【課題】 物品としての包装体、特に、連結片に折癖が生じている連包装体を移送する場合や、軽量な物品を移送する場合において、浮き上がりを防止して確実な搬送を行う状態に移送することが可能な移送装置を提供する。
【解決手段】 移送装置10は、第一の位置P1から第二の位置P2まで物品(包装体YA1)を保持して移動させる保持手段11と、包装体YA1の移送中の一部の期間において包装体YA1の少なくとも一部を所定方向に押さえることが可能な押さえ手段13と、第二の位置P2から下流工程に包装体YA1を搬送する搬送手段15と、搬送手段15に設けられ包装体YA1の一部の移動を規制するガイド手段17と、を有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<全体構成>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る移送装置10について説明する。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。また、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
図1は、本実施形態の移送装置10を示す概要図であり、同図(A)および同図(B)が第一の方向から見た正面図であり、同図(C)が第一の方向に直交する第二の方向から見た側面図であり、同図(D)が第一の方向および第二の方向に直交する第三の方向から見た平面(上面図)である。
【0015】
本実施形態の移送装置10は、上流工程から下流工程に物品を移送する装置であり、保持手段11と、押さえ手段13と、搬送手段15と、ガイド手段17を有する。ここで、本実施形態における方向の定義としては便宜上、第一の方向を搬送手段15における搬送方向Tとし、第二の方向を搬送方向Tに直交する搬送手段15の幅方向(搬送幅方向)Wとし、第三の方向を、搬送方向Tおよび搬送幅方向Wに直交する搬送高さ方向Hとして説明する。ここでは、同図(A),同図(B)は搬送方向Tの下流側から見た正面図であり、同図(C)、同図(D)は図示左側が搬送方向Tの上流側としている。上流工程から供給される連包装体YA1は、保持手段11によって搬送手段15に移載され、搬送手段15によって下流工程に搬送される。
【0016】
図2を参照して本実施形態の移送装置10で移送される物品について説明する。物品は例えば、外形が不安定であったり、薄型および/または軽量の物品である。特に、移載時に浮き上がりが生じる恐れがある物品であり、ここでは一例として連包装体YA1である。連包装体YA1は、熱可塑性樹脂製の包装材によって物品を包装した個包装体YA0(例えば、ピロー包装体、三方シール包装体、四方シール包装体など))を複数連結させたものである。後述するが、本実施形態の連包装体YA1は、多数の個包装体YA0が連結した長尺の多連包装体YA2を所定分割数(この例では3個)毎に切断したものである。なお所定分割数(個包装体YA0の連結数)はここでは3個の場合を例示するが、複数であればこれに限らない。個包装体YA0は、それぞれ連結片CN(例えばシール部)を介して連結された状態となっている。個包装体YA0の被包装物品は例えば、インスタント食品の粉末(液体)調味材料、菓子類、洗剤、薬剤などの固形物、粉末、液状物である。
【0017】
再び
図1を参照して、保持手段11は連包装体YA1(
図2参照)を保持し、少なくとも同図(A)に示す第一の姿勢と同図(B)に示す第二の姿勢に変位可能である。具体的に、保持手段11は例えば、接続部11Aと基部11Bを有し、接続部11Aを介して多関節ロボット(不図示)のアームに取り付けられるエンドエフェクタであり、3次元空間内を自在に移動可能である。これにより、保持手段11は、同図(B)に示す第一の位置P1と同図(B)に示す第二の位置P2の間を移動可能に構成される。第一の位置P1は上流工程から連包装体YA1が供給される供給位置であり、第二の位置P2は、搬送手段15の上流側端部において連包装体YA1を移載するための解放位置である。
