【解決手段】充電用コネクタユニット1は、基板2と、基板2の表面2aに実装されたコネクタ3と、を備え、コネクタ3は、基板2に対して垂直方向に延びて設けられた雌型のコネクタ3であり、基板2は、基板2の表面2aに設けられ、コネクタ3と電気的に接続されてコネクタ3が実装されるコネクタ実装部5と、電源と接続される充電ケーブル4を基板2の表面2aとは反対側の裏面2bから垂直方向と同方向に取り付け可能であるとともに、充電ケーブル4をコネクタ実装部5と電気的に接続するケーブル接続部21と、を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
[概略構成]
図1は、実施形態に係る充電用コネクタユニットの斜視図である。
図2は、実施形態に係る充電用コネクタユニットの使用態様を示す図である。
図3は、実施形態に係る充電用コネクタユニットの設置態様を示す図である。
【0010】
図1に示すように、充電用コネクタユニット1は、不図示の電源と充電対象となる端末装置とを電気的に接続する充電用途の電気器具であり、基板2と、基板2の表面2aに実装されたコネクタ3とを備える。コネクタ3は、雌型のコネクタであり、基板2に対して垂直方向(Z軸方向)に延びて設けられている。すなわち、コネクタ3は、その嵌合口30が基板2に対して垂直な方向に向けられて基板2の表面2aに設けられている。このコネクタ3には、
図2に示すように、充電対象となる端末装置に電気的に接続されるケーブルに電気的に接続された雄型のコネクタ103が嵌合する。これにより、両コネクタ3、103が電気的に接続される。
【0011】
基板2は、コネクタ実装部5(
図4参照)と、ケーブル接続部21とを有する。コネクタ実装部5は、基板2の表面2aに設けられ、コネクタ3と電気的に接続されてコネクタ3が実装される。ケーブル接続部21は、電源と接続される充電ケーブル4を基板2の表面2aとは反対側の裏面2bから基板2の垂直方向と同方向(すなわち、Z軸方向)に取り付け可能であるとともに、当該充電ケーブル4をコネクタ実装部5と電気的に接続する。充電ケーブル4は、バッテリや商用電源などの電源と電気的に接続されるケーブルであり、基板2の裏面2b側において基板2に対して垂直方向に引き出される。すなわち、充電ケーブル4が引き出される方向(Z軸方向)とコネクタ3が延びる方向(Z軸方向)は同方向であり、雄型のコネクタ103が雌型のコネクタ3に対して挿抜される方向(Z軸方向)とも一致する。
【0012】
充電用コネクタユニット1は、車内又はホテルの客室など充電可能な端末装置を使用するユーザの滞在空間に配置されたパネルPに嵌め込まれて設置される。例えば、
図3に示すように、充電用コネクタユニット1には、充電ケーブル4が取り付けられた状態で、コネクタ3の嵌合口30及び充電ケーブル4の一部が外部に露出するように樹脂などの絶縁体によりモールドされて成るモールド体7が設けられていても良い。モールド体7の外形は、パネルPに設けられた開口部Paの形状と一致する。少なくともコネクタ3の嵌合口30がユーザの滞在空間に露出するように開口部Paに充電用コネクタユニット1を嵌め込むことで、充電用コネクタユニット1を設置することができる。
【0013】
[詳細構成]
図4は、実施形態に係る充電用コネクタユニットの基板の表面側から見た分解斜視図である。
図5は、実施形態に係る充電用コネクタユニットの基板の裏面側から見た分解斜視図である。
図6は、コネクタの端子を説明するための図である。
図7は、基板の表面を示す図である。
図8は、基板の裏面を示す図である。
【0014】
(コネクタ)
コネクタ3は、所定の規格及び形状に準拠して構成されている。所定の規格は、ユニバーサル・シリアル・バス(以下、USBという。)規格及びLightning(登録商標)規格などの充電に使用することのできる規格を含むことができる。USB規格としては、USB2.0、3.0.3.1、3.2、4などの公知の規格や将来の規格を用いることができる。コネクタ3の形状としては、USB Type−A、USB Type−C、Mini USB Type−B、micro USB Type−B、Lightningなど、充電に使用することができる形状を用いることができる。本実施形態のコネクタ3は、その形状がUSB Type−Cであり、USB Power Deliveryに対応させても良い。
