【解決手段】本発明は、脱ユビキチン化酵素(DUB)の阻害剤の製造のための新規な化合物及び製造方法に関する。具体的には、本発明はセザンヌ1の阻害に関する。本発明はさらに、癌の治療におけるDUB阻害剤の使用に関する。
環Aが、ピペリジン−2−オン、インドリン−2−オン、ピペラジン−2−オン、ピロリジン−2−オン、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン、1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2(3H)−オン、3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン、1,5−ジヒドロベンゾ[e][1、4]オキサゼピン−2(3H)−オン、3,4−ジヒドロ−1,5−ナフチリジン−2(1H)−オン、3,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オン、3、4−ジヒドロ−1,7−ナフチリジン−2(1H)−オン、3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、及び3,4−ジヒドロピラジノ[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン、及び1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−オンから選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
環Aが、ピロリジン−2−オン、ピペラジン−2−オン、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン、1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2(3H)−オン、3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン、1,5−ジヒドロベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−2−(3H)−オン、及び1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−オンから選択される、請求項6に記載の化合物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
用語の以下の定義及び説明は、本明細書及び請求項の両方を含む全書類を通じて使用される。本明細書に記載された化合物(例えば式Iの化合物)への参照は、その下位グループの実施態様を含む式I及びIIへの参照を含む。
【0014】
式Iの化合物のいずれかの基が場合により置換されるとして言及されている場合、その基は置換されていてもされていなくてもよい。置換は、同じであっても異なっていてもよい1つ以上の置換基によるものでもよい。置換基の数及び性質が、立体的に望ましくない組み合わせを避けるように選択されることは理解されるであろう。
【0015】
本明細書の文脈において、特に別の指定がなければ、アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、又は置換基(又はリンカー基)、又はある置換基内のアルキル、アルケニル部分 (moiety)は直鎖状でも分岐していてもよい。アルキル、アルキレン、及びアルケニル鎖はまた、酸素などの介在ヘテロ原子含むこともできる。
【0016】
C
1〜C
6アルキルは、直鎖又は分枝鎖であってもよいx〜y個の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素基を指す。例えば、C
1〜C
6アルキルは、1〜6個の炭素原子を含み、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、及びC
6を含む。「分岐した」とは、基内に少なくとも1つの炭素分岐点が存在することを意味する。例えば、tert−ブチル及びイソプロピルは両方とも分岐基である。C
1〜C
6アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチルペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びn−ヘキシルが含まれる。R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
1e、R
1f、R
3、R
4、R
4a、R
6、R
7、R
7a、Q
1の定義内の、及びR
2の定義内のC
1〜C
6アルキル、C
1〜C
4アルキル、及びC
1〜C
3は、置換されていなくても又は本明細書に記載の置換基の1つ以上で置換されていてもよい。従って置換されたC
1〜C
6アルキルの例には、CF
3、CH
2CF
3、CH
2CN、CH
2OH、及びCH
2CH
2OHが含まれる。
【0017】
C
x〜C
yアルキレン基又は部分は、直鎖又は分枝鎖であってもよく、上記で定義したC
x〜C
yアルキルから1個少ない水素原子を有する二価の炭化水素基を指す。C
1〜C
6アルキレンは酸素などの介在するヘテロ原子を含むことができ、従ってアルキレンオキシ基を含む。本明細書で使用されるアルキレンオキシはまた、その又は1つの酸素原子(例えば、単一酸素原子)がアルキレン鎖(例えばCH
2CH
2OCH
2又はCH
2OCH
2)内に位置する実施態様も包含する。C
1〜C
6アルキレン基の例には、メチレン、メチレンオキシ、エチレン、エチレンオキシ、n−プロピレン、n−プロピレンオキシ、n−ブチレン、n−ブチレンオキシ、メチルメチレン、及びジメチルが含まれる。特に別の指定がなければ、R
5、Q
1、Q
2a、Q
2b、及びQ
2cの定義内のC
1〜C
6アルキレン、C
1〜C
4アルキレン、及びC
1〜C
3アルキレンは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0018】
C
2〜C
6アルケニルは、少なくとも2つの炭素原子及び少なくとも1つの二重結合を含有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖基を指し、C
2〜C
4アルケニルを含む。アルケニル基の例には、エテニル、プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−メチル−1−プロペニル、1,2−ブタジエニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニル、及び1−ヘキサジエニルが含まれる。特に別の指定がなければ、Q
1の定義内及びR
2の置換基の定義内のC
2〜C
6アルケニルは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0019】
C
2〜C
6アルケニレンは、上記で定義したC
2〜C
6アルケニルから1個少ない水素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素基を指す。C
2〜C
6アルケニレンの例には、エテニレン、プロペニレン、及びブテニレンが含まれる。特に別の指定がなければ、Q
1、Q
2a、Q
2b、及びQ
2Cの定義内のC
2〜C
6アルケニレンは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0020】
C
2〜C
6アルキニルは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の三重結合とを含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素鎖基を指す。アルケニル基の例には、エチニル、プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、及び1−ヘキシニルが含まれる。特に別の指定がなければ、Q
1の定義内及びR
2の定義内のC
2〜C
6アルキニルは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0021】
C
1〜C
6アルコキシは、上記のC
x〜C
yアルキルの定義による−O−C
x〜C
yアルキル基を有する基又は基の一部をいう。C
1〜C
6アルコキシは、1〜6個の炭素原子を含み、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、及びC
6を含む。C
1〜C
6アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、及びヘキソキシが含まれる。本明細書で使用されるアルコキシはまた、その又は1つの酸素原子(例えば、単一の酸素原子)がアルキル鎖内に位置する実施態様(例えばCH
2CH
2OCH
3又はCH
2OCH
3)を包含する。従ってアルコキシは、炭素を介して分子の残部に結合していてもよく(例えば−CH
2CH
2OCH
3)、又は代替的にアルコキシは、酸素を介して分子の残部に結合していてもよい(例えば−OC
1-6アルキル)。ある例では、アルコキシは酸素を介して分子の残部に結合しているが、このアルコキシ基は別の酸素原子をさらに含む(例えば−OCH
2CH
2OCH
3)。特に別の指定がなければ、R
1e、R
1f、Q
1の定義内及びR
2の置換基のC
1〜C
6アルコキシ及びC
1〜C
3アルコキシは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。置換C
1〜C
6アルコキシの例には、OCF
3、OCHF
2、OCH
2CF
3、CH
2CH
2OCH
3、及びCH
2CH
2OCH
2CH
3が含まれる。
【0022】
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、塩素、臭素、フッ素、又はヨウ素原子、特に塩素又はフッ素原子を指す。
用語「オキソ」は、=Oを意味する。
用語「アミノ」は、−NR'R''を意味し、R'とR''は、それぞれ独立して水素又はC
1〜C
3アルキルを表す。
用語「アミド (amido)」は、−C(O)NR'R''を意味し、R'とR''は、それぞれ独立して水素又はC
1〜C
3アルキルを表す。
【0023】
疑義を回避するために、本明細書に開示され、かつR
2、R
8、及び環Aの定義内のシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール環は、不安定な環構造を含まず、又はヘテロアリール及びヘテロ環系の場合には、O−O、O−S、又はS−S結合を含まないことを理解されたい。ヘテロ環系には、架橋、縮合、及びスピロ環系が含まれる。置換基は存在する場合、炭素原子であってもよい任意の適切な環原子に結合していてもよく、又はヘテロアリール及びヘテロ環式環系の場合、ヘテロ原子に結合してもよい。例えばフェニル環上の置換は、置換位置で炭素から窒素への環原子の変化を含んで、ピリジン環をもたらしてもよい。
【0024】
「シクロアルキル」は、単環式飽和の又は部分的に不飽和の非芳香環を指し、ここで環のすべては炭素原子であり、示されている数の環原子を有する。例えばC
3〜C
10シクロアルキルは、3〜10個の炭素原子を含む単環式又は二環式炭化水素環を指す。C
3〜C
10シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、及びデカヒドロナフタレニルである。二環式シクロアルキル基は、ビシクロヘプタン及びビシクロオクタンなどの架橋環系を含む。特に別の指定がなければ、R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
1e、R
1f、R
2、R
8の定義内のシクロアルキルは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0025】
「アリール」基/部分は、少なくとも1つの芳香族基を含み、5から10個の炭素原子の環員を有する単環式又は二環式炭化水素基を指す。アリール基の例にはフェニル及びナフチルが含まれる。二環式環は、両方の環が芳香族である縮合芳香環、例えばナフタレニルでもよい。好適なアリール基は、フェニル及びナフチルであり、より好ましくはフェニルである。特に別の指定がなければ、R
1e、R
1f、R
2、R
8の定義内のアリールは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0026】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」は、少なくとも1個〜最大5個のヘテロ原子、特にN、O、及びSから選択される1、2、又は3個のヘテロ原子を含有し、残りの環原子は当業者に公知の安定した組み合わせの炭素原子である多価不飽和、単環式又は二環式の5〜10員の芳香族部分を意味する。ヘテロアリール環の窒素及び硫黄原子は場合により酸化され、窒素原子は場合により四級化されている。ヘテロアリール環は、単一の芳香環であるか、又は縮合環の1つが芳香族であり他方が少なくとも部分的に飽和している縮合二環式環であることができる、ある例において、二環式ヘテロアリールは、全体縮合環系が芳香族であるものである。二環式ヘテロアリールは、縮合環のいずれかで少なくとも1つのヘテロ原子を有することができる。置換基である基への二環式環の結合は、ヘテロ原子含有環又は炭素のみを含有する環を介してもよい。置換基である基へのヘテロアリールの結合点は、炭素原子又はヘテロ原子を介してもよい。環Aがヘテロアリールである例では、その環は芳香環であり、さら芳香環又は部分飽和環に縮合してもよい。例には、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサジナニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、テトラヒドロフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、4H−キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、インドリニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロフィリジニル、キノキサリニル、及びジヒドロベンゾキサジニルが含まれる。特に別の指定がなければ、R
1e、R
1f、R
2、R
8の定義内のヘテロアリールは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。
【0027】
環を説明するときに本明細書中で使用される「ヘテロシクリル (heterocyclyl)」又は「ヘテロ環 (heterocyclic)」は、特に別の指定がなければ、単環式の飽和しているか又は部分的に不飽和の非芳香環、又は二環式の飽和しているか又は部分的に不飽和の環を意味し、この二環式環系は、非芳香族、又は例えば3〜10員を有する二環式環であり、少なくとも1員〜最大5員、特に環の1、2、又は3員は、例えばN、O、及びSから選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は当業者に公知の安定な組み合わせの炭素原子である。ヘテロ環窒素と硫黄原子は場合により酸化され、窒素原子は場合により四級化される。本明細書で使用されるヘテロ環は、別の系に縮合して二環を形成する環でもよく、すなわちヘテロ環炭素の1つ又は2つは芳香族でもよく、例えば縮合フェニル、ピリジル、ピラゾリル等であってもよい。ヘテロシクリルは、炭素又はヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合されてもよく、ヘテロシクリルが二環式環である場合、結合は、ヘテロ原子含有環又は縮合環を介してもよい。環Aのヘテロシクリルは、5〜11員の単環式又は二環式環である。環Aが二環式である場合、第二の環(すなわち、−NH−C(O)−を含まない部分)は芳香族、例えば縮合フェニル又はピリジニルであってもよい。環Aが二環式である場合、一般に任意のさらなる置換基が第2の環上にあるであろう。ヘテロシクリル基の例には、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば3,4−ジヒドロピラニル、3.6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾキサジニル、及びテトラヒドロイソキノリニルが含まれる。ヘテロシクリル環Aの例には、ピペリジン−2−オン、インドリン−2−オン、ピペラジン−2−オン、ピロリジン−2−オン、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン、1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2(3H)−オン、3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン、1,5−ジヒドロベンゾ[e][1、4]オキサゼピン−2(3H)−オン、3,4−ジヒドロ−1,5−ナフチリジン−2(1H)−オン、3,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オン、3、4−ジヒドロ−1,7−ナフチリジン−2(1H)−オン、3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、及び3,4−ジヒドロピラジノ[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン、及び1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−オンが含まれる。特に別の指定がなければ、R
2及びR
8の定義内のヘテロシクリルは、置換されていなくても、本明細書で定義される置換基の1つ以上で置換されていてもよい。置換されたヘテロシクリル環の例には、4,5−ジヒドロ−1H−マレイミド、テトラメチレンスルホキシド及びヒダントイニルが含まれる。単環式又は二環ヘテロ環Aは、本明細書に記載されるように場合によりさらに置換することができる。
【0028】
任意の基に適用される「場合により置換された (optionally substituted)」は、所望であれば、その基が、同じか又は異なり得る1つ以上の置換基(例えば、1、2、3、又は4個の置換基)で置換されていてもよいことを意味する。
【0029】
R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
1e、R
1f、R
3、R
4、R
4a、R
6、R
7、R
7a、Q
1の定義内の、及びR
2の置換基の定義内の、「置換された」及び「場合により置換された」C
1〜C
6アルキル(C
1〜C
4アルキル、C
1〜C
3アルキル、及びC
1〜C
2アルキルを含む)、及びC
2〜C
6アルコキシ(C
1〜C
4アルコキシ、C
1〜C
3アルコキシ、及びC
1〜C
2アルコキシを含む)、及びC
2〜C
6アルケニル(C
2〜C
4アルケニルを含む)、及びC
2〜C
6アルキニル(C
2〜C
4アルキニルを含む)、及びR
5、Q
1、Q
2a、Q
2b、及びQ
2cの定義内のC
1〜C
6アルキレン(C1−C3アルキレンを含む)及びC
1〜C
6アルケニレンの適切な置換基の例には、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5(ニトロの既知の模倣物 (mimetic))、特に、ハロゲン(好ましくはフッ素又は塩素)、ヒドロキシル、及びシアノが含まれ。他の適切な置換基には、アミド、C
1-3アルキルアミノ、C
2-6アルケニルアミノ、ジC
1〜C
3アルキルアミノ、C
1〜C
3アシルアミノ、ジC
1〜C
3アシルアミノ、カルボキシ、C
1〜C
3アルコキシカルボニル、カルボキサミジル、カルバモイル、モノC
1-3カルバモイル、ジC
1-3カルバモイルが含まれ、任意の水和物カルビル部分は、それ自体がハロゲン、例えばフッ素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はSF
5(ニトロの既知の模倣物)によって置換されてよい。
【0030】
R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
1e、R
1f、R
2、R
8、環Aの定義内の「置換された」及び「場合により置換された」環、すなわちシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール環の適切な置換基の例には、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C
1〜C
6アルキル、又はC
1〜C
3アルキル、C
1〜C
6アルコキシ、又はC
1〜C
3アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C
3〜C
6シクロアルキル、アミノ、C
1-3アルキルアミノ、C
2-6アルケニルアミノ、ジC
1〜C
3アルキルアミノ、C
1〜C
3アシルアミノ、ジC
1〜C
3アシルアミノ、カルボキシ、C
1〜C
3アルコキシカルボニル、カルボキサミジル、カルバモイル、モノC
1-3カルバモイル、ジC
1-3カルバモイル、又はヒドロカルビル部分自体が、ハロゲン、例えばフッ素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はSF
5で置換されている上記の任意の置換基が含まれる。
【0031】
「置換された」及び「場合により置換された」環の適切な置換基の例には、特にフッ素、塩素、オキソ、シアノ、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3アルコキシ、アミノ、アミド、ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリールが含まれ、ここで、アルキル又はアルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5から選択される1つ以上(例えば、1、2、3つ)の置換基で場合により置換される。
【0032】
従って置換された基は、例えばBr、Cl、F、CN、Me、Et、t−Bu、OMe、OEt、OPr、C(CH
3)
3、CH(CH
3)
2、CF
3、OCF
3、C(O)NHCH
3、シクロプロピル、フェニル等を含む。アリール基の場合、置換基は、アリール環中の環炭素原子からの環の形態、例えばO−CH
2−Oであってもよい。
【0033】
酸素原子を含む基、例えばヒドロキシ及びアルコキシでは、酸素原子は硫黄で置換されて、チオ(SH)及びチオアルキル(S−アルキル)などの基を生成することができる。チオアルキル基内では、硫黄原子はさらに酸化されてスルホキシド又はスルホンを生成することができ、従って、任意の置換基は、S(O)−アルキル及びS(O)
2−アルキルなどの基を生成することができる。
【0034】
用語「治療する」又は「治療している」又は「治療」は、一時的な又は永久的な症状を改善、緩和するための、症状の原因を排除するための、又は記載の障害又は状態の症状の出現を予防するか又は遅らせるための、予防及び手段を含む。本発明の化合物は、ヒト及びヒト以外の動物の治療に有用である。
【0035】
化合物の用量は、障害の症状の発生を予防するのに有効な、又は患者が患う障害のいくつかの症状を治療するのに有効な量である。「有効量」又は「治療有効量」又は「有効用量」は、所望の薬理学的又は治療的効果を誘発するのに充分な量、従って障害の有効な予防又は治療をもたらすのに充分な量を意味する。障害の予防は、障害の症状の出現を医学的に有意な程度まで遅らせることによって明らかになる。障害の治療は、障害に伴う症状の低下により、又は障害の症状の再発の改善によって明らかにされる。
【0036】
本発明の化合物の医薬的に許容し得る塩には、特に限定されるものではないが、付加塩(例えば、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩及びハロゲン化水素酸塩)、有機塩基(例えば、リチウム、カリウム、及びナトリウム)から誘導される塩、アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、システイン、メチオニン、及びプロリン)の塩、無機塩基(トリエチルアミン、水酸化物、化コリン、チアミン、及びN−N'−ジアセチルエチレンジアミン)の塩が含まれる。他の医薬的に許容し得る塩には、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩、及びアルミニウム塩が含まれる。さらなる医薬的に許容し得る塩には、本発明の化合物の4級アンモニウム塩が含まれる。
【0037】
塩の一般的な製造方法は、当業者に公知である。このような塩は、従来法により、例えば、標準的方法(例えば、真空中、凍結乾燥、又はろ過)を使用して、場合により溶媒中の、又はその塩が不溶性である媒体中で、ある化合物の遊離酸又は遊離塩基と、適切な酸又は塩基の1つ以上の同等物との反応により、次に前記溶媒又は前記媒体の除去により生成することができる。塩はまた、例えば適切なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製することができる。
【0038】
本発明が異なる鏡像異性体及び/又はジアステレオ異性体形態で存在する場合、本発明は、場合により純粋な形態で又は他の異性体との混合物で存在する場合でも、異性体混合物又はラセミ体で調製されるこれらの化合物に関する。鏡像異性体は、平面偏光を反対方向に等しい量だけ回転させる能力のみが異なり、それぞれ(+)/(S)又は(−)/(R)として示される。個々の鏡像異性体又は異性体は、例えば生成物又は中間体の光学分割のような当該技術分野で公知の方法(例えば、キラルクロマトグラフィー分離、例えばキラルHPLC、又は不斉合成アプローチ)によって調製することができる。同様に、本発明の化合物が別の互変異性体(例えばケト/エノール、アミド/イミド酸)として存在する場合、本発明は、単離されている個々の互変異性体、及びあらゆる割合の互変異性体の混合物に関する。
【0039】
同位体
本発明の化合物は、1つ以上の同位体置換を含み、特定の元素への言及は、その範囲内の、元素の全ての同位体を含む。例えば水素への言及は、その範囲内で
1H、
2H(D)、及び
3H(T)を含む。同様に、炭素及び酸素への言及は、それらの範囲内で、それぞれ
12C、
13C、及び
14C、及び
16O、及び
18Oを含む。同位体の例は、
2H、
3H、
11C、
13C、
14C、
36Cl、
18F、
123I、
125I、
13N、
15N、
15O、
17O、
18O、
32P、及び
35Sを含む。
【0040】
同様に、特定の官能基への言及は、その範囲内で、その文脈が他の意味を示さない限り、同位体変種を含む。例えば、エチル基などのアルキル基への言及は、例えば全ての5つの水素原子が重水素同位体形態(ペルデューテロエチル基)であるエチル基のように、その基内の1つ以上の水素原子が重水素又はトリチウム同位体の形態である変種を包含する。
【0041】
同位体は、放射性又は非放射性であり得る。1つの実施態様において、化合物は放射性同位体を含まない。そのような化合物は治療的使用に好ましい。しかし他の実施態様では、化合物は1つ以上の放射性同位体を含むことができる。そのような放射性同位体を含む化合物は、診断的用途において有用であり得る。
【0042】
式(I)のいくつかの同位体標識化合物、例えば放射性同位体を取り込んだものは、薬物及び/又は基質の組織分布試験において有用である。放射性同位体、すなわち
3H及び
14Cは、その取り込みやすさと容易な検出手段の観点から、この目的のために特に有用である。より重い同位体、すなわち
2Hによる置換は、例えばインビボ半減期の延長又は必要投与量の減少などの向上した代謝安定性から生じるいくつかの治療上の利点を提供し、従って、いくつかの状況では好適となり得る。
11C、
18F、
15O、及び
13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、受容体占有率を調べるための陽電子放出断層撮影(PET)試験に有用であり得る。同位体標識された式(I)の化合物は、一般に当業者に公知の従来法の教示により、又は従来使用されている非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用する付随する実施例及び調製法に記載されたものと同様のプロセスにより、調製することができる。
【0043】
結晶及び非晶質形態
式(I)の化合物は、結晶又は非晶質形態及び結晶形態で存在することができ、結晶形態の一部は多形として存在することができ、これは本発明の範囲に含まれる。式(I)の化合物の多形形態は、特に限定されるものではないが、赤外線スペクトル、ラマンスペクトル、X線粉末回折、示差走査熱量測定、熱重量分析、及び固体核磁気共鳴を含む多くの従来の分析技術を使用して、特性決定し識別することができる。
【0044】
従って、更なる実施態様において本発明は、結晶形態の記載した任意の実施態様の化合物を提供する。この化合物は、50%〜100%結晶性であり、より具体的には少なくとも50%結晶性、又は少なくとも60%結晶性、又は少なくとも70%結晶性、又は少なくとも80%結晶性、又は少なくとも90%結晶性、又は少なくとも95%結晶性、又は少なくとも98%結晶性、又は少なくとも99%結晶性、又は少なくとも99.5%結晶性、又は少なくとも99.9%結晶性、例えば100%結晶性であり得る。あるいは、この化合物は非晶質形態であってもよい。
【0045】
本明細書に記載の本発明は、どのように調製されたものでも開示された任意の化合物の結晶形態、溶媒和物、及び水和物に関する。本明細書に開示されたいずれかの化合物が、カルボン酸塩又はアミノ基のような酸性又は塩基性中心を有する程度に、前記化合物の全ての塩形態は本発明に含まれる。薬学的用途の場合、塩は医薬的に許容し得る塩とみなされるべきである。
【0046】
本発明は、前記化合物及びその塩の任意の溶媒和物に関する。好適な溶媒和物は、非毒性の医薬的に許容し得る溶媒分子の本発明の化合物の固体構造(例えば結晶構造)に取り込むことによって形成される溶媒和物である(以下、溶媒和性溶媒と呼ぶ)。そのような溶媒の例には、水、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール)、及びジメチルスルホキシドが含まれる。溶媒和物は、本発明の化合物を溶媒和性溶媒を含む溶媒又は溶媒混合物で再結晶することによって調製することができる。ある例で溶媒和物が形成されているどうかは、化合物の結晶を、熱重量分析(TGE)、示差走査熱量測定(DSC)、及びX線結晶解析などの公知の標準的技術を使用する分析に供することにより決定することができる。
【0047】
溶媒和物は、化学量論的又は非化学量論的溶媒和物であり得る。具体的な溶媒和物は水和物であってもよく、水和物の例には、半水和物、一水和物、及び二水和物が含まれる。これらを製造し性状解析するための溶媒和物及び方法のより詳細な議論については、Bryn et al., Solid-State Chemistry of Drugs, Second Edition, published by SSCI, Inc of West Lafayette, IN, USA, 1999, ISBN 0-967-06710-3.を参照されたい。
【0048】
本発明は、エステル誘導体及び/又は本発明の関連化合物と同じ生物学的機能を有するか又は提供する誘導体を含む、本明細書に記載の化合物の薬学的に機能的な誘導体に関する。すなわち本発明の目的のために、この用語は、本明細書で定義される化合物のプロドラッグも含む。
【0049】
関連化合物の用語「プロドラッグ」は、経口投与又は非経口投与後に、インビボで代謝されて、実験的に検出可能な量で、所定の時間範囲内(6〜24時間の投与間隔内、すなわち1日1回から4回)で、その化合物を生成する任意の化合物を含む。
【0050】
化合物のプロドラッグは、そのようなプロドラッグが哺乳動物被験体に投与される場合、インビボで修飾が切断されるように、その化合物上に存在する官能基を修飾することにより調製することができる。修飾は、典型的には親化合物をプロドラッグ置換基で合成することによって達成される。プロドラッグは、インビボで切断されて遊離のヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシル、又はカルボニル基を再生する任意の基に、ある化合物中のそれぞれヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、カルボキシル、又はカルボニル基が結合される化合物を含む。
【0051】
プロドラッグの例には、特に限定されるものではないが、ヒドロキシル官能基のエステル及びカルバメート、カルボキシル官能基のエステル基、N−アシル誘導体、及びN−マンニッヒ塩基が含まれる。プロドラッグに関する一般的な情報は、例えば Bundegaard, H. “Design of Prodrugs” p. 1-92, Elsevier, New York-Oxford (1985)中に見いだされる。
【0052】
本発明の化合物は、インビボで代謝され得る。式(I)の化合物の代謝物も本発明の範囲内である。用語「代謝物」は、細胞又は生物、好ましくは哺乳動物における本発明の化合物のいずれかから誘導される全ての分子を指す。好ましくは、この用語は、生理学的条件下で、そのような細胞又は生物体に存在する任意の分子とは異なる分子に関する。
【0053】
本発明に記載の治療は、単一の治療法として適用できるか、又は本発明の化合物以外に、従来の外科的治療法又は放射線療法又は化学療法を含み得る。さらに、式(I)の化合物はまた、小分子治療薬又は抗体に基づく治療薬を含む癌に関連する状態の治療のための既存の治療薬と組み合わせて使用することができる。
【0054】
本発明の第1の態様によれば、式(I)の化合物
【化2】
【0055】
又はその医薬的に許容し得る塩が提供され、ここで
R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、それぞれ独立して、水素、又は場合により置換されたC
1〜C
6アルキルを表すか、又はR
1aとR
1bは一緒に、場合により置換されたシクロアルキル環を形成し、R
1cとR
1dは一緒に、場合により置換されたシクロアルキル環を形成し、又はR
1dはR
1eと一緒に、場合により置換されたシクロアルキル環を形成し;
R
1eとR
1fはそれぞれ独立して、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC
1〜C
6アルキル、場合により置換されたC
1〜C
6アルコキシ、又は場合により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環若しくはアリール環を表し、又はR
1eは、R
1f又はR
1dを有する、場合により置換されたシクロアルキル環を形成し;
環Aは、5〜11員の単環式又は二環式ヘテロシクリル環であり、これは場合によりさらに置換されてよい。
【0056】
R
1aは水素を表し得る。R
1aは、C
1〜C
6アルキルを表し得る。R
1aは、水素又はC
1〜C
3アルキル、例えばメチル又はエチルを表し得る。R
1aがC
1〜C
6アルキルである場合、R
1b、R
1c、R
1d、R
1e、及びR
1fはそれぞれ水素を表し得る。アルキルは、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5、特にフッ素から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0057】
R
1bは水素を表し得る。R
1bはC
1〜C
6アルキルを表し得る。R
1bは、水素又はC
1〜C
3アルキル、例えばメチル又はエチルを表し得る。R
1bがC
1〜C
6アルキルである場合、R
1a、R
1c、R
1d、R
1e、及びR
1fはそれぞれ水素を表し得る。アルキルは、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5、特にフッ素から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0058】
R
1cは水素を表し得る。R
1cはC
1〜C
6アルキルを表し得る。R
1cは、水素又はC
1〜C
3アルキル、例えばメチル又はエチルを表し得る。R
1cがC
1〜C
6アルキルである場合、R
1a、R
1b、R
1d、R
1e、及びR
1fはそれぞれ水素を表し得る。アルキルは、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5、特にフッ素から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0059】
R
1dは水素を表し得る。R
1dはC
1〜C
6アルキルを表し得る。R
1dは、水素又はC
