【解決手段】管理サーバ120は、価格算出部140と、検索部150と、を備える。価格算出部140は、生産者情報を生産者情報記憶部131から取得し、生産者情報に含まれるウイスキー情報から樽年数と熟成度との少なくともいずれか一方を抽出し、熟成度と熟成度を樽年数で除算して得る加工係数と、所定の単位価格および追加価格とに基づいて価格を算出する。検索部150は、希望データを含むユーザ情報と、ウイスキー情報を含む生産者情報を取得し、所定の数の生産者を評価スコアの高い順に絞り込み、絞り込んだ生産者についてのウイスキー情報を取得し、希望データの希望品種と同一の品種であるウイスキーを抽出し、希望データを構成する条件が一致する個別データを選定する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。また、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
<システム構成>
図1は、本発明の一実施の形態におけるウイスキー販売システムの構成例の概要を示す図である。
【0012】
図1に示されるように、ウイスキー販売システムは、ユーザ端末100と、生産者端末110と、ユーザ端末100および生産者端末110とネットワークを介して無線通信接続される管理サーバ120とを有する。
【0013】
ユーザ端末100は、ウイスキーの購入者であるユーザが有する端末を示す。生産者端末110は、ウイスキーの販売者である生産者が有する端末を示す。
【0014】
管理サーバ120は、ユーザ情報記憶部130と、生産者情報記憶部131と、ウイスキー情報記憶部132と、検索結果画面記憶部133と、購入画面記憶部134と、購入情報記憶部135と、価格算出部140と、検索部150と、検索結果画面生成部160と、検索結果画面提供部170と、購入画面生成部180と、購入画面提供部190とを有する。
【0015】
ユーザ情報記憶部130には、ユーザ情報200(後述、
図2)が記憶されている。生産者情報記憶部131には、生産者情報300(後述、
図3)が記憶されている。ウイスキー情報記憶部132には、ウイスキー情報310が記憶されている。検索結果画面記憶部133には、検索結果画面1000(後述、
図10)が記憶されている。購入画面記憶部134には、購入画面1300(後述、
図13)が記憶されている。購入情報記憶部135には、購入情報220(後述、
図2)が記憶されている。
【0016】
価格算出部140は、生産者情報300を生産者情報記憶部131から取得し、取得した生産者情報300に含まれるウイスキー情報310から樽年数と熟成度を抽出し、抽出した熟成度と、熟成度を樽年数で除算して得る加工係数と、所定の単位価格および追加価格とに基づいて価格を算出する。
【0017】
検索部150は、ユーザ端末100から希望データ210を含むユーザ情報200を取得し、生産者端末300からウイスキー情報310を含む生産者情報300を取得し、所定の数の生産者を「評価スコア」の高い順に絞り込み、絞り込んだ生産者についてのウイスキー情報310を取得し、希望データ210の「希望品種」と同一の品種であるウイスキーについてリスト311を抽出し、希望データ210を構成する項目について条件が一致する項目を有する個別データ312をリスト311から選定する。
【0018】
検索結果画面生成部160は、検索部150によって選定された個別データ312を取得し、個別データ312に紐付いているリストIDおよび生産者IDに基づいて生産者情報300を生産者情報記憶部131から抽出し、個別データ312および生産者情報300に基づいて申込タブ1030を設けて検索結果画面1000を生成する。
【0019】
検索結果画面提供部170は、生成した検索結果画面1000をユーザ端末100に提供する。
【0020】
購入画面生成部180は、ユーザ端末100がユーザから申込タブ1030の押下入力を受付けた場合に、ウイスキー情報記憶部132から個別データ312を取得し、個別データ312に基づいて購入タブ1320を設けて購入画面1300を生成する。
【0021】
購入画面提供部190は、生成した購入画面1300をユーザ端末100および生産者端末300に提供する。
<ユーザ情報記憶部>
図2(a)は、本発明の一実施の形態における管理サーバ120のユーザ情報記憶部130に記憶されているユーザ情報200の構成例の概要を示す図である。
【0022】
図2(a)に示されるように、ユーザ情報200は、ユーザIDと、氏名と、連絡先と、希望データ210と購入情報220などのデータ項目により構成される。
【0023】
ユーザIDは、管理サーバ120が、ユーザを識別するための符号を示す。氏名は、ユーザの名称を示す。連絡先は、ユーザの連絡先を示す。住所は、ユーザの住所を示す。希望データ210は、ユーザ端末100がユーザから入力を受け付けることで取得するウイスキーについての検索条件を示す(詳細は後述する)。
