【解決手段】同心円状に配置される内側環状部31及び外側環状部32と、内側環状部31と外側環状部32とを連結し、タイヤ周方向に並列される複数の連結部33と、を有する非空気圧タイヤ3に対して、非空気圧タイヤ用保護具4は、タイヤ幅方向視において、少なくとも連結部33同士間の隙間の位置に配置される。
同心円状に配置され、内側環状部及び前記内側環状部の径方向外側に配置される外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部との間に延びる連結部と、前記外側環状部の外側に地面と接するトレッド部と、を有し、
前記連結部のタイヤ幅方向外側の少なくとも一方に配置される円環状のカバー部を備え、
前記カバー部が前記内側環状部及び前記外側環状部のタイヤ幅方向外側に配置されている非空気圧タイヤ。
同心円状に配置され、内側環状部及び前記内側環状部の径方向外側に配置される外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部との間に延びる連結部と、前記外側環状部の外側に地面と接するトレッド部と、を有し、
前記連結部のタイヤ幅方向外側の少なくとも一方に配置される円環状のカバー部を備え、
前記カバー部と前記内側環状部又は前記外側環状部との間には隙間が形成されている非空気圧タイヤ。
同心円状に配置され、内側環状部及び前記内側環状部の径方向外側に配置される外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部との間に延びる連結部と、前記外側環状部の外側に地面と接するトレッド部と、を有し、
前記連結部のタイヤ幅方向外側に配置される一対の円環状のカバー部を備え、
前記内側環状部、前記外側環状部及び前記一対のカバー部が密閉空間を形成している非空気圧タイヤ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、非空気圧タイヤ用保護具及び車輪における一実施形態について、
図1〜
図7を参照しながら説明する。なお、各図(
図8〜
図16も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0013】
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る車輪1は、車軸X1と一体となって回転するハブX2に、固定手段X3によって固定されている。これにより、車輪1は、車軸X1と一体となって回転する。
【0014】
車輪1は、固定手段X3によってハブX2に固定されるホイール2と、ホイール2に装着される非空気圧タイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)3と、タイヤ3を保護するための保護具4,4とを備えている。保護具4の構成は、特に限定されないが、本実施形態においては、保護具4,4は、ホイール2及びタイヤ3のそれぞれと分離可能である、という構成を採用している。
【0015】
なお、
図1及び
図2(
図3〜
図5及び
図8〜
図16も同様)は、タイヤ3が弾性変形していない状態(復元した状態)を図示している。また、以下、特に記載がない場合においては、大きさ(寸法)及び形状等の説明は、タイヤ3が弾性変形していない状態(復元した状態)を説明している。
【0016】
各図において、第1の方向D1は、タイヤ3の回転中心である軸心3aと平行であるタイヤ幅方向D1であり、第2の方向D2は、タイヤ3の直径方向であるタイヤ径方向D2であり、第3の方向D3は、軸心3a周りの方向であるタイヤ周方向D3である。また、タイヤ赤道面は、軸心3aに直交する面で且つタイヤ3のタイヤ幅方向D1の中心に位置する面であり、タイヤ子午面は、軸心3aを含む面であって、タイヤ赤道面と直交する面である。
【0017】
ホイール2は、固定手段X3によってハブX2に固定されるホイール本体21を備えており、保護具4は、固定手段X3によってハブX2に固定される本体部41を備えている。なお、固定手段X3の構成は、特に限定されないが、本実施形態においては、固定手段X3は、ハブX2から突出する雄ネジ部材X3aと、雄ネジ部材X3aと螺合する雌ネジ部材X3bとを備えている、という構成を採用している。
【0018】
それに対して、ホイール本体21及び本体部41は、車軸X1に挿入される軸孔21a,41aと、雄ネジ部材X3aに挿入される部材孔21b,41bとを備えている。そして、ホイール2及び保護具4,4は、ハブX2と雌ネジ部材X3bとに挟み込まれることによって、ハブX2に固定されている。
【0019】
