【解決手段】 表示装置は、表示領域に設けられ、第1方向及び前記第1方向に交差する第2方向に沿って、行列状に配置された、複数の副画素を備え、前記複数の副画素は、複数の赤色の副画素、複数の緑色の副画素、複数の青色の副画素を有し、前記第1方向において、前記赤色の副画素と前記緑色の副画素、前記緑色の副画素と前記青色の副画素、及び、前記青色の副画素と前記赤色の副画素が隣り合って配置され、前記第2方向において、前記赤色の副画素と前記青色の副画素、前記青色の副画素と前記緑色の副画素、及び、前記緑色の副画素と前記赤色の副画素が隣り合って配置されており、前記複数の副画素のうち、同じ色の前記副画素に対して同じ階調の画像信号を入力する場合に隣り合う副画素列の一方は、他方の副画素列よりも輝度が高い。
前記第1方向に沿って、前記複数の赤色の副画素の1つと、前記複数の緑色の副画素の1つと、前記複数の青色の副画素の1つとが順に繰り返し配置され、かつ、前記第2方向に沿って、前記複数の赤色の副画素の1つと、前記複数の青色の副画素の1つと、前記複数の緑色の副画素の1つとが順に繰り返し配置される、請求項1または2に記載の表示装置。
前記第1方向において、前記赤色の副画素と前記青色の副画素との間に前記緑色の副画素が配置され、前記緑色の副画素と前記赤色の副画素との間に前記青色の副画素が配置され、前記青色の副画素と前記緑色の副画素との間に前記赤色の副画素が配置され、
前記第2方向において、前記赤色の副画素と前記緑色の副画素との間に前記青色の副画素が配置され、前記青色の副画素と前記赤色の副画素との間に前記緑色の副画素が配置され、前記緑色の副画素と前記青色の副画素との間に前記赤色の副画素が配置される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の表示装置。
前記複数の副画素のうち、同じ色の前記副画素は、前記第1方向、及び、前記第2方向の逆方向に沿って、斜めに並んで配置される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る表示装置について詳細に説明する。
【0008】
本実施形態においては、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第3方向Zの矢印の先端に向かう方向を上又は上方と定義し、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向を下又は下方と定義する。
【0009】
また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
【0010】
また、第3方向Zの矢印の先端側に表示装置DSPを観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX−Y平面に向かって見ることを平面視という。第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX−Z平面、あるいは第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY−Z平面における表示装置の断面を見ることを断面視という。
【0011】
図1は、本実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
図1(A)は、表示装置DSPの構成を概略的に示す斜視図である。
図1(A)に示す表示装置DSPは、表示パネルPNLを備える。表示パネルPNLは、一例では矩形状である。図示した例では、表示パネルPNLの短辺は第1方向Xと並行であり、表示パネルPNLの長辺は第2方向Yと平行である。第3方向Zは、表示パネルPNLの厚さ方向に相当する。表示パネルPNLの主面は、第1方向Xと第2方向Yとにより規定されるX−Y平面に平行である。
【0012】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1(アレイ基板)と、当該第1基板SUB1に対向配置された第2基板SUB2(対向基板)と、第1基板SUB1及び第2基板SUB2の間に形成された液晶層(図示せず)とを備える。なお、例えば第1基板SUB1上には、表示パネルPNLを駆動するパネルドライバPDV(制御部)が搭載されている。
