【解決手段】底壁部13と底壁部13の縁部から起立しており底壁部13とともに凹部19を形成している側壁部15と側壁部15と同じ側に底壁部13から起立しているリブ17とを具備するトレイ7と、トレイ7の凹部19に充填されている壁形成材9と、側壁部15とは反対側でトレイ7の底壁部13に設けられトレイ7を壁5に設置するときに使用されるトレイ設置材11とを有する壁パネル1である。
底壁部と、この底壁部の縁部から起立しており前記底壁部とともに凹部を形成している側壁部と、前記側壁部と同じ側に前記底壁部から起立しているリブとを具備するトレイと、
前記トレイの凹部に充填されている壁形成材と、
前記側壁部とは反対側で前記トレイの底壁部に設けられ、前記トレイを壁に設置するときに使用されるトレイ設置材と、
を有することを特徴とする壁パネル。
平板状の底壁部と前記底壁部の縁部から起立しており前記底壁部とともに凹部を形成している側壁部と前記底壁部から起立しているリブとを具備するトレイを、上面が平面になっているトレイ設置体に、前記底壁部の、前記側壁部が起立している側とは反対側の面である下面と、前記トレイ設置体の上面とがお互いに対向し、前記底壁部の下面が、前記トレイ設置体の上面に倣うにように設置するトレイ設置工程と、
前記トレイ設置工程で前記トレイ設置体に前記トレイを設置した後に、前記トレイの凹部に流動体状の壁形成材を充填する壁形成材充填工程と、
前記壁形成材充填工程で壁形成材を充填した後に、前記充填された壁形成材を硬化させる壁形成材硬化工程と、
前記壁形成材硬化工程で前記壁形成材を硬化させた後、前記トレイを前記トレイ設置体から取り外すトレイ取り外し工程と、
を有することを特徴とする壁パネルの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係る壁パネル1は、たとえば、
図6で示すように、建屋3の壁5に設置されて使用されるものであり、
図5等で示すように、トレイ(壁パネルのトレイ)7と、壁形成材(壁パネルの壁形成材)9と、トレイ設置材(壁パネルのトレイ設置材;連結部材)11とを備えて構成されている。
【0019】
ここで、説明の便宜のために、壁パネル1における所定の一方向を縦方向とし、この縦方向に対して直交する所定の他の一方向を横方向とし、縦方向と横方向とに対して直交する方向を表裏方向(高さ方向)とする。
【0020】
トレイ7は、
図1〜
図5等で示すように、底壁部13と側壁部15とリブ(表側リブ)17とを具備している。底壁部13の厚さ方向と表裏方向とはお互いが一致している。側壁部15は、底壁部13の縁部(外周部)から、表裏方向表側に起立しており、側壁部15は、底壁部13とともに凹部19を形成している。これにより、トレイ7が有底枠体の形状になっている。
【0021】
リブ17は、側壁部15と同じ側(表裏方向表側)で底壁部13から起立している。底壁部13の厚さ方向(表裏方向)で見ると、
図3で示すように、リブ17は側壁部15から離れている。壁形成材9は、トレイ7の凹部19に充填されている。なお、
図5(b)に参照符号20で示す箇所(リブ17が不存在である部位)にも、壁形成材9が充填されている。
【0022】
トレイ設置材11は、トレイ7(壁パネル1)を建屋3の壁5(壁5の平面)に設置するときに使用されるものである。トレイ設置材11は、側壁部15の突出方向とは反対側(表裏方向裏側)でトレイ7の底壁部13に設けられている。また、トレイ設置材11は、底壁部13の厚さ方向で見て、底壁部13の中央部にのみ設けられている。
【0023】
底壁部13は、
図5(b)で示すように、平板状の底壁部本体部21と平板状の底壁部突出部23とを備えて構成されている。底壁部突出部23の厚さ寸法L15の値(表裏方向での寸法の値)は、底壁部本体部21の厚さ寸法L14の値(表裏方向での寸法の値)よりも小さくなっている。底壁部本体部21と底壁部突出部23との厚さ方向はお互いが一致している。底壁部突出部23は側壁部15の突出方向とは反対側で底壁部本体部21から表裏方向裏側に僅かに突出している。すなわち、底壁部突出部23は側壁部15の突出方向とは反対側で底壁部本体部21に重なっている。
【0024】
底壁部本体部21および底壁部突出部23の厚さ方向(表裏方向)で見ると、底壁部本体部21の周辺には、側壁部15と底壁部突出部23とで形成された矩形な環状の凹部(「ロ」字状の凹部;側壁部・底壁部突出部の凹部)25が形成されている。なお、底壁部突出部23は、すでに理解されるように、底壁部13の厚さ寸法の値を増やすために設けられており、底壁部13の厚さが増えることで、トレイ7(壁パネル1)の反りの量を少なくすることができる。
【0025】
側壁部15の外周面16は、四角錐台の側面形状に形成されている。これにより、底壁部13の厚さ方向で側壁部15の外周面16の矩形(外周面16上に存在している矩形)の大きさが変化している。すなわち、一対の側壁部15の外周面16間の、縦方向および横方向での寸法の値は、底壁部13の厚さ方向で大きさが変化している。さらに、側壁部15の外周面16の矩形の大きさが、底壁部13側で大きく側壁部15の先端側で小さくなっている。
