【解決手段】検出装置は、基板と、基板に配列された複数のフォトダイオードと、複数のフォトダイオードのそれぞれに対応して設けられた複数のトランジスタと、複数のトランジスタを覆う絶縁膜と、複数のフォトダイオードのそれぞれに対応して絶縁膜の上に設けられ、複数のトランジスタと電気的に接続される複数の下部電極と、を有し、絶縁膜の上に、下部電極、フォトダイオードの順に積層され、基板に垂直な方向からの平面視で、1つの下部電極及び1つのフォトダイオードは、複数のトランジスタと重畳して設けられる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0010】
(第1実施形態)
図1Aは、第1実施形態に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。
図1Bは、変形例1に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。
図1Cは、変形例2に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。
図1Dは、変形例3に係る検出装置を有する照明装置付き検出機器の概略断面構成を示す断面図である。
【0011】
図1Aに示すように、照明装置付き検出機器120は、検出装置1と、照明装置121と、を有する。検出装置1は、センサ基板5と、接着層125と、カバー部材122と、を有する。つまり、センサ基板5の表面に垂直な方向において、センサ基板5、接着層125、カバー部材122の順に積層されている。なお、後述するように検出装置1のカバー部材122を照明装置121に置き換えることもできる。
【0012】
図1Aに示すように、照明装置121は、例えば、カバー部材122を検出装置1の検出領域AAに対応する位置に設けられた導光板として用い、カバー部材122の一方端又は両端に並ぶ複数の光源123を有する、いわゆるサイドライト型のフロントライトであってもよい。つまり、カバー部材122は、光を照射する光照射面121aを有し、照明装置121の一構成要素となっている。この照明装置121によれば、カバー部材122の光照射面121aから検出対象である指Fgに向けて光L1を照射する。光源として、例えば、所定の色の光を発する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられる。
【0013】
また、
図1Bに示すように、照明装置121は、検出装置1の検出領域AAの直下に設けられた光源(例えば、LED)を有するものであってもよく、光源を備えた照明装置121はカバー部材122としても機能する。
【0014】
また、照明装置121は、
図1Bの例に限らず、
図1Cに示すように、カバー部材122の側方や上方に設けられていてもよく、指Fgの側方や上方から指Fgに光L1を照射してもよい。
【0015】
さらには、
図1Dに示すように、照明装置121は、検出装置1の検出領域に設けられた光源(例えば、LED)を有する、いわゆる直下型のバックライトであってもよい。
【0016】
照明装置121から照射された光L1は、検出対象である指Fgにより光L2として反射される。検出装置1は、指Fgで反射された光L2を検出することで、指Fgの表面の凹凸(例えば、指紋)を検出する。さらに、検出装置1は、指紋の検出に加え、指Fgの内部で反射した光L2を検出することで、生体に関する情報を検出してもよい。生体に関する情報は、例えば、静脈等の血管像や脈拍、脈波等である。照明装置121からの光L1の色は、検出対象に応じて異ならせてもよい。
【0017】
カバー部材122は、センサ基板5を保護するための部材であり、センサ基板5を覆っている。上述のように、照明装置121がカバー部材122を兼ねる構造でもよい。
図1C及び
図1Dに示すカバー部材122が照明装置121と分離されている構造においては、カバー部材122は、例えばガラス基板である。なお、カバー部材122はガラス基板に限定されず、樹脂基板等であってもよい。また、カバー部材122が設けられていなくてもよい。この場合、センサ基板5の表面に絶縁膜等の保護層が設けられ、指Fgは検出装置1の保護層に接する。
【0018】
照明装置付き検出機器120は、
図1Bに示すように、照明装置121に換えて表示パネルが設けられていてもよい。表示パネルは、例えば、有機ELディスプレイパネル(OLED:Organic Light Emitting Diode)や無機ELディスプレイ(マイクロLED、ミニLED)であってもよい。或いは、表示パネルは、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)や、表示素子として電気泳動素子を用いた電気泳動型表示パネル(EPD:Electrophoretic Display)であってもよい。この場合であっても、表示パネルから照射された表示光(光L1)が指Fgで反射された光L2に基づいて、指Fgの指紋や生体に関する情報を検出することができる。
【0019】
図2は、第1実施形態に係る検出装置を示す平面図である。なお、
図2以下で示す、第1方向Dxは、基板21と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、基板21と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向であり、基板21の法線方向である。
【0020】
図2に示すように、検出装置1は、アレイ基板2(基板21)と、センサ部10と、走査線駆動回路15と、信号線選択回路16と、検出回路48と、制御回路102と、電源回路103と、を有する。
【0021】
基板21には、配線基板110を介して制御基板101が電気的に接続される。配線基板110は、例えば、フレキシブルプリント基板やリジット基板である。配線基板110には、検出回路48が設けられている。制御基板101には、制御回路102及び電源回路103が設けられている。制御回路102は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)である。制御回路102は、センサ部10、走査線駆動回路15及び信号線選択回路16に制御信号を供給し、センサ部10の動作を制御する。電源回路103は、電源電位VDDや基準電位VCOM(
