【解決手段】基準電圧生成回路1は、デプレッション型NMOSFET11とエンハンスメント型であってオン閾値電圧がそれぞれ異なる複数のNMOSFET12(1)〜12(8)とを用いて第1基準電圧VREF1を生成する基準電圧生成部10と、複数のNMOSFET12(1)−12(8)それぞれの有効/無効を切り替えるNMOSFET22(1)〜22(8)を有する出力調整部20と、を有する。
デプレッション型の第1トランジスタと、エンハンスメント型であってオン閾値電圧がそれぞれ異なる複数の第2トランジスタとを用いて第1基準電圧を生成するように構成された基準電圧生成部と、
前記複数の第2トランジスタそれぞれの有効/無効を切り替えるように構成された出力調整部と、
を有する、基準電圧生成回路。
前記出力調整部は、デジタル信号に応じて前記複数の第2トランジスタそれぞれの有効/無効を切り替えるように構成されたデコーダを含む、請求項1〜6のいずれかに記載の基準電圧生成回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の基準電圧生成回路は、起動時間、出力精度、ないしは、回路面積について、更なる改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、本明細書中に開示されている基準電圧生成回路は、デプレッション型の第1トランジスタと、エンハンスメント型であってオン閾値電圧がそれぞれ異なる複数の第2トランジスタとを用いて第1基準電圧を生成するように構成された基準電圧生成部と、前記複数の第2トランジスタそれぞれの有効/無効を切り替えるように構成された出力調整部と、を有する構成(第1の構成)とされている。
【0007】
また、上記第1の構成から成る基準電圧生成回路において、前記第1トランジスタのゲート及びソースと、前記複数の第2トランジスタそれぞれのゲート及びドレインは、いずれも前記第1基準電圧の出力端に接続されており、前記出力調整部は、前記複数の第2トランジスタそれぞれのソースと接地端との間に接続された複数のスイッチを含む構成(第2の構成)にしてもよい。
【0008】
また、上記第1または第2の構成から成る基準電圧生成回路は、前記第1基準電圧の入力を受けて第2基準電圧を出力するように構成された出力段をさらに有する構成(第3の構成)にしてもよい。
【0009】
また、上記第3の構成から成る基準電圧生成回路において、前記出力段は、ゲートに前記第1基準電圧が入力され、ソースから前記第2基準電圧が出力され、オン閾値電圧がそれぞれ異なる複数の第3トランジスタを含み、前記複数の第3トランジスタの有効/無効を切り替えることが可能である構成(第4の構成)としてもよい。
【0010】
また、上記第4の構成から成る基準電圧生成回路において、前記複数の第3トランジスタは、少なくとも一つがデプレッション型である構(第5の構成)としてもよい。
【0011】
また、上記第3または第4の構成から成る基準電圧生成回路は、前記第2基準電圧の出力端から接地端に向けて電流を流すように構成されたクランプ部をさらに有する構成(第6の構成)としてもよい。
【0012】
また、上記第1〜6いずれかの構成から成る基準電圧生成回路において、前記出力調整部は、デジタル信号に応じて前記複数の第2トランジスタそれぞれの有効/無効を切り替えるように構成されたデコーダを含む構成(第7の構成)としてもよい。
【0013】
また、上記第1〜第7いずれかの構成から成る基準電圧生成回路において、前記複数の第2トランジスタは、W/Lがそれぞれ異なる構成(第8の構成)としてもよい。
【0014】
また、本発明の別態様に係るメモリ装置は、上記第1〜第8いずれかの構成から成る基準電圧生成回路を備える構成(第9の構成)とされている。
【0015】
また、上記第9の構成から成るメモリ装置において、前記基準電圧は0/1読み出し用のセンス電圧として用いられる構成(第10の構成)としてもよい。
【0016】
また、上記第9または第10の構成から成るメモリ装置は、SPI通信方式に準拠する構成(第11の構成)としてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本明細書中に開示されている発明によれば、起動が早く高精度かつ省面積な基準電圧生成回路を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
