(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-193364(P2021-193364A)
(43)【公開日】2021年12月23日
(54)【発明の名称】濡れ検知センサー、濡れ報知装置及び濡れ検知方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/00 20060101AFI20211126BHJP
G01N 27/22 20060101ALI20211126BHJP
A61F 13/42 20060101ALI20211126BHJP
【FI】
G01N27/00 H
G01N27/22 B
A61F13/42 F
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-99859(P2020-99859)
(22)【出願日】2020年6月9日
(11)【特許番号】特許第6929501号(P6929501)
(45)【特許公報発行日】2021年9月1日
(71)【出願人】
【識別番号】517398036
【氏名又は名称】土屋 正人
(72)【発明者】
【氏名】土屋 正人
【テーマコード(参考)】
2G060
3B200
【Fターム(参考)】
2G060AA07
2G060AA15
2G060AC02
2G060AE11
2G060AF03
2G060AF10
2G060AG11
2G060AG15
2G060FA02
2G060HC15
2G060HD01
2G060HD02
2G060HD03
3B200AA01
3B200CA02
3B200CA11
3B200CB03
3B200DF04
3B200DF05
(57)【要約】
【課題】おむつが必要な人の介護者に、尿取りパッドやおむつの濡れを検知するセンサーと濡れ報知装置を提供し介護者の負荷を低減する。
【解決の手段】介護が必要な人に
図3概略図のおむつ3又は尿取パッド4の外側に第一電極2を配置し、その介護が必要な人の第二電極の人体5及び人体側電極6を対向電極としたコンデンサー構造を特徴とする濡れ検知センサーと、前記コンデンサー構造のおむつ又は尿取パッドに吸収された尿又は便の水分による静電容量の変化を濡れ報知装置内の静電容量計で捉え、解析装置により濡れ量を段階的に解析し報知する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する濡れ検知センサーにおいて、
人体に、尿取りパッドと尿取りパッドカバー体、尿取りパッドとおむつ、尿取りパッドとおむつとおむつカバー体、おむつ、又は、おむつとおむつカバー体のいずれかと、
第一電極と、がこの順で装着され、
その被介護者の人体又は人体側電極を、前記第一電極に対向する第二電極としたコンデンサー構造を特徴とする濡れ検知センサー。
【請求項2】
請求項1記載の前記濡れ検知センサーと、
その前記第一電極と前記第二電極間のコンデンサー構造で発生する静電容量の変化を計測する静電容量計と、
その静電容量の変化を解析する解析装置と、
前記濡れ検知センサーで検知する濡れ量を報知する濡れレベル表示手段と、
を備える事を特徴とする濡れ報知装置。
【請求項3】
前記濡れレベル表示手段は、静電容量の変化を段階的に解析し濡れ量のレベルとして段階的に報知することを特徴とする請求項2記載の濡れ報知装置。
【請求項4】
被介護者の尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する方法において、
前記濡れを検知するセンサーに備えられた一対の電極を、当該検知した濡れを解析又は報知する装置に接続する際に、
介護者が、前記センサーに備えられた一対の電極の片方の電極に直接又は間接的に接触して、
前記介護者の人体を経由して前記解析又は報知する装置に接続し、
前記濡れを検知することを特徴とする濡れ検知方法。
【請求項5】
被介護者の尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する方法において、
