移動を完了した後、自車両1がクリープ現象によって移動している間の移動量を車速に基づいて検出する。
【0024】
縦列駐車判定部133は、駐車スペースに駐車した自車両1の駐車形態を判定する。駐車形態は、駐車の形態であり、縦列駐車と並列駐車とが含まれる。縦列駐車は、駐車スペースに駐車した自車両1の車長方向の前方及び後方の少なくとも一方に他の駐車スペースがある形態である。また、並列駐車とは、駐車スペースに駐車した自車両1の車幅方向の左側及び右側の少なくとも一方に他の駐車スペースがある形態である。
【0025】
縦列駐車判定部133は、自車両1を自動駐車により駐車させた場合、メモリ110に記憶させた制御情報を参照して駐車形態を判定する。制御情報は、経路生成部134が生成した駐車経路に従って自車両1を走行させるための情報である。また、縦列駐車判定部133は、メモリ110に制御情報が記憶されておらず、運転者の運転操作によって自車両1を駐車スペースに駐車させた場合、撮影部30の撮影画像や、ソナーユニット40のセンサデータに基づき、駐車形態を判定する。例えば、縦列駐車判定部133は、撮影画像に基づいて路面に引かれた白線を検出し、自車両1の駐車スペースに隣接した駐車スペースに駐車した他車両3を検出する。縦列駐車判定部133は、検出した白線や、他車両3の情報に基づいて駐車形態を判定する。また、縦列駐車判定部133は、自車両1の駐車形態が縦列駐車である場合、自車両1の前方の駐車スペースに他車両3が駐車しているか否かを、撮影画像に基づいて判定する。
【0026】
経路生成部134は、自車両1を走行させる移動経路を生成する。例えば、経路生成部134は、縦列駐車判定部133により判定された駐車形態が縦列駐車であって、自車両1の前方の駐車スペースに他車両3が駐車している場合、自車両1を、駐車スペースに隣接して駐車した他車両3との接触を回避し、駐車スペースに隣接する通行路7に移動可能な出庫位置に移動させる移動経路を生成する。より具体的には、経路生成部134は、駐車スペースに駐車した自車両1の方位を、出庫可能方向に向けるための自車両1の移動経路を生成する。自車両1の方位は、自車両1の前後軸方向の方位であって、自車両1の前部が向けられる方向の方位である。出庫可能方向とは、自車両1を直進させても、自車両1の前方に駐車した他車両3に接触しない方向である。
図2は、縦列駐車により駐車した自車両1を示す図である。また、
図3は、縦列駐車により駐車した自車両1の方位を、出庫可能方向に向けた状態を示す図である。
【0027】
制御情報生成部135は、経路生成部134により生成された移動経路に従って自車両1を走行させるための制御情報を生成する。この制御情報は、移動経路に沿って自車両1を走行させるための情報であり、操舵、駆動、制動及び変速をそれぞれ制御する情報が含まれる。
【0028】
位置検出部136は、運転許可位置P1、予測旋回位置P2、回避最終位置P3及び予測旋回位置P4を検出する。運転許可位置P1は、本発明の接触回避位置に相当する。
運転許可位置P1、予測旋回位置P2、回避最終位置P3及び予測旋回位置P4について説明する前に、出庫支援装置100の制御動作の全体像について説明する。
自車両1が駐車スペースに駐車した状態において、自動出庫の機能を選択する操作が入力されると、出庫支援装置100は、まず、自車両1の駐車形態を判定する。出庫支援装置100は、自車両1の駐車形態を、縦列駐車と判定した場合、次に、出庫支援装置100は、センサ部20の検出データに基づいて、自車両1が出庫可能方向に向くように自車両1の方位を切り替える。
【0029】
出庫支援装置100は、自車両1が出庫可能方向を向くと、ハンドオーバ期間に移行する。ハンドオーバ期間とは、自車両1の制御主体を、出庫支援装置100から運転者に切り替えるまでの移行区間である。すなわち、ハンドオーバ期間とは、出庫支援装置100の制御により自車両1の方位を出向可能方位に向けた後、運転者の運転操作により自車両1が走行を開始するまでの期間である。このハンドオーバの期間において、出庫支援装置100は、クリープ現象により自車両1を直進させる。
【0030】
位置検出部136は、クリープ現象により自車両1を直進させる前に、運転許可位置P1、予測旋回位置P2、回避最終位置P3及び予測旋回位置P4を検出する。
