【解決手段】自動運転により走行する車両55が、自動運転の走行経路の途中で走行ができない状態となった場合に、自動運転による走行に支障が生じたことを報知し、設定された目的地から車両が停止した停止位置まで徒歩で移動する移動経路を算出して、算出した移動経路を端末装置10の表示パネル141に表示させる。
自動運転により走行する車両が、前記自動運転の走行経路の途中で走行ができない状態となった場合に、前記自動運転による走行に支障が生じたことを報知する報知ステップと、
設定された目的地から前記車両が停止した停止位置まで徒歩で移動する移動経路を算出する算出ステップと、
算出した前記移動経路を表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする経路案内方法。
自動運転により走行する車両が、前記自動運転の走行経路の途中で走行ができない状態となったとの通知を受信した場合に、前記自動運転による走行に支障が生じたことを報知する報知部と、
設定された目的地から前記車両が停止した停止位置まで徒歩で移動する移動経路を算出する算出部と、
算出した前記移動経路を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする端末装置。
自動運転により走行する車両が、前記自動運転の走行経路の途中で走行ができない状態となったとの通知を受信した場合に、設定された目的地から前記車両が停止した停止位置まで徒歩で移動する移動経路を算出するサーバ装置と、
前記サーバ装置が算出した前記移動経路を表示する表示部と、前記自動運転による走行に支障が生じたことを報知する報知部と、を備える端末装置と、
を備えることを特徴とする経路案内システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
図1は、本発明を適用した経路案内システム1のシステム構成図である。
経路案内システム1は、端末装置10と、サーバ装置30と、車載装置50と、を備え、これらの装置が通信ネットワーク網5を介して相互にデータ通信が可能な構成である。通信ネットワーク網5は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)専用通信回線、基地局等を含む移動体通信網、ゲートウェイ等によって構築される。
【0015】
端末装置10は、車両55を所持するユーザの端末であり、例えば、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット端末、ノートパソコン等が用いられる。端末装置10は、サーバ装置30や車載装置50と協働してナビゲーション装置として機能する。例えば、端末装置10は、ユーザにより設定された目的地の情報をサーバ装置30に送信し、車両55の駐車位置から目的地までの移動経路をサーバ装置30や車載装置50に探索させる。端末装置10は、サーバ装置30や車載装置50が探索した移動経路の情報を選択して表示させる。
【0016】
ユーザが設定する目的地は、例えば、ユーザが車両55に乗車したい位置を設定することができる。例えば、大型スパーマーケットの駐車場の場合、指定された乗降場所を目的地に設定できる。また、ユーザの現在位置を目的地に設定してもよい。
【0017】
サーバ装置30には、経路案内システム1を利用するユーザのユーザ情報が登録される。ユーザ情報は、例えば、IDやパスワードである。また、サーバ装置30は、ユーザが所持する車載装置50の識別情報である車載装置IDを、該当のユーザのユーザ情報に対応づけて登録する。
【0018】
また、サーバ装置30は、端末装置10から目的地の情報を受信すると、この端末装置10を所持するユーザのユーザ情報に対応づけられた車載装置50から位置情報を取得する。車載装置50の位置情報は、車両55の駐車位置を示す。
また、サーバ装置30は、端末装置10から受信した目的地の情報を車載装置50に送信して、車両55の駐車位置から目的地まで自動運転により車両55を走行させる場合の走行経路を車載装置50に探索させる。
【0019】
さらに、サーバ装置30は、端末装置10から受信した目的地の情報と、車載装置50から取得した位置情報とに基づき、ユーザが設定した位置から車両55の駐車位置まで徒歩で移動する場合の経路を探索する。この移動経路を徒歩経路という。サーバ装置30は、探索した徒歩経路と、車載装置50が探索した走行経路とを端末装置10に送信する。以下では、徒歩経路と走行経路とを総称する場合、「移動経路」という。
【0020】
車載装置50は、車両55に搭載された装置であり、自動運転制御により車両55の走行を制御する。自動運転制御とは、ユーザにより設定された目的地まで車両55を自動で走行させる車両制御である。車載装置50は、ドライバーの運転操作を主体として車両55の走行を制御する運転支援制御を実行することも可能である。
【0021】
図2は、端末装置10の構成を示すブロック図である。
図2を参照しながら端末装置10の構成について説明する。
端末装置10は、無線通信部110、移動体通信部120、GPS(Global Positioning System)受信部130、表示部140、音声処理部151、バイブレータ157及び端末制御部160を備え、これら各部はバス15に接続される。
【0022】
無線通信部110は、無線LANアクセスポイントや無線LAN通信が可能な外部機器との間で所定の無線LAN規格(例えば、IEEE802.11a/b/g/n規格)に従った無線LAN通信を行う。
【0023】
移動体通信部120は、アンテナや無線通信回路等(いずれも図示省略)を備え、移動体通信網を介して移動体通信を行う。移動体通信網は、通信ネットワーク網5に含まれる通信網である。移動体通信部120の通信方式は、3G(第3世代移動体通信システム)であってもよいし、LTE(Long Term Evolution)であってもよいし、4G(第4世代移動体通信システム)であってもよい。LTEは、登録商標である。
【0024】
GPS受信部130は、GPS衛星から送信される所定の周波数帯の電波信号を受信し、受信した電波信号を復調して緯度や経度の情報を取得する。GPS受信部130は、取得した緯度や経度の情報を位置情報として端末制御部160に出力する。
【0025】
表示部140は、表示パネル141と、操作検出部143とを備える。
表示パネル141は、液晶パネルや有機ELディスプレイにより構成される。表示部140は、端末制御部160の制御に従って表示パネル141に画像を表示させる。
【0026】
操作検出部143は、タッチセンサ(図示省略)を備え、ユーザの指又はタッチペンが接触した表示パネル141の位置を検出し、検出した接触位置を示す座標情報を端末制御部160に出力する。座標情報は、表示パネル141の表示面に設定された座標系での位置を示す情報である。以下の説明では、表示パネル141に対するユーザの指又はタッチペンの接触操作をタッチ操作という。
【0027】
音声処理部151は、スピーカ153及びマイク155に接続され、音声信号の変復調を行う。音声処理部151は、マイク155から入力される音声信号を変調し、変調後の音声信号を端末制御部160に出力する。また、音声処理部151は、音声信号を復調し、復調後の音声信号をスピーカ153に出力する。音声処理部151は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。スピーカ153は、本発明の「報知部」の一例に対応する。
【0028】
バイブレータ157は、端末制御部160から駆動信号が入力されると振動し、端末装置10の筐体を振動させる。バイブレータ157は、偏心モータや、リニアバイブレータ、ピエゾ素子等のバイブレータとして一般的に知られた構成を用いることができる。バイブレータ157は、本発明の「報知部」の一例に対応する。
【0029】
端末制御部160は、記憶部161及びプロセッサ165を備えるコンピュータ装置である。
記憶部161は、フラッシュメモリや、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性の記憶装置である。また、記憶部161は、SDメモリカードやUSBメモリにより構成してもよい。記憶部161は、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム等の制御プログラム161aを記憶する。また、記憶部161は、設定データ161bや選択条件161cを記憶する。設定データ161bには、例えば、サーバ装置30にアクセスするためのURL等が含まれる。
