【解決手段】使用者の手で握持された状態で使用者の口部に近接させて使用されるマイクロフォン装置を、使用者が使用する際に使用されるマイクカバー装置1であって、使用者の口部とマイクロフォン装置の間の空間に配設され、開口部13が設けられたフレーム10と、フレーム10の開口部13に張設され、使用者の口部とマイクロフォン装置の接触を防止すると共に使用者から放出される唾液の飛沫を捕捉可能なエアフィルタ20と、フレーム10を一端で回動自在に支持する屈曲自在な柱体30と、柱体30の他端を支持すると共に、マイクロフォン装置を握持する手の方の腕部の前腕に装着可能なリストバンド40と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係るマイクカバー装置1について、図面を参照して説明する。
図1は、マイクカバー装置1の概略分解正面図が示されている。
図3は、マイクカバー装置を示す概略正面図である。
図4は、マイクカバー装置を使用者に装着した状態を示す斜視図である。マイクカバー装置1は、カラオケの娯楽性を減退させることなく、使用者の唾液の飛沫を捕捉することが可能な装置であって、フレーム10と、フレーム10の開口部13に張設されエアフィルタ20と、フレーム10を支持する柱体30と、柱体30を支持すると共に前腕に装着されるリストバンド40と、で主に構成されている。
【0023】
(フレーム10の説明)
図1〜4を参照して、フレーム10について説明する。
図1,3には、フレーム10の正面図が示されている。
図2には、フレーム10の断面図が示されている。
図4には、フレーム10の斜視図が示されている。フレーム10は、エアフィルタ20を使用者の口部(以下、口部と記す。)とマイクロフォン装置(以下、マイクと記す。)の間の空間に張設させるための部材である。フレーム10は、直径7センチの透明なリング状の樹脂材で形成されている。フレーム10の外周には、ボール部11が形成されている。ボール部11は後述する柱体30の一端に設けられたボール収容部33に挿入され、フレーム10を柱体30に対してボールジョイントする。
【0024】
図1〜3を参照して、開口部13について説明する。
図1,3には、開口部13の正面図が示されている。
図2には、フレーム10の断面図が示されており、フレーム10に形成された開口部13を確認することができる。開口部13は、フレーム10の中心部に、口部側からマイク側の方向に設けられた略筒状の空間である。開口部13の内周面は、
図2で示すように、口部側からマイク側に向かうにしたがって内径が小さくなるテーパー面15を有するように構成されている。この場合、開口部13の口部側の内径は6.5センチ、マイク側の内径は5.5センチとなっている。このように、開口部13の内周面に、口部側からマイク側に向かうにしたがって内径が小さくなるテーパー面15を有することによって、口部から発される音をマイク方面に集音することができる。このため、エアフィルタ20によって吸収される音を補うことができるので、カラオケの娯楽性を向上することができる。
【0025】
(エアフィルタ20の説明)
図1〜3を参照して、エアフィルタ20について説明する。
図1,3には、エアフィルタ20の正面が示されている。
図2には、エアフィルタ20の断面図が示されている。
図4には、エアフィルタ20の斜視図が示されている。エアフィルタ20は、フレーム10により口部とマイクの間の空間に張設され、口部とマイクの接触を防止すると共に口部から放出される唾液の飛沫を捕捉する。エアフィルタ20は、不織布を直径10センチの円形に切断して形成されている。エアフィルタ20は、不織布に型紙(図示せず)を張り付けることにより、ドーム状に形状されている。ドーム状に形成されたエアフィルタ20の
整理番号:TB20001 実願2020−002155 (Proof)提出日:令和2年6月5日4
外径は6センチに形成されている。そして、ドーム状に形成されたエアフィルタ20の内面には、口部側に配置されるすり鉢状面25が形成されている。このようにエアフィルタ20が、口部側からマイク側に向かうにしたがって内径が小さくなるすり鉢状面25を有することによって、使用者がエアフィルタ20に口部を近づけても、エアフィルタ20と口部が接触し難くすることができる。なお、本実施形態においては、エアフィルタ20として不織布を利用したが、空気を通過しつつ唾液の飛沫を捕捉することが可能な素材であれば何れであってもよい。
【0026】
