【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開の内容1 令和2年5月12日の読売新聞夕刊第1面に掲載。 公開の内容2 令和2年6月2日の日刊ゲンダイ第9面に掲載。 公開の内容3 令和2年4月21日のテレビ大阪番組「やさしいニュース2」にて紹介。 公開の内容4 令和2年4月22日の朝日放送番組「キャスト」にて紹介。 公開の内容5 令和2年4月22日の読売テレビ番組「ten」にて紹介。 公開の内容6 令和2年5月6日の日本テレビ番組「news every.」にて紹介。 公開の内容7 令和2年5月7日のNHK総合番組「おはよう日本・関西」にて紹介。 公開の内容8 令和2年5月7日の日本テレビ番組「ZIP!」にて紹介。 公開の内容9 令和2年5月13日の読売テレビ番組「情報ライブミヤネ屋」にて紹介。 公開の内容10 令和2年5月13日の毎日放送番組「ちちんぷいぷい&ミント!」にて紹介。 公開の内容11 令和2年5月24日のフジテレビ番組「Mr.サンデー」にて紹介。 公開の内容12 令和2年6月2日のテレビ朝日番組「スーパーJチャンネル」にて紹介。 公開の内容13 令和2年5月1日に一般財団法人住友病院に試作品を無償提供。 公開の内容14 令和2年4月3日に自社ウェブサイトにて紹介。
【解決手段】開きドアの扉面2aに垂直な軸部3aと、扉面2aと平行且つ吊元向きに延在する棹状のレバー部3bとを有するレバーハンドル3に装着され、操作者による開きドアの開扉時にレバーハンドル3を回転させるとともに手前に引く又は向こうに押す操作を行うことができるレバーハンドル操作補助具1であって、レバー部3bの回転向きと反対の向きである反回転向きに面する反回転向き端面6を有するとともに操作者の前腕により操作可能な前腕操作部4を備えることを特徴とする。
内開きドアの扉面に垂直な軸部と、前記扉面と平行且つ吊元向きに延在する棹状のレバー部とを有するレバーハンドルに装着され、操作者による前記開きドアの開扉時に前記レバーハンドルを回転させるとともに手前に引く操作を行うことができるレバーハンドル操作補助具であって、
前記レバー部の回転向きと反対の向きである反回転向きに面する反回転向き端面と、該反回転向き端面から、前記反回転向き且つ前記扉面より離れる向きに延出するフック状体とを有するとともに前記操作者の前腕により操作可能な前腕操作部を備える
ことを特徴とするレバーハンドル操作補助具。
外開きドアの扉面に垂直な軸部と、前記扉面と平行且つ吊元向きに延在する棹状のレバー部とを有するレバーハンドルに装着され、操作者による前記開きドアの開扉時に前記レバーハンドルを回転させるとともに向こうに押す操作を行うことができるレバーハンドル操作補助具であって、
前記レバー部の回転向きと反対の向きである反回転向きに面する反回転向き端面を有するとともに前記操作者の前腕により操作可能な前腕操作部を備える
ことを特徴とするレバーハンドル操作補助具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のレバーハンドル操作補助具は、開きドアを通過する操作者が持ち歩いて使用する。このとき、レバーハンドルのレバー部に直接当接される前記従来のレバーハンドル操作補助具の棒部は、前記レバー部が病原体に汚染されていた場合にこうした病原体が付着されている可能性がある。そのため、前記操作者又は他人が前記棒部に触れてしまうときは、それらの前記操作者らに、前記従来のレバーハンドル操作補助具を介した接触感染が生じる虞がある。
【0008】
また、複数の者が一つの前記従来のレバーハンドル操作補助具を共有する場合、そのうちの一人が病原体に汚染されているときは、前記開きドアの開扉のためにこれらの者が入れ代わり立ち代わりで前記従来のレバーハンドル操作補助具のグリップ部にそれぞれの手指によって触れてしまう。そのため、病原体に汚染されていない者の手指にも病原体が付着して感染が広がる虞がある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑み、操作者が持ち歩くことなく、且つレバーハンドルを操作するために手指以外の部位を用いることのできるレバーハンドル操作補助具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明は内開きドアの扉面に垂直な軸部と、前記扉面と平行且つ吊元向きに延在する棹状のレバー部とを有するレバーハンドルに装着され、操作者による前記開きドアの開扉時に前記レバーハンドルを回転させるとともに手前に引く操作を行うことができるレバーハンドル操作補助具であって、前記レバー部の回転向きと反対の向きである反回転向きに面する反回転向き端面と、該反回転向き端面から、前記反回転向き且つ前記扉面より離れる向きに延出するフック状体とを有するとともに前記操作者の前腕により操作可能な前腕操作部を備えることを特徴とするレバーハンドル操作補助具を提供するものである。
【0011】
すなわち、操作者は吊元の側の手の前腕を、その手の肘が前記吊元の側を向くような略水平の状態にして内開きドアの前に立つ。そして、前記前腕を本発明のレバーハンドル操作補助具の前腕操作部の反回転向き端面の上側且つフック状体の扉面に近い側に載せる。前記内開きドアは前記操作者が立つ位置から見て内開きに開く構造である。
【0012】
その上で、先ず前記操作者は前記前腕を下げることによって、前記反回転向き端面を下向きに押して前記レバーハンドル操作補助具をレバー部の回転向きに押し下げることができる。これに伴い、前記レバーハンドルが回転し、前記開きドアのラッチボルトをストライクから退出させることができる。
【0013】
次に、前記操作者が前記前腕を手前に引くことによって、前記フック状体は前記前腕によって手前向きに押される。これに伴い、前記レバーハンドル操作補助具と一緒に前記レバー部が前記操作者の立つ側に引き寄せられ、前記内開きドアは前記吊元の側を中心に回動して内開きに開く。
【0014】