【0030】
また、選択条件161cは、徒歩経路及び走行経路のいずれか一方を選択する条件である。端末制御部160は、サーバ装置30から徒歩経路及び走行経路を受信すると、選択条件に基づいて徒歩経路及び走行経路のいずれか一方を選択し、選択した経路をおすすめ経路として表示パネル141に表示させる。選択条件161cには、例えば、時間差条件、距離条件、環境条件、駐車階条件、時間帯条件等が含まれる。これらの条件の詳細については後述する。
【0031】
プロセッサ165は、CPU(Central Processing Unit)やマイコンにより構成される演算処理装置である。プロセッサ165は、記憶部161が記憶する制御プログラム161aを実行して端末装置10の各部を制御する。プロセッサ165は、単一のプロセッサにより構成してもよいし、複数のプロセッサにより構成することも可能である。また、プロセッサ165は、記憶部161の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoC(System on Chip)により構成してもよい。また、プロセッサ165は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSP(Digital Signal Processor)との組合せにより構成してもよい。さらに、プロセッサ165の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0032】
端末制御部160は、プロセッサ165が制御プログラム161aに記述された命令セットを実行してデータの演算や制御を行うことで、通信制御部165a、表示制御部165b及びアプリ実行部165cとして機能する。
【0033】
通信制御部165aは、無線通信部110や移動体通信部120を制御して通信ネットワーク網5に接続し、サーバ装置30とデータ通信を行う。
通信制御部165aは、例えば、GPS受信部130が取得した端末装置10の位置情報や、サーバ装置30にログインするためのログイン情報、ユーザにより設定された目的地の情報等をサーバ装置30に送信する。また、通信制御部165aは、例えば、徒歩経路や走行経路の情報や、各経路を移動した場合の推定所要時間の情報等をサーバ装置30から受信する。
【0034】
表示制御部165bは、表示部140を制御して表示パネル141に情報を表示させる。表示制御部165bは、例えば、通信制御部165aが受信した情報や、アプリ実行部165cから入力される情報を表示パネル141に表示させる。
【0035】
アプリ実行部165cは、制御プログラム161aに含まれるアプリケーションプログラムを実行する。アプリケーションプログラムを以下ではアプリという。本実施形態のアプリ実行部165cは、駐車した車両55を駐車場から出庫させるときに使用される出庫支援アプリを実行する。出庫支援アプリの機能について、以下に説明する。
【0036】
アプリ実行部165cは、出庫支援アプリが選択され起動すると、通信制御部165aにより無線通信を行ってサーバ装置30にアクセスする。アプリ実行部165cは、ユーザからIDやパスワードの入力を受け付け、受け付けたこれらのユーザ情報をサーバ装置30に送信してログインする。アプリ実行部165cは、サーバ装置30にログインすると、GPS受信部130が取得した位置情報をサーバ装置30に送信し、位置情報が示す位置において、環境条件に用いる天候や外気温の情報をサーバ装置30から取得する。アプリ実行部165cは、サーバ装置30から受信した天候や外気温の情報を環境条件として記憶部161に記憶させる。
【0037】
また、アプリ実行部165cは、走行経路や徒歩経路、各経路を移動する場合の推定所要時間の情報をサーバ装置30から受信すると、選択条件161cに基づいて走行経路と徒歩経路とのいずれか一方をおすすめ経路として選択する。選択条件161cには、上述したように時間差条件、距離条件、環境条件、駐車階条件及び時間帯条件が含まれる。
【0038】
時間差条件は、徒歩経路と走行経路との移動に要する時間の差の条件である。時間差条件には、例えば、10分や15分等の時間が設定される。アプリ実行部165cは、走行経路の推定所要時間から徒歩経路の推定所要時間を減算して時間差を求め、求めた時間差を、時間差条件として設定された設定時間と比較する。アプリ実行部165cは、求めた時間差が設定時間よりも大きい場合、すなわち、自動運転により車両55を駐車位置から目的地まで移動させるのに時間がかかる場合、徒歩経路をおすすめ経路として選択する。
【0039】
環境条件は、天候や外気温の条件である。アプリ実行部165cは、例えば、天候が雨天であり、サーバ装置30から受信した徒歩経路が屋外を移動する経路である場合、走行経路をおすすめ経路として選択する。
【0040】
また、外気温の条件には、上限温度及び下限温度が設定される。アプリ実行部165cは、外気温が上限温度よりも高い場合、又は外気温が下限温度よりも低い場合には、走行経路をおすすめ経路として選択する。また、アプリ実行部165cは、外気温が下限温度以上、上限温度以下の温度である場合には、徒歩経路をおすすめ経路から除外しない。
【0041】
距離条件は、徒歩による移動を許可する距離の条件である。アプリ実行部165cは、徒歩経路の移動距離と、距離条件として設定された設定距離とを比較する。アプリ実行部165cは、徒歩経路の移動距離が、設定距離よりも大きい場合、走行経路をおすすめ経路として選択する。また、アプリ実行部165cは、徒歩経路の移動距離が設定距離以下の場合、徒歩経路をおすすめ経路から除外しない。
【0042】
駐車階条件は、駐車場が立体駐車場である場合に、徒歩による移動を許可する駐車階を設定した条件である。アプリ実行部165cは、駐車場が立体駐車場である場合、車両55の駐車階と、駐車階条件に設定された駐車階又は店舗等の入口階とを比較する。アプリ実行部165cは、車両55が駐車した駐車階が、駐車場所条件の駐車階よりも上の階である場合、又は店舗等の入口階から車両55の駐車階まで移動する場合の階数が、駐車階条件に設定された階数よりも多い場合、走行経路をおすすめの経路として選択する。また、アプリ実行部165cは、車両55が駐車した駐車階が、駐車場所条件の駐車階又はそれよりも下の階である場合、徒歩経路をおすすめ経路から除外しない。同様に、アプリ実行部165cは、店舗等の入口階から車両55の駐車階まで移動する場合の階数が、駐車階条件に設定された階数以下の場合、徒歩経路をおすすめ経路から除外しない。
【0043】
時間帯条件は、出庫の時間帯の条件である。例えば、大型ショッピングモールに車両55を駐車した場合、混雑が予測される時間帯がある。混雑が予測される時間帯は、例えば、ショッピングモールのホームページ等から取得可能であれば取得する。アプリ実行部165cは、例えば、出庫の時間が、混雑が予想される時間帯である場合、徒歩経路をおすすめ経路として選択する。また、アプリ実行部165cは、混雑を避けたおすすめの出庫時間帯を知らせてもよい。さらに、アプリ実行部165cは、出庫の時間が、ショッピングモールの混雑が予測される時間帯ではない場合、走行経路をおすすめ経路から除外しない。
【0044】
また、アプリ実行部165cは、時間差条件、距離条件、環境条件、駐車階条件及び時間帯条件の5つの条件すべてに基づいて移動経路を選択する必要はなく、1又は5よりも少ない条件に基づいて移動経路を選択してもよい。例えば、混雑が予測される時間帯の情報を取得できない場合には、時間帯条件は除外してもよい。
【0045】
図3は、端末装置10の表示パネル141に表示される表示例を示す図である。
この表示例では、表示パネル141に、ユーザの現在位置或いはユーザの設定する目的地を示すアイコン71と、車両55を示すアイコン72と、アプリ実行部165cが選択したおすすめ経路とが示される。
図3には、アプリ実行部165cにより徒歩経路73が選択され、選択された徒歩経路73がおすすめ経路として表示された例を示す。また、表示パネル141には、徒歩経路73を徒歩で移動した場合の推定所要時間が表示され、走行経路に沿って車両55を自動運転により走行させる場合の推定所要時間も表示されてもよい。
【0046】
