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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-18905(P2021-18905A)
(43)【公開日】2021年2月15日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/77 20110101AFI20210118BHJP
   H01R 12/59 20110101ALI20210118BHJP
【FI】
   H01R12/77
   H01R12/59
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-133418(P2019-133418)
(22)【出願日】2019年7月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】古本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松尾 誠也
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB15
5E223AB20
5E223AB45
5E223AC23
5E223BA01
5E223BA08
5E223BB12
5E223BB17
5E223CB24
5E223CB62
5E223CD02
5E223DB08
5E223EA03
5E223EA36
(57)【要約】
【課題】フレキシブル導体の延伸性に関わらずにフレキシブル導体への円滑な接続が可能で且つフレキシブル導体に対する電気的接続の信頼性を確保することができるコネクタを提供する。
【解決手段】突起15は、突出部15Aと、突出部15Aの周辺に配置されると共に突起15が突起収容部13Dに挿入されたときに突起収容部13Dの内面との間に所定の隙間G2を形成する隙間形成部15Bとを有し、フレキシブル導体23を間に挟んで突起15が突起収容部13Dに挿入された場合に、突起15の突出部15Aはフレキシブル導体23を突起収容部13Dの内面に押しつけて接触させ、フレキシブル導体23が突起収容部13Dに挿入されることにより発生するフレキシブル導体23の余剰部分が所定の隙間G2に収容される。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル導体に接続されるコネクタであって、
突起を有する押し込み部材と、
導電性材料から形成され且つ前記突起が挿入される凹状の突起収容部を有するコンタクトと
を備え、
前記突起は、前記突起の側面に配置されると共に前記突起の側面から突出し且つ前記突起が前記突起収容部に挿入されたときに前記突起収容部の内面に近接する突出部と、前記突出部の周辺における前記突起の側面に配置されると共に前記突起が前記突起収容部に挿入されたときに前記突起収容部の内面との間に前記突出部と前記突起収容部の内面との間の間隔よりも広い所定の隙間を形成する隙間形成部とを有し、
前記フレキシブル導体により前記押し込み部材の前記突起が包まれるように前記フレキシブル導体を間に挟んで前記押し込み部材の前記突起が前記フレキシブル導体と共に前記コンタクトの前記突起収容部に挿入された場合に、前記突起の前記突出部は前記フレキシブル導体を前記突起収容部の内面に押しつけて接触させ、前記フレキシブル導体が前記突起収容部に挿入されることにより発生するフレキシブル導体の余剰部分が前記所定の隙間に収容されることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記突起が前記突起収容部に挿入されたときに前記突出部と前記突起収容部の内面との間に形成される前記間隔寸法は、前記フレキシブル導体の厚さ寸法よりも小さい請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記突起は、中心軸を備える円柱形状を有し、前記突起の周方向に均等に配置された複数の前記突出部と、複数の前記突出部の間に配置された複数の前記隙間形成部とを有する請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記突起は、4つの前記突出部と4つの前記隙間形成部とを有する請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記コンタクトの前記突起収容部の内面は、円筒形状を有し、
前記突起収容部は、前記突起の4つの前記突出部のうち、互いに反対方向に突出する2つの前記突出部の間の長さに、前記フレキシブル導体の厚さの2倍を加えた値より小さい内径を有する請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記突出部は、前記中心軸と平行に直線状に延びる形状を有する請求項3〜5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記突出部は、球面形状を有する請求項3〜5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記押し込み部材は、複数の前記突起を有するベース部材からなり、
複数の前記突起が、複数の前記フレキシブル導体を間に挟んで複数の前記コンタクトの前記突起収容部に挿入される請求項1〜7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記コンタクトは、筒状部と、前記筒状部の一端に形成されたコンタクト側フランジを有し、