請求項1記載の第一電極と対向する第二電極とを濡れ報知装置に接続する際に、
請求項2又は3記載の濡れ報知装置に接続された前記第一電極を、その筐体下面に配置し、
請求項1記載の前記第二電極を、請求項2又は3記載の濡れ報知装置と接続する際に、
介護者が、その人体を経由して被介護者の人体又は人体側電極にタッチし検知する事を特徴とした請求項4記載の濡れ検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつが必要な人の介護者におむつの濡れを検知する濡れ検知センサーとおむつの濡れを報知する濡れ報知装置及び濡れ検知方法を提供し介護者の負担を低減するものである。
【背景技術】
【0002】
おむつは乳幼児だけで無く老人介護施設等でもたくさん利用されている。排泄によって濡れたおむつは、出来るだけ早く交換する事が利用者にとって理想的である。介護施設ではそれぞれの要介護者の排泄の周期をデータ化しそれに基づく交換のタイミングを予測して交換作業を実施しているが、その的中率は60%から70%程度で予測が外れた場合には排泄の確認作業のみとなり介護者の負担を増加させている。
【0003】
そこでおむつの濡れを電気的に検知し報知する物がたくさん提案されている。その一つとして特許文献1に記載された発明が有る。これは、同一平面に僅かな間隔を開けた1対の電極を静電結合させ片方に発振器からの交流信号を印可し、もう片方の電極に発生する交流信号の変化を、おむつが濡れた時の静電容量の変化量として検出し報知する発明である。
【0004】
また、他の例として特許文献2で開示された発明が有る。これは長方形の金属電極の2枚を水分不透過性のシートに一定の間隔で装着し片方の電極のみ不透過性の被覆で絶縁し、その上面を水分透過性のシートで覆いおむつの中で液中にさらされた際に2極間に生じる静電容量の変化で検知し報知する構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3136438号(段落番号0007〜0009)
【特許文献2】実公平6―21018号公報(請求項1、
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献にある技術により介護者におむつの濡れを報知する事が出来るようになった。しかし吸収層の厚いおむつや更にその中にセットされた尿取りパッド等の濡れを、おむつの外側から検知する事が非常に難しく不安定で有った。
【0007】
本発明はこの点を改良し、より安定した検知確度の高い濡れ検知センサー、
濡れ報知装置、濡れ検知方法を実現する事と、的中率60%から70%程度の予測システムに基づく作業の事前確認を可能とし、介護者の負担増加を低減する為の携帯を容易とした濡れ報知装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、
第1の発明は、
尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する濡れ検知センサーにおいて、
人体に、尿取りパッドと尿取りパッドカバー体、尿取りパッドとおむつ、尿取りパッドとおむつとおむつカバー体、おむつ、又は、おむつとおむつカバー体のいずれかと、
第一電極2と、がこの順で装着され、
その被介護者の人体又は人体側電極を、前記第一電極2に対向する第二電極5及び6としたコンデンサー構造を特徴とする濡れ検知センサーである。
【0009】
第2の発明は、
前記濡れ検知センサーと、その前記第一電極2と前記第二電極5及び6間のコンデンサー構造で発生する静電容量の変化を計測する静電容量計と、
その静電容量の変化を解析する解析装置と、
前記濡れ検知センサーで検知する濡れ量を報知する濡れレベル表示手段と、を備える事を特徴とする濡れ報知装置である。
【0010】
第3の発明は、
前記濡れレベル表示手段は、静電容量の変化を段階的に解析し濡れ量のレベルとして段階的に報知することを特徴とする濡れ報知装置である。
【0011】
