(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-191708(P2021-191708A)
(43)【公開日】2021年12月16日
(54)【発明の名称】真空吸引車
(51)【国際特許分類】
B65H 29/24 20060101AFI20211119BHJP
B65H 29/68 20060101ALI20211119BHJP
B41F 21/00 20060101ALI20211119BHJP
【FI】
B65H29/24 E
B65H29/68
B41F21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-98569(P2020-98569)
(22)【出願日】2020年6月5日
(71)【出願人】
【識別番号】714000460
【氏名又は名称】リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】三輪 敏雄
【テーマコード(参考)】
2C020
3F049
3F053
【Fターム(参考)】
2C020AA13
2C020AA14
3F049AA01
3F049CA04
3F049CA06
3F049DB02
3F049LA01
3F049LB01
3F053GA09
3F053GB01
3F053LA01
3F053LB01
(57)【要約】
【課題】枚葉印刷機の排出部において安定したシートの排出を行うことのできる真空吸引車の提供。
【解決手段】枚葉印刷機の排出部における枚葉状のシートの搬送方向に軸方向が直交し、内部空間を負圧にできる吸引内管と、前記吸引内管の径外に位置し、前記吸引内管に対して周方向に回転する吸引外管32とを備え、前記吸引外管32の外周部には、複数の平面部321…321が周方向で間欠的に設けられており、各平面部321は、前記平面部に周方向で挟まれた部分に比べて半径寸法が小さく形成された平面3211を有し、各平面部321は、前記平面3211の周方向端縁に接しないように開口し、前記吸引内管の前記内部空間に対して連通可能な複数の吸引孔323…323を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枚葉印刷機の排出部に設けられ、前記排出部へ搬送されてきた枚葉状のシートを、搬送方向に沿うように回転しつつ外周面で吸引することにより、前記シートの搬送速度を低下させる真空吸引車において、
前記搬送方向に軸方向が直交するよう、前記排出部において固定された直管であり、内部空間を負圧にできる吸引内管と、前記吸引内管の径外に位置する直管であり、前記吸引内管に対して周方向に回転する吸引外管とを備え、
前記吸引外管の外周部には、複数の平面部が周方向で間欠的に設けられており、
前記複数の平面部の各々は、径方向に直交した平面であって、前記平面部に周方向で挟まれた部分に比べて半径寸法が小さく形成された平面を有し、
前記複数の平面部の各々は、前記平面の周方向端縁に接しないように開口した複数の吸引孔であって、前記吸引内管の前記内部空間に対して連通可能な複数の吸引孔を有することを特徴とする、真空吸引車。
【請求項2】
前記平面は、軸方向に連続して形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の真空吸引車。
【請求項3】
前記吸引外管の前記外周部には、周方向で前記平面部と円周面部とが交互に設けられており、
前記円周面部は、半径寸法が一定の曲面を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の真空吸引車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枚葉印刷機の排出部に設けられていて、枚葉状のシートの搬送速度を低下させる真空吸引車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
真空吸引車は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の真空吸引車は、排出部に搬送される枚葉状のシートである枚葉紙の幅方向に長い吸引外管(特許文献1における「回転吸引シェル」)が複数の孔を有している。吸引外管は円管である。吸引外管は真空ポンプに接続されていて、真空ポンプを駆動させることで、前記複数の孔に吸引力を発生させられる。排出部には、枚葉紙を挟んで搬送する排紙グリッパーが設けられている。この排紙グリッパーの移動速度よりも接線方向の速度が低速となるように、吸引外管に駆動力を与えて回転させることで、排紙グリッパーから解放された後の枚葉紙を吸引外管(詳しくは、吸引外管が有する複数の孔)が吸引することで、枚葉紙の搬送速度、すなわち排紙速度を低下させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3332684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来の真空吸引車は円管状とされていることから、その外周面は一定曲率の曲面となっている。一方、シート(枚葉紙)の表面は平面である。このため、平面(シート)に対して曲面(真空吸引車)が接することになるので、両者の密着が略線状でしかなされないため、効果的な吸引を行いにくく、従って、真空吸引車によるシートの減速を行いにくかった。そして、これが原因でシートの排出不良が発生することがあった。