最後に、前記操作者は前記前腕を持ち上げることによって前記前腕操作部から離すことができる。これに伴い、前記操作者は開かれた前記内開きドアを通過することができる。この間、前記操作者は前記前腕によって前記前腕操作部を操作するだけで前記内開きドアを開けることができ且つ通過することができる。
【0015】
ところで、一般に人が前腕でモノに触って作業等を行うことは少なく、また、前腕で支えてモノを持ち上げることは珍しい。そのため、病原体の接触感染を低減する意識を有している以上、人がわざわざ前腕に病原体を付着させるような動作を行うことは少ない。
【0016】
そして、本発明のレバーハンドル操作補助具によって、操作者はレバーバンドルを操作するために手指以外の部位である前腕を用いる。しかも、用いるのが前腕であるため、他人との間で病原体を付着させ又は付着させられる虞は小さい。
【0017】
さらに、本発明のレバーハンドル操作補助具はレバーハンドルに装着されるため、操作者が持ち歩くことがない。
【0018】
(2)また、前記フック状体は湾曲し、その湾曲内側が凹形状の柱面である凹柱面を形成し、該凹柱面の一部又は全部は前記反回転向き端面と連続するとともに、前記扉面から離れるほど前記反回転向き端面に対して大きく傾斜してもよい。
【0019】
すなわち、凹柱面の一部又は全部が反回転向き端面と連続し且つ傾斜するため、前腕を前腕操作部に載せる際、操作者は前腕を前記湾曲面に沿うように載せることができる。そのため、前記前腕の周囲が前記湾曲面によってホールドされ易く、操作者が前記前腕によって前記反回転向き端面を下向きに押す際、及びフック状体を手前向きに押す際に、前記前腕が加えた力は効率的にレバーハンドル操作補助具に伝わる。
【0020】
これにより、前記操作者はレバーハンドルを操作するために容易に前記前腕を用いることができる。
【0021】
(3)また、外開きドアの扉面に垂直な軸部と、前記扉面と平行且つ吊元向きに延在する棹状のレバー部とを有するレバーハンドルに装着され、操作者による前記開きドアの開扉時に前記レバーハンドルを回転させるとともに向こうに押す操作を行うことができるレバーハンドル操作補助具であって、前記レバー部の回転向きと反対の向きである反回転向きに面する反回転向き端面を有するとともに前記操作者の前腕により操作可能な前腕操作部を備えてもよい。
【0022】
すなわち、操作者は吊元の側の手の前腕を、その手の肘が前記吊元の側を向くような略水平の状態にして外開きドアの前に立つ。そして、前記前腕を本発明のレバーハンドル操作補助具の前腕操作部の反回転向き端面の上側に載せる。前記外開きドアは前記操作者が立つ位置から見て外開きに開く構造である。
【0023】
その上で、先ず前記操作者は前記前腕を下げることによって、前記反回転向き端面を下向きに押して前記レバーハンドル操作補助具をレバー部の回転向きに押し下げることができる。これに伴い、前記レバーハンドルが回転し、前記開きドアのラッチボルトをストライクから退出させることができる。
【0024】
次に、前記操作者が前記前腕を向こうに押すことによって、扉面が前記操作者の進む側に押し出され、前記外開きドアは前記吊元の側を中心に回動して外開きに開く。
【0025】
最後に、前記操作者は前記前腕を持ち上げることによって前記前腕操作部から離すことができる。これに伴い、前記操作者は開かれた前記外開きドアを通過することができる。この間、前記操作者は前記前腕を用いるだけで前記外開きドアを開けることができ且つ通過することができる。
【0026】
こうして、本発明のレバーハンドル操作補助具によって、操作者はレバーバンドルなどを操作するために手指以外の部位である前腕を用いる。しかも、本発明のレバーハンドル操作補助具はレバーハンドルに装着されるため、操作者が持ち歩くことがない。
【0027】
(4)また、前記前腕操作部から前記吊元向きの反対側である反吊元側に張り出す軸カバー部を備え、該軸カバー部が前記軸部の前記反吊元側を囲む位置に配置されるとともに 前記軸カバー部が前記軸部の前記反吊元側に当接するように前記レバーハンドルに装着されてもよい。
【0028】
すなわち、前腕操作部から張り出す軸カバー部が前記軸部の反吊元側に当接するため、操作者が前腕によって前腕操作部を下向きに押してレバーハンドルを回転させるときでも、前記軸部によってレバー部の延在方向における滑りが規制され、前記レバーハンドル操作補助具が吊元向きにずれてしまうことは低減される。
【0029】
これにより、前記操作者はレバーハンドルを操作するために容易に前記前腕を用いることができる。
【0030】
(5)また、前記軸カバー部の内側が前記吊元向きに面する曲面である吊元向き曲面を有し、前記軸カバー部が前記吊元向き曲面において前記軸部の前記反吊元側に当接するように前記レバーハンドルに装着されてもよい。
【0031】
すなわち、軸部によってレバーハンドル操作補助具の滑りが規制されるとき、軸カバー部の内側の吊元向き曲面が前記軸部と当接する。そのため、装着するレバーハンドルの形状が機種、品番等によって異なる場合でも、一種類の前記レバーハンドル操作補助具はこれらの前記レバーハンドルの形状に対応し、前記軸部によって吊元向きにずれてしまうことが低減される。これにより、前記操作者はレバーハンドルを操作するためにより容易に前記前腕を用いることができる。
【0032】
(6)また、前記反回転向き端面は、前記レバー部の延在方向に対して前記吊元の側ほど前記反回転向きに位置するように傾斜して設けられてもよい。
【0033】
すなわち、前記レバーハンドル操作補助具をレバー部の回転向きに押し下げる際、操作者が反回転向き端面の上側に前腕を載せてこの前腕を下げるのに対し、前記反回転向き端面が予め傾斜して設けられていることによって、前記操作者は、より確実にレバーハンドルを回転させることができる。
【0034】
