【解決手段】デバイスは、格子パラメータの第1のセットによって特徴付けられる第1の格子構造を有する、入力結合格子を含む。入力結合格子は、光を光源から受光するように構成される。本デバイスはまた、少なくとも2つの次元において変動する格子パラメータの第2のセットによって特徴付けられる第2の格子構造を有する、拡張格子を含む。第2の格子構造は、光を入力結合格子から受光するように構成される。本デバイスはさらに、格子パラメータの第3のセットによって特徴付けられる第3の格子構造を有する、出力結合格子を含む。出力結合格子は、光を拡張格子から受光し、光を視認者に出力するように構成される。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1は、本明細書に説明されるある実施形態による、ウェアラブルARデバイスを通して視認されるような拡張現実(AR)場面を図示する、図面である。
図1を参照すると、拡張現実場面100が、描写され、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、およびコンクリートプラットフォーム120を特徴とする、実世界公園状設定106が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、実世界プラットフォーム(120)上に立っている、ロボット像(110)と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ(102)とが「見える」と知覚するが、これらの要素(102、110)は、実世界には存在しない。ヒトの視知覚および神経系の極端な複雑性に起因して、他の仮想または実世界画像要素の中でもとりわけ、仮想画像要素の快適で、自然な感覚で、かつ豊かな提示を促進する、VRまたはAR技術を生産することは、困難である。
【0043】
図2Aは、3D画像をユーザに提示するための従来のディスプレイシステムを図示する。眼4および6毎に1つの2つの明確に異なる画像5および7が、ユーザに表示される。画像5および7は、視認者の視線と平行な光学軸またはz軸に沿って、距離10だけ眼4および6から離間される。画像5および7は、平坦であって、眼4および6は、単一の遠近調節された状態をとり、輻輳・開散運動反射を誘起し、遠近調節された状態に合致させることによって、画像上に合焦させ得る。そのようなシステムは、ヒト視覚系が、画像5および7を組み合わせ、組み合わせられた画像に関する深度の知覚を提供することに依拠する。
【0044】
しかしながら、ヒト視覚系は、より複雑であって、深度の現実的知覚を提供することは、より困難であることを理解されるであろう。例えば、
図2Aに描写される従来の3Dディスプレイシステムの多くの視認者は、そのようなシステムが不快であることを見出す、または遠近調節および輻輳・開散運動における不整合に起因して、深度の感覚を全く知覚しない場合がある、すなわち、特定の深度平面上のオブジェクトを見るための視線が、同一深度平面上に合焦させるために最適遠近調節距離ではない場合がある。
図2Bに描写されるように、コンテンツを可変または複数の深度平面12に表示し得る、システムは、眼の自然機能により類似する遠近調節−輻輳・開散運動状態を提供することができる。
【0045】
例えば、
図3Aは、深度平面14におけるコンテンツ15を観察する、眼4および6を描写する。描写されるように、コンテンツ15は、深度平面14に位置し、深度平面14は、立体視システム等の単一深度平面を伴う所与の3Dシステムの深度平面であり得る。眼4および6が合焦する距離である、遠近調節距離A
dは、眼4および6が見ている距離である、輻輳・開散運動距離V
dと同一である。しかしながら、
図3Bでは、コンテンツ15yは、深度平面14より遠くに知覚されることが意図され、例えば、立体視3Dシステムは、2メートルにおける深度平面のために構成されるが、コンテンツは、ユーザから3m離れて現れるように意図される。描写されるように、眼4および6はそれぞれ、深度平面14上に合焦するための遠近調節距離A
dを有するであろうが、眼4および6はそれぞれ、深度平面14上の個別の輻輳・開散運動点15aおよび15bおよび全体的輻輳・開散運動距離V
d1を有するであろう。V
d1対A
dの比は、「遠近調節−輻輳・開散運動不整合」(AVM)と称され得、あるAVMでは、ユーザは、もはやコンテンツ15yの深度を知覚し得ない、または視覚系および神経系が大AVMを補正しようと試みるにつれて不快感を体験し得る。
【0046】
次いで、従来の3D立体視ディスプレイは、遠近調節−輻輳・開散運動反射に不利に作用し、遠近調節−輻輳・開散運動不整合を誘発することを理解されるであろう。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供する、ディスプレイシステムは、3D画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0047】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートすることの利点を図示する。
図4を参照すると、コンテンツ15yおよび15zは、眼4および6から個別の輻輳・開散運動距離V
d2およびV
d3に設置されるが、システムは、1つのみの深度平面14を有し、遠近調節距離A
d2を作成する。眼4および6は、特定の遠近調節された状態をとり、15yおよび15zをz軸に沿って合焦させる。その結果、15y上に合焦するために、眼4および6は、深度平面14上の15cおよび15dの輻輳・開散運動位置をとり、15z上に合焦するために、眼4および6は、深度平面14上の15eおよび15fの輻輳・開散運動位置をとる。眼4および6は、15yを観察するための輻輳・開散運動体勢15cおよび15dと比較して、15zを観察するためのより広い輻輳・開散運動体勢15eおよび15fを有し、深度平面14に関して、15eおよび15fが深度平面14上に共存するような自然な視認が感じられるであろうことが容易に明白である。輻輳・開散運動体勢における本差異およびV
d3対A
d2およびV
d2対A
d2の比は全て、AVMの例証である。
【0048】
可能な限り自然な3D体験を作成するために、いくつかの実施形態は、複数の深度平面を実装し、AVMが所与の閾値を下回るよう規制し、そうでなければAVMから生じ得るユーザ不快感を低減させる。例えば、
図5は、許容されるAVMが0.333ジオプタとして構成される、一実施形態を描写する。本ジオプタ距離は、ユーザから3メートルに対応し、AVMは、その深度平面にレンダリングされるコンテンツに関してゼロとなるであろう。ジオプタ/距離は、反比例関係であるため、AVMは、コンテンツが光学無限遠に接近するにつれて、漸近的に接近するが、0.333ジオプタを決して上回らないであろう。コンテンツが3mよりユーザに近づいてレンダリングされるにつれて、第2の深度平面が、コンテンツが、0.333ジオプタAVMを上回って上昇せず、その第2の深度平面に表示され得るように実装されることができる。コンテンツは、次いで、まさに眼に非常に近いオブジェクトで自然に生じるように、その第2の深度平面からさらに近づけられるにつれて、AVMが増加するであろう。例えば、指を腕の長さから眼に向かって持って来るとき、眼は、同一品質の焦点を眼上に維持することがますます困難になり、指は、ユーザの優勢および非優勢の眼または視野の焦点間を跳躍するように現れ得る、または2つの画像を完全に分裂させ得る。当業者は、付加的AVM閾値も、可能性として考えられ、そのAVM閾値に対応する異なる距離における深度平面設置を誘発するであろうこと、またはコンテンツを特定のAVM閾値内で眼にさらにより近づけてレンダリングするためのさらに多くの深度平面も、可能性として考えられることを理解されるであろう。
図5は、単に、76センチメートルを超える全てのレンダリングされたコンテンツを0.333ジオプタのAVM閾値を下回るように維持するための0.333および1ジオプタ(それぞれ、3メートルおよび1メートル)における深度平面を伴う、一実施形態を図示する。
【0049】
図6Bは、複数の深度平面の利点を描写する。
図6Aは、
図4の複製であって、
図6Bとの比較を容易にするために再表示される。
図6Bでは、第2の深度平面16が、眼4および6から遠近調節距離A
d3に追加される。コンテンツ15z上に合焦するために、眼4および6は、もはや
図6Aにおけるような15eおよび15fの輻輳・開散運動体勢をとる必要がないが、代わりに、輻輳・開散運動体勢15gおよび15hをとり得る。V
d3対A
d3の比が、
図6AのV
d3対A
d2と比較してより低い状態で、ユーザは、深度平面14におけるより近いコンテンツ15y上に合焦するために要求されるほぼ同一視知覚を用いて、深度平面16におけるより遠いコンテンツ15z上に合焦することができる。言い換えると、15gおよび15hの輻輳・開散運動位置は、
図6Bの複数の深度平面システムによって、同一コンテンツ15zを視認するために、輻輳・開散運動位置15eおよび15fよりはるかに小さくかつより自然である。
【0050】
図7Aは、高レベルの画質および3D知覚を伴う、物理的現実に対する拡張として快適に知覚され得、かつ実世界光および画像を知覚させることが可能である、ヒトの眼に外部光パターンを提示するための簡略化されたディスプレイ構成を描写する。描写されるように、単一の少なくとも部分的に透明な導波管104が、光パターン106を受光し、導波管104内の回折格子102が、光を眼58に外部結合する。いくつかの実施形態では、回折格子102は、水晶体45が、遠近調節−輻輳・開散運動反射を通して、それが受光する光パターン上に合焦させるとき、網膜54が、光パターンを構成される深度平面に位置する画像として処理するように、特定の深度平面のために構成される。いくつかの実施形態では、光パターン106は、水晶体45が、遠近調節−輻輳・開散運動反射を通して、それが受光する光パターン上に合焦させるとき、網膜54が、光パターンを構成される深度平面に位置する画像として処理するように、特定の深度平面のために構成される。
【0051】
描写されるように、例証的目的のためだけに、光パターン106は、導波管104の中への光子ベースの放出パターンであるが、当業者は、光パターン106が、導波管104の中に投入され、眼58に外部結合する前に、全内部反射によって、回折格子102に伝搬する、光の単一ビームであり得ることを容易に理解されるであろう。当業者はさらに、複数の回折格子102が、所望の様式において光パターン106を眼58に指向するために採用され得ることを理解するであろう。
【0052】
そのようなシステムのためのより豊かな視野を作成するために、
図7Bは、
図6Aに描写されるものとほぼ同一方法において光パターン206を眼58に外部結合するように構成される、第2の少なくとも部分的に透明な導波管204を描写する。第2の導波管204は、回折格子202によって、光パターン206を眼58に外部結合する。眼58は、光パターン206を網膜54上で受光するが、水晶体45は、光パターン106のために要求されるものと異なる遠近調節−輻輳・開散運動反射を通して、光206を異なる深度平面において知覚する。例えば、光パターン106は、第1の深度知覚500を伴って、網膜54の一部に集められる一方、光パターン206は、第2の深度知覚502を伴って、網膜54の第2の部分に集められる。光パターン106および206が同一のレンダリングされる拡張現実コンテンツに対応する、インスタンスでは、深度の豊かさは、単に単一深度平面によって
図6Aに描写されるように生産されたものより現実的かつ快適な画像の知覚をもたらす。さらに、いくつかの実施形態では、光パターン106および206のフレームシーケンシャル構成は、複数の深度を横断して、眼58に、単一コヒーレント拡張現実場面の知覚を提供する高周波数におけるフレームのシーケンス、または、動いている拡張現実コンテンツと、単一深度平面において網膜54によって知覚される狭い投影より充実した視野とを提示し得る。
【0053】
図8はさらに、平面導波管216の簡略化されたバージョンを描写し、特定の波長であるが、眼58に対して異なる深度平面において光を伝搬するように構成される、少なくとも2つの導波管を備え得る。描写されるように、回折光学要素(DOE)であり得る、回折格子220は、光パターンが平面導波管216に沿って全内部反射されるにつれて、複数の場所においてDOE220と交差するように、平面導波管216の垂直長全体に内蔵されている。それにもかかわらず、光が眼58に外部結合されるにつれて、一部は、平面導波管216内のDOE220の回折効率に起因して、伝搬し続け得る。一部が平面導波管216を通して全内部反射し続けるにつれて、それらは、付加的DOE220格子に遭遇し、眼に外部結合し得る、または他の部分は、平面導波管216の長さに沿って全内部反射によって伝搬し続け得る。
【0054】
好ましくは、DOE220は、平面導波管216内を伝搬する光のパターンの一部のみが、DOE220の任意の所与の交差点において眼58に向かって回折される一方、残りが、全内部反射を介して、平面導波管216を通して移動し続けるように、比較的に低回折効率を有する。任意の画像情報を搬送する光パターンは、したがって、複数の場所において平面導波管216から出射する、いくつかの関連光ビームに分割され、結果として、眼58に入射する外部結合された光の大パターンがもたらされ、豊かな画像知覚を単一光パターンから作成する。
【0055】
図9は、複数の外部結合された光パターンを描写し、光が、眼58に向かってz方向に外部結合する前に、xおよびy方向の両方において導波管を伝搬するときの、眼58へのさらにより豊かなライトフィールド入射を図示する。一連のDOE220を伴う実施形態は、z方向に外部結合された光パターンの部分的回折を可能にし、他の部分が、z方向に外部結合する前に、xまたはy方向に全内部反射し、眼58の網膜全体を横断して画像を作成することを可能にするように構成される。
【0056】
図10は、導波管106からの外部結合DOE110からの複数の外部結合された光パターンの網膜パターンを描写する。描写されるように、
図10は、単一光パターン106によって活性化され、光パターンのより広い視野または時間シーケンシャルフレーム化が、網膜の異なる部分を励起させ、レンダリングされる拡張現実コンテンツの運動を知覚することを可能にし得る、複数の網膜面積を図示する。当業者は、
図9に描写される豊かな視野パターンと組み合わせられると、網膜が、導波管106全体を通してDOE110によって大量の光パターンを受光し得ることを理解されるであろう。描写されるように、
図10は、全ての光が眼58の水晶体45内に集束するように図示する。
図11は、複数の入射光パターンビームレット332が離散垂直焦点において眼58の別個の小射出瞳330を通して眼に進入する、「副瞳」系を図示する。そうすることによって、導波管を通して投影および回折することがより容易であり得る、または波長等の具体的光パターン性質を搬送し得る、光パターンのより小さいビームレットが、より大きい直径ビームとして知覚されるように集約されることができる。例えば、
図7Aの光パターンは、光パターン106から水晶体45内に焦点を生産したが、ビームレット332は、複数の副瞳330を作成することによって、はるかに小さく、依然として、同一効果を生産し得る。
【0057】
言い換えると、複数の狭ビームのセットは、より大きい直径の可変焦点ビームを用いて生じるものを模倣するために使用され得る。ビームレット直径が、最大約0.5mmに保たれる場合、それらは、比較的に静的焦点レベルを維持し、所望に応じて焦点外の知覚を生産するために、ビームレット角度軌道が、より大きい焦点外ビームのような効果を作成するように選択されてもよい(そのような焦点ずれ処理は、より大きいビームに関するガウスぼかし処理と同一ではない場合があるが、ガウスぼかしと類似方式において解釈され得る、多様な点拡がり関数を作成するであろう)。
【0058】
いくつかの実施形態では、ビームレットは、本集約焦点効果を形成するために機械的に偏向されず、むしろ、眼が、ビームレットが瞳孔と交差する複数の入射角および複数の場所の両方を含む、多くのビームレットの上位セットを受光する。特定の視認距離からの所与のピクセルを表すために、適切な入射角および瞳孔との交差点を備える上位セットからのビームレットの下位セット(それらが空間内の同一共有原点から放出されるかのように)が、その集約波面を表すための色および強度によって合致される一方、共有原点と一致しない上位セット内のビームレットは、その色および強度と合致されず、知覚されないであろう。
【0059】
図12は、眼58の視野内の集約されたコリメートビーム334を表す、ビームレットの別の下位セットを示す。ここでは、眼58は、無限遠に遠近調節され、コリメートされたビーム334を考慮し、したがって、コリメートされたビーム334内のビームレットは、網膜の同一スポット上に当たり、ビームレットによって作成されたピクセルは、合焦していると知覚される。同様に、コリメートされたビーム326は、網膜の異なる部分上に当たり、視野のその面積内のピクセルを知覚する。対照的に、ビームレットの異なる下位セットが、発散する扇状の光線として眼に到達されるように選定される場合、それらのビームレットは、網膜の同一場所上に当たらず、眼が遠近調節をその扇状の光線の幾何学的原点に合致する近傍点に偏移されることになるまで、合焦していると知覚されないであろう。
【0060】
図13は、平面導波管のスタック664を描写し、それぞれ、特定の波長の光をスタック644の平面導波管の中に回折する内部結合DOE690によって、光パターンを給送する。各導波管は、個別の平面導波管を通して光を回折し、眼58に向かって外部結合し、視野を横断して、または複数の深度平面において、拡張現実コンテンツの知覚を作成するように構成される、複数のDOE680、682、684、686、および688を備える。
図13は、例証的目的のためだけに、スタック644内の5つの導波管を描写し、好ましくは、スタック664は、赤色、緑色、および青色波長の光のそれぞれにおける深度平面と関連付けられた2つの導波管に対応する、6つの導波管を備える。世界光144もまた、スタック644内の各導波管が、少なくとも部分的に、透明であって、実世界環境の自然知覚と併せて、拡張現実コンテンツのレンダリングを可能にするため、スタック644を通して浸透および透過し得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、
図14に描写されるように、拡張現実ディスプレイシステムに対する接眼レンズ1200は、導波管上に配置される複数のDOEタイプを備え、特定の性質を伴う光をユーザの眼に指向し得る。複数の光パターン1240、1242、および1244が、導波管1210、1220、および1230を備える、導波管スタックの中に投入される。いくつかの実施形態では、複数の光パターン1240、1242、および1244は、共通光源から投入されるが、共通光源内の異なる波長を表す。いくつかの実施形態では、光パターン1240、1242、および1244はそれぞれ、特定の波長、例えば、赤色、緑色、および青色光内の別個の光ビームである。いくつかの実施形態では、光パターン1240、1242、および1244はそれぞれ、内部結合DOE1212、1222、および1232によって、個別の導波管1210、1220、および1230に投入される。各内部結合DOE1212、1222、および1232は、特定の波長の光パターン1240、1242、または1244の光の少なくとも一部を、内部結合DOE1212、1222、および1232の同一波長の内部結合された光を伝搬するように構成される導波管1210、1220、または1230のうちの1つの中に回折する。いくつかの実施形態では、内部結合後、光パターン1240、1242、および1244は、それぞれ、OPE1214、1224、および1234の中に伝搬する。OPE1214、1224、および1234は、光の一部を、それぞれ、EPE1250、1252、および1254の中に回折し、光パターン1240、1242、および1244は、z方向にユーザの眼に向かって外部結合される。
【0062】
いくつかの実施形態では、一連の導波管および複数のDOEを通して回折され、次いで、ユーザの眼に外部結合される、複数の光パターンの正味効果は、ユーザによって快適に知覚される仮想または拡張現実コンテンツの視野レンダリングおよび深度平面設置をもたらす。
【0063】
図15は、ウェアラブルディスプレイシステム80の実施例を図示する。ディスプレイシステム80は、頭部搭載型ディスプレイ62と、そのディスプレイ62の機能をサポートするための種々の機械的および電子的なモジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ62は、フレーム64に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者60によって装着可能であって、頭部搭載型ディスプレイ62をユーザ60の眼の正面に位置付けるように構成される。いくつかの実施形態では、スピーカ66が、フレーム64に結合され、ユーザの外耳道に近接して位置付けられる(いくつかの実施形態では、示されない、別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供する)。頭部搭載型ディスプレイ62は、有線導線または無線コネクティビティ等によって、ローカルデータ処理モジュール70に動作可能に結合68され、これは、フレーム64に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様に、ユーザ60に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載されてもよい。
【0064】
ローカルデータ処理モジュール70は、プロセッサと、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)等のデジタルメモリとを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープ等のセンサ(例えば、フレーム64に動作可能に結合されてもよい、または別様に、ユーザ60に取り付けられてもよい)から捕捉されたデータ、および/または、b)可能性として、処理または読出後、ディスプレイ62への通過のために、遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74を使用して入手および/または処理されるデータを含む。ローカルデータ処理モジュール70は、これらの遠隔モジュール72、74が、相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール70へのリソースとして利用可能であるように、通信リンク76、78によって、有線または無線通信リンク等を介して、遠隔処理モジュール72および遠隔データリポジトリ74に動作可能に結合されてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、ローカルデータ処理モジュール70は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、デジタルデータ記憶設備を備えてもよく、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュール内で実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0066】
いくつかの実施形態では、ローカルデータ処理モジュール70は、バッテリ82に動作可能に結合される。いくつかの実施形態では、バッテリ82は、市販のバッテリ等の可撤性電源である。他の実施形態では、バッテリ82は、リチウムイオンバッテリである。いくつかの実施形態では、バッテリ82は、ユーザが、より長い時間周期にわたって、電源に繋がれ、リチウムイオンバッテリを充電する必要なく、またはウェアラブルディスプレイシステムの電源を切り、バッテリを交換する必要なく、ウェアラブルディスプレイシステム80を動作させ得るように、ウェアラブルディスプレイシステム80の非動作時間の間にユーザ60によって充電可能な内部リチウムイオンバッテリと可撤性バッテリとの両方を備える。
【0067】
図16Aは、ユーザ1660が実世界環境1600を通して移動するにつれて拡張現実コンテンツをレンダリングする、拡張現実ディスプレイシステムを装着する、ユーザ1660を描写する。ユーザは、拡張現実ディスプレイシステムを位置1610に位置付け、拡張現実ディスプレイシステムは、マッピングされた特徴または指向性オーディオ入力との姿勢関係等の位置1610に対するパス可能世界の周囲情報を記録する。位置1610は、データ入力1612に集約され、少なくとも、
図15に描写される遠隔処理モジュール72内等のパス可能世界モジュール1620によって処理される。パス可能世界モジュール1620は、固定要素1632(
図16Aに描写されるようなテーブル)上、または視野1640内にまだない構造内、または実世界1642のマッピングされたメッシュモデルに対する等、入力1612から決定されるように、拡張現実コンテンツ1630が実世界内に設置され得る場所および方法を決定する。描写されるように、固定要素1632は、実世界内の任意の固定要素の代用品としての役割を果たし、これは、ユーザ1660が、ユーザ1660にそれが見える度に、テーブル1632をマッピングする必要なく、テーブル1632上のコンテンツを知覚し得るように、パス可能世界モジュール1620内に記憶されてもよい。固定コンテンツ1632は、したがって、以前のモデル化セッションからのマッピングされたメッシュモデルである、または別個のユーザから決定されるが、それにもかかわらず、複数のユーザによる将来的参照のために、パス可能世界モジュール1620上に記憶されてもよい。したがって、パス可能世界モデルは、ユーザのデバイスが環境1600を最初にマッピングすることなく、以前にマッピングされた環境からの環境1600を認識し、拡張現実コンテンツを表示し、算出プロセスおよびサイクルを節約し、任意のレンダリングされる拡張現実コンテンツの待ち時間を回避し得る。
【0068】
同様に、実世界1642のマッピングされたメッシュモデルが、拡張現実ディスプレイシステムによって作成されることができ、拡張現実コンテンツ1630と相互作用し、それを表示するための適切な表面およびメトリックが、再マッピングまたはモデル化する必要なく、ユーザまたは他のユーザによる将来的読出のために、マッピングされ、パス可能世界モジュール1620内に記憶されることができる。いくつかの実施形態では、地理的場所、ユーザ識別、および現在のアクティビティ等の集約されたデータ入力1612が、パス可能世界モジュール1620に、利用可能な固定要素1632、固定要素1632上に最後に設置された拡張現実コンテンツ1630、およびその同一コンテンツを表示すべきかどうか(そのような拡張現実コンテンツは、ユーザが特定のパス可能世界モデルを視認するかどうかにかかわらず、「持続的」コンテンツである)を示すための入力である。
【0069】
図16Bは、視認光学アセンブリ1664および付帯コンポーネントの概略を描写する。いくつかの実施形態では、ユーザの眼1666に配向される、2つの眼追跡カメラ1662が、眼形状、眼瞼閉塞、瞳孔方向、およびユーザの眼1666上の閃光等のユーザの眼1666のメトリックを検出する。いくつかの実施形態では、飛行時間センサ等の深度センサ1690が、中継信号を世界に放出し、所与のオブジェクトまでの距離を決定する。いくつかの実施形態では、世界カメラ1650が、広域周辺視野を記録し、実世界環境をマッピングし、拡張現実コンテンツに影響を及ぼし得る入力を検出する。カメラ1680がさらに、ユーザ視野内の実世界画像の具体的タイムスタンプを捕捉し得る。世界カメラ1650、カメラ1680、および深度センサ1690はそれぞれ、1652、1682、および1692の個別の視野を有し、
図16Aに描写される実世界環境1600等の実世界場面からデータを収集および記録する。
【0070】
慣性測定ユニット1670が、視認光学アセンブリ1664の移動および配向を決定してもよい。いくつかの実施形態では、各コンポーネントは、少なくとも1つの他のコンポーネントに動作可能に結合される。例えば、深度センサ1690が、ユーザの眼1666が見ている実際の距離に対して測定された遠近調節の確認として、追跡カメラ1662に動作可能に結合される。
【0071】
図17は、
図15に描写される頭部搭載型ディスプレイ62等の頭部搭載型ディスプレイ1700を描写する。視認光学アセンブリ1702は、剛性フレーム1708を備え、これにプロジェクタ1704が、結合される。いくつかの実施形態では、プロジェクタ1704は、LED照明器および空間光変調器を伴う、LCOS機構を備える。いくつかの実施形態では、視認光学アセンブリ1702はさらに、接眼レンズ1706を備える。いくつかの実施形態では、接眼レンズ1706は、光をプロジェクタ1704から頭部搭載型ディスプレイ1700のユーザの眼に指向するように構成される、複数の導波管を備える。いくつかの実施形態では、視認光学アセンブリ1702はさらに、眼瞼位置または瞳孔方向等の頭部搭載型ディスプレイ1700の装着者の眼追跡データを収集するように構成される、眼追跡カメラ(描写せず)を備える。
【0072】
いくつかの実施形態では、視認光学アセンブリ1702は、一次制御ボード(PCB)1716等の剛性フレーム1708上に配列される付加的センサおよびコンポーネントを設ける。PCB1716は、種々のプロセッサおよび回路を設け、視認光学アセンブリ1702および剛性フレーム1708内に組み立てられる種々のコンポーネントを動作させる。いくつかの実施形態では、世界カメラ1718は、視認光学アセンブリ1702の両端において剛性フレーム1708に取り付けられる。いくつかの実施形態では、世界カメラ1718は、代わりに、視認光学アセンブリ1702の接眼レンズ1706間に配置される。いくつかの実施形態では、深度センサ1719は、接眼レンズ1706間の剛性フレーム1708に取り付けられる。いくつかの実施形態では、深度センサ1719は、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)であって、いくつかの実施形態では、深度センサ1719は、端面発光レーザまたは他の飛行時間センサである。当業者は、視認光学アセンブリ1702内に設けられ得、一次制御ボード1716によって動作可能に制御され得る、他のセンサおよびコンポーネント、例えば、IMUまたは写真カメラが、視認光学アセンブリ1702上に配置される、または剛性フレーム1708に取り付けられ得ることを理解するであろう。
【0073】
いくつかの実施形態では、正面バンド1710が、視認光学アセンブリ1702に結合する。正面バンド1710は、視認光学アセンブリ1702のコンポーネントを外部要素から保護するだけではなく、また、頭部搭載型ディスプレイ1700のユーザと視認光学アセンブリ1702との間の熱障壁としての役割も果たす。いくつかの実施形態では、センサカバー1712が、正面バンド1710に取り付けられ、視認光学アセンブリ1702およびその上のコンポーネントをさらに保護する。
【0074】
いくつかの実施形態では、アーム1714が、剛性フレーム1708に結合され、頭部搭載型ディスプレイシステム1700のユーザの頭部を横断し、接眼レンズ1706をユーザの眼の正面に維持するように構成される。いくつかの実施形態では、アーム1714は、ユーザの耳の上に静置するように構成される。いくつかの実施形態では、フレームアーム1714は、内向きに張力を留保し、ユーザの頭部を把持し、ユーザの頭部上の固着位置を維持するように構成される。いくつかの実施形態では、パッド1715が、アーム1714の内側に取り付けられる(内側は、ユーザと接触するアーム1714の側である)。いくつかの実施形態では、パッド1715は、熱拡散器を備え、頭部搭載型ディスプレイ1700内の温度効果を緩和する。いくつかの実施形態では、パッド1715は、軟質発泡体から作製される、またはゴム界面でコーティングされ、アーム1714の内向き張力からのユーザの頭部に対する圧縮下に設置されるとき、半変形し、依然として、ユーザに快適性をもたらす。
【0075】
いくつかの実施形態では、オーディオアセンブリ1720が、剛性フレーム1708に結合され、アーム1714のいずれかを横断し、スピーカ1722を頭部搭載型ディスプレイシステム1700のユーザの耳に近接して設置する。いくつかの実施形態では、PCB1716はさらに、オーディオアセンブリ1720へのオーディオ入力および出力を制御する。いくつかの実施形態では、オーディオアセンブリ1720は、マイクロホンを備え、外部世界からの音を記録し、それらを一次制御ボード1716に中継する。一次制御ボード1716は、そのようなオーディオ入力が与えられると、種々の機能を実施してもよい。例えば、マイクロホン入力がオーディオアセンブリ1720から与えられると、頭部搭載型ディスプレイ1700は、将来的読出のためにそれらを記憶する(
図15に描写される遠隔データリポジトリ74内等に)、所与のオーディオ入力に応答して、拡張現実コンテンツ性能を改変する(例えば、口頭「オフ」コマンドは、システム全体の電源を切り得る)、またはオーディオ入力を通信デバイスの他のユーザに伝送することができる(例えば、電話呼、電子送達のための音声メッセージング)。ケーブル1724は、頭部搭載型ディスプレイ1700全体を通したコンポーネント間の通信および
図15に描写されるローカルデータ処理モジュール70等のローカルデータ処理モジュールへの通信を促進する。
【0076】
いくつかの実施形態では、内側カバー1707が、さらなる光学効果をユーザに提供し得る。例えば、内側カバー1707は、処方箋レンズを含み、ユーザの特定の視覚処方箋に対する拡張現実コンテンツの光学性質を調節する。そのような処方箋レンズは、ユーザの眼と頭部搭載型ディスプレイ1700の接眼レンズ1706との間に配置されるであろう。いくつかの実施形態では、内側カバー1707は、偏光レンズ等の着脱可能光修正器を含み、ある光を反射または吸収させてもよい。
【0077】
図18は、視認光学アセンブリ1800の分解図を描写する。剛性フレーム1808は、接眼レンズ1806を格納し、これは、光を、視認光学アセンブリ1800がその一部である、頭部搭載型ディスプレイ1700(
図17に描写される)のユーザの眼の中に内部結合するための複数の導波管を備えてもよい。断面図中の1804’に偏光ビームスプリッタおよび複数のレンズを伴うLCOSシステムとして描写される、プロジェクタ1804が、内部結合点1805において、接眼レンズ1806に光学的に結合する。いくつかの実施形態では、内部結合点1805は、接眼レンズ1806および接眼レンズ1806内の導波管の中への投入された光のための進入点である。
【0078】
接眼レンズ1806は、剛性フレーム1808に添着される。剛性フレーム1808はさらに、搭載構造1811を格納する。搭載構造1811は、視認光学アセンブリ1800の世界側上に配置される、カバーレンズ1809、または視認光学アセンブリのユーザ側上の
図17に描写される、内側カバー1707を格納してもよい。いくつかの実施形態では、カバーレンズ1809は、傷防止材料または他の保護被覆を備え、指先端からの油脂または外部環境からの埃および残骸等との接眼レンズ1806の接触を防止してもよい。いくつかの実施形態では、カバーレンズ1809は、偏光レンズ等の光修正器を含み、ある光を反射または吸収させてもよい。いくつかの実施形態では、接眼レンズ1806は、複数の導波管に加え、そのような保護カバーレンズを備える。いくつかの実施形態では、眼追跡システム1803は、搭載構造1811に結合し、一対の眼追跡カメラをユーザの眼の中に上向きに向くように搭載構造1811の底部に配置する。
【0079】
図19はさらに、頭部搭載型ディスプレイシステムの視認光学アセンブリまたは剛性フレームに取り付けられ得る、種々のセンサおよびコンポーネントをより詳細に描写する。深度センサ1903は、視認光学アセンブリまたは剛性フレームに取り付けられ得る深度センサとして、完全に組み立てられて示される。深度センサ1903はさらに、深度センサ筐体アセンブリ1905、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)1902、および深度結像機1904から成ってもよい。
【0080】
6自由度(6DoF)センサ1906が、6DoF筐体1907内に格納され、6DoF撓曲部1909を通して、視認光学アセンブリ(または
図17に描写されるような一次制御ボード1716)に動作可能に結合される。6DoFセンサ1906は、慣性測定ユニット情報を頭部搭載型ディスプレイに提供し、頭部搭載型ディスプレイに対するユーザの場所、姿勢、および運動に関する情報を提供してもよい。いくつかの実施形態では、慣性測定は、世界カメラアセンブリ1918に結合されるIMU1926によって提供される。IMU1926は、加速度計およびジャイロスコープ測定を通して、位置情報を提供し、いくつかの実施形態では、6DoFセンサ1909に動作可能に結合し、視認光学アセンブリ内のセンサまたはコンポーネント位置に対する変化を開始する。例えば、ユーザが、頭部姿勢を回転させ、下を見ていることを示す、IMU1926の測定は、6DoFセンサ1906に、IMU1926測定と時間を合わせて、またはさらにその前に、深度センサ1902を再指向させ、同様に深度測定を下向きに調節し、測定における待ち時間を回避するようにプロンプトしてもよい。言い換えると、IMU1926が、運動を検出する場合、6DoFセンサ1906は、視認光学アセンブリ内のセンサおよびコンポーネントのうちの任意の1つ以上のものを操作し、ユーザによって検出可能な拡張現実コンテンツにおける待ち時間を伴わずに、検出された運動に合致する正確なコンテンツをレンダリングし続けるように構成される。視認光学ディスプレイは、1つ以上の6DoFセンサ1906またはIMU1926を設けてもよい。
【0081】
図19はさらに、世界カメラアセンブリ1918を描写する。いくつかの実施形態では、世界カメラアセンブリ1918は、4つの世界カメラを備え、2つは、ユーザの視野に対して実質的に外向きに向くように配置され、2つは、実質的に斜めに向くように配置され、広域周辺視野情報を視認光学アセンブリに提供する。付加的またはより少ない世界カメラも、当然ながら、可能性として考えられる。写真カメラ1928が、世界カメラアセンブリ1918に結合され、ユーザまたは写真カメラ1928の視野内のリアルタイム画像またはビデオを捕捉してもよい。世界カメラアセンブリ1918は、視覚的情報を測定されたセンサ情報に提供する、またはあるセンサをアクティブ化してもよい。例えば、世界カメラは、世界カメラの視野内の情報のみを検出し、集めるような制約をセンサに提供してもよい、またはプロジェクタと通信し、プロセッサ電力のみを使用して、コンテンツを視野内にレンダリングしてもよい。例えば、