<基準電圧生成回路1>
図1は、本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1の一構成例を示す図である。基準電圧生成回路1は、基準電圧生成部10と、出力調整部20と、出力段30と、出力クランプ部40と、を備えている。
【0021】
基準電圧生成部10は、第1基準電圧VREF1を生成するブロックであり、デプレッション型NMOSFET11と、エンハンスメント型であってW/L(=チャネル幅Wとチャネル長Lとの比)及びオン閾値電圧の少なくとも一方がそれぞれ異なる複数(本図では8個)のNMOSFET12(1)〜12(8)と、エンハンスメント型PMOSFET13と、エンハンスメント型NMOSFET14を含む。基準電圧生成部10は、エンハンスメント型NMOSFET11とデプレッション型NMOSFET12(1)〜12(8)からED型基準電圧源を構成しており、NMOSFET11とNMOSFET12(1)〜12(8)の接続ノードから第1基準電圧VREF1を出力する。
【0022】
出力調整部20は、選択信号SELに応じて第1基準電圧VREF1の電圧値を調整するブロックであり、デコーダ21と、エンハンスメント型NMOSFET22(1)〜22(8)から成る複数(本図では8個)のスイッチと、を含む。
【0023】
出力段30は、第2基準電圧VREF2を出力するブロックであり、デプレッション型NMOSFET31a及び31bと、エンハンスメント型PMOSFET32a及び32bと、ロジック部33を含む。出力段30はソースフォロワ回路であり、第1基準電圧VREF1の入力を受けて、第2基準電圧VREF2を出力する。
【0024】
出力クランプ部40は、第2基準電圧VREF2の出力端から接地端に向けて電流を流すブロックであり、デプレッション型NMOSFET41と、エンハンスメント型NMOSFET42と、インバータ43を含む。
【0025】
それぞれのブロックに出力されるイネーブル信号ENBは、それぞれのブロックのスタンバイ状態か否かを切り替える。
【0026】
<基準電圧生成部10>
基準電圧生成部10は、W/L及びオン閾値電圧の少なくとも一方がそれぞれ異なる複数のNMOSFET12(1)〜12(8)を有し、後述する出力調整部20のNMOSFET22(1)〜22(8)のオン/オフ切り替えによりNMOSFET12(1)〜12(8)の有効/無効が切り替えられる。これにより、ED型基準電圧源を形成するエンハンスメント型NMOSFETのゲート−ソース間電圧VGSが切り替わり、第1基準電圧VREF1の電圧値が調節できる。なお、第1基準電圧VREF1の生成に関する原理は従来技術であるため省略する。
【0027】
<出力調整部20>
出力調整部20は、デコーダ21から出力されるHighレベルもしくはLowレベルの信号に応じて複数のNMOSFET22(1)〜22(8)のオン/オフを切り替える。NMOSFET22(1)〜22(8)はスイッチとして動作し、ドレインがそれぞれNMOSFET12(1)〜12(8)のソースに接続されている。NMOSFET22(1)〜22(8)をオンすることでNMOSFET12(1)〜(8)のソースが接地端と導通し、NMOSFET12(1)〜12(8)が有効となる。NMOSFET22(1)〜22(8)をオフすることでNMOSFET12(1)〜12(8)のソースと接地端の導通が解除され、NMOSFET22(1)〜22(8)が無効となる。これにより、NMOSFET12(1)〜12(8)の有効/無効が切り替えられる。
【0028】
デコーダ21には、Mビット(例えばM=4)の選択信号SELのうち、下位Nビット(例えばN=3)が入力される。デコーダ21に入力される選択信号SELの下位ビット数Nは、複数のNMOSFET22の数(≦2
N)によって変動する。下位Nビットの選択信号SELによって2
N階調で第1基準電圧VREF1を切り替えることができる。
【0029】
<出力段30>
出力段30は、ソースフォロワ回路であり、第1基準電圧VREF1を受けて第2基準電圧VREF2を出力する。Mビットの選択信号SELのうち、最上位ビットに応じて、ロジック部33がHighレベルもしくはLowレベルの信号を、スイッチとして動作するPMOSFET32a及び32bのゲートに出力する。これにより、PMOSFET32a及び32bのオン/オフを切り替え、NMOSFET31a及び31bの有効/無効を切り替えることでソースフォロワ回路を形成するNMOSFETのオン閾値電圧Vthが変わり、第2基準電圧VREF2の出力レンジを切り替えることができる。