運転許可位置P1は、自車両1の方位を出庫可能方向に向けた後、クリープ現象により移動する自車両1の運転を、運転者に許可する位置である。自車両1が、方位を出庫可能方向に向けた状態であっても、直ちに運転者に運転操作を許可した場合、自車両1を旋回させるタイミングが早過ぎると、自車両1の前方に駐車した他車両3に接触や衝突する場合がある。このため、位置検出部136は、自車両1を最小旋回半径で旋回させた場合に、自車両1の車長方向が、駐車スペースに隣接する通行路7の通行方向に略平行となるまでに、他車両3と接触又は衝突しない位置を、運転許可位置P1として設定する。また、予測旋回位置P2は、運転許可位置P1において、最小旋回半径で旋回を開始させた自車両1が移動する位置であり、自車両1の車長方向が、通行路7の通行方向に略平行となったときの位置である。最小旋回半径は、本発明の予め設定された旋回半径に相当する。
【0031】
回避最終位置P3は、この回避最終位置P3において旋回を開始させた自車両1が、自車両1の車長方向が、通行路7の通行方向に略平行となるまでに、対象検出部131により検出された障害物9に接触又は衝突しない最終位置である。すなわち、クリープ現象により直進する自車両1が、この回避最終位置P3よりも先の位置に移動した後に旋回を開始した場合、障害物9と接触又は衝突する場合がある。
予測旋回位置P4は、回避最終位置P3において自車両1に旋回を開始させた自車両1が移動する位置であり、自車両1の車長方向が、通行路7の通行方向に略平行となったときの位置である。
【0032】
図2〜
図6を参照しながら出庫支援装置100の動作についてより詳細に説明する。
図2に示すように、自車両1は、通行路7の左側に設けられた駐車スペース5A、5B及び5Cのうち、駐車スペース5Bに駐車している。自車両1の駐車形態は、縦列駐車あり、自車両1の前方の駐車スペース5Aには、他車両3Aが駐車し、自車両1の後方の駐車スペース5Cには、他車両3Bが駐車している。また、通行路7を挟んだ自車両1の右側には、壁等の障害物9が設けられており、対象検出部131は、この障害物9を検出している。
【0033】
図3は、自車両1の方位を出庫可能方向に向けた状態を示す図である。
出庫支援装置100は、センサ部20のデータである自車両1の周囲の撮影画像や、センサデータに基づき、他車両3Aとの接触を回避しながら自車両1を前進又は後退させ、自車両1の方位を出庫可能方向に向ける。
図3は、出庫可能方向に向けた自車両1をそのまま直進させたと仮定した場合の自車両1の軌跡を示す。
図3に示すように、自車両1を直進させても前方に駐車した他車両3Aには接触しない。
図3に示す位置P0は、自車両1の方位が出庫可能方向を向いたときの自車両1の位置を示す。以下、位置P0を、出庫位置P0という。
【0034】
図4は、運転許可位置P1と、予測旋回位置P2とを示す図である。
図4に示す角度θ1は、出庫位置P0において、自車両1の車幅方向S1と、自車両1の車長方向S2とのなす角度を示す。自車両1の車幅方向S1は、
図2に示す自車両1が縦列駐車した状態での自車両1の車幅方向である。
運転許可位置P1は、運転許可位置P1において自車両1に最小旋回半径rで旋回を開始させ、自車両1の車長方向S2が、通行路7の通行方向に略平行な方向に向いたときに、自車両1の車幅方向S1における他車両3Aとの距離が、設定距離D1となる位置である。
予測旋回位置P2は、運転許可位置P1において最小旋回半径rで旋回を開始させた自車両1が、自車両1の車長方向S2が、通行路7の通行方向に略平行な方向に向いたときに位置する旋回後の位置である。
【0035】
図5は、自車両1の車幅方向S1の移動量を計算する方法を説明するための図である。
図5を参照しながら、出庫位置P0から運転許可位置P1までの直線距離の算出方法について説明する。
図4に示すように、自車両1は、クリープ現象による直進と、最小旋回半径rによる旋回とを行って出庫位置P0から予測旋回位置P2に移動する。自車両1が直進により移動する区間、すなわち、出庫位置P0から運転許可位置P1までの区間を区間Aと表記する。また、自車両1が最小旋回半径rによる旋回により移動する区間、すなわち、運転許可位置P1から予測旋回位置P2までの区間を区間Bと表記する。また、区間Aの移動量をR1と表記する。
【0036】
位置検出部136は、運転許可位置P1を検出するため、まず、自車両1が、出庫位置P0から運転許可位置P1まで移動した場合の車幅方向S1の移動量を求める。車幅方向S1は、
図2に示す縦列駐車した状態での自車両1の車幅方向である。自車両1が、出庫位置P0から運転許可位置P1まで移動した場合の車幅方向S1の移動量は、
図5(A)に示すR1×cosθ1により求めることができる。
【0037】
次に、位置検出部136は、区間Bにおける車幅方向S1の移動量を算出する。
