(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-193217(P2021-193217A)
(43)【公開日】2021年12月23日
(54)【発明の名称】フェイスシールド
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20211126BHJP
A42B 3/20 20060101ALI20211126BHJP
【FI】
A41D13/11 L
A42B3/20
A41D13/11 Z
A41D13/11 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-98988(P2020-98988)
(22)【出願日】2020年6月6日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトへの掲載 令和2年4月27日、4月29日、5月2日、5月10日、5月16日、5月19日、5月24日、5月25日、6月2日、6月4日 https://www.facebook.com/Mie.Suzuka.Yoshizawa/ 令和2年4月28日 http://www.yoshipack.co.jp/ 寄付 令和2年4月29日 一般社団法人鈴鹿歯科医師会(三重県鈴鹿市西条五丁目118−5) 令和2年5月1日 鈴鹿市役所(三重県鈴鹿市神戸1丁目18−18) 令和2年5月8日 三重県厚生農業協同組合連合会 鈴鹿中央総合病院(三重県鈴鹿市安塚町山之花1275番地の53) 記者会見 鈴鹿市役所(三重県鈴鹿市神戸1丁目18−18) 刊行物 中部経済新聞 令和2年6月3日付朝刊 第7面 中日新聞 令和2年5月23日付朝刊 第15面(別紙8参照) 中日新聞 令和2年5月23日付鈴亀ホームニュース 第752号 販売 令和2年5月1日〜6月6日 株式会社ヨシザワで販売(三重県鈴鹿市三日市町1823番地の1)、株式会社ヨシザワのウェブサイトでの販売 http://www.yoshipack.co.jp/、取引先への販売
(71)【出願人】
【識別番号】591257432
【氏名又は名称】株式会社ヨシザワ
(74)【代理人】
【識別番号】100177921
【弁理士】
【氏名又は名称】坂岡 範穗
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 健
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 勝信
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107AA01
3B107BA07
3B107BA08
3B107DA03
3B107DA07
3B107DA18
3B107DA19
(57)【要約】
【課題】装着者の前頭部に適合させてぴったりと装着できるフェイスシールドを提供する。
【解決手段】顔面を覆うシールド部10と、前頭部の形に合わせて湾曲され前記シールド部10の内面に設けられる可撓性の取付部20と、前記取付部20を上下方向に貫通する複数の貫通穴30,31と、前記シールド部10又は前記取付部20から後頭部に回されることで前記シールド部10を保持する保持部40と、を備える。さらに、前記貫通穴30,31が前記取付部20の長手方向に沿った長円形をなしている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔面を覆うシールド部と、
前頭部の形に合わせて湾曲され前記シールド部の内面に設けられる可撓性の取付部と、
前記取付部を上下方向に貫通する複数の貫通穴と、
前記シールド部又は前記取付部から後頭部に回されることで前記シールド部を保持する保持部と、
を備えることを特徴とするフェイスシールド。
【請求項2】
前記貫通穴が前記取付部の長手方向に沿った長円形をなしている請求項1に記載のフェイスシールド。
【請求項3】
前記貫通穴が前記取付部の長手方向に沿った弧線上に配置され、隣接する前記貫通穴同士の間に仕切り部が設けられる請求項1又は2に記載のフェイスシールド。
【請求項4】
前記貫通穴が、前記弧線のうち前記顔面に近い第1弧線上に設けられた第1貫通穴、及び前記シールド部に近い第2弧線上に設けられた第2貫通穴を備え、
前記仕切り部が、隣接する前記第1貫通穴同士の間の第1仕切り部、及び隣接する前記第2貫通穴同士の間の第2仕切り部を備える請求項3に記載のフェイスシールド。