【0030】
NMOSFET31a及び31bは、オン閾値電圧が異なる複数のデプレッション型NMOSFETである。オン閾値が大きく異なる素子を使用することで第1基準電圧VREF1の調整幅(例えば100mV幅)よりも大きな幅(例えば数百mV幅)で第2基準電圧VREF2の出力レンジを切り替えることができる。
【0031】
<出力クランプ部40>
出力クランプ部40は、第2基準電圧VREF2の出力端から接地端に向けて電流を流す。デプレッション型NMOSFET41がダイオード接続されており、ダイオード特性により定まる電流が流れる。これにより、特に高温時のPMOSFET32a及び32bのリーク電流をキャンセルすることができる。
【0032】
インバータ43はイネーブル信号ENBを受けて、その反転信号である反転イネーブル信号XENBをNMOSFET42のゲートに出力する。NMOSFET42はインバータ43の出力に応じて出力クランプ部40のスタンバイか否かを切り替える。
【0033】
<起動時間>
図2は、電源電圧と起動時間との相関を示す図である。なお、実線は、本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1の挙動を示しており、破線は、従来の基準電圧生成回路(定電流方式またはアンプ方式など)の挙動を比較参照用として示している。
【0034】
図2の横軸は電源電圧であり、縦軸は起動時間である。起動時間には、アプリケーション(例えば高速SPIのシリアルEEPROM等の高速起動が必要なもの)によってクリアする必要がある規格値が設けられている。基準電圧生成回路1と従来の基準電圧生成回路ともに、全体の傾向として、電源電圧が小さいほど起動時間が長くなり、電源電圧が大きいほど起動時間が短くなる。
【0035】
従来の基準電圧生成回路は、回路を構成するカレントミラーや、アンプ、ないしは、アンプの非反転入力端子に入力される電圧を生成する回路等を動作させる必要があるため、起動に時間がかかる。そのため、
図2の一点鎖線で示した規格値をクリアすることができない場合があった。また、起動時間を早めるため動作電流を増やす等の対策をしても、規格値をクリアできない場合がある。
【0036】
本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1は、デプレッション型NMOSFETとエンハンスメント型NMOSFETを用いた単純なED型基準電圧生成回路をベースとすることで、従来の基準電圧生成回路に比べて
図2において80%以上起動時間を早くすることができた。このようにして規格値をクリアすることができる。
【0037】
<温度特性>
図3は、温度と第2基準電圧VREF2との相関を示す図である。なお、実線は、本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1の挙動を示しており、破線は、従来の基準電圧生成回路(定電流方式またはアンプ方式など)の挙動を比較参照用として示している。
【0038】
図3の横軸は温度であり、縦軸は第2基準電圧VREF2である。基準電圧生成回路1と従来の基準電圧生成回路ともに温度が低くなればなるほど第2基準電圧VREF2が上昇し、温度が高くなるほど第2基準電圧VREF2が降下する。
【0039】
所定の温度範囲(例えば25℃〜150℃)において、本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1は、第2基準電圧VREF2が数十mVしか変動せず、同じ温度範囲で数百mVの出力変動が生じる従来の基準電圧生成回路に比べて温度特性が改善された。
【0040】
<電源電圧特性>
図4は、電源電圧と第2基準電圧VREF2との相関を示す図である。なお、実線は、本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1の挙動を示しており、破線は、従来の基準電圧生成回路(定電流方式またはアンプ方式など)の挙動を比較参照用として示している。
【0041】
