【課題】単電池内に存在している発電領域以外の空間を有効利用しながら電子部品を単電池内に配置可能な構成であると共に、発電領域の削減による体積エネルギー密度の低下を防ぐことができる単電池ユニットを提供する。
【解決手段】正極集電体と、正極活物質層と、セパレータと、負極活物質層および負極集電体が積層される単電池ユニットであって、正極集電体と対向する負極集電体との間に配置され、セパレータの周縁部を固定する枠部材と、単電池ユニット内の状態を検出する電子部品と、を備え、正極集電体と負極集電体との間の領域には、電子部品が配置され、領域に配置された電子部品が正極集電体及び負極集電体と電気的に接続される。
前記電子部品は、前記単電池ユニットを平面視でみたときに前記正極集電体又は前記負極集電体の外縁から面方向外側に突出しない状態で、前記正極集電体又は前記負極集電体の外縁に沿って配設されている、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の単電池ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る単電池ユニットの斜視図である。また、
図2は、本発明の一実施形態に係る単電池ユニットの分解斜視図である。単電池ユニット10には、正極集電体17と、正極活物質層15と、セパレータ14と、負極活物質層16および負極集電体19が積層されている。
【0011】
図2に示すように、単電池ユニット10は、上から順に正極集電体17と、正極活物質層15と、セパレータ14と、負極活物質層16と、負極集電体19とを積層したものである。また、単電池ユニット10は、略矩形平板状の正極集電体17の表面に正極活物質層15が形成された正極12と、同様に略矩形平板状の負極集電体19の表面に負極活物質層16が形成された負極13とが、同様に略平板状のセパレータ14を介して積層されて形成されている。
【0012】
単電池ユニット10には、正極集電体17と負極集電体19との間に環状の枠部材18とが配置されている。
【0013】
枠部材18は、当該枠の内側にセパレータ14を配置し、正極集電体17及び負極集電体19の間にセパレータ14の周縁部を固定する。また、枠部材18は、正極活性物質層15及び負極活物質層16の外周、及び、セパレータ14の外周を囲むように環状に配置されている。正極集電体17、負極集電体19及び枠部材18によって、正極活物質層15、セパレータ14および負極活物質層16を封止している。
【0014】
本発明の実施形態において、正極集電体17と負極集電体19とは、好ましくは、互いに異なる外縁形状を呈する。例えば、正極集電体17又は負極集電体19の周縁部のいずれかに切欠きが形成される。本実施形態では、正極集電体17には、矩形状の切欠き17aが形成され、負極集電体19は切欠きを有しない。以下、切欠きが正極集電体17に設けられた実施形態について説明し、切欠きが負極集電体19に設けられた態様については説明を省略する。切欠きが負極集電体19に設けられた場合には以下説明の正極集電体と負極集電体とが入れ替えられた態様として理解することができ、当該態様も本実施形態の一態様に含まれる。
【0015】
また、枠部材18には、矩形状の切欠き18aが形成されていてもよい。正極集電体17の切欠き17aと枠部材18の切欠き18aは少なくとも一部が重なりあい、積層方向に、電子部品20を配置するための領域Aが設けられている。好ましくは、正極集電体17の切欠き17aと枠部材18の切欠き18aは、積層方向にみたときに同一位置に形成されている。このように、それぞれの切欠き(切欠き17a、切欠き18a)を同一位置に形成することにより、一方向(本実施形態では、積層方向における正極集電体17から負極集電体19へ向かう方向に正極集電体17を視たときの方向)から電子部品を設置することができるので、電子部品を設置する際の、製造プロセス上の簡便性を確保することができる。また、正極集電体17の切欠き17aおよび枠部材18の切欠き18aは、同一形状であっても、異なる形状であってもよい。好ましくは、正極集電体17の切欠き17aおよび枠部材18の切欠き18aは、同一形状である。同一形状とすることで、簡易な製造プロセスで正極集電体17の切欠き17aおよび枠部材18の切欠き18aを形成することができる。
【0016】
正極集電体17および負極集電体19は、枠部材18により所定間隔をもって対向するように配置されている。また、セパレータ14と正極活物質層15および負極活物質層16は、枠部材18により所定間隔をもって対向するように配置されている。
【0017】
正極集電体17とセパレータ14との間の間隔は、リチウムイオン電池の活物質層の厚みに応じて調整されている。負極集電体19とセパレータ14との間隔もまた、リチウムイオン電池の活物質層の厚みに応じて調整されている。これら正極集電体17、負極集電体19およびセパレータ14の位置関係は、必要な間隔が得られるように定められている。
【0018】
