特開2021-190276(P2021-190276A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-190276位置検出装置およびそれを備える機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-190276(P2021-190276A)
(43)【公開日】2021年12月13日
(54)【発明の名称】位置検出装置およびそれを備える機器
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20211115BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20211115BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20211115BHJP
   G01B 7/00 20060101ALI20211115BHJP
【FI】
   H01H36/00 V
   G06F3/041 580
   G06F3/044 120
   G01B7/00 101C
   G06F3/041 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-93661(P2020-93661)
(22)【出願日】2020年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】臼井 弘敏
【テーマコード(参考)】
2F063
5G046
【Fターム(参考)】
2F063AA22
2F063HA04
5G046AA11
5G046AB01
5G046AC24
5G046AD02
5G046AD03
5G046AE21
(57)【要約】
【課題】可動部材の位置を検出する位置検出装置を提供する。
【解決手段】位置検出装置400は、対象物である可動部材302の位置を検出する。静電容量センサ420は、複数のノーマル電極412および補助電極414それぞれの静電容量の検出値を生成可能である。処理部430は、複数のノーマル電極412について得られた複数の検出値Ds1〜Dsnにもとづいて、可動部材302の正常範囲500における位置を検出する。また処理部430は、補助電極414について得られた検出値にもとづいて、可動部材302が異常範囲502に位置するものと判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の位置を検出する位置検出装置であって、
複数のノーマル電極と、
補助電極と、
前記複数のノーマル電極および前記補助電極それぞれの静電容量の検出値を生成可能な静電容量センサと、
前記複数のノーマル電極について得られた複数の検出値にもとづいて、前記対象物の正常範囲における位置を検出するとともに、前記補助電極について得られた検出値にもとづいて、前記対象物が異常範囲に位置するものと判定する処理部と、
を備えることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記対象物は、開閉機構の可動部材であり、機械的機構によって可動域が制限されていることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記複数のノーマル電極それぞれを判定対象とし、対応する検出値にもとづいて、判定対象のノーマル電極と前記対象物の距離が検出レンジに含まれる近接状態であるか否かを判定し、前記複数のノーマル電極について得られた複数の判定結果にもとづいて、前記正常範囲における前記対象物の位置を検出し、
前記処理部は、前記補助電極の検出値にもとづいて、前記補助電極と前記対象物の距離が検出レンジに含まれる近接状態であるか否かを判定し、前記補助電極において前記近接状態と判定されると、前記対象物が異常範囲に位置すると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の位置検出装置を備えることを特徴とする機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動機構の状態検出に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫や洗濯機をはじめとする家電製品は、引き出しや開き戸などの開閉機構を備え、それとともに、開閉検出機能を有している。従来の開閉検出は、安価なプッシュ式スイッチが広く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−105918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プッシュ式スイッチは、閉状態か、そうではない開状態の二段階の検出が可能であり、開状態における中間的な開きの程度の検出ができない。また、プッシュ式スイッチは、機械的な遊びを有するため、半ドアなどの事象を検出することに不向きである。
【0005】
踏切や駐車場の遮断器、ECT(Electronic Toll Collection System)のゲートなどの社会インフラや交通インフラにも可動部材を有するものがあり、それらの状態(位置)を正確に検知することが求められる。