第4の発明は、
被介護者の尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する方法において、前記濡れを検知するセンサーに備えられた一対の電極を、
当該検知した濡れを解析又は報知する装置に接続する際に、
介護者が、前記センサーに備えられた一対の電極の片方の電極に直接又は間接的に接触して、
前記介護者の人体を経由して前記解析又は報知する装置に接続し、
前記濡れを検知することを特徴とする濡れ検知方法である。
【0012】
第5の発明は、
被介護者の尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する方法において、
前記濡れ報知装置に接続された第一電極2を、
その筐体下面に配置し、
前記濡れ検知センサーの前記第二電極5及び6を、
前記濡れ報知装置と接続する際に、
介護者が、その人体を経由して被介護者の人体又は人体側電極にタッチして検知する事を特徴とした請求項4記載の濡れ検知方法である。
【0013】
本発明の濡れ検知センサーは、第一電極2と第二電極5及び6の間に尿取りパッド及びおむつ又はいずれか片方と、それぞれのカバー体で構成されるコンデンサーの静電容量が、排尿排便による水分の増加で変化する事を捉え、尿取りパッドやおむつの濡れを、そのカバー体の外側から検知確度の向上を持って可能とする。
【0014】
さらに、この濡れ検知センサーを使用した濡れ報知装置は静電容量の変化を段階的に解析し濡れ量のレベルを段階的に報知し、その濡れレベルに対応した処置の選択を可能とし前記先行技術には提示されていない内容を提供する事を可能とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上の説明のように構成された、おむつ濡れ検知センサーと濡れ報知装置で、尿取りパッドやおむつが排尿や排便で濡れた時、介護者に検知確度の向上を持って報知出来、センサー自身が濡れる必要が無いので交換の必要もなく、尿取りパッドやおむつの交換のみで介護作業が終了し介護者の負荷の軽減になる。
【0016】
そして、吸収層の厚いおむつや、その中に取り付けられた尿取りパッドの濡れを検知する事が、第一電極2と第二電極5及び6の間に、それらが配置される事で可能となり、
更に、
図11にあるコンデンサー構造を濡れ検知センサーの構造とした事で、両電極が濡れを検出する最大範囲の面積を検知範囲とする事が可能となり、静電容量の変化量も最大範囲の変化量を検出可能とし、
従来の方法よりも検知確度の向上を可能とした。
【0017】
さらに請求項4の介護者の人体を経由し被介護者の人体に接続する事で、おむつ濡れ報知装置10を介護者が携帯し使用する事を容易とし、的中率60%から70%程度の排尿排便の予測システムの予測が外れた場合の介護者の無駄な作業を事前確認で防止し、介護者の負担低減を可能とする事ができた。
【0018】
また、介護施設での介護者と被介護者の信頼関係は非常に大切で介護効果を向上させる基本と成っている。本発明の請求項4記載の濡れ検知方法で介護者が被介護者の手などにタッチしスキンシップしながら確認作業が出来るので被介護者に安心感と親近感を与え介護者と被介護者の高い信頼関係を自然に構築する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る濡れ検知センサーの第一電極部分の平面図である。
【
図3】本発明に係る請求項1の第一電極2とおむつと尿取りパッドと人体の関係を表す概略図で有る。
【
図4】本発明に係る濡れ報知装置10の実施形態を表す内部回路の機能ブロック図である。
【
図5】本発明に係る請求項4記載の濡れ検知方法と請求項1記載の濡れ検知センサーと被介護者の人体と介護者の関係を表す概略図である。
【
図6】尿取りパッドとおむつの基本的な断面構造の説明図である。
【
図7】本発明に係る請求項1の第一電極2とおむつカバー体とおむつと尿取りパッドと人体の関係を表す概略図である。
【
