【解決手段】作業車において、走行速度センサにより検出される車体の走行速度が所定速度以下である場合に、表示装置は、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、円表示画像130と、角度表示画像140と、張り出し範囲表示画像150とが合成された周囲合成画像110を表示し、PTO操作レバーからオン操作信号が入力されてパワーテイクオフ機構が作動状態であることが検出された場合に、表示装置は、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、アウトリガイメージ画像と、作業範囲イメージ画像とが合成されたイメージ合成画像を表示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来においては、作業車の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを判断することは難しかった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、作業車の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能な作業車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的達成のため、第1の本発明に係る作業車(例えば、実施形態における高所作業車1)は、エンジンの駆動力を用いて走行可能な車体と、前記車体上に設けられた作業装置(例えば、実施形態におけるブーム30および作業台40)と、前記エンジンの駆動力を前記作業装置の駆動用に取り出すパワーテイクオフ機構と、前記車体の周囲の画像情報を取得するカメラと、前記カメラにより取得された前記車体の周囲の画像情報を用いて、前記車体の周囲を示す周囲表示画像に、前記車体に関連する情報を合成した周囲合成画像を生成する画像処理部と、前記周囲合成画像を表示する表示装置と、前記パワーテイクオフ機構の作動状態を検出するパワーテイクオフ検出器(例えば、実施形態におけるPTO操作レバー75)とを備え、前記パワーテイクオフ検出器により前記パワーテイクオフ機構が作動状態であることが検出された場合に、前記表示装置が前記周囲合成画像を表示する。
【0007】
第2の本発明に係る作業車(例えば、実施形態における高所作業車1)は、走行可能な車体と、前記車体上に設けられた作業装置(例えば、実施形態におけるブーム30および作業台40)と、前記車体の周囲の画像情報を取得するカメラと、前記カメラにより取得された前記車体の周囲の画像情報を用いて、前記車体の周囲を示す周囲表示画像に、前記車体に関連する情報を合成した周囲合成画像を生成する画像処理部と、前記周囲合成画像を表示する表示装置と、前記車体の走行速度を検出する速度検出器(例えば、実施形態における走行速度センサ88)を備え、前記速度検出器により前記車体の走行速度が所定速度以下であることが検出された場合に、前記表示装置が前記周囲合成画像を表示する。
【0008】
第3の本発明に係る作業車(例えば、実施形態における高所作業車1)は、前後に車輪を有し、前記前後の車輪の少なくとも一方を駆動して走行可能な車体と、前記車体上に設けられた作業装置(例えば、実施形態におけるブーム30および作業台40)と、前記車体の周囲の画像情報を取得するカメラと、前記カメラにより取得された前記車体の周囲の画像情報を用いて、前記車体の周囲を示す周囲表示画像に、前記車体に関連する情報を合成した周囲合成画像を生成する画像処理部と、前記周囲合成画像を表示する表示装置と、前記前後の車輪のうちの少なくともいずれか一方を制動する駐車ブレーキと、前記駐車ブレーキの作動状態を検出する駐車ブレーキ検出器とを備え、前記駐車ブレーキ検出器により前記駐車ブレーキが作動状態であることが検出された場合に、前記表示装置が前記周囲合成画像を表示する。
【0009】
第2および第3の本発明に係る作業車において、前記車体は、エンジンの駆動力を用いて走行可能であり、前記エンジンの駆動力を前記作業装置の駆動用に取り出すパワーテイクオフ機構と、前記パワーテイクオフ機構の作動状態を検出するパワーテイクオフ検出器(例えば、実施形態におけるPTO操作レバー75)と、前記車体の側部に設けられ、前記車体側方へ張り出し可能なアウトリガビーム(例えば、実施形態におけるアウトリガ11)と、前記アウトリガビームの先端部に伸縮自在に設けられ、下方へ伸長して接地した状態で前記車体を支持するジャッキと、前記アウトリガビームの前記車体側方への張り出し量を検出する張り出し量検出器(例えば、実施形態におけるジャッキ張出量センサ85)とを備え、前記作業装置は、前記車体上に起伏および旋回自在に設けられたブームと、前記ブームの先端部に設けられた作業台とを有し、前記画像処理部は、前記張り出し量検出器により検出された前記張り出し量に基づいて、前記周囲表示画像に、前記アウトリガビームを模式的に示すアウトリガイメージ画像、および前記車体の周囲において前記作業台の移動が許容される作業可能範囲を示す作業範囲イメージ画像を合成したイメージ合成画像を生成し、前記パワーテイクオフ検出器により前記パワーテイクオフ機構が作動状態であることが検出された場合に、前記表示装置が前記イメージ合成画像を表示することが好ましい。
【0010】
上述の作業車において、前記作業装置は、前記車体上に起伏および旋回自在に設けられたブームを有し、前記車体に関連する情報は、前記車体における前記ブームの旋回中心から所定距離の半径の円を示す画像情報(例えば、実施形態における円表示画像130の画像情報)を含むことが好ましい。
【0011】
上述の作業車において、前記車体に関連する情報は、前記車体の位置する地面の傾斜角度を示す角度情報(例えば、実施形態における角度表示画像140の画像情報)を含むことが好ましい。
【0012】