【0006】
本発明は係る状況に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、可動部材の位置を検出する位置検出装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のいくつかの例示的な実施形態の概要を説明する。この概要は、後述する詳細な説明に先立ち、実施形態の基本的な理解を目的として、1つまたは複数の実施形態のいくつかの概念を簡略化して説明するものであり、発明あるいは開示の広さを限定するものではない。またこの概要は、考えられるすべての実施形態の包括的な概要ではなく、実施形態の欠くべからざる構成要素を限定するものではない。便宜上、「一実施形態」は、本明細書に開示するひとつの実施形態または複数の実施形態を指すものとして用いる場合がある。
【0008】
一実施形態に係る位置検出装置は、対象物の位置を検出する。位置検出装置は、複数のノーマル電極と、補助電極と、複数のノーマル電極および補助電極それぞれの静電容量の検出値を生成可能な静電容量センサと、複数のノーマル電極について得られた複数の検出値にもとづいて、対象物の正常範囲における位置を検出するとともに、補助電極について得られた検出値にもとづいて、対象物が異常範囲に位置するものと判定する処理部と、を備える。
【0009】
補助電極は、対象物が正常範囲から外れたときに、対象物との間に有意な静電容量が形成される態様にて配置されている。これにより、補助電極の静電容量にもとづいて、対象物が正常範囲外(異常範囲)に位置することを検出できる。
【0010】
対象物は、開閉機構の可動部材であり、機械的機構によって可動域が制限されていてもよい。これにより処理部は、機械的機構の異常を検出できる。たとえば機械的機構はストッパーやパッキンであってもよい。
【0011】
処理部は、複数のノーマル電極それぞれを判定対象とし、対応する検出値にもとづいて、判定対象のノーマル電極と対象物の距離が検出レンジに含まれる近接状態であるか否かを判定し、複数のノーマル電極について得られた複数の判定結果にもとづいて、正常範囲における対象物の位置を検出してもよい。処理部は、補助電極の検出値にもとづいて、補助電極と対象物の距離が検出レンジに含まれる近接状態であるか否かを判定し、補助電極において近接状態と判定されると、対象物が異常範囲に位置すると判定してもよい。
【0012】
補助電極の検出レンジは、複数のノーマル電極の検出レンジより狭くてもよい。
【0013】
上述の位置検出装置は、さまざまな機器に設けることができる。本明細書において、「機器」とは、(i)冷蔵庫や洗濯機などの家電機器、(ii)プリンタやファクシミリ、複合機などの産業機器、(iii)コンピュータやスマートホン、タブレットコンピュータなどの情報機器、(iv)ディスプレイ装置などの映像機器、(v)その他、音響機器やゲーム機器などを含む。また、建物や設備の一部、交通インフラ、社会インフラ、什器なども「機器」に含まれる。
【0014】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のある態様によれば、対象物の異常状態を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る位置検出装置を備える機器を示す図である。
図2】実施例1に係る機器を示す図である。
図3】実施例2に係る機器を示す図である。
図4】複数のノーマル電極および補助電極の検出レンジを説明する図である。
図5図5(a)〜(c)は、位置検出装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0018】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0019】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0020】
図1は、実施形態に係る位置検出装置400を備える機器300を示す図である。機器300は、可動部材302を備える。可動部材302は、固定部材304に対して相対的に変位する。図中、一点鎖線は可動部材302の移動方向を模式的に示す。「変位」は、直線運動のみでなく、回転運動など、任意の運動を含む。
【0021】
可動部材302の軌道は、ドアや引き出しのように、固定部材304に対して固定されていてもよい。あるいは可動部材302は、固定部材304に対して着脱自在であってもよく、その場合には、予め決められた軌道は存在しない。
【0022】
可動部材302は、正常範囲500内で移動することが期待されている。正常範囲500から逸脱した領域を異常範囲502という。位置検出装置400は、正常範囲500内における可動部材302の位置を検出するとともに、可動部材302が異常範囲502に侵入した異常状態を検出する。
【0023】
位置検出装置400は、複数のノーマル電極412_1〜412_n(n≧2)、少なくともひとつの補助電極414、静電容量センサ420、処理部430を備える。図1では、複数のノーマル電極412および補助電極414は、固定部材304側に設けられている。
【0024】
