【解決手段】表面に凸状体130,150が形成された二つの円錐110,120をそれらの頂点を対向させて配置する。一方の円錐110の中心軸112は水平方向に、他方の円錐120の中心軸122は水平方向に対して傾斜させる。二つの円錐の間の空間に豆160を投入し、双方の円錐110,120を回転させる。豆160が二つの円錐110.120とともに回転している間に凸状体130,150によって豆160の表面に小孔が開く。
前記第二本体には前記連結軸の直径より大きい内径を有する貫通孔が形成されており、前記連結軸は前記貫通孔を通っていることを特徴とする請求項7または8に記載の処理装置。
前記第一本体及び第二本体の何れか一方を部分的に他方の方向に移動させ、前記何れか一方を前記何れか一方の前記回転軸に対して傾斜させる機構をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載の処理装置。
前記第一本体及び前記第二本体の下半分の領域において前記第一本体と前記第二本体との間の空間に配置され、前記第一本体と前記第二本体との間に挟まれて移動してきた前記種子が衝突するスクレーパーをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の処理装置。
前記第一本体及び前記第二本体の少なくとも何れか一方には凹部が形成されており、表面に前記凸状体が形成されているブロックを前記凹部に固着することにより、前記第一の表面及び前記第二の表面の少なくとも何れか一方に前記凸状体が形成されるものであることを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の処理装置。
前記凸状体は前記第一の表面及び前記第二の表面の何れか一方に形成され、他方は弾性材料からなるライニングで少なくとも部分的に覆われていることを特徴とする請求項1乃至19の何れか一項に記載の処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第一の実施形態)
図1(A)及び
図1(B)は本発明の第一の実施形態に係る、種子の表面に小孔を開ける処理装置100の原理を示す概略図であり、
図1(A)は処理装置100の縦断面、
図1(B)は処理装置100の平面図である。
図1(A)に示すように、本実施形態に係る処理装置100は、第一の表面111を有する第一本体110と、第二の表面121を有する第二本体120と、第一本体110をその中心軸112の回りに回転させるモーターその他の駆動手段(図示せず)と、第二本体120をその中心軸122の回りに回転させるモーターその他の駆動手段(図示せず)と、を備えている。
【0024】
第一本体110は円錐形状をなしており、従って、第一の表面111は円錐形である。第一本体110は、その頂点を通る中心軸112が水平方向になるように、あるいは、第一本体110の平面状の底面110aが鉛直方向を向くように配置されている。
第一本体110の第一の表面111にはマトリクス状に複数個の凸状体130が形成されている。凸状体130は処理装置100の処理対象である種子160の表面に小孔を開けることができる程度に先端が尖っている。例えば、凸状体130は円錐形状または針状に形成することができる。
【0025】
第二本体120は第一本体110と同形状の円錐形状をなしており、従って、第二の表面121は円錐形である。第一本体110の中心軸112は水平方向に向けられているのに対して、第二本体120の中心軸122は水平方向に対して、あるいは、第一本体110の中心軸112に対して所定の角度α(例えば、3度)だけ傾斜して配置されている。換言すれば、第二本体120の中心軸122は、中心軸122の一点が第一本体110の中心軸112上にあり、かつ、中心軸122が延びる方向が第一本体110の中心軸112が延びる方向とは一致しないように配置されている。
第二本体120の第二の表面121上にも凸状体130と同様の複数個の凸状体150がマトリクス状に形成されている。
【0026】
第一本体110と第二本体120とは、それらの頂点がほぼ接するように、あるいは、わずかに離れるように対向して配置されている。このため、第一本体110と第二本体120との間には縦断面がV字型の空間140が形成されている。後述するように、処理対象である種子160はこのV字型の空間140に上方から投入され、空間140内において第一本体110の第一の表面111と第二本体120の第二の表面121との間に挟み込まれる。
以上のような構造を有する処理装置100は以下のように作動する。
当初は第一本体110及び第二本体120は静止している。この後、双方のモーターを作動させ、第一本体110及び第二本体120を同一方向に回転させる。例えば、
図1(B)の矢印101に示すように、第二本体120の底面120a側から見たときに時計回りの方向に第一本体110及び第二本体120を回転させる。
【0027】
この後、第一本体110及び第二本体120の間に形成されているV字型空間140に豆類その他の種子160を上方から投入する。
図1(B)に示すように、種子160は投入領域R1においてV字型空間140に投入される。投入領域R1は鉛直方向と鉛直方向から反時計回りに所定の角度(例えば、30度から50度)にある方向との間の領域であり、この領域において、第一の表面111と第二の表面121との間の距離は比較的大きくなっているときに種子160が投入される。投入された種子160は、
図1(A)に示すように、第一の表面111と第二の表面121との間に挟まれた状態になる。
【0028】
第一本体110及び第二本体120は時計方向に回転しているため、種子160も第一本体110及び第二本体120の間に挟まれた状態で時計方向に回転し、
図1(B)に示すように、穿孔領域R2において、種子160の表面に小孔が開けられる。穿孔領域R2は水平方向から時計・反時計両方向に所定の角度(例えば、それぞれ15度から25度)にある二つの方向の間の領域であり、この領域においては、第一の表面111と第二の表面121との間の距離が比較的小さくなるため、種子160の表面に凸状体130及び150が食い込み、種子160の表面に小孔が形成される。