【0015】
コネクタ3は、1枚の基板2に対して1つ以上設けることができ、その設置数は特に限定されない。本実施形態では、2つのコネクタ3が基板2に設けられている。この2つのコネクタ3は、基板2の表面2aにX軸方向に並べられて配置されている。2つのコネクタ3は、基板2の表面2aに点対称に配置しても良い。双方のコネクタ3の構成はここでは同じであるが、2以上のコネクタ3を設ける場合は、異なる規格及び/又は形状のコネクタとしても良い。
【0016】
コネクタ3は、
図4に示すように、端子部3aと、端子部3aの周囲を囲うシェル3bとを有する。端子部3aは、
図6に示すように、複数の端子31、ミッドプレート32、嵌合突部33を有し、各部材31〜33は、基板2に対して垂直方向に延びて設けられている。
【0017】
複数の端子31は、雄型のコネクタ103の端子と電気的に接続される導体である。各端子31は、概略L字形状を成し、先端側の長辺が基板2に対して垂直方向に延び、後端側の短辺は基板2の表面2aに設けられた後述のパッド50と電気的に接続されている。本実施形態のコネクタ3の形状がUSB Type−Cであるため、ミッドプレート32の両面側にミッドプレート32から離れてそれぞれ12本の端子31が所定の間隔を空けて配列されている。12本の端子31からなる端子群のうち、両端の端子31がそれぞれ負極端子31nであり、両端から4番目の端子31がそれぞれ正極端子31pである。端子群はミッドプレート32の両面側で計2つ存在するので、1つのコネクタ3は、負極端子31nと正極端子31pとをそれぞれ4本ずつ備える。なお、正極端子31p及び負極端子31n以外の端子31は、映像又は音声などの信号又はデータを送受信するために用いることができる。但し、正極端子31p及び負極端子31n以外の端子31は設けなくても良い。この場合、充電用コネクタユニット1の製造コストを低減することができる。
【0018】
ミッドプレート32は、12本の端子31からなる一対の端子群との中間に当該端子群と間隔を空けて配置された導体プレートである。ミッドプレート32は、その根元部分(Z軸方向負側の部分)に設けられた一対の脚32aがグランド接続されており、端子31間のクロストークを防止する。本実施形態では、一対の脚32aは、基板2に設けられたミッドプレート取付穴24を介して、後述のグランド接続された第4導電パターン64と電気的に接続されている。ミッドプレート取付穴24は、本実施形態では、内壁に第4導電パターン64と電気的に接続される銅メッキ等の導電体が配置されたスルーホールである。ミッドプレート32の先端部分(Z軸方向正側の部分)には、Y軸方向に張り出した膨出部32bが設けられている。膨出部32bは、コネクタ3が雄型のコネクタ103と嵌合した際に、コネクタ3を雄型のコネクタ103とロックする。
【0019】
嵌合突部33は、端子31とミッドプレート32とが、それらの表面又は一部を除いて埋設される絶縁体であり、端子31間及び端子31とミッドプレート32の間の相対的な位置を固定する。嵌合突部33は、例えば、端子31とミッドプレート32とをインサート品として樹脂によりインサート成形されて成るが、予め成形された嵌合突部33に端子31、ミッドプレート32を圧入しても良い。嵌合突部33は、先端部331と、先端部331よりも基板2に近い根元部332とを有する。先端部331は、端子31の表面が露出するように舌状に形成されており、雄型のコネクタ103のシェルと嵌合することにより端子31と雄型のコネクタ103の端子と接触する。根元部332は、端子31及びミッドプレート32の根元部分を周囲から保持する。根元部332の外形は、シェル3bが嵌め込まれるようにシェル3bの形状と同形状を有する。