図4参照)等の電圧信号をセンサ部10、走査線駆動回路15及び信号線選択回路16に供給する。なお、本実施形態においては、検出回路48が配線基板110に配置される場合を例示したがこれに限られない。検出回路48は、基板21の上に配置されてもよい。
【0022】
基板21は、検出領域AAと、周辺領域GAとを有する。検出領域AA及び周辺領域GAは、基板21と平行な面方向に延在している。検出領域AA内には、センサ部10の各素子(検出素子3)が設けられている。周辺領域GAは、検出領域AAの外側の領域であり、各素子(検出素子3)が設けられない領域である。すなわち、周辺領域GAは、検出領域AAの外周と基板21の外縁部との間の領域である。周辺領域GA内には、走査線駆動回路15及び信号線選択回路16が設けられる。走査線駆動回路15は、周辺領域GAのうち第2方向Dyに沿って延在する領域に設けられる。信号線選択回路16は、周辺領域GAのうち第1方向Dxに沿って延在する領域に設けられ、センサ部10と検出回路48との間に設けられる。
【0023】
センサ部10の複数の検出素子3は、それぞれ、センサ素子としてフォトダイオード30を有する光センサである。フォトダイオード30は、光電変換素子であり、それぞれに照射される光に応じた電気信号を出力する。より具体的には、フォトダイオード30は、PIN(Positive Intrinsic Negative)フォトダイオードである。また、フォトダイオード30はOPD(Organic Photo Diode)と言い換えてもよい。検出素子3は、検出領域AAにマトリクス状に配列される。複数の検出素子3が有するフォトダイオード30は、走査線駆動回路15から供給されるゲート駆動信号(例えば、リセット制御信号RST、読出制御信号RD)に従って検出を行う。複数のフォトダイオード30は、それぞれに照射される光に応じた電気信号を、検出信号Vdetとして信号線選択回路16に出力する。検出装置1は、複数のフォトダイオード30からの検出信号Vdetに基づいて生体に関する情報を検出する。
【0024】
図3は、第1実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、検出装置1は、さらに検出制御回路11と検出部40と、を有する。検出制御回路11の機能の一部又は全部は、制御回路102に含まれる。また、検出部40のうち、検出回路48以外の機能の一部又は全部は、制御回路102に含まれる。
【0025】
検出制御回路11は、走査線駆動回路15、信号線選択回路16及び検出部40にそれぞれ制御信号を供給し、これらの動作を制御する回路である。検出制御回路11は、スタート信号STV、クロック信号CK等の各種制御信号を走査線駆動回路15に供給する。また、検出制御回路11は、選択信号ASW等の各種制御信号を信号線選択回路16に供給する。
【0026】
走査線駆動回路15は、各種制御信号に基づいて複数の走査線(読出制御走査線GLrd、リセット制御走査線GLrst(
図4参照))を駆動する回路である。走査線駆動回路15は、複数の走査線を順次又は同時に選択し、選択された走査線にゲート駆動信号(例えば、リセット制御信号RST、読出制御信号RD)を供給する。これにより、走査線駆動回路15は、走査線に接続された複数のフォトダイオード30を選択する。
【0027】
信号線選択回路16は、複数の出力信号線SL(
図4参照)を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路16は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路16は、検出制御回路11から供給される選択信号ASWに基づいて、選択された出力信号線SLと検出回路48とを接続する。これにより、信号線選択回路16は、フォトダイオード30の検出信号Vdetを検出部40に出力する。
【0028】
検出部40は、検出回路48と、信号処理回路44と、座標抽出回路45と、記憶回路46と、検出タイミング制御回路47と、を備える。検出タイミング制御回路47は、検出制御回路11から供給される制御信号に基づいて、検出回路48と、信号処理回路44と、座標抽出回路45と、が同期して動作するように制御する。
【0029】
検出回路48は、例えばアナログフロントエンド回路(AFE:Analog Front End)である。検出回路48は、少なくとも検出信号増幅回路42及びA/D変換回路43の機能を有する信号処理回路である。検出信号増幅回路42は、検出信号Vdetを増幅する回路であり、例えば、積分回路である。A/D変換回路43は、検出信号増幅回路42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0030】
信号処理回路44は、検出回路48の出力信号に基づいて、センサ部10に入力された所定の物理量を検出する論理回路である。信号処理回路44は、指Fgが検出面に接触又は近接した場合に、検出回路48からの信号に基づいて指Fgや掌の表面の凹凸を検出できる。また、信号処理回路44は、検出回路48からの信号に基づいて生体に関する情報を検出してもよい。生体に関する情報は、例えば、指Fgや掌の血管像、脈波、脈拍、血中酸素飽和度等である。
【0031】
記憶回路46は、信号処理回路44で演算された信号を一時的に保存する。記憶回路46は、例えばRAM(Random Access Memory)、レジスタ回路等であってもよい。
【0032】
座標抽出回路45は、信号処理回路44において指Fgの接触又は近接が検出されたときに、指Fg等の表面の凹凸の検出座標を求める論理回路である。また、座標抽出回路45は、指Fgや掌の血管の検出座標を求める論理回路である。座標抽出回路45は、センサ部10の各検出素子3から出力される検出信号Vdetを組み合わせて、指Fg等の表面の凹凸の形状を示す二次元情報を生成する。なお、座標抽出回路45は、検出座標を算出せずにセンサ出力Voとして検出信号Vdetを出力してもよい。
【0033】
次に、検出装置1の回路構成例について説明する。
図4は、検出素子を示す回路図である。
図4に示すように、検出素子3は、フォトダイオード30、リセットトランジスタMrst、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsfを有する。リセットトランジスタMrst、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsfは、1つのフォトダイオード30に対応して設けられる。リセットトランジスタMrst、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsfは、それぞれn型TFT(Thin Film Transistor)で構成される。ただし、これに限定されず、各トランジスタは、それぞれp型TFTで構成されてもよい。