まず、位置検出部136は、運転許可位置P1の最小旋回半径rの円の原点Oからの移動量を算出する。この移動量も、
図2に示す縦列駐車した状態での自車両1の車幅方向である。自車両1が、直進により出庫位置P0から運転許可位置P1まで移動したときの車幅方向S1の原点Oからの移動量は、
図5(A)に示すようにrcos(90°−θ1)である。rは、最小旋回半径を示す。
【0038】
次に、自車両1が、旋回により運転許可位置P1から予測旋回位置P2に移動したときの車幅方向S1の原点Oからの移動量は、
図5(B)に示すようにrcos(90°−θ2)である。この車幅方向S1も、
図2に示す縦列駐車した状態での自車両1の車幅方向である。また、角度θ2は、予測旋回位置P2での自車両1の目標の角度である。すなわち、角度θ2は、予測旋回位置P2での自車両1の車幅方向S1と、自車両1の車長方向S2とのなす角度を示す。自車両1の車幅方向S1は、
図2に示す自車両1が縦列駐車した状態での自車両1の車幅方向である。従って、旋回による自車両1の車幅方向S1の移動量は、rcos(90°−θ2)―rcos(90°−θ1)により求めることができる。
【0039】
位置検出部136は、区間A及び区間Bの車幅方向S1の移動量が、設定距離D1となるように移動量R1の値を計算する。
具体的には、位置検出部136は、以下に示す式(1)によりR1の値を計算する。
R1×cosθ1+rcos(90°−θ2)―rcos(90°−θ1)=D1・・・(1)
出庫位置P0に位置するときの自車両1の角度θ1と、予測旋回位置P2に位置するときの自車両1の角度θ2との差(θ1−角度θ2)は、本発明の旋回角度に相当する。
【0040】
位置検出部136は、移動量R1の値を算出すると、自車両1が運転許可位置P1に位置するときの自車両1の左後端部の座標値を算出する。この座標値は、例えば、緯度及び経度であってもよいし、
図2に示す縦列駐車した状態での自車両1の車幅方向S1をX軸、車長方向S2をY軸とする座標系であってもよい。例えば、位置検出部136は、自車両1が出庫位置P0に位置するときの自車両1の左後端部の座標値に、式(1)により求めたR1に基づいて算出したR1cosθ1と、R1sinθ1とを加算して、自車両1が運転許可位置P1に位置するときの自車両1の左後端部の座標値を求める。
【0041】
図6は、回避最終位置P3と、予測旋回位置P4とを示す図である。
位置検出部136は、運転許可位置P1及び予測旋回位置P2を検出すると、次に、回避最終位置P3及び予測旋回位置P4を検出する。
回避最終位置P3は、回避最終位置P3において自車両1に最小旋回半径rで旋回を開始させ、自車両1の車長方向S2が、通行路7の通行方向に略平行な方向に向いたときに、自車両1の車幅方向S1における障害物9との距離が、設定距離D2となる位置である。
予測旋回位置P4は、回避最終位置P3において最小旋回半径rで旋回を開始させた自車両1が、自車両1の車長方向S2が、通行路7の通行方向に略平行な方向に向いたときに位置する旋回後の位置である。すなわち、自車両1を、回避最終位置P3よりも先に進ませると、最小旋回半径rで旋回させた場合、障害物9との距離が、設定距離D2よりも小さくなり、自車両1が障害物9に接触又は衝突する可能性がある。
【0042】
位置検出部136は、以下に示す計算式(2)により回避最終位置P3を求める。
R2×cosθ1+rcos(90°−θ3)―rcos(90°−θ1)=D2・・・(2)
上記式(2)において、R2は、運転許可位置P1から回避最終位置P3までの直進の移動量である。また、角度θ3は、予測旋回位置P4での自車両1の目標の角度である。すなわち、角度θ4は、予測旋回位置P4での自車両1の車幅方向S1と、自車両1の車長方向S2とのなす角度を示す。自車両1の車幅方向S1は、
図2に示す自車両1が縦列駐車した状態での自車両1の車幅方向である。
【0043】
位置検出部136は、移動量R2の値を算出すると、自車両1が回避最終位置P3に位置するときの自車両1の右後端部の座標値を算出する。障害物9が、自車両1の右側に位置するため、位置検出部136は、自車両1の右後端部を基準として回避最終位置P3を求める。この座標値は、例えば、緯度及び経度であってもよいし、
図2に示す縦列駐車した状態での自車両1の車幅方向S1をX軸、車長方向S2をY軸とする座標系であってもよい。例えば、位置検出部136は、自車両1が出庫位置P0に位置するときの自車両1の右後端部の座標値に、式(2)により求めたR2に基づいて算出したR2cosθ1と、R2sinθ1とを加算して、自車両1が回避最終位置P3に位置するときの自車両1の右後端部の座標値を求める。