【0020】
シェル3bは、複数の端子31の周囲を取り囲んで端子31を保護する筒型の導体である。シェル3bは、雄型のコネクタ103のシェル103bと嵌合する。USB Type−C形状を満たすため、シェル3bは、角に丸みを有する四角筒状である。シェル3bは、基板2に対して垂直方向に延びて設けられている。シェル3bの根元の各角には、シェル3bと同方向に延びる脚34が設けられている。
図4に示すように、シェル3bは、各脚34が、基板2に設けられたシェル取付穴22にそれぞれ挿入されるようにして根元部332に嵌め込まれ、脚34がはんだ付け等されることによりシェル3bが基板2に固定されている。
【0021】
(基板)
基板2は、絶縁体で構成されており、
図1、
図4〜
図8に示すように、コネクタ実装部5、導電パターン6、ケーブル接続部21、シェル取付穴22、中継穴23、ミッドプレート取付穴24を有する。
【0022】
図4に示すように、コネクタ実装部5は、端子実装部5a、シェル実装部5bを有する。端子実装部5aとシェル実装部5bは、基板2により絶縁されている。端子実装部5aは、複数の端子31が実装される領域を成す。具体的には、端子実装部5aは、基板2の表面2aに設けられ、複数の端子31と電気的に接続される複数のパッド50により構成される。パッド50は、例えば銅箔である。
【0023】
図7に示すように、端子実装部5aは、第1配列51、第2配列52を有する。第1配列51及び第2配列52は、複数のパッド50が間隔を空けて一方向(Y軸方向)に配列されて成る。第1配列51及び第2配列52は点対称に配置され、第2配列52は、第1配列51とX軸方向に間隔(例えば、ミッドプレート32の両側に位置する端子31間の隙間程度)を空けて平行に配置されている。各パッド50は例えば矩形状であり、端子部3aの複数の端子31と対応する位置に配置されている。すなわち、各配列51、52は、それぞれ12個のパッド50を有する。
【0024】
第1配列51及び第2配列52の両端に位置するパッド50は、負極端子31nと電気的に接続される負極用パッド50nであり、第1配列51及び第2配列52の両端のパッド50から4番目のパッド50は、正極端子31pと電気的に接続される正極用パッド50pである。換言すれば、第1配列51及び第2配列52は、負極用パッド50nと正極用パッド50pをそれぞれ2つ有する。
【0025】
シェル実装部5bは、シェル3bが実装される領域を成す。具体的には、シェル実装部5bは、基板2の表面2aに設けられ、シェル3bと電気的に接続されるパッドである。本実施形態では、シェル実装部5bは、第1配列51及び第2配列52の両端に離れて配置された一対のパッドにより構成されている。この一対のシェル実装部5bは、例えば銅箔により構成することができる。
【0026】
導電パターン6は、コネクタ実装部5と電気的に接続された導電路であり、本実施形態では、基板2においてコネクタ実装部5の外側、すなわち、シェル3bの外側に設けられている。具体的には、導電パターン6は、基板2の表面2a、裏面2bに設けられ、ケーブル接続部21と電気的に接続されている。この導電パターン6は、第1導電パターン61、第2導電パターン62、第3導電パターン63、及び第4導電パターン64を有する。
【0027】
第4導電パターン64は、基板2の表面2aに設けられ、一対のシェル実装部5bを電気的に接続する導電路であり、例えば銅箔により構成することができる。本実施形態では、シェル3bよりも外側に配置されている。
【0028】
第4導電パターン64は、ケーブル接続部21と電気的に接続されている。このケーブル接続部21は、基板2に設けられ、本実施形態では、内壁に第4導電パターン64と電気的に接続された銅メッキ等の導電体が配置されたスルーホールである。
図4及び