この後、種子160は落下領域R3に移行し、この領域において、種子160は自重で下方に落下する。落下領域R3は鉛直方向と鉛直方向から時計回りに所定の角度(例えば、30度から50度)にある方向との間の領域であり、この領域においては、第一の表面111と第二の表面121との間の距離は比較的大きくなっている。このため、種子160は第一の表面111及び第二の表面121に挟まれた状態から解放され、自らの重量で下方に落下する(種子160の投入、穿孔及び落下については後に詳述する)。
【0029】
なお、投入領域R1、穿孔領域R2及び落下領域R3は一例であり、種子160の投入、穿孔及び落下の位置はこれらには限定されない。
処理装置100の下方には容器(図示せず)が配置されており、落下した種子160は容器の内部に収納される。
前述のように、第二本体120の中心軸122は第一本体110の中心軸112に対して(あるいは、水平方向に対して)所定の角度α(例えば、3度)だけ傾斜している。このため、第二本体120をその中心軸122の回りに回転させると、中心軸122は第二本体120の頂点を中心として円錐形状をなすようにして回転する。このため、第一本体110及び第二本体120が回転している間においては、第一本体110の第一の表面111と第二本体120の第二の表面121との間の距離は一定ではなく、中心軸122の傾斜角度に応じた範囲内において変動する。具体的には、
図1(A)に示すように、第一の表面111上の任意の一点113を通過する水平線上において第二の表面121上に位置する一点を点123とすると、第二本体120の中心軸122が水平方向より上方に位置している場合には二つの点113及び123の間の距離は相対的に広まり、逆に、第二本体120の中心軸122が水平方向より下方に位置している場合には二つの点113及び123の間の距離は相対的に狭まる。
【0030】
このように、第一本体110及び第二本体120が回転している間においては、第一の表面111上に形成されている凸状体130と第二の表面121上に形成されている凸状体150とは相対的に接近及び離隔を繰り返している。このため、第一の表面111と第二の表面121との間に挟まれた状態の種子160の表面には、種子160が投入位置160Aから落下位置160Bまで移動する間に、凸状体130及び150の配置密度に応じた数の小孔が開けられる。
図1(A)に示すように、種子160が投入されたときの投入位置160Aにおいて第一の表面111及び第二の表面121の間に挟まれているときの第一の表面111との接点及び第二の表面121との接点の間の距離を161A、位置160Bにおける同様の距離を161Bとする。第二本体120の中心軸122が水平方向より上方に傾斜している状態(
図1(A)に示す状態)においては、161B>161Aである。
【0031】
すなわち、種子160が投入位置160Aから落下位置160Bに移動する間においては、凸状体130及び150は種子160の表面に(161B−161A)の長さだけ食い込むこととなるため、種子160の表面には(161B−161A)の深さの小孔が形成される。
本実施形態に係る処理装置100によれば、以上のようにして、種子160の表面に小孔(または、窪み)が形成される。
第一本体110及び第二本体120は連続的に回転しているため、種子160が連続的に投入されてもそれらの種子160を投入位置160Aから落下位置160Bまで連続的に搬送することが可能であり、従って、複数の種子160の表面に連続的に小孔を開けることが可能である。
【0032】
本実施形態に係る処理装置100は
図22に示した従来の処理装置10に対して以下の効果を奏する。
図22に示した従来の処理装置10においては、台1の面上に形成された微小突起部材の頂点と柔軟部材2の表面との間の距離がほぼ一定に維持されているため、この従来の処理装置10は種子8の大きさの多様性には対処できないという問題点を有していた。
これに対して、本実施形態に係る処理装置100においては、種子160の大きさは問題とはされない。
本実施形態に係る処理装置100においては、ともに円錐形状の第一本体110及び第二本体120は相互に対向して配置され、双方の間にV字型空間140が形成されている。このV字型空間140に投入可能な大きさの種子160であれば、どのような大きさの種子160であっても、小孔を開けることが可能である。具体的には、V字型空間140の最小幅は第一本体110及び第二本体120の各頂点間の距離(ほぼゼロ)に等しく、V字型空間140の最大幅は第一本体110及び第二本体120の各底面110a、120aの外縁間の距離に等しい。このV字型空間140の最小幅と最大幅の間の大きさの種子160であれば、どのような大きさの種子160であっても、V字型空間140に収容可能であり、従って、その表面に小孔を開けることが可能であるため、処理可能な種子160の大きさの範囲は
図22に示した従来の処理装置10よりも格段に大きい。
【0033】
さらに、
図22に示した従来の処理装置10においては、種子8の大きさによっては必ずしも種子8の表面に微小孔を形成できるとは限らなかった。これに対して、本実施形態に係る処理装置100によれば、V字型空間140の最小幅と最大幅の間の大きさの種子160であれば、どのような大きさの種子160であっても、小孔を開けることが可能である。
また、
図22に示した従来の処理装置10においては、種子8が台1の面上を台1の周辺部に向かって移動しないことがあるという問題点があった。
これに対して、本実施形態に係る処理装置100においては、種子160は投入位置160Aから落下位置160Bまで第一本体110と第二本体120との間に挟まれた状態で強制的に移動させられるため、種子160は確実に落下位置160Bまで移動し、その後、下方に落下する。すなわち、本実施形態に係る処理装置100は、従来の処理装置10とは異なり、種子160を確実に落下位置まで移動させることを可能にする。
【0034】