【0024】
購入情報220は、ユーザ端末110に表示された購入画面1300に含まれる購入タブ1330を押下することでユーザが購入したウイスキーについての情報を示す(詳細は後述する)。
【0025】
図2(b)は、本発明の一実施の形態における管理サーバ120のユーザ情報記憶部130に記憶されているユーザ情報200に含まれる希望データ210の構成例の概要を示す図である。希望データ210は、ユーザID、希望品種、希望樽年数、希望熟成度、決済情報等の情報を示す。
【0026】
「希望品種」は、ユーザが購入を希望するウイスキーの品種を示す。ウイスキーの品種は、例えば、モルト、グレーン、ライ等である。
【0027】
「希望樽年数」は、ユーザが購入を希望するウイスキーの樽年数を示す。ウイスキーの樽年数は、蒸溜したウイスキー(所謂ニューポット)を樽に貯蔵開始してからの実際の年数を示す。例えば、2年、3年6ヶ月、4年、等である。
【0028】
「希望熟成度」は、ユーザが購入を希望するウイスキーの熟成度を示す。ウイスキーの熟成度は、熟成年数を想定させた仮想の樽年数を示す。すなわち、「樽年数」が実際のウイスキーの貯蔵年数であるのに対し、「熟成度」は、ウイスキーがその年数まで貯蔵したと想定した年数を示す。
【0029】
例えば、「樽年数」が2年で「熟成度」が5年の場合、ウイスキーの実際の貯蔵年数は2年であるが、その熟成度合(ウイスキーの品質)は5年貯蔵したウイスキーと同等であることを示す。なお、どのようにして熟成度の年数まで熟成を加速させるかについては、後述する。
【0030】
「決済情報」は、ユーザがウイスキーを購入する際の、決済に必要な情報を示す。例えば、決済情報は、クレジットカードの情報等である。
【0031】
図2(c)は、本発明の一実施の形態における管理サーバ120の購入情報記憶部134に記憶されている購入情報220の構成例の概要を示す図である。購入情報220は、ユーザID、購入日時、ウイスキーID、価格、取引データ等の情報を示す。
【0032】
「購入日時」は、ユーザがウイスキーを購入した日にちおよび時刻を示す。例えば、購入日時は、「2020年4月25日」等である。
【0033】
「ウイスキーID」は、管理サーバ120が、ウイスキーを識別するための符号を示す。
【0034】
「価格」は、ウイスキーの販売価格を示す。価格は、所定の算定式(後述する)に適用して算出する。なお、価格はトークンとして発行できる。また、価格は、仮想通貨を用いても良い。
【0035】
「取引データ」は、ユーザが購入したウイスキーを証券として取引した場合の情報を示す。例えば、取引データは、取引日時、額面、取引所、証券会社等の情報を示す。
【0036】
また、購入情報220は、ブロックチェーン技術を利用して購入情報記憶部135に記憶される。以下、本実施形態におけるブロックチェーンについて、基本的な仕組みを説明する。
【0037】
ブロックチェーンは、その特徴的なデータ構造とデータ管理方法により、改ざんが難しい取引台帳の提供を可能にする技術である。
【0038】
ブロックチェーンで扱われるデータブロックは、一定期間内に発生した一または二以上の取引(トランザクション)の内容をまとめたものであり、一つのデータブロックには、一つ前のブロックのハッシュも含められる。このように、直前のブロックのハッシュを含むデータブロックが時系列でチェーンのようにつながっているため、仮に一つのデータが改ざんされると、後続ブロックもすべて作り直す必要が生じる。後続するすべてのブロックを作り直すには膨大な作業が必要になるため、改ざんするのが困難なデータ構造を提供できる。
【0039】
また、データの管理は、P2P(ピアツーピア)ネットワークで接続された個々の参加者(ピア)にデータベースを分散することで行われる。いずれかの参加者が新しいブロックを配布すると、各参加者は検証を行い、各自データに追加する。そして、各自の検証結果はP2Pネットワークを介して共有される。
【0040】
このように、ブロックチェーンはP2Pネットワークにおいて参加者が共有する一つの巨大な元帳として機能するため、ブロックチェーンの技術を用いることで、データを改ざんの恐れなしに公正に取引することができ、仮想通貨だけでなく、様々なデータのやり取りに利用されている。
【0041】
そして、本実施形態においては、ウイスキーの購入情報に関して、ブロックチェーンの技術を用いたデータとして取り扱うことで、ウイスキーの価格及び取引データ等に関して、不正な改ざんの恐れなく公正に取り扱うことができる。
<生産者情報記憶部>
図3(a)は、本発明の一実施の形態における管理サーバ120の生産者情報記憶部131に記憶されている生産者情報300の構成例の概要を示す図である。
【0042】
図3(a)に示されるように、生産者情報300は、生産者IDと、生産者名と、連絡先と、評価スコアと、ウイスキー情報310などのデータ項目により構成される。