電子部品20は、正極集電体17と負極集電体19との間の領域に配置される。本実施形態において、例えば、正極集電体17の切欠き17aと枠部材18の切欠き18aと負極集電体19によって画定された領域に配置され、当該領域は本明細書において「正極集電体と負極集電体との間の領域」に含まれる。なお、本発明における正極集電体17と負極集電体19との間の領域は、図示される例に限定されない。当該領域は、単電池ユニット(単電池)が略直方体形状であることを前提としたときに、単電池を囲む最小体積の仮想的な直方体を考えたとき、その仮想的な直方体の内部を意味する。すなわち、本実施形態における電子部品20は、このような単電池を囲む最小体積の仮想的な直方体の内部に配置することができる。本実施形態に係る単電池ユニットの内部には発電領域(発電に寄与しない領域)以外の空間が存在するので、当該空間の存在を考慮して、電子部品20を正極集電体17と負極集電体19との間の領域(単電池を囲む最小体積の仮想的な直方体の内部)に配置(好適には、正極集電体17の外周部と、負極集電体19の外周部との間に配置)することにより、単電池内に存在している発電領域以外の空間を有効利用しながら電子部品を単電池内に配置することができる。そして、正極集電体17と負極集電体19との間の領域に電子部品20を配置することにより、体積エネルギー密度の低下を防ぐことができる。特に、本実施形態に係る単電池ユニットを複数積層した積層電池(組電池)として用いる場合には、当該積層電池の体積エネルギー密度の向上を図ることができ好適である。図示は省略するが、電子部品20は、例えば、正極集電体17と負極集電体19との間の挟まれた空間に配置することも可能であり、当該空間も、本発明における正極集電体17と負極集電体19との間の領域に含まれる。また、本実施形態における電子部品20は、枠部材18の内部に配置(枠部材18の内部に埋め込まれて配置)されていてもよく、このような形態も、電子部品が正極集電体と負極集電体との間の領域に配置、に含まれる。
【0019】
本実施形態では、単電池ユニット10に切欠きを形成し、電子部品を配置するが、単電池ユニット10に切欠きが形成されていないと仮定したときの単電池ユニット10の発電に寄与する領域と、単電池ユニット10に切欠きが形成されたときの単電池ユニット10の発電に寄与する領域と、は実質的に同一である。一般に、リチウムイオン電池における活物質層等を含む領域(発電に寄与する領域(発電領域))を減少させた場合、電池内に占める活物質の割合が低くなり体積エネルギー密度が低下する虞がある。本実施形態では、単電池ユニット10に切欠きを形成したとしても、このような発電に寄与する領域が実質的に減少しないので、体積エネルギー密度が低下することが防止される。その結果、本実施形態の電子部品を単電池ユニット10の内部に配置したとしても体積エネルギー密度の低下を防ぐことができる。換言すれば、単電池ユニット10内に存在している発電領域以外の空間を有効利用しながら電子部品を単電池ユニット10内に電子部品を配置することができる。
【0020】
電子部品20は、正極集電体17及び負極集電体19と電気的に接続され、好ましくは単電池ユニット10の状態を検出する。電子部品20は、単電池内の状態を検出するための電子部品である。
【0021】
例えば、単電池内の所定部位における温度、電圧、電流又はアコースティックエミッションを測定するセンサであることが好ましい。また、単電池内の状態を示す信号を単電池の外部に無線出力することができる電子部品であることが好ましい。
【0022】
電子部品20がセンサであると単電池内の状態を検出することができ、無線出力することができる電子部品であると、検出した状態を示す信号を無線出力して電池外部で測定結果を受信することができ、単電池を解体することなく単電池内の状態を知ることができる。
【0023】
単電池内の温度、電圧又は電流を測定することで、単電池内の一部でショート等の不具合が生じた場合に引き起こされる局所的な温度上昇、電流値の上昇、電圧の低下等を検出することができる。
【0024】
また、アコースティックエミッションを測定することで電池内に破損や変形が生じているかを検出することができる。
【0025】
電子部品20としては、受動素子、能動素子を使用することができる。これらの素子としては、コンデンサ、インダクタ、抵抗、トランジスタ、ダイオード、IC、LSI等の任意の素子を使用することができる。
【0026】
また、無線出力することができる電子部品である場合、アンテナ、フィルタ、増幅器、発振器等の部品であってもよく、これらの部品がモジュール化された無線通信モジュールであってもよく、センサ一体型モジュールであってもよい。
【0027】
また、枠部材18内に配置された電子部品20により単電池内の状態の検出を行う、行わないの切り替えをするスイッチを有し、外部からの信号が与えられた場合にスイッチを切り替えて単電池内の状態の検出を行うようになっていてもよい。
【0028】
