(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-187489(P2021-187489A)
(43)【公開日】2021年12月13日
(54)【発明の名称】卵パックの移載装置
(51)【国際特許分類】
B65B 23/08 20060101AFI20211115BHJP
【FI】
B65B23/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-93847(P2020-93847)
(22)【出願日】2020年5月29日
(71)【出願人】
【識別番号】597017812
【氏名又は名称】株式会社ナベル
(72)【発明者】
【氏名】大島 祥吾
【テーマコード(参考)】
3E043
【Fターム(参考)】
3E043AA02
3E043BA19
3E043DB05
3E043EA03
3E043FA01
3E043GA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動で卵パックを移動式のラックに移載する卵パックの移載装置を提供する。
【解決手段】卵パックPを保持する保持部3と、保持部3を制御する制御部6とを備え、移動式のラックの外部に設けられた一時待機領域から卵パックPを移動式のラックまで移動させる卵パックPの移載装置1であって、制御部6は、保持部3によって卵パックPを一時待機領域から持ち上げ、保持部3に保持された卵パックPを移動式のラック上で解放し、卵パックPを保持していない保持部3を移動式のラック上で移動させ、卵パックPを再び保持部3によって持ち上げて、移動式のラックに設けられた折り畳み式の棚板R1の下方の空間に卵パックPを移動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵パックを保持する保持部と、前記保持部を制御する制御部とを備え、移動式のラックの外部に設けられた一時待機領域から卵パックを移動式のラックまで移動させる卵パックの移載装置であって、
前記制御部は、
前記保持部によって卵パックを前記一時待機領域から持ち上げ、
前記保持部に保持された卵パックを前記移動式のラック上で解放し、
卵パックを保持していない前記保持部を移動式のラック上で移動させ、
前記卵パックを再び前記保持部によって持ち上げて、移動式のラックに設けられた折り畳み式の棚板の下方の空間に卵パックを移動させる、卵パックの移載装置。
【請求項2】
卵パックを保持する保持部と、前記保持部を制御する制御部とを備え、移動式のラックの外部に設けられた一時待機領域から卵パックを移動式のラックまで移動させる卵パックの移載装置であって、
前記制御部は、
前記保持部によって前記一時待機領域の卵パックを第一の態様で保持し、
前記保持部に保持された卵パックを前記移動式のラック上で解放し、
前記第一の態様とは異なる第二の態様で前記保持部によって卵パックを保持して、移動式のラックに設けられた折り畳み式の棚板の下方の空間に卵パックを移動させる、卵パックの移載装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記棚板の下方の空間に卵パックを移動させる際に、卵パックの重心よりも長手方向一端側にずれた場所を前記保持部で保持する、請求項1または2記載の卵パックの移載装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記保持部を備えたロボットヘッドと、前記ロボットヘッドの位置姿勢を変更可能なロボットアームの動きを制御する、請求項1、2または3記載の卵パックの移載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、卵パックを移動式のラックに移載する卵パックの移載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
GPセンターにて卵がパック詰めされた卵パックは、段ボール箱やコンテナに箱詰めされたり、ロールインナーと呼ばれる専用の移動式のラックに載せられたりする。卵パックをロールインナーに収容する装置として、下記特許文献1に記載のものがある。
【0003】