【0043】
生産者IDは、管理サーバ120が、生産者を識別するための符号を示す。生産者名は、生産者の名称を示す。評価スコアは、生産者に対する評価を示す。ウイスキー情報310は、生産者端末110が生産者から入力を受け付けることで取得する生産者についてのデータを含むリスト311の情報を示す(詳細は後述する)。
【0044】
なお、評価スコアは、例えば、0から5までの数値で示され、「5」が最も優良であるとする。すなわち、評価スコアは、その数値が大きいほど生産者の評判が優良であることを示す。
【0045】
図3(b)は、本発明の一実施の形態における管理サーバ120の生産者情報記憶部131に記憶されている生産者情報300に含まれるウイスキー情報310の構成例の概要を示す図である。
【0046】
ウイスキー情報310は、生産者IDと、単数または複数のリスト311を含む。また、リスト311はリストIDと、個別データ312を含む。
【0047】
個別データ312は、品種、ウイスキーID、樽年数、熟成度、加工係数、価格等の情報を示す。
【0048】
「リストID」は、管理サーバ120が、リスト311を識別するための符号を示す。
【0049】
「品種」は、ウイスキーが属する品種を示す。例えば、品種は、モルト、グレーン、ライ等である。なお、各リスト311は、同一の品種に属するウイスキーで構成される。すなわち、リスト311は、品種を基準として分類されていると換言できる。例えば、「リストID:L0001は、モルトのウイスキー」で構成され、「リストID:L0002は、グレーンのウイスキー」で構成されている。
【0050】
「ウイスキーID」は、管理サーバ120が、ウイスキーを識別するための符号を示す。
【0051】
「樽年数」は、蒸溜したウイスキー(所謂ニューポット)を樽に貯蔵開始してからの実際の年数を示す。例えば、2年、3年6ヶ月、4年、等である。
【0052】
「熟成度」は、熟成年数を想定させた仮想の樽年数を示す。すなわち、「樽年数」が実際のウイスキーの貯蔵年数であるのに対し、「熟成度」は、ウイスキーがその年数まで貯蔵したと想定した年数を示す。
【0053】
なお、熟成度の数値が樽年数の数値を下回ることは無い。また、熟成度の数値は、「3年」以上とする。
【0054】
「加工係数」は、生産者がどの程度ウイスキーの熟成を加速させるかの度合を示す。すなわち、加工係数が大きい数値の場合、生産者がウイスキーの熟成を加速させる度合は大きい。
【0055】
加工係数(C)は、熟成度(B)を樽年数(A)で除算して得る。なお、熟成度の数値が樽年数の数値を下回ることは無いことから、加工係数は1.0以上の数値である。
【0056】
「価格」は、ウイスキーの販売価格を示す。価格は、上述の熟成度(B)、加工係数(C)等を所定の算定式(後述する)に適用して算出する。なお、価格はトークンとして発行できる。また、価格は、仮想通貨を用いても良い。
<全体処理>
図4は、本発明の一実施の形態における全体処理の概要を示す図である。
【0057】
まず、S401にて、管理サーバ120はユーザ情報取得処理およびユーザ情報記憶処理(
図5で後述する)を行う。
【0058】
次に、S402にて、管理サーバ120は生産者情報取得処理および生産者情報記憶処理(
図6で後述する)を行う。
【0059】
次に、S403にて、管理サーバ120は価格算出処理(
図7、8で後述する)を行う。
【0060】
次に、S404にて、管理サーバ120は検索処理(
図9で後述する)を行う。
【0061】
次に、S405にて、管理サーバ120は検索結果画面生成処理(
図10、
図11で後述する)を行う。
【0062】
次に、S406にて、管理サーバ120は検索結果画面提供処理(
図12で後述する)を行う。その後、検索をやり直す場合、管理サーバ120はS401の工程に戻り、以降S406までを繰り返す。
【0063】
次に、ウイスキーの購入を行う場合、S407にて、管理サーバ120は購入画面生成処理(
図13、
図14で後述する)を行う。なお、ウイスキーの購入を行わない場合、管理サーバ120は本工程を終了する。
【0064】
次に、S408にて、管理サーバ120は購入画提供処理および購入情報記憶処理(
図15で後述する)を行う。
<ユーザ情報記憶処理>
図5(a)は、本発明の一実施の形態におけるユーザ情報記憶処理の概要を示す図である。以下、管理サーバ120が、ユーザ情報200を記憶する方法について説明する。
【0065】
まず、S501にて、管理サーバ120は、ユーザ情報入力画面をユーザ端末100に提供する。次に、S502にて、ユーザ端末100は、ユーザ情報入力画面をディスプレイに表示させる。
【0066】
その後、ユーザが本発明に係るシステムを初めて利用する場合、または、希望データ210を変更し再検索する場合、S503にて、ユーザ端末100は、ユーザ情報200の入力をユーザから受け付ける。なお、この際ユーザから受け付けたユーザ情報200は、希望データ210を含む。