1〜C
3アルキル、例えばメチル又はエチルを表し得る。R
1dがC
1〜C
6アルキルである場合、R
1a、R
1b、R
1c、R
1e、及びR
1fはそれぞれ水素を表し得る。アルキルは、置換されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5、特にフッ素から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0060】
代替的に、R
1aとR
1bは一緒にシクロアルキル環を形成し得る。さらに又は代替的に、しかし好ましくは代替的に、R
1cとR
1dは一緒にシクロアルキル環を形成し得る。シクロアルキル環は、3、4、5、又は、6個の原子、特に3又は4個の原子はを含み得る。R
1aとR
1bが一緒にC
3〜C
6シクロアルキル環を形成する場合、R
1c、R
1d、R
1e、及びR
1fは水素であり得る。R
1cとR
1dが一緒にシクロアルキル環を形成する場合、R
1a、R
1b、R
1e、及びR
1fはそれぞれ水素であり得る。
【0061】
R
1eは、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC
1〜C
6アルキル、場合により置換されたC
1〜C
6アルコキシ、又は場合により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール又はアリール環を表し得る。アルキル及びアルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5から選択される1つ以上の置換基で置換されてよい。ヘテロアリール又はアリール環は、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C
1〜C
6アルキル、又はC
1〜C
3アルキル、C
1〜C
6アルコキシ又はC
1〜C
3アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C
3〜C
6シクロアルキル、C
1-3アルキルアミノ、C
2-6アルケニルアミノ、ジC
1〜C
3アルキルアミノ、C
1〜C
3アシルアミノ、ジC
1〜C
3アシルアミノ、カルボキシ、C
1〜C
3アルコキシカルボニル、カルボキサミジル、カルバモイル、モノC
1-3カルバモイル、ジC
1-3カルバモイル、又はヒドロカルビル部分が、それ自体がハロゲン、例えばフッ素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はSF
5により置換されている上記のいずれかで置換されていてもよい。具体的には、ヘテロアリール又はアリール環は、ハロゲン、シアノ、アミノ、C
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
6アルキルで置換されていてもよい。R
1eは、水素、フッ素、置換されていないか又は置換されたC
1〜C
3アルキル、又は置換されていないか若しくは置換されたC
1〜C
3アルコキシを表し得る。R
1eは、水素又はメチルを表し得る。R
1eは水素を表し得る。R
1eはフッ素を表し得る。R
1eはメチルを表し得る。R
1eはメトキシを表し得る。R
1eはCF
3を表し得る。R
1eはOCF
3を表し得る。R
1eが、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC
1〜C
6アルキル、又は場合により置換されたC
1〜C
6アルコキシ、又は場合により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール又はアリール環を表す場合、R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、及びR
1fは、それぞれ水素を表し得る。
【0062】
R
1fは、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC
1〜C
6アルキル、場合により置換されたC
1〜C
6アルコキシ、又は場合により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール又はアリール環を表し得る。アルキル及びアルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5から選択される1つ以上の置換基で置換されてよい。ヘテロアリール又はアリール環は、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C
1〜C
6アルキル、又はC
1〜C
3アルキル、C
1〜C
6アルコキシ又はC
1〜C
3アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C
3〜C
6シクロアルキル、C
1-3アルキルアミノ、C
2-6アルケニルアミノ、ジC
1〜C
3アルキルアミノ、C
1〜C
3アシルアミノ、ジC
1〜C
3アシルアミノ、カルボキシ、C
1〜C
3アルコキシカルボニル、カルボキサミジル、カルバモイル、モノC
1-3カルバモイル、ジC
1-3カルバモイル、又はヒドロカルビル部分が、それ自体がハロゲン、例えばフッ素、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はSF
5により置換されている上記のいずれかで置換されていてもよい。具体的には、ヘテロアリール又はアリール環は、ハロゲン、シアノ、アミノ、C
1〜C
3アルコキシ、C
1〜C
6アルキルで置換されていてもよい。R
1fは、水素、フッ素、置換されていないか又は置換されたC
1〜C
3アルキル、又は置換されていないか若しくは置換されたC
1〜C
3アルコキシを表し得る。R
1fは、水素又はメチルを表し得る。R
1fは水素を表し得る。R
1fはフッ素を表し得る。R
1fはメチルを表し得る。R
1fはメトキシを表し得る。R
1fはCF
3を表し得る。R
1fはOCF
3を表し得る。R
1fが、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC
1〜C
6アルキル、又は場合により置換されたC
1〜C
6アルコキシ、又は場合により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール又はアリール環を表す場合、R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、及びR
1eは、それぞれ水素を表し得る。
【0063】
R
1eが水素である場合、R
1fは、水素、フッ素、シアノ、ヒドロキシル、アミノ、場合により置換されたC
1〜C
6アルキル、場合により置換されたC
1〜C
6アルコキシ、又は場合により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール又はアリール環を表し得る。
【0064】
代替的に、R
1e及びR
1fは一緒にシクロアルキル環を形成し得る。代替的に、R
1e及びR
1dは一緒にシクロアルキル環を形成し得る。シクロアルキル環は、3、4、5、又は6個の原子、特に3又は4個の原子を含むことができる。R
1eとR
1fが一緒C
3〜C
6シクロアルキル環を形成する場合、R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは水素であり得る。R
1eとR
1dが一緒にC
3〜C
6シクロアルキル環を形成する場合、R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1fは、それぞれ水素であり得る。
【0065】
R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
1e、及びR
1fの定義内のシクロアルキル環は、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3アルコキシから選択される1つ以上の置換基で置換されたですアルコキシ、C
1-3アルキルアミノ、C
2-6アルケニルアミノ、C
1〜C
3アシルアミノ、カルボキシ、C
1〜C
3アルコキシカルボニル、カルボキサミジル、カルバモイル、モノ−C
1-3カルバモイル、及びジC
1-3カルバモイルから選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、ここで、任意のヒドロカルビル部分は、それ自体が1つ以上のハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、ニトロ、又はSF
5、特にフッ素により置換されてよい。具体的には、シクロアルキル環は、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C
1〜C
3アルキル、及びC
1〜C
3アルコキシから選択される1個の又は2個の置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキル及びアルコキシは、1つ以上のハロゲン、特にフッ素で置換されていてもよい。
【0066】
本化合物は、R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
1e、及びR
1fがそれぞれ水素を表す形態であってもよい。そのような場合、前記化合物は、式:
【化3】
【0067】
であるか、又はその医薬的に許容し得る塩でもよく、ここで
環Aは5〜11員の単環式又は二環式ヘテロシクリル環であり、これは場合によりさらに置換されてよい。
【0068】
環Aは、単環式又は二環式であってもよい。環が二環式である場合、第二の環(ピロリジン環に直接結合していない環)は、芳香族であるか、飽和又は部分的に飽和されていてもよい。好ましくは、第2の環は芳香族である。
【0069】
環Aは、5〜11員(例えば、5、6、7、8、9、10、又は11員)のヘテロシクリル環を表すことができ、これは、場合により一つ以上(例えば、1、2、3、又は4つ)の−Q
1−(R
2)
nでさらに置換されてよい。
【0070】
代替的に、環Aは、9、10、又は11員(例えば、5、6、7、8、9、10、又は11員)のヘテロ環を表すことができ、これは、場合により一つ以上(例えば、1、2、3、又は4つ)の−Q
1−(R
2)
nでさらに置換されてよい。
【0071】
環Aは、アミド窒素に加えて、1つ以上(例えば、1,2、又は3つ)のヘテロ原子を含んでよく、ここで、追加のヘテロ原子は、窒素、酸素、及び硫黄から選択される。具体的には、環Aは、窒素及び酸素から選択される1つ以上の追加のヘテロ原子をさらに含み得る。環Aが二環式環である場合、追加のヘテロ原子は、第1の環(すなわち、−NH−C(O)−を含有む環)、及び/又は第2の環(すなわち、−NH−C(O)−を含まない縮合環部分)中にあってよい。
【0072】
環Aは、ピペリジン−2−オン、インドリン−2−オン、ピペラジン−2−オン、ピロリジン−2−オン、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン、1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2(3H)−オン、3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン、1,5−ジヒドロベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−2(3H)−オン、3,4−ジヒドロ−1,5−ナフチリジン−2(1H)−オン、3,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−2(1H)−オン、3,4−ジヒドロ−1,7−ナフチリジン−2(1H)−オン、3,4−ジヒドロ−1,8−ナフチリジン−2(1H)−オン、及び3,4−ジヒドロピラジノ[2,3−b]ピラジン2(1H)−オン、及び1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−オンから選択することができる。
【0073】
より具体的には、環Aは、ピロリジン−2−オン、ピペラジン−2−オン、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン、1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2(3H)−オン、3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン、1,5−ジヒドロベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−2(3H)−オン、及び1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−オンから選択される。
【0074】
本明細書に記載の全ての場合において、環Aは、1つ以上の−Q
1−(R
2)
nでさらに置換されてよく、ここで、−Q
1−(R
2)
nの各存在は同じか又は異なっており、ここで、
nは0又は1であり;
Q
1は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR
3、−NR
3R
4、−CONR
3R
4、−NR
3COR
4、−NR
3CONR
4R
4a、−COR
3、−C(O)OR
3、−SO
2R
3、−SO
2NR
3R
4、−NR
3SO
2R
4、NR
3SO
2NR
4R
4a、−NR
3C(O)OR
4、場合により置換された−C
1〜C
6アルキル、場合により置換された−C
1〜C
6アルコキシ、場合により置換された−C
2〜C
6アルケニル、場合により置換された−C
2〜C
6アルキニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR
5−、−SO−、−SO
2−、−CO−、−C(O)O−、−C
0〜C
3アルキレン−CONR
3−C
0〜C
3アルキレン、−C
0〜C
3アルキレン−NR
3−C
0〜C
3アルキレン、−C
0〜C
3−アルキレン−NR
3CO−C
0〜C
3アルキレン、−C
0〜C
3アルキレン−NR
3CONR
4−C
0〜C
3アルキレン、−SO
2NR
3−、−NR
3SO
2−、−NR
3SO
2NR
4−、−NR
3C(O)O−、−NR
3C(O)OR
5−、場合により置換されたC
1〜C
6アルキレン、又は場合により置換されたC
2〜C
6アルケニレンを表し;
R
3、R
4、及びR
4aは、それぞれ独立してC
1〜C
6アルキルを表し;及び
R
5は、場合により置換されたC
1〜C
6アルキレンを表す。
【0075】
nが1である場合、R
2は、場合により置換された3〜10員ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリール環を表す(nが0である場合、Q
1が存在し、R
2は存在しない)。
環Aは、1、2、3、4個の−Q
1−(R
2)
nでさらに置換されてよい。置換は、アミドの一部を形成するオキソ置換に加えて行われる。
【0076】
具体的には、環Aは、さらに置換されていなくても、1、2、又は3つの−Q
1−(R
2)
nでさらに置換されていてもよい。環Aが1つ又は2つの−Q
1−(R
2)
nでさらに置換されていてもよい。−Q
1−(R
2)
nの各存在は、同一であっても異なっても。代替的に環Aは、1つの−Q
1−(R
2)
nでさらに置換されていてもよい。−Q
1、R
2、及びnは、本明細書で定義される通りである。場合によっては、環Aはさらに置換されていなくてもよい。
【0077】
特定の実施態様において、環Aはさらに置換された環で置換され、すなわち環Aは、一つ以上の−Q
1−(R
2)
n部分で置換され、ここでnは、前記部分の少なくとも一方について1である。一般に環Aは、1つの−Q
1−(R
2)
n(ここで、nは1である)のみで置換され、これは、他の環ではない置換基に加えて行われてよい。
【0078】
本明細書に記載の全ての場合において、Q
1は、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、又は臭素)、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR
3(例えばチオール)、−NR
3R
4(例えば、アミノ又はN,N−ジメチルアミノ)、−CONR
3R
4(例えばアミド)、−NR
3COR
4(N−アセチル)、−NR
3CONR
4R
4a、−COR
3(例えばアセチル)、−C(O)OR
3(例えば、メトキシカルボニル又はエトキシカルボニル)、−SO
2R
3(例えばメチルスルホニル)、−SO
2NR
3R
4(例えばジメチルアミノスルホニル)、−NR
3SO
2R
4、NR
3SO
2NR
4R
4a、−NR
3C(O)OR
4、場合により置換された−C
1〜C
4アルキル(例えばプロピル、イソブチル、又はtert−ブチル)、場合により置換されたC
1〜C
2アルキル(例えば、メチル又はエチル)、場合により置換された−C
1〜C
6アルコキシ、場合により置換された−C
2〜C
6アルケニル、場合により置換された−C
2〜C
6アルキニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR
5−、−SO−、−SO
2−、−CO−、−C(O)O−、−C
0〜C
3アルキレン−CONR
3−C
0〜C
3アルキレン、−C
0〜C
3アルキレン−NR
3−C
0〜C
3アルキレン(例えばメチルアミノ)、−C
0〜C
3−アルキレン−NR
3COC
0〜C
3アルキレン、−NR
3CONR
4−、−SO
2NR
3−、−NR
3SO
2−、−NR
3SO
2NR
4−、−NR
3C(O)O−、−NR
3C(O)OR
5−、場合により置換されたC
1〜C
4アルキレン(例えば、メチレン又はエチレン)、又は場合により置換された−C
2〜C
4アルケニレン(例えばビニル)から選択することができ、ここで、R
3、R
4、R
4a、及びR
5は上記で定義したものである。
【0079】
1つの実施態様において、Q
1は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR
3、−NR
3R
4、−CONR
3R
4、−NR
3COR
4、−NR
3CONR
4R
4a、−COR
3、−C(O)OR
3、−SO
2R
3、−SO
2NR
3R
4、NR
3SO
2R
4、NR
3SO
2NR
4R
4a、−NR
3C(O)OR
4、場合により置換された−C
1〜C
4アルキル、場合により置換された−C
1〜C
2アルキル、場合により置換された−C
1〜C
6アルコキシ、場合により置換された−C
2〜C
6アルケニル、場合により置換された−C
2〜C
6アルキニル、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR
5−、−SO−、−SO
2−、−CO−、−C(O)O−、−CONR
3−、−NR
3−、−NR
3CO−、−NR
3CONR
4−、−SO
2NR
3−、−NR
3SO
2−、−NR
3SO
2NR
4−、−NR
3C(O)O−、−NR
3C(O)OR
5−、場合により置換されたC
1〜C
4アルキレン、又は場合により置換された−C
2〜C
4アルケニレンから選択され、ここで、R
3、R
4、R
4a、及びR
5は、上記で定義した通りである。
【0080】
nが0である場合、環Aは、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、又は臭素)、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR
3、−NR
3R
4、−CONR
3R
4、−NR
3C(O)R
4、−NR
3C(O)NR
4R
4a、−C(O)R
3、−C(O)OR
3、−SO
2R
3、−SO
2NR
3R
4、−NR
3SO
2R
4、NR
3SO
2NR
4R
4a、−NR
3C(O)OR
4、−C
1〜C
6アルキル、−C
1〜C
6アルコキシ、−C
2〜C
6アルケニル、又は−C
2〜C
6アルキニルから独立して選択される1つ以上(例えば、1、2、3、又は4つ)のQ
1置換基でさらに置換されてよく、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル、又はアルキニルは、選択されていないか、又はハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよく、そしてR
3、R
4、R
4a、及びR
5は定義した通りである。
【0081】
具体的には、nが0である場合、Q
1は、オキソ、メチル、エチル、CF
3、メトキシ、ハロゲン(例えばフッ素又は塩素)、−C(O)NR
3R
4を表すことができ、ここで、R
3及びR
4はそれぞれ独立して水素又はメチルである。
【0082】
具体例において、nは0であり、環Aは、ハロゲン(例えば、フッ素又は塩素)、オキソ、1つ以上のフッ素(例えばCF
3)で場合により置換されたC
1〜C
6アルキル、又はC
1〜C
3アルキルから独立して選択された、1つ以上(例えば、1、2、3、又は4つ)のQ
1の置換基で場合により置換された5員若しくは6員のヘテロシクリル環を表す。
【0083】
代替的に、nは0であり、環Aは、C
1〜C
6アルキル又はC
1〜C
3アルキル又はC
1〜C
6アルコキシ又はC
1〜C
3アルコキシ(ここで、アルキル又はアルコキシは、1つ以上のフッ素、例えばCF
3で場合により置換される)、又はC(O)NR
3R
4(ここで、R
3及びR
4はそれぞれ独立して水素及びメチルを表す)で場合により置換された、9員若しくは10員のヘテロシクリル環を表す。
【0084】
nが1である場合、Q
1は、共有結合であるか、又は酸素原子、硫黄原子、−OR
5−、−SO−、−SO
2−、−CO−、−C(O)O−、−C
0〜C
3アルキレン−CONR
3−C
0〜C
3アルキレン、−C
0〜C
3アルキレン−NR
3−C
0〜C
3アルキレン、−C
0〜C
3−アルキレン−NR
3CO−C
0〜C
3アルキレン、−NR
3CONR
4−、−SO
2NR
3−、−NR
3SO
2−、−NR
3SO
2NR
4−、−NR
3C(O)O−、−NR
3C(O)OR
5−、C
1〜C
6アルキレン、又は−C
2〜C
6アルケニレンから選択されるリンカーであり、ここで、アルキレン又はアルケニレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5から選択される1つ以上の置換基で場合により置換され、及びR
3、R
4、及びR
5は上記で定義した通りである。
【0085】
具体的には、nが1である場合、Q
1は、共有結合であるか、又は、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−OR
5−、−SO−、−SO
2−、−CO−、−C(O)O−、−CONR
3−、−NR
3−、−NR
3CO−、−NR
3CONR
4−、−SO
2NR
3−、−NR
3SO
2−、−NR
3SO
2NR
4−、−NR
3C(O)O−、−NR
3C(O)OR
5−,C
1〜C
6アルキレン、又は−C
2〜C
6アルケニレンから選択されるリンカーから選択され、ここで、アルキレン又はアルケニレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5から選択される1つ以上の置換基で場合により置換され、及びR
3、R
4、及びR
5は上記で定義した通りである。
【0086】
具体的には、nが1である場合、Q
1は、共有金結合、又はC
1〜C
6アルキレン、例えばC
1〜C
3アルキレンであり、ここで、アルキレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5から選択される1つ以上の置換基で場合により置換されている。
【0087】
環Aは、直接又はリンカーを介して更なる環で置換され、すなわち、環Aは、少なくとも一つ−Q
1−(R
2)
n(ここで、nは1である)で置換されている。
【0088】
本明細書に記載の全ての場合において、R
2は、3〜10員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリール環を表す。R
2は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロフィリジニル、キノキサリニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば2,3−ジヒドロフラニル、2,5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、イソインドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピロアニル(例えば、3,4−ジヒドロピラニル、3,6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾキサジニル、及びテトラヒドロイソキノリニルから選択され得る。
【0089】
R
2は、場合により置換された5員若しくは6員の単環式ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリール環を表し得る。
あるいは、R
2は、場合により置換された9員若しくは10員の二環式ヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリール環を表し得る。
特にR
2は、フェニル、ピラゾリル、インダゾリル、ピリジニル、ベンゾチアゾリル、及びピリミジニルから選択される。さらに具体的には、R
2はフェニルである。
【0090】
本明細書に記載の全ての場合において、R
2は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR
6、−NR
6R
7、−CONR
6R
7、−NR
6COR
7、−NR
6CONR
7R
7a、−COR
6、−C(O)OR
6、−SO
2R
6、−SO
2NR
6R
7、−NR
6SO
2R
7、NR
6SO
2NR
7R
7a、−NR
6C(O)OR
7、−C
1〜C
6アルキル、−C
1〜C
6アルコキシ、−C
2〜C
6アルケニル、−C
2〜C
6、−Q
2a−R
8、−Q
2b−NR
6CONR
7R
7a、−Q
2b−NR
6CONR
7−Q
2c−R
8、−Q
2b−NR
6R
7、−Q
2b−NR
6−Q
2c−R
8、−Q
2b−COR
6、−Q
2b−CO−R
8、−Q
2b−NR
6COR
7、−Q
2b−NR
6CO−Q
2c−R
8、−Q
2b−NR
6C(O)OR
7、−Q
2b−NR
6C(O)O−Q
2c−R
8、−Q
2b−SO
2R
6、−Q
2b−SO
2−Q
2c−R
8、−Q
2b−CONR
6R
7、−Q
2b−CONR
6−Q
2c−R
8、−Q
2b−CO
2R
6、−Q
2bCO
2−Q
2c−R
8、−Q
2b−SO
2NR
6R
7、−Q
2b−SO
2NR
6−Q
2c−R
8、−Q
2−NR
6SO
2R
7、−Q
2−NR
6SO
2−Q
2c−R
8、−Q
2b−NR
6SO
2NR
7R
7a、及び−Q
2b−NR
6SO
2NR
7−Q
2c−R
8から選択される1個以上の置換基で場合により置換されてよく、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5から選択される1つ以上の置換基で場合により置換され、ここで、
【0091】
Q
2aは、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−CO−、場合により置換されたC
1〜C
6アルキレン、又は場合により置換されたC
2〜C
6アルケニレンを表し;
Q
2b及びQ
2cは、それぞれ独立して、共有結合、場合により置換されたC
1〜C
6アルキレン、又は場合により置換されたC
2〜C
6アルケニレンを表し;
R
6、R
7、及びR
7aは、それぞれ独立して、水素又は場合により置換されたC
1〜C
6アルキルを表し;及び
R
8は、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルを表す。
【0092】
R
2は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR
6、−NR
6R
7、−CONR
6R
7、−NR
6COR
7、−NR
6CONR
7R
7a、−COR
6、−C(O)OR
6、−SO
2R
7、−SO
2NR
6R
7、−NR
6SO
2R
7、NR
6SO
2NR
7R
7a、−NR
6C(O)OR
7、−C
1〜C
6アルキル、−C
1〜C
6アルコキシ、−C
2〜C
6アルケニル、−C
2〜C
6アルキニル、−Q
2b−NR
6CONR
7R
7a、−Q
2b−NR
6R
7、−Q
2b−C(O)R
6、−Q
2b−NR
6C(O)R
7、−Q
2b−NR
6C(O)OR
7、−Q
2b−SO
2R
6、Q
2b−C(O)NR
6R
7、−Q
2b−CO
2R
6、−Q
2b−SO
2NR
6R
7、−Q
2b−NR
6SO
2R
7、及び−Q
2b−NR
6SO
2NR
7R
7aから独立して選択される1つ以上(例えば、1、2、3、又は4つ)、特に1つ又は2つの置換基で置換されてよく、ここで、Q
2bは、共有結合、場合により置換されたC
1〜C
6アルキレン、又は場合により置換されたC
2〜C
6−アルケニレンを表し、及びR
6、R
7、及びR
7aは、それぞれ独立して、水素又は場合により置換されたC
1〜C
6アルキル基を表し、ここで、任意のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキレン、又はアルケニレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5から選択される1つ以上(例えば、1、2、3、又は4つ)の置換基で場合により置換される。
【0093】
具体的には、R
2は、ハロゲン(例えばフッ素)、シアノ、オキソ、C
1〜C
3アルキル、又はC
1〜C
3アルコキシから選択される1つ以上の置換基で置換されてよく、ここで、アルキル又はアルコキシは、場合により、フッ素、−CONR
6R
7、−NR
6COR
7、−Q
2a−R
8−、Q
2b−NR
6SO
2−Q
2c−R
8で置換され、Q
2aをは、共有結合、酸素原子、−CO−、−SO
2−、又は−C
1〜C
3アルキレンであり、Q
2bは、共有結合又はC
1〜C
3アルキレンであり、及びQ
2cは共有結合であり、そしてR
6及びR
7それぞれ独立して、水素又はC
1〜C
3アルキルから選択され、R
8は、3〜10員の場合により置換されたシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環であり、具体的には3〜6員の単環式シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、又はアリール環である。より詳しくは、R
8は、フェニル、ピペラジニル、シクロプロピル、モルホリニル、及びピペリジニルから選択される。
【0094】
より具体的には、R
2は、ハロゲン(例えば、塩素又はフッ素)、シアノ、オキソ、メチル、i−プロピル、OMe、OCF
3、O−i−プロピル、−C(O)NHMe、−C(O)N(CH
3)
2、−NHC(O)Me、ピペリジニル、−NHSO
2−シクロプロピル、Q
2a−フェニルから選択される1つ以上の置換基で置換されてよく、ここで、Q
2aをは、共有結合、酸素原子、又はメチレンであり、Q
2a−ピペラジニルから選択される1つ以上の置換基で置換されてよく、ここでQ
2aは、共有結合又は−CO−、及びQ
2a酸素−をモルホリニル(ここでQ
2aは、−CO−又は−SO
2−である)である。
【0095】
具体的には、R
2は、非置換、一置換、又は二置換されている。
【0096】
いくつかの例において、R
2は、場合により、直接又は連結基を介して結合して、3〜10員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリール環で置換されている。連結基は、酸素原子、カルボニル、−SO
2−、NHSO
2−、又は場合により置換されたC
1〜C
3アルキレンであり得る。連結基は、例えば酸素、−CO−、又はアルキレン鎖、例えばメチレン又はメチレンオキシであり得る。例えばR
2は、フェニル、ピペリジニル、ピペラジニル、及びモルホリニルから選択される5員若しくは6員環で置換されていてもよい。R
2は、環置換に加えて、ハロゲン、シアノ、オキソ、C
1〜C
3アルキル、C
1〜C
3アルコキシから選択される1つ以上の非環置換基でさらに置換されてよく、ここで、アルキル又はアルコキシは、フッ素、−C(O)NHMe、−C(O)N(CH
3)
2、及び−NHC(O)Meで場合により置換されてよい。
【0097】
いくつかの例において、R
2は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、テトラゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、インドリニル、プリニル、フラザニル、イミダゾリル、インダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、プテリジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イソインドリニル、トリアジニル、ジヒドロフリジニル、キノキサリニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、ジアゼパニル、ジヒドロフラニル(例えば2,3−ジヒドロフラニル、2、5−ジヒドロフラニル)、ジオキソラニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、オキサジナニル、インドリニル、イソインドリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル、ジヒドロピラニル(例えば3,4−ジヒドロピラニル、3.6−ジヒドロピラニル)、ホモピペラジニル、ジオキサニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、4H−キノリジニル、キヌクリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、チアゾリジニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロベンゾキサジニル、及びテトラヒドロイソキノリニルから選択される3〜10員のヘテロシクリル、シクロアルキル、ヘテロアリール、又はアリール環を表し、これは、置換されていないか、又はハロゲン(例えば、フッ素又は塩素)、シアノ、オキソ、ニトロ、ヒドロキシル、−SR
6、−NR
6R
7、−CONR
6R
7、−NR
6COR
7、−NR
6CONR
7R
7a、−COR
6、−C(O)OR
6、−SO
2R
6、−SO
2NR
6R
7、−NR
6SO
2R
7、NR
6SO
2NR
7R
7a、−NR
6C(O)OR
7、−C
1〜C
6アルキル、−C
1〜C
6アルコキシ、−C
2〜C
6アルケニル、−C
2〜C
6アルキニル、−Q
2a−R
8、−Q
2b−NR
6CONR
7R
7a、−Q
2b−NR
6CONR
7−Q
2c−R
8、−Q
2b−NR
6R
7、−Q
2b−NR
6−Q
2c−R
8、−Q
2b−COR
6、−Q
2b−CO−Q
2c−R
8、−Q
2b−NR
6COR
7、−Q
2b−NR
6CO−Q
2c−R
8、−Q
2b−NR
6C(O)OR
7、−Q
2b−NR
6C(O)O−Q
2c−R
8、−Q
2b−SO
2R
6、−Q
2b−SO
2−Q
2c−R
8、Q
2b−CONR
6R
7、−Q
2b−CONR
6−Q
2c−R
8、−Q
2b−CO
2R
6、−Q
2b−CO
2−Q
2c−R
8、−Q
2b−SO
2NR
6R
7、−Q
2b−SO
2NR
6−Q
2c−R
8、−Q
2bのNR
6SO
2R
7、−Q
2b−NR
6SO
2−Q
2c−R
8、−Q
2−NR
6SO
2NR
7R
8、及び−Q
2b−NR
6SO
2NR
7−Q
2c−R
8から選択される一つ以上(例えば、1、2、又は3つ)の置換基で置換されていてもよく、ここで、アルキル、アルコキシ、アルケニル、又はアルキニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、チオール、シアノ、アミノ、ニトロ、及びSF
5から選択される1つ以上の置換基で場合により置換され、Q
2aは、共有結合、酸素原子、硫黄原子、−SO−、−SO
2−、−CO−、C
1〜C
6アルキレン、又は場合により置換されたC
2〜C
6アルケニレンを表し、Q
2b及びQ
2cは、それぞれ独立して共有結合、場合により置換されたC