図5に示すように、このケーブル接続部21に充電ケーブル4の芯線4aが挿入され、はんだ付け等により充電ケーブル4と第4導電パターン64が導電体を介して電気的に接続される。したがって、この充電ケーブル4、第4導電パターン64、シェル実装部5b、及びシェル3bは同電位となる。
【0029】
また、第4導電パターン64は、グランド接続され、負極用パッド50nが第4導電パターン64又はシェル実装部5bに電気的に接続されている。そのため、負極用パッド50nに接続された負極端子31nもグランド接続される。
【0030】
第2導電パターン62は、第1配列51の正極用パッド50p同士を電気的に接続する導電路である。第3導電パターン63は、第2配列52の正極用パッド50p同士を電気的に接続する導電路である。第2導電パターン62及び第3導電パターン63は、基板2の表面2aに設けられ、例えば銅箔により構成することができる。本実施形態では、第2導電パターン62及び第3導電パターン63は、コネクタ実装部5の外側、すなわちシェル3bの外側に設けられている。第2導電パターン62は、第4導電パターン64よりも内側、つまりコネクタ3側に配置されている。
【0031】
第1導電パターン61は、第1配列51の正極用パッド50pと第2配列52の正極用パッド50pとを電気的に接続する導電路である。したがって、導電パターン61〜63により、各配列51、52の正極用パッド50p及び正極端子31pは全て同電位となる。第1導電パターン61は、例えば銅箔により構成することができる。
【0032】
第1導電パターン61は、
図5及び
図8に示すように、基板2の裏面2bに設けられ、電流が流れる方向と直交する断面積が正極用パッド50pよりも大きい。本実施形態では、第1導電パターン61は、正極用パッド25pの幅よりも幅広である。ここでいう幅とは、電流が流れる方向と直交する方向のうち、基板2の表面2aと平行な方向の長さである。なお、電流が流れる方向と直交する方向のうち、基板2の表面2aと直交する方向を厚み方向と呼ぶとすると、第1導電パターン61と正極用パッド50pの厚み(すなわち、厚み方向の長さ)が同じである場合、第1導電パターン61及び正極用パッド50pの電流が流れる方向と直交する断面積は、第1導電パターン61の方が正極用パッド50pよりも大きい。本実施形態では、第1導電パターン61は、正極用パッド25pの幅よりも幅広としているが、幅を同じにして、厚みを正極用パッド50pよりも厚くしても良い。
【0033】
同様に、第2導電パターン62、第3導電パターン63についても、断面積が正極用パッド50pよりも大きく、本実施形態では、第2導電パターン62、第3導電パターン63の幅は、正極用パッド50pの幅よりも幅広である。
【0034】
本実施形態では、第2導電パターン62とケーブル接続部21とが電気的に接続されている。このケーブル接続部21は、基板2に設けられ、本実施形態では、内壁に第1導電パターン61と第2導電パターン62とに電気的に接続された銅メッキ等の導電体が配置されたスルーホールである。
図5に示すように、このケーブル接続部21に充電ケーブル4の芯線4aが挿入され、はんだ付け等により充電ケーブル4と第1導電パターン61が導電体を介して電気的に接続される。したがって、この充電ケーブル4、第1導電パターン61、第2導電パターン62、第3導電パターン63、正極用パッド50p、及び正極端子31pが同電位となり、これらの電位は、もう一方の充電ケーブル4が第4導電パターン64を介してグランド接続されるので、プラスの電位となる。
【0035】
ケーブル接続部21は、基板2に設けられるとともにコネクタ実装部5と電気的に接続される貫通孔であり、1つのコネクタ3に対して2つ設けられている。本実施形態のケーブル接続部21は、内壁に銅メッキなどの導電体が配置されたスルーホールである。
【0036】
2つのケーブル接続部21は、コネクタ3の片側に設けられている。すなわち、一方のケーブル接続部21は、第4導電パターン64に設けられ、第4導電パターン64と電気的に接続されている。
