【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)公開日 2019年5月20日 掲載アドレス https://www.zennancho.or.jp/2043/ https://www.youtube.com/watch?v=VFhUpNW7PfU&feature=youtu.be&fbclid=IwAR3P−OQd2TsH9netrOqg0_NRVCHARlb3eZQyoFIa7EERalSA62QzFRwYkAw (2)公開日 2019年5月28日 掲載アドレス https://www.zennancho.or.jp/2043/ https://www.youtube.com/watch?v=KjG2FCuy7a8&feature=youtu.be&fbclid=IwAR09smiA6AecLVGkUqGnYLOoVx1cKRGOo5kxZbvrvjMUStNsf06ZKJ_3Hts (3)実証実験日 2019年6月1日 実証実験場所 公開の事実に記載の通り(配布者名簿参照) 実証実験内容 電話の自動音声認識実証実験
【課題】情報携帯端末から出力される出力音信号に対する処理の権限がアプリケーションに与えられていない場合であっても、その出力音信号に対する処理を可能にする技術を提供する。
【解決手段】音信号帰還装置1は、情報携帯端末のメスコネクタに挿入されるオスコネクタ11と、オスコネクタと一体を成す本体部12と、を含む音信号帰還装置1である。本体部12には、(i)情報携帯端末を保持する者の声に対応する音信号である入力音信号を取得する入力音信号取得部121と、(ii)情報携帯端末から出力される出力音信号をオスコネクタを通して受け取り、受け取った出力音信号と、入力音信号取得部121で取得された入力音信号とを重畳することにより重畳音信号を生成し、生成された重畳音信号をオスコネクタを通して情報携帯端末に戻す音信号帰還部122と、が設けられている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、図面中において同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0014】
[第一実施形態]
第一実施形態は、アダプタ形式の音信号帰還装置の実施形態である。
図1及び
図2は、第一実施形態のアダプタ形式の音信号帰還装置の例を示す図である。
【0015】
音信号帰還装置1は、情報携帯端末のメスコネクタに挿入されるオスコネクタ11と、オスコネクタ11と一体を成す本体部12とを備えている。
【0016】
情報携帯端末は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の情報携帯端末である。
【0017】
オスコネクタ11は、情報携帯端末のメスコネクタに対応する形状を有する、接続部が凸になっているコネクタである。オスコネクタ11は、例えば、標準プラグ、ピンプラグ、マイクロプラグ等のフォーンプラグである。この場合、情報携帯端末のメスコネクタは、標準ジャック、ミニジャック、マイクロジャック等のフォーンジャックである。オスコネクタ11及び情報携帯端末のメスコネクタは、例えば、音の入出力が可能な4極のフォーンプラグ及びフォーンジャックである。
【0018】
オスコネクタ11及び情報携帯端末のメスコネクタは、Lightning(登録商標), USB Type-C, microUSB等のフォーンプラグ及びフォーンジャック以外の形状のコネクタであってもよい。
【0019】
図1及び
図2の例では、本体部12は、六角柱形状である。六角柱形状である本体部12の一端に、オスコネクタ11が設けられている。本体部12の他端には、入力音信号取得部121が設けられている。なお、本体部12は、円筒形状等の、六角柱形状以外の形状であってもよい。
【0020】
入力音信号取得部121は、情報携帯端末を保持する者の声に対応する音信号である入力音信号を取得する。
【0021】
第一実施形態においては、入力音信号取得部121は、メスコネクタである。このメスコネクタには、情報携帯端末を保持する者の声を入力音信号に変換するマイクロフォンに接続されているオスコネクタが挿入される。
【0022】
これにより、メスコネクタである入力音信号取得部12は、挿入されたオスコネクタを介して、マイクロフォンで集音された入力音信号を取得することができる。
【0023】