外部からの信号が与えられた場合のみ単電池内の状態の検出を行うようにしておくことによって、電子部品20による電力消費を抑えることができる。
【0029】
また、上記構成の場合、電子部品20は外部からの信号を受信するためのアンテナ素子を備えていることが好ましい。外部からの信号としては、単電池内の状態の検出を行うように指令する信号、単電池内の状態の検出を止めるように指令する信号等が挙げられる。
【0030】
電子部品20は、負極集電体19及び正極集電体17と電気的に接続されており、リチウムイオン電池からの電力供給を受けることができるようになっていることが好ましい。
【0031】
電子部品20が、負極集電体19及び正極集電体17と電気的に接続されていると、リチウムイオン電池からの電力供給を受けて作動することができる。電子部品20を作動させるための電源及び配線を設ける必要が無いため簡便な構成とすることができる。
【0032】
また、電子部品20が、負極集電体19及び正極集電体17と電気的に接続される場合、負極集電体19及び正極集電体17は樹脂集電体であり、負極集電体19及び正極集電体17が電子部品20に直接結合して電気的に接続されていることが好ましい。
【0033】
樹脂集電体を使用する場合、樹脂集電体と電子部品の電極を接触させ、樹脂集電体を加熱して樹脂を軟化させることにより、樹脂集電体と電子部品を直接結合させることができる。すなわち、樹脂集電体を使用することによって異方性導電膜(ACF)等の他の接合材を集電体と電子部品の間に介することなく電気的な接続を行うことができる。
【0034】
後述する
図4では、枠部材18内に設けられた電子部品20の外部電極が正極集電体17及び負極集電体19と接触していることを示している。すなわち、電子部品20と正極集電体17及び負極集電体19は電気的に接続されている。
【0035】
また、枠部材18内に配置される電子部品20は、光信号を出力する発光素子であってもよい。後述する発光素子22を枠部材内に配置する場合、発光素子22からの光が単電池の外に向くように、発光素子22が枠部材18の側面に露出する形で枠部材内に埋め込まれていることが好ましい。
【0036】
単電池の外周に設けられた枠部材18内の複数箇所に電子部品20がそれぞれ配置されており、単電池内の異なる部位における状態を個別に検出することができるようになっていることが好ましい。
【0037】
電子部品20のそれぞれにつき、単電池内の状態を示す指標を個別に検出させ、ある特定の電子部品から得られた指標のみに異常値が見られたときに、その電子部品の近傍で不良が発生したことを推定することができる。
【0038】
すなわち、単電池内の不良発生の原因特定を容易にすることができる。
【0039】
単電池の枠部材内に設ける電子部品の数は特に限定されるものではなく、単電池の大きさや枠部材の大きさ、電子部品の大きさ等を考慮して任意に設定することができる。
【0040】
また、枠部材内の複数箇所に電子部品を設ける場合に、電子部品の種類はすべて同じであってもよく、異なる電子部品の組合せであってもよい。
【0041】
正極活物質層15には、正極活物質が含まれている。本実施形態の正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO
2、LiNiO
2、LiAlMnO
4、LiMnO
2及びLiMn
2O
4等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO
4、LiNi
1−xCoxO
2、LiMn
1−yCoyO
2、LiNi
1/
3Co
1/
3Al
1/
3O
2及びLiNi
0.8Co
0.15Al
0.05O
2)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMaM’bM’’cO
2(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi
1/
3Mn
1/
3Co
1/
3O
2)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO
4、LiCoPO
4、LiMnPO
4及びLiNiPO
4)、遷移金属酸化物(例えばMnO
2及びV
2O
5)、遷移金属硫化物(例えばMoS
2及びTiS
2)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ−p−フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
【0042】
正極活物質15は、導電助剤および被覆用樹脂で被覆された被覆正極活物質であることが好ましい。これにより、正極活物質の周囲が、被覆用樹脂で被覆されているため、電極の体積変化が緩和され、電極の膨張を抑制することができる。
【0043】