【0018】
基部11Bには例えば連包装体YA1と密着して負圧により保持する吸着手段(例えば、吸着パッド)12が設けられる。この例では、吸着手段12は、連包装体YA1の連結方向(個包装体YA0の並び方向、例えば搬送幅方向W)に複数設けられる。より詳細には、連包装体YA1の連結方向の両側が保持可能となるように搬送幅方向W(基部11Bの長手方向)に沿って2個配置される。すなわち、保持手段11(の吸着手段12)は、同図(B)に示す第一の位置(供給位置)P1において連包装体YA1を吸着保持し、同図(A)に示す第二の位置(解放位置)P2に移動して連包装体YA1を解放する。
【0019】
押さえ手段13は、連包装体YA1の移送中の一部の期間において、連包装体YA1の少なくとも一部を所定方向に押さえる、より詳細には、連包装体YA1の少なくとも一部を所定方向に押さえ、搬送面からの浮き上がりを防止可能に構成される。本実施形態では一例として、押さえ手段13は、保持手段11(吸着手段12)と同期して移動する。具体的には、押さえ手段13は、保持手段11の基部11Bに固定されることで、保持手段11と一体的に構成され、保持手段11(吸着手段12)と同期して移動する。押さえ手段13は例えば、所定方向に気体(エア)を噴出可能な噴出手段(ノズル)であり、この例では同図(A),同図(B),同図(D)に示すように吸着手段12に対応してそれぞれの外側に(基部11Bに対して2個)設けられる。押さえ手段(ノズル)13は、所定のタイミングで同図に白抜き矢印で示すようにエアの噴出することで連包装体YA1を所定方向に押さえ、またエアの噴出を停止することで連包装体YA1の押さえを解除する。連包装体YA1を押さえる所定方向とは、連包装体YA1が当接する(略)平坦面に対して略垂直方向である。また、押さえの圧力(エアの噴出圧)は、連包装体YA1の外形状を略平坦に維持する(略平坦になるように変形可能な)程度である。
【0020】
搬送手段15は、解放位置P2で移載された連包装体YA1を下流工程に搬送する手段であり、例えば、同図(A)、同図(C)、同図(D)に示すように、搬送方向Tに延在するスリット15Aが設けられた搬送面15Bと、スリット15Aから搬送高さ方向Hの上方に突出する複数のフィンガー15Cを備えたフィンガーコンベア15である。この例では、スリット15Aは搬送幅方向Wにおいて2列設けられる。
【0021】
また、搬送手段15には、搬送方向Tに沿って延在し、連包装体YA1の一部の浮き上がり(搬送手段15の搬送面からの浮き上がり)を規制するガイド手段17が設けられる。具体的には、ガイド手段17は、連包装体YA1の連結方向(搬送幅方向W)において連包装体YA1の両端部の浮き上がり(移動)を規制するように、この例では2本のスリット15Aの両外側(搬送面15B上の2か所)に配置される。ガイド手段17は、同図(A)に示すように搬送幅方向Wに沿う断面において略コの字状であり、開放部分が互いに対向するように設けられる。また同図(C)に示すように搬送方向Tにおける上流側端部において、上面側が搬送高さ方向Hの上方に開放された受け入ガイド部17Aを有している。ガイド手段17の上流側端部は、搬送手段15の上流側で保持手段11の解放位置P2よりも下流側に位置し、ガイド手段17の下流側端部は、搬送手段15の下流側端部付近である。
【0022】
<移送動作>
図3から
図7を参照して、本実施形態の移送装置10による移送動作について説明する。
図3は、連包装体YA1および供給位置P1付近の概要を示す図である。同図(A)は供給位置P1付近を搬送方向Tの下流側から見た正面図であり、同図(B)は多連包装体YA2の一部拡大図である。同図(A)に示すように、上流工程では、所定分割数(この例では3個)以上の多数個の個包装体YA0が連結した多連包装体YA2の状態で保管等されている。また、多連包装体YA2は、所定数毎に折り畳み、段積みの状態となっている。
【0023】