メスコネクタには、マイクロフォンに加えて、左右のスピーカが設けられているマイク付きイヤホン、マイク付きヘッドセットが挿入されてもよい。
【0024】
本体部12は、情報携帯端末から出力される出力音信号をオスコネクタ11を通して受け取り、受け取った出力音信号と、入力音信号取得部121で取得された入力音信号とを重畳することにより重畳音信号を生成し、生成された重畳音信号をオスコネクタ11を通して情報携帯端末に戻す音信号帰還部122を備えている。
【0025】
図3は、オスコネクタ11が4極のフォーンプラグであり、入力音信号取得部121が4極のフォーンジャックである場合の音信号帰還部122の回路図の例である。
図3の紙面の左側のGND,MIC,L,Rは、4極のフォーンプラグであるオスコネクタ11のGND,MIC,L,R端子に対応している。
図3の紙面の右側のGND,MIC,L,Rは、4極のフォーンジャックである入力音信号取得部121のGND,MIC,L,R端子に対応している。
【0026】
オスコネクタ11の4極のフォーンプラグのGND,MIC,L,Rは、それぞれ入力音信号取得部121が4極のフォーンジャックのGND,MIC,L,Rに接続されている。
【0027】
GNDとMICは、抵抗R1を介して互いに接続されている。
【0028】
GNDとMICは、抵抗R2、コンデンサーC1、抵抗R3を介して互いに接続されている。具体的には、抵抗R2の一端がMICに接続されている。抵抗R2の他端はコンデンサーC1の一端に接続されている。コンデンサーC1の他端はR3の一端に接続されている。抵抗R3の他端はGNDに接続されている。
【0029】
また、コンデンサーC1の他端及び抵抗R3の一端に、抵抗R4の一端が接続されている。抵抗R4の他端は、Lに接続されている。
【0030】
これらの抵抗値及び静電容量は、入出力インピーダンスが整合するように適宜定められる。例えば、抵抗R1,R2,R3,R4の抵抗値は、それぞれ2kΩ,100Ω,100Ω,1kΩである。コンデンサーC1の静電容量は、0.1μFである。
【0031】
情報携帯端末は、例えば、出力音信号に対して行うことができない音信号処理を、音信号帰還装置1により戻された重畳音信号に対して行う。出力音信号に対して行うことができない音信号処理の例は、音声認識処理である。もちろん、出力音信号に対して行うことができない音信号処理は、音声認識処理以外の音信号処理であってもよい。
【0032】
音信号帰還装置1によれば、情報携帯端末から出力される出力音信号を含む重畳音信号を情報携帯端末に戻すことで、情報携帯端末は、戻された重畳音信号に対して処理を行うことができる。これにより、戻された重畳音信号に含まれる出力音信号に対する処理が可能となる。
【0033】
背景技術の欄で述べたように、例えばAndroid(登録商標) 6.0以降のAndroid OSで動作する情報携帯端末では、情報携帯端末を用いて通話を行う相手方の声の音信号に対する処理の権限が、全てのアプリケーションに与えられているわけではない。このため、アプリケーションによっては、情報携帯端末を用いて通話を行う相手方の声の音信号に対する処理を行うことができない。しかし、例えばAndroid(登録商標) 6.0以降のAndroid OSで動作する情報携帯端末であっても、アプリケーションが例えばマイク入力された音信号に対して処理を行うことができることが多い。
【0034】
このため、情報携帯端末を用いて通話を行う相手方の声の音信号に対する処理を行うことができないアプリケーションであっても、情報携帯端末から出力される出力音信号を含む重畳音信号を音信号帰還装置1により例えばマイク入力で情報携帯端末に戻すことで、戻された重畳音信号に含まれる出力音信号に対する処理が可能となる。
【0035】
[第二実施形態]
第二実施形態は、ヘッドセット形式の音信号帰還装置の実施形態である。
図4は、第二実施形態のヘッドセット形式の音信号帰還装置の例を示す図である。
【0036】
以下、第一実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0037】
第二実施形態では、情報携帯端末のメスコネクタに挿入されるオスコネクタ11と、収容部13とがケーブル14で接続されている。また、収容部13と、左右のイヤホンS1,S2とがケーブル15で接続されている。第二実施形態では、収容部13、ケーブル14,15、イヤホンS1,S2が、本体部12である。