静電容量センサ420は、複数のノーマル電極412_1〜412_n、補助電極414それぞれの静電容量Cs1〜Csn,Csaの検出値Ds1〜Dsn,Dsaを生成する。
【0025】
処理部430は、複数のノーマル電極412_1〜412_nについて得られた複数の検出値Ds1〜Dsnにもとづいて、可動部材302の正常範囲500における位置を検出する。
【0026】
補助電極414は、可動部材302が正常範囲500から逸脱して異常範囲502に侵入したときに、補助電極414との間に有意な静電容量Csaが形成される態様にて配置されている。処理部430は、補助電極414について得られた検出値Dsaにもとづいて、可動部材302が異常範囲502に位置するものと判定する。
【0027】
以上が機器300の構成である。この位置検出装置400によれば、補助電極414の静電容量Csaにもとづいて、可動部材302が正常範囲500外の異常範囲502に位置することを検出できる。
【0028】
本発明は、図1のブロック図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、方法に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や実施例を説明する。
【0029】
(実施例1)
図2は、実施例1に係る機器300Aを示す図である。この実施例において、機器300Aの可動部材302Aは、ゲートや開き戸であり、固定部材304に対して回動自在である。図2は、回動軸308と垂直な断面図を示している。図2において、静電容量センサ420および処理部430は図示を省略しているが、その処理は、図1のそれと同様である。
【0030】
ストッパー306は、可動部材302Aの可動域を制限する機械的機構であり、ストッパー306の位置が、正常範囲500と異常範囲502の境界である。
【0031】
可動部材302Aには、電極416が設けられる。可動部材302Aが正常範囲500内で回動すると、電極416の位置が変化し、複数のノーマル電極412_1〜412_nそれぞれとの距離が変化する。したがって複数のノーマル電極412_1〜412_nの静電容量Cs1〜Csnは電極416の位置、言い換えると可動部材302Aの位置を示している。
【0032】
補助電極414は、可動部材302Aが異常範囲502に入ったときに、電極416と近接する位置に配置されている。したがって、補助電極414の静電容量Csaは、可動部材302Aが異常範囲502に含まれるときに大きくなる。
【0033】
たとえば処理部430(図2に不図示)は、複数の静電容量Cs1〜Csnの検出値Ds1〜Dsnを、対応するしきい値TH1〜THnと比較する。処理部430は、検出値Dsi(1≦i≦n)ごとに、Csi>THiのとき真(ハイ、1)、Csi<THiのとき偽(ロー、0)となる判定信号を生成してもよい。i番目の判定信号は、i番目のノーマル電極412_iと電極416との距離diが、検出レンジRNGiに含まれる(近接状態)か否かを示している。同様に、補助電極414の静電容量Csaの検出値Dsiをしきい値THaと比較し、Dsa>THaのとき、つまり近接状態であるときに、可動部材302Aが異常範囲502に侵入しているものと判定してもよい。
【0034】
この構成によれば、可動部材302Aが、異常範囲に侵入していること、言い換えればストッパー306などの機械的機構が故障していることを検出できる。
【0035】
図3は、実施例2に係る機器300Bを示す図である。この実施例において、機器300Bは、本体310と、可動部材である引き出し302Bを備える。引き出し302Bは、本体310に対して出し入れ可能であり、位置検出装置400は、引き出し302Bの位置、すなわち開閉の状態を検出する。
【0036】
引き出し302Bの前板もしくは先板を可動面Smvと称する。本体310は、可動面Smvと対向し、引き出し302Bの開閉状態に応じて可動面Smvとの距離が変化する固定面Sfixを有する。引き出し302Bの開閉の程度は、可動面Smvと固定面Sfixの距離Lと対応付けることができる。引き出し302Bの可動面Smvには、密閉性を高めるため、あるいは衝撃を緩和するためのパッキン303が設けられる。パッキン303は、引き出し302Bの可動範囲を制約しているものと把握できる。
【0037】
位置検出装置400は、複数のノーマル電極412_1〜412_n、補助電極414、電極416、静電容量センサ420、処理部430を備える。
【0038】
複数のノーマル電極412_1〜412_nは、可動面Smvおよび固定面Sfixの一方に設けられる。本実施形態では、複数のノーマル電極は、固定面Sfixに設けられる。
【0039】
電極416は、可動面Smvおよび固定面Sfixの他方に設けられる。図3では、電極416を1枚の電極として示すが、複数の電極に分割されていてもよい。電極416は、図示しない配線によってグランドと接続される。
【0040】
静電容量センサ420は、複数のノーマル電極412それぞれの静電容量Cs1〜Csnの検出値Ds1〜Dsn、ならびに補助電極414の静電容量Csaの検出値Dsaを含む検出データDATAを生成する。
【0041】