【0067】
次に、S504にて、ユーザ端末100は、S503で入力を受け付けたユーザ情報200を管理サーバ120に送信する。
【0068】
次に、S505にて、管理サーバ120は、S504で送信されたユーザ情報200を受信することにより、ユーザ情報200を取得する。次に、S506にて、管理サーバ120は、受信したユーザ情報200にユーザIDを付して、S503にて入力を受け付けたユーザ情報200をユーザ情報記憶部130に記憶する。
<ユーザ情報取得処理>
図5(b)は、本発明の一実施の形態におけるユーザ情報取得処理の概要を示す図である。以下、管理サーバ120が、ユーザ情報200を取得する方法について説明する。
【0069】
ユーザが本発明に係るシステムを2回目以降利用する場合、S507にて、ユーザ端末100はユーザIDの入力をユーザから受け付ける。なお、ユーザIDは、ユーザ情報200に含まれる。
【0070】
次に、S508にて、ユーザ端末100は、S507で入力を受け付けたユーザIDを管理サーバ120に送信する。
【0071】
その後、S509にて、管理サーバ120は、S508で送信されたユーザIDのキーに対応するユーザ情報200をユーザ情報記憶部130から取得する。
<生産者情報記憶処理>
図6(a)は、本発明の一実施の形態における生産者情報記憶処理の概要を示す図である。以下、管理サーバ120が、生産者情報300を記憶する方法について説明する。
【0072】
まず、S601にて、管理サーバ120は、生産者情報入力画面を生産者端末110に提供する。次に、S602にて、生産者端末110は、生産者情報入力画面をディスプレイに表示させる。
【0073】
その後、生産者が本発明に係るシステムを初めて利用する場合、または、ウイスキー情報310を変更し更新する場合、S603にて、生産者端末110は生産者情報300の入力を生産者から受け付ける。なお、この際生産者から受け付けた生産者情報300は、ウイスキー情報310を含む。
【0074】
次に、S604にて、生産者端末110は、S603で入力を受け付けた生産者情報300を管理サーバ120に送信する。
【0075】
次に、S605にて、管理サーバ120は、S604で送信された生産者情報300を受信することにより、生産者情報300を取得する。次に、S606にて、管理サーバ120は、受信した生産者情報300に生産者IDを付して、S603にて入力を受け付けた生産者情報300を生産者情報記憶部131に記憶する。
<生産者情報取得処理>
図6(b)は、本発明の一実施の形態における生産者情報取得処理の概要を示す図である。以下、管理サーバ120が、生産者情報300を取得する方法について説明する。
【0076】
生産者が本発明に係るシステムを2回目以降利用する場合、S607にて、生産者端末110は生産者IDの入力を生産者から受け付ける。なお、生産者IDは、生産者情報300に含まれる。
【0077】
次に、S608にて、生産者端末110は、S607で入力を受け付けた生産者IDを管理サーバ120に送信する。
【0078】
その後、S609にて、管理サーバ120は、S608で送信された生産者IDのキーに対応する生産者情報300を生産者情報記憶部131から取得する。
<ウイスキーの熟成加工>
図7は、本発明の一実施の形態におけるウイスキーの熟成加工および価格算出式の概要を示す図である。
【0079】
図7(a)に示されるように、ウイスキー111は、ウイスキー樽700の内部に貯蔵される。ウイスキー樽700は、発振部710と、シリアルナンバー表示タグ730と、を有する。また、ウイスキー樽700の発振部710は、リモコン装置720と無線通信接続により接続される。
【0080】
発振部710は、電波振動711を発生させる。具体的には、発振部710は、発振部710と無線通信接続されているリモコン装置720から送信された電波振動711の発生指令721を受信することで、電波振動711をウイスキー樽700の内部に発生させる。
【0081】
発振部710は、ウイスキー樽700の底面または側面に設置される。電波振動711は、ウイスキー111の水分子の構造に変化を起こすことによってウイスキー111の熟成を促進させる。
【0082】
また、電波振動711は、電波振動711の強さまたは作用時間によって、ウイスキー111の熟成の促進度合を調整できる。例えば、電波振動711が強いほど、または電波振動711の作用時間が長いほど、電波振動711は、ウイスキー111の熟成の促進度合を大きくすることができる。
【0083】
リモコン装置720は、発振部710に向けて発生指令721を送信する。具体的には、生産者から操作を受け付けることによって、リモコン装置720は、発振部710が電波振動711を発生させるための発生指令721を、リモコン装置720と無線通信接続されている発振部710に向けて送信する。