更に、表示パネルPNLの外部には例えばホスト装置HSTが設けられ、当該ホスト装置HSTは、フレキシブル配線基板FPC1及びパネルドライバPDVを介して、表示パネルPNLに接続されている。
【0013】
表示パネルPNLは、画像を表示する領域である表示領域DAを有する。表示領域DA(表示パネルPNL)には、複数の画素PX及び画素PXに含まれる副画素SPXが配置(配列)されている。副画素SPXの詳細については後述する。
制御部であるパネルドライバPDVは、例えばホスト装置HSTから出力される画像信号を入力し、当該画像信号に基づいて表示領域DAに配置されている各副画素SPXを駆動することによって、表示パネルPNLに画像を表示することができる。
【0014】
第1基板SUB1の下側(つまり、表示パネルPNLの背面側)には、表示パネルPNLを照明する照明装置ILDが配置されている。フレキシブル配線基板FPC2は、照明装置ILDとホスト装置HSTとを接続する。照明装置ILDの光源としては、例えば発光ダイオード(LED)利用する。ここでは、表示パネルPNLの背面側に配置される照明装置ILDを使用する場合について説明したが、当該表示パネルPNLの表示面側に配置されるフロントライトが使用されても構わない。また、導光板とそのサイドに配置されるLEDを用いた照明装置が使用されてもよいし、発光素子を平面的に配列した点状光源を用いた照明装置が使用されてもよい。
【0015】
なお本実施形態においては、表示装置DSPが液晶層を用いた液晶表示装置であるものとして説明するが、表示装置DSPは、有機発光層を用いた有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)表示装置、又はマイクロLED(Light Emitting Diode)を用いたマイクロLED表示装置等であってもよい。
表示装置DSPが有機EL表示装置またはマイクロLED表示装置である場合には、表示装置DSPは照明装置を備えない構成であってもよい。
【0016】
また、本実施形態における表示パネルPNLは、透過型、反射型、半透過型のいずれであってもよい。透過型の表示パネルPNLが適用された表示装置DSPは、上記したように第1基板SUB1の背面側に照明装置ILDを備え、当該照明装置ILDからの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を有している。反射型の表示パネルPNLが適用される表示装置DSPは、光を反射する反射層を液晶層より表示パネルPNLの背面側に有し、第2基板SUB2の前面側(表示面側)からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を有している。なお、反射型の表示パネルPNLの前面側には、補助光源が備えられてもよい。また、反射層は、金属等の反射機能を有する材料で液晶層より表示パネルPNLの背面側にある電極を形成するように構成されていてもよい。反透過型の表示パネルPNLが適用される表示装置DSPは、上記した透過表示機能及び反射表示機能を有している。
【0017】
図1(B)は、
図1(A)の回路構成を示す図である。
図1(B)に示すように、副画素SPXは、それぞれ、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。
スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線GL及び信号線SLと電気的に接続されている。走査線GLは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線SLは、第2方向Yと逆方向に並んだ副画素SPXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。
【0018】
画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の画素電極PEに対して共通に設けられている。液晶層LC(特に、液晶分子LCM)は、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって駆動される。具体的には、共通電極CEは画素PX共通に同電位が印加され、画素電極PEには副画素SPXごとに電圧が印加される。容量CSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0019】