図15に描写されるようなローカルデータ処理モジュール70内のグラフィックプロセッサユニット(GPU)は、世界カメラがあるオブジェクトをある視野の中にもたらす場合のみ、拡張現実コンテンツをレンダリングするようにアクティブ化されてもよい。頭部搭載型ディスプレイまたはウェアラブルディスプレイシステム内の深度センサおよび加速度計およびジオロケータは、拡張現実コンテンツのレンダリングに対する環境への入力を記録してもよいが、GPUは、世界カメラが、実際に、そのような入力をユーザの視野の中にもたらすまで、アクティブ化されなくてもよい。
【0082】
例えば、世界カメラアセンブリ1918の広域周辺視野は、コンテンツがユーザの視野内にまだない場合でも、GPU内で拡張現実コンテンツの結像の処理を開始してもよい。他の実施形態では、広域周辺視野は、データおよび画像を実世界から捕捉し、世界カメラアセンブリ1918の視野内であるが、ユーザ視野外である、アクティビティのユーザの視野にプロンプトを表示してもよい。
【0083】
図20は、一実施形態による、デジタルまたは仮想画像を視認者に提示するために使用され得る、視認光学アセンブリ(VOA)内の光経路を図式的に図示する。VOAは、プロジェクタ2001と、視認者によって装着され得る、接眼レンズ2000とを含む。いくつかの実施形態では、プロジェクタ2001は、赤色LEDのグループと、緑色LEDのグループと、青色LEDのグループとを含んでもよい。例えば、プロジェクタ2001は、2つの赤色LEDと、2つの緑色LEDと、2つの青色LEDとを含んでもよい。接眼レンズ2000は、1つ以上の接眼レンズ層を含んでもよい。一実施形態では、接眼レンズ2000は、3つの原色である、赤色、緑色、および青色毎に、1つの接眼レンズ層の3つの接眼レンズ層を含む。別の実施形態では、接眼レンズ2000は、仮想画像を1つの深度平面に形成するために構成される3つの原色毎の1つの接眼レンズ層のセットと、仮想画像を別の深度平面に形成するために構成される3つの原色毎の別の接眼レンズ層のセットとの6つの接眼レンズ層を含んでもよい。さらに別の実施形態では、接眼レンズ2000は、3つ以上の異なる深度平面のための3つの原色毎の3つ以上の接眼レンズ層を含んでもよい。各接眼レンズ層は、平面導波管を含み、内部結合格子(ICG)2007と、直交瞳エクスパンダ(OPE)領域2008と、射出瞳エクスパンダ(EPE)領域2009とを含んでもよい。
【0084】
プロジェクタ2001は、画像光を接眼レンズ層2000内のICG2007上に投影する。ICG2007は、プロジェクタ2001からの画像光をOPE領域2008に向かう方向に伝搬する平面導波管の中に結合する。導波管は、画像光を水平方向に全内部反射(TIR)によって伝搬する。OPE領域2008はまた、ICG207からの画像光を倍増および再指向させ、EPE領域2009に向かって導波管内を伝搬する、回折要素を含む。言い換えると、OPE領域2009は、EPEの異なる部分に送達される、直交方向におけるビームレットを倍増させる。EPE領域2009は、導波管内を伝搬する画像光の一部を外部結像し、視認者の眼2002に向かって接眼レンズ層2000の平面と略垂直方向に指向する、回折要素を含む。本方式では、プロジェクタ2001によって投影される画像が、視認者の眼2002によって視認され得る。
【0085】
上記に説明されるように、プロジェクタ2001によって生成された画像光は、3つの原色、すなわち、青色(B)、緑色(G)、および赤色(R)における光を含んでもよい。そのような画像光は、各成分色における画像光が接眼レンズ内の個別の導波管に結合され得るように、成分色に分離されることができる。本開示の実施形態は、図示されるプロジェクタの使用に限定されず、他のタイプのプロジェクタも、本開示の種々の実施形態において利用されることができる。
【0086】
プロジェクタ2001は、LED光源2003と、シリコン上液晶(LCOS)空間光変調器(SLM)2004とを含むが、本開示の実施形態は、本プロジェクタ技術に限定されず、ファイバ走査プロジェクタ、変形可能ミラーデバイス、微小機械スキャナ、LEDではなくレーザ光源の使用、正面照明設計を含む、光学、導波管、およびビームスプリッタの他の配列、および同等物を含む、他のプロジェクタ技術を含むことができる。
【0087】
図21は、本発明のある実施形態による、接眼レンズ2100の実施例を図示する。接眼レンズ2100は、世界側カバーウィンドウ2102と、眼側カバーウィンドウ2106とを含み、世界側カバーウィンドウ2102と眼側カバーウィンドウ2106との間に位置付けられる、1つ以上の導波管2104を保護してもよい。いくつかの実施形態では、接眼レンズ2100は、世界側カバーウィンドウ2102および眼側カバーウィンドウ2106の一方または両方を含まない。1つ以上の導波管2104は、各個々の導波管がその近隣導波管の一方または両方に結合されるように、層化配列においてともに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の導波管2104は、1つ以上の導波管2104が相互に直接接触しないように、縁シール(
図22に示される縁シール2208等)を介してともに結合される。
【0088】
図22は、本発明のある実施形態による、接眼レンズ2200のための導波管2204の層の実施例を図示する。図から分かるように、各導波管2204は、その間に配置される空気空間または別の材料を伴って、相互の上に整合されることができる。1つの例証的実施例では、世界側カバーウィンドウ2202および眼側カバーウィンドウ2206は、0.330mm厚であることができる。そのような実施例では、各導波管2204は、0.325mm厚であることができる。加えて、各層間には、0.027mm厚の空気空間があることができる。当業者は、寸法が異なり得ることを認識するであろう。
図22はまた、各導波管2204が色および深度平面と関連付けられ得ることを図示する。例えば、接眼レンズ2200は、3mおよび1m深度平面のための赤色導波管を含むことができる。赤色導波管は、赤色光を中継し、赤色光をユーザの眼に指定される深度において外部結合することができる。接眼レンズはさらに、3mおよび1m深度平面のための青色導波管を含むことができる。青色導波管は、青色光を中継し、青色光をユーザの眼に指定される深度において外部結合することができる。接眼レンズはさらに、3mおよび1m深度平面のための緑色導波管を含むことができる。緑色導波管は、緑色光を中継し、緑色光をユーザの眼に指定される深度において外部結合することができる。当業者は、導波管が、
図22に図示されるものと異なる順序であり得ることを認識するであろう。深度平面は、その導波管のEPEから外部結合された光が、発散し、ユーザによってユーザからある距離において生じるように知覚されるであろうように、個別の導波管の屈折力に関連する。当業者は、代替の指定される深度が、使用されてもよく、本明細書および
図22で使用される3mおよび1m深度平面は、単に、例証目的のためのものであることを理解されるであろう。
【0089】
図23は、本発明のある実施形態による、接眼レンズ2300の導波管2312の中に内部結合される光の単一ビームレットの経路の実施例を図示する。導波管2312は、ICG2320と、OPE2330と、EPE2340とを含むことができ、それぞれ、全内部反射によって光学波を誘導可能な材料(典型的には、高誘電率を有する誘電材料)から成る、基板2302上または該基板内に配置される。いくつかの実施形態では、接眼レンズ2300は、3つの導波管2312、2314、および2316を含むことができ、各導波管は、特定の波長の光に対応する。付加的またはより少ない導波管も、可能性として考えられる。導波管2314および2316はそれぞれ、導波管2312と同様に、ICGと、OPEと、EPEとを含むことができる。いくつかの実施形態では、投入された光2322は、
図23の描写に直交するz方向にICG2320において接眼レンズ2300に進入することができる。投入された光2322は、ICG2320に進入することができ、ICG2320内の格子は、内部結合された光2322内のある波長の光を回折させ得、内部結合された光2322の他の波長は、接眼レンズ2310の後続導波管層を通して継続する。いくつかの実施形態では、ICG2320は、特定の波長に特有の複数の別個の格子である。
【0090】
内部結合された光2322は、ICG2320によって、略+x方向にOPE2330に向かう扇状パターン2324によって描写されるような範囲だけではなく、また、略−x方向にOPE2330から離れる扇状パターン2326に及ぶ範囲にも及ぶ、導波管内のある方向に回折されることができる。他の扇状パターンに及ぶ他の光経路も、当然ながら、可能性として考えられ、投影光学およびICG2320によって構成される特定の格子および回折パターンに依存する。すなわち、光は、発散するビームとして導波管の中に回折せず、いくつかの実施形態では、画像光の一部の徐々に分散されるサンプリングは、接眼レンズを横断して徐々に拡張するビームレットの分布パターンを作成し得る。描写される扇状パターン2324内で回折される、内部結合された光2322は、概して、光経路2328に追従し、OPE2330に進入し、+x方向に横断し、OPE2330を構成する回折格子に衝打するにつれて、OPE2330を通して付帯分散サンプリングを伴い、一部は、周期的に、ユーザの眼に向かって−z方向に外部結合する前に、EPE2340へと下方に指向され、−y方向に横断することができる。
【0091】
図23が描写するように、導波管2312に対応する波長内の光の多くは、扇状パターン2326に回折される光等の指向性損失または扇状パターン2324内の全ての光を捕捉するために不適正に位置付けられたまたは定寸されたOPE2330に起因する捕捉損失のいずれかに起因して、損失され得る。
【0092】
図24は、本発明のある実施形態による、導波管2400のための上下トポロジの実施例を図示する。いくつかの実施形態では、光は、投影された画像と関連付けられる、またはそこから生じ得る。いくつかの実施形態では、接眼レンズおよび導波管(例えば、導波管2400)は、ユーザに接眼レンズを通して見えるように、少なくとも部分的に透明であることができる。いくつかの実施形態では、導波管2400は、1つ以上の面積を含むことができ、各面積は、特定の格子を伴う。例えば、導波管2400は、内部結合DOE(例えば、ICG2420)を伴う入力面積を含むことができる。内部結合DOEは、本説明全体を通して説明されるように、光をプロジェクタ中継器から受光することができる。光は、導波管2400に直交する入力面積に入射することができる。ICG2420は、光を導波管2400(すなわち、基板2402)の中に内部結合することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、導波管2400はさらに、第1の格子を有する導波管の部分(例えば、直交瞳エクスパンダ2430)とも称される、第1の面積を含むことができる。第1の格子は、導波管2400の平面表面内または該平面表面上に配置され、ICG2420によって平面導波管の中に回折または内部結合した後、全内部反射によって、導波管2400内を伝搬する光を操作することができる。いくつかの実施形態では、第1の格子の周期的構造は、第1の面積全体を通して、画像光を再指向する。そのような再指向は、内部結合された光ビームが第1の格子の周期的構造を通過するにつれて、内部結合された光ビームの回折サンプリングを通して生じる。故に、本明細書に説明される格子は、複数回、プロジェクタ瞳を構成するビームを回折し、導波管を通して伝搬する複数のビームレットを作成することによって、投影された画像の視認瞳を倍増(またはクローン化)し得る。多くのインスタンスでは、各ビームレットは、画像データを搬送し、複数のビームレットが、以下に説明されるように、最終的に導波管2400から外部結合すると、ユーザの眼は、画像情報を伝達する拡大されたサンプリングされた瞳として出現する複数のビームレットを知覚する。いくつかの実施形態では、第1の格子は、光の少なくとも一部(例えば、クローン化またはサンプリングされたビームレット)を第2の面積(例えば、EPE2440)に指向することができる。第2の面積または部分は、周期的構造を備える、第2の格子を有することができる。そのような実施形態では、第1の格子の周期的構造の配向は、ビームレットがその一部と相互作用するとき、サンプリングされたビームレットが、公称上直角に回折され、同時に、ビームレットをEPEに向かって回折し、サンプルをOPEを横断してさらに指向し、回折およびサンプリングを継続し、したがって、OPE内の画像光を複製し、付加的ビームレットをEPE2440に向かって回折するようなものであることができる。格子が、いくつかの実施形態では、例示的回折光学構造として議論されるが、本発明は、回折格子に限定されず、他の回折構造(例えば、六角形グリッドにレイアウトされた複数の島)も、本発明の範囲内に含まれることができることを理解されるであろう。
【0094】
したがって、いくつかの実施形態によると、光の任意の一部は、第1の格子によって、第1の面積(例えば、OPE2430)を横断して、複数回、回折されることができることを理解されるであろう。例えば、
図30Cに関連してより詳細に以下に説明されるように、第1の格子内の周期的構造は、画像光の一部を所与の方向(EPE2440に向かって等)に回折しながら、残りの部分を第2の方向に透過させることができる。光を徐々に回折することによって、光は、OPE2430を横断して「段階的に」クローン化されたビームレット(すなわち、回折によって画像光の一部を倍増またはサンプリングする)と見なされ得る。例えば、光線が、回折されながら、略x方向に進行する度に、光の一部は、EPE2440に向かって回折されることができる。回折された光の一部は、再び、一部をEPE2440に向かって略y方向に回折するまで、OPE2430を通して略x方向に継続し、残りの部分は、略x方向に継続する。いくつかの実施形態では、光の中心光線は、ICG2420によって導波管の中に内部結合され、OPE2430に向かって指向されることができる。OPE2430内を進行しながら、中心光線は、OPE2430によって直角に回折され、EPE2440に向かって指向されてもよい(または、他の実施形態では、鋭角に回折される)。
【0095】
いくつかの実施形態では、EPE2440は、光をOPE2430から受光することができる。いくつかの実施形態では、EPE2440の第2の格子は、光がOPE2430に関連して略y方向に進行した後、導波管2400からのそのような光を外部結合することができる。そのような実施形態では、光は、接眼レンズに内部結合される元々の投影された画像がアイボックスを通してユーザの視野内のプロジェクタの拡大瞳として現れるように、ユーザの眼に指向されることができる。いくつかの実施形態では、第1の面積および第2の面積は、導波管2400の別個の面積を占有することができる。
【0096】
図25は、本発明のある実施形態による、導波管2500のための重複トポロジの実施例を図示する。
図25に図示されるような重複配列は、EPE2540およびOPE2530が、直交ビューに対して類似領域を共有し得るとき、より小さい接眼レンズおよびより少ないサンプリングインスタンスが、光を分散方式においてユーザのアイボックスに指向することを可能にする(光干渉を低減させ得る)。当業者は、他の利点も理解するであろう。導波管2500は、導波管2400と同様に実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、導波管2500は、ICG2520と、OPE2530と、EPE2540とを含むことができ、それぞれ、基板2502に結合される。いくつかの実施形態では、OPE2530の第1の領域は、EPE2540の第1の領域と別個の導波管2500の領域を占有することができる。加えて、OPE2530の第2の領域は、EPE2540の第2の領域もまた占有する、導波管2500の重複された領域を占有することができる。言い換えると、OPE2530の領域は、EPE2540がある、導波管2500の領域を共有することができる。いくつかの実施形態では、OPE2530およびEPE2540が両方とも占有する、領域は、異なる平面(例えば、基板2502の異なる側)上にあることができる。いくつかの実施形態では、OPE2530は、第1の平面上にあることができ、EPE2540は、第2の平面上にあることができる。そのような実施形態では、光の一部は、重複された領域内のOPE2530を通して伝搬することができる一方、光の他の部分は、同一の重複された領域内のEPE2540によって導波管2500から透過される。
【0097】
いくつかの実施形態では、導波管2500から外部結合された光は、透過方向に沿って伝搬することができる。OPE2530は、透過方向に沿って測定された第1の位置に配置されることができる。加えて、EPE2540は、透過方向に沿って測定された第2の位置に配置されることができる。そのような実施形態では、透過方向に沿って測定された第2の位置は、透過方向に沿って測定された第1の位置よりユーザの眼に近くあることができる。いくつかの実施形態では、OPE2530の第1の位置は、導波管2500の背面側上、すなわち、導波管2500の世界側により近くあることができ、EPE2540の第2の位置は、導波管2500の正面側上、すなわち、ユーザの眼により近い側にあることができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、OPE2530は、導波管2500の正面側上にあることができ、EPE2540は、導波管2500の背面側上にあることができる。例えば、導波管2500から外部結合された光は、透過方向に沿って伝搬することができる。OPE2530は、透過方向に沿って測定された第1の位置に配置されることができる。加えて、EPE2540は、透過方向に沿って測定された第2の位置に配置されることができる。そのような実施形態では、透過方向に沿って測定された第1の位置は、透過方向に沿って測定された第2の位置よりユーザの眼に近くあることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、平面導波管層は、第1の瞳エクスパンダ(例えば、OPE)と、第2の瞳エクスパンダ(例えば、EPE)とを含むことができる。そのような実施形態では、第1の瞳エクスパンダの第1の平面は、第2の瞳エクスパンダの第2の平面とz方向において平行であることができる。そのような実施形態では、第1の平面の第1の領域は、第1の領域上に配置される第1の格子を有することができ、第2の平面の第2の領域は、第2の領域上に配置される第2の格子を有することができる。そのような実施形態では、第1の領域は、第1の格子を使用して、光をx方向および/またはy方向に回折するように構成され、第2の領域は、第2の格子を使用して、光をユーザの眼に外部結合するように構成される。そのような実施形態では、第1の領域は、第2の領域と空間的に重複することができる。
【0100】
前段落に説明される実施形態では、ユーザの眼に外部結合される光は、透過方向に沿って伝搬することができる。そのような実施例では、平面導波管層の第1の面積は、透過方向に沿って測定された第1の位置に配置されることができる。加えて、平面導波管層の第2の面積は、透過方向に沿って測定された第2の位置に配置されることができる。そのような実施形態では、透過方向に沿って測定された第2の位置は、
図25に図示されるように、透過方向に沿って測定された第1の位置よりユーザの眼に近くあることができる。他の実施形態では、透過方向に沿って測定された第1の位置は、透過方向に沿って測定された第2の位置よりユーザの眼に近くあることができる。
【0101】
上記に説明される実施形態では、ICG2520、OPE2530、およびEPE2540は、一列ではない。例えば、OPE2530は、第1の方向(例えば、略x方向)にICG2520から変位されている一方、EPE2540は、第1の方向と異なる第2の方向(例えば、略y方向)にICG2520から変位されている。
【0102】
図26は、本発明のある実施形態による、導波管2600のための一列トポロジの実施例を図示する。一列トポロジでは、OPE2630およびEPE2640は両方とも、第1の方向にICG2620から変位されることができる。言い換えると、光は、最終的に、OPE上において第1の方向に、EPE上において第2の方向に流動するのではなく、接眼レンズは、OPEが、光がICGによって平面導波管(すなわち、基板2602)の中に元々回折された方向と同一方向においてEPEに給送するように構造化されることができる。いくつかの実施形態では、光は、依然として、上記に説明されるように、OPE2630を通して段階的であることができる。そのような実施形態では、EPE2640は、光がOPEに進入した方法に対して直角ではなく、光が元々進んでいた方向と同一方向から光を受光することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、平面導波管層は、内部結合された光を受光するように構成される、内部結合DOE(例えば、ICG)を含むことができる。平面導波管層はさらに、第1の瞳エクスパンダと、第2の瞳エクスパンダとを含むことができる。第1の瞳エクスパンダは、光を内部結合DOEから受光し、光を第2の瞳エクスパンダに向かって回折するように構成されることができる。第2の瞳エクスパンダは、光を第1の瞳エクスパンダから受光し、光をユーザの眼に向かって外部結合するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、平面導波管層は、光が内部結合DOEから第1の瞳エクスパンダに第1の方向に流動するように構成されることができる。そのような実施形態では、平面導波管層はさらに、光が第1の瞳エクスパンダから第2の瞳エクスパンダに第1の方向に流動するように構成されることができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、OPE2630の回折効率は、光が、単に、任意の回折サンプリング(段階的効果)を伴わずに、OPE2630を通してずっと浸透し得ないように構成され、EPEに向かってy方向に回折する、より均一な光の分布をx方向に作成するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、OPE2630は、ICG2620とOPE2630の近接度に対する格子の場所に基づいて、可変回折効率を有することができる。例えば、OPE2630の一部の低回折効率は、ICG2620のより近くで使用され、ICG2620からより遠いより高い効率の回折格子が光をEPE2640に指向する前に、光の一部をEPE2640に向かって指向するが、実質的部分がOPE2630を略x方向に横断することを可能にすることができる。そのような実施例では、回折効率は、次いで、OPE2630を横断して変動され、平衡と、ICG2620によって平面導波管の中に回折される全ての光が、EPE2640に直ちに指向されるわけではないこと、または、光が全内部反射によってOPE2630の遠端に到達する時間までに、OPE2630によってOPE2630を横断してEPE2640に回折される量とほぼ同一量の光が存在することとを確実にすることができる。
【0105】
図27は、本発明のある実施形態による、可変回折効率のゾーンを伴うOPE2730の実施例を図示する。第1のゾーン2732は、20パーセントの回折効率を有することができる。第2のゾーン2734は、25パーセントの回折効率を有することができる。第3のゾーン2736は、33パーセントの回折効率を有することができる。第4のゾーン2738は、50パーセントの回折効率を有することができる。第5のゾーン2739は、99パーセントの回折効率を有することができる。光が、OPE2730全体を通して伝搬し、各ゾーンに進入するにつれて、回折効率は、ほぼ等量の光を各ゾーン内のEPE2740に向かって回折し、OPE2730を横断して平衡をもたらすであろう。回折効率が、高すぎる場合、例えば、第1のゾーン2732および第2のゾーン2734が、それぞれ、80%の回折効率を有する場合、非常にわずかな光が、略x方向に伝搬し、ユーザがコンテンツを視認するために得られるアイボックスは、外部結合するためにEPEへの回折前により多くの光が伝搬することを可能にするためのその範疇を横断してより低い回折効率を伴うOPEと比較して、非常に狭くなるであろう。当業者は、EPEの類似可変回折効率が、平面導波管からの光を外部結合するために、類似の望ましい効果を生産するであろうことを理解されるであろう。当業者はさらに、列挙されたパーセンテージが、例証にすぎず、ICGにより近いOPE端に向かった回折効率が、段階的効果が、おそらく、EPEに到達する前に、光をICGから離れるように回折し続けるであろうため、より高くある必要があり得ることを理解するであろう。
【0106】
図28は、本発明のある実施形態による、導波管2800のための先端およびクリップトポロジの実施例を図示する。導波管2800は、本明細書に説明される導波管と類似コンポーネントを含むことができるが、導波管2800のトポロジは、異なり得る。例えば、導波管2800の1つ以上のコンポーネントは、内部結合格子2820からの光の開扇現象の縁が、第1の瞳エクスパンダ2830および第2の瞳エクスパンダ2840の共通界面と整合するように、平面導波管(すなわち、基板2802)の中への光の開扇現象の角度に追従するように先鋭化されることができる。比較のために、内部結合格子2320および得られた扇状パターン2324を描写する、
図23を参照すると、直交瞳エクスパンダ2330は、その独自の形状において扇状パターンの縁に実質的に追従するが、直交瞳エクスパンダ2330と射出瞳エクスパンダ2340との間に間隙を残す。
図28の先端およびクリップトポロジでは、
図23の間隙は、除去され、個別の瞳エクスパンダが、より少ない空間を占有し、より小さい形状因子をもたらし得る。いくつかの実施形態では、導波管2800の開扇現象(ICG2820の格子によって生じる)は、OPE2830に関連して±20度であることができる。導波管2800の開扇現象は、開扇現象が第1の瞳エクスパンダ2830(
図24のOPE2430に対応し得る)に関連して+30度および−ゼロ度であり得るように変化されることができる。
【0107】
第1の瞳エクスパンダ2830は、
図24のOPE2430と同様に実施することができる。いくつかの実施形態では、第1の瞳エクスパンダ2830と関連付けられた平面導波管の平面表面内または該平面表面上に配置される、第1の格子は、略y方向に第2の瞳エクスパンダ2840に向かって再指向するように、平面導波管の中に内部結合される光を鋭角(x−y平面において)で回折させることができる。当業者は、導波管2800のトポロジが、瞳エクスパンダによってそのような中心光線から倍増される複数の光線に、
図28に描写される光の光線と実質的に類似経路を追従させることができることを認識するであろう。光経路2828は、
図28では、ICG2820によって導波管2800の中に内部結合され、続いて、第1の瞳エクスパンダ2830によって倍増され、次いで、第2の瞳エクスパンダ2840に向かって回折される、光ビームの方向を示すように図示される。
【0108】
導波管のコンポーネントのトポロジを変化させることによって、導波管2800は、
図24に図示されるように、OPE2430とEPE2440との間の導波管2400内に含まれる空間を排除することができる。加えて、第1の瞳エクスパンダ2830の一部(すなわち、除去される面積2860)が、除去され(
図24のOPE2430と比較して)、そうでなければ第2の瞳エクスパンダ2840に回折されるであろう、除去される面積2860からの余剰量の光に対して接眼レンズの重量およびサイズを最大限にすることができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、第2の瞳エクスパンダ2840はまた、ある程度、傾斜されることができる。第2の瞳エクスパンダ2840は、ICG2820および/または第1の瞳エクスパンダ2830が傾斜される量から独立した量で傾斜されることができる。いくつかの実施形態では、第2の瞳エクスパンダ2840は、アイボックスとして識別される部分を含むことができる。アイボックスは、ユーザの特定の眼に対するユーザの視野が導波管に対して位置すべき場所であることができる。前述のように、本説明では、x方向におけるアイボックスの寸法のx軸は、概ね、OPEと略x方向に平面導波管を伝搬する光の量の関数であって、y方向におけるアイボックスの寸法は、概ね、EPEと略y方向に平面導波管を伝搬する光の量の関数である。当業者は、本説明全体を通して説明される導波管のいずれかに適用されるように、かつその場合の、アイボックスの関連性および幾何学形状を理解するであろう。
【0110】
図29は、本発明のある実施形態による、導波管2900のための蝶ネクタイトポロジの実施例を図示する。導波管2900は、典型的には、瞳エクスパンダから離れるように回折されるであろう、光を利用することによって、他の導波管設計に存在する損失を緩和し得る。得られた扇状パターンがy軸およびx軸と整合されるように(
図29に示されるように)、ICG2920を配向することによって、導波管2900は、はるかに多くの回折された内部結合光を捕捉する、第1の瞳エクスパンダ2930Aと、第2の瞳エクスパンダ2930Bとを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の瞳エクスパンダ2930Aおよび第2の瞳エクスパンダ2930Bは、OPEであることができる。いくつかの実施形態では、導波管2900はさらに、EPE等の第3の瞳エクスパンダ2940を含むことができる。
【0111】
導波管2900は、導波管2900が、2つのより小さい瞳エクスパンダ(例えば、第1の瞳エクスパンダ2930Aおよび第2の瞳エクスパンダ2930B)を含み得るため、単一OPE(上記に説明されるもの等)のサイズを低減させることができる。いくつかの実施形態では、第1の瞳エクスパンダ2930Aおよび第2の瞳エクスパンダ2930Bは、OPEに類似することができるが、一部が、上記に説明されるように、除去される(例えば、除去される面積2932Aおよび2932B)。第1の瞳エクスパンダ2930Aおよび第2の瞳エクスパンダ2930Bは、受光された光を倍増させ、光を第3の瞳エクスパンダ2940(上記に説明されるものと同様)に指向することができる。いくつかの実施形態では、第1の瞳エクスパンダ2930Aおよび第2の瞳エクスパンダ2930Bは、上記に説明されるように、略x方向ではなく、x−y平面においてある角度で光を指向することができる。角度は、第1の瞳エクスパンダ2930Aおよび2930Bに光経路2928によって図示されるように、光を第3の瞳エクスパンダ2940に送光させることができる。いくつかの実施形態では、導波管2900は、本明細書に説明される他の導波管と比較して、効率を約2倍にすることができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、導波管2900はさらに、1つ以上の拡散器(例えば、拡散器2932Aおよび拡散器2932B)を含むことができる。1つ以上の拡散器は、ICG2920から直接第3の瞳エクスパンダ2940の中心に透過する、光を捕捉することができる。1つ以上の拡散器は、本明細書に説明される1つ以上のOPEに類似する格子を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の拡散器の格子も同様に、第3の瞳エクスパンダ2940への光を段階的にすることができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、接眼レンズは、平面導波管層を含むことができる。平面導波管層は、第1の瞳エクスパンダと、第2の瞳エクスパンダと、第3の瞳エクスパンダとを含むことができる。第1の瞳エクスパンダは、光を内部結合DOE(例えば、ICG)から受光するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1の瞳エクスパンダは、光を第3の瞳エクスパンダに向かって回折するように構成される、第1の格子を有することができる。第2の瞳エクスパンダは、光を内部結合DOEから受光するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第2の瞳エクスパンダは、光を第3の瞳エクスパンダに向かって回折するための格子を有することができる。第2の瞳エクスパンダは、第1の瞳エクスパンダと反対の内部結合DOEの側上に位置することができる。いくつかの実施形態では、第3の瞳エクスパンダは、第2の格子を有することができる。第3の瞳エクスパンダは、光を第1の瞳エクスパンダおよび第2の瞳エクスパンダから受光するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第3の瞳エクスパンダはまた、第2の格子を使用して、光をユーザの眼に外部結合するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、平面導波管層はさらに、光を内部結合DOEから受光し、光を第3の瞳エクスパンダのアイボックスに透過させるように構成される、拡散器を含むことができる。いくつかの実施形態では、拡散器は、光を第3の瞳エクスパンダに指向する前に、複数回、光を回折するように構成される、第3の格子を有することができる。いくつかの実施形態では、拡散器は、第1の瞳エクスパンダおよび第2の瞳エクスパンダと異なる内部結合DOEの側上に位置することができる。
【0114】
図30Aは、本発明のある実施形態による、導波管3000のための蝶ネクタイトポロジの実施例を図示する。導波管3000は、入力結合器領域3010(ICGを含む)と、上側OPE領域3020Aと、下側OPE領域3020Bと、EPE領域3030とを含むことができる。いくつかの実施形態では、導波管3000はまた、上側拡散器領域3040Aと、下側拡散器領域3040Bとを含むことができる。導波管3000は、少なくとも部分的に透明である、基板材料から作製されてもよい。例えば、導波管3000は、ガラス、プラスチック、ポリカーボネート、サファイア等の基板3002から作製されることができる。選択された材料は、1を上回る屈折率、より好ましくは、1.4を上回る、またはより好ましくは、1.6を上回る、または最も好ましくは、1.8を上回る比較的に高屈折率を有し、光誘導を促進してもよい。基板3002の厚さは、例えば、325ミクロンまたはそれ未満であってもよい。導波管3000の説明される領域はそれぞれ、1つ以上の回折構造を導波管基板3002上または該基板内に形成することによって作製されることができる。具体的回折構造は、領域毎に変動する。
【0115】
図30Aに示されるように、光線3024Aおよび3024Bはそれぞれ、それに沿って、入力結合器領域3010の9時位置に投影された入力画像の4つの角に対応する入力光線が、上側OPE領域3020Aおよび下側OPE領域3020Bに向かって再指向される、経路を図示する。同様に、光線3026Aおよび3026Bは、それぞれ、それに沿って、入力結合器領域3010の3時位置に投影された入力画像の4つの角に対応する入力光線が、上側OPE領域3020Aおよび下側OPE領域3020Bに向かって再指向される、経路を図示する。
【0116】
図30Bは、本発明のある実施形態による、導波管3000のための回折光学特徴の種々の拡大図を図示する。導波管3000の回折光学特徴は、入力結合器領域3010において接眼レンズの中に投影された画像を導波管3000を通して伝搬させ、EPE領域3030からユーザの眼に向かって外に投影させる。概して、画像は、光の光線を介して、導波管3000の中に投影され、これは、図示されるz軸に近似的に沿って進行し、基板3002の外側から入力結合器領域3010上に入射する。入力結合器領域3010は、回折光学特徴を含み、これは、全内部反射を介して、導波管3000の基板3002の内側に伝搬するように、光の入力光線を再指向する。いくつかの実施形態では、入力結合器領域3010は、上側および下側OPE領域3020間に対称的に位置する。入力結合器領域3010は、入力光を分割し、これらのOPE領域3020の両方に向かって再指向し得る。
【0117】
OPE領域3020は、回折光学特徴を含み、これは、少なくとも2つの機能を実施する。すなわち、第1に、それらは、光の各入力光線を複数の多くの離間される平行光線に分割し、第2に、それらは、経路上の本複数の光の光線を、概して、EPE領域3030に向かって再指向する。EPE領域3030も同様に、回折光学特徴を含む。EPE領域3030の回折光学特徴は、導波管3000の基板3002から出射し、ユーザの眼に向かって伝搬するように、OPE領域3020から生じる光の光線を再指向する。EPE領域3030の回折光学特徴はまた、ある程度の屈折力を光の出射ビームに付与し、本明細書のいずれかの場所に議論されるように、それらが所望の深度平面から生じるかのように現れさせ得る。導波管3000は、光線がEPE領域3030によって出力される出射の角度が、入力結合器領域3010における対応する入力光線の入射の角度と一意に相関され、それによって、眼が入力画像を忠実に再現することを可能にする性質を有する。
【0118】
導波管3000の光学動作が、ここで、より詳細に説明される。最初に、VR/AR/MR画像が、1つ以上の入力デバイスから入力結合器領域3010において導波管3000の中に投影される。入力デバイスは、例えば、空間光変調器プロジェクタ(ユーザの顔に対して導波管3000の正面または背後に位置する)、ファイバ走査プロジェクタ、または同等物であることができる。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)、シリコン上液晶(LCoS)、またはファイバ走査ディスプレイ(FSD)技術を使用してもよいが、その他もまた、使用されることができる。入力デバイスは、1つ以上の光の光線を入力結合器領域3010の下位部分上に投影することができる。
【0119】
入力結合器領域3010の異なる下位部分は、接眼レンズを構成する複数のスタックされた導波管毎に、画像を入力するために使用されることができる。これは、導波管3000毎に、画像を接眼レンズのその導波管3000の中に入力するために取って置かれている入力結合器領域3010の下位部分に、適切な回折光学特徴を提供することによって遂行されることができる。これらの下位部分は、特定の波長および/または深度平面における光を内部結合するための分離瞳と称され得る。例えば、1つの導波管3000は、その入力結合器領域3010の中心に提供される回折特徴を有してもよい一方、その他は、その個別の入力結合器領域の周縁、例えば、3時または9時位置に提供される回折特徴を有してもよい。したがって、導波管3000毎に意図される入力画像は、他の導波管の中に指向されずに、正しい画像が正しい導波管3000の中に指向されるように、プロジェクタによって、入力結合器領域3010の対応する部分に照準化されることができる。
【0120】