また、表示パネル141には、徒歩経路73を選択するアイコン75と、走行経路を選択するアイコン76とが表示される。ユーザは、アイコン75を選択することで、表示パネル141に表示されたおすすめ経路である徒歩経路73を選択することができる。また、ユーザは、アイコン76を選択することで、表示パネル141には選択されていない走行経路を選択することができる。
【0047】
図4は、端末装置10の表示パネル141に表示される他の表示例を示す図である。
図4には、表示パネル141に、徒歩経路73と、走行経路74との両方の移動経路を表示させた表示例を示す。端末装置10は、おすすめ経路を、選択していない移動経路とは異なる表示態様で表示させる。例えば、徒歩経路73には、おすすめ経路であることを示す「おすすめ」の文字が表示される。また、おすすめ経路が徒歩経路73である場合、徒歩経路73の表示輝度を、走行経路74の表示輝度よりも高くしたり、徒歩経路73を実線で表示し、走行経路74を破線で表示したりしてもよい。また、おすすめ経路が徒歩経路73である場合、徒歩経路73の表示を点滅させたり、徒歩経路73の表示と走行経路74の表示とで表示色を変更したりしてもよい。また、走行経路74がおすすめ経路に選択された場合も同様に、選択していない徒歩経路73とは異なる表示態様で走行経路74を表示させる。
【0048】
図5は、サーバ装置30の構成を示すブロック図である。
図5を参照しながらサーバ装置30の構成について説明する。
サーバ装置30は、通信部310、記憶部330及びサーバ制御部350を備えるコンピュータ装置である。
【0049】
通信部310は、例えばLAN等のネットワークにより通信ネットワーク網5に接続され、通信ネットワーク網5に接続された他の機器とのデータ通信を実行する。
【0050】
記憶部330は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)により構成され、ユーザ管理テーブル331、地図データ333及び環境データ335を記憶する。
【0051】
図6は、ユーザ管理テーブル331を示す図である。
ユーザ管理テーブル331には、ユーザ情報であるユーザIDやパスワードと、ユーザが所持する端末装置10を識別する端末IDと、ユーザが所持する車載装置50を識別する車載装置IDとが対応づけて登録される。
【0052】
環境データ335は、サーバ制御部350が収集した各地の天候や外気温等の情報である。また、地図データ333は、サーバ制御部350が徒歩経路を探索する場合に使用されるデータである。また、地図データ333には、施設データが含まれる。施設データには、施設内に設けられた駐車場に関する駐車場データが含まれる。また、この駐車場データには、種別デーや、アプローチ道路データ、駐車場マップデータが含まれる。種別データは、平面駐車場であるのか、若しくは立体駐車場であるのかを示すデータである。アプローチ道路データは、道路種別として施設内道路が割り当てられたリンクデータのうち、立体駐車場において各階へアプローチする際の道路のリンクデータと、そのリンクを接続するノードデータを用いて示される。
【0053】
サーバ制御部350は、CPUやマイコン等のプロセッサが制御プログラムに記述された命令セットを実行してデータの演算や制御を行うことで、通信制御部351、テーブル管理部353、認証部355、経路探索部357として機能する。プロセッサは、単一のプロセッサにより構成してもよいし、複数のプロセッサにより構成することも可能である。また、プロセッサは、記憶部330の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoCにより構成してもよい。また、プロセッサは、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSPとの組合せにより構成してもよい。さらに、プロセッサの機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0054】
通信制御部351は、通信部310を制御して通信ネットワーク網5に接続し、端末装置10や車載装置50とデータ通信を行う。
【0055】
テーブル管理部353は、ユーザ管理テーブル331にユーザ情報を登録し、また、ユーザ管理テーブル331に登録したユーザ情報の更新を行う。
【0056】
認証部355は、端末装置10からのアクセスを受け付けると、アクセスを受け付けた端末装置10にログイン情報の送信を要求し、端末装置10から受信したログイン情報を、ユーザ管理テーブル331に登録されたユーザ情報により認証する。認証部355は、ログイン情報がユーザ情報に一致する場合、該当端末装置10のログインを許可する。
【0057】
経路探索部357は、徒歩経路を探索する。経路探索部357は、端末装置10から位置情報を受信すると、ユーザ管理テーブル331を参照してユーザ情報が対応づけられた車載装置50の車載装置IDを取得する。経路探索部357は、取得した車載装置IDの車載装置50に、位置情報の送信を要求する。経路探索部357は、サーバ装置30からアップロードされた位置情報を、車載装置IDに対応づけて記憶部330に記憶させる。また、経路探索部357は、記憶部161に記憶させた車載装置50の位置情報を読み出す。
【0058】
経路探索部357は、記憶部161から車載装置50の位置情報を読み出すと、地図データ333を参照して、経路検索のための周知のプログラムに従い経路探索を行う。経路探索部357は、端末装置10から受信した位置情報が示す位置から、車載装置50の位置情報が示す位置までの徒歩による移動経路である徒歩経路を探索する。また、経路探索部357は、探索した徒歩経路を徒歩で移動する場合の推定の所要時間である推定所要時間を算出する。
【0059】
また、経路探索部357は、端末装置10から受信した端末装置10の位置情報及び目的地の位置情報を、車載装置IDの車載装置50に送信して、車載装置50に走行経路の探索を実行させる。経路探索部357は、車載装置50が探索した走行経路及び走行経路の推定所要時間を車載装置50から受信すると、経路探索部357が探索した徒歩経路及び推定所要時間と、車載装置50から受信した走行経路及び推定所要時間とを端末装置10に送信する。
【0060】
また、経路探索部357は、車両55が自動運転により走行経路を走行中に、車載装置50から自動運転による走行ができないとの通知を受信した場合、車載装置50と通信を行って、車載装置50の位置情報を取得する。例えば、車載装置50は、車両55に故障が発生した場合や、車両55の進行方向に障害物が存在し、この障害物によって車両55の進行が妨げられる場合、サーバ装置30に、自動運転による走行ができないとの通知を送信する。通知を受けた経路探索部357は、車載装置50から位置情報を取得する。また、経路探索部357は、端末装置10からも再度、位置情報を取得してもよい。そして、経路探索部357は、端末装置10の位置から車載装置50の位置まで徒歩で移動するための徒歩経路を探索する。その後、経路探索部357は、車両55が自動運転により目的地に到達できないとの通知と、探索した徒歩経路とを端末装置10に送信する。
【0061】
また、経路探索部357は、自動運転による走行ができないとの通知を車載装置50から受信した場合、車載装置50にカメラ550による撮像を実行させてもよい。車載装置50は、カメラ550により車両55の走行経路上の進行方向を撮像させて撮像データを生成し、生成した撮像データをサーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、受信した撮像データを端末装置10に送信し、端末装置10の表示パネル141に表示させる。
【0062】
また、経路探索部357は、車載装置50から位置情報を受信すると、地図データ333に含まれる種別データを参照して、駐車場が平面駐車場であるのか、立体駐車場であるのかを判定する。経路探索部357は、車両55が停車した駐車場が立体駐車場である場合、車載装置50から受信した位置と、アプローチ道路データとを比較して車両55の位置する階数を特定する。また、経路探索部357は、車両55が位置する立体駐車場の階数と、その駐車階の駐車場マップとを端末装置10に送信してもよい。従って、車両55の停車位置までの位置までの移動が容易になる。
【0063】
図7は、端末装置10の表示パネル141に表示される表示例を示す図である。