ホイール2は、外周部を構成する環状のリム22を備えている。ホイール本体21は、平板状に形成されており、リム22は、円筒状に形成されている。そして、ホイール本体21の外周部は、リム22の内周部に連結されている。また、リム22は、タイヤ3をタイヤ幅方向D1で止めるためのフランジ22a,22aを備えている。
【0020】
なお、ホイール2の構成は、特に限定されないが、本実施形態においては、ホイール2は、タイヤ幅方向D1で分割可能な第1ホイール部材2a及び第2ホイール部材2bを備えている、という構成を採用している。また、第1ホイール部材2a及び第2ホイール部材2bは、固定手段X3によって、互いに固定されている、という構成でもよい。
【0021】
また、ホイール2の材質は、特に限定されないが、ホイール2は、車両を支持可能な構成であればよい。ホイール2は、例えば、アルミ、ステンレス鋼等の金属で形成されている、という構成でもよく、また、例えば、硬質樹脂等の樹脂で形成されている、という構成でもよい。
【0022】
図2〜
図5に示すように、タイヤ3は、車両からの荷重を支持する支持構造体3bを備えている。支持構造体3bは、同心円状に配置される内側環状部31及び外側環状部32と、内側環状部31と外側環状部32とを連結する複数の連結部33とを備えている。なお、外側環状部32は、内側環状部31の外側に配置され、内部に内側環状部31を収容しており、連結部33は、内側環状部31と外側環状部32との間に配置されている。
【0023】
また、タイヤ3は、支持構造体3bを補強するために、支持構造体3bの外側に配置される補強層3cと、補強層3cの外側に配置され、地面と接するトレッド部3dとを備えている。また、図示していないが、タイヤ3は、支持構造体3bの内側に、リム22との適合用部材等を備えていてもよい。
【0024】
支持構造体3bの材質は、特に限定されないが、例えば、支持構造体3bは、弾性材料で形成されている。また、例えば、支持構造体3bの母材として、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性エラストマー、天然ゴム等の架橋ゴム、又はその他の樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂)が採用されてもよい。また、例えば、斯かる母材の内部に、繊維又は金属コード等の補強材が埋設されていてもよい。
【0025】
補強層3cは、例えば、スチールコードやCFRP、GFRP等の繊維強化プラスチック製のコードをタイヤ幅方向D1に対して略平行に配列したものや、円筒状の金属製リングや高モジュラス樹脂製リング等で構成されている。また、トレッド部3dは、例えば、従来の空気入りタイヤと同様にゴムや、樹脂等で構成され、従来の空気入りタイヤと同様に、外周面にパターン(溝)を備えていてもよい。
【0026】
内側環状部31は、ユニフォミティを向上させる観点から、例えば、厚みが一定(同じだけでなく、例えば製造誤差等の誤差を有する略同じも含む)の円筒形状であることが好ましい。なお、内側環状部31の厚み(タイヤ径方向D2の寸法)は、特に限定されないが、例えば、連結部33に力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点で、適宜設定される。
【0027】
内側環状部31の内径は、特に限定されないが、例えば、タイヤ3を装着するリム22や車軸X1の寸法等に併せて適宜設定される。また、内側環状部31の幅(タイヤ幅方向D1の寸法)は、特に限定されないが、例えば、用途、車軸X1の長さ等に応じて適宜設定される。
【0028】
外側環状部32は、ユニフォミティを向上させる観点から、例えば、厚みが一定(同じ及び略同じを含む)の円筒形状であることが好ましい。なお、外側環状部32の厚み(タイヤ径方向D2の寸法)は、特に限定されないが、例えば、連結部33からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点で、適宜設定される。
【0029】
外側環状部32の内径は、特に限定されないが、例えば、その用途等に応じて適宜設定される。また、外側環状部32の幅(タイヤ幅方向D1の寸法)は、特に限定されないが、例えば、用途等に応じて適宜設定される。なお、外側環状部32の幅は、内側環状部31の幅と同じであることが好ましい。
【0030】
連結部33は、板状に形成されている。そして、連結部33は、タイヤ周方向D3を向くように配置されている。なお、連結部33の構成は、特に限定されないが、本実施形態においては、複数の連結部33,33は、複数の第1連結部33aと複数の第2連結部33bとを備えている、という構成を採用している。
【0031】