上述の作業車において、前記車体の側部に設けられ、前記車体側方へ張り出し可能なアウトリガビーム(例えば、実施形態におけるアウトリガ11)と、前記アウトリガビームの先端部に伸縮自在に設けられ、下方へ伸長して接地した状態で前記車体を支持するジャッキとを備え、前記周囲合成画像は、前記周囲表示画像に、前記アウトリガビームが前記車体側方へ張り出すことが可能な張り出し可能範囲を示す張り出し範囲表示画像(例えば、実施形態における張り出し範囲表示画像150)をさらに合成して生成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
第1の本発明によれば、パワーテイクオフ検出器によりパワーテイクオフ機構が作動状態であることが検出された場合に、表示装置が周囲合成画像を表示する。周囲合成画像は、車体の周囲を示す周囲表示画像に、車体に関連する情報を合成して生成される。そのた
め、表示装置に表示される周囲合成画像を視認することで、周囲表示画像および車体に関連する情報に基づいて、作業車の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0014】
第2の本発明によれば、速度検出器により車体の走行速度が所定速度以下であることが検出された場合に、表示装置が周囲合成画像を表示する。このようにしても、表示装置に表示される周囲合成画像を視認することで、周囲表示画像および車体に関連する情報に基づいて、作業車の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0015】
第3の本発明によれば、駐車ブレーキ検出器により駐車ブレーキが作動状態であることが検出された場合に、表示装置が周囲合成画像を表示する。このようにしても、表示装置に表示される周囲合成画像を視認することで、周囲表示画像および車体に関連する情報に基づいて、作業車の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0016】
第2および第3の本発明に係る作業車において、パワーテイクオフ検出器によりパワーテイクオフ機構が作動状態であることが検出された場合に、表示装置がイメージ合成画像を表示することが好ましい。イメージ合成画像は、車体の周囲を示す周囲表示画像に、アウトリガイメージ画像および作業範囲イメージ画像を合成して生成される。これにより、車体の周囲を示す周囲表示画像に、アウトリガビームが模式的に示されるため、表示装置に表示されるイメージ合成画像を視認することで、アウトリガビームの張り出しを行う際に、ジャッキが障害物に接触するか否かを容易に判断することができる。そのため、ジャッキを接地させる際の作業効率を向上させることが可能になる。また、車体の周囲を示す周囲表示画像に、作業台の移動が許容される作業可能範囲が示されるため、表示装置に表示されるイメージ合成画像を視認することで、アウトリガビームの張り出しを行う際に、車体の周囲に位置する作業対象物に対して、作業台がアプローチ可能であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0017】
上述の作業車において、車体に関連する情報は、車体におけるブームの旋回中心から所定距離の半径の円を示す画像情報を含むことが好ましい。これにより、車体の周囲を示す周囲表示画像に、車体におけるブームの旋回中心から所定距離の半径の円が示されるため、表示装置に表示される周囲合成画像を視認することで、車体と作業対象物または障害物等との間合いを容易に知ることができる。そのため、作業車の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0018】
上述の作業車において、車体に関連する情報は、車体の位置する地面の傾斜角度を示す角度情報を含むことが好ましい。これにより、車体の周囲を示す周囲表示画像に、車体の位置する地面の傾斜角度が示されるため、表示装置に表示される周囲合成画像を視認することで、車体の位置する地面の傾斜角度を容易に知ることができる。そのため、作業車の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0019】
上述の作業車において、周囲合成画像は、周囲表示画像に、張り出し範囲表示画像をさらに合成して生成されることが好ましい。これにより、車体の周囲を示す周囲表示画像に、アウトリガビームが車体側方へ張り出すことが可能な張り出し可能範囲が示されるため、表示装置に表示される周囲合成画像を視認することで、アウトリガビームが障害物に接触せずに車体側方へ張り出すことが可能な張り出し量を容易に知ることができる。そのため、作業車の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る高所作業車1を
図1〜
図4に示しており、まず、これらの図を参照して高所作業車1の全体構成について説明する。高所作業車1は、
図1に示すように、車体2の前部に運転キャブ7を有し、車体2の前後左右に配設された車輪3により走行可能なトラック式車両をベースに構成されている。
【0022】
車体2の前後左右には、高所作業時に車体2を持ち上げ支持するアウトリガジャッキ10が設けられている。アウトリガジャッキ10は、
図2および
図4に示すように、車体2の左右方向(車幅方向)に伸縮可能なアウトリガ(アウトリガビーム)11と、アウトリガ11の先端部に設けられて上下方向に伸縮可能なジャッキ12と、ジャッキ12の下端部に取り付けられた接地板13とを有して構成される。アウトリガ11は、該アウトリガ11の内部に設けられたアウトリガシリンダ15(
図5を参照)により左右方向(車幅方向)に伸縮作動可能に構成されている。ジャッキ12は、該ジャッキ12の内部に設けられたジャッキシリンダ16(
図5を参照)により上下方向に伸縮作動可能に構成されている。アウトリガ11を車体2の左右側方に張り出すとともにジャッキ12を伸長させて接地板13を路面(地面)に接地させることにより、車体2が持ち上げ支持され、車両全体を安定させた状態にすることができる。
【0023】
図1および
図2に示すように、車体2における運転キャブ7後方の架装領域には、ブーム旋回モータ24(