【0005】
特に、厚紙等の厚いシートが用いられた場合には、薄いシートに比べるとシートの重量が大きく、かつ、表面が真空吸引車の外周面に沿うように変形することもほとんどないことから、吸引を一層行いにくかった。このように厚いシートを用いる場合、例えば、シートの排出速度を低速に設定して対応していたため、印刷効率が低下する問題もあった。
【0006】
本発明は上記の問題に鑑み、排出部において安定したシートの排出を行うことのできる真空吸引車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る真空吸引車は、枚葉印刷機の排出部に設けられ、前記排出部へ搬送されてきた枚葉状のシートを、搬送方向に沿うように回転しつつ外周面で吸引することにより、前記シートの搬送速度を低下させる真空吸引車において、前記搬送方向に軸方向が直交するよう、前記排出部において固定された直管であり、内部空間を負圧にできる吸引内管と、前記吸引内管の径外に位置する直管であり、前記吸引内管に対して周方向に回転する吸引外管とを備え、前記吸引外管の外周部には、複数の平面部が周方向で間欠的に設けられており、前記複数の平面部の各々は、径方向に直交した平面であって、前記平面部に周方向で挟まれた部分に比べて半径寸法が小さく形成された平面を有し、前記複数の平面部の各々は、前記平面の周方向端縁に接しないように開口した複数の吸引孔であって、前記吸引内管の前記内部空間に対して連通可能な複数の吸引孔を有することを特徴とする、真空吸引車である。
【0008】
上記構成によれば、平面部が枚葉紙に対して平面的に当接することから、曲面(吸引外管)と平面(シート)とで当接する構成に比べると、枚葉紙を減速させやすい。
【0009】
また、前記平面は、軸方向に連続して形成されていてもよい。
【0010】
上記構成によれば、軸方向に連続した平面がシートに対して均一に当接することから、シートの吸引を効果的にできる。
【0011】
また、前記吸引外管の前記外周部には、周方向で前記平面部と円周面部とが交互に設けられており、前記円周面部は、半径寸法が一定の曲面を有していてもよい。
【0012】
上記構成によれば、例えば、素材である円管を面取り加工することで、吸引外管を容易に得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、吸引外管の平面部がシートに対して平面的に当接することから、曲面(吸引外管)と平面(シート)とで当接する構成に比べると、シートを吸引外管に密着させることにより減速させやすい。よって、排出部において安定したシートの排出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る真空吸引車を備えた枚葉印刷機の排出部周りの構成を簡略的に示す図である。
【
図3】前記真空吸引車を示す、径方向に切断した断面図である。
【
図4】前記真空吸引車のうち吸引外管を示す側面図である。
【
図5】(a)は
図4のV−V矢視断面図であり、(b)は(a)の要部拡大図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係る真空吸引車のうち吸引外管を示す側面図である。
【
図8】
図6のVIII−VIII矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の二つの実施形態に係る真空吸引車3について、それぞれ図面を示しながら説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の真空吸引車3は、従来のものと同じく、枚葉印刷機1の排出部(排紙部)2に設けられている。そして、排出部2へ搬送されてきた枚葉状のシートとしての枚葉紙Sを、搬送方向に沿うように回転しつつ外周面で吸引することにより、枚葉紙Sの搬送速度を低下させる機能を有する。この真空吸引車3は、排出部2において枚葉紙Sの搬送速度を低下させる真空吸引装置の一部を構成する。
【0017】
真空吸引車3は、排出部2において枚葉紙Sを挟んで搬送する排紙グリッパー21(
図1では、排紙チェーン22上に複数設けられる排紙グリッパー21の各々を、丸印にて位置だけを略示している)の移動軌跡よりも下方に配置されている。排紙グリッパー21は、真空吸引車3よりも搬送方向前側(下流側)で枚葉紙Sを解放する。なお、枚葉紙Sの解放位置は調整可能とされている。解放された枚葉紙Sは、慣性により搬送方向に移動しながら、排出部2に設けられたファン(図示しない)が発生する下向き気流により降下させられる。この慣性による移動中に、枚葉紙Sは真空吸引車3に吸引されることで減速させられる。減速された枚葉紙Sは、搬送方向前側の端縁が排出部2に設けられたフロントガイド23に当たり、搬送方向後ろ側の端縁が排出部2に設けられたバックガイド24に案内され、幅方向の両端縁が排出部2に設けられたサイドガイド(図示しない)に案内されることで、一定位置で停止して、排出部2に用意されたパレットP上に、上下方向に整然と積み重ねられる。
【0018】
真空吸引車3は、
図2に示す外観で、