プロジェクタは、光の入力光線が、概して、図示されるz方向に沿って基板3002の入力結合器領域3010に接近するように、提供されてもよい(但し、典型的には、入力画像の異なる点に対応する光線が異なる角度に投影されるであろうことを前提として、ある程度の角度逸脱が存在する)。任意の所与の基板3002の入力結合器領域3010は、回折光学特徴を含み、これは、適切な角度において光の入力光線を再指向し、全内部反射を介して、導波管3000の基板3002内を伝搬させる。拡大
図3012によって示されるように、いくつかの実施形態では、入力結合器領域3010の回折光学特徴は、多くの線から成る回折格子を形成し得、これは、図示されるx方向に水平に延在し、周期的に、図示されるy方向に垂直に繰り返される。いくつかの実施形態では、線は、導波管3000の基板3002の中にエッチングされてもよく、および/または基板3002上に堆積される材料から形成されてもよい。例えば、入力結合器格子は、基板の背面表面(入力光線が進入する側と反対)の中にエッチングされ、次いで、金属等のスパッタリングされた反射材料で被覆される、線を備えてもよい。そのような実施形態では、入力結合器格子は、反射モードで作用するが、他の設計は、透過モードを使用することができる。入力結合器格子は、いくつかのタイプのいずれかであることができ、表面起伏格子、バイナリ表面起伏構造、体積ホログラフィック光学要素(VHOE)、切替可能ポリマー分散液晶格子等を含む。線の周期、デューティサイクル、深度、プロファイル等は、基板/導波管が設計される光の波長、格子の所望の回折効率、および他の要因に基づいて選択されることができる。
【0121】
本入力結合器回折格子上に入射する、入力光は、分裂され、上側OPE領域3020Aに向かって+y方向に上向きにと、下側OPE領域3020Bに向かって−y方向に下向きにの両方において再指向される。具体的には、入力結合器領域3010の回折格子上に入射する、入力光は、正および負の回折次数に分離され、正の回折次数は、上側OPE領域3020Aに向かって上向きに指向され、負の回折次数は、下側OPE領域3020Bに向かって下向きに指向される、またはその逆である。いくつかの実施形態では、入力結合器領域3010における回折格子は、主に、入力光を+1および−1回折次数の中に結合するように設計される。(回折格子は、0次回折次数および1次回折次数を超えるより高い回折次数を低減または排除させるように設計されることができる。これは、各線のプロファイルを適切に成形することによって遂行されることができる。)
【0122】
上側OPE領域3020Aおよび下側OPE領域3020Bはまた、回折光学特徴を含む。いくつかの実施形態では、これらの回折光学特徴は、導波管3000の基板3002上または該基板内に形成される線である。線の周期、デューティサイクル、深度、プロファイル等は、基板/導波管が設計される光の波長、格子の所望の回折効率、および他の要因に基づいて、選択されることができる。OPE領域3020Aおよび3020Bの具体的形状は、変動することができるが、一般に、入力画像の完全ビューを提供するように、入力画像の角に対応する光の光線およびその間の全ての光の光線を遠近調節するために必要とされるものに基づいて決定されてもよい。
【0123】
前述のように、OPE領域3020Aおよび3020B内のこれらの回折格子の1つの目的は、各入力光線を複数の多重離間平行光線に分裂させることである。これは、各格子線が光線の所望の部分のみを再指向する一方、残りの部分が同一方向に伝搬し続けるように、比較的に低回折効率を有するようにOPE回折格子を設計することによって遂行されることができる。(格子の回折効率に影響を及ぼすために使用され得る、1つのパラメータは、線のエッチング深度である。)OPE領域3020A、3020B内の回折格子の別の目的は、概して、EPE領域3030に向かって、それらの光線を経路に沿って指向することである。すなわち、光線がOPE回折格子の線上に入射する度に、その一部は、EPE領域3030に向かって偏向されるであろう一方、残りの部分は、OPE領域内で次の線まで透過し続け、別の部分は、EPE領域に向かって偏向される等となる。このように、各入力光線は、複数の平行光線に分割され、これは、概して、EPE領域3030に向かって、経路に沿って指向される。これは、
図30Cに図示される。
【0124】
OPE回折格子の配向は、概して、EPE領域3030に向かって、それらの光線を偏向するように、入力結合器領域3010から到着する光線に対して傾けられることができる。傾きの具体的角度は、導波管3000の種々の領域のレイアウトに依存し得る。
図30Bに図示される実施形態では、上側OPE領域3020Aは、180°離れて配向されるように、+y方向に延在する一方、下側OPE領域3020Bは、−y方向に延在する。一方、EPE領域3030は、OPE領域3020Aおよび3020Bの軸に対して90°に位置する。したがって、OPE領域3020Aおよび3020Bからの光をEPE領域3030に向かって再指向するために、OPE領域の回折格子は、図示されるx軸に対して約+/−45°に配向されてもよい。具体的には、拡大
図3022Aによって示されるように、上側OPE領域3020Aの回折格子は、x軸に対して約+45°に配向される線から成ってもよい。一方、拡大
図3022Bによって示されるように、下側OPE領域3020Bの回折格子は、x軸に対して約−45°に配向される線から成ってもよい。
【0125】
図30Cは、本発明のある実施形態による、導波管3000のためのOPE領域内の段階的効果の光学動作を図示する。
図30Cに示されるOPE領域は、
図30Aおよび30BのOPE領域に対応し得る。図示されるように、入力光線3011は、入力結合器領域3010から上側OPE領域3020Aに進入する。各入力光線3011は、全内部反射を介して、導波管3000を通して伝搬し、基板3002の上部および底部表面間で繰り返し反射する。入力光線3011が、上側OPE領域3020A内に形成される回折格子の周期的構造を描写する、線3028のうちの1つ上に入射すると、光線の一部は、EPE領域3030に向かって指向される一方、光線の別の部分は、OPE領域3020Aを通して、同一経路に沿って継続する。これは、回折格子の各線において生じ、これは、各入力光線3011がオリジナル光の複数の光線またはビームレットの中にサンプリングされることをもたらす。これらの光線の一部の経路は、矢印によって
図30Cに示される。
【0126】
図30Bに戻って参照すると、いくつかの実施形態では、1つのOPE領域が入力結合器領域3010から正の回折次数を受光し、他のOPE領域が負の回折次数を受光するにつれて、導波管3000が入力結合器領域3010からの正のおよび負の回折次数からの光を効率的に利用することを可能にするため、入力結合器領域3010が、2つのOPE領域間に位置することが有利であり得る。正のおよび負の回折次数からの光は、次いで、EPE領域3030において再組み合わせされ、ユーザの眼に指向されることができる。上側および下側OPE領域3020Aと3020Bとの間の入力結合器領域3010の位置は、この点において有利であるが、入力結合器領域3010が、事実上、EPE領域3030の中心部分を陰影化する結果をもたらし得る。すなわち、入力光線が、入力結合器によって正および負の回折次数に分離され、EPE領域3030に向かって+x方向に再指向される前に、最初に、+y方向または−y方向に指向されるため、より少ない光線が、
図30Aおよび30Bでは、入力結合器領域3010のすぐ左に位置する、EPE領域の中心部分に到達し得る。これは、EPE領域3030の中心がユーザの眼と整合される場合、より少ない光線が、OPE領域3020間の入力結合器領域3010の位置によって生じる、本陰影効果に起因して、ユーザの眼に最終的に指向され得るため、望ましくあり得ない。本問題に対するソリューションとして、導波管3000はまた、上側および下側拡散器領域3040Aおよび3040Bを含んでもよい。これらの拡散器領域は、EPE領域3030の中心部分を充填するように、OPE領域からの光線を再指向することができる。上側および下側拡散器領域3040Aおよび3040Bは、
図30Bに図示される回折特徴を用いて、本タスクを遂行する。
【0127】
拡大
図3042Aに示されるように、上側拡散器領域3040Aは、回折格子を含むことができ、その格子線は、上側拡散器領域3040Aが主に光を受光する、近隣上側OPE領域3020A内の格子線に直交する、x軸に対して約−45°で形成される。OPE格子のように、拡散器領域内の格子の効率は、格子の各線上に入射する光線の一部のみが再指向されるように設計されることができる。上側拡散器領域3040A内の回折格子線の配向に起因して、上側OPE領域3020Aからの光線は、EPE領域3030に向かって+x方向に継続する前に、略−y方向に再指向される。したがって、上側拡散器領域3040Aは、EPE領域3030に対する入力結合器領域3010の位置によって生じる任意の陰影にもかかわらず、EPE領域3030の中心部分に到達する、光線の数を増加させることに役立つ。同様に、拡大
図3042Bに示されるように、下側拡散器領域3040Bは、格子線を含むことができ、これは、下側拡散器領域3040Bが主に光を受光する近隣下側OPE領域3020B内の格子線に直交する、x軸に対して約+45°で形成される。下側拡散器領域3040B内の回折格子線は、EPE領域3030に向かって+x方向に継続する前に、下側OPE領域3020Bからの光線を略+y方向に再指向させる。したがって、下側拡散器領域3040Bもまた、EPE領域3030の中心部分に到達する、光線の数を増加させることに役立つ。
【0128】
OPE領域3020Aおよび3020Bおよび拡散器領域3040Aおよび3040Bからの光線は、EPE領域3030に最終的に到達するまで、導波管3000の基板3002を通して伝搬する。EPE領域3030は、回折光学特徴を含むことができ、これは、導波管3000からの光線をユーザの眼に向かって再指向する。拡大
図3032に示されるように、EPE領域3030の回折光学特徴は、垂直格子線であることができ、これは、y方向に延在し、x方向に周期性を呈する。代替として、
図31Aに示されるように、EPE領域3030内の回折格子の線は、屈折力を画像に付与するために、幾分、湾曲されることができる。線の周期、デューティサイクル、深度、プロファイル等は、基板/導波管が設計される光の波長、格子の所望の回折効率、および他の要因に基づいて、選択されることができる。EPE領域3030内のこれらの格子線のそれぞれ上に入射する、光線の一部は、導波管3000の基板3002から再指向される。各出力光線が導波管3000のEPE領域3030から出射する、具体的角度は、入力結合器領域3010における対応する入力光線の入射角によって決定される。
【0129】
図31Aは、本発明のある実施形態による、導波管3100の実施例を図示し、これは、2つの重畳される回折格子を有する、入力結合器領域3110を含む。導波管3100は、基板3102とともに形成され、入力結合器領域3110と、上側OPE領域3120Aと、下側OPE領域3120Bと、EPE領域3130とを含む。別様に注記されない限り、導波管3100は、
図30A−30Cに図示される導波管3000と同様に機能することができる。導波管3100の設計は、必ずしも、
図30A−30Cに関して議論される拡散器領域3040Aおよび3040Bのタイプを使用せずに、EPE領域3130の中心部分(入力結合器領域3110のすぐ左に位置する)に向かって指向される光の量を増加させるための別の方法を表す。
【0130】
図30A、30B、および30Cにおける導波管3000と比較した
図31Aにおける導波管3100間の主な差異は、入力結合器領域3110の設計である。導波管3000では、入力結合器領域3010は、入力光を主に上側および下側OPE領域3020Aおよび3020Bに再指向するように設計された。対照的に、
図31Aに示される入力結合器領域3110は、入力光を上側および下側OPE領域3120Aおよび3120Bの両方に指向し、かつEPE領域3130に直接指向するように設計される。これは、2つの回折格子を入力結合器領域3110内で相互の上に重畳することによって遂行されることができる。
【0131】
図31Bは、本発明のある実施形態による、2つの重畳される回折格子から成る入力結合器領域3110の実施例の斜視図を図示する。第1の回折格子3141は、
図30A−30Cに関して図示されるものと同様に形成されることができる。具体的には、2つの重畳される回折格子が相互に直交するように、x方向に延在し、y方向に周期的に繰り返される、線から成ることができる。本第1の回折格子3141は、入力光を正および負の回折次数に分裂させ、これは、それぞれ、上側および下側OPE領域3120Aおよび3120Bに向かって指向される。第1の回折格子3141は、第1の回折効率を有し、OPE領域3120Aおよび3120Bに向かって再指向される、入力光の割合を制御することができる。
【0132】
第2の回折格子3142は、y方向に延在し、x方向に周期的に繰り返される、線から成ることができる。言い換えると、第2の回折格子1342は、第1の回折格子に対して約90°に配向されることができる。第2の回折格子1342の本配向は、最初にOPE領域を通して通過せずに、光の入力光線を、本実施形態では、OPE領域3120Aおよび3120Bが入力結合器領域3110に対して位置する方向から略90°方向に位置する、EPE領域3130に向かって再指向させる。(第2の回折格子3142はまた、他の実施形態では、EPE領域3130が位置する方向に応じて、他の配向を有し得る。)第2の回折格子3142は、第2の回折効率を有するように設計されることができ、これは、第1の回折効率と異なってもよい。いくつかの実施形態では、第2の回折格子3142は、第1の回折格子3141ほど効率的ではないように設計されることができる。これは、例えば、
図31Bに示されるように、第1の回折格子のものより浅く、第2の回折格子3142の線を作製し、入力光の大部分を第1の回折格子3141によって上側および下側OPE領域3120Aおよび3120Bに向かって再指向させる(それぞれ、光線3112Aおよび3112Bによって表される)一方、入力光のより少ない部分が、第2の回折格子3142によってEPE領域3130に向かって直接再指向される(光線3114によって表される)ことによって遂行されることができる。入力結合器領域3110は、入力光の一部を直接EPE領域3130に向かって再指向するため、入力結合器領域によるEPE領域の中心部分の前述の陰影は、低減されることができる。
【0133】
図32Aは、本発明のある実施形態による、上側および下側OPE領域をEPE領域に向かって角度付けることによって、コンパクトな形状因子を有する、導波管3200の実施例を図示する。導波管3200は、基板3202とともに形成され、入力結合器領域3210と、上側OPE領域3220Aと、下側OPE領域3220Bと、EPE領域3230とを含む。別様に注記されない限り、
図32Aに示される導波管3200は、
図30A−30Cに図示される導波管と同様に機能することができる。
【0134】
図30A−30Cにおける導波管3000と比較した
図32Aにおける導波管3200間の主な差異は、OPE領域3220Aおよび3220Bが、EPE領域3230に向かって角度付けられることである。
図32Aに示される実施形態では、各OPE領域は、約30度y軸から傾斜される。したがって、
図30A−30Cに図示される実施形態におけるように、約180度分離されるのではなく、上側OPE領域3220Aおよび下側OPE領域3220Bは、約120度分離される。例えば、入力結合器領域3210は、第1の方向(y軸から30度上向き)、第2の方向(y軸から30度下向き)、および第3の方向(+x方向)を含む、複数の方向に、投影された画像に関連する内部結合された光を基板3202の中に回折するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の方向は、第2の方向と120度の角度を形成する。いくつかの実施形態では、第3の方向は、第1の方向および第2の方向のそれぞれと60度の角度を形成する。EPE領域3230に向かったOPE領域3220Aおよび3220Bの角度付けの精密な量は、変動し得るが、一般に、そのような角度付けは、導波管3200が、よりコンパクトな設計を達成することを可能にし得る。これは、VR/AR/MRシステムの頭部搭載型ディスプレイがあまり嵩張らないようにすることを可能にし得るため、有利であり得る。
【0135】
入力結合器領域3210内の回折特徴の設計は、入力光線が導波管3200の基板3202の中に透過される角度に合致し、その結果、それらがOPE領域3220Aおよび3220Bが入力結合器領域3210に対して位置する方向に対応するように修正されることができる。入力結合器領域3210の回折特徴の例示的実施形態は、
図32Bにおける拡大
図3212に示される。
【0136】
図32Bは、本発明のある実施形態による、
図32Aに示される導波管3200の入力結合器領域3210の回折光学特徴の実施例を図示する。図示される実施形態では、入力結合器領域3210は、六角形グリッド3216内にレイアウトされた複数の島3214を有する(各島3214の周囲の破線は、六角形グリッドを図示するために意図され、必ずしも、破線に沿った任意の物理的構造に対応しないことに留意されたい)。回折特徴の六角形グリッド3216は、入力結合器領域3210上に入射する光の入力光線を60度間隔で複数の方向に導波管3200の基板3202の中に透過させる。したがって、
図32Aに示されるように、第1の入力光線のセットは、x軸に対して約60度で上側OPE領域3220Aに向かって発せられ、第2の入力光線のセットは、x軸に対して約−60度で下側OPE領域3220Bに向かって発せられ、第3の入力光線のセットは、概して、x軸に沿って、直接、EPE領域3230に向かって発せられる。
【0137】
他のモザイク式構成もまた、導波管3200の形状および入力結合器領域3210からOPE領域3220への方向に応じて、使用されることができる。島3214の具体的形状は、光がこれらの方向のそれぞれの中に再指向される、効率を決定する。図示される実施形態では、島3214はそれぞれ、菱形であるが、他の形状もまた、可能性として考えられる(例えば、円形、正方形、長方形等)。加えて、島3214は、単一段階または多段階であることができる。いくつかの実施形態では、入力結合器領域3210の回折特徴は、島3214を基板3202の背面表面(入力光線が入力デバイスから基板3202に進入する側と反対側)の中にエッチングすることによって形成される。基板3202の背面表面上にエッチングされた島は、次いで、コーティングされ、次いで、反射材料を追加することができる。このように、回折特徴が反射モードで動作するように、光の入力光線は、基板の正面表面に進入し、背面表面上にエッチングされた島から基板の表面に反射/回折する。上側OPE領域3220Aおよび下側OPE領域3220Bは、前述のように、回折光学特徴を含んでもよい。上側OPE領域3220Aの回折特徴は、
図32Cにおける拡大
図3222に図示される。
【0138】
図32Cは、本発明のある実施形態による、
図32Aに示される導波管3200のOPE領域3220Aの回折光学特徴の実施例を図示する。導波管3000のOPE領域の回折特徴の場合のように、
図32Aに示される導波管3200のOPE領域3220Aおよび3220Bの回折特徴も同様に、線のパターンを周期的に繰り返し、これは、回折格子を形成する。しかしながら、この場合、線が配向される角度は、依然として、光の光線をEPE領域3230に向かって再指向するように、OPE領域3220Aの傾けられた配向の観点から調節されている。具体的には、上側OPE領域3220A内の回折格子の線は、x軸に対して約+30度に配向される。同様に、下側OPE領域3220B内の回折格子の線は、x軸に対して約−30度に配向される。
【0139】
図33Aは、本発明のある実施形態による、片側構成において組み合わせられたOPE/EPE領域3350を有する、導波管3300の実施例を図示する。組み合わせられたOPE/EPE領域3350は、x方向およびy方向において空間的に重複する、OPEおよびEPEの両方に対応する格子を含む。いくつかの実施形態では、OPEおよびEPEの両方に対応する格子は、OPE格子がEPE格子上に重畳されるか、またはEPE格子がOPE格子上に重畳されるかのいずれか(または両方)であるように、基板3302の同一側上に位置する。他の実施形態では、OPE格子は、格子がx方向およびy方向に空間的に重複するが、z方向(すなわち、異なる平面)において相互から分離されるように、EPE格子と反対の基板3302の側上に位置する。したがって、組み合わせられたOPE/EPE領域3350は、片側構成または両側構成のいずれかで実装されることができる。両側構成の一実施形態は、
図34Aおよび34Bを参照して示される。
【0140】
図33Bは、本発明のある実施形態による、走査電子顕微鏡(SEM)によって捕捉された片側構成における組み合わせられたOPE/EPE領域3350の実施例を図示する。組み合わせられたOPE/EPE領域3350は、3つの格子のセット、すなわち、第1のOPE格子3351と、第2のOPE格子3352と、EPE格子3353とを含んでもよい。3つの格子のセットを相互上に重畳することによって、3つの格子のセットは、ともに統合され、杉綾模様隆起を伴う3D格子ナノ構造を形成する。
図33Bに表示される平行線は、3つの格子のセットの周期性を示す。いくつかの実施形態では、3つの格子のセットは、干渉リソグラフィ技法を使用して、基板3302上に生成される。いくつかのインスタンスでは、3つの格子のセットは、連続して生成される。例えば、干渉リソグラフィを使用して、第1のOPE格子3351が、最初に、生成されてもよい。第1のOPE格子3351の完成後、第2のOPE格子3352が、干渉リソグラフィを使用して、直接、仕上げられた第1のOPE格子3351の上部に生成されてもよい。最後に、第2のOPE格子3352の完成後、EPE格子3353が、干渉リソグラフィを使用して、生成されてもよい。このように、3つの格子のセットは、相互上に重畳されてもよい。いくつかの実施形態では、組み合わせられたOPE/EPE領域3350の性能は、第1のOPE格子3351および第2のOPE格子3352の完成後、EPE格子3353を生成し、それによって、EPE格子3353の機能性の大部分を留保することによって改良される。
【0141】
いくつかの実施形態では、3つの格子のセットは全て、干渉リソグラフィを使用して、単一処理の間、同時に生成される。例えば、干渉リソグラフィを実施することに先立って、所望の格子構造が、算出デバイスを使用して算出されてもよい。所望の格子構造は、3つの格子のセットの和または平均を含んでもよい。所望の格子構造を算出後、干渉リソグラフィが、所望の格子構造を基板3302上に生成するために使用されてもよい。このように、3つの格子のセットは、相互上に重畳されてもよい。いくつかの実施形態では、組み合わせられたOPE/EPE領域3350の性能は、最初に、説明される技法を使用して、第1のOPE格子3351および第2のOPE格子3352の組み合わせを生成し、次いで、続いて、組み合わせられたOPE格子の完成後、EPE格子3353を生成し、それによって、EPE格子3353の機能性の大部分を留保することによって改良される。いくつかの実施形態では、組み合わせられたOPE/EPE領域3350の性能は、EPE格子3353の最小値または最大値を組み合わせられたOPE/EPE領域3350の縁に向かって増加させ、それによって、組み合わせられたOPE/EPE領域3350の縁に沿って光を外部結合する確率を増加させることによって改良される。
【0142】
図33Bでは図示されないが、いくつかの実施形態では、組み合わせられたOPE/EPE領域3350は、組み合わせられたOPE/EPE領域3350の縁に沿って(例えば、4つの側に沿って)、回折ミラーを含む。回折ミラーは、光を組み合わせられたOPE/EPE領域3350の中に後方に回折し、そうでなければ導波管3300から出射するであろう光を導波管3300内で伝搬させ続けるために、一連の非常に細かいピッチの格子を含んでもよい。1つ以上の回折ミラーの含有は、射出瞳のよりランダムなアレイを作成することによって、導波管効率を増加させ、コヒーレント光アーチファクトを改良する。当業者に明白であろうように、本発明は、3つの格子構造の重畳に限定されず、例えば、他の数の格子または他の回折構造が、重畳されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0143】
図33Cは、本発明のある実施形態による、導波管3300内の光経路3328の実施例を図示する。光経路3328は、ICG3320において基板3302の中に結合される、入射光(3328Aとして示される)を含む。内部結合された光(3328Bとして示される)は、全内部反射によって、格子3351、3352、および3353に向かって伝搬する。これらの光線が、第1のOPE格子3351に遭遇すると、光は、+y方向に回折され(3328Cとして示される)、続いて、EPE格子3353によって、導波管3300からユーザの眼に向かって−z方向に回折される(3328Dとして示される)。同様に、内部結合された光(3328Bとして示される)は、代替として、第2のOPE格子3352に遭遇し、−y方向に回折されてもよい(3328Eとして示される)。−y方向に回折される光(3328Eとして示される)は、EPE格子3353によって、導波管3300からユーザの眼に向かって回折されてもよい。光が+y方向(第1のOPE格子3351によって)に回折されるかまたは−y方向(第2のOPE格子3352によって)に回折されるかは、確率論的であって、格子構造によって統制される。一般に、組み合わせられたOPE/EPE領域3350の性能は、内部結合された光(3328Bとして示される)が+y方向または−y方向のいずれかに回折する50%の可能性を有するときに改良される。いくつかのインスタンスでは、これは、第1のOPE格子3351および第2のOPE格子3352が相互に垂直であるときに達成される。
【0144】
導波管3300は、単一ICG3320のみを有するように図示されるが、いくつかの実施形態では、導波管3300は、第2のICGをICG3320と反対の組み合わせられたOPE/EPE領域3350の側上に含むことが好ましくあり得る。第2のICGは、ICG3320と形態および機能が同じであってもよく、ICG3320の鏡映バージョンであってもよい。例えば、ICG3320は、投影された画像に関連する内部結合された光を基板3302の中に回折するように構成される一方、第2のICG3320は、投影された画像の鏡映バージョン(例えば、x方向に反転される)に関連する内部結合された光を回折するように構成されてもよい。ICG3320と関連付けられた光経路3328とは対照的に、第2のICGと関連付けられた光経路は、第2のICGにおいて基板3302の中に結合される、入射光を含んでもよい。内部結合された光は、全内部反射によって、格子3351、3352、および3353に向かって伝搬する。これらの光線が、第1のOPE格子3351に遭遇すると、光は、−y方向に回折され、続いて、EPE格子3353によって、導波管3300からユーザの眼に向かって−z方向に回折される。同様に、内部結合された光は、代替として、第2のOPE格子3352に遭遇し、+y方向に回折されてもよい。+y方向に回折される光は、EPE格子3353によって、導波管3300からユーザの眼に向かって回折されてもよい。
【0145】
図33Dは、本発明のある実施形態による、
図33Cに示される導波管3300内の光経路3328の実施例の側面図を図示する。内部結合された光(3328Bとして示される)が、格子3351、3352、および3353に向かって伝搬するにつれて、複数回、基板3302または他の導波管要素の底部側および上部側の一方または両方から反射し得る。
【0146】
図34Aは、本発明のある実施形態による、両側構成において組み合わせられたOPE/EPE領域3450を有する、導波管3400の実施例を図示する。導波管3400は、組み合わせられたOPE/EPE領域3450内の3つの格子のセット(第1のOPE格子3451、第2のOPE格子3452、およびEPE格子3453)が、基板3402の両側間に分散されるという点において、
図33A−33Dを参照して示される導波管3300と異なり得る。例えば、いくつかの実施形態では、組み合わせられたOPE/EPE領域3450は、OPEコンポーネント3450A(OPE格子を含む)が基板3402の片側上に位置し、EPEコンポーネント3450B(EPE格子を含む)が基板3402の他側上に位置するように、OPEコンポーネント3450Aと、EPEコンポーネント3450Bとを含む。OPEコンポーネント3450Aは、2つのOPE格子のセット(第1のOPE格子3451および第2のOPE格子3452)を連続して生成することによって、または導波管3300を参照して説明される技法と同様に、2つのOPE格子のセットを同時に生成することによって、干渉リソグラフィを使用して生成されてもよい。
【0147】
導波管3400内の光経路3428の実施例は、
図34Aを参照して示される。光経路3428は、ICG3420において基板3402の中に結合される、入射光(3428Aとして示される)を含む。内部結合された光(3428Bとして示される)は、全内部反射によって、格子3451、3452、および3453に向かって伝搬する。これらの光線が、第1のOPE格子3451に遭遇すると、光は、+y方向に回折され(3428Cとして示される)、続いて、EPE格子3453によって、導波管3400からユーザの眼に向かって−z方向に回折される(3428Dとして示される)。同様に、内部結合された光(3428Bとして示される)は、代替として、または加えて、第2のOPE格子3452に遭遇し、−y方向に回折されてもよい(3428Eとして示される)。−y方向に回折される光(3428Eとして示される)は、EPE格子3453によって、導波管3400からユーザの眼に向かって回折されてもよい。
【0148】
図34Bは、本発明のある実施形態による、
図34Aに示される導波管3400および光経路3428の側面図を図示する。いくつかの実施形態では、第1のOPE格子3451および第2のOPE格子3452は、それらが、相互上に重畳され、2D格子を基板3402の片側上に形成するように、基板3402の同一側上または該同一側内に配置される。いくつかの実施形態では、EPE格子3453は、基板3402の反対側上に配置され、1D格子を形成する。内部結合された光(3428Bとして示される)が、格子3451、3452、および3453に向かって伝搬するにつれて、複数回、基板3402の底部側および上部側の一方または両方から反射し得る。いくつかのインスタンスでは、内部結合された光の光線が、第1のOPE格子3451によって+y方向に、第2のOPE格子3452によって−y方向に回折されると、それらは、−z方向に基板3402を横断して伝搬し得る(それぞれ、経路3428Cおよび3428Eによって示されるように)。
【0149】
図35A−35Jは、本発明のある実施形態による、接眼レンズ内の実装のための導波管3500の種々の設計を図示する。導波管3500はそれぞれ、1つ以上の本明細書に説明される実施形態に類似してもよく、例えば、1つ以上のICG3520、1つ以上のOPE3530、EPE3540、および/または組み合わせられたOPE/EPE領域3550を含んでもよい。例えば、導波管3500A、3500B、および3500C(それぞれ、
図35A、35B、および35Cに図示される)はそれぞれ、OPE3530が光をEPE3540に向かってある角度で回折するように、EPE3540の側に垂直方向上方に位置付けられる、単一ICG3520を含む。導波管3500Aでは、OPE3530Aは、部分的に、EPE3540Aに重複してもよい一方、OPEは、導波管3500Bおよび3500Cでは、EPEに重複しなくてもよい。導波管3500D、3500E、および3500F(
図35D、35E、および35Fに図示される)はそれぞれ、EPE3540の両側のそれぞれに垂直方向上方に位置付けられる、2つのICG3520を含み、また、EPE3540の両側に沿って位置付けられる、2つのOPE3530を含む。OPE3530はそれぞれ、内部結合された光をEPE3540に向かって内向きに回折してもよい。導波管3500Eは、導波管3500Dのクロッピングされたバージョンに対応し得る。
【0150】
導波管3500G(
図35Gに図示される)は、
図33A−33Dを参照して説明される導波管3300および/または
図34Aおよび34Bを参照して説明される導波管3400に類似する、組み合わせられたOPE/EPE領域3550Gの側面に対して側方に位置付けられる、単一ICG3520Gを含んでもよい。導波管3500Hおよび3500I(それぞれ、
図35Hおよび35Iに図示される)はそれぞれ、EPE3540の垂直方向上方に位置付けられる、単一ICG3520と、EPE3540の側に垂直方向上方に位置付けられる、2つのOPE3530とを含む。導波管3500Iは、導波管3500Hのクロッピングされたバージョンに対応し得る。導波管3500J(
図35Jに図示される)は、90度の回転を伴う、
図33A−33Dを参照して説明される導波管3300および/または
図34Aおよび34Bを参照して説明される導波管3400に類似する、組み合わせられたOPE/EPE領域3550Jの垂直方向上方に位置付けられる、単一ICG3520Jを含んでもよい。
(光学システム)
【0151】
画像プロジェクタは、ユーザが視認するための画像(または動画)を投影し得る、光学デバイスである。最近の進歩によって、頭部搭載型デバイス(すなわち、接眼ディスプレイデバイス)に画像プロジェクタを含めることが可能となった。そのような画像プロジェクタは、画像を頭部搭載型デバイスを装着するユーザの眼に投影することができる。しかしながら、そのような頭部搭載型デバイスは、波干渉ベースの画像アーチファクトおよびパターンを生じさせ得る。
【0152】
図37は、基板(例えば、導波管)上または該基板内の回折構造(例えば、回折格子)を使用する、例示的光学システム3700を示す。光学システム3700は、仮想および拡張現実用途のために使用されることができる。いくつかの実装では、光学システム3700は、内部結合格子(ICG)要素3702と、回折光学要素(DOE)3704とを含む、接眼レンズを有する。接眼レンズは、「Methods and systems
for generating virtual content display with a virtual or augmented reality apparatus」と題され、2015年5月29日に出願された米国特許出願第14/726,424号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるように実装されることができる。
【0153】
ICG3702およびDOE3704は、基板3710内または該基板上に実装されることができる。基板3710は、ガラス、ポリマー、または結晶から作製されることができる。ある場合には、基板3710は、透明である。ある場合には、基板3710はまた、半透明であることができる。いくつかの実装では、基板3710は、スラブ導波管を含む。導波管は、約1.5〜4の範囲内である屈折率を伴う材料から作製されることができる。導波管は、約100nm〜1mmの厚さを有することができる。導波管は、任意の好適な2次元上面図形状、例えば、長方形、正方形、円形、または楕円形を有することができる。
【0154】
DOE3704は、1つ以上の層を有することができ、各層は、直交瞳拡張(OPE)回折要素3706と、射出瞳拡張(EPE)回折要素3708とを含むことができる。ICG要素3702は、入力光ビームを、例えば、プロジェクタから受光し、入力光ビームを基板3710内のDOE3704に透過させるように構成される。前述のように、基板3710は、導波管を含むことができ、ICG要素3702は、入力光ビームをDOE3704に結合される導波管の中に透過させる。
【0155】
いくつかの実施例では、入力光ビームは、以下の性質、すなわち、1)約200nm〜2mmのFWHM(半値全幅)を伴う有限ビーム、2)約400nm〜2μmの範囲内の波長、3)入力光ビームが導波管の内側で全内部反射されることを可能にする、入射極角(極角は、約35〜89度の範囲内であることができる)、および/または4)入力光ビームが導波管内で−30〜30度の範囲内で伝搬することを可能にする、方位角角度を有する。
【0156】
入力光ビームは、全内部反射(TIR)によって、導波管内を進行することができる。層上のOPE回折要素3706は、入力光ビームの一部を、順に、偏向された光ビームの一部を基板3710から、例えば、ユーザの眼に向かって偏向するように構成される、EPE回折要素3708に偏向するように構成される。ユーザの眼内で均一輝度を伴う出力画像を得るために、EPE回折要素3708からの複数の出力された偏向光ビームは、均一強度を有し得る。
【0157】
OPE回折要素3706およびEPE回折要素3708は、同一平面にまたは同一層上で横並に配列されることができる。光ビームを基板から得るために、DOE3704は、例えば、選択的回折分布を用いて、光ビームをDOE3704を横断して回折するように構成される。いくつかの実施形態では、回折された光の分布は、実質的に均一である。いくつかの実施形態では、回折された光の量は、例えば、上昇勾配またはランダム方式において、DOE3704のプロファイルを横断して可変である。例えば、光ビームが、DOE3704内で伝搬し、OPE回折要素3706およびEPE回折要素3708によって徐々に偏向されるとき、光ビームの強度が減少するにつれて、DOE3704の回折効率は、光ビームの伝搬経路に沿って徐々に増加するように構成されることができる。
【0158】
いくつかの実装では、OPE回折要素3706は、例えば、
図37に示されるように、底部から上部へと第1の方向に沿って位置付けられる、第1の回折格子を含む。EPE回折要素3708は、例えば、
図37に示されるように、左から右へと第2の方向に沿って位置付けられる、第2の回折格子を含む。第1の方向と第2の方向との間の角度は、0〜90度の範囲内であることができる。ある場合には、角度は、45度〜90度である。ある場合には、角度は、80度〜90度である。特定の実施例では、第2の方向は、第1の方向と垂直である。第1の回折格子は、第1の方向に沿って線形に変動する深度を伴う回折格子であることができ、したがって、第1の回折格子は、第1の方向に沿って徐々に増加する回折効率を有することができる。第2の回折格子は、第2の方向に沿って線形に変動する深度を伴う回折格子であることができ、したがって、第2の回折格子は、第2の方向に沿って徐々に増加する回折効率を有することができる。
【0159】
いくつかの実装では、OPE回折要素3706およびEPE回折要素3708は、線形回折構造、円形回折構造、半径方向に対称回折構造、または任意のそれらの組み合わせを含む。OPE回折要素3706およびEPE回折要素3708は、線形格子構造と、円形または半径方向に対称な回折要素の両方を含み、光ビームの偏向および集束の両方を行うことができる。
