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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-191066(P2021-191066A)
(43)【公開日】2021年12月13日
(54)【発明の名称】モジュールアクティブ応答システム
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/18 20060101AFI20211115BHJP
   F16D 65/12 20060101ALI20211115BHJP
   H02K 7/10 20060101ALI20211115BHJP
   B60L 7/24 20060101ALN20211115BHJP
   B60L 50/60 20190101ALN20211115BHJP
【FI】
   H02K7/18 A
   F16D65/12 B
   H02K7/10 D
   B60L7/24 D
   B60L50/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-92935(P2020-92935)
(22)【出願日】2020年5月28日
(71)【出願人】
【識別番号】520188271
【氏名又は名称】エコリューション ケイダブリュエイチ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ecolution kWh, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョニー テン−ゴーチエ
【テーマコード(参考)】
3J058
5H125
5H607
【Fターム(参考)】
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA62
3J058AA69
3J058AA73
3J058BA80
3J058CB23
3J058FA06
3J058FA42
5H125AA01
5H125AA05
5H125AC12
5H125CB02
5H125CB07
5H125FF07
5H607BB02
5H607BB09
5H607BB14
5H607CC03
5H607CC05
5H607EE07
5H607EE10
5H607EE28
5H607FF24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ブラシレス電動発電機と組み合わせた車両のディスクブレーキとの関連でエネルギーを発生させることに関し、コンパクトな構造の発電機およびディスクブレーキを提供する。
【解決手段】エネルギー発生システム200は、発電機204、機械的カプラー206、接続部材208およびエネルギー貯蔵システム210を有する。機械的カプラーが、周面に間隔をあけて複数の歯を有するスプロケットまたはギアとして示されている。これらの歯は、ディスクブレーキローター100の対応する換気スロット102と噛み合う大きさと形状である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面に複数の換気スロットが設けられたディスクを含むディスクブレーキを有する車両においてエネルギーを発生させるためのシステムであって、
発電機と、
前記発電機を前記ディスクの前記換気スロットに機械的に接続するためのカプラーと、を備える、システム。
【請求項2】
前記発電機は、前記発電機を前記カプラーに機械的に接続する接続部材を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記接続部材は車軸である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記カプラーは、前記換気スロットと噛み合わせるための複数の歯を有するカプラー部材を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記カプラーを前記ディスクの前記換気スロットに対して適所に維持するブラケットをさらに含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記カプラーは、前記換気スロットと噛み合わせるための複数の歯を有するカプラー部材を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記カプラーは、前記ディスクの周面の少なくとも一部のまわりに配置されたチェーンと、前記チェーンと噛み合わせるための複数の歯を有するカプラー部材と、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ディスクの前記換気スロットは、テーパー端を有する細長い部材によって画定され、前記チェーンは、前記細長い部材の前記テーパー端と噛み合う、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記カプラーを前記ディスクの前記換気スロットに対して適所に維持するブラケットをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記カプラーはチェーンを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記発電機によるエネルギーの発生を選択的に制御するクラッチをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記ディスクの回転によって発生したエネルギーを貯蔵するための、前記発電機に電気的に接続されたエネルギー貯蔵システムをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
周面に複数の換気スロットが設けられたディスクを含むディスクブレーキを有する車両においてエネルギーを発生させるためのシステムであって、
