【解決手段】グリーン体部品の製造方法は、作業面204上に粉末202の層を積層させることと、前記粉末の層にグリーン体部品の層の構造を表すパターン状に熱可塑性バインダ216、蛍光材料220、及びバインダ媒体を含むバインダ溶液206を選択的に付与することであって、前記パターンはグリーン体部品の層の構造を表す、バインダ溶液を選択的に付与することと、を含む。前記熱可塑性バインダは、溶媒媒体に溶解した7,000g/mol以上100,000g/mol以下の平均分子量を有する1又は複数のポリマーストランドを含む。蛍光材料を含むバインダ溶液、及びこれを用いて一緒に接着したグリーン体部品も提供される。
前記熱可塑性バインダ(216)の前記1又は複数のポリマーストランドは第1のポリマーストランド及び第2のポリマーストランドを含み、前記第1のポリマーストランドは第1の官能基を含み、前記第2のポリマーストランドは前記第1の官能基とは異なる第2の官能基を含み、前記第1の官能基及び前記第2の官能基は前記第1のポリマーストランドを前記第2のポリマーストランドと非共有結合するように構成され、前記第2のポリマーストランドは100g/mol以上10,000g/mol以下の平均分子量を有する、先行する請求項に記載の方法。
前記芳香族染料は、スチルベン染料、ピレン染料、クマリン染料、アントラセン染料、テトラセン染料、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の好ましい実施形態を詳細に述べ、その例を添付の図面に示す。可能な場合、同様の又は似た部品を参照するために図面全体を通じて同じ符号が用いられる。しかし、本開示は、多くの異なる形態で実施されてよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈するべきではない。
【0031】
本明細書において、範囲は「約」X以上及び/又は「約」Y以下〔Xはある特定値、Yは別の特定値〕として示され得る。そのような範囲が示されている場合、別の実施形態はX以上及び/又はY以下〔Xは前記のある特定値、Yは前記の別の特定値〕を含む。同様に、例えば先行詞「約」を用いることにより値が近似として表されている場合、当該特定値は別の実施形態を形成することが理解されよう。さらに、各範囲の端点には、他方の端点に関連した意義もあれば他方の端点とは独立した意義もあることが理解されよう。
【0032】
本明細書で用いられる方向の用語−例えば、上、下、右、左、前、後、頂部、底部−は描かれた図を基準としてのみ用いられるのであって、絶対的な向きを意味することを意図していない。
【0033】
本明細書で用いられる場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、複数の対象物を含む。したがって、例えば、「a」 component(要素)との参照は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、2以上の当該components(要素)を有する態様を含む。
【0034】
本明細書で用いられる場合、「熱可塑性バインダ」は、弱い非共有結合力(例えば、相互作用、結合)により互いに相互作用して対応する熱可塑性ポリマーのストランドを連結、そうでなければ結合させ得る官能基を有する1又は複数のポリマーストランドを含むバインダを意味する。
【0035】
本明細書で用いられる場合、「非共有結合」は、第1の官能基及び第2の官能基が、相互作用又は結合等の弱い非共有結合力により互いに相互作用して熱可塑性ポリマーのストランドを連結、そうでなければ結合させることを意味する。本明細書で用いられる場合、「弱い非共有結合力」は、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力等を指すことを意図している。
【0036】
本明細書で論じられる場合、パラメータであるバインダ溶液の「粘度」はASTM E3116に準拠したレオメータを用いて測定される。
【0037】
本明細書で用いられる場合、「グリーン体金属部品」及び「グリーン体部品」は、化学的バインダを除去するための熱処理を施していないプリント部品を意味する。本明細書で用いられる場合、「ブラウン体金属部品」及び「ブラウン体部品」は、化学的バインダの少なくとも一部を除去するために熱処理を施したプリント部品を意味する。本明細書で用いられる場合、「金属部品」は、金属材料を有する部品を意味する。種々の実施形態が金属部品に関連して説明されるが、本明細書に記載されるバインダ溶液はポリマー部品及びセラミック部品(但し、これらに限定されない)を含む多種多様な3Dプリント部品に適用可能である。
【0038】
本明細書で用いられる場合、「脱バインダ」は、熱可塑性バインダが小さなオリゴマーに熱分解して熱可塑性バインダの少なくとも一部が除去されることによってブラウン体部品を形成するように、グリーン体部品を第1の温度超に加熱することを意味する。
【0039】
本明細書で用いられる場合、「焼結」は、熱可塑性バインダの残部(例えば、脱バインダ中に形成したオリゴマー残留物及び熱分解副生成物)を除去し粉末層の粒子を固化させることによって固化部品を形成するために、ブラウン体部品を第2の温度超に加熱することを意味する。
【0040】
本明細書で論じられる場合、パラメータである部品の「グリーン体強度」及び「ブラウン体強度」は、ASTM B312−14に準拠した3点曲げ強度試験を用いて測定される。
【0041】
本明細書で用いられる場合、「水」は、特に明示しない限り脱イオン水、蒸留水、及び水道水を含む。実施形態では、水はASTM D1193タイプIVの水であるか又はより良質である。
【0042】
多くのバインダジェット付加製造プロセスでは、化学的バインダ(例えば、ポリマー接着剤)を用いて粉末の層を互いに結合させて3次元物体を形成する。化学的バインダは、例えば、粉末床に、製造する部品の層を表すパターン状に選択的に付与されるポリマー接着剤であってもよい。しかし、従来の化学的バインダでは、化学的バインダの選択的付与の視覚的モニタリングを容易に行うことができないか、又は、硬化の際等における化学的バインダの除去のモニタリングを容易に行うことができない。さらに、従来の化学的バインダでは、粉末床内の完成したグリーン部品の識別又は位置特定を容易に行うことができない。
【0043】
したがって、本明細書に記載の種々の実施形態は、連結可能な熱可塑性バインダ、蛍光材料、及びバインダ媒体を含むバインダ溶液を提供する。蛍光材料は、バインダ媒体への添加前又はバインダ媒体への添加の際にカプセル化材料中にカプセル化され、粉末床に付与されると、蛍光材料は電磁放射線に曝されることで発光する。そのような実施形態は、例えば、粉末床に付与されたバインダ溶液の量及び/又は位置、並びにバインダ溶液を用いて形成されたグリーン体部品の硬化度のモニタリングを含む、付加製造プロセスの種々の態様のモニタリングを可能にし得る。これら及び更なる利点について、以下より詳細に説明する。
【0044】
上述のように、種々の実施形態において、バインダ溶液は、熱可塑性バインダ、蛍光材料、及びバインダ媒体を含む。実施形態では、蛍光材料はカプセル化され、粉末の層に付与され電磁放射線に曝されると、以下より詳細に説明するように、蛍光材料は感知及びモニタリング可能な光を発して、粉末床に付与されたバインダ溶液の量及び/又は位置、バインダ溶液を用いて形成されたグリーン体部品の硬化度等に関する情報を提供する
【0045】
種々の実施形態において、バインダ溶液は、1又は複数の蛍光材料を含む。本明細書で用いられる場合、「蛍光材料」は、可視又は不可視の電磁放射線に曝された際に別の(且つ通常はより長い)波長の放射線を発する材料を意味する。蛍光材料は、蛍光染料及び蛍光顔料を例えば含み得るが、これらに限定されない。