図5を参照)により駆動されて上下軸回りに水平旋回動自在に構成された旋回台20が設けられている。この旋回台20から上方に延びた支柱21には、ブーム30の基端部がフートピン22を介して上下方向に揺動自在(起伏自在)に取り付けられている。また、車体2の架装領域の左右には、作業工具や作業機材などを収納するための左側工具収納部26および右側工具収納部27が設けられている。左側工具収納部26は、車体2における架装領域の左側に配設された箱状の左下部工具箱26aと、左下部工具箱26aの上に配設された箱状の左上部工具箱26bとを有する。右側工具収納部27は、車体2における架装領域の右側に配設された箱状の右下部工具箱27aと、右下部工具箱27aの上に配設された箱状の右上部工具箱27bとを有する。
【0024】
ブーム30は、
図1に示すように、旋回台20側から順に、基端ブーム30a、中間ブーム30b、および先端ブーム30cが入れ子式に組み合わされた構成を有しており、その内部に設けられたブーム伸縮シリンダ31(
図5を参照)の伸縮駆動により、ブーム30を軸方向(長手方向)に伸縮動させることができる。また、基端ブーム30aと支柱21との間にはブーム起伏シリンダ23(
図5を参照)が跨設されており、このブーム起伏シリンダ23を伸縮駆動させることにより、ブーム30全体を上下面(垂直面)内で起伏動させることができる。
【0025】
先端ブーム30cの先端部には、垂直ポスト35(
図2を参照)が上下方向に揺動自在に枢支されている。この垂直ポスト35は、先端ブーム30cの先端部との間に跨設された上部レベリングシリンダ(図示せず)と、基端ブーム30aと支柱21との間に跨設さ
れた下部レベリングシリンダ25とにより、ブーム30の起伏の如何に拘らず常時垂直姿勢に保持されるように揺動制御(レベリング制御)される。垂直ポスト35には、作業者搭乗用の作業台40が取り付けられている。作業台40は、垂直ポスト35に設けられた作業台旋回モータ37(
図5を参照)を回転駆動させることにより、垂直ポスト35回りに首振り動(水平旋回動)することができる。
【0026】
図2に示すように、作業台40には、これに搭乗した作業者が操作する操作レバーや操作スイッチ、操作ダイヤル等を備えた上部操作装置45が設けられている。そのため、作業台40に搭乗した作業者は、上部操作装置45を操作することにより、旋回台20の旋回作動(ブーム旋回モータ24の回転作動)、ブーム30の起伏作動(ブーム起伏シリンダ23の伸縮作動)、ブーム30の伸縮作動(ブーム伸縮シリンダ31の伸縮作動)、作業台40の首振り作動(作業台旋回モータ37の回転作動)などの各作動操作を行うことができる。なお、
図4に示すように、車体2の後部には、下部操作装置50が設けられており、地上もしくは車体2上にいる作業者は、上記の作動操作(上部操作装置45と同様な作動操作)や、アウトリガジャッキ10の作動操作などを行うことができるようになっている。
【0027】
上部操作装置45もしくは下部操作装置50が操作されると、
図5に示すように、その操作内容に対応した操作信号が、車体2に設けられたコントロールユニット60に出力される。コントロールユニット60の作動制御部61は、その操作信号に基づいた指令信号を油圧駆動ユニット70に出力するようになっている。油圧駆動ユニット70は、
図5に示すように、作動油を貯留する作動油タンク71と、車体2に搭載されたエンジンEの動力を用いて駆動される油圧ポンプ72と、油圧ポンプ72から吐出される作動油を上記指令信号に基づいた供給方向および供給量で各油圧アクチュエータに供給制御する制御バルブユニット73とを有している。
【0028】
エンジンEの動力を変速して車輪3に伝達するトランスミッションには、エンジンEの駆動力を各油圧アクチュエータの駆動用に取り出すパワーテイクオフ機構PTOが組み込まれている。運転キャブ7内に配設されたPTO操作レバー75がオフ位置からオン位置に操作されると、パワーテイクオフ機構PTOによりエンジンEによる駆動先を車輪3から油圧ポンプ72に切り換えられ、エンジンEの動力により油圧ポンプ72が駆動されるようになっている。制御バルブユニット73は、ブーム旋回モータ24、ブーム起伏シリンダ23、ブーム伸縮シリンダ31、作業台旋回モータ37、アウトリガシリンダ15およびジャッキシリンダ16のそれぞれに対応した電磁比例制御バルブV1〜V6を有している。油圧駆動ユニット70は、コントロールユニット60の作動制御部61からの指令信号に応じて各油圧アクチュエータに供給する作動油の流れを制御して各油圧アクチュエータを作動させる。
【0029】
このように各油圧アクチュエータの作動はコントロールユニット60(作動制御部61)により制御される。そのため、高所作業車1には種々の検出装置が配設されており、それらの検出装置から出力される検出信号がコントロールユニット60に入力されるようになっている。例えば、コントロールユニット60には、ブーム旋回角センサ81からブーム30(旋回台20)の旋回角度に応じた旋回角度検出信号が入力され、ブーム起伏角センサ82からブーム30の起伏角度に応じた起伏角度検出信号が入力され、ブーム長センサ83からブーム30の伸長量に応じた伸長量検出信号が入力され、作業台旋回角センサ84から作業台40の旋回角度に応じた旋回角度検出信号が入力される。また例えば、コントロールユニット60には、ジャッキ張出量センサ85からアウトリガジャッキ10(アウトリガ11)の車体側方への張り出し量に応じた張出量検出信号が入力され、ジャッキ接地センサ86からアウトリガジャッキ10(接地板13)の接地検出信号が入力される。また例えば、コントロールユニット60には、車体傾斜角センサ87から車体2(路
面)の前後および左右方向の傾斜角度に応じた傾斜角度検出信号が入力され、走行速度センサ88から高所作業車1の走行速度に応じた走行速度検出信号が入力される。また例えば、コントロールユニット60には、駐車ブレーキ検出器89から駐車ブレーキ(図示せず)の作動状態に応じた作動状態検出信号が入力される。
【0030】
なお、ジャッキ張出量センサ85は、アウトリガジャッキ10(アウトリガ11)の車幅方向の張り出し量(つまり、車体2に対する左右側方への張り出し量)を4段階で検出する。本実施形態では、上記4段階の張り出し量として、「最小張り出し量(MIN)」、