前記コンタクトの前記筒状部が貫通し且つ前記コンタクト側フランジよりも小さいコンタクト用貫通孔が形成されたハウジングをさらに備え、
前記コンタクト用貫通孔に前記コンタクトの前記筒状部を貫通させると共に前記コンタクト側フランジを前記ベース部材に向けて押しつけるように前記ハウジングが前記ベース部材に固定されることで、前記コンタクトが前記ベース部材に固定される請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記ベース部材は、前記突起よりも高く突出するハウジング固定用ポストを有し、
前記ハウジングは、凹状のポスト収容部を有し、
前記ハウジング固定用ポストが前記ポスト収容部に収容されることで前記ハウジングは前記ベース部材に固定される請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記ハウジングは、絶縁性材料からなる請求項9または10に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記ハウジングは、相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を有する請求項9〜11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記ベース部材は、絶縁性材料からなる請求項8〜12のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記押し込み部材は、前記突起の根本部分に接続された押し込み部材側フランジを有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記フレキシブル導体は、絶縁性の基板本体の表面上に露出するように配置され、
前記フレキシブル導体が前記コンタクトの前記突起収容部に対向し、前記基板本体の裏面が前記押し込み部材の前記突起に対向するように、前記フレキシブル導体が前記押し込み部材と前記コンタクトの間に配置される請求項1〜14のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記フレキシブル導体は、独立して、前記押し込み部材と前記コンタクトの間に配置される請求項1〜14のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記突起の先端に、前記フレキシブル導体を突き通すための尖鋭部が形成されている請求項1〜16のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記コンタクトは、プラグ型のコンタクトである請求項1〜17のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項19】
前記コンタクトは、レセプタクル型のコンタクトである請求項1〜17のいずれか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタに係り、特に、フレキシブル導体に接続されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル導体に接続されるコネクタとして、例えば、特許文献1には、図19に示されるようなコネクタが開示されている。このコネクタは、フレキシブル基板1を間に挟んでフレキシブル基板1の両側に配置されるコンタクト2とベース部材3を備えている。
【0003】
コンタクト2に対向するフレキシブル基板1の表面上にフレキシブル導体4が露出しており、コンタクト2は、フレキシブル導体4に対向するように形成された凹状の突起収容部5を有し、ベース部材3には、フレキシブル基板1の裏面に向かって突出する突起6が形成されている。フレキシブル基板1により突起6が包まれるようにフレキシブル基板1を間に挟んでベース部材3の突起6がフレキシブル基板1と共にコンタクト2の突起収容部5に挿入されると、突起6によりフレキシブル基板1がコンタクト2の突起収容部5の内面に押しつけられ、突起収容部5の内面がフレキシブル基板1の表面上に露出しているフレキシブル導体4に接触することで、コンタクト2がフレキシブル導体4に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018−129244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、図20に示されるように、コンタクト2の突起収容部5は円筒形状の内面を有し、図21に示されるように、突起6は円柱形状を有しており、フレキシブル基板1を間に挟んで突起6がフレキシブル基板1と共にコンタクト2の突起収容部5に挿入されると、フレキシブル基板1のフレキシブル導体4は、円柱形状の突起6の側面の全周により突起収容部5の内面に押しつけられる。
このとき、フレキシブル導体4を有するフレキシブル基板1は、突起6と共にコンタクト2の突起収容部5に押し込まれることにより、突起6の頂部に接触する部分を中心として、四方に向かう引っ張り力を受け、伸ばされつつコンタクト2の突起収容部5に挿入されることとなる。
【0006】
しかしながら、フレキシブル基板1およびフレキシブル導体4が十分な延伸性を有しない場合には、突起6の頂部に接触する部分の周辺に、フレキシブル基板1およびフレキシブル導体4の余剰部分が発生して、この余剰部分が突起6の側面と突起収容部5の内面との間に入り込む。