【0038】
収容部13には、入力音信号取得部121及び音信号帰還部122が収容されている。
【0039】
第二実施形態においては、入力音信号取得部121は、情報携帯端末を保持する者の声を入力音信号に変換するマイクロフォンM1である。
【0040】
音信号帰還部122は、第一実施形態と同様に、情報携帯端末から出力される出力音信号をオスコネクタ11を通して受け取り、受け取った出力音信号と、入力音信号取得部121で取得された入力音信号とを重畳することにより重畳音信号を生成し、生成された重畳音信号をオスコネクタ11を通して情報携帯端末に戻す。
【0041】
図5は、オスコネクタ11が4極のフォーンプラグである場合の音信号帰還部122の回路図の例である。
【0042】
図5の紙面の左側のGND,MIC,L,Rは、4極のフォーンプラグであるオスコネクタ11のGND,MIC,L,R端子に対応している。
【0043】
オスコネクタ11の4極のフォーンプラグのMICは、マイクM1の端子の一方に接続される。マイクM1の端子の他方はGNDに接続されている。
【0044】
オスコネクタ11の4極のフォーンプラグのLは、イヤホンS1の端子の一方に接続される。イヤホンS1の端子の他方はGNDに接続されている。
【0045】
オスコネクタ11の4極のフォーンプラグのRは、イヤホンS2の端子の一方に接続される。イヤホンS2の端子の他方はGNDに接続されている。
【0046】
GNDとMICは、抵抗R1を介して互いに接続されている。
【0047】
GNDとMICは、抵抗R2、コンデンサーC1、抵抗R3を介して互いに接続されている。具体的には、抵抗R2の一端がMICに接続されている。抵抗R2の他端はコンデンサーC1の一端に接続されている。コンデンサーC1の他端はR3の一端に接続されている。抵抗R3の他端はGNDに接続されている。
【0048】
また、コンデンサーC1の他端及び抵抗R3の一端に、抵抗R4の一端が接続されている。抵抗R4の他端は、Lに接続されている。
【0049】
これらの抵抗値及び静電容量は、入出力インピーダンスが整合するように適宜定められる。例えば、抵抗R1,R2,R3,R4の抵抗値は、それぞれ2kΩ,100Ω,100Ω,1kΩである。コンデンサーC1の静電容量は、0.1μFである。
【0050】
第二実施形態においても、情報携帯端末を用いて通話を行う相手方の声の音信号に対する処理を行うことができないアプリケーションであっても、情報携帯端末から出力される出力音信号を含む重畳音信号を情報携帯端末に戻すことで、戻された重畳音信号に含まれる出力音信号に対する処理が可能となる。
【0051】
[第三実施形態]
第三実施形態は、テキスト情報表示装置の実施形態である。
【0052】
以下、第一実施形態及び第二実施形態と異なる部分を中心に説明し、第一実施形態及び第二実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0053】
テキスト情報表示装置は、第一実施形態又は第二実施形態の音信号帰還装置と、情報携帯端末とを備えている。
【0054】
情報携帯端末のメスコネクタには、音信号帰還装置1のオスコネクタ11が入力される。
【0055】
情報携帯端末は、出力音信号に対して行うことができない音信号処理を、音信号帰還装置1により戻された重畳音信号に対して行う。以下、出力音信号に対して行うことができない音信号処理が、音声認識処理である場合を例に挙げて説明する。
【0056】
情報携帯端末は、
図6に示すように、音声認識部21及びテキスト情報表示部22を例えば備えている。音声認識部21及びテキスト情報表示部22は、例えば、所定のアプリケーションを情報携帯端末にインストールし、起動させることにより実現される。
【0057】
音声認識部21は、音信号帰還装置1により戻された重畳音信号に対して音声認識を行い、音信号帰還装置1により戻された重畳音信号に対応するテキスト情報を取得する(ステップS21)。取得されたテキスト情報は、テキスト情報表示部22に出力される。
【0058】
テキスト情報表示部22は、音声認識部21で取得されたテキスト情報を情報携帯端末のディスプレイに表示する(ステップS22)。
【0059】
以下、
図7を参照して、音信号帰還装置として第二実施形態の音信号帰還装置1を用いた場合のテキスト情報表示装置の動作の例を示す。
【0060】