【0084】
また、リモコン装置720は、発生指令721によって、発振部710に発生させる電波振動711の強さ、作用時間を変化させることができる。具体的には、リモコン装置720が有する調整ボタンまたはタッチパネル等が生産者(操作者)から操作入力を受け付けることにより、リモコン装置720は、発生指令721の「発振部710に発生させる電波振動711の強弱および作用時間の長短」を決定する。
【0085】
例えば、生産者がウイスキー111の熟成の促進度合を大きくすることを希望する場合には、リモコン装置720は、生産者から操作を受け付けることで発振部710に発生させる電波振動711の強さを大きくでき、また電波振動711の作用時間を長くできる。
【0086】
シリアルナンバー表示タグ730は、ウイスキー樽700に貯蔵されたウイスキー111を識別するためのシリアルナンバーを表示させる。なお、シリアルナンバーは、ウイスキーIDに対応して付与される。
【0087】
上記のようにして、ウイスキー樽700は、実際の樽年数から「熟成度」の年数まで熟成を加速させることができる。すなわち、ウイスキー樽700は、例えば「樽年数」が2年で「熟成度」が5年の場合、ウイスキーの実際の貯蔵年数は2年であるが、その熟成度合は5年貯蔵したウイスキーと同等になる、という状態を実現できる。
【0088】
図7(b)に示されるように、加工係数(C)は、熟成度(B)を樽年数(A)で除算して得ることができる。
【0089】
図7(c)に示されるように、価格は、熟成度Bと、加工係数Cと、単位価格(P)と、追加価格(Q)とに基づいて算出される。価格は、C×{P+(B−3)×Q}の演算処理によって算出される。
【0090】
単位価格Pは、「熟成度が3年で、加工係数Cが1.0の場合」の価格を示す。追加価格Qは、熟成度が1年増加した場合に加算する1年毎の追加価格である。なお、単位価格Pおよび追加価格Qは、予め設定でき、ウイスキーの品種によって異なる値としても良い。
【0091】
上記算定式に基づいて価格を算出することによって、価格は、加工係数Cが大きいほど、また、熟成度Bが大きいほど、大きな値になる。すなわち、生産者は、リモコン装置720を用いてウイスキーの熟成を促進させるほど、ウイスキーの価値を高めることができる。
【0092】
また、上記のように、生産者がウイスキーの熟成度合を個別にコントロールできることによって、ウイスキー樽700は、生産者が有する複数のウイスキーの風味や価格を多様化させ、生産者に様々なユーザ(購入者)のニーズに対応させることができる。
【0093】
そして、ユーザは、多様なウイスキーから所望するものを購入し証券化することで、ウイスキーによる幅広い投資活動を行うことができる。
<価格算出処理>
図8は、本発明の一実施の形態における価格算出処理の概要を示す図である。
【0094】
まず、S801にて、管理サーバ120の価格算出部140は、生産者情報記憶部131から生産者情報300を抽出し、生産者情報300に含まれるウイスキー情報310を取得する。
【0095】
次に、S802にて、価格算出部140は、取得したウイスキー情報310に含まれる樽年数Aと、熟成度Bを抽出する。
【0096】
次に、S803にて、価格算出部140は、S801で抽出した樽年数Aと、熟成度Bとに基づいて加工係数Cを算出する。具体的には、加工係数Cは、熟成度Bを樽年数Aで除算することで得る。例えば、樽年数Aが2年6ヶ月(=2.5年)、熟成度Bが5年である場合、加工係数Cは、「5÷2.5=2.0」と算出される。
【0097】
次に、S804にて、価格算出部140は、S801で抽出した熟成度Bと、S803で算出した加工係数Cと、予め設定されている単位価格Pおよび追加価格Qとに基づいて価格を算出する。具体的には、価格は、C×{P+(B−3)×Q}の演算処理を行うことで得る。
【0098】
例えば、熟成度Bが5年、加工係数Cが2.0、単位価格Pが3900円、追加価格Qが1000円である場合、価格は、「2.0×{3900+(5−3)×1000}=11800円」と算出される。
【0099】
次に、S805にて、価格算出部140は、S804で算出した価格でウイスキー情報310に含まれる個別データ312を更新して、該ウイスキー情報310をウイスキー情報記憶部132に記憶する。
【0100】
このように、上記算定式を用いて価格を算出することによって、管理サーバ120は、加工係数Cが大きいほど、また、熟成度Bが大きいほど、ユーザに販売するウイスキーの価値を高めることができる。
【0101】
また、上記のように、生産者がウイスキーの熟成度合を個別にコントロールできることによって、ウイスキー樽700は、生産者が有する複数のウイスキーの風味や価格を多様化させ、生産者に様々なユーザ(購入者)のニーズに対応させることができる。