図4の横軸は電源電圧であり、縦軸は第2基準電圧VREF2である。基準電圧生成回路1と従来の基準電圧生成回路はともに電源電圧を下げていくと変曲点が現れる。このように、電源電圧が下がると出力電圧である第2基準電圧VREF2が降下していき、電源ブロックとして動作できなくなる。
【0042】
本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1は、上記の変曲点がΔ V(数百mV)だけ低電位側にシフトしていることからも分かるように、従来の基準電圧生成回路に比べて電源電圧特性が改善された。
【0043】
<出力調整動作>
図5は、選択信号SELと第2基準電圧VREF2との相関を示す図である。
【0044】
図5の横軸は選択信号SELのbit値(10進表記)であり、縦軸は第2基準電圧VREF2である。本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1の場合、選択信号SELのbit値を上げるほど第2基準電圧VREF2が上昇し、bit値を下げるほど第2基準電圧VREF2が降下する。このようにして、第2基準電圧VREF2の標準値(Typ値)が製造の過程でばらついた場合でも、所定の範囲内に第2基準電圧VREF2を収めることができる。
【0045】
なお、本実施形態に係る基準電圧生成回路1における4bitの選択信号SEL[3:0]は、bit値0〜7とbit値8〜15によって16諧調で第2基準電圧VREF2を調整することが可能であり、下位3bit[2:0]は基準電圧生成部10におけるエンハンスメント型NMOSFET12(1)〜12(8)を択一する信号として用いられており、最上位bit[3]は出力段30におけるデプレッション型NMOSFET31a及び31bを択一する信号として用いられている。
【0046】
bit値7とbit値8の間(最上位bit[3]が0か1か)で第2基準電圧VREF2が大きく降下しているが、これはオン閾値電圧が大きく異なるデプレッション型NMOSFET31aから31bに切り替わるためである。このようにすることで下位bitのみで調整できない範囲まで広げることができ、アプリケーションや顧客要求で満たすべき出力調整目標範囲に収めることができる。
【0047】
<メモリ装置>
図6は、メモリ装置の一構成例を示す図である。本図のメモリ装置100は、基準電圧生成回路101、メモリセルアレイ102、Xデコーダ103、Yデコーダ104、Yセレクタ105、センスアンプ106、出力バッファ107、制御ロジック部108により構成されている。
【0048】
基準電圧生成回路101はYセレクタ105にセンス電圧SLを供給する。ここには、例えば本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1を適用することができる。その場合には、例えば、先出の第2基準電圧VREF2が0/1読み出し用のセンス電圧SLとして用いられることになる。
【0049】
メモリセルアレイ102は、複数のメモリセルが2次元状に設けられている。メモリセルアレイ102には、Xデコーダ103とYセレクタ105が接続されている。
【0050】
Xデコーダ103は、上位アドレス線のアドレス信号を入力してメモリセルアレイ102のワード線を選択する。
【0051】
Yデコーダ104は、下位アドレス線のアドレス信号を入力し、1本のワード線につながったメモリセルの内で読み出し又は書き換えを行う列(コラム)のメモリセルを選択するための列選択信号sel_colx(ただしx=1、2、…)を生成する。
【0052】
Yセレクタ105は、Yデコーダ104の列選択信号sel_colxに基づいて、メモリセルアレイ102の各列colx_SLに対するセンス電圧SLの導通/非導通を切り替えるMOSスイッチ群である(一点鎖線の吹き出し枠を参照)。
【0053】
Yセレクタ105(より具体的にはメモリセルアレイ102の各列colx_SL)からデータ信号DLが入力されるセンスアンプ106は、出力バッファ107を介してシリアル出力信号SOを出力する。
【0054】