移送装置10の保持手段11は、供給位置P1において多連包装体YA2のから所定分割数で分割された連包装体YA1を保持する。一例として、鉛直に設けられた支持面S1の表面に吊り下げられた多連包装体YA2の一端部の複数個を保持手段11が保持し、その後不図示の切断手段によって切断することで、供給位置P1において保持手段11が3個の個包装体YA0が連結された連包装体YA1を保持する。その後保持手段11は、矢印で示すように姿勢を変位させ、連包装体YA1を90度回転させて搬送手段15(ここでは不図示)上の解放位置P2に移動させる。
【0024】
このとき、例えば折り畳まれる多連包装体YA2の1段分の包装体YA0の数と、切り出される連包装体YA1の数(所定分割数)によって、1つの連包装体YA1に多連包装体YA2の折り畳み位置(同図(A)の破線丸印で示す)の個包装体YA1が含まれる場合がある。
【0025】
同図(B)は、同図(A)の破線丸印で示す折り畳み位置の個包装体YA0を示す拡大図である。このように折り畳み位置においては、連結片CNに強い折癖Eが生じている。そして切り離された連包装体YA1が、折癖Eの生じた連結片CNを含んでいる場合、保持手段11での保持や、搬送手段15での搬送が確実に行えない問題がある。
【0026】
図4は、比較のために、折癖Eによる不具合の一例を示す図であり、従来の一般的な、フィンガー305を備えたフィンガーコンベア300によって連包装体YA1を搬送する状態を示す。同図(A)が搬送方向Tの下流側から見た正面図であり、同図(B)が平面図である。
【0027】
同図(A)に示すように連包装体YA1が折癖Eの生じた連結片CNを含んでいる場合に、フィンガーコンベア300の上流に載置すると、連包装体YA1の一部が搬送面から浮き上がるなど不安定な状態となる。そして同図(B)に示すように、フィンガー305による押送が確実に行えなくなり、押送中に引っ掛かりが生じたり、フィンガーコンベア300の下流側において良好な受け渡しが行えないなどの問題が起こる場合がある。
【0028】
また、図示は省略するが、フィンガーコンベア303への載置が良好に行えないだけでなく、
図3(A)に示す供給位置P1において連包装体YA1を保持手段11によって保持する場合においても、連包装体YA1の一部に浮きなどが生じることで吸着が確実に行えない恐れもある。
【0029】
なお、
図4(A)においては谷折りの折癖Eによって3連の連包装体YA1の図示右端部が浮き上がる状態を例示しているが、山折りの折癖Eであっても同様の問題が生じる。また、3連に限らず、2連または4連以上の連包装体YA1であっても同様の問題が生じる。
【0030】
そこで本実施形態では、保持手段11に押さえ手段13を設け、また、搬送手段15にガイド手段17を設けることで、連包装体YA1の確実な移送、具体的には、確実に保持した状態での移送や、下流の搬送手段15における搬送を確実に行える状態での移送を可能とした。
【0031】
図5を参照して、供給位置P1における保持動作についてさらに詳細に説明する。同図は、保持動作を時系列で示す図であり、
図3(A)の供給位置P1付近を拡大して示す正面図である。また、以下の例では、連包装体YA1の連結片CNに折癖Eが生じている場合について説明する。なお、同図においては、多連包装体YA2から切断後の連包装体YA1を示しているが、供給位置P1での保持が完了するまで多連包装体YA2から切断されない構成であってもよい。
【0032】
まず、
図5(A)に示すように、例えば略鉛直に設けられた支持面S1の表面に吊り下げられた状態の連包装体YA1(多連包装体YA2の一端部)に対して保持手段11を近接させる。連包装体YA1は、例えば、同図(A)において上方から1個目と2個目の個包装体YA0の連結片CNに折癖Eが生じており、上方から1個目の個包装体YA1の一部が支持面S1から浮き上がるように変形している。保持手段11は連包装体YA1に近接しながら、連包装体YA1の一部に対して押さえ手段13からエアを噴出させる。エアは同図に白抜き矢印で示すように支持面S1に対して垂直な方向に吹き付けられ、これにより連包装体YA1の浮き上がりが押さえられる。