このような余剰部分の存在により、フレキシブル基板1と共に突起6をコンタクト2の突起収容部5に挿入しにくくなり、コネクタを円滑にフレキシブル基板1に接続することが難しくなるおそれがあった。
また、突起6の側面と突起収容部5の内面との間にフレキシブル基板1およびフレキシブル導体4の余剰部分が入り込むことを考慮して、予め突起6の直径を小さく設定すると、突起収容部5の内面に対するフレキシブル導体4の接触圧が不十分となって、フレキシブル導体4とコンタクト2との電気的接続の信頼性が損なわれるおそれがある。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、フレキシブル導体の延伸性に関わらずにフレキシブル導体への円滑な接続が可能で且つフレキシブル導体に対する電気的接続の信頼性を確保することができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るコネクタは、フレキシブル導体に接続されるコネクタであって、突起を有する押し込み部材と、導電性材料から形成され且つ突起が挿入される凹状の突起収容部を有するコンタクトとを備え、突起は、突起の側面に配置されると共に突起の側面から突出し且つ突起が突起収容部に挿入されたときに突起収容部の内面に近接する突出部と、突出部の周辺における突起の側面に配置されると共に突起が突起収容部に挿入されたときに突起収容部の内面との間に突出部と突起収容部の内面との間の間隔よりも広い所定の隙間を形成する隙間形成部とを有し、フレキシブル導体により押し込み部材の突起が包まれるようにフレキシブル導体を間に挟んで押し込み部材の突起がフレキシブル導体と共にコンタクトの突起収容部に挿入された場合に、突起の突出部はフレキシブル導体を突起収容部の内面に押しつけて接触させ、フレキシブル導体が突起収容部に挿入されることにより発生するフレキシブル導体の余剰部分が所定の隙間に収容されるものである。
【0009】
突起が突起収容部に挿入されたときに突出部と突起収容部の内面との間に形成される間隔寸法は、フレキシブル導体の厚さ寸法よりも小さいことが好ましい。
突起は、中心軸を備える円柱形状を有し、突起の周方向に均等に配置された複数の突出部と、複数の突出部の間に配置された複数の隙間形成部とを有することが好ましい。
例えば、突起は、4つの突出部と4つの隙間形成部とを有することができる。
この場合、コンタクトの突起収容部の内面は、円筒形状を有し、突起収容部は、突起の4つの突出部のうち、互いに反対方向に突出する2つの突出部の間の長さに、フレキシブル導体の厚さの2倍を加えた値より小さい内径を有するように構成することができる。
突出部は、中心軸と平行に直線状に延びる形状を有する、または、球面形状を有するように構成することができる。
【0010】
押し込み部材は、複数の突起を有するベース部材からなり、複数の突起が、複数のフレキシブル導体を間に挟んで複数のコンタクトの突起収容部に挿入されるように構成することができる。
コンタクトは、筒状部と、筒状部の一端に形成されたコンタクト側フランジを有し、コンタクトの筒状部が貫通し且つコンタクト側フランジよりも小さいコンタクト用貫通孔が形成されたハウジングをさらに備え、コンタクト用貫通孔にコンタクトの筒状部を貫通させると共にコンタクト側フランジをベース部材に向けて押しつけるようにハウジングがベース部材に固定されることで、コンタクトがベース部材に固定されることが好ましい。
【0011】
また、ベース部材は、突起よりも高く突出するハウジング固定用ポストを有し、ハウジングは、凹状のポスト収容部を有し、ハウジング固定用ポストがポスト収容部に収容されることでハウジングはベース部材に固定されることが好ましい。
好ましくは、ハウジングは、絶縁性材料から形成されている。
ハウジングは、相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を有することが好ましい。
ベース部材は、絶縁性材料からなることが好ましい。
【0012】
押し込み部材は、突起の根本部分に接続された押し込み部材側フランジを有するように構成することもできる。
フレキシブル導体は、絶縁性の基板本体の表面上に露出するように配置され、フレキシブル導体がコンタクトの突起収容部に対向し、基板本体の裏面が押し込み部材の突起に対向するように、フレキシブル導体が押し込み部材とコンタクトの間に配置されるように構成することができる。
あるいは、フレキシブル導体は、独立して、押し込み部材とコンタクトの間に配置されてもよい。
【0013】
また、突起の先端に、フレキシブル導体を突き通すための尖鋭部を形成することもできる。
なお、コンタクトは、プラグ型のコンタクトとすることもでき、あるいは、レセプタクル型のコンタクトとすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、押し込み部材の突起が、突起の側面に配置されると共に突起の側面から突出し且つ突起が突起収容部に挿入されたときに突起収容部の内面に近接する突出部と、突出部の周辺における突起の側面に配置されると共に突起が突起収容部に挿入されたときに突起収容部の内面との間に突出部と突起収容部の内面との間の間隔よりも広い所定の隙間を形成する隙間形成部とを有し、押し込み部材の突起がフレキシブル導体と共にコンタクトの突起収容部に挿入された場合に、突起の突出部はフレキシブル導体を突起収容部の内面に押しつけて接触させ、フレキシブル導体が突起収容部に挿入されることにより発生するフレキシブル導体の余剰部分が突起の隙間形成部と突起収容部の内面との間に形成される所定の隙間に収容されるので、フレキシブル導体の延伸性に関わらずにフレキシブル導体への円滑な接続が可能で且つフレキシブル導体に対する電気的接続の信頼性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施の形態1に係るコネクタを示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係るコネクタを示す平面図である。