【請求項5】
前記第1仕切り部が前記第2貫通穴に対応する位置に設けられ、
前記第2仕切り部が前記第1貫通穴に対応する位置に設けられている請求項4に記載のフェイスシールド。
【請求項6】
前記第1貫通穴の幅が前記第2貫通穴の幅より小さく構成されている請求項4又は5に記載のフェイスシールド。
【請求項7】
前記第2仕切り部のうち前記取付部の長手方向の中央に近いものが他の第2仕切り部より大きく構成されている請求項4ないし6のいずれか1項に記載のフェイスシールド。
【請求項8】
前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴が、前記取付部の長手方向の中央に近いものが大きく、端に近いものが小さく構成されている請求項4ないし7のいずれか1項に記載のフェイスシールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の頭部に装着することで顔面を覆って、飛沫物等から顔面を保護することができるフェイスシールドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、登録実用新案第3015694号公報に、前後に折り曲げ自在の取付け板の裏面に顔面あるいは眼鏡等の付設物に直接接触しないような厚さの額当てクッションを固着し、取付け板の表面には顔面の略全体を覆う大きさで前後に折り曲げ自在の透明な防護板を着脱自在に設け、取付け板の左右には取付けバンドを設けた顔面保護マスクが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3015694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている顔面保護マスクでは、クッションに切込溝が設けられ、クッションの変形を促進させてはいるものの、装着感に難があるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、取付部を装着者の前頭部に適合させてぴったりと装着できるフェイスシールドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフェイスシールドは、
顔面を覆うシールド部と、
前頭部の形に合わせて湾曲され前記シールド部の内面に設けられる可撓性の取付部と、
前記取付部を上下方向に貫通する複数の貫通穴と、
前記シールド部又は前記取付部から後頭部に回されることで前記シールド部を保持する保持部と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明のフェイスシールドによれば、取付部を上下方向に貫通する貫通穴が設けられている。このため、フェイスシールドを装着したときに、貫通穴が変形する。これにより、取付部が変形しやすくなり、装着者の前頭部に適合してぴったりと装着させることができる。また、貫通穴は変形しても完全に潰れることはなく、貫通穴を通じて空気を流通させることができる。これにより、シールド部の曇りを防止することができ、装着者が息苦しくなることもない。
【0008】
本発明のフェイスシールドの好ましい例は、
前記貫通穴が前記取付部の長手方向に沿った長円形をなしている。
【0009】
本発明のフェイスシールドの好ましい例によれば、貫通穴が前記取付部の長手方向に沿った長円形をなしているため、貫通穴が変形しやすくなり、取付部を装着者の前頭部により適合させることができる。
【0010】
本発明のフェイスシールドの好ましい例は、
前記貫通穴が前記取付部の長手方向に沿った弧線上に配置され、隣接する前記貫通穴同士の間に仕切り部が設けられる。
【0011】
本発明のフェイスシールドの好ましい例によれば、貫通穴が取付部の長手方向に沿った弧線上に設けられるため、取付部を満遍なく変形させることができるとともに、取付部の外観を良くすることができる。また、隣接する貫通穴同士の距離、すなわち仕切り部の大きさを加減することで取付部の強さを調整でき、取付部と前頭部との適合具合を所望のものにすることができる。
【0012】
本発明のフェイスシールドの好ましい例は、
前記貫通穴が、前記弧線のうち前記顔面に近い第1弧線上に設けられた第1貫通穴、及び前記シールド部に近い第2弧線上に設けられた第2貫通穴を備え、