【0102】
そして、ユーザは、多様なウイスキーから所望するものを購入し証券化することで、ウイスキーによる幅広い投資活動を行うことができる。
<検索処理>
図9は、本発明の一実施の形態における検索処理の概要を示す図である。
【0103】
まず、S901にて、管理サーバ120の検索部150は、ユーザ情報記憶部130からユーザ情報200を抽出し、ユーザ情報200に含まれる希望データ210を取得する。
【0104】
次に、S902にて、検索部150は、生産者情報記憶部131から生産者情報300を抽出する。
【0105】
次に、S903にて、検索部150は、S902で抽出した生産者の中から生産者情報300の「評価スコア」が高い順に、所定の数の生産者を絞り込む。
【0106】
次に、S904にて、検索部150は、S902で抽出した生産者情報300からS903で絞り込んだ生産者についてのウイスキー情報310をウイスキー情報記憶部132から取得する。
【0107】
次に、S905にて、検索部150は、S901で取得した希望データ210の「希望品種」と同一の品種であるリスト311を、S904で取得したウイスキー情報310から抽出する。
【0108】
次に、S906にて、検索部150は、S901で取得した希望データ210の「希望樽年数」、「希望熟成度」等の項目について条件が一致する項目を有する個別データ312を、S905で抽出したリスト311から選定する。
【0109】
次に、S907にて、検索部150は、検索結果画面生成部160に検索結果画面1000の生成を要求する。
【0110】
このように、所定の数の生産者を評価スコアの高い順に絞り込み、条件が一致する項目を有する個別データ312をリスト311から選定することによって、管理サーバ120は、優良な生産者が有するウイスキーの中から条件を満たすウイスキーをユーザに販売できる。
【0111】
すなわち、ユーザは、複数の生産者が有するリスト311の中から、より希少価値が高く、且つ希望条件に近いウイスキーを購入できる。
<検索結果画面>
図10は、本発明の一実施の形態における検索結果画面1000の概要を示す図である。
【0112】
図10に示されるように、検索結果画面1000は、ウイスキー表示領域1010と、個別データ表示領域1020と、申込タブ1030と、再検索タブ1050と、を含む。検索結果画面1000は、ユーザ端末100に表示される。
【0113】
ウイスキー表示領域1010は、S1006で検索部150によって選定された個別データ312に紐づくウイスキーの写真やそのウイスキーを有する生産者名等を表示させる。なお、ウイスキー表示領域1010の表示のさせ方については特に限定されない。
【0114】
個別データ表示領域1020は、検索部150によって抽出されたウイスキー情報310およびそれに紐付いた個別データ312を表示させる。なお、個別データ表示領域1020の表示のさせ方については特に限定されない。
【0115】
申込タブ1030は、ユーザが希望するウイスキーについて購入申込をするためのタブを示す。すなわち、申込タブ1030がユーザからタップまたはクリックの入力を受け付けることにより、管理サーバ120は、購入画面1300の提供を購入画面生成部180に要求する。なお、申込タブ1030の表示のさせ方については特に限定されない。
【0116】
再検索タブ1050は、ユーザがウイスキーを再検索するためのタブを示す。すなわち、再検索タブ1050がユーザからタップまたはクリックの入力を受け付けることにより、管理サーバ120は、ユーザのウイスキーの再検索を開始させる。なお、再検索タブ1050の表示のさせ方については特に限定されない。
【0117】
このようにして、管理サーバ120は、ウイスキーの検索結果をユーザに容易に把握させることができる。また、検索結果画面1000が申込タブ1030、再検索タブ1050を有することで、管理サーバ120は、ユーザがより満足してウイスキーを購入できるウイスキー販売サービスを提供できる。
<検索結果画面生成処理>
図11は、本発明の一実施の形態における検索結果画面生成処理の概要を示す図である。
【0118】
まず、S1101にて、管理サーバ120の検索結果画面生成部160は、S907で要求された検索結果画面1000の生成リクエストを受け付け、生成に要する個別データ312をS906で選定した検索部150から取得する。
【0119】
次に、S1102にて、検索結果画面生成部160は、S1101で取得した個別データ312に紐付いているリストIDおよび生産者IDに基づいて生産者情報300を生産者情報記憶部131から抽出する。
【0120】
次に、S1103にて、検索結果画面生成部160は、S1102で抽出した生産者情報300およびS1101で取得した個別データ312に基づいて、「申込タブ1030」を設けて検索結果画面1000を生成する。
【0121】