【0046】
蛍光顔料は、分子溶解した又は固溶体の蛍光染料を含有する透明な有機プラスチック又は樹脂粒子を含み得る。そのような顔料は、例えば、液体の状態にある熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂のいずれかに蛍光染料を分子溶解することにより作製することができる。続いて、溶媒又は担体樹脂を冷却又は硬化により硬質化させ、続いて、顔料として用いるために必要な粒子サイズに破砕、又はそうでなければ粉砕する。種々の実施形態において、顔料粒子はサイズが0.1μm以上1μm以下の範囲であり、ビヒクルシステムにおいて凝集するための高い親和性を有することができる。例えば、顔料粒子は、サイズが0.1μm以上1.0μm以下、0.2μm以上1.0μm以下、0.3μm以上1.0μm以下、0.4μm以上1.0μm以下、0.5μm以上1.0μm以下、0.6μm以上1.0μm以下、0.7μm以上1.0μm以下、0.8μm以上1.0μm以下、0.9μm以上1.0μm以下、0.1μm以上0.8μm以下、0.2μm以上0.8μm以下、0.3μm以上0.8μm以下、0.4μm以上0.8μm以下、0.5μm以上0.8μm以下、0.6μm以上0.8μm以下、0.1μm以上0.5μm以下、0.2μm以上0.5μm以下、0.3μm以上0.5μm以下、又は0.4μm以上0.5μm以下の範囲(任意且つ全ての範囲及びそこに含まれるサブ範囲を含む)であってもよい。
【0047】
顔料を形成するための溶媒又は担体として用いられ、顔料の固体基材を形成する好適な樹脂は、メラミン−ホルムアルデヒド、アリールモノスルホンアミド−アルデヒド、及び、尿素樹脂又はメラミンホルムアルデヒド樹脂、及び縮合物を含む。他の好適な樹脂及びポリマーは、アクリロニトリル、ポリアミド、セルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ガムタルタル(gum tartar)、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アセタール、又はこれらの組み合わせを含み得る。顔料の蛍光染料が可溶ならば他の樹脂又はポリマーを用いてもよい。
【0048】
蛍光顔料は、バインダ溶液に含まれる場合、バインダ溶液の総重量に対して、0.01重量%以上5.0重量%以下の量でバインダ溶液中に存在する。例えば、蛍光顔料は、0.01重量%以上5.0重量%以下、0.05重量%以上5.0重量%以下、0.1重量%以上5.0重量%以下、0.5重量%以上5.0重量%以下、1.0重量%以上5.0重量%以下、1.5重量%以上5.0重量%以下、2.0重量%以上5.0重量%以下、3.0重量%以上5重量%以下、0.01重量%以上4.0重量%以下、0.05重量%以上4.0重量%以下、0.1重量%以上4.0重量%以下、0.5重量%以上4.0重量%以下、1.0重量%以上4.0重量%以下、1.5重量%以上4.0重量%以下、2.0重量%以上4.0重量%以下、0.01重量%以上2.5重量%以下、0.05重量%以上2.5重量%以下、0.1重量%以上2.5重量%以下、0.5重量%以上2.5重量%以下、1.0重量%以上2.5重量%以下、1.5重量%以上2.5重量%以下、0.01重量%以上1.0重量%以下、0.05重量%以上1.0重量%以下、0.1重量%以上1.0重量%以下、又は0.5重量%以上1.0重量%以下(任意且つ全ての範囲及びそこに含まれるサブ範囲を含む)の量で存在してもよい。
【0049】
使用に好適な市販の顔料は、DayGloから入手可能なSPL594N Invisible Blue及びSPL18N Signal Green(商標)、並びにUMC Corp.から入手可能なA−305E Yellow及びA−303E Redを例えば含み得るが、これらに限定されない。
【0050】
種々の実施形態において、蛍光材料は蛍光染料であり得る。蛍光染料は、スチルベン染料、ピレン染料、クマリン染料、アントラセン染料、テトラセン染料、及びこれらの組み合わせ等の芳香族染料を含む。バインダ媒体が水である場合等の実施形態では、蛍光染料は少なくとも1つのスルホネート又はトリアジン基を有する発色団を含む。一部のそのような実施形態では、発色団は2つ、3つ、又は4つのスルホネート基を含む。実施形態では、発色団はスチルベン系発色団である。用いられる個々のバインダ媒体に応じて、異なる発色団がバインダ溶液に取り込まれ得ることが構想される。
【0051】
蛍光染料は、バインダ溶液に含まれる場合、バインダ溶液の総重量に対して、0.01重量%以上5.0重量%以下の量でバインダ溶液中に存在する。例えば、蛍光染料は、0.01重量%以上5.0重量%以下、0.05重量%以上5.0重量%以下、0.1重量%以上5.0重量%以下、0.5重量%以上5.0重量%以下、1.0重量%以上5.0重量%以下、1.5重量%以上5.0重量%以下、2.0重量%以上5.0重量%以下、3.0重量%以上5重量%以下、0.01重量%以上4.0重量%以下、0.05重量%以上4.0重量%以下、0.1重量%以上4.0重量%以下、0.5重量%以上4.0重量%以下、1.0重量%以上4.0重量%以下、1.5重量%以上4.0重量%以下、2.0重量%以上4.0重量%以下、0.01重量%以上2.5重量%以下、0.05重量%以上2.5重量%以下、0.1重量%以上2.5重量%以下、0.5重量%以上2.5重量%以下、1.0重量%以上2.5重量%以下、1.5重量%以上2.5重量%以下、0.01重量%以上1.0重量%以下、0.05重量%以上1.0重量%以下、0.1重量%以上1.0重量%以下、又は0.5重量%以上1.0重量%以下(任意且つ全ての範囲及びそこに含まれるサブ範囲を含む)の量で存在してもよい。
【0052】
種々の実施形態において、蛍光染料はカプセル化材料中にカプセル化される。実施形態では、カプセル化材料は例えばポリマー又はポリマーマトリックスであり得るが、他のカプセル化材料も構想される。金属粉末を含む粉末床にカプセル化されていない蛍光染料を含むバインダ溶液が付与されると、主に非放射性失活経路に関連する蛍光消光に至ると考えられるが、理論に拘束されない。しかし、蛍光染料をカプセル化することによって、蛍光染料と金属粉末から形成される非蛍光性錯体の形成を妨げることでそのような消光を防止でき、金属粉末と接触していても、蛍光染料は電磁放射線への暴露により蛍光を発することができる。
【0053】
蛍光染料は、バインダ溶液への取り込み前にカプセル化されてもよく、又はバインダ溶液への混合の際にカプセル化されてもよい。例えば、一部の実施形態では、蛍光染料はバインダ溶液への取り込み前にポリマーマトリックス中にカプセル化される。そのような実施形態では、蛍光染料は芳香族染料(例えば、スチルベン染料、ピレン染料、クマリン染料、アントラセン染料、テトラセン染料)等の上記の任意の染料であり得る。ポリマーマトリックスは、例えばポリエチレングリコール(PEG)ポリマー、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルアルコール等であり得るが、これらに限定されない。使用に好適な市販のカプセル化された蛍光染料は例えばGLO Effexから入手可能なInvisible Blue UV Reactive Water Dyeであるが、他の市販のカプセル化された蛍光染料の使用も構想される。
【0054】