本実施形態に係る処理装置100は上記の構造に限定されるものではなく、作動原理を逸脱しない範囲において種々の改変が可能である。
本実施形態に係る処理装置100においては、第一の表面111及び第二の表面121の双方にそれぞれ凸状体130、150が形成されているが、第一の表面111及び第二の表面121の双方に凸状体130、150を形成することは必ずしも必要ではない。第一の表面111及び第二の表面121の何れか一方にのみ凸状体130または150を形成することも可能である。
本実施形態においては、第一本体110及び第二本体120はともに円錐形状として形成されているが、例えば、第一本体110及び第二本体120の一方または双方を円錐台形状とすることも可能である。換言すれば、第一本体110及び第二本体120は円錐形状の一部を少なくとも部分的に含むものであればよい。
【0035】
また、凸状体130及び150の配列はマトリクス状には限定されない。凸状体130及び150の配列は任意である。凸状体130及び150はランダムに配置してもよく、あるいは、複数個の単体の凸状体130及び150を配置することに代えて、例えば、縦断面が三角形のライン状の突起を第一本体110及び第二本体120の各頂点を中心としてスパイラル状に配置することも可能である。
本実施形態に係る処理装置100においては、第一本体110及び第二本体120の双方をそれぞれの中心軸112、122の回りに回転させているが、第一本体110及び第二本体120の双方を回転させることは必ずしも必要ではない。何れか一方のみを回転させることも可能である。例えば、第一本体110を静止状態に固定し、第二本体120のみを回転させることも可能である。
【0036】
第二本体120の中心軸122を水平方向に対して傾斜させる角度は一般的には2度乃至15度が好ましいが、種子160の大きさや硬度に応じて傾斜角度を決定することも可能である。距離161Bと161Aとの差(161B−161A)の値は中心軸122の傾斜角度が大きくなるほど大きくなる(傾斜角度が0のときは161B=161Aであるから、161B−161Aの値は0である)。例えば、処理対象の種子160が比較的大きいものであるときや種子160が比較的硬いものであるときには、中心軸122の傾斜角度を大きくすれば、161B−161Aの値、すなわち、種子160の表面に凸状体130及び150が食い込む量を大きくすることができるので、種子160の処理効率を上げることができる。
本実施形態に係る処理装置100においては、第一本体110及び第二本体120はともに円錐形状として形成されているが、ともに円錐形状とすることは必ずしも必要ではない。
【0037】
図2は本実施形態に係る処理装置100の第一変形例に係る処理装置100Aの縦断面図である。
第一変形例に係る処理装置100Aにおいては、円錐形状の第一本体110に代えて、円柱形状の第一本体110Aが使用される。換言すれば、第一の実施形態における円錐形状の第一の表面111に代えて、平面形状の第一の表面111Aが使用される。第一変形例に係る処理装置100Aのこの点以外の構造は第一の実施形態に係る処理装置100と同様である。
第一変形例に係る処理装置100Aによっても第一の実施形態に係る処理装置100と同様の効果を得ることができる。
【0038】
図3は本実施形態に係る処理装置100の第二変形例に係る処理装置100Bの縦断面図である。
第二変形例に係る処理装置100Bにおいては、何れも円錐形状の第一本体110及び第二本体120に代えて、何れも円柱形状の第一本体110A及び第二本体120Aが使用される。換言すれば、第一の実施形態における何れも円錐形状の第一の表面111及び第二の表面121に代えて、何れも平面形状の第一の表面111A及び第二の表面121Aが使用される。第二変形例に係る処理装置100Bのこの点以外の構造は第一の実施形態に係る処理装置100と同様である。
第二変形例に係る処理装置100Bによっても第一の実施形態に係る処理装置100と同様の効果を得ることができる。
【0039】
図4は本実施形態に係る処理装置100の第三変形例に係る処理装置100Cの縦断面図である。
第三変形例に係る処理装置100Cにおいては、何れも円錐形状の第一本体110及び第二本体120に代えて、何れも半球形状の第一本体110C及び第二本体120Cが使用される。換言すれば、第一の実施形態における何れも円錐形状の第一の表面111及び第二の表面121に代えて、何れも半球形状の第一の表面111C及び第二の表面121Cが使用される。第三変形例に係る処理装置100Cのこの点以外の構造は第一の実施形態に係る処理装置100と同様である。
第三変形例に係る処理装置100Cによっても第一の実施形態に係る処理装置100と同様の効果を得ることができる。
【0040】
なお、第一本体110C及び第二本体120Cを半球形状とすることは必ずしも必要ではなく、半球形状以外の球面形状(球の一部分)や半楕円形その他の楕円形の一部とすることも可能である。
図5は本実施形態に係る処理装置100の第四変形例に係る処理装置100Dの縦断面図である。
第四変形例に係る処理装置100Dにおいては、第三変形例に係る処理装置100Cと比較して、半球形状の第一本体110Cに代えて、円柱形状の第一本体110A(
図2に示した第一変形例の第一本体110Aと同一のもの)が使用される。換言すれば、第三変形例における半球形状の第一の表面111Cに代えて、平面形状の第一の表面111Aが使用される。第四変形例に係る処理装置100Dのこの点以外の構造は第三変形例に係る処理装置100Cと同様である。
第四変形例に係る処理装置100Dによっても第三変形例に係る処理装置100Cひいては第一の実施形態に係る処理装置100と同様の効果を得ることができる。
【0041】
なお、第一本体110の第一の表面111及び第二本体120の第二の表面121の形状は以上に示した円錐、平面及び球面に限定されるものではなく、種子160を挟み込むことができる形状であれば、任意の形状を採用することができる。例えば、円弧状の曲面、斜面と平面との組み合わせ、階段状、平面と曲面との組み合わせ、凹凸のある面、曲率の異なる曲面の組み合わせなどを用いることができる。
