特開2021-187548(P2021-187548A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-187548(P2021-187548A)
(43)【公開日】2021年12月13日
(54)【発明の名称】ゴミ圧縮機用結束紐繰り出し機構
(51)【国際特許分類】
   B65B 13/18 20060101AFI20211115BHJP
   B30B 9/28 20060101ALI20211115BHJP
   B65B 27/12 20060101ALI20211115BHJP
【FI】
   B65B13/18 A
   B30B9/28 B
   B65B27/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2020-110934(P2020-110934)
(22)【出願日】2020年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】591253836
【氏名又は名称】相馬 督
(72)【発明者】
【氏名】相馬 督
【テーマコード(参考)】
3E052
【Fターム(参考)】
3E052AA19
3E052BA16
3E052CA20
3E052CB05
3E052DA07
3E052DB06
3E052HA11
3E052LA06
(57)【要約】
【課題】減容ゴミ袋用結束紐の自動繰り出し機構を提供する。
【解決手段】筐体を設けるとともに該筐体内を昇降する板状の押圧体を設け、該押圧体上面にモーター駆動によって回動する鋼板巻回リールを設け、該鋼板巻回リール上方に結束紐巻回リールを設け、押圧体下面に鋼板ガイド機構部を設けるとともに、筐体内下方に板状の基台を設け、別の鋼板ガイド機構部を基台上面に設け、鋼板巻回リールに巻回されている鋼板端に結束紐着脱手段を設け、以上により、鋼板に固定された結束紐を、鋼板ガイド機構部内を通過する鋼板の繰り出しにて、筐体内に投入された、ゴミを収納してなるゴミ袋の圧縮減容とともに、このゴミ袋の周囲に結束紐をモーター駆動にて巡らせることにより、この結束紐の結びを容易ならしめたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を設けるとともに該筐体内を昇降する板状の押圧体を設け、該押圧体上面にモーター駆動によって回動する鋼板巻回リールを設け、該鋼板巻回リール上方に結束紐巻回リールを設け、押圧体下面に鋼板ガイド機構部を設けるとともに、筐体内下方に板状の基台を設け、別の鋼板ガイド機構部を基台上面に設け、鋼板巻回リールに巻回されている鋼板端に結束紐着脱手段を設け、以上により、鋼板に固定された結束紐を、鋼板ガイド機構部内を通過する鋼板の繰り出しにて、筐体内に投入された、ゴミを収納してなるゴミ袋の圧縮減容とともに、このゴミ袋の周囲に結束紐をモーター駆動にて巡らせることにより、この結束紐の結びを容易ならしめたことを特徴とするゴミ圧縮機用結束紐繰り出し機構。
【請求項2】
モーターと鋼板巻回リールおよび結束紐巻回リールを各々基台下方に位置させてなる請求項1記載のゴミ圧縮機用結束紐繰り出し機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゴミ圧縮機における結束紐の繰り出し機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゴミ処理のためのゴミ圧縮機が多用されているが、結束紐の繰り出しは人力作業にて行われており、本発明にて示すように、この結束紐の繰り出し機構を備えたものは見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ゴミ圧縮機は、筐体内のゴミをプレスして小型化するものであるが、取り扱いの関係上、圧縮したゴミの結束が必要である。つまり、圧縮ゴミの周りに紐を巡らせて後、結束する。
圧縮機内にはロール状の結束紐があるが、現在、使用においては圧縮後のゴミの上面と背面そして底面に人力作業にて結束紐を位置させて結束しており、労力が大きいため、その改善が望まれている。
