【解決手段】本実施の形態に係る会計処理装置は、支払先と、当該支払先と取引のある部門とを関連づけて登録した支払先部門パターンマスタと、支払先と、当該支払先に支払う費目とを関連づけて登録した支払先費目パターンマスタと、支払先毎に、請求書の合計金額を仮払金として計上した経費支払予定データを入力する経費支払予定入力手段と、対象の経費支払予定データの支払先をキーとして、前記支払先部門パターンマスタ及び前記支払先費目パターンマスタから読み出した費目及び部門が表示される請求書振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、対象の支払先について、部門毎に各費目の金額を入力して、請求書振替データを入力する請求書振替入力手段と、を備えている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
例えば、多店舗展開企業では、支払先毎に各店舗の費用を纏めて支払う場合が多い。この場合、費用の負担部門(店舗)を正確に店舗PLに反映する必要がある。
【0017】
しかしながら、従来は、支払先からの請求書の金額を店舗別・費目別に時間をかけて明細毎に入力していた。また、発生伝票の多い月には特定部門に寄せて計上し店舗別で正しいPLを見ることができないこともあった。
【0018】
このように、支払先からの請求書の金額を店舗別・費目別に明細を入力するのは煩雑で業務負担が大きいため、簡易的に入力できる仕組みを必要としていた。
【0019】
そこで、本実施の形態では、支払先毎に発生する費用科目と部門(例えば、店舗)はある程度決まっているため、マスタに支払先毎の部門と費目の組み合わせパターンを登録することで、支払先毎の請求書合計金額(支払金額)について部門別・費目別に明細を入力する際のオペレーションの効率化を図っている。
【0020】
具体的には、本実施の形態では、(1)支払先毎の費目を一伝票に纏めて計上(債務計上)し、(2)債務に対する支払を実行(債務の履行)し、(3)支払先別の部門・費用の組み合わせをマスタ管理することで、各費用を負担部門へ振替(正確な費用の計上)して、取引毎の各費用の負担部門への振替のオペレーションを効率化する。
【0021】
[2.構成]
本実施の形態に係る会計処理装置の構成の一例について、図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本実施の形態に係る会計処理装置の一例を示すブロック図である。会計処理装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、会計処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0023】
会計処理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。会計処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、会計処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、会計処理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。これにより、通信インターフェース部104は、ネットワーク300を介して、サーバ200とデータ通信可能に構成されている。
【0025】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0026】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0027】
また、この記憶部106は、支払先部門パターンマスタ(第1のマスタ)106aと、支払先費目パターンマスタ(第2のマスタ)106bと、経費支払予定ファイル106cと、請求書振替ファイル106dと、支払決済ファイル106eとを備えている。
【0028】
図2は、支払先部門パターンマスタ106a、支払先費目パターンマスタ106b、経費支払予定データ、請求書振替データ、支払決済データのデータ構成例を示す図である。
【0029】
支払先部門パターンマスタ106aは、支払先毎に発生する部門(例えば、店舗)はある程度決まっているため、支払先単位での部門のパターンを登録するためのマスタである。支払先部門パターンマスタ106aは、例えば、
図2に示すように、支払先、部門、及び当該部門の並び順等のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0030】
支払先費目パターンマスタ106bは、支払先毎に発生する費目はある程度決まっているため、支払先単位での費目のパターンを登録するためのマスタである。支払先費目パターンマスタ106bは、例えば、
図2に示すように、支払先、費目、及び当該費目の並び順のデータを関連づけて登録したテーブル等で構成することができる。
【0031】