例えば、回転前の前記反回転向き端面がレバー部の延在方向すなわち略水平方向に設けられている場合、前記操作者が前記前腕を下げることによって、前記反回転向き端面は、水平方向に対して吊元の側ほど前記レバー部の回転向きに位置するように傾斜する。これにより、前記操作者が乱暴な操作を行うような際、前記前腕は前記反回転向き端面上を滑って前記吊元の側にずれてしまう虞がある。このとき、前記レバーハンドルの回転が不十分であり、開きドアのラッチボルトを十分にストライクから退出させられない可能性がある。
【0035】
これに対し、前記反回転向き端面が予め傾斜して設けられていることにより、前記操作者が前記前腕を下げることによって前記レバーハンドルが回転し始めた後においても、前記反回転向き端面はなお前記吊元の側ほど前記反回転向きに位置するように傾斜しているか、または、略水平であるために、前記前腕が前記吊元の側にずれてしまう虞は小さい。これにより、前記レバーハンドルの回転が足りないような事態の可能性を低減することができる。
【0036】
こうして、前記操作者は前記レバーハンドルを操作するために容易に前記前腕を用いることができる。
【発明の効果】
【0037】
このように、本発明のレバーハンドル操作補助具は、操作者が持ち歩くことなく、且つレバーハンドルを操作するために手指以外の部位である前腕を用いることができる。そのため、レバーハンドル又はレバーハンドル操作補助具を介した病原体の接触感染が生じる虞が小さい。
【0038】
また、傷病のために手指が麻痺している、手指が欠損しているなどの事情によって手指による前記レバーハンドルの操作を十分に行うことができない操作者が、前腕を用いることによって前記レバーハンドルを操作して開きドアを開くことができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
[第1の実施形態]
図1〜
図11は、本発明の第1の実施形態を例示している。図において1がレバーハンドル操作補助具である。
【0041】
[内開きドア]
レバーハンドル操作補助具1は、操作者Pによる開きドア2の開扉時に、レバーハンドル3を回転させるとともに手前に引く操作を行うことができる。開きドア2を上方から視た
図1(a)及び正面から視た
図1(b)が示すようにレバーハンドル3は開きドア2の扉面2aに垂直な軸部3aと、扉面2aと平行且つ吊元2b向きに延在する棹状のレバー部3bを有する。そして、レバーハンドル操作補助具1は
図1(c)(d)が示すようにレバーハンドル3に装着される。
図1(a)〜(d)において矢印U方向がレバーハンドル操作補助具1の上方を示し、矢印D方向がレバーハンドル操作補助具1の下方を示す。矢印L方向がレバーハンドル操作補助具1の左方を示し、矢印R方向がレバーハンドル操作補助具1の右方を示す。また、矢印F方向がレバーハンドル操作補助具1の前方を示し、矢印B方向がレバーハンドル操作補助具1の後方を示す。他の図も同様に各方向を示す。
【0042】
図1(a)及び(c)には、開きドア2が、操作者Pが扉面2aの前に立つ際に、この操作者Pが立つ位置から見て内開きに開く構造である場合の例が示されている。このように内開きに開く構造である開きドア2を、以下において「内開きドア」と記載することがある。図では上方から視て内開きドア2iが開く向きである内向きを符号PLにより表わす。
【0043】
また、
図1(a)〜(d)は、内開きドア2iが図の右側に吊元2bを有するような右吊元の開きドアである場合の例を示している。すなわち、内開きドア2iは、右側の吊元2bに位置する上下方向の回動軸を中心にして内向きPLに回動して開く構造を有する。
【0044】
レバーハンドル3は内開きドア2iの上下方向の途中位置且つ左右方向の左寄りに配置されている。また、レバーハンドル3は軸部3aから右向き、すなわち吊元2bに近い側の向きに延びるように設けられるレバー部3bを有する。内開きドア2iは簡単に開かないように仮締めされて閉じられている。
【0045】
レバーハンドル3はレバー部3bが押し下げられることにより、軸部3aを中心にして時計向きCLに回転される。このようなレバー部3bの回転可能な、軸部3aの軸心Cを中心とした時計向きCLを以下において「回転向き」と記載することがある。他方で、回転向きの反対の向きであり、軸部3aの軸心Cを中心とした反時計向きUCである向きを以下において「反回転向き」と記載することがある。ただし、レバー部3bは水平方向よりも反時計向きUCに回らないように構成されている。
【0046】
このレバーハンドル3には図示されていないラッチボルトが備えられている。他方で壁には、このラッチボルトと対応する位置に図示されていないストライクが設けられている。そして、ラッチボルトは、レバー部3bを所定の角度まで回転させることによってストライクから退出する。その結果、操作者Pは内開きドア2iを仮締状態から解放することができる。
【0047】
また、レバーハンドル3が左右方向の左寄り、すなわち回動軸である吊元2bよりも遠い側の寄りに配置されている。そのため、てこの原理により、操作者Pは軽い力によってレバーハンドル3を操作して内開きドア2iを回動させることができる。こうして、操作者Pは内開きドア2iを開くことができる。
【0048】
[レバーハンドル操作補助具]
図2(a)はレバーハンドル操作補助具1の正面図を示す。
図2(b)は同じく背面図を示す。
図3(a)及び(b)はそれぞれ同じく左側面図及び右側面図を示す。
図4(a)及び(b)はそれぞれ同じく平面図及び底面図を示す。
図5は同じく斜視図を示す。
【0049】
レバーハンドル操作補助具1は操作者Pの前腕Aにより操作可能な前腕操作部4を備える。前腕Aによる操作の方法は下述する。また、レバーハンドル操作補助具1は前腕操作部4と一体に形成される軸カバー部5を備える。レバーハンドル操作補助具1はポリアミド(PA)の、例えばガラス繊維強化材のような繊維強化材などの合成樹脂により形成される。
【0050】
前腕操作部4は、レバー部3bの回転向きCLと反対の向きである反回転向きUCに面する反回転向き端面6を有する。すなわち、レバーハンドル操作補助具1が
図2(a)、
図3(b)及び