【0044】
表示制御部137は、タッチパネル53に表示させる表示画面55を生成してタッチパネル53に表示させる。表示制御部137は、自車両1が、クリープ現象により走行している間に、運転者がステアリングを操作して、自車両1を旋回させた場合に、自車両1が移動する移動位置を示す枠画像200を、自車両1を示す車両画像300と共に表示させる。車両画像300は、アイコンであってもよいし、自車両1を撮影した画像であってもよい。枠画像200は、本発明の予測位置画像に相当する。
【0045】
図7は、表示態様の変更区間を示す図である。
まず、表示制御部137は、自車両1の運転許可位置P1と、回避最終位置P3との間の車幅方向S1における距離を求め、求めた距離を3等分する。車幅方向S1は、自車両1が縦列駐車した状態での車幅方向S1である。本実施形態では、運転許可位置P1と、回避最終位置P3との間の距離を3等分する場合について説明するが、分割数は任意である。3等分した区間を、出庫位置P0側から区間T1、T2及びT3という。
図8は、自車両1が、区間T1に位置する場合の表示画面55の表示を示す図である。
図9は、自車両1が、区間T2に位置する場合の表示画面55の表示を示す図である。
図10は、自車両1が、区間T3に位置する場合の表示画面55の表示を示す図である。
【0046】
表示制御部137は、自車両1の基準位置が区間T1にある場合、第1色である青又は緑色の枠画像200を表示させる。また、表示制御部137は、自車両1の基準位置が区間T2にある場合、第2色である黄色の枠画像200を表示させる。また、表示制御部137は、自車両1の黄色位置が区間T3にある場合、第3色である赤色の枠画像200を表示させる。
【0047】
本実施形態では、自車両1の位置が、区間T1、T2及びT3にある場合で、枠画像200の表示色を変更する場合について説明したが、自車両1の位置に応じて枠画像200の表示サイズや、輝度等を変更してもよい。また、自車両1の位置が、区間T1、T2及びT3にある場合に、枠画像200の表示色、表示サイズ及び輝度の少なくとも1つを変更してもよい。
【0048】
停止指示部138には、移動量検出部132が検出した移動量が入力される。また、停止指示部138は、メモリ110に記憶された撮影画像やセンサデータを読み出す。
停止指示部138は、入力された移動量や、撮影画像、センサデータに基づいて、自車両1が、位置検出部136により検出された回避最終位置P3に到達したか否かを判定する。停止指示部138は、自車両1が、位置検出部136により検出された回避最終位置P3に到達した場合に、自車両1の走行を停止させる指示信号を車両制御部70に出力し、表示制御部137に所定の表示を表示させる。また、停止指示部138は、自車両1が、位置検出部136により検出された回避最終位置P3に到達した場合に、スピーカ60から所定の報知音を出力して、運転者に報知する。
【0049】
図11〜
図13は、出庫支援装置100の動作を示すフローチャートである。
図11〜
図13のフローチャートを参照しながら出庫支援装置100の動作を説明する。
まず、出庫支援装置100は、自動出庫を選択する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS1)。出庫支援装置100は、自動出庫を選択する操作を受け付けていない場合(ステップS1/NO)、自動出庫を選択する操作を受け付けるまで処理の開始を待機する。
【0050】
出庫支援装置100は、自動出庫を選択する操作を受け付けた場合(ステップS1/YES)、センサ部20の検出データを取得する(ステップS2)。出庫支援装置100は、取得したセンサ部20の検出データや、メモリ110に記憶させた制御情報に基づいて自車両1の駐車形態を判定する(ステップS3)。また、出庫支援装置100は、取得した検出データに基づいて自車両1の周囲の障害物を検出する(ステップS4)。ステップS4は、本発明の対象検出ステップに相当する。
【0051】
次に、出庫支援装置100は、取得した検出データに基づいて出庫可能方位を検出する(ステップS5)。出庫支援装置100は、自車両1の前方の駐車スペース5Aに他車両3Aが駐車している場合、この他車両3Aに接触せずに駐車スペースから出庫することができる方位を出庫可能方位に設定する。
【0052】