【0160】
DOE3704内の回折構造は、約50nm〜500nmの範囲内の周期を有することができる。いくつかの実施例では、回折構造は、0.1〜3の誘電率差を有する、屈折率の周期的発振を有する。いくつかの実施例では、回折構造は、周期的金属パターンを伴う誘電材料から作製されることができる。誘電材料は、約1.5〜4の屈折率を有することができる。いくつかの実装では、OPE回折要素3706およびEPE回折要素3708を含む、回折光学要素(DOE)3704は、約0.1mm
2〜1m
2の領域の面積を有し、これは、より小さいディスプレイシステムまたはより大きいディスプレイシステム等の任意の好適なサイズディスプレイシステムのために使用されることができる。
【0161】
前述のように、ユーザの眼内で均一輝度を伴う出力画像または他の視認画面を得るために、EPE回折要素3708からの複数の出力された偏向光ビームは、均一強度を有する必要があり得る。OPE回折要素3706は、基板3710内を伝搬する入力光ビームを複数の出力光ビームに偏向するように構成される、第1の周期的構造を有する、第1の回折構造を含むことができる。出力光ビームは、相互から離間される個別の位置において、OPE回折要素3706から偏向される。離間される出力光ビームはそれぞれ、入力光ビームから生成され、第1の回折構造によって、OPE回折要素3706から個別の位置において偏向される、複数の同時入射光ビーム間の干渉の結果であり得る。OPE回折要素3706からの出力光ビームは、相互から離間され、したがって、相互に干渉しない。離間される出力光ビームは、EPE回折要素3708の中に進入し、EPE回折要素3708内の第2の回折構造によって、同様に相互から離間される個別の位置において基板3710からさらに偏向される。したがって、EPE回折要素908からの出力光ビームもまた、空間内の異なる位置にあって、相互にインコヒーレントである。故に、EPE回折要素3708からのこれらの出力光ビーム間には、干渉が存在しない。したがって、EPE回折要素3708からの出力光ビームの性質は、OPE回折要素3708からの出力光ビームの性質に実質的に依存し得る。
【0162】
いくつかの実装では、OPE回折要素3706内の回折構造は、周期的構造を有し、これは、例えば、
図43および44Aに図示されるように、出力される回折光ビームの位相を操作せずに、出力される回折光ビームの振幅を操作し得る。これらの場合、出力光ビーム毎に、出力光ビームを形成する個別の複数の同時入射光ビーム間には、建設的干渉または破壊的干渉が存在し得る。
(ディザリング)
【0163】
回折導波管は、均一格子をOPE内に含んでもよい。理想的出力画像は、一定輝度を有する。しかしながら、OPE内の格子は、均一であるため、実際の出力画像は、非均一輝度を有し得る。
【0164】
図38は、OPE内の均一格子によって生じる波干渉を呈する、射出瞳エクスパンダ(EPE)内のシミュレートされた電場強度を図示する。電場強度3805は、薄い導波管および大視野(例えば、40度×40度)のために設計されるOPEの結果として観察される。電場強度3805から分かるように、不良輝度アーチファクトが、強い波干渉と併せて観察され得る。電場強度3810は、厚い導波管および大視野のために設計されるOPEの結果として観察される。厚い導波管は、弱い波干渉を呈する。電場強度3815は、薄い導波管および小視野(例えば、5度×5度)のために設計されるOPEの結果として観察される。薄い導波管は、強い波干渉を呈する。電場強度3820は、厚い導波管および小視野のために設計されるOPEの結果として観察される。厚い導波管は、弱い波干渉を呈する。
【0165】
図38におけるシミュレートされた結果は、基板としてのより薄い導波管の使用がより厚い導波管の使用より強い波干渉を生じさせることを示す。
図38におけるシミュレートされた結果はまた、より大きいFOV、例えば、Y軸に沿ってより長い幅のために設計されるOPE回折要素が、より小さいFOV、例えば、Y軸に沿ってより短い幅のために設計されるOPE回折要素より強い波干渉を生じさせることを示す。基板としてより薄い導波管を伴うより大きいFOVのために設計されるOPEは、
図38に示される4つのシナリオ間で最強波干渉を生じさせる。電場強度における強い波干渉は、輝度アーチファクトまたは非均一性を視認画面、例えば、ユーザの眼上に生じさせ得、これは、光学システムの性能に影響を及ぼし得る。言い換えると、波干渉問題は、シースルー複合現実ディスプレイのために最も望ましい、大視野の極薄ディスプレイにおいて最悪である。
【0166】
波干渉は、例えば、パターンを導波管上の格子内に作成することによって、減少され得、出力画像の輝度均一性は、増加され得る。これらのパターンは、光の拡散を改良し、したがって、出力画像内の均一性を増加させる。例えば、ビームスプリッタが、レーザビームを2つの成分ビームに分裂させながら、経路長を保存するために使用されてもよい。2つの成分ビームが、再組み合わせされる場合、破壊的干渉が、生じ、2つのビームは、相互に相殺される。本アプローチは、輝度変調器を作成するために使用されてもよい。しかしながら、一方のレーザビームの他方に対する経路長の非常にわずかな変化をもたらすことによってさえ、2つのビームは、それらが相互に相殺するように、完璧な位相、すなわち、90度の位相ずれがもたらされ得る。
【0167】
Mach−Zehnder干渉計は、一方のビームの経路長を操作し、出力ビーム(すなわち、再組み合わせされたビーム)の強度を変動させる。均一45度格子を用いると、OPEは、光線が、OPEを通して段階的となり、OPEに沿って伝搬するため、Mach−Zehnder構造として作用する。言い換えると、複数のクローン化されたビームが、全て相互に対して位相関係を有し、全て同一のオリジナルエミッタから生じるように作成される。OPEからEPEの中に下方に流動する恣意的ビームは、実際には、独立経路を通してその点まで到達した複数の回折されたビームの複合である。ビームの一部は、OPEを通して段階的にされ、その一部は、OPEを横断して直線に進み、下向きに直角に曲がる。それらのビームは、それらが下向きに伝搬するにつれて再組み合わせされる。
【0168】
OPEの対称性を破壊する1つの方法は、OPE構造自体をディザリングすることである。1つの例示的ディザリングは、空間を横断した構造の正弦波ディザリングである。構造化された変動は、低点では、エッチング深度が非常に狭くなり、高点では、完全エッチング深度が存在し、したがって、分画効率を増加させるであろうように、OPEのエッチング深度を変化させることによって作成されてもよい。
【0169】
例証目的のみのために、以下では、位相変動パターンをOPE回折要素の回折構造、例えば、回折格子に追加することによる、位相摂動方法の実施例が、光学システムのための輝度均一性を改良し、および/または輝度アーチファクトを排除するために図示される。位相変動パターンは、OPE格子の周期より実質的に大きい周期を有する。例えば、OPE格子の周期は、いくつかの実施形態では、約50nm〜500nmの範囲内であることができ、位相変動パターンの周期は、約100μm〜5cmの範囲内であることができる。
【0170】
図39Aは、ディザリングされていないOPE3905Aと、ディザリングされていないOPE3905Aからの出力画像3910Aとを図示する。出力画像3910Aは、いくつかのばらばらの条痕パターンを含む、かなりの量の非均一性を有する。理想的には、出力画像は、均一であるべきである。
図39Bは、正弦波ディザリング3905Bを伴うOPEと、ディザリングされたOPE3905Bからの出力画像3910Bとを図示する。出力画像3910Bは、改良された輝度均一性を有する。
図39Cは、半ランダム化された(例えば、最適化された)2Dディザリング3905Cを伴うOPEと、ディザリングされたOPE3910Cからの出力画像3910Cとを図示する。出力画像3910Cはまた、全体的輝度均一性を増加させている。
図39Dは、視認者が、アイボックス内で良好に心合される場合、視認者は、ディザリングと関連付けられた任意のアーチファクトを観察しない、または低減された数のアーチファクトを観察するであろうことを図示する。いくつかの実施形態では、ディザリングは、画像の輝度均一性と最終鮮明度とコントラスト効率との間のトレードオフを検討して選択されてもよい。
【0171】
図40Aは、連続位相変動パターンをOPE回折要素の回折構造、例えば、回折格子、すなわち、OPE格子4000Aに追加する実施例を示す。OPE格子4000Aは、第1の方向に沿って縦方向に延在する周期的構造を有する。パターン4002Aは、第2の方向に沿って縦方向に延在する周期的パターンを有する、例示的連続位相変動パターンである。第1の方向と第2の方向との間には、ある角度が存在する。位相変動パターン4002Aが、OPE格子4000Aに追加されると、OPE格子4000Aは、波状格子形状を有し、OPE格子4000Aと異なる、格子4004Aとなる。
【0172】
パターン4006Aは、第3の方向に沿って縦方向に延在する周期的パターンを有する、別の実施例の連続位相変動パターンである。第3の方向は、第1の方向と略平行である。位相変動パターン4006Aが、OPE格子4000Aに追加されると、OPE格子4000Aは、変調された格子構造を有し、OPE格子4000Aと異なる、格子4008Aになる。
【0173】
図40Bは、上部においてディザリングされていないOPE4005Bと、ディザリングされていないOPE4005Bからの出力画像4010Bとを図示する。ディザリングされていないOPE4005Bは、例えば、バイナリ多段階格子を有してもよい。出力画像4010Bは、強い低周波数アーチファクトおよび/または輝度非均一性を有する。
【0174】
図40Bは、下部においてディザリングされたOPE4015Bと、ディザリングされたOPE4015Bからの出力画像4020Bとを図示する。ディザリングされたOPE4015Bは、格子角度(すなわち、傾斜とは対照的に、格子の回転)およびピッチの低周波数空間変動を有する。したがって、出力画像4020Bは、位相変調され、ディザリングされたOPE4015Bが、光学システム内に実装されるとき、より少ない低周波数アーチファクトを有し、輝度均一性は、実質的に改良される。
【0175】
図40Cは、離散位相変動パターン4002CをOPE回折要素の回折構造、例えば、回折格子、すなわち、OPE格子に追加する実施例を示す。離散位相変動パターン4002Cが、OPE格子に追加されると、OPE格子は、変化された構造を有し、OPE格子4000Aの周期的構造と異なる、格子4004Cになる。
【0176】
画像4006Cは、位相変動を伴わないOPE格子を有する光学システムからの出力画像を示す一方、画像4008Cは、位相変動を伴う変調されたOPE格子4004Cを有する光学システムからの出力画像を示す。2つの画像は、低周波数アーチファクトが、位相変動をOPE格子の周期的構造に追加することによって、実質的に除去または排除されることができ、輝度均一性もまた、実質的に改良されることができることを示す。
【0177】
いくつかの実装では、OPE回折要素は、位相ディザリングされた格子を含む。EPE回折要素はまた、位相ディザリングされた格子を含むことができる。いくつかの実装では、位相摂動または変動方法、例えば、OPE回折要素のためのものもまた、EPE回折要素の回折構造内に実装され、光学システムのための輝度均一性を改良し、および/または輝度アーチファクトを排除する。
(例示的位相変動パターン)
【0178】
回折構造(例えば、回折ビーム倍増器または回折格子)の回折領域(例えば、周期的構造)内の位相変動(または摂動)は、位相変動パターンを回折構造の回折領域の中に実装することによって達成されることができる。本明細書にさらに詳細に議論されるように、位相変動パターンは、回折構造の性質および/または性能に基づいて、設計または決定されることができる。位相変動パターンは、回折構造の周期より実質的に大きい周期を有することができる。いくつかの実施例では、回折格子は、約50nm〜500nmの範囲内である格子周期を有する一方、位相変動パターンは、約100pm〜5cmの範囲内である周期を有する。
【0179】
図41Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ディザリングを格子構造内に作成するために使用され得る、緩慢変動パターンを図示する。緩慢変動は、例えば、1mmにわたって20nmの変動、すなわち、0.02%未満の変動であり得る。変動パターン4105Aは、異なる位相変動または摂動を周期的構造上に生じさせる、第1および第2の部分の交互対を含む、格子構造内の周期的ディザリングを図示する。各対は、同一周期を有する。第1および第2の部分は、同一幅および/または長さを有することができる。変動パターン4110Aは、格子構造内の段階的な周期的ディザリングを図示する。変動パターン4105Aと比較して、変動パターン4110A内の位相変動は、ある方向、例えば、左から右に沿って周期を増加させている。変動パターン4115Aは、格子構造内の算出上最適化されたディザリングを図示する。パターンの異なる部分は、異なる位相変動または摂動を周期的構造上に生じさせ得る。本パターンは、位相起因アルゴリズムまたは算出ホログラフィによって設計および/または生成されることができる。いくつかの実施例では、最適化された位相変動パターンは、算出ホログラムである。変動パターン4120Aは、格子構造内のランダムディザリングを図示する。ランダムパターンは、ランダムアルゴリズムによって設計および/または生成されることができる。ランダムパターンは、拡散器として作用することができる。
【0180】
図41B−Cは、回折構造内に実装され、位相変動または摂動を回折構造の周期的構造の一部上に生じさせ、それによって、周期的構造の一部によって回折される光ビームの位相偏移に影響を及ぼすことができる、異なるタイプの離散位相変動パターンを図示する。連続位相変動パターンと異なり、離散位相変動パターンは、位相変動または摂動を周期的構造の一部上に生じさせない部分と、位相摂動を周期的構造の他の部分上に生じさせる部分とを含む。
【0181】
図41Bは、第1のパターン部分4102Bと、第2のパターン部分4104Bと、ブランク部分4106Bとを含む、例示的離散位相変動パターン4100Bを示す。第1のパターン部分4102Bおよび第2のパターン部分4104Bは、位相摂動を周期的構造上に生じさせることができる一方、ブランク部分4106Bは、位相摂動を周期的構造上に生じさせない。第1のパターン部分4102Bはそれぞれ、相互から離散または分離されることができ、第2のパターン部分4104Bはそれぞれ、相互から離散または分離されることができる。第1のパターン部分4102Bはそれぞれ、第2のパターン部分4104Bのそれぞれから分離されることができる。
【0182】
図41Cは、複数の離散パターン部分4152Cと、1つ以上のブランク部分4154Cとを含む、別の例示的離散位相変動パターン4150Cを示す。離散パターン部分4152Cは、位相摂動を周期的構造上に生じさせ得る、異なるまたは同一サイズの円形または他の形状を含むことができる。
【0183】
位相変動パターンを回折構造の周期的構造の中に実装することに加え、回折構造の周期的構造内の位相変動または摂動もまた、他の位相変動方法によって達成されることができる。これらの方法は、個々に、または相互および/または任意の好適な位相変動パターンとの任意の好適な組み合わせにおいて、位相変動または摂動を回折構造の周期的構造上に実装するために使用されることができる。
【0184】
いくつかの実装では、自由形態回折レンズが、例えば、回折構造の前および/または後または回折構造内に位置付けられる、回折構造のために使用される。回折レンズは、例えば、最大±1/3度の小角度変動、および/または例えば、最大±1%の小ピッチ変動を含むことができ、これは、位相摂動を回折構造の周期的構造によって回折される光ビーム上に生じさせ得る。
【0185】
いくつかの実装では、回折構造の周期的構造の直接修正が、位相摂動を周期的構造上に生成するために使用される。
図42Aは、例示的回折格子の周期的構造を変化させることによる、種々の位相変動方法を示す。4205A、4210A、4215A、4220A、および4225Aによって参照される回折格子は、バイナリ格子であることができ、4230Aによって参照される回折格子は、非バイナリ格子であることができる。
【0186】
変動パターン4205Aは、格子デューティサイクルにおける変動を図示する。変動パターン4205Aは、例えば、各線が多角形として処理される、幾何学的ファイルに従って作成されてもよい。デューティサイクルの変動は、いくつかの実施形態では、1〜99%以内であることができる。変動パターン4210Aは、格子高における変動を図示する。格子高は、いくつかの実施形態では、10〜200nmに変動してもよい。変動パターン4210Aは、例えば、可変エッチング率、可変ドーピング、および/または可変レジスト高を格子の上部で使用することによって作成されてもよい。変動パターン4215Aは、格子内の屈折率における変動を図示する。屈折率は、いくつかの実施形態では、1.5〜4に変動してもよい。変動パターン4215Aは、例えば、異なる屈折率を伴う材料の連続堆積を用いて作成されてもよい。変動パターン4220Aは、基板上の下層薄膜厚変動を図示する。下層薄膜は、回折格子と基板との間に配列されてもよい(位置付けられるまたは加工される)。薄膜は、例えば、1.5〜4の範囲内の屈折率を有することができる。回折格子に沿った薄膜の厚さは、いくつかの実施形態では、1nm〜10μm以内で変動してもよい。変動パターン4225Aは、正面上の格子が均一である、基板の背面上の薄膜変動を図示する。薄膜は、例えば、1.5〜4の範囲内の屈折率を有することができる。回折格子に沿った薄膜の厚さは、いくつかの実施形態では、1nm〜10μm以内で変動してもよい。変動パターン4220Aおよび/または変動パターン4225Aは、例えば、ウエハ上へのポリマーのインクジェット堆積によって作成されてもよい。変動パターン4230Aは、格子のブレーズまたは頂角(すなわち、格子を傾斜させる)、ピッチ、および/または幅における変動を図示する。変動パターン4230Aは、非バイナリ格子であってもよい。変動パターン4230Aは、例えば、ウエハの一部をマスクし、残りの部分をウエハを横断して種々の角度でエッチングすることによって作成されてもよい。いくつかの実施例では、回折格子は、周期的構造を含み、回折格子の位相変動パターンは、周期的構造のピッチの変動または周期的構造の格子ベクトル角度の変動に基づくことができる。
【0187】
図42Bは、可変格子高を伴う回折格子を加工し、位相変動または摂動を回折格子の周期的構造内に実装する、例示的方法を示す。いくつかの実施例では、加工方法は、多高さレベル製造方法を含む。回折格子内の多数(N)の高さレベル(N)は、N=2
nを伴う限定数(n)のリソグラフィステップを用いて達成されることができる。他の方法もまた、高さの多段階を作成するために使用されることができる。
【0188】
図42Bに示されるように、格子内の4つの異なる高さレベルは、2つのリソグラフィステップ、すなわち、第1に、第1のパターン化された保護層が基板上に形成され、第2に、材料の第1の層が、基板上の保護されていない面積上に選択的に堆積され、格子構造を形成し、第3に、第1のパターン化された保護層が、除去され、第4に、第2のパターン化された保護層が、基板および格子構造上に形成され、第5に、材料の第2の層が、保護されていない面積上に選択的に堆積され、第6に、第2のパターン化された保護層が、除去され、4つの高さレベルを伴う回折格子を得ることを用いて達成されることができる。
【0189】
図42Cは、位相変動パターンを伴う回折構造を加工する、例示的方法のフロー
図4200Cである。回折構造は、回折格子または回折ビーム倍増器であることができる。回折構造は、ディスプレイシステムまたは光学システム内に適用されることができる。位相変動パターンは、本明細書に図示および説明される位相変動パターンのようなものであることができる。
【0190】
本方法は、回折構造のための位相変動パターンを決定するステップ(4202C)を含む。回折構造は、入力光ビームを複数の出力光ビームに偏向するように構成される、周期的構造を有してもよい。各出力光ビームは、入力光ビームから生成され、回折構造によって偏向される、複数の同時入射光ビーム間の干渉の結果であり得る。位相変動パターンは、周期的構造の周期より実質的に大きい周期を有してもよい。位相変動パターンは、出力光ビーム毎に、複数の同時入射光ビーム間の干渉が、活用され得、出力光ビームの少なくとも屈折力または位相が、調節され得るように、位相摂動を周期的構造上に生じさせるように構成されてもよい。
【0191】
いくつかの実装では、回折構造のための位相変動パターンを決定するステップは、回折構造の1つ以上の性質に基づいて、位相変動パターンを設計するステップを含んでもよい。回折構造の1つ以上の性質は、周期的構造の周期、デューティサイクル、周期的構造の高さ、ブレーズまたは頂角、および/または周期的構造からの出力光ビームの干渉パターンを含んでもよい。位相帰属アルゴリズムまたは算出ホログラフィによって、パターン変動パターンは、干渉パターン内の波におけるアーチファクト、例えば、低周波数アーチファクトが、緩和または排除され得るように、設計または決定されてもよい。
【0192】
いくつかの実装では、回折構造は、第1の回折部分と、第1の回折部分に隣接する第2の回折部分とを含んでもよい。第1の回折部分は、第1の回折次数における第1の位相偏移を伴って、第1の光ビームを回折させるように構成され、第2の回折部分は、第2の回折次数における第2の位相偏移を伴って、第2の光ビームを回折させるように構成されてもよい。第2の回折次数は、第1の回折次数と同一であってもよいが、第2の位相偏移は、第1の位相偏移と異なる。第1の位相偏移と第2の位相偏移との間の差異は、位相変動パターンと関連付けられてもよい。
【0193】
いくつかの実装では、第1の回折部分は、第1の光ビームを第1の回折次数において第1の回折された光ビームに偏向するように構成されてもよい。第2の回折部分は、第1の回折された光ビームを第2の回折次数の負の次数において第2の回折された光ビームに偏向するように構成されてもよく、第2の回折された光ビームは、第1の光ビームと比較して位相変化を有してもよく、位相変化は、第1の位相偏移から第2の位相偏移を差し引いたものである。
【0194】
いくつかの実施例では、周期的構造の周期は、50nm〜500nmの範囲内であってもよく、位相変動パターンの周期は、100μm〜5cmの範囲内であってもよい。
【0195】
いくつかの実施例では、位相変動パターンは、連続位相変動パターンであるように設計されてもよい。連続位相変動パターンは、周期的または段階的な周期的パターン、ヒューリスティックパターン、算出ホログラム、または拡散器のようなランダムパターンのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0196】
いくつかの実施例では、位相変動パターンは、離散位相変動パターンであるように設計されてもよい。離散位相変動パターンは、少なくとも第1の部分と、第2の部分とを含んでもよい。第1の部分は、位相摂動を周期的構造上に生じさせるように構成されてもよく、第2の部分は、位相摂動を周期的構造上に生じさせないように構成されてもよい。
【0197】
いくつかの実施例では、位相変動パターンは、周期的構造のピッチの変動、周期的構造の格子ベクトル角度の変動、周期的構造のデューティサイクルの変動、周期的構造の高さ変動、周期的構造の屈折率変動、または周期的構造のブレーズまたは頂角変動のうちの少なくとも1つに基づくように設計されてもよい。
【0198】
本方法はさらに、決定された位相変動パターンを伴う回折構造を基板内または該基板上に加工するステップ(4204C)を含む。加工方法は、リソグラフィ、ホログラフィ、ナノインプリント、および/または他の好適な方法を含んでもよい。
【0199】
いくつかの実施形態では、加工された回折構造は、試験されてもよい。例えば、入力光が、加工された回折構造上に投入されてもよく、出力光ビームが、視認画面上に表示されることができる。出力光ビームの干渉パターンの性質、例えば、低周波数アーチファクトが存在するかどうかに基づいて、位相変動パターンは、再設計されることができる。プロセスは、いくつかの実施形態では、ステップ4202Cに戻ることができる。
【0200】
いくつかの実装では、本方法は、導波管を基板として加工するステップを含んでもよい。導波管は、全内部反射を介して、入力光ビームを回折構造の中に誘導するように構成されてもよい。導波管は、スラブ導波管であってもよく、100nm〜1mmの範囲内である厚さを有することができる。導波管は、透明ガラス、ポリマー、または結晶から作製されてもよい。
【0201】
いくつかの実装では、本方法はさらに、第2の周期的構造を基板内または該基板上に有する第2の回折構造を加工するステップを含んでもよい。第2の回折構造は、基板からの回折構造からの複数の出力光ビームを偏向させるように構成される。回折構造は、OPE回折要素であることができ、第2の回折構造は、EPE回折要素であってもよい。回折構造の位相変動パターンは、回折構造から、その結果、第2の回折構造からの複数の出力光ビームが、等しい屈折力を有するように設計または決定されることができる。
【0202】
ある場合には、加工された第1の回折構造および加工された第2の回折構造を含む、基板は、試験され、その結果、第2の回折構造から生じる、出力光ビームの実際の性質を決定してもよい。新しい位相変動パターンは、実際の出力光ビームの1つ以上の性質に基づいて、回折構造のために決定されてもよい。
【0203】
図42Dは、本発明のいくつかの実施形態による、ディザリングされた接眼レンズ層によって光を操作する、例示的方法のフロー
図4200Dである。本方法は、光源からの光を入力結合格子における格子パラメータの第1のセットによって特徴付けられる第1の格子構造を有する入力結合格子において受光するステップ(4210D)を含む。
【0204】
本方法はさらに、入力結合格子からの光を少なくとも2次元において変動する格子パラメータの第2のセットによって特徴付けられる第2の格子構造を有する拡張格子において受光するステップ(4220D)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2次元は、ピッチ、頂角、屈折率、高さ、およびデューティサイクルのうちの少なくとも2つを含む。いくつかの実施形態では、第2の格子構造は、位相変動パターンを有する。いくつかの実施形態では、位相変動パターンの周期は、100μm〜5cmの範囲内である。いくつかの実施形態では、位相変動パターンは、周期的または段階的な周期的パターン、ヒューリスティックパターン、算出ホログラム、およびランダムパターンのうちの少なくとも1つを含む、連続位相変動パターンを備える。いくつかの実施形態では、第2の格子構造は、周期的構造を有する。いくつかの実施形態では、周期的構造の周期は、50nm〜500nmの範囲内である。いくつかの実施形態では、第2の格子構造は、位相ディザリングされた格子を含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、第2の格子構造は、第1の回折部分と、第1の回折部分に隣接する第2の回折部分とを備え、第1の回折部分は、第1の回折次数における第1の位相偏移を用いて、第1の光ビームを回折させるように構成され、第2の回折部分は、第2の回折次数における第2の位相偏移を用いて、第2の光ビームを回折させるように構成され、第2の回折次数は、第1の回折次数に類似し、第2の位相偏移は、第1の位相偏移と異なり、第1の位相偏移と第2の位相偏移との間の差異は、位相変動パターンと関連付けられる。いくつかの実施形態では、第1の回折部分は、第1の光ビームを第1の回折次数において第1の回折された光ビームに偏向するように構成され、第2の回折部分は、第1の回折された光ビームを第2の回折次数の負の次数において第2の回折された光ビームに偏向するように構成され、第2の回折された光ビームは、第1の光ビームと比較して、位相変化を有し、位相変化は、第1の位相偏移から第2の位相偏移を差し引いたものである。
【0206】
本方法はさらに、拡張格子からの光を格子パラメータの第3のセットによって特徴付けられる第3の格子構造を有する出力結合格子において受光するステップ(4230D)を含む。本方法はさらに、光を視認者に出力するステップ(4240D)を含む。
【0207】
図43−45はさらに、高レベルから本発明の実施形態を説明する。
図43は、導波管内の回折ビーム倍増器を図示する、簡略化された略図である。光4310は、導波管の内側で全内部反射される、コリメートされたビームとして入力される。入力光4310は、回折構造4320に進入し、入力ビームの複数のコピーとして出力される4330。入力角度と出力角度の1対1の伝達関数が、存在する。
【0208】
回折構造4320は、ともに隣接する複数の部分P1、P2、…、Pnを画定する、周期的構造を有する。部分S1−Snは、回折格子4320の縦方向にわたって傾斜角度を有することができる。いくつかの実装では、導波管は、空気の屈折率、例えば、n=1より高い屈折率、例えば、n=1.5〜4を有する材料から作製される。導波管は、100nm〜1mmの厚さを有することができる。回折格子4320は、50nm〜500nmの周期を有することができる。
【0209】
図43のデバイスは、空気中で動作されることができる。入力光ビーム4310、例えば、レーザ源からのコリメートされた光ビームは、空気中から導波管の中に伝搬することができる。入力光ビーム4310は、例えば、全内部反射(TIR)を介して、導波管内を進行することができる。入力光ビーム4310が、回折格子4320を通して進行すると、入力光ビーム4310は、回折格子4320の部分P1、P2、…、Pnによって偏向(例えば、分裂および回折)されることができる。各部分では、入力光ビーム4310は、例えば、0、+1、+2の異なる次数の回折された光ビームに分裂および回折されることができる。入力光4310の、0次数の回折された光ビームは、縦方向に沿ったシーケンシャル部分によってさらに偏向されることができる。入力光ビームの高次、例えば、+1または−1次数の回折された光ビームは、回折格子4320の周期的構造から回折されることができる。
【0210】
図44Aは、回折効率を操作するビーム倍増器を通した光の経路を図示する、簡略化された略図である。入力光4410Aは、振幅を操作し、入力光4410Aの複数のコピーを含む、出力光4430Aをもたらす、回折コンポーネント4420Aを通して送光される。
【0211】
図44Aは、周期的構造を伴う回折格子4420Aが回折された光ビームの振幅を操作する方法を図示する。入力光4410Aは、回折格子4420Aの一部において偏向される。
図44Aが示すように、単位セル毎に、例えば、各部分において、入力光Einの電場振幅が1であって、格子の一部が回折効率dを有すると仮定すると、高次回折された光ビームは、振幅E
out=dを有し、0次数の回折された光ビームは、振幅E
out=1−dを有する。このようなシステムでは、入力光ビーム4410Aの出力コピーを生産する際、波干渉効果が存在しない。
【0212】
本開示では、回折構造は、入力光の振幅および位相の両方を操作し、それによって、出力光ビームの波干渉を操作することができるように提示される。回折構造は、回折構造の周期的構造にわたって位相変動パターンを有することができる。位相変動パターンは、周期的構造の性質が全く変化を有していない、またはわずかな変化を有するが、波干渉パターンにおけるアーチファクトまたは非均一性が、実質的に低減または排除され得るように、周期的構造の周期より実質的に大きい周期を有することができる。
【0213】
図44Bは、本発明のいくつかの実施形態による、波干渉を操作するビーム倍増器を通した光の経路を図示する、簡略化された略図である。入力光4410Bは、振幅および位相を操作し、入力光の複数のコピーを含む、出力光4430Bをもたらす、回折コンポーネント4420Bを通して送光される。
【0214】
図44Bは、回折格子4420Bが回折された光ビームの振幅および位相の両方を操作する方法を図示する。
図44Bに示されるように、入力光ビーム4410Bは、第1の方向に沿った回折格子4420Bの第1の下位区分において、第1の偏向(または回折)された光ビームに偏向(例えば、分裂および回折)されることができる。第1の下位区分は、異なる位相偏移を第1の偏向された光ビーム間に生じさせるように構成される。次いで、各第1の下位区分における第1の偏向された光ビームはさらに、第2の方向に沿った回折格子の第2の下位区分において、第2の偏向された光ビームに偏向されることができる。第2の下位区分は、異なる位相偏移を第2の偏向された光ビーム間に生じさせるように構成される。第2の方向は、第1の方向と垂直であることができる。第2の偏向された光ビームはさらに、回折格子4420Bの他の下位区分において偏向されることができる。最終的に、複数の出力光ビーム4430Bが、相互から離間される個別の位置から回折構造4420Bから偏向される。各出力光ビーム4430Bは、入力光ビーム4410Bから生成され、回折格子4420Bによって偏向される、複数の同時入射光ビーム間の干渉の結果であり得る。すなわち、各出力光ビーム4430Bは、格子4420B内で繰り返される回折事象を通したいくつかの経路からの複数の同時入射光ビームの重畳であり得る。
【0215】
図44Bは、Mach−Zender状干渉の1つの単位セルの光学変換関数を示し、これは、光学位相が出力光ビーム振幅に影響を及ぼし得る様子を数学的に説明し得る。
図44Bに示される実施例として、回折格子の各単位セルは、4つの下位区分S11、S12、S21、およびS22を含む。各下位区分は、同じ格子ピッチおよび角度を有するが、異なる振幅および位相偏移を用いて、光を回折し得る。
【0216】
入力光ビームは、4つの下位区分S11、S12、S21、およびS22において、4つの光ビームに偏向される。2つの光ビームは、同時入射され、出力光ビーム、例えば、出力光ビームを形成する。光ビームはそれぞれ、異なる光経路を被る。例えば、入力光ビームは、最初に、下位区分Sllにおいて、第1の0次数光ビームおよび第1のより高い次数の回折された光ビームに偏向される。第1の0次数光ビームはさらに、下位区分S12において偏向され、第2のより高い次数の回折された光ビームを形成し、これはさらに、下位区分S22において、第3のより高い次数の回折された光ビームおよび第3の0次数光ビームに偏向される。第1のより高い次数の回折された光ビームはさらに、下位区分S21において偏向され、第4のより高い次数の回折された光ビームを形成し、これはさらに、下位区分S22において、第5の0次数光ビーム352および第5のより高い次数の回折された光ビームに偏向される。
【0217】
入力光の電場が、入力振幅Ein=1および入力位相φ
0=0を有すると仮定すると、4つの出力光ビームの電場は、それぞれ、E
1e
iφl、E
2e
iφ2、E
3e
iφ3、およびE
4e
iφ4となり得、E
l、E
2、E
3、およびE
4は、出力光ビームの振幅であって、φ
1、φ
2、φ
3、およびφ
4は、出力光ビームの位相であって、これはまた、4つの異なる光経路の位相変化でもある。回折された光ビームのうちの2つを含む、第1の出力光は、電場E
out=E
1e
iφl+E
2e
iφ2を有し、回折された光ビームのうちの他の2つを含む、第2の出力光は、電場E
out=E
3e
iφ3+E
4e
iφ4を有する。したがって、例えば、回折格子の周期的構造の位相変動をエンジニアリングすることによって、回折格子内の下位区分の位相偏移を制御することは、回折された光ビームの振幅および位相を制御することを可能にし、故に、同時入射される複数の回折された光ビーム間の干渉が、活用されることができ、かつ出力光の屈折力および/または位相が、制御または調節されることができる。
【0218】
図45A−Bは、1つの単位セル内の単純位相変動パターンの実施例を示す。
図45Aは、同時入射出力ビーム間にゼロ相対的位相差を生産する、例示的位相変動パターンを示す。
図45Bは、相互に干渉する2つの同時入射出力光ビーム間に異なる非ゼロ位相を生産する、例示的位相変動パターンを示す。したがって、
図45Bは、格子構造の位相変動が出力光ビームの振幅を制御可能に操作し得る方法を示す。
【0219】
位相ディザリングされた格子は、0次数を伴う回折された光に対して位相偏移を生じさせず、正の次数を伴う回折された光に対して正の位相偏移を生じさせ、負の次数を伴う回折された光に対して負の位相偏移を生じさせることができる。例えば、
図45Aが示すように、格子の1つの単位セル4500Aは、第1の格子部分4510Aと、第1の格子部分4510Aに隣接する第2の格子部分4520Aとを含むことができる。第1の格子部分4510A内の下位区分は、それぞれ、0次数、正の次数、および負の次数に対して0、+φ
1、−φ
1位相偏移を生じさせるように構成される。第2の格子部分4520A内の下位区分は、それぞれ、0次数、正の次数、および負の次数に対して0、+φ
2、−φ
2位相偏移を生じさせるように構成される。ディザリングに起因して、第1の格子部分4510Aおよび第2の格子部分4520Aは、位相変動を有し、位相偏移φ
1は、位相偏移φ
2と同じではない。
【0220】
入力光4501Aは、単位セル4500A上に法線方向に入射することができ、第1の格子部分4510A内の下位区分によって、0次数におけるゼロ位相変化を伴う回折されたビーム4502Aと、正の次数における+φ
1位相変化を伴う回折されたビーム4505Aとに偏向されることができる。回折されたビーム4502Aはさらに、第1の格子部分4510A内の下位区分において偏向され、+φ
1位相変化を伴う回折ビーム4503Aを得る。回折ビーム4503Aはさらに、第2の格子部分4510A内の下位区分において偏向され、φ
2位相変化を伴う回折ビーム404を得る。入力光4501Aが0である入力位相を有すると仮定すると、回折ビーム4504Aは、入力光4501Aと比較して、位相変化φ
1−φ
2を有し、したがって、出力位相φ
1−φ
2を有する。同様に、回折ビーム4505Aは、第2の格子部分4520A内の下位区分によって偏向され、φ
2位相変化を伴う回折ビーム4506Aを得る。回折ビーム4506Aは、下位区分によって偏向され、ゼロ位相変化を伴う回折ビーム4507Aを得る。したがって、回折ビーム4507Aはまた、入力光4501Aと比較して、位相変化φ
1−φ
2を有し、したがって、回折ビーム4505Aと同一である出力位相φ
1−φ
2を有する。すなわち、回折ビーム4504Aと4507Aとの間の位相差Δφは、0である。
【0221】
図45Bは、本発明のいくつかの実施形態による、正しくディザリングされた格子構造を通した光の経路を図示する、簡略化された略図である。
図45Bでは、対称性は、破壊され、出力は、変化される。出力は、非ゼロかつ制御可能である。本実施形態では、回折領域内のエンジニアリングされた位相摂動は、制御可能な建設的または破壊的干渉を可能にし、これは、出力ポートの出力輝度を制御する。