「中間1張り出し量(MID1)」、「中間2張り出し量(MID2)」、「最大張り出し量(MAX)」が設定されている。なお、最小張り出し量はアウトリガ11の格納状態に対応し
、最大張り出し量はアウトリガ11の最大張り出し状態に対応する。つまり、アウトリガ11の張り出し量は、最小張り出し量<中間1張り出し量<中間2張り出し量<最大張り出し量という順に1段階ずつ増加する。なお、ジャッキ張出量センサ85として、アウトリガ11の張り出し量を段階的に検出する構成に代えて、アウトリガ11の張り出し量を連続的に検出する構成を適用してもよい。
【0031】
本実施形態に係る高所作業車1では、車体2の前後左右にカメラが配設され、各カメラから出力される画像情報がコントロールユニット60に入力されるようになっている。
図1および
図3に示すように、車体2の前部には、フロントカメラ91が配設される。フロントカメラ91は、車体2の前部におけるフロントバンパー28の近傍に、車体2の前方を向いて取り付けられる。フロントカメラ91は、魚眼レンズや超広角レンズ等の画角の広いレンズを備えて構成され、車体2の周囲の前側部分の画像情報を取得し、取得した画像情報をコントロールユニット60へ出力する。
【0032】
図2および
図4に示すように、車体2の後部には、リアカメラ92が配設される。リアカメラ92は、車体2の後部における右側のテールランプ29の近傍に、車体2の後方を向いて取り付けられる。リアカメラ92は、フロントカメラ91と同様に構成され、車体2の周囲の後側部分の画像情報を取得し、取得した画像情報をコントロールユニット60へ出力する。なお、リアカメラ92は、テールランプ29の近傍に限らず、非使用時の下部操作装置50を覆う保護カバー(図示せず)に取り付けられてもよく、ブーム30の基端部や旋回台20の後部に取り付けられてもよい。リアカメラ92がブーム30の基端部や旋回台20の後部に取り付けられる場合、リアカメラ92から延びるケーブルが、旋回台20に設けられたスリップリング(図示せず)に挿通されるようにしてもよい。またこの場合、リアカメラ92から出力される画像情報が、無線通信によりコントロールユニット60へ送信されるようにしてもよい。
【0033】
図2および
図4に示すように、車体2の左側部には、左サイドカメラ93が配設される。左サイドカメラ93は、車体2の左側部における左側工具収納部26(左上部工具箱26b)の上端部に、車体2の左方を向いて取り付けられる。左サイドカメラ93は、フロントカメラ91と同様に構成され、車体2の周囲の左側部分の画像情報を取得し、取得した画像情報をコントロールユニット60へ出力する。車体2の右側部には、右サイドカメラ94が配設される。右サイドカメラ94は、車体2の右側部における右側工具収納部27(右上部工具箱27b)の上端部に、車体2の右方を向いて取り付けられる。右サイドカメラ94は、フロントカメラ91と同様に構成され、車体2の周囲の右側部分の画像情報を取得し、取得した画像情報をコントロールユニット60へ出力する。なお、左サイドカメラ93は、左側工具収納部26の上端部に限らず、運転キャブ7の上部左側に取り付けられてもよい。また、右サイドカメラ94は、右側工具収納部27の上端部に限らず、運転キャブ7の上部右側に取り付けられてもよい。
【0034】
また、本実施形態に係る高所作業車1には、複数の表示装置が設けられている。車体2
における運転キャブ7内に、運転キャブ側表示装置101(
図5を参照)が配設される。運転キャブ7内で高所作業車1の運転操作を行う作業者は、運転キャブ側表示装置101に表示される画像を視認することができるようになっている。運転キャブ側表示装置101は、例えば液晶ディスプレイ等を用いて構成され、コントロールユニット60の画像処理部65により生成された画像を表示することができる。
【0035】
車体2における下部操作装置50の近傍に、下部表示装置102(
図5を参照)が配設される。下部操作装置50を操作する作業者は、下部表示装置102に表示される画像を視認することができるようになっている。下部表示装置102は、例えば液晶ディスプレイ等を用いて構成され、コントロールユニット60の画像処理部65により生成された画像を表示することができる。
【0036】
作業台40における上部操作装置45の近傍に、上部表示装置103(
図5を参照)が配設される。上部操作装置45を操作する作業者は、上部表示装置103に表示される画像を視認することができるようになっている。上部表示装置103は、例えば液晶ディスプレイ等を用いて構成され、コントロールユニット60の画像処理部65により生成された画像を表示することができる。
【0037】
コントロールユニット60は、
図5に示すように、前述の作動制御部61と、作業範囲設定部63と、画像処理部65とを有している。作業範囲設定部63には、車体2を転倒させることなくブーム30の先端部(作業台40)を移動させることのできる領域として定められた作業可能範囲のデータが記憶されている。また、作業範囲設定部63には、アウトリガジャッキ10(アウトリガ11)の4段階の張り出し量のそれぞれに対応する作業可能範囲のデータが記憶されている。作業範囲設定部63は、ジャッキ張出量センサ85から入力された張出量検出信号に基づいて、作業可能範囲のデータ群の中から現在のアウトリガ11の張り出し量に応じた作業可能範囲のデータを読み出す。そして、作業範囲設定部63は、作業可能範囲のデータ群の中からアウトリガ11の張り出し量に応じて読み出された作業可能範囲のデータを、現在のアウトリガ11の張り出し量により許容できるブーム30の先端部の移動可能領域として設定する。
【0038】
なお、図示を省略するが、作業可能範囲(移動可能領域)の外縁は、ブーム30の長さが取り得る範囲とブーム30の起伏角度が取り得る範囲との関係により構造上設定される外縁(作動限界線)と、構造上はブーム30の先端部を移動させ得るが、転倒モーメントが過大となるのを未然に防止する観点からブーム30の先端部の移動を禁止せざる得ない限界線として設定される外縁(規制限界線)とからなる。以下では、作業可能範囲の外縁として、作動限界線と規制限界線とを区別せずに、「限界線」と称する。
【0039】