経費支払予定ファイル106cは、経費支払予定データ等を格納するためのファイルである。経費支払予定データは、
図2に示すように、経費支払予定番号、事業所、部門、計上日、支払先、支払金額のデータを含んでいてもよい。
【0032】
請求書振替ファイル106dは、請求書振替データ等を格納するためのファイルである。請求書振替データは、請求書振替ヘッダと、請求書振替明細とを含んでいてもよい。請求書振替ヘッダは、
図2に示すように、請求書振替番号、経費支払予定番号、振替日、及び費目1〜7のデータを含んでいてもよい。請求書振替データの登録は経費支払予定伝票の伝票単位で行う。費目の入力可能最大数は例えば「7」としてもよい。請求書振替明細は、
図2に示すように、請求書振替番号、請求書振替行番号、振替先部門、及び金額1〜7のデータを含んでいてもよい。金額項目はヘッダの各費目の同一番号に対応する。また、請求書振替番号単位で金額1〜7を集計した金額は、経費支払予定データの支払金額と一致する。
【0033】
支払決済ファイル106eは、支払決済データ等を格納するためのファイルである。支払決済データは、
図2に示すように、支払番号、部門、支払日、支払先、及び支払金額のデータを含んでいてもよい。
【0034】
図1に戻り、制御部102は、会計処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0035】
ここで、制御部102は、機能概念的に、経費支払予定入力部102aと、請求書振替入力部102bと、支払決済入力部102cと、マスタメンテ部102dと、画面表示制御部102eと、を備えている。
【0036】
経費支払予定入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される経費支払予定入力画面(例えば、
図8参照)上でのオペレータの操作等に応じて、支払先毎に、請求書(伝票)合計金額を仮払金として計上した経費支払予定データを入力して、経費支払予定ファイル106cに格納する。また、経費支払予定入力部102aは、経費支払予定データに基づいた仕訳を作成して経費支払予定ファイル106cに格納する。
【0037】
請求書振替入力部102bは、例えば、モニタ114において、対象の経費支払予定データの支払先をキーとして、支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bから読み出した費目及び部門が表示される請求書振替入力画面(
図10参照)上でのオペレータの操作等に応じて、部門毎に各費目の金額を入力し、部門毎の各費目の金額を含む請求書振替データを請求書振替ファイル106dbに格納する。また、請求書振替入力部102bは、請求書振替データに基づいた仕訳を作成して請求書振替ファイル106dに格納する。
【0038】
また、支払先部門パターンマスタ106aには、支払先毎に、部門の並び順を登録されており、支払先費目パターンマスタ106bには、支払先毎に、費目の並び順が登録されており、請求書振替入力画面には、支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bに登録された並び順で、費目及び部門が表示されることにしてもよい。
【0039】
請求書振替入力画面において、オペレータの操作に応じて部門及び/又は費目を編集可能に構成し、編集された部門及び/又は費目を、支払先部門パターンマスタ106a及び/又は支払先費目パターンマスタ106bに更新して登録してもよい。
【0040】
支払決済入力部102cは、例えば、モニタ114に表示される支払決済入力画面(
図12参照)上でのオペレータの操作等に応じて、経費支払予定データに基づいて、支払決済データを入力して、支払決済ファイル106eに格納する。また、支払決済入力部102cは、支払決済データに基づいて仕訳を作成して、支払決済ファイル106eに格納する。
【0041】
マスタメンテ部102dは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bのデータの追加・削除・変更等の編集を行うためのものである。
【0042】
画面表示制御部102fは、モニタ114に表示する各種画面(例えば、経費支払予定入力画面、請求書振替入力画面、支払決済入力画面、マスタメンテ画面等)の表示及びその入力を制御する。
【0043】
[3.具体例]
本実施の形態に係る会計処理装置100の制御部102の処理の具体例について、
図1〜
図13を参照して説明する。
図3は、会計処理装置100の制御部102の全体の処理の流れの概略を説明するためのフローを示す図である。以下の説明では、金額の単位を全て円としてその記載を省略する。
【0044】
図3を参照して、会計処理装置100の制御部102の全体の処理の流れの概略を説明する。
図3において、マスタメンテ部102dは、マスタメンテ処理を実行する(ステップS1)。具体的には、マスタメンテ処理では、マスタメンテ部102dは、例えば、モニタ114に表示されるマスタメンテ画面上でのオペレータの操作等に応じて、支払先部門パターンマスタ106aに、支払先毎に、対象の部門、部門の並び順のデータを、支払先費目パターンマスタ106bに、支払先毎に、対象の費目、費目の並び順のデータを登録する。