まず、テキスト情報表示装置の利用者は、情報携帯端末のメスコネクタに、第二実施形態の音信号帰還装置1のオスコネクタ11を挿入する。
【0061】
テキスト情報表示装置の利用者は、所定のアイコンをクリックすることで、情報携帯端末を音声認識部21及びテキスト情報表示部22として機能させるためのアプリケーションを起動させる。
【0062】
その後、テキスト情報表示装置の利用者は、起動したアプリケーション上で相手先に電話をかける。この例では、テキスト情報表示装置の利用者は太郎であり、電話の相手先は花子であるとする。
【0063】
情報携帯端末を保持する者である太郎が話すと、その太郎の声は、マイクロフォンである入力音信号取得部121で入力音信号に変換される。
【0064】
また、電話の相手先である花子が話すと、その花子の声に対応する音信号は、花子が保持する情報携帯端末から太郎が保持する情報携帯端末に送信される。花子の声に対応する音信号である出力音信号は、オスコネクタ11を通して情報携帯端末から出力される。出力音信号は、音信号帰還部122に入力される。また、出力音信号は、イヤホンS1,S2に入力される。イヤホンS1,S2は、出力音信号に対応する音を発生する。
【0065】
音信号帰還部122は、入力音信号取得部121で変換された入力音信号と出力音信号とを重畳することで、重畳音信号を生成する。重畳音信号は、オスコネクタ11を通して情報携帯端末に戻される。
【0066】
音声認識部21は、重畳音信号に対して音声認識を行う。
【0067】
テキスト情報表示部22は、その音声認識結果であるテキスト情報を情報携帯端末のディスプレイに表示する。
【0068】
図7には、太郎が「テストをします。」「入ってくれるでしょうか。」「太郎です。」「花子さんですか。」と話した後に、花子が「花子です。」と話したときの、情報携帯端末のディスプレイの表示の例を示す。
【0069】
また、
図7では、電話の相手先の名前「花子」と、相手先の電話番号「〇〇…〇」と、通話時間「00:26」とが、情報携帯端末のディスプレイの上部に表示されている。このように、情報携帯端末のディスプレイに、電話の相手先、相手先の電話番号及び通話時間等の通話に関する情報が更に表示されてもよい。
【0070】
このように、第三実施形態のテキスト情報表示装置は、音信号帰還装置を含むことで、戻された重畳音信号に含まれる出力音信号に対応するテキスト情報を表示することができる。
【0071】
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計の変更等があっても、本発明に含まれることはいうまでもない。
【0072】
例えば、情報携帯端末は、ディスプレイに表示されるテキスト情報の文字の大きさを変更するための表示変更部23を備えていてもよい。
【0073】
また、情報携帯端末の構成部間のデータのやり取りは直接行われてもよいし、図示していない記憶部を介して行われてもよい。
【0074】
実施の形態において説明した各種の処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。
【0075】
[プログラム、記録媒体]
上記説明した情報携帯端末における各種の処理機能をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラム(所定のアプリケーションに対応するプログラム)によって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各装置における各種の処理機能がコンピュータ上で実現される。例えば、上述の各種の処理は、
図8に示すコンピュータの記録部2020に、実行させるプログラムを読み込ませ、制御部2010、入力部2030、出力部2040などに動作させることで実施できる。
【0076】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
【0077】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0078】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶装置に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0079】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。