他の実施形態では、蛍光染料はバインダ溶液への混合の際にカプセル化される。そのような実施形態では、バインダ溶液内の1又は複数のポリマー(熱可塑性バインダ中のポリマー等)が蛍光染料をカプセル化して、蛍光染料と金属粉末から形成される非蛍光性錯体の形成を妨げる。そのような実施形態では、蛍光染料は芳香族染料(例えば、スチルベン染料、ピレン染料、クマリン染料、アントラセン染料、テトラセン染料)等の上記の任意の染料であり得る。特定の実施形態では、蛍光染料は2つ、3つ、又は4つのナトリウムスルホネート官能基を含むが、バインダ媒体に応じて異なる官能基が更に又は代わりに含まれてもよい。実施形態では、蛍光染料は少なくとも1つのスルホネート又はトリアジン基を含む発色団を有する。発色団にそのような側鎖官能基を含めることにより、内側の蛍光発色団の金属粉末への直接接触を防ぎ、消光するのを防ぐことができると考えられるが、理論に拘束されない。そのままの(例えば、カプセル化されていない、液状)形態でバインダ溶液に加えることができる市販の好適な蛍光染料は蛍光増白剤FB 210、FB 220、及びFB 351を例えば含むが、これらに限定されず、バインダ溶液に可溶ならば個々の実施形態に応じて他の染料が使用できる。
【0055】
上記のように、バインダ溶液は少なくとも1のバインダも含む。バインダは、バインダ溶液の溶媒の一部又は全部を蒸発させる硬化工程後、粒子状物質とその層を一緒に結合させることによってグリーン体部品に強度をもたらす。好適なバインダは、熱可塑性バインダ、熱硬化性バインダ、並びに、ワックス及び糖等の非ポリマー性バインダ(例えば、グルコース、フルクトース、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせ)を含むが、これらに限定されない。
【0056】
実施形態では、バインダは1又は複数の熱可塑性ポリマーストランドを含む熱可塑性バインダを含む。本明細書で用いられる場合、「ポリマーストランド」という用語は、ポリマー骨格とこれにグラフトされた官能基を含む。実施形態では、熱可塑性バインダは一般に、酸素の存在を必要とせずに小さなオリゴマー、二酸化炭素、及び水に分解する熱可塑性ポリマーのクラスから選択される。したがって、実施形態では、熱可塑性バインダが脱バインダ及び焼結中にきれいに且つ容易に除去されて、熱可塑性バインダ及び分解生成物(例えば、チャー及び金属酸化物)を実質的に含まない固化部品を生成し得る。
【0057】
実施形態では、1又は複数の熱可塑性ポリマーストランドは第1のポリマーストランドを含む。実施形態では、第1のポリマーストランドは少なくとも第1の官能基を含む。第1の熱可塑性ポリマーストランドの官能基は、水素結合供与体、水素結合受容体、負に帯電した基、正に帯電した基、又はこれらの組み合わせを例えば含んでもよいが、これらに限定されない。実施形態では、第1の官能基は第1の熱可塑性ポリマーストランドの主鎖の一部である。実施形態では、第1のポリマーストランドの第1の官能基が熱可塑性バインダの第2のポリマーストランドの官能基を補完して、第1のポリマーストランドと第2のポリマーストランドの非共有結合を促進し得る。例えば、実施形態では、第1の官能基はヒドロキシル基、カルボキシレート基、アミン、チオール、アミド、又は第1のポリマーストランドと第2のポリマーストランドの弱い非共有結合を可能にする他の適した官能基から選択される。
【0058】
種々の実施形態において、第1のポリマーストランドは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリビニルメチルエーテル無水マレイン酸(PVME−MA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、これらの誘導体、及び/又はこれらの組み合わせ等の1又は複数のポリマーを含むが、これらに限定されない。実施形態では、第1のポリマーストランドは7,000g/mol以上100,000g/mol以下の平均分子量(Mw又は重量平均)を有する。例えば、第1のポリマーストランドは、7,000g/mol以上100,000g/mol以下、7,000g/mol以上75,000g/mol以下、7,000g/mol以上50,000g/mol以下、7,000g/mol以上30,000g/mol以下、7,000g/mol以上25,000g/mol以下、7,000g/mol以上23,000g/mol以下、9,000g/mol以上50,000g/mol以下、9,000g/mol以上30,000g/mol以下、9,000g/mol以上25,000g/mol以下、9,000g/mol以上23,000g/mol以下、13,000g/mol以上50,000g/mol以下、13,000g/mol以上30,000g/mol以下、13,000g/mol以上25,000g/mol以下、13,000g/mol以上23,000g/mol以下、23,000以上50,000g/mol以下、23,000g/mol以上30,000g/mol以下、23,000g/mol以上25,000g/mol以下、25,000g/mol以上50,000g/mol以下、25,000g/mol以上30,000g/mol以下、又は30,000g/mol以上50,000g/mol以下(任意且つ全ての範囲及びそこに含まれるサブ範囲を含む)の平均分子量を有してもよい。
【0059】
第1のポリマーストランドは、水系バインダ溶液の総重量に対して、1重量%以上15重量%以下、1重量%以上7重量%以下、3重量%以上10重量%以下、又は3重量%以上9重量%以下(任意且つ全ての範囲及び間にあるサブ範囲を含む)の量でバインダ溶液中に存在する。
【0060】
実施形態では、1又は複数の熱可塑性ポリマーストランドは第2のポリマーストランドをさらに含む。実施形態では、第2のポリマーストランドは、第1のポリマーストランドの第1の官能基とは異なる少なくとも第2の官能基を含む。第2の熱可塑性ポリマーストランドの官能基は、水素結合供与体、水素結合受容体、負に帯電した基、正に帯電した基、又はこれらの組み合わせを例えば含み得るが、これらに限定されない。実施形態では、第2のポリマーストランドの第2の官能基は、熱可塑性バインダの第1のポリマーストランドの第1の官能基を補完して、第1のポリマーストランドと第2のポリマーストランドの非共有結合を促進する。例えば、種々の実施形態において、第2の官能基はヒドロキシル基、カルボキシレート基、アミン、チオール、アミド、又は第1のポリマーストランドと第2のポリマーストランドの弱い非共有結合を可能にする他の適した官能基から選択されてもよい。
【0061】
種々の実施形態において、第2のポリマーストランドは、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PmAA)、ポリアクリルアミド(PAAm)、これらの誘導体、及び/又はこれらの組み合わせ等の1又は複数の他のポリマーを含むが、これらに限定されない。実施形態では、第2のポリマーストランドは100g/mol以上10,000g/mol以下、又は500g/mol以上10,000g/mol以下の平均分子量(Mw又は重量平均)を有する。例えば、第2のポリマーストランドは、100g/mol以上10,000g/mol以下、100g/mol以上5,000g/mol以下、500g/mol以上10,000g/mol以下、500g/mol以上5,000g/mol以下、又は5,000g/mol以上10,000g/mol以下(任意且つ全ての範囲及び間にあるサブ範囲を含む)の平均分子量を有してもよい。
【0062】
実施形態では、第2のポリマーストランドとして選択されるポリマーは、第1のポリマーストランドとして選択される個々のポリマーに応じて可変であり得る。例えば、第1のポリマーストランドはPVAであり得、第2のポリマーストランドはPAAであり得る。官能基が互いに非共有結合を形成できるならば、他のポリマー組み合わせを用いることができる。例えば、実施形態では、官能基の一方が水素供与体であり、他方の官能基が水素受容体である。