【0034】
フォトダイオード30のアノードには、基準電位VCOMが印加される。フォトダイオード30のカソードは、ノードN1に接続される。ノードN1は、容量素子Cs、リセットトランジスタMrstのソース又はドレインの一方及びソースフォロワトランジスタMsfのゲートに接続される。さらにノードN1には、寄生容量Cpが存在する。フォトダイオード30に光が入射した場合、フォトダイオード30から出力された信号(電荷)は、容量素子Csに蓄積される。ここで、容量素子Csは、例えば、フォトダイオード30に接続された上部電極34と下部電極35(
図7参照)との間に形成される容量である。寄生容量Cpは、容量素子Csに付加された容量であり、アレイ基板2に設けられた各種配線、電極間に形成される容量である。
【0035】
リセットトランジスタMrstのゲートは、リセット制御走査線GLrstに接続される。リセットトランジスタMrstのソース又はドレインの他方には、リセット信号線SLrstが接続され、リセット電位Vrstが供給される。リセットトランジスタMrstがリセット制御信号RSTに応答してオン(導通状態)になると、ノードN1の電位がリセット電位Vrstにリセットされる。基準電位VCOMは、リセット電位Vrstよりも低い電位を有しており、フォトダイオード30は、逆バイアス駆動される。
【0036】
ソースフォロワトランジスタMsfは、電源電位VDDが供給される端子と読出トランジスタMrd(ノードN2)との間に接続される。ソースフォロワトランジスタMsfのゲートは、ノードN1に接続される。ソースフォロワトランジスタMsfのゲートには、フォトダイオード30で発生した信号(電荷)が供給される。これにより、ソースフォロワトランジスタMsfは、フォトダイオード30で発生した信号(電荷)に応じた電圧信号を読出トランジスタMrdに出力する。
【0037】
読出トランジスタMrdは、ソースフォロワトランジスタMsfのソース(ノードN2)と出力信号線SL(ノードN3)との間に接続される。読出トランジスタMrdのゲートは、読出制御走査線GLrdに接続される。読出トランジスタMrdが読出制御信号RDに応答してオンになると、ソースフォロワトランジスタMsfから出力される信号、すなわち、フォトダイオード30で発生した信号(電荷)に応じた電圧信号が、検出信号Vdetとして出力信号線SLに出力される。
【0038】
なお、
図4に示す例では、リセットトランジスタMrst及び読出トランジスタMrdは、それぞれ、2つのトランジスタが直列に接続されて構成されたいわゆるダブルゲート構造である。ただし、これに限定されず、リセットトランジスタMrst及び読出トランジスタMrdは、シングルゲート構造でもよく、3つ以上のトランジスタが直列に接続されたマルチゲート構造でもよい。また、1つの検出素子3の回路は、リセットトランジスタMrst、ソースフォロワトランジスタMsf及び読出トランジスタMrdの3つのトランジスタを有する構成に限定されない。検出素子3は、2つ、又は、4つ以上のトランジスタを有していてもよい。
【0039】
次に、検出素子3の平面構成について説明する。
図5は、検出素子を構成するアレイ基板を示す平面図である。
図6は、検出素子を示す平面図である。なお、
図5は、検出素子3の一部、すなわち、フォトダイオード30よりも上側の部材を除いて、模式的に示す平面図である。
図5では、下部電極35及びフォトダイオード30を二点鎖線で示している。
【0040】
図5に示すように、複数のリセット制御走査線GLrstは、それぞれ第1方向Dxに延在し、第2方向Dyに離隔して並んで配置される。複数の出力信号線SLは、それぞれ第2方向Dyに延在し、第1方向Dxに離隔して並んで配置される。検出素子3のフォトダイオード30は、第2方向Dyに隣接する2つのリセット制御走査線GLrstと、第1方向Dxに隣接する2つの出力信号線SLとで囲まれた領域内に設けられる。
【0041】
検出素子3は、さらに読出制御走査線GLrdと、2つの信号線(電源信号線SLsf及びリセット信号線SLrst)とを含む。読出制御走査線GLrdは、第1方向Dxに延在し、リセット制御走査線GLrstと第2方向Dyに並んで配置される。また、電源信号線SLsf及びリセット信号線SLrstは、それぞれ第2方向Dyに延在し、出力信号線SLと第1方向Dxに並んで配置される。
【0042】
図5に示すように、検出素子3のリセットトランジスタMrstは、第1半導体層61と、ソース電極62と、ドレイン電極63と、ゲート電極64と、を有する。第1半導体層61の一端は、リセット信号線SLrstに接続される。第1半導体層61の他端は、接続配線SLcnに接続される。リセット信号線SLrstの、第1半導体層61と接続される部分がソース電極62として機能し、接続配線SLcnの、第1半導体層61と接続される部分がドレイン電極63として機能する。
【0043】
ゲート電極64は、第1半導体層61と対向する。より具体的には、リセット制御走査線GLrstには、第2方向Dyに分岐された2つの分岐部が設けられ、第1半導体層61は、第1方向Dxに延在し、リセット制御走査線GLrstの2つの分岐部と交差する。第1半導体層61の、リセット制御走査線GLrstの2つの分岐部と重なる部分にチャネル領域が形成され、リセット制御走査線GLrstの2つの分岐部の、第1半導体層61と重なる部分が、ゲート電極64として機能する。このように、リセットトランジスタMrstは、2つのゲート電極64が第1半導体層61に重畳して設けられたダブルゲート構造として構成される。
【0044】
検出素子3のソースフォロワトランジスタMsfは、第2半導体層65と、ソース電極67と、ゲート電極68とを有する。第2半導体層65の一端は、接続部SLsfaを介して電源信号線SLsfに接続される。第2半導体層65の他端は、読出トランジスタMrdに接続される。接続部SLsfaの、第2半導体層65と接続される部分がソース電極67として機能する。
【0045】