【0026】
壁パネル1についてさらに詳しく説明すると、底壁部13は、たとえば矩形な平板状に形成されている。さらに具体的には、厚さ方向(表裏方向)で見ると、底壁部13は正方形状に形成されている。底壁部13をこの厚さ方向で見たときの底壁部13の「ロ」字状(矩形な環状)の外周部が、底壁部13の縁部(側面部)になっている。
【0027】
側壁部15は、底壁部13の厚さ方向の一方の側である表側で、底壁部13から所定の高さだけ起立(突出)している。底壁部13の縁部の全周にわたって側壁部15が設けられているので、表裏方向(底壁部13の厚さ方向)で見ると、側壁部15も「ロ」字状に形成されている。また、「ロ」字状に形成されている側壁部15は、縦方向に延びている一対の側壁部縦方向延伸部位27と、横方向に延びている一対の側壁部横方向延伸部位29とを備えて構成されている。
【0028】
図5等で示すように、側壁部縦方向延伸部位27の断面形状(縦方向に対して直交する平面による断面)は、概ね鈍角三角形状になっている。そして、側壁部縦方向延伸部位27と底壁部13とがお互いにつながっている箇所とこの近傍の断面(縦方向に対して直交する平面による断面)をとると、側壁部縦方向延伸部位27と底壁部13との位置関係は、次のようになっている。
【0029】
側壁部縦方向延伸部位27の鈍角を間にした一方の辺31が、底壁部13(底壁部本体部21)の側面(横方向に対して直交している平面)を表す線分33に接合されている。側壁部縦方向延伸部位27の鈍角を間にした他方の辺35が、底壁部13(底壁部本体部21)の側面を表す線分33および底壁部13の表面(おもて面)を表す線分37に対して斜めになって、底壁部13(底壁部本体部21)の角39から表側方向に延びている。角39は、底壁部本体部21の側面を表す線分33と底壁部13の表面を表す線分37とで形成されている90°の角である。
【0030】
なお、一対の側壁部縦方向延伸部位27における他方の辺35の間の横方向での距離L1の値は、表裏方向で底壁部13から表側に離れるにしたがって(
図5の上側に向かうにしたがって)次第に大きくなっている。また、側壁部縦方向延伸部位27の鈍角に対向している残りの1本の辺41は、トレイ7の横方向の端面(側壁部15の外周面16)になっている。
【0031】
側壁部横方向延伸部位29の断面形状(横方向に対して直交する平面による断面)は、側壁部縦方向延伸部位27の断面形状と同形状になっており、側壁部横方向延伸部位29と底壁部13(底壁部本体部21)とがお互いにつながっている箇所等の断面(横方向に対して直交する平面による断面)をとったときの、側壁部横方向延伸部位29と底壁部13(底壁部本体部21)との位置関係も、側壁部横方向延伸部位29と底壁部13(底壁部本体部21)との位置関係と同じになっている。
【0032】
底壁部13や側壁部15の形状が上述した形状になっており、底壁部13と側壁部15との位置関係が上述した関係になっていることで、底壁部13と側壁部15とで形成されている凹部19の形状は、四角錐台状(4本の斜面の長さがお互いに等しい四角錐台状)になっている。
【0033】
側壁部縦方向延伸部位27や側壁部横方向延伸部位29の延伸方向の寸法の値や底壁部13の縦方向や横方向の寸法の値に対して、側壁部15の底壁部13からの表裏方向での突出量の値が相当に小さくなっている。これにより、凹部19の四角錐台の高さ寸法の値は、凹部19の縦方向の寸法の値や凹部19の横方向の寸法の値に対してかなり小さくなっている。
【0034】
底壁部13の厚さ方向の寸法の値も、側壁部15の底壁部13からの表裏方向での突出量の値と同様に、底壁部13の縦方向や横方向の寸法の値等に対して、相当に小さくなっている。これにより、壁パネル1の厚さ寸法の値が縦方向や横方向の寸法の値に対して十分に小さくなっており、壁パネル1の形状が壁5を覆うための適切な広く薄いものになっている。
【0035】
また、凹部19を形成している四角錐台の上面(たとえば正方形状の上面)は、底壁部13の表側の面37と一致しており、凹部19を形成している四角錐台の下面(たとえば正方形状の上面)は、表裏方向で側壁部15の先端(底壁部から最も離れている端)のところに位置している凹部19の開口部43になっている。
【0036】
さらに、表裏方向で見ると、凹部19を形成している四角錐台の上面が凹部19を形成している四角錐台の下面の内側に位置しており、四角錐台の上面の中心と四角錐台の下面の中心とがお互いに一致している。
【0037】
また、凹部19を形成している四角錐台の上面に対応する底壁部13(底壁部本体部21)の表面37(たとえば全面)には、細かい凹凸模様(図示せず)が形成されている。これにより、凹部19を形成している四角錐台の上面に対応する底壁部13の表面37は、いわゆる梨地状のざらざらした状態になっている。さらに、凹部19を形成している四角錐台の側面に対応する側壁部15の面(辺35で示される面)が、梨地状に形成されていてもよい。