図8】本発明に係る請求項1の第一電極2と尿取りパッドカバー体と尿取りパッドと人体の関係を表す概略図である。
【
図9】本発明に係る請求項1の第一電極2とカバー体とおむつと人体の関係を表す概略図である。
【
図10】本発明に係る請求項1の第一電極2とおむつと人体の関係を表す概略図である。
【
図11】本発明に係るコンデンサーの静電容量を決定する各要素と、その原理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態の図について説明する。まず
図1と
図2は本発明の濡れ検知センサーを形成する金属箔からなる第一電極2である。第一電極2はリード線にて
図4の端子Aに繋がれる。外装材1はPVC等の合成樹脂で金属箔2の保護を兼ねた外装材である。
【0021】
図3は本発明の濡れ検知センサーを形成する第一電極2とおむつ3と尿取りパッド4と第二電極の人体5及び人体側電極6の間でコンデンサーが構成される。おむつ3と尿取りパッド4はいずれか1つでも良い。人体5と人体側電極6は導電性樹脂ラバーや導電性樹脂フィルム等で接続されリード線で
図4の端子Bに接続される。この状態で排尿や排便で水分が、おむつ3又は尿取りパッド4に取り込まれると前記コンデンサーの誘電率が上昇し端子Aと端子B間の静電容量が上昇する事を検知する本発明の濡れ検知センサーである。
【0022】
テスト時に制作した
図1と
図2の第一電極2を構成する金属箔にアルミニウム箔を使用したが、他の金属箔でも使用できる。外装材は誘電率の低い防水性の絶縁材料であれば使用可能で、本テストではPVCを使用し熱圧着で固定をした。第一電極2の寸法は幅80mm長さ180mm厚さ10μmで1の外装材が幅100mm長さ200mm厚さ100μm×上下2枚で合計210μmとなった。理想的な前記第一電極2は、使用するおむつや尿取りパッドの外側防水シート面に取り付け可能な最大面積の形状である。
【0023】
図4に示すものは本発明の濡れ報知装置10内の回路機能ブロック図である。静電容量計7の端子Aと端子Bに接続された前記説明のコンデンサーの静電容量を最小分解能1pfで最大測定範囲を2000pf程度まで計測可能とし、この信号を解析装置8に取り込み静電容量の変化を解析し濡れレベル報知手段12にて複数の段階で報知する本発明の濡れ報知装置である。
【0024】
静電容量計7は前記請求項1記載の濡れ検知センサーのコンデンサーと発振回路の組合せで発振をさせ、その発振信号を静電容量計の出力とするものである。
【0025】
コンデンサーの静電容量を計測する方法はこの発振法に限らず交流インピーダンスの比較による交流電圧の電圧出力で有っても良く、又は定電流電源による前記コンデンサーの充電時間や放電時間の時間を静電容量の出力とするもので有っても良い。静電容量の測定方法に関しては、この様な多種多様な組合せが可能で、いずれの方法で有っても良い。
【0026】
解析装置8は前記静電容量計7の出力である発振信号を一定のゲート時間でカウントし数値化する、この数値の最小値と最大値の間に複数の濡れレベル報知の為の閾値を実測の上設け、この閾値を超える信号毎に段階的な濡れレベル報知信号として濡れレベル報知手段12に送る。
【0027】
解析装置8は上記の様なデジタル処理装置でなく静電容量計7の出力を周波数電圧変換し、その電圧の最小値と最大値の間に複数の濡れレベル報知の為の閾値を複数設定する為のアナログ電圧コンパレーターを設け、この閾値を超える信号毎に段階的な濡れレベル報知信号として濡れレベル報知手段12に送る事も出来る。
【0028】
濡れレベル報知手段12は解析装置からの段階的な濡れレベル報知信号を受け4個のLEDで下位2個が尿取りパッドとおむつを重ねて使用した際の中量・大量の表示をし、残る上位2個がおむつ単独使用時の中量・大量の濡れレベルを報知している。
【0029】
濡れレベル報知手段はこの他ブザー音やLEDの色の変化を持って濡れレベルを報知する事や、パネルディスプレーにて段階的な濡れレベル報知をヒストグラムや文字列を合わせて報知する事も可能である。
【0030】