ゲート電極68の一端は、コンタクトホールを介して接続配線SLcnに接続される。第2半導体層65は、ゲート電極68と交差する。第2半導体層65の、ゲート電極68と交差する部分にチャネル領域が形成される。ソースフォロワトランジスタMsfは、1つのゲート電極68が第2半導体層65に重畳して設けられたシングルゲート構造として構成される。リセットトランジスタMrstは、接続配線SLcnを介して、ソースフォロワトランジスタMsfのゲートに電気的に接続される。
【0046】
接続配線SLcnは、第1方向Dxに隣り合う電源信号線SLsfと出力信号線SLとの間に配置される。接続配線SLcnは、リセットトランジスタMrstに接続されて第1方向Dxに延在する部分と、ソースフォロワトランジスタMsfに接続されて第2方向Dyに延在する部分とを含む。検出素子3のフォトダイオード30のカソード(n型半導体層33)は、コンタクトホールH2を介して、接続配線SLcnに接続される。これにより、フォトダイオード30のカソード(n型半導体層33)は、接続配線SLcnを介して、リセットトランジスタMrst及びソースフォロワトランジスタMsfと電気的に接続される。
【0047】
読出トランジスタMrdは、第2半導体層65と、ドレイン電極72と、ゲート電極74とを有する。読出トランジスタMrdの第2半導体層65は、ソースフォロワトランジスタMsfの第2半導体層65と一体の半導体層で形成される。言い換えると、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsfは、共通の第2半導体層65を有する。読出トランジスタMrdの第2半導体層65の他端は、接続部SLaを介して出力信号線SLに接続される。言い換えると、接続部SLaの、第2半導体層65と接続される部分がドレイン電極72として機能する。
【0048】
読出制御走査線GLrdには、第2方向Dyに隣り合い、第1方向Dxに延在する分岐部が接続される。第2半導体層65は、読出制御走査線GLrd及び分岐部と交差する。読出制御走査線GLrd及び分岐部の第2半導体層65と重なる部分が、ゲート電極74として機能する。このように、読出トランジスタMrdは、2つのゲート電極74が第2半導体層65に重畳して設けられたダブルゲート構造として構成される。
【0049】
本実施形態では、第2半導体層65は、出力信号線SLと第1方向Dxに隣り合って配置され、第2半導体層65及び出力信号線SLは、第2方向Dyに延在する。また、読出トランジスタMrdが有する2つのゲート電極74及びソースフォロワトランジスタMsfが有する1つのゲート電極68は、第2半導体層65に重畳して第2方向Dyに配列される。これにより、シングルゲート構造のソースフォロワトランジスタMsfと、ダブルゲート構造の読出トランジスタMrdとが、共通の第2半導体層65を有して構成される。
【0050】
このような構成により、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsfをそれぞれ個別の半導体層で形成した場合に比べて、複数のトランジスタ及び配線を効率よく配置することができる。また、本実施形態では、読出トランジスタMrdをダブルゲート構造とすることで、出力信号線SL側へのリーク電流を抑制することができる。
【0051】
また、リセットトランジスタMrstの第1半導体層61の第1幅W1は、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsfの第2半導体層65の第2幅W2よりも小さい。第1幅W1及び第2幅W2は、チャネル幅であり、各半導体層のソース−ドレイン間の延在方向と交差する方向の長さである。例えば、第1幅W1は、第1半導体層61の第2方向Dyでの長さを示し、第2幅W2は、第2半導体層65の第1方向Dxでの長さを示す。また、第1半導体層61の第1幅W1は、ソース電極62及びドレイン電極63とのコンタクト部の第3幅W3よりも小さい。本実施形態では、第1幅W1が第2幅W2及び第3幅W3よりも小さいので、リセットトランジスタMrstのリーク電流を、読出トランジスタMrd側よりも効果的に抑制することができる。
【0052】
図5及び
図6に示すように、フォトダイオード30は、第2方向Dyに隣接する2つのリセット制御走査線GLrstと、第1方向Dxに隣接する2つの出力信号線SLとで囲まれた領域に設けられる。上部電極34及び下部電極35は、第3方向Dzでフォトダイオード30を挟んで対向する。具体的には、フォトダイオード30は、各種配線及び各種トランジスタが設けられたアレイ基板2上に下部電極35を介して配置される。
【0053】
平面視で、下部電極35は、フォトダイオード30及び上部電極34よりも大きい面積を有する。下部電極35は、フォトダイオード30及び上部電極34と重ならない部分で、コンタクトホールH2を介してリセットトランジスタMrst及びソースフォロワトランジスタMsfに電気的に接続される。上部電極34は、フォトダイオード30を覆って設けられる。絶縁膜27に設けられたコンタクトホールH1は、上部電極34のほとんどの領域と重畳して設けられ、上部電極34の周縁部のみで絶縁膜27は上部電極34と重畳する。上部電極34は、接続配線36を介して基準電位供給配線SLcomに接続される。基準電位供給配線SLcomは、基準電位VCOMをフォトダイオード30に供給する配線であり、出力信号線SLと重畳して第2方向Dyに延在して設けられる。また、接続配線36は、基準電位供給配線SLcomと同層であり、よく詳しくは基準電位供給配線SLcomから接続配線36として引き出される配線部分に相当するものである。
【0054】
図5及び
図6に示すようにフォトダイオード30及び下部電極35は、各種配線及び各種トランジスタ(リセットトランジスタMrst、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsf)と重畳して設けられる。また、フォトダイオード30及び下部電極35は、信号線及び走査線の一部(電源信号線SLsf、リセット信号線SLrst及び読出制御走査線GLrd)と重畳して設けられる。検出素子3のセンサ領域SAは、フォトダイオード30が接続される下部電極35で規定され、センサ領域SAの面積を大きくすることで、検出装置1は、光感度(センサ出力)を向上させることができる。
【0055】
次に、検出素子3の断面構成について説明する。
図7は、
図5のVII−VII’断面図である。なお、