第1連結部33aは、内側環状部31のタイヤ幅方向D1の一方側(
図2及び
図3においては、右側)から外側環状部32のタイヤ幅方向D1の他方側(
図2及び
図3においては、左側)へ向かって延びている。また、第2連結部33bは、内側環状部31のタイヤ幅方向D1の他方側からタイヤ幅方向D1の一方側へ向かって延びている。
【0032】
このように、第1連結部33aと第2連結部33bとは、タイヤ周方向D3視において、反対方向に傾斜するようにして、延びている。そして、第1連結部33aと第2連結部33bとは、タイヤ周方向D3視において、交差している。これにより、タイヤ周方向D3視において、第1連結部33aと第2連結部33bとの間に、閉空間が形成されている。その結果、弾性を高めることができるため、乗り心地性能を向上させることができる。
【0033】
そして、第1連結部33aと第2連結部33bとは、タイヤ周方向D3に交互に並列されている。これにより、走行時の接地圧分散をより小さくすることができる。なお、第1連結部33a及び第2連結部33bの形状の関係は、特に限定されないが、本実施形態においては、第1連結部33aと第2連結部33bとは、タイヤ周方向D3視において、タイヤ赤道面に対して対称な形状である、という構成を採用している。
【0034】
連結部33の幅は、特に限定されないが、例えば、内側環状部31及び外側環状部32からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点で適宜設定される。なお、連結部33の幅は、例えば、タイヤ径方向D2のそれぞれの端部へ行くにつれて、大きい、という構成(
図2及び
図3参照)でもよく、また、例えば、タイヤ径方向D2に沿って漸増する、という構成でもよく、また、例えば、タイヤ径方向D2に亘って一定(同じ及び略同じを含む)である、という構成でもよい。
【0035】
連結部33の厚み(タイヤ幅方向D1視の幅寸法)は、特に限定されないが、例えば、内側環状部31及び外側環状部32からの力を十分伝達しつつ、軽量化や耐久性の向上を図る観点で、適宜設定される。なお、連結部33の厚みは、例えば、タイヤ径方向D2に沿って漸増する、という構成(
図4参照)でもよく、また、例えば、タイヤ径方向D2に亘って一定(同じ及び略同じを含む)である、という構成でもよく、また、例えば、タイヤ径方向D2のそれぞれの端部へ行くにつれて、大きい、という構成でもよい。
【0036】
連結部33の幅と厚みとの関係(大小関係、比率)は、特に限定されないが、耐久性を向上させつつ接地圧分散を小さくする観点で、適宜設定される。例えば、連結部33の幅の平均は、連結部33の厚みの平均よりも、大きいことが好ましい。また、例えば、連結部33の幅のうち、最も狭い幅は、連結部33の厚みのうち、最も厚い厚みよりも、大きくなっていてもよい。
【0037】
なお、複数の連結部33は、タイヤ周方向D3に並列されている。これにより、複数の連結部33,33同士間に、隙間3eが形成されている。例えば、隙間3eの大きさ(ピッチ長)は、ユニフォミティを向上させる観点から、一定(同じ及び略同じを含む)とすることが好ましい。なお、隙間3eの大きさ及び連結部33の数は、特に限定されないが、例えば、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化、ノイズの低減、動力伝達の向上、耐久性の向上を図る観点で、適宜設定される。
【0038】
このように、タイヤ3においては、連結部33,33同士間に、隙間3eが存在しているため、例えば石等の異物が隙間3eに侵入する可能性がある。そして、例えば、連結部33が異物を噛み込むことによって、連結部33を損傷させる可能性もある。また、タイヤ3が回転することによって、連結部33が大気を剪断する。これにより、タイヤ3から空力騒音(空気の流れに起因する音)が発生する。
【0039】
そこで、
図1〜
図3に示すように、保護具4は、タイヤ幅方向D1視でタイヤ3を覆うカバー部42を備えている。カバー部42は、タイヤ3よりも、タイヤ幅方向D1の外側に配置されている。そして、一対のカバー部42は、タイヤ3を、タイヤ幅方向D1で挟むように配置されている。
【0040】
これにより、カバー部42は、タイヤ幅方向D1視において、連結部33,33同士間の隙間3e(
図1においては、一つのみ図示している)の位置に配置されている。具体的には、カバー部42は、連結部33,33同士間の隙間3e及び複数の連結部33を、タイヤ幅方向D1視で覆っている。
【0041】
したがって、カバー部42の外側から連結部33,33同士間の隙間3eに異物が侵入することを抑制することができる。しかも、カバー部42の内側で発生した音がカバー部42の外側へ伝わることを抑制することもできる。