【0045】
経費支払予定入力部102aは、経費支払予定入力処理を実行する(ステップS2)。具体的には、経費支払予定入力処理では、経費支払予定入力部102aは、例えば、モニタ114に表示される経費支払予定入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、支払先毎に、請求書合計金額を仮払金として計上した経費支払予定データを入力して、経費支払予定ファイル106cに格納する。また、経費支払予定入力部102aは、経費支払予定データに基づいた仕訳(仮払金(請求書)/買掛金)を作成して経費支払予定ファイル106cに格納してもよい。
【0046】
請求書振替入力部102bは、請求書振替入力処理を実行する(ステップS3)。具体的には、請求書振替入力処理では、請求書振替入力部102bは、例えば、モニタ114に表示される請求書振替入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、対象の支払先について、部門毎に各費目の金額を入力して、請求書振替データを請求書振替ファイル106dに格納する。
【0047】
この場合、画面表示制御部102eは、請求書振替入力画面の表示を制御し、対象の経費支払予定データの支払先をキーとして、支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bから読み出した部門及び費目を表示する。オペレータは、費目及び部門が表示された請求書振替入力画面において、部門毎に各費目の金額を入力することができ、また、部門及び/又は費目の編集(追加等)が可能となっている。請求書振替入力部102bは、編集された部門及び/又は費目については、支払先部門パターンマスタ106a及び/又は支払先費目パターンマスタ106bに反映させて更新することができる。
【0048】
支払先部門パターンマスタ106aには、支払先毎に、部門の並び順を登録されており、支払先費目パターンマスタ106bには、支払先毎に、前記費目の並び順が登録されており、請求書振替入力画面において、支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bに登録された並び順で、費目及び部門が表示されることにしてもよい。
【0049】
また、請求書振替入力部102bは、請求書振替データに基づいた仕訳(各費目/仮払金(請求書))を作成して請求書振替ファイル106dに格納してもよい。
【0050】
支払決済入力部102cは、支払決済処理を実行する(ステップS4)。具体的には、支払決済処理では、支払決済入力部106ccは、例えば、モニタ114に表示される支払決済入力画面上でのオペレータの操作等に応じて、経費支払予定データに基づいて、支払決済データを入力して、支払決済ファイル106eに格納する。
【0051】
また、支払決済入力部102cは、支払決済データに基づいた仕訳(買掛金/CASH)を作成して、支払決済ファイル106eに格納してもよい。
【0052】
つぎに、
図3〜
図13を参照して、本実施の形態に係る会計処理装置100の制御部102の処理の具体例なデータ例を説明する。
図4〜
図13はデータサンプルを示す図である。
【0053】
(S1:マスタメンテ処理)
上記
図3を参照して、マスタメンテ処理の具体例を説明する。マスタメンテ処理では、例えば、
図3に示すような支払先部門パターンを支払先部門パターンマスタ106aに登録する。
図3に示す支払先部門パターンの例では、1行目は、支払先CD:名「1000:A社」、部門CD:名「B1:六本木店」、並び順「1」、2行目は、支払先CD:名「1000:A社」、部門CD:名「B2:銀座店」、並び順「2」、3行目は、支払先CD:名「1000:A社」、部門CD:名「B3:京橋店」、並び順「3」、4行目は、支払先CD:名「1000:A社」、部門CD:名「B4:京橋店」、並び順「4」となっている。
【0054】
また、例えば、
図3に示すような支払先費目パターンデータを支払先費目パターンマスタ106bに登録する。支払先費目パターンの例では、1行目は、支払先CD:名「1000:A社」、費目CD:名「7000:送料」、並び順「1」、2行目は、支払先CD:名「1000:A社」、費目CD:名「8000:支払手数料」、並び順「2」となっている。
【0055】
(S3:請求書振替入力処理)
図4〜
図6を参照して、請求書振替入力処理の具体例を説明する。
図4〜
図6は、請求書振替入力画面の表示例を示す図である。
【0056】
図4は、請求書振替入力画面(一覧画面)の一例を示す図である。請求書振替入力画面(一覧画面)500にて、振替対象となる経費支払予定データ(伝票)の一覧を取得し、振替を行いたい伝票を選択することで、請求書振替入力画面の明細入力画面へと遷移する。
【0057】