前記仕切り部が、隣接する前記第1貫通穴同士の間の第1仕切り部、及び隣接する前記第2貫通穴同士の間の第2仕切り部を備える。
【0013】
本発明のフェイスシールドの好ましい例によれば、第1貫通穴と第2貫通穴が、取付部の長手方向に沿って並列して配置される。このため、装着時における取付部の変形を促進させることができる。これにより、装着感をより優れたものとすることができる。
【0014】
本発明のフェイスシールドの好ましい例は、
前記第1仕切り部が前記第2貫通穴に対応する位置に設けられ、
前記第2仕切り部が前記第1貫通穴に対応する位置に設けられている。
【0015】
本発明のフェイスシールドの好ましい例によれば、第1貫通穴と第2貫通穴が、取付部の長手方向に沿って千鳥状に配置される。このため、装着時に取付部が圧縮変形される方向において、第1貫通穴又は第2貫通穴のいずれかを変形させることができる。これにより、取付部の前頭部への適合具合を高め、取付部の装着感をより優れたものとすることができる。
【0016】
本発明のフェイスシールドの好ましい例は、
前記第1貫通穴の幅が前記第2貫通穴の幅より小さく構成されている。
【0017】
本発明のフェイスシールドの好ましい例によれば、装着者の前頭部に近い第1貫通穴の幅を小さくすることで、第1貫通穴には主に取付部が前頭部に当接されたときの当たりを和らげる作用を持たせることができる。また、第2貫通穴には、取付部全体においての変形を調整するとともに、空気をより流通させる作用を持たせることができる。
【0018】
本発明のフェイスシールドの好ましい例は、
前記第2仕切り部のうち前記取付部の長手方向の中央に近いものが他の第2仕切り部より大きく構成されている。
【0019】
本発明のフェイスシールドの好ましい例によれば、フェイスシールドを装着して取付部が前頭部に当接されたときに、最も大きな力が加えられる中央近傍に、大きな第2仕切り部が配置されている。これにより、装着時の安定性を高めることができる。
【0020】
本発明のフェイスシールドの好ましい例は、
前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴が、前記取付部の長手方向の中央に近いものが大きく、端に近いものが小さく構成されている。
【0021】
本発明のフェイスシールドの好ましい例によれば、取付部のうち装着時に最も大きな力が加えられる中央近傍の第1貫通穴及び第2貫通穴を大きくすることで、フィット性の向上を図るとともに、シールド部が最も曇りやすい中央近傍の通気性を確保することができる。
【発明の効果】
【0022】
上述したように、本発明のフェイスシールドによれば、可撓性の取付部に複数の貫通穴を設けることで、この貫通穴が変形し、取付部を装着者の前頭部に適合させてぴったりと装着できるフェイスシールドとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態に係るフェイスシールドを説明する斜視図である。
【
図2】
図1に示すフェイスシールドを他の方向から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示すフェイスシールドの正面図である。
【
図4】
図1に示すフェイスシールドの背面図である。
【
図5】
図1に示すフェイスシールドの右側面図である。
【
図6】
図1に示すフェイスシールドの平面図である。
【
図7】
図1に示すフェイスシールドの底面図である。
【
図9】取付部の正面図、底面図、右側面図、背面図、A−A線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明のフェイスシールド1の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。ここで、
図9(A)は取付部20の正面図、
図9(B)は底面図、
図9(C)は右側面図、
図9(D)は背面図、
図9(E)はA−A線端面図である。また、フェイスシールド1の左側面図は
図5に示す右側面図と対称に表わされ、取付部20の平面図は
図9(B)に示す底面図と対称に、左側面図は
図9(C)に示す右側面図と同一に表わされる。
【0025】
図1から
図7に示すように、本実施形態のフェイスシールド1は、シールド部10と、取付部20と、保持部40とを備える。シールド部10は、顔面を覆って飛沫物等から顔面を保護する物である。この飛沫物としては、例えば薬品、汚物、人の唾液等がある。また、場合によっては気流から顔面を保護することや、光線から目を保護することもあり得る。シールド部10は、