図3】実施の形態1に係るコネクタの分解斜視図である。
図4】実施の形態1に係るコネクタに用いられる突起を示す斜視図である。
図5】実施の形態1に係るコネクタに用いられる突起を示す平面図である。
図6】実施の形態1に係るコネクタに用いられるコンタクトを示す斜視断面図である。
図7図2のA−A線断面図である。
図8】実施の形態1におけるコンタクトの突起収容部に収容された突起およびフレキシブル導体を示す平面断面図である。
図9】実施の形態2に係るコネクタの分解斜視図である。
図10】実施の形態2におけるコンタクトの突起収容部に収容された突起およびフレキシブル導体を示す平面断面図である。
図11】実施の形態2の変形例に係るコネクタの分解斜視図である。
図12】実施の形態3に係るコネクタに用いられる突起を示す斜視図である。
図13】実施の形態3に係るコネクタに用いられる突起を示す平面図である。
図14】実施の形態4に係るコネクタに用いられる突起を示す斜視図である。
図15】実施の形態4に係るコネクタに用いられる突起を示す平面図である。
図16】実施の形態5に係るコネクタに用いられる突起を示す斜視図である。
図17】実施の形態5に係るコネクタに用いられる突起を示す平面図である。
図18】実施の形態6に係るコネクタに用いられる押し込み部材を示す斜視図である。
図19】従来のコネクタにおけるコンタクトと突起およびフレキシブル基板を示す断面図である。
図20】従来のコネクタにおけるコンタクトを示す斜視断面図である。
図21】従来のコネクタにおける突起を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1および図2に、実施の形態1に係るコネクタ11を示す。コネクタ11は、例えば、ウエアラブルデバイスを嵌合するための衣服側コネクタ部として使用されるもので、フレキシブル基板21に接続されている。
【0017】
コネクタ11は、フレキシブル基板21上に配置されたハウジング12と、4つのコンタクト13を備えている。ハウジング12は、凹部12Aを有しており、4つのコンタクト13は、それぞれ、ハウジング12の凹部12A内において、フレキシブル基板21に対し垂直に突出している。
ここで、便宜上、フレキシブル基板21がXY面に沿って延び、それぞれのコンタクト13が突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。
【0018】
図3に示されるように、コネクタ11は、さらに、押し込み部材として、フレキシブル基板21の−Z方向側に配置されるベース部材14を備えており、ハウジング12とベース部材14によりフレキシブル基板21を挟んだ状態でフレキシブル基板21に接続される。
フレキシブル基板21は、絶縁性材料からなるシート状の基板本体22を有し、基板本体22は、+Z方向を向いた表面22Aと、−Z方向を向いた裏面22Bを有している。基板本体22の表面22A上に4つのフレキシブル導体23が露出した状態で配置されている。4つのフレキシブル導体23は、4つのコンタクト13にそれぞれ対応している。
フレキシブル導体23は、例えば、導電繊維等の布状の導体から構成することができ、また、基板本体22の表面22A上に印刷等により塗布された導電ペーストから形成することもできる。
なお、基板本体22には、2つの貫通孔22Cが形成されている。
【0019】
ハウジング12は、絶縁性樹脂等の絶縁性材料からなり、+Z方向に向かって開いている凹部12A内に、4つのコンタクト用貫通孔12Bが形成されている。凹部12Aは、図示しない相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を構成するものである。4つのコンタクト用貫通孔12Bは、4つのコンタクト13にそれぞれ対応している。また、XY方向において凹部12Aの外側の箇所で且つハウジング12の−Z方向側の面12Cに、2つの凹状のポスト収容部12Dが形成されている。
4つのコンタクト13は、それぞれ、金属等の導電性材料から形成されたプラグ型のコンタクトで、ハウジング12の凹部12Aに図示しない相手側コネクタの一部が収容された場合に、相手側コネクタの対応するコンタクトに接続されるものである。コンタクト13は、Z方向に延びる円筒形状の筒状部13Aと、筒状部13Aの−Z方向端部からXY面に沿って延びるコンタクト側フランジ13Bを有しており、コンタクト側フランジ13Bは、−Z方向を向いた第2の面13Cを有している。
【0020】
ベース部材14は、絶縁性樹脂等の絶縁性材料からなり、平板部14Aを有している。平板部14Aは、+Z方向を向いた第1の面14Bを有しており、この第1の面14Bに、4つの突起15が突出形成されている。さらに、平板部14Aの第1の面14Bには、それぞれ、突起15よりも高い高さを有する2つのハウジング固定用ポスト16が突出形成されている。
【0021】
図3に示されるように、ハウジング12の4つのコンタクト用貫通孔12Bと、フレキシブル基板21の4つのフレキシブル導体23と、ベース部材14の4つの突起15は、互いに対応する位置に配置されている。
同様に、ハウジング12の2つのポスト収容部12Dと、フレキシブル基板21の基板本体22の2つの貫通孔22Cと、ベース部材14の2つのハウジング固定用ポスト16は、互いに対応する位置に配置されている。