画像処理部65には、フロントカメラ91、リアカメラ92、左サイドカメラ93、および右サイドカメラ94からの画像情報と、ジャッキ張出量センサ85からの張出量検出信号と、車体傾斜角センサ87からの傾斜角度検出信号と、走行速度センサ88からの走行速度検出信号と、PTO操作レバー75からの操作信号とが入力される。また、画像処理部65には、簡略化された平面視での高所作業車1の画像情報が予め記憶されている。
【0040】
画像処理部65は、走行速度センサ88により検出される車体2(すなわち、高所作業車1)の走行速度が所定速度以下である場合に、
図6に示すような周囲合成画像110を生成する。なお、所定速度は、例えば徐行速度、すなわち車体2が直ちに停車することができるような速度である。また、所定速度は、車体2が停車した状態の速度(すなわち零)であってもよい。周囲合成画像110は、周囲表示画像120に、円表示画像130と、角度表示画像140と、張り出し範囲表示画像150とを重ねて合成した画像である。周囲表示画像120は、
図6に示すように、平面視での車体2(すなわち、高所作業車1
)の周囲を示す。
図6の例では、作業対象物である電柱WKの近傍の場所に、高所作業車1が停車している場合を示す。なお、電柱WKは、障害物であるガードレールGRの近傍に立設されている。
図6に示す周囲表示画像120では、平面視での車体2における旋回台20(ブーム30)の旋回中心Cが表示される。この旋回中心Cの画像情報は、平面視での高所作業車1の画像情報として予め画像処理部65に記憶されている。
【0041】
円表示画像130は、
図6の破線で示すように、車体2におけるブーム30の旋回中心Cから所定距離の半径の円を示す。なお、所定距離は、旋回中心Cから車体2の近傍までの距離である。例えば、円表示画像130における第1の円131の半径は、旋回中心Cから車体2の側方1mまでの距離の半径に設定される。また例えば、円表示画像130における第2の円132の半径は、第1の円131の半径よりも大きく、旋回中心Cから車体2の側方3mまでの距離の半径に設定される。角度表示画像140は、
図6の破線の囲み枠で示すように、周囲表示画像120の左上部において、車体2の位置する路面(地面)の前後方向の傾斜角度を示す。張り出し範囲表示画像150は、
図6の破線で示すように、アウトリガ11が車体2の左右側方へ張り出すことが可能な張り出し可能範囲を示す。
図6の例では、具体的な張り出し可能範囲として、前述の4段階の張り出し量に応じた平面視でのアウトリガ11のイメージを示す。なお、円表示画像130に関する画像情報と、張り出し範囲表示画像150に関する画像情報は、予め画像処理部65に記憶されている。
【0042】
画像処理部65は、フロントカメラ91から入力された車体2の周囲の前側部分の画像情報と、リアカメラ92から入力された車体2の周囲の後側部分の画像情報と、左サイドカメラ93から入力された車体2の周囲の左側部分の画像情報と、右サイドカメラ94から入力された車体2の周囲の右側部分の画像情報と、予め記憶された平面視での高所作業車1の画像情報とを用いて、画像合成や歪み補正などの所定の画像処理を行うことにより、周囲表示画像120を生成する。画像処理部65は、車体傾斜角センサ87から入力された傾斜角度検出信号(すなわち、車体2(路面)の前後方向の傾斜角度)に基づいて、角度表示画像140を生成する。
【0043】
画像処理部65は、生成した周囲表示画像120に、円表示画像130と、角度表示画像140と、張り出し範囲表示画像150とを合成して周囲合成画像110を生成する。画像処理部65は、生成した周囲合成画像110の画像情報を、運転キャブ側表示装置101、下部表示装置102、および上部表示装置103へ出力する。運転キャブ側表示装置101、下部表示装置102、および上部表示装置103は、画像処理部65から入力された画像情報に基づいて周囲合成画像110を表示する。
【0044】
周囲合成画像110において、円表示画像130により、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、車体2におけるブーム30の旋回中心Cから所定距離の半径の第1の円131および第2の円132が示される。例えば、
図6に示す場合、円表示画像130の第1の円131を目安に、車体2が電柱WKまたはガードレールGRに対して近くなりすぎていないか否かを容易に判断することができる。また例えば、円表示画像130の第2の円132を目安に、電柱WKに対して作業台40がアプローチ可能であるか否かを容易に判断することができる。これにより、運転キャブ側表示装置101等に表示される周囲合成画像110を視認することで、車体2と電柱WKまたはガードレールGR等との間合いを容易に知ることができる。そのため、高所作業車1の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0045】
また、周囲合成画像110において、角度表示画像140により、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、車体2の位置する路面(地面)の前後方向の傾斜角度が示される。
図6に示すように、周囲表示画像120は平面視での車体2の周囲を示すた
め、車体2の位置する路面の傾斜角度を感覚的に知ることは難しいが、角度表示画像140により当該傾斜角度を数字的に知ることができる。これにより、運転キャブ側表示装置101等に表示される周囲合成画像110を視認することで、車体2の位置する路面の傾斜角度を容易に知ることができる。そのため、高所作業車1の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0046】
さらに、周囲合成画像110において、張り出し範囲表示画像150により、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、アウトリガ11が車体2の左右側方へ張り出すことが可能な張り出し可能範囲が示される。例えば、