図5の第一電極2は濡れ報知装置10の筐体下面に取り付けて検知対象に宛がう事で介護者が濡れ報知装置10を携帯し使用する事をより容易とし、的中率60%から70%程度の排尿排便の予測システムの予測が外れた場合の介護者の無駄な作業を事前確認で防止し、介護者の負担低減を可能とするものである。
【0031】
本発明の濡れ検知方法の一形態を
図5に示す。
濡れ報知装置10の端子Aとリード線で接続された第一電極2を、その筐体下面に配置し検知対象に宛がい、濡れ報知装置10の端子Bとリード線で接続された介護者が、被介護者の人体である素肌部にタッチし、又は、その人体側電極6に接触して、介護者を経由し被介護者の人体5に接続される方法からなる。
介護者は素手で被介護者にタッチし接触する事が理想的であるが、手のひらサイズの面積が有れば、薄い50μm程度の医療用手袋をしていても交流的な結合が得られ検知可能である。
第一電極2とおむつ3と尿取りパッド4と第二電極の人体5及び人体側電極6との間でコンデンサーが構成され、おむつ3と尿取りパッド4はいずれか1つでも良く、この状態で排尿や排便による水分がおむつ3又は尿取りパッド4に取り込まれると、被介護者の第二電極の人体5及び人体側電極6と第一電極2の間の誘電率が上昇し、濡れ報知装置10の端子Aと端子B間の静電容量が上昇する事を捉えて濡れを検知する方法で、本発明の請求項4記載の濡れ検知方法である。
【0032】
図6は尿取りパッドとおむつの基本的な断面構造図である。人体側は水分を透過するシート15で中間部14に吸水剤と吸水剤保持繊維を配置し外側に水分の漏れを防止する防水シート13で構成されている。尿取りパッドとおむつの構造は基本的に同様である。
【0033】
図7は第一電極2とおむつカバー体11とおむつと尿取りパッドと人体の関係を表す概略図で第一電極2はテープ等でおむつカバー体に固定する事が良い。おむつカバー体11はおむつの取付けを安定保持させる事と外観を良くする事が目的で、おむつカバー、パンツ、パンスト、スパッツ、アンダータイツ、ズボン等いずれでも良く、厚さ1mm以下の繊維で織った布が好ましく、柔軟な不織布や樹脂材料であっても厚さ1mm以下であれば使用することが可能である。おむつカバー体の厚さが1mm以上になると静電容量の測定条件が悪くなり周辺条件の影響から濡れ報知装置の安定度が悪化してしまう。一般的なおむつカバー体としては、おむつカバー、アンダータイツやズボンが一般的で有る。
【0034】
図8は第一電極2と尿取りパッドカバー体11と尿取りパッドと人体の関係を表す概略図で第一電極2はテープ等で尿取りパッドカバー体に固定する事が良い。尿取りパッドカバー体11は尿取りパッドの取付けを安定保持させる事と外観を良くする事が目的で、パンツ、パンスト、スパッツ、アンダータイツ、ズボン等いずれでも良く、厚さ1mm以下の繊維で織った布が好ましく、柔軟な不織布や樹脂材料であっても厚さ1mm以下であれば使用することが可能である。尿取りパッドカバー体の厚さが1mm以上になると静電容量の測定条件が悪くなり周辺条件の影響から濡れ報知装置の安定度が悪化してしまう。一般的な尿取りパッドカバー体としてはパンツ、アンダータイツやズボンが一般的で有る。
【0035】
図9は第一電極2とおむつカバー体11とおむつと人体の関係を表す概略図で第一電極2はテープ等でおむつカバー体に固定する事が良い。おむつカバー体11はおむつの取付けを安定保持させる事と外観を良くする事が目的で、おむつカバー、パンツ、パンスト、スパッツ、アンダータイツ、ズボン等いずれでも良く、厚さ1mm以下の繊維で織った布が好ましく、柔軟な不織布や樹脂材料であっても厚さ1mm以下であれば使用することが可能である。おむつカバー体の厚さが1mm以上になると静電容量の測定条件が悪くなり周辺条件の影響から濡れ報知装置の安定度が悪化してしまう。一般的なおむつカバー体としては、おむつカバー、アンダータイツやズボンが一般的で有る。
【0036】
図10は第一電極2とおむつ3と人体の関係を表す概略図で第一電極2はテープ等でおむつに固定する事が良い。