走査線GL、信号線SL、スイッチング素子SW、及び、画素電極PEは、第1基板SUB1に設けられ、共通電極CEは、第2基板SUB2に設けられている。第1基板SUB1において、走査線GL及び信号線SLは、パネルドライバPDV及びフレキシブル配線基板FPC1と電気的に接続されている。
【0020】
本実施形態において、副画素SPXは、下記の赤色(R)の副画素SPR、緑色(G)の副画素SPG、青色(B)の副画素SPBを含んでいる。
図2は、本実施形態の副画素の画素配列を簡易的に示す図である。
図2において、第1方向X及び第2方向Yに沿ってマトリクス状(行列状)に配置されている各ブロックは、それぞれ表示装置DSPの表示領域DAに含まれる副画素SPXを表している。なお、「R」と表記されているブロックが副画素SPRを表し、「G」と表記されているブロックが副画素SPGを表し、「B」と表記されているブロックが副画素SPGを表している。
【0021】
赤色(R)の副画素SPR、緑色(G)の副画素SPG、青色(B)の副画素SPBで、1つの画素PXを構成する。本実施形態では、副画素SPR、副画素SPG、副画素SPBを、それぞれ第1副画素、第2副画素、第3副画素ともいう。
【0022】
図2に示す表示装置DSPの表示領域DAは、第1方向Xに沿って、副画素SPR、副画素SPG、副画素SPBがこの順に配置されている。また
図2に示す表示装置DSPの表示領域DAは、第1方向Xにおいて、副画素SPRと副画素SPG、及び、副画素SPGと副画素SPBとが隣り合って配置されている。また第2方向Yにおいて、副画素SPRと副画素SPB、副画素SPBと副画素SPG、及び、副画素SPGと副画素SPRとが隣り合って配置されている。
より具体的には、第1方向Xに沿って、副画素SPR、副画素SPG、副画素SPBがこの順に配置されている。また表示領域DAは、第2方向Yに沿って、副画素SPR、副画素SPB、副画素SPGがこの順に配置されている。換言すると、第2方向Yの逆方向に沿って、副画素SPR、副画素SPG、副画素SPBがこの順に配置されている。
【0023】
さらに言い換えると、第1方向Xにおいて、副画素SPRと副画素SPBとの間には、副画素SPGが配置されている。第1方向Xにおいて、副画素SPGと副画素SPRとの間には、副画素SPBが配置されている。第1方向Xにおいて、副画素SPBと副画素SPGとの間には、副画素SPRが配置されている。
また第2方向Yにおいて、副画素SPRと副画素SPGとの間には、副画素SPBが配置されている。第2方向Yにおいて、副画素SPBと副画素SPRとの間には、副画素SPGが配置されている。第2方向Yにおいて、副画素SPGと副画素SPBとの間には、副画素SPRが配置されている。
【0024】
さらに換言すると、同じ色の副画素SPXは、第1方向Xに副画素SPX1個ずつ、及び第2方向Yの逆方向に沿って副画素SPX1個ずつずれた状態で配置されている、すなわち1行1列ごとに1個ずつずれた状態で斜めに並んで配置されている。
あるいは、複数の副画素SPXは、各副画素行において、隣り合う副画素の色が異なり、かつ、各副画素列において、隣り合う副画素の色が異なる。
本明細書では、
図2に示す画素配列をSQy画素配列と呼ぶこととする。
なお、本実施形態において
図2に示す副画素SPXの配列に限定されず、
図2に示す副画素SPXの配列を左右逆転した配列、副画素SPXの配列を上下逆転した配列、又は副画素SPXの配列を上下左右逆転した配列であってもよい。
【0025】
ここで表示装置DSPでラスタ表示した場合について説明する。ラスタ表示とは、表示装置DSPの表示領域DAに、一様に同じ階調の画像を表示することである。例えば、表示領域DAが全て白色を表示することや、青色を表示すること等が挙げられる。
ここで、
図2に示すような同じ色の副画素SPXが斜めに並んで配置された表示装置DSPでは、下記の問題が生じる恐れがある。
【0026】