【0033】
そして同図(B)に示すように押さえ手段13からエアを噴出させた状態で、吸着手段12を連包装体YA1に当接させる。吸着手段12を連包装体YA1に当接した後に、押さえ手段13からのエアの噴出を停止する。そして同図(C)に示すように吸着手段12の吸引によって、連包装体YA1を吸着保持する。その後同図(D)に示すように、保持手段11は例えば90度回転して解放位置P2(ここでは不図示)に移動する。押さえ手段13からのエアの噴出は、引き続き停止されている。
【0034】
なお、この例の場合供給位置P1においては折癖Eによって連包装体YA1が変形していたとしても保持手段11によって支持面S1に押さえつけることができるため、押さえ手段13からのエアの噴出は行わなくてもよい。しかしながら、保持手段11(吸着手段12)で吸着する以前に押さえ手段13によって支持面S1に押さえつけることで保持手段11の保持をより確実に行うことができる。
【0035】
図6は、
図5(D)に続くタイミングであり、解放位置P2付近の移送動作を時系列で示す図である。
図6(A)〜同図(E)は、搬送方向T下流側から見た正面図であり、同図(F)〜同図(J)はそれぞれ同図(A)〜同図(E)に対応する搬送幅方向Wから見た側面図である。なお、同図(A)〜同図(C)においてガイド手段17の図示は省略している。また
図7(A)は移送中の搬送手段15の平面図であり、
図7(B)は保持手段11の平面概要図である。
【0036】
図6(A),同図(F)に示すように、保持手段11は解放位置P2まで移動すると、搬送手段15に向かって下降を開始する。このとき押さえ手段13はエアの噴出を停止している。
【0037】
図6(B),同図(G)に示すように、保持手段11が搬送手段15の搬送面15B上に連包装体YA1を当接させた後、押さえ手段13はエアの噴出(白抜き矢印で示す、以下同様)を開始する。これにより、連包装体YA1の両端部はエアにより搬送面15B方向に押さえつけられる。
【0038】
その後、
図6(C),同図(H)に示すようにフィンガー15Cが連包装体YA1の上流側端部に当接し、押送を開始する。このタイミングで吸着手段12は連包装体YA1の吸着を解放する(上方に移動する)。一方、押さえ手段13はエアの噴出を継続する。これにより連包装体YA1は、保持手段11(吸着手段12)とは非接触の状態で搬送面15B方向に押さえつけられながら、フィンガー15Cによって下流方向に押送される。すなわち、連包装体YA1の連結片CNに折癖Eが生じていた場合であっても(同図(A)参照)、さらには保持手段11による保持が解除された後においても、押さえ手段13によって連包装体YA1の一部(ここでは正面図において右端部の個包装体YA0)の浮きが押さえられ、搬送面15Bに沿う略平坦な状態でフィンガー15Cにより確実に押送される。
【0039】
図6(D),同図(I)は、保持手段11(吸着手段12)が連包装体YA1を解放し、供給位置P1に向かう状態を示している。このタイミングにおいて、押さえ手段13はフィンガー15Cが押送する連包装体YA1がガイド手段17に支持されるまで、エアの噴出を継続する。つまり、連包装体YA1は、保持手段11による直接的な保持からは解放される一方、押さえ手段13によって押さえられながら、フィンガー15Cによって押送されてガイド手段17に案内される。ガイド手段17の上流側端部に設けられた受け入ガイド部17Aによって、連包装体YA1の引っ掛かりを回避して、容易にガイド手段17に受け入れることができる。
【0040】
図6(E),同図(J)、
図7(A)に示すように、保持手段11から解放された連包装体YA1はその両端をガイド手段17によって支持されながら、フィンガー15Aによって下流に押送される。
【0041】