図3に示すように、吸引内管31と吸引外管32とを備える。吸引内管31は、排出部2における枚葉紙Sの搬送方向に軸方向が直交するよう設けられており、真空吸引車3において固定された直管である。吸引外管32は、吸引内管31の径外に位置し、吸引内管31を覆う直管であり、吸引内管31に対して周方向に回転するように設けられている。吸引外管32は、枚葉紙Sの幅方向、すなわち枚葉紙Sの搬送方向に直交する方向に長い1本の直管として構成されている。吸引内管31は、吸引外管32を回転可能に支持する支持軸として機能する。吸引内管31は、両端が、真空吸引装置の一部を構成する吸引機構4に接続されている。吸引機構4は真空吸引車3の両端に設けられている。吸引機構4は図示しない真空ポンプに接続されており、真空ポンプを駆動させることで、吸引機構4を介して、吸引内管31の内部空間31Sを負圧にできる。
【0019】
吸引内管31は、軸方向に沿って形成された複数の長孔311…311を有する。各長孔311は、吸引内管31を径方向に貫通している。吸引内管31は、複数の長孔311…311が上側に位置するように、真空吸引車3に固定されている。なお、真空吸引車3における吸引内管31の固定位置は、周方向で変更可能とされている。複数の長孔311…311の軸方向の形成位置は、吸引外管32に形成される複数の吸引孔323…323の形成位置と一致している。これにより、吸引外管32の回転に伴い、吸引内管31の複数の長孔311…311と重なった吸引外管32の複数の吸引孔323…323が、負圧となっている吸引内管31の内部空間31Sと連通することで、吸引外管32が枚葉紙Sを吸着可能となる。
【0020】
吸引外管32は、排紙グリッパー21の移動方向21M(
図1参照)に係る移動速度に比べて、接線方向(本実施形態では水平方向)の速度が低速となるように回転する。本実施形態では、吸引外管32の一端部に歯車324が設けられている。一方、吸引機構4は図示しないモータに接続されており、モータの駆動力が歯車324を介して吸引外管32に伝達されることで、
図1において軸方向から見た場合、真空吸引車3の吸引外管32が反時計回りに回転する。
【0021】
図4に示すように、吸引外管32の外周部には、複数の平面部321…321が吸引外管32における周方向で間欠的に設けられている。本実施形態においては、各平面部321が20ヶ所設けられている。吸引外管32の外周部には、
図5(a)(b)に示すように、吸引外管32における周方向で平面部321と円周面部322とが交互に設けられている。平面部321と円周面部322とは、周方向で等角度間隔に設けられている。平面部321と円周面部322の各々の数量及び周方向寸法は適宜決定できる。円周面部322は、半径寸法が一定、つまり一定曲率の曲面3221を有する。
【0022】
各平面部321は、吸引外管32における径方向に直交した平面であって、二つの平面部321,321に周方向で挟まれた部分(本実施形態では円周面部322)に比べて、中心からの径方向の距離である半径寸法が小さく形成された平面3211を有する。本実施形態では、各平面部321と平面3211の形成範囲が一致しているが、後述する第2実施形態のように各平面部321(溝状の部分)と平面3211(溝状の部分における底面)の形成範囲が一致していなくてもよい。径方向に切断した断面形状にて、吸引外管32の中心を通る径方向の仮想線に対し、平面3211は直交している。つまり、前記仮想線は平面3211の法線に一致する。また、この平面3211を基準として、平面3211は周方向に均等な幅で形成されている。つまり、平面3211の幅方向中央に前記仮想線が通る。径方向に切断した断面形状にて、平面3211の吸引外管32の中心からの径方向の距離である半径寸法は、円周面部322が有する曲面3221の半径寸法、すなわち半径よりも、周方向端縁を除いて小さい。平面部321と円周面部322との境界(各部の周方向端縁)については、半径寸法が同一とされていて段差なく各部321,322が接続されている。なお、前記境界をなだらかに丸めた形状とすることもできる。
【0023】
各平面部321において平面3211は、軸方向に連続して形成されている。このように平面3211を形成することで、軸方向に連続した平面3211(一枚の平面3211)が枚葉紙Sに対して均一に当接する。すなわち、平面部321が枚葉紙Sに対して平面的に当接する。このことから、従来のような曲面(吸引外管)と平面(枚葉紙)とで当接する構成に比べると、吸引の際の各吸引孔323と枚葉紙Sの表面または印刷面との間でエアのリークが発生しにくく、両者を密着させられることから、吸引力が失われにくく、枚葉紙Sの吸引を効果的にできる。従って、枚葉紙Sを吸引により減速させやすいから、枚葉紙Sの積み重ねが乱れず、排出部2において安定した排紙を行うことができる。また、枚葉紙Sがフロントガイド23に勢いよく衝突することで、枚葉紙Sの端縁に傷や凹みが生じてしまうことを抑制できる。
【0024】
ここで、円周面部322は、吸引外管32の素材である円管の外周面を、例えば切削等により面取り加工することで平面部321を形成した際、面取り加工がされなかった部分に相当する。このように、平面部321と円周面部322とが交互に設けられた形態の吸引外管32は、円管を面取り加工等することで容易に得ることができる。このため、例えば、円管の外周面を、一般的な加工である切削加工をして平面部321を形成することができる。なお、平面部321と円周面部322とにはバフ加工が施されており、枚葉紙Sに対して引っ掛かりが生じにくくされている。