車両55が自動運転による走行ができない場合、端末装置10の表示パネル141には、車両55が設定された目的地に到達できない旨のメッセージと、設定された目的地71から車両55の停車位置までの徒歩経路78とが表示される。また、表示パネル141には、車載装置50のカメラ550により撮像された撮像画像80が表示される。ユーザは、撮像画像80を視認することで、車両55が自動運転により走行できない要因を特定することが可能となる。
図7に示す撮像画像80には、障害物としてショッピングカートの画像が表示された状態を示す。ユーザは、徒歩経路78の表示に従って徒歩で移動し、車両55の停車位置まで移動する。このとき、走行経路73の残りの経路を消去し、徒歩経路78のみの表示となってもよい。ユーザは、車両55に乗車し、障害物が回避可能な場合は、ユーザの運転操作によって車両55を出庫させる。この他、車両55を駐車させた駐車場が立体駐車場である場合、車両55を駐車させた立体駐車場の階数や、その駐車階の駐車場マップを表示パネル141に表示させてもよい。
【0064】
図8は、車載装置50の構成を示すブロック図である。
図8を参照しながら車載装置50の構成について説明する。
車載装置50は、無線通信部510、GPS受信部520、周辺検出用センサ530、車両側センサ540、カメラ550、表示部560、音声出力部571、スピーカ573及び車載制御部590を備える。また、車載装置50は、車両55の走行を制御する機能部として、操舵装置581、駆動装置583、変速装置585及びブレーキ装置587を備える。
【0065】
無線通信部510は、例えば、TCU(Telematics Control Unit)により構成され、LTEや4G等の通信規格に従って、図示しない基地局装置との無線通信を行う。
【0066】
GPS受信部520は、GPS衛星から送信される所定の周波数帯の電波信号を受信し、受信した電波信号を復調して緯度や経度の情報を取得する。GPS受信部520は、取得した緯度や経度の情報を位置情報として車載制御部590に出力する。
【0067】
周辺検出用センサ530は、電波(例えばミリ波)又は光を利用して車両55の周辺の障害物を検出する。周辺検出用センサ530に搭載されるセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)が含まれる。周辺検出用センサ530は、電波又は光を車両55の周辺に送信し、障害物で反射された電波又は光を受信することで障害物を検出する。周辺検出用センサ530は、検出した障害物情報を車載制御部590に出力する。障害物には、例えば、歩行者、自転車、ショッピングカート、他車両等の移動障害物が含まれる。
【0068】
車両側センサ540は、センサとして、車速センサ541、アクセル開度センサ543、ブレーキセンサ545及び舵角センサ547を備える。
車速センサ541は、車両55の速度である車速を検出し、検出した車速を示すセンサ信号を車載制御部590に出力する。アクセル開度センサ543は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出し、検出した踏み込み量を示すセンサ信号を車載制御部590に出力する。ブレーキセンサ545は、図示しないブレーキペダルの踏み込み量を検出し、検出した踏み込み量を示すセンサ信号を車載制御部590に出力する。舵角センサ547は、図示しないステアリングホイールの舵角を検出し、検出した舵角を示すセンサ信号を車載制御部590に出力する。
【0069】
カメラ550は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーや、イメージセンサーの受光状態から撮像データを生成するデータ処理回路を備える。カメラ550は、車両55の走行経路上の進行方向を撮像して撮像データを生成し、生成した撮像データを車載制御部590に出力する。また、カメラ550は、ステレオカメラにより構成してもよい。カメラ550をステレオカメラにより構成することで、撮像データに写った障害物までの距離を検出することできる。
【0070】
表示部560は、表示パネル561及び操作検出部563を備える。
表示パネル561は、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescent)ディスプレイ等によって構成される。表示部560は、車載制御部590の制御に従って表示パネル561に画像を表示させる。
操作検出部563は、図示しないタッチセンサを備え、ユーザの指又はタッチペンが接触した表示パネル561の位置を検出し、検出した接触位置を示す座標情報を車載制御部590に出力する。座標情報は、表示パネル351の表示面に設定された座標系での位置を示す情報である。
【0071】
音声出力部571は、図示しないD/Aコンバータ、アンプ等を備え、車載制御部590から出力される経路案内用の音声信号の形式をディジタル信号からアナログ信号に変換してアンプにより増幅する。音声出力部571により増幅された音声信号は、スピーカ573により車両55の車室内に音声出力される。
【0072】
操舵装置581は、車両55の操舵輪を操舵する装置である。駆動装置583は、車両55の駆動輪の駆動力を調整する装置である。変速装置585は、車両55の変速段を制御する装置である。ブレーキ装置587は、車両55のブレーキを制御する装置である。操舵輪、駆動輪及びブレーキの図示は省略する。
【0073】
車載制御部590は、記憶部591及びプロセッサ595を備えるコンピュータ装置である。
記憶部591は、ハードディスクや、EEPROM等の不揮発性記憶装置(すべて図示省略)を備え、データを書き換え可能に記憶する。記憶部591は、制御プログラム591aや、地図データ591bを記憶する。制御プログラム591aは、プロセッサ595が実行するプログラムである。地図データ591bは、交差点やその他の道路網上の結線点を示すノードに関する情報や、ノードとノードとの道路区間を示すリンクに関する情報、地図上の行政区画や、道路、施設、交差点等の名称に関する情報を有する。記憶部591は、この他に、車載装置50の識別情報である車載装置IDを記憶する。
【0074】
プロセッサ595は、CPUやマイコン等で構成される演算処理装置である。プロセッサ595は、制御プログラム591aを実行することにより、車載装置50の各部を制御する。プロセッサ595は、単一のプロセッサにより構成してもよいし、複数のプロセッサにより構成することも可能である。また、プロセッサ595は、記憶部591の一部又は全部や、その他の回路と統合されたSoCで構成してもよい。また、プロセッサ595は、プログラムを実行するCPUと、所定の演算処理を実行するDSPとの組合せにより構成してもよい。さらに、プロセッサ595の機能の全てをハードウェアに実装した構成としてもよく、プログラマブルデバイスを用いて構成してもよい。
【0075】
車載制御部590は、プロセッサ595が制御プログラム591aに記述された命令セットを実行してデータの演算や制御を行う。これにより車載制御部590は、通信制御部595a、位置特定部595b、経路探索部595c、周辺検出部595d、表示制御部595e及び車両制御部595fとして機能する。
【0076】
通信制御部595aは、無線通信部510を制御して通信ネットワーク網5に接続し、サーバ装置30との間でデータ通信を行う。
【0077】
位置特定部595bは、車両55の位置を特定する。位置特定部595bは、GPS受信部520から入力される緯度や経度の情報や、車速センサ541から入力される車速等の情報に基づき、車両55の位置を特定する。
【0078】
経路探索部595cは、サーバ装置30から目的地の位置情報を受信すると、地図データ591bを参照して、経路検索のための周知のプログラムに従って現在位置から目的地まで車両55を自動運転により走行させる場合の走行経路を探索する。また、経路探索部595cは、探索した走行経路に沿って車両55を走行させた場合に、目的地に到達するまでにかかる時間を推定した推定所要時間を算出する。
【0079】
周辺検出部595dは、カメラ550が生成した撮像データや、周辺検出用センサ530の検出結果に基づいて障害物を検出する。周辺検出部595dは、障害物を検出した場合、検出した障害物と、障害物の位置する方位と、障害物まで距離とを車両制御部595fに通知する。
【0080】
表示制御部595eは、表示部560を制御して表示パネル561に画像を表示させる。例えば、表示制御部595eは、記憶部591から読み出した地図データ591bに、経路探索部595cが探索した走行経路を重ねて表示パネル561に表示させる。
【0081】