上述のように、種子160は自らの自重によりV字型空間140から下方に落下するが、より確実に種子160を落とすために、種子160をV字型空間140から強制的に掻き落とすためのスクレーパー415を配置することも可能である。
【0042】
図6はスクレーパー415を配置した状態を示す概略図である。
スクレーパー415は第一本体110及び第二本体120の下半分の領域においてV字型空間140の内部に配置される。例えば、スクレーパー415はV字型空間140の形状に合わせてV字型形状の平板からなり、V字型空間140の領域の大部分をカバーする大きさに設定される。このため、第一本体110と第二本体120との間に挟まれた状態で第一本体110及び第二本体120とともに回転してきた種子160はスクレーパー415に到達すると、スクレーパー415に衝突し、矢印170に示すように、下方に落下する。
このように、スクレーパー415を設けることにより、小孔を開ける処理が終了した種子160Cを強制的に下方に落下させ、確実に処理装置から離脱させることができる。
【0043】
図7、
図8及び
図9は種子160の処理装置100A(
図2参照)への投入、穿孔及び落下の過程を示す概略図である。以下、
図7乃至
図9を参照して、種子160が処理装置100Aに投入されてから、穿孔処理を経て、下方に落下するまでの過程を説明する。
第二本体120の中心軸は水平方向Hに対して傾斜しているため、
図7に示すように、第一本体110と第二本体120との間の距離は第二本体120の回転に伴い変化する。例えば、第一本体110と第二本体120との間の距離は第二本体120の外周S1(第二本体120の任意の直径の一端)において最大、外周S2(前記直径の他端)において最小になるものとする。
【0044】
種子160のV字型空間140内への投入は投入シュート180を用いて行う。投入シュート180は水平方向Hに対して30乃至45度の範囲内において傾斜して設置されているとともに、第二本体120の頂点120Aに向けて設置されている。投入シュート180にはV字型の溝(図示せず)が形成されており、種子160はこの溝に沿ってV字型空間140内に滑り落ちる(あるいは、転がり落ちる)。
投入シュート180の下方には水平方向Hに沿ってスクレーパー415が設置されている。
種子160を投入シュート180内の位置1601に投入すると、種子160は位置1602を経て位置1603においてV字型空間140内に滑り落ち、第一本体110と第二本体120との間に挟み込まれる。
【0045】
第二本体120が時計方向に回転することにより、種子160は位置1603から位置1604を経て、ほぼ水平方向上にある位置1605に到達する。種子160が位置1603から位置1605まで回転している間において、位置1603における第一本体110と第二本体120との間の距離と位置1605における第一本体110と第二本体120との間の距離との差に等しい長さだけ、凸状体130及び150が種子160の表面に食い込む。すなわち、種子160の表面に小孔が開けられる。
この後、種子160は位置1605から位置1606まで回転し、この間において、凸状体130及び150が種子160の表面から徐々に抜ける。位置1606に到達した種子160はスクレーパー415に衝突し、位置1607に落下する。
以上が種子160の投入、穿孔及び落下の1サイクルである。このサイクルが複数の種子160に対して連続的に実施される。
【0046】
次いで、以下に、
図8及び
図9を参照して、凸状体130及び150が種子160の表面に食い込む量(長さ)と角度について説明する。
図8に示すように、第二本体120の回転中心軸を傾斜させる前の状態(第一本体110の中心軸と第二本体120の中心軸とが相互に平行な状態)において、第二本体120の一端(任意の直径の一端)における第一本体110の外縁と第二本体120の外縁との間の距離をD1、第二本体120の他端(同じ直径の他端)における第一本体110の外縁と第二本体120の外縁との間の距離をD2とし、距離D1と距離D2とに差が生じたときの差(D1−D2)の絶対値をDxとする。
|D1−D2|=Dx
【0047】
第二本体120の中心軸を水平方向Hに対して傾斜させた後、第二本体120を第一本体110に対して回転させ、距離D1が、例えば、1mm狭まる場合、距離D2は逆に1mm広がるので、Dxは2mmとなる。
1−(−1)=2mm
投入シュート180は水平方向Hに対して45度の角度に設置すると、種子160の投入方向が水平方向Hに対して45度傾斜することになるので、第一本体110の中心軸と外縁との中間位置Iaにおける第一本体110の第一の表面111の移動距離は第一本体110の外縁Ib(第一本体110と第二本体120との間の最大距離の位置)における移動距離よりも25%小さくなる。
45/180=0.25=25%
従って、中間位置Iaにおける移動距離は
G×(1−0.25)=G×0.75
となる(Gの意味は後述)。
【0048】
例えば、凸状体130及び150によって種子160の表面に深さ0.75mmの小孔を開ける場合を想定する。
図9に示すように、第一本体110の外縁(
図9の左端)から第二本体120の頂点までの距離をF1、第一本体110の外縁から種子160の中心までの距離をF2とする。例えば、
図9に示すように、種子160がF1:F2=2:1となるような位置にある場合、第二本体120の一端(
図9の左端または右端)が第二本体120の回転により距離G(単位:mm)だけ上方に移行したとすれば、種子160も同様に上方に(すなわち、第一本体110に向かって)距離Gだけ移行するため、凸状体130及び150が種子160の表面に食い込む長さは
G×0.75/2
となる。
【0049】
位置1603における第一本体110と第二本体120との間の距離は位置Iaにおける同距離の1/2となるので、種子160が位置1603から位置1605まで移動した場合に凸状体130及び150が種子160の表面に食い込む量(長さ)は