ロールインナーは、複数の棚を備え、各棚に卵パックが積み重ねられた状態で載せられる。この状態で、ロールインナーは移動され、そのまま売り場に陳列が可能である。そのため、ロールインナーは、卵パックの棚からの落下防止のために複雑な形状をしていたり、折り畳み部分があったりする。
【0004】
卵パックは、ロールインナーに複数段に積まれた状態で、GPセンターから売り場へと移動させられる。複数段に積まれた状態での移動に耐えられるように、以下のような特徴がある。まず、ロールインナーは、側面の3方向がフレームで囲まれている。そして、ロールインナーは、出し入れ側にもこぼれ止めが付いている。また、ロールインナーは、棚板を複数枚備え、棚一段あたり4〜6個(4〜6段)の卵パックを積み上げる。そして、卵パックが横方向にずり落ちないように、卵パック自体が、上下に積まれた卵パックの横ずれを抑制できる形状になっている。
【0005】
また、輸送効率を上げるために、以下のような特徴がある。1つ目は、ロールインナーの1段あたり、できるだけ多くの卵パックを積みたい。言い換えれば、フレームの内側ギリギリの場所まで、また、棚板の下方ギリギリの場所まで卵パックを置きたいという要望がある。これには、卵パックを棚に詰めて置き、卵パック同士で拘束し合って卵パックが所定位置から大きく動かないようにすることで、輸送時の卵の割れを防止するという理由もある。さらに、2つ目の特徴は、非使用時にコンパクトに収容できるように、棚板やフレームが折り畳み式になっている点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6684511号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ロールインナーの一番上段の棚板に卵パックを積み込むときは、上方が開放空間となっているため、問題なく積み込むことが可能である。しかしながら、それ以外の棚板に卵パックを積み込むことに対しては、上述した要因が自動化を妨げている。卵パックをロールインナーに収納しようとした場合、卵パックが障害物にあたらないように複雑な動作が必要となったり、折り畳み部分を展開操作したりしなければならない。
【0008】
なお、特許文献1には、アーム先端に吸着部を備えるロボットアームを用いて、複数の卵パックの上面を吸着保持し、棚板上に移送して積んでいくとの記載がある。しかしながら、上述したような障害物を避けるための工夫については一切記載がなく、この点に関する工夫がなければ、自動での卵パックの積み込みは実現不可能である。
【0009】
そこで、本発明は、前記従来技術の課題を解決する卵パックの移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の卵パックの移載装置は、卵パックを保持する保持部と、保持部を制御する制御部とを備え、移動式のラックの外部に設けられた一時待機領域から卵パックを移動式のラックまで移動させる卵パックの移載装置であって、制御部は、保持部によって卵パックを一時待機領域から持ち上げ、保持部に保持された卵パックを移動式のラック上で解放し、卵パックを保持していない保持部を移動式のラック上で移動させ、卵パックを再び保持部によって持ち上げて、移動式のラックに設けられた折り畳み式の棚板の下方の空間に卵パックを移動させる。
【0011】
本発明の他の卵パックの移載装置は、卵パックを保持する保持部と、保持部を制御する制御部とを備え、移動式のラックの外部に設けられた一時待機領域から卵パックを移動式のラックまで移動させる卵パックの移載装置であって、制御部は、保持部によって一時待機領域の卵パックを第一の態様で保持し、保持部に保持された卵パックを移動式のラック上で解放し、第一の態様とは異なる第二の態様で保持部によって卵パックを保持して、移動式のラックに設けられた折り畳み式の棚板の下方の空間に卵パックを移動させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自動で卵パックを移動式のラックに移載する卵パックの移載装置を提供できる。
【0013】
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる卵パックの移載装置を示す側面図。
【
図2】同実施形態の卵パックの移載装置を示す側面図。
【