1〜C
6アルキレン、又は置換されたC
2〜C
6アルケニレンを表し、R
6、R
7、及びR
7aは、それぞれ独立して、水素又は置換されたC
1〜C
6アルキルを表し、及びR
8は、場合により置換されたヘテロシクリル、場合により置換されたヘテロアリール、場合により置換されたアリール、又は場合により置換されたシクロアルキルを表す。
【0098】
具体的には、R
2は、フェニル、ピラゾリル、インダゾリル、ピリジニル、ベンゾチアゾリル、及びピリミジニルから選択されてよく、ここで環は、置換されていないか、又はハロゲン、シアノ、オキソ、C
1〜C
3アルキル、又はC
1〜C
3アルコキシから選択される1つ以上(例えば、1、2、又は3つ)の置換基で置換されており、ここでアルキル又はアルコキシは、任意にフッ素、−CONR
6R
7、−NR
6COR
7、−Q
2a−R
8、−Q
2b−NR
6SO
2−Q
2c−R
8で場合により置換され、ここでQ
2aは、共有結合、酸素原子、−CO−、−SO
2−、又は−C
1〜C
3アルキレンであり、Q
2bは、共有結合又はC
1〜C
3アルキレンであり、Q
2cは共有結合であり、R
6及びR
7は、それぞれ独立して、水素又はC
1〜C
3アルキルから選択され、R
8は、3〜10員の場合により置換されたシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又はヘテロアリール環である。
【0099】
本発明は、さらに式(I)の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩に関し、ここで、
R
1a、R
1b、R
1c、及びR
1dは、それぞれ独立して、水素、及び場合によりフッ素で置換されたC
1〜C
3アルキルから選択され;
R
1e及びR
1fは、それぞれ独立して、水素、フッ素、C
1〜C
3アルキル、又はC
1〜C
3アルコキシアルキルから選択され、ここで、アルキル又はアルコキシは、フッ素により場合により置換され;
環Aは、さらに1、2、又は3つの−Q
1−(R
2)
nで場合により置換された単環式又は二環式の5〜10員環ヘテロシクリルであり、R
2及びnは本明細書中で定義された通りである。
【0100】
本発明はさらに、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩に関し、ここで、
R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
1e、及びR
1fはそれぞれ水素を表し;
環Aは、ピロリジン−2−オン、ピペラジン−2−オン、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン、1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−2(3H)オン、3,4−ジヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−2(1H)−オン、1,5−ジヒドロベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−2(3H)−オン、及び1,2,3,5−テトラヒドロ−4H−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−オンから選択され、ここで環は場合により、1、2、又は3つの−Q
1−(R
2)
nでさらに置換され、ここでQ
1、R
2、及びnは、本明細書で定義されたとおりである。
【0101】
本発明はさらに、式(I)の化合物、又はその医薬的に許容し得る塩に関し、ここで、
R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
1e、及びR
1fはそれぞれ水素を表し;
環Aは、1、2、又は3つの−Q
1−(R
2)
nでさらに場合により置換された単環式又は二環式の5〜10員のヘテロシクリル環を表し;
nは0又は1であり;
R
2は、ピペリジニル、ピロリル、フェニル、ピラゾリル、イソキサゾリル、インダゾリル、ピリジニル、ジヒドロピリジニル、ベンゾチアゾリル、及びピリミジニルから選択され;
Q
1は本明細書で定義される通りである。
【0102】
Aで表される単環式及び二環式ヘテロシクリル環の例は、以下のものが含まれる:
【表1-1】
【表1-2】
【0103】
式Iの新規化合物の例には以下が含まれる:
2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−クロロ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−メトキシ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−([1,1'−ビフェニル]−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(3−シアノフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
2'−オキソ−7'−(4−フェノキシフェニル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0104】
7'−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(4−シアノフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(2−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
5−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)−N−メチルピコリンアミド
7'−(2−(ベンジルオキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
4−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)−N−メチルベンズアミド
7'−(3−((2−クロロベンジル)オキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(6−メトキシピリジン−3−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0105】
7'−(5−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(3−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
N−(3−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)フェニル)シクロプロパンスルホンアミド
7'−(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
2'−オキソ−7'−(ピリミジン−5−イル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
N−(3−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)フェニル)アセトアミド
3−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド
N−(4−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)フェニル)アセトアミド
【0106】
7'−(4−(モルホリノスルホニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(2−メチルピリジン−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
2'−オキソ−7'−(3−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
N−(2−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)フェニル)アセトアミド
7'−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(3−(モルホリノスルホニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(2−メチルベンゾ[d]チアゾール−5−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0107】
2'−オキソ−6'−フェニル−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(4−シアノフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(3−シアノフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(4−フルオロフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(3−フルオロフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
1−シアノ−N,N−ジメチル−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボキサミド
1−シアノ−N−メチル−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボキサミド
2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
2−オキソ−7−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(4−シアノフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(3−シアノフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【0108】
7−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
2−オキソ−6−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
2−オキソ−6−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
2−オキソ−7−フェニル−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(4−シアノフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−2,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
【0109】
(R)−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
(S)−2−オキソ−7−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(R)−2'−オキソ−6'−フェニル−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
(S)−2−オキソ−7−フェニル−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(4−シアノフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(3−シアノフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(3−シアノフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(8R)−8−メチル−7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
【0110】
7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
(8S)−8−メチル−7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
7,10−ジオキソ−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
8−エチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
8−ベンジル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
8−メチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
2−オキソ−1,5−ジヒドロ−2H−スピロ[ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
8−メチル−7,10−ジオキソ−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
【0111】
2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−クロロ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−メトキシ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−([1,1'−ビフェニル]−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(2−フルオロ−5−メチルフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(3−シアノフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
2'−オキソ−7'−(4−フェノキシフェニル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(4−シアノフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(2−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0112】
5−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)−N−メチルピコリンアミド
7'−(2−(ベンジルオキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
4−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)−N−メチルベンズアミド
7'−(3−((2−クロロベンジル)オキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(6−メトキシピリジン−3−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(5−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(3−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0113】
N−(3−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)−フェニル)シクロプロパンスルホンアミド
7'−(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
2'−オキソ−7'−(ピリミジン−5−イル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
N−(3−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)フェニル)アセトアミド
3−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド
N−(4−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)フェニル)アセトアミド
7'−(4−(モルホリノスルホニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(2−メチルピリジン−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0114】
2'−オキソ−7'−(3−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
N−(2−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)フェニル)アセトアミド
7'−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(3−(モルホリノスルホニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(2−メチルベンゾ[d]チアゾール−5−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
2'−オキソ−6'−フェニル−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(4−シアノフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(3−シアノフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(4−フルオロフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(3−フルオロフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0115】
1−シアノ−N,N−ジメチル−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボキサミド
1−シアノ−N−メチル−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボキサミド
2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
2−オキソ−7−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
7−(4−シアノフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
7−(3−シアノフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
7−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
7−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
2−オキソ−6−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
2−オキソ−6−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
2−オキソ−7−フェニル−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
【0116】
7−(4−シアノフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
7−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
7−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−2,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
(R)−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
(S)−2−オキソ−7−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
(S)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
(S)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
(R)−2'−オキソ−6'−フェニル−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
(S)−2−オキソ−7−フェニル−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
【0117】
(S)−7−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
(S)−7−(4−シアノフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(3−シアノフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(3−シアノフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(8R)−8−メチル−7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
(8S)−8−メチル−7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
【0118】
7,10−ジオキソ−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
8−エチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
8−ベンジル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
8−メチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
2−オキソ−1,5−ジヒドロ−2H−スピロ[ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
8−メチル−7,10−ジオキソ−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
【0119】
2−オキソ−6−フェニル−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(1,4−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(R)−7'−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
(R)−7'−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボ
7'−(1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
(R)−7'−(1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
(S)−7'−(1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
(R)−6'−(1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
1'−シアノ−N−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボキサミド
2−オキソ−6−(ピペリジン−1−カルボニル)−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
6−(1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【0120】
(S)−7−(1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−6−(1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−1'−シアノ−N−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボキサミド
1'−シアノ−2−オキソ−N−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボキサミド
1'−シアノ−N−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボキサミド
7−(1−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(R)−7−(1−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(1−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【0121】
7−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(R)−7−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(1−(2−メトキシエチル)−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(R)−7−(1−(2−メトキシエチル)−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(1−(2−メトキシエチル)−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
7−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(R)−7−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
(S)−7−(6−メトキシ−2−メチルピリジン−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【0122】
2'−オキソ−7'−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
4−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド
7'−(3−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
7'−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−([1,1'−ビフェニル]−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
2'−オキソ−6'−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
2'−オキソ−6'−(4−フェノキシフェニル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
5−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−6'−イル)−N−メチルピコリンアミド
6'−(2−(ベンジルオキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0123】
4−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−6'−イル)−N−メチルベンズアミド
6'−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(3−((2−クロロベンジル)オキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(6−メトキシピリジン−3−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(5−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(3−メチル−1H−インダゾール−6−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(4−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(1−メチル−1H−インダゾール−5−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0124】
N−(3−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−6'−イル)−フェニル)シクロプロパンスルホンアミド
4−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−6'−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド
2'−オキソ−6'−(ピリミジン−5−イル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
N−(3−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−6'−イル)フェニル)アセトアミド
N−(4−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−6'−イル)フェニル)アセトアミド
6'−(3−(4−メチルピペラジン−1−カルボニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(1−メチル−1H−ピロール−2−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(4−(モルホリノスルホニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0125】
2'−オキソ−6'−(3−(ピペリジン−1−イル)フェニル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
N−(2−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−6'−イル)フェニル)アセトアミド
6'−(4−(モルホリン−4−カルボニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(3−(モルホリノスルホニル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(2−メチルベンゾ[d]チアゾール−5−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【0126】
6'−(3,5−ジメチルイソキサゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(2−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(4−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
N−ベンジル−4−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−6'−イル)ベンズアミド
6'−(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
6'−(4−(モルホリノメチル)フェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
3−(1−シアノ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−6'−イル)−N,N−ジメチルベンズアミド、及び
6'−(2−メチルピリジン−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル。
【0127】
上に列挙した化学化合物の各々は、本発明の特定の独立した態様を表すことに留意すべきである。
【0128】
本発明のさらなる態様において、式IIのアミンに臭化シアンを反応させてN−CN化合物を形成することを含む、式(I)の化合物又は医薬的に許容し得る塩の調製方法が提供される:
【化4】
【0129】
ここで、R
1a〜R
1e、及びAは、別のところで定義したとおりである。
【0130】
本発明の更なる態様において、本発明の化合物を含む医薬組成物が提供される。
【0131】
本発明の医薬組成物は、任意の医薬的に許容し得る担体、補助剤、又はビヒクルと組み合わせた本発明の化合物のいずれかを含む。医薬的に許容し得る担体の例は当業者に公知であり、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、香料、抗菌剤、抗真菌剤、潤滑剤、及び分散剤を、投与様式及び剤形の性質に応じて含む。組成物は、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、トローチ剤、坐剤、シロップ剤、及び懸濁液と溶液とを含む液体製剤の形態であってもよい。本発明の文脈における用語「医薬組成物」は、活性薬剤と、追加的に1つ以上の医薬的に許容し得る担体とを含む組成物を意味する。組成物は、例えば希釈剤、補助剤、賦形剤、ビヒクル、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、香味剤、香料、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤、及び分散剤から選択される成分を、投与様式及び剤形の性質に応じて含む。
【0132】
本発明の化合物は、DUB阻害、特にセザンヌ1、及びUSP30阻害に関連する障害及び疾患の治療に使用することができる。
【0133】
本発明の別の態様によれば、治療に使用するための式(I)の化合物又はその医薬組成物が提供される。特に本発明の化合物は、癌の治療において、より詳細にはDUB活性に関連する癌の治療において使用される。本発明の化合物は、特に限定されるものではないが、セザンヌ1及びUSP30を含む任意のDUB酵素に対して有用であり得る。
【0134】
前記化合物は、DUB活性に関連する癌の治療のための医薬の製造に使用され得る。
【0135】
本発明の更なる態様において、セザンン1又はUSP30に関連する癌の治療及び/又は予防方法が提供され、この方法は、本発明の化合物又はその医薬組成物の医薬的に有効な量を、セザンヌ1又はUSP30活性に関連する癌を患っている個体に投与することを含む。
【0136】
本明細書に開示の化合物又は組成物は、癌を治療するために使用することができる。「癌」又は「腫瘍」への参照は、特に限定されるものではないが、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、腎臓癌、胃癌、大腸癌、精巣癌、頭頸部癌、膵臓癌、脳癌、黒色腫、骨癌、又は組織器官の癌、及びリンパ腫及び白血病などの血液細胞の癌を含む。特定の癌には、リンパ腫、多発性骨髄腫、結腸直腸癌、及び非小細胞肺癌が含まれる。
【0137】
本明細書に開示の化合物又は組成物は、セザンヌ1活性に関連する追加の疾患を治療するために使用することができる。
【0138】
本発明の化合物又はその医薬組成物は、1つ以上のさらなる薬剤と組み合わせることができる。本化合物は、例えば化学療法剤又は他の調節タンパク質の阻害剤などの、1つ以上の追加の抗腫瘍治療薬と組み合わせてもよい。1つの実施態様において、前記1つ以上の抗腫瘍治療薬は化学療法剤である。化学療法剤は、オラパリブ、マイトマイシンC、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、イオン化放射線(IR)、カンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、テモゾロミド、タキサン、5−フルオロピリミジン、ゲムシタビン、及びドキソルビシンをから選択され得る。更なる実施態様において、追加の抗腫瘍治療剤はBH−3模倣物である。さらなる実施態様において、BH−3に模倣体は、特に限定されるものではないが、ABT−737、ABT−199、ABT−263、及びオバトクアックス(Obatoclax)から選択してもよい。