図7では、検出素子3が有する3つのトランジスタのうち、リセットトランジスタMrstの断面構成を示しているが、ソースフォロワトランジスタMsf及び読出トランジスタMrdの断面構成もリセットトランジスタMrstと同様である。
【0056】
図7に示すように、基板21は絶縁基板である。基板21は、例えば、石英、無アルカリガラス等のガラス基板が用いられる。基板21は、第1主面S1と、第1主面S1と反対側の第2主面S2とを有する。基板21の第1主面S1に、リセットトランジスタMrstを含む各種トランジスタ、各種配線(走査線及び信号線)及び絶縁膜が設けられてアレイ基板2が形成される。フォトダイオード30は、アレイ基板2の上、すなわち、基板21の第1主面S1側に配列される。
【0057】
アンダーコート膜22は、基板21の第1主面S1上に設けられる。アンダーコート膜22、絶縁膜23、24、25及び絶縁膜27、28は、無機絶縁膜であり、例えば、酸化シリコン(SiO
2)や窒化シリコン(SiN)等である。
【0058】
第1半導体層61は、アンダーコート膜22の上に設けられる。第1半導体層61は、例えば、ポリシリコンが用いられる。ただし、第1半導体層61は、これに限定されず、微結晶酸化物半導体、アモルファス酸化物半導体、低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Polycrystalline Silicone)等であってもよい。
【0059】
絶縁膜23は、第1半導体層61を覆ってアンダーコート膜22の上に設けられる。ゲート電極64は、絶縁膜23の上に設けられる。なお、ソースフォロワトランジスタMsfのゲート電極68も、ゲート電極64と同層に、絶縁膜23の上に設けられる。また、リセット制御走査線GLrst及び読出制御走査線GLrdもゲート電極64と同層に設けられる。絶縁膜24は、ゲート電極64を覆って絶縁膜23の上に設けられる。
【0060】
図7に示すように、リセットトランジスタMrstは、ゲート電極64が第1半導体層61の上側に設けられたトップゲート構造である。しかし、本開示の検出装置1において、ゲート電極64が第1半導体層61の下側に設けられたボトムゲート構造でもよく、ゲート電極64が第1半導体層61の上側及び下側に設けられたデュアルゲート構造でもよい。
【0061】
絶縁膜24及び絶縁膜25は、ゲート電極64を覆って絶縁膜23の上に設けられる。ソース電極62及びドレイン電極63は、絶縁膜25の上に設けられる。ソース電極62及びドレイン電極63は、それぞれ、絶縁膜23、24、25を貫通するコンタクトホールを介して第1半導体層61と接続される。ソース電極62及びドレイン電極63は、例えば、チタンとアルミニウムとの積層構造であるTiAlTi又はTiAlの積層膜で構成されている。
【0062】
また、各種信号線(出力信号線SL、電源信号線SLsf及びリセット信号線SLrst)及び接続配線SLcnは、ソース電極62及びドレイン電極63と同層に設けられる。検出素子3の接続配線SLcnは、絶縁膜24、25を貫通するコンタクトホールを介してソースフォロワトランジスタMsfのゲート電極68に接続される。
【0063】
図7に示すように、絶縁膜26は、リセットトランジスタMrst等の複数の各種トランジスタを覆って絶縁膜25の上に設けられる。絶縁膜26は、感光性アクリル等の有機材料からなる。絶縁膜26は、絶縁膜25よりも厚い。絶縁膜26は、無機絶縁材料に比べ、段差のカバレッジ性が良好であり、各種トランジスタ及び各種配線で形成される段差を平坦化することができる。
【0064】
次に、フォトダイオード30の断面構成について説明する。フォトダイオード30は、絶縁膜26の上に設けられる。具体的には、下部電極35は、絶縁膜26の上に設けられ、コンタクトホールH2を介して接続配線SLcnに電気的に接続される。フォトダイオード30は、下部電極35に接続される。下部電極35は、例えば、チタン(Ti)及び窒化チタン(TiN)の積層構造を採用することができる。下部電極35は、基板21と、フォトダイオード30との間に設けられので、下部電極35は、遮光層として機能し、フォトダイオード30への基板21の第2主面S2側からの光の侵入を抑制できる。
【0065】
フォトダイオード30は、光起電力効果を有する半導体層を含み構成される。具体的には、フォトダイオード30の半導体層は、i型半導体層31、p型半導体層32及びn型半導体層33を含む。i型半導体層31、p型半導体層32及びn型半導体層33は、例えば、アモルファスシリコン(a−Si)である。なお、半導体層の材料は、これに限定されず、ポリシリコン、微結晶シリコン等であってもよい。
【0066】
p型半導体層32は、a−Siに不純物がドープされてp+領域を形成する。n型半導体層33は、a−Siに不純物がドープされてn+領域を形成する。i型半導体層31は、例えば、ノンドープの真性半導体であり、p型半導体層32及びn型半導体層33よりも低い導電性を有する。
【0067】
基板21の表面に垂直な方向(第3方向Dz)において、i型半導体層31は、n型半導体層33とp型半導体層32との間に設けられる。本実施形態では、下部電極35の上に、n型半導体層33、i型半導体層31、p型半導体層32の順に積層されている。また、本実施形態では、上部電極34がフォトダイオード30のアノード電極であり、下部電極35がフォトダイオード30のカソード電極である。
【0068】
検出素子3のフォトダイオード30のn型半導体層33は、下部電極35及び接続配線SLcnを介してリセットトランジスタMrst及びソースフォロワトランジスタMsfに電気的に接続される。
【0069】
上部電極34は、p型半導体層32の上に設けられる。上部電極34は、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電材料である。絶縁膜27は、フォトダイオード30及び上部電極34を覆って絶縁膜26の上に設けられる。絶縁膜27には上部電極34と重なる領域にコンタクトホールH1(開口)が設けられる。
【0070】
接続配線36は、絶縁膜27の上に設けられ、コンタクトホールH1(開口)を介して上部電極34と電気的に接続される。p型半導体層32には、接続配線36及び上部電極34を介して基準電位VCOM(
図4参照)が供給される。
【0071】