図4(b)の二点鎖線が示すレバーハンドル3に装着され、このレバーハンドル3のレバー部3bが軸部3aの軸心Cを中心に回転向きCLに回転することができるのに対して、前腕操作部4の反回転向き端面6は反回転向きUCを面している。この例においては、反回転向き端面6が水平方向であるので反回転向き端面6が上向きに面している。
図5においては反回転向き端面6を斜めから視た状態が示されている。
【0051】
また、前腕操作部4は反回転向き端面6の上下方向の反対側に、回転向きCLに面する回転向き端面4aを有する。そして、レバーハンドル操作補助具1がレバーハンドル3に装着する状態において回転向き端面4aがレバー部3bの上面に当接し、レバー部3bは、回転向き端面4aによって下方に押され回転向きCLに回転する。
【0052】
さらに前腕操作部4は、
図4(b)が示すように回転向き端面4aから垂下する押し当て板4bを有する。この押し当て板4bは、扉面2aと略平行であり且つ前向きに面する押し当て面4cを有する。そして、レバーハンドル操作補助具1がレバーハンドル3に装着する状態において、レバー部3bは背面が押し当て面4cに押し当てられ、レバーハンドル操作補助具1と共に内開きドア2iを開けるように回動させる。
【0053】
前腕操作部4は、反回転向き端面6から、反回転向きUC且つ前向きに延出するフック状体7を有する。フック状体7は上向きに突出し、
図3(a)(b)が示すように左右方向から視たときに湾曲するフック状に形成される。
【0054】
フック状体7は上で述べたように湾曲し、その湾曲内側が凹形状の柱面である凹柱面7aを形成する。
図3(a)(b)の側面図が示すように凹柱面7aは最上部において扉面2aと平行な平面である。この凹柱面7aは、その最下部において反回転向き端面6と連続する。また、凹柱面7aは、前記最上部を除き、略円柱面であり且つ扉面2aから離れるほど反回転向き端面6に対して大きく傾斜する湾曲面により形成される。
図3(a)(b)は凹柱面7aの傾斜が前側ほど大きく表されている状態を示す。
【0055】
軸カバー部5は、前腕操作部4から吊元2bの向きと反対側である反吊元側に張り出すように設けられる。また、軸カバー部5は前腕操作部4と一体に形成される。この例においては、吊元2bがレバーハンドル3の右側に位置するため、軸カバー部5は前腕操作部4から左向きに張り出して設けられる。
図5においては左向きに突出する軸カバー5を斜めから視た状態が示されている。
【0056】
軸カバー部5の反吊元側の一部は、レバーハンドル操作補助具1がレバーハンドル3に装着された状態において、軸部3aの軸心C周りの部分円筒状に形成される。この部分円筒状の内周面5aは、吊元2bの向きである右向きに面する曲面である吊元向き曲面を形成する。そして、内周面5aは円柱状に形成される軸部3aの反吊元側の外周面3cに当接する。
【0057】
押し当て板4bの回転向け端面4a側の根元には、
図2(a)及び
図4(b)が示すように第1の結束用バンド穴8が穿たれている。4つの第1の結束用バンド穴8は左右方向に一列に並んで配置される。また、各第1の結束用バンド穴8は前記根元を前後方向に貫通している。
【0058】
軸カバー部5の前腕操作部4側の基部には、
図2(a)及び
図4(b)が示すように第2の結束用バンド穴9が穿たれている。第2の結束用バンド穴9は前記基部を前後方向に貫通している。
【0059】
[レバーハンドル操作補助具の取付構造]
図6(a)〜(c)及び
図7(a)〜(c)は内開きドア2iに対してレバーハンドル操作補助具1を装着するための取付構造を示す。
図6(a)〜(c)がレバーハンドル3及びレバーハンドル操作補助具1を正面に対して左下から視た斜視図を示し、
図7(a)〜(c)が同じく右下から視た斜視図を示す。
【0060】
図6(a)及び
図7(a)は扉面2aに設置されたレバーハンドル3を示し、レバーハンドル操作補助具1が装着される前の状態を示す。
図6(b)及び
図7(b)はレバーハンドル3に装着される前のレバーハンドル操作補助具1を示す。
図6(c)及び
図7(c)はレバーハンドル3にレバーハンドル操作補助具1が装着された状態を示す。
【0061】
レバーハンドル操作補助具1は、
図6(b)及び
図7(b)通りの姿勢において軸部3aの左上側から取り付けられる。このとき、前腕操作部4の押し当て板4bがレバー部3bの後側に位置するように配置される。そして、前腕操作部4の回転向き端面4aをレバー部3bの上面に密着させ、軸カバー部5の内周面5aを軸部3aの外周面3cに密着させ、また、前腕操作部4の押し当て面4cをレバー部3bの背面に密着させるような位置に配置する。
【0062】
その上で、複数の結束用バンド10を用いてレバーハンドル操作補助具1をレバー部3bに固定する。結束用バンド10とは一般に配線用のケーブルなどを束ねるために用いられ、幅数mm程度の帯状に形成される合成樹脂製の資材であり、結束バンドとも呼ばれる。
【0063】
4本の結束用バンド10はそれぞれ対応する第1の結束用バンド穴8を通るとともに、レバー部3bと押し当て板4bとを結わえ付けるように締め付けられる。このとき、前腕操作部4の回転向き端面4aに前後方向の結束用ハンド溝4dが凹設されているため、各結束用バンド10がレバー部3bの上側にあるときでも、レバー部3bの上面は回転向き端面4aに密着する状態を維持することができる。
【0064】
また、もう1本の結束用バンド10は第2の結束用ハンド穴9を通るとともに、レバー部3bと軸カバー部5の前腕操作部4側の基部とを結わえ付けるように締め付けられる。
【0065】
こうして、レバーハンドル操作補助具1は、軸部3aに対して内周面5aを密着させ、また、レバー部3bに対して回転向き端面4a及び押し当て版4bをそれぞれ密着させた状態でレバーハンドル3に装着される。
【0066】