【0063】
第2のポリマーストランドは、バインダ溶液の総重量に対して、1重量%以上10重量%以下、1重量%以上9重量%以下、1重量%以上8重量%以下、1重量%以上7重量%以下、1重量%以上6重量%以下、又は1重量%以上5重量%以下(又はこれらの端点のいずれかから作られる任意且つ全てのすべてのサブ範囲)の量でバインダ溶液中に存在する。
【0064】
第1のポリマーストランド及び第2のポリマーストランドは、プリント後処理中の取り扱いに適したグリーン強度を有するグリーン体部品を与えるために、第1のポリマーストランドと第2のポリマーストランドの適度な結合を可能にする量でバインダ溶液に含まれる。加えて、第1のポリマーストランド及び第2のポリマーストランドは、バインダ溶液がレオメータを用いた粘度で約2センチポアズ(cP)以上約40cP以下の粘度を有するような量で存在する。実施形態では、バインダ溶液は、2cP以上40cP以下、2cP以上35cP以下、2cP以上30cP以下、2cP以上25cP以下、2cP以上20cP以下、2cP以上15cP以下、2cP以上12cP以下、4cP以上40cP以下、4cP以上35cP以下、4cP以上30cP以下、4cP以上25cP以下、4cP以上20cP以下、4cP以上15cP以下、4cP以上12cP以下、6cP以上40cP以下、6cP以上35cP以下、6cP以上30cP以下、6cP以上25cP以下、6cP以上20cP以下、6cP以上15cP以下、6cP以上12cP以下、8cP以上40cP以下、8cP以上35cP以下、8cP以上30cP以下、8cP以上25cP以下、8cP以上20cP以下、8cP以上15cP以下、8cP以上12cP以下(任意且つ全ての範囲及び間にあるサブ範囲を含む)の粘度を有する。種々の実施形態において、第1のポリマーストランドの第2のポリマーストランドに対する重量%比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、8:1、10:1、又は他の任意の適切な比である。ある実施形態では、第1のポリマーストランドは4重量%以上6重量%以下の量で存在し、第2のポリマーストランドは1重量%以上2重量%以下の量で存在し、重量%比は6:1〜2:1である。本明細書においては第1のポリマーストランド及び第2のポリマーストランドを参照して種々の実施形態が説明されるが、一部の実施形態では、熱可塑性バインダは3又はそれ以上のポリマーストランドを含み得ることが構想される。
【0065】
バインダ溶液は、蛍光材料及び熱可塑性バインダに加えて、バインダ媒体を含む。バインダ媒体は、水、1若しくは複数の非水性溶媒、又はこれらの組み合わせを例えば含み得る。バインダ媒体は一般に非反応性(例えば、不活性)であるので、得られるバインダ溶液の性能を実質的に有害な方法で変えてしまう程バインダ溶液中の粉末材料又は熱可塑性バインダと反応しない。好適な非水性溶媒は、2−メトキシエタノール、ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラヒドロフラン(THF)、メチルエチルケトン(MEK)、又はこれらの組み合わせを例えば含むが、これらに限定されない。実施形態では、溶媒は、バインダ溶液の総重量に対して、1重量%以上75重量%以下、1重量%以上50重量%以下、1重量%以上25重量%以下、1重量%以上10重量%以下、10重量%以上75重量%以下、10重量%以上50重量%以下、10重量%以上25重量%以下、25重量%以上75重量%以下、25重量%以上50重量%以下、又は50重量%以上75重量%以下(又はこれらの端点のいずれかから作られる任意且つ全てのすべてのサブ範囲)の量でバインダ溶液中に存在する。
【0066】
種々の実施形態において、バインダ媒体は更に又は代わりに水を含み、水は種々の実施形態において溶液の残部を占める。種々の実施形態において、水は、バインダ溶液の総重量に対して80重量%超、85重量%超、又は90重量%超の量で存在する。
【0067】
比較的多量の水を含むバインダ溶液(例えば、水は、体積で最大量存在する溶媒であり;本明細書において「水性バインダ溶液」又は「水系バインダ溶液」と称する)を参照して種々の実施形態が説明されるが、バインダ溶液は非水性溶媒(複数可)系(本明細書において「溶媒系」溶液とも称する)であってもよく、こうして、水を少量しか含まないこと、又は一部の実施形態では水を全く含まないことが構想される。こうして、本明細書に開示される蛍光材料は多種多様なバインダ溶液と組み合わせて使用できることが構想される。
【0068】
実施形態では、バインダ溶液は1又は複数の添加剤(熱可塑性バインダの粉末材料への付与を促進し、バインダ媒体内の蛍光材料の分散を促進し、粉末材料の濡れ性を向上させ、バインダ溶液の表面張力を変更し得る添加剤等)を所望により含んでもよい。任意選択の添加剤は、界面活性剤、希釈剤、粘度調整剤、分散剤、安定化剤、染料若しくは他の着色剤、又は当技術分野で知られ用いられている他の添加剤を含む。一部の実施形態では、バインダ溶液は少なくとも1の界面活性剤を含む。
【0069】
バインダ溶液中での使用に好適な界面活性剤は、熱可塑性バインダ及び/又は粉末材料の特性に応じて、イオン性(例えば、双性イオン性、カチオン性、若しくはアニオン性)又はノニオン性を含む。種々の実施形態において、界面活性剤は、2−[4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノキシ]エタノール(例えば、Dow Chemical Companyから入手可能なTRITON(商標)X−100)、ポリオキシエチレン(80)ソルビタンモノオレエート(例えば、Croda Americas, Inc.から入手可能なTWEEN(商標)80)、ポリオキシエチレン−23−ラウリルエーテル(例えば、Croda Americas, Inc.から入手可能なBRIJ(商標)L23)、アルキレンオキシド共重合体(例えば、Croda Advanced Materialsから入手可能なHYPERMER(商標)KD2)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)、ポリプロポキシ四級アンモニウムクロリド(例えば、Evonik Industriesから入手可能なVARIQUAT(商標)CC 42 NS)、及びこれらの組み合わせであり得る。
【0070】
図1は、本明細書に記載の水系バインダ溶液を用いて付加製造によって物品を製造する方法100の実施形態を示すブロック図である。方法100の態様の考察を円滑に進めるために
図2を参照する。
図2は、方法100を実行するために使用可能な付加製造装置200の実施形態を示すブロック図である
【0071】
図1に示すように、方法100は、部品(ブロック102)を製造するために用いる粉末材料202の層を積層することで始まる。種々の実施形態において、粉末材料202の層は付加製造装置の作業面204上に積層される。粉末材料は、ニッケル合金(例えば、Inconel 625、Inconel 718、Rene’108、Rene’80、Rene’142、Rene’195、Rene’M2、及び/又はMarm−247)、コバルト合金(例えば、X40、X45、FSX414、Hans 188及び/又はL605)、コバルトクロム合金、チタン合金、アルミニウム系合金、タングステン、ステンレス鋼又はこれらの組み合わせ等の金属粉末であり得る。個々の実施形態に応じて、他の粉末材料が用いられてもよい。例えば、実施形態では、粉末材料202はアルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、シリカ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、又はこれらの組み合わせ等のセラミック材料を含んでもよい。実施形態では、粉末材料202は高温ポリマー又はガラス材料を含んでもよい。