絶縁膜28は、上部電極34及び接続配線36を覆って絶縁膜27の上に設けられる。絶縁膜28は、フォトダイオード30への水分の侵入を抑制する保護層として設けられる。さらに、絶縁膜29は、絶縁膜28の上に設けられる。絶縁膜29は、有機材料で形成されたハードコート膜である。絶縁膜29は、フォトダイオード30や接続配線36で形成された絶縁膜28の表面の段差を平坦化する。
【0072】
カバー部材122は、絶縁膜29と対向して設けられる。つまり、カバー部材122は、各種トランジスタ及びフォトダイオード30を覆って設けられる。接着層125は、絶縁膜29と、カバー部材122とを接着する。接着層125は、例えば、透光性の光学粘着シート(OCA:Optical Clear Adhesive)である。
【0073】
以上のように、本実施形態では、絶縁膜26は、リセットトランジスタMrst等の複数のトランジスタを覆って設けられ、絶縁膜26の上に下部電極35、フォトダイオード30、上部電極34の順に積層される。下部電極35、フォトダイオード30、上部電極34は、各トランジスタ、各信号線及び各走査線とは異なる層に設けられるので、上述したように、フォトダイオード30及び下部電極35の配置の自由度を向上させることができる。
【0074】
図8は、
図6のVIII−VIII’断面図である。
図8は、第1方向Dxに隣り合う2つのフォトダイオード30間の断面構成について説明する。なお、
図8では絶縁膜26の下側のアレイ基板2の構成を省略して示す。
【0075】
図8に示すように絶縁膜27(素子絶縁膜)は、隣り合う2つのフォトダイオード30間に設けられ、上部電極34と重畳する領域にコンタクトホールH1(開口)を有する。絶縁膜27は、上部電極34及びフォトダイオード30の周縁を覆って設けられる。絶縁膜27は、隣り合う2つのフォトダイオード30の側面及び絶縁膜26の表面に沿って設けられ、これにより凹部27aが形成される。
図8では、第2方向Dyに延在する凹部27aを示しているが、凹部27aはフォトダイオード30の周囲に沿って枠状に形成される。
【0076】
基準電位供給配線SLcomは、隣り合う複数のフォトダイオード30の間で絶縁膜27の上に設けられる。より具体的には、基準電位供給配線SLcomは、凹部27aの底面27bに設けられ、凹部27a内で第2方向Dyに延在する。接続配線36は、基準電位供給配線SLcomに接続され、絶縁膜27の表面に沿って第1方向Dxに延在する。接続配線36の第1方向Dxの端部は、上部電極34に接続される。これにより、基準電位供給配線SLcomは、接続配線36及びコンタクトホールH1(開口)を介して上部電極34に電気的に接続される。
【0077】
基準電位供給配線SLcomは、下部電極35と重畳しない位置に設けられる。すなわち、基準電位供給配線SLcomの第1方向Dxでの幅W4は、第1方向Dxに隣り合う下部電極35の間の幅W5よりも小さい。これにより、フォトダイオード30のアノード−カソード間の絶縁を確保することができる。
【0078】
このように、基準電位供給配線SLcomは、絶縁膜27の上、すなわち、下部電極35とは異なる層に設けられる。これにより、基準電位供給配線SLcomを下部電極35と同層に設けた構成に比べて、下部電極35及びフォトダイオード30の配置の自由度が向上し、センサ領域SA(下部電極35)の面積を大きくすることができる。
【0079】
なお、
図5から
図8に示した平面図及び断面図は、あくまで一例であり、適宜変更してもよい。例えば、
図5及び
図6に示すように、下部電極35及びフォトダイオード30は、出力信号線SL及びリセット制御走査線GLrstで囲まれた領域に設けられ、出力信号線SL及びリセット制御走査線GLrstと非重畳に配置される。ただしこれに限定されず、下部電極35及びフォトダイオード30は、出力信号線SL及びリセット制御走査線GLrstと重畳して設けられてもよい。また、フォトダイオード30、上部電極34及び下部電極35の、平面形状も適宜変更してもよい。
【0080】
以上説明したように、本実施形態の検出装置1は、基板21と、基板21に配列された複数のフォトダイオード30と、複数のフォトダイオード30のそれぞれに対応して設けられた複数のトランジスタ(リセットトランジスタMrst、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsf)と、複数のトランジスタを覆う絶縁膜26と、複数のフォトダイオード30のそれぞれに対応して絶縁膜26の上に設けられ、複数のトランジスタ(リセットトランジスタMrst及びソースフォロワトランジスタMsf)と電気的に接続される複数の下部電極35と、を有する。絶縁膜26の上に、下部電極35、フォトダイオード30の順に積層され、基板21に垂直な方向からの平面視で、1つの下部電極35及び1つのフォトダイオード30は、複数のトランジスタと重畳して設けられる。
【0081】
これによれば、フォトダイオード30及び下部電極35がアレイ基板2側の各種配線及び各種トランジスタと同層に設けられた構成に比べて、アレイ基板2側の各種配線及び各種トランジスタによる制約が少ない。すなわち、フォトダイオード30及び下部電極35の配置の自由度を向上させることができる。
図5及び
図6に示すように、下部電極35は、複数のトランジスタと重畳して設けられ、2つのリセット制御走査線GLrstと、2つの出力信号線SLとで囲まれた領域のほとんどを占めるように設けられる。検出素子3のセンサ領域SAは、フォトダイオード30が接続される下部電極35で規定され、センサ領域SAの面積を大きくすることで、検出装置1は光感度を向上させることができる。
【0082】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る検出素子を構成するアレイ基板を示す平面図である。
図10は、第2実施形態に係る検出素子を示す平面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0083】
第2実施形態では、上述した第1実施形態とは異なり、フォトダイオード30Aの積層順が逆に設けられる構成について説明する。すなわち、本実施形態では、上部電極34Aがフォトダイオード30Aのカソード電極であり、下部電極35Aがフォトダイオード30Aのアノード電極である。
【0084】