(柱体30の説明)
図1,3,4を参照して、柱体30について説明する。
図1,3には、柱体30の正面が示されている。
図4には、使用者によって屈曲された状態の柱体30の斜視図が示されている。柱体30は、フレーム10を支持すると共に、フレーム10を使用者の所望の位置に配置するための部材である。柱体30は、柱体本体31と、係止片32で主に構成されている。柱体本体31は、屈曲自在な柱体例えば長さ10センチのフレキシブルチューブで形成されている。フレキシブルチューブは屈曲自在であり、フレーム10を支持する柱体30の一端(先端)を所望の位置に配置することができる。柱体本体31の先端には、フレーム10の外周に形成されたボール部11を連結可能なボール収容部33が形成されている。柱体本体31の他端には、係止片32が連結されている。係止片32は、前腕の湾曲に沿うように湾曲したプラスチック製の矩形板状体である。柱体30は、後述するリストバンド40に形成された孔部41に柱体本体31が挿通された状態で、リストバンド40の内周に係止片32の上面が係止することで、リストバンド40が柱体30を支持する。
【0027】
(リストバンド40の説明)
図1,3,4を参照して、リストバンド40について説明する。
図1,3には、リストバンド40の正面図が示されている。
図4には、使用者によって装着された状態のリストバンド40の斜視図が示されている。リストバンド40は、柱体30の他端を支持すると共に、使用者の前腕部に装着される部材である。リストバンド40は、本発明における装着体及び前腕装着体を構成する。リストバンド40は、伸縮性のある材料を筒状にして形成されている。リストバンド40には、柱体本体31が挿通可能な孔部41が形成されている。
【0028】
(マイクカバー装置1の組み立て作業について)
上記のように構成される各部材を下記のように連結して、マイクカバー装置1を組み立てる。
【0029】
まず、エアフィルタ20とフレーム10を連結する。
図2には、エアフィルタ20とフレーム10を連結した状態の断面図が示されている。エアフィルタ20とフレーム10の連結は、エアフィルタ20を開口部13の口部側から挿入し、開口部13のマイク側にエアフィルタ20のドーム状天井が突出した状態で、エアフィルタ20のすり鉢状面20と対抗側の面の周縁と、フレーム10の開口部13の口部側内周面とを、接着剤で接着固定することにより連結する。
【0030】
次いで、柱体30とリストバンド40を連結する。
図3には、柱体30とリストバンド40を連結した状態の正面図が示されている。
図4には、柱体30とリストバンド40を連結した状態の斜視図が示されている。柱体30とリストバンド40の連結は、リストバンド40に形成された孔部41に柱体本体31が挿通された状態で、リストバンド40の内周と、係止片32の上面とを接着剤で接着固定する。
【0031】
次いで、フレーム10と柱体30を連結する。
図3には、フレーム10と柱体30を連結した状態の正面図が示されている。
図4には、フレーム10と柱体30を連結した状態の斜視図が示されている。フレーム10と柱体30の連結は、フレーム10の外周に設けられたボール部11を、柱体30の先端に設けられたボール収容部33に収容固定することで連結する。柱体30に対してボールジョイントされたフレーム10は、ジョイント部を軸として左右前後斜め方向に回動することができる。
【0032】
以上でマイクカバー装置1の組み立て作業は終了である。
【0033】
(マイクカバー装置1の装着作業について)
上記のように組み立てたマイクカバー装置1は、下記のように装着する。
図4には、マイクカバー装置1を使用者に装着した状態を示す斜視図が示されている。
【0034】
使用者は、マイクを握持する手にリストバンド40を差し入れ、リストバンド40が前腕に達するまで挿入する。次いで、リストバンド40を回転させ、柱体30がマイクを持った際に上向きになる位置にする。
【0035】
次いで、使用者は、フレキシブルチューブにて形成される柱体30を屈曲する。使用者は、マイクを所望のベストポジションの位置で握持し、柱体30の先端がマイクの手前斜め上の位置に配置されるように柱体30をマイク方向に屈曲する。
【0036】
次いで、使用者は、柱体30に対してボールジョイントされたフレーム10を回動させる。使用者は、フレーム10をマイク方向に回動させて、エアフィルタ20がマイクを覆い被さる位置まで回動する。この場合、エアフィルタ20とマイクまでの距離は、2センチ以上5センチ以下とすることが好ましい。