このように本実施形態では、搬送手段15上で保持手段11が連包装体YA1の保持を解放する場合、解放の直前(または解放と同時あるいは解放の直後)から押さえ手段13がエアの噴出を開始して連包装体YA1を押さえつける。押さえ手段13は、連包装体YA1がガイド手段17に(完全に)受け入れられるまでエアの噴出による押さえつけを維持する。つまり連包装体YA1は、保持手段11および押さえ手段13によって搬送面15B方向に押さえつけられ、またガイド手段17によって浮き上がり(姿勢の移動(変形))が規制される。つまり、搬送面15B上において連続して(強制的に)略平坦な状態が維持される。したがって、連結片CNに強い折癖Eが生じていた場合であっても、連包装体YA1の一部が浮き上がることを防止できる。したがって、
図7(A)に示すように、フィンガー15Cによる押送を確実に行うことができる。
【0042】
なお、押さえ手段13によるエアの噴出の開始/停止のタイミングは上記の例に限らないが、押さえ手段13は、少なくとも保持手段11が連包装体YA1の保持を解放している期間において、連包装体YA1を押さえることが可能に構成される。また、解放位置P2において保持手段11が連包装体YA1を解放する際に、連包装体YA1を押さえるように構成される。また、押さえ手段13は、少なくとも連包装体YA1がガイド手段17に案内される際に、連包装体YA1を押さえることが可能に構成される。さらに、押さえ手段13は、供給位置P1において保持手段11が連包装体YA1を保持する際に、連包装体YA1を押さえるように構成されると好ましい。なお、押さえ手段13による連包装体YA1の押さえは、折癖Eの有無に限らず常時実行してもよいし、折癖Eが生じている場合にのみ実行するようにしてもよい。
【0043】
上述の実施形態では、保持手段11の基部11Bに吸着手段12および押さえ手段13が固定される構成を例示したが、吸着手段12および/または押さえ手段13は、基部11Bに対して相対的に移動(位置調整)が可能に構成されてもよい。
【0044】
一例として
図7(B)に示すように、保持手段11の基部11Bには、吸着手段12の搬送幅方向Wへの移動(位置調整)を許容する第一開口部11Cを設ける。これにより吸着手段12は、例えば破線丸印で示すように位置調整でき、連包装体YA1の連結数や形状(サイズ)が変化した場合における汎用性を高めることができる。なお、搬送幅方向Wの位置調整に限らず、搬送高さ方向Hの位置調整を可能としてもよい。また、吸着手段12の位置調整は、移送動作の開始前に(メンテナンス、準備として)実行され、移送動作中は移動不可に固定してもよい。あるいは、例えば保持手段11に連包装体YA1の姿勢等を検知するセンサを設けるなどし、移送動作中においても状況に応じて適宜吸着手段12を基部11Bに対して相対的に移動可能になるように構成してもよい。
【0045】
また、例えば保持手段11の基部11Bには、押さえ手段13の搬送幅方向Wへの移動(位置調整)を許容する第二開口部11Dを設ける。これにより押さえ手段13は、例えば破線丸印で示すように位置調整でき、連包装体YA1の連結数や形状(サイズ)が変化した場合における汎用性を高めることができる。なお、搬送幅方向Wの位置調整に限らず、搬送高さ方向Hの位置調整を可能としてもよい。また、押さえ手段13の位置調整は、移送動作の開始前に(メンテナンス、準備として)実行され、移送動作中は移動不可に固定してもよい。つまり、この場合保持手段11と押さえ手段13は一体的に、同期して移動可能に構成される。
【0046】
あるいは、例えば保持手段11に連包装体YA1の姿勢等を検知するセンサを設けるなどし、移送動作中においても状況に応じて適宜押さえ手段13を基部11Bに対して相対的に移動可能になるように構成してもよい。また、上記の例では押さえ手段13は、吸着手段12に対応させて(吸着手段12と同数)設ける場合を示したが、吸着手段12の数と異なってもよい。例えば、同図(B)に示すように第二開口部11D´を設けるなどし、必要に応じて押さえ手段13の数の追加(削除)を許容する構成としてもよい。
【0047】
図8は、本発明の他の形態を示す図であり、解放位置P2において保持手段11が連包装体YA1を解放した状態を示す図である。同図(A)が搬送幅方向Wから見た側面図、同図(B)が搬送方向Tの下流側から見た正面図、同図(C)が平面図である。同図に示すように、連包装体YA1は、複数の個包装体YA0の連結方向が搬送方向Tに揃うように移送される構成であってもよい。