図9に示すように、第2実施形態の検出装置1A(検出素子3A)では、リセットトランジスタMrstは、リセット信号線SLrstと電源信号線SLsfとの間に設けられる。リセットトランジスタMrstの第1半導体層61Aの一端は、リセット信号線SLrstに接続される。第1半導体層61Aは、U字状に形成され、第1方向Dxに延在する2つ部分が、それぞれ、リセット制御走査線GLrstと交差する。第1半導体層61Aの他端は、接続配線SLcnに接続される。リセット信号線SLrstの、第1半導体層61Aと接続される部分がソース電極62Aとして機能し、接続配線SLcnの、第1半導体層61Aと接続される部分がドレイン電極63Aとして機能する。リセット制御走査線GLrstの、リセット制御走査線GLrstの第1半導体層61Aと重なる部分が、ゲート電極64Aとして機能する。
【0085】
接続配線SLcnは、リセット信号線SLrstと電源信号線SLsfとの間で第2方向Dyに延在する。接続配線SLcnには、第1実施形態とは異なり、下部電極35と電気的に接続するためのコンタクトホールH2が設けられない。接続配線SLcnに接続されたゲート電極68は、第1方向Dxに延在し、電源信号線SLsfと交差して第2半導体層65と重畳する。ソースフォロワトランジスタMsf及び読出トランジスタMrdは、第1実施形態と同様の構成であり、重複する説明は省略する。
【0086】
基準電位供給配線SLcomは、第1方向Dxに隣り合う出力信号線SLとリセット信号線SLrstとの間に設けられ、第2方向Dyに延在する。基準電位供給配線SLcomの一部には、第1方向Dxに突出するパッドが設けられる。パッドと重なる位置に、下部電極35と電気的に接続するためのコンタクトホールH5が設けられる。
【0087】
図10に示すように、フォトダイオード30Aは、第2方向Dyに隣接する2つのリセット制御走査線GLrstと、第1方向Dxに隣接する2つのリセット信号線SLrstとで囲まれた領域に設けられる。上部電極34A及び下部電極35Aは、第3方向Dzでフォトダイオード30Aを挟んで対向する。フォトダイオード30A、上部電極34A及び下部電極35Aには、リセットトランジスタMrstと重畳する位置に切り欠きが形成され、リセットトランジスタMrstと非重畳に設けられる。
【0088】
下部電極35Aは、コンタクトホールH5を介して基準電位供給配線SLcomと電気的に接続される。また、下部電極35Aの切り欠きが形成され、下部電極35Aと非重畳の領域に中継電極36Bが設けられる。中継電極36Bは、第1方向Dxに延在し、中継電極36Bの一端は、コンタクトホールH3を介して接続配線SLcnと電気的に接続される。中継電極36Bの他端は、コンタクトホールH4を介して接続配線36Aと電気的に接続される。接続配線36Aは、第2方向Dyに延在し、絶縁膜27に設けられたコンタクトホールH1を介して上部電極34と電気的に接続される。
【0089】
図11は、
図10のXI−XI’断面図である。
図11に示すように、本実施形態のフォトダイオード30Aは、下部電極35Aの上に、p型半導体層32A、i型半導体層31A、n型半導体層33Aの順に積層される。
【0090】
基準電位供給配線SLcomは、基板21と絶縁膜26との間、より具体的には、リセット信号線SLrstや電源信号線SLsf等の各種信号線と同層に、絶縁膜25の上に設けられる。下部電極35Aは、絶縁膜26に設けられたコンタクトホールH5を介して基準電位供給配線SLcomと電気的に接続される。
【0091】
中継電極36Bは、下部電極35Aと同層に絶縁膜26の上に設けられる。中継電極36Bは、下部電極35Aと離隔して隣り合う。中継電極36Bは、絶縁膜27(素子絶縁膜)に設けられたコンタクトホールH4及び接続配線36Aを介して上部電極34Aと電気的に接続される。かつ、中継電極36Bは、絶縁膜26に設けられたコンタクトホールH3、接続配線SLcnを介してリセットトランジスタMrstと電気的に接続される。
【0092】
以上のように、フォトダイオード30Aは、下部電極35Aの上に、p型半導体層32A、i型半導体層31A、n型半導体層33Aの順に積層される。このような構成であっても、p型半導体層32A(下部電極35A)は、コンタクトホールH5を介して、アレイ基板2に設けられた基準電位供給配線SLcomと電気的に接続され、n型半導体層33A(上部電極34A)は、接続配線36A、中継電極36Bを介してリセットトランジスタMrstと電気的に接続される。
【0093】
フォトダイオード30A及び下部電極35Aは、平面視で、読出トランジスタMrd及びソースフォロワトランジスタMsfと重畳して設けられる。また、フォトダイオード30A及び下部電極35Aは、信号線及び走査線の一部(電源信号線SLsf、リセット信号線SLrst、基準電位供給配線SLcom及び読出制御走査線GLrd)と重畳して設けられる。
【0094】
また、リセットトランジスタMrstの第1半導体層61AがU字状に形成され、ソース−ドレイン間の第1方向Dxの距離が、第1実施形態に比べて短くなっている。これにより、検出素子3Aで、リセットトランジスタMrstの占める面積を抑制することができる。これにより、p型半導体層32A、i型半導体層31A、n型半導体層33Aの順に積層された構成であっても、センサ領域SAを大きく確保することができる。
【0095】
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態に係る検出素子を示す平面図である。
図13は、
図12のXIII−XIII’断面図である。
図12及び
図13に示すように、第3実施形態の検出装置1B(検出素子3B)では、フォトダイオード30の上に上部電極34と、重畳電極37とが積層される。
【0096】
図12及び
図13に示すように、絶縁膜27(素子絶縁膜)は、上部電極34と重畳する領域にコンタクトホールH1(開口)を有し、フォトダイオード30及び上部電極34の周縁を覆って設けられる。
【0097】
重畳電極37は、絶縁膜27のコンタクトホールH1を覆って設けられ、コンタクトホールH1と重畳する領域で上部電極34と接続される。重畳電極37は、コンタクトホールH1の内壁及び絶縁膜27の上面に沿って設けられ、上部電極34と絶縁膜27との境界部分を覆う。接続配線36は、コンタクトホールH1と重畳する領域で重畳電極37と接続される。これにより、フォトダイオード30は、上部電極34、重畳電極37及び接続配線36を介して基準電位供給配線SLcomと電気的に接続される。
【0098】