すなわち、同じ色の副画素SPXを斜めに並んで配置した表示装置でラスタ表示を行うと、当該同じ色の副画素SPXが繋がって視認されてしまい、斜めに延伸するスジが視認されてしまうという恐れがある。このようなスジは、表示装置DSPの精細度が低い場合に顕著である。またラスタ表示でなくても、表示画像内に同じ階調の部分が多い場合に顕著である。
このような斜めのスジが視認されると、表示装置DSPの表示品質が低下してしまう恐れが生じる。
【0027】
本実施形態では、上述の斜めのスジによる表示品質の低下を抑制可能な表示装置を提供する。本実施形態の表示装置DSPでは、副画素SPX全体において、隣り合う副画素列の輝度が異なる。具体的には、輝度がより高い明るい副画素(本実施形態では明副画素とする)の列、及び、輝度がより低い暗い副画素(本実施形態では暗副画素とする)の列が、交互に並んで配置される。つまり隣り合う副画素列の一方は、他方の副画素列よりも輝度が高い。換言すると、1列おきに配置された明副画素列それぞれとの間に暗副画素列が配置されている。さらに換言すると、奇数の副画素列は明副画素列又は暗副画素列の一方であり、偶数の副画素列は明副画素列又は暗副画素列の他の一方である。
なお上記明副画素及び暗副画素は、副画素SPXに入力される階調に基づいて決定される。詳細は後述する。
【0028】
さらに換言すると、副画素SPXにおいて、第1方向Xにおいて隣り合う副画素SPXの輝度は異なり、かつ第2方向Yにおいて隣り合う副画素SPXの輝度は同じである。また第1方向Xにおいて、同じ輝度を有する2つの副画素SPXの間に、輝度が異なる1つの副画素SPXが配置されている。第1方向Xにおいて隣り合う2つの副画素SPXの輝度は、一方が他方よりも高い。
【0029】
図3は、本実施形態の副画素の画素配列を簡易的に示す図である。
図3中ドットが疎である副画素SPXは明副画素を示し、ドットが密である副画素SPXは暗副画素を示している。
図3に示す表示装置DSPの表示領域DAには、明副画素列と暗副画素列が繰り返し交互に配置される。
図3に示す表示領域DAにおいて、奇数列が明副画素列、偶数列が暗副画素列である。なお奇数列及び偶数列の順番は限定されない。すなわち奇数列が暗副画素列、偶数列が明副画素列であってもよい。
【0030】
図3に示す表示領域DAは、副画素SPRの明副画素である副画素SPRb、副画素SPRの暗副画素である副画素SPRd、副画素SPGの明副画素である副画素SPGb、副画素SPGの暗副画素である副画素SPGd、副画素SPBの明副画素である副画素SPBb、副画素SPBの暗副画素である副画素SPBdを有している。
【0031】
例えば表示領域DAの1行目の副画素SPXは、第1方向Xに沿って、副画素SPRd、副画素SPGb、副画素SPBd、副画素SPRb、副画素SPGd、副画素SPBdが繰り返しこの順に並んでいる。また例えば表示領域DAの1列目は、第2方向Yの逆方向に沿って、副画素SPRd、副画素SPGd、副画素SPBdがこの順に繰り返し並んでいる。表示領域DAの2列目は、第2方向Yの逆方向に沿って、副画素SPGd、副画素SPBd、副画素SPRdがこの順に繰り返し並んでいる。
【0032】
ここで赤色(R)の副画素SPRに注目して説明する。
図4は、実施形態の副画素の画素配列を簡易的に示す図である。
図4では副画素SPRのうち、明副画素である副画素SPRb及び暗副画素である副画素SPRd、並びに、副画素SPRにより生じるスジを示している。
より具体的には、
図4に示す表示装置DSPでは、
図2と同様に、第1方向Xに副画素SPR1個ずつ、及び第2方向Yの逆方向に沿って副画素SPR1個ずつずれた副画素SPRに生じるスジST1(右下がりに延伸するスジ)、に加えて、第1方向Xに副画素SPR2個ずつ、及び第2方向Yに沿って副画素SPR1個ずつずれた副画素SPRに生じるスジST2(右上がりに延伸するスジ)が生じる。なお
図4において、スジST1は点線で囲まれた領域、スジST2は一点破線で囲まれた領域で示されている。
【0033】
スジST1が生じる理由は、
図2の説明で述べた通りである。
図4においてスジST2が生じるのは、暗副画素である副画素SPRdが連なって視認されることによる。
図4に示すように、異なる方向に傾くスジST1及びスジST2は、互いに相殺しあう。その結果どちらのスジ(ST1及びST2)も視認されにくくなる。これにより、表示品質が向上した表示装置を得ることができる。