図4に示す請求書振替入力画面500の例では、抽出条件を設定するエリア501と、抽出結果を表示するエリア502を備えている。抽出条件としては、計上部門、計上日、振替状況(未振替、振替済を指定するチェックボックス)、出力対象(承認済伝票を含むかを指定するチェックボックス)等を指定することができる。エリア502には、抽出条件に基づいた経費支払予定ファイル106cに格納されている経費支払予定データの抽出結果が表示され、行、経費支払予定番号(伝票番号)、支払先、支払先名、計上日、支払金額、伝票摘要、振替状況、承認状態のデータが表示される。伝票摘要、振替状況、承認状態はオペレータが入力する。ここで、振替を行いたい行の伝票を選択することで請求書振替入力画面の明細入力画面に遷移する。
【0058】
図4に示す例では、抽出条件は、計上部門「A1(本社 経理部)、計上日「2019/10/1〜2019/10/31」、振替状況「未振替、振替済」、出力対象「承認済伝票含む」となっている。エリア502の表示例では、1行目は、経費支払予定番号「D000001」、支払先「1000」、支払先名「A社」、計上日「2019/10/23」、支払金額「1,000,000」となっている。例えば、1行目を選択すると、
図5に示すような請求書振替入力画面の明細入力画面(初期画面)に遷移する。
【0059】
図5に示す明細入力画面600の例では、経費支払予定番号(=伝票番号)、事業所、支払先、計上日、振替日等の入力欄601と、明細入力エリア602と、明細入力エリア602に支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bに登録されたデータを展開するためのマスタ展開ボタン603、支払先部門パターンマスタ106aに未登録の部門を登録するための部門追加ボタン604を備えている。また、画面の下方に、合計金額と、支払金額が自動表示される。マスタ展開ボタン603を押下することで、支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bから対応する部門及び費目のデータを読み出して明細入力エリア602に初期セットする。オペレータは、明細入力エリア602で振替金額を入力する。
【0060】
図5に示す明細入力画面600の例では、経費支払予定番号「D000001」、事業者「A1(本社)」、支払先「1000(A社)」、計上日「2019/10/23」、振替日「2019/10/23」となっている。マスタ展開ボタン603を押下すると、
図6に示すように、明細入力エリア602に支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bに登録されたデータが読み出されて表示される。
【0061】
図6に示す例では、支払先「1000(A社)」をキーとして、支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bから
図3に示すようなデータが読み出されて、登録された並び順に表示される。明細入力エリア602に、行方向に、部門CD:名「B1:六本木店」、部門CD:名「B2:銀座店」、部門CD:名「B3:京橋店」、部門CD:名「B4:京橋店」が並び順に表示され、列方向に、費目CD:名「7000:送料」、費目CD:名「8000:支払手数料」が並び順に表示される。明細入力エリア602において、オペレータは振替金額を入力する。また、入力された金額の合計金額「1,000,000」が自動表示される。登録ボタンを押すことで、画面に表示されるデータに基づいた請求書振替データが作成されて、請求書振替ファイル106dに登録される。
【0062】
部門を入力して、部門追加ボタン604を押下すると、
図7に示すような画面が表示され、登録ボタンを押下することで、支払先部門パターンマスタ106aに未登録の部門を追加することができる。
図7に示す例では、明細入力エリア602の5行目に、部門「渋谷店」が追加されている。ここでは、部門を追加しているが費目を追加可能に構成してもよい。
【0063】
次に、
図8〜13を参照して、経費支払予定入力処理S2〜支払決済入力処理S4までの処理イメージと仕訳作成の流れを説明する。
【0064】
(1)経費支払予定入力処理S2
図8及び
図9を参照して、経費支払予定入力処理S2の処理イメージを説明する。
図8は、経費支払予定入力画面の表示例、
図9は、作成される経費支払予定データ及び仕訳の例を示している。経費支払予定入力処理S2では、負担部門や費目については考慮せず、仮部門(ここでは本社経理部)にて、支払先に対する伝票の合計の支払金額を仮払金として計上する。
【0065】
図8に示す経費支払予定入力画面400の例では、経費支払予定番号(=伝票番号)、基準日、事業所、依頼日、経費計上日、仕入先、支払先、担当者、担当部門等の入力欄と、費目や金額等を入力するためのエリア401と、を備えている。エリア401には、費目、金額、消費税、事業所、部門、明細摘要等の項目が表示され、事業所、部門の項目は入力欄で入力されたデータが表示され、オペレータは、費目、支払先に対する伝票の合計の支払金額、消費税等を入力する。費目や消費税は自動表示してもよい。