図3】同実施形態の卵パックの移載装置を用いた収納方法を説明するために拡大して示した側面図。
【
図4】同実施形態の卵パックの移載装置を用いた収納方法を説明するための平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態にかかる卵パックPの移載装置1の一例について、
図1〜
図4を用いて説明する。卵パックPの移載装置1は、搬送されてきた複数の卵パックPを移動式のラック(以下、「ロールインナーR」と記す。)に移載する。
【0016】
ロールインナーRは、複数枚の折り畳み式の棚板R1を備える。棚板R1は、手前側に引き出された使用状態と折り畳まれて奥側に位置する収納状態との間で状態変更可能である。使用状態の各棚板R1の上方には、卵パックPが収納される収納空間R2が形成される。収納空間R2には、卵パックPが上下に積み重ねられる。ロールインナーRは、さらに、棚板R1の周囲に配置されるフレームR3と、棚板R1の側縁に設けられるこぼれ止めと、フレームR3の内側に設けられる棚板受け(図示しない)と、キャスター(図示しない)とを備える。
【0017】
卵パックPは、種々の大きさ、形状のものがある。図では、10個入りのもので、「フラットパック」と呼ばれる蓋P1の天面が平坦な卵パックPを示している。卵パックPは、上面側に突起P2を有する。突起P2は、例えば、天面の各コーナー部分に設けられている。突起P2は、上に積まれた卵パックPの位置ずれを防止する。
【0018】
卵パックPの移載装置1は、保持部3と、制御部6とを備える。具体的には、卵パックPの移載装置1は、保持部3を備えたロボットヘッド2と、ロボットアーム5と、制御部6とを備える。
【0019】
ロボットヘッド2は、保持部3を備える。保持部3は、複数の卵パックPを保持する。保持部3は、例えば、横方向に隣接する3つの卵パックPを保持することができる。保持部3は、1つまたは2つの卵パックPを保持する場合もある。保持部3は、複数の吸着部材4によって構成される。各吸着部材4は、蓋P1が閉じられた卵パックPの天面側を吸着する。各吸着部材4は、真空機構(図示しない)に接続されている。各吸着部材4は、上下方向に伸縮可能な蛇腹構造である。1つの卵パックPにつき、複数個(例えば6つ)の吸着部材4で保持する。なお、吸着部材4の個数や配置方法はどのようなものであってもよい。
【0020】
ロボットアーム5は、ロボットヘッド2の位置姿勢を変更可能なものである。ロボットアーム5は、一時待機領域7とロールインナーRとの間でロボットヘッド2を移動させる。ロボットアーム5は、例えば、6軸垂直多関節ロボット等の、任意に作動する慣用の多関節ロボットが適用される。この他に、ロボットアーム5は、ロボットヘッド2をX軸、Y軸およびZ軸に対して、任意に移動させることができるロボットまたは装置など種々のものを採用できる。なお、一時待機領域7は、搬送装置8の下流側に設けられており、搬送装置8の上流側には、卵をパックに収容する包装装置(図示せず)が配置されている。
【0021】
制御部6は、保持部3を制御する。制御部6は、保持部3を備えたロボットヘッド2と、ロボットヘッド2の位置姿勢を変更可能なロボットアーム5の動きを制御する。制御部6は、CPU、内部メモリ、入出力インターフェース、AD変換部などの専用のコンピュータまたは汎用のコンピュータによって構成される。内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、CPUおよびその周辺機器が協働することによって、制御部6としての機能が発揮される。
【0022】
制御部6は、ロールインナーRに設けられた折り畳み式の棚板R1の下方の空間に、保持部3で保持した卵パックPを移動させる。制御部6は、棚板R1の下方の空間に卵パックPを移動させる際に、卵パックPの重心よりも長手方向一端側にずれた場所にロボットアーム5の先端を位置させて、卵パックPを保持部3で保持する。制御部6は、ロボットヘッド2で保持した卵パックPと障害物との干渉を避けるように卵パックPを移動させる。ここで「障害物」とは、例えば、ロールインナーRに先に積まれた卵パックPや、その卵パックPに設けられた突起P2や、複数個の卵パックPが積み上げられる空間の上方に存在する折り畳まれた状態の棚板R1などである。また、制御部6は、折り畳み式の棚板R1を展開させる。