G×0.75/2
となる。
例えば、第二本体120を最大直径(底面の直径)が200mmの円錐形状とする場合、種子160の表面に深さ1.0mmの穴を開けるためには、
G×0.75/2=1
上式から、G=2.667mmとすることが必要となる。
【0050】
第二本体120の円周は次式により求められる。
π×200=3.14×200=628mm
移動距離Gは2.667mmであるから、移動角度は次式により求められる。
360/(628/2.667)=1.529度
なお、上記の説明においては、処理装置100Aを例として用いたが、他の処理装置においても上記と同様の投入・穿孔・落下の過程が実施される。
【0051】
(第二の実施形態)
図10は本発明の第二の実施形態に係る処理装置200の断面図である。
図10(A)及び
図10(B)は処理装置200の縦断面図、
図10(C)は
図10(B)の右方向から見たときの処理装置200の平面図である。
本実施形態に係る処理装置200は
図1に示した第一の実施形態に係る処理装置100を具体化したものである。
本実施形態に係る処理装置200は、第一本体110と、第二本体120と、剛性の連結軸210と、ゴムブッシュ220と、ゴムブッシュ220を押さえるリング230と、スリーブ240と、間隔調節機構250と、を備えている。
【0052】
本実施形態における第一本体110及び第二本体120は第一の実施形態における円錐形状とは異なり、円錐台形状に設定されている。このため、第一本体110及び第二本体120の頂点は平面状になっている。第一本体110にはその中心軸112を中心とする環状の突起114が形成されている。突起114の縦断面は三角形である。第二本体120の頂点の平面には環状の溝124が形成されている。溝124の縦断面は三角形である。第一本体110の突起114の内径と溝124の内径とは相互に等しくなるように設定されており、突起114は溝124に嵌まり込むようになっている。突起114が溝124に嵌まり込むことによって、第一本体110と第二本体120とは相互に係合するようになっている。
第一本体110にはその底面110aから頂点とは反対方向に延びるフランジ部115が形成され、さらに、第一本体110にはその中心軸112を通る貫通孔116が形成されている。貫通孔116の内径は連結軸210の外径に等しい。
【0053】
第二本体120にはその底面120aから頂点の方向に延びる空洞部125が形成されており、さらに、第一本体110の貫通孔116と同様に、第二本体120にもその中心軸122を通る貫通孔126が形成されている。貫通孔126の内径は連結軸210の外径よりも大きく設定されており、連結軸210は貫通孔126の内部においてある程度傾斜することが可能であるようになっている。
これら二つの貫通孔116、126に連結軸210が通されており、第一本体110及び第二本体120は連結軸210を介して相互に対向するように連結されている。第二本体120の貫通孔126の内径は連結軸210の外径よりも大きいため、第二本体120は連結軸210によっては支持されないが、第二本体120は、第一本体110の突起114が第二本体120の溝124に嵌まり込むことにより、突起114及び溝124を介して、さらには、後述するゴムブッシュ220を介して第一本体110に、ひいては、連結軸210に支持されている。
【0054】
第一本体110はフランジ部115に形成されたネジ孔にネジ117を連結軸210まで通すことにより、連結軸210に対して固定的に取り付けられている。
ゴムブッシュ220は連結軸210がその内部を通っている状態において第二本体120の空洞部125の内部に挿入されている。ゴムブッシュ220はリング230に押さえられ、圧縮された状態にある。さらに、リング230はスリーブ240に押さえられている。スリーブ240にはネジ孔が形成されており、このネジ孔にネジ127を連結軸210まで通すことにより、スリーブ240は連結軸210に対して固定されている。スリーブ240が連結軸210に対して固定されることにより、ゴムブッシュ220はリング230及びスリーブ240を介して第二本体120の空洞部125の内部に圧縮された状態で固定されている。このため、ゴムブッシュ220は第二本体120を第一本体110の方向に押す力を第二本体120に対して作用させている。
【0055】
ゴムブッシュ220は第二本体120の空洞部125の内部においてある程度の変形をすることができる程度の弾性(柔軟性)を有している。
間隔調節機構250は、第一本体110及び第二本体120の上方において水平方向に配置されたボルト251と、ボルト251の両端の付近にそれぞれ取り付けられた一対のナット252と、各一対のナット252に挟み込まれたカムフォロア253と、を備えている。
各ナット252はボルト251に沿って左右両方向に移動可能である。各カムフォロア253は第一本体110及び第二本体120の各底面110a、120aに接するように配置されている。
【0056】
例えば、
図10(A)の右側に位置するナット252をボルト251に沿って左側の方向(第一本体110に向かう方向)に移動させると、
図10(B)に示すように、カムフォロア253もナット252とともに左側の方向に移動するため、第二本体120の上方の部分が左側の方向(第一本体110に向かう方向)に押され、第二本体120が反時計回りの方向に傾斜した状態となる。第二本体120の貫通孔126の内径は連結軸210の外径より大きいため、第二本体120が傾斜しても、第二本体120と連結軸210とが相互に干渉することはなく、さらに、空洞部125の内部のゴムブッシュ220は変形可能であるため、第二本体120の傾斜を吸収した状態で、すなわち、変形したままの状態で維持される。
【0057】
このように、一対のカムフォロア253の一方(あるいは、双方)の位置をナット252を介して調節することにより、第二本体120の中心軸122を任意の角度で水平方向に対して傾斜した状態に維持することが可能である。
以上のような構造を有する本実施形態に係る処理装置200は以下のようにして使用される。