【0025】
本実施形態の各平面部321は、排出部2に搬送される枚葉紙Sの最大幅寸法よりも軸方向で長い。また、本実施形態の各平面部321は、
図2に示すように、吸引外管32の排出部2において露出した部分の全長にわたって設けられている。各平面部321は、平面3211の周方向端縁に接しないように開口した複数の吸引孔323…323を有する。これら複数の吸引孔323…323は、吸引内管31の内部空間31Sに対して連通可能である。各吸引孔323は、径方向視形状が真円であって、吸引外管32において径方向に貫通した貫通孔である。ただし、各吸引孔323の形状はこれに限定されない。さらに、本実施形態では、軸方向に並ぶ5個の吸引孔323が1組とされ、各組が軸方向に所定距離おかれて配置されているが、吸引外管32における吸引孔323の配置は特に限定されない。ただし、軸方向に並ぶ複数の吸引孔323…323の両端の距離を、排出部2に搬送される枚葉紙Sの最大幅寸法よりも小さく設定することが、使用されない吸引孔323を発生させないため望ましい。
【0026】
前述のように、排紙グリッパー21から解放されて、排出部2を慣性で移動している枚葉紙Sは、吸引外管32が有する複数の吸引孔323…323に吸引されることで、吸引外管32に吸着保持される。これにより、回転する吸引外管32の周速(詳しくは吸引外管32の接線速度)まで枚葉紙Sが減速される。本実施形態では、枚葉紙Sにおける搬送方向(枚葉紙Sの天地方向)での略中央よりも搬送方向後ろ側(上流側)で、吸引外管32が枚葉紙Sを吸着する。
【0027】
吸引孔323は、
図5(b)に示すように、径外位置で径寸法が拡大された拡大部3231を有している。そして吸引孔323(具体的には拡大部3231)の平面3211への接続部(開口縁部、稜線部)が、図示では明瞭でないが曲面3232を有していて、微細なアール形状とされている。このように、枚葉紙Sに接する部分に角がなく(尖っておらず)、アール形状とされていることから、吸引に伴い吸引外管32が枚葉紙Sに当接しても、枚葉紙Sの表面や枚葉紙S上に形成された印刷面を傷つけにくい。
【0028】
次に、第2実施形態について説明する。なお、以下の説明は、第1実施形態と異なる形態について主に説明する。第2実施形態では、
図6〜
図8に示すように、平面部321が軸方向に沿う溝状であり、平面部321が有する平面3211が径方向内側の奥まった位置に形成されている。このため、第1実施形態とは異なり、各平面3211は枚葉紙Sの表面に直接当接するのではなく、各平面部321の周方向端縁が当接する。しかしこのような場合であっても、各平面部321の周方向端縁における当接状態は平面的になるから、第1実施形態と同じく、「平面で枚葉紙Sを吸引する」という作用は奏される。
【0029】
そしてこの第2実施形態では、平面部321が溝状であることから、凹んだ平面部321を均一に負圧とできる。このため、各吸引孔323だけが負圧となる第1実施形態に比べ、枚葉紙Sを広い面積で吸引できる。また、枚葉紙Sの大きさにより、平面部321のうちで枚葉紙Sに重ならない部分があったとしても、その部分から平面部321のうち枚葉紙Sに重なっている部分に吸引に伴う気流が発生する。この気流によっても負圧が生じることから、吸引孔323による直接的な吸引力に加えて、平面部321のうち枚葉紙Sに重なっている部分と枚葉紙Sとの間に吸引力を発生させられる。
【0030】
この第2実施形態でも、従来のような曲面(吸引外管)と平面(枚葉紙)とで当接する構成に比べると、枚葉紙Sの吸引を効果的にできる。従って、枚葉紙Sを減速させやすいことにより、排出部2において安定した排紙を行うことができる。
【0031】
以上、本発明の二つの実施形態に係る真空吸引車3について説明してきたが、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0032】
例えば、円周面部322を設けずに、二つの平面部321,321間を別形態としてもよい。例えば、吸引孔323を有する平面3211(前記実施形態における平面部321)同士の間を、吸引孔323を有しない平面(前記実施形態における平面部321とは異なる部分)としてもよい。
【0033】
また例えば、吸引外管32を枚葉紙Sの搬送方向に直交する方向に延びる1本の直管として構成するのではなく、枚葉紙Sの搬送方向に直交する方向に一列に並設される複数本の直管として構成してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1…枚葉印刷機、2…排出部、3…真空吸引車、4…吸引機構、21…排紙グリッパー、21M…排紙グリッパーの移動方向、22…排紙チェーン、23…フロントガイド、24…バックガイド、31…吸引内管、31S…内部空間、32…吸引外管、311…長孔、321…平面部、322…円周面部、323…吸引孔、324…歯車、3211…平面、3221…曲面(円周面部)、3231…拡大部、3232…曲面(吸引孔)、P…パレット、S…枚葉状のシート、枚葉紙