発電機と、
前記ディスクの前記換気スロットと噛み合わせるための複数の部材を有するカプラーと、
前記発電機を前記カプラーに機械的に連結する少なくとも1つの接続部材と、を備える、システム。
【請求項14】
前記複数の部材は歯である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記カプラーを前記ディスクの前記換気スロットに対して適所に維持するブラケットをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記発電機によるエネルギーの発生を選択的に制御するクラッチをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記カプラーは、前記ディスクの周面の少なくとも一部のまわりに配置されたチェーンと、前記チェーンと噛み合わせるための複数の歯を有するカプラー部材と、を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記ディスクの前記換気スロットは、テーパー端を有する細長い部材によって画定され、前記チェーンは、前記細長い部材の前記テーパー端と噛み合う、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ディスクの回転によって発生したエネルギーを貯蔵するための、前記発電機に電気的に接続されたエネルギー貯蔵システムをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
円周面を持つ噛み合い部材を有する円筒形の部品を有する車両においてエネルギーを発生させるためのシステムであって、
発電機と、
前記発電機に機械的に接続されたカプラーと、
前記円筒形の部品を前記カプラーに機械的に接続するために、前記カプラーおよび前記噛み合い部材の少なくとも一部の周りに配置された回転コンベアと、を備え、前記円筒形の部品は、ホイールの車軸に回転可能に取り付けられている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
引用特許
以下の文書および参考文献すなわち、Erlstonら(米国特許出願第2008/0078631号)およびBodensteinら(米国特許出願第2012/0091724号)の全文を、本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、車両の動きから補助的にエネルギーを作り出すことに関し、具体的には、車両のディスクブレーキをブラシレス電動発電機と組み合わせてエネルギーを作り出すことに関する。
【背景技術】
【0003】
車両を動かすには大量のエネルギーが必要であり、車両が停止すると、ほぼ等しい量のエネルギー(マイナスの伝達損失)が解放される。近年、ハイブリッド車やその他の車両では、制動時にエネルギーを回生するために、ホイールに配置された電気モーターを使用している。同様に、車両を動かすのに使われたエネルギーの一部を回収することができる。
【0004】
ディスクブレーキを備えた車両(例えば、自動車、鉄道車両、軽飛行機および他の同様の用途)では、車軸またはホイールハブに配置されたローターと、キャリパー機構が採用されている。キャリパー機構は、ローターの両側にブレーキパッドを押しつけて摩擦を生じ、制動力を発生させる。ほとんどの民間機および軍用機では、複数のローター同士が接続されており、ローター間に換気スロットがある。従来のディスクブレーキの使用時、車両の運動エネルギーは、ブレーキがかけられたときに熱として放出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような制動時の動きから電気を作り出せれば、バッテリーが充電され、車両のオルタネータを作動させる必要もなくなるため、こうした機能には利点があろう。求められているのは、当該ブレーキローターに連結するための簡単な機械的方法である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
「課題を解決するための手段」の項は、本発明のいくつかの態様を概説することを目的とし、いくつかの実施形態を簡単に紹介するためのものである。本項の目的が不明瞭になるのを避けるために、単純化したり省略したりする場合がある。そのような単純化または省略は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0007】
本明細書で引用した特許または特許出願を含む参考文献は、いずれも本明細書に援用するものである。いかなる参考文献も、先行技術を構成することは認められていない。参考文献の内容は著者の主張を述べたものであり、本出願人らは、引用文献の正確性および妥当性に異議を述べる権利を留保する。本明細書では複数の先行文献を参照しているが、こうした参照は、当該文書のいずれも従来技術において一般的な知識の一部をなすと認めるものではない旨が明確に理解されよう。
【0008】
「comprise」という語は、様々な管轄下で、排他的意味と包括的意味のいずれかに解釈される可能性があることが認められている。本明細書の目的のために、別途明記しない限り、「comprise」という語は包括的な意味を持つものとする。すなわち、直接参照される列挙された部品だけでなく、具体的には示されていない他の部品または構成要件も含むことを意味する。この原理は、方法またはプロセスの1つ以上の工程に関連して「comprised」または「comprising」という語が用いられる場合にも適用される。
【0009】
一態様において、本発明は、シャフトに連結された発電機を備える車両用エネルギー装置に関し、前記シャフトは、ディスク換気スロットと連結するための機械部品と、前記発電機を車両の電気系統に接続するための電子部品とを有する。
【0010】