S1104にて、検索結果画面生成部160は、検索結果画面1000の提供を検索結果画面提供部170に要求する。
<検索結果画面提供処理>
図12は、本発明の一実施の形態における検索結果画面提供処理の構成例の概要を示す図である。
【0122】
まず、S1201にて、管理サーバ120の検索結果画面提供部170は、S1104で要求された検索結果画面1000の提供リクエストを受け付ける。
【0123】
次に、S1202にて、検索結果画面提供部170は、検索結果画面1000を提供したいユーザIDに対応するユーザ情報200をユーザ情報記憶部130から抽出する。
【0124】
次に、S1203にて、検索結果画面提供部170は、S1202で抽出した検索結果画面1000をユーザ端末100に提供する。
【0125】
次に、S1204にて、ユーザ端末100は、S1203で管理サーバ120から提供された検索結果画面1000を、端末のディスプレイに表示させる。
【0126】
次に、S1205にて、ユーザ端末100は、ユーザから申込タブ1030の押下入力を受付けたか否かを判定する。ユーザから申込タブ1030の押下入力を受付けた場合、ユーザ端末100は、工程S1206へ進行する。ユーザから申込タブ1030の押下入力を受付けない場合、ユーザ端末100は、工程S1207へ進行する。
【0127】
S1206にて、ユーザ端末100は、申込指示を管理サーバ120に送信する。その後、管理サーバ120は、購入画面1300の提供を購入画面生成部180に要求する。
【0128】
S1207にて、ユーザ端末100は、ユーザから再検索タブ1050の押下入力を受付けたか否かを判定する。ユーザから再検索タブ1050の押下入力を受付けた場合、ユーザ端末100は、工程S1208へ進行する。ユーザから再検索タブ1050の押下入力を受付けない場合、ユーザ端末100は、本工程を終了する。
【0129】
S1208にて、ユーザ端末100は、再検索指示を管理サーバ120に送信する。その後、管理サーバ120は、再検索を行うため工程S401へ進行し、以降S406までを行う。
【0130】
このようにして、管理サーバ120は、ウイスキーの検索結果をユーザに容易に把握させることができる。また、検索結果画面1000が申込タブ1030、再検索タブ1050を有することで、管理サーバ120は、ユーザがより満足してウイスキーを購入できるウイスキー販売サービスを提供できる。
【0131】
また、管理サーバ120は、ユーザに生産者が有するウイスキーリストを閲覧させたうえで所望するウイスキーを検索し購入させるウイスキー販売方法を提供できる。
<購入画面>
図13は、本発明の一実施の形態における購入画面1300の概要を示す図である。
【0132】
図13に示されるように、購入画面1300は、ウイスキー情報表示領域1310と、価格表示領域1320と、購入タブ1330とを含む。購入画面1300は、ユーザ端末100に表示される。
【0133】
ウイスキー情報表示領域1310は、ユーザから購入希望の申込を受付けたウイスキーについてのウイスキー情報310を表示させる。なお、ウイスキー情報表示領域1310の表示のさせ方については特に限定されない。
【0134】
価格表示領域1320は、ユーザから購入希望の申込を受付けたウイスキーについての価格を表示させる。なお、価格表示領域1320の表示のさせ方については特に限定されない。
【0135】
購入タブ1330は、ユーザが希望するウイスキーについて購入をするためのタブを示す。すなわち、購入タブ1330がユーザからタップまたはクリックの入力を受け付けることにより、管理サーバ120は、ユーザが希望するウイスキーの決済を完了させる。なお、購入タブ1330の表示のさせ方については特に限定されない。
<購入画面生成処理>
図14は、本発明の一実施の形態における購入画面生成処理の概要を示す図である。
【0136】
まず、S1401にて、管理サーバ120の購入画面生成部180は、S1206で要求された購入画面1300の生成リクエストを受け付け、生成に要する個別データ312をS1205で受け付けた申込タブ1030に対応するウイスキーIDを参照しウイスキー情報記憶部132から取得する。
【0137】
次に、S1402にて、購入画面生成部180は、S1401で取得した個別データ312に基づいて、「購入タブ1330」を設けて購入画面1300を生成する。
【0138】
S1403にて、購入画面生成部180は、生成した購入画面1300を購入画面記憶部134に記憶する。
【0139】
S1404にて、購入画面生成部180は、購入画面1300の提供を購入画面提供部190に要求する。
<購入画面提供処理および購入情報記憶処理>
図15は、本発明の一実施の形態における購入画面提供処理および購入情報記憶処理の構成例の概要を示す図である。
【0140】