図6に示す場合、車体2の左側のアウトリガ11は、前述の最小張り出し量もしくは中間1張り出し量だけ張り出しても、ガードレールGRに接触しないが、前述の中間2張り出し量もしくは最大張り出し量だけ張り出すと、ガードレールGRに接触することが分かる。一方、車体2の右側のアウトリガ11は、最大張り出し量だけ張り出しても、ガードレールGRに接触しないことが分かる。これにより、運転キャブ側表示装置101等に表示される周囲合成画像110を視認することで、アウトリガ11がガードレールGRに接触せずに車体2の左右側方へ張り出すことが可能な張り出し量を容易に知ることができる。そのため、高所作業車1の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0047】
また、画像処理部65は、PTO操作レバー75からオン操作信号が入力されてパワーテイクオフ機構PTOが作動状態であることが検出された場合に、周囲合成画像110に代えて、
図7に示すようなイメージ合成画像160を生成する。イメージ合成画像160は、前述の周囲表示画像120に、アウトリガイメージ画像170と、作業範囲イメージ画像180とを重ねて合成した画像である。アウトリガイメージ画像170は、
図7の二点鎖線で示すように、平面視でのアウトリガ11を模式的に示す。例えば、アウトリガイメージ画像170は、前述の4段階の張り出し量(もしくは、連続的に変化する張り出し量)に応じた平面視でのアウトリガ11を模式的に示す。
【0048】
作業範囲イメージ画像180は、
図7の二点鎖線で示すように、高所作業車1の周囲において前述の作業可能範囲における限界線181を示す。なお、作業範囲イメージ画像180で示される限界線181は、ブーム30の作業可能半径を全旋回位置(360度)に亘って示した包絡線であり、当該限界線181で囲まれる領域が前述の作業可能範囲を示す。また、作業範囲イメージ画像180で示される限界線181は、ブーム30の先端部(作業台40)が所定の基準高さ(例えば、ブーム30の先端部を移動させ得る最大の高さ)の場合における平面視での限界線を示す。
【0049】
画像処理部65は、周囲合成画像110の場合と同様にして、周囲表示画像120を生成する。画像処理部65は、ジャッキ張出量センサ85から入力された張出量検出信号(すなわち、アウトリガ11の張り出し量)に基づいて、アウトリガイメージ画像170を生成する。また、画像処理部65は、ジャッキ張出量センサ85から入力された張出量検出信号に基づいて、作業範囲設定部63に記憶された作業可能範囲のデータ群の中から、現在のアウトリガ11の張り出し量に応じた作業可能範囲のデータを読み出し、読み出した作業可能範囲における限界線181を示すように設定した作業範囲イメージ画像180を生成する。
【0050】
画像処理部65は、生成した周囲表示画像120に、アウトリガイメージ画像170と、作業範囲イメージ画像180とを合成してイメージ合成画像160を生成する。画像処理部65は、生成したイメージ合成画像160の画像情報を、運転キャブ側表示装置101、下部表示装置102、および上部表示装置103へ出力する。運転キャブ側表示装置101、下部表示装置102、および上部表示装置103は、画像処理部65から入力された画像情報に基づいてイメージ合成画像160を表示する。
【0051】
イメージ合成画像160において、アウトリガイメージ画像170により、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、平面視でのアウトリガ11が模式的に示される。例えば、
図7に示す場合、平面視におけるアウトリガ11の先端部(ジャッキ12)とガードレールGRとの間隔が分かる。これにより、運転キャブ側表示装置101等に表示されるイメージ合成画像160を視認することで、アウトリガ11の張り出しを行う際に、ジャッキ12がガードレールGRに接触するか否かを容易に判断することができる。そのため、ジャッキ12を接地させる際の作業効率を向上させることが可能になる。
【0052】
また、イメージ合成画像160において、作業範囲イメージ画像180により、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、前述の作業可能範囲における限界線181が示される。例えば、
図7に示す限界線181よりも内側、すなわち作業可能範囲の内側に電柱WKが位置する場合、当該電柱WKに対して作業台40がアプローチ可能であることを容易に判断することができる。仮に、
図7に示す限界線181´よりも外側、すなわち作業可能範囲の外側に電柱WKが位置する場合、当該電柱WKに対して作業台40がアプローチ可能ではないことを容易に判断することができる。これにより、運転キャブ側表示装置101等に表示されるイメージ合成画像160を視認することで、アウトリガ11の張り出しを行う際に、車体2の周囲に位置する電柱WKに対して、作業台40がアプローチ可能であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0053】
本実施形態によれば、走行速度センサ88により車体2の走行速度が所定速度以下であることが検出された場合に、運転キャブ側表示装置101等が周囲合成画像110を表示する。周囲合成画像110は、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、車体2に関連する情報を合成して生成される。そのため、運転キャブ側表示装置101等に表示される周囲合成画像110を視認することで、周囲表示画像120および車体2に関連する情報に基づいて、高所作業車1の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0054】
車体2に関連する情報には、円表示画像130の画像情報が含まれる。これにより、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、車体2におけるブーム30の旋回中心Cから所定距離の半径の円(第1の円131および第2の円132)が示されるため、運転キャブ側表示装置101等に表示される周囲合成画像110を視認することで、車体2と作業対象物(電柱WK)または障害物(ガードレールGR)等との間合いを容易に知ることができる。そのため、高所作業車1の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0055】