【0222】
図45Bは、位相ディザリングされた格子の別の単位セル4550Bを示す。単位セル4550Bは、2つの第1の格子部分4510Bと、1つの第2の格子部分4520Bとを含む。第2の格子部分4520Bは、2つの第1の格子部分4510Bによって狭入される(またはその間に位置付けられる)。第1の格子部分4510B内の下位区分は、それぞれ、0次数、正の次数、および負の次数に対して0、φ
1、φ
2位相偏移を生じさせるように構成される。第2の格子部分4520B内の下位区分は、それぞれ、0次数、正の次数、および負の次数に対して0、+φ
2、−φ
2位相偏移を生じさせるように構成される。
【0223】
入力光4551Bは、傾斜角度を伴って、単位セル4550B上に入射することができる。入力光4551Bは、第1の格子部分4510B内の下位区分によって、0次数におけるゼロ位相変化を伴う回折されたビーム4552Bと、正の次数における+φ
1位相変化を伴う回折されたビーム4555Bとに偏向されることができる。回折されたビーム4552Bはさらに、第2の格子部分4520B内の下位区分において偏向され、+φ
2位相変化を伴う回折ビーム4553Bを得る。回折ビーム4553Bはさらに、他の第1の格子部分4510B内の下位区分において偏向され、−φ
1位相変化を伴う回折ビーム4554Bを得る。入力光4551Bが0である入力位相を有すると仮定すると、回折ビーム4554Bは、入力光4551Bと比較して、位相変化φ
2−φ
1を有し、したがって、回折ビーム4554Bは、出力位相φ
2−φ
1を有する。
【0224】
同様に、回折ビーム4555Bは、第2の格子部分4520B内の下位区分によって偏向され、−φ
2位相変化を伴う回折ビーム4556Bを得る。回折ビーム4556Bは、下位区分によって偏向され、ゼロ位相変化を伴う回折ビーム4557Bを得る。したがって、回折ビーム4557Bは、入力光4551Bと比較して、位相変化φ
1−φ
2を有し、したがって、出力位相φ
1−φ
2を有する。その結果、回折ビーム4554Bと4557Bとの間の位相差は、Δφ=2(φ
2−φ
1)である。格子は、ディザリングされる、すなわち、第1の格子部分4510Bが、第2の格子部分4520Bと異なる位相偏移を生じさせる。すなわち、
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
となる。したがって、出力回折ビーム4554Bと4557Bとの間には、非ゼロ位相差が存在する。
【0225】
φ
1とφ
2との間の位相変動が、制御され得る場合、出力回折ビーム4554Bと4557Bとの間の位相差は、制御可能であることができ、故に、出力回折ビーム4554Bと4557Bとの間の干渉もまた、制御可能であることができる。すなわち、回折構造の回折領域内のエンジニアリングされた位相変動(または摂動)は、制御可能な建設的または破壊的干渉、したがって、制御可能出力輝度を可能にする。
【0226】
本発明の実施形態はさらに、規定された連続位相関数によって摂動される格子パターンのためのGDSファイルを生産する方法を提供する。格子ベクトル
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
を伴う線形格子は、空間のスカラー関数の等輪郭として規定されることができる。
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0227】
50%デューティサイクル線形格子に関して、格子の線内の点は、以下によって画定される。
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0228】
包括的に摂動される格子に関して、線は、以下によって画定される。
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
は、摂動を表す空間のスカラー関数であって、
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
は、(0,1)の範囲内である格子の(可能性として空間的に変動する)デューティサイクルである。
【0229】
射出瞳エクスパンダ(EPE)内の深度関数は、以下の形態の均一非球面レンズ関数摂動によって実装される。
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
であって、原点は、EPE格子領域の中心にある。係数c
1、c
2、…は、概して、色および深度平面毎に異なる。
【0230】
正弦波ディザリング関数は、以下によって実装される。
【化10】
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式中、aは、ディザリング関数の振幅であって、pは、正弦波の周期であって、
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
は、正弦波が変動する方向を規定する、単位ベクトルである。典型的には、周期は、有意な量の青色を生産された画像の中に導入しないために、約0.1mmを上回るように限定されなければならない。
【0231】
前述と同様に、チャープ正弦波に関して、あるプロトタイプにおいて使用される関数は、以下である。
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
式中、xは、ミリメートル単位における、ICGから最も遠いおよびOPEに最も近いOPEの角に原点を伴う、局所座標系のx座標である。
【0232】
任意関数に関して、前述と同様に、
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
は、空間の任意関数であることが可能となる。典型的には、最高空間周波数は、約0.1mmの周期に対応することが要求される。実際は、これらの「帯域限定」関数はフィルタリングを通して任意関数から生産され得る。
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
式中、Fは、フーリエ変換を表し、p
minは、可能にされる空間周波数の最小周期性である。
【0233】
格子隆起領域は、関数の等値面輪郭として画定されるため、パターン生成の直接アプローチは、使用されることができない。
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
は、(圧倒的に)最も高い空間周波数であると仮定されるため、サンプリングは、
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
の方向に沿って実施され、全ての格子隆起の各縁を決定することができる。いったん本場所のセットが、決定されると、サンプリングは、
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
の方向と垂直にインクリメント式に実施され、新しい格子隆起縁のセットを取得することができ、これらの2つの縁座標のセットは、ともにスティッチングされ、近似的インクリメントの長さだけ各隆起領域を成長させる、平行四辺形のセットを形成することができる。
【0234】
サンプリングでは、大定数の線形項は、因数分解されることができ、周期性からの摂動は、いくつかのニュートン反復によって迅速に決定されることができる。これは、加えて、これらの摂動の空間変動が緩慢であると仮定されるため、隣接する摂動からウォームスタートされ得る。
(複数のインコヒーレント画像の生成)
【0235】
本発明のいくつかの実施形態は、導波管ベースの接眼ディスプレイ内における複数のインコヒーレント画像の生成のためのシステムおよび方法に関する。導波管ベースのディスプレイは、複数のインコヒーレント光学画像を重畳し、導波管ディスプレイの性能に悪影響を及ぼす、波干渉ベースの画像アーチファクトを低減させ得る。導波管ディスプレイは、典型的には、注意を逸らす干渉パターンを生産する。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態によると、導波管ディスプレイは、多くの出力画像を投影するように提供され、各個々の出力画像は、一意の干渉パターンを有し、全てのパターンの総和は、より高い輝度均一性を伴う画像として現れる。これは、(A)それぞれ所望の出力画像のコピーで照明される複数の内部結合要素を伴う、導波管ディスプレイ、および/または(B)複数のインコヒーレントコピーを導波管自体内に生成する単一内部結合要素を伴う、導波管ディスプレイによって遂行され得る。
【0236】
多数の利点が、従来の技法に優る本発明の方法によって達成される。例えば、本発明の実施形態は、導波管ディスプレイ内の波干渉ベースの画像アーチファクトを低減させながら、薄い導波管内で大視野の高鮮明度画像を達成するための方法を提供する。他の波干渉ベースの画像アーチファクトを低減させる方法は、他の重要な接眼ディスプレイメトリックとの厳しいトレードオフを有し得る。深刻な波干渉ベースの画像アーチファクトは、直交瞳エクスパンダ(OPE)の機能性を実施する回折構造内の光の自己干渉から生じ得る。典型的には、波干渉の大きさは、導波管ディスプレイ内の光のバウンス間隔に対するOPE下位要素のサイズに比例する。バウンス間隔に対するOPEサイズを低減させるいくつかの方法が、存在する、すなわち、(1)導波管厚を増加させること(これは、接眼ディスプレイを快適に装着するには重すぎするものにし、ディスプレイ明度を低減させる)、(2)OPEの空間2次元占有面積を低減させること(これは、導波管ディスプレイによってサポートされる最大視野を低減させる)、および/または(3)屈折率を大幅に増加させること(これは、一般的透明ガラス、ポリマー、および結晶内では不可能である)である。これらのトレードオフのため、いくつかの回折導波管ディスプレイは、厚く、低視野画像のみをサポートし得る。
【0237】
高視野画像をサポートする薄い導波管ディスプレイにおいてさえ、波干渉ベースの画像アーチファクトを低減させるためのより複雑な方法は、干渉パターンをスクランブリングする試みとして、典型的には、OPE内で空間的に変動する位相または振幅摂動の形態において、摂動を回折構造に追加することである。本方法は、波干渉ベースのアーチファクトを正常に除去することができるが、回折構造内の摂動はまた、導波管ディスプレイの内側で伝搬する光ビームの歪曲および波面収差を生じさせ得る。故に、回折摂動方法は、画像鮮明度と厳しいトレードオフを有し、本技法を使用して接眼ディスプレイを通して視認可能なデジタルオブジェクトは、ユーザにぼけて現れ得る。
【0238】
本発明の実施形態は、他の技法のトレードオフをもたらし得ない。波干渉で干渉される以前の技法は、必然的に、光を摂動させ、他の望ましくない画像アーチファクトにつながった。本発明の実施形態は、多くの出力画像の重畳を使用し、各個々の画像は、強い摂動されていない波干渉を呈するが、ユーザの眼によるこれらの画像のインコヒーレント総和は、その中の輝度アーチファクトを擬装させる。本開示のいくつかの実施形態は、多くのインコヒーレント出力画像を重畳する一般的方略だけではなく、また、インコヒーレント出力画像を単一導波管ディスプレイ内に生産する具体的方法も説明する。
【0239】
図46は、いくつかの実施形態による、VOAシステム4600を図示する、ブロック図である。システム4600は、プロジェクタ4601と、導波管ディスプレイ要素とを含んでもよい。導波管ディスプレイ要素は、本明細書にさらに説明されるように、回折光学要素4640と、直交瞳エクスパンダ(OPE)4608と、射出瞳エクスパンダ(EPE)4609とを含んでもよい。OPE4608および/またはEPE4609はまた、いくつかの実施形態では、回折光学要素であると見なされ得る。プロジェクタ4601および導波管ディスプレイ要素は、いくつかの実施形態では、接眼ディスプレイデバイス内に含まれてもよい。VOAに関連する付加的説明は、
図20に関連して提供される。
【0240】
図47Aは、導波管ディスプレイ4700Aのブロック図である。導波管ディスプレイ4700Aは、OPE4708と、EPE4709とを含んでもよく、これらはともに、瞳拡張デバイスを形成する。導波管ディスプレイ4700A内の瞳拡張は、出力光ビーム4720の2次元アレイ(例えば、数平方センチメートルを被覆する)を作成し、画像をユーザの眼に向かって投影するために、典型的には、入力光ビーム4715(例えば、直径100μm〜10mm)の複数回のクローン化を介して実施され得る。
【0241】
本発明者らは、導波管ディスプレイ4700A等の導波管ディスプレイにおいて、出力光ビーム4720のアレイが均一輝度を有し得ないと決定した。さらに、導波管ディスプレイ4700A内の干渉効果のため、出力光ビーム4720のアレイは、ランダム干渉パターンに類似する無秩序輝度プロファイルを有し得る。本タイプの例示的干渉パターンは、光の単一の特定の投影角度に関してEPEから出射する光の空間分布を示す、
図47Bに図示される。本空間分布は、本明細書では、「近距離パターン」と称され得る。
図47Bは、非均一であって、水平方向、すなわち、OPEの中に伝搬する光の方向に実質的に沿った方向における強度変調によって特徴付けられる、複数の条痕を含む。
【0242】
大視野を提供するために、導波管ディスプレイ4700A上の回折領域は、面積がより大きくある必要があり得る。しかしながら、これは、導波管ディスプレイ4700A内の投影された光と回折コンポーネントとの間のより多くの相互作用につながり得る。回折コンポーネントを伴うより多くの相互作用は、干渉効果の増加をもたらし得る。
【0243】
波干渉からの画質問題を緩和することは、小視野導波管ディスプレイ(例えば、20×20度)では必要がない場合があるが、大視野導波管ディスプレイ(例えば、40×40度またはより大きい)では、重要となり得る。したがって、導波管ディスプレイ4700A等の回折導波管ディスプレイ内の干渉効果を緩和させるために使用され得る、1つのアプローチは、視野を低減させることを含む。干渉を緩和させる別のアプローチは、導波管厚を増加させることを含む。しかしながら、複合現実および/または拡張現実接眼ディスプレイ用途では、低重量と組み合わせて、またはそれに加え、大視野を達成することが、望ましくあり得る。故に、これらのアプローチは、望ましくあり得ない。
【0244】
干渉を緩和する別のアプローチは、位相変動を回折領域に追加することを含み、これは、必然的に、位相誤差を光ビームの波面を横断して生じさせる。そのような位相変動は、干渉パターンを「スクランブリング」させ、干渉効果を除去し得る。しかしながら、画像鮮明度は、低減され、出力画像をぼけてまたは焦点外に現れさせ得る。
【0245】
本発明のいくつかの実施形態は、干渉パターンをスクランブリングすることを目的とはせず、むしろ、導波管ディスプレイに複数のインコヒーレント入力を給送する。各入力と関連付けられた出力画像は、依然として、干渉パターンを出力画像内に作成し得る。しかしながら、多くの一意の干渉パターンの重畳は、入力の数が増加するにつれて、ますます均一に現れ得る。
【0246】
図48Aは、いくつかの実施形態による、導波管ディスプレイ4800Aの中への複数の入力を図示する、ブロック図である。導波管ディスプレイ4800Aは、OPE4808Aと、EPE4809Aとを含んでもよく、これらはともに、瞳拡張デバイスを形成する。OPE4808AおよびEPE4809Aのみを有するように示されるが、導波管ディスプレイ4800Aは、2〜20等の任意の数の内部結合要素(例えば、回折格子)を含んでもよいことが検討される。導波管ディスプレイ4800Aは、複数の光ビーム4810A、4815A、4820Aを入力として受光してもよい。光ビーム4810A、4815A、4820Aは、複数の光源(例えば、複数のプロジェクタ)から受光されてもよい。さらに、光ビーム4810A、4815A、4820Aは、空間的に変位されてもよく、異なる近距離パターンを有してもよい。
【0247】
導波管ディスプレイ4800A内の瞳拡張は、多くの出力光ビーム4825Aを作成し、画像をユーザの眼に向かって投影するために、入力光ビーム4810A、4815A、4820Aの複数回のクローン化を介して実施されてもよい。出力光ビーム4825Aは、干渉パターンを出力画像内に作成し得る。しかしながら、多くの出力光ビーム4825Aによって作成された多数の一意の干渉パターンの重畳は、実質的に均一に現れ得る。
図48Bは、いくつかの実施形態による、複数の入力光ビームを有する導波管ディスプレイからの出力画像である。
図47Bと比較して、
図48Bは、より均一であって、殆ど条痕を呈さない。
【0248】
図48Cは、いくつかの実施形態による、複数の入力光ビームを使用した導波管ディスプレイ内における複数のインコヒーレント画像の生成のための方法4800Cを図示する、簡略化されたフローチャートである。本方法は、複数の光ビームをプロジェクタから投影させるステップ(4810C)を含む。いくつかの実施形態では、複数の光ビームは、代わりに、複数のプロジェクタから投影される。いくつかの実施形態では、複数の光ビームは、単一プロジェクタ内の複数の光源から投影される。
【0249】
本方法はまた、プロジェクタからの複数の光ビームを回折光学要素において受光するステップ(4820C)を含む。回折光学要素は、
図46の回折光学要素4640であってもよい。回折光学要素は、複数の光ビームをOPE(例えば、OPE4608)に向かって回折する、格子(例えば、内部結合格子)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、格子はさらに、複数の光ビームのクローン化を生じさせ、より多数の光ビームをOPEの中に送光させてもよい。
【0250】
本方法はさらに、回折光学要素からの複数の光ビームをOPEにおいて受光するステップ(4830C)を含む。OPEはまた、複数の光ビームをEPE(例えば、EPE4609)に向かって回折する、格子を含んでもよい。格子はさらに、複数の光ビームのクローン化を生じさせ、より多数の光ビームをEPEの中に送光させてもよい。加えて、本方法は、OPEからの複数の光ビームをEPEにおいて受光するステップ(4840C)を含む。
【0251】
本方法はまた、複数の光ビームの少なくとも一部を投影された画像として投影させるステップ(4850C)を含む。出力光ビームとも称され得る、複数の光ビームは、干渉パターンを投影された画像内に作成し得る。しかしながら、多くの出力光ビームによって作成された多数の一意の干渉パターンの重畳は、実質的に均一に現れ得る。多くの出力光ビームは、複数の入力光ビームおよび複数の入力光ビームのクローン化の結果であり得る。
【0252】
図48Cに図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、複数のインコヒーレント画像を接眼ディスプレイデバイス内に生成する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図48Cに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0253】
図49Aは、いくつかの実施形態による、回折ビームスプリッタ4915Aを利用して導波管ディスプレイ4900Aの中に入力される単一光ビーム4910Aを図示する、ブロック図である。導波管ディスプレイ4900Aは、OPE4908Aと、EPE4909Aとを含んでもよく、これらはともに、瞳拡張デバイスを形成する。OPE4908AおよびEPE4909Aのみを有するように示されるが、導波管ディスプレイ4900Aは、任意の数の内部結合要素を含んでもよいことが検討される。導波管ディスプレイ4900Aは、単一光ビーム4910Aを入力として受光してもよい。光ビーム4910Aは、単一プロジェクタ(図示せず)から入力として受光されてもよい。
【0254】
回折ビームスプリッタ4915Aは、内部結合要素4907Aの下流に設置されてもよく、単一光ビーム4910Aを複数のコピーに分裂させてもよい。回折ビームスプリッタ4915Aは、空間的に分離される、単一光ビーム4910Aのインコヒーレントコピーを生産してもよい。したがって、単一光ビーム4910Aのインコヒーレントコピーは、ともにインコヒーレントに総和され得る、一意の干渉パターンを生産し得る。いくつかの実施形態では、回折ビームスプリッタ4915Aは、ピッチ50nm〜500nmの周期的パターンを含んでもよい。
【0255】
図49Bは、いくつかの実施形態による、回折ビームスプリッタを使用した導波管ディスプレイ内における複数のインコヒーレント画像の生成のための方法を図示する、簡略化されたフローチャート4900Bである。本方法は、プロジェクタ(例えば、プロジェクタ4601)から入力された光を投影させるステップ(4910B)を含む。いくつかの実施形態では、光入力は、単一プロジェクタからの単一光ビームを含んでもよい。
【0256】
本方法はさらに、プロジェクタから入力された光を回折ビームスプリッタ(例えば、回折ビームスプリッタ4915A)において受光するステップ(4920B)を含む。本方法はさらに、回折ビームスプリッタにおいて光入力を複数の光ビームに分裂させるステップ(4930B)を含む。具体的には、回折ビームスプリッタは、空間的に分離される、光ビームのインコヒーレントコピーを生産し得る。したがって、光ビームのインコヒーレントコピーは、ともにインコヒーレントに総和され得る、一意の干渉パターンを生産し得る。
【0257】
本方法はさらに、回折ビームスプリッタからの複数の光ビームをOPE(例えば、OPE4608)において受光するステップ(4940B)を含む。OPEは、複数の光ビームをEPE(例えば、EPE4609)に向かって回折する、格子を含んでもよい。格子はさらに、複数の光ビームのクローン化を生じさせ、より多数の光ビームをEPEの中に送光させてもよい。本方法はさらに、OPEからの複数の光ビームをEPEにおいて受光するステップ(4950B)を含む。
【0258】
本方法はさらに、複数の光ビームの少なくとも一部を投影された画像として投影させるステップ(4960B)を含む。出力光ビームは、干渉パターンを投影された画像内に作成し得る。しかしながら、多くの出力光ビームによって作成された多数の一意の干渉パターンの重畳は、実質的に均一に現れ得る。多くの出力光ビームは、単一入力光ビームの分裂およびクローン化の結果であり得る。
【0259】
図49Bに図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、接眼ディスプレイデバイス内において複数のインコヒーレント画像を生成する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図49Bに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0260】
いくつかの実施形態では、導波管ディスプレイは、複数の回折要素を含み、入力光ビームを分裂させてもよい。
図50Aは、いくつかの実施形態による、2つの回折ビームスプリッタ5015A、5020Aを利用して導波管ディスプレイ5000Aの中に入力された単一光ビーム5010Aを図示する、ブロック図である。2つの回折ビームスプリッタ5015A、5020Aを有するように図示および説明されるが、任意の数の回折ビームスプリッタが、本明細書で議論される実施形態に従って使用されてもよいことが検討される。導波管ディスプレイ5000Aは、OPE5008Aと、EPE5009Aとを含んでもよく、これらはともに、瞳拡張デバイスを形成する。OPE5008AおよびEPE5009Aのみを有するように示されるが、導波管ディスプレイ5000Aは、任意の数の内部結合要素を含んでもよいことが検討される。導波管ディスプレイ5000Aは、単一光ビーム5010Aを入力として受光してもよい。光ビーム5010Aは、単一プロジェクタ(図示せず)から入力として受光されてもよい。
【0261】
2つの回折ビームスプリッタ5015A、5020Aは、内部結合要素5007Aの下流に設置されてもよく、それぞれ、単一光ビーム5010Aを複数のコピーに分裂させてもよい。回折ビームスプリッタ5015A、5020Aは、空間的に分離される、単一光ビーム5010Aのインコヒーレントコピーを生産してもよい。したがって、光ビームのインコヒーレントコピー5010Aは、ともにインコヒーレントに総和され得る、一意の干渉パターンを生産し得る。いくつかの実施形態では、回折ビームスプリッタ5015A、5020Aは、ピッチ50nm〜500nmの周期的パターンを含んでもよい。
【0262】
図50Bは、いくつかの実施形態による、複数の回折ビームスプリッタを使用した導波管ディスプレイ内における複数のインコヒーレント画像の生成のための方法を図示する、簡略化されたフローチャート5000Bである。本方法は、プロジェクタ(例えば、プロジェクタ4601)から入力された光を投影させるステップ(5010B)を含む。いくつかの実施形態では、光入力は、単一プロジェクタからの単一光ビームを含んでもよい。
【0263】
本方法はさらに、プロジェクタから入力された光を第1の回折ビームスプリッタ(例えば、回折ビームスプリッタ5015A)において受光するステップ(5020B)を含む。本方法はさらに、第1の回折ビームスプリッタにおいて、光入力を複数の第1の光ビームに分裂させるステップを含む(5030B)。具体的には、第1の回折ビームスプリッタは、空間的に分離される、光ビームのインコヒーレントコピーを生産し得る。したがって、光ビームのインコヒーレントコピーは、ともにインコヒーレントに総和され得る、一意の干渉パターンを生産し得る。
【0264】
本方法はさらに、プロジェクタから入力された光を第2の回折ビームスプリッタ(例えば、回折ビームスプリッタ5020A)において受光するステップ(5040B)を含む。本方法はさらに、第2の回折ビームスプリッタにおいて、光入力を複数の第2の光ビームに分裂させるステップ(950)を含む。具体的には、第2の回折ビームスプリッタは、空間的に分離される、光ビームのインコヒーレントコピーを生産し得る。したがって、光ビームのインコヒーレントコピーは、ともにインコヒーレントに総和され得る、一意の干渉パターンを生産し得る。
【0265】
本方法はさらに、それぞれ、第1および第2の回折ビームスプリッタからの複数の第1の光ビームおよび複数の第2の光ビームをOPE(例えば、OPE5008A)において受光するステップ(5060B)を含む。OPEは、複数の第1の光ビームおよび複数の第2の光ビームをEPE(例えば、EPE5009A)に向かって回折する、格子を含んでもよい。格子はさらに、複数の第1の光ビームおよび複数の第2の光ビームのクローン化を生じさせ、より多数の光ビームをEPEの中に送光してもよい。本方法はさらに、OPEからの複数の第1の光ビームおよび複数の第2の光ビームをEPEにおいて受光するステップ(5070B)を含む。
【0266】
本方法はさらに、複数の第1の光ビームおよび複数の第2の光ビームの少なくとも一部を投影された画像として投影させるステップ(5080B)を含む。出力光ビームは、干渉パターンを投影された画像内に作成し得る。しかしながら、多くの出力光ビームによって作成された多数の一意の干渉パターンの重畳は、実質的に均一に現れ得る。多くの出力光ビームは、単一入力光ビームの分裂およびクローン化の結果であり得る。
【0267】
図50Bに図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、接眼ディスプレイデバイス内において複数のインコヒーレント画像を生成する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図50Bに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0268】
上記に説明される種々の実施形態は、単独で、または任意の組み合わせにおいて実装されてもよいことが検討される。例えば、複数の入力光ビームが、1つ以上の回折ビームスプリッタと組み合わせて、導波管ディスプレイ内で使用されてもよいことが検討される。さらに、接眼ディスプレイ(例えば、複合現実、仮想現実、および/または拡張現実ウェアラブルデバイス)に適用可能であるように本明細書に説明されるが、本発明の実施形態は、遠眼ディスプレイ(例えば、車のフロントガラス)、眼追跡のための赤外線照明器、3次元深度感知、および/または他のコンピュータビジョンシステムにおいて利用されてもよいことが検討される。
(テレセントリックプロジェクタからの反射の抑制)
【0269】
いくつかの実施形態によると、接眼ディスプレイデバイス内のテレセントリックプロジェクタからの反射を抑制するためのシステムおよび方法が、提供される。回折光学要素が、テレセントリックプロジェクタからの光を導波管ベースの接眼ディスプレイデバイスの中に結合するために使用されてもよい。反射は、格子を回折光学要素上に実装すること等による、種々の技法のうちの1つ以上のものを通して、テレセントリックプロジェクタに向かって後方に伝搬することを防止されてもよい。
【0270】
テレセントリックプロジェクタは、大視野接眼ディスプレイを可能にするために望ましいが、典型的には、プロジェクタと導波管ディスプレイとの間の往復反射から得られる「残影」画像アーチファクトに悩まされる。他の光学システム内の反射を除去するための2つの従来の技法が存在するが、これは、接眼ディスプレイでは、不良な選択肢である。第1に、非テレセントリックプロジェクタが、使用され得るが、これは、ディスプレイアセンブリのサイズおよび重量を増加させ、ディスプレイの最大視野を有意に限定し得る。第2に、光学アイソレータが、円形偏光器に基づいて使用され得る。円形偏光器は、ベアガラスまたは部分的ミラーからの光の反射のように、ナノパターン化を伴わない、デバイスからの後方反射を防止するために良好に機能する。しかしながら、円形偏光器を備える、光学アイソレータは、従来の接眼ディスプレイにおいて使用される1D格子のような回折光学要素の偏光応答と互換性がない場合がある。導波管ディスプレイにおいて典型的に使用される1D格子のような回折コンポーネントは、高偏光感度を呈し、ナノパターン化を伴わないベアガラスの偏光応答とは非常に異なる。本発明の実施形態は、円形偏光器と併せて、導波管ディスプレイとプロジェクタとの間の反射を正常に除去し得る、ベアガラスのものを模倣する対称偏光応答を有する、回折光学要素を使用し得る。さらに、本発明の実施形態において使用される一意の回折光学要素は、非対称内部結合効率を有し、導波管ディスプレイ内の後続光学要素への高効率の光学結合を可能にする。
【0271】
図51Aは、いくつかの実施形態による、テレセントリックプロジェクタシステム5100Aを図示する、ブロック図である。テレセントリックプロジェクタシステム5100Aは、プロジェクタ5101と、導波管ディスプレイ要素5150とを含んでもよい。導波管ディスプレイ要素5150は、本明細書にさらに説明されるように、内部結合格子と、OPE領域と、EPE領域とを含んでもよい。プロジェクタ5101および導波管ディスプレイ要素5150は、いくつかの実施形態では、接眼ディスプレイデバイス内に含まれてもよい。
【0272】
図51Aのプロジェクタ5101は、プロジェクタ5101の光学軸が後続光操作デバイス(例えば、導波管ディスプレイ要素5150)の光学軸と一致するという点においてテレセントリックである。例えば、
図51Aでは、プロジェクタ5101は、光5107Aを導波管の平面ディスプレイ要素5150に対して垂直に投影し得る。テレセントリック配向のため、光5107Aの反射5107Bは、導波管ディスプレイ要素5150からプロジェクタ5101の中に後方伝搬し得る。これは、反射5107Bがプロジェクタ5101から再び出射すると、画像アーチファクトを生じさせ得る。これらの画像アーチファクトは、意図される画像上にオーバーレイされた意図される画像の偏移、鏡映、またはコピーとして現れ得る、「残影」画像として露見し得る。これらの画像アーチファクトは、注意を逸らし、全体的ディスプレイシステムのコントラストを低下させ得る。
【0273】
画像アーチファクトと関連付けられた問題を解法する1つのアプローチは、非テレセントリック構成の使用を伴う。
図51Bは、いくつかの実施形態による、非テレセントリックプロジェクタシステム5110Bを図示する、ブロック図である。非テレセントリックプロジェクタシステム5110Bは、プロジェクタ5101と、導波管ディスプレイ要素5150とを含んでもよい。プロジェクタ5101および導波管ディスプレイ要素5150は、いくつかの実施形態では、接眼ディスプレイデバイス内に含まれてもよい。
【0274】
図51Bのプロジェクタ5101は、プロジェクタ5101の光学軸が後続光操作デバイス(例えば、導波管ディスプレイ要素5150)の光学軸と整合されないという点において非テレセントリックである。例えば、
図51Bでは、プロジェクタ5101は、導波管ディスプレイ要素5150に対する垂直方向に対してある角度で配向されてもよい。非テレセントリック配向のため、光5107Aの反射5107Bは、導波管ディスプレイ要素5150によって、部分的または完全に、プロジェクタ5101から離れるように伝搬され得る。しかしながら、非テレセントリック構成は、色分散および像面湾曲等の収差がより顕著になり得るため、プロジェクタ5101の設計をより複雑にし得る。加えて、非テレセントリック構成におけるプロジェクタ5101は、テレセントリック構成におけるプロジェクタより大きくある必要があり得、接眼レンズに対する視野を限定し得る。
【0275】
したがって、接眼ディスプレイデバイス内のテレセントリックプロジェクタからの反射を抑制するためのシステムおよび方法が、必要とされる。本発明の実施形態は、円形偏光器をテレセントリックプロジェクタと後続光操作デバイス(例えば、回折内部結合要素、導波管瞳エクスパンダ等)との間に実装することによって、本必要性およびその他を満たす。さらに、本発明の実施形態は、非常に低効率を同一方向に伴って、特定の偏光掌性(例えば、右回りまたは時計回り、左回りまたは反時計回り)において円形偏光の反射を呈する、回折内部結合要素を実装してもよい。
【0276】
図52は、いくつかの実施形態による、接眼ディスプレイデバイス内のテレセントリックプロジェクタ5201からの反射を抑制するためのシステム5200を図示する、ブロック図である。システム5200は、プロジェクタ5201と、円形偏光器5210と、回折光学要素5240と、直交瞳エクスパンダ5208と、射出瞳エクスパンダ5209とを含んでもよい。回折光学要素5240は、本明細書にさらに説明されるように、内部結合格子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、システム5200は、頭部搭載型デバイス等の接眼ディスプレイデバイス内に含まれてもよい。プロジェクタ5201の外部にあるように図示および説明されるが、円形偏光器5210は、いくつかの実施形態では、プロジェクタ5201の内部に位置付けられてもよいことが検討される。いくつかの実施形態では、プロジェクタ5201は、偏光回転ベースの空間光変調器を含んでもよい。
【0277】
システム5200は、テレセントリックに投影するように設計され、直交瞳エクスパンダ5208および射出瞳エクスパンダ5209の1つ以上の表面に位置する回折光学要素5240を介して、直交瞳エクスパンダ5208および射出瞳エクスパンダ5209と結合される、プロジェクタ5201を含んでもよい。これらの要素は、本明細書にさらに説明されるように、導波管ディスプレイ要素の要素であってもよい。
図52では、直交瞳エクスパンダ5208および射出瞳エクスパンダ5209の1つの表面上のみに位置するように示されるが、回折光学要素5240は、直交瞳エクスパンダ5208および射出瞳エクスパンダ5209の2つ以上の表面上に位置してもよいことが検討される。さらに、直交瞳エクスパンダ5208および射出瞳エクスパンダ5209の1つの表面を完全に被覆するように示されるが、回折光学要素5240は、代替として、または加えて、直交瞳エクスパンダ5208および射出瞳エクスパンダ5209の1つ以上の表面の一部を被覆してもよいことが検討される。
【0278】
プロジェクタ5201の光学軸は、回折光学要素5240および/または直交瞳エクスパンダ5208および射出瞳エクスパンダ5209に対する面法線と整合されてもよい。円形偏光器5210は、回折光学要素5240とプロジェクタ5201との間に挿入されてもよい。プロジェクタ5201は、光5207を円形偏光器5210上に投影してもよい。円形偏光器5210は、光5207を受光し、光5207を円形に偏光された光に円形に偏光し、特定の掌性(例えば、右回りまたは時計回り、左回りまたは反時計回り)において円形に偏光される、光5215を放出してもよい。いくつかの実施形態では、円形に偏光された光5215は、複数の視野方向のために円形に偏光されてもよい。回折光学要素5240は、本円形に偏光された光5215を直交瞳エクスパンダ5208および射出瞳エクスパンダ5209の全内部反射モードに結合するように設計されてもよい。
【0279】
円形偏光器5210は、高消光比を有する、種々のコンポーネントのいずれかによって実装されてもよく、透明および/または吸収材料を含んでもよい。例えば、円形偏光器5210は、線形偏光器と、4分の1波プレートとを含んでもよい。別の実施例では、円形偏光器5210は、ゼロ次またはより高い次数のダイクロイック偏光器を含んでもよい。別の実施例では、円形偏光器は、複屈折材料の薄膜スタックを含んでもよい。仮に、直交瞳エクスパンダ5208、射出瞳エクスパンダ5209、および回折光学要素5240が、その面法線がプロジェクタ5201の軸と整合された状態で配向される、完璧な平面ミラーによって置換される場合、円形偏光器5210から出現する円形に偏光された光5215は、ミラーから反射し、プロジェクタ5201に向かって後方伝搬し、反射は、円形に偏光された光5215と反対偏光掌性(例えば、時計回りおよび反時計回り)を有するであろう。したがって、円形偏光器5210は、反対偏光掌性を有する入射光を吸収するように選択または構成され得る。
【0280】
回折光学要素5240は、円形偏光器5210から出現する円形に偏光された光5215が低効率で同一偏光掌性に反射し、任意の反射が存在する場合、それが反対偏光掌性によって特徴付けられ、回折光学要素5240、直交瞳エクスパンダ5208、および/または射出瞳エクスパンダ5209からの反射後、円形偏光器5210によって吸収され得るように設計されてもよい。回折光学要素5240の幾何学的構造は、所望の偏光特性を達成するように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、回折光学要素5240は、格子を含んでもよい。例えば、平坦上部または底部を伴うブレーズド格子または交差格子構造が、本明細書にさらに説明されるように、回折光学要素5240上に実装されてもよい。1次元周期性を伴うバイナリ層状またはブレーズド格子は、格子溝に沿って、またはそれと垂直に線形に偏光された光に対して偏光選択的であり得る。
【0281】