本発明は以上に鑑み、この結束紐をスイッチ投入で前面に繰り出すことのできる、新規かつ有用なる機構を提供することを目的として発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。すなわち、
筐体を設けるとともに該筐体内を昇降する板状の押圧体を設け、該押圧体上面にモーター駆動によって回動する鋼板巻回リールを設け、該鋼板巻回リール上方に結束紐巻回リールを設け、押圧体下面に鋼板ガイド機構部を設けるとともに、筐体内下方に板状の基台を設け、別の鋼板ガイド機構部を基台上面に設け、鋼板巻回リールに巻回されている鋼板端に結束紐着脱手段を設け、以上により、鋼板に固定された結束紐を、鋼板ガイド機構部内を通過する鋼板の繰り出しにて、筐体内に投入された、ゴミを収納してなるゴミ袋の圧縮減容とともに、このゴミ袋の周囲に結束紐をモーター駆動にて巡らせることにより、この結束紐の結びを容易ならしめる。
本発明は以上の構成よりなるゴミ圧縮機用結束紐繰り出し機構である。
【発明の効果】
【0005】
本発明は下記の効果を有する。
1.モーター駆動にて結束紐を繰り出すことにより、減容されたゴミ袋の上面と背面および下面に結束紐を自動で位置させることができるので、従来法の人力作業に比べて作業労力と時間を大幅に少なくすることができる。
2.繰り出し操作と圧縮操作を同時に行うので、作業時間を短縮することができる。
3.ガイド体を用いることにて、繰り出された鋼板と結束紐を的確に所望の位置へと導くことができる。
4.モーター駆動による繰り出し方式のため、装置制御が容易であり、かつ、コストパフォーマンス的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の内部機構説明図(右側面視)
図2】本発明の押圧機構部の平面図
図3】本発明の押圧機構部の正面図(一部略)
図4】本発明の押圧機構部の右側面図
図5】本発明の鋼板ガイド機構部説明図
図6】本発明に用いる結束紐の固定法説明図
図7】本発明の用いる結束紐の固定法説明図
図8】本発明の用いる結束紐の固定法説明図
図9】本発明の用いる結束紐の固定法説明図
図10】本発明の使用説明図
図11】本発明の他例説明図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の内部構成概略を説明したものである。(側面視)図において、1は筐体、2は該筐体内底部に位置する直方体形状の基台、3は筐体内を昇降する押圧機構部である。
4は直方体形状(板状)の押圧体、5は該押圧体の中央上面に固着立設される主柱、6は押圧体上面に取り付けられる正面視略コ字形の板体で前後開放のカバー、7は鋼板回動機構部で、以下の構成による。
10および11は主軸保持体で、一般的にはピローブロックなどが用いられ、この主軸保持体内に主軸12が回動可能に保持される。13は主軸に固定される鋼板巻回リール、14は鋼板、15は主軸端近傍に挿通固定される従動スプロケットである。
16はモーター、17はモーター軸に固定される駆動スプロケット、18は上記双方のスプロケット間に張設される駆動チェーンである。
【0008】
前記のカバー上面には、結束紐回動機構部20が設けられ、以下の構成による。
21は左方ステーで、側面視コ字形の金属板体で、その前後に貫通する孔を有している。
22は右方ステーで、左方ステーと同一構成である。23は左方ステーの孔に挿入位置する左方軸、24は右報ステーの孔に着脱可能に保持される右方軸である。
25は回動軸で、その両端近傍に貫通孔を有している。この回動軸の一端は前記左方軸にて回動可能に軸支され、他端は右方軸にて軸支もしくは軸支解除が可能である。
この回動軸の左方は大径で、その他は小径となっている。26および27はスリーブで、上記回動軸に挿入される。28は結束紐巻回リールで、上記回動軸に回動可能に設けられる。
【0009】
上記構成から、まず右方軸を右方ステーから取り去り、回動軸を上方へ回動させ、まず一個の結束紐リールを回動軸に沿って下方へ落とし込む。この落とし込んだ結束紐巻回リールは前記した大径部に当接してその位置が定まる。スリーブ26を回動軸に落とし入れてから別の結束紐巻回リールを落とし込む。この落とし込まれた結束紐巻回リールはスリーブに当たってその位置が定まる。以下同様にしてスリーブ27と結束紐巻回リールの位置が定まり、回動軸を水平の初期位置へと戻し、右方軸にてステーに回動軸が固定される。右方軸としては、例えば右方ステーに雌ネジを刻設してここに右方軸としてのボルトを螺着して止めたり、あるいは右方ステーの前後に貫通する孔を設けて、ボルトとナットにて位置固定する方法などがある。