【0038】
底壁部13の表面37が梨地状に形成されていることで、壁形成材9をトレイ7の凹部19に充填したときに壁形成材9とトレイ7との接触面積が増え、壁形成材9のトレイ7からの落下が防止されるようになっている。
【0039】
リブ17は、トレイ7(壁パネル1)の反りの量を少なくする(トレイ7の底壁部13の平面状の裏面45の平面度を良くする)とともに、梨地の場合と同様にして、壁形成材9をトレイ7の凹部19に充填したときの、壁形成材9とトレイ7との接触面積を増やして、壁形成材9のトレイ7からの落下を防止するために設けられている。
【0040】
リブ17は、トレイ7の凹部19内で側壁部15と同じ側に底壁部13から起立(突出)している。リブ17の突出量の値は、側壁部15の突出量の値に比べて十分に小さくなっている。また、表裏方向で見ると、上述したように、また、
図3(a)で示すたように、リブ17は側壁部15から離れており、底壁部13(底壁部本体部21)にのみ設けられている。
【0041】
さらに、リブ17は、縦方向に延びている複数本のリブ縦方向延伸部位47と、横方向に延びている複数本のリブ横方向延伸部位49とを備えて構成されている。リブ縦方向延伸部位47は、細長い直方体状に形成されており、リブ横方向延伸部位49は、リブ縦方向延伸部位47と同形状に形成されている。また、リブ縦方向延伸部位47の断面(縦方向に対して直交する平面による断面)の形状は矩形状に形成されている。リブ横方向延伸部位49の断面は、リブ縦方向延伸部位47の断面の形状と同形状に形成されている。
【0042】
複数本のリブ縦方向延伸部位47は、
図3で示すように、横方向で一定の間隔L2をあけて配置されており、縦方向ではお互いに位置が一致している。複数本のリブ横方向延伸部位49は、縦方向で一定の間隔L2をあけて配置されており、横方向ではお互いに位置が一致している。また、表裏方向で見ると、複数本のリブ縦方向延伸部位47と複数本のリブ横方向延伸部位49とは格子状になっている。
【0043】
複数本のリブ縦方向延伸部位47と複数本のリブ横方向延伸部位49とが格子状に配置されていることで、縦方向および横方向で壁形成材9(壁形成材9の底壁部13側の部位)が仕切られていることになる。これにより、壁形成材9がトレイ7に固く固定されていることになり、温度変化等による壁形成材9のトレイ7に対する縦方向および横方向での伸縮が抑え込まれる。
【0044】
複数本のリブ縦方向延伸部位47の延伸方向の一方の端(
図3(a)の下側の端)は、一対の側壁部横方向延伸部位29のうちの一方の側壁部横方向延伸部位29Aから所定の距離L3だけ離れている。複数本のリブ縦方向延伸部位47の延伸方向の他方の端(
図3(a)の上側の端)は、一対の側壁部横方向延伸部位29のうちの他方の側壁部横方向延伸部位29Bから所定の距離L4だけ離れている。
【0045】
同様にして、複数本のリブ横方向延伸部位49の延伸方向の一方の端(
図3(a)の左側の端)は、一対の側壁部縦方向延伸部位27のうちの一方の側壁部縦方向延伸部位27Aから所定の距離L5だけ離れている。複数本のリブ横方向延伸部位49の延伸方向の他方の端(
図3(a)の右側の端)は、一対の側壁部縦方向延伸部位27のうちの他方の側壁部縦方向延伸部位27Bから所定の距離L6だけ離れている。
【0046】
縦方向や横方向での、側壁部15とリブ17との離間距離L7の値は、リブ縦方向延伸部位47やリブ横方向延伸部位49の間隔L2の値とほぼ等しくなっている。距離L3の値、距離L4の値、距離L5の値、距離L6の値はお互いが等しくなっている。また、距離L3の値、距離L4の値、距離L5の値、距離L6の値は、縦方向におけるリブ横方向延伸部位49と側壁部15との間の距離L7の値や、縦方向におけるリブ縦方向延伸部位47と側壁部15との間の距離L7の値よりも小さくなっている。
【0047】
トレイ7は、たとえば、ABS樹脂等の合成樹脂で構成されているが、木製、金属製、ガラス製、セラミック製等であってもよい。木製の場合は、木片もしくは木屑を固めた木質製であってもよい。なお、金型を用いてトレイ7をモールド成形する場合、アンダーカット部が非存在である形状に、トレイ7が形成されている。
【0048】
壁形成材9として、シラスを主成分とする材料(湿式壁材料)を掲げることができる。より具体的には、高千穂シラス株式会社製の「薩摩中霧島壁」、「Biocera(ビオセラ)」、「中霧島壁ライト」、「中霧島壁ライト(ビオセラカラー)」、「白洲漆喰」、「中霧島壁ワイルド」等の内装材を掲げることができる。
【0049】
シラスとは、鹿児島県から宮崎県南部にかけて、最大150メートルもの厚さで積み重なっている広大なシラス台地を形成しているものであり、大量の火砕流として一気に堆積したため、マグマが岩石となる前に粉末となった物質であり、養分を持たない「原始的な土」ともいえるものである。
【0050】