導電助剤は、例えば、金属系導電助剤[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、炭素系導電助剤[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0044】
これらの導電助剤は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物として用いられてもよい。なかでも、電気的安定性の観点から、より好ましくはアルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、炭素系導電助剤及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及び炭素系導電助剤であり、特に好ましくは炭素系導電助剤である。また、これらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料をめっき等でコーティングしたものでもよい。
【0045】
導電助剤の形状は、粒子状に限られず、粒子状以外の形態であってもよく、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電助剤などの形態であってもよい。
【0046】
被覆用樹脂と導電助剤の比率は特に限定されるものではないが、電池の内部抵抗等の観点から、重量比率で被覆用樹脂(樹脂固形分重量):導電助剤が1:0.01〜1:50であることが好ましく、1:0.2〜1:3.0であることがより好ましい。
【0047】
また、正極活物質層は、被覆正極活物質に含まれる導電助剤以外にも導電助剤を含んでもよい。導電助剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを用いることができる。
【0048】
正極活物質層は、正極活物質を含み、正極活物質同士を結着する結着材を含まない非結着体であることが好ましい。ここで、非結着体とは、正極活物質が結着剤(バインダともいう)により位置を固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質と集電体が不可逆的に固定されていないことを意味する。
【0049】
正極活物質層の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150〜600μmであることが好ましく、200〜450μmであることがより好ましい。
【0050】
負極物質層には負極活物質が含まれる。負極活物質は、例えば、公知のリチウムイオン電溶負極活物質が使用でき、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiOx)、珪素−炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素−アルミニウム合金、珪素−リチウム合金、珪素−ニッケル合金、珪素−鉄合金、珪素−チタン合金、珪素−マンガン合金、珪素−銅合金及び珪素−スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
【0051】
また、負極活物質は、上述した被覆正極活物質と同様の導電助剤及び被覆用樹脂で被覆された被覆負極活物質であってもよい。導電助剤及び被覆用樹脂としては、上述した被覆正極活物質と同様の導電助剤及び被覆用樹脂を好適に用いることができる。
【0052】
また、負極活物質層は、被覆負極活物質に含まれる導電助剤以外にも導電助剤を含んでもよい。導電助剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
【0053】
負極活物質層は、正極活物質層と同様に、負極活物質同士を結着する結着材を含まない非結着体であることが好ましい。また、正極活物質層と同様に、粘着性樹脂が含まれていてもよい。負極活物質層の厚みは、特に限定されるものではないが、電池性能の観点から、150〜600μmであることが好ましく、200〜450μmであることがより好ましい。
【0054】
正極集電体及び負極集電体を構成する材料としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料、並びに、焼成炭素、導電性高分子材料、導電性ガラス等が挙げられる。これらの材料のうち、軽量化、耐食性、高導電性の観点から、正極集電体としてはアルミニウムであることが好ましく、負極集電体としては銅であることが好ましい。
【0055】
また、集電体は、導電性高分子材料からなる樹脂集電体であることが好ましい。集電体の形状は特に限定されず、上記の材料からなるシート状の集電体、及び、上記の材料で構成された微粒子からなる堆積層であってもよい。集電体の厚さは、特に限定されないが、50〜500μmであることが好ましい。
【0056】
樹脂集電体を構成する導電性高分子材料としては例えば、導電性高分子や、樹脂に必要に応じて導電剤を添加したものを用いることができる。導電性高分子材料を構成する導電剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