【0042】
また、本体部41は、カバー部42を構成するカバー構成部41cと、カバー構成部41cよりもタイヤ径方向D2の内側に配置され、ハブX2に固定される被固定部41dとを備えている。そして、保護具4は、外部へ音が伝わることを防止する防音部43を備えている。防音部43は、カバー部42よりもタイヤ幅方向D1の内側に配置されている。具体的には、防音部43は、本体部41のカバー構成部41cの内面部に固定されている。
【0043】
また、防音部43の防音機能は、カバー部42の防音機能よりも、優れている。なお、防音部43の構成は、特に限定されないが、本実施形態においては、防音部43は、音を吸収する吸音材であって、孔を有する多孔質材料(例えば、スポンジ、グラスウール等)で形成されている、という構成を採用している。
【0044】
ところで、本体部41は、剛性を有している。これにより、カバー部42は、車両を支持可能となっている。なお、本体部41の材質は、カバー部42が車両を支持可能となるようであれば、特に限定されない。例えば、本体部41は、アルミ、ステンレス鋼等の金属で形成されている、という構成でもよく、また、例えば、硬質樹脂等の樹脂で形成されている、という構成でもよい。
【0045】
一方で、カバー部42は、外周部に、本体部41よりも弾性を有する弾性部44を備えている。なお、弾性部44の材質は、本体部41よりも弾性を有していれば、特に限定されない。例えば、弾性部44は、ゴムで形成されている、という構成でもよく、また、例えば、合成樹脂で形成されている、という構成でもよい。そして、カバー部42の外周縁、即ち、弾性部44の外周縁は、タイヤ幅方向D1視において、円形である。
【0046】
カバー部42の大きさは、特に限定されないが、本実施形態においては、カバー部42は、タイヤ幅方向D1視において、連結部33及び隙間3eの全体を覆っている、という構成を採用している。即ち、カバー部42(弾性部44)の外径は、外側環状部32の内径よりも、大きい、という構成を採用している。なお、本実施形態においては、カバー部42(弾性部44)の外径は、外側環状部32の外径よりも、小さい、という構成を採用している。
【0047】
また、本体部41の大きさは、特に限定されないが、本実施形態においては、本体部41の外径は、外側環状部32の内径よりも小さい、という構成を採用している。なお、
図3において、破線は、カバー部42(弾性部44)の外径及び本体部41の外径の位置をそれぞれ示している。
【0048】
そして、カバー部42の外径が適切な大きさに設定されているため、
図6に示すように、タイヤ3が正常である場合には、タイヤ3のトレッド部3dのみが接地しており、カバー部42は、接地しない。一方、
図7に示すように、例えば、連結部33が損傷・破損することによって、タイヤ3が異常である場合には、カバー部42は、接地する。即ち、カバー部42の外径は、タイヤ3が正常である場合には接地しない一方で、タイヤ3が異常である場合には接地するような、大きさに設定されている。
【0049】
そして、本体部41が剛性を有しているため、タイヤ3が異常である場合に、カバー部42は、車両を支持することができる。しかも、カバー部42の外周縁が、円形であるため、カバー部42を非常用タイヤ(スペアタイヤ)として機能させることができる。さらに、弾性部44が、カバー部42の外周部に配置されているため、非常用タイヤとしてのカバー部42の性能(例えば、操縦安定性能、乗り心地性能等)を向上させることができる。
【0050】
以上より、本実施形態に係る車輪1は、同心円状に配置される内側環状部31及び外側環状部32と、前記内側環状部31と前記外側環状部32とを連結し、タイヤ周方向D3に並列される複数の連結部33と、前記保護具4と、を備える。
【0051】
そして、本実施形態に係る非空気圧タイヤ用保護具4は、同心円状に配置される内側環状部31及び外側環状部32と、前記内側環状部31と前記外側環状部32とを連結し、タイヤ周方向D3に並列される複数の連結部33と、を有する非空気圧タイヤ3に対して、タイヤ幅方向D1視において、少なくとも前記連結部33,33同士間の隙間3eの位置に配置される。
【0052】
斯かる構成によれば、保護具4は、タイヤ幅方向D1視において、少なくとも連結部33,33同士間の隙間3eの位置に配置されている。これにより、連結部33,33同士間の隙間3eに異物が侵入することを抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る非空気圧タイヤ用保護具4は、前記複数の連結部33よりもタイヤ幅方向D1の外側に配置され、前記連結部33,33同士間の隙間3e及び前記複数の連結部33をタイヤ幅方向D1視で覆うカバー部42を備える、という構成である。