また、シラスを内装材として使用すると、調湿機能が良く、消臭機能が良く、長寿命であり、本物の質感を備えた壁を容易に形成することができる。なお、壁形成材として、普通の漆喰等の塗り壁材(湿式壁材)を採用してもよい。
【0051】
壁形成材9は、
図5で示すように、凹部19の総てに充填されているとともに、壁形成材9の表面(おもて面;露出面)には若干の小さい凹凸が形成されている。壁形成材9の表面に若干の小さい凹凸が形成されているにせよ、壁形成材9の表面は概ね平面状になっている。さらに、表裏方向で、壁形成材9の表面の位置と四角錐台状の凹部19の下面(トレイ7の開口部43)の位置とはお互いがほぼ一致しているか、もしくは、壁形成材9の表面の位置が四角錐台状の凹部19の下面(トレイ7の開口部43)の位置よりも、底壁部13から離れた側(
図5(b)では上側)に位置している。
【0052】
すなわち、表裏方向で、壁形成材9の表面と底壁部13との間の距離L8の値と、四角錐台状の凹部19の下面(トレイ7の開口部43)と底壁部13との間の距離L9の値とがお互い一致しているか、もしくは、壁形成材9の表面(おもて面)と底壁13部との間の距離L8の値が、四角錐台状の凹部19の下面(トレイ7の開口部43)と底壁部13との間の距離L9の値よりも僅かに大きくなっている。
【0053】
なお、壁形成材9がトレイ7の凹部19に充填されていることで、壁パネル1の外形は、凹部19が存在しない四角錐台状になっている。
【0054】
トレイ設置材11は矩形な薄い平板状に形成されており、この厚さ方向が底壁部13の厚さ方向と一致するようにして、底壁部13(底壁部突出部23)に一体的に設けられている。表裏方向で見ると、トレイ設置材11は底壁部13(底壁部突出部23)の内側に位置しており、トレイ設置材11の外周を構成している4つの辺のうちのお互いが対向している一対の辺は縦方向に延びており、トレイ設置材11の外周を構成している4つの辺のうちのお互いが対向している他の一対の辺は横方向に延びている。また、表裏方向で見ると、トレイ設置材11の中心と底壁部13の中心とがお互いに一致している。
【0055】
トレイ設置材11は、マグネットシート51と、接着材もしくは粘着剤53とを備えて構成されている。マグネットシート51は、矩形な薄い平板状で若干の弾性を備えている。接着材もしくは粘着剤53は、薄い膜状になっており、底壁部13(底壁部突出部23)のとの間に設けられトレイ7とマグネットシート51とを一体化している。
【0056】
そして、
図6で示すように、建屋3の壁5が鉄板等の磁性体で構成されており、建屋3の壁5にマグネットシート51がくっ付くことで、壁5に壁パネル1が一体的に設置されるようになっている。
【0057】
トレイ設置材11として、たとえば、ニチレイマグネット株式会社製のマグネシートを掲げることができる。マグネシートは錆びにくく強力な磁力を発生するようになっている。トレイ設置材11としてマグネシートを使用することで、壁パネル1が建屋3の壁5に容易に着脱自在になる。ただし、壁パネル1が建屋3の壁5に一旦設置されると、人が素手で力を加えた程度のことでは、壁パネル1が建屋3の壁5から外れることはないし、壁パネル1が壁5に対して位置ずれをおこすこともない。
【0058】
トレイ設置材11を錆びにくいマグネットシート51で構成することに代えて、トレイ設置材11として、両面テープ、面ファスナ、アルミ箔入り熱可塑性樹脂等のホットメルト接着剤を採用してもよい。これにより、壁5が磁性を有しないコンクリートや石膏ボードで構成されていても、壁パネル1を壁5に設置することができる。
【0059】
ここで、トレイ7の底壁部13、側壁部15や、壁形成材9等についてさらに詳しく説明する。
【0060】
上記説明では、側壁部縦方向延伸部位27(側壁部横方向延伸部位29)の断面形状(縦方向に対して直交する平面による断面)が概ね鈍角三角形状になっているとしたが、より精確には、側壁部縦方向延伸部位27の断面形状は、
図5(b)で示すように、五角形状になっている。すなわち、側壁部縦方向延伸部位27の断面形状は、辺31と辺35と辺41と辺55と辺57とで囲まれた五角形状になっている。
【0061】
上述した凹部25は、辺55と底壁部突出部23の側面を示す線分59とに面している。辺57は、辺35と辺41との間に位置しており、側壁部15の先端に位置している。辺57は、横方向(縦方向)に僅かに延びている。これにより、側壁部15の先端には、辺57により「ロ」字状の平面61が形成されている。辺57の長さ寸法L11は、「ロ」字状の平面61の4つの辺に相当する箇所それぞれの幅寸法になっている。また、壁形成材9は、平面61を覆っている。
【0062】
なお、壁形成材9が、
図5(c)で示すように、縦方向や横方向で、トレイ7の両端から僅かに(辺57の長さ寸法L11の値程度)突出していてもよい。突出している壁形成材9を削る等することで、壁パネル1の縦方向や横方向の寸法の微調整がしやすくなる。また、