車両制御部595fには、撮像データや、車速、アクセル開度、ブレーキペダルの踏み込み量、舵角、車両55の位置情報等の情報が入力される。車両制御部595fは、入力されたこれらの情報に基づいて、車両55の操舵、駆動、制動及び変速を制御し、車両55を自動で走行させる。
【0082】
例えば、車両制御部595fは、経路探索部595cが探索した走行経路に沿って車両55を走行させるための車速や、加速度、舵角の目標値を設定する。車両制御部595fは、設定した目標値となるように操舵装置581や、駆動装置583、変速装置585、ブレーキ装置587を制御する。このとき、車両制御部595fは、車速センサ541や、アクセル開度センサ543、ブレーキセンサ545及び舵角センサ547の検出結果を入力し、車両55の操舵、加速及び制動を目標値に近づけるフィードバック制御を行う。また、車両制御部595fは、周辺検出部595dの検出結果に基づき、車両55と障害物との衝突を回避させる。
【0083】
図9は、端末装置10の動作を示すフローチャートである。
図9に示すフローチャートを参照しながら端末装置10の動作について説明する。
端末制御部160は、タッチ操作によりアプリが選択されると、選択されたアプリをプロセッサ165が実行する。これにより選択されたアプリが起動する(ステップS1)。ここでは、車両55を駐車場から出庫させる出庫支援アプリが選択されたと仮定して説明する。
【0084】
次に、端末制御部160は、出庫開始の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS2)。端末制御部160は、出庫開始の操作を受け付けていない場合(ステップS2/NO)、出庫開始の操作を受け付けるまで待機する。このフローでは、出庫開始の操作を受け付けることで、端末装置10や、サーバ装置30、車載装置50が動作を開始する場合について説明するが、出庫の開始時間を登録し、登録された開始時間になると端末装置10や、サーバ装置30、車載装置50が動作を開始してもよい。
【0085】
端末制御部160は、出庫開始の操作を受け付けた場合(ステップS2/YES)、記憶部161に記憶したURLにアクセスしてサーバ装置30に接続する(ステップS3)。端末装置10が接続したサーバ装置30からは、ログイン要求が送信されてくる。端末制御部160は、サーバ装置30からログイン要求を受信すると、IDやパスワード等のログイン情報をサーバ装置30に送信する(ステップS4)。
【0086】
次に、端末制御部160は、目的地の入力を受け付ける(ステップS5)。まず、端末制御部160は、端末装置10の現在位置を目的地に設定するか否かを問い合わせる案内を表示パネル141に表示させる。端末制御部160は、現在位置を目的地に設定する操作を受け付けた場合、現在位置を目的地に設定する。
【0087】
また、端末制御部160は、現在位置を目的地に設定しないとの操作を受け付けた場合、端末装置10の現在位置が含まれる周辺地図を表示パネル141に表示し、目的地の設定を受け付ける。ユーザは、表示パネル141に表示された地図を見ながら、目的地として設定したい位置にタッチする。端末制御部160は、タッチ操作が検出された位置に対応する地図の位置を目的地に設定する。
【0088】
次に、端末制御部160は、出庫開始時刻の入力を受け付ける(ステップS6)。まず、端末制御部160は、現在時刻を出庫開始時刻に設定するか否かを問い合わせる案内を表示パネル141に表示させる。端末制御部160は、現在時刻を出庫開始時刻に設定するとの操作を受け付けた場合、現在時刻を出庫開始時刻に設定する。
【0089】
また、端末制御部160は、現在時刻を出庫開始時刻に設定しないとの操作を受け付けた場合、出庫開始時刻の入力を受け付ける。端末制御部160は、タッチ操作により受け付けた時刻を出庫開始時刻に設定する。このフローでは、現在時刻を出庫開始時刻に設定した場合について説明する。
【0090】
次に、端末制御部160は、設定した目的地の位置を示す位置情報と、端末装置10の位置を示す位置情報と、出庫の開始時刻とを含む出庫要求又は出庫予約をサーバ装置30に送信する(ステップS7)。このフローでは、現在時刻を出庫開始時刻に設定した場合について説明する。
【0091】
次に、端末制御部160は、サーバ装置30から走行経路及び徒歩経路の情報を受信したか否かを判定する(ステップS8)。サーバ装置30から送信される走行経路及び徒歩経路の各々には、これらの経路の移動にかかる所要時間が含まれる。端末制御部160は、走行経路及び徒歩経路の情報を受信していない場合(ステップS8/NO)、走行経路及び徒歩経路の情報を受信するまで待機する。
【0092】
端末制御部160は、走行経路及び徒歩経路を受信した場合(ステップS8/YES)、設定された選択条件161cに従い走行経路及び徒歩経路のいずれか一方を選択する(ステップS9)。端末制御部160は、選択した走行経路又は徒歩経路をおすすめ経路として表示パネル141に表示させる(ステップS10)。
【0093】
次に、端末制御部160は、おすすめ経路を選択する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS11)。端末制御部160は、おすすめ経路を選択する操作を受け付けた場合(ステップS11/YES)、選択されたおすすめ経路の情報をサーバ装置30に送信する(ステップS13)。また、端末制御部160は、他の移動経路を選択する操作を受け付けた場合(ステップS11/NO)、選択された他の移動経路を表示パネル141に表示させる(ステップS12)。そして、端末制御部160は、選択された移動経路の情報をサーバ装置30に送信する(ステップS13)。ここで、ステップS11で受け付けた操作が走行経路を選択する操作である場合、この走行経路を選択する操作により車両55の自動運転を開始させてもよい。
【0094】
次に、端末制御部160は、他の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS14)。例えば、ステップS13でサーバ装置30に送信した移動経路の情報が、走行経路の情報の場合、他の操作には、車両55のカメラ550に撮像を実行させる処理が含まれる。また、他の操作には、自動運転による走行を車載装置50に指示した後に、車両55の自動運転を中止させる処理等が含まれる。また、ステップS13でサーバ装置30に送信した移動経路の情報が、徒歩経路の情報であった場合、他の操作には、ステップS5で受け付けた目的地までの経路案内を終了する操作等が含まれる。
【0095】
端末制御部160は、他の操作を受け付けた場合(ステップS14/YES)、受け付けた操作に対応した情報をサーバ装置30に送信する(ステップS15)。また、端末制御部160は、他の操作を受け付けていない場合(ステップS14/NO)、サーバ装置30から情報を受信したか否かを判定する(ステップS16)。
【0096】
端末装置10がサーバ装置30から受信する情報には、例えば、車両55が自動運転による走行ができない旨を通知する情報や、車両55が走行経路の途中で停車して走行ができない場合に、車両55までの移動経路の情報等が含まれる。端末制御部160は、サーバ装置30から情報を受信した場合(ステップS16/YES)、受信した情報が、自動運転による走行ができないことを示す通知であるか否かを判定する(ステップS18)。
【0097】
端末制御部160は、受信した情報が、自動運転による走行ができないことを示す通知である場合(ステップS17/YES)、報知動作を実行する(ステップS18)。端末制御部160は、例えば、スピーカ153から予め設定された報知音を出力したり、バイブレータ157を駆動させ、端末装置10の筐体を振動させたりする。ステップS18は、本発明の「報知ステップ」及び「報知手順」に相当する。その後、端末制御部160は、サーバ装置30から車両55の停車位置までの徒歩経路を示す情報を受信し、受信した徒歩経路を表示パネル141に表示させる(ステップS19)。ステップS19は、本発明の「表示ステップ」及び「表示手順」に相当する。
【0098】