【0022】
フレキシブル基板21の基板本体22の貫通孔22Cは、ベース部材14のハウジング固定用ポスト16の外径よりもわずかに大きい内径を有し、ハウジング固定用ポスト16を円滑に挿入することができるように構成されている。また、ハウジング12のポスト収容部12Dは、ベース部材14のハウジング固定用ポスト16の外径よりもわずかに小さい内径を有し、ハウジング固定用ポスト16をポスト収容部12Dに圧入することで、ハウジング12とベース部材14が、互いに固定されるように構成されている。
また、ハウジング12のコンタクト用貫通孔12Bは、コンタクト13の筒状部13Aの外径より大きく且つコンタクト側フランジ13Bの外径より小さい内径を有し、コンタクト13の筒状部13Aを円滑に挿入することができるように構成されている。
【0023】
図4に示されるように、ベース部材14の突起15は、Z方向に延びる中心軸C1を有し、中心軸C1に沿ってZ方向に延びている。突起15は、概ね正四角柱形状を有し、それぞれ中心軸C1と平行に直線状に延びる4つの突出部15Aを有している。これら4つの突出部15Aは、突起15を形成する概ね正四角柱の互いに平行な4本の辺に相当し、突起15の周方向に均等に配置され、それぞれ、+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向に向かって突出している。
【0024】
4つの突出部15Aの間には、それぞれ中心軸C1に向かって窪んだ4つの隙間形成部15Bが形成されている。これら4つの隙間形成部15Bは、突起15を形成する概ね正四角柱の4つの側面に相当しているが、それぞれ平面ではなく凹状の湾曲面を有している。
図5に示されるように、4つの突出部15Aのうち、互いに反対方向に突出する2つの突出部15Aの間の長さD1は、中心軸C1に対して互いに反対方向を向いた2つの隙間形成部15Bの間の長さD2よりも長い。
【0025】
図6に示されるように、コンタクト13の筒状部13Aは、+Z方向端部が閉じられた円筒形状を有し、コンタクト側フランジ13Bは、筒状部13Aの−Z方向端部に一体に形成され、コンタクト側フランジ13Bの−Z方向を向いた第2の面13Cに、凹状の突起収容部13Dが配置されている。具体的には、突起収容部13Dは、コンタクト側フランジ13Bの第2の面13Cに開口端部を有するように筒状部13Aの内部に形成されている。
なお、コンタクト13の突起収容部13Dは、ベース部材14の突起15の4つの突出部15Aのうち、中心軸C1を挟んで互いに反対方向に突出する2つの突出部15Aの間の長さD1に、フレキシブル基板21の基板本体22の厚さとフレキシブル導体23の厚さの和の2倍を加えた値より小さい内径を有している。このようなコンタクト13は、例えば、プレス加工、切削、冷間圧造等により作製することができる。
【0026】
コネクタ11をフレキシブル基板21に接続する際には、まず、図3において、ベース部材14の2つのハウジング固定用ポスト16が、フレキシブル基板21の基板本体22の表面22A上に突出するように2つの貫通孔22Cに挿入され、4つのコンタクト13の筒状部13Aが、−Z方向側からハウジング12の4つのコンタクト用貫通孔12Bに挿入され、フレキシブル基板21の基板本体22の表面22A上に突出しているベース部材14の2つのハウジング固定用ポスト16の先端が、ハウジング12の2つのポスト収容部12Dに挿入される。これにより、ハウジング12と4つのコンタクト13とフレキシブル基板21とベース部材14のXY方向における位置合わせがなされる。
なお、ベース部材14のハウジング固定用ポスト16は、突起15よりも高い高さを有しているので、突起15の存在に影響されることなく、フレキシブル基板21の基板本体22の貫通孔22Cに挿入されることとなる。
【0027】
この状態で、ハウジング12とベース部材14を、互いに近接するようにZ方向に押しつけ合うと、ハウジング12の−Z方向側の面12Cと4つのコンタクト13の−Z方向を向いた第2の面13Cが基板本体22の表面22Aに接触すると共に、ベース部材14の4つの突起15が、基板本体22の裏面22Bに接触して、接触した箇所のフレキシブル基板21が+Z方向に押し込まれる。
その結果、図7に示されるように、フレキシブル基板21を間に挟んで、ベース部材14のそれぞれの突起15が、対応するコンタクト13の突起収容部13Dに挿入され、ベース部材14の+Z方向を向いた第1の面14Bが基板本体22の裏面22Bに接触した状態となる。
【0028】
このとき、図3に示されるように、ハウジング12のコンタクト用貫通孔12Bは、コンタクト13の筒状部13Aの外径より大きく且つコンタクト側フランジ13Bの外径より小さい内径を有しているため、それぞれのコンタクト13のコンタクト側フランジ13Bが、ハウジング12の−Z方向側の面12Cとフレキシブル基板21の基板本体22の表面22Aに配置されているフレキシブル導体23との間に挟み込まれ、コンタクト13はベース部材14に対して固定されることとなる。さらに、ベース部材14の2つのハウジング固定用ポスト16が、ハウジング12の2つのポスト収容部12Dに圧入されることで、ハウジング12とベース部材14が互いに固定され、フレキシブル基板21へのコネクタ11の接続が完了する。
【0029】