【0072】
次に、方法100は、粉末材料202の層に部品の層の構造を表すパターン状にバインダ溶液206を選択的に付与すること(ブロック104)で続く。バインダ溶液206は例えば、本明細書に記載の、溶媒中にバインダ及び蛍光材料220を含むバインダ溶液の種々の実施形態のいずれか1であり得る。種々の実施形態において、バインダ溶液206は、プリント部品の層の表現を含むCAD設計に基づいてコントローラ210によって操作されるプリントヘッド208を用いて、選択的にプリントされる。
【0073】
種々の実施形態において、プリントヘッド208を制御するためのコントローラ210は、分散制御システム、又は汎用コンピュータ若しくはアプリケーション固有デバイスを用いる任意の適切なデバイスを含んでもよい。コントローラ210は、一般に、プリントヘッド208の動作を制御するための1又は複数の命令を記憶するメモリ212を含む。実施形態では、メモリ212は、製造される部品の構造を表すCAD設計を記憶する。実施形態では、CAD設計は歪補償を含み得、したがって、CAD設計は最終的な所望の部品の形状と正確に一致しない場合がある。さらに、コントローラ210は少なくとも1のプロセッサ214(例えば、マイクロプロセッサ)を含み、メモリ212は、本明細書に記載の動作を制御するためにプロセッサ214によって実行可能な命令をまとめて記憶する1又は複数の有形の非一時的な機械可読媒体を含んでもよい。
【0074】
バインダ溶液206が粉末材料202の層に選択的に付与された後、バインダ溶液206中の熱可塑性バインダ216は粉末粒子の外面を少なくとも部品的に被覆し、それによってバインダ被覆粒子218を作り出す。後述するように、熱可塑性バインダ216は、粉末材料202の層にプリントされたバインダ溶液206のパターンに従ってバインダ被覆粒子218を結合して、グリーン体部品の層を形成する。
【0075】
方法100は、粉末材料の層を積層するステップ(ブロック102)及び粉末材料の層にバインダ溶液206を選択的に付与するステップ(ブロック104)を繰り返して、必要とする数の層がプリントされるまで一層ずつ部品の構築を続けてもよい。バインダ溶液206の熱可塑性バインダ216は各連続層を結合し、プリントされたグリーン体部品の構造の完全性がプリント後プロセス(例えば、移送、検査、及び/又は粉末除去)の際に維持されるように、プリントされた部品にある程度の強度(例えば、グリーン強度)をもたらす。すなわち、バインダ溶液206の熱可塑性バインダ216によってもたらされるグリーン強度は、層内の粉末材料202の粒子間の結合を維持し、グリーン体部品の取り扱い中及びプリント後プロセス中の層の剥離をブロック(例えば、抵抗及び/又は防止)する。
【0076】
種々の実施形態において、グリーンプリント部品は電磁放射に曝されるとバインダ溶液206中の蛍光材料220の結果として蛍光を発する。蛍光の強度は、含まれる蛍光材料220、特定粉末材料202、及び、種々の実施形態においてグリーンプリント部品に存在するバインダ溶液206の量に依存する。種々の実施形態において、プリントグリーン部品の蛍光、具体的には放出される光の強度は、以下より詳細に説明するように、プリントグリーン部品の作製方法のモニタリング及びブラウン体部品若しくは固化部品を形成するためのプリントグリーン部品の硬化のモニタリングを可能にする。
【0077】
種々の実施形態において、方法100は熱可塑性バインダを硬化すること(ブロック106)で続く。例えば、上記で論じたように、バインダ溶液206は、蛍光材料220、熱可塑性バインダ216、及び溶媒の混合物である。バインダ溶液206中の溶媒の一部はバインダ溶液206の付与(例えば、プリント)中に蒸発し得る一方、一定量の溶媒が粉末材料202の層内に残る場合がある。したがって、実施形態では、溶媒を蒸発させるのに、且つ一部の実施形態では、蛍光材料220の一部がプリント層に留まりプリント層の効率的な結合を可能にするのに好適な温度でバインダ溶液206が熱硬化され、それによりグリーン体部品を形成してもよい。熱は、IRランプ及び/又は加熱プレートを用いてプリント部品に加えられてもよく、又はプリント部品をオーブンに入れることによって熱がかけられてもよい。実施形態では、バインダ溶液206の硬化は、25℃以上100℃以下、30℃以上90℃以下、35℃以上80℃以下、40℃以上70℃以下(又はこれらの端点のいずれかから作られる任意且つ全てのすべてのサブ範囲)の温度でプリント層を加熱することを含む。
【0078】
粉末層由来の未結合粒子(例えば、バインダ溶液206によって結合されていない粉末材料)をブロック106の硬化工程後に除去して、脱バインダ及び焼結等の後処理工程のためのグリーン体部品を作製してもよい。
【0079】
実施形態では、グリーン体部品からの溶媒の蒸発は、電磁放射線への曝露時にグリーン体部品が発する光の強度の低下を招く。一部の実施形態では、溶媒の蒸発により蛍光材料のカプセル化が解かれ、その結果金属粉末によって不活性化され、それにより蛍光シグナルの強度が低下すると考えられるが、理論に拘束されない。さらに、一部の実施形態では、粉末の方が光子をより効果的に吸収することで、UV光による蛍光材料の励起が減少すると考えられる。さらに、実施形態では、蛍光材料の化学的構造及びグリーン体部品が硬化する温度によっては、蛍光材料の少なくとも一部が蒸発又は分解する可能性がある。このように、グリーン体部品が発する光の強度は硬化度と相関し、強度が低いことはグリーン体部品がかなり硬化したことを表す。したがって、実施形態では、グリーン体部品が発する光の強度が所定の強度閾値を下回るまでグリーン体部品を硬化させてもよい。
【0080】
硬化後、グリーン体部品を所望により乾燥ステップ(
図1には示さず)に供して、グリーン体部品に残る残留溶媒及び/又は他の揮発性物質を除去してもよい。例えば、真空中、不活性雰囲気(例えば、窒素又はアルゴン)下又は空気中、又は少しだけ高くした温度(例えば、バインダ溶液に存在する個々の溶媒に応じて、最高170℃又は最高でも200℃)でグリーン体部品を乾燥させてもよい。
【0081】
図1に示す実施形態では、方法100は、熱可塑性バインダ216の一部をグリーン体部品から除去(例えば、脱バインダ)してブラウン体部品を作り出すこと(ブロック108)を含む。種々の実施形態において、バインダはプリント部品に強度(例えば、グリーン強度)をもたらすので、グリーン体部品の脱バインダ中に熱可塑性バインダ216の一部のみ(すなわち、全部ではない)を除去して、得られる焼結前ブラウン体部品の取り扱い強度を向上させる。
【0082】
ブロック108での脱バインダ中、グリーン体部品は熱可塑性バインダ216のポリマーストランド(複数可)の一部を分解するために加熱される。例えば、グリーン体部品は約600℃以下、又は約450℃以下の温度に加熱されてもよい。実施形態では、グリーン体部品は250℃〜450℃の温度に加熱される。加熱は、例えば無酸素環境中(例えば、真空中、不活性雰囲気中、又はこれらの組み合わせ)又は空気中で行うことができる。脱バインダが不活性雰囲気中で行われる実施形態では、アルゴン、窒素、又は別の実質的に不活性なガスが用いられてもよい。一部の実施形態では、最終的な固化部品を作製するために脱バインダ工程を焼結工程と組み合わせてもよい。
【0083】