【0037】
図11は第一電極2と第二電極の5及び6で構成されるコンデンサーの原理説明図で、その静電容量は電極の面積と、電極間の距離と、電極の間に有る物質の誘電率で決定される。
【符号の説明】
【0038】
1 外装材
2 第一電極(金属箔)
3 おむつ
4 尿取りパッド
5 被介護者の人体(第二電極)
6 人体側電極(第二電極)
7 静電容量計
8 解析装置
9 介護者
10 濡れ報知装置
11 おむつカバー体又は尿取りパッドカバー体
12 濡れレベル報知手段
13 防水シート
14 吸水剤と吸水剤保持繊維
15 水分透過シート
A 端子A
B 端子B
【手続補正書】
【提出日】2020年12月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する濡れ検知センサーにおいて、
人体に、尿取りパッドと尿取りパッドカバー体、尿取りパッドとおむつ、尿取りパッド とおむつとおむつカバー体、おむつ、又は、おむつとおむつカバー体のいずれかと、
第一電極と、がこの順で装着され、
人体側電極を、前記第一電極に対向する第二電極としたコンデンサー構造を特徴とする 濡れ検知センサー。
【請求項2】
請求項1記載の前記濡れ検知センサーと、
その前記第一電極と前記第二電極間のコンデンサー構造で発生する静電容量の変化を計 測する静電容量計と、
その静電容量の変化を解析する解析装置と、
前記濡れ検知センサーで検知する濡れ量を報知する濡れレベル表示手段と、を備える事 を特徴とする濡れ報知装置。
【請求項3】
前記濡れレベル表示手段は、静電容量の変化を段階的に解析し濡れ量のレベルとして 段階的に報知することを特徴とする請求項2記載の濡れ報知装置。
【請求項4】
被介護者の尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する方法において、
被介護者の人体に、尿取りパッドと尿取りパッドカバー体、尿取りパッドとおむつ、尿 取りパッドとおむつとおむつカバー体、おむつ、又は、おむつとおむつカバー体のいず れかと、
第一電極(2)と、がこの順で装着され、
第一電極(2)と対向する人体側電極(6)又は、
第一電極(2)と対向する被介護者の人体(5)の間で構築されるコンデンサー構造で発生する静電容量の変化を静電容量計(7)で計測し、
その静電容量の変化を解析する解析装置(8)と、
その解析結果から濡れ量を報知する濡れレベル表示手段(12)と、を備える濡れ報知装置(10)の端子(A)に第一電極(2)を接続し、
濡れ報知装置(10)の端子(B)と電気的に接続された介護者が、
被介護者の人体(5)である素肌部にタッチし、
又は、人体側電極(6)に接触して、
介護者を経由し被介護者の人体(5)に電気的に接続し、
前記濡れを検知することを特徴とする濡れ検知方法。
【請求項5】
被介護者の尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する方法において、
被介護者の人体に、尿取りパッドと尿取りパッドカバー体、尿取りパッドとおむつ、尿 取りパッドとおむつとおむつカバー体、おむつ、又は、おむつとおむつカバー体のいず れかと、
第一電極(2)と、がこの順で装着され、
第一電極(2)と対向する人体側電極(6)又は、
第一電極(2)と対向する被介護者の人体(5)の間で構築されるコンデンサー構造で発生する静電容量の変化を静電容量計(7)で計測し、
その静電容量の変化を解析する解析装置(8)と、
その解析結果から濡れ量を報知する濡れレベル表示手段(12)と、を備える濡れ報知 装置(10)の端子(A)に接続された第一電極(2)を、
濡れ報知装置(10)の筐体下面に配置し、
被介護者の人体に、尿取りパッドと尿取りパッドカバー体、尿取りパッドとおむつ、尿 取りパッドとおむつとおむつカバー体、おむつ、又は、おむつとおむつカバー体のいず れかと、
前記第一電極(2)と、がこの順で装着される様に、
介護者が前記濡れ報知装置(10)の筐体下面の第一電極(2)を宛がい、