以上のような取付構造のため、本発明のレバーハンドル操作補助具1は、レバーハンドル3への装着が容易であり、また、装着後の取外しも容易である。すなわち、レバー部3bが前腕操作部4の押し当て板4bに結束用バンド10によって結わえ付けられる取付構造であり、しかも、押し当て板4bの押し当て面4cよりも前方には他の部材が配置されていないため、レバー部3bと前腕操作部4との固定の作業が容易であるとともに、レバー部3bが前方に膨出するような形状を有するものであっても、レバーハンドル操作補助具1のレバーハンドル3への適用が容易である。例えば、レバー部3bが多少の装飾を施されたような立体的な形状であっても、レバーハンドル操作補助具1を装着することができる。
【0067】
また、結束用バンド10が家庭用の工具のような広く普及された工具によって切断することができるため、レバーハンドル操作補助具1は容易にレバーハンドル3から取り外すことができる。そして、結束用バンド10が一般的に安価な使い捨ての資材であるため、複数回装着及び取外しを繰り返しても経済的な負担は小さい。
【0068】
さらに、軸カバー部5は部分円筒状に形成されるため、簡単に軸部3aに引っ掛けることができる。そのため、レバーハンドル操作補助具1のレバーハンドル3に対する脱着に際して、軸カバー部5は容易に軸部3aに対する取付け及び取外しを行うことができる。
【0069】
また、本発明のレバーハンドル操作補助具1は、前腕操作部4がレバー部3bに固定される取付構造のため、例えば扉面2aのようなレバーハンドル3以外の構造体に接触する必要がない。そのため、レバーハンドル操作補助具1が、
図3(a)及び
図4(a)に示すような扉面2aとの間の前後方向における隙間Gが生じるような寸法を有していれば、レバーハンドル操作補助具1は扉面2aなどの部分に接触することなくレバーハンドル3に装着され、且つ内開きドア2iを開閉する操作を行うことができる。
【0070】
これにより、例えば軸カバー部5の後側端面5bのような部分が扉面2aに当接することがなく、内開きドア2iを開閉する際に扉面2aなどを傷付けてしまうことは生じない。
【0071】
[レバーハンドルの操作]
図8(a)(b)において、操作者Pが吊元2bの側の手の前腕Aを、その手の肘が吊元2bの側を向くような略水平の状態にして内開きドア2iの前に立った状態を示す。
図8(a)がレバーハンドル操作補助具1を右方から視た側面図であり、
図8(b)が同じく左方から視た側面図である。そして、操作者Pは、その前腕Aをレバーハンドル操作補助具1の前腕操作部4の反回転向き端面6の上側且つフック状体7の扉面2aに近い側に載せる。この例においては吊元2bが扉面2aの右側に位置するため、操作者Pは右手の前腕Aを、その肘が右向き且つ略水平の状態にして反回転向き端面5の上側且つフック状体7よりも後側に載せる。
【0072】
その上で、先ず操作者Pは右手の前腕Aを下げることによって、反回転向き端面6を下向きに押してレバーハンドル操作補助具1をレバー部3bの回転向きCLに押し下げることができる。これに伴い、レバーハンドル3が回転し、内開きドア2iのラッチボルトをストライクから退出させることができる。
【0073】
このとき、前腕操作部4から張り出す軸カバー部5が軸部3aの反吊元側である左側に当接するため、操作者Pが右手の前腕Aによって前腕操作部4を下向きに押してレバーハンドル3を回転させるときでも、摩擦力によって前腕Aとともにレバーハンドル操作補助具1が右向きにずれてしまうことは低減される。軸部3aによってレバーハンドル操作補助具1の右向きの滑りが規制されるためずれにくいからである。
【0074】
また、軸カバー部5の反吊元側である左側が部分円筒状に形成されるため、例えば、レバーハンドル操作補助具1が装着されるレバーハンドル3の機種、品番等によって軸部3aの外径、形状等が異なるときでも、この部分円筒状の内周面5aはこれらの違いに対応することができる。そのため、軸部3aの形状が異なる複数のレバーハンドル3に対して、複数種のレバーハンドル操作補助具1を用意する必要がない。こうして、軸部3aによってレバーハンドル操作補助具1が右向きにずれてしまう事態を減らすことができる。
【0075】
これらにより、操作者Pはレバーハンドル3を操作するために容易に前腕Aを用いることができる。
【0076】
次に、
図9(a)(b)において操作者Pが右手の前腕Aを手前に引く状態を示す。
図9(a)は右手の前腕Aが前腕操作部4の反回転向き端面6の上側且つフック状体7の扉面2aに近い側に載せられたままの状態であり、レバーハンドル3が回転し、内開きドア2iのラッチボルトがストライクから退出した状態を表す。また、
図9(b)は操作者Pが前腕Aを手前に引くとともに自ら後退することによりフック状体7が前腕Aによってレバーハンドル操作補助具1の前方に押され、これに伴ってレバー部3bが前方に引き寄せられ、その結果、内開きドア2iが吊元2bの側を中心に回動して内向きPLに開く状態を表す。
【0077】
この間、操作者Pは右手の前腕Aによってレバーハンドル操作補助具1に触れるだけで、いずれの手の手指によってレバーハンドル操作補助具1、内開きドア2i及びレバーハンドル3を触れることがない。
【0078】
最後に、
図10(a)(b)において操作者Pが内開きドア2iを開ききった状態を示す。
図10(a)は内開きドア2iが開ききったところで、操作者Pが右手の前腕Aを持ち上げることによって前腕操作部4から離す状態を表す。また、
図10(b)は操作者Pが内開きドア2iの脇を通って、内開きドア2iを通過する状態を示す。この間も、操作者Pが触れるのは右手の前腕Aだけである。
【0079】
これらの、操作者Pが前腕Aを用いた一連の操作において、フック状体7の凹柱面7aが反回転向き端面6と連続し且つ傾斜した湾曲面を含むため、操作者Pは前腕Aをこの湾曲面に沿うように載せることができる。そのため、前腕Aの周囲がこの湾曲面によってホールドされ易く、操作者Pが前腕Aによって反回転向き端面6を下向きに押す際、フック状体7を前方に押す際等において、前腕Aが加えた力は効率的にレバーハンドル操作補助具1に伝わる。これにより、操作者Pはレバーハンドル3を操作するために容易に前腕Aを用いることができる。
【0080】