図12に示すように、重畳電極37は、コンタクトホールH1の全領域を覆って設けられる。言い換えると、コンタクトホールH1の内壁は、重畳電極37の外周よりも内側に位置する。また、
図13に示すように、重畳電極37の端部の位置は、上部電極34の端部の位置と重なる。ただし、重畳電極37の端部は、上部電極34の端部とずれていてもよい。
【0099】
本実施形態では、重畳電極37は、フォトダイオード30の保護膜として機能し、フォトダイオード30側への水分等の侵入を抑制することができる。また、検出装置1Bの製造工程において、フォトダイオード30よりも上側の層(例えば、接続配線36及び基準電位供給配線SLcom)をパターニングする場合に、重畳電極37が保護膜として機能し、フォトダイオード30の損傷が発生することを抑制できる。例えば、重畳電極37が、上部電極34と絶縁膜27との界面を覆って設けられているので、エッチャントが、界面からフォトダイオード30側に侵入することを抑制できる。
【0100】
なお、
図12、
図13では、フォトダイオード30及び各種トランジスタ等の構成は第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態は、第2実施形態の検出装置1Aにも適用することができる。
【0101】
(第4実施形態)
図14は、第4実施形態に係る検出素子を示す平面図である。
図15は、
図14のXV−XV’断面図である。
図14及び
図15に示すように、第4実施形態の検出装置1C(検出素子3C)では、絶縁膜27に設けられたコンタクトホールH1(開口)の面積が、上述した実施形態に比べて小さい。コンタクトホールH1は、基準電位供給配線SLcomと上部電極34との接続部に設けられる。より具体的には、コンタクトホールH1は、接続配線36と上部電極34とが接する部分に設けられる。
【0102】
絶縁膜27(素子絶縁膜)は、上部電極34と接続配線36とが接続される部分の周囲を覆って上部電極34の上に設けられ、上部電極34のほとんどの領域を覆う。絶縁膜28(重畳絶縁膜)は、絶縁膜27、接続配線36及びコンタクトホールH1を覆って設けられる。絶縁膜28はセンサ領域SAの全体を覆って設けられる。
【0103】
本実施形態では、コンタクトホールH1の面積が小さく、絶縁膜27が上部電極34のほとんどの領域を覆って形成される。これにより、絶縁膜27は、フォトダイオード30及び上部電極34の保護膜として機能する。また、検出装置1Cの製造工程において、絶縁膜27をドライエッチング等によりパターニングする場合に、上部電極34の損傷を抑制することができる。
【0104】
なお、
図15では、コンタクトホールH1内で接続配線36の側面と、絶縁膜27とが接している。ただし、これに限定されず、接続配線36の側面と、絶縁膜27との間に隙間が形成されていてもよい。また、
図14、
図15に示すフォトダイオード30及び各種トランジスタ等の構成は第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態は、第2実施形態及び第3実施形態の検出装置1A、1Bにも適用することができる。
【0105】
(第5実施形態)
図16は、第5実施形態に係る検出素子を構成するアレイ基板を示す平面図である。
図16に示すように、第5実施形態の検出装置1D(検出素子3D)では、フォトダイオード30と重なる領域に、第1電極81及び第2電極82が設けられる。第1電極81及び第2電極82は、平面視で重畳して設けられる。また、第1電極81及び第2電極82は、リセットトランジスタMrst、ソースフォロワトランジスタMsf及び読出トランジスタMrdと重ならない領域に設けられる。
【0106】
第1電極81は、検出素子3Dごとに設けられ、第1方向Dxに隣接する第1電極81は、離隔して設けられる。平面視で、第1方向Dxに隣接する第1電極81の間に出力信号線SLが設けられる。また、第2電極82は、第1方向Dxに隣接する複数の検出素子3Dに連続して設けられる。
【0107】
本実施形態では、第1電極81及び第2電極82は、第3方向Dzで、基板21とフォトダイオード30との間に設けられる。第2電極82は、アレイ基板2の絶縁膜のうち、1層又は複数層の絶縁膜を介して第1電極81と対向する。具体的には、第1電極81及び第2電極82は、トランジスタ(例えば、リセットトランジスタMrst)を構成する各層のうち2つの層を利用して設けられる。第1電極81は、例えばゲート電極64と同層であり、ゲート電極64と同じ材料で形成される。第2電極82は、例えば第1半導体層61と同層であり、第1半導体層61と同じ材料で形成される。
【0108】
絶縁膜を介して対向する第1電極81と第2電極82との間に容量が形成される。第1電極81と第2電極82との間に形成される容量は、容量素子Cs(
図4参照)と並列にノードN1に接続される。本実施形態では、容量素子Csの容量に加え、第1電極81と第2電極82との間に形成される容量が付加されることにより、リセット期間(ノードN1の電位がリセット電位Vrstにリセットされる期間)と、読出し期間(読出トランジスタMrdがオンになる期間)との間の、露光期間でのノードN1の電位の低下を抑制できる。これにより、ノードN1の電位のばらつきが抑制され、結果として、ソースフォロワトランジスタMsfから出力される信号(電圧)のばらつきが抑制される。
【0109】
なお、第1電極81及び第2電極82を形成する層は、アレイ基板2のいずれの層を利用してもよい。また、第1電極81及び第2電極82の平面視での形状も適宜変更できる。例えば、
図16において、ソースフォロワトランジスタMsf及び読出トランジスタMrdの右側で、出力信号線SLとの間の領域SPにも、第1電極81及び第2電極82を設けてもよい。これにより、容量素子Csに付加される容量を大きくすることができる。また、
図16では、1つのセンサ領域SAで、第2電極82の面積は第1電極81の面積よりも大きい。これに限定されず、第1電極81の面積は第2電極82の面積よりも大きくてもよいし、第1電極81の面積は第2電極82の面積と同じであってもよい。
【0110】
なお、
図16では、フォトダイオード30及び各種トランジスタ等の構成は第1実施形態と同様である。ただし、本実施形態は、第2実施形態及び第3実施形態の検出装置1A、1B、1Cにも適用することができる。
【0111】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。