図12にも示すように、本実施形態では、透明の合成樹脂等の湾曲可能な板材で構成される。この板材を湾曲させて、取付部20に接着剤又は接着テープ等で取付けることで、シールド部10が形成される。シールド部10の左右両端の切込11は、保持部40を取付るためのものである。なお、シールド部10は、その全てを透明にする必要はなく、装着者の視界が確保されれば一部は不透明であっても構わない。また、光線から目を保護する場合、一部の光線を遮るための着色等をすることもある。
【0026】
取付部20は、
図8及び
図9(A)〜(E)にも示すように、人の前頭部の形に合わせて湾曲され、シールド部10の内面に設けられる可撓性のものである。フェイスシールド1を人の頭部に装着したときには、この取付部20が人の額等の前頭部に当接される。取付部20の材料としては、発泡プラスチックが用いられ、特に発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン等が用いられる。本実施形態では、取付部20に発泡ポリエチレンを採用している。
【0027】
また、この発泡ポリエチレンの密度や硬さであるが、一般的な製品において見掛け密度が15kg/m3〜45kg/m3、又は25%圧縮応力が37kPa〜110kPaのものが好ましい。これは、発泡ポリエチレンが柔らかくなると、フェイスシールド1の装着時に取付部20やシールド部10がぐらついて安定しないからであり、硬くなると、フェイスシールド1の装着時に取付部20が強く人の前頭部に当たり、前頭部が痛くなりやすくなるからである。これらの密度又は硬さに該当するものとして、例えば、三和化工株式会社製 サンペルカ(登録商標)の「L−2500」「L−2000」、又は株式会社イノアックコーポレーション製 AZOTE(登録商標)の「LD−15」等を採用することができる。
【0028】
また、取付部20には、取付部20を上下方向に貫通する複数の貫通穴30,31が設けられる。この貫通穴30,31によって、フェイスシールド1を人の頭部に装着したときに、取付部20が適度に撓み、前頭部にぴったりと適合させることができる。本実施形態では、この貫通穴30,31を取付部20の長手方向に沿った長円形にしているとともに、貫通穴30,31を取付部20の長手方向に沿った弧線aw1,aw2上に配置している。また、隣接する貫通穴30,31同士の間には、仕切り部32,33が設けられる。具体的には、前記弧線が取付部20のうち顔面に近い第1弧線aw1、及びシールド部10に近い第2弧線aw2の2本設けられる。そして、第1弧線aw1上に第1貫通穴30a,30bと第1仕切り部32が配置され、第2弧線aw2上に第2貫通穴31a,31bと第2仕切り部33a,33bが配置される。
【0029】
なお、第1貫通穴30a,30bのうち、取付部20の中央近傍に配置されるものが第1貫通穴30aであり、取付部20の端に近い方に配置されるものが第1貫通穴30bである。第2貫通穴31a,31bも、取付部20の中央近傍に配置されるものが第2貫通穴31aであり、取付部20の端に近い方に配置されるものが第2貫通穴31bである。
【0030】
また、第1貫通穴30a,30bと第2貫通穴31a,31bとは、取付部20の長手方向に沿って千鳥状に配置されており、第1仕切り部32が第2貫通穴31に対応する位置に設けられ、第2仕切り部33a,33bが第1貫通穴30に対応する位置に設けられている。これにより、弧線の半径方向(
図9(B)の線x)で見たときに、第1仕切り部32と第2仕切り部33a,33bとが重複することがなくなり、第1貫通穴30a,30b又は第2貫通穴31a,31bのいずれかが配置されている。これにより、フェイスシールド1を装着したときに、第1貫通穴30a,30b又は第2貫通穴31a,31bのいずれかを変形させることができ、取付部20の前頭部への当たりを和らげることができる。
【0031】
また、第1貫通穴30a,30bの幅w1が第2貫通穴31a,31bの幅w2より小さく構成されている。さらに、取付部20の内縁21から第1貫通穴30a,30bまでの厚さt1が、第1貫通穴30a,30bから第2貫通穴31a,31bまでの厚さt2より薄く構成され、厚さt2が第2貫通穴31a,31bから取付部20の外縁22までの厚さt3より薄く構成されている。すなわち、厚さt1が最も薄く、厚さt3が最も厚く構成されている。このことから、前頭部に近い場所ほど取付部20が変形しやすくなり、シールド部に近い場所ほど取付部20は変形し難くなる。これにより、装着時における取付部20の前頭部への当たりを和らげることと、シールド部10のぶれ防止を両立させている。