図5に示すように、このケーブル接続部21に充電ケーブル4の芯線4aが挿入され、はんだ付け等により充電ケーブル4と第4導電パターン64が貫通孔内壁の導電体を介して電気的に接続される。他方のケーブル接続部21は、第2導電パターン62に設けられ、導電体が第2導電パターン62と第1導電パターン61とに電気的に接続されている。
図5に示すように、このケーブル接続部21に充電ケーブル4の芯線4aが挿入され、はんだ付け等により充電ケーブル4と第1導電パターン61とが貫通孔内壁の導電体を介して電気的に接続される。このように、ケーブル接続部21を、コネクタ3(シェル3b)の片側に配置された第2導電パターン62、第4導電パターン64に設けることで、充電ケーブル4の取付作業性及び回路の設計容易性の利点が得られる。
【0037】
なお、他方のケーブル接続部21は、第2導電パターン62に設ける代わりに、第3導電パターン63に設けても良い。第2導電パターン62、第3導電パターン63は、第1導電パターン61により同電位だからである。
【0038】
シェル取付穴22は、本実施形態では、シェル実装部5bに設けられた貫通孔である。シェル取付穴22は、各シェル実装部5bに対して2つ設けられている。本実施形態では、シェル取付穴22は、内壁に銅メッキなどの導電体が配置されたスルーホールである。
図4に示すように、シェル取付穴22にシェル3bの脚34が挿入され、はんだ付け等で内部の導電体と電気的に接続されるとともにシェル3bが基板2に固定される。
【0039】
中継穴23は、本実施形態では、基板2に設けられた貫通孔である。本実施形態では、第3導電パターン63に設けられ、内壁に銅メッキなどの導電体が配置されたスルーホールである。この導電体は、第3導電パターン63と第1導電パターン61とを電気的に接続する。なお、本実施形態では、中継穴23は、第3導電パターン63に設けられ、ケーブル接続部21の一方は、第2導電パターン62に設けられているが、逆に、中継穴23が第2導電パターン62に設けられ、ケーブル接続部21の一方が第3導電パターン63に設けられていても良い。いずれの場合でも第2導電パターン62、第3導電パターン63は同電位になるからである。
【0040】
ミッドプレート取付穴24は、本実施形態では、シェル実装部5bに設けられた貫通孔である。ミッドプレート取付穴24は、各シェル実装部5bに対して1つ設けられ、シェル取付穴22の間に配置されている。本実施形態では、ミッドプレート取付穴24は、内壁に銅メッキなどの導電体が配置されたスルーホールである。この導電体は、シェル実装部5bと電気的に接続されている。
図6に示すように、ミッドプレート取付穴24にはミッドプレート32の脚32aが挿入され、はんだ付け等により脚32aと導電体とが電気的に接続される。そのため、ミッドプレート32はこの導電体を介してグランド接続されるシェル実装部5bと接続されるので、グランド接続される。
【0041】
[作用・効果]
(1)本実施形態の充電用コネクタユニット1は、基板2と、基板2の表面2aに実装されたコネクタ3と、を備え、コネクタ3は、基板2に対して垂直方向に延びて設けられた雌型のコネクタ3であり、基板2は、基板2の表面2aに設けられ、コネクタ3と電気的に接続されてコネクタ3が実装されるコネクタ実装部5と、電源と接続される充電ケーブル4を基板2の表面2aとは反対側の裏面2bから垂直方向と同方向に取り付け可能であるとともに、充電ケーブル4をコネクタ実装部5と電気的に接続するケーブル接続部21と、を有するようにした。
【0042】
これにより、省スペース化を図ることができる。すなわち、コネクタ3を基板2に対して垂直方向に延びるように実装しているので、基板2に投影されるコネクタ3の実装面積を小さくすることができるとともに、充電ケーブル4を基板2の裏面2bから取り付け可能であるので、基板2上の実装面積を小さくし、充電用コネクタユニット1を小型化することができる。なお、基板2の表面2a上で省スペース化を図ることができるため、他の電子部品や素子を実装する設計自由度を向上させることができる。
