特開2021-188392(P2021-188392A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 中日本高速道路株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2021188392-スノープラウ用エッジ 図000003
  • 特開2021188392-スノープラウ用エッジ 図000004
  • 特開2021188392-スノープラウ用エッジ 図000005
  • 特開2021188392-スノープラウ用エッジ 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-188392(P2021-188392A)
(43)【公開日】2021年12月13日
(54)【発明の名称】スノープラウ用エッジ
(51)【国際特許分類】
   E01H 5/06 20060101AFI20211115BHJP
   E02F 3/76 20060101ALI20211115BHJP
【FI】
   E01H5/06 Z
   E02F3/76 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2020-95500(P2020-95500)
(22)【出願日】2020年6月1日
(71)【出願人】
【識別番号】505398952
【氏名又は名称】中日本高速道路株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134647
【弁理士】
【氏名又は名称】宮部 岳志
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 正隆
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴男
(72)【発明者】
【氏名】権藤 正典
(72)【発明者】
【氏名】四本木 久一
(72)【発明者】
【氏名】岡田 大輝
(72)【発明者】
【氏名】細田 将史
【テーマコード(参考)】
2D026
【Fターム(参考)】
2D026CB04
2D026CD01
2D026CE01
(57)【要約】
【課題】自然環境に悪影響を及ぼすおそれのあるマイクロプラスッチクを発生させることなく使用できるスノープラウ用エッジを提供する。
【解決手段】原材料とする竹の伸長した方向を長手方向として製作された長方形板材の複数を厚さ方向に積み重ね接着して形成した合板材の一つが、前記長方形板材の複数の積み重ねられる積層方向が使用状態において水平となる向きで配置される。また、他の合板材が、前記積層方向が使用状態において鉛直方向となる向きで使用状態における前方に配置される。そして、前記二つの合板材が接着されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原材料とする竹の伸長した方向を長手方向として製作された長方形板材の複数を厚さ方向に積み重ね接着して形成した合板材の一つが、前記長方形板材の複数の積み重ねられる積層方向が使用状態において水平となる向きで配置され、他の合板材が、前記積層方向が使用状態において鉛直方向となる向きで使用状態における前方に配置され、前記二つの合板材が接着されていることを特徴とするスノープラウ用エッジ。
【請求項2】
更に他の合板材が、前記積層方向が使用状態において水平となる向きで使用状態における最前方に配置され、前記二つの合板材に対し接着されている請求項1に記載のスノープラウ用エッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除雪を目的として車両に取り付けられるスノープラウ(除雪板)において、地表面に最も近い位置に配置される縁辺を形成するスノープラウ用エッジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
除雪を目的として車両に取り付けられるスノープラウの、地表面に最も近い位置に配置される縁辺は、除雪を行う路面に接触した場合にあっても路面に損傷を与えることのない材質で形成されている。そして、そのための手法として、ポリウレタンゴムで形成したエッジを、スノープラウにおいて地表面に最も近い位置に配置される縁辺に取り付ける構成が広く採用されている。(例えば、特開2011−89285公報に開示されたプラウ用エッジ)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−89285公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポリウレタンゴムで形成されたエッジは、圧雪を除去する場合などに路面に擦り付けられた際、大量のマイクロプラスチックを発生させることから、その使用による自然環境への悪影響が懸念されている。
【0005】
そこで、本発明は、自然環境に悪影響を及ぼすおそれのあるマイクロプラスッチクを発生させることなく使用できるスノープラウ用エッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスノープラウ用エッジでは、原材料とする竹の伸長した方向を長手方向として製作された長方形板材の複数を厚さ方向に積み重ね接着して形成した合板材の一つが、前記長方形板材の複数の積み重ねられる積層方向が使用状態において水平となる向きで配置される。また、他の合板材が、前記積層方向が使用状態において鉛直方向となる向きで使用状態における前方に配置される。そして、前記二つの合板材が接着されている。
【0007】
更に他の合板材が、前記積層方向が使用状態において水平となる向きで使用状態における最前方に配置され、前記二つの合板材に対し接着されていてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るスノープラウ用エッジは、繊維密度の高い竹を原材料としながら、スノープラウ用エッジとして機能するために必要な強度を備えたものとなる。そして、竹を原材料としているため、マイクロプラスチックを発生させることがない。すなわち、自然環境に悪影響を及ぼすおそれのあるマイクロプラスッチクを発生させることなく使用できる。なお、原材料となる竹は生育が早く、採取前の状態への回復も早いため、温暖化対策の観点においても、自然環境に及ぼす悪影響を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係るスノープラウ用エッジの実施形態を示す斜視図である。