【0057】
導電性高分子材料を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。また、本実施形態の導電性高分材料を構成する樹脂は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
【0058】
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン製の多孔性フィルム、多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンとの積層フィルム、合成繊維(ポリエステル繊維及びアラミド繊維等)又はガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等の公知のリチウムイオン電池用のセパレータが挙げられる。
【0059】
正極活物質層及び負極活物質層には電解液が含まれる。電解液としては、公知のリチウムイオン電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する公知の電解液を使用することができる。
【0060】
電解質としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiN(FSO
2)
2、LiPF
6、LiBF
4、LiSbF
6、LiAsF
6及びLiClO
4等の無機酸のリチウム塩、LiN(CF
3SO
2)
2、LiN(C
2F
5SO
2)
2及びLiC(CF
3SO
2)
3等の有機酸のリチウム塩等が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはイミド系電解質[LiN(FSO
2)
2、LiN(CF
3SO
2)
2及びLiN(C
2F
5SO
2)
2等]及びLiPF
6である。
【0061】
非水溶媒としては、公知の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン等及びこれらの混合物を用いることができる。
【0062】
電解液の電解質濃度は、1〜5mol/Lであることが好ましく、1.5〜4mol/Lであることがより好ましく、2〜3mol/Lであることがさらに好ましい。なお、電解液の電解質濃度は、リチウムイオン電池用電極又はリチウムイオン電池を構成する電解液を、溶媒などを用いずに抽出して、その濃度を測定することで確認することができる。
【0063】
次に、
図3は、本発明の一実施形態に係る単電池ユニットの電子部品20の斜視図である。
図4は、
図1の単電池ユニットのIV矢視図である。単電池ユニット10には、単電池ユニット内の状態を検出する電子部品20を有している。電子部品20は、配線基板21aと、当該配線基板21a上に配置された集積回路21b、21cとを有する本体部21と、発光素子22、本体部21の両側に位置する接続部26と、を備えている。
【0064】
本実施形態において、電子部品20は、上述した正極集電体17の切欠き17aおよび枠部材18の切欠き18aの内部に配設されると共に、負極集電体19の面上に載置される。他の実施形態において、負極集電体19に切欠きが設けられている場合には、電子部品20は正極集電体17の面上に載置される。
【0065】
本体部21は、集積回路21b、21cとは対向する面に測定端子24を備えている。また、本体部21は、単電池ユニット10の平面視において、正極集電体17又は負極集電体19のうち、切欠き17a、18aが形成されることにより露出する露出面19aに載置される。本実施形態では、負極集電体19に露出面19aが形成されている。これにより、本体部21と露出面19aとが当接させることができ、測定端子24が負極集電体19と接続することができる。
【0066】
集積回路21b、21cは、光信号の発光、光信号パターンの制御等の発光素子22における制御を行う。また、集積回路21b、21cは、単電池の電圧に基づいて、光信号パターンに変換し、これを発光素子22に転送する。集積回路21b、21cは、例えばIC、LSI等の任意の半導体を用いる。本実施形態では、集積回路を2つ実装しているが、これに限られることなく、1つでもよく、3つ以上でもよい。
【0067】
発光素子22は、集積回路21b、21cによって検出された単電池ユニット10の状態に基づいて光信号を出力する。これにより、光信号は、後述する受光部80によって受光される。
【0068】
接続部26は、単電池の積層方向に延びる第1部分26aと、該第1部分26aに連結され、単電池の面方向に延びる第2部分26bを備えている。また、第2部分26bが正極集電体17の表面上に接触して電子部品20と集電体とが導通接続される。さらに、接続部26は、集電体の表面上に接触するように測定端子25を備えている。これにより、接続部26の第2部分26bと接触させることができ、測定端子25が正極集電体17と接続することができる。