このように、リストバンド40に支持された柱体30を屈曲すると共に柱体30に支持されたフレーム10を回動することにより、使用者の口部とマイクの間にフレーム10に張設されたエアフィルタ20を適切な位置に配設することができる。
【0037】
以上でマイクカバー装置1の装着作業は終了である。
【0038】
上記のように装着されたマイクカバー装置1は、リストバンド40により前腕に装着されているため、頭部に装着するものと比較して装着感が良いので、カラオケの娯楽性を減退させることはない。また、リストバンド40により前腕に装着されているため、使用者がマイクを上下左右前後に動かしても、フレーム10に張設されたエアフィルタ20がマイクの移動に追随して移動するので、口部とマイクの接触を防止すると共に唾液の飛沫を捕捉可能である。
【0039】
したがって、本発明のマイクカバー装置1によれば、使用者がマイクを上下左右前後に動かし口部とマイクの相対位置が変動しても、口部とマイクの接触を防止すると共に、マイクの移動に追随して使用者の唾液の飛沫を捕捉することができる。
【0040】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態に係るマイクカバー装置1Aについて、図面を参照して説明する。
図5は、マイクカバー装置1Aを示す概略正面図である。
図7は、マイクカバー装置1Aを使用者に装着した状態を示す斜視図である。マイクカバー装置1Aは、カラオケの娯楽性を減退させることなく、使用者の唾液の飛沫を捕捉することが可能な装置であって、フレーム10Aと、フレーム10Aの開口部13Aに張設され2枚のエアフィルタ20A,20Bと、フレーム10Aを支持する柱体30と、柱体30を支持すると共に前腕に装着されるリング50と、で主に構成されている。
【0041】
(フレーム10Aの説明)
図5〜7を参照して、フレーム10Aについて説明する。
図5には、フレーム10Aの正面図が示されている。
図6には、フレーム10Aの断面図が示されている。
図7には、フレーム10Aの斜視図が示されている。フレーム10Aは、エアフィルタ20A,20Bを口部とマイクの間の空間に張設させるための部材である。フレーム10Aは、直径7センチの透明なリング状の樹脂材で形成されている。
【0042】
図5,6を参照して、開口部13Aについて説明する。
図5には、開口部13Aの正面図が示されている。
図6には、フレーム10Aの断面図が示されており、フレーム10Aに形成された開口部13Aを確認することができる。開口部13Aは、フレーム10Aの中心部に、口部側からマイク側の方向に設けられた筒状の空間である。この場合、開口部13Aの内径は6センチとなっている。
【0043】
(エアフィルタ20Aの説明)
図5,6を参照して、エアフィルタ20Aについて説明する。
図5には、エアフィルタ20Aの正面が示されている。
図6には、エアフィルタ20Aの断面図が示されている。
図6には、エアフィルタ20Aの斜視図が示されている。エアフィルタ20Aは、フレーム10Aにより口部とマイクの間の空間に張設され、口部とマイクの接触を防止すると共に使用者から放出される唾液の飛沫を捕捉する。エアフィルタ20Aは、1インチあたり40メッシュとなるアルミ製網を直径6.5センチの円形に切断して形成されている。なお、本実施形態においては、エアフィルタ20Aとしてアルミ製網を利用したが、空気を通過しつつ唾液の飛沫を捕捉することが可能な素材であれば何れであってもよい。
【0044】
(エアフィルタ20Bの説明)
図6を参照して、エアフィルタ20Bについて説明する。
図6には、エアフィルタ20Bの断面図が示されている。エアフィルタ20Bは、フレーム10Aにより口部とマイクの間の空間に張設され、口部とマイクの接触を防止すると共に使用者から放出される唾液の飛沫を捕捉する。エアフィルタ20Bは、不織布を直径6.5センチの円形に切断して形成されている。なお、本実施形態においては、エアフィルタ20Bとして不織布を利用したが、空気を通過しつつ唾液の飛沫を捕捉することが可能な素材であれば何れであってもよい。
【0045】
(リング50の説明)
図5,7を参照して、リング50について説明する。
図5には、リング50の正面図が示されている。