【0034】
ここでストライプ画素配列の副画素SPXへの入力を、
図3に示す画素配列への入力に変換する方法について述べる。
図5は、実施形態の表示装置DSPの表示領域DAにおける画素配列を示す図である。
図5(A)は、ストライプ画素配列を簡易的に示す図である。
図5(A)に示す表示装置DSPにおいて、副画素SPR、SPG、及びSPBがそれぞれ列方向にストライプ形状を形成するように、複数の副画素SPX(副画素SPR、SPG、及びSPB)が配置されている。換言すれば、画素配列の各行を構成する複数の副画素SPXは、同じ色の副画素SPX同士が列方向において隣接し、異なる色の副画素SPX同士が行方向に並ぶように配置されている。このような画素配列が、上述のストライプ画素配列である。
【0035】
また上述のように1つの画素PXが3つの副画素SPX(副画素SPR、副画素SPG、及び副画素SPB)を有しているので、
図5に示す表示装置DSPにおいて、1列の画素PXは3列の副画素SPXを有しているといえる。なお
図5(A)においては、ストライプ画素配列の副画素SPR、副画素SPG、副画素SPB、及び画素PXを、それぞれ副画素SPRp、副画素SPGp、副画素SPBp、及び画素PXpとしている。
また
図5(A)に示す表示装置DSPは、例えば1080行1920列(1080×1920)の解像度を有している。すなわち
図5に示す表示装置DSPには、副画素SPR、副画素SPG、副画素SPBそれぞれにおいて、1080行×1920列の副画素が配置されている。
【0036】
ストライプ画素配列を有する表示装置DSPでは、同じ色の副画素が列ごとに並んでいるため、色を表示するための部材、例えば液晶表示装置であればカラーフィルタを製造することが容易であるという利点がある。
しかしながら、ストライプ画素配列を有する表示装置DSPでは、高精細になるにつれ、副画素列の幅が細くなってしまう。そのため信号線SLを配置するのに十分な領域が得られない恐れが生じる。
【0037】
そこで、本実施形態では、
図3に示すSQy画素配列を有する表示装置DSPを用いる。
図5(B)は、
図3と同様に、SQy画素配列を簡易的に示す図である。このような表示装置DSPでは、ストライプ画素配列と比較して、解像度は第1方向Xにおいて2/3倍、第2方向Yにおいて3/2倍となる。例えば
図5(A)の1080行1920列の解像度を有するストライプ画素配列を、SQy画素配列に変換すると、
図5(B)に示す1620行1280列(1620×1280)の解像度となる。
【0038】
換言すると、1つの副画素SPXの第1方向Xにおける長さ(横幅)は、ストライプ画素配列に比較して、3/2倍となる。同様に、1つの副画素SPXの第2方向Yにおける長さ(縦幅)は、2/3倍となる。副画素SPXの横幅が増えるため、信号線SLの幅を確保することができる。
なお
図5(B)において、SQy画素配列の副画素SPR、副画素SPG、副画素SPB、及び画素PXを、それぞれ副画素SPRq、副画素SPGq、副画素SPBq、及び画素PXqとしている。
【0039】
しかしながら、ストライプ画素配列とSQy画素配列は形状が異なるため、ストライプ画素配列の副画素SPXへの画像信号を、SQy画素配列の画像信号に変換する必要がある。
図6及び
図7は、ストライプ画素配列からSQy画素配列への変換を示す図である。図面を見易くために、
図6及び
図7において、赤色の副画素SPR(SPRp及びSPRq)は、縦線のハッチング、緑色の副画素SPG(SPGp及びSPGq)は斜線のハッチング、青色の副画素SPB(SPBp及びSPBq)は横線のハッチングで示している。
【0040】
図6(A)に示す表示装置DSPは、ストライプ画素配列の副画素SPXを有しており、1つの画素PXpは、第1方向Xに並んで配置された3つの副画素SPRp、SPGp、SPBpを含んでいる。
一方、
図6(B)に示す表示装置DSPは、SQy画素配列の副画素SPXを有している。
図6(B)に示すように、ストライプ画素配列の画素PXpの2行1列分が、SQy画素配列の副画素3行2列分に変換される。
【0041】
図7では、赤色の副画素SPR(SPRp及びSPRq)のみを示している。