種々の実施形態によれば、ブロック108の脱バインダ工程は熱可塑性バインダ216の約95%超を除去するのに効果的である。例えば、熱可塑性バインダ216の総量の95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、又は99%以上が脱バインダ中に除去される。一部の実施形態では、ブラウン体部品に留まる熱可塑性バインダ216部分は、脱バインダ工程前に存在していた熱可塑性バインダ216の量の5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下である。実施形態では、ブラウン体部品に留まる熱可塑性バインダ216部分は、脱バインダ工程前に存在していた熱可塑性バインダ216の量の0.05%〜2%又は0.1%〜1%であり、(例えば、ステンレス鋼、ニッケル合金等に関してブロック110に従い説明するように、600℃超の、更に高い焼結温度に移行する)焼結プロセスの後期に除去される。
【0084】
ブロック108での脱バインダに続いて、方法100は、ブラウン体部品を焼結して固化部品を形成すること(ブロック110)で続く。焼結中、熱可塑性バインダの残部(例えば、脱バインダ中に形成したオリゴマー)がブラウン体部品から除去され、粉末の粒子が固化して固化部品が形成される。焼結により、冷却後固化部品が例えば機械類への使用に好適なように、ブラウン体部品に強度と完全性がもたらされる。
【0085】
一部の実施形態では、焼結は、熱可塑性バインダの残部が除去される前焼結工程と粉末粒子が固化される焼結工程とを含む2段階プロセスに従って実施されてもよい。一部の実施形態では、焼結は単一のステップとして実施されてもよい。焼結中、ブラウン体部品は500℃超、800℃超、又は1000℃超の温度に加熱される。実施形態では、熱は、ブラウン体部品をオーブンに入れることによって、又は個々の実施形態に応じてレーザービーム、電子ビーム、若しくは別の好適なエネルギー源等の集中エネルギー源にブラウン体部品を曝すことによって加えられてもよい。
【0086】
本明細書に記載の種々の実施形態が方法100を参照して説明されるが、本明細書に記載のバインダ溶液の実施形態は当業者に知られ用いられている種々の方法で用いられ得ることを理解されたい。とりわけ、硬化及び焼結は、多数の異なる方法で、多数の異なる工程で、及び多数の異なる位置で達成されてよい。
【0087】
上記のように、蛍光材料を含むバインダ溶液の種々の実施形態により付加製造プロセスを視覚的にモニタリングすることができる。実施形態では、蛍光材料は人間の目に見えることがある。更に又は代わりに、光学イメージングシステムを用いて蛍光材料を観察し、実施形態では、観察した蛍光に基づいて粉末層に存在するバインダ溶液の量を定量化してもよい。
【0088】
したがって、実施形態では、バインダ溶液はバインダ溶液の紫外(UV)蛍光を観察することにより定量化又は検出される。そのような実施形態では、粉末層の粉末材料202に約400nm以下の波長のUV光が照射され得、バインダ溶液が存在する部分で400nm以上の波長で蛍光を発する。例えば、
図3に示すようなUV光センサ300が採用されてもよい。種々の実施形態がUV蛍光に関連して説明されるが、近赤外(IR)波長を含むがこれに限定されない、他の波長での蛍光が構想される。
【0089】
ここで
図3を参照すると、UV光センサ300がより詳細に示されている。種々の実施形態において、UV光センサ300は、UV光を放出し、UV光とリン光材料(カプセル化された蛍光材料等)との相互作用に起因して生じる可視光を検出する発光センサである。具体的には、UV光センサ300は、蛍光材料220を含むバインダ溶液206が存在する粉末層の領域におけるUV光の相互作用に起因して生じる可視光を検出する。実施形態では、UV光センサ300は、600nm以下、400nm以下、375nm以下、又は370nm以下の1又は複数の波長でUV光を放出してもよい。例えば、UV光センサ300は、150nm〜600nm、175nm〜500nm、340nm〜600nm、340nm400nm、又は200nm〜400nm(任意且つ全ての範囲及びそこに含まれるサブ範囲を含む)の波長の光を発してもよい。1の特定の実施形態では、UV光センサ300は365nmの波長の光を発するが、用いられる個々の蛍光材料に応じて他の波長が構想され用いられてもよい。
【0090】
さらに、実施形態では、UV波長以外の波長の光を発する光源等、異なる電磁放射線源を用いてもよいことが構想される。つまり、本明細書に記載の種々の実施形態は「UV光センサ」及び「UV光源」に関連して説明されるが、バインダ溶液206に含まれる個々の蛍光材料220に応じて他の光センサ及び電磁放射線源が採用され得ることが構想される。具体的には、好適な電磁放射線源は、放出した電磁放射線への暴露により蛍光材料220を励起させ蛍光材料220を発光させる電磁放射線源を含む。
【0091】
種々の実施形態において、UV光センサ300は、UV光302を発するUV光源301と、UV光302がターゲットに入射したときにターゲット(例えば、粉末層中の粉末材料202)が発する可視光306を検出する光検出器304(光ダイオード等)と、UV光302をターゲット(例えば、粉末材料202)へと向かわせるレンズ308と、を含む。UV光源301は、例えば、UVフィルタ又はUV LEDを備えた水銀ランプであってもよい。UV光センサ300は、UV光源301及び光検出器304に電力を供給し、検出した光を示すアウトプットを生成する電子回路310を更に含んでもよい。実施形態では、UV光センサ300は、反射光314を、光検出器304から離れていくUV光316と光検出器304に向かっていく可視光306とに分離するダイクロイックミラー312を更に含む。
【0092】
図3のUV光センサ300を用いる代わりに、一部の実施形態では、UV光源を用いて粉末材料202に光を当ててもよく、蛍光は人間の目で又は別のタイプのカメラ又は光学検出器を用いて検出され得る。さらに、UV光センサ300及び/又は光検出器若しくは他の光学検出器は、プリントヘッド208とは異なる場所に配置され得ることが構想される。例えば、UV光センサ300は、ビルドボックスの壁に設置されてもよく、又は、そうでなければ付加製造装置内又は付加製造装置上に取り付けられてもよい。さらに他の実施形態では、例えばプリント部品の硬化度をモニタリングするためにUV光センサ300が用いられる実施形態では、UV光センサ300はオーブン中若しくはオーブン上、又は他の加速硬化装置中若しくは他の加速硬化装置上に取り付けられてもよい。
【0093】
種々の実施形態において、光検出器304から集めた情報は、(例えば、UV光センサ300によって、コントローラ210によって、又はUV光センサ300に通信可能に連結された別のコンピュータデバイスによって)処理され、蛍光材料220が発する光の強度に基づいて粉末材料202中のバインダ溶液206の存在又は量を決定する。例えば、実施形態では、光検出器304から集めた情報を用いてプリント部品の各層の画像を生成してもよく、この画像を所期の層画像と比較して、吐出の失敗、不正確なバインダ量付与(例えば、飽和)、及びバインダ硬化度を含む空間的欠陥を特定することができる。具体的には、所期の層画像が生成した画像と一致しない場合、問題をシステムによって特定することができ、警告を発することができる。代わりに又は更に、システムによってプリントヘッド208をきれいにしてもよく、バインダ溶液206をバインダ溶液リザーバーに再充填してもよく、又は付加製造装置に対する他のメンテナンスを実施してもよい。実施形態では、システムによって層の全部又は一部を再プリントしてもよい。
【0094】