【0048】
さらに、上記の例では保持手段11に押さえ手段13を配置する構成を示したが、押さえ手段13は、上述の移送動作における一部の期間において押さえつけが可能となるように構成されていればよく、保持手段11と押さえ手段13とが別体に構成されてもよい。その場合、押さえ手段13は例えば、吸着手段12(保持手段11)と同期して移動可能に構成されてもよいし、押さえ手段13は、第二の領域P2付近において例えば搬送手段15などに固定されてもよい。
【0049】
また、保持手段11の吸着手段12は、吸着手段12とフィンガー15Cとが干渉しない範囲で、連包装体YA1を吸着した状態で搬送面15B上に当接しておくとよい。
【0050】
また、保持手段11は、連包装体YA1がガイド手段17に完全に受け入れられるまでの間、吸着手段12がフィンガー15Cと干渉しないコンベア上の所定位置で停止して押さえ手段13のエアにより搬送面15B方向に押さえつけるようにしてもよい。
【0051】
また、保持手段11は、吸着手段12に代えて、連包装体YA1を把持する把持手段、または連包装体YA1を挟持する挟持手段を有していてもよい。また、保持手段11は、リンク機構によって移動させてもよい。
【0052】
また、押さえ手段13(ノズル)は、分離して複数個所に設ける構成に限らず、例えば、基部11Bの長手方向に沿って線状に(連包装体YA1の連結方向に渡って線状に)エアを噴出可能に構成してもよい。
【0053】
複数の押さえ手段13は、平面視(
図7(B)に示す平面視)において千鳥状に配置してもよい。
【0054】
押さえ手段13は、エアの噴出手段に限らず、上述のエアの噴出方向およびその逆方向に進退可能な押さえ部材を有し、押さえ部材によって物理的に連包装体YA1の押さえ、および押さえの解除を行う構成であってもよい。
【0055】
また、押さえ手段13は、吸着手段12よりも下流側に配置するとよい。これにより、長い期間、連包装体YA1に向かってエアを噴出することができる。
【0056】
また、連包装体YA1は、多連包装体YA2を所定分割数(この例では3個)毎に切断したものである場合を例示したが、連舗装体YA1は多連包装体YA2から切り出されたものに限らない。すなわち、上流工程において連包装体YA1の製造(包袋)時に所定分割数(例えば3個)の連包装体YA1として完成しているものであってもよい。その場合、連結片CNに折癖Eが生じる可能性は少ないが、本実施形態の移送装置10は折癖Eが生じていない場合であっても、不安定な形状の連包装体YA1を良好に移送することができる。
【0057】
また、多連包装体YA2は、ロール状に巻かれ、湾曲状に巻き癖がついた連包装体YA1であってもよい。
【0058】
また、物品は、連包装体YA1に限らず、他の包装体(例えば、単一の包装体)であってもよい。また別の包装機によって包装した一次包装品を取り置きしておいたものを本実施形態の移送装置10によって搬送手段15に供給してもよい。このとき、取り置きした際に一次包装品に折り癖が生じた場合であっても、搬送手段15で確実に搬送することができる。
【0059】
また、移送装置10で移送する物品は、包装体に限らず、未包装の製品であってもよい。特に物品は、薄型、軽量、柔軟などで浮き上がりが生じやすい製品であると好適であり、例えば、トレーやシート状の部材などであってもよい。
【0060】
薄型、軽量、柔軟などの物品をフィンガーコンベアで搬送する場合、浮き上がりなどによってフィンガーに乗り上げてしまう恐れがあるが、本実施形態によれば浮き上がりを防止して確実に搬送できる状態に移送することができる。
【0061】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0062】
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。