このようにして、コネクタ11がフレキシブル基板21に接続されると、ベース部材14の突起15の表面が、フレキシブル基板21により包まれた状態で、コンタクト13の突起収容部13Dに挿入される。これにより、フレキシブル基板21の基板本体22と基板本体22の表面22Aに配置されているフレキシブル導体23が、突起15により突起収容部13Dに向かってZ方向に突き出されて変形し、コンタクト13の第2の面13Cと平行な方向、すなわち、XY面に沿った方向において、フレキシブル導体23がコンタクト13の突起収容部13Dの内面に接触する。
【0030】
このとき、図8に示されるように、コンタクト13の突起収容部13Dは、突起15の互いに反対方向に突出する2つの突出部15Aの間の長さD1に、フレキシブル基板21の基板本体22の厚さとフレキシブル導体23の厚さの和の2倍を加えた値より小さい内径D3を有しているので、突起15の4つの突出部15Aによりコンタクト13の突起収容部13Dの内面にフレキシブル導体23を押しつけて接触圧を与える状態となり、コンタクト13がフレキシブル導体23に電気的に接続される。
【0031】
また、フレキシブル基板21の基板本体22と基板本体22の表面22Aに配置されているフレキシブル導体23が、突起15により突起収容部13Dに挿入されることにより、フレキシブル基板21が十分な延伸性を有しない場合には、突起15の頂部に接触する部分の周辺に、基板本体22およびフレキシブル導体23が変形して、シワを形成するように折り込まれる余剰部分が発生することとなる。
ところが、図5に示されるように、突起15の4つの突出部15Aの間には、4つの隙間形成部15Bが形成されており、互いに反対方向を向いた2つの隙間形成部15Bの間の長さD2は、互いに反対方向に突出する2つの突出部15Aの間の長さD1よりも短い。このため、図8に示されるように、突起15がコンタクト13の突起収容部13Dに挿入されると、それぞれの隙間形成部15Bと突起収容部13Dの内面との間に、突出部15Aと突起収容部13Dの内面との間の間隔G1よりも広い所定の隙間G2が形成される。
【0032】
従って、基板本体22およびフレキシブル導体23に発生した余剰部分は、突起15の4つの隙間形成部15Bとコンタクト13の突起収容部13Dの内面との間に形成された所定の隙間G2に収容されることができる。基板本体22およびフレキシブル導体23の余剰部分は、突起15の突出部15Aによる押しつけ力よりも弱い力で突起収容部13Dの内面に押し付けられる状態、または、突起収容部13Dの内面に対する押し付け力が作用しない状態で所定の隙間G2に収容されることとなる。
その結果、フレキシブル基板21の基板本体22およびフレキシブル導体23が十分な延伸性を有していなくても、フレキシブル基板21を間に挟みつつベース部材14の突起15をコンタクト13の突起収容部13Dに円滑に挿入して、コネクタ11をフレキシブル基板21に接続することができ、また、フレキシブル導体23に対する電気的接続の信頼性を確保することが可能となる。
【0033】
実施の形態2
上述した実施の形態1では、フレキシブル基板21の基板本体22と基板本体22の表面22Aに配置されているフレキシブル導体23が、突起15によりコンタクト13の突起収容部13Dに挿入されているが、これに限るものではない。
図9に、実施の形態2に係るコネクタ11Aの分解斜視図を示す。コネクタ11Aは、フレキシブル基板21Aに接続されるもので、コンタクト13の突起収容部13Dに内径に対するベース部材14の突起15のサイズが変更されている点以外は、実施の形態1のコネクタ11と同様の構成を有している。すなわち、コネクタ11Aは、ハウジング12と、4つのコンタクト13と、4つの突起15が突出形成されたベース部材14とを備えている。
【0034】
このコネクタ11Aが接続されるフレキシブル基板21Aは、絶縁性材料からなるシート状の基板本体22と4つのフレキシブル導体23とを有しているが、基板本体22に、基板本体22を貫通する開口部22Dが形成されており、4つのフレキシブル導体23は、それぞれの先端部が基板本体22の開口部22D内に突出するように基板本体22の表面22Aに保持されている。
4つのフレキシブル導体23は、それぞれ、例えば導電繊維からなり、基板本体22の開口部22D内において、図10に示されるように、突起15により対応するコンタクト13の突起収容部13Dに挿入される。
【0035】
ここで、コンタクト13の突起収容部13Dは、突起15の互いに反対方向に突出する2つの突出部15Aの間の長さD1Aに、フレキシブル導体23の厚さの和の2倍を加えた値より小さい内径D3を有している。すなわち、実施の形態2のコネクタ11Aで使用される突起15の互いに反対方向に突出する2つの突出部15Aの間の長さD1Aは、コンタクト13の突起収容部13Dの内径D3からフレキシブル導体23の厚さの和の2倍を減じた値より大きくなるように設定されている。
このため、突起15の4つの突出部15Aによりコンタクト13の突起収容部13Dの内面にフレキシブル導体23を押しつけて接触圧を与える状態となり、コンタクト13がフレキシブル導体23に電気的に接続される。
【0036】
この実施の形態2においても、フレキシブル導体23が、突起15により突起収容部13Dに挿入されることにより、突起15の頂部に接触する部分の周辺に、フレキシブル導体23の余剰部分が発生することとなるが、この余剰部分は、突起15の4つの隙間形成部15Bとコンタクト13の突起収容部13Dの内面との間に形成された所定の隙間G2に収容されることができる。
その結果、フレキシブル導体23が十分な延伸性を有していなくても、フレキシブル導体23を間に挟みつつベース部材14の突起15をコンタクト13の突起収容部13Dに円滑に挿入して、コネクタ11をフレキシブル基板21Aに接続することができ、また、フレキシブル導体23に対する電気的接続の信頼性を確保することが可能となる。