【0054】
斯かる構成によれば、カバー部42は、複数の連結部33よりも、タイヤ幅方向D1の外側に配置されている。そして、カバー部42は、連結部33,33同士間の隙間3e及び複数の連結部33を、タイヤ幅方向D1視で覆っている。これにより、カバー部42の外側から連結部33,33同士間の隙間3eに異物が侵入することを抑制することができるだけでなく、カバー部42の内側で発生した音がカバー部42の外側へ伝わることも抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る非空気圧タイヤ用保護具4は、前記カバー部42の少なくとも一部を構成し、前記カバー部42が車両を支持可能となるように剛性を有する本体部41を備え、前記カバー部42の外周縁は、円形である、という構成である。
【0056】
斯かる構成によれば、カバー部42の少なくとも一部を構成する本体部41が、剛性を有しているため、カバー部42は、車両を支持することができる。そして、カバー部42の外周縁が、円形であるため、カバー部42を非常用タイヤ(スペアタイヤ)として機能させることができる。
【0057】
また、本実施形態に係る非空気圧タイヤ用保護具4においては、前記カバー部42は、外周部に、前記本体部41よりも弾性を有する弾性部44を備える、という構成である。
【0058】
斯かる構成によれば、弾性部44は、カバー部42の外周部に配置され、本体部41よりも弾性を有している。これにより、非常用タイヤとしてのカバー部42の性能を向上させることができる。
【0059】
また、本実施形態に係る非空気圧タイヤ用保護具4は、外部へ音が伝わることを防止する防音部43を備える、という構成である。
【0060】
斯かる構成によれば、防音部43は、タイヤ3で発生した音が外部へ伝わることを防止する。これにより、タイヤ3の外部へ伝わる音が大きくなることを抑制することができる。
【0061】
なお、車輪1及び保護具4は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、車輪1及び保護具4は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0062】
(1)上記実施形態に係る車輪1においては、連結部33は、内側環状部31のタイヤ幅方向D1の一方側(又は他方側)から外側環状部32のタイヤ幅方向D1の他方側(又は一方側)へ向かって延びている、という構成である。しかしながら、車輪1は、斯かる構成に限られない。
【0063】
例えば、
図8に示すように、連結部33は、内側環状部31のタイヤ幅方向D1の全域から外側環状部32のタイヤ幅方向D1の全域へ向かって延びている、という構成でもよい。即ち、連結部33は、内側環状部31と外側環状部32とを連結する、という構成であれば、特に限定されない。
【0064】
(2)また、上記実施形態に係る保護具4は、ハブX2(車軸X1)に固定されている、という構成である。しかしながら、保護具4は、斯かる構成に限られない。例えば、
図9及び
図10に示すように、保護具4は、タイヤ3に固定されている、という構成でもよい。また、例えば、
図11及び
図12に示すように、保護具4は、ホイール2に固定されている、という構成でもよい。
【0065】
(3)また、上記実施形態に係る保護具4においては、カバー部42の一部は、剛性を有する本体部41で構成されている、という構成である。しかしながら、保護具4は、斯かる構成に限られない。具体的には、保護具4は、非常用タイヤ(スペアタイヤ)としての機能を備えていない、という構成でもよい。
【0066】
例えば、
図9に示すように、カバー部42の全体は、変形可能に構成されている、という構成でもよい。なお、
図9に係るカバー部42の構成は、特に限定されないが、例えば、カバー部42は、可撓性、柔軟性及び弾性の少なくとも一つを有して、形成されている、という構成でもよい。また、
図9に係るカバー部42の材質は、特に限定されないが、例えば、カバー部42は、ゴムで形成されている、という構成でもよい。
【0067】
図9に係るカバー部42は、タイヤ幅方向D1視において、円環状に形成されている。そして、カバー部42の内周部は、内側環状部31に固定されており、カバー部42の外周部は、外側環状部32に固定されている。これにより、カバー部42は、タイヤ幅方向D1視において、連結部33及び隙間3e(
図9においては、図示していない)の全体を覆っている。そして、例えば、内側環状部31、外側環状部32及び一対のカバー部42,42は、密閉空間を形成している、という構成でもよい。