図2】除雪車にエッジが取り付けられた状態を示す図面代用写真である。
図3】長方形板材の製作過程を模式的に示す斜視図である。
図4】本発明に係るスノープラウ用エッジの他の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1〜3を参照しながら、本発明に係るスノープラウ用エッジの実施形態を説明する。
この実施形態のスノープラウ用エッジ1は、除雪を目的として除雪車20の正面に取り付けられたスノープラウ21において、地表面に最も近い位置に配置される縁辺を形成するものである。そして、図2に示すように、スノープラウ21の下縁辺に沿って設けられエッジを挟持固定するエッジ固定部22に着脱自在とされている。
【0011】
図1に示すように、このスノープラウ用エッジ1は、第一の合板材2と第二の合板材3で構成されている。第一の合板材2は、長手方向の寸法がスノープラウ用エッジ1の高さ寸法Hとされた第一の長方形板材4の複数を、厚さ方向に積み重ね接着して形成されている。また、第二の合板材3は、第一の長方形板材4よりも長さ寸法の大きい第二の長方形板材5の複数を、厚さ方向に、スノープラウ用エッジ1の高さ寸法Hに至る高さまで積み重ね接着して形成されている。なお、第一の合板材2と第二の合板材3は、いずれも、プレス機等で圧着させ、それらの接着強度を高めておくことが好ましい。
【0012】
第一の合板材2は、第一の長方形板材4の複数が積み重ねられる積層方向が使用状態において水平となる向きで、使用状態における後方に配置されている。一方、第二の合板材3は、第二の長方形板材5の積層方向が、使用状態において鉛直方向となる向きで、使用状態における前方に配置されている。なお、図1において、スノープラウ用エッジ1は、説明の便宜上、一端部近傍のみが示されている。また、第一の長方形板材4、及び、第二の長方形板材5は、説明の便宜上、スノープラウ用エッジ1の全体形状における実際の比率よりも大きく示されている。
【0013】
第一の長方形板材4と第二の長方形板材5は、原材料とする竹の伸長した方向を長手方向として製作されている。以下に、図3を参照しながら、製作の手順を説明する。
【0014】
まず、図3(a)に示すように、丸竹を、その伸長方向に沿った切断面で円周方向に複数に分割し、図3(b)に示す棒材とする。なお、この切断分割には二枚刃鋸盤が好適であるが、その他の機器を使用して切断分割してもよい。
【0015】
続いて、図3(b)に示す棒材の節を除去し、湾曲した表面を切削し、全長に亘って一定の厚さとし、図3(c)に示す長尺の板材とする。なお、切削にはプレーナーが好適であるが、その他の機器を使用して切削してもよい。
【0016】
そして、図3(c)に示す長尺の板材をスノープラウ用エッジ1の高さ寸法Hで切断し第一の長方形板材4とする。また、長尺の板材をスノープラウ用エッジ1の長手方向の寸法で切断し第二の長方形板材5とする。長尺の板材の長手方向の寸法が、スノープラウ用エッジ1の長手方向の寸法より小さい場合は、第二の合板材2の複数を長手方向に並べスノープラウ用エッジ1の長手方向の寸法に至るものとしてもよい。
【0017】
原材料とする竹の伸長した方向を長手方向として製作された第一の長方形板材4と第二の長方形板材5は、その長手方向に沿って竹の繊維が延伸した構造となる。そして、このような構造の場合、長手方向に受ける力に対する耐久性に優れたものとなる。そのため、スノープラウ用エッジ1が路面に擦り付けられた際、路面に大きな凹凸が形成されていた場合に路面から受ける力が大きくなる後部において、合板材を構成する長方形板材の長手方向に力を受ける配置とする。すなわち、この実施形態では、後方に配置される第一の合板材2における第一の長方形板材4の複数の積み重ねられた積層方向が水平となる向きとされている。
【0018】
また、この実施形態では、第一の長方形板材4の幅寸法と第二の長方形板材5の厚み寸法の和が、スノープラウ用エッジ1の厚み寸法Wに等しくなるものとなっている。すなわち、図3(c)に示す長尺の板材の幅寸法と厚み寸法の和が、スノープラウ用エッジ1の厚み寸法Wとなっている。
【0019】
なお、図3(c)に示す長尺の板材の幅寸法や厚み寸法が小さく、スノープラウ用エッジ1の厚み寸法Wが固定部における挟持固定に必要な大きさとならない場合には、更に別の合板材を、第二の合板材3の正面に、すなわち、使用状態における最前方に配置してもよい。図4に、更に別の合板材が配置された実施形態を示す。なお、図4において、図1に示す実施形態と実質的に同じ部位には同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
【0020】
図4に示すスノープラウ用エッジ10は、第一の合板材2、第二の合板材3、及び、第三の合板材6で構成されている。第一の合板材2及び第三の合板材6は、長手方向の寸法がスノープラウ用エッジ10の高さ寸法Hとされた第一の長方形板材4の複数を、厚さ方向に積み重ね接着して形成されている。また、第二の合板材3は、第一の長方形板材4よりも長さ寸法の大きい第二の長方形板材5の複数を、厚さ方向に、スノープラウ用エッジ10の高さ寸法Hに至る高さまで積み重ね接着して形成されている。
【0021】
第一の合板材2は、第一の長方形板材4の積層方向が水平となる向きで使用状態における後方に配置されている。また、第二の合板材3は、第二の長方形板材5の積層方向が使用状態において鉛直方向となる向きで、使用状態における第一の合板材2の前方に配置されている。そして、第三の合板材6が、第一の長方形板材4の積層方向が水平となる向きで、使用状態における第二の合板材3の前方に配置され、これら第一の合板材2、第二の合板材3、及び、第三の合板材6が接着されている。
【符号の説明】
【0022】
1、10 スノープラウ用エッジ
2 第一の合板材
3 第二の合板材
4 第一の長方形板材
5 第二の長方形板材
6 第三の合板材
20 除雪車
21 スノープラウ
22 エッジ固定部
図1
図2
図3
図4