【0037】
さらに、実施の形態2に係るコネクタ11Aは、図11に示されるように、基板本体22に保持されていない、独立した4つのフレキシブル導体23に接続することもできる。この場合も、4つのフレキシブル導体23が、それぞれ、ベース部材14の対応する突起15により、対応するコンタクト13の突起収容部13Dに挿入され、図10に示されるように、突起15の4つの突出部15Aによりフレキシブル導体23が突起収容部13Dの内面に押しつけられると共に、フレキシブル導体23の余剰部分が、突起15の4つの隙間形成部15Bとコンタクト13の突起収容部13Dの内面との間に形成された所定の隙間G2に収容される。
【0038】
上記の実施の形態1および2では、4つのコンタクト13が使用されているが、1つ以上のコンタクト13を有していればよい。ただし、コンタクト13の個数に関わらず、フレキシブル基板21、21Aまたはフレキシブル導体23を間に挟んで、ハウジング12とベース部材14を互いに近接するように押しつけ合うことで、全てのコンタクト13を同時にベース部材14の対応する突起15に嵌めることができるため、複数のコンタクト13を有する多接点のコネクタであっても、フレキシブル基板21、21Aまたはフレキシブル導体23に対する容易な接続と確実な電気的接続を実現することが可能となる。
【0039】
なお、上記の実施の形態1および2において、ベース部材14の突起15は、周方向に均等に配置された複数の突出部15Aと、4つの突出部15Aの間にそれぞれ形成された4つの隙間形成部15Bを有しているが、これに限るものではなく、突起15は、1つ以上の突出部15Aと1つ以上の隙間形成部15Bを有していればよい。
例えば、中心軸C1を挟んで反対方向に突出する2つの突出部15Aと、これら2つの突出部15Aの間にそれぞれ形成された2つの隙間形成部15Bを有していてもよい。また、中心軸C1を中心に、周方向に120度の角度間隔で配置された3つの突出部15Aと、これら3つの突出部15Aの間にそれぞれ形成された3つの隙間形成部15Bを有していてもよい。
【0040】
このような突起の中心軸C1がコンタクト13の円筒形状の突起収容部13Dの中心軸と一致するように、突起を突起収容部13Dに挿入した場合に、突起のそれぞれの突出部15Aと突起収容部13Dの内面との間に形成される間隔寸法は、突起と突起収容部13Dとの間に挟まれるフレキシブル基板21の厚さ寸法またはフレキシブル導体23の厚さ寸法よりも小さいことが好ましい。これにより、フレキシブル導体23が突起収容部13Dの内面に所定の接触圧で押しつけられ、コンタクト13とフレキシブル導体23との間に信頼性のある電気的接続を構築することが可能となる。
【0041】
実施の形態3
実施の形態1および2では、ベース部材14の突起15が、突起15の中心軸C1と平行に直線状に延びる4つの突出部15Aと、4つの突出部15Aの間にそれぞれ配置された4つの隙間形成部15Bを有しているが、図12および図13に示されるように、それぞれ、球面形状の4つの突出部31Aを有する突起31を用いることもできる。
4つの突出部31Aは、円柱形状を有する突起本体32の根本部分の近傍において、突起本体32の側面に突出形成され、突起本体32の周方向に均等に配置されている。
それぞれの突出部31Aの周辺に位置する円柱形状の突起本体32の側面により、隙間形成部31Bが形成されている。
【0042】
突起31がコンタクト13の突起収容部13Dに挿入されると、4つの突出部31Aが、それぞれ突起収容部13Dの内面に近接し、隙間形成部31Bと突起収容部13Dの内面との間に、突出部31Aと突起収容部13Dの内面との間の間隔よりも広い所定の隙間が形成される。
【0043】
このような突起31を用いても、実施の形態1および2と同様に、フレキシブル導体23が表面に露出しているフレキシブル基板21または独立したフレキシブル導体23を間に挟みつつ突起31をコンタクト13の突起収容部13Dに挿入することにより、コンタクト13をフレキシブル導体23に電気的に接続すると共に、フレキシブル基板21またはフレキシブル導体23が変形することにより発生する余剰部分を突起31の隙間形成部31Bとコンタクト13の突起収容部13Dの内面との間に形成された所定の隙間に収容することができる。
なお、実施の形態3においても、突起31の突出部31Aおよび突起収容部13Dの個数は限定されず、突起31は、1つ以上の突出部31Aと1つ以上の隙間形成部31Bを有していればよい。
【0044】
実施の形態4
また、図14および図15に示されるような突起41を使用することもできる。
突起41は、Z方向に延びる中心軸C2を有し、XY面による断面がX方向に延びる長軸とY方向に延びる短軸とを備える楕円形の柱形状を有している。
突起41の側面のうち、楕円の長軸方向に位置する部分、すなわち、突起41の側面の+X方向端部および−X方向端部により2つの突出部41Aが形成され、残りの側面部分により隙間形成部41Bが形成されている。
【0045】
図15に示されるように、突起41がコンタクト13の突起収容部13Dに挿入されると、2つの突出部41Aが、それぞれ突起収容部13Dの内面に近接し、隙間形成部41Bと突起収容部13Dの内面との間に、突出部41Aと突起収容部13Dの内面との間の間隔よりも広い所定の隙間が形成される。特に、突起41の側面のうち、楕円の短軸方向に位置する部分、すなわち、突起41の側面の+Y方向端部および−Y方向端部において、隙間形成部41Bと突起収容部13Dの内面との間の隙間が最大となる。