【0023】
また、制御部6は、保持部3によって卵パックPを一時待機領域7から持ち上げ、保持部3に保持された卵パックPをロールインナーR上で解放し、卵パックPを保持していない保持部3をロールインナーR上で移動させ、卵パックPを再び保持部3によって持ち上げて、ロールインナーRに設けられた折り畳み式の棚板R1の下方の空間に卵パックPを移動させる。また、別の言い方をすれば、制御部6は、保持部3によって一時待機領域7の卵パックPを第一の態様で保持し、保持部3に保持された卵パックPをロールインナーR上で解放し、第一の態様とは異なる第二の態様で保持部3によって卵パックPを保持して、ロールインナーRに設けられた折り畳み式の棚板R1の下方の空間に卵パックPを移動させる。
【0024】
第一の態様は、例えば、保持部3が有する全ての吸着部材4を利用する、保持部3で6個分の卵に対応する部分を吸着する態様である。第一の態様は、例えば、1回の動作で1個、2個または3個の卵パックPを保持部3で保持する。
【0025】
第二の態様は、例えば、保持部3が有する一部の吸着部材4のみを利用する、保持部3で4個分の卵に対応する部分を吸着する態様である。第二の態様では、ロボットヘッド2は、卵パックPを片持ち状態で支持している。第二の態様は、例えば、1回の動作で1個、2個または3個の卵パックPを置き直す。第二の態様は、第一の態様で1回の移載で運ばれる卵パックPの全てを保持部3によって保持する。なお、第二の態様は、第一の態様で1回の移載で運ばれる卵パックPの一部のみを保持部3によって保持してもよい。
【0026】
次に、卵パックPの移載装置1を用いた収納方法の一例について説明する。まず、ロボットヘッド2が届く範囲にロールインナーRを配置する。ロールインナーRは、卵パックPを移載する棚板R1を使用状態にしておき、それよりも上段側の棚板R1は収納状態にしておく。
【0027】
搬送装置8では、上流側から搬送された卵パックPが一時待機領域7に集められる。一時待機領域7に、例えば、3つの卵パックPが集まった状態で、移載動作が開始される。
【0028】
まず、制御部6は、集められた卵パックPの上方にロボットヘッド2を移動させる。その際、制御部6は、卵パックPが保持部3で確実に保持されるようにロボットヘッド2を卵パックPの所定箇所に位置付けて当該卵パックPを保持する。ロボットアーム5の先端およびロボットヘッド2は、卵パックPの上方に位置する。ロボットヘッド2の下面側には、10個入りの卵パックPのうち、長手方向から6個分の卵に対応する部分を卵パックPの上面で吸着する保持部3を備える。
【0029】
制御部6は、保持部3によって卵パックPを一時待機領域7から持ち上げる。言い換えれば、制御部6は、保持部3によって一時待機領域7の卵パックPを第一の態様で保持する。
【0030】
制御部6は、卵パックPを一時待機領域7からロールインナーRまで移動させる。制御部6は、ロボットヘッド2で保持した卵パックPをロールインナーR内の収納空間R2に移動させる。制御部6は、ロボットヘッド2で保持した卵パックPと障害物との干渉を避けるように、卵パックPを移動させる。
【0031】
その後、保持部3に保持された卵パックPをロールインナーR上で解放する。制御部6は、先に積まれた卵パックPの上面に、卵パックPを載置する目標となる位置からずれた位置に、卵パックPを仮置きする。
【0032】
その後、制御部6は、卵パックPを保持していない保持部3をロールインナーR上で移動させる。制御部6は、保持部3を棚板R1から離れる方向に移動させる。そして、制御部6は、卵パックPを再び保持部3によって持ち上げる。言い換えれば、制御部6は、第一の態様とは異なる第二の態様で保持部3によって卵パックPを保持する。なお、第二の態様では、
図3に示すように、卵パックPが傾いていてもよい。すなわち、仮置きから再び持ち上げる際には、卵パックP全体を持ち上げる必要はなく、卵パックPの一部が先に積まれた卵パックPの上面に接していてもよい。このようにして、制御部6は、ロールインナーRに設けられた折り畳み式の棚板R1の下方の空間に卵パックPを移動させる。
【0033】
なお、卵パックPを移動させるロールインナーR内の収納空間R2には、先に積まれた卵パックPの上面と収納状態の棚板R1の下面に囲まれた空間(奥側の空間)が含まれる。