いくつかの実施形態では、回折光学要素5240は、偏光に鈍感なラティス対称性を含んでもよい。完全偏光鈍感性は、高度な対称性を伴う格子を用いて達成され得る。これらの格子は、単位セルが正方形または正六角形である、正方形または三角形対称性を伴うラティスを含んでもよい。各単位セル内の散乱要素は、正方形ラティス実施例におけるC4対称性を有する、正方形、十字形、八角形、または任意の他の形状によって形成されてもよい。三角形ラティス実施例では、散乱要素は、C6対称性を有し得る。これらの格子は、平坦平面界面のものに類似する、反射特性を有し得る。円形偏光器の使用に関連する付加的説明は、
図95Aおよび関連付けられた説明に関連して提供される。
【0282】
図53Aは、いくつかの実施形態による、回折光学要素上の正方形ラティス格子構造を図示する、ブロック図である。正方形ラティス格子構造は、複数の正方形ラティス要素5300Aを含んでもよい。正方形ラティス要素5300Aは、C4対称性を有し得る。さらに、正方形ラティス要素5300Aは、矢印方向(例えば、水平および垂直)に実質的に等しく光を回折し得る。
【0283】
図53Bは、いくつかの実施形態による、回折光学要素上の円形の丸みを帯びた要素の格子構造を図示する、写真である。円形の丸みを帯びた要素の格子構造は、複数の円形ラティス要素5300Bを含んでもよい。円形ラティス要素5300Bは、C4対称性を有し得る。さらに、円形ラティス要素5300Bは、矢印方向(例えば、水平および垂直)に実質的に等しく光を回折し得る。
【0284】
いくつかの実施形態では、回折光学要素は、バイナリ、多段階、またはブレーズド格子を含んでもよい。格子は、「交差」または「横切」されてもよい。例えば、ブレーズド格子は、ブレーズ溝と垂直にエッチングされた溝を有してもよい。回折効率を最適化するために、垂直溝の周期は、光の波長を下回り、垂直方向に沿った回折を抑制し得る。周期の正確な値は、接眼ディスプレイデバイスの設計される視野に依存し得るが、一次格子ピッチ未満であり得る。
【0285】
図54Aは、いくつかの実施形態による、回折光学要素5410Aのバイナリ格子隆起5420Aの上面図である。バイナリ格子隆起5420Aは、光5430Aを矢印方向に等しく回折し得る。
図54Bは、いくつかの実施形態による、回折光学要素5410Bの横切バイナリ格子隆起5420Bの上面図である。
図54Bの横切バイナリ格子隆起5420Bは、細線を
図54Aのバイナリ格子隆起5420Aに切り込むことによって生産されてもよい。横切バイナリ格子隆起5420Bは、低減された偏光感度を有するが、依然として、光5430Bを矢印方向に等しく回折し得る。さらに、横切バイナリ格子隆起5420Bは、回折を抑制しながら、同時に、反射を投入された光と同一偏光状態に低減させ得る。
図54Aおよび54Bに示される格子は、高対称性を伴うラティスに対して、4つまたは6つではなく、2つの方向のみに等しく回折させ得る。
【0286】
いくつかの実施形態では、回折光学要素は、1つの方向において他方の方向より強く回折するように設計される、格子を有してもよい。これは、望ましくない方向における回折に対して損失する実質的量の光が存在するので、高度なラティス対称性を伴う格子の使用を排除し得る。
図55は、いくつかの実施形態による、回折光学要素5510の横切斜向格子隆起5520の上面図である。
図55では、格子5520は、格子を構成する散乱要素の形状を最適化することによって、2つの方向のうちの1つ(例えば、右方向5530Bとは対照的に、左方向5530A)に向かって斜向を導入するように精緻化されている。例えば、
図54Bの長方形要素は、三角形要素と置換され、1つの方向により強く回折する格子を生産してもよい。
図56は、いくつかの実施形態による、回折光学要素5610上の三角形要素格子構造5620を図示する、写真である。
図56は、加工されたままの状態の
図55に図示される格子構造を表し得る。
図57は、いくつかの実施形態による、回折光学要素5710上の卵形要素格子構造5720を図示する、写真である。
【0287】
種々のプロセスが、本明細書に説明される格子を加工するために使用されてもよい。例えば、電子ビームリソグラフィが、使用されてもよい。電子ビームリソグラフィに従って、電子ビームレジストが、ウエハ上に吐出され、電子ビームが、パターン面積にわたって走査され、レジストが、現像され、次いで、エッチングプロセスが、パターンをウエハに転写するために使用されてもよい。代替として、レジストは、直接、表面起伏パターンとして使用されてもよい。レジストは、正または負であってもよい(すなわち、露光される面積は、ピットまたはメサのいずれかであってもよい)。エッチングプロセスは、ドライ(例えば、反応性イオンエッチング、化学支援イオンビームエッチング等)またはウェット(例えば、水酸化カリウム浴)であってもよい。本プロセスは、高分解能パターンを生産し得、したがって、鮮明な幾何学的特徴が、生産され得る(例えば、20nm分解能まで)。
【0288】
別の実施例では、レチクルフォトマスクを伴う走査紫外線(UV)リソグラフィが、使用されてもよい。レチクルフォトマスクは、周期的格子パターンから、いくつかの実施形態では、ある拡大係数(例えば、4または5倍)で作製されてもよい。レチクルは、UVリソグラフィシステム内のマスクとして使用され、ウエハ上に吐出されたフォトレジストを露光し得る。レジストは、現像されてもよく、パターンが、上記に説明されるもの等のエッチングプロセスを介して、ウエハに転写されてもよい。本プロセスは、数十ナノメートルの分解能に限定され得る。多重露光もまた、本明細書にさらに説明されるように、採用されてもよい。
【0289】
別の実施例では、二光子重合が、使用されてもよい。液相レジストが、基板上に吐出されてもよく、非共線形低エネルギー(すなわち、重合閾値エネルギーの半分を下回るエネルギー)光子の2つのビームが、パターン場所に指向される。ビームが交差する場所において、二光子化学プロセスが、レジストを重合し、それを架橋結合された固体に変える。レジストは、現像されてもよく、重合され、パターン化された面積は、残り得る。パターンは、直接、使用される、または上記に説明されるもの等のエッチングプロセスを使用して、基板に転写されてもよい。本プロセスは、緩慢であり得るが、非常に高い分解能であることが可能である。
【0290】
別の実施例では、多重露光干渉リソグラフィが、使用されてもよい。非共線形コヒーレント光の2つのビームが、レジストコーティングされた基板に指向されてもよい。ビームが、建設的に干渉する場所において、レジストは、露光されてもよく、ビームが、破壊的に干渉する場所において、レジストは、露光されなくてもよい。ビームは、同一方向に偏光される近似平面波であって、線の周期的アレイから成る干渉パターンをもたらし得る。本プロセスは、線から成る1次元の周期的格子のために使用されてもよい。本プロセスは、線が相互に垂直ではない多重露光を実施し、例えば、正方形または六角形単位セルを伴う2次元の周期的格子を画定することによって拡張され得る。
【0291】
別の実施例では、集束イオンビームミリングが、使用されてもよい。例えば、ガリウムイオンのビームが、基板に衝打し、材料を物理的にスパッタリングし、アブレートして除去するように加速されてもよい。パターンは、基板から「掘設」されてもよい。本プロセスは、緩慢であるが、高分解能であり得る。しかしながら、アブレートされた材料は、再堆積する傾向にあり得る。
【0292】
別の実施例では、自己集合マスクが、使用されてもよい。懸濁液中の(例えば、ポリスチレン)ビーズまたは粒子のセットが、基板上に設置されてもよい。蒸発を通して、粒子が、表面張力に起因して、規則的周期的アレイに自己集合する傾向にあり得る。これらの自己集合パターンは、正しい周期性を保有し、回折構造自体またはパターン転写のための物理的エッチングマスクのいずれかとして作用し得る。これらの自己集合構造はまた、それらが集合解除することを防止するために固定を要求し得る。
【0293】
格子はまた、大量生産されてもよい。種々の技法が、格子を大量生産するために使用されてもよい。例えば、ナノインプリントリソグラフィが、使用されてもよい。マスタテンプレート表面起伏パターンが、複製物を刻設するために使用されてもよい。本マスタテンプレートは、堅性(直接、エッチングされたシリコンウエハを使用して、付加的ウエハを刻設する等)、または可撓性(ポリマー基板のロール上の表面起伏パターン等)であってもよい。加えて、いくつかの回折構造は、新しいパターンをリソグラフィで露光させるために使用され得る、近距離または空中回折パターンを生産するために照明されてもよい。
【0294】
図58は、本発明のある実施形態による、接眼ディスプレイデバイス内のテレセントリックプロジェクタからの反射を抑制する方法を図示する、簡略化されたフローチャート5800である。本方法は、光をプロジェクタから投影させるステップ(5810)を含む。プロジェクタは、例えば、本明細書に説明されるプロジェクタのいずれかであってもよい。プロジェクタは、光を回折光学要素と垂直に投影するように構成されてもよい。プロジェクタは、偏光回転ベースの空間光変調器を含んでもよい。
【0295】
本方法はさらに、投影された光を円形偏光器において受光するステップを含む(5820)。いくつかの実施形態では、円形偏光器は、線形偏光器と、4分の1波プレートとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、円形偏光器は、ゼロ次またはより高い次数のダイクロイック偏光器を含んでもよい。いくつかの実施形態では、円形偏光器は、薄膜スタックまたは複屈折材料を含んでもよい。円形偏光器は、例えば、本明細書に説明される円形偏光器のいずれかであってもよい。
【0296】
本方法はさらに、投影された光を、第1の偏光掌性によって特徴付けられる円形に偏光された光に円形に偏光するステップ(5830)を含む。第1の偏光掌性は、右回り(すなわち、時計回り)または左回り(すなわち、反時計回り)であってもよい。円形に偏光された光は、複数の視野方向のために円形に偏光されてもよい。
【0297】
本方法はさらに、円形偏光器からの円形に偏光された光を回折光学要素において受光するステップ(5840)を含む。回折光学要素は、例えば、本明細書に説明される回折光学要素のいずれかであってもよい。回折光学要素は、例えば、内部結合格子等の格子を含んでもよい。格子は、バイナリ格子、多段階格子、またはブレーズド格子のうちの少なくとも1つを含んでもよい。格子は、偏光に鈍感なラティス対称性を含んでもよい。偏光に鈍感なラティス対称性は、正方形ラティス対称性または三角形ラティス対称性のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0298】
本方法はさらに、回折光学要素からの円形に偏光された光を直交瞳エクスパンダにおいて受光するステップ(5850)を含む。直交瞳エクスパンダは、例えば、本明細書に説明されるOPEのいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、回折光学要素および/または直交瞳エクスパンダは、第1の偏光掌性と反対の第2の偏光掌性において円形に偏光された光の反射を反射させてもよい(すなわち、第1の掌性は、右回りであってもよい一方、第2の掌性は、左回りであってもよい、またはその逆であってもよい)。回折光学要素は、第1の偏光掌性において円形に偏光された光の任意の反射を抑制しながら、第2の偏光掌性において円形に偏光された光の反射を円形偏光器に通過させるように構成されてもよい。これらの実施形態では、円形偏光器は、第2の偏光掌性において円形に偏光された光の反射を吸収し得る。本方法はさらに、直交瞳エクスパンダからの円形に偏光された光を射出瞳エクスパンダにおいて受光するステップ(5860)を含む。本方法はさらに、円形に偏光された光の少なくとも一部を投影された画像として投影させるステップ(5870)を含む。
【0299】
図58に図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、接眼ディスプレイデバイス内のテレセントリックプロジェクタからの反射を抑制する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図58に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
(可変幾何学形状回折光学要素)
【0300】
本発明のいくつかの実施形態によると、バイナリ格子高の空間変調を介して、回折構造(例えば、回折格子領域)の回折効率および/または光学位相を変調することによって、ライトフィールド導波管ディスプレイの画質を改良する、方法およびシステムが、提供される。格子高変調を利用することによって、本発明の実施形態は、性能導波管ディスプレイに悪影響を及ぼす、1つ以上の画像アーチファクト、すなわち、A)多くの場合、出力画像内の暗色帯域または条痕として現れる、干渉ベースの画像アーチファクト、およびB)眼位置に対する画像明度における変動を緩和させる。本明細書に説明されるように、光学構造を加工する方法は、グレースケールリソグラフィ、多重リソグラフィ露光とエッチングプロセスの使用、および同等物の使用を含むことができる。
【0301】
多数の利点が、従来の技法に優る本発明の方法によって達成される。例えば、本発明の実施形態は、格子高の空間変調を介して、格子領域の回折効率および/または光学位相を変調することによって、ライトフィールド導波管ディスプレイの画質を改良する、方法およびシステムを提供する。格子のための典型的トップダウン加工プロセスでは、格子高は、リソグラフィにおいて規定されることができず、故に、本発明の実施形態は、格子高の空間変動を作成するために好適な高度な後処理技法を提供する。故に、格子を利用する典型的ライトフィールド導波管ディスプレイは、1つのみまたは少数の格子高を有するように設計が限定される。導波管ディスプレイ内の異なる格子領域間の可変回折効率および/または光学位相は、高明度、高輝度均一性、高色均一性、高鮮明度、および低干渉ベースの画像アーチファクトを伴う画像を生産するために望ましい。本明細書に説明される実施形態とは対照的に、典型的導波管ディスプレイは、格子デューティサイクル、ピッチ、および角度を変動させることによって、異なる格子領域間の回折効率および/または光学位相のみを操作する。可変格子デューティサイクルは、回折効率および光学位相の非常にわずかな調整範囲を可能にする。可変格子ピッチおよび角度は、光学位相の大きな調整範囲を可能にするが、導波管ディスプレイ内の歪曲およびぼけを犠牲にする。可変格子高は、無視可能な歪曲およびぼけを伴って、回折効率および光学位相の大きな調整範囲を可能にする。
【0302】
本発明のいくつかの実施形態は、回折効率を変調し、および/または複数の伝搬経路の相対的位相をランダム化し、これらの干渉効果を低減または排除させることによって、画像アーチファクトを低減させる。本明細書に説明されるように、ランダム化は、所望に応じて、回折効率における変動をもたらす、位置の関数として格子高を変調することによって達成されることができる。例えば、OPEの各領域または下位区分内の格子高の可変分布は、光学位相を摂動させ、OPE内の全ての可能性として考えられる光学経路間のコヒーレンスが低減されるため、出力画像の干渉ベースの画像アーチファクトを低減させるであろう。さらに、EPE内の格子の高さの段階的な変動は、出力画像内の視野を横断した明度均一性および異なる眼位置を横断した明度均一性を増加させるであろう。
【0303】
図59Aは、本発明のある実施形態による、一定回折効率によって特徴付けられる回折構造の平面図を図示する、簡略化された概略図である。
図59Aでは、本明細書に説明されるようなOPEまたはEPEの要素であり得る、回折構造5930、または光をプロジェクタから接眼レンズ層の中に結合する、内部結合格子(ICG)は、側方(すなわち、接眼レンズ層の平面と平行な)位置の関数として、回折効率が均一である。実施例として、位置の関数として均一格子深度を有する、OPEは、OPEを横断して一定回折効率をもたらし得る。
【0304】
図59Bは、本発明のある実施形態による、異なる回折効率の領域によって特徴付けられる回折構造の平面図を図示する、簡略化された概略図である。
図59Aに図示される位置の関数としての一定回折効率とは対照的に、
図59Bは、位置の関数としての異なる回折効率を図示する。
図59Bに図示される実施例では、4つの異なる回折効率が、灰色の4つの異なる陰影(すなわち、白色(5942)、薄灰色(5944)、濃灰色(5946)、および黒色(5948))によって表される領域によって図示される。実施例として、白色領域5942は、最低回折効率を表し得、黒色領域5948は、最高回折効率を表し得、薄灰色5944および濃灰色5946領域は、中間回折効率を表す。
【0305】
領域間の回折効率の差異は、特定の用途に応じて、一定または変動し得る。さらに、異なる回折効率によって特徴付けられる4つの領域が、
図59Bに図示されるが、これは、本発明のいくつかの実施形態によっては、要求されず、より多数の領域またはより少数の領域が、利用されることができる。本明細書により完全に説明されるように、特定の実施形態では、第1の領域(例えば、白色領域5942)は、第1の格子深度を有し、第2の領域(例えば、黒色領域5948)は、第1の格子深度を上回る第2の格子深度を有し、それによって、白色領域のために達成されるものより高い回折効率を黒色領域に提供する。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0306】
図59Bに図示される実施形態では、各領域において、回折効率は、一定である。領域のサイズは、特定の用途に応じて、変動し得、例えば、約10μm〜数ミリメートルの寸法を伴う。実施例として、OPEのサイズが、一辺が約3mmであって、領域のサイズが、一辺が約0.3mmである場合、OPEは、約100の領域を含み得る。
図59Bに図示される実施例では、異なる回折効率によって特徴付けられる領域は、ランダムに分散されるが、これは、本発明によって要求されるものではない。他の実装では、隣接する領域間の回折効率の差異は、所定の閾値を下回るように設定される、正弦波パターンに追従する、単調に増加または減少する、単調増加または減少関数にランダム性が付与される、算出ホログラム設計によって決定される、自由形態レンズ設計によって決定される、または同等物であり得る。
【0307】
したがって、
図59Bに図示されるように、本発明のいくつかの実施形態は、側方位置の関数として格子構造の高さレベルを、空間的に変動させ、位置の関数として回折効率を修正する。いくつかの異なる加工アプローチが、本明細書により完全に説明されるように、回折効率および/または光学位相を空間的に制御し、導波管ディスプレイの画質を改良するために使用されることができる。実施例として、導波管ディスプレイでは、OPEおよび/またはEPE格子領域は、多くの領域に分割されることができ、各領域は、OPEおよび/またはEPEを構成する1つ以上の他の領域と異なる格子高を有する。
【0308】
図59Cは、本発明の別の実施形態による、異なる回折効率の領域によって特徴付けられる回折構造の平面図を図示する、簡略化された概略図である。
図59Cに図示される実施形態では、領域サイズは、
図59Bに図示されるものより小さく、増加数の領域をもたらす。例えば、一辺が約3mmであって、領域サイズが約0.1mmのOPEに関して、OPEは、約900の領域を含み得る。当業者に明白であろうように、特定の領域サイズは、特定の用途に応じて選択されることができる。異なる回折効率の数は、
図59Bに図示されるように、4つの異なる回折効率であることができる、またはより多数または少数であることができる。
図59Cに図示される実施形態では、回折効率は、各領域において一定であって、領域間の差異は、位置の関数として回折効率における変動を提供する。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0309】
図60A−Hは、本発明のいくつかの実施形態による、グレースケールリソグラフィを使用して可変回折効率格子を加工するためのプロセスを図示する、簡略化されたプロセスフロー図である。
【0310】
図60A−Hに図示されるように、グレースケールリソグラフィは、位置の関数として可変回折効率を伴う回折構造(例えば、回折格子)を形成するために利用される。当業者に明白であろうように、グレースケールリソグラフィは、現像後のフォトレジスト(すなわち、レジスト)の厚さが局所露光用量によって決定される、リソグラフィ技法である。用量の空間分布は、透過率が異なる領域内で変動する、フォトマスクによって達成されることができる。
図60Aを参照すると、マスク6007は、入射光6005に露光される。マスク6007は、位置の関数として段階的な透過率、例えば、第1の側(例えば、左側)上に高透過率、第2の側(例えば、右側)上に低透過率を有する。透過率は、線形または非線形に段階的であることができる。グレースケールリソグラフィに加え、電子ビームリソグラフィまたはレーザ書込等の他の直接書込技法も、用量分布を空間的に制御するために使用されることができ、本発明の実施形態に適用可能である。
【0311】
基板6010(例えば、シリコン、シリカ、または同等物)は、硬質マスク層6012およびレジスト層6014でコーティングされる。ある実施形態では、硬質マスク層は、SiO
2または他の好適な材料を使用して形成される。いくつかの実施形態では、硬質マスク層は、酸化プロセスを使用して形成されることができ、したがって、用語「コーティングされた」の使用は、堆積以外のプロセスを含む。マスク6007を使用した露光に応じて、高透過率(例えば、左側)を伴うマスクの部分に隣接するレジストは、より低い透過率(例えば、右側)を伴うマスクの部分に隣接するレジストより高い用量を受光する。
【0312】
図60Bは、露光および現像後のレジストプロファイルを図示する。より高い用量が高透過率を伴うマスクの部分に隣接して受光されることに起因して、レジスト層6014の高さは、位置の関数として薄い値からより厚い値にテーパ状にされる。レジスト/硬質マスク層のエッチングが、次いで、実施される。
【0313】
図60Cは、
図60Bに図示されるレジストプロファイルを使用してエッチング後のエッチングプロファイルを図示する。レジストプロファイルは、本実施形態では、「比例RIE」によって硬質マスク層に転写される。本プロセスでは、レジストは、下層材料のエッチングを遅延させ、遅延は、エッチング厚に比例するであろう。レジストのエッチング率と下層材料のエッチング率との間の比率は、レジストプロファイルとエッチングプロファイルとの間の垂直比例性を決定する。
図60Cに示されるように、レジストプロファイル内に存在する高さ差異は、硬質マスク層6025に転写され、硬質マスク層の厚さが位置の関数として変動するため、テーパ状プロファイルを伴う硬質マスク層をもたらしている。
図60Dは、テーパ状硬質マスク層6025上のレジスト層6030内に画定される回折構造の形成を図示する。例えば、パターン化されたレジスト層は、当業者に明白であろうように、レジストの吐出およびパターン化によって形成されることができる。UV、EBL、またはナノインプリントを含む、リソグラフィプロセスは、所望の回折構造を伴う硬質マスク層をパターン化するために使用されることができることに留意されたい。
【0314】
図60Eは、硬質マスク層内の回折構造の形成を図示し、これは、続いて、格子構造を基板内に形成するために使用される、テーパ状エッチングマスクを提供するであろう。
図60Eでは、エッチングプロセスが、硬質マスク材料(例えば、SiO
2)内の高エッチング率および基板材料(例えば、シリコン)の低エッチング率によって特徴付けられるように利用される。本エッチングプロセスは、位置の関数として厚さが変動する、テーパ状エッチングマスク材料内の格子構造の周期性を含む、テーパ状エッチングマスクを形成する。
【0315】
図60Fは、レジスト層6030の除去と、テーパ状エッチングマスクおよび比例エッチングプロセスを使用した基板の初期エッチングとを図示する。
図60Gは、マスタ6045と、
図60Fに図示されるテーパ状エッチングマスクを使用してエッチング後のエッチングプロファイルとを図示する。
図60Gに示されるように、テーパ状エッチングマスク内に存在する高さ差異が、基板に転写されており、領域6050(グレースケールマスクのより高い透過率領域と関連付けられる)内のより浅いエッチング(すなわち、より低い格子高)と、領域6052内のより深いエッチング(すなわち、より高い格子高)とを伴う。実施例として、格子歯間の高さにおける変動は、所定の範囲、例えば、5nm〜500nmにわたって変動することができる。したがって、
図60Gに図示されるように、本発明の実施形態は、グレースケールリソグラフィプロセスを利用して、位置の関数として変動する格子高、その結果、可変回折効率を伴う回折構造を有する、マスタを形成する。グレースケールマスク内の線形透過率変動の結果として、格子高における線形増加が、
図60Gに図示されるが、本発明は、本線形プロファイルに限定されず、所定の高さ変動を有する他のプロファイルも、本発明の範囲内に含まれる。単一可変高領域が、
図60Gに図示されるが、本単一領域は、複数の異なる回折効率の領域を図示する、
図59Bに照らして検討されるべきであることに留意されたい。格子高のテーパ状は、したがって、特定の領域と関連付けられた所定の格子高と組み合わせられ、領域内および領域間の両方の回折効率における変動を提供することができる。さらに、本明細書に議論されるように、
図60Gに図示される可変高領域のサイズ未満の長さスケールで透過率が変動する、グレースケールマスクの使用は、格子歯の周期性のスケールで異なる量の光を通過させ、歯毎に変動する格子高プロファイルをもたらす、グレースケールマスクの使用を可能にする。したがって、離散領域に加え、本発明の実施形態は、連続変動実装も含む。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0316】
図60Hは、マスタ6045を使用して加工する、サブマスタ6060を図示し、これは、付加的コピーをインプリントするための複製プロセスにおいて使用されることができる。サブマスタ6060によって図示されるように、マスタ内に存在する所定のパターン化された構造の補完物を有するであろう。例えば、
図60Gに図示されるマスタは、格子構造の底部と整合される平面表面6062を有するため、サブマスタ6060は、平面表面6064と整合される格子構造の上部を有する。
【0317】
図60Hに図示される実施形態では、回折光学要素は、平面上部表面6062によって特徴付けられ、回折構造は、基板内の可変距離まで延在する。言い換えると、格子線の上部は、同一平面である。対照的に、
図62Cに図示される実施形態では、回折光学要素は、基板内の一定深度まで延在し、回折効率における差異は、一定深度平面に対する回折要素高における差異から生じる。言い換えると、格子線の底部は、同一平面である。
【0318】
複製プロセスは、格子の上部が同一平面である回折構造を格子の底部が同一平面である回折構造に変換することができることに留意されたい。付加的複製プロセスは、反対の変換を提供することができる。
図60Gおよび60Hを参照すると、
図60Gでは、格子線の底部は、平面6061と同一平面である。
図60Gに図示される構造が、複製される場合、
図60Hに図示される構造は、格子線の上部が上部表面6062と同一平面であるように生産される。当業者に明白であろうように、
図60Hに図示される構造の複製は、
図60Gに図示される構造の生産をもたらすであろう。したがって、2つの複製プロセスは、オリジナル金型のコピーを生産することができる。
【0319】
図61A−Cは、本発明のある実施形態による、異なる表面高を伴う領域を加工するためのプロセスを図示する、簡略化されたプロセスフロー図である。本明細書に説明されるように、グレースケールリソグラフィが、異なる表面高を伴う領域を形成するために利用されることができる。
図61Aを参照すると、マスク6110が、入射光6105に露光される。マスク6110は、第1の透過率によって特徴付けられる第1の領域6112と、第1の透過率を上回る第2の透過率によって特徴付けられる第2の領域6114とを有する。基板6120は、レジスト層6122でコーティングされる。マスク6110を使用した露光に応じて、第2の領域6114に隣接するレジストは、第1の領域6112に隣接するレジストより高い用量を受光する。
【0320】
図61Bは、露光および現像後のレジストプロファイルを図示する。より高い用量が第2の領域6114に隣接して受光されることに起因して、領域6132内のレジストの高さは、領域6130内のレジストの高さ未満である。
【0321】
図61Cは、
図61Bに図示されるレジストプロファイルを使用したエッチング後のエッチングプロファイルを図示する。
図61Cに示されるように、レジストプロファイル内に存在する高さ差異が、基板に転写されており、領域6142内のより深いエッチング(すなわち、より低い表面高)と、領域6140内のより浅いエッチング(すなわち、より高い表面高)とを伴う。したがって、本発明の実施形態は、グレースケールリソグラフィプロセスを利用して、グレースケールマスク内に存在するグレースケールパターンの関数として変動する高さを伴う表面プロファイルを形成する。
【0322】
図62A−Cは、本発明のある実施形態による、異なる回折効率を有する格子を伴う領域を加工するためのプロセスを図示する、簡略化されたプロセスフロー図である。
図62A−Cに図示される実施形態では、基板6210は、回折光学要素の一部を形成するように処理される、格子構造6215を含む。
【0323】
図62Aでは、加工プロセスは、平面かつ平行な上部および底部表面によって特徴付けられる基板から開始する、すなわち、上部表面は、底部表面に対して傾斜されない。回折構造は、格子線の上部が、平面であって、格子高における変動が、格子要素が基板の中に延在する距離における差異と関連付けられるように、基板の中にエッチングされる。
【0324】
基板6210は、支持表面6201と、支持表面と反対の格子表面6203とを含む。格子表面6203は、本実施形態では、均一格子高によって特徴付けられる、格子構造の上部と整合される。格子構造6215は、
図62Aでは、基板材料内に加工されるように図示されるが、これは、本発明によって要求されないものであって、格子構造は、
図63Aおよび
図64Aに図示されるように、基板と異なる材料から作製され、いくつかの実施形態では、マスクとして使用されることができる。
【0325】
図62Aを参照すると、マスク6207は、入射光6205に露光される。マスク6207は、第1の透過率によって特徴付けられる第1の領域6212と、第1の透過率を上回る第2の透過率によって特徴付けられる第2の領域6214とを有する。基板6210は、レジスト層6220でコーティングされる。マスク6207を使用した露光に応じて、第2の領域6214に隣接するレジストは、第1の領域6212に隣接するレジストより高い用量を受光する。
【0326】
図62Bは、露光および現像後のレジストプロファイルを図示する。より高い用量が第2の領域6214に隣接して受光されることに起因して、領域6232内のレジストの高さは、領域6230内のレジストの高さ未満である。
【0327】
図62Cは、
図62Bに図示されるレジストプロファイルを使用したエッチング後のエッチングプロファイルを図示する。
図62Cに示されるように、レジストプロファイル内に存在する高さ差異は、格子構造6215に転写されており、格子構造の一部は、領域6242内で除去され、オリジナル格子構造は、領域6240内に保存される。格子歯間のレジストの存在は、格子構造の上部のエッチングを可能にしながら、格子構造の底部のエッチングを防止する。故に、
図62Cに図示されるように、領域6242内の格子の高さは、領域6240内の格子の高さ未満であって、格子が異なる回折効率を有する領域をもたらす。
【0328】
図62Cに図示される実施形態では、異なる格子高を伴う2つの領域6240および6242が、図示されるが、本発明は、2つの領域に限定されず、異なる高さを伴う付加的領域が、加工されることができる。
図59Bを参照すると、4つの異なるタイプの領域が、回折構造を横断してランダムに分散されるように図示される。いくつかの実施形態では、4つより少ないまたはより多い異なる領域が、利用される。単一露光を使用して、位置の関数として変動する高さを伴うレジストの領域の形成が、遂行されることができ、レジスト変動が、次いで、可変高および対応する回折効率の格子に転写される。本明細書に議論されるように、領域間の回折効率の変動は、ランダム、単調に増加または減少する、単調増加または減少関数にランダム性が付与される、正弦波パターン、算出ホログラム設計によって決定される、自由形態レンズ設計によって決定される、または同等物であり得る。
【0329】
図62Cに図示される領域は、各領域6240および6242内に均一格子高を有するが、これは、本発明によって要求されるものではないことに留意されたい。領域サイズ未満の長さスケールで変動するグレースケールマスクを利用して、領域内の格子高における変動および領域間の格子高における変動が、実装されることができる。最も一般的場合では、グレースケールマスクは、格子歯の周期性のスケールで異なる量の光を通過させ、歯毎に変動する格子高プロファイルをもたらすように使用されることができる。したがって、離散領域に加え、本発明の実施形態は、連続変動実装を含む。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0330】
図63A−Hは、本発明のある実施形態による、異なる回折効率によって特徴付けられる領域を加工するための多段階エッチングプロセスの使用を図示する、簡略化されたプロセスフロー図である。
図63Aを参照すると、加工プロセスは、基板6302から開始し、その上には、パターン化された硬質マスク6304(例えば、SiO
2硬質マスク)が存在する。実施例として、パターン化された硬質マスク6304は、所定の周期性(例えば、約200nm〜400nm)および高さ(例えば、約10μm〜500μm)を伴う回折格子であり得る、回折光学要素と関連付けられたパターンを有することができる。以下に説明されるように、エッチング率を含む、異なる性質を伴う材料の使用は、マスクする材料としてのパターン化された硬質マスクの使用を可能にする。基板6302とパターン化された硬質マスク6304の組み合わせは、基板構造6306と称され得る。
図63Bは、レジスト層6310での基板構造6306のコーティングを図示する。第1のリソグラフィプロセスは、
図63Cに図示され、これは、レジスト層6310によって被覆される領域6312と、レジストが、除去され、パターン化された硬質マスク6304の一部を露光させる、領域6314とを画定する。2つのみの領域が、
図63Cに図示されるが、本発明は、単に、2つの領域に限定されず、付加的領域が、特定の用途の必要に応じて提供されることができることを理解されるであろう。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0331】
図63Dは、露光される部分内の格子特徴を第1の距離D
1だけ基板の中に延在させるために使用される、第1のエッチングプロセス(レベル1エッチング)を図示する。本明細書に図示されるように、概して、複数のエッチングプロセスステップのため、パターン化された硬質マスクと基板との間の選択性を提供する、選択的エッチングプロセスを使用することが望ましい。
【0332】
第2のリソグラフィプロセスは、
図63Eに図示され、これは、レジストによって被覆される領域6322(本第2のリソグラフィプロセスのためのレジストでのコーティングは、利便性の目的のために図示されない)と、レジストが、除去され、第1のリソグラフィプロセスの間に露光された部分と異なる、パターン化された硬質マスク6304の一部を露光させる、領域6324とを画定する。
図63Fは、露光される部分内の格子特徴を第2の距離D
2だけ基板の中に延在させるために使用される、第2のエッチングプロセス(レベル2エッチング)を図示する。
図63Cおよび63Fを参照すると、領域6314および6324が重複する、基板の面積が、第1および第2のエッチングプロセスの両方においてエッチングされ、D
1+D
2の距離まで延在する、格子特徴をもたらす。
【0333】
図63Gは、レジストの除去を図示し、
図63Hは、所定のパターン化された構造を伴うマスタを提供するためのパターン化された硬質マスクの除去を図示する。
【0334】
本発明の実施形態は、所定の高さ変動およびその結果としての回折効率を含む、格子プロファイルを形成するために、最初は均一な格子構造を使用して、所定のプロファイルの転写を可能にする。本プロセスは、ブール論理項では、「AND」演算としてグレースケールマスクと関連付けられたプロファイルが格子構造と組み合わせられる、「AND」演算を効果的に実施すると見なされ得る。
【0335】
いくつかの実施形態では、付加的エッチングプロセスが、レジストコーティング(図示せず)およびNの付加的リソグラフィプロセス(図示せず)が実施された後に実施され、Nの付加的距離(すなわち、D
3、D
4、…、D
N)を基板の中に延在させる、格子特徴を形成する。Nは、これらの実施形態では、3を上回るまたはそれと等しくあることができる。故に、本発明の実施形態は、格子特徴の深度がエッチングレベルの数の関数として変動し、リソグラフィプロセスがエッチングされる面積を画定するために使用される、Nレベルのエッチングプロセスを提供する。
【0336】
マスタは、コピーをインプリントするために、複製プロセスにおいて使用されることができる。コピーは、所定のパターン化された構造の補完物を有するであろう。例えば、
図63Hに図示されるマスタは、パターン化された構造の上部と整合される平面表面を有するため、コピーは、整合されるパターン化された構造の底部を有するであろう。
【0337】
実施例として、複製プロセスは、サブマスタ(相補的パターン化された構造を伴う)を作成するために使用され得、これは、次いで、所定のパターン化された構造をマスタから再現するコピーを作成するために使用されることができる。
【0338】
図64A−Hは、本発明のある実施形態による、可変回折効率格子を加工するための多段階エッチングプロセスの使用を図示する、簡略化されたプロセスフロー図である。
【0339】
図64Aを参照すると、加工プロセスは、基板6402から開始し、その上には、パターン化された硬質マスク6404(例えば、SiO
2硬質マスク)が存在する。実施例として、パターン化された硬質マスク6404は、所定の周期性(例えば、約200nm〜400nm)および高さ(例えば、約10μm〜500μm)を伴う回折格子であり得る、回折光学要素と関連付けられたパターンを有することができる。以下に説明されるように、エッチング率を含む、異なる性質を伴う材料の使用は、マスク材料としてのパターン化された硬質マスクの使用を可能にする。基板6402とパターン化された硬質マスク6404の組み合わせは、基板構造6406と称され得る。
図64Bは、レジスト層6410での基板構造6406のコーティングを図示する。第1のリソグラフィプロセスは、