【0066】
図8に示す例では、オペレータが、入力欄では、経費支払予定入力番号「D000001」、部門「本社経理部」、計上日「2019/10/23」、支払先「1000(A社)」等を入力し、エリア401では、費目「仮払金(請求書)」、支払先に対する伝票の合計金額である支払金額「1,000,000」等を入力する。オペレータが登録ボタンを押すと、画面のデータに基づいて、
図9に示すような経費支払予定データが作成されて経費支払予定ファイル106cに登録される。
【0067】
図9に示す経費支予定データの例では、経費支払予定番号「D000001」、部門「本社経理部」、計上日「2019/10/23」、支払先「1000(A社)」、支払金額「1,000,000」となっている。「経費支払予定番号」は自動採番してもよい。
【0068】
また、経費支払予定データに基づいて
図9に示すような仕訳を作成する。
図9に示す仕訳の例では、借方については、科目「仮払金(請求書)」、部門「本社経理部」、金額「1,000,000」、貸方については、科目「買掛金」、部門「本社経理部」、金額「1,000,000」となっている。
【0069】
(2)請求書振替入力処理S3
図10及び
図11を参照して、請求書振替入力処理S3の処理イメージを説明する。
図10は、請求書振替入力画面の表示例、
図11は、作成される請求書振替データ及び仕訳の例を示している。経費支払予定入力処理S2では、経費支払予定番号(=伝票番号)を入力すると、経費支払予定番号をキーとして、経費支払予定ファイル106cに格納されている経費支払予定データを取得して請求書振替入力画面に表示し、また、経費支払予定データの支払先をキーとして、支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bから部門、費目、並び順を取得し、当該支払先について、部門及び費目を並び順に従って表示する。これにより、支払先に対する部門別の伝票の金額の入力が容易となる。
【0070】
図10に示す請求書振替入力画面(明細入力画面)600の例では、経費支払予定番号「D000001」が入力され、経費支払予定番号「D000001」をキーとして、経費支払予定ファイル106cから
図9に示すような経費支払予定データを取得して入力欄601に表示し、また、経費支払予定データの支払先「1000(A社)」をキーとして、支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bから
図3に示すような、部門、費目、並び順を取得し、当該支払先について、明細入力エリア602に部門及び費目を並び順に従って表示する。さらに、オペレータが各部門の費目の金額を入力して、登録ボタンを押すことで、画面に表示されるデータに基づいて
図11に示すような請求書振替データが作成されて、請求書振替ファイル106dに登録される。
【0071】
図11に示す請求書振替データの例では、請求書振替ヘッダは、請求書振替番号「H000001」、経費支払予定番号「D000001」、振替日「2019/10/23」、費目1「7000:送料」、費目2「8000:支払手数料」となっている。請求書振替明細は、1行目は、請求書振替番号「H000001」、請求書振替行番号「1」、振替先部門「B1:六本木店」、金額1「100,000」、金額2「50,000」、2行目は、請求書振替番号「H000001」、請求書振替行番号「2」、振替先部門「B2:銀座店」、金額1「200,000」、金額2「50,000」、3行目は、請求書振替番号「H000001」、請求書振替行番号「3」、振替先部門「B3:京橋店」、金額1「50,000」、金額2「0」、4行目は、請求書振替番号「H000001」、請求書振替行番号「4」、振替先部門「B4:日本橋店」、金額1「400,000」、金額2「150,000」となっている。「請求書振替番号」は自動採番してもよい。
【0072】
請求書振替データに基づいて、
図11に示すような仕訳を作成する。1行目の仕訳の例では、費目1について、借方については、科目「送料」、部門「六本木店」、金額「1,000,000」、貸方については、科目「仮払金(請求書)」、部門「本社経理部」、金額「1,000,000」となっている。費目2について、借方については、科目「支払手数料」、部門「六本木店」、金額「50,000」、貸方については、科目「仮払金(請求書)」、部門「本社経理部」、金額「50,000」となっている。
【0073】
(3)支払決済入力処理S4
図12及び
図13を参照して、支払決済入力処理S4の処理イメージを説明する。
図12は、支払決済入力画面の表示例、
図13は、作成される支払決済入力処理データ及び仕訳の例を示している。支払決済入力処理S4では、支払予定金額に対して、支払決済入力にて支払業務を実施する。
【0074】