【0139】
上記したように、セザンヌ1の阻害は炎症応答の低下につながるため、本発明の化合物(式(I))は炎症の治療に使用することができる。
【0140】
上記したように本発明の化合物は、USP30阻害に関連する障害及び疾患の治療に有用であり得る。従って本発明の化合物は、ミトコンドリア機能障害に関連する成分を有する障害又は疾患の治療に有用であり得る。
【0141】
ミトコンドリア機能障害は、ミトコンドリアの欠陥から生じ、赤血球以外の体のあらゆる細胞に存在する特殊な区画である。ミトコンドリアが機能しなくなると、細胞内で生成されるエネルギーが徐々に減少して、細胞の損傷や死亡に至ることさえある。このプロセスが体全体で繰り返されると、これが発生している被験体の生命が極めて危険になる。ミトコンドリアの病気は、脳、心臓、肝臓、骨格筋、腎臓、及び内分泌や呼吸器系などのエネルギー要求の厳しい臓器で最も頻繁に表れる。
【0142】
ミトコンドリア機能障害を伴う状態は、マイトファジー欠損を伴う状態、ミトコンドリアDNAの変異を伴う状態、ミトコンドリア酸化ストレスを伴う状態、ミトコンドリア膜電位の欠損を伴う状態、ミトコンドリア生合成、ミトコンドリアの形又は形態の欠陥、及びリソソーム蓄積欠陥を伴う状態から選択することができる。
【0143】
特に、ミトコンドリア機能障害を伴う状態は、神経変性疾患、多発性硬化症(MS)、ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、及び脳卒中様症状(MELAS)症候群;レーベル遺伝性視神経症(LHON);癌;神経障害、運動失調、色素性網膜炎−母系遺伝性ライ症侯群(NARP−MILS);ダノン病;糖尿病;糖尿病性腎症;代謝障害;心不全;心筋梗塞を引き起こす虚血性心疾患;精神医学的疾患、例えば統合失調症;複数のスルファターゼ欠損(MSD);ムコリピドーシスII(MLII);ムコリピドーシスIII(MLIII);ムコリピドーシスIV(MLIV);GM1−ガングリオシドーシス(GM1);ニューロンセロイド−リポフシノーゼ(NCL1);アルパー病;バース症候群;ベータ酸化酵素欠陥;カルニチン−アシル−カルニチン欠乏症;カルニチン欠乏;クレアチン欠乏症候群;補酵素Q10欠損;複合体I欠乏症;複合体II欠乏症;複合体III欠乏症;複合体IV欠乏症;複合体V欠損欠乏症;COX欠損;慢性進行性外眼筋麻痺症候群(CPEO);CPTI欠損;CPTII欠損;グルタル酸性尿症II型;ケーンズ・セイヤー症候群;乳酸アシドーシス;長鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損(LCHAD);リー疾患又は症候群;致死的幼児心筋症(LIC);ルフト病;グルタル酸性尿症II型;中鎖アシル−CoAデヒドロゲナーゼ欠損(MCAD);ミオクロニー性てんかん及びぼろ赤色線維症(MERRF)症候群;ミトコンドリア細胞病;ミトコンドリア性劣性運動失調症候群;ミトコンドリアDNA枯渇症候群;筋神経胃腸管障害及び脳症;ピアソン症候群;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損;ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損;POLG突然変異;中/短鎖3−ヒドロキシアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(M/SCHAD)欠損;及び非常に長鎖のアシル−CoAデヒドロゲナーゼ(VLCAD)欠損;及び、年齢依存的な認知機能及び筋力の低下から選択される。
【0144】
ミトコンドリア機能障害を伴う状態は、CNS障害、例えば神経変性疾患であり得る。神経変性疾患には、特に限定されるものではないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、虚血、脳卒中、レビー小体型認知症、及び前頭側頭型認知症が含まれる。
【0145】
剤形
本発明の医薬組成物は、経口、非経口、又は粘膜経路投与用に設計することができ、組成物の選択又は具体的な形態は投与経路に依存する。従って経口投与のために組成物は、例えば、錠剤、トローチ、糖衣錠、フィルム、粉末、エリキシル、シロップ、分散液を含む液体調製物、懸濁液、エマルジョン、溶液、噴霧、カシェ剤、顆粒剤、カプセル剤などの形態であってもよい。粘膜への投与のために、組成物は、噴霧、吸入剤、分散液、懸濁液、エマルジョン、溶液、ゲル、パッチ、フィルム、軟膏、クリーム、ローション、坐薬などの形態であってもよい。非経口投与のために、組成物は、溶液、分散液、エマルジョン、又はリポソーム組成物を含む懸濁液などの液体調製物の形態である。
【0146】
非経口投与のための本発明の調製物には、滅菌水性、水性有機、及び有機溶液、懸濁液、及びエマルションが含まれる。
【0147】
このような剤形は、医薬製剤分野で公知の技術に従って調製される。噴霧又は吸入の形態である場合、医薬組成物は鼻内投与されてもよい。この目的のための適切な製剤は、当業者に知られている。
【0148】
本発明の医薬組成物は、注射によって投与することができ、リポソーム調製物を含む注射用の滅菌液体製剤の形態であり得る。本発明の医薬組成物は、直腸投与のための坐剤の形態であってもよい。これらは、医薬組成物が室温で固体であり、体温で液体であって、活性化合物の放出を可能にするように処方される。
【0149】
剤形は、患者の要求、治療される状態の重篤度、及び使用される化合物に依存して変わり得る。特定の状況のための適切な投与量の決定は、当業者の技術範囲内である。一般に治療は、化合物の最適用量より少ない用量で開始される。その後、その状況で最適効果に達するまで投与量を少しずつ増加させる。
【0150】
もちろん、化合物の有効用量の大きさは、治療される症状の重症度、及び具体的な化合物、そして投与経路の性質によって変化する。適切な投与量の選択は、過度の負担なしに、当業者の範囲内にある。1日の用量範囲は、ヒト及びヒト以外の動物の体重1kgあたり約10mg〜約100mgであり、用量当たり約10〜30mg/kg体重であり得る。上記の用量は、1日当たり1〜3回投与することができる。
【0151】
合成方法
本発明の化合物は、種々の合成経路によって調製することができる。本発明の特定の化合物への例示的経路を以下に示す。本発明の代表的な化合物は、以下に記載され以下のスキームでより詳しく例示される一般的な合成方法に従って合成することができる。スキームは例示でり、本発明は、示される化学反応及び条件によって制限されると解釈されるべきではない。スキームで使用される種々の出発物質の調製は、当業者の技術の範囲内である。当業者であれば、適切な場合には、スキーム内の個々の変換を異なる順序で完了することができることを理解する。以下のスキームは、本発明の中間体や標的化合物が調製される一般的合成法を記載する。追加の代表的な化合物、及びその立体異性体、ラセミ混合物、ジアステレオ異性体及びその鏡像異性体は、一般的なスキームで調製された中間体、及び当業者に公知物質、及び化合物、及び試薬を用いて合成することができる。全てのそのような化合物、立体異性体、ラセミ混合物、ジアステレオ異性体、及び鏡像異性体は、本発明の範囲に包含されることが意図される。
【0152】
列記された全ての単一の鏡像異性体は、キラル分取HPLC又は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)により、対応するラセミ混合液から調製された。
【0153】
すべての化合物は、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)及び/又は
1H NMRによって性状解析された。
【0154】
略語:
ABPR 自動背圧レギュレータ
AIBN アゾビスイソブチロニトリル
Boc tert−ブトキシカルボニル
br ブロード(NMRシグナル)
CAS ケミカルアブストラクトサービス
d 二重線(NMRシグナル)
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
ES エレクトロスプレー
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
HATU 1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロホスフェート
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IPA プロパン−2−オール
LCMS 液体クロマトグラフィー−質量分析
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
m 多重項(NMRシグナル)
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
NBS N−ブロモスクシンイミド
N−Bu n−ブチル
NMR 核磁気共鳴
PE 石油エーテル
Ph フェニル
Pre 分取
psi ポンド/平方インチ
rt 室温
RT 保持時間
s 一重項(NMRシグナル)
t 三重項(NMRシグナル)
TBD 1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0155】
LCMS法
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0156】
中間体A
3−アミノ−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチル
【化5】
【0157】
工程a
DCM(600ml)中のメチル(tert−ブトキシカルボニル)−L−セリネート(CAS番号2766−43−0;30g、136.9ミリモル)の攪拌溶液に、−50℃でピリジン(27.03g、342.1ミリモル)を加えた。反応混合液にクロロ蟻酸ベンジル(23.35g、136.9ミリモル)を−50℃でゆっくり加え、反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合物を10%クエン酸溶液(1500ml)に注ぎ、有機相を分離し、水相をDCM(2×300ml)で再抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%EtOAc)により精製して、メチル−O−((ベンジルオキシ)カルボニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−セリネート(22.0g、62.323ミリモル)を得た。LCMS:方法3、4.98分、MS: ES+ 354.2;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 7.49 (d, J=7.2 Hz, 1 H), 7.36 - 7.39 (m, 5 H), 5.16 (s, 2 H), 4.35 - 4.40 (m, 2 H), 4.21 - 4.27 (m, 1 H), 3.64 (s, 3 H), 1.38 (s, 9 H)。
【0158】
工程b
DMF(150ml)中のメチル−O−((ベンジルオキシ)カルボニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−セリネート(22.0g、62.3ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(17.2g、124.6ミリモル)を室温で加え、反応混合液を65℃で1時間攪拌した。混合液を室温に冷却し、水(2000ml)に注ぎ、EtOAc(2×500ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5%EtOAc)により精製して、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アクリル酸メチル(11.0g、54.726ミリモル)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.39 (s, 1 H), 5.60 (s, 1 H), 5.49 (s, 1 H), 3.72 (s, 3 H), 1.42 (s, 9 H)。
【0159】
工程c
DCM(250ml)中の2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アクリル酸メチル(11g、54.726ミリモル)及びN−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンジルアミン(CAS番号93102−05−7;12.97g、54.7ミリモル)の攪拌溶液に、窒素雰囲気下、0℃でTFA(0.3ml)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液をDCM(200ml)で希釈し、飽和NaHCO
3溶液(1500ml)で洗浄した。有機層を分離し、水相をDCM(2×200ml)で再抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。生じた残留物を精製して、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5〜20%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(9.0g、26.9ミリモル)を得た。LCMS:方法3、4.69分、MS: ES+ 335.1;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 7.59 (s, 1 H), 7.28 (m, 4 H), 7.22 - 7.26 (m, 1 H), 3.57 - 3.63 (m, 5 H), 2.99 (d, J=10.0 Hz, 1 H), 2.68 (d, J=10.0 Hz, 1 H), 2.58 - 2.61 (m, 1 H), 2.47 - 2.49 (m, 1 H), 2.17 - 2.21 (m, 1 H), 1.97 - 1.99 (m, 1 H), 1.36 (s, 9 H)。
【0160】
工程d
DCM(15ml)中の1−ベンジル−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(0.8g、2.39ミリモル)の攪拌溶液に、0℃でTFA(4ml)に加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。反応混合液を減圧下で濃縮し、DCM(2×20ml)を使用して共沸蒸留した。得られた残留物をEtOAc(50ml)に溶解し、飽和NaHCO
3溶液(3×50ml)で洗浄した。有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−アミノ−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチル(0.57g、定量的)を得た。この物質を、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法1、0.90分、MS: ES+ 235.3;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 7.22 - 7.33 (m, 5 H), 3.63 (s, 3 H), 3.58 (s, 2 H), 2.88 (d, J=9.2 Hz, 1 H), 2.68 (q, J=7.2 Hz, 1 H), 2.54 - 2.58 (m, 1 H), 2.38 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 2.21 - 2.25 (m, 1 H), 1.61 - 1.68 (m, 1 H)。
【0161】
中間体B
7'−ブロモ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチル
【化6】
【0162】
試薬と条件:a)NBS、AIBN、CCl
4、76℃、16時間、B)LiHMDS、THF、−78℃、1時間;rt、16時間、c)Fe、NH
4Cl、THF/水、60℃、16時間。
【0163】
工程a
CCl
4(600ml)中の4−ブロモ−1−メチル−2−ニトロ−ベンゼン(60g、277ミリモル、1.0当量)及びNBS(59.3g、333ミリモル、1.2当量)の混合液に、AIBN(5.47g、33.3ミリモル、0.12当量)を、室温でN
2下で加えた。混合液を76℃で16時間撹拌した。反応混合液を濾過し、濾液を2M NaHCO
3(2×250ml)と食塩水(400ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜5%のEtOAc/PE)により精製して、4−ブロモ−1−(ブロモメチル)−2−ニトロ−ベンゼン(40g、135ミリモル、48.8%の収率)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 8.04 (d, J=10.0 Hz, 1H), 7.61-7.68 (m, 1H), 7.13 (dd, J=8.0, 2.0 Hz, 1H), 3.70-3.76 (m, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.23-3.49 (m, 5H), 2.25-2.37 (m, 1H), 1.78-1.92 (m, 1H), 1.46 (s, 9H)。
【0164】
工程b
THF(450ml)中の3−メチルピロリジン−1,3−カルボン酸1−(tert−ブチル)(31.1g、135ミリモル、1.0当量)の混合液に、LiHMDS(1M、203m、1.5当量)を、−78℃でN
2下で滴下して加えた。混合物を−78℃で30分間撹拌し、次にTHF(150ml)中の4−ブロモ−1−(ブロモメチル)−2−ニトロ−ベンゼン(40g、135ミリモル、1.0当量)の溶液を加え、−78℃で滴下して加えた。混合液を−78℃で1時間撹拌し、次に室温で16時間撹拌した。LCMSは、所望の化合物が検出されたことを示した。反応混合液を飽和NH
4Cl溶液(500ml)の添加によりクエンチし、次にEtOAc(5×500ml)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(2×1000ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(0〜30%EtOAc/PE)で精製した。3−[(4−ブロモ−2−ニトロ−フェニル)メチル]−ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(15g、33.8ミリモル、24.9%収率)を黄色の液体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 8.04 (d, J=10.0 Hz, 1H), 7.61-7.68 (m, 1H), 7.13 (dd, J=8.0, 2.0 Hz, 1H), 3.70-3.76 (m, 1H), 3.64 (s, 3H), 3.23-3.49 (m, 5H), 2.25-2.37 (m, 1H), 1.78-1.92 (m, 1H), 1.46 (s, 9H)。
【0165】
工程c
THF(250ml)及び水(250ml)中の3−[(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)メチル]THF中のピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)−3−メチル(15g、33.8ミリモル、1.0当量)の混合液に、Fe(18.9g、338ミリモル、10.0当量)及びNH
4Cl(18.1g、338ミリモル、11.8ml、10.0当量)を0℃で加えた。混合液を60℃で16時間撹拌した。反応混合液を濾過し、濾液を水(50ml)で希釈し、EtOAc(5×50ml)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(2×60ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して残留物を得た。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液0〜5%DCM/MeOH)で精製した。7'−ブロモ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチル(12g、31.4ミリモル、93.0パーセントの収率)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 10.34 (s, 1H), 7.07-7.16 (m, 2H), 7.03 (s, 1H), 3.50-3.57 (m, 1H), 3.24-3.34 (m, 1H), 3.06 (dd, J=10.8, 2.8 Hz, 1H), 2.89 (q, J=11.6 Hz, 2H), 1.94-2.02 (m, 1H), 1.63-1.75 (m, 1H), 1.37 (s, 9 H)。
【0166】
中間体C
3−ヒドロキシピロリジン−1,3−ジカルボン酸tert−ブチル3−メチル
【化7】
【0167】
試薬と条件:a)NaCN,NaHCO
3、Et
2O、水;b)HCl、1,4−ジオキサン、水;c)Boc
2O、EtOAc、NaHCO
3(水溶液);d)Cs
2CO
3、DMF;e)Fe、NH
4Cl、THF、水;f)TFA、DCM;g)CNBr、K
2CO
3、THF。
【0168】
工程a
ジエチルエーテル(50ml)及び水(8ml)中のN−BOC−3−ピロリジノン(CAS番号101385−93−7;4.0g、21.6ミリモル)の攪拌溶液に、水(5ml)中のNaHCO
3(3.6g、43ミリモル)を0℃で加えた、反応混合液にNaCN(3.17g、64.8ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を24時間撹拌した。得られた反応混合液を水(500ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(2×300ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−シアノ−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(4.21g、19.9ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 6.90 (s, 1 H), 3.48 - 3.63 (m, 2 H), 3.36 - 3.44 (m, 1 H), 3.20 - 3.32 (m, 1 H), 2.27 - 2.33 (m, 1 H), 2.13 - 2.20 (m, 1 H), 1.42 (s, 9 H)。
【0169】
工程b
MeOH(10.5ml)中の3−シアノ−3−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(4.2g、19.8ミリモル)の攪拌溶液に、0℃で1,4−ジオキサン(42ml)中の4M HClを加えた。反応混合液を3時間撹拌した。過剰の溶媒を減圧下で蒸留して、3−ヒドロキシピロリジン−3−カルボン酸メチルHCl塩(4.2g、定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法3、1.140分、MS: ES+ 146.07。
【0170】
工程c
EtOAc(42ml)中の3−ヒドロキシピロリジン−3−カルボン酸メチル塩酸塩(4.2g、23204ミリモル)の攪拌溶液に、飽和NaHCO
3溶液(42ml)を室温で加えた。反応混合液にBoc無水物(10.12g、46.4ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を飽和NaHCO
3(200ml)に注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、3−ヒドロキシピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(2.2g、8.979ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.90分、MS: ES+ 246.2;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 5.87 (s, 1 H), 3.68 (s, 3 H), 3.41 - 3.52 (m, 2 H), 3.28 - 3.32 (M, 2 H), 2.09 - 2.18 (m, 1 H), 1.91 - 1.94 (m, 1 H), 1.39 (s, 9 H)。
【0171】
中間体D
7−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル
【化8】
【0172】
工程a
THF(30ml)中の3−ヒドロキシピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(中間体C、0.5g、2.04ミリモル)の攪拌溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(THF中1M;2.04ml、2.04ミリモル)を−78℃で滴下して加えた。反応混合液を−78℃で5分間撹拌した。THF(1ml)中の2−フルオロ−3−ニトロ−5−ブロモピリジン(CAS番号886372−98−1;0.493g、2.24ミリモル)の溶液を、−78℃で反応混合液に加えた。反応混合液を−78℃〜−40℃で5時間撹拌した。得られた反応混合液を、−40℃で飽和塩化アンモニウム溶液(20ml)をゆっくり加えることによりクエンチした。得られた反応混合液を室温まで暖め、同じ方法で調製された同じスケールで他の3つのバッチと合わせた。反応混合液を水(50ml)で希釈し、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、食塩水(30ml)で洗浄した。有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中12%EtOAc)により精製して、3−((5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)オキシ)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸tert−ブチル3−メチル(1.65g、3.697ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.539分、MS: ES+ 390.2, 392.2 (M-2) (M-56);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.78 (s, 1 H), 8.63 (s, 1 H), 4.00 (d, J=12.0 Hz, 1 H), 3.70 (d, J=12.8 Hz, 1 H), 3.65 (s, 3 H), 3.48 - 3.54 (m, 1 H), 3.37 - 3.46 (m, 1 H), 2.39 - 2.45 (m, 2 H), 1.39 (d, J=6.4 Hz, 9 H)。
【0173】
工程b
THF:水(1:1;8ml)中の3−((5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)オキシ)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(0.8g、1.793ミリモル)の攪拌溶液に、鉄粉(1.0g、17927ミリモル)及び塩化アンモニウム(0.957g、17.93ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を70℃で18時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却して、同じ方法で調製した同じスケールの別の1つのバッチと合わせた。反応混合液をセライトハイフローで濾過した。セライト床をEtOAc(100ml)で洗浄した。合わせた濾液を水(50ml)に注いだ。有機相を分離し、水相をEtOAc(3×50ml)で再抽出した。合わせた有機相を食塩水(50ml)で洗浄した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、7−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチルと3−((3−アミノ−5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(1.45g、定量的)の約2:3混合物を得た。得られた混合液をさらに精製することなく次の工程に使用した。LCMS:方法1、2.218分、2.429分、MS: ES+ 328.0, 329.0 (M+2) (M-56), 416.1, 418.1。
【0174】
工程c
THF(20ml)中の7−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチルと3−((3−アミノ−5−ブロモピリジン−2−イル)オキシ)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(0.7g、1.689ミリモル)の約2:3混合物に、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(0.235g、1.689ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を3時間撹拌した。得られた反応混合液を、同一の方法で同じスケールで調製した他の1つのバッチと合わせた。得られた反応混合液を真空下で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中25%EtOAc)により精製して、7−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボン酸tert−ブチル(1.3g、3.618ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.125分、MS: ES+ 328.0, 330.0 (M+2) (M-56);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 11.21 (s, 1 H), 7.96 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.40 (d, J=2.4 Hz, 1 H), 3.68 - 3.75 (m, 1 H), 3.52 - 3.60 (m, 2 H), 3.64 - 3.44 (m, 1 H), 2.32 - 2.36 (m, 1 H), 2.20 - 2.22 (m, 1 H), 1.40 (d, J=10.0 Hz, 9 H)
【0175】
中間体E
3−アミノ−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチルTFA塩
【化9】
【0176】
工程a
DCM(300ml)中のBoc−L−セリンメチルエステル(CAS番号2766−43−0;30.0g、136.9ミリモル)の溶液に、ピリジン(28.8ml、342ミリモル)を−50℃で加え、15分間攪拌した。反応混合液にクロロ蟻酸ベンジル(25.67g、150.5ミリモル)を−50℃で滴下して加えた。反応混合液の温度を徐々に室温まで上昇させた。得られた反応混合液を室温で15時間撹拌した。さらに15時間後、ピリジン(22.0ml、274ミリモル)及びクロロ蟻酸ベンジル(23.3g、136.9ミリモル)を−50℃で加え、反応混合液を室温で5時間撹拌した。得られた反応混合液を50%クエン酸溶液(500ml)でクエンチし、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、飽和NaHCO
3溶液(50ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をn−ヘキサン(200ml)で粉砕して、メチルO−((ベンジルオキシ)カルボニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−セリネート(33.25g、94.155ミリモル)を得た。LCMS:方法3、4.94分、MS: ES+ 354.1;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 7.48 (d, J=7.2 Hz, 1 H), 7.32 - 7.41 (m, 5 H), 5.14 (s, 2H), 4.36 - 4.40 (m, 2H), 4.23 - 4.26 (m, 1H), 3.63 (s, 3H), 1.37 (S, 9H)。
【0177】
工程b
DMF(330ml)中のメチルO−((ベンジルオキシ)カルボニル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−セリネート(33.0g、93.48ミリモル)の溶液に、K
2CO
3(25.88g、186.97ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を65℃で1時間加熱した。得られた反応混合液を水(1000ml)に注ぎ、EtOAc(3×150ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(3×50ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中3%EtOAc)により精製して、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アクリル酸メチル(10.39g、51.66ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.25分。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.37 (s, 1H), 5.64 (s, 1H), 5.49 (s, 1), 3.72 (s, 3H), 1.41 (s, 9H)。
【0178】
工程c
DCM(103ml)中の2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)アクリレート(10.3g、51.24ミリモル)の溶液に、TFA(0.26ml)を0℃で加えた。反応混合液にN−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)−ベンジルアミン(13.35g、56.37ミリモル)をゆっくり加えた。反応混合液を0℃で15分間攪拌し、次に室温で15時間攪拌した。15時間後、未反応の出発物質を得て、再度N−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)−ベンジルアミン(3.64g、15.373ミリモル)を反応混合液に0℃でゆっくり加えた。反応混合液を室温でさらに15時間撹拌した。得られた反応混合液を水(250ml)に注ぎ、Na
2CO
3を用いて塩基性化した。得られた混合液をDCM(2×150ml)で抽出し、合わせた有機相を食塩水溶液(50ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(13.80g、41294ミリモル)を得た。LCMS:方法3、4.68分、MS: ES+ 335.3;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 7.59 (s, 1H), 7.21 - 7.33 (m, 5H), 3.57 - 3.62 (m, 5H), 2.99 (d, J=10 Hz, 1 H), 2.67 (d, J=10 Hz, 1 H), 2.50 -2.61 (m, 2H), 2.14 - 2.18 (m, 1H), 1.98 - 1.99 (m, 1H), 1.35 (s, 9H)。
【0179】
工程d
DCM(20ml)中の1−ベンジル−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(2.00g、5.99ミリモル)の溶液に、TFA(2ml)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮し、得られた残留物をジエチルエーテル(2×10ml)で粉砕して、3−アミノ−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチルTFA塩(2.50g、定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法1、0.70分、MS: ES+ 235.4。