図5(b)で示すように、壁形成材9が突出していない態様であっても、壁パネル1が四角錐台状に形成されているので、壁パネル1の縦方向や横方向の端を僅かに削れることで、壁パネル1の縦方向や横方向の寸法の微調整を容易にすることができる。
【0063】
ここで、壁パネル1の寸法について例示する。壁パネル1の縦方向や横方向の寸法L13の値は、300mmになっている。なお、この300mmは900mmを3で除した値である。なお、壁パネル1の寸法L13の値が、900mmを「1」や「3」以外の整数で除した値、もしくは、900mmに「1」以外の整数を乗じた値になっていてもよいし、その他の値になっていてもよい。
【0064】
トレイ7の底壁部本体部21の厚さ寸法L14の値は3mmになっており、底壁部突出部23の厚さ寸法L15の値は1mmになっている。壁パネル1のリブ17の高さ寸法L16の値は1mmになっており、壁パネル1のリブ17の幅寸法L17の値は1.5mmになっている。トレイ7の高さ寸法L18の値は8mmになっており、側壁部15の先端の「ロ」字状の平面61の幅寸法L11の値は1mmになっている。壁形成材9の、平面61を覆っている部位の高さ方向の寸法L19の値は1mmになっている。また、表裏方向に対する辺41の傾きの角度αは10°程度になっており、縦方向や横方向に対する辺35の傾きの角度βは50°程度になっている。
【0065】
なお、壁パネル1の縦方向や横方向の寸法L13と、壁パネル1におけるその他の寸法の値比率を±50%(好ましくは±30%、より好ましくは±10%)の範囲で適宜変更してもよい。さらに、壁パネル1の縦方向や横方向の寸法L13を300mm以外の寸法にした場合には、壁パネル1におけるその他の寸法の値は適宜変更される。また、上記角度α、βの角度を±30%(より好ましくは±10%)の範囲で適宜変更してもよい。
【0066】
次に、壁パネル1の製造方法について、
図7を参照しつつ説明する。
【0067】
まず、トレイ7をトレイ設置体63に設置する(トレイ設置工程;
図7(a)(b)参照)。トレイ設置体63に設置する前に単体で存在するトレイ7には、反りが発生している場合があり、反りが発生しているトレイ7は、たとえば下面65(45裏面)が平面になっておらず歪んでいる(
図7(a)参照)。下面65は、底壁部13の、側壁部15が起立している側とは反対側の面である。なお、
図7(a)では、トレイ設置材11の表示を省略している。
【0068】
トレイ設置体63の上面67は平面になっている。トレイ設置工程では、底壁部13の下面65とトレイ設置体63の上面67とがお互いに対向し、底壁部13の下面65がトレイ設置体63の上面67に倣うにように、トレイ7をトレイ設置体63に設置する(
図7(b)参照)。
【0069】
トレイ設置工程でトレイ設置体63にトレイ7を設置した状態では、底壁部13の厚さ方向が上下方向になっているとともに、トレイ7の凹部19が底壁部13の上側に位置している。また、トレイ設置体63の剛性は、トレイ7の剛性に対して十分に高くなっている。したがって、上述したように、トレイ7単体では、底壁部13の下面65に僅かな反りがあっても(底壁部13の下面65の平面度が僅かに悪くなっていても)、トレイ設置工程でトレイ設置体63にトレイ7を設置すると、底壁部13の下面65が、トレイ設置体63の上67面に倣って変形(たとえば弾性変形)し、底壁部13の下面65の僅かな反りがほぼ無くなるようになっている。
【0070】
なお、トレイ設置工程でのトレイ設置体63へのトレイ7の設置は、たとえば、上述したトレイ設置材11を用いてされるようになっている。
【0071】
続いて、トレイ設置工程でトレイ設置体63にトレイ7を設置した後に、トレイ設置体63にトレイ7を設置した状態を継続したまま、トレイ7の凹部19に硬化前の流動体状の壁形成材9を充填する(壁形成材充填工程;
図7(c)参照)。
【0072】
続いて、壁形成材充填工程で壁形成材9を充填した後に、トレイ設置体63にトレイ7を設置した状態を継続したまま、充填された壁形成材9を硬化させる(壁形成材硬化工程)。
【0073】
続いて、壁形成材硬化工程で壁形成材9を硬化させた後、トレイ7をトレイ設置体63から取り外す(トレイ取り外し工程;
図7(d)参照)。この取り外しをした場合でも、硬化した壁形成材9の剛性によって、トレイ7の下面65の平面度の良好な状態が維持される。なお、壁パネル1において、トレイ7の下面65の平面度の良好な状態が維持されている状態で、壁形成材9の内部応力が圧縮応力になっていることが望ましい。
【0074】
次に、壁パネル1の建屋3の壁5への設置について、
図6を参照しつつ説明する。
【0075】
壁パネル1はたとえば建屋3の部屋69の壁5の内装材(化粧壁)として使用される。また、壁5の平面は、水平な所定の一方向に対して直交しているが、本願明細書では、天井や床も壁に含まれるものとする。天井や床の平面は、上下方向に対して直交している。さらに、壁の平面が、水平方向や上下方向に対して斜めに傾いている所定の一方向に対して直交していてもよい。
【0076】