【0032】
また、第2仕切り部33a,33bについては、取付部20の長手方向の中央に近い第2仕切り部33aが、他の第2仕切り部33bより大きく構成されている。これにより、取付部20の中央近傍の、取付部20の外縁22に近い部分の剛性を向上させている。
【0033】
また、第1貫通穴30a,30b及び第2貫通穴31a,31bが、取付部20の長手方向の中央に近い第1貫通穴30a及び第2貫通穴31aが大きく、端に近い第1貫通穴30b及び第2貫通穴31bが小さく構成されている。これにより、装着時に前頭部に最も大きな力で当接される取付部20の中央近傍の、内縁21に近い部分を変形させやすくしている。
【0034】
さらに、取付部の他の実施形態として
図10及び
図11に示すものがある。
図10に示す取付部120は、貫通穴130を円形としたものである。
図11に示す取付部220は、貫通穴230を3列設けたものである。貫通穴のバリエーションは、これに限られず、例えば貫通穴を多角形にしたり、1列又は4列以上にしたりすることも可能である。
【0035】
図1から
図7に戻り、保持部40は、シールド部10又は取付部20から後頭部に回されることでシールド部10を保持するものである。本実施形態では、この保持部40にゴムバンドを採用し、ゴムバンドの端をシールド部10の切込11(
図12参照)に差込んで固定している。なお、この保持部40は結果的にシールド部10を保持させることができればよく、例えば、ゴムバンドの端を取付部20の端に取付ける等してもよい。また、ゴムバンドの代わりに、布帯とバックル等を用いてもよい。
【0036】
以上、説明したように、本実施形態のフェイスシールド1によれば、取付部20に貫通穴30,31を設けることで、装着時に貫通穴30,31が適度に潰れ、前頭部の形に合わせて変形しやすくなる。これにより、取付部20を前頭部にぴったりと適合させながら、取付部20に比較的硬めの材料を用いることができ、装着時におけるシールド部10のぶれを抑制させることができる。また、貫通穴30,31を通じて空気を流通させることができ、シールド部10の曇りの抑制と息苦しさの低減を図ることができる。
【0037】
また、第1貫通穴30a,30bと第2貫通穴31a,31bとが千鳥状に配置されており、第1仕切り部32と第2仕切り部33a,33bとが、取付部20の半径方向において重複することがなくなる。これにより、取付部20の内縁21のうち第1貫通穴30a,30bに対応する部分のみならず、内縁21全体が変形しやすくなる。また、取付部20の長手方向の中央に近い第2仕切り部33a,33bを大きくすることで、取付部20の中央近傍の外縁22に近い部分の剛性を向上させているため、装着時に保持部40の反力で最も大きな力が加えられる取付部20の中央近傍の強度を向上させることができる。
【0038】
一方、取付部20の長手方向の中央に近い第1貫通穴30a,30b及び第2貫通穴31a,31bが大きく構成されているため、取付部20の中央近傍のクッション性を向上させることができる。また、第1調整穴の幅w1が狭く、取付部20の内縁21と第1調整穴との間の厚さt1も薄く構成されているため、前頭部に当接される取付部20の内縁21の変形が促進される。また、取付部20の外縁22と第2貫通穴31a,31bとの間の厚さt3が厚く構成されているため、シールド部10のぶれも抑制できる。これらにより、フェイスシールド1の装着時における安定性を確保しつつも、前頭部を過度に圧迫することがなく、フィット性に優れた快適な装着感を得ることができる。
【0039】
なお、上述のフェイスシールド1は本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0040】
1・・フェイスシールド、
10・・シールド部、11・・切込、
20,120,220・・取付部、21・・内縁、22・・外縁、aw1・・第1弧線、aw2・・第2弧線、
30,30a,30b・・第1貫通穴、31,31a,31b・・第2貫通穴、32・・第1仕切り部、33a,33b・・第2仕切り部、
130,230・・貫通穴、
40・・保持部、