【0068】
(4)また、上記実施形態に係る保護具4においては、カバー部42は、外周部に、本体部41よりも弾性を有する弾性部44を備える、という構成である。しかしながら、保護具4は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、保護具4は、非常用タイヤ(スペアタイヤ)としての機能を備えつつ、カバー部42は、本体部41のみで構成され、弾性部44を備えていない、という構成でもよい。
【0069】
(5)また、上記実施形態に係る保護具4は、ハブX2(車軸X1)、ホイール2及びタイヤ3のそれぞれと分離可能である、という構成である。しかしながら、保護具4は、斯かる構成に限られない。例えば、
図10に示すように、保護具4は、タイヤ3と分離不能となるように、タイヤ3と一体に形成されている、という構成でもよい。また、例えば、
図11に示すように、保護具4は、ホイール2と分離不能となるように、ホイール2と一体に形成されている、という構成でもよい。
【0070】
(5−1)
図10に係る保護具4のカバー部42は、タイヤ3の内側環状部31からタイヤ径方向D2の外方へ向けて突出している。具体的には、カバー部42は、内側環状部31のタイヤ幅方向D1のそれぞれの端部から、タイヤ径方向D2の外方へ向けて突出している。そして、カバー部42は、連結部33よりもタイヤ幅方向D1の外側に配置され、連結部33及び隙間3e(
図10においては図示していない)をタイヤ幅方向D1視で覆っている。
【0071】
また、保護具4は、カバー部42の一部を構成し且つカバー部42が車両を支持可能となるように剛性を有する本体部41を備えており、カバー部42は、外周部に、本体部41よりも弾性を有する弾性部44を備えている。そして、カバー部42の外周縁が、円形であるため、カバー部42を非常用タイヤ(スペアタイヤ)として機能させることができる。
【0072】
(5−2)また、
図11に係る保護具4のカバー部42は、ホイール2のリム22からタイヤ径方向D2の外方へ向けて突出している。具体的には、カバー部42は、リム22のタイヤ幅方向D1のそれぞれの端部から、タイヤ径方向D2の外方へ向けて突出している。そして、カバー部42は、連結部33よりもタイヤ幅方向D1の外側に配置され、連結部33及び隙間3e(
図11においては図示していない)をタイヤ幅方向D1視で覆っている。
【0073】
また、保護具4は、カバー部42の一部を構成し且つカバー部42が車両を支持可能となるように剛性を有する本体部41を備えており、カバー部42は、外周部に、本体部41よりも弾性を有する弾性部44を備えている。そして、カバー部42の外周縁が、円形であるため、カバー部42を非常用タイヤ(スペアタイヤ)として機能させることができる。
【0074】
(6)また、上記実施形態に係る車輪1においては、保護具4は、別体の固定手段X3によって、ハブX2に固定されている、という構成である。しかしながら、車輪1は、斯かる構成に限られない。例えば、保護具4は、固定される対象(例えば、ハブX2、ホイール2、タイヤ3)に固定されるために、当該対象と係合する係合部を備えている、という構成でもよい。
【0075】
例えば、
図12に示すように、保護具4がホイール2に固定されるために、ホイール2及び保護具4は、互いに係合する係合部23,45をそれぞれ備えている、という構成でもよい。なお、例えば、タイヤ3及び保護具4は、互いに係合する係合部をそれぞれ備えている、という構成でもよく、また、例えば、ハブX2(車軸X1)及び保護具4は、互いに係合する係合部をそれぞれ備えている、という構成でもよい。
【0076】
そして、係合部23,45の構成は、特に限定されないが、係合部23,45は、例えば、
図12に示すように、引っ掛けることによって互いに係合するために、一方の係合部23は、引っ掛けられる被引掛部であり、他方の係合部45は、一方の係合部23を引っ掛ける引掛部である、という構成でもよい。また、係合部は、例えば、螺合することによって互いに係合するために、一方の係合部は、雄ネジ部であり、他方の係合部は、当該雄ネジ部と螺合する雌ネジ部である、という構成でもよい。
【0077】
(7)また、上記実施形態に係る保護具4においては、カバー部42は、タイヤ幅方向D1視において、連結部33及び隙間3eの全体を覆っている、という構成である。しかしながら、保護具4は、斯かる構成に限られない。例えば、カバー部42は、タイヤ幅方向D1視において、連結部33及び隙間3eの一部を覆っている、という構成でもよく、また、例えば、カバー部42は、タイヤ幅方向D1視において、隙間3eのみを覆っている、という構成でもよい。