また、ここまでに説明した通り、レバーハンドル操作補助具1はレバーハンドル3に装着された状態で用いられ、しかも同じドアを通過する複数者の操作者が入れ代わり立ち代わりに、装着されたままのレバーハンドル操作補助具1をそれぞれの前腕Aを用いて操作する。そのため、これらの操作者らが前腕Aだけを用いる以上は、人の手指がレバーハンドル操作補助具1を触れることによって生じる接触感染の虞はない。
【0081】
なお、内開きドア2i´が
図11(a)(b)に示すように左側に吊元2b´を有する場合も、以上に説明したレバーハンドル操作補助具1´及びレバーハンドル3´の構成について、左右反対の形状、構造等を有する以外は共通する。
図11(a)は内開きドア2i´が左側の吊元2b´に位置する上下方向の回動軸を中心にして内向きPLに回動する状態を表す。また、
図11(b)はレバーハンドル3´が内開きドア2i´の上下方向の途中位置且つ左右方向の右寄りに配置されている。そして、レバーハンドル3´は軸部3a´から左向き、すなわち吊元2b´に近い側の向きに延びるように設けられるレバー部3b´を有する。
【0082】
そして、左右反対の形状及び構造を有するレバーハンドル操作補助具1´がレバーハンドル3´に装着される。例えば、軸カバー5´は前腕操作部4´から吊元2b´の向きと反対である右向きに張り出して設けられる。その上で、操作者Pは吊元2b´の側の手である左手の前腕Aを用いてレバーハンドル操作補助具1´を操作し、内開きドア2i´を開くとともにこの内開きドア2i´を通過することができる。このときも、操作者Pは左手の前腕Aだけを用いることによって操作を行うことができる。
【0083】
[第2の実施形態]
図12〜
図14は本発明の第2の実施形態を例示している。図において11がレバーハンドル操作補助具である。
【0084】
[外開きドア及びレバーハンドル操作補助具]
レバーハンドル操作補助具11は、操作者Pによる開きドア12の開扉時に、レバーハンドル13を回転させるとともに向こうに押す操作を行うことができる。開きドア12を上方から視た
図12(a)及び正面から視た
図12(b)が示すようにレバーハンドル13は開きドア12の扉面12aに垂直な軸部13aと、扉面12aと平行且つ吊元12b向きに延在する棹状のレバー部13bを有する。そして、レバーハンドル操作補助具11は
図12(c)(d)が示すようにレバーハンドル13に装着される。
【0085】
図12(a)及び(c)には、開きドア12が、操作者Pが扉面12aの前に立つ際に、この操作者Pが立つ位置から見て外開きに開く構造である場合の例が示されている。このように外開きに開く構造である開きドア12を、以下において「外開きドア」と記載することがある。図では上方から視て外開きドア12oが開く向きである外向きを符号PSにより表わす。
【0086】
また、
図12(a)〜(d)は、外開きドア12oが図の右側に吊元12bを有するような右吊元の開きドアである場合の例を示している。すなわち、外開きドア12oは、右側の吊元12bに位置する上下方向の回動軸を中心にして外向きPSに回動して開く構造を有する。
【0087】
レバーハンドル操作補助具11は操作者Pの前腕Aにより操作可能な前腕操作部14を備える。また、レバーハンドル操作補助具11は前腕操作部14と一体に形成される軸カバー部15を備える。前腕操作部14は、レバー部13bの回転向きCLと反対の向きである反回転向きUCに面する反回転向き端面16を有する。また、前腕操作部14は、反回転向き端面16から、反回転向きUC且つ前向きに延出するフック状体17を有する。
【0088】
その他、レバーハンドル操作補助具11の構成及びレバーハンドル操作補助具11の取付構造の構成は第1の実施形態と共通する。
【0089】
[レバーハンドル及び外開きドアの操作]
操作者Pが吊元12bの側の手の前腕Aである右手の前腕Aを、肘が吊元12bの側を向くような略水平の状態にして外向きドア12oの前に立ち、この右手の前腕Aを下げることによってレバーハンドル13を回転させ、外開きドア12oのラッチボルトをストライクから退出させるまでの工程は、第1の実施形態における工程と共通する。
【0090】
次に、
図13(a)(b)(c)において操作者Pが右手の前腕Aを向こうに押す状態を示す。
図13(a)は右手の前腕Aが前腕操作部14の反回転向き端面16の上側且つフック状体17の扉面12aに近い側に載せられたままの状態であり、レバーハンドル13が回転し、外開きドア12oのラッチボルトがストライクから退出した状態を表す。また、
図13(b)は操作者Pが前腕Aを向こうに押すとともに自ら前進することにより扉面12aが前腕Aによってレバーハンドル操作補助具11の後方に押され、その結果、外開きドア12oが吊元12bの側を中心に回動して外向きPSに開く状態を表す。
【0091】
そして、
図13(c)において操作者Pがさらに前進し、外向きドア12oを開ききった状態を示す。最後に操作者Pは前腕Aを持ち上げることによって前腕操作部14から離すことができる。これに伴い、操作者Pは開かれた外開きドア12oを通過することができる。
【0092】
この間、操作者Pは右手の前腕Aを用いるだけで外向きドア12oを開けることができ且つ通過することができる。また、操作者Pはレバーハンドル13などを操作するために手指を用いることがない。さらに、レバーハンドル操作補助具11はレバーハンドル13に装着されるため、操作者Pが持ち歩くことがない。
【0093】
なお、外開きドア12o´が
図14(a)(b)に示すように左側に吊元12b´を有する場合も、以上に説明したレバーハンドル操作補助具11´及びレバーハンドル13´の構成について、左右反対の形状、構造等を有する以外は共通する。また、レバーハンドル13´及び外向きドア12o´の操作についても同様に共通する。
【0094】
[第3の実施形態]
図15は本発明の第3の実施形態を例示している。図において21がレバーハンドル操作補助具である。
【0095】
図15(a)はレバーハンドル操作補助具21の正面図を示す。
図15(b)は同じく背面図を示す。レバーハンドル操作補助具21が装着されているレバーハンドル23は、