本発明の他の特徴および利点は、その実施形態の以下の詳細な説明を、添付の図面と併せて検討することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、従来技術によるディスクブレーキシステムの部品を示す前面斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による、連結されたディスクブレーキおよび発電機の斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施形態による、連結されたディスクブレーキおよび発電機の背面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による、車両のタイヤを含む連結されたディスクブレーキ/発電機の斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態による、連結されたディスクブレーキ/発電機の上面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態による、連結されたディスクブレーキ/発電機の上面図である。
図7図7は、本発明の一実施形態による、ディスクブレーキおよびブラケットの側面図である。
図8図8は、本発明の一実施形態による、ディスクブレーキおよびブラケットの側面図である。
図9図9は、本発明の一実施形態による、ディスクブレーキおよび発電機部品の斜視図である。
図10図10は、本発明の一実施形態による、ディスクブレーキおよび発電機部品の斜視図である。
図11図11は、本発明の一実施形態による、ホイールハブを含む、チェーンを用いて連結されたディスクブレーキ/発電機の斜視図である。
図12図12は、本発明の一実施形態による、チェーンを用いて連結されたディスクブレーキ/発電機の斜視図である。
図13図13は、本発明の一実施形態による、チェーンを用いて連結されたディスクブレーキ/発電機の正面図である。
図14図14は、本発明の一実施形態による、チェーンを用いて連結されたディスクブレーキ/発電機の側面図である。
図15図15は、本発明の一実施形態による、チェーンを用いて連結されたディスクブレーキ/発電機の上面図である。
図16図16は、本発明の一実施形態による、チェーンを用いて連結されたディスクブレーキ/発電機の部分分解斜視図である。
図17図17は、本発明の一実施形態による、チェーンを用いて連結されたディスクブレーキ/発電機を示す図18の線B−Bに沿った側断面図である。
図18図18は、本発明の一実施形態による、チェーンを用いて連結されたディスクブレーキ/発電機の正面図である。
図19図19は、本発明の一実施形態による、チェーンと連結されたディスクブレーキの部分断面図である。
図20図20は、本発明の一実施形態による、チェーンと連結されたスプロケットの部分断面図である。
図21図21は、本発明の一実施形態による、スプロケットの上面図である。
図22図22は、本発明の一実施形態による、スプロケットの側面図である。
図23図23は、クラッチのジョー部材および車軸の平面図である。
図24図24は、クラッチのジョー部材および車軸の側面図である。
図25図25は、クラッチの被駆動部材または発電機シャフトの平面図である。
図26図26は、クラッチの被駆動部材または発電機シャフトの側面図である。
図27図27は、クラッチのジョー部材の平面図である。
図28図28は、クラッチのジョー部材の側面図である。
図29A図29Aは、本発明の一実施形態による、スプロケットの図を示す。
図29B図29Bは、本発明の一実施形態による、スプロケットの図を示す。
図29C図29Cは、本発明の一実施形態による、スプロケットの図を示す。
図30A図30Aは、本発明の一実施形態による、ディスクアセンブリ部品の図を示す。
図30B図30Bは、本発明の一実施形態による、ディスクアセンブリ部品の図を示す。
図30C図30Cは、本発明の一実施形態による、ディスクアセンブリ部品の図を示す。
図30D図30Dは、本発明の一実施形態による、ディスクアセンブリ部品の図を示す。
図30E図30Eは、本発明の一実施形態による、ディスクアセンブリ部品の図を示す。
図31図31は、本発明の一実施形態による、車軸およびクラッチの図を示す。
図32図32は、本発明の一実施形態による、車軸およびクラッチの図を示す。
図33図33は、本発明の別の実施形態による、連結されたディスクブレーキ/発電機の斜視図である。
図34図34は、本発明の別の実施形態による、連結されたディスクブレーキ/発電機の正面斜視図である。
図35図35は、本発明の別の実施形態による、連結されたディスクブレーキ/発電機の断面側面図である。
図36図36は、本発明の一実施形態による、ディスクブレーキローターの周りのチェーンと噛み合うカプラーの部分斜視図である。
図37図37は、本発明の一実施形態による、ディスクブレーキローターの周りのチェーンと噛み合い、クラッチを示す、カプラーの部分斜視図である。 上述の特徴および他の特徴は、以下の詳細な説明、図面および添付の特許請求の範囲から、当業者によって認識および理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
「発明を実施するための形態」の項は、本発明のいくつかの態様を概説することを目的とし、いくつかの実施形態を簡単に紹介するためのものである。本項の目的が不明瞭になるのを避けるために、単純化したり省略したりする場合がある。そのような単純化または省略は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0013】
本発明の全体的な理解を提供するために、以下、いくつかの例示的な実施形態および例について説明する。しかしながら、本開示の意図および範囲に包含することを意図した異なる実施形態によって、同一または等価の機能およびシーケンスを達成できることは、当業者に理解されるであろう。着目している用途に適するように、本明細書に記載の組成物、装置、システムおよび/または方法を変更および改変することができ、本明細書に記載のものを他の適切な用途で使用してもよい。そのような他の追加および変更も、本開示の範囲から逸脱することはない。