図3に示すように、奥側の空間に卵パックPを移動させる際には、ロボットアーム5の先端およびロボットヘッド2は、奥側のフレームR3から離れた側(手前側)に位置する。そして、卵パックPは、奥側の空間に縦向きに配置される。
【0034】
棚板R1の一段分を移載した後、制御部6は、折り畳み式の棚板R1を展開させる。すなわち、折り畳み式の棚板R1は、卵パックPを移載する際と同じロボットヘッド2を用いて、収納状態から使用状態に展開される。具体的には、制御部6は、保持部3が棚板R1を吸着し、その状態のままロボットヘッド2を手前側に移動させることで、折り畳み式の棚板R1が展開される。収納状態の棚板R1は、下段の収納空間R2の上部の一部分のみを覆う一方、展開された使用状態の棚板R1は、下段の収納空間R2の上部の全体を覆う。
【0035】
以上説明したように、本実施形態にかかる卵パックPの移載装置1は、ロールインナーRの外部に設けられた一時待機領域7から卵パックPをロールインナーRまで移動させる。卵パックPの移載装置1は、保持部3と、制御部6とを備える。保持部3は、卵パックPを保持する。制御部6は、保持部3を制御する。制御部6は、保持部3によって卵パックPを一時待機領域7から持ち上げ、保持部3に保持された卵パックPをロールインナーR上で解放し、卵パックPを保持していない保持部3をロールインナーR上で移動させ、卵パックPを再び保持部3によって持ち上げて、ロールインナーRに設けられた折り畳み式の棚板R1の下方の空間に卵パックPを移動させる。そのため、従来技術の課題を解決して、自動で卵パックPをロールインナーRに移載できる。
【0036】
また、本実施形態にかかる卵パックPの移載装置1は、制御部6は、保持部3によって一時待機領域7の卵パックPを第一の態様で保持し、保持部3に保持された卵パックPをロールインナーR上で解放し、第一の態様とは異なる第二の態様で保持部3によって卵パックPを保持して、ロールインナーRに設けられた折り畳み式の棚板R1の下方の空間に卵パックPを移動させる。そのため、従来技術の課題を解決して、自動で卵パックPをロールインナーRに移載できる。
【0037】
制御部6は、棚板R1の下方の空間に卵パックPを移動させる際に、卵パックPの重心よりも長手方向一端側にずれた場所を保持部3で保持する。そのため、ロールインナーRへの卵パックP積み込みという特殊な状況であっても自動化できる。
【0038】
制御部6は、保持部3を備えたロボットヘッド2と、ロボットヘッド2の位置姿勢を変更可能なロボットアーム5の動きを制御する。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に限られない。
【0040】
移載装置1は、多関節ロボットを利用したものには限られない。
【0041】
保持部3は、吸着タイプのものには限られない。例えば、卵パックPを側方から保持する保持部3であってもよい。また、第一の態様と第二の態様とで、異なるタイプの保持部3を用いてもよい。例えば、第二の態様で用いられる保持部3は、卵パックPを持ち上げなくても、ロールインナーRの奥側まで卵パックPを移動できるものであればよい。
【0042】
卵パックPはフラットパックには限られない。例えば、卵の形状に沿った凹凸が蓋P1に形成されている「レギュラーパック」であってもよい。また、卵パックPは、10個入りのパックに限らない。ロールインナーRへの卵パックPの並べ方は図示したものには限られない。本発明の卵パックの移載装置1による収納方法は、1枚の棚板の最上段への積み込みの際に限られず、棚板上の何段目に適用してもよい。
【0043】
折り畳み式の棚板R1を展開させるステップは、卵パックPを移載するロボットとは異なる装置を用いるなどしてもよい。
【0044】
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、卵パックを移動式のラックに移載する卵パックの移載装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…移載装置
2…ロボットヘッド
3…保持部
5…ロボットアーム
6…制御部
7…一時待機領域
R…ロールインナー(移動式のラック)
P…卵パック