また、端末制御部160は、受信した情報が、自動運転による走行ができないことを示す通知ではない場合(ステップS17/NO)、受信した情報を表示パネル141に表示させる(ステップS20)。その後、端末制御部160は、アプリを終了させる終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS21)。また、ステップS16において、サーバ装置30から情報を受信していない場合も(ステップS16/NO)、端末制御部160は、アプリを終了させる終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS21)。端末制御部160は、終了操作を受け付けていない場合(ステップS21/NO)、ステップS14の判定に戻る。また、端末制御部160は、終了操作を受け付けた場合(ステップS21/YES)、この処理フローを終了させる。
【0099】
図10、
図11及び
図12は、サーバ装置30の動作を示すフローチャートである。
図10、
図11及び
図12に示すフローチャートを参照しながらサーバ装置30の動作について説明する。
まず、サーバ制御部350は、接続要求を受信したか否かを判定する(ステップT1)。サーバ制御部350は、接続要求を受信していない場合(ステップT1/NO)、接続要求を受信するまで待機する。また、サーバ制御部350は、接続要求を受信した場合(ステップT1/YES)、接続要求を受信した端末装置10にログイン情報の送信を要求する(ステップT2)。
【0100】
次に、サーバ制御部350は、端末装置10からログイン情報を受信したか否かを判定する(ステップT3)。サーバ制御部350は、ログイン情報を受信していない場合(ステップT3/NO)、ログイン情報を受信するまで待機する。サーバ制御部350は、ログイン情報を受信した場合(ステップT3/YES)、受信したログイン情報が、該当するユーザの登録情報に一致するか否かを判定する(ステップT4)。
【0101】
サーバ制御部350は、ログイン情報が登録情報に一致しない場合(ステップT4/NO)、一致しないと判定した回数が規定回数に達したか否かを判定する(ステップT5)。サーバ制御部350は、一致しないと判定した回数が規定回数に達した場合(ステップT5/YES)、この処理フローを終了させる。また、サーバ制御部350は、一致しないと判定した回数が規定回数に達していない場合(ステップT5/NO)、ステップT2に戻り、ログイン情報の再度の送信を要求する。
【0102】
サーバ制御部350は、ログイン情報がユーザ登録情報に一致した場合(ステップT4/YES)、接続要求を受信した端末装置10から出庫要求を受信したか否かを判定する(ステップT6)。この出庫要求には、設定した目的地の位置を示す位置情報と、端末装置10の位置を示す位置情報と、出庫の開始時刻とが含まれる。サーバ制御部350は、出庫要求を受信していない場合(ステップT6/NO)、出庫要求を受信するまで次の処理又は判定の実行を待機する。
【0103】
また、サーバ制御部350は、出庫要求を受信した場合(ステップT6/YES)、ユーザ登録情報により端末装置10に対応づけられた車載装置50に、駐車位置情報の送信を要求する(ステップT7)。そして、サーバ制御部350は、車載装置50から駐車位置情報を受信したか否かを判定する(ステップT8)。サーバ制御部350は、駐車位置情報を受信していない場合(ステップT8/NO)、駐車位置情報を受信するまで次の処理又は判定の実行を待機する。
【0104】
また、サーバ制御部350は、駐車位置情報を受信した場合(ステップT8/YES)、端末装置10から受信した目的地の情報を車載装置50に送信して、自動運転による走行経路の探索を要求する(ステップT9)。車載装置50は、サーバ装置30から受信した要求により、車両55の位置から目的地までの走行経路を探索する。
【0105】
次に、サーバ制御部350は、地図データ333を参照して、端末装置10の位置から車両55の駐車位置まで徒歩で移動する場合の徒歩経路を探索し(ステップT10)、探索した徒歩経路を徒歩で移動した場合の推定所要時間を算出する。また、サーバ制御部350は、探索を要求した走行経路及び推定所要時間の情報を車載装置50から受信したか否かを判定する(ステップT11)。サーバ制御部350は、走行経路及び推定所要時間の情報を受信していない場合(ステップT11/NO)、走行経路の情報を受信するまで次の処理又は判定の実行を待機する。
【0106】
サーバ制御部350は、走行経路の情報を車載装置50から受信すると(ステップT11/YES)、受信した走行経路及び推定所要時間の情報と、ステップT10で探索した徒歩経路及び推定所要時間の情報とを端末装置10に送信する(ステップT12)。
【0107】
次に、サーバ制御部350は、端末装置10から移動経路を選択する情報を受信したか否かを判定する(ステップT13)。サーバ制御部350は、移動経路を選択する情報を受信していない場合(ステップT13/NO)、移動経路を選択する情報を受信するまで次の処理又は判定の実行を待機する。また、サーバ制御部350は、移動経路を選択する情報を受信した場合(ステップT13/YES)、移動経路として走行経路が選択されたか否かを判定する(ステップT14)。
【0108】
サーバ制御部350は、移動経路として走行経路ではなく徒歩経路が選択された場合(ステップT14/NO)、徒歩経路を端末装置10に表示させると共に案内開始の指示を端末装置10に行い、この処理フローを終了させる。また、サーバ制御部350は、移動経路として走行経路が選択された場合(ステップT14/YES)、車載装置50に自動運転の開始を指示する(ステップT15)。
【0109】
次に、サーバ制御部350は、端末装置10から撮像要求を受信したか否かを判定する(ステップT16)。サーバ制御部350は、撮像要求を受信した場合(ステップT16/YES)、車載装置50に撮像を指示し(ステップT17)、車載装置50から撮像データを受信したか否かを判定する(ステップT18)。サーバ制御部350は、車載装置50から撮像データを受信していない場合(ステップT18/NO)、撮像データを受信するまで次の処理又は判定の実行を待機する。
【0110】
また、サーバ制御部350は、車載装置50から撮像データを受信した場合(ステップT18/YES)、受信した撮像データを端末装置10に送信する(ステップT19)。また、サーバ制御部350は、撮像要求を受信していない場合(ステップT16/NO)、又はステップT19の処理が終了すると、出庫の中止要求を受信したか否かを判定する(ステップT20)。
【0111】
サーバ制御部350は、出庫の中止要求を受信した場合(ステップT20/YES)、車両55が自動運転を開始しているか否かを問い合わせる。サーバ制御部350は、車両55が自動運転を開始していない場合(ステップT21/NO)、ステップT24の判定に移行する。また、サーバ制御部350は、車両55が自動運転を開始している場合(ステップT21/YES)、自動運転の中止を車載装置50に指示する(ステップT22)。
【0112】
その後、サーバ制御部350は、自動運転が中止されたか否かの結果を示す情報を車載装置50から受信するまで待機する(ステップT23)。サーバ制御部350は、結果を示す情報を受信していない場合(ステップT23/NO)、結果を示す情報を受信するまで待機する。また、サーバ制御部350は、結果を示す情報を受信した場合(ステップT23/YES)、受信した結果が、自動運転が中止されたことを示す情報であるか否かを判定する(ステップT24)。
【0113】
サーバ制御部350は、受信した結果が、自動運転が中止されたことを示す情報であった場合(ステップT24/YES)、自動運転が中止されたことを端末装置10に通知し(ステップT25)、この処理フローを終了する。また、サーバ制御部350は、受信した結果が、自動運転を中止できないことを示す情報であった場合(ステップT24/NO)、自動運転の中止ができないことを端末装置10に通知する(ステップT26)。その後、サーバ制御部350は、ステップT27の判定に移行する。
【0114】
また、出庫の中止要求を受信していない場合(ステップT20/NO)、又はステップT26の処理を終了すると、サーバ制御部350は、車載装置50から目的地に到達できないとの通知を受信したか否かを判定する(ステップT27)。サーバ制御部350は、目的地に到達できないとの通知を車載装置50から受信した場合(ステップT27/YES)、徒歩経路を探索する(ステップT28)。サーバ制御部350は、車載装置50から位置情報を受信し、ステップT6で端末装置10から受信した端末装置10の位置から、車載装置50の位置まで徒歩で移動する徒歩経路を探索する(ステップT28)。ステップT28は、本発明の「算出ステップ」及び「算出手順」に相当する。
【0115】