次に、出庫支援装置100は、自車両1の方位を、ステップS5で検出した出庫可能方位に変更する移動経路を生成する(ステップS6)。出庫支援装置100は、生成した移動経路に対応した制御情報を生成し、生成した制御情報を車両制御部70に出力する(ステップS7)。車両制御部70は、出庫支援装置100から入力された制御情報に従い、操舵装置71、駆動装置72、制動装置73及び変速装置74を制御する。これにより自車両1は、移動経路に沿って移動し、自車両1の方位が、ステップS5で検出した出庫可能方位となるように自車両1の向きが変更される。ステップ7は、本発明の移動ステップに相当する。
【0053】
次に、出庫支援装置100は、自車両1の方位が、ステップS5で検出した出庫可能方位に一致したか否かを判定する(ステップS8)。出庫支援装置100は、自車両1の方位が出庫可能方位に一致していない場合(ステップS8/NO)、自車両1の方位が、ステップS5で検出した出庫可能方位に一致するまで待機する。また、出庫支援装置100は、自車両1の方位が、出庫可能方位に一致した場合(ステップS8/YES)、ステップS3で判定した駐車形態が縦列駐車であるか否かを判定する(ステップS9)。
【0054】
出庫支援装置100は、自車両1の駐車形態が縦列駐車ではない場合(ステップS9/NO)、この処理フローを終了させる。また、出庫支援装置100は、自車両1の駐車形態が縦列駐車である場合(ステップS9/YES)、ステップS3及びS4の処理結果に基づき、自車両1の駐車スペース5Bの前方の駐車スペース5Bに、他車両3Aが駐車し、自車両1の右側方の所定範囲に障害物9があるか否かを判定する(ステップS10)。
【0055】
出庫支援装置100は、自車両1の駐車スペース5Bの前方の駐車スペース5Bに、他車両3Aが駐車し、自車両1の右側方の所定範囲に障害物9がある場合(ステップS10/YES)、まず、運転許可位置を算出し、この運転許可位置で自車両1を最小旋回半径rで旋回させた場合の予測旋回位置P2を算出する(ステップS11)。次に、出庫支援装置100は、回避最終位置P3を算出し、この回避最終位置P3で自車両1を最小旋回半径rで旋回させた場合の予測旋回位置P4を算出する(ステップS12)。
【0056】
また、出庫支援装置100は、ステップS10の判定が否定判定の場合(ステップS10/NO)、自車両1の駐車スペース5Bの前方の駐車スペース5Bに、他車両3Aが駐車しているか否かを判定する(ステップS13)。出庫支援装置100は、運転許可位置を算出し、この運転許可位置での予測旋回位置P2を算出する(ステップS14)。
【0057】
また、出庫支援装置100は、ステップS13の判定が否定判定の場合(ステップS13/NO)、自車両1の右側方の所定範囲に障害物9が検出されたか否かを判定する(ステップS15)。出庫支援装置100は、自車両1の右側方の所定範囲に障害物9が検出された場合(ステップS15/YES)、回避最終位置P3を算出し、この回避最終位置P3での予測旋回位置P4を算出する(ステップS16)。また、出庫支援装置100は、自車両1の右側方の所定範囲に障害物9が検出されない場合(ステップS15/NO)、この処理フローを終了させる。
【0058】
次に、ステップS12において、回避最終位置P3を算出し、この回避最終位置P3における予測旋回位置P4を算出した後の出庫支援装置100の動作について、
図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
出庫支援装置100は、クリープ現象によって移動する自車両1が運転許可位置P1に到達したか否かを判定する(ステップS17)。ステップS17は、移動量検出ステップに相当する。出庫支援装置100は、運転許可位置に到達していない場合(ステップS17/NO)、運転許可位置P1に到達するまで待機する。
【0059】
また、出庫支援装置100は、自車両1が運転許可位置P1に到達した場合(ステップS17/YES)、運転許可の案内表示をタッチパネル53に表示させる(ステップS18)。その後、出庫支援装置100は、運転許可位置において自車両1が旋回した場合の予測旋回位置を第1色により表示させる(ステップS19)。第1色には、例えば、緑色が用いられる。
【0060】