図7(A)に示すように、ストライプ画素配列の2行2列に含まれる画素PXpを、画素PXp(1,1)、PXp(1,2)、PXp(2,1)、PXp(2,2)とする。画素PXp(1,1)には副画素SPRp(1,1)、画素PXp(1,2)には副画素SPRp(1,2)、画素PXp(2,1)には副画素SPRp(2,1)、画素PXp(2,2)には副画素SPRp(2,2)が含まれている。なお
図7において、それぞれの副画素SPRpに入力される画像信号の成分は16とする。
【0042】
ストライプ画素配列の画素PXpの2行2列分は、SQy画素配列の副画素3行4列分に変換される。
図7(B)に示すように、副画素SPRp(1,1)(画素PXp(1,1))の成分である16は、副画素SPRq(−1,2)に入力される。なお副画素SPRq(−1,2)とは、上記ストライプ画素配列の2行2列に含まれる画素PXpの1行前、及び2列目の副画素SPRqを示している。
【0043】
副画素SPRp(2,1)(画素PXp(2,1))の成分である16は、副画素SPRq(1,2)に入力される。副画素SPRp(1,2)(画素PXp(1,2))の成分16は、副画素SPRq(1,3)に入力される。副画素SPRp(2,2)(画素PXp(2,2))の成分16は、副画素SPRq(2,4)に入力される。
なお他の副画素SPRp(画素PXp)についても同様の変換が行われる。
以上のように、ストライプ画素配列の1つの副画素SPRpの成分を、SQy画素配列の1つの副画素SPRqに変換することを、本実施形態ではマッピング処理という。
なお上記では、赤色の副画素SPRについてのマッピング処理について説明したが、緑色の副画素SPG、及び青色の副画素SPBにおいても、同様の処理を行う。これにより、ストライプ画素配列からSQy画素配列への画像信号の変換が可能である。
【0044】
なお本実施形態において、副画素SPRp、副画素SPGp、副画素SPBpをそれぞれ、第1赤色副画素、第1緑色副画素、及び第1青色副画素とも呼び、色を区別する必要がない場合は、総じて第1副画素と呼ぶ。また副画素SPRq、副画素SPGq、副画素SPBqをそれぞれ、第2赤色副画素、第2緑色副画素、及び第2青色副画素とも呼び、色を区別する必要がない場合は、総じて第2副画素と呼ぶ。
第1副画素に入力される画像信号を第1画像信号、第2副画素に入力される画像信号を第2画像信号とすると、
図7においては、1つの第2副画素の第2画像信号は、同じ色の1つの第1副画素入力される。
【0045】
以上のようにして、スクエア画素配列からSQy画素配列への画像信号の変換が行われる。ここで
図5に戻って説明する。
図5(B)に示すSQy画素配列において、隣り合う列ごとに明副画素及び暗副画素を設けた状態を
図5(C)に示す。
【0046】
図5(C)に示すように、1つの画素PXqは、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の副画素を有している。同時に、1つの画素PXqは、2つの明副画素及び1つの暗副画素、又は、1つの明副画素及び2つの暗副画素を有している。
【0047】
図8は、明副画素及び暗副画素の入力階調と出力階調の関係を示す図である。
図8では入力階調と出力階調が等しい状態を点線で示している。明副画素では、入力階調に対して出力階調を上げるように画像信号が処理される。暗副画素では、入力階調に対して出力階調を下げるように画像信号が処理される。明副画素及び暗副画素は、低階調側では出力階調の差が小さく、高階調側では出力階調の差が大きい。
【0048】
なお最大階調に近い階調、例えば250階調以上では、明副画素の出力階調が飽和してしまい、入力階調を上げても出力階調は一定値(最大階調)となる。この場合、暗副画素は明副画素との階調の差(輝度差)が出るように、暗副画素の出力階調を規定する。暗副画素については、入力階調を上げても、出力階調が最大値に達しなくなってしまう恐れがあるが、明副画素と暗副画素の階調の差(輝度差)があることがより好適である。
図8を用いて説明された明副画素及び暗副画素の列を、交互に配置することにより、
図4及び
図5(C)に示す画素配列が得られる。これにより右下がりのスジST1が発生しても、右上がりのスジST2により相殺することが可能である。