また、車体2に関連する情報には、角度表示画像140の画像情報(すなわち、車体2の位置する路面(地面)の傾斜角度を示す角度情報)が含まれる。これにより、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、車体2の位置する地面(路面)の傾斜角度が示されるため、運転キャブ側表示装置101等に表示される周囲合成画像110を視認することで、車体2の位置する地面(路面)の傾斜角度を容易に知ることができる。そのため、高所作業車1の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0056】
周囲合成画像110は、周囲表示画像120に、張り出し範囲表示画像150をさらに合成して生成される。これにより、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、アウトリガ11が車体2の左右側方へ張り出すことが可能な張り出し可能範囲が示されるため、運転キャブ側表示装置101等に表示される周囲合成画像110を視認することで、アウトリガ11が障害物(ガードレールGR)に接触せずに車体2の左右側方へ張り出すことが可能な張り出し量を容易に知ることができる。そのため、高所作業車1の停車
する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0057】
また、PTO操作レバー75からオン操作信号が入力されてパワーテイクオフ機構PTOが作動状態であることが検出された場合に、運転キャブ側表示装置101等がイメージ合成画像160を表示する。イメージ合成画像160は、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、アウトリガイメージ画像170および作業範囲イメージ画像180を合成して生成される。これにより、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、平面視でのアウトリガ11が模式的に示されるため、運転キャブ側表示装置101等に表示されるイメージ合成画像160を視認することで、アウトリガ11の張り出しを行う際に、ジャッキ12がガードレールGRに接触するか否かを容易に判断することができる。そのため、ジャッキ12を接地させる際の作業効率を向上させることが可能になる。また、平面視での車体2の周囲を示す周囲表示画像120に、作業台の移動が許容される作業可能範囲が示されるため、運転キャブ側表示装置101等に表示されるイメージ合成画像160を視認することで、アウトリガ11の張り出しを行う際に、車体2の周囲に位置する電柱WK(作業対象物)に対して、作業台40がアプローチ可能であるか否かを容易に判断することが可能になる。
【0058】
上述の実施形態において、円表示画像130は、平面視での車体2におけるブーム30の旋回中心Cから所定距離の半径の2つの円(第1の円131および第2の円132)を示しているが、これに限られるものではない。例えば、円表示画像130は、平面視での車体2におけるブーム30の旋回中心Cから所定距離の半径の1つの円を示してもよく、3つ以上の円を示してもよい。
【0059】
上述の実施形態において、アウトリガイメージ画像170は、アウトリガ11を模式的に示すのみに限らず、例えば、アウトリガ11を模式的に示すのに加えて、アウトリガ11の数値的な張り出し量(最大張り出し量に対する割合:一例として「40%」等)を示すようにしてもよい。
【0060】
上述の実施形態において、作業範囲イメージ画像180は、作業可能範囲における限界線181を示すのみに限らず、例えば、作業可能範囲における限界線181を示すのに加えて、限界線181における前後の円弧部分の数値的な角度範囲(一例として「70°」等)を示すようにしてもよい。
【0061】
上述の実施形態において、画像処理部65は、ジャッキ張出量センサ85から入力された張出量検出信号(すなわち、アウトリガ11の張り出し量)に基づいて、作業範囲設定部63に記憶された作業可能範囲のデータ群の中から、現在のアウトリガ11の張り出し量に応じた作業可能範囲のデータを読み出し、読み出した作業可能範囲における限界線181を示すように設定した作業範囲イメージ画像180を生成しているが、これに限られるものではない。例えば、ジャッキ張出量センサ85として、アウトリガ11の張り出し量を連続的に検出する構成を適用する場合、画像処理部65は、アウトリガ11の4段階の張り出し量に対応する作業可能範囲に基づいて、現在のアウトリガ11の張り出し量から補間等により作業可能範囲を求め、求めた作業可能範囲における限界線181を示すように設定した作業範囲イメージ画像180を生成してもよい。
【0062】
上述の実施形態において、周囲合成画像110は、周囲表示画像120に、円表示画像130と、角度表示画像140と、張り出し範囲表示画像150とを合成して生成されているが、これに限られるものではない。例えば、周囲合成画像110は、周囲表示画像120に、張り出し範囲表示画像150を合成せず、合成円表示画像130と、角度表示画像140とを合成して生成されてもよい。また例えば、周囲合成画像110は、周囲表示画像120に合成円表示画像130のみを合成して生成されてもよく、周囲表示画像12
0に角度表示画像140のみを合成して生成されてもよい。
【0063】
上述の実施形態において、走行速度センサ88により車体2の走行速度が所定速度以下であることが検出された場合に、運転キャブ側表示装置101等が周囲合成画像110を表示しているが、これに限られるものではない。例えば、駐車ブレーキ検出器89により、駐車ブレーキ(図示せず)が後側の車輪3(もしくは前側の車輪3、または前後の車輪3)を制動する作動状態であることが検出された場合に、運転キャブ側表示装置101等が周囲合成画像110を表示してもよい。
【0064】