先ず、
図10(A)に示すように、連結軸210を介して第一本体110と第二本体120とを連結し、第二本体120にゴムブッシュ220、リング230及びスリーブ240を取り付ける。この後、ネジ117、127で第一本体110及び第二本体120を連結軸210に対して固定する。
【0058】
この後、
図10(A)の右側に位置するカムフォロア253を左側の方向(第一本体110に向かう方向)に移動させる。これにより、第二本体120の中心軸122は水平方向に対して傾斜した状態になる。傾斜角度はカムフォロア253の移動量に応じて変更することができる。
この後、モーター(図示せず)により連結軸210を時計方向(
図10(C)参照)に回転させる。第一本体110は水平方向に延びる中心軸112を中心として回転するのに対して、第二本体120は水平方向に対して傾斜している中心軸122を中心として回転する。次いで、種子160をV字型空間140に上方から投入することにより、第一の実施形態に係る処理装置100と同様に、種子160の表面に小孔を開けることができる。
第二の実施形態に係る処理装置200によっても、第一の実施形態に係る処理装置100と同様の効果を得ることが可能である。
【0059】
第二の実施形態に係る処理装置200は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
第一本体110及び第二本体120の形状は上述の第一乃至第四変形例のように変更することが可能である。
また、ゴムブッシュ220に代えて、ゴムブッシュ220と同様の機能を発揮する弾性体または弾性材料からなるものを使用することも可能である。
図11(A)及び
図11(B)は第二の実施形態に係る処理装置200の第一変形例に係る処理装置200Aの縦断面図であり、それぞれ
図10(A)及び
図10(B)に対応する断面図である。
【0060】
図11(A)及び
図11(B)に示すように、第一本体110の形状を
図2に示した第一の実施形態の第一変形例と同様に平面状の第一の表面111Aを有する円柱形状または円錐台形状(
図11(A)及び
図11(B)に示す例では円錐台形状)とすることができる。
さらに、ゴムブッシュ220に代えて、ゴムブッシュ220と同様の機能を発揮するスプリング260を使用することができる。
スプリング260は第二本体120の空洞部125に内装され、連結軸210の外側に配置される。スプリング260は第二本体120及びリング230に対してそれらを相互に遠ざける方向に弾性力を作用させる。
図11(B)に示すように、スプリング260を用いても、第二本体120の中心軸122を水平方向に対して傾斜した状態に維持することが可能である。
本変形例に係る処理装置200Aによっても第二の実施形態に係る処理装置200と同様の効果を得ることができる。
【0061】
(第三の実施形態)
図12(A)及び
図12(B)は本発明の第三の実施形態に係る処理装置300の縦断面図である。
本実施形態に係る処理装置300は、第二の実施形態に係る処理装置200と同様に、
図1に示した第一の実施形態に係る処理装置100を具体化したものである。
本実施形態に係る処理装置300は、第一本体110と、第二本体120と、剛性の連結軸310と、自動調心軸受320と、軸受保持用リング321と、スリーブ330と、間隔調節機構340と、を備えている。
本実施形態における第一本体110は円錐台形状をなしており、第二の実施形態における第一本体110と同様にして連結軸310に対して固定されている。
【0062】
第二本体120にはその中心軸122を通る貫通孔128が形成されており、貫通孔128に自動調心軸受320が嵌め込まれている。連結軸310は自動調心軸受320に嵌め込まれている。
貫通孔128の内部にはスナップリング129が嵌め込まれている。また、連結軸310には第一本体110と接するように軸受保持用リング321が嵌め込まれている。自動調心軸受320はその一端(
図12(A)の右端)においてスナップリング129に当接し、他端(
図12(A)の左端)において軸受保持用リング321に当接し、スナップリング129と軸受保持用リング321との間に挟まれた状態で支持されている。
さらに、ネジを介して連結軸310に固定されているスリーブ330が自動調心軸受320の一端(
図12(A)の右端)に当接し、自動調心軸受320をその右端から支持している。
【0063】
このように、第二本体120は自動調心軸受320を介して連結軸310に支持されている。なお、自動調心軸受320とは、軸の両端の中心が狂ったり,軸が撓んだり、曲がったりしても,自動的に傾いて軸を支持する機能を有する軸受を指す。
間隔調節機構340は第二の実施形態における間隔調節機構250と同一のものである。
本実施形態に係る処理装置300は以下のように作動する。
最初に、第一の実施形態と同様に、間隔調節機構340を介して第二本体120の中心軸122を水平方向に対して傾斜させる。
【0064】
その後、モーター(図示せず)を作動させ、第二本体120を中心軸122の回りに回転させる。中心軸122が傾斜した状態で第二本体120が回転しても、自動調心軸受320が中心軸122の傾斜を吸収する機能を奏するので、第二本体120は中心軸122が水平方向に対して傾斜した状態のまま円滑に回転し続けることができる。
以上のように、本実施形態に係る処理装置300は第一の実施形態に係る処理装置100と同様に種子160の表面に小孔を開けることを可能にし、第一の実施形態に係る処理装置100による効果と同様の効果を発揮する。
【0065】
(第四の実施形態)
図13は本発明の第四の実施形態に係る処理装置400の断面図である。
図13(A)及び
図13(B)は処理装置400の縦断面図、
図13(C)は
図13(B)の右方向から見たときの処理装置400の平面図である。
本実施形態に係る処理装置400は、第二の実施形態に係る処理装置200及び第三の実施形態に係る処理装置300と同様に、
図1に示した第一の実施形態に係る処理装置100を具体化したものである。