【0180】
中間体F
2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール−1−イル)エタン−1−オール
【化10】
【0181】
工程a
DMF(20ml)中の4−ブロモ−1H−インダゾール(CAS番号186407−74−9;1.000g、5.076ミリモル)の溶液に、2−ブロモエタノール(0.43ml、6.091ミリモル)とK
2CO
3(1.400g、10.145ミリモル)を室温で加えた。得られた混合物を氷冷水(50ml)に注いだ。得られた沈降物を濾過して集め、ヘキサン(50ml)で洗浄し、高真空下で乾燥した。得られた固体物質は、LCMSにより2:1の位置異性体比を含んでいた。所望の生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中23%EtOAc)により単離して、2−(4−ブロモ−1H−インダゾール−1−イル)エタン−1−オール(0.700g、2.904ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.629分、MS: ES+ 241.20, 243.20;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.03 (s, 1 H), 7.71 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.28 - 7.36 (m, 2 H), 4.87 (t, J= 5.6 Hz, 1 H), 4.62 (t, J= 5.2 Hz, 2 H), 3.78 - 3.82 (m, 2 H)。
【0182】
工程b
1,4−ジオキサン(10ml)中の2−(4−ブロモ−1H−インダゾール−1−イル)エタン−1−オール(0.700g、2.904ミリモル)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボラン(1.102g、4.356ミリモル)及びKOAc(0.569g、5.808ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で10分間脱気した後、PdCl
2(dppf)(0.212g、0.290ミリモル)を加えた。反応混合液を100℃で1時間加熱した。得られた混合液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をn−ヘキサン(10ml)で洗浄して、2−(4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール−1−イル(1.0g)を得た。LCMS:方法1、1.880分、MS: ES+ 289.50 [M+1]。この物質をさらなる精製に直接使用した。
【0183】
中間体G
6−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル
【化11】
【0184】
これは、中間体Dと同様の方法で2,6−ジブロモ−3−ニトロピリジン(CAS番号55304−80−8)を用いて調製した。LCMS:方法1、1.892分、MS: ES+ 384.40, 386.40,
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11.23 (br s, 1 H), 7.31 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.23 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 3.69 - 3.74 (m, 1 H), 3.52 - 3.62 (m, 3 H), 2.33 - 2.39 (m, 1 H), 2.21 - 2.24 (m, 1 H), 1.42 (d, J= 10.4 Hz, 9 H)。
【0186】
試薬と条件:a)i)LiHMDS、ヘキサン、THF;b)10%Pd/C、H
2、MeOH又はFe、NH
4Cl、THF、水;c)TFA、DCM;d)CNBr、K
2CO
3、THF
【0187】
実施例1
2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
スキーム1による合成
【化13】
【0188】
工程a
無水THF(15ml)中のピロリジン−1,3−ジカルボン酸tert−ブチルメチル(CAS番号122684−33−7;1.0g、4.367ミリモル)の攪拌溶液に、ヘキサン中1MのLiHMDS(1.08g、6.55ミリモル)を−78℃で加えた。反応混合液を−78℃で0.5時間撹拌し、次に臭化2−ニトロベンジル(1.03g、4.803ミリモル)を−78℃で加えた。得られた反応混合液を室温に温め、16時間撹拌した。次に、混合液を飽和塩化アンモニウム溶液(20ml)に注ぎ、水(100ml)で希釈し、EtOAc(5×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の6%EtOAc)により精製して、3−(2−ニトロベンジル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(0.48g、1.319ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.41分、MS: ES+ 365.4;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 7.93 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.68 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 7.53 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 7.36 - 7.41 (m, 1 H), 3.57 - 3.64 (m, 1 H), 3.34 - 3.42 (m, 6 H), 3.11 - 3.20 (m, 2 H), 2.15 - 2.19 (m, 1 H), 1.88 - 1.93 (m, 1 H), 1.39 (s, 9 H)。
【0189】
工程b
MeOH(10ml)中の3−(2−ニトロベンジル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(0.2g、0.549ミリモル)の攪拌溶液に、10%若しくはPd/C(0.2g)を室温で加えた。反応混合液を室温で0.5時間H
2ガスでパージした。得られた反応混合液を注意深くセライトハイフローを通して濾過し、減圧下で濃縮して、2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチル(0.14g、0.463ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.20分、MS: ES+ 247.4 (M-56);
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm: 7.19 - 7.24 (m, 2 H), 7.02 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 6. 90 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 3.71 - 3.76 (m, 2 H), 3.49 - 3.69 (m, 2 H), 2.93 - 3.06 (m, 2 H), 2.14 - 2.24 (m, 1 H), 1.77 - 1.89 (m, 1 H) 1.47 (s, 9 H)。
【0190】
工程c
DCM(1ml)中の2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチル(0.13g、0.43ミリモル)の攪拌溶液に、TFA(1ml)を室温で加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮して、1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−2'−オンTFA塩(0.09g、0.285ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法1、1.46分、MS: ES+ 203.3。
【0191】
工程d
THF(10ml)中の1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−2'−オンTFA塩(0.08g、0.253ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(0.174g、1.265ミリモル)を室温で加えた。反応混合液に臭化シアン(0.032g、0.304ミリモル)を室温で加え、混合液を室温で0.5時間撹拌した。得られた反応混合液を濾過し、基準THFを減圧下で除去した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)でにより精製して、2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル(0.022g、0.096ミリモル)を得た。LCMS:方法2、3.26分、MS: ES+ 228.4;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 10.36 (s, 1 H), 7.16 - 7.20 (m, 2 H), 6.93- 6.97 (m, 1 H), 6.88 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 3.67 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 3.51 - 3.55 (m, 1 H), 3.38 - 3.44 (m, 1 H), 3.22 (d, J= 9.6 Hz, 1 H), 3.02 (d, J= 16 Hz, 1 H), 2.89 (s, J=15.6 Hz, 1 H), 1.97 - 2.04 (m, 1 H), 1.72 - 1.79 (m, 1 H)。
【0192】
表1の化合物は、実施例1に記載したものと同様の手順を用いて合成した。
【化14】
【表13】
【0194】
試薬と条件:a)ARB(OH)
2、Cs
2CO
3、Pd(PPh
3)
4、1,4−ジオキサン、水;)TFA、DCM又はHCl/EtOAc;c)CNBr、K
2CO
3、THF又はCNBr、NaHCO
3、EtOH。
【0195】
実施例4
2'−オキソ−7'−フェニル−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
スキーム2による合成
【化16】
【0196】
工程a
1,4−ジオキサン:水(8:2、10ml)中の7'−ブロモ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチル(中間体B;0.25g、0.655ミリモル)の攪拌溶液に、フェニルボロン酸(0.16g、1.311ミリモル)及びCs
2CO
3(0.427g、1.311ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で20分間脱気した後、Pd(PPh
3)
4(0.075g、0.065ミリモル)を加えた。反応混合液を80℃で8時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、水(30ml)に注ぎ、EtOAc(5×25ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、食塩水(2×20ml)で洗浄した。有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中18%EtOAc)により精製して、2'−オキソ−7'−フェニル−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチル(0.21g、0.552ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.54分、MS: ES+ 323.4 (M-56)。
【0197】
工程b〜c
上記中間体を使用して、実施例1の工程c〜dと同様の方法で、標題化合物を合成した。LCMS:方法2、4.23分、MS: ES+ 304.3;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 10.45 (s, 1 H), 7.57 - 7.59 (m, 2 H), 7.45 - 7.49 (m, 2 H), 7.35 - 7.39 (m, 1 H), 7.25 - 7.28 (m, 2 H), 7.14 (d, J=1.6 Hz, 1 H), 3.71 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 3.52 - 3.57 (m, 1 H), 3.40 - 3.46 (m, 1 H), 3.26 (d, J=10.0 Hz, 1 H), 3.07 (d, J=16.0 Hz, 1 H), 2.95 (d, J=16.0 Hz, 1 H), 2.03 - 2.09 (m, 1H), 1.77 - 1.84 (m, 1 H)。
【0198】
実施例5
7'−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
スキーム2による合成
【化17】
【0199】
工程a
1,4−ジオキサン(1ml)及び水(0.2ml)中の7'−ブロモ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチル(中間体B;0.2ミリモル)、(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)ボロン酸(0.2ミリモル)、及びCs
2CO
3(0.6ミリモル、3当量)の溶液に、Pd(PPh
3)
4(0.2当量)を室温で窒素下で加えた。反応混合液を100℃で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を分取TLC(PE/EtOAc=1:1)により精製して、7'−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2'−オキソ−2',4'−ジヒドロ−1'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチルを得た。
【0200】
工程b
EtOAc(1ml)中の7'−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2'−オキソ−2',4'−ジヒドロ−1'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチルの溶液に、HCl/EtOAc(4M、1ml)を加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた残留物を減圧下で濃縮した。残留物7'−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−1'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−2'(4'H)−オンを、更に処理することなく直接次の工程に使用した。
【0201】
工程c
EtOH(2ml)中の7'−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−1'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−2'(4'H)−オンの溶液に、臭化シアン(0.2ミリモル)及びNaHCO
3(0.6ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。粗物質を分取逆相HPLC(A:水中の0.078%のCH
3COONH
4、B:MeCN)により精製して、7'−(5−イソプロピル−2−メトキシフェニル)−2'−オキソ−2',4'−ジヒドロ−1'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル(37.25mg、99.2μmol)を得た。LCMS:方法8,3.353分、MS: ES+ 376.1。
【0202】
表2の化合物は、実施例5について記載されたものと同様の手順を用いて合成された。
【化18】
【表14-1】
【表14-2】
【表14-3】
【表14-4】
【表14-5】
【表14-6】
【0203】
表3.1及び3.2の化合物は、中間体B/実施例4に記載されたものと同様の手順を使用して、4−ブロモ−2−(ブロモメチル)−1−ニトロベンゼンを用いて合成された。
【化19】
【表15-1】
【表15-2】
【表16-1】
【表16-2】
【表16-3】
【表16-4】
【表16-5】
【0204】
実施例46
1−シアノ−N,N−ジメチル−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボキサミド
【化20】
【0205】
工程a
MeOH(20ml)中の7'−ブロモ−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチル(中間体B;0.75g、1.967ミリモル)の攪拌溶液に、オートクレーブ中で酢酸ナトリウム(0.81g、9.837ミリモル)とPdCl
2(dppf)DCM錯体(0.32g)を室温で加えた。反応混合液を120℃で30kgの一酸化炭素圧下で4日間加熱した。反応混合液を室温に冷却し、セライトハイフローを通して濾過し、MeOH(5×30ml)で洗浄した。濾液を真空下で濃縮し、得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中38%EtOAc)で精製して、2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1,7'−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)7'−メチル(0.37g、1.025ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.159分、MS: ES+ 305.08 (M-56);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) 10.44 (s, 1 H), 7.50 -7.56 (m, 2 H), 7.34 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 3.83 (s, 3 H), 3.57 (t, J=9.6 Hz, 1 H), 3.35 - 3.36 (m, 2 H), 2.96 - 3.11 (m, 3 H), 1.91- 2.01 (m, 1 H), 1.68 - 1.74 (m, 1 H), 1.39 (d, J=4.8 Hz, 9 H)。
【0206】
工程b
THF:水(1:1,20ml)中の2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1,7'−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)(0.35g、0.969ミリモル)の攪拌溶液に、NaOH(0.077g、1.939ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を希HCl(30ml)で酸性化し、EtOAc(10×50ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、1−(tert−ブトキシカルボニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボン酸(0.26g、0.749ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.929分、MS: ES+ 291.1 (M-56);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 12.92 (br s, 1 H), 10.43 (s, 1 H), 7.48 - 7.57 (m, 2 H), 7.30 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 3.54 - 3.59 (m, 1 H), 3.22 - 3.34 (m, 2 H), 2.95 - 3.10 (m, 3 H), 1.99 - 2.01 (m, 1 H), 1.68 - 1.73 (m, 1 H), 1.38 (d, J=4.4 Hz, 9 H)。
【0207】
工程c
THF(10ml)中の1−(tert−ブトキシカルボニル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボン酸(0.25g、0.72ミリモル)の攪拌溶液に、HATU(0.41g、1.08ミリモル)及びDIPEA(0.185g、1.44ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で25分間撹拌した。反応混合液にジメチルアミン(THF中2M、0.72ml、1.44ミリモル)の溶液を室温で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(5×50ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、飽和NaHCO
3溶液(25ml)で洗浄した。有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中80%EtOAc)により精製して、7'−(ジメチルカルバモイル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロスピロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチル(0.26g、0.696ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.909分、MS: ES+ 318.18 (M-56);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 10.36 (s, 1 H), 7.23 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 6.95 - 6.97 (m, 1 H), 6.87 (d, J=1.2 Hz, 1 H), 3.54 - 3.60 (m, 1 H), 3.36 - 3.69 (m, 1 H), 3.21 - 3.28 (m, 1 H), 3.07 - 3.11 (m, 1 H), 2.88 - 3.03 (m, 8 H), 1.96 -2.06 (m, 1 H), 1.67 - 1.75 (m, 1 H), 1.39 (s, 9 H)。
【0208】
工程d
THF(3ml)中の7'−(ジメチルカルバモイル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボン酸tert−ブチル(0.25g、0.669ミリモル)の攪拌溶液に、TFA(0.25ml)を室温で滴下して加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を真空下で濃縮した。得られた粗物質をヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥して、N,N−ジメチル−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボキサミドTFA塩(0.21g、0.542ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.289分、MS: ES+ 274.21;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 10.6 (s, 1 H), 9.04 (s, 1 H), 8.99 (s, 1 H), 7.25 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 6.99 (d, 1.2 Hz, 1 H), 6.91 (s, 1 H), 3.66 (t, J=4.8 Hz, 1 H), 3.32 - 3.41 (m, 1 H), 3.16 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 3.00 - 3.06 (m, 1 H), 2.91 - 2.97 (m, 6 H), 2.01 - 2.07 (m, 1 H), 1.82 - 1.87 (m, 1 H)。
【0209】
工程e
THF(12ml)中のN,N−ジメチル−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボキシアミドTFA塩(0.2g、0.516ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(0.356g、2.584ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で2時間撹拌した。得られた反応混合液を濾過し、THF(30ml)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(カラムをヘキサン中に充填し、EtOAcの勾配を徐々に100%に増加させた)により精製して、1−シアノN,N−ジメチル−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボキサミド(0.13g、0.435ミリモル)を得た。LCMS:方法2、2.833分、MS: ES+ 299.21;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 10.46 (s, 1 H), 7.24 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 6.97 (dd, J=1.6 Hz, 7.6 Hz, 1 H), 6.89 (s, 1 H), 3.69 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 3.51 - 3.56 (m, 1 H), 3.39 - 3.45 (m, 2 H), 3.24 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 3.05 (d, J=16.0 Hz, 1 H), 2.91 - 2.97 (m, 6 H), 2.00 - 2.07 (m, 1 H), 1.74 - 1.81 (m, 1 H)。
【0210】
実施例47
1−シアノ−N−メチル−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−7'−カルボキサミド
【化21】
【0211】
工程a〜e
標題化合物を、実施例46同様の手順で、工程cにおいてメチルアミン(THF中2M)を使用して合成した。LCMS:方法2 室温2.493分、MS: ES+ 285.27;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 10.47 (s, 1 H), 8.35 (d, J=4.8 Hz, 1 H), 7.35 - 7.39 (m, 2 H), 7.26 (d, J=8 Hz, 1 H), 3.68 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 3.49 - 3.55 (m, 1 H), 3.38 - 3.44 (m, 1 H), 3.22 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 3.06 (d, J=16.0 Hz, 1 H), 2.95 (d, J=16.4 Hz, 1 H), 2.75 (d, J=4.4 Hz, 3 H), 1.97 - 2.03 (m, 1 H), 1.74 - 1.78 (m, 1 H)。
【0212】
実施例132
(R)−7'−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【化22】
【0213】
工程a
MeOH(120ml)中の4−ブロモ−2−ニトロベンズアルデヒド(CAS番号5551−12−2;10.000g、43.478ミリモル)の溶液に、マロン酸イソプロピリデン(CAS番号2033−24−1;6.260g、43.478ミリモル)、1,4−ジヒドロ−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジジカルボン酸ジエチル(CAS番号1149−23−1;11.000g、43.478ミリモル)、及びL−プロリン(CAS番号147−85−3;0.99g、8.690ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン中15%酢酸エチル)により精製して、5−(4−ブロモ−2−ニトロベンジル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(14.500g、40.503ミリモル)を得た。LCMS:方法1、3.269分、MS: ES+ 358.0, 359.0。
【0214】
工程b
MeOH(120ml)中の5−(4−ブロモ−2−ニトロベンジル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(14.00g、39.106ミリモル)の溶液に、ヨウ化N,N−ジメチルメチレンイミニウム(CAS番号33797−51−2;18.08g、97.297ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を70℃で16時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、減圧下で蒸留した。得られた混合液をジエチルエーテル(500ml)に溶解し、飽和NaHCO
3溶液(3×100ml)で洗浄した。合わせた有機相を、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン中15%EtOAc)により精製して、2−(4−ブロモ−2−ニトロベンジル)アクリル酸エチル(10.00g、31.847ミリモル)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0215】
工程c
MeCN(80ml)中の2−(4−ブロモ−2−ニトロベンジル)アクリル酸エチル(10.00g、31.847ミリモル)の溶液に、MeCN(20ml)中のN−(メトキシメチル)−N−(トリメチルシリルメチル)ベンズアミン(CAS番号93102−05−7;9.829g、41.471ミリモル)の溶液を0℃で加えた。反応混合液にAgF(4.444g、35.030ミリモル)を0℃で徐々に加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液をセライトで濾過し、EtOAc(100ml)で洗浄した。濾液を水(100ml)で希釈し、EtOAc(10×100ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン中11%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−3−(4−ブロモ−2−ニトロベンジル)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(11.500g、26.558ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.904、MS: ES+ 433.1, 435.1。
【0216】
工程d
THF(100ml)中の1−ベンジル−3−(4−ブロモ−2−ニトロベンジル)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(11.50g、26558ミリモル)の溶液に、水(100ml)中のNH
4Cl(14.20g、265.47ミリモル)の溶液を加え、次にFe粉末(14.81g、265.41ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を80℃で16時間加熱した。得られた混合液を室温に冷却し、セライトを通して濾過し、EtOAc(5×100ml)で洗浄した。得られた濾液を水(200ml)で希釈し、EtOAc(10×100ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン中80〜100%酢酸エチル)により精製して、1−ベンジル−7'−ブロモ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−2'−オンピリジン(7.140g、19.245ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.781、MS: ES+ 371.1, 373.1。
【0217】
工程e
1,4−ジオキサン:水(4:1、12ml)中の1−ベンジル−7'−ブロモ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−2'−オンピリジン(0.300g、0.801ミリモル)及び5−メチル−1H−インダゾール−4−イルボロン酸(CAS番号1245816−10−7;0.214g、1.216ミリモル)の攪拌溶液に、Cs
2CO
3(0.528g、1.624ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を15分間脱気した後、Pd(PPh
3)
4(0.046g、0.039ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を80℃で16時間加熱した。得られた混合液を室温に冷却し、水(20ml)で希釈し、EtOAc(5×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン中40〜80%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−7'−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−2'−オン(0.200g、0.473ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.783分、MS: ES+ 423.52。
【0218】
工程f
THF(10ml)中の1−ベンジル−7'−(5−メチル−1H−インダゾール−4−イル)−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−2'オン(0.180g、0.426ミリモル)の溶液に、K
2CO
3(0.058g、0.420ミリモル)及びCNBr(0.045g、0.426ミリモル)を0℃加えた。反応混合液を室温に温め、室温で6時間撹拌した。得られた混合液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(5×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中10%MeOH)により精製し、さらに分取TLCにより(DCM中3%MeOH)を用いて精製して、所望の化合物のラセミ体(0.037g、0.104ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.776分、MS: ES+ 358.40,
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 13.05 (s, 1 H), 10.40 (s, 1 H), 7.64 (s, 1 H), 7.43 - 7.45 (m, 1 H), 7.28 - 7.34 (m, 2 H), 7.00 - 7.02 (m, 1 H), 6.95 (s, 1 H), 3.75 (d, J= 9.6 Hz, 1 H), 3.56 - 3.58 (m, 1 H), 3.45 - 3.47 (m, 1 H), 3.30 (d, J= 9.6 Hz, 1 H), 3.09 - 3.13 (m, 1 H), 2.98 - 3.02 (m, 1 H), 2.28 (s, 3 H), 2.09 - 2.14 (m, 1 H), 1.82 - 1.87 (m, 1 H)。