【0010】
30は鋼板ガイド機構部である。31は図5のごとく押圧体下面に設けられる鋼板ガイド収納溝、32は鋼板ガイドで、略コ字形板体の両端をさらに直角に折曲した形状であり、上記収納溝内に適宜手段にて固定される。33は結束紐で、柔軟性と引張強度を有する樹脂製平板状物体で、図のごとく鋼板中央下面に沿ってその先端が鋼板に着脱可能に取り付けられる。なお、前記の基台上面にも同様の鋼板ガイド機構部34が設けられる。
35はガイド体である。このガイド体は図のごとく、筐体の背面方向内面に固定される。
このガイド体の断面は、図1にて示すように、コ字形板体であるが、側面視にてその上下端は湾曲している。
【0011】
図6図7は、鋼板への結束紐の固定方法を示したものである。
図において、40は高摩擦材としての薄ゴムシート、41は薄型のネオジム磁石である。
このゴムシートは略U形に曲げられて、その片面にこのネオジム磁石が4コ固着されている。また、ゴムシートの片面は鋼板14の下面に貼着されており、鋼板とネオジム磁石との間に結束紐が押圧接触している。この状態にて結束紐はゴムシートとネオジム磁石の間にあり、このゴムシートから抜け出ようとすると、強い押圧と摩擦の力に打ち勝つ必要があるために、鋼板に対する結束紐の滑り抜けは防止される。また、図7の状態にて、ゴムシート端をつまんで下方に向けて引き離すことにて、この磁石は結束紐から離れるので、結束紐を自由に差し替えることができる。
【0012】
次ぎに、本発明の作業手順について図10にて説明する。
1.図(a)は初期状態で、押圧体は最上位置である。
鋼板に既述の方法で結束紐をセットする。鋼板ガイド内にその先端が位置する鋼板からゴムシートを垂下させておき、結束紐をリールから引いてこのゴムシートに当接させてゴムシートを鋼板に近づけると磁力にてゴムシートは鋼板に吸い付き、ゴムシートと磁石の間に結束紐が固定される。
2.筐体の前扉を開けて、ゴミが投入されているゴミ袋を入れ、モーターを駆動させると、鋼板は右方へ進み、ガイド体に入り込んで湾曲して少し下方に進みので、この位置にて モーターを停止させる。
3.次ぎに押圧体を下降させてゴミ袋を圧縮減容する。(b)
鋼板は先端部がガイド体内面に、その弾力にて押圧接触しつつガイド体内を下降する。
4.ゴミ袋が圧縮完了となったとき、再びモーターを駆動させると、鋼板はガイド体内をさらに下降してガイド体下部の湾曲部に至り、ここを出て基台のガイド機構部に入ってさらに左方へと進み、この鋼板ガイド機構部を通過して外方に所定距離だけ突出する。
(c)
5.ゴムシートを磁力に逆らって持ち上げて鋼板から結束紐を離脱させ、この結束紐端を引くことにて、結束に適した長さを引き出す。ゴムシートは元に戻して鋼板に磁着。
6.結束紐巻回リールから鋼板ガイド機構部との間の結束紐に指をかけて下方に結束紐を移動させ、適宜長さにてハサミ等でこの箇所の結束紐を切断する。(d)
7.上記の切断した結束紐と、減容後のゴミ袋の下方から引き出した結束紐とを結び、減容後のゴミ袋を筐体から引き出し、所望箇所に移動させる。
8.押圧体を上昇させるとともに、モーター駆動にて鋼板を初期位置へと戻す。
以上が一行程となり、これを反復して次々と圧縮減容を行うことができる。
【0013】
図8図9は、鋼板に結束紐を固定する別法を示すものである。
図において、50は板バネで、略U形であるとともに双方の先端はバネ復元力にて平時は押圧接触しており、その片面は鋼板に固着されている。51は固定体保持部で、図のごとく小径円筒部であって、上記板バネの一部を加工して形成され、対向して一対が設けられる。52は固定体で、略コ字形の弾力線材であり、その両先端は外向け直角に折曲されている。この固定体は先端部近傍は常に開く方向に付勢されている。また、上記の個体体保持部の内方は山形に形成された山形部53を有している。固定体は図のごとくその折曲先端部は固定体保持部内に位置している。
以上の構成から固定体の回動にて、結束紐の保持と保持解除を行うことができる。
【0014】