【0043】
(2)ケーブル接続部21は、内壁にコネクタ実装部5と電気的に接続された導電体が配置されたスルーホールとした。
【0044】
これにより、基板2の表面2aにはコネクタ3を実装し、基板2の裏面2bには充電ケーブル4を配することができる。充電ケーブル4を基板2の裏面2bから取り付け可能であるので、基板2の片側だけから取付作業を完結することができ、その作業を簡易化することができる。
【0045】
(3)基板2は、コネクタ実装部5の外側に設けられ、コネクタ実装部5と電気的に接続された導電パターン6を有し、ケーブル接続部21は、導電パターン6に電気的に接続するようにした。これにより、コネクタ実装部5という限られた領域内に充電ケーブル4を取り付ける場合と比べて、充電ケーブル4の取付作業を容易化することができる。このように導電パターン6をコネクタ実装部5の外側に設けることができるのは、コネクタ3を基板2に対して垂直方向に延びるように設けることで基板2上のスペースを空けることができるからである。なお、コネクタ3を基板2上に横たわらせる実装方法から本実施形態のように基板2に対して立てる実装方法にして得られる基板2上のスペースよりも、導電パターン6を設けるスペースの方を小さくすることで省スペース化のメリットを得ることができる。
【0046】
(4)コネクタ3は、正極端子31p及び負極端子31nを含む複数の端子31を備え、コネクタ実装部5は、基板2の表面2aに設けられ、複数の端子31と電気的に接続される端子実装部5aを有し、端子実装部5aは、正極端子31pと電気的に接続される正極用パッド50pと、負極端子31nと電気的に接続される負極用パッド50nと、正極用パッド50pと負極用パッド50nとを含む複数のパッドが間隔を空けて一方向に配列されてなる第1配列51と、正極用パッド50pと負極用パッド50nとを含む複数のパッド50が間隔を空けて一方向に配列されてなり、第1配列51と間隔を空けて平行に配置された第2配列52と、を有し、導電パターン6は、第1配列51の正極用パッド50pと第2配列52の正極用パッド50pとを電気的に接続する第1導電パターン61を有し、第1導電パターン61は、基板2の裏面2bに設けられるとともにケーブル接続部21と電気的に接続され、電流が流れる方向と直交する断面積が正極用パッド50pよりも大きくした。
【0047】
これにより、大電流用途の充電に対応することができる。すなわち、本実施形態では、基板2の裏面2bに第1導電パターン61を設けることで、コネクタ実装部5がないことから比較的自由に第1導電パターン61を設計でき、第1導電パターン61の断面積を正極用パッド50pよりも大きくすることができる。そのため、大電流が流れても発熱を抑えることができるので、大電流での充電に対応することができる。また、第1導電パターン61をコネクタ3とは反対側の基板2の裏面2bに設けているので、発熱しても放熱しやすい利点がある。
【0048】
(5)第1配列51及び第2配列52は、正極用パッド50pをそれぞれ2つ有し、導電パターン6は、第1配列51の正極用パッド50p同士を電気的に接続する第2導電パターン62と、第2配列52の正極用パッド50p同士を電気的に接続する第3導電パターン63と、を有し、第2導電パターン62及び第3導電パターン63の一方には、当該導電パターン6と充電ケーブル4とを電気的に接続するケーブル接続部21が設けられ、第2導電パターン62及び第3導電パターン63の他方には、当該導電パターン6と第1導電パターン61とを電気的に接続する導電体が内壁に配置されたスルーホールである中継穴23を設けるようにした。これにより、第1配列51と第2配列52の各正極用パッド50pを同電位とすることができる。
【0049】
(6)コネクタ3は、複数の端子31を囲うシェル3bを備え、コネクタ実装部5は、基板2の表面2aに設けられ、シェル3bと電気的に接続されるシェル実装部5bを有し、導電パターン6は、基板2の表面2aに設けられ、シェル実装部5bとケーブル接続部21とに電気的に接続されるとともにグランド接続される第4導電パターン64を有し、負極用パッド50nは、第1配列51及び第2配列52の両端に配置され、基板2上で第4導電パターン64と電気的に接続されるようにした。