壁5の面積は、壁パネル1の縦方向や横方向の寸法に比べて大きいので、複数枚の壁パネル1が壁5に設置される。複数枚の壁パネル1が壁5に設置されている状態では、トレイ設置材11が壁5に接触し、壁パネル1の表面(おもて面)の壁形成材9が部屋69に面している。
【0077】
また、複数枚の壁パネル1が壁5に設置されている状態では、壁パネル1の縦方向や横方向が、壁5の表面(ひょう面)の展開方向と一致しており、しかも、縦方向や横方向で複数枚の壁パネル1が隙間なくならんでいる。これにより、1枚の壁パネル1とこの1枚の壁パネル1に隣接している他の1枚の壁パネル1との境界を、肉眼ではほとんど認識することができないようになっている。
【0078】
壁パネル1によれば、底壁部13と側壁部15とリブ17とを備えているトレイ7と、このトレイ7の凹部19に充填されている壁形成材9とを備えているので、トレイ7を薄くしてもトレイ7の底壁部13の断面二次モーメントの値をリブ17によって大きくすることができ反りの量を極力少なくすることができる。
【0079】
また、リブ17が設けられていることで、トレイ7の凹部19に充填されている壁形成材9とトレイ7との接触面積を大きくすることができ、経年変化等によっても、壁形成材9がトレイ7から脱落することを防止することができる。また、壁形成材9とトレイ7とに内部応力が発生していれば、壁形成材9とトレイ7との密着度を一層高めることができる。
【0080】
また、トレイ設置材11が設けられているので、なんら特殊な技能を持っていない者でも、壁5に壁パネル1を上手に設置することができ、壁パネル1のよって、塗り壁の風合を出すことができる。
【0081】
また、壁パネル1では、底壁部13が平板状の底壁部本体部21と平板状の底壁部突出部23とを備えて構成されており、底壁部突出部23が側壁部15とは反対側で底壁部本体部21から僅かに突出しており、底壁部本体部21および底壁部突出部23の厚さ方向で見て、底壁部本体部21の周辺には、側壁部15と底壁部突出部23とで形成された矩形な環状の凹部25が形成されている。
【0082】
これにより、底壁部13の厚さ寸法に値を、僅かではあるが底壁部突出部23の厚さ寸法の値分だけ大きくしてトレイ7の底壁部13の断面二次モーメントの値を大きくすることができ、反りの量をさらにすることができる。なお、底壁部突出部23の厚さ寸法L15の値は、僅かなものであるが、断面二次モーメントの値は、底壁部13の厚さ寸法の値(L14+L15)の3乗に比例するので、トレイ7の底壁部13の断面二次モーメントの値は、実際の感覚よりも大きくなる。
【0083】
たとえば、底壁部本体部21の厚さ寸法L14の値に対する底壁部突出部23の厚さ寸法L15の値の比が1/3程度であるとしても、底壁部13(底壁部本体部21+底壁部突出部23)の断面二次モーメントの値は、底壁部本体部21のみの断面二次モーメントの値の約2倍以上になる。
【0084】
また、壁パネル1には、「ロ」字状の凹部25が形成されている。これにより、壁5に設置されている壁パネル1を壁5から取り外すときに、「ロ」字状の凹部25の一部に工具を引っ掛けることができ、壁パネル1の壁5からの取り外しが容易になる。
【0085】
また、壁パネル1によれば、底壁部13の厚さ方向(表裏方向;底壁部13からの側壁部15の突出方向)で見てリブ17が側壁部15から離れているので、金型を用いたトレイ7の成形がし易くなっている。すなわち、リブ17が側壁部15から離れており、リブ17が底壁部13からのみ突出しているので、金型のコアに射出された合成樹脂が硬化するときや合成樹脂が硬化し終えたときにリブ17に発生する残留応力の値を小さくすることができる。これにより、リブ17を側壁部15につなげたときに比べて、底壁部13(トレイ7)での反りの発生を抑えることができる。また、トレイ7でのヒケの発生を抑制することができる。
【0086】
また、壁パネル1では、側壁部15の外周面16が四角錐台の側面形状に形成されており、底壁部13の厚さ方向で側壁部15の外周面16の矩形の大きさが変化しているとともに、側壁部15の外周面16の矩形の大きさが、底壁部13側で小さく側壁部15の先端側で小さくなっている。
【0087】
これにより、壁5に設置されている壁パネル1を壁5から取り外すときに、壁パネル1の斜めになっている側壁部15の外周面(側面;斜面)16に指や工具を引っ掛けることができ、壁パネル1の壁5からの取り外しが容易になる。
【0088】
ところで、壁5に設置されている壁パネル1を壁5から取り外すときには、壁パネル1の側面の一端に指等を引っ掛けで壁パネル1を壁5から引き剥がすべく、壁パネル1の端部を壁5から離れる方向に引っ張ると、壁パネル1にモーメントが加わる。
【0089】
壁パネル1では、底壁部13の厚さ方向で見て、トレイ設置材11が底壁部13の中央部にのみ設けられているので、上記モーメントとてこの原理とで、トレイ設置材11にかかる力の値(壁パネル1を剥がす力の値)が大きくなり、壁パネル1の壁5からの取り外しが容易になる。