【0219】
鏡像異性体を、キラルSFC精製により、キラルパックIB 250x20.0mm、5ミクロンカラムで、液体CO
2中の25%IPAを13分かけて流速70.0ml/分で、そして100バールのABPRを使用して分離して、標題化合物を得た。実施例63から類推して、絶対立体構造が割り当てられた。LCMS:方法1 RT 1.888分、MS: ES+ 358.32; Chiral HPLC: Column Chiralpak IB 250x4.6 mm, 5 micron, 流速 1ml/min, 6.82 分, n−ヘキサン中40%IPA RT 9320分;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 13.05 (s, 1 H), 10.40 (s, 1 H), 7.64 (s, 1 H), 7.43 - 7.45 (m, 1 H), 7.28 - 7.34 (m, 2 H), 7.00 - 7.02 (m, 1 H), 6.95 (s, 1 H), 3.75 (d, J= 9.6 Hz, 1 H), 3.56 - 3.58 (m, 1 H), 3.45 - 3.47 (m, 1 H), 3.30 (d, J= 9.6 Hz, 1 H), 3.09 - 3.13 (m, 1 H), 2.98 - 3.02 (m, 1 H), 2.28 (s, 3 H), 2.09 - 2.14 (m, 1 H), 1.82 - 1.87 (m, 1 H)。
【0220】
実施例133
7'−(1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【化23】
【0221】
これは、実施例132の工程a〜eと同様の方法で、インダゾール−4−ボロン酸(CAS番号1023595−17−6)を用いて調製した。LCMS:方法3 RT 3.815分、MS: ES+ 343.99;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 13.24 (s, 1 H), 10.44 (s, 1 H), 8.18 (s, 1 H), 7.54 (d, J= 8.4 Hz, 1 H), 7.40 - 7.44 (m, 1 H), 7.31 - 7.36 (m, 3 H), 7.20 (d, J= 7.2 Hz, 1 H), 3.73 (d, J= 9.6 Hz, 1 H), 3.53 - 3.58 (m, 1 H), 3.41 - 3.50 (m, 1 H), 3.28 (d, J= 9.6 Hz, 1 H), 3.08 - 3.12 (m, 1 H), 2.88 - 2.97 (m, 1 H), 2.06 - 2.12 (m, 1 H), 1.79 - 1.86 (m, 1 H)。
【0222】
実施例134
6'−(1H−インダゾール−4−イル)−2'−オキソ−1',4'−ジヒドロ−2'H−スピロ[ピロリジン−3,3'−キノリン]−1−カルボニトリル
【化24】
【0223】
これは、実施例133と同様の方法で、最初の工程で5−ブロモ−2−ニトロベンズアルデヒド(CAS番号20357−20−4)を用いて調製した。LCMS:方法3 RT 3.517分、MS: ES+ 344.06;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 13.19 (s, 1 H), 10.50 (s, 1 H), 8.23 (s, 1 H), 7.56 - 7.59 (m, 2 H), 7.50 (d, J= 8.4 Hz, 1 H), 7.40 (t, J= 8.4 Hz, 1 H), 7.20 (d, J= 6.4 Hz, 1 H), 7.04 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 3.73 (d, J= 9.6 Hz, 1 H), 3.54 - 3.62 (m, 1 H), 3.39 - 3.47 (m, 1 H), 3.30 (d, J= 9.6 Hz, 1 H), 3.02 - 3.17 (m, 2 H), 2.03 - 2.09 (m, 1 H), 1.78 - 1.88 (m, 1 H)。
【0225】
試薬と条件:a)Cs
2CO
3、DMF、60℃;b)Fe、NH
4Cl、THF、水、60℃;c)TFA、DCM、0℃;d)CNBr、K
2CO
3、THF、0℃。
【0226】
実施例48
2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル
スキーム3による合成
【化26】
【0227】
工程a
DMF(10ml)中の2−クロロ−3−ニトロピリジン(CAS番号5470−18−8;0.5g、3.154ミリモル)の溶液に、3−ヒドロキシピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(中間体C;0.62g、2.524ミリモル)及びCs
2CO
3(3.08g、9.463ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を60℃で16時間撹拌した。得られた反応混合液を冷水(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×70ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより中性アルミナ(ヘキサン中25%EtOAc)により精製して、3−((3−ニトロピリジン−2−イル)オキシ)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(0.12g、0.327ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.20分、MS: ES+ 368.5;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.51 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 8.44 (dd, J=1.6 Hz, 4.8 Hz, 1 H), 7.30 -7.34 (m, 1 H), 3.97 - 4.04 (m, 1 H), 3.68 - 3.71 (m, 1 H), 3.63 (s, 3 H), 3.44 - 3.48 (m, 2 H), 2.41 - 2.45 (m, 2 H), 1.38 (s, 9 H)。
【0228】
工程b
THF:水(1:1、10ml)中の3−(3−ニトロピリジン−2−イル)オキシ)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(0.1g、0.272ミリモル)の攪拌溶液に、鉄粉(0.15g、2.724ミリモル)及びNH
4Cl(0.15g、2.724ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を60℃で16時間撹拌した。得られた反応混合液をセライト床を通して濾過した。濾液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(2×30ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより中性アルミナ(DCM中5%MeOH)を用いて精製して、2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボン酸tert−ブチル(0.065g、0.213ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.95分、MS: ES+ 306.3;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11.09 (s, 1 H), 7.85 (d, J=4.4 Hz, 1 H), 7.29 (dd, J=1.6 Hz, 7.6 Hz, 1 H), 7.09 (dd, J=4.8 Hz, 7.6 Hz, 1 H), 3.68 - 3.76 (m, 1 H), 3.50 - 3.57 (m, 2 H), 3.39 - 3.45 (m, 1 H), 2.32 - 2.40 (m, 1 H), 2.14 - 2.17 (m, 1 H), 1.39 (s, 9 H)。
【0229】
工程c
DCM(5ml)中の2−オキソ−1,2−ジヒドロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(0.06g、0.197ミリモル)の溶液に、TFA(0.3ml)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をDCM(3×5ml)を用いて共沸蒸留し、ヘキサン(2×3ml)で粉砕して、スピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−2(1H)−オンTFA塩(0.08g、定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法1、0.44分、MS: ES+ 206.2;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11.29 (s, 1 H), 9.48 (br, s, 1 H), 7.80 (d, J=4.0 Hz, 1 H), 7.33 (d, J=7.2 Hz, 1 H), 7.13 (t, J=6.0 Hz, 1 H), 3.77 - 3.81 (m, 1 H), 3.63 - 3.66 (m, 1 H), 3.39 - 3.45 (m, 2 H), 2.31 - 2.36 (m, 2 H)。
【0230】
工程d
THF(5ml)中のスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−2(1H)−オンTFA塩(0.08g、0.25ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(0.17g、1.253ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で5分間撹拌した。臭化シアン(0.032g、0.301ミリモル)を反応混合液に0℃で加えた。反応混合液を0℃で15分間撹拌した。得られた反応混合液を濾過し、過剰のTHFを減圧下で蒸留した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィーにより中性アルミナ(DCM中5%MeOH)を使用して精製して、2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1−カルボニトリル(0.04g、0.174ミリモル)を得た。LCMS:方法3、2.40分、MS: ES+ 231.1;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11. 18 (s, 1 H), 7.87 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.30 (d, J=6.8 Hz, 1 H), 7.10 (dd, J=4.8 Hz, 7.2 Hz, 1 H), 3.86 (d, J=11.2 Hz, 1 H), 3.71 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 3.57 - 3.67 (m, 2 H), 2.35 - 2.43 (m, 1 H), 2.21 - 2.25 (m, 1 H)。
【0232】
試薬と条件:a)Pd(PPh
3)
4、Cs
2CO
3、1,4−ジオキサン、水;b)TFA、DCM;c)臭化シアン、K
2CO
3、THF。
【0233】
実施例49
2−オキソ−7−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化28】
【0234】
工程a
1,4−ジオキサン:水(4:1,10ml)中の7−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(中間体D:0.25g、0.651ミリモル)の攪拌溶液に、Cs
2CO
3(0.423g、1.301ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を20分間脱気した後、Pd(PPh
3)
4(0.075g、0.065ミリモル)及びフェニルボロン酸(0.158g、1.301ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を90℃で18時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、水(20ml)に注ぎ、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、食塩水(20ml)で洗浄した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%EtOAc)により精製して、2−オキソ−7−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(0.22g、0.783ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.328分、MS: ES+ 382.3;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 11.19 (s, 1 H), 8.16 (s, 1 H), 7.62 (d, J=7.2 Hz, 2 H), 7.50 (t, J=7.6 Hz, 3 H), 7.41 (d, J=7.2 Hz, 1 H), 3.72 - 3.80 (m, 1 H), 3.54 - 3.62 (m, 2 H), 3.44 - 3.51 (m, 1 H), 2.18 - 2.24 (m, 1 H), 2,.33 - 2.41 (m, 1 H), 1.42 (d, J=10.0 Hz, 9 H)。
【0235】
工程b
DCM(10ml)中の2−オキソ−7−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(0.21g、0.551ミリモル)の攪拌溶液に、TFA(1.05ml)を室温で加えた。反応混合液を5時間撹拌した。得られた反応混合液を真空下で濃縮した。得られた残留物をDCM(2×20ml)で共沸蒸留した。得られた物質をジエチルエーテル(2×20ml)で洗浄し、真空下で乾燥して、7−フェニルスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−2(1H)−オンTFA塩(0.21g、0.531ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.578分、MS: ES+ 282.18。
【0236】
工程c
THF(10ml)中の7−フェニルスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−2(1H)−オンTFA塩(0.2g、0.506ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(0.208,1.517ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で10分間撹拌した。臭化シアン(0.063g、0.607ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で30分間撹拌した。得られた反応混合液を水(10ml)に注ぎ、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、食塩水(20ml)で洗浄した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中1.4%MeOH)により精製して、2−オキソ−7−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル(0.085g、0.278ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.855分、MS: ES+ 307.37;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 11.28 (s, 1 H), 8.17 (d, J=2.0 Hz, 1 H), 7.62 (d, J=1.2 Hz, 2 H), 7.50 (t, J=7.2 Hz, 3 H), 7.41 (J=7.6 Hz, 1 H), 3.88 (d, J=11.6 Hz, 1 H), 3.77 (dd, J=1.2 Hz, 11.2 Hz, 1 H), 3.60 - 3.72 (m, 2 H), 2.38 - 2.44 (m, 1 H), 2.27 - 2.32 (m, 1 H)。
【0237】
表4の化合物は、実施例49と同様の方法で調製された。
【化29】
【表17-1】
【表17-2】
【表17-3】
【0238】
実施例54
2−オキソ−6−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化30】
【0239】
これは、実施例49と同様の方法により、中間体G及び2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジンを用いて調製した。LCMS:方法2 RT 3.624分、MS: ES+ 307.21;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11.25 (s, 1 H), 7.97 (d, J=7.6 Hz, 2 H), 7.69 (d, J=8 Hz, 1 H), 7.36 - 7.48 (m, 4 H), 3.89 (d, J=11.2 Hz, 1 H), 3.78 (d, J=11.2 Hz, 1 H), 3.64 - 3.68 (m, 2 H), 2.39 - 2.41 (m, 1 H), 2.30 - 2.32 (m, 1 H)。
【0240】
実施例139
6−(1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化31】
【0241】
これは、実施例135と同様の方法により、中間体G及び2,6−ジクロロ−3−ニトロ−ピリジンを用いて調製した。LCMS:方法3 RT 2.947分、MS ES+ 347.05;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 13.20 (s, 1 H), 11.31 (s, 1 H), 8.59 (s, 1 H), 7.80 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.63 (d, J= 7.2 Hz, 1 H), 7.58 (d, J= 8.4 Hz, 1 H), 7.41 - 7.44 (m, 2 H), 3.88 - 3.91 (m, 1 H), 3.80 - 3.83 (m, 1 H), 3.67 - 3.71 (m, 2 H), 2.38 - 2.43 (m, 1 H), 2.32 - 2.36 (m, 1 H)。
【0242】
実施例140
7−(1−(2−メトキシエチル)−1H−インダゾール−4−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化32】
【0243】
これは、中間体F/実施例137と同様の方法で2−ブロモエチルメチルエーテル(CAS番号6482−24−2)を用いて調製した。LCMS:方法3 RT 3.072分、MS: ES+ 405.15;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11.26 (s, 1 H), 8.23 (d, J= 2.0 Hz, 1 H), 8.19 (s, 1 H), 7.73 (d, J= 8.8 Hz, 1 H), 7.64 (d, J= 2.0 Hz, 1 H), 7.48 (t, J= 8.4 Hz, 1 H), 7.26 (d, J= 6.8 Hz, 1 H), 4.61 - 4.63 (m, 2 H), 4.00 - 4.03 (m, 1 H), 3.77 - 3.90 (m, 3 H), 3.61 - 3.71 (m, 2 H), 3.20 (s, 3 H), 2.41 - 2.44 (m, 1 H), 2.32 - 2.36 (m, 1 H)。
【0244】
実施例141
1'−シアノ−N−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボキサミド
【化33】
【0245】
工程a
無水MeOH(5ml)中の6−ブロモ−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(中間体G;0.300g、0.783ミリモル)の溶液に、オートクレーブで調製されたNaOAc(0.322g、3.912ミリモル)に室温で加えた。反応混合液を30分間脱気した後、PdCl
2(dppf)DCM錯体(0.046g、0.039ミリモル)を室温で加え、オートクレーブで25キロ/cm
2のH
2圧を加えた。反応混合液を100℃で48時間加熱した。得られた反応混合液を、同一の方法で同じスケールで調製した他の1つのバッチと組み合わせた。得られた反応混合液を室温に冷却し、セライトを通して濾過した。得られた濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中1.7%MeOH)により精製して、2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]−オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1',6−ジカルボン酸1'−(tert−ブチル)6−メチル(0.400g、1.102ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.658分、MS: ES+ 364.58 [M+1]。
【0246】
工程b
THF:水(1:1、5ml)中の2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1',6−ジカルボン酸1'−(tert−ブチル)6−メチル(0.400g、1.102ミリモル)の溶液に、NaOH(0.088g、2.203ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を水(50ml)に注ぎ、飽和クエン酸溶液を用いて酸性化した。得られた混合液をEtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮して、1'−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボン酸(0.350g、1.003ミリモル)を加えた。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法1、1.507分。MS: ES+ 350.60 [M+1]。
【0247】
工程c
THF(5ml)中の1'−(tert−ブトキシカルボニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボン酸(0.330g、0.945ミリモル)の溶液に、HATU(0.538g、1.418ミリモル)及びDIPEA(0.244g、1.890ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で30分間撹拌した。反応混合液に4−フルオロアニリン(CAS番号371−40−4,0.126g、1.134ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で3時間撹拌した。得られた混合液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中2.2%MeOH)により精製して、6−((4−フルオロフェニル)カルバモイル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(0.250g、0.565ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.059分、MS: ES+ 443.70 [M+1]。
【0248】
工程d
DCM(10ml)中の6−((4−フルオロフェニル)カルバモイル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(0.250g、0.565ミリモル)に、TFA(1.25ml、5V)を0℃で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をMTBE(3×5ml)を用いて共蒸留した。得られた残留物をMTBE(2×5ml)で粉砕した。得られた残留物を高真空下で乾燥して、N−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボキサミドTFA塩(0.250g)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法1、1.406分、MS: ES+ 343.50 [M+1]。
【0249】
工程e
THF(5ml)中のN−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボキサミドTFA塩(0.250g、0.548ミリモル)の溶液に、K
2CO
3(0.234g、1.695ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で15分間撹拌した。反応混合液を0℃に冷却し、CNBr(0.058g、0.547ミリモル)で処理した。反応混合液を1時間撹拌し、次に水(50ml)に注いだ。得られた沈殿物を濾過して集め、高真空下で乾燥して、標題化合物(0.150g、0.408ミリモル)を得た。LCMS:方法3 RT 3.558分、MS ES- 366.05;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11.52 (s, 1 H), 10.38 (s, 1 H), 7.85 - 7.86 (m, 3 H), 7.43 - 7.45 (m, 1 H), 7.13 - 7.18 (m, 2 H), 3.90 - 3.93 (m, 1 H), 3.80 - 3.83 (m, 1 H), 3.62 - 3.68 (m, 2 H), 2.38 - 2.43 (m, 1 H), 2.29 - 2.33 (m, 1 H)。
【0250】
実施例142
2−オキソ−6−(ピペリジン−1−カルボニル)−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化34】
【0251】
これは、実施例141と同様の方法により工程cでピペリジンを使用して調製された。LCMS:方法2 RT 2.859分、MS ES+ 342.42;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11.34 (s, 1 H), 7.36 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.26 (d, J= 7.6 Hz, 1 H), 3.84 - 3.87 (m, 1 H), 3.75 - 3.77 (m, 1 H), 3.50 - 3.70 (m, 6 H), 2.36 - 2.42 (m, 1 H), 2.26 - 2.33 (m, 1 H), 1.45 - 1.61 (m, 6 H)。
【0252】
実施例143
1'−シアノ−2−オキソ−N−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボキサミド
【化35】
【0253】
これは、実施例141と同様の方法により工程cでアニリンを使用して調製された。LCMS:方法3 RT 3.337分、MH+ ES- 348.05;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11.55 (s, 1 H), 10.29 (s, 1 H), 7.85 - 7.90 (m, 3 H), 7.47 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.34 (t, J= 8.0 Hz, 2 H), 7.10 (t, J= 7.2 Hz, 1 H), 3.93 - 3.96 (m, 1 H), 3.83 - 3.86 (m, 1 H), 3.63 - 3.73 (m, 2 H), 2.41 - 2.45 (m, 1 H), 2.33 - 2.36 (m, 1 H)。
【0254】
実施例144
1'−シアノ−N−(2−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−6−カルボキサミド
【化36】
【0255】
これは、実施例141と同様の方法により工程cで2-フルオロアニリンを使用して調製された。LCMS:方法3、RT3.392分、MS ES- 366.05;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11.58 (s, 1 H), 10.07 (s, 1 H), 7.93 - 7.95 (m, 1 H), 7.89 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.48 (d, J= 7.6 Hz, 2 H), 7.29 - 7.32 (m, 1 H), 7.22 - 7.24 (m, 2 H), 3.91 - 3.93 (m, 1 H), 3.85 - 3.88 (m, 1 H), 3.65 - 3.71 (m, 2 H), 2.41 - 2.45 (m, 1 H), 2.33 - 2.36 (m, 1 H)。
【0257】
試薬と条件:(a)K
2CO
3、トルエン;b)Fe、NH
4Cl、THF、水;c)CNBr、K
2CO
3、THF。
【0258】
実施例55
2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
スキーム5による合成
【化38】
【0259】
工程a
トルエン(15ml)中の3−アミノ−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチル(中間体A、0.3g、1.280ミリモル)及び2−フルオロ−3−ニトロピリジン(CAS番号1480−87−1;0.236g、1.665ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(0.265g、1.921ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を120℃で16時間加熱した。反応混合液を室温に冷却し、水(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10〜15%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−3−((3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(0.17g、0.477ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.82分、MS: ES+ 357.3;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.45 - 8.47 (m, 1 H), 8.37 - 8.40 (m, 1 H), 7.90 (br, s, 1 H), 7.33 (d, J=4.4 Hz, 4 H), 7.23 - 7.28 (m, 1 H), 6.83 - 6.87 (m, 1 H), 6.74 - 6.77 (m, 1 H), 3.60 - 3.70 (m, 2 H), 3.54 (s, 3 H), 3.07 (d, J=10.4 Hz, 1 H), 2.90 (d, J=10.0 Hz, 1 H), 2.83 - 2.89 (m, 1 H), 2.55 - 2.62 (m, 1 H), 2.12 - 2.16 (m, 1 H)。
【0260】
工程b
THF(5ml)中の1−ベンジル−3−((3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(0.19g、0.534ミリモル)の攪拌溶液に、水(5ml)中の塩化アンモニウム(0.285g、5.331ミリモル)の溶液を室温で加えた。鉄粉(0.29g、5.337ミリモル)を室温で加え、反応混合液を60℃で2時間加熱した。混合液を室温に冷却し、水(50ml)に注ぎ、EtOAc(2×50ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM中2%MeOH)により精製して、1'−ベンジル−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−2−オン(0.08g、0.272ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.39分、MS: ES+ 295.5;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 10.46 (s, 1 H), 7.65 (dd, J=1.6 Hz, 5.2 Hz, 1 H), 7.30 - 7.31 (m, 4 H), 7.21 - 7.24 (m, 1 H), 7.01 (s, 1 H), 6.97 (d, J=6.8 Hz, 1 H), 6.60 - 6.63 (m, 1 H), 3.58 (s, 2 H), 2.84 - 2.87 (m, 1 H), 2.63 (q, J=9.6 Hz, 2 H), 2.38 - 2.43 (m, 2 H), 1.81 - 1.84 (m, 1 H)。
【0261】
工程c
THF(10ml)中の1'−ベンジル−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−2−オン(0.07g、0.238ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(0.066g、0.476ミリモル)を0℃で加えた。反応物を0℃で5分間撹拌した。反応混合液に臭化シアン(0.025g、0.238ミリモル)を0℃で加え、反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた混合液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM中2%MeOH)により精製して、2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル(0.03g、0.131ミリモルを得た。LCMS:方法3、2.44分、MS: ES+ 230.0;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 10.71 (s, 1 H), 7.70 (dd, J=1.6 Hz, 5.2 Hz, 1 H), 7.39 (s, 1 H), 7.02 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 6.65 - 6.69 (m, 1 H), 3.78 (d, J=10.0 Hz, 1 H), 3.65 - 3.71 (m, 1 H), 3.46 (q, J= 8.0 Hz, 1 H), 3.26 - 3.29 (m, 1 H), 2.27 - 2.33 (m, 1 H), 1.90 - 1.97 (m,1 H)。
【0262】
実施例56
2−オキソ−6−(トリフルオロメチル)−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化39】
【0263】
これは、実施例55と同様の方法により、工程aで2−クロロ−3−ニトロ−6−トリフルオロメチルピリジン(CAS番号117519−08−1)を使用して調製した。LCMS:方法2、3.439分、MS: ES+ 298.18;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 11.08 (s, 1 H), 8.13 (s, 1 H), 7.10 - 7.15 (m, 2 H), 3.80 (d, J=10.4 Hz, 1 H), 3.67 - 3.73 (m, 1 H), 3.46 - 3.52 (m, 1 H), 3.37 (d, J=10.0 Hz, 1 H), 2.33 - 2.42 (m, 1 H), 1.96 - 2.02 (m, 1 H)。
【0265】
試薬と条件:(a)K
2CO
3、トルエン;b)Fe、NH