【0049】
なお本実施形態の表示装置DSPにおいて、2列の副画素列ごとに、画素電極PE及び共通電極CEに印加される電圧の極性を、所定の周期で反転させる駆動を行ってもよい。このような駆動を、本実施形態では2カラム反転駆動と呼ぶ。
例えば、共通電極CEに印加される電圧を基準電圧とした場合、1列目及び2列目の副画素列における画素電極PEに、基準電圧より高い電圧(プラス(+)極性という)を印加する。また3列目及び4列目の副画素列における画素電極PE、基準電圧より低い電圧(マイナス(−)極性という)を印加する。所定の期間で、画素電極PEに印加される電圧の極性を反転させる。なお5行目以降も同様に駆動すればよい。
以上本実施形態により、表示品質が向上可能な表示装置を得ることができる。
【0050】
<構成例>
図9は、実施形態における表示装置の他の構成例を示す図である。
図9に示した構成例では、
図7に示した構成例と比較して、レンダリング処理を行うという点で異なっている。
図9(A)は、
図7(A)と同じ図である。
図7(B)では、ストライプ画素配列の1つの副画素SPRpの成分全てを、SQy画素配列の1つの副画素SPRqに変換する例について説明した。一方、
図9では、ストライプ画素配列の1つの副画素SPRpの成分を分配して、SQy画素配列の副画素SPRqに入力する。つまり
図7とは異なり、
図9においては、1つの第2副画素(ストライプ画素配列の副画素)の画像信号(上記第2画像信号に相当)は、同じ色の複数の第1副画素(SQy画素配列の副画素)に分配して入力される。下記に詳細を述べる。
【0051】
図9(B)に示す表示装置DSPでは、ストライプ画素列の1つの画素PXpの成分を、4方向以上に分配する。より詳細には、
図9(B)では、1つの画素PXpに含まれる副画素SPRp、SPRGp、SPBpのそれぞれを、横3副画素及び縦2副画素の周期で繰り返して分配している。またここで横3副画素とは、第1方向Xに沿って3副画素ごとであり、縦2副画素とは、第2方向Yに沿って2副画素ごととを意味する。また画素PXpの成分とは、画素PXpに入力される画像信号の階調又は画素PXpの輝度と同等である。
【0052】
図9(B)に示すように、副画素SPRp(1,1)(画素PXp(1,1))の成分である16は、副画素SPRq(−1,2)に成分3、副画素SPRq(1,−1)に成分3、副画素SPRq(2,1)に成分7、及び副画素SPRq(1,3)に成分3に分配される。なお副画素SPRq(−1,2)とは、上記ストライプ画素配列の2行2列に含まれる画素PXpの1行前、及び2列目の副画素SPRqを示している。また副画素SPRq(1,−1)とは、1行目、及び上記ストライプ画素配列の2行2列に含まれる画素PXpの1列前の副画素SPRqを示している。
【0053】
副画素SPRp(2,1)(画素PXp(2,1))の成分16は、副画素SPRq(2,1)に成分5、副画素SPRq(4,−1)に成分1、副画素SPRq(3,2)に成分9、副画素SPRq(4、3)に成分1に分配される。
副画素SPRp(1,2)(画素PXp(1,2))の成分である16は、副画素SPRq(−1,2)に成分1、副画素SPRq(1,3)に成分9、副画素SPRq(-1、5)に成分1、副画素SPRq(2,4)に成分5に分配される。
【0054】
副画素SPRp(2,2)(画素PXp(2,2))の成分16は、副画素SPRq(3,2)に成分3、副画素SPRq(2,4)に成分7、副画素SPRq(4,3)に成分3、副画素SPRq(3,5)に成分3に分配される。
なお他の副画素SPRp(画素PXp)についても同様に成分が分配される。
また緑色の副画素SPG、及び青色の副画素SPBにおいても、同様の処理が行われる。
【0055】
上述したレンダリング処理により、入力画像により近い位置の画素SPXq(副画素SPRq、SPGq、及びSPBq)に、画像信号が入力される。そのため、本構成例の表示装置DSPは、より表示品質の高い画像を表示することが可能である。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0056】
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。