実施形態では、光検出器304からの情報を処理するコンピュータデバイスは、(例えばデータベースに記憶され得る)種々の濃度のバインダ溶液206の蛍光に関する情報を含む。蛍光に関する情報は、例えば、蛍光材料220が発する光の強度及び蛍光材料220が発する光の位置を含む。このような情報は、観察された蛍光レベルに基づいてバインダ溶液の濃度(例えば、どのくらい溶媒がバインダ溶液に存在するか)を決定するために用いられ得る。具体的には、硬化中に溶媒が蒸発するか、そうでなければ除去されるにつれて、バインダ溶液206の蛍光が減少する。したがって、実施形態では、光検出器304によって観察された蛍光の量を用いて、硬化度(例えば、どのくらいプリント部品が硬化したか、及びどのくらいバインダ溶液が残っているか)を決定する。実施形態では、硬化は、蛍光材料220が発する光の強度が所定の強度閾値を下回るまで行われ得る。所定の強度閾値は、グリーン体部品を移動又は他のプリント後プロセスに供することができる程度に十分な強度を有するグリーン体部品に存在するバインダ溶液206の量に基づいて決定することができる。実施形態では、所定の強度閾値はゼロ超で且つ観察された最大強度未満の強度値であり、例えば、最大強度の75%以下、最大強度の50%以下、最大強度の35%以下、最大強度の25%以下、最大強度の15%以下、最大強度の10%以下、最大強度の5%以下、最大強度の2.5%以下、又は最大強度の1%以下であり得る。
【0095】
更に又は代わりに、光検出器304により観察された蛍光量を用いて、バインダ溶液206が(バインダ溶液からの溶媒の蒸発等によって)濃縮されたことを判定する。
【0096】
実施例
種々の実施形態を説明するために以下の実施例を提供するが、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。特に明示されていない限り、すべての部(parts)及び百分率(percentages)は重量基準である。種々の実施例、比較例、並びに該実施例及び該比較例で用いた材料についておおよその性質、特性、パラメータ等を以下に示す。
【0097】
実施例1
1〜7重量%のPVA、0.5〜3重量%のPAA、2〜6重量%のエチレングリコール、4〜10重量%のエチレングリコールブチルエーテル、及び残部の水を含むバインダ溶液に顔料溶液(水中の顔料)を加えた。サンプルA〜Dのそれぞれに用いた顔料溶液を以下表1に示す。
【0099】
バインダ溶液中で顔料が1,000倍希釈(バインダ溶液中、0.1重量%の顔料)となる濃度で加えると、蛍光顔料粒子がバインダ溶液中を浮遊しているのが観察され、バインダ溶液は見た目がわずかに濁っていた。しかし、10,000倍希釈(バインダ溶液中、0.01重量%の顔料)では、顔料粒子はバインダ溶液に可溶となりバインダ溶液は透明であった。
【0100】
バインダサンプルA〜Dそれぞれの液滴をニッケル合金粉末の層に付与し、結果を環境光及び短UV波長光(365nm)の両方にて観察した。1,000倍希釈濃度及び10,000倍希釈濃度のサンプルA〜Dそれぞれについて液滴の位置で蛍光が観察された。したがって、バインダ溶液に取り込むと蛍光顔料を用いて付加製造プロセスをモニタリングできると判断した。
【0101】
実施例2
サンプルEを調製するために、0.25重量%のGlo Effex Invisible blue UV reactive dyeを、1〜7重量%のPVA、0.5〜3重量%のPAA、2〜6重量%のエチレングリコール、4〜10重量%のエチレングリコールブチルエーテル、及び残部の水を含むバインダ溶液に加えた。バインダ溶液の液滴をニッケル合金粉末の層上に付与し、結果を環境光及び短UV波長光(365nm)の両方にて観察した。UV波長光に曝すと明るい青色の蛍光が観察され、バインダ溶液に取り込むとカプセル化された蛍光材料を用いて付加製造プロセスをモニタリングできることを示した。
【0102】
実施例3
そのままの染料(例えば、カプセル化されていない)をバインダ溶液に取り込むことができるかどうかを判断するために、種々の蛍光材料を、1〜7重量%のPVA、0.5〜3重量%のPAA、2〜6重量%のエチレングリコール、4〜10重量%のエチレングリコールブチルエーテル、及び残部の水を含むバインダ溶液に加えてサンプルF〜H及び比較サンプル1〜5を作製した。具体的には、0.2〜0.5重量%の蛍光材料(DayGlo、UMCCorp、Aldrich)をバインダ溶液に加え、ホットプレート上で50〜70℃で攪拌して染料をバインダ溶液に溶解させた。サンプルF〜H及び比較サンプル1〜5のバインダ溶液それぞれの液滴をRene 108ニッケル合金粉末の層に付与し、365nmのUV光を用いて励起させた。これらのサンプルそれぞれについて、蛍光材料、溶解性、及び蛍光観察を表2に示す。
【0104】
特に、バインダ溶液中0.5重量%の蛍光染料では、サンプルF、G、及びHの染料は完全に溶解し透明なバインダ溶液を与えたが、比較例2〜5の染料は部分的に不溶であり混濁した溶液を与えた。Rene 108ニッケル合金粉末の層に付与し、365nmのUV光を用いて励起させると、サンプルF〜Hの染料の各々は可変発光レベルの均一シグナルを生成した。比較サンプル1は染料がバインダ溶液に不溶性であるため、乱れた(sputtered)発光シグナルを生成した。
【0105】
観察結果をより十分に理解するために、染料の構造を検討した。各染料の構造を以下表3に示す。
【0109】
種々の染料の構造を調べることにより、サンプルF及びGにおけるスチルベン発色団系四ナトリウム塩は良好な溶解性を示すが、比較サンプル1〜5に含まれるスチルベン発色団系二ナトリウム塩はバインダ溶液中であまり良好な溶解性を示さないという結論が得られた。しかし、これらスチルベン発色団系四ナトリウム塩は、バインダ溶液中で良好な溶解性を示し且つ金属粉末床上で明るく均一な蛍光を示すサンプルHのビフェニルスチリル発色団二ナトリウム塩と比べると、金属粉末床上で相対的に弱い蛍光を示した。
【0110】
バインダ溶液のポリマーによってそのままの染料をカプセル化するために特定の官能性又は特性が重要であると考えられるが、理論に拘束されない。とりわけ、二ナトリウムスルホネート官能基、三ナトリウムスルホネート官能基、及び四ナトリウムスルホネート官能基によって、実施例で用いたバインダ溶液等の水系バインダ系に染料を可溶化できると考えられる。さらに、スルホネート、トリアジン等の側鎖官能基は、内部蛍光発色団の金属粉末への直接暴露を防ぎ、それにより、消光するのを防ぐことができると考えられる。しかし、個々の官能基は個々のバインダ系に応じて変化し得、例えば、染料が溶媒系バインダ溶液に取り込まれる場合又はセラミック若しくはポリマー系粉末等の異なる種類の粉末に付与される場合に変化し得ることを理解されたい。
【0111】
本発明のさらなる態様は、下記項の主題によって提供される。
【0112】
<項1> 作業面上に粉末の層を積層させることと;前記粉末の層にパターン状に熱可塑性バインダ、蛍光材料、及びバインダ媒体を含むバインダ溶液を選択的に付与することであって、前記パターンはグリーン体部品の層の構造を表す、バインダ溶液を選択的に付与することと;を含み、前記熱可塑性バインダは、溶媒媒体に溶解した7,000g/mol以上100,000g/mol以下の平均分子量を有する1又は複数のポリマーストランドを含む、グリーン体部品の製造方法。
【0113】
<項2> 前記蛍光材料は前記バインダ溶液への取り込み前にカプセル化される、任意の先行する項に記載の方法。
【0114】
<項3> 前記蛍光材料は前記バインダ溶液への混合の際にカプセル化される、任意の先行する項に記載の方法。
【0115】