【0090】
なお、壁パネル1において、
図8で示すようにリブ17の形態を適宜変更してもよい。
図8(a)で示す壁パネル1では、リブ17が縦方向や横方向に対して斜めに延伸している。
図8(b)で示す壁パネル1では、リブ17が複数の円とこれらの円をつないでいる複数の線分とで構成されている。
図8(c)で示す壁パネル1では、リブ17がお互いの大きさが異なる複数の四角形と、これらの四角形をつないでいる複数の線分とで構成されている。なお、お互いの大きさが異なる複数の四角形の中心はお互いが一致している。
図8(d)では、リブ17がハニカム状になっている。
【0091】
また、上記説明では、リブ17と側壁部15とが離れていることとしているが、リブ17の端が側壁部15に接していてもよい。すなわち、リブ17が側壁部15から底壁部13の表面に延びていてもよい。
【0092】
また、上記説明では、表裏方向で見た壁パネル1の形状を正方形状としているが、表裏方向で見た壁パネル1の形状が、長方形状、正三角形、正六角形等の平面充填形状に形成されていてもよい。
【0093】
次に変形例に係る壁パネル81について、
図9〜
図11を参照しつつ説明する。なお、
図9〜
図11では、トレイ設置材11の表示を省略している。
図9、
図10では、壁形成材9とトレイ設置材11との表示を省略している。
【0094】
変形例に係る壁パネル81は、トレイ83の底壁部85の厚さ方向の両面(表側の面と裏側の面)にリブ87が設けられている点が、本発明の実施形態に係る壁パネル1とは異なっている。その他の点は、本発明の実施形態に係る壁パネル1とほぼ同様に構成されている。
【0095】
すなわち、変形例に係る壁パネル81は、本発明の実施形態に係る壁パネル1と同様に、底壁部85と側壁部89とリブ87とを具備するトレイ83と、壁形成材とトレイ設置材11とを備えて構成されている。
【0096】
側壁部89は、底壁部85の縁部から表側に起立しており、底壁部85とともに凹部95を形成している。壁形成材は、トレイ83の凹部95に充填されている。トレイ設置材は、側壁部89とは反対側(裏側)でトレイ83の底壁部85に設けられている。トレイ設置材は、トレイ83を壁に設置するときに使用されるものである。
【0097】
リブ87は、側壁部とは反対側でも底壁部85から起立している。すなわち、リブ87として、底壁部85の表側の面に設けられている表側リブ87(87A)と、底壁部85の裏側の面に設けられている裏側リブ87(87B)とが設けられている。
【0098】
また、側壁部89と同じ側の面(底壁部85の厚さ方向の一方の側の面である表側の面)には、複数の表側凹部91(91A)が設けられている。側壁部89と同じ側に底壁部85から起立している表側リブ87Aは、複数の表側凹部91Aのうちのお互いが僅かに離れて隣り合っている表側凹部91Aの間に形成されている。
【0099】
側壁部89とは反対側の面(底壁部85の厚さ方向の他方の側の面である裏側の面)には、複数の裏側凹部91(91B)が設けられている。側壁部89とは反対側に底壁部85から起立しているリブ(裏側リブ)91Bは、複数の裏側凹部91Bのうちのお互いが僅かに離れて隣り合っている裏側凹部91Bの間に形成されている。
【0100】
また、変形例に係る壁パネル81では、底壁部85の厚さ方向で見て、裏側凹部91Bが表側凹部91Aとは異なった位置に配置されている。
【0101】
これにより、底壁部85の厚さ方向で見て、裏側リブ87Bが表側リブ87Aとは異なった位置に配置されていることになる。さらに説明すると、底壁部85の厚さ方向で見て、総ての裏側凹部91Bが、総ての表側凹部91Aとは異なって位置に配置されている。また、底壁部85の厚さ方向で見て、裏側凹部91Bが形成されていないところの総てに、表側凹部91Aが形成されている。言い換えると、仮に、裏側凹部91Bを底壁部85の表側に、底壁部85の厚さ方向で移動して移したとすると、底壁部85の表側の面の全面に複数の凹部91が僅かな間隔をあけでならんで形成されていることになる。
【0102】
なお、上記説明では、底壁部85の厚さ方向で見て、総ての裏側凹部91Bが総ての表側凹部91Aとは異なった位置に配置されているが、一部の裏側凹部91Bが一部の表側凹部91Aに重なっていてもよい。また、底壁部85の厚さ方向で見て、底壁部85に裏側凹部91Bおよび表側凹部91Aが形成されていない箇所が存在していてもよい。
【0103】
また、底壁部85の厚さ方向であって表側からトレイ83を見ると、
図9で示すように、一部の表側リブ87Aの端部が側壁部89にくっついている。これにより、表側リブ87Aの一部が側壁部89から延びていることになる。
【0104】
同様にして、底壁部85の厚さ方向であって裏側からトレイ83を見ると、
図10で示すように、一部の裏側リブ87Bの端部が側壁部89にくっついている。これにより、裏側リブ87Bの一部が側壁部89から延びていることになる。
【0105】