【0046】
このような突起41を用いても、フレキシブル導体23が表面に露出しているフレキシブル基板21または独立したフレキシブル導体23を間に挟みつつ突起41をコンタクト13の突起収容部13Dに挿入することにより、コンタクト13をフレキシブル導体23に電気的に接続すると共に、フレキシブル基板21またはフレキシブル導体23が変形することにより発生する余剰部分を突起41の隙間形成部41Bとコンタクト13の突起収容部13Dの内面との間に形成された所定の隙間に収容することができる。
【0047】
実施の形態5
実施の形態1および2における突起15の代わりに、図16および図17に示されるような突起51を用いることもできる。この突起51は、図4に示される突起15の頂部、すなわち+Z方向の先端部に、尖鋭部52が形成されたものであり、尖鋭部52以外は、突起15と同様の構成を有している。
突起51は、Z方向に延びる中心軸C3を有し、それぞれ中心軸C3と平行に直線状に延びる4つの突出部15Aと、4つの突出部15Aの間にそれぞれ形成された4つの隙間形成部15Bを有している。
【0048】
尖鋭部52は、フレキシブル導体23が表面に露出しているフレキシブル基板21または独立したフレキシブル導体23と共にコンタクト13の突起収容部13Dに挿入される際にフレキシブル基板21またはフレキシブル導体23を突き通すためのもので、中心軸C3に沿って+Z方向に延び且つ+Z方向に向かって尖る円錐形状を有している。
突起51の表面が、フレキシブル導体23が表面に露出しているフレキシブル基板21または独立したフレキシブル導体23により包まれた状態で、コンタクト13の突起収容部13Dに挿入されると、突起51の尖鋭部52によりフレキシブル基板21またはフレキシブル導体23が突き通されて開口し、開口した箇所を通して突起51がフレキシブル基板21またはフレキシブル導体23の+Z方向側に突出し、フレキシブル基板21またはフレキシブル導体23の開口端部が、突起51の側面に沿う状態となる。
【0049】
これにより、突起51の突出部15Aは、フレキシブル基板21のフレキシブル導体23または独立したフレキシブル導体23をコンタクト13の突起収容部13Dの内面に押しつけ、コンタクト13がフレキシブル導体23に電気的に接続される。
このように、突起51の尖鋭部52を用いてフレキシブル基板21またはフレキシブル導体23を開口し、フレキシブル基板21またはフレキシブル導体23の開口端部を突起51の突出部15Aと突起収容部13Dの内面との間に挟むので、フレキシブル基板21またはフレキシブル導体23が延伸しにくい材質から形成されている場合であっても、コンタクト13をフレキシブル導体23に確実に電気的に接続することができる。
【0050】
なお、突起51の尖鋭部52と同様の尖鋭部を、実施の形態3における突起31および実施の形態4における突起41の+Z方向の頂部にそれぞれ形成することもできる。
また、突起51の尖鋭部52は、円錐形状を有しているが、円錐形状の代わりに、+Z方向に向かう直線状の刃部を有し、突起51の尖鋭部52によりフレキシブル基板21またはフレキシブル導体23を切開するように構成することもできる。
【0051】
実施の形態6
実施の形態1および2では、突起15をコンタクト13の突起収容部13Dに押し込むための押し込み部材として、4つの突起15が形成されたベース部材14が用いられているが、これに限るものではなく、図18に示されるように、1つの突起15の根本部分に押し込み部材側フランジ62が接続された押し込み部材61を用いることもできる。
このような押し込み部材61の突起15の表面がフレキシブル基板21または独立したフレキシブル導体23により包まれた状態で、押し込み部材61の突起15を対応するコンタクト13の突起収容部13Dに挿入することにより、コンタクト13をフレキシブル基板21のフレキシブル導体23または独立したフレキシブル導体23に電気的に接続することができる。
実施の形態3、4、5における突起31、41、51に対しても、同様に、根本部分に押し込み部材側フランジが接続された押し込み部材を形成することができる。
【0052】
また、上記の実施の形態1〜6では、プラグ型のコンタクト13が用いられているが、これに限るものではなく、同様にして、レセプタクル型のコンタクトを、フレキシブル基板21のフレキシブル導体23または独立したフレキシブル導体23に接続するコネクタを構成することもできる。
【符号の説明】
【0053】
1 フレキシブル基板、2 コンタクト、3 ベース部材、4 フレキシブル導体、5 突起収容部、6 突起、11,11A コネクタ、12 ハウジング、12A 凹部、12B コンタクト用貫通孔、12C 面、12D ポスト収容部、13 コンタクト、13A 筒状部、13B コンタクト側フランジ、13C 第2の面、13D 突起収容部、14 ベース部材(押し込み部材)、14A 平板部、14B 第1の面、15,31,41,51 突起、15A,31A,41A 突出部、15B,31B,41B 隙間形成部、16 ハウジング固定用ポスト、21,21A フレキシブル基板、22 基板本体、22A 表面、22B 裏面、22C 貫通孔、23 フレキシブル導体、32 突起本体、52 尖鋭部、61 押し込み部材、62 押し込み部材側フランジ、C1,C2,C3 中心軸、D1,D1A,D2 長さ、D3 内径、G1 間隔、G2 所定の隙間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図21