図12に示す支払決済入力画面700の例は、支払番号、事業所、支払予定日、支払日、部門等の入力欄と、抽出条件(出金支払先、支払通知番号)の入力エリア701と、支払明細一覧を表示するためのエリア702を備えている。エリア702には、出金支払先、支払金額、手数料、振込金額、通貨記号、支払方法等の項目が表示され、抽出条件に合致する経費支払予定ファイル106cの経費支払予定データが読み出されて表示される。オペレータは、手数料、振込金額、通貨記号、支払方法等を入力する。登録ボタンを押すと、画面の内容に基づいて、支払決済データが作成されて支払決済ファイル106eに登録される。
【0075】
図12に示す支払決済入力画面700の例では、支払番号「S000001」、部門「A1:本社経理部」、支払日「2019/11/20」等が入力されている。「支払番号」は、自動採番してもよい。抽出条件の支払先「1000」をキーとして、経費支払予定ファイル106cから
図9に示す経費支払予定データを読み出して、エリア702に支払先「1000」や支払金額「1,000,000」等を表示する。オペレータは、エリア702で、手数料「0」、振込金額「1,000,000」、通貨記号「YEN」、支払方法「振込」等を入力して、登録ボタンを押すことで、画面に表示されるデータに基づいて、
図13に示すような支払決済データが作成されて、支払決済ファイル106eに登録される。
【0076】
図13に示す支払決済データの例では、支払番号「S000001」、部門「本社経理部」、支払日「2019/11/20」、支払先「1000」、支払金額「1,000,000」となっている。「支払番号」は自動採番してもよい。
【0077】
また、支払決済データに基づいて、
図13に示すような仕訳を作成する。
図13に示す仕訳の例では、借方については、科目「買掛金」、部門「本社経理部」、金額「1,000,000」、貸方については、科目「CASH」、部門「本社経理部」、金額「1,000,000」となっている。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態によれば、支払先と、当該支払先と取引のある部門とを関連づけて登録した支払先部門パターンマスタ106aと、支払先と、当該支払先に支払う費目とを関連づけて登録した支払先費目パターンマスタ106bと、支払先毎に、請求書の合計金額を仮払金として計上した経費支払予定データを入力する経費支払予定入力部102aと、対象の経費支払予定データの支払先をキーとして、支払先部門パターンマスタ106a及び支払先費目パターンマスタ106bから読み出した費目及び部門が表示される請求書振替入力画面において、オペレータの操作に応じて、対象の支払先について、部門毎に各費目の金額を入力して、請求書振替データを入力する請求書振替入力部102bと、を備えているので、支払先からの請求書の金額を部門別・費目別に入力する際の作業負担を低減することが可能となる。
【0079】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0080】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0081】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0082】
また、会計処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0083】
例えば、会計処理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて会計処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部106などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部102を構成する。
【0084】
また、このコンピュータプログラムは、会計処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0085】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0086】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0087】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0088】
また、会計処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、会計処理装置100は、当該情報処理装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0089】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能付加に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。