【0078】
なお、カバー部42は、タイヤ幅方向D1視において、連結部33及び隙間3eのうち、50%以上の領域を覆っている、という構成が好ましい。また、カバー部42は、タイヤ幅方向D1視において、連結部33及び隙間3eのうち、80%以上の領域を覆っている、という構成がさらに好ましい。さらに、カバー部42は、タイヤ幅方向D1視において、連結部33及び隙間3eの全体を覆っている、という構成が非常に好ましい。
【0079】
(8)また、上記実施形態に係る保護具4は、連結部33よりもタイヤ幅方向D1の外側に配置されるカバー部42を備えている、という構成である。しかしながら、保護具4は、斯かる構成に限られない。例えば、
図13及び
図14に示すように、保護具4は、タイヤ周方向D3において、連結部33,33同士間に配置される介在部46を複数備えている、という構成でもよい。
【0080】
これにより、介在部46は、タイヤ幅方向D1視において、連結部33,33同士間の隙間3eの位置に配置されている。したがって、連結部33,33同士間の隙間3eに異物が侵入することを抑制することができる。なお、介在部46は、連結部33,33同士間の隙間3eを埋めるように、配置されている。即ち、介在部46は、タイヤ周方向D3視において、連結部33と重なるように、配置されている。
【0081】
例えば、介在部46は、タイヤ幅方向D1視において、隙間3eの一部に配置されている、という構成でもよく、また、隙間3eの全体に配置されている、という構成でもよい。また、介在部46の構成は、特に限定されないが、例えば、介在部46は、可撓性、柔軟性及び弾性の少なくとも一つを有して、形成されている、という構成でもよい。しかも、介在部46は、防音部43の機能を備えるように、例えば、吸音材で形成されている、という構成でもよい。
【0082】
(9)また、上記実施形態に係る保護具4においては、防音部43は、音を吸収する吸音材であって、孔を有する多孔質材料で形成されている、という構成である。しかしながら、保護具4は、斯かる構成に限られない。例えば、防音部43は、
図15及び
図16に示すように、多孔質材料以外の吸音材である、という構成でもよく、また、例えば、遮音材、防振材、又は制振材である、という構成でもよい。
【0083】
(9−1)例えば、
図15に示すように、防音部43は、音を吸収する吸音材であって、カバー部42(具体的には、本体部41)に複数の孔43aを有する有孔板である、という構成でもよい。なお、当該孔43aは、外部と連通している。
【0084】
(9−2)また、例えば、
図16に示すように、防音部43は、音を吸音する吸音材であって、カバー部42(具体的には、本体部41)との間に空気層43bを設ける板状材料43cである、という構成でもよい。しかも、板状材料43cは、空気層43bに連通する複数の孔43dを有する有孔板である、という構成でもよい。
【0085】
(10)また、上記実施形態に係る保護具4は、外部へ音が伝わることを防止する防音部43を備えている、という構成である。しかしながら、保護具4は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、保護具4は、防音部43を備えていない、という構成でもよい。
【0086】
(11)また、上記実施形態に係る保護具4においては、カバー部42の外周縁は、円形である、という構成である。しかしながら、保護具4は、斯かる構成が好ましいものの、斯かる構成に限られない。例えば、カバー部42の外周縁は、多角形状である、という構成でもよく、また、例えば、楕円形状である、という構成でもよい。
【0087】
(12)また、上記実施形態に係る車輪1においては、保護具4は、タイヤ幅方向D1において、タイヤ3を挟むように一対備えられている、という構成である。しかしながら、車輪1は、斯かる構成に限られない。例えば、保護具4は、タイヤ3に対して、タイヤ幅方向D1の一方側のみに一つ備えられている、という構成でもよい。
【0088】
(13)また、上記実施形態に係る車輪1においては、保護具4は、タイヤ3と一体になって回転する、という構成である。しかしながら、車輪1は、斯かる構成に限られない。例えば、保護具4は、車両の車体等に固定されており、タイヤ3の回転に伴って回転しない、という構成でもよい。
【0089】
(14)また、上記実施形態に係る車輪1においては、タイヤ3は、ホイール2と分離可能である、という構成である。しかしながら、車輪1は、斯かる構成に限られない。例えば、タイヤ3は、ホイール2と分離不能となるように、ホイール2と一体に形成されている、という構成でもよい。