【0069】
電子部品20は、単電池ユニット10を平面視でみたときに正極集電体17又は負極集電体19の外縁から面方向外側に突出しない状態で、正極集電体17又は負極集電体19の外縁に沿って配設されている。本実施形態では、電子部品20は、負極集電体19の外縁から面方向外側に突出しない状態で、負極集電体19の外縁に沿って配設されている。これにより、電子部品20は、集電体の外縁から突出することなく、配置することができる。
【0070】
このように、電子部品20は、単電池ユニット10における正極12と負極13との間の電圧や単電池ユニット10内の温度を測定することができる。
【0071】
図4に示すように、測定端子24は、負極集電体19と熱圧着されている。また、測定端子25は、正極集電体17と熱圧着されている。このように、測定端子と各集電体を熱圧着することにより、単電池ユニット10に電子部品20を固定することができる。
【0072】
図5は、本実施形態に係る単電池ユニットを積層したリチウムイオン電池モジュールを模式的に示す一部切り欠き斜視図である。
図5では、単電池ユニット10を積層したリチウムイオン電池モジュールの一例を示す。リチウムイオン電池モジュール1は、単電池ユニット10を複数積層された組電池50と、光導波路60と、および外装体70を備えている。光導波路60の一端に受光部80が設けられている。なお、本明細書におけるリチウムイオン電池(単電池ユニット)は、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正負極間のリチウムイオンの移動により充放電が行われる二次電池をいう。当該リチウムイオン電池(二次電池)は、電解質に液体材料を使用した電池を含み、電解質に固体材料を使用した電池(いわゆる全固体電池)を含む。また本実施形態におけるリチウムイオン電池は、集電体として金属箔(金属集電箔)を有する電池を含み、金属箔に代わって導電性材料が添加された樹脂から構成される、いわゆる樹脂集電体を有する電池を含む。当該樹脂集電体を、後述するバイポーラ電極用樹脂集電体として用いる場合には、当該樹脂集電体の一方の面に正極を形成し、もう一方の面に負極を形成して双極型電極を構成したものであってもよい。なお、本実施形態におけるリチウムイオン電池は、バインダを用いて正極または負極活物質等を正極用または負極用集電体にそれぞれ塗布して電極を構成したものを含み、双極型の電池の場合には、集電体の一方の面にバインダを用いて正極活物質等を塗布して正極層を、反対側の面にバインダを用いて負極活物質等を塗布して負極層を有する双極型電極を構成したものを含む。
【0073】
組電池50(積層電池)は、単電池ユニット10が複数積層されている。本実施形態では、5つの単電池ユニット10を積層しており、隣り合う単電池ユニット10の負極集電体19の上面と、正極集電体17の下面と、が隣接するように積層されている。この場合、単電池ユニット10は、直列接続されている。本実施形態に係る積層電池は、前述したように、各々の単電池ユニット10が複数積層されて直列接続されるものを含むが、平面状電池(単電池ユニット)を電気的接続はないが物理的に接触するよう複数積層したものも含まれる。また、前述した集電体は、集電体の一方の面に正極が形成され他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極用樹脂集電体として用いることもできる。したがって、本実施形態に係る積層電池は、集電体(バイポーラ電極用樹脂集電体)の一方の面に正極を形成し、もう一方の面に負極を形成して双極型電極を作製し、双極型電極をセパレータと積層してなる積層体(双極型電池)を含む。組電池50の外表面には、各単電池ユニット10の電子部品20が一列に並んでいる。好ましくは、この一列に並んだ電子部品20を覆うように光導波路60が設けられてもよい。
【0074】
本実施形態では、組電池における一つの単電池ユニット10に形成された切欠きと、当該一つの単電池ユニットに隣り合う単電池ユニットに形成された切欠きとは、単電池ユニット10の積層方向にみたときに同一位置に形成されている。そして、このような位置に形成された切欠きに電子部品が配置される。すなわち、組電池における一つの単電池ユニット10に設けられた電子部品20と、一つの単電池ユニットに隣り合う単電池ユニットに設けられた電子部品とは、単電池ユニット10の積層方向にみたときに同一位置に形成されている。このように同一位置に形成された切欠きに電子部品を設置可能な構成とすることにより、電子部品を設置する際の、製造プロセス上の簡便性を確保することができる。
【0075】