SPI通信方式に準拠して、チップセレクト信号CSB、シリアルクロック信号SCK及びシリアル入力信号SIが入力される制御ロジック部108は、各ブロックへ各種イネーブル信号(SAMP_ENB、SL_ENB、XDEC_ENB及びYDEC_EN)を送信するブロックであり、各ブロックのスタンバイか否かを切り替える。具体的には、センスアンプイネーブル信号SAMP_ENBがセンスアンプ106に送信されており、基準電圧イネーブル信号SL_ENBが基準電圧生成回路101に送信されており、Xデコーダイネーブル信号XDEC_ENBがXデコーダ103に送信されており、Yデコーダイネーブル信号YDEC_ENB)がYデコーダ104に送信されている。
【0055】
例えば、基準電圧生成回路101として、本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1を適用する場合には、本図の基準電圧イネーブル信号SL_ENBが先出のイネーブル信号ENB(
図1)に相当する。
【0056】
図7は、メモリ装置100の一動作例を示す図である。チップセレクト信号CSBがLowレベルに立ち下がるタイミングでシリアルクロック信号SCKがLowレベルとHighレベルを繰り返し始める。さらに同タイミングで基準電圧イネーブル信号SL_ENBがLowレベルに立ち下がり、基準電圧生成回路101のスタンバイが解除され、センス電圧SLが起動を始める。
【0057】
センス電圧SLの起動中にもシリアルクロック信号SCKはLowレベルとHighレベルを繰り返し続ける。センス電圧SLは、チップセレクト信号CSBがLowレベルに立ち下がってから所定の許容時間内(
図7の動作例では、シリアルクロック信号SCKの4クロック目まで)に起動を完了する必要がある(
図7の動作例では、3クロック目でセンス電圧SLの起動が完了している)。また、シリアルクロック信号SCKの周波数が高いほど、より短時間でセンス電圧SLの起動を完了する必要がある。そのため、従来の基準電圧生成回路より早く起動する本発明の実施形態に係る基準電圧生成回路1を適用することが有用である。
【0058】
センス電圧SLが起動完了した後、センスアンプイネーブル信号SAMP_ENBが立ち下がり、メモリセルデータセンス区間の間、センスアンプ106のスタンバイが解除される。
【0059】
センスアンプイネーブル信号SAMP_ENBの立ち下がり後、Yデコーダイネーブル信号YDEC_EN及びXデコーダイネーブル信号XDEC_ENが立ち上がり、Yデコーダ104及びXデコーダ103それぞれのスタンバイが解除される。
【0060】
センスアンプイネーブル信号SAMP_ENBの立ち下がりからYデコーダ104及びXデコーダ103が再びスタンバイ状態になるまでがメモリセルデータセンス区間であり、この区間にシリアル入力信号SI(リードコマンド)が入力される。また、メモリセルデータセンス区間が終了するまでシリアル出力信号SOはHiz(ハイインピーダンス状態)である。
【0061】
上記一連の動作ののち、データの読み出しを開始する。
【0062】
図8は、サイクル回数とマージン電圧との相関を示す図である。メモリセルへの書き込みサイクルを繰り返した際にデータ“1”が書き込まれたメモリセルの閾値電圧とデータ“0”が書き込まれたメモリセルの閾値電圧がどのように変化するかを表している。
【0063】
横軸はサイクル回数であり、縦軸はマージン電圧である。データ“1”が書き込まれたメモリセルの閾値電圧はサイクル回数が増えるにつれ降下していき、データ“0”が書き込まれたメモリセルの閾値電圧は上昇する。サイクル回数の増加に伴う両閾値電圧の収束ポイントが
図8から予測できるため、本発明の実施形態に係る基準電圧生成1を用いれば、センス電圧SLを両閾値電圧値の中間電圧(センター値)に合わせこむことができる。
【0064】
図8の白抜き矢印は、センス電圧SLを可変で調整できる範囲を示している。本図から分かるように、センス電圧SLの可変調整範囲には、マージンウィンドウのセンター値が包含されている。従って、例えばデータ“1”が書き込まれたメモリセルの閾値電圧及びデータ“0”が書き込まれたメモリセルの閾値電圧がサイクルを重ねて最終的にマージンウィンドウの上端または下端の電圧値になってしまっていてもセンス電圧SLを所望のセンター値まで調整できる。
【0065】
このように、本発明の実施形態に係る基準電圧生成1を適用し、センス電圧SLを合わせこむことで、サイクル回数が増えた場合でも0/1の判断を誤らない。
【0066】
<その他の変形例>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。