上述の実施形態において、作業モードと走行モードとに切り替える操作を行うことが可能なモード切替スイッチ(図示せず)が設けられるようにしてもよい。これにより、モード切替スイッチにより作業モードに切り替えられた状態では、走行速度センサ88により車体2の走行速度が所定速度以下であることが検出された場合に、画像処理部65が周囲合成画像110を生成し、運転キャブ側表示装置101等が周囲合成画像110を表示する。そして、モード切替スイッチにより走行モードに切り替えられた状態では、走行速度センサ88により車体2の走行速度が所定速度以下であることが検出された場合に、画像処理部65が周囲表示画像120のみを生成し、運転キャブ側表示装置101等が周囲表示画像120のみを表示するようにしてもよい。
【0065】
上述の実施形態において、走行速度センサ88により車体2の走行速度が所定速度以下であることが検出された場合に、画像処理部65が周囲合成画像110を生成し、PTO操作レバー75からオン操作信号が入力されてパワーテイクオフ機構PTOが作動状態であることが検出された場合に、画像処理部65がイメージ合成画像160を生成しているが、これに限られるものではない。画像処理部65が周囲合成画像110のみを生成し、画像処理部65がイメージ合成画像160を生成しないように構成されてもよい。具体的には、走行速度センサ88により車体2の走行速度が所定速度以下であることが検出された場合に、画像処理部65が周囲合成画像110を生成し、運転キャブ側表示装置101等が周囲合成画像110を表示するのみであってもよい。なお、この変形例においては、パワーテイクオフ機構PTOが設けられていなくてもよい。例えば、パワーテイクオフ機構PTOに限らず、電気モータによって油圧ポンプ72を駆動する電気駆動型の油圧装置を備えた高所作業車であってもよく、エンジンEに限らず、電力を利用して作動する高所作業車であってもよい。また、駐車ブレーキ(図示せず)および駐車ブレーキ検出器89のうち少なくとも駐車ブレーキ検出器89が設けられていなくてもよい。すなわち、走行可能な車体2と、ブーム30および作業台40等の作業装置と、フロントカメラ91等のカメラと、周囲合成画像110を生成する画像処理部65と、運転キャブ側表示装置101等の表示装置と、走行速度センサ88とを備えた作業車であればよい。
【0066】
次に、画像処理部65が周囲合成画像110のみを生成し、画像処理部65がイメージ合成画像160を生成しない構成の第2の変形例について述べる。この第2の変形例では、走行速度センサ88に代え、PTO操作レバー75からオン操作信号が入力されてパワーテイクオフ機構PTOが作動状態であることが検出された場合に、画像処理部65が周囲合成画像110を生成し、運転キャブ側表示装置101等が周囲合成画像110を表示する。このようにしても、運転キャブ側表示装置101等に表示される周囲合成画像110を視認することで、周囲表示画像120および車体2に関連する情報に基づいて、高所作業車1の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。なお、第2の変形例においては、駐車ブレーキ(図示せず)および駐車ブレーキ検出器89のうち少なくとも駐車ブレーキ検出器89が設けられていなくてもよい。また、走行速度センサ88が設けられていなくてもよい。すなわち、エンジンEの駆動力を用いて走行可能な車体2と、ブーム30および作業台40等の作業装置と、フロントカメラ91等のカメラと、周囲合成画像110を生成する画像処理部65と、運転キャブ側表示装
置101等の表示装置と、パワーテイクオフ機構PTOと、PTO操作レバー75とを備えた作業車であればよい。
【0067】
次に、画像処理部65が周囲合成画像110のみを生成し、画像処理部65がイメージ合成画像160を生成しない構成の第3の変形例について述べる。この第3の変形例では、走行速度センサ88(およびPTO操作レバー75)に代え、駐車ブレーキ検出器89により、駐車ブレーキ(図示せず)が作動状態であることが検出された場合に、画像処理部65が周囲合成画像110を生成し、運転キャブ側表示装置101等が周囲合成画像110を表示する。このようにしても、運転キャブ側表示装置101等に表示される周囲合成画像110を視認することで、周囲表示画像120および車体2に関連する情報に基づいて、高所作業車1の停車する場所が作業に適した場所であるか否かを容易に判断することが可能になる。なお、第3の変形例においては、パワーテイクオフ機構PTOが設けられていなくてもよい。例えば、パワーテイクオフ機構PTOに限らず、電気モータによって油圧ポンプ72を駆動する電気駆動型の油圧装置を備えた高所作業車であってもよく、エンジンEに限らず、電力を利用して作動する高所作業車であってもよい。また、走行速度センサ88が設けられていなくてもよい。すなわち、前後の車輪3の少なくとも一方を駆動して走行可能な車体2と、ブーム30および作業台40等の作業装置と、フロントカメラ91等のカメラと、周囲合成画像110を生成する画像処理部65と、運転キャブ側表示装置101等の表示装置と、前後の車輪3のうちの少なくともいずれか一方を制動する駐車ブレーキ(図示せず)と、駐車ブレーキ検出器89とを備えた作業車であればよい。
【0068】
上述の実施形態において、車体2は、前後の車輪3のうち、後側の車輪3を駆動して走行するように構成されてもよく、前側の車輪3を駆動して走行するように構成されてもよく、両側の車輪3を駆動して走行するように構成されてもよい。駐車ブレーキ(図示せず)は、前後の車輪3のうち、後側の車輪3を制動するように構成されてもよく、前側の車輪3を制動するように構成されてもよく、両側の車輪3を制動するように構成されてもよい。
【0069】
上述の実施形態において、伸縮ブーム式の高所作業車を例示して説明したが、これに限られるものではなく、例えば、屈伸ブーム式の高所作業車等でもよく、ブーム30および作業台40等の作業装置を備えた作業車であれば、本発明を適用可能である。
【0070】
上述の実施形態において、作業対象物として、電柱WKを例示したが、これに限られるものではなく、道路トンネル内の構造物でもよく、橋脚でもよい。