光導波路60は、複数の電子部品(例えば、一つの単電池ユニット10に設けられた電子部品20と、一つの単電池ユニットに隣り合う単電池ユニットに設けられた電子部品を含む)における光信号を出力する発光素子22の発光面を覆うように設けられている。光導波路60が当該発光面を覆う構成とすることにより、光導波路60を設置する際に、光導波路60と発光素子22との間で僅かな位置ずれが生じたとしても、光導波路60の内部に光信号を導入することができる。このように構成することにより、光導波路60の位置ずれ許容量を増大させることができる。また、光導波路60の一端に受光部80を配置している。これにより、光導波路60内に導入した光信号を受光部80で受光することができる。
【0076】
組電池50と受光部80とは、電気的に絶縁されている。これにより、従来のように単電池それぞれと金属の配線と接続することなく、組電池の状態を管理することができる。また、受光部80は、組電池50の複数の単電池ユニット10から生じる光信号を受信する。また、受光部80には、電池状態解析器が電気的に接続されており、電池状態解析器において、受信した光信号の解析が行われ、組電池に含まれる単電池の特性が解析される。
【0077】
外装体70は、組電池50と光導波路60とを収容している。また、本実施形態では、外装体70の部材として、高分子金属複合フィルム等を用いているが、これに限られることはない。さらに、外装体70は、光導波路60の一端が外装体70の外に出るように収容している。これにより、組電池50の各単電池ユニット10からの光信号が光導波路60に導入され、受光部80に光信号を受光することができる。
【0078】
組電池50の最下面の負極集電体19の下に導電性シートが設けられ、導電性シートの一部が外装体70から引き出されて引出配線59となる。また、組電池50の最上面の正極集電体17の上には導電性シートが設けられ、導電性シートの一部が外装体70から引き出されて引出配線57となる。導電性シートとしては導電性を有する材料であれば特に限定されず、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル及びこれらの合金等の金属材料、並びに、樹脂集電体として記載した材料を適宜選択して用いることができる。
【0079】
このように、受光部80と電子部品20は電気的に接続されておらず、光信号によって受光部80と電子部品20との間の情報伝達がされる。
【0080】
以上のように、本発明の構成では、単電池内に存在している発電領域以外の空間を有効利用し、電子部品を単電池ユニットに配置しても発電領域の削減による体積エネルギー密度の低下を防ぐことができる。
【0081】
以上説明した本実施形態の単電池ユニットは、以下に記す態様のリチウムイオン電池であってもよい。
(1)
正極集電体、正極活物質層、セパレータ、負極活物質層及び負極集電体が順に積層されてなる単電池を有するリチウムイオン電池であって、
前記正極集電体及び前記負極集電体の間に配置され、前記正極活物質層、前記セパレータ、及び前記負極活物質層を封止する枠部材を有し、
前記枠部材内には、単電池内の状態を検出する電子部品が配置されていることを特徴とするリチウムイオン電池。
(2)
前記電子部品は、単電池内の所定部位における温度、電圧、電流又はアコースティックエミッションを測定するセンサである(1)に記載のリチウムイオン電池。
(3)
前記単電池の外周に設けられた枠部材内の複数箇所に電子部品がそれぞれ配置されており、
単電池内の異なる部位における状態を個別に検出する(1)又は(2)に記載のリチウムイオン電池。
(4)
前記電子部品は前記負極集電体及び前記正極集電体と電気的に接続されており、リチウムイオン電池からの電力供給を受ける(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(5)
前記負極集電体及び前記正極集電体は樹脂集電体であり、前記負極集電体及び前記正極集電体が前記電子部品に直接結合して電気的に接続されている(4)に記載のリチウムイオン電池。
(6)
前記枠部材には電子部品を配置するための貫通穴が設けられており、前記貫通穴に前記電子部品が配置されていて、前記枠部材の厚さと前記電子部品の高さが略同一である(1)〜(5)のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(7)
前記枠部材内に配線基板が設けられており、前記電子部品は前記配線基板に実装されている(1)〜(5)のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(8)
前記配線基板には前記電子部品に供給する電流及び/又は電圧を制御するための他の電子部品が実装されている(7)に記載のリチウムイオン電池。
(9)
前記電子部品は、単電池内の状態を示す信号を単電池の外部に無線出力する(1)〜(8)のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(10)
前記単電池が複数積層された積層電池であり、
前記積層電池を構成する前記単電池ごとの状態を前記枠部材内に配置された前記電子部品により個別に検出する(1)〜(9)のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(11)