図64Cに図示され、レジスト層6410よって被覆される領域6412と、レジストが、除去され、パターン化された硬質マスク6404の一部を露光させる、領域6414とを画定する。
【0340】
図64Dは、露光される部分内の格子特徴を第1の距離D
1だけ基板の中に延在させるために使用される、第1のエッチングプロセス(レベル1エッチング)を図示する。本明細書に図示されるように、概して、複数のエッチングプロセスステップのため、パターン化された硬質マスクと基板との間の選択性を提供する、選択的エッチングプロセスを使用することが望ましい。第2のリソグラフィプロセスは、
図64Eに図示され、これは、レジストによって被覆される領域6422(本第2のリソグラフィプロセスのためのレジストでのコーティングは、利便性の目的のために図示されない)と、レジストが、除去され、第1のリソグラフィプロセスの間に露光される部分と異なる、パターン化された硬質マスク6404の一部を露光させる、領域6424とを画定する。
図64Fは、露光される部分内の格子特徴を第2の距離D
2だけ基板の中に延在させるために使用される、第2のエッチングプロセス(レベル2エッチング)を図示する。
図64Fを参照すると、領域6414および6424が重複する、基板の面積は、第1および第2のエッチングプロセスの両方においてエッチングされ、D
1+D
2の距離まで延在する、格子特徴をもたらす。
【0341】
図64Gは、第3のエッチングプロセスの完了を図示し、レジストコーティング(図示せず)および第3のリソグラフィプロセス(図示されないレベル3エッチング)が実施された後、基板内に付加的距離D
3延在する、格子特徴を形成する。
図64Hは、所定のパターン化された構造を伴うマスタを提供するためのパターン化された硬質マスク6404の除去を図示する。故に、本発明の実施形態は、格子特徴の深度がエッチングレベルの数の関数として変動し、リソグラフィプロセスがエッチングされる面積を画定するために使用される、Nレベルのエッチングプロセスを提供する。
【0342】
マスタは、コピーをインプリントするために、複製プロセスにおいて使用されることができる。コピーは、所定のパターン化された構造の補完物を有するであろう。例えば、
図64Hに図示されるマスタは、パターン化された構造の上部と整合される平面表面を有するため、コピーは、整合されるパターン化された構造の底部を有するであろう。
【0343】
実施例として、複製プロセスは、サブマスタ(相補的パターン化された構造を伴う)を作成するために使用され得、これは、次いで、所定のパターン化された構造をマスタから再現するコピーを作成するために使用されることができる。
【0344】
均一回折効率のために、回折光学要素は、空間的に不変である。本発明の実施形態は、側方位置の関数として異なる回折効率を導入することによって、空間不変性を破壊する。故に、望ましくない効果につながり得る、空間コヒーレンスは、低減されることができる。言い換えると、空間的に非均一回折効率を導入することによって、光が被る干渉効果が、異なる領域内で異なり、それによって、干渉効果を修正し、空間コヒーレンスを低減させるであろう。
【0345】
格子の深度を調節することによって、回折効率を調節し、位置の関数として所定の様式で変動する回折効率によって特徴付けられる回折光学要素を生産することが可能である。本発明の実施形態は、振幅変動または位相変動のいずれかを利用し、回折効率における差異をもたらすことができる。
【0346】
ある実施形態では、位置の関数としての回折効率は、単調に変動される、例えば、光がさらに回折光学要素の中に伝搬するにつれて、回折効率が増加する。本実施形態では、回折光学要素内を伝搬する光の強度は、光が回折光学要素によって回折される結果として、位置の関数として減少するため、回折効率の増加は、出力均一性における改良をもたらすことができる。したがって、本発明の実施形態は、特定の用途に応じて、単調変動または非単調変動のいずれかを提供する。特定の実施例として、ランダム変動が、単調に増加する回折効率プロファイルに付与され得る。したがって、回折効率は、概して、光が回折光学要素の中に伝搬するにつれて増加するであろうが、ランダム変動が、非単調な回折効率プロファイルをもたらすであろう。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0347】
いくつかの実施形態では、回折効率における変動は、回折効率(例えば、領域サイズ)における変動が、平面導波管内を伝搬する光のほぼバウンス間隔であるように、所定の様式で実装される。したがって、いくつかの実施形態では、約0.3mmの導波管厚に関して、バウンス間隔は、約0.6mmであろう。故に、領域寸法が、約0.6mmである場合、光は、約2つのバウンス間隔の距離分、伝搬後、異なる回折効率を被るであろう。光が、平面導波管を通して伝搬し、伝搬の間、回折光学要素から部分的に回折するにつれて、可変回折効率は、伝搬が生じるにつれて、構造によって回折される異なる強度をもたらすであろう。空間非均質性が、本発明の実施形態を使用して生産され、これは、ランダムであって、したがって、望ましくないコヒーレンス効果を低減させることができる。
【0348】
図65は、本発明のある実施形態による、内部結合格子の簡略化された断面図である。本明細書に議論されるように、ICGは、プロジェクタからの画像光を平面導波管の中に結合する。
図65に図示される実施形態では、光は、ICGからOPEに向かって伝搬する。
図65に図示されるように、ICGのために利用される格子構造は、位置の関数としての可変回折効率、例えば、領域6520内のより低い回折効率および領域6522内のより高い回折効率によって特徴付けられ、ICGにICGを横断して段階的な回折効率を提供する。
【0349】
図65を参照して、OPEから最も遠いICGの側、すなわち、領域6522上に入射する光を検討する。本領域内に入射する光は、導波管光線6530によって図示されるように、格子領域から離れる前に、複数回、ICGに再遭遇する。本光が、ICGに再遭遇する度に、光の一部は、光線6532によって図示されるように、ICGによって回折され、導波管から出射する。本効果は、OPE、最終的に、ユーザに向かって伝搬する光の量を減少させるであろう。
【0350】
故に、本発明の実施形態は、可変回折効率、例えば、OPEの近傍のICGの側(すなわち、領域6520)上のより低い回折効率およびOPEから最も遠いICGの側(すなわち、領域6522)上のより高い回折効率を伴うICGを利用する。光が、領域6522からOPEに向かって導波管内で伝搬するにつれて、光が領域6520に接近するにつれたICGの回折効率の減少は、より少ない光が格子領域から回折されることをもたらすであろう。OPEへのより高いスループットに加え、いくつかの実施形態はまた、ある入射角がより高い正味内部結合効率を被るであろうため、増加される均一性を提供し得る。入射角の関数としての内部結合が、変動するにつれて、ICGの総均一性は、改良するであろう。一実装では、格子高(または深度)は、段階的であって、OPEの近傍の領域6520内のより低い格子高およびOPEからより遠い領域6522内のより高い格子深度を伴うであろう。
【0351】
図66は、本発明のある実施形態による、可変回折効率を伴う回折構造を加工する方法を図示する、簡略化されたフローチャートである。本方法は、硬質マスク層およびレジスト層でコーティングされた基板と併用される。方法6600は、段階的な透過率マスクを通して、レジスト層を入射光に露光させるステップ(6610)を含む。マスクは、位置の関数として段階的な透過率、例えば、第1の側(例えば、左側)上の高透過率および第2の側(例えば、右側)上の低透過率を有する。透過率は、線形または非線形に段階的であることができる。
【0352】
グレースケールリソグラフィに加え、電子ビームリソグラフィまたはレーザ書込等の他の直接書込技法も、用量分布を空間的に制御するために使用されることができ、本発明の実施形態に適用可能であることに留意されたい。これらの代替アプローチでは、6610は、段階的なプロファイルを伴うレジスト層を提供するための適切な技法によって置換されることができる。
【0353】
本方法はまた、レジスト層を現像するステップ(6612)を含む。段階的な透過率マスクを使用した露光の結果、露光および現像後のレジストプロファイルは、位置の関数として薄い値からより厚い値にテーパ状になる、高さによって特徴付けられるであろう。本方法はさらに、レジスト/硬質マスク層のエッチング(6614)を含む。テーパ状レジストプロファイルは、本実施形態では、「比例RIE」によって硬質マスク層に転写される。本プロセスでは、レジストは、下層材料のエッチングを遅延させ、遅延は、エッチング厚に比例する。レジストのエッチング率と下層材料のエッチング率との間の比率は、レジストプロファイルとエッチングプロファイルとの間の垂直比例性を決定する。したがって、レジストプロファイル内に存在する高さ差異は、硬質マスク層に転写され、硬質マスク層の厚さが位置の関数として変動するにつれてテーパ状プロファイルを伴う硬質マスク層をもたらすであろう。
【0354】
本方法はまた、テーパ状硬質マスク層上に堆積される第2のレジスト層内に画定される回折構造を形成するステップ(6616)を含む。本方法はさらに、格子構造の周期性を含む、テーパ状エッチングマスクを形成するステップ(6618)を含む。本テーパ状エッチングマスク材料は、位置の関数として厚さが変動するであろう。本方法は、テーパ状エッチングマスクを使用した基板のエッチング(6620)を含む。当業者に明白であろうように、レジスト層は、基板のエッチング前に除去されることができる。したがって、本発明の実施形態を使用して、マスタが、1つの領域(例えば、グレースケールマスクのより高い透過率領域と関連付けられる)内のより浅いエッチング(すなわち、より低い格子高)と、第2の領域(グレースケールマスクのより低い透過率領域と関連付けられる)内のより深いエッチング(すなわち、より高い格子高)とを伴う、テーパ状エッチングマスク内に存在する高さ差異を基板に転写することによって形成される。
【0355】
したがって、図示されるように、例えば、
図60Gでは、本発明の実施形態は、グレースケールリソグラフィプロセスを利用して、位置の関数として変動する格子高、その結果、可変回折効率を伴う回折構造を有する、マスタを形成する。
【0356】
代替実施形態では、マスタは、サブマスタを加工するために使用され(6622)、これは、コピーをインプリントするために、複製プロセスにおいて使用されることができる。
【0357】
図66に図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、可変回折効率を伴う回折構造を加工する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図66に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0358】
図67は、本発明のある実施形態による、異なる回折効率の領域によって特徴付けられる回折構造を加工する方法を図示する、簡略化されたフローチャートである。方法6700は、基板構造と称され得る、基板にパターン化された硬質マスクを提供するステップ(6710)を含む。実施例として、パターン化された硬質マスクは、所定の周期性(例えば、約200nm〜400nm)および高さ(例えば、約10μm〜500μm)を伴う回折格子であり得る、回折光学要素と関連付けられたパターンを有することができる。ある実施形態では、パターン化された硬質マスクは、SiO
2を含む。本方法はまた、基板構造をレジスト層でコーティングし、レジスト層の少なくとも一部を除去し、パターン化された硬質マスクの露光される部分を形成するステップを含む、第1のリソグラフィプロセスを実施するステップ(6712)を含む。
【0359】
本方法はさらに、第1のエッチングプロセスを実施し、格子特徴を第1の所定の距離だけ基板の露光される部分の中に延在させるステップ(6714)を含む。概して、以下に議論されるように、利用される複数のエッチングプロセスステップのため、パターン化された硬質マスクと基板との間の選択性を提供する、選択的エッチングプロセスを使用することが望ましい。
【0360】
本方法は、第2のリソグラフィプロセスを実施し、第1のリソグラフィプロセスの間に露光される部分と異なる、パターン化された硬質マスクの一部を露光させるステップ(6716)を含む。露光される部分は、異なるが、共通面積を共有する。本方法はまた、第2のエッチングプロセスを実施し、格子特徴を第2の所定の距離だけ基板の露光される部分の中に延在させるステップ(6718)を含む。第1のリソグラフィプロセスにおいて露光された部分および第2のリソグラフィプロセスにおいて露光された部分が重複する、基板の面積では、格子特徴は、第1の所定の距離および第2の所定の距離の和と等しい距離まで延在する。
【0361】
本方法はさらに、いくつかの実施形態では、第3のリソグラフィプロセスを実施し、第2のリソグラフィプロセス(および/または第1のリソグラフィプロセス)の間に露光される部分と異なる、パターン化された硬質マスクの一部を露光させるステップ(6720)と、第3のエッチングプロセスを実施し、格子特徴を第3の所定の距離だけ基板の露光される部分の中に延在させるステップ(6722)とを含む。
【0362】
パターン化された硬質マスクの除去は、所定のパターン化された構造を伴うマスタ(6724)を提供する。故に、本発明の実施形態は、格子特徴の深度がエッチングするレベルの数の関数として変動し、リソグラフィプロセスがエッチングされる面積を画定するために使用される、Nレベルのエッチングプロセスを提供する。
【0363】
図67に図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、異なる回折効率の領域によって特徴付けられる回折構造を加工する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図67に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0364】
図68A−Dは、本発明の別の実施形態による、グレースケールリソグラフィを使用して可変回折効率格子を加工するためのプロセスを図示する、簡略化されたプロセスフロー図である。
図68A−Dに図示されるように、グレースケールリソグラフィは、位置の関数として可変回折効率を伴う回折構造(例えば、回折格子)を形成するために利用される。
図68Aを参照すると、マスク6807が、入射光6805に露光される。マスク6807は、位置の関数として段階的な透過率、例えば、第1の側(例えば、左側)上の高透過率および第2の側(例えば、右側)上の低透過率を有する。透過率は、線形または非線形に段階的であることができる。グレースケールリソグラフィに加え、電子ビームリソグラフィまたはレーザ書込等の他の直接書込技法も、用量分布を空間的に制御するために使用されることができ、本発明の実施形態に適用可能である。
【0365】
図68Aを参照すると、基板6810およびパターン化された硬質マスク6820(例えば、SiO
2硬質マスク)は、基板構造を形成する。実施例として、パターン化された硬質マスク6820は、所定の周期性(例えば、約200nm〜400nm)および高さ(例えば、約10μm〜500μm)を伴う回折格子であり得る、回折光学要素と関連付けられたパターンを有することができる。以下に説明されるように、エッチング率を含む、異なる性質を伴う材料の使用は、マスク材料としてのパターン化された硬質マスクの使用を可能にする。基板構造は、レジスト層6814でコーティングされる。
【0366】
マスク6807を使用した露光に応じて、高透過率を伴うマスクの部分(例えば、左側)に隣接するレジストは、より低い透過率を伴うマスクの部分(例えば、右側)に隣接するレジストより高い用量を受光する。
図68Bは、露光および現像後のレジストプロファイル6816を図示する。より高い用量が高透過率を伴うマスクの部分に隣接して受光されることに起因して、レジスト層6816の高さは、位置の関数として薄い値からより厚い値にテーパ状になる。レジスト/パターン化された硬質マスク層のエッチングが、次いで、実施される。
【0367】
図68Cは、
図68Bに図示されるレジストプロファイルを使用したエッチング後のエッチングプロファイルを図示する。レジストプロファイルは、本実施形態では、「比例RIE」によってパターン化された硬質マスク層に転写される。本プロセスでは、レジストは、下層材料のエッチングを遅延させ、遅延は、エッチング厚に比例するであろう。レジストのエッチング率と下層材料のエッチング率との間の比率は、レジストプロファイルとエッチングプロファイルとの間の垂直比例性を決定する。
図68Cに示されるように、レジストプロファイル内に存在する高さ差異は、パターン化された硬質マスク層に転写され、テーパ状硬質マスク6830、すなわち、硬質マスク層の厚さが位置の関数として変動するため、テーパ状プロファイルを伴う硬質マスク層を生産している。
【0368】
図68Dは、テーパ状硬質マスク層を使用した比例エッチングプロセスを介した基板6845内の回折構造の形成を図示する。本エッチングプロセスは、位置の関数として厚さが変動する、テーパ状エッチングマスク材料内の格子構造の周期性を含む、テーパ状エッチングマスクを形成する。
図68Dに示されるように、テーパ状硬質マスク層内に存在する高さ差異は、基板に転写されており、領域6850(グレースケールマスクのより高い透過率領域と関連付けられる)内のより浅いエッチング(すなわち、より低い格子高)と、領域6852内のより深いエッチング(すなわち、より高い格子高)とを伴う。実施例として、格子歯間の高さの変動は、所定の範囲、例えば、5nm〜500nmにわたって変動することができる。したがって、
図68Dに図示されるように、本発明の実施形態は、グレースケールリソグラフィプロセスを利用して、位置の関数として変動する格子高、その結果、可変回折効率を伴う回折構造を有する、マスタを形成する。格子高における線形増加は、グレースケールマスクにおける線形透過率変動の結果として
図68Dに図示されるが、本発明は、本線形プロファイルに限定されず、所定の高さ変動を有する他のプロファイルも、本発明の範囲内に含まれる。
【0369】
単一可変高さ領域が、
図68Dに図示されるが、本単一領域は、複数の異なる回折効率の領域を図示する、
図59Bに照らして検討されるべきであることに留意されたい。格子高のテーパ状は、したがって、特定の領域と関連付けられた所定の格子高と組み合わせられ、領域内および領域間の両方の回折効率における変動を提供することができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0370】
図68Dを参照すると、格子線の底部は、平面6861と同一平面である。故に、サブマスタは、
図68Dに図示されるマスタを使用して加工されることができ、マスタ内に存在する格子線の補完物を有するであろう。故に、サブマスタは、格子構造の上部と整合される平面表面を用いて作成されることができる。
【0371】
図69は、本発明の別の実施形態による、可変回折効率を伴う回折構造を加工する方法を図示する、簡略化されたフローチャートである。方法6900は、基板構造と称され得る、基板にパターン化された硬質マスクを提供するステップ(6910)を含む。実施例として、パターン化された硬質マスクは、所定の周期性(例えば、約200nm〜400nm)および高さ(例えば、約10μm〜500μm)を伴う回折格子であり得る、回折光学要素と関連付けられたパターンを有することができる。ある実施形態では、パターン化された硬質マスクは、SiO
2を含む。
【0372】
本方法はまた、段階的な透過率マスクを通して、レジスト層を入射光に露光させるステップ(6912)を含む。マスクは、位置の関数として段階的な透過率、例えば、第1の側(例えば、左側)上の高透過率および第2の側(例えば、右側)上の低透過率を有する。透過率は、線形または非線形に段階的であることができる。
【0373】
グレースケールリソグラフィに加え、電子ビームリソグラフィまたはレーザ書込等の他の直接書込技法も、用量分布を空間的に制御するために使用されることができ、本発明の実施形態に適用可能であることに留意されたい。これらの代替アプローチでは、6912は、段階的なプロファイルを伴うレジスト層を提供するための適切な技法によって置換されることができる。
【0374】
本方法はまた、レジスト層を現像するステップ(6914)を含む。段階的な透過率マスクを使用した露光の結果、露光および現像後のレジストプロファイルは、位置の関数として薄い値からより厚い値にテーパ状になる、高さによって特徴付けられるであろう。本方法はさらに、レジスト/パターン化された硬質マスク層のエッチング(6916)を含む。テーパ状レジストプロファイルは、本実施形態では、「比例RIE」によってパターン化された硬質マスク層に転写される。本プロセスでは、レジストは、下層材料のエッチングを遅延させ、遅延は、エッチング厚に比例するであろう。レジストのエッチング率と下層材料のエッチング率との間の比率は、レジストプロファイルとエッチングプロファイルとの間の垂直比例性を決定する。したがって、レジストプロファイル内に存在する高さ差異は、パートナーの硬質マスク層に転写され、硬質マスク層の厚さが位置の関数として変動するため、テーパ状プロファイルを伴うパターン化された硬質マスク層をもたらすであろう。
【0375】
本方法はさらに、テーパ状硬質マスク層を使用して基板をエッチングするステップ(6918)を含む。したがって、本発明の実施形態を使用して、マスタは、テーパ状のパターン化された硬質マスク層内に存在する高さ差異を基板に転写することによって形成され、1つの領域(例えば、グレースケールマスクのより高い透過率領域と関連付けられる)内のより浅いエッチング(すなわち、より低い格子高)と、第2の領域(グレースケールマスクのより低い透過率領域と関連付けられる)内のより深いエッチング(すなわち、より高い格子高)とを伴う。
【0376】
したがって、図示されるように、例えば、
図68Dでは、本発明の実施形態は、グレースケールリソグラフィプロセスを利用して、位置の関数として変動する格子高、その結果、可変回折効率を伴う回折構造を有する、マスタを形成する。
【0377】
代替実施形態では、マスタは、サブマスタを加工するために使用され(6920)、これは、コピーをインプリントするために、複製プロセスにおいて使用されることができる。
【0378】
図69に図示される具体的ステップは、本発明の別の実施形態による、可変回折効率を伴う回折構造を加工する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図69に図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
(可変屈折率)
【0379】
本発明のいくつかの実施形態によると、本明細書に説明されるような回折要素と併用するために好適である、可変屈折率を伴う膜が、ドロップ・オン・デマンドプロセス、例えば、UV硬化性有機ポリマー等の液体のインクジェット印刷を使用して、例えば、ジェットおよびフラッシュインプリントリソグラフィ(J−FIL)プロセスを使用して形成される。可変屈折率を伴うこれらの膜は、2Dアレイの形態で液体を空間的に分注した後、起伏特徴と称され得る、回折構造、例えば、回折格子構造を用いてパターン化することによって形成されることができる。本明細書に開示される実施形態は、マスタテンプレートによって画定され得る、所望の導波管回折構造パターンと組み合わせて、可変屈折率および制御された体積のインプリントされた材料を利用することによって、回折構造を通して伝搬する光の振幅および位相を変調する際に柔軟性を提供する。
【0380】
一実施形態では、液体は、典型的には、体積2〜100ピコリットルおよび直径約10μm〜約500μmを有する、液滴として分注される。これらの液滴は、次いで、数百ミクロンの面積に拡散され、約5nm〜約5μmの範囲内である厚さを伴う膜をもたらす。いくつかの実施形態では、1つを上回る液体が、基板上に選択的に滴下されてもよい。例えば、本明細書にさらに詳細に説明されるであろうように、異なる屈折率を有する、複数の異なる液体が、使用されてもよい。光が、そのように形成される可変屈折率を伴う膜を通して進行するにつれて、回折構造との相互作用(例えば、高屈折率導波管層を通したTIRの間)は、本明細書に議論されるように、光に振幅および位相における変調を受けさせ得る。屈折率の本ディザリングは、回折構造から結合されるにつれて、光の拡散を促進し、それによって、増加されたコヒーレンスを伴う仮想画像を制御可能に形成する。可変屈折率を伴う膜を達成するための本明細書に説明される方法およびシステムは、屈折率の空間制御を可能にすることに留意されたい。異なる面積にわたって屈折率を選択的に変動させることは、表示されている画像のコントラストを含む、回折構造の他の光学性質に及ぼされる位相および振幅変調の潜在的負の影響を低減させながら、全体的均一性および明度を改良し得る。
【0381】
図36Aは、本発明のある実施形態による、周期的に変動する屈折率を伴う回折要素を図示する、簡略化された平面図略図である。
図36Aでは、回折要素3602は、ICG3601と、EPE3603とを含む、接眼レンズのOPEであることができる。
図36Aに図示されるように、回折要素3602の異なる領域は、回折要素3602を通して変調された光の振幅をもたらす、異なる屈折率によって特徴付けられる。領域3605は、高屈折率(例えば、n=1.65)によって特徴付けられ、領域3606は、低屈折率(例えば、n=1.52)によって特徴付けられる。これらの領域は、2D空間パターン内に高および低屈折率を伴う、制御された体積液滴の材料を分注し、続いて、回折格子パターン等の回折構造を用いてインプリントされる、層を形成することによって形成されることができる。インプリントに応じて、可変屈折率の層は、いくつかの実施形態では、約5nm〜約5μmに及ぶ所定の残留層厚(RLT)を有するであろう。
【0382】
図36Aでは、領域3605は、インプリント後、領域3605の境界が略長方形レイアウト内に形成されるように、ドロップ・オン・デマンドプロセスを使用して、高屈折率材料の液滴を設置することによって形成されることができる。領域3606は、類似様式において、ドロップ・オン・デマンドプロセスを使用して、低屈折率材料の液滴を設置することによって形成されることができる。より高い屈折率材料(例えば、n=1.65)から成る液滴のアレイは、直径約10μm〜約100μmの液滴寸法を有することができ、領域3605が寸法約0.5mm〜5mmを有するようにアレイ化されることができる。より低い屈折率材料領域(例えば、n=1.52)のアレイも、類似様式において形成される。インプリントされると、アレイのセット内の液滴は、拡散され、隣接するアレイの境界に接合され、可変屈折率の領域を伴う連続膜を形成する。ドロップ・オン・デマンドプロセスは、回折構造がインプリントされる、体積および膜厚の制御を可能にする。本発明の実施形態は、可変屈折率膜内の回折構造のインプリントの観点から議論されるが、本発明は、本設計に限定されず、平面表面は、
図36Eに関連して議論されるように、可変屈折率膜に当接することができることに留意されたい。回折構造は、格子、孔、柱、および同等物を含む、ナノ特徴を含むことができる。
【0383】
回折要素3602の実施例は、OPEであるが、屈折率における変動は、ICGおよびEPEまたは他の回折要素を含む、接眼レンズを構成する付加的回折要素内で利用されることができる。例えば、OPEでは、変動は、ランダムであってもよい一方、EPEでは、具体的面積が、屈折における変動のために指定されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。さらに、2つのみの屈折率材料が、本実施形態および他の実施形態に示されるが、本発明は、2つのみの材料の使用に限定されず、可変屈折率を伴う付加的数の材料を利用することができる。実施例として、3つまたは4つの異なる材料が、いくつかの実施形態では、利用されることができる。典型的には、使用される利用材料の実施形態は、約1.49〜約1.7に及ぶ屈折率を有する。
【0384】
図36Kは、本発明のある実施形態による、回折要素のための可変屈折率構造を図示する、簡略化された側面図略図である。
図36Kに図示されるように、高屈折率3605の複数の領域が、高屈折率の領域に関連した低屈折率3606の複数の領域とともに、基板3609上に介在される。例えば、複数の回折要素3608(例えば、格子要素)を含み得る、回折構造3607が、領域3605および3606に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、回折構造をインプリントするために使用されるテンプレートが、
図36Aに関連して議論されるように、領域3605および3606を平面化し、約数ナノメートル〜数千ナノメートル、例えば、5nm〜1,000nm、例えば、10nm〜100nmの均一厚膜Tを位置の関数として基板上に提供する。
【0385】
当業者に明白であろうように、図面は、領域3605および3606の幅Wが、約0.5mm〜5mmであり得る一方、格子要素3608のピッチが、約300nm〜1500nmであり得るため、正確な縮尺ではない。加えて、当業者に明白であろうように、本発明の実施形態は、2つの異なる屈折率に限定されず、異なる屈折率の領域は、3つ以上の異なる屈折率から成ることができる。さらに、回折構造は、異なる屈折率の領域上にインプリントされるが、回折構造は、平面構造と置換されることができる。両実装では、本発明の実施形態は、制御可能膜厚を伴う可変屈折率の所定の幾何学形状を提供する。回折構造のピッチは、本発明の他の実施形態において議論されるように、位置の関数として変動されることができる。
【0386】
図36Bは、本発明のある実施形態による、屈折率における分散変動を伴う回折要素を図示する、簡略化された平面図略図である。
図36Aにおけるアレイ化された領域とは対照的に、図示される実施形態は、低屈折率材料3612の背景内に介在される高屈折率島3611のセットを有する、回折要素3610を含む。前述のように、高屈折率島3611および周囲低屈折率材料3612のセットは、位置の関数としての均一厚によって特徴付けられ、均一厚の膜を提供するが、位置の関数として変動する屈折率を有することができる。屈折率における変動は、一貫した分布(例えば、高屈折率島3611を均一に離間させることによって)または非一貫した分布(例えば、高屈折率島のランダムまたは半ランダム間隔によって)によって特徴付けられることができる。前述のように、2つのみの屈折率材料が、本実施形態では図示されるが、本発明は、2つのみの材料の使用に限定されず、可変屈折率を伴う付加的数の材料を利用することができる。実施例として、2つ以上の異なる材料が、周囲材料内に分散される島を形成するために利用されることができる。
【0387】
いくつかの実施形態によると、図の平面において測定された高屈折率島3611の側方寸法は、約数十ミクロン〜数千ミクロン、例えば、0.5mm〜5mmである。
図36Kに関連して議論されるように、高屈折率島3611および周囲低屈折率材料3612の厚さTは、約数ナノメートル〜数千ナノメートル、例えば、5nm〜1,000nm、例えば、10nm〜100nmである。
【0388】
図36Cは、本発明のある実施形態による、可変屈折率の回折要素のセットを図示する、簡略化された平面図略図である。
図36Bに図示されるものに類似する様式において、回折要素3610は、周囲低屈折率材料3612とともに介在される、高屈折率島3611のセットを含む。回折要素3610内に存在する屈折率の変動に加え、付加的回折要素3615は、異なる屈折率を伴う領域を含んでもよい。例えば、
図36Cは、低屈折率中心領域3616と、高屈折率周辺領域3617のセットとを含む、付加的回折要素2615を示す。実施例として、回折要素3610は、接眼レンズのOPEであることができ、付加的回折要素3615は、EPEであることができる。
【0389】
いくつかの回折要素設計では、要素の縁または角で外部結合された光の強度は、要素の中心部分で外部結合された強度未満であって、それによって、画質に影響を及ぼし得る。高屈折率によって特徴付けられる、周辺領域3617のセットは、中心部分に対して回折構造の結合係数を増加させ、これらの周辺領域3617内に増加された外部結合をもたらし、これは、画像均一性を改良することができる。いくつかの実施形態では、高屈折率を有する領域は、非対称であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、より大きいまたは異なるように成形された領域が、光源から最も遠い回折要素の面積内に高屈折率を有するように使用されてもよい。
【0390】
回折要素3610および付加的回折要素3615は、同時に、インプリントされることができ、異なる回折構造、例えば、異なる周期性および配向を伴う回折格子を有することができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0391】
図36Dは、本発明のある実施形態による、異なる均一屈折率を有する回折要素のセットを図示する、簡略化された平面図略図である。本実施形態では、第1の回折要素3620(例えば、ICG)は、均一高屈折率を有することができる一方、第2および第3の回折要素3621および3622(例えば、それぞれ、OPEおよびEPE)は、均一低屈折率を有する。本設計では、これらの3つの回折要素を含む、接眼レンズは、同一平面上に、異なる屈折率、その結果、異なる結合係数を伴う回折要素を有するであろう。本実施例では、ICG内の高屈折率材料は、プロジェクタから接眼レンズの中への高結合効率と、OPEおよびEPEのために異なる(例えば、より低い)結合効率とを提供するであろう。全3つの回折要素は、並行してインプリントされることができるため、膜厚は、位置の関数として均一であって、従来の技法を使用して利用不可能な異なる屈折率の結果として、高明度を含む、一意の利点を提供することができる。
【0392】
本発明の実施形態は、本明細書に説明される技法の組み合わせを提供することに留意されたい。実施例として、位置の関数として均一空間プロファイルを伴う高屈折率材料が、回折結合を増加させるためにICG内に提供されることができ、位置の関数として変動される屈折率空間プロファイルが、ディザリング効果を提供するためにOPE内に提供されることができ、位置の関数としての均一空間プロファイルが、EPE内に提供されることができる。他の組み合わせもまた、本発明の範囲内に含まれる。故に、接眼レンズの要素はそれぞれ、本発明の実施形態を使用して、その特定の機能のために最適化されることができる。
【0393】
図36Eは、本発明のある実施形態による、可変屈折率を伴う回折要素を加工する方法を図示する、簡略化されたフローチャート3630である。本方法は、基板を提供するステップ(3632)を含む。本方法はさらに、少なくとも1つの第1の領域および少なくとも1つの第2の領域を基板上に画定するステップ(3634)を含む。
【0394】
本方法はさらに、第1の材料を第1の領域上に滴下するステップ(3636)を含む。本方法はさらに、第2の材料を第2の領域上に滴下するステップ(3638)を含む。第1の材料および第2の材料は、いくつかの実施形態では、制御された体積の小液滴として滴下されてもよい。第2の材料は、第1の材料より低い屈折率を有してもよい。例えば、第1の材料は、屈折率n=1.65を有してもよい一方、第2の材料は、屈折率n=1.52を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の材料および第2の材料は、基板より低い屈折率を有してもよい。
【0395】
本方法はさらに、第1の材料および第2の材料を回折構造とともにインプリントし、回折要素を形成するステップ(3639)を含む。回折要素は、例えば、OPE、EPE、および/またはICGである、またはそれを含んでもよい。しかしながら、異なる回折要素に関して、屈折率における変動は、異なり得る。例えば、OPEでは、変動は、ランダムであってもよい一方、EPEでは、具体的面積が、屈折における変動のために指定されてもよい。いくつかの実施形態では、1つを上回る回折要素は、単一プロセスにおいて加工されてもよい。
【0396】
回折構造は、例えば、1つ以上の格子パターン、孔、および/または柱パターン(すなわち、一定、可変、またはランダムパターン)を含んでもよい。インプリントされると、第1の材料の液滴および第2の材料の液滴は、拡散され、隣接する液滴の境界に接合し、可変屈折率の領域を伴う連続膜を形成し得る。インプリントに応じて、第1の材料および第2の材料は、いくつかの実施形態では、約5nm〜約5μmに及ぶ所定の残留層厚(RLT)を有してもよい。
【0397】
フローチャート3630に関して説明される方法に従って、可変屈折率を有する回折要素が、取得されてもよい。可変屈折率を実装することによって、回折要素を通してより均一な光の拡散が、取得され、所望の視野にわたって画像コヒーレンスの制御を可能にし得る。さらに、本製造方法は、接触ナノインプリントリソグラフィプロセスより安価かつあまり時間がかからなくあり得る。
【0398】
図36Eに図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、可変屈折率を伴う回折要素を加工する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図36Eに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0399】
可変屈折率膜を形成するための別の方法も、本明細書に開示される。その中にナノ粒子を有する液体レジストが、基板上に滴下されてもよい。レジストの液体コンポーネントは、ナノ粒子コンポーネントより低い粘度を有し、インプリントが生じるとき、レジスト成分間の異なる拡散率を可能にし得る。
【0400】
図36Fは、本発明のある実施形態による、平面基板に当接する可変屈折率の膜を図示する、画像である。
図36Fに図示される膜は、高および低屈折率材料の複数の領域を含む。本膜を加工するために、可変屈折率の成分を含む、高屈折率液体が、提供された。実施例として、流体の屈折率より高い屈折率を有する、ナノ粒子(例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、または同等物)を含む、流体(例えば、フォトレジスト)が、使用されることができる。例えば、流体は、屈折率1.50を伴うフォトレジストであってもよく、流体中のナノ粒子は、屈折率2.0を有してもよい。高屈折率ナノ粒子は、好ましくは、流体中に均一に分散され、最小限の凝集を伴い、インクジェット分注および回折構造を伴う後のインプリントを促進する。高屈折率ナノ粒子の存在は、流体コンポーネント単独より高い屈折率を有する、流体/ナノ粒子混合物をもたらす。代替として、異なる組成を伴う流体が、使用されることができる。いくつかの実施形態では、組成は、高屈折率を伴う、長分子鎖ポリマーまたは高度に官能化されたポリマーを含んでもよく、より低い屈折率を伴う、より短い分子鎖ポリマーまたは低度に官能化されたポリマーも、利用されることができる。いくつかの実施形態では、材料の表面張力が、異なる屈折率をもたらすために変動される。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0401】