【0050】
これにより、第1配列51及び第2配列52の両端に配置された負極用パッド50nをグランド接続するために別途の配線又は回路を設ける必要がなくなるので、省スペース化を図ることができる。
【0051】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、下記に示す他の実施形態も包含する。また、本発明は、上記実施形態及び下記の他の実施形態を全て又はいずれかを組み合わせた形態も包含する。さらに、これらの実施形態を発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができ、その変形も本発明に含まれる。
【0052】
上記実施形態では、ケーブル接続部21は、基板2を貫通するスルーホールとしたが、基板2の表面2a及び裏面2bを導通する導電路があれば必ずしも貫通している必要はなく、基板2の裏面2bに設けられた凹部としても良い。凹部は、充電ケーブル4を基板2の裏面2b側から基板2に対して垂直方向に取り付け可能であるとともに、コネクタ実装部5と電気的に接続される。凹部としては、例えば、ビアホールとすることができる。すなわち、ビアホールは、裏面2bの凹部と表面2aの第4導電パターン64と第2導電パターン62又は第3導電パターン63とを基板2の内部で電気的に接続する。
【0053】
同様に、シェル取付穴22、中継穴23、ミッドプレート取付穴24は、凹部としても良い。この場合、シェル取付穴22、ミッドプレート取付穴24としての凹部は、基板2の表面2aに設けられ、シェル3bとシェル実装部5b、ミッドプレート32とシェル実装部5bのそれぞれを電気的に接続する。中継穴23としての凹部は、基板2の表面2a又は裏面2bに設けられ、第1導電パターン61と第2導電パターン62又は第3導電パターン63とを電気的に接続する。
【0054】
上記実施形態では、ケーブル接続部21は、コネクタ実装部5の外側、つまり、コネクタ実装部5の外側に配置した導電パターン6に設けたが、コネクタ実装部5の内側、すなわち、シェル3bの内側に設けるようにしても良い。例えば、2つのケーブル接続部21は、一方をシェル実装部5b又は負極用パッド50nに設け、他方を正極用パッド50pに設けるようにして、導電パターン6を介さずに各パッド50に直接的に設けても良いし、端子実装部5a及びシェル実装部5bの各パッド50が配置されていないスペースに設けても良い。
【0055】
上記実施形態では、2つのコネクタ実装部5及び導電パターン6を基板2に点対称に設けたが、線対称に設けても良い。このように、点対称又は線対称に設けることで、充電ケーブル4の基板2への取付作業を容易化することができ、また、コネクタ実装部5及び導電パターン6の設計を容易化することができる。
【0056】
上記実施形態では、導電パターン6は、基板2の表面2a、裏面2bで外部に露出するようにしたが、露出させないようにしても良い。具体的は、コネクタ実装部5は露出させるものの、第1導電パターン61、第2導電パターン62、第3導電パターン63、第4導電パターン64の少なくとも何れかを覆うように、これらの導電パターン61〜64上に樹脂からなるレジストの層を設けても良い。これにより、導電パターン6への不純物の付着を防止でき、ショートなどの不具合の発生を防止することができる。
【0057】
充電用コネクタユニット1は、ユニット内で充電電圧を調整する構成を有していても良い。例えば、導電パターン6の何れかの箇所に抵抗、コンデンサなどの他の電子部品を搭載しても良い。充電用コネクタユニット1は、上記の通り省スペース化を図ることができることから、他の電子部品を搭載することが可能である。そのため、小型化しつつも様々な充電電圧を出力可能なように対応することができる。