4Cl、THF、水;c)ArB(OH)
2、Pd(PPh
3)
4、Cs
2CO
3、1,4−ジオキサン、水;d)CNBr、K
2CO
3、THF。
【0266】
実施例57
2−オキソ−7−フェニル−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
スキーム6に従って調製した
【化41】
【0267】
工程a〜b
これらは、実施例55の工程a及びbと同様の方法により、工程aで5−ブロモ−2−フルオロ−3−ニトロピリジン(CAS番号886372−98−1)を使用して行った。
【0268】
工程c
これは、実施例4の工程aと同様の方法により、フェニルボロン酸を使用して行った。
【0269】
工程d
標題化合物は、実施例55の工程cと同様の方法を使用して生成された。LCMS:方法3、3.616分、MS: ES+ 306.0;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 10.83 (s, 1 H), 8.03 (s, 1 H), 7.37 - 7.57 (m, 5 H), 7.29 - 7.37 (m, 2 H), 3.80 - 3.82 (m, 1 H), 3.69 - 3.70 (m, 1 H), 3.48 - 3.49 (m, 1 H), 3.38 - 3.41 (m, 1 H), 2.33 - 2.35 (m, 1 H), 1.99 - 2.00 (m, 1 H)。
【0270】
表5の化合物は、実施例57と同様の方法で調製された。
【化42】
【表18-1】
【表18-2】
【0271】
実施例61
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−2,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化43】
【0272】
実施例57に記載の方法と同様の方法により、工程aで3−フルオロ−2−ニトロピリジンを使用して合成した。LCMS:方法2 RT 2.247分、MS : ES+ 230.25;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 11.02 (s, 1 H), 7.65 (d, J=5.2 Hz, 1 H), 7.06 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 6.84 - 6.87 (m, 1 H), 6.76 (s, 1 H), 3.78 (d, J=10.4 Hz, 1 H), 3.61 - 3.67 (m, 1 H), 3.47 - 3.53 (m, 1 H), 3.29 (d, J=10.0 Hz, 1 H), 2.21 - 2.36 (m, 1 H), 1.84 - 1.90 (m, 1 H)。
【0273】
実施例147
2−オキソ−6−フェニル−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化44】
【0274】
これは、実施例57と同様の方法により、工程aで6−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロピリジン(CAS番号1430341−84−6)を使用して調製された。LCMS:方法2、3.675分、MS: 3.675 分, ES+ 306.32;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 10.81 (s, 1 H), 7.92 - 7.94 (m, 2 H), 7.53 (s, 1 H), 7.40 - 7.44 (m, 2 H), 7.32 - 7.36 (m, 1 H), 7.26 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.10 (d, J= 7.6 Hz, 1 H), 3.80 (d, J= 10.4 Hz, 1 H), 3.68 - 3.73 (m, 1 H), 3.45 - 3.51 (m, 1 H), 3.39 (d, J= 10.4 Hz, 1 H), 2.31 - 2.37 (m, 1 H), 1.96 - 2.03 (m, 1 H)。
【0275】
実施例62
6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
【化45】
【0276】
工程a
DCM(15ml)中の6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボン酸tert−ブチル(CAS番号1194376−44−7;0.2g、0.83ミリモル)の溶液に、TFA(0.19ml、2.4ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をDCM(2×5ml)を用いて共沸蒸留した。得られた残留物をジエチルエーテル(2×5ml)で粉砕して、2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−1−オンTFA塩(0.31g、定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく直接次の工程に使用した。LCMS:方法4,2.26分、MS: ES+ 140.9;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 5.01 (br s, 1H), 3.34 - 3.41 (m, 2 H), 3.20 - 3.32 (m, 4 H), 3.12 - 3.18 (m, 1 H), 2.04 - 2.14 (m, 2 H), 1.94 - 2.02 (m, 2 H)。
【0277】
工程b
DMF(10ml)中の2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−1−オンTFA塩(0.30g、1.10ミリモル)の溶液に、K
2CO
3(0.48g、3.50ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で10分間撹拌した。反応混合液を0℃に冷却した。反応混合液に臭化シアン(0.15g、1.40ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を水(40ml)に注ぎ、25%IPA:CHCl
3混合液(5×40ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗物質(0.186g)を得て、これを分取HPLC[移動相:(A)10mM酢酸アンモニウム水(B)100%MeCN、カラム:Phenomenex Luna C8(250x21.2)mm、5μm、流速:17ml/分]により精製して、標題化合物(0.088g、0.53ミリモル)を得た。LCMS:方法7,3.192分、MS: ES+ 166.00; Chiral HPLC: Method 5, RT 4.81 min, 6.01 min;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.87 (s, 1 H), 3.51 - 3.55 (m, 1 H), 3.38 - 3.45 (m, 1 H), 3.31 - 3.36 (m, 2 H), 3.17 - 3.21 (m, 2 H), 1.92 - 2.06 (m, 3 H), 1.80 - 1.85 (m, 1 H)。
【0278】
実施例63
(R)−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
【化46】
【0279】
実施例62を、分取HPLC[移動相:(A)n−ヘキサン中0.1%蟻酸(B)IPA中0.1%蟻酸、カラム:CHIRALPAK IC SFC(250x21)mm、5μm、流速:15ml/分]を使用して鏡像異性体分離に供して、2つの鏡像異性体生成物を得た。キラルHPLC:方法E、4.53分、6.00分。絶対立体構造は、X線結晶解析によって割り当てられた。LCMS:方法7,3.16分、MS: ES+ 166.0; Chiral HPLC: Method 5, 4.53 min;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.87 (s, 1 H), 3.51 - 3.55 (m, 1 H), 3.38 - 3.45 (m, 1 H), 3.31 - 3.36 (m, 2 H), 3.17 - 3.21 (m, 2 H), 1.92 - 2.06 (m, 3 H), 1.80 - 1.85 (m, 1 H).。
【0280】
実施例64
(S)−2−オキソ−7−フェニル−1,2−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化47】
【0281】
実施例49を、キラルSFC[移動相:(A)液体二酸化炭素(Liq.CO
2)及び(B)IPA:MeCN(50:50)、カラム:CHIRALCEL OJ-H 250x21.0mm、5ミクロン、カラム流量は75.0ml/分、ABPRは100barであった]を使用して鏡像異性体分離に供して、2つの鏡像異性体生成物を得た。キラルHPLC:カラムCHIRALART SA 250x4.6mm 5μm、100%MeOH、6.82及び8.37分。絶対立体構造は、実施例63からの類推により割り当てられた。LCMS:方法2、3.570分、MS:ES−305.07;キラルHPLC:CHIRALARTSAカラム250×4.6mm 5μm、6.82分、100%MeOH;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 11.27 (s, 1 H), 8.17 (d, J=2.4 Hz, 1 H), 7.62 (d, J=7.2 Hz, 2 H), 7.48- 7.52 (m, 3 H), 7.41 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 3.88 (d, J=11.2 Hz, 1 H), 3.76 (d, J=11.2 Hz, 1 H), 3.62- 3.69 (m, 2 H), 2.38 - 2.44 (m, 1 H), 2.28 -2.32 (m, 1 H)。
【0282】
表6の単一の鏡像異性体を、実施例64と同様の方法でラセミ体から分離した。
【表19-1】
【表19-2】
【表19-3】
【表19-4】
【0283】
実施例75
(S)−7−(3−シアノフェニル)−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−スピロ[ピリド[2,3−b]ピラジン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化48】
【0284】
実施例70に記載の方法と同様の方法により、3−シアノフェニルボロン酸(CAS番号150255−96−2)を使用して合成した。LCMS:方法3、3.598分、MS:ES+330.89;キラルHPLC、カラムCHIRALPAKIC250x4.6mm5μm移動相:IPA:MeCN(50:50)RT4.72;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 10.86 (s, 1 H ), 8.12 (s, 1 H), 8.03 (s, 1 H), 7.87 (d, J=6.8 Hz, 1 H), 7.72 - 7.82 (m, 2 H), 7.61 - 7.65 (m, 1 H), 7.29 (s, 1 H), 3.79 - 3.82 (m, 1 H), 3.65 - 3.76 (m, 1 H), 3.47 - 3.49 (m, 1 H), 3.48 - 3.43 (m, 1 H), 2.28 - 2.35 (m, 1 H), 1.91 - 2.03 (m, 1 H)。
【0286】
試薬と条件:a)HATU、DIPEA、THF;b)TFA、DCM;(c)TBD、THF;d)Pd(OH)
2、ポリメチルヒドロキシシラン、(Boc)
20、EtOH;e)TFA、DCM;f)CNBr、K
2CO
3、THF。
【0287】
実施例76
(8R)−8−メチル−7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
【化50】
【0288】
工程a
THF(32.6ml)中のBoc−D−アラニン(CAS番号7764−95−6;1.63g、8.615ミリモル)の溶液に、HATU(4.09g、10.775ミリモル)及びDIPEA(3.75ml、21.55ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。3−アミノ−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチルTFA塩(中間体E;2.50g、7.181ミリモル)を反応混合液に加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を飽和NaHCO
3溶液(200ml)に注いだ。得られた混合液をEtOAc(2×200ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中65%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−3−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(2.30g、5.675ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.67分、MS: ES+ 406.7。
【0289】
工程b
DCM(23ml)中の1−ベンジル−3−((R)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)プロパンアミド)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(2.30g、5.675ミリモル)の溶液に、TFA(4.6ml)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテル(2×10ml)で粉砕して、3−((R)−2−アミノプロパンアミド)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチルTFA塩(2.5g、定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法4、3.542分、MS: ES+ 306.07。
【0290】
工程c
THF(25ml)中の3−((R)−2−アミノプロパンアミド)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチルTFA塩(2.5g、5.966ミリモル)の溶液に、TBD(1.66g、11.933ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で1.5時間撹拌した。得られた反応混合液を水(150ml)に注ぎ、EtOAc(3×150ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中60%EtOAc)により精製して、(8R)−2−ベンジル−8−メチル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−7,10−ジオン(0.90g、3.296ミリモル)を得た。LCMS:方法3、3.04分、MS: ES+ 274.5。
【0291】
工程d
エタノール(8ml)中の(8R)−2−ベンジル−8−メチル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−7,10−ジオン(0.40g、1.464ミリモル)の溶液に、20%Pd(OH)
2(50%水分)(0.40g)を室温で加えた。反応混合液にポリ(メチルヒドロシロキサン)(0.40g)を室温で滴下して加え、次に(Boc)
20(0.672ml、2.928ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を、同じ方法で調製した同じスケールの別のバッチと組み合わせ、反応混合液をセライトパッドで濾過し、MeOH(3×100ml)で洗浄した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。得られた混合液を飽和NaHCO
3(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中4%MeOH)により精製して、(8R)−8−メチル−7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸tert−ブチル(0.50g、1.765ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.70分、MS: ES+ 284.2。
【0292】
工程e
DCM(8ml)中の(8R)−8−メチル−7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボン酸tert−ブチル(0.20g、0.706ミリモル)の溶液に、TFA(0.4ml)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテル(2×2ml)で粉砕して、(8R)−8−メチル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−7,10−ジオンTFA塩(0.25g、定量的)を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。LCMS:方法3、0.803分、MS: ES+ 184.1, 0.88分。
【0293】
工程f
THF:DMF(9:1)(10ml)中の(8R)−8−メチル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−7,10−ジオンTFA塩(0.25g、0.841ミリモル)の溶液に、K
2CO
3(0.35g、2.525ミリモル)を室温で加えた。反応混合液に臭化シアン(0.107g、1.009ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中4.3%MeOH)により精製して、標題化合物をジアステレオ異性体の混合物として得た(0.10g、0.480ミリモル)。LCMS:方法3、1.306分、MS: ES+ 209.06, 1.52 min, MS: ES+ 209.1;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.61 (s, 2 H), 8.40 (s, 2 H), 4.01 - 4.04 (m, 2 H), 3.77 (d, J=10 Hz, 1 H), 3.32 - 3.79 (m, 7H), 2.37 - 2.50 (m, 1H), 2.26 - 2.33 (m, 1 H), 1.92 - 2.06 (m, 2 H), 1.23 - 1.28 (m, 6H)。
【0294】
実施例77
7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
【化51】
【0295】
実施例76に記載の方法と同様の方法により、工程aでBoc−L−グリシンを使用して合成した。LCMS:方法7,2.89分、MS: ES+ 195.2;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.69 (s, 1 H), 8.30 (s , 1 H), 3.83 (s, 2 H), 0.71 (d, J=10.4 Hz, 1 H), 3.60 (q, J=7.2 Hz, 1 H), 3.51 - 3.55 (m, 1 H), 3.47 (d, J=14.8 Hz, 1 H), 2.32 - 2.41 (m, 1 H), 1.96 - 2.03 (m, 1 H)。
【0296】
実施例78
(8S)−8−メチル−7,10−ジオキソ−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
【化52】
【0297】
実施例76に記載の方法と同様方法により、工程aでBoc−L−アラニンを使用して合成した。LCMS:方法9,9.39,9.53分、MS: ES- 207.0;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.63 (d, J=3.6 Hz, 2H), 8.42 (s, 2H), 4.00 - 4.39 (m, 2H), 3.78 (d, J=10 Hz, 1H), 3.45 - 3.66 (m, 6H), 3.37 (d, J=10 Hz, 1H), 2.37 - 2.44 (m, 1H), 2.26 - 2.33 (m, 1H), 1.93 - 2.06 (m, 2H), 1.24 - 1.28 (m, 6H)。
【0298】
実施例79
7,10−ジオキソ−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
【化53】
【0299】
実施例76に記載の方法と同様方法により、工程aで2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−フェニル酢酸を使用して合成した。LCMS:方法2、2.51,2.63分、MS: ES- 269.4;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.86 (s, 2H), 8.78 (s, 2H), 7.33 - 7.42 (m, 10H), 5.06 - 5.08 (m, 2H), 3.83 (d, J=10.4 Hz, 1H), 3.74 (d, J=10 Hz, 1H), 3.50 - 3.67 (m, 4H), 3.47 (d, J=10 Hz, 1H), 3.22 (d, J=10 Hz, 1H), 2.44 - 2.50 (m, 1H), 2.33 - 2.35 (m, 1H), 2.06 - 2.11 (m, 1H), 1.84 - 1.87 (m, 1H)。
【0301】
試薬と条件:a)LDA、2,3−ジブロモプロペン、THF;b)KRBF
3、PdCl
2(dppf)、Cs
2CO
3、トルエン、水;c)K
2OsO
4・2H
2O、過ヨウ素酸ナトリウム、アセトン、水;d)NH
4OAc、NaCNBH
3、EtOH、MgSO
4;e)TFA、DCM;f)CNBr、Na
2CO
3、THF。
【0302】
実施例80
8−エチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
【化55】
【0303】
工程a
無水THF(30ml)中のジイソプロピルアミン(3.72ml、26.3ミリモル)の溶液に、ヘキサン中の1.6Mのn−BuLi(15.4ml、24.6ミリモル)を−78℃で加えた。反応混合液を−78℃で45分間撹拌した。反応混合液に1−BOC−3−ピロリジンカルボン酸エチル(CAS番号170844−49−2;2.00g、8.22ミリモル)を−78℃で加え、反応混合液を−78℃で1時間撹拌した。反応混合液に2,3−ジブロモプロペン(CAS番号513−31−5,1;23ml、12.33ミリモル)を−78℃で加えた。得られた反応混合液を0℃で加温した。得られた反応混合液を同じ他の方法で調製した同じスケールの1つの他のバッチと合わせ、飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)を加えてクエンチした。得られた混合液をEtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5%EtOAc)で精製して、3−(2−ブロモアリル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−エチル(4.00g、11077ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.58分、MS: ES+ 362.7。
【0304】
工程b
トルエン:水(9:1)(5ml)中の、3−(2−ブロモアリル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−エチル(0.50g、1.395ミリモル)及びエチルトリフルオロホウ酸カリウム(CAS番号44248−07−9;0.23g、1.661ミリモル)の溶液に、Cs
2CO
3(1.35g、4.163ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で窒素で20分間脱気した後、PdCl
2(dppf)(0.10g、0.14ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を80℃で15時間加熱した。次に、得られた反応混合液を、同じ方法で調製した同じスケールの別の1つのバッチとで合わせ、次に室温に冷却し、水(100ml)に注ぎ、EtOAc(2×100ml)で抽出した。合わせた有機相を食塩水(50ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中8%EtOAc)により精製して、3−(2−メチレンブチル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−エチル(0.32g、1.028ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.886分、MS: ES+ 312.1。
【0305】
工程c
アセトン:水(1:1)(10ml)中の3−(2−メチレンブチル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−エチル(0.30g、0.964ミリモル)の溶液に、オスミウム酸カリウム(VI)二水和物(0.014g、0.040ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を10℃に冷却した。メタ過ヨウ素酸ナトリウム(0.83g、3.840ミリモル)を10℃で15分かけて少しずつ加えた。得られた反応液を1時間撹拌した。得られた反応混合液を水(75ml)で希釈し、EtOAc(2×75ml)で抽出した。合わせた有機相を、食塩水(50ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、減圧下で濾過して、3−(2−オキソブチル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−エチル(0.30g、0.957ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.313分、MS: ES+ 214.18 (M-Boc)。
【0306】
工程d
エタノール(9ml)中の3−(2−オキソブチル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−エチル(0.30g、0.957ミリモル)(9ml)の溶液に、酢酸アンモニウム(1.11g、14.388ミリモル)及びNaCNBH
3(0.24g、3,831ミリモル)を室温で加えた。MgSO
4(0.81g、6,715ミリモル)を室温で加え、反応混合液を80℃で15時間加熱した。得られた混合液を減圧下で濃縮した。得られた混合液をEtOAc(100ml)に溶解し、飽和NaHCO
3溶液(50ml)、水(50ml)、食塩水(50ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中1.5%のMeOH)により精製して、8−エチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボン酸tert−ブチル(0.045g、0.167ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.04分、MS: ES+ 213.2 (M-56)。
【0307】
工程e
DCM(3ml)中の8−エチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボン酸tert−ブチル(0.04g、0.159ミリモル)の溶液に、TFA(0.5ml)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテル(5ml)で共沸蒸留して、3−エチル−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−1−オンTFA塩(0.03g、0.106ミリモル)を得た。MS: ES+ 169.2。
【0308】
工程f
THF(2ml)中の3−エチル−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−1−オンTFA塩(0.03g、0.106ミリモル)の溶液に、NaHCO
3(0.018g、0.212ミリモル)を室温で加えた。反応混合液に臭化シアン(0.012g、0.117ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(2×30ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(DCM中1%MeOH)により精製して、標題化合物をジアステレオ異性体の混合液として得た(0.008g、0.041ミリモル)。LCMS:方法3、2.78分、MS: ES+ 194.0;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm: 5.96 (s, 2H), 3.80 (d, J=9.6 Hz, 1H), 3.67 - 3.73 (m, 2H), 3.49 - 3.58 (m, 5H), 3.35 (d, J=9.2 Hz, 1H), 3.27 (d, J=9.6 Hz, 1H), 2.14 - 2.43 (m, 4H), 1.52 - 1.92 (m, 8H), 0.97 (t, J=14.8 Hz, 6H).。
【0309】
実施例81
8−ベンジル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
【化56】
【0310】
実施例80に記載の方法と同様の方法により、工程bでベンジルトリフルオロホウ酸カリウムを使用して合成した。LCMS:方法3、3.57分、MS: ES+ 356.1;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 8.12 (s, 1H), 7.29 - 7.31 (m, 2H), 7.22 - 7.24 (m, 3H), 3.78 - 3.81 (m, 2H), 3.47 - 3.52 (m, 2H), 3.23 (d, J=9.2 Hz,1H), 2.89 (dd, J=4.8 Hz, 13.2 Hz, 1H), 2.58 - 2.63 (m, 1H), 1.96 - 2.05 (m, 2H), 1.59 - 1.70 (m, 2H)。
【0311】
実施例82及び83
8−メチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル
【化57】
【0312】
工程a
THF(80ml)中のピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(CAS番号170844−49−2;4.0g、16.46ミリモル)の溶液を−78℃に冷却した。反応混合液にTHF中のLiHMDSの1M溶液(21ml、21.39ミリモル)を−78℃で滴下して加えた。得られた反応混合液を−78℃で30分間撹拌した。反応混合液に2−(ブロモメチル)プロプ−1−エン(CAS番号1458−98−6;3.1g、23.054ミリモル)を−78℃でゆっくり加えた。得られた反応混合液を室温まで温めた。得られた反応混合液を室温で1時間撹拌した。得られた反応混合液を水素NH
4Cl水溶液(20ml)で希釈し、EtOAc(3×80ml)で抽出した。合わせた有機相を集め、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、粗物質を得た。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中6%EtOAc)により精製して、3−(2−メチルアリル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−エチル(3.50g、11.78ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.63分、MS: ES+ 298.4。
【0313】
工程b
MeOH:DCM(1:1、40ml)中の3−(2−メチルアリル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−エチル(3.50g、11.78ミリモル)の溶液を、−78℃に冷却した。オゾンガスを反応混合液中に−78℃で1時間パージした。得られた反応混合液を窒素ガスで10分間パージした。得られた反応混合液に−78℃でジメチルスルフィド(2.10g、35.35ミリモル)を滴下して加えた。得られた反応混合液を室温に加温し、1時間攪拌した。反応混合液を真空下で濃縮し、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中18〜19%のEtOAc)により精製して、3−(2−オキソプロピル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−エチル(1.89g、6.32ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.06分、MS: ES+ 300.3。
【0314】
工程c
THF:酢酸(9:1、10ml)中の3−(2−オキソプロピル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−エチル(0.50g、1.67ミリモル)の溶液に、CH
3COONH
4(0.64g、8.36ミリモル)を室温で加えた。得られた反応混合液を室温で10分間撹拌した。反応混合液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.06g、5.01ミリモル)を室温で加え、得られた反応混合液を70℃で20時間加熱した。この混合液を、同じ方法で調製した同じスケールの別の2つのバッチとで合わせ、水(80ml)に注ぎ、固体NaHCO
3で中和した。混合液をEtOAc(3×80ml)で抽出し、合わせた有機相を集め、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残留物を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中85%EtOAc)により精製して、8−メチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボン酸tert−ブチル(1.0g、3.93ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.91分、MS: ES+ 255.5。
【0315】
工程d
DCM(5ml)中の8−メチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボン酸tert−ブチル(0.4g、1.57ミリモル)の溶液に、TFA(1.30ml、15.74ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で1時間攪拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物を、ジエチルエーテル(2×19ml)で粉砕して、3−メチル−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−1−オンTFA塩(0.40g、定量的)を得た。この物質を更に処理することなく直接次の工程に使用した。LCMS:方法4,2.097分、MS: ES+ 155.0。
【0316】
工程e
THF(5ml)中の3−メチル−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−1−オンTFA塩(0.40g、1.49ミリモル)の溶液に、K
2CO
3(0.82g、5.97ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で10分間撹拌した。臭化シアン(0.19g、1.79ミリモル)を0℃で反応混合液に加え、0℃でさらに30分間撹拌した。得られた反応混合液を濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(0.50g、定量的)を粗物質として得た。LCMS:方法1、1.51分、MS: ES+ 180.2。得られた粗物質を、分取HPLC[移動相:(A)水中の20mM酢酸アンモニウム(B)100% MeCN:メタノール(50:50)、カラム:XブリッジC18、150x19mm,5μm,流速:15ml/分]に供すると、これは、実施例82(0.055g、0.27ミリモル)及び実施例83(0.058g、0.32ミリモル)を与えた。