次に、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS20)。出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出された場合(ステップS20/YES)、この処理フローを終了する。また、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されない場合(ステップS20/NO)、自車両1の位置が区間T2に移動したか否かを判定する(ステップS21)。出庫支援装置100は、自車両1の位置が区間T2に移動していない場合(ステップS21/NO)、ステップS20の判定に戻る。また、出庫支援装置100は、自車両1の位置が区間T2に移動した場合(ステップS21/YES)、予測旋回位置の表示色を第2色に変更する。第2色には、例えば、黄色が用いられる。
【0061】
次に、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS23)。出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出された場合(ステップS23/YES)、この処理フローを終了する。また、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されない場合(ステップS23/NO)、自車両1の位置が区間T3に移動したか否かを判定する(ステップS24)。出庫支援装置100は、自車両1の位置が区間T3に移動していない場合(ステップS24/NO)、ステップS23の判定に戻る。また、出庫支援装置100は、自車両1の位置が区間T3に移動した場合(ステップS24/YES)、予測旋回位置の表示色を第3色に変更する(ステップS25)。第3色には、例えば、赤色が用いられる。
【0062】
次に、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS26)。出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出された場合(ステップS26/YES)、この処理フローを終了する。また、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されない場合(ステップS26/NO)、自車両1の位置が回避最終位置P3に移動したか否かを判定する(ステップS27)。出庫支援装置100は、自車両1の位置が回避最終位置P3に移動していない場合(ステップS27/NO)、ステップS26の判定に戻る。また、出庫支援装置100は、自車両1の位置が回避最終位置P3に移動した場合(ステップS27/YES)、自車両1を停車させ、警報を出力する(ステップS28)。
【0063】
次に、ステップS14において、運転許可位置P1を算出し、算出した運転許可位置P1での予測旋回位置を算出した後の出庫支援装置100の動作について、
図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。
出庫支援装置100は、クリープ現象によって移動する自車両1が運転許可位置P1に到達したか否かを判定する(ステップS29)。出庫支援装置100は、運転許可位置P1に到達していない場合(ステップS29/NO)、運転許可位置P1に到達するまで待機する。
【0064】
また、出庫支援装置100は、自車両1が運転許可位置P1に到達した場合(ステップS29/YES)、運転許可の案内表示をタッチパネル53に表示させる(ステップS30)。その後、出庫支援装置100は、運転許可位置において自車両1が旋回した場合の予測旋回位置をタッチパネル53に表示させる(ステップS31)。
【0065】
次に、出庫支援装置100は、センサ部20の検出データを取得し、取得した検出データに基づいて障害物を検出する(ステップS32)。出庫支援装置100は、障害物が検出された場合(ステップS32/YES)、クリープ現象による自車両1の移動を停止させる(ステップS33)。また、出庫支援装置100は、障害物が検出されなかった場合(ステップS32/NO)、ステアリングホイールの操作があったか否かを判定する(ステップS34)。出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作がなかった場合(ステップS34/NO)、ステップS32に戻り、障害物を検出する。また、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作があった場合(ステップS34/YES)、この処理フローを終了させる。
【0066】
次に、ステップS16において、回避最終位置P3を算出し、算出した回避最終位置P3での予測旋回位置を算出した後の出庫支援装置100の動作について、