前記濡れ報知装置(10)の端子(B)と電気的に接続された前記介護者が、
前記被介護者の人体(5)である素肌部にタッチし、
又は、人体側電極(6)に接触して、
前記介護者を経由し被介護者の人体(5)に電気的に接続し、
前記濡れを検知することを特徴とする濡れ検知方法。
【手続補正書】
【提出日】2021年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する濡れ検知センサーにおいて、
人体に、尿取りパッドと尿取りパッドカバー体、尿取りパッドとおむつ、尿取りパッドとおむつとおむつカバー体、おむつ、又は、おむつとおむつカバー体のいずれかと、
第一電極と、がこの順で装着され、
その人体に導通させる人体側電極を、前記第一電極に対向する第二電極としたコンデンサー構造を特徴とした濡れ検知センサー。
【請求項2】
請求項1記載の前記濡れ検知センサーと、
その前記第一電極と前記第二電極間のコンデンサー構造で発生する静電容量の変化を計測する静電容量計と、
その静電容量の変化を解析する解析装置と、
前記濡れ検知センサーで検知する濡れ量を報知する濡れレベル表示手段と、を備える事を特徴とする濡れ報知装置。
【請求項3】
前記濡れレベル表示手段は、静電容量の変化を段階的に解析し濡れ量のレベルとして段階的に報知することを特徴とする請求項2記載の濡れ報知装置。
【請求項4】
被介護者の尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する方法において、
被介護者の人体に、尿取りパッドと尿取りパッドカバー体、尿取りパッドとおむつ、尿取りパッドとおむつとおむつカバー体、おむつ、又は、おむつとおむつカバー体のいずれかと、
第一電極(2)と、がこの順で装着され、
第一電極(2)と対向する人体側電極(6)及び
第一電極(2)と対向する被介護者の人体(5)の間で構築されるコンデンサー構造で発生する静電容量の変化を静電容量計(7)で計測する濡れ検知方法であって、前記静電容量計(7)と、
その静電容量の変化を解析する解析装置(8)と、
その解析結果から濡れ量を報知する濡れレベル表示手段(12)と、を備える濡れ報知装置(10)の一方の端子(A)に第一電極(2)を接続し、
濡れ報知装置(10)の他方の端子(B)と電気的に接続された介護者が、
被介護者の人体(5)である素肌部にタッチし、
又は、人体側電極(6)に接触して、
介護者を経由し被介護者の人体(5)に電気的に接続し、
前記濡れを検知することを特徴とする濡れ検知方法。
【請求項5】
被介護者の尿取りパッド又はおむつの濡れを検知する方法において、
被介護者の人体に、尿取りパッドと尿取りパッドカバー体、尿取りパッドとおむつ、尿取りパッドとおむつとおむつカバー体、おむつ、又は、おむつとおむつカバー体のいずれかと、
第一電極(2)と、がこの順で装着され、
第一電極(2)と対向する人体側電極(6)及び、
第一電極(2)と対向する被介護者の人体(5)の間で構築されるコンデンサー構造で発生する静電容量の変化を静電容量計(7)で計測する濡れ検知方法であって、前記静電容量計(7)と、
その静電容量の変化を解析する解析装置(8)と、
その解析結果から濡れ量を報知する濡れレベル表示手段(12)と、を備える濡れ報知装置(10)の一方の端子(A)に接続された第一電極(2)を、
濡れ報知装置(10)の筐体下面に配置し、
被介護者の人体に、尿取りパッドと尿取りパッドカバー体、尿取りパッドとおむつ、尿取りパッドとおむつとおむつカバー体、おむつ、又は、おむつとおむつカバー体のいずれかと、
前記第一電極(2)と、がこの順で装着される様に、
介護者が前記濡れ報知装置(10)の筐体下面の第一電極(2)を宛がい、
前記濡れ報知装置(10)の他方の端子(B)と電気的に接続された前記介護者が、
前記被介護者の人体(5)である素肌部にタッチし、
又は、人体側電極(6)に接触して、
前記介護者を経由し被介護者の人体(5)に電気的に接続し、
前記濡れを検知することを特徴とする濡れ検知方法。