図15(a)(b)に図示されていない開きドア2i,2i´,12o,12o´に設置されている。レバーハンドル23は想像線により表わされている。また、レバーハンドル23は、レバー部23bが軸部23aから
図1、
図11、
図12又は
図14に表されているような吊元2b,2b´,12b,12b´に近い側の向きに延びるように設けられている。さらに、レバーハンドル部23は、左右方向において吊元2b,2b´,12b,12b´よりも遠い側の寄りに配置されている。
図15の例は開きドア2i,12oが右側に吊元2b,12bを有する場合であるため、レバー部23bが軸部23aから右向きに延びるように設けられ、また、レバーハンドル23が開きドア2i,12oの左寄りに配置されている。
【0096】
レバーハンドル操作補助具21は操作者Pの前腕Aにより操作可能な前腕操作部24と、前腕操作部24と一体に形成され、前腕操作部24から、吊元2b,2b´,12b,12b´の向きと反対側である反吊元側に張り出すように設けられる軸カバー部25とを備える。前腕操作部24は、レバー部23bの回転向きCLと反対の向きである反回転向きUCに面する反回転向き端面26を有する。また、前腕操作部24は反回転向き端面26から、反回転向きUC且つ前向きに延出するフック状体27を有する。
【0097】
レバーハンドル操作補助具21がレバーハンドル23に装着され、このレバーハンドル23のレバー部23bが軸部23aの軸心Cを中心に回転向きCLに回転することができるのに対して、前腕操作部24の反回転向き端面26は反回転向きUCを面している。
【0098】
ここで、反回転向き端面26は、レバー部23bの延在方向である水平方向に対して吊元2b,2b´,12b,12b´の側ほど反回転向きUCに位置するように傾斜して設けられる。
図15の例においては反回転向き端面26が右側ほど上向きに位置するように傾斜する。
【0099】
その他、レバーハンドル操作補助具21の構成、レバーハンドル操作補助具21の取付構造及びレバーハンドル23の操作は、レバーハンドル操作補助具21が装着されるレバーハンドル23が内開きドア2iに取り付けられる場合に第1の実施形態と共通する。また、同じくレバーハンドル23が外開きドア12oに取り付けられる場合に第2の実施形態と共通する。
【0100】
さらに、開きドア2i´,12o´が左側に吊元2b´,12b´を有する場合も、図示しないものの左右反対の形状、構造等を有する以外はレバーハンドル操作補助具21´及びレバーハンドル23´の構成が共通する。
【0101】
以上の構成により、レバーハンドル操作補助具21をレバー部23の回転向きCLに押し下げる際、操作者Pが反回転向き端面26の上側に前腕Aを載せてこの前腕Aを下げるのに対し、反回転向き端面26が予め傾斜して設けられていることによって、操作者Pは、より確実にレバーハンドル23を回転させることができる。
【0102】
他の実施形態の場合のように、回転前の反回転向き端面6,6´,16,16´が水平方向に設けられるとき、操作者Pが前腕Aを下げることによって、反回転向き端面6,6´,16,16´は、水平方向に対して吊元2b,2b´,12b,12b´の側ほど回転向きCLに位置するように傾斜する。これにより、例えば操作者Pが乱暴な操作を行う際、前腕Aは反回転向き端面6,6´,16,16´上を滑って吊元2b,2b´,12b,12b´の側にずれてしまう虞がある。
【0103】
これに対し、反回転向き端面26が予め傾斜して設けられていることにより、操作者Pが前腕Aを下げることによってレバーハンドル23が回転し始めた後においても、反回転向き端面26はなお吊元2b,2b´,12b,12b´の側ほど反回転向きUCに位置するように傾斜しているか、または、略水平であるために、前腕Aが吊元2b,2b´,12b,12b´の側にずれてしまう虞は小さい。
【0104】
こうして、操作者Pはレバーハンドル23を操作するために容易に前腕Aを用いることができる。
【0105】
[第4の実施形態]
図16(a)(b)及び
図17は本発明の第4の実施形態を例示する。図において31がレバーハンドル操作補助具である。
【0106】
図16(a)(b)は、レバーハンドル33に装着したレバーハンドル操作補助具31に補助具用カバー101を被せた状態の正面図を示す。
図16(a)においては、補助具用カバー101を外形線で、レバーハンドル操作補助具31をかくれ線で、レバーハンドル33を想像線でそれぞれ表わす。
【0107】
また、
図17は同じくレバーハンドル操作補助具31に補助具用カバー101を被せた状態の背面図を示す。
【0108】
補助具用カバー101は布製の複数のパーツを縫い目102において縫い合わせて縫製される。この布は、例えば編物の場合のように伸縮性を有する。また、補助具用カバー101は
図17が示すように背面側に円環状の伸縮部103を有する。伸縮部103は周囲に沿ったゴムを内部に有し、径方向に収縮することが可能である。これらの構成により、補助具用カバー101は伸縮し、レバーハンドル操作補助具31に対して自在に脱着することができる。
【0109】
補助具用カバー101は、
図17が示すように、一部がレバー部33bの後側に配置されるようにレバーハンドル操作補助具31と一緒にレバーハンドル33に被せられてもよい。このとき、補助具用カバー101の一部は、レバー部33bの背面と、図示しない扉面32aとの間に収まることにより、レバーハンドル33とレバーハンドル操作補助具31との回転を妨げることがない。
【0110】
また、補助具用カバー101は、その前腕操作部被覆部104が前腕操作部34に被せられる。そのため、操作者Pが前腕Aによってレバーハンドル操作補助具31を操作する際、その前腕Aは直接に布製の前腕操作部被覆部104に接するが、合成樹脂製の前腕操作部34に直接接しない。そのため、例えば高温高湿な使用環境下においても、操作者Pは前腕操作部34の表面に付着する自らの前腕Aの汗によって不快に感じることが少ない。また、操作者Pらの汗によって補助具用カバー101が湿気を含むような場合でも、適時に補助具用カバー101を交換することにより不快感を低減することができる。