<項4> 前記1又は複数のポリマーストランドは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PmAA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸(PVME−MA)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール(PEG)、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される1又は複数のポリマー種を含む、任意の先行する項に記載の方法。
【0116】
<項5> 前記熱可塑性バインダの前記1又は複数のポリマーストランドは第1のポリマーストランド及び第2のポリマーストランドを含み、前記第1のポリマーストランドは第1の官能基を含み、前記第2のポリマーストランドは前記第1の官能基とは異なる第2の官能基を含み、前記第1の官能基及び前記第2の官能基は前記第1のポリマーストランドを前記第2のポリマーストランドと非共有結合するように構成され、前記第2のポリマーストランドは100g/mol以上10,000g/mol以下の平均分子量を有する、任意の先行する項に記載の方法。
【0117】
<項6> 前記蛍光材料は、カプセル化された芳香族染料を含む、任意の先行する項に記載の方法。
【0118】
<項7> 前記芳香族染料は、スチルベン染料、ピレン染料、クマリン染料、アントラセン染料、テトラセン染料、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、任意の先行する項に記載の方法。
【0119】
<項8> 前記蛍光材料は、少なくとも1つのスルホネート又はトリアジン基を有する発色団を含む、任意の先行する項に記載の方法。
【0120】
<項9> 前記発色団は、2つ、3つ、又は4つのスルホネート基を含む、任意の先行する項に記載の方法。
【0121】
<項10> 前記発色団は、スチルベン系発色団である、任意の先行する項に記載の方法。
【0122】
<項11> 前記バインダ溶液は、水性バインダ溶液である、任意の先行する項に記載の方法。
【0123】
<項12> 前記カプセル化された蛍光材料は、前記バインダ溶液の総重量に対して0.01重量%〜5重量%の量で存在する、任意の先行する項に記載の方法。
【0124】
<項13> 前記カプセル化された蛍光材料は、前記バインダ溶液の総重量に対して0.1重量%〜1重量%の量で存在する、任意の先行する項に記載の方法。
【0125】
<項14> 前記方法は、前記グリーン体部品の層を電磁放射線に曝すことと、前記グリーン体部品の層を硬化させることと、前記蛍光材料が発する光の強度をモニタリングすることと、を更に含み、前記硬化は、前記蛍光材料が発する光の強度が所定の強度閾値を下回るまで行われる、任意の先行する項に記載の方法。
【0126】
<項15> 前記電磁放射線は、紫外(UV)放射線である、任意の先行する項に記載の方法。
【0127】
<項16> 前記UV放射線は、340nm以上600nm以下の波長を有する、任意の先行する項に記載の方法。
【0128】
<項17> 前記UV放射線は、340nm以上400nm以下の波長を有する、任意の先行する項に記載の方法。
【0129】
<項18> 前記粉末は、金属粉末を含む、任意の先行する項に記載の方法。
【0130】
<項19> 任意の先行する項に記載の方法によって形成されたグリーン体部品。
【0131】
<項20> 蛍光材料を含む少なくとも1のバインダと接着した粉末材料を含む、グリーン体部品。
【0132】
<項21> 7,000g/mol以上100,000g/mol以下の平均分子量を有する第1のポリマーストランドを含む熱可塑性バインダと、蛍光材料と、バインダ媒体と、を含む、バインダ溶液。
<項22> 前記蛍光材料は前記バインダ溶液への取り込み前にカプセル化される、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0133】
<項23> 前記蛍光材料は前記バインダ溶液への混合の際にカプセル化される、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0134】
<項24> 前記第1のポリマーストランドは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアミド、ポリアクリルアミド(PAAm)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PmAA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸(PVME−MA)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール(PEG)、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される1又は複数のポリマー種を含む、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0135】
<項25> 前記熱可塑性バインダは第2のポリマーストランドを更に含み、前記第1のポリマーストランドは第1の官能基を含み、前記第2のポリマーストランドは前記第1の官能基とは異なる第2の官能基を含み、前記第1の官能基及び前記第2の官能基は前記第1のポリマーストランドを前記第2のポリマーストランドと非共有結合するように構成され、前記第2のポリマーストランドは100g/mol以上10,000g/mol以下の平均分子量を有する、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0136】
<項26> 前記蛍光材料は、カプセル化された芳香族染料を含む、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0137】
<項27> 前記芳香族染料は、スチルベン染料、ピレン染料、クマリン染料、アントラセン染料、テトラセン染料、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0138】
<項28> 前記蛍光材料は、少なくとも1つのスルホネート又はトリアジン基を有する発色団を含む、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0139】
<項29> 前記発色団は、2つ、3つ、又は4つのスルホネート基を含む、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0140】
<項30> 前記発色団は、スチルベン系発色団である、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0141】
<項31> 前記バインダ溶液は、水性バインダ溶液である、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0142】
<項32> 前記カプセル化された蛍光材料は、前記バインダ溶液の総重量に対して0.01重量%〜5重量%の量で存在する、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0143】
<項33> 前記カプセル化された蛍光材料は、前記バインダ溶液の総重量に対して0.1重量%〜1重量%の量で存在する、任意の先行する項に記載のバインダ溶液。
【0144】
<項34> 任意の先行する項に記載のバインダ溶液を用いて一緒に接着したグリーン体部品。
【0145】
本開示の本質及び範囲から逸脱しないのであれば、本開示の実施形態に対して種々の改変及び変形が可能であることは当業者にとって明白であろう。このように、本開示は添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内にあればそのような改変及び変形を包含することが意図されている。