【0014】
本項の目的が不明瞭になるのを避けるために、単純化したり省略したりする場合がある。そのような単純化または省略は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書で引用した特許または特許出願を含む参考文献は、いずれも本明細書に援用するものである。いかなる参考文献も、先行技術を構成することは認められていない。参考文献の内容は著者の主張を述べたものであり、本出願人らは、引用文献の正確性および妥当性に異議を述べる権利を留保する。本明細書では複数の先行文献を参照しているが、こうした参照は、当該文書のいずれも従来技術において一般的な知識の一部をなすと認めるものではない旨が明確に理解されよう。
【0015】
本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、単数の「a」、「an」および「the」は、文脈から単数ではないことが明確に示されない限り、複数も含む。例えば、「a transaction(トランザクション)」という用語は、文脈から単数ではないことが明確に示されない限り、複数のトランザクションを含み得る。本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、言及される単数形での名称またはタイプには、文脈から単数ではないことが明確に示されない限り、その名称でくくられる変形例が含まれる。
【0016】
以下の説明において、便宜上用いられるだけの用語もあり、これらの用語は限定的なものではない。「lower」、「upper」、「bottom」、「top」、「front」、「back」、「left」、「right」および「sides」という語は、図において参照される方向を示すが、モジュールまたはそれらのいずれかのアセンブリを使用できる方向を限定するものではない。
【0017】
「comprise」という語は、様々な管轄下で、排他的意味と包括的意味のいずれかに解釈される可能性があることが認められている。本明細書の目的のために、別途明記しない限り、「comprise」という語は包括的な意味を持つものとする。すなわち、直接参照される列挙された部品だけでなく、具体的には示されていない他の部品または構成要件も含むことを意味する。この原理は、方法またはプロセスの1つ以上の工程に関連して「comprised」または「comprising」という語が用いられる場合にも適用される。
【0018】
図1を参照すると、従来技術で現在実用化されているディスクブレーキシステムが、ディスクブレーキローター100と一緒に示されている。ディスクブレーキローター100は、その中心の周りに円周方向に配置された換気スロット102を有する。ディスクブレーキローター100を跨ぐようにして、一対の側部106、108によって画定される内部が中空のブレーキキャリパー104が配置されている。側部106、108の内側で中空の内部に配置されるのは、ディスクブレーキローター100の外面の一部と噛み合う大きさの一対のブレーキパッド110である。ブレーキキャリパー104の一端に配置されたガイドピン112でブレーキキャリパー104を引き絞り、それによってブレーキパッド110を動かして、ブレーキパッド110がディスクブレーキローター100と噛み合うようにすることができる。ブレーキキャリパー104の頂部にある検査穴114からブレーキパッド110を目視し、パッドの相対的な摩耗を判断することができる。ディスクブレーキローター100は、ホイールハブ116およびホイールスタッド118を介して、ホイールに接続される。ここではディスクブレーキローターを図示し、開示しているが、本発明のエネルギー発生システムは、ドラムブレーキを含むがこれに限定されるものではなく、車両の車軸に取付または連結できる(すなわち、タイヤと一緒に回転する)他の部品と併用してもよいことが理解できよう。他の部品を使用する場合、チェーンまたは他の回転コンベヤを部品に巻き付けて噛み合わせることができるようにカスタマイズして、本明細書に開示するようなエネルギーの発生を実現可能であることが理解できよう。
【0019】
図2図37を参照すると、エネルギー発生システム200の様々な実施形態が、発電機204、機械的カプラー206、接続部材208およびエネルギー貯蔵システム210を有するものとして示されている。前輪構成と後輪構成のいずれにおいても、システム200はホイールエリア内に収まり、前側にあるほうが、ホイールの動きに合わせて回転することができる。
【0020】
図2図3図21図29A〜Cを参照すると、機械的カプラー206が、周面に間隔をあけて複数の歯212を有するスプロケットまたはギアとして示されている。これらの歯212は、ディスクブレーキローター100の対応する換気スロット102と噛み合う大きさと形状である。別の実施形態(図33図37)では、カプラー206は、ディスクブレーキローター100の縁の周囲に配置されたローラーチェーン300の開口部と噛み合い、回転を容易にする。図19を参照すると、ディスクブレーキローター100に対するチェーン300の機械的な接続を容易にするために、換気スロット102を形成するスポークまたは細長い部材214に、チェーン300のリンクの開口部と噛み合わせるためのテーパー端216が設けられている。また、ここではチェーンを図示し、開示したが、タイミングベルトとプーリなどであるがこれらに限定されるものではない他の回転コンベヤを使用してもよいことが、理解できよう。さらに、ここではテーパー端を図示し、開示したが、チェーンまたは他の回転コンベヤを、摩擦または他の既知のコネクタ336または接続方法によってディスクブレーキローター100と噛み合わせてもよいことが、理解できよう。特に、図30Aを参照すると、ディスクブレーキローター100の周囲に設けられたチャネル340に、様々なコネクタを固定または配置することができる。