また、ステッT28において、サーバ制御部350は、車載装置50から位置情報を受信し、地図データ333に含まれる種別データを参照して、駐車場が平面駐車場であるのか、立体駐車場であるのかを判定してもよい。サーバ制御部350は、立体駐車場である場合、車載装置50から受信した位置と、アプローチ道路データとを比較して車両55の位置する階数を特定し、立体駐車場の階数と、その階数の駐車場マップとを端末装置10に送信してもよい。
【0116】
さらに、サーバ制御部350は、車両55が自動運転により目的地に到達できないことを端末装置10に通知する(ステップT29)。そして、サーバ制御部350は、ステップT28で探索した徒歩経路及びサーバ装置30から受信したカメラ550の撮像データを端末装置10に送信する(ステップT30)。ステップT30は、本発明の「取得ステップ」に相当する。
【0117】
また、サーバ制御部350は、目的地に到達できないとの通知を車載装置50から受信していない場合(ステップT27/NO)、車載装置50から位置情報を受信したか否かを判定する(ステップT31)。サーバ制御部350は、車載装置50から位置情報を受信していない場合(ステップT31/NO)、ステップT16に移行してステップT16以降の処理を再度繰り返す。また、サーバ制御部350は、車載装置50から位置情報を受信した場合(ステップT31/YES)、受信した位置情報により車両55が目的地に到達したか否かを判定する(ステップT32)。サーバ制御部350は、車両55が目的地に到達していない場合(ステップT32/NO)、ステップT16に移行してステップT16以降の処理を再度繰り返す。また、サーバ制御部350は、車両55が目的地に到達した場合(ステップT32/YES)、目的地への到着を端末装置10に通知し(ステップT33)、この処理フローを終了させる。
【0118】
図13は、車載装置50の動作を示すフローチャートである。
図13に示すフローチャートを参照しながら車載装置50の動作について説明する。
車載制御部590は、まず、駐車位置情報の送信要求をサーバ装置30から受信したか否かを判定する(ステップU1)。車載制御部590は、駐車位置情報の送信要求を受信していない場合(ステップU1/NO)、ステップU3の判定に移行する。また、車載制御部590は、駐車位置情報の送信要求を受信した場合(ステップU1/YES)、GPS受信部520から位置情報を取得し、取得した位置情報を駐車位置情報としてサーバ装置30に送信する(ステップU2)。
【0119】
次に、車載制御部590は、走行経路の探索要求を受信したか否かを判定する(ステップU3)。車載制御部590は、走行経路の探索要求を受信していない場合(ステップU3/NO)、ステップU5の判定に移行する。また、車載制御部590は、走行経路の探索要求を受信した場合(ステップU3/YES)、車両55の位置から受信した目的地まで自動運転により走行する場合の走行経路と、この走行経路を自動運転により走行する場合の推定所要時間とを探索する。車載制御部590は、探索した走行経路及び推定所要時間をサーバ装置30に送信する(ステップU4)。
【0120】
次に、車載制御部590は、探索した走行経路を走行する自動運転の開始要求をサーバ装置30から受信したか否かを判定する(ステップU5)。車載制御部590は、自動運転の開始要求をサーバ装置30から受信していない場合(ステップU5/NO)、ステッU1に戻り、駐車位置情報の送信要求をサーバ装置30から受信したか否かを判定する。また、車載制御部590は、自動運転の開始要求をサーバ装置30から受信した場合(ステップU5/YES)、自動運転を開始し、ステップU4で探索した走行経路に沿って車両55を走行させる(ステップU6)。
【0121】
次に、車載制御部590は、撮像の指示をサーバ装置30から受信したか否かを判定する(ステップU7)。車載制御部590は、撮像の指示を受信していない場合(ステップU7/NO)、ステップU10の判定に移行する。また、車載制御部590は、撮像の指示を受信した場合(ステップU7/YES)、カメラ550に撮像を実行させ(ステップU8)、カメラ550が生成した撮像データをサーバ装置30に送信する(ステップU9)。
【0122】
次に、車載制御部590は、自動運転の停止要求を受信したか否かを判定する(ステップU10)。車載制御部590は、自動運転の停止要求を受信していない場合(ステップU10/NO)、ステップU17の判定に移行する。また、車載制御部590は、自動運転の停止要求を受信した場合(ステップU10/YES)、車両55が自動運転による走行中であるか否かを判定する(ステップU11)。
【0123】
車載制御部590は、自動運転による走行中ではない場合(ステップU11/NO)、自動運転の制御を中止し、自動運転の開始を中止したことをサーバ装置30に通知する(ステップU12)。また、車載制御部590は、自動運転による走行中である場合(ステップU11/YES)、カメラ550の撮像データや地図データ591bにより車両55を退避させることができる退避場所があるか否かを判定する(ステップU13)。車載制御部590は、開いている駐車スペースや、車両55を停車可能な空きスペースを検出する。
【0124】
車載制御部590は、退避場所を検出した場合(ステップU13/YES)、検出した退避場所に車両55を退避させ、車両55を停車させる(ステップU14)。その後、車載制御部590は、自動運転の制御を中止し、自動運転を中止したことをサーバ装置30に送信して(ステップU15)、この処理フローを終了する。
【0125】
車載制御部590は、退避場所を検出できなかった場合(ステップU13/NO)、自動運転を中止できない旨をサーバ装置30に通知して(ステップU16)、自動運転を継続させる。その後、車載制御部590は、周辺検出用センサ530により車両55の進行方向に障害物が検出されたか否かを判定する(ステップU17)。車載制御部590は、障害物が検出できない場合(ステップU17/NO)、ステップU22の判定に移行する。
【0126】
また、車載制御部590は、障害物を検出した場合(ステップU17/YES)、自動運転により障害物の回避が可能か否かを判定する(ステップU18)。車載制御部590は、例えば、障害物を迂回する迂回経路を探索する。車載制御部590は、迂回経路を検出することができた場合、障害物を回避可能と判定する(ステップU18/YES)。また、車載制御部590は、迂回経路を検出することができなかった場合、障害物を回避できないと判定する(ステップU18/NO)。
【0127】
車載制御部590は、障害物を回避できない場合(ステップU18/NO)、自動運転による走行ができない旨をサーバ装置30に通知し(ステップU20)、車両55が停車した停車位置を示す位置情報をサーバ装置30に送信する(ステップU21)。また、車載制御部590は、カメラ550に撮像を実行させ、車両55の進行方向である前方を撮像させる。車載制御部590は、カメラ550が生成した撮像データをサーバ装置30に送信し(ステップU22)、この処理フローを終了する。ステップU22は、本発明の「取得ステップ」に相当する。
【0128】
また、車載制御部590は、障害物を回避できる場合(ステップU18/YES)、検出した迂回経路を自動運転による走行経路に新たに設定し(ステップU19)、自動運転による走行を継続する。その後、車載制御部590は、目的地に到達したか否かを判定する(ステップU23)。車載制御部590は、目的地に到達していない場合(ステップU23/NO)、ステップU7に移行してステップU7以降の処理を再度繰り返す。また、車載制御部590は、目的地に到達した場合(ステップU23/YES)、この処理フローを終了させる。
【0129】
以上説明したように第1実施形態は、自動運転により走行する車両55が、自動運転の走行経路の途中で走行ができない状態となった場合に、自動運転による走行に支障が生じたことを報知する。また、設定された目的地から車両が停止した停止位置まで徒歩で移動する移動経路を算出し、算出した移動経路を端末装置の表示パネル141に表示させる。
従って、車両55が走行できないことを通知し、車両の停止位置や、この停止位置までの移動経路を表示することで、ユーザを停止した車両の位置に到着させることができる。例えば、車両の走行経路上にショッピングカート等の障害物が存在する場合、ユーザがこの障害物を移動させることで、車両の走行が可能となる。また、ユーザが車両55を運転する場合、自動運転による走行と比べて、障害物の回避が容易になる。このため、例えば、走行経路上に他の車両等が停車していても、この他の車両を回避して車両55を走行させることができる。