本実施形態に係る処理装置400は、第三の実施形態に係る処理装置300と比較して、第二本体用スリーブ410と、連結用ピン4111と、ゴムブッシュ420と、ゴムブッシュ420を押さえるリング430と、を追加的に備えている。
【0066】
第二本体120にはその中心軸122を通る貫通孔128が形成されており、貫通孔128に自動調心軸受320が嵌め込まれている。貫通孔128の内部には貫通孔128の中心に向かって突出する突出部129が形成されている。連結軸310には第一本体110と接するように軸受保持用リング321が嵌め込まれている。自動調心軸受320はその一端(
図13(A)の右端)において突出部129に当接し、他端(
図13(A)の左端)において軸受保持用リング321に当接し、突出部129と軸受保持用リング321との間に挟まれた状態で支持されている。
このように、第三の実施形態の場合と同様に、第二本体120は自動調心軸受320を介して連結軸310に支持されている。
【0067】
第二本体用スリーブ410は第二本体120の底面120a側において連結軸310に取り付けられている。第二本体用スリーブ410には凹部が形成されており、この凹部にゴムブッシュ420が装填されている。ゴムブッシュ420は圧縮状態でリング430に押さえられており、リング430はネジ331を介して連結軸310に固定されているスリーブ330に押さえられている。この結果、ゴムブッシュ420は第二本体用スリーブ410を第二本体120に対して押圧する作用を奏している。
図13(A)に示すように、第二本体120の底面120aと第二本体用スリーブ410とのそれぞれに対応する位置には複数個の孔が形成されており、各孔にはピン411が挿入されている。各孔に挿入されているピン411によって第二本体120と第二本体用スリーブ410との間の相対的位置が維持されている。
ピン411を挿入する孔は、例えば、第二本体120の中心軸122を中心とする円の直径上に少なくとも一対形成される。
【0068】
本実施形態に係る処理装置400は以下のように作動する。
最初に、第一の実施形態と同様に、間隔調節機構340を介して第二本体120の中心軸122を水平方向に対して傾斜させる。
その後、モーター(図示せず)を作動させ、第二本体120を中心軸122の回りに回転させる。中心軸122が傾斜した状態で第二本体120が回転しても、自動調心軸受320が中心軸122の傾斜を吸収する機能を奏するので、第二本体120は中心軸122が傾斜した状態のまま円滑に回転し続けることができる。
【0069】
第二本体120の中心軸122が傾斜せず、水平方向を向いている場合には第二本体120の底面と第二本体用スリーブ410とは相互に接した状態が維持されるが、中心軸122が傾斜しているため、第二本体120が回転すると、第二本体120の底面120aと第二本体用スリーブ410とは、
図13(B)に示すように、部分的に離れた状態が生じる(
図13(B)においては、第二本体120の上半分が第二本体用スリーブ410から離れている)。このような場合でも、第二本体用スリーブ410はピン411を介して第二本体120と相対的位置関係を維持しているので、第二本体用スリーブ410はピン411及び第二本体120の底面120aを介して第二本体120を支持し続けることが可能である。
【0070】
以上のように、本実施形態に係る処理装置400は、第一の実施形態に係る処理装置100と同様に、種子160の表面に小孔を開けることを可能にし、第一の実施形態に係る処理装置100による効果と同様の効果を発揮する。特に、第三の実施形態に係る処理装置300に対して第二本体用スリーブ410及びゴムブッシュ420を追加的に備えており、第二本体用スリーブ410及びゴムブッシュ420は第二本体120を安定的に支持しているため、処理装置300と比較して、第二本体120の挙動の安定性を向上させることができる。
図14(A)及び
図14(B)は第四の実施形態に係る処理装置400の第一変形例に係る処理装置400Aの縦断面図であり、
図13(A)及び
図13(B)に対応するものである。
【0071】
第二本体用スリーブ410を第二本体120に向けて押圧する部材はゴムブッシュ420に限定されるものではなく、押圧力を発生する部材であれば、任意のものを使用することができる。
例えば、
図14(A)及び
図14(B)に示すように、第四の実施形態におけるゴムブッシュ420に代えて、スプリング440を用いることも可能である。スプリング440を用いても、本変形例に係る処理装置400Aは第四の実施形態に係る処理装置400と同様に作動する。
【0072】
(第五の実施形態)
図15は本発明の第五の実施形態に係る処理装置500の断面図である。
図15は処理装置500の非作動時における縦断面図、
図16は処理装置500の作動時における縦断面図である。
本実施形態に係る処理装置500は、第二の実施形態に係る処理装置200及び第三の実施形態に係る処理装置300と同様に、
図1に示した第一の実施形態に係る処理装置100を具体化したものである。
本実施形態に係る処理装置500は、第四の実施形態におけるゴムブッシュ420に代えてカップリング510を備えている。
カップリング(軸継ぎ手またはジョイントとも呼ばれる)とは、二つの軸を相互に連結し、二軸間の取り付け誤差(ミスアライメント)を吸収して、駆動力を駆動側の軸から従動側の軸に伝える機械部品である。
【0073】
カップリング510を用いることにより、例えば、第四の実施形態に係る処理装置400と比較して、処理装置500の構造を単純化することができ、さらには、部品点数を削減することもできる。
図15及び
図16に示したカップリング510は円筒型のものであるが、
図17及び
図18に示すように、円盤型のカップリング520を用いることもできる。
【0074】
(第六の実施形態)
図19は本発明の第六の実施形態に係る処理装置600の縦断面図である。
図15及び