【0317】
実施例82
8−メチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル:ジアステレオ異性体1
LCMS:方法2、2.383分、MS:ES+ 179.90;キラルHPLC:方法6、RT 8.25分、8.42分、
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 7.97 (s, 1 H), 3.58 - 3.63 (m, 1 H), 3.35 - 3.54 (m, 3 H), 3.25 - 3.28 (m, 1 H), 2.18 - 2.23 (m, 1 H), 1.87 - 1.90 (m, 2 H), 1.54 - 1.59 (m, 1 H), 1.11 (d, J=6.0 Hz, 3 H)。
【0318】
実施例83
8−メチル−6−オキソ−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル:ジアステレオ異性体2
LCMS:方法2、2.406分、MS:ES+ 179.90;キラルHPLC:方法6、RT 8.16分、8.34分、
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 7.99 (s, 1 H), 3.52 - 3.63 (m, 2 H), 3.37 - 3.42 (m, 2 H), 3.24 - 3.26 (m, 1 H), 2.22 - 2.27 (m, 1 H), 2.07 - 2.12 (m, 1 H), 1.75 - 1.78 (m, 1 H), 1.50 - 1.55 (m, 1 H), 1.11 (d, J=6.40 Hz, 3 H)。
【0319】
実施例84
6−オキソ−8−フェニル−2,7−ジアザスピロ[4,4]ノナン−2−カルボニトリル:ジアステレオ異性体1
【化58】
【0320】
スキーム8に従って合成した。工程a〜eは、実施例80について記載されたものと同様の方法により工程bでフェニルトリフルオロホウ酸カリウムを使用して行った。工程f及び以後のジアステレオ異性体分離は、実施例82と83の工程eと同様の方法を使用して行った。2つのラセミ体ジアステレオ異性体が得られ、LCMS RT 方法2,3.25及び3.29分であった。これらのうちの1つは例として含めるのに適切な生物学的特性を示した。LCMS:方法2、3.29分、MS: ES+ 242.3;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.45 (s, 1H), 7.27 - 7.42 (m, 5H), 4.71 (t, J=7.6 Hz, 1H), 3.47 - 3.57 (m, 2H), 3.35 - 3.40 (m, 2H), 2.55 - 2.60 (m, 1H), 2.09 - 2.17 (m, 1H), 1.77 - 1.82 (m, 1H), 1.68 - 1.74 (m, 1H)。
【0321】
実施例85
2−オキソ−1,5−ジヒドロ−2H−スピロ[ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化59】
【0322】
工程a
DMF(10ml)中の3−ヒドロキシピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(中間体C、0.7g、2.857ミリモル)の溶液に、K
2CO
3(1.18g、8.571ミリモル)及び臭化2−ニトロベンジル(CAS番号3958−60−9;0.74g、3.428ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を16時間撹拌し、次に水(150ml)に注ぎ、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の中性酸化アルミニウム、5%EtOAc)により精製して、3−((2−ニトロベンジル)オキシ)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(0.13g、0.342ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.557分、MS: ES+ 325.5 (M-56);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 8.04 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.76 (d, J=4.0 Hz, 2 H), 7.57 - 7.60 (m, 1 H), 4.78 - 4.91 (m, 2 H), 3.71 (s, 3 H), 3.58 - 3.61 (m, 2 H), 3.41 - 3.48 (m, 1 H), 3.33 - 3.35 (m, 1 H), 2.26 - 2.28 (m, 2 H), 1.38 (d, J=13.6 Hz, 9 H).。
【0323】
工程b
THF:水(1:1、6ml)中の3−((2−ニトロベンジル)オキシ)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(0.12g、0.315ミリモル))の溶液に、鉄粉(0.176g、3.158ミリモル)と塩化アンモニウム(0.168g、3.158ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を70℃で16時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、セライトハイフローで濾過した。セライト床をEtOAc(2×10ml)で洗浄した。合わせた濾液を水(50ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、濃縮して、3−((2−アミノベンジル)オキシ)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(0.1g、0.285ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.339分、MS: ES+ 351.38;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 6.99 - 7.03 (m, 2 H), 6.63 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 6.50 (t, J=7.6 Hz, 1 H), 5.10 (s, 2 H), 4.34 - 4.38 (m, 1 H), 4.24 - 4.27 (m, 1 H), 3.75 (s, 3 H), 3.55 - 3.69 (m, 2 H), 3.41 - 3.46 (m, 1 H), 3.29 - 3.32 (m, 1 H), 2.19 - 2.34 (m, 2 H). 1.39 (d, J=4.0 Hz, 9 H)。
【0324】
工程c
THF(5ml)中の3−((2−アミノベンジル)オキシ)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−(tert−ブチル)3−メチル(0.08g、0.228ミリモル)の溶液に、TBD(0.04g、0.457ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を70℃で1時間加熱した。得られた反応混合液を室温に冷却し、水(50ml)に注ぎ、EtOAc(2×30ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中10%MeOH)により精製して、2−オキソ−1,5−ジヒドロ−2H−スピロ[ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(0.03g、0.094ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.229分、MS: ES+ 263.13 (M-56);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 10.39 (s, 1 H), 7.21 - 7.28 (m, 2 H), 7.12 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 6.99 -7.03 (m, 1 H), 4.64 (s, 2 H), 3.61-3.67 (m, 1 H), 3.43 - 3.57 (m, 2 H), 3.08 - 3.16 (m, 1 H), 2.28 - 2.33 (m, 1 H), 2.14 - 2.16 (m, 1 H), 1.39 (d, J=4.0 Hz, 9 H)。
【0325】
工程d
DCM(2ml)中の2−オキソ−1,5−ジヒドロ−2H−スピロ[ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボン酸tert−ブチル(0.027g、0.085ミリモル)の攪拌溶液に、TFA(0.13ml)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で30分間撹拌した。得られた反応混合液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をDCM(3×5ml)で共沸蒸留した。得られた物質をヘキサン(2×2ml)で粉砕し、高真空で乾燥させて、1,5−ジヒドロ−2H−スピロ[ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−3,3'−ピロリジン]−2−オンTFA塩(0.02g、0.06ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.365分、MS: ES+ 219.28;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 10.59 (s, 1 H), 9.20 (br, s, 2 H), 7.26 - 7.30 (m, 2 H), 7.15 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.03 -7.05 (m, 1 H), 4.62 - 4.72 (m, 2 H), 3.29 - 3.58 (m, 4 H), 2.27 - 2.39 (m, 2 H)。
【0326】
工程e
THF(5ml)中の1,5−ジヒドロ−2H−スピロ[ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−3,3'−ピロリジン]−2−オンTFA塩(0.02g、0.0602ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(41.5g、0.301ミリモル)を0℃加えた。反応混合液に臭化シアン(0.0076g、0.0723ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で10分間撹拌した。得られた反応混合液を真空下で濃縮し、得られた粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中2%MeOH)により精製して、2−オキソ−1,5−ジヒドロ−2H−スピロ[ベンゾ[e][1,4]オキサゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル(0.009g、0.037ミリモル)を得た。LCMS:方法3、3.414分、MS: ES+ 244.02;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 10.48 (s, 1 H), 7.24 - 7.29 (m, 2 H), 7.14 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 7.02 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 4.64 - 4.72 (m, 2 H), 3.75 (d, J=10.8 Hz, 1 H), 3.57 - 3.68 (m, 2 H), 3.43 - 3.51 (m, 1 H), 2.29 - 2.37 (m, 1 H), 2.17 - 2.23 (m, 1 H)。
【0327】
実施例86
2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル
【化60】
【0328】
工程a
DCM(50ml)中の2−シアノアクリル酸エチル(2.2g、17.6ミリモル)の撹拌溶液(50ml)に、TFA(0.48g、4.224ミリモル)及びN−ベンジル−1−メトキシ−N−((トリメチルシリル)メチル)メタンアミン(CAS番号93102−05−7;5.0g、21.12ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を10℃に冷却し、飽和NaHCO
3溶液(100ml)でクエンチした。得られた混合液をDCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を水(50ml)で洗浄した。得られた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中3%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−3−シアノピロリジン−3−カルボン酸エチル(2.4g、9.302ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.714分、MS: ES+ 258.8;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 7.25 - 7.36 (m, 5 H), 4.22 (q, J=7.2 Hz, 2 H), 3.67 (dd, J=13.2 Hz, 18.0 Hz, 2 H), 3.14 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 2.88 (d, J=10.0 Hz, 1 H), 2.81 - 2.85 (m, 1 H), 2.53 - 2.57 (m, 1 H), 2.44 - 2.47 (m, 1 H), 2.33 - 2.40 (m, 1 H), 1.23 (t, J=7.2 Hz, 3 H)。
【0329】
工程b
MeOH(25ml)中の1−ベンジル−3−シアノピロリジン−3−カルボン酸エチル(2.4g、9.298ミリモル)の攪拌溶液に、慎重にラネーニッケル(水中50%)(4.8g、2.0容量w/w)を室温でオートクレーブに加えた。反応混合液を室温で250psiの水素圧で48時間撹拌した。反応混合液を慎重にセライト床を通して濾過し、メタノール(20ml)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮して、3−(アミノメチル)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチルと3−(アミノメチル)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸エチルの混合物(2.2g)を得た。LCMS:方法4,3.825分、4.133、MS:ES+ 249.01,262.97。得られた混合液を更に処理することなく直接次の工程に使用した。
【0330】
工程c
トルエン(15ml)中の3−(アミノメチル)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチル及び3−(アミノメチル)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸エチルの混合物(2.2g、8.396ミリモル)の撹拌溶液に、2−フルオロ−3−ニトロピリジン(1.3g、9.236ミリモル)及びK
2CO
3(1.74g、12595ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を120℃で16時間加熱した。反応混合液を室温に冷却し、水(150ml)に注ぎ、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機相を水(100ml)で洗浄した。有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15%EtOAc)により精製して、1−ベンジル−3−(((3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−3−カルボン酸メチルと1−ベンジル−3−(((3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−3−カルボン酸エチルの混合物(1.6g)を得た。LCMS:方法1、1.782分、1.865分、MS: ES+ 371.18, 385.18。
【0331】
工程d
MeOH(25ml)中の1−ベンジル−3−(((3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−3−カルボン酸メチルと1−ベンジル−3−(((3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)メチル)ピロリジン−3−カルボン酸エチルの混合物(1.6g)の攪拌溶液に、慎重にラネーニッケル(水中50%)(3.2g、2.0容量w/w)を室温で加えた。反応混合液を水素ガスで2時間パージした。反応混合液をセライト床を通して濾過し、MeOH(15ml)で洗浄し、濾液を真空下で濃縮して、3−(((3−アミノピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチルと3−(((3−アミノピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸エチルの混合物(1.44g)を得た。LCMS:方法1、1.434分、1.537分、MS: ES+ 341.33, 355.34。
【0332】
工程e
酢酸(20ml)中の3−(((3−アミノピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチルと3−(((3−アミノピリジン−2−イル)アミノ)メチル)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸エチルの混合物(1.4g)の溶液を、120℃で2時間加熱した。反応混合液を室温に冷却し、飽和NaHCO
3溶液(250ml)に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、DM水(50ml)で洗浄した。有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をでカラムクロマトグラフィー(DCM中0.5%MeOH)により精製して、1'−ベンジル−4,5−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3,3'−ピロリジン]−2(1H)−オン(0.313g、1.016ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.271分、MS: ES+ 309.13;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 9.57 (s, 1 H), 7.69 (dd, J=1.2 Hz, 4.4 Hz, 1 H), 7.29 - 7.31 (m, 4 H), 7.23 - 7.24 (m, 1 H), 7.19 (d, J=7.2 Hz, 1 H), 6.83 - 6.88 (m, 1 H), 6.53 - 6.56 (m, 1 H), 3.51 - 3.60 (m, 2 H), 3.28 (t, J=4.8 Hz, 2 H), 2.73 (d, J=9.6 Hz, 1 H), 2.55 - 2.60 (m, 2 H), 2.38 - 2.42 (m, 1 H), 2.03 - 2.10 (m, 1 H), 1.67 - 1.72 (m, 1 H)。
【0333】
工程f
THF(5ml)中の1'−ベンジル−4,5−ジヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3,3'−ピロリジン]−2(1H)−オン(0.31g、1.006ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(0.278g、2.012ミリモル)及び臭化シアン(0.107g、1.006ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を室温で36時間撹拌した。得られた反応混合液を水(50ml)に注ぎ、DCM(3×25ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、水(50ml)で洗浄した。有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中0.5%MeOH)により精製して、2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル(0.245g、定量的)を得た。得られた粗物質を分取HPLC精製[移動相:(A)100%の水、(B)100%MeCN、カラム:ウォーターズXブリッジC18 250x19mm、5ミクロン、流速11.0ml/分]に供し、2−オキソ−1,2,4,5−テトラヒドロスピロ[ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3,3'−ピロリジン]−1'−カルボニトリル(0.077g、0.317ミリモル)を得た。LCMS:方法4,2.939分、MS: ES+ 243.99;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm: 9.85 (s, 1 H), 7.75 (dd, J=1.6 Hz, 4.8 Hz, 1 H), 7.28 (d, J=7.6 Hz, 1 H), 6.89 (t, 4.8 Hz, 1 H), 6.61 (dd, J=4.4 Hz, 7.6 Hz, 1 H), 3.69 (d, J=10.0 Hz, 1 H), 3.48 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 3.35 - 3.36 (m, 1 H), 3.30 - 3.31 (m, 1 H), 3.20 - 3.24 (m, 1 H), 2.09 - 2.16 (m, 1 H), 1.88 - 1.95 (m, 1 H)。
【0334】
実施例87
8−メチル−7,10−ジオキソ−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル
【化61】
【0335】
工程a
MeCN(50ml)中の2−アミノ−2−フェニルプロパン酸(CAS番号565−07−1;4.0g、24.21ミリモル)の攪拌溶液に、水酸化テトラメチルアンモニウム10%水溶液(21.8ml、24.21ミリモル)を室温で加えた。反応混合液にBoc無水物(7.92g、36.0ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で48時間撹拌した。得られた反応混合液を水(200ml)に注ぎ、ジエチルエーテル(3×25ml)で洗浄した。水層を5%クエン酸溶液(約70ml)で酸性化し、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機相を分離し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−フェニルプロパン酸(4.2g、15.84ミリモル)を得た。LCMS:方法1、2.162分、MS: ES+ 264.28;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 12.74 (s, 1 H), 7.43 (d, J=8.0 Hz, 2 H), 7.33 (t, J=7.2 Hz, 2 H), 7.26 (t, J=7.2 Hz, 1 H), 7.14 (br s, 1 H), 1.72 (s, 3 H), 1.36 (s, 9 H)。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0336】
工程b
無水THF(10ml)中のメチル2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−フェニルプロパン酸(1.13g、4.27ミリモル)の溶液に、HATU(4.86g、12.81ミリモル)及びDIPEA(2.2ml、12.81ミリモル)を0℃で加えた。反応混合液を0℃で30分間撹拌した。反応混合液に3−アミノ−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチル(中間体A、1g、4.27ミリモル)を0℃で加えた。得られた反応混合液を室温で16時間撹拌した。得られた反応混合液を水(20ml)に注ぎ、DCM(6×20ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中50〜60&EtOAc)により精製して、1−ベンジル−3−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−フェニルプロパンアミド)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(2.59g、定量的)を得た。LCMS:方法1、2.015分、MS:ES+ 482.28。
【0337】
工程c
DCM(5ml)中の1−ベンジル−3−(2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−2−フェニルプロパンアミド)ピロリジン−3−カルボン酸メチル(1.2g、2.49ミリモル)の攪拌溶液に、TFA(12ml)を0℃で加えた。反応混合液を室温で3時間撹拌した。得られた反応混合液を真空下で濃縮した。得られた残留物をn−ペンタン(3×10ml)で粉砕し、高真空下で乾燥した。得られた粗残留物を素早く飽和NaHCO
3溶液に注ぎ、pH7〜8になるまで充分攪拌した。得られた混合液をMeOH:DCM(1:9、5×15ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−(2−アミノ−2−フェニルプロパンアミド)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチル(0.776g、2.036ミリモル)を得た。LCMS:方法3、4.167分、MS: ES+ 382.05。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0338】
工程d
無水THF(10ml)中の3−(2−アミノ−2−フェニルプロパンアミド)−1−ベンジルピロリジン−3−カルボン酸メチル(0.776g、2.036ミリモル)(10ml)の溶液に、TBD(0.708g、5.09ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で12時間撹拌した。得られた反応混合液を水(20ml)に注ぎ、EtOAc(3×40ml)で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテル(2×15ml)で粉砕し、真空下で乾燥して、2−ベンジル−8−メチル−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−7,10−ジオン(0.380g、1.08ミリモル)を得た。LCMS:方法1、1.586分、MS: ES+ 350.48。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0339】
工程e
MeOH(15ml)中の2−ベンジル−8−メチル−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−7,10−ジオン(0.380g、1.08ミリモル)の攪拌溶液に、酢酸を(2ml)を室温で加えた。反応混合液にPd/C(50%水分)(65mg)を室温で加えた。反応混合液を室温でH
2で1.5時間パージした。反応混合液をセライトハイフローを通して慎重に濾過した。セライト床をMeOH(2×5ml)で洗浄した。合わせた濾液を真空下で濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテル(2×10ml)で粉砕し、高真空下で乾燥して、8−メチル−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−7,10−ジオン(0.384g、1.203ミリモル)を得た。LCMS:方法3、2.338,2.551分、MS: ES+ 259.98。この物質をさらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0340】
工程f
THF:DMF(2:1、8ml)中の8−メチル−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−7,10−ジオン(0.384g、1.482ミリモル)の攪拌溶液に、K
2CO
3(0.519g、3.764ミリモル)を室温で加えた。反応混合液を室温で15分間撹拌した。反応混合液に臭化シアン(0.159g、1.504ミリモル)を加えた。反応混合液を室温で45分間撹拌した。得られた反応混合液を氷冷水(30ml)に注いだ。得られた沈殿物を真空下で濾過し、水(20ml)で洗浄し、風乾した。得られた固体物質をジエチルエーテル(3×10ml)で粉砕し、高真空下で乾燥して、8−メチル−7,10−ジオキソ−8−フェニル−2,6,9−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボニトリル(0.148g、0.520ミリモル)を得た。LCMS:方法2,2.820,2.907分、MS: ES+ 285.24, 285.29;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm: 9.18 (s, 1 H), 8.77 (s, 1 H), 7.40 - 7.43 (m, 5 H), 3.61 - 3.63 (m, 1 H), 3.33 - 3.51 (m, 2 H), 3.17 - 3.18 (m, 1 H), 1.97 - 2.01 (m, 1 H), 1.81 - 1.85 (m, 1 H), 1.60 (s, 3 H)。
【0341】
本発明の化合物の生物学的活性
略語:
TAMRA カルボキシテトラメチルローダミン
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
PBS リン酸緩衝化生理食塩水
EDTA エチレンジアミン四酢酸
トリス 2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール
NP−40 ノニデットP−40、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール
BSA ウシ血清アルブミン
DMSO ジメチルスルホキシド
【0342】
インビトロセザンヌ1阻害アッセイ
セザンヌ1の発現と精製
セザンヌ1構築物をPCR増幅し、N末端FLAGタグを有するpFLAG−CMV−6cベクター(Sigma-Aldrich)にクローニングした。HEK293T細胞を、TransIT−LT1トランスフェクション試薬(Mirus)を製造業者の説明書に従って使用して、FLAG−セザンヌ1でトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後に細胞を採取した。細胞をPBSで1回洗浄し、溶解緩衝液(50mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、3mM EDTA、0.5%NP40、10%グリセロール、5mMベータメルカプトエタノール、プロテアーゼ阻害剤(コンプリートミニ、Roche)及びホスファターゼ阻害剤(PhosSTOPミニ、Roche)に掻き取った。溶解物を氷上で30分間インキュベートし、4℃で4000rpmで10分間遠心分離した。可溶性上清を、低塩緩衝液(20mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、0.5mM EDTA、5mMのベータメルカプトエタノール)で平衡化したFLAGアフィニティー樹脂(EZView Red ANTI-FLAGM2アフィニティーゲル、Sigma-Aldrich)に加え、4℃で3時間、回転しながらインキュベートした。樹脂を2000rpmで2分間遠心分離し、上清を除去した。樹脂を低塩緩衝液で2回洗浄し、高塩緩衝液で(20mMトリス、pH7.5、500mM NaCl、0.5mM EDTA、5mMベータメルカプトエタノール、プロテアーゼ阻害剤(完全ミニ、Roche)及びホスファターゼ阻害剤(PhosSTOPミニ、Roche))で1回洗浄した。結合したセザンヌ1を溶出するために、溶出緩衝液(10mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、0.5mM EDTA、10%グリセロール、0.5%NP40、5mMベータメルカプトエタノール、0.15mg/ml 3×FLAGペプチド(Sigma-Aldrich))を樹脂に加え、4℃で回転しながら2.5時間インキュベートした。樹脂を4000rpmで30秒間遠心分離し、精製FLAG−セザンヌ1を含む上清を取り出し、−80℃で保存した。
【0343】
精製したFLAG−タンパク質を、
図1に示すようにSDS−PAGEを使用してBSAに対して、分子量を性状解析した(左側のスケールはキロダルトンである)。
【0344】
セザンヌ1生化学的動態アッセイ
反応は、二重測定で黒色の384ウェルプレート(小容量、Greiner 784076)中で、最終反応容積21μlで行った。セザンヌ1を反応緩衝液(40mMトリス、pH7.5、0.005%ツイーン20、0.5mg/ml BSA、5mMベータメルカプトエタノール)で、0、0.001、0.050、0.01、及び0.05μl/ウェル相当に希釈した。緩衝液は、最適温度、pH、還元剤、塩、インキュベーション時間、及び界面活性剤のために最適化された。反応は、イソペプチド結合を介してユビキチンに結合したTAMRA標識ペプチド50nMを蛍光偏光基質として添加することにより開始した。反応物を室温でインキュベートし、2分毎に120分間読み取った。読み取りは、Pherastar Plus(BMG Labtech)で行った。λ励起540nm;λ発光590nm。
図2は、蛍光偏光アッセイを使用して測定されたセザンヌ1のタンパク質分解活性のグラフを示す。示した種々の量の精製セザンヌ1は、イソペプチド結合を介してユビキチンに結合したTAMRA標識ペプチドと共にインキュベートされた。
【0345】
セザンヌ1生化学IC50アッセイ
希釈プレートは、96ウェルポリプロピレンV底プレート(Greiner #651201)中で50%DMSOで最終濃度の21倍で調製した(100μMの最終濃度については2100μM)。典型的な8点希釈系列は、最終濃度が100、30、10、3、1、0.3、0.1、0.03μMである。反応は、二重測定で黒色の384ウェルプレート(小容量、Greiner 784076)中で、最終反応容積21μlで行った。1μlの50%DMSO又は希釈化合物のいずれかをプレートに加えた。セザンヌ1を反応緩衝液(40mMトリス、pH7.5、0.005%ツイーン20、0.5mg/ml BSA、5mMベータメルカプトエタノール)で、0.005μL/ウェル相当に希釈し、10μlの希釈セザンヌ1を化合物に加えた。酵素及び化合物を室温で30分間インキュベートした。反応は、蛍光偏光基質として、イソペプチド結合を介してユビキチンに結合されたTAMRA標識ペプチドの50nMの添加により開始された。基質の添加直後、及び室温で2時間のインキュベーション後に、反応を読み取った。読み取りは、Pherastar Plus(BMG Labtech)で行った。λ励起540nm;λ発光590nm。
【0346】
セザンヌ1生化学IC50アッセイにおける例示化合物の活性。
範囲:
A<0.1μM、
0.1<B<1μM、
1<C<10μM、
D>10μM。
【表20-1】
【表20-2】
【表20-3】
【表20-4】