【0111】
さらに、補助具用カバー101は、前腕操作部被覆部104に連続する軸カバー部被覆部105が軸カバー部35に被せられる。そのため、操作者Pが前腕Aによってレバーハンドル33を回転させるために前腕操作部被覆部104に当たった状態の前腕Aを押し下げるときでも、軸カバー部被覆部105が軸カバー部35によって反吊元側に引っ張られることにより補助具用カバー101が吊元2b,12bの側にずれることは少ない。しかも、軸カバー部被覆部105が軸部33aに接触するときは、軸部33aによって引っ張られることも可能である。
【0112】
その他、レバーハンドル操作補助具31の構成、レバーハンドル操作補助具31の取付構造及びレバーハンドル33の操作は第1の実施形態及び第2の実施形態と共通する。また、レバーハンドル操作補助具の形状が第3の実施形態におけるレバーハンドル操作補助具21と同様の場合も、補助具用カバーの形状がレバーハンドル操作補助具21に倣うことにより、他の構成は第3の実施形態と共通する。さらに、吊元2b,12bの左右位置が逆の場合も、左右反対の形状、構造等を有する以外はレバーハンドル操作補助具31´及びレバーハンドル33´の構成が共通する。
【0113】
こうして、操作者Pはレバーハンドル33を操作するために容易に前腕Aを用いることができる。
【0114】
ところで、病原体の接触感染の可能性を低減する以外に、本発明のレバーハンドル操作補助具は、傷病のために手指が麻痺している、手指が欠損しているなどの事情によって手指によるレバーハンドルの操作が十分にできないという課題を解決するため、こうした操作者が前腕を用いることによってレバーハンドルを操作して開きドアを開くことができるという解決手段を提供することができる。
【0115】
また、同じく病原体の接触感染の可能性を低減する以外の課題解決のために本発明のレバーハンドル操作補助具をレバーハンドルに装着した場合、車椅子に乗り且つ手指を使うことができる操作者、子供のように身長が低く且つ手指をつかうことができる操作者等がレバーハンドルを操作しようとするときは、下から手が十分に届かず、フック状体などが邪魔してこれらの操作者の手指がレバーハンドル操作補助具をうまく掴むことができないという課題がある。そこで、本発明のレバーハンドル操作補助具フック状体7の下部に、
図2(a)及び
図5に示すような、前方に開口する指ポケット4eを凹設することができる。これにより、前方から手指を指ポケット4eに挿入することによってレバーハンドル操作補助具ごとレバーハンドルを操作して開きドアを開くという解決手段を提供することができる。
【0116】
なお、第4の実施形態において採用する補助具用カバー101に、前記の指ポケット4eに対応する指挿入部106が設けられている。これにより、病原体の接触感染の可能性を低減する以外の課題解決のために本発明のレバーハンドル操作補助具をレバーハンドルに装着した場合であって、且つレバーハンドル操作補助具に補助具用カバーが被らされた場合でも、車椅子に乗る操作者、身長が低い操作者等は補助具用カバーの上からレバーハンドル操作補助具を操作することができる。
【0117】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0118】
例えば、レバーハンドル操作補助具1,11,21,31の材質は、操作者Pの前腕Aによる操作に足る十分な強度を有すれば、ポリアミド(PA)でなくともよく、また、ガラス繊維などによる繊維強化材以外の材質であってもよい。
【0119】
また、前腕操作部4,14,24,34と軸カバー部5,15,25,35とは一体に形成されなくともよく、使用中や使用後に緩む、外れるなどの状態が生じなければ、それぞれ別体に形成して、形成後にネジ等により接合する、接着剤等により接着するなどの手段によって互いに固定してもよい。
【0120】
軸カバー部5,15,25,35は、内周面5aが軸部3a,13a,23a,33aの外周面3cに当接されなくともよく、レバーハンドル3,13,23,33がレバーハンドル操作補助具1,11,21,31を反吊元側の向きに制止することができれば、例えば、
図18が示すように内周面5a以外の部分がレバーハンドル3,13,23,33に当接してもよい。
【0121】
軸カバー部5,15,25,35は軸心C周りの部分円筒状に形成されなくともよく、軸部3a,13a,23a,33aの反吊元側を囲む位置に配置され、レバーハンドル3,13,23,33がレバーハンドル操作補助具1,11,21,31を反吊元側の向きに制止することができれば、例えば部分角筒状などの他の形状に形成されてもよい。
【0122】
凹柱面7aは、最上部において一部が扉面2a,12aと平行の平面でなくともよく、全体が湾曲面により形成されてもよい。
【0123】
結束用バンド10の本数は、レバーハンドル操作補助具1,11,21、31をレバー部3a,13a,23a,33aに確実に結わえ付けることができれば、例えば計5本未満の本数でもよく、また、計6本以上の本数でもよい。
【0124】
また、レバーハンドル操作補助具1,11,21,31とレバー部3a,13a,23a,33aとは結束用バンド10によって結わえ付けられなくともよく、これらを確実に固定することができれば、例えば、ネジ等により接合する、粘着剤等により粘着するなどの手段によって固定されていてもよい。
【0125】
補助具用カバー101は、必ずしも前記複数のパーツに分割されて編立られる必要はなく、必要な形状が実現するのであれば全体を連続的に編立てもよい。
【0126】
補助具用カバー101の生地は編物でなくともよく、伸縮性の高い糸を用いることなどによって、必要な分伸び縮みすることができる織布であってもよい。
【0127】
伸縮部103はゴムを有している必要がなく、十分に収縮することができれば、例えば伸縮性の高い編み方を採用することによってゴムを用いなくともよい。