まず、S1501にて、管理サーバ120の購入画面提供部190は、S1404で要求された購入画面1300の提供リクエストを受け付ける。
【0141】
次に、S1502にて、購入画面提供部190は、購入画面1300を提供したいユーザIDに対応するユーザ情報200をユーザ情報記憶部130から抽出する。
【0142】
次に、S1503にて、管理サーバ120の購入画面提供部190は、S1403で記憶された購入画面1300を購入画面記憶部134から抽出する。
【0143】
次に、S1504にて、購入画面提供部190は、S1503で抽出した購入画面1300をユーザ端末100に提供する。
【0144】
次に、S1505にて、ユーザ端末100は、S1504で管理サーバ120から提供された購入画面1300を、端末のディスプレイに表示させる。
【0145】
次に、S1506にて、ユーザ端末100は、ユーザから購入タブ1330の押下入力を受付けたか否かを判定する。ユーザから購入タブ1330の押下入力を受付けた場合、ユーザ端末100は、工程S1507へ進行する。ユーザから購入タブ1330の押下入力を受付けない場合、ユーザ端末100は、本工程を終了する。
【0146】
S1507にて、ユーザ端末100は、購入指示を管理サーバ120に送信する。その後、管理サーバ120は、ユーザIDに対応するユーザ情報200に含まれる決済情報を抽出する。
【0147】
次に、S1508にて、管理サーバ120は、S1507で抽出した決済情報に基づいて決済を完了する。
【0148】
次に、S1509にて、管理サーバ120は、ユーザ端末100および生産者端末110に決済完了通知を送信する。
【0149】
次に、S1510にて、管理サーバ120は、ユーザが購入したウイスキーについての購入情報220を購入情報記憶部135に記憶する。管理サーバ120は、購入情報220を、ブロックチェーンを用いて購入情報記憶部135に記憶する。
【0150】
このようにして、管理サーバ120は、ユーザに購入を希望するウイスキーを販売させることができる。また、管理サーバ120は、ブロックチェーンの技術を用いたデータとして取り扱うことで、ウイスキーの価格及び取引データ等に関して、不正な改ざんの恐れなく公正に取り扱うことができる。
<本実施の形態の効果>
以上説明した本発明の実施の形態によれば、管理サーバ120は、ウイスキーの熟成を早めるための加工度に応じて価格を算出し、その価格をブロックチェーンに含め証券化するウイスキー販売方法を提供できる。
【0151】
また、管理サーバ120は、ユーザに生産者が有するウイスキーリストを閲覧させたうえで所望するウイスキーを検索し購入させるウイスキー販売方法を提供できる。
【0152】
また、ユーザ側のメリットとして、ユーザは、希少価値が高く、且つ希望条件に近いウイスキーを購入できる。さらに、ユーザは、熟成を早める加工をして現実の貯蔵年数の短いウイスキーを購入し証券として取引を行うことで、高い投資利回りを実現できる。
【0153】
また、生産者側のメリットとして、生産者は、ウイスキーの熟成を早める加工をして現実の貯蔵年数を短くし、ウイスキー販売による短期間の収益化を実現できる。
【0154】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、ユーザ端末は、スマートフォン以外にも、ノート型PCや、タブレット端末等の様々な形態のユーザ端末を全て含むものである。
【0155】
また、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換しても良い。
【0156】
また、上記の各構成、機能、処理部は、それらの一部又は全部を、ハードウェア(例えば、集積回路)で実現してもよい。また、上記の各構成、機能、処理部は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するネットワーク経由もしくはディスク等記憶媒体によるインストール型のソフトウェア、また、ASPなどのネットワーク型アプリケーションで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(SolidStateDrive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
からウイスキー情報310を含む生産者情報300を取得し、所定の数の生産者を「評価スコア」の高い順に絞り込み、絞り込んだ生産者についてのウイスキー情報310を取得し、希望データ210の「希望品種」と同一の品種であるウイスキーについてリスト311を抽出し、希望データ210を構成する項目について条件が一致する項目を有する個別データ312をリスト311から選定する。
購入画面生成部180は、ユーザ端末100がユーザから申込タブ1030の押下入力を受付けた場合に、ウイスキー情報記憶部132から個別データ312を取得し、個別データ312に基づいて