図13に示すフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS13の判定が否定判定の場合、自車両1の前方に他車両3Aが駐車していない。このため、出庫支援装置100は、自車両1が出庫可能方位に向くと、運転許可の案内表示をタッチパネル53に表示させる(ステップS35)。
【0067】
次に、出庫支援装置100は、予測旋回位置を第1色によりタッチパネル53に表示させる(ステップS36)。次に、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS37)。出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出された場合(ステップS37/YES)、この処理フローを終了する。また、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されない場合(ステップS37/NO)、自車両1の位置が区間T2に移動したか否かを判定する(ステップS38)。出庫支援装置100は、自車両1の位置が区間T2に移動していない場合(ステップS38/NO)、ステップS37の判定に戻る。また、出庫支援装置100は、自車両1の位置が区間T2に移動した場合(ステップS38/YES)、予測旋回位置の表示色を第2色に変更する(ステップS39)。
【0068】
次に、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS40)。出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出された場合(ステップS40/YES)、この処理フローを終了する。また、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されない場合(ステップS40/NO)、自車両1の位置が区間T3に移動したか否かを判定する(ステップS41)。出庫支援装置100は、自車両1の位置が区間T3に移動していない場合(ステップS41/NO)、ステップS40の判定に戻る。また、出庫支援装置100は、自車両1の位置が区間T3に移動した場合(ステップS41/YES)、予測旋回位置の表示色を第3色に変更する(ステップS42)。
【0069】
次に、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されたか否かを判定する(ステップS43)。出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出された場合(ステップS43/YES)、この処理フローを終了する。また、出庫支援装置100は、ステアリングホイールの操作が検出されない場合(ステップS43/NO)、自車両1の位置が回避最終位置P3に移動したか否かを判定する(ステップS44)。出庫支援装置100は、自車両1の位置が回避最終位置P3に移動していない場合(ステップS44/NO)、ステップS43の判定に戻る。また、出庫支援装置100は、自車両1の位置が回避最終位置P3に移動した場合(ステップS44/YES)、自車両1を停車させ、警報を出力する(ステップS45)。
【0070】
上述したフローチャートの説明において、ステップS17、S21、S24、S27、29、S38、S41、S44の各ステップは、本発明の移動量検出ステップに相当する。また、上述したフローチャートの説明において、ステップS19、S22、S25、S36、S39、S42の各ステップは、本発明の表示ステップに相当する。
【0071】
以上説明したように本実施形態の車載装置2は、対象検出部131、車両制御部70、移動量検出部132及び表示制御部137を備える。
対象検出部131は、駐車スペースに駐車した自車両1の周囲に存在する検出対象を検出する。
車両制御部70は、自車両1を、駐車スペースに隣接して駐車した他車両3との接触を回避し、駐車スペースに隣接する通行路7に移動可能な出庫位置に移動させる。
移動量検出部132は、出庫位置に移動後の自車両1の移動量を検出する。
表示制御部137は、自車両1のステアリングホイールを手動により操作して自車両1を通行路7と略平行にした場合の自車両1の予測位置を示す枠画像200を、自車両1の位置を示す車両画像300と共に表示部50の表示画面55に表示させる。
表示制御部137は、移動量検出部132により検出される自車両1の移動量に基づいて、表示画面55における枠画像200及び車両画像300の表示位置を変更し、対象検出部131により検出された検出対象と自車両1との距離に基づいて、枠画像200の表示態様を変更する。