【0130】
また、車両55に搭載されたカメラ550の撮像画像80が移動経路と共に表示される。このため、車両55の状態をユーザに認識させることができる。
【0131】
また、移動経路を算出する場合に、車両55が停止した位置が立体駐車場内である場合には、車両55が停止した立体駐車場の階数を特定し、特定した立体駐車場の階数を表示させる。このため、車両55が停止した立体駐車場の階数をユーザに認識させることができる。
【0132】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、サーバ装置30が徒歩経路を探索し、車載装置50が走行経路を探索し、これらの移動経路を端末装置10に送信する構成であった。この第2実施形態では、端末装置10において徒歩経路及び走行経路の探索を行い、端末装置10が、探索した徒歩経路と、徒歩経路の推定所要時間と、走行経路と、走行経路の推定所要時間とに基づいて徒歩経路と走行経路とのいずれか一方を選択する。
【0133】
図14は、第2実施形態の端末装置10の構成を示すブロック図である。
第2実施形態の端末装置10の記憶部161には、地図データ161dと、環境データ161eとが記憶される。また、端末制御部160のプロセッサ165は、経路探索部165dとして機能する。経路探索装置165dは、本発明の「算出部」として機能する。
【0134】
経路探索部165dは、出庫支援アプリが起動すると、車載装置50とデータ通信を行い、車載装置50から車両55の駐車位置を示す位置情報を受信する。また、経路探索部165dは、タッチ操作により目的地の設定を受け付ける。そして、経路探索部165dは、経路検索のための周知のプログラムに従い、車両55の駐車位置から目的地までの走行経路と、この走行経路を自動運転により走行する場合の推定所要時間と、を算出する。また、経路探索部165dは、GPS受信部130から端末装置10の位置情報を取得し、端末装置10の位置から車両55の駐車位置までの徒歩経路と、この徒歩経路を徒歩移動する場合の推定所要時間と、を算出する。
【0135】
さらに、経路探索部165dは、走行経路と、この徒歩経路の推定所要時間と、徒歩経路と、徒歩経路の推定所要時間とに基づき走行経路と徒歩経路とのいずれか一方を選択し、選択した移動経路を表示パネル141に表示させる。
【0136】
また、経路探索装置165dは、車両55が走行経路の途中で走行を停止したとの通知を車載装置50から受信した場合、車載装置50から車両55の位置情報を受信し、端末装置10の位置から車両55の位置まで徒歩で移動する移動経路を算出する。経路探索装置165dは、算出した移動経路を表示パネル141に表示させる。また、経路探索装置165dは、算出した移動経路と共に、車載装置50から取得したカメラ550の撮像画像80を表示させてもよい。
【0137】
また、端末装置10は、車載装置50又はサーバ装置30から、車両55が自動運転の走行経路の途中で走行ができない状態となった場合との通知を受けた場合、自動運転による走行に支障が生じたことを報知する。この報知は、スピーカ153から予め設定された報知音を出力したり、バイブレータ157を駆動させ、端末装置10の筐体を振動させたりすることで行う。
【0138】
また、経路探索装置165dは、車両55が停止した位置が立体駐車場内である場合は、車両55が停止した立体駐車場の階数を特定し、特定した立体駐車場の階数や、その階数の駐車場マップを表示パネル141に表示させる。
【0139】
上述した第1及び第2実施形態では、端末装置10が徒歩経路と走行経路とのいずれか一方を選択する場合について説明したが、端末装置10において、徒歩経路及びその推定所要時間と、走行経路及びその推定所要時間との両方を表示パネル141に表示させてもよい。ユーザは、表示パネル141に表示された徒歩経路及びその推定所要時間と、走行経路及びその推定所要時間とを確認し、いずれか一方の移動経路をタッチ操作により選択する。端末装置10は、徒歩経路が選択された場合、選択された徒歩経路に沿って経路案内を開始する。また、端末装置10は、走行経路が選択された場合、走行経路が選択された旨の通知をサーバ装置30に送信する。サーバ装置30は、端末装置10から走行経路が選択された旨の通知を受信すると、自動運転の開始要求を車載装置50に送信し、車両55を自動運転により目的地まで走行させる。
【0140】
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、ユーザが車両55から降車した後に乗車位置の設定を受け付けた場合、駐車位置から設定された乗車位置までの走行経路と、駐車位置から乗車位置までの移動に要する時間と、をサーバ装置30から端末装置10に通知し、端末装置10の表示部140に表示してもよい。また、ユーザによる操作を受け付けた場合、端末装置10の位置から乗車位置までの徒歩による徒歩経路をサーバ装置30が探索し、探索した徒歩経路と、この経路の移動に要する時間とを端末装置10に表示させてもよい。
【0141】
また、ユーザがショッピングモール等の乗降場所で車両55から降車し、車両55が自動運転により駐車場の空きスペースを検出して駐車する場合を想定する。この場合、車両55の駐車が完了したときに、車両55の駐車位置と、自動運転により走行して乗降位置に移動する場合の所要時間とを端末装置10に通知してもよい。また、渋滞が発生する時間情報や、天候の情報等を端末装置10に表示させてもよい。
【0142】
また、
図2に示す端末装置10、
図5に示すサーバ装置30、及び
図8に示す車載装置50の機能ブロックは、端末装置10、サーバ装置30及び車載装置50が備える機能を主な処理内容に応じて分類して示した概略図である。端末装置10、サーバ装置30及び車載装置50の構成は、処理内容に応じて、さらに多くのブロックに分割することもできる。また、この機能ブロックは、
図2、
図5及び
図8に示す1つのブロックによりさらに多くの処理を実行するように構成しても良い。また、各ブロックの処理は、1つのハードウェアで実行しても良いし、複数のハードウェアで実行しても良い。また、各ブロックの処理は、1つのプログラムで実現してもよいし、複数のプログラムで実現してもよい。
【0143】
また、端末装置10、サーバ装置30及び車載装置50にインストールされた制御プログラムは、例えば、通信ネットワーク網5上の他のサーバ装置からダウンロードされ、RAM上にロードされてプロセッサが実行しても良い。
【0144】
また、
図9に示すフローチャートの処理単位は、端末装置10の端末制御部160の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって本発明が制限されることはない。同様に、
図10〜
図12に示すフローチャートの処理単位は、サーバ装置30のサーバ制御部350の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって本発明が制限されることはない。同様に、
図13に示すフローチャートの処理単位は、車載装置50の車載制御部590の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって本発明が制限されることはない。
【0145】
また、端末制御部160、サーバ制御部350及び車載制御部590の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0146】
また、経路案内方法をコンピュータにより実現する場合、このコンピュータに実行させるプログラムを記録媒体、又はプログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、記録媒体には、フレキシブルディスク、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu−ray Disc、光磁気ディスクが挙げられる。Blu−rayは、登録商標である。また、記録媒体として、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体を挙げることもできる。また、上記記録媒体は、表示装置が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。