図16に示した第五の実施形態に係る処理装置500においては、凸状体130は第一本体110と一体的に形成されているが、本実施形態に係る処理装置600においては、凸状体130と第一本体110とは別体のものとして形成されている。
具体的には、本実施形態における第一本体110にはその外縁に環状の凹部610が形成されている。本実施形態に係る処理装置600は凹部610に嵌合可能なリング形状のブロック620を備えており、ブロック620は凹部610に嵌め込まれた後にボルト630を介して第一本体110に固定される。ブロック620の表面には凸状体130が形成されており、ブロック620を第一本体110に固着することにより、上記の実施形態における第一本体110と同様の機能を奏する。
【0075】
このように、第一本体110と凸状体130とを別体として設けることにより、以下の効果を得ることができる。
第一に、例えば、凸状体130が破損したときに、第一本体110の全体を交換することに代えて、凸状体130のみを交換すれば良く、処理装置600のメインテナンスを向上させることができる。
第二に、種子160のサイズや硬度に応じて、形状、先端の鋭さ、長さその他の物理的特性の異なる種々の凸状体130の中から最適の凸状体130を選択し、取り付けることが容易になる。
なお、本実施形態においては、凹部610は環状、ブロック620はリング形状に設定されているが、凹部610及びブロック620の形状はそれには限定されない。
【0076】
例えば、凹部610を長方形その他の多角形、円弧形状などの様々な形状に設定し、ブロック620を凹部610に応じた形状に設定することも可能である。
また、凹部610を環状に形成する場合、ブロック620を複数個のリング形状とすることも可能である。例えば、ブロック620を3個の内径の異なるリングに形成し、第一本体110の中心側から順に外側に向かって嵌合させることも可能である。ブロック620を複数個のリングとし、各リングに形状の異なる凸状体130を形成することにより、複数種類の形状を有する凸状体130を第一本体110上に実現することができ、様々な形状や硬度を有する複数種類の種子160が混合している場合にも対応することができる。
【0077】
あるいは、ブロック620を扇型形状に形成し、複数個の扇形ブロック620を凹部610に嵌め込むことも可能である。
さらに、凸状体を第一本体110及び第二本体120の何れか一方にのみ形成する場合、他方の表面を弾性材料からなるライニング640で覆うことが可能である。
例えば、
図19に示すように、第一本体110に凸状体130を形成する場合には、第二本体120の表面にはライニング640を固着することができる。
ライニング640は弾性材料でつくられている。弾性材料としては、例えば、ゴム、ウレタンその他の樹脂を用いることができる。
ライニング640を設けることにより、種子160が第二本体120の外周に向かって滑ることを防止し、種子160を確実にその位置に留めておくことが可能になり、種子160に穿孔する際の確実性を向上させることができる。
【0078】
また、ライニング640は弾性を有しているため、ライニング640がない場合と比べて、種子160が第二本体120に接触した際に、種子160が割れたり、凹んだりすることを防止することができる。
なお、ライニング640は第二本体120の表面の全てを覆うように形成してもよく、あるいは、第二本体120の表面の一部(例えば、中央部分のみ)にのみ形成してもよい。
【0079】
(第七の実施形態)
図20は本発明の第七の実施形態に係る処理装置700の非作働時における縦断面図、
図21は処理装置700の作働時における縦断面図である。
本実施形態に係る処理装置700は、上述の処理装置と同様に、
図1に示した第一の実施形態に係る処理装置100を具体化したものである。
本実施形態に係る処理装置700は、
図15及び
図16に示した第五の実施形態に係る処理装置500と比較して、自動調心軸受320及び軸受保持用リング321(
図13(A)を参照)に代えて円柱形状のゴムブッシュ710を、カップリング510に代えてスリーブ720を備えている。
さらに、本実施形態における第一本体110の第一の表面111には円柱形の凹部711が、第二本体120の第二の表面121には円柱形の凹部712が形成されている。凹部711と凹部712とは相互に対向する位置に形成され、かつ、相互に等しい外径を有している。
【0080】
ゴムブッシュ710は凹部711及び凹部712の双方の内部に挿入され、その後、第一本体110のスリーブ115及びスリーブ720を第一本体110及び第二本体120を相互に接近する方向に移動させる。これにより、ゴムブッシュ710は圧縮された状態で第一本体110及び第二本体120の間に保持される。
第二本体120には凹部712に連続して貫通孔126(
図10(A)を参照)が形成されている。貫通孔126は連結軸310の中心軸と同心であり、さらに、連結軸310の外径より大きく、かつ、凹部712の内径より小さい内径を有している。
連結軸310はスリーブ115を介して第一本体110に固定されているとともに、ゴムブッシュ710の中心を貫通しており、さらに、スリーブ720を介して第二本体120に固定されている。
【0081】
ゴムブッシュ710を配置した後、間隔調節機構250(
図10(A)を参照)により第二本体120の中心軸(回転軸)を傾斜させる。
本実施形態に係る処理装置700によっても、上述の実施形態に係る処理装置と同様の効果を得ることができる。特に、本実施形態に係る処理装置700によれば、第一本体110に形成された凹部711の深さの分だけ、処理装置全体の幅(
図20の左右方向における処理装置700の長さ)を短くすることができ、より小さなスペースに本処理装置700を配置することが可能になる。
なお、本実施形態に係る処理装置700においてはゴムブッシュ710を使用しているが、ゴムブッシュ710と同様の弾性力を有するものであれば、ゴムブッシュ710の代替品として使用することが可能である。例えば、
図11(A)に示したスプリング260、
図14(A)に示したスプリング440をゴムブッシュ710の代わりに用いることも可能である。