ここで壁パネル81についてさらに詳しく説明する。底壁部85の厚さ方向であって表側からトレイ83を見ると、
図9で示すように、複数の表側凹部91Aを構成している各々の表側凹部91Aは矩形状に形成されている。各々の矩形状の表側凹部91Aは、僅かな間隔をあけて、縦方向と横方向とにならんでいる。ただし、底壁部85の表側の面には、矩形状の空白部位93(93A)形成されている。空白部位93Aは、表側凹部91Aが形成されていない部位である。
【0106】
1つの矩形状の空白部位93Aの縦方向の寸法の値は、1つの矩形状の表側凹部91Aの縦方向の寸法の値よりも大きくなっている。1つの矩形状の空白部位93Aの横方向の寸法の値も、1つの矩形状の表側凹部91Aの横方向の寸法の値よりも大きくなっている。
【0107】
空白部位93Aは、複数設けられており、所定の間隔をあけて、縦方向と横方向とにならんでいる。お互いが隣り合っている空白部位93A間の横方向および縦方向の寸法の値は、1つの矩形状の表側凹部91Aの横方向および縦方向の寸法の値よりも大きくなっている。
【0108】
底壁部85の厚さ方向であって表側からトレイ83を大雑把に見ると、
図9で示すように、お互いに僅かに離れてならんでいる複数の表側凹部91Aが配置されている箇所は、格子状になっていると見受けられる。
【0109】
また、複数の(16個の)空白部位93Aのうちの4つの空白部位93Aのそれぞれは、矩形状の底壁部85の4つの角部それぞれのところに位置している。
【0110】
底壁部85の厚さ方向であって裏側からトレイ83を見ると、
図10で示すように、複数の裏側凹部91Bのそれぞれは矩形状に形成されている。それぞれの矩形状の裏側凹部91Bは、僅かな間隔をあけて、縦方向と横方向とにならんでいる。ただし、底壁部85の裏側の面には、矩形状の空白部位93(93B)形成されている。空白部位93Bは、裏側凹部91Bが形成されていない部位である。
【0111】
1つの裏側凹部91Bの縦方向、横方向の寸法の値と、1つの表側凹部91Aの縦方向、横方向の寸法の値とは、お互いほぼ等しくなっている。1つの矩形状の空白部位93Bの縦方向の寸法の値は、1つの矩形状の裏側凹部91Bの縦方向の寸法の値よりも大きくなっている。1つの矩形状の空白部位93Bの横方向の寸法の値も、1つの矩形状の裏側凹部91Bの横方向の寸法の値よりも大きくなっている。
【0112】
底壁部85の厚さ方向でトレイ83を見ると、表側の空白部位93Aと、お互いに僅かに離れてならんでいる複数の裏側凹部91Bとがお互いに概ね重なっている。また、底壁部85の厚さ方向でトレイ83を見ると、裏側の空白部位93Bとお互いに僅かに離れてならんでいる表側凹部91Aとがお互いに概ね重なっている。
【0113】
表側リブ87Aは、
図9で示すように、空白部位93Aを除くところであって、お互いに僅かに離れてならんでいる表側凹部91Aが形成されているところに格子状になって形成されている。表側リブ87Aの縦方向、横方向の寸法の値は、表側凹部91Aの縦方向、横方向の寸法の値よりも小さくなっている。
【0114】
裏側リブ87Bは、
図10で示すように、空白部位93Bを除くところであって、お互いに僅かに離れてならんでいる裏側凹部91Bが形成されているところに格子状になって形成されている。裏側リブ87Bの縦方向、横方向の寸法の値は、裏側凹部91Bの縦方向、横方向の寸法の値よりも小さくなっており、表側リブ87Aの縦方向、横方向の寸法の値とほぼ等しくなっている。
【0115】
なお、
図9で示している表側凹部91Aを総て削除し、
図9で示す空白部位93Aのところにのみ表側凹部91Aを設け、
図10で示している裏側凹部91Bを総て削除し、
図10で示す空白部位93Bのところにのみ裏側凹部91Bを設けた構成であってもよい。
【0116】
ここで、壁パネル81の寸法について例示する。寸法L31の値は、6.0mm程度になっている。寸法L33の値は、壁パネル1と同じ300mm程度になっている。寸法L35の値も、壁パネル1と同じ300mm程度になっている。寸法L37の値は、2.5mmになっている。寸法L39の値は、2.0mmになっている。寸法L41の値は、1.5mmになっている。寸法L43値は、2.0mmになっている。
【0117】
壁パネル81では、リブ87が、トレイ83の底壁部85の表側だけでなく底壁部85の裏側からも起立している。これにより、底壁部85の剛性が高くなっており(断面二次モーメントの値が大きくなっており、壁パネル81の反りの量をさらに少なくすることができる。
【0118】
また、壁パネル81では、底壁部85に形成されている凹部91によってリブ87が形成されている。これにより底壁部85を構成している材料の量が削減されており、壁パネル81(トレイ83)の軽量化が図られている。
【0119】
また、壁パネル81では、底壁部85の厚さ方向で見て、裏側凹部91Bが表側凹部91Aとは異なって位置に配置されている。これにより、底壁部85の部位による肉厚の差を極力少なくして、反りの量を少なくすることができる。