【0021】
機械的カプラー206は、その中心を貫通するシャフトまたは車軸208に接続されている。カプラー206をディスクブレーキローター100に対して適切な位置に維持するために、ブラケット202を使用することができる。動作時のディスクキャリパー104と同様に、ブラケット202は、ディスクブレーキの表面に対して平行に維持される。ディスクブレーキの動作を妨げないようにするために、カプラー206およびブラケット202は、ディスクブレーキローター100の周囲においてキャリパー104から離れて配置される。
【0022】
再び図2を参照すると、一対の側壁220によって画定される内部が中空のブラケット202は、ディスクブレーキローター100を跨ぐようにして配置されている。カプラー206を換気スロット102と整列させることができるようにするために、側壁220には、車軸またはシャフト208の一部を受けるための対向する穴222が貫通して設けられている。図16に示すように、穴222にブッシュ224を挿入し、車軸208の回転を容易にしてもよい。
【0023】
車軸208は、交流(「AC」)または直流(「DC」)のいずれかの形態でエネルギーを発生させるための発電機204に接続されている。このエネルギーは、エネルギー貯蔵部またはシステムに送信および/または格納される。エネルギー貯蔵部またはシステムは、発電機と一緒にローカルに配置されてもよいし、車両のエネルギーシステムの一部であってもよい。これには、オルタネータ/バッテリーバスおよび/または別個の車両電子回路への給電が含まれてもよい。例えば、エネルギーを、車両に配置された1つまたは複数のバッテリーおよび/またはトレーラーまたはそれらの付属品に蓄積することができる。
【0024】
ここで、図13図23図24図27図28図31図33を参照すると、エネルギー発生システム200は、望ましい場合または必要な場合にのみエネルギーを発生させるために、クラッチ230を備えていてもよい。図示のポジティブクラッチ230は、車軸208の端にあるジョー部材232と、発電機204用の従動シャフト236に配置された対応するジョー部材234とを含む。クラッチ230が噛み合うと、対応するジョー部材232、234が噛み合い、回転運動を発電機204に伝達できるようになる。噛み合った状態が解除されると、車軸208は、発電機204にエネルギーを伝達せずに回転する。同様に、エネルギーの発生を電子的に分路することができるため、エネルギーが発生していないときの負荷は最小である。
【0025】
動作時、スプロケット206の1つまたは複数の歯212は、ディスクブレーキローター100の換気スロット102のそれぞれのスロットと噛み合う。ディスクブレーキローター100が回転すると、スプロケット206の歯212が動いてスロット102から外れたりスロット102と噛み合ったりするため、スプロケット206および車軸208も回転する。このように、ホイールが動くと、ディスクブレーキローター100が動き、発電機に向かう車軸208が動くことで、車両に蓄積されるエネルギーが発生する。必要に応じて、クラッチ230を利用して、発電機204へのエネルギー伝達の制御を選択的に可能にしてもよい。
【0026】
図11図20は、ディスクブレーキローター100からカプラーまたはスプロケット206まで回転エネルギーを伝達するのにチェーン300を用いる本発明の別の実施形態を示す。この実施形態では、スプロケット206は、ディスクブレーキローター100からオフセットされる。図19および図20に示すように、換気スロット102は、テーパー端216を有する複数のスポークまたは細長い部材214によって形成される。チェーン300は、テーパー端216と噛み合うディスクブレーキローター100の周面のうちのかなりの部分とスプロケット206の一部の両方にかかっており、それによってスプロケットの歯212と噛み合う。図14を参照すると、上記で開示したようなクラッチ230を使用して、発電機204へのエネルギー伝達を選択的に制御してもよい。
【0027】
詳細な説明を締めくくるにあたり、本発明の原理から実質的に逸脱することなく、実施形態に多くの変更および修正を加えることができることは当業者には自明であろう旨に注意されたい。また、そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれることが意図されている。さらに、以下の特許請求の範囲において、すべての手段または工程プラス機能の要素の構造、材料、行為および等価物は、それらの言及された機能を実行するための任意の構造、材料または行為を含むことが意図される。
【0028】
本発明の上記の実施形態、特に「提案した実施形態」は、本発明の原理を明確に理解するためだけに示される、実装の可能な例にすぎないことを強調しておくべきである。本発明の原理の意図から実質的に逸脱することなく、本発明の上記の実施形態に対して、どのような変更および修正をほどこしてもよい。そのような修正および変更はすべて、本開示および本発明の範囲に含まれ、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0029】
以上、ある程度の細部まで、本発明を十分に詳細に説明した。それらの有用性は、当業者に理解されている。これらの実施形態についての本開示は例にすぎず、権利請求したような本発明の意図および範囲から逸脱することなく、部品の配置および組み合わせにおける様々な変更を採用し得ることが、当業者には理解される。したがって、本発明の範囲は、上述した実施形態の記載ではなく、添付の特許請求の範囲によって規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図29C
図30A
図30B
図30C
図30D
図30E
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
【外国語明細書】
2021191066000001.pdf