処理部430は、複数のノーマル電極412_1〜412_nそれぞれを判定対象とし、検出データDATAに含まれる対応する検出値Dsi(1≦i≦n)にもとづいて、判定対象のノーマル電極412_iと電極416の距離(電極間距離diという)が検出レンジRNGiに含まれるか否かを判定する。これを近接判定と称し、電極間距離diが検出レンジRNGiに含まれる状態を、近接状態と称する。そして、複数のノーマル電極412について得られた複数の近接判定の結果にもとづいて、引き出し302Bの開閉の程度を検出する。
【0042】
好ましくは、複数のノーマル電極412_1〜412_nそれぞれについて、異なる検出レンジRNG1〜RNGnが定められる。図4は、複数のノーマル電極412および補助電極414の検出レンジを説明する図である。この例では、1番目のノーマル電極412_1の検出レンジRNG1が最も短く、n番目(ここではn=6)のノーマル電極412_nの検出レンジRNGnが最も長く定められる。補助電極414の検出レンジRNGaは、1番目の検出レンジRNG1よりもさらに短い。
【0043】
以上が機器300Bの構成である。続いてその動作を説明する。図5(a)〜(c)は、位置検出装置400の動作を説明する図である。図5(a)〜(c)とでは、引き出し302Bの開閉の程度、言い換えると固定面Sfixと可動面Smvの距離Lが異なっており、図5(a)、(b)では、引き出し302Bは正常範囲に位置している。
【0044】
図5(a)の状態では、引き出し302Bの電極416は、本体310側の固定面Sfix、すなわち複数のノーマル電極412から離れている。この状態では、ノーマル電極412_1〜412_3において、近接判定の結果は偽(False)であり、ノーマル電極412_4〜412_6において、近接判定の結果は真(True)である。
【0045】
図5(b)の状態は、引き出し302Bが完全に閉じた状態となっている。この状態では、すべてのノーマル電極412_1〜412_6において、近接判定の結果は真(True)であるが、補助電極414の近接判定の結果は偽(False)である。
【0046】
つまり複数のノーマル電極412について得られる近接判定の結果の組み合わせが、引き出し302Bの開閉の程度を示している。たとえば処理部430は、真判定される電極の個数にもとづいて、開閉の程度を判定してもよい。
【0047】
図5(c)は、パッキン303に異常が生じており、引き出し302Bが完全に閉じた状態となっている。パッキン303が経年劣化により潰れているため、可動面Smvと固定面Sfixの距離が図5(b)よりも近くなっている。図5(c)において、引き出し302Bは、異常範囲502に含まれることとなる。この状態では、補助電極414における近接判定の結果が真(True)となるため、引き出し302Bが、異常範囲502に含まれることが検出される。
【0048】
以上が位置検出装置400の動作である。このように実施形態に係る位置検出装置400によれば、複数のノーマル電極412の近接判定の結果にもとづいて、引き出し302Bの開閉の程度を判定することができる。また補助電極414の近接判定の結果にもとづいて、引き出し302Bが異常範囲に位置すること、ひいてはパッキン303に異常が生じていることを検出することができる。
【0049】
ノーマル電極412_iの静電容量Csiは、ノーマル電極412_iの面積Siに比例し、ノーマル電極412_iと電極416の距離Dsiに反比例し、以下の式で表すことができる。ここでは寄生容量の影響は無視する。
Csi=Si/di
【0050】
チャンネルごとの、静電容量センサ420の検出感度をKiとすると、検出データDsiと、静電容量Csiの間は、以下の式で表される。
Dsi=Ki×Csi=K×Si/di
【0051】
電極間距離diは、
di=K×Si/Dsi
となる。Dsi=THiが成り立つときの電極間距離diが、検出レンジRNGiの長さに対応するから、
RNGi=Ki×Si/THi
の関係が成り立つ。
【0052】
一実施例において、複数のノーマル電極412_1〜412_nそれぞれの検出レンジRNG1〜RNGnを異ならしめるために、複数のノーマル電極412_1〜412_nの面積(サイズ)を異なるように設計してもよい。つまり、サイズSiが大きい電極ほど、検出レンジRNGiが長くなる。
【0053】
一実施例において、複数のチャンネルにおけるしきい値TH1〜THnを異なるように設計してもよい。しきい値THiが大きいチャンネルほど、検出レンジRNGiが短くなる。
【0054】
一実施例において、複数のチャンネルにおける検出感度Kiを異なるように設計してもよい。検出感度Kiが大きいチャンネルほど、検出レンジRNGiが長くなる。
【0055】
機器300の種類や用途は特に限定されない。たとえば機器300は、冷蔵庫や洗濯機などの家電機器であってもよい。あるいは、ラックマウント式の設備であってもよいし、引き出し型の分電盤であってもよい。
【0056】
実施形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0057】
300 機器
302 可動部材
304 固定部材
400 位置検出装置
412 ノーマル電極
414 補助電極
416 電極
420 静電容量センサ
430 処理部
500 正常範囲
502 異常範囲
図1
図2
図3
図4
図5