図7には、使用者によって装着された状態のリング50の斜視図が示されている。リング50は、柱体30の他端を支持すると共に、使用者の手指(親指)に装着するための部材である。リング50は、本発明における装着体及び手指装着体を構成する。リング50は、樹脂を筒状にして形成されている。リング50には、柱体本体31が固定可能な連結部(図示せず。)が形成されている。
【0046】
その他の部材は、上述した第1実施形態と同じなので同一符号を記して説明を省略する。
【0047】
(マイクカバー装置1Aの組み立て作業について)
上記のように構成される各部材を下記のように連結して、マイクカバー装置1Aを組み立てる。
【0048】
まず、エアフィルタ20Aとフレーム10Aを連結する。
図6には、エアフィルタ20Aとフレーム10Aを連結した状態の断面図が示されている。エアフィルタ20Aとフレーム10Aの連結は、エアフィルタ20Aの周縁と、フレーム10Aの口側の開口部13A周縁とを、接着剤で接着固定することにより連結する。
【0049】
次いで、エアフィルタ20Bとフレーム10Aを連結する。
図6には、エアフィルタ20Bとフレーム10Bを連結した状態の断面図が示されている。エアフィルタ20Bとフレーム10Aの連結は、エアフィルタ20Bの周縁と、フレーム10Aのマイク側の開口部13A周縁とを、接着剤で接着固定することにより連結する。
【0050】
このように、エアフィルタ20A,20Bをフレーム10Aの開口部13Aに対し二重に張設して、口側に張設されるエアフィルタ20Aを破れ難い素材で形成することにより、強度を増すことができる。
【0051】
次いで、柱体30とリング50を連結する。
図5には、柱体30とリング50を連結した状態の正面図が示されている。
図7には、柱体30とリング50を連結した状態の斜視図が示されている。柱体30とリング50の連結は、リング50に形成された連結部に柱体本体31の下端(他端)を接着剤で接着固定する。
【0052】
次いで、フレーム10Aと柱体30を連結する。フレーム10Aと柱体30の連結は、第1実施形態と同様にすることができる。
【0053】
以上でマイクカバー装置1Aの組み立て作業は終了である。
【0054】
(マイクカバー装置1Aの装着作業について)
上記のように組み立てたマイクカバー装置1Aは、下記のように装着する。
図7には、マイクカバー装置1Aを使用者に装着した状態を示す斜視図が示されている。
【0055】
使用者は、マイクを握る握持する手指の親指にリング50を挿入する。次いで、リング50を回転させ、柱体30がマイクを持った際に上向きになる位置にする。
【0056】
次いで、使用者は、フレキシブルチューブにて形成される柱体30を屈曲する。使用者は、マイクを所望のベストポジションの位置で握持し、柱体30の先端がマイクの手前斜め上の位置に配置されるように柱体30をマイク方向に屈曲する。
【0057】
次いで、使用者は、柱体30に対してボールジョイントされたフレーム10Aを回動させる。使用者は、フレーム10Aをマイク方向に回動させて、エアフィルタ20A,20Bがマイクを覆い被さる位置まで回動する。この場合、エアフィルタ20Bとマイクまでの距離は、2センチ以上5センチ以下とすることが好ましい。このように、リング50に支持された柱体30を屈曲すると共に柱体30に支持されたフレーム10Aを回動することにより、使用者の口部とマイクの間にフレーム10Aに張設されたエアフィルタ20A,20Bを適切な位置に配設することができる。
【0058】
以上でマイクカバー装置1Aの装着作業は終了である。
【0059】
上記のように装着されたマイクカバー装置1Aは、リング50により手指に装着されているため、頭部に装着するものと比較して装着感が良いので、カラオケの娯楽性を減退させることはない。また、リング50により手指に装着されているため、使用者がマイクを上下左右前後に動かしても、フレーム10Aに張設されたエアフィルタ20A,20Bがマイクの移動に追随して移動するので、使用者の口部とマイクの接触を防止すると共に唾液の飛沫を捕捉可能である。
【0060】
したがって、本発明のマイクカバー装置1Aによれば、カラオケの娯楽性を減退させることなく、使用者がマイクを上下左右前後に動かし口部とマイクの相対位置が変動しても、口部とマイクの接触を防止すると共に、マイクの移動に追随して使用者の唾液の飛沫を捕捉することができる。
【0061】
本発明は上記の実施形態及び実施例の例示に限定されるものでなく、特許請求の範囲の技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。