図は結束紐の保持状態を示している。この状態にて結束紐は板バネの作用で鋼板に押圧接触している。結束紐を外すには、固定体の突出端を指で押し上げると、テコの原理にて板バネ端は下方に向けて開くので、結束紐を外すことができる。固定体は常に外方に向けて付勢力を有し、また固定体保持部には山形部がある。そのために、この固定体は図9の状態にては、この山形部の斜方部に接して、図の状態が付勢保持される。
つまり、固定体がこの山形部を越えるには、固定体の開こうとする付勢力に逆らってこの固定体を回動させねばならず、これは人為的加力によってのみ可能なためである。
また、個体体を回動させて山形部を越えると、図9の仮想線にて示す位置となり、同様にこの状態が保たれる。
【0015】
鋼板は既述のようにガイド体の下方湾曲部より左方移動して鋼板ガイド機構部内の鋼板ガイド内に入り込むのであるが、その箇所のガイドをより正確に行うために、図1にて示すサブガイド60を設けてもよい。このサブガイドは中空変形角錐台形状であって、その入り口サイズはガイド体出口と出口サイズは鋼板ガイドと近似である。
従って、鋼板を確実に鋼板ガイド内へと導くことができる。なお、このサブガイドは、ガイド体に固着させるかまたは適宜支持部材(図示略)にて筐体内面下部に固定される。
【0016】
図11は本発明構成の他例を示すものである。
本例は、モーターおよび各リールを基台下方に位置させたものである。
この基台は筐体下面より上方に位置し、強固な適宜支持部材に固定されている。
使用時は、まず既述のごとく鋼板に結束紐を固定し、基台54に設けた鋼板ガイド内にその先端を位置させた後、モーター駆動にて鋼板を繰り出す。鋼板は鋼板ガイド内を右方移動し、ガイド体56を通過し、サブガイド60により位置調整がなされて押圧体55の鋼板ガイド内に入り、左方移動して押圧体より左方突出する。
これにて圧縮準備が完了する。ゴミ袋を投入し、押圧体は下降を開始してゴミの圧縮減容がなされるが、これと同時にモーターは逆回転して繰り出されている鋼板を必要長さ分だけリールに巻き取る。これは押圧体から突出している鋼板端位置を保つためである。
圧縮が完了すると、結束紐にてゴミ袋を結んでこのゴミ袋を取り出し、押圧体は上昇し、これに対応して再びモーターが駆動して鋼板が繰り出して初期状態となる。
本例は、モーターや各リールの位置変化がないことが特徴であり、諸機能は初例と同様である。なお、モーター位置を仮想線にて示すように筐体内下端としてもよい。(従動スプロケットはカバー外)あるいは、筐体内底より固定台(図示略)を立設して、この固定台にモーターを取り付けてもよい。
【0017】
以上、本発明について記したが本発明は結束紐を圧縮後のゴミ袋の周囲に電動にて巡らす方法のため、すべて人力作業により行う従来法に比べて格段の小労力にて目的を達することができるものである。なお、既述の結束紐は鋼板ガイド内を通る鋼板に固定されて移動するが、押圧体下面および基台上面よりやや内方に位置するために、圧縮減容したゴミ袋表面からの押圧はなく、既述の手段にて鋼板より外すことにて、自由に筐体前方向へ引き出すことができる。また、押圧体の昇降はモーター駆動や油圧駆動など適宜に選択することができ、別設の制御回路やセンサー(図示略)を用いて既述行程を自動化作業とすることができる。
以上のごとく、本発明によって圧縮ゴミの梱包に便利なる機構を得ることができる。
【符号の説明】
【0018】
1 筐体
2 基台
3 押圧機構部
4 押圧体
5 主柱
6 カバー
7 鋼板回動機構部
8 扉
10 主軸保持体
11 主軸保持体
12 主軸
13 鋼板巻回リール
14 鋼板
15 従動スプロケット
16 モーター
17 駆動スプロケット
18 駆動チェーン
20 結束紐回動機構部
21 左方ステー
22 右方ステー
23 左方軸
24 右方軸
25 回動軸
26 スリーブ
27 スリーブ
28 結束紐巻回リール
30 鋼板ガイド機構部
31 鋼板ガイド収納溝
32 鋼板ガイド
33 結束紐
34 鋼板ガイド機構部
35 ガイド体
40 薄ゴムシート
41 ネオジム磁石
50 板バネ
51 固定体保持部
52 固定体
53 山形部
54 基台
55 押圧体
56 ガイド体
60 サブガイド
61 ゴミ袋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11