従って、検出対象と自車両1との距離に基づいて、枠画像200の表示態様が変更されるので、自動出庫の完了後、運転者に手動運転の好適な開始タイミングを通知することができる。
【0072】
また、表示制御部137は、自車両1が移動を開始する前に、自車両1と検出対象との間を複数区間に分割する。表示制御部137は、移動量検出部132が検出した自車両1の移動量に基づき、自車両1が複数区間のいずれに位置するかを判定し、判定結果に基づいて枠画像200の表示態様を変更する。
従って、分割された複数区間ごとに、枠画像200の表示態様を変更することができる。
【0073】
また、車載装置2は、縦列駐車した状態の自車両1を、自車両1の前方に駐車した他車両3との接触を回避し、直進による移動が可能な出庫位置に移動させる移動経路を生成する経路生成部134を備える。
車両制御部70は、経路生成部134が生成した移動経路に従って車両を移動させる。
移動量検出部132は、自車両1が、移動経路に従った移動を完了した後、自車両1がクリープ現象により直進して移動する移動量を検出する。
従って、自車両1が車両制御部70の制御による移動を完了後、クリープ現象により直進して移動する移動量に対応して、枠画像200及び車両画像300の表示位置を変更することができる。
【0074】
また、車載装置2は、自車両1、移動経路に従った移動の完了後、自車両1を予め設定された旋回半径で、予め設定された旋回角度だけ旋回させても、車両が他車両と接触しない接触回避位置を検出する位置検出部136を備える。
表示制御部137は、自車両1が、接触回避位置に到達すると、枠画像200の表示を開始する。
従って、運転者に、運転を開始させる好適なタイミングを通知することができる。
【0075】
また、車載装置2は、報知動作を行う報知部としてスピーカ60及び表示部50を備える。さらに、車載装置2は、対象検出部131が検出対象として検出した障害物と、自車両1を予め設定された旋回半径で旋回させた場合の旋回後の自車両1の予測位置との距離が設定距離以下の場合、車両制御部70に、自車両1の停止を指示し、スピーカ60及び表示部50に報知動作を実行させる停止指示部138を備える。
従って、旋回後の自車両1の予測位置との距離が設定距離以下の場合に、報知部であるスピーカ60及び表示部50に報知動作を実行させることができる。
【0076】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、対象検出部131が検出する検出対象が障害物9である場合について説明したが、通行路に引かれた白線を検出対象として検出してもよい。この場合、停止指示部138は、自車両1が、旋回動作を行った場合に、検出対象として検出された白線を超えて対向車線にはみ出す場合に、報知部であるスピーカ60及び表示部50に報知動作を行わせる。
【0077】
また、
図1に示す出庫支援装置100のブロックは、本願発明を理解容易にするために、構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、構成要素は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0078】
また、
図1において、出庫支援装置100が、位置検出ユニット10及びセンサ部20の少なくとも一方を一体として備える構成であってもよい。
【0079】
また、本発明の出庫支援方法を、コンピュータを用いて実現する場合、このコンピュータに実行させるプログラムを記録媒体、又はこのプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu−ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、出庫支援装置100が備えるROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
【0080】
また、
図11〜
図13に示すフローチャートの処理単位は、出庫支援装置100の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。出庫支援装置100の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割してもよい。また、出庫支援装置100の処理は、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。