前記単電池が複数積層された積層電池が複数組み合わせられた電池モジュールであり、
前記電池モジュールを構成する前記積層電池ごとの状態を前記枠部材内に配置された前記電子部品により個別に検出する(1)〜(9)のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(12)
前記枠部材内に配置された前記電子部品により単電池内の状態の検出を行う、行わないの切り替えをするスイッチを有し、
外部からの信号が与えられた場合に前記スイッチを切り替えて単電池内の状態の検出を行う(1)〜(11)のいずれかに記載のリチウムイオン電池。
(13)
(1)〜(12)のいずれかに記載のリチウムイオン電池を用いたリチウムイオン電池の劣化判定方法であり、
前記枠部材内に配置された前記電子部品は、充電時の電位推移を計測するためのセンサであり、
上記センサにより充電時の電位推移と所要時間をモニタリングし、通常状態よりも短時間で電位上昇が生じた場合にそのセンサにより計測された単電池内の部位において劣化が生じていると判定することを特徴とするリチウムイオン電池の劣化判定方法。
(14)
(1)〜(12)のいずれかに記載のリチウムイオン電池を用いたリチウムイオン電池の劣化判定方法であり、
前記単電池の外周に設けられた枠部材内の複数箇所に電子部品がそれぞれ配置されており、
前記電子部品は電位を測定するセンサであり、単電池内の異なる部位における電位ばらつきを検出し、電位ばらつきが所定値を超えた場合に当該単電池において劣化が生じていると判定することを特徴とするリチウムイオン電池の劣化判定方法。
【0082】
以上説明したように、一実施形態に係る単電池ユニットは、正極集電体と、正極活物質層と、セパレータと、負極活物質層および負極集電体が積層される単電池ユニットであって、前記正極集電体と対向する負極集電体との間に配置され、前記セパレータの周縁部を固定する枠部材と、前記単電池ユニット内の状態を検出する電子部品と、を備え、前記正極集電体と前記負極集電体との間の領域には、前記電子部品が配置され、前記領域に配置された前記電子部品が前記正極集電体及び前記負極集電体と電気的に接続される。
【0083】
上記一実施形態では、前記正極集電体と前記負極集電体とは互いに異なる外縁形状を呈し、前記正極集電体又は前記負極集電体の周縁部に切欠きが形成されてもよい。
【0084】
上記一実施形態では、前記電子部品は、前記切欠きが形成された部分に配設され、前記切欠きが形成されていないと仮定したときの前記単電池ユニットの発電に寄与する領域と、前記切欠きが形成されたときの前記単電池ユニットの発電に寄与する領域と、は実質的に同一であってもよい。
【0085】
上記一実施形態では、前記電子部品における集積回路を含む部分は、前記切欠きの内部に配設されると共に、前記正極集電体又は前記負極集電体の一方の面上に載置されてもよい。
【0086】
上記一実施形態では、前記電子部品は、基板と、該基板上に配置された集積回路と、を有する本体部を備え、前記本体部は、単電池ユニットの平面視において、前記正極集電体又は前記負極集電体のうち、前記切欠きが形成されることにより露出する露出面に載置されてもよい。
【0087】
上記一実施形態では、前記電子部品は、前記本体部の両側に位置する接続部を更に備え、前記接続部は、単電池の積層方向に延びる第1部分と、該第1部分に連結され、単電池の面方向に延びる第2部分と、を備え、前記第2部分が前記正極集電体又は前記負極集電体の表面上に接触して前記電子部品と集電体とが導通接続されてもよい。
【0088】
上記一実施形態では、前記枠部材は、前記正極活物質層及び前記負極活物質層の外周、及び、前記セパレータの外周を囲むように環状に配置され、前記正極集電体又は前記負極集電体に形成された矩形状の切欠きと、前記枠部材に形成された矩形状の切欠きとは同一形状であって、単電池ユニットの積層方向にみたときに同一位置に形成されてもよい。
【0089】
上記一実施形態では、前記電子部品は、前記単電池ユニットを平面視でみたときに前記正極集電体又は前記負極集電体の外縁から面方向外側に突出しない状態で、前記正極集電体又は前記負極集電体の外縁に沿って配設されてもよい。
【0090】
上記一実施形態では、前記電子部品は、前記単電池ユニット内の状態に基づいて光信号を出力する発光素子を有してもよい。
【0091】
上記一実施形態に係る単電池ユニットが複数積層された組電池を備え、前記組電池における一つの単電池ユニットに設けられた前記電子部品と、前記一つの単電池ユニットに隣り合う単電池ユニットに設けられた前記電子部品とは、単電池ユニットの積層方向にみたときに同一位置に形成され、複数の前記電子部品における光信号を出力する発光素子の発光面を覆うように光導波路が設けられてもよい。
【0092】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。