ドロップ・オン・デマンドプロセスによる初期堆積後、最初に、直径10μm〜100μmを有し得る、液滴が、拡散され、数百ノメートルまたはそれ未満の範囲を伴う膜を形成するであろう。液滴が拡散するにつれて、屈折率変動が、作成され、これは、本発明を限定するわけではないが、液相クロマトグラフィプロセスに類似する液相拡散プロセスに関連し得る。言い換えると、液滴が、側方寸法(例えば、ミクロンスケール)と比較して小さい(例えば、ナノメートルスケール)厚さを伴う薄膜に拡散するにつれて、初期液滴の中心が拡散後の液滴の周辺部分より高い濃度のナノ粒子によって特徴付けられるように、材料の位相分離が生じる。故に、周辺部分は、より低い濃度のナノ粒子によって特徴付けられる。体積分画としてのナノ粒子の非均一分布は、拡散後、位置の関数としての非均一屈折率を液滴中にもたらす。膜中の材料が、硬化されると、可変屈折率の固体のパターン化された膜が、したがって、形成される。回折構造は、本明細書に説明されるように、固体のパターン化された膜上にインプリントされることができる。
【0402】
図36Fを参照すると、画像は、厚さ90nmの膜と関連付けられる。中心部分3642は、液滴が最初に堆積された場所と関連付けられ、周辺部分3644は、液滴が拡散する場所と関連付けられる。液相拡散プロセスの結果、より高い濃度のナノ粒子を含む、中心部分3642内の屈折率は、1.69である一方、隣接する液滴が融合し、ナノ粒子の濃度がより低い、周辺部分3644では、屈折率は、1.61である。最初は、液滴の屈折率は、1.64であった。可変屈折率膜に当接する平面基板は、概して、液滴の均一拡散をもたらし、これは、拡散後、略円形形状である。当業者に明白であろうように、膜の上部にインプリントされた回折構造は、回折構造上の周期性がサブミクロンスケールであるため、画像スケールでは不可視である。
【0403】
可変屈折率の領域の位置の制御は、制御された体積の液滴の所定の設置によって提供される。位置は、特定の用途の必要に応じて、均一にアレイ化される、またはランダムまたは半ランダム様式において変動されることができる。いくつかの実装では、均一アレイおよびランダムまたは半ランダム分布は両方とも、組み合わせられ、位置の関数として屈折率の所望の変動を提供することができる。相互に近接する液滴の設置は、いくつかの液滴が組み合わせられる、融合領域をもたらし、所定の寸法の領域を可能にすることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0404】
図36Gは、本発明のある実施形態による、回折基板に当接する可変屈折率の膜を図示する、画像である。
図36Gでは、ICGは一辺が数百ミクロンの領域の中に拡散された液滴とともに図示される。液滴が最初に堆積された場所と関連付けられた中心部分3646は、高屈折率によって特徴付けられ、液滴が拡散し、隣接する液滴が融合する場所と関連付けられた周辺部分3648は、より低い屈折率によって特徴付けられる。膜の上部にインプリントされた回折構造は、回折構造上の周期性がサブミクロンスケールであるため、画像スケールでは不可視である。しかしながら、回折構造の存在は、回折要素(例えば、格子線)が、回折要素(例えば、格子線)と垂直な流体流動に対して、回折要素(例えば、格子線)の方向と平行な流体流動を優先的にサポートするため、拡散後の液滴の略卵形形状によって図示される。図示される実施形態では、回折構造は、略垂直方向にアレイ化された回折要素を有し、水平方向より垂直方向に高い流体流動を可能にする。
【0405】
図36Hは、本発明のある実施形態による、第1の回折要素内の可変屈折率の膜を図示する、画像である。
図36Hでは、OPEは、一辺が数百ミクロンの領域の中に拡散された液滴とともに図示される。液滴が最初に堆積された場所と関連付けられた中心部分3652は、高屈折率によって特徴付けられ、液滴が拡散され、隣接する液滴が融合する場所と関連付けられた周辺部分3654は、より低い屈折率によって特徴付けられる。回折構造の存在は、回折要素(例えば、格子線)が、格子線と垂直な流体流動に対して、回折要素格子線の方向と平行な流体流動を優先的にサポートするため、拡散後の液滴の略卵形形状によって図示される。図示される実施形態では、回折構造は、垂直方向に対して角度約45度にアレイ化された回折要素を有し、垂直方向に対して約45度の方向に沿ってより高い流体流動を可能にする。
【0406】
図36Iは、本発明のある実施形態による、第2の回折要素内の可変屈折率の膜を図示する、画像である。
図36Hでは、EPEは、一辺が数百ミクロンの領域の中に拡散された液滴とともに図示される。液滴が最初に堆積された場所と関連付けられた中心部分3656は、高屈折率によって特徴付けられ、液滴が拡散され、隣接する液滴が融合する場所と関連付けられた周辺部分3658は、より低い屈折率によって特徴付けられる。回折構造の存在は、回折要素(例えば、格子線)が、格子線と垂直な流体流動に対して、格子線の方向と平行な流体流動を優先的にサポートするため、拡散後の液滴の略卵形形状によって図示される。図示される実施形態では、回折構造は、略水平方向にアレイ化された回折要素を有し、垂直方向より水平方向に高い流体流動を可能にする。
【0407】
図36Jは、本発明のある実施形態による、可変屈折率を伴う回折要素を加工する方法を図示する、簡略化されたフローチャート3660である。本方法は、基板を提供するステップ(3662)を含む。いくつかの実施形態では、基板は、高または低屈折率(例えば、n=1.8またはn=1.5)を有してもよい。本方法はさらに、少なくとも1つの領域を基板上に画定するステップ(3664)を含む。
【0408】
本方法はさらに、液体レジスト材料を提供するステップ(3666)を含む。本方法はさらに、粒子を液体レジスト材料の中に分散させ、溶液を形成するステップ(3668)を含む。粒子は、液体レジスト材料中に均一に分散され得、液体レジスト材料内に凝集し得ない。いくつかの実施形態では、溶液は、n=1.65またはより高い屈折率を有してもよい。粒子は、例えば、酸化チタンナノ粒子等のナノ粒子であってもよい。
【0409】
本方法はさらに、溶液を基板上の少なくとも1つの領域内に滴下するステップ(3670)を含む。溶液は、いくつかの実施形態では、制御された体積の小液滴として滴下されてもよい。液滴は、例えば、4pL(約10μm直径)液滴であってもよい。いくつかの実施形態では、溶液は、基板より高い屈折率を有してもよい。
【0410】
本方法はさらに、溶液を回折要素を形成するための回折構造とともにインプリントするステップ(3672)を含む。いくつかの実施形態では、溶液の液滴は、ある残留層厚(例えば、100nm)にインプリントされ、位相分離を生じさせてもよい。本インプリントプロセスは、溶液が別個のゾーンに分離されるように、溶液に液体クロマトグラフィを被らせ得る。個々のゾーンは、拡散するにつれた各液滴中の屈折率変動に起因して、他のゾーンよりナノ粒子が豊富であり得る。
【0411】
回折要素は、例えば、OPE、EPE、および/またはICGである、またはそれを含んでもよい。しかしながら、異なる回折要素に関して、屈折率における変動は、異なり得る。例えば、OPEでは、変動は、ランダムであってもよい一方、EPEでは、具体的面積が、屈折における変動のために指定されてもよい。いくつかの実施形態では、1つを上回る回折要素は、単一プロセスにおいて加工されてもよい。
【0412】
回折構造は、例えば、1つ以上の格子パターン(すなわち、一定、可変、またはランダム格子パターン)を含んでもよい。インプリントされると、溶液の液滴は、拡散され、隣接する液滴の境界に接合し、可変屈折率の領域を伴う連続膜を形成し得る。
【0413】
フローチャート3660に関して説明される方法に従って、可変屈折率を有する回折要素が、取得されてもよい。位相変動パターンは、光が、回折要素の表面を通して出射する、またはそこで相互作用するために作成されてもよい。可変屈折率を実装することによって、回折要素を通してより均一な光の拡散が、取得され、所望の視野にわたって画像コヒーレンスの制御を可能にし得る。さらに、本製造方法は、接触ナノインプリントリソグラフィプロセスより安価かつあまり時間がかからなくあり得る。
【0414】
図36Jに図示される具体的ステップは、本発明のある実施形態による、可変屈折率を伴う回折要素を加工する特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本発明の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図36Jに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0415】
図36Lは、本発明のある実施形態による、回折要素のための多層可変屈折率構造を図示する、簡略化された側面図略図である。
図36Lを参照すると、高屈折率材料3682の複数の領域が、基板3680上に配置される。高屈折率材料の複数の領域が、本明細書で議論されるドロップ・オン・デマンドプロセスを使用して形成されることができる。低屈折率材料3684の付加的層が、高屈折率材料3682の複数の領域にわたって堆積される。回折構造3686は、低屈折率材料の付加的層内にインプリントされる。いくつかの実施形態では、高屈折率材料の複数の領域の厚さは、例えば、液滴に当接する平面表面を使用して、初期液滴を拡散させ、膜を形成することによって、所定の厚さに制御される。他の実施形態では、単一インプリントプロセスが、高屈折率材料の複数の領域および低屈折率材料の付加的層の両方の厚さを制御するために使用される。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0416】
図70は、本発明のいくつかの実施形態による、接眼レンズ7000の構造の部分断面図を図式的に図示する。断面図に示される領域は、
図20に図示されるような接眼レンズ2000のEPE領域2009に対応する。
図70に示されるように、接眼レンズ7000は、第1の平面導波管7020と、第2の平面導波管7030と、第3の平面導波管7040とを含んでもよい。各導波管7020、7030、または7040は、
図70に図示されるように、デカルト座標系内のX−Y平面にあってもよい(Y軸は、ページの中に向かう方向を指す)。各導波管7020、7030、または7040は、視認者の眼7002に面した背面表面と、反対方向に面した正面表面とを有する。接眼レンズ7000はまた、背面カバー7010と、正面カバー7050とを含んでもよい。
【0417】
接眼レンズ7000はまた、第1の導波管7020の背面表面上に配置される、第1の格子7024と、第2の導波管7030の背面表面上に配置される、第2の格子7034と、第3の導波管7040の背面表面上に配置される、第3の格子7044とを含んでもよい。第1の格子7024は、第1の導波管7020内を視認者の眼7002に向かって(例えば、正のZ軸に実質的に沿って)伝搬する光の第1の部分を回折するように構成されてもよい。同様に、第2の格子7034は、第2の導波管7030内を視認者の眼7002に向かって伝搬する光の第1の部分を回折するように構成されてもよく、第3の格子7044は、第3の導波管7040内を視認者の眼7002に向かって伝搬する光の第1の部分を回折するように構成されてもよい。本構成では、第1の格子7024、第2の格子7034、および第3の格子7044はそれぞれ、視認者の眼に向かって指向される透過回折次数であるため、透過モードで動作していると言え得る。
【0418】
第1の格子7024はまた、第1の導波管7020(すなわち、反射回折次数)内を視認者の眼7002から離れるように(例えば、負のZ軸に実質的に沿って)伝搬する光の第2の部分を回折してもよい。同様に、第2の格子7034は、第2の導波管7030内を視認者の眼7002から離れるように伝搬する光の第2の部分を回折してもよく、第3の格子7044は、第3の導波管7040内を視認者の眼7002から離れるように伝搬する光の第2の部分を回折してもよい。
【0419】
図70は、それぞれ、導波管の背面表面7020、7030、および7040上に形成される、格子7024、7034、および7044を図示するが、これは、本発明によって要求されるものではない。いくつかの実施形態では、回折光学要素を含む、格子または他の回折構造が、背面表面の内側、背面表面の外側上に形成される、または導波管の内側に配置され、背面表面から所定の距離に位置付けられる。故に、背面表面上に形成される回折構造を参照するとき、これは、背面表面に隣接する導波管の内側に形成される回折構造を含むと理解されるべきである。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0420】
いくつかの実施形態では、各導波管7020、7030、または7040、および各格子7024、7034、または7044は、所与の波長範囲内で光を選択的に伝搬または回折するように、波長選択的であってもよい。いくつかの実施形態では、導波管7020、7030、および7040はそれぞれ、個別の原色のために構成されてもよい。例えば、第1の導波管7020は、赤色(R)光を伝搬するために構成されてもよく、第2の導波管7030は、緑色(G)光を伝搬するために構成されてもよく、第3の導波管7040は、青色(B)光を伝搬するために構成されてもよい。接眼レンズ7000は、上記に説明されるように、異なる深度平面のために、赤色光のための2つ以上の導波管と、緑色光のための2つ以上の導波管と、青色光のための2つ以上の導波管とを含んでもよいことを理解されるであろう。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれと置換されてもよい。当業者はまた、導波管7020、7030、および7040の代替順序を理解するであろう。
【0421】
本開示における光の所与の色の言及は、その所与の色であるように視認者によって知覚される波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されるであろうことを認識されるであろう。例えば、赤色光は、約620〜780nmの波長範囲内の光を含んでもよく、緑色光は、約492〜577nmの波長範囲内の光を含んでもよく、青色光は、約435〜493nmの波長範囲内の光を含んでもよい。
【0422】
いくつかの実施形態では、各格子7024、7034、または7044は、バイナリまたは2段階メタ表面位相格子または同等物等の表面起伏格子を備えてもよい。2段階位相格子に関して、透過次数における回折効率は、反射次数における回折効率と実質的に同一であり得る。したがって、ほぼ等量の仮想画像光が、各導波管7020、7030、または7040から視認者の眼7002に向かってと、視認者の眼7002から離れるように外部結合され得る。さらにブレーズド格子(例えば、3段階メタ表面位相格子)に関しても、実質的量の仮想画像光が、依然として、視認者の眼7002から離れるように外部結合され得る。したがって、仮想画像の明度を向上させるために、視認者の眼7002から離れるように指向される仮想画像光の少なくとも一部を視認者の眼7002に向かって後方再指向することが望ましくあり得る。同時に、可能な限り多くの自然光を世界から視認者の眼7002に向かって透過させることが望ましくあり得る。
【0423】
いくつかの実施形態によると、接眼レンズ7000は、第1の格子7024によって視認者の眼7002から離れるように回折される、仮想画像光の少なくとも一部を視認者の眼に向かって後方反射させるために、第1の導波管7020の正面表面に配置される、第1の波長選択的反射体7026を含んでもよい。同様に、接眼レンズ7000は、第2の導波管7030の正面表面に配置される、第2の波長選択的反射体7036と、第3の導波管7040の正面表面に配置される、第3の波長選択的反射体7046とを含んでもよい。
【0424】
各波長選択的反射体7026、7036、または7046は、所与の色の光を反射させ、他の波長における光を透過させるように構成されてもよい。例えば、第1の波長選択的反射体7026は、赤色光を反射させるように構成されてもよく、第2の波長選択的反射体7036は、緑色光を反射させるように構成されてもよく、第3の波長選択的反射体7046は、青色光を反射させるように構成されてもよい。したがって、第1の格子7024によって視認者の眼7002から離れるように(すなわち、実質的に負のZ軸に)回折される赤色光内の仮想画像の一部は、第1の波長選択的反射体7026によって、視認者の眼7002に向かって後方(すなわち、実質的に正のZ軸に)反射されてもよい。同様に、第2の格子7034によって視認者の眼7002から離れるように回折される緑色光内の仮想画像の一部は、第2の波長選択的反射体7036によって、視認者の眼7002に向かって後方反射されてもよく、第3の格子7044によって視認者の眼7002から離れるように回折される青色光内の仮想画像の一部は、第3の波長選択的反射体7046によって、視認者の眼7002に向かって後方反射されてもよい。
【0425】
前述のように、波長選択的反射体7026、7036、および7046が、格子7024、7034、および7044に対して適切に整合される場合(各導波管7020、7030、および7040の正面表面および背面表面が相互に平行である場合、達成され得る)、残影画像は、回避され得、仮想画像の明度は、向上され得る。
【0426】
図71は、本発明のいくつかの実施形態による、第1の波長選択的反射体7026、第2の波長選択的反射体7036、および第3の波長選択的反射体7046のいくつかの例示的反射率スペクトルを図式的に図示する。図示されるように、第1の波長選択的反射体7026は、赤色波長領域内に反射率ピークを有する、第1の反射率スペクトル7122によって特徴付けられ得、第2の波長選択的反射体7036は、緑色波長領域内に反射率ピークを有する、第2の反射率スペクトル7132によって特徴付けられ得、第3の波長選択的反射体7046は、青色波長領域内に反射率ピークを有する、第3の反射率スペクトル7142によって特徴付けられ得る。
【0427】
波長選択的反射体7026、7036、および7046の比較的に狭い反射率帯域のため、接眼レンズ7000は、選択された波長範囲内で仮想画像光を強く反射させ、全ての他の波長範囲内で光を透過させ得る。したがって、波長選択的反射体の反射率帯域外の世界からの自然光は、依然として、視認者の眼に到達することができる。例えば、第1の波長選択的反射体7026は、赤色波長範囲内の仮想画像光を強く反射させ、他の波長内の世界からの自然光と、それぞれ、第2の格子7034および第3の格子7044によって回折される、緑色および青色仮想画像光とを含む、他の波長内の光を透過させ得る。同様に、第2の波長選択的反射体7036は、緑色波長範囲内の仮想画像光を強く反射させ、他の波長内の世界からの自然光と、第3の格子7044によって回折される、青色仮想画像光とを含む、他の波長内の光を透過させ得、第3の波長選択的反射体7046は、青色波長範囲内の仮想画像光を強く反射させ、他の波長内の世界からの自然光を含む、他の波長内の光を透過させ得る。
【0428】
いくつかの実施形態では、100%もの反射率が、選択されたスペクトル帯域内で達成され得る。したがって、反射体を伴わずに、仮想画像の強度を約2倍にすることが可能である。加えて、仮想画像の波長範囲内の世界光が、視認者の眼7002から離れるように反射されるにつれて、仮想画像は、より高いコントラストを伴って視認者によって知覚され得る。
【0429】
いくつかの実施形態では、各波長選択的反射体7026、7036、または7046は、有利には、その反射率スペクトルの帯域幅が
図20に図示されるプロジェクタ2001内の対応するLEDのスペクトル幅に実質的に合致するように設計され得る。いくつかの他の実施形態では、プロジェクタ2001は、LEDの代わりに、レーザ源を使用してもよい。レーザ源は、LEDのものよりはるかに狭い放出帯域を有し得る。それらの場合では、各波長選択的反射体7026、7036、または7046は、
図71に図示される反射率曲線7124、7134、または7144によって表されるもの等のより狭い帯域幅を有するように構成されてもよい。
【0430】
波長選択的反射体の反射率スペクトルは、入射角の関数として偏移し得るため、波長スペクトル幅と角度スペクトル幅との間には、トレードオフが存在し得る。いくつかの実施形態では、各波長選択的反射体7026、7036、または7046は、より広い視野を遠近調節するために、より広い帯域幅を有するように構成されてもよい。
【0431】
図72は、本発明のいくつかの他の実施形態による、接眼レンズ7200の構造の部分断面図を図式的に図示する。接眼レンズ7000と同様に、接眼レンズ7200は、第1の導波管7220と、第2の導波管7230と、第3の導波管7240と、背面カバー7210と、正面カバー7250とを含んでもよい。
【0432】
接眼レンズ7200はさらに、第1の導波管7220の正面表面上に配置される、第1の格子7224と、第2の導波管7230の正面表面上に配置される、第2の格子7234と、第3の導波管7240の正面表面上に配置される、第3の格子7244とを含む。本構成では、第1の格子7224、第2の格子7234、および第3の格子7244はそれぞれ、視認者の眼に向かって指向される反射回折次数であるため、反射モードで動作していると言え得る。
【0433】
接眼レンズ7200はさらに、第2の導波管7230の背面表面上に配置される、第1の波長選択的反射体7226を含んでもよい。第1の波長選択的反射体7226は、第1の格子7224によって視認者の眼7202から離れるように回折される赤色光内の仮想画像の一部が、第1の波長選択的反射体7226によって、視認者の眼7202に向かって後方反射され得るように、赤色光のために最適化されてもよい。同様に、接眼レンズ7200はさらに、第3の導波管7240の背面表面上に配置される、緑色光のために最適化される第2の波長選択的反射体7236と、正面カバー7250の背面表面上に配置される、青色光のために最適化される第3の波長選択的反射体7246とを含んでもよい。当業者は、特定の導波管またはカバー上の波長選択的反射体の代替対または組み合わせを理解するであろう。
【0434】
本構成では、波長選択的反射体7226、7236、および7246が、残影画像を回避するために、それぞれ、格子7224、7234、および7244に対して適切に整合されることを確実にすることがより重要であり得る。
【0435】
図73は、本発明のいくつかの他の実施形態による、接眼レンズ7300の構造の断面図を図式的に図示する。接眼レンズ7000と同様に、接眼レンズ7300は、第1の導波管7320と、第2の導波管7330と、第3の導波管7340と、背面カバー7310と、正面カバーとを含んでもよい。接眼レンズ7300はさらに、第1の導波管7320の背面表面上に配置される、第1の格子7324と、第2の導波管7330の背面表面上に配置される、第2の格子7334と、第3の導波管7340の背面表面上に配置される、第3の格子7344とを含んでもよい。
【0436】
ここでは、波長選択的反射体を導波管の7320、7330、および7340のそれぞれ上に有する代わりに、接眼レンズ7300は、正面カバー7350の背面表面に配置される、波長選択的反射体7356を含んでもよい。波長選択的反射体7356は、
図71に図示されるように、赤色光、緑色光、および青色光に対応する波長範囲内の3つの反射率ピークを呈する、反射率スペクトルを有するように構成されてもよい。代替として、波長選択的反射体7356は、第3の導波管7340の正面表面上に配置されてもよい。
【0437】
いくつかの他の実施形態では、ロングパスフィルタおよびショートパスフィルタが、狭帯域反射体の代わりに使用されてもよい。
図74は、ロングパスフィルタおよびショートパスフィルタの例示的反射率スペクトルを図式的に図示する。反射率曲線7450は、ロングパスフィルタを表し、これは、約470nmを下回る光の大部分を反射させ、約470nmを上回る光の大部分を透過させる。したがって、ロングパスフィルタは、青色光を反射させ、緑色および赤色光を透過させ得る。反射率曲線7452は、ショートパスフィルタを表し、これは、約590nmを上回る光の大部分を反射させ、約590nmを下回る光の大部分を透過させる。したがって、ショートパスフィルタは、赤色光を反射させ、緑色および青色光を透過させ得る。ロングパスフィルタおよびショートパスフィルタは、適切な導波管7320、7330、および7340、および/または正面カバー7350上に配置され、所望の波長選択性を達成し得る。当業者は、ロングパスまたはショートパスフィルタを通して反射または透過させるための種々の組み合わせまたは代替波長閾値を理解するであろう。
【0438】
いくつかの実施形態では、各波長選択的反射体7026、7036、または7046(
図70に図示されるように)、7226、7236、または7246(
図72に図示されるように)、または7356(
図73に図示されるように)は、偏光依存反射率スペクトルを呈し得る。プロジェクタ2001内のLEDまたはレーザによって提供される光が、実質的に線形に偏光または円形に偏光される場合、波長選択的反射体は、その偏光状態の光のために高反射率を有し、直交偏光状態の光を透過させ、したがって、直交偏光状態における世界からの自然光が、接眼レンズ7000、7200、または7300を通り抜けることを可能にするように設計されてもよい。
【0439】
種々の実施形態によると、
図70、72、および73に図示される各波長選択的反射体は、多層薄膜またはメタ表面を備えてもよい。多層薄膜は、2つの材料から成る周期的層システムを備えてもよく、一方は、高屈折率を伴い、他方は、低屈折率を伴う。本周期的システムは、所望の波長範囲内の反射率を有意に向上させるようにエンジニアリングされてもよく、その幅は、2つの屈折率の比率のみによって決定される一方、最大反射率は、スタック内の層の数の増加に伴って、最大約100%まで増加され得る。層の厚さは、概して、反射されたビームが、相互に建設的に干渉し、反射を最大限にし、透過を最小限にするように設計される、4分の1波である。
【0440】
メタ表面は、光学的に薄いサブ波長構造化界面である。メタ表面は、概して、小型の異方性光散乱器(すなわち、光学アンテナ等の共振器)のアレイを組み立てることによって作成される。アンテナ間の間隔およびその寸法は、波長よりはるかに小さい。メタ表面は、Huygensの原理を根拠として、空間変動を光散乱器の光学応答に導入することによって、光学波面をサブ波長分解能を伴う恣意的形状に成型することが可能である。メタ表面は、光の偏光、位相、および振幅を制御することを可能にし得る。光の波面を操作するために使用され得る、要因は、ナノ構造の材料、サイズ、幾何学形状、および配向を含む。
【0441】
メタ表面の共振波長は、その成分ナノ構造の幾何学的サイズを変化せ、それによって、波長選択性を提供することによって、エンジニアリングされることができる。例えば、メタ表面は、光を再指向する際、高度に波長選択的であるようにエンジニアリングされてもよい。したがって、メタ表面は、波長選択的内部結合光学要素および外部結合光学要素として使用されることができる。同様に、メタ表面はまた、可視波長領域内に顕著な反射率ピークを呈する、反射率スペクトルを有するようにエンジニアリングされてもよい。
【0442】
レンズおよび波プレート等の従来の光学要素では、波面は、波長よりはるかに厚い媒体中の伝搬位相を介して制御される。従来の光学要素と異なり、メタ表面が、代わりに、サブ波長サイズの共振器を位相偏移要素として使用して、光の位相変化を誘発する。メタ表面は、比較的に薄く、厚さが均一である、特徴から形成されるため、それらは、半導体処理技法等の薄膜処理技法およびナノインプリント技法等の直接印刷技法を使用して、表面を横断してパターン化されることができる。
【0443】
図75は、米国特許出願第2017/0131460号(その内容は、あらゆる目的のために全体として本明細書に組み込まれる)により詳細に説明されるような、いくつかの実施形態による、メタ表面の実施例を図示する。基板7500は、表面7500aを有し、その上には、メタ表面7510が、堆積される。メタ表面7510は、多段階の光学的透過性材料を含む。図示されるように、いくつかの実施形態では、メタ表面は、第1の段階7512と、第2の段階7514とを有する、2段階構造である。第1の段階7512は、第1の光学的透過性材料から形成される、複数の突出部7520と、突出部間の第2の光学的透過性材料の集塊7530aとを含む。第2の段階7514は、突出部上にあって(第1の段階によって基板から離間および分離され)、突出部7520上に形成される、第2の光学的透過性材料の第2の段階の集塊7530bを含む。突出部7520は、隆起(またはナノワイヤ)であってもよく、これは、ページの中へおよびそこから側方に伸長であって、近隣突出部間にトレンチを画定する。図示されるように、第2の段階7514上には、第2の光学的透過性材料の集塊7530bが、突出部7520の表面上に局所化され、第2の光学的透過性材料の他の局所化された堆積物(または平坦部)から離間された材料の平坦部を形成し得る。
【0444】
好ましくは、集塊7530a、7530bを形成する、第2の光学的透過性材料の屈折率は、突出部7520を形成する第1の光学的透過性材料および基板7500を形成する材料の両方の屈折率より高い。いくつかの実施形態では、第1の光学的透過性材料の屈折率は、基板7500を形成する材料の屈折率より低い、またはそれに類似する。基板7500は、導波管であってもよく、導波管7020、7030、7040(
図70)、7220、7230、7240、(
図72)、および/または導波管7320、7330、および7340、(
図73)に対応してもよいことを理解されるであろう。そのような用途では、基板は、好ましくは、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、または1.9より高い、相対的高屈折率を有し、これは、その基板7500からの光を出力し、画像を形成する、ディスプレイの視野を増加させる利点を提供することができる。いくつかの実施形態では、基板7500は、ガラス(例えば、ドープされたガラス)、ニオブ酸リチウム、プラスチック、ポリマー、サファイア、または他の光学的透過性材料から形成される。好ましくは、ガラス、プラスチック、ポリマー、サファイア、または他の光学的透過性材料は、高屈折率、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、または1.9より高い屈折率を有する。
【0445】
図75を継続して参照すると、突出部7520の第1の光学的透過性材料は、好ましくは、例えば、リソグラフィおよびエッチングプロセスによってパターン化され得る、材料である。より好ましくは、第1の光学的透過性材料は、ナノインプリントによってパターン化され得る、ナノインプリントレジストである。本明細書に議論されるように、集塊7530a、7530bを形成する、第2の光学的透過性材料は、突出部7520の第1の光学的透過性材料および基板7500を形成する材料の両方より高い屈折率を有する。いくつかの実施形態では、第2の光学的透過性材料の屈折率は、1.6、1.7、1.8、または1.9より高い。第2の光学的透過性材料のための材料の実施例は、シリコン含有材料および酸化物を含む、半導体材料を含む。シリコン含有材料の実施例は、窒化ケイ素および炭化ケイ素を含む。酸化物の実施例は、酸化チタン、酸化ジルコニウム、および酸化亜鉛を含む。いくつかの実施形態では、第2の光学的透過性材料は、より低い光学透明性を有してもよい。例えば、第2の光学的透過性材料は、シリコンまたはその誘導体であってもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の光学的透過性材料7520、7530は、非晶質固体材料または結晶性固体材料である。非晶質材料は、より低い温度で、かついくつかの結晶性材料より広範囲の表面にわたって形成され得るため、いくつかの用途では望ましくあり得る。いくつかの実施形態では、特徴7520、7530a、7530bを形成する、第1および第2の光学的透過性材料はそれぞれ、非晶質または結晶性半導体材料のうちの1つであってもよい。
【0446】
図75を継続して参照すると、突出部は、ピッチ7540を有する。本明細書で使用されるように、ピッチは、2つの直接近隣構造上の類似点間の距離を指す。類似点は、それらが実質的に同じである構造の類似部分(例えば、左または右縁)にあるという点において類似することを理解されるであろう。例えば、突出部7520のピッチは、突出部7520およびその突出部と直接近隣類似突出部7520との間の直接近隣分離によって画定された総幅と等しい。換言すると、ピッチは、それらの突出部7520によって形成される特徴のアレイの反復単位(例えば、突出部7520および集塊7530aの幅の和)の幅に対応する周期であると理解され得る。
【0447】
図示されるように、異なる波長の(異なる色に対応する)光が、メタ表面上に衝突し得、本明細書に議論されるように、メタ表面は、具体的波長の光を再指向する際に高度に選択的である。本選択性は、本明細書に議論されるように、第1および第2のレベル7512、7514の特徴のピッチおよび物理的パラメータに基づいて達成されてもよい。突出部7520のピッチは、いくつかの実施形態では、ゼロ次数の反射の光再指向のために望ましい光の波長未満である。いくつかの実施形態では、幾何学的サイズおよび周期性は、波長がより長くなるにつれて増加し、突出部7520および集塊7530a、7530bの一方または両方の高さまたは厚さもまた、波長がより長くなるにつれて増加する。図示される光線7550a、7550b、および7550cは、いくつかの実施形態では、異なる波長および色の光に対応する。図示される実施形態では、メタ表面は、光線7550bを反射させながら、光線7550aおよび7550cを基板7500およびメタ表面7510を通して伝搬させる、ピッチを有する。
【0448】
有利には、多段階メタ表面は、特定の波長の光のために高度に選択的である。
図76は、いくつかの実施形態による、
図75に示される一般的構造を有するメタ表面に関する透過および反射スペクトルのプロットを示す。本実施例では、突出部7520は、幅125nm、厚さ25nmを有し、レジストから形成され、材料7530aおよび7530bの集塊は、厚さ75nmを有し、窒化ケイ素から形成され、ピッチは、340nmであって、空気間隙が、集塊7530bを分離する。水平軸は、波長を示し、垂直軸は、法線入射(すなわち、ゼロ度の入射角)に関する透過率(無反射から完全反射の0−1.00のスケール)を示す。着目すべきこととして、反射R
0(517nm時)における顕著なピークおよび透過率T
0における付随低減が、狭帯域の波長に関して認められる一方、他の波長は、透過される。光は、波長が共振波長(本実施例では、約517nm)と合致されるときに反射される。突出部7520および上層構造7530は、サブ波長間隔を伴って配列され、ゼロ次数の反射および透過のみが、存在する。
図76に示されるように、反射スペクトルは、可視波長領域を横断して顕著なピークを示し、これは、光学共振の特徴である。
【0449】
メタ表面は、1次元(1D)ナノ構造または2次元(2D)ナノ構造において形成されてもよい。
図77Aおよび77Bは、それぞれ、いくつかの実施形態による、1次元ナノビーム7714によって形成されるメタ表面7710の上面図および側面図を示す。図示されるように、複数のナノビーム7714が、基板7712(例えば、導波管)の表面上に形成される。各ナノビーム7714は、Y軸に沿って側方に延在し、負のZ方向に沿って基板7712の表面から突出する。複数のナノビーム7714が、X軸に沿って周期的アレイとして配列される。いくつかの実施形態では、ナノビーム7714は、シリコン(例えば、非晶質シリコン)、TiO
2、Si
3N
4、または同等物を含んでもよい。メタ表面7710は、基板7712上に形成されるナノ構造の単層を含むため、単一層メタ表面と称され得る。
【0450】
図77Cおよび77Dは、それぞれ、いくつかの他の実施形態による、1次元ナノビーム7724によって形成される、メタ表面7720の平面図および側面図を示す。複数のナノビーム7724が、基板7722(例えば、導波管)の表面上に形成される。各ナノビーム7724は、Y軸に沿って側方に延在し、負のZ方向に沿って基板7722の表面から突出する。複数のナノビーム7724は、X軸に沿って周期的アレイとして配列される。いくつかの実施形態では、ナノビーム7724は、シリコン(例えば、非晶質シリコン)、TiO
2、Si
3N
4、または同等物を含んでもよい。
【0451】
メタ表面7720はさらに、ナノビーム7724間の領域を充填し、ナノビーム7724を被覆する、第1の誘電層7725と、第1の誘電層7725にわたって配置される、第2の誘電層7726と、第2の誘電層7726にわたって配置される、第3の誘電層7727と、第3の誘電層7727にわたって配置される、第4の誘電層7728とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ナノビーム7724は、シリコン(例えば、非晶質シリコン)を含んでもよく、第1の誘電層7725および第3の誘電層7727は、フォトレジストまたは同等物を含んでもよく、第2の誘電層7726および第4の誘電層7728は、TiO
2および同等物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の誘電層7725および第3の誘電層7727は、1.4〜1.5の範囲内の屈折率を有する材料を含んでもよい。第2の誘電層7726および第4の誘電層7728は、メタ表面7720の反射率を増加させる役割を果たし得る。いくつかの実施形態では、第2の誘電層7726および第4の誘電層7728はそれぞれ、厚さ約160nmを有してもよく、第1の誘電層7725は、厚さ約60nmを有してもよい。メタ表面7720は、基板7722上に形成される複数の層を含むため、多層メタ表面と称され得る。
【0452】
図78Aおよび78Bは、それぞれ、いくつかの実施形態による、基板7812(例えば、導波管)の表面上に形成される複数のナノアンテナ7814によって形成される、単層2次元メタ表面7810の上面図および側面図を示す。複数のナノアンテナ7814は、X−Y平面における2次元アレイとして配列される。いくつかの実施形態では、各ナノアンテナ7814は、
図78Aに図示されるように、長方形形状を有してもよい。ナノアンテナ7814は、種々の他の実施形態によると、円形、楕円形、および同等物等の他の形状を有してもよい。
【0453】
図78Cおよび78Dは、それぞれ、いくつかの実施形態による、多層2次元メタ表面7820の平面図および側面図を示す。複数のナノアンテナ7824は、基板7822(例えば、導波管)の表面上のX−Y平面に2次元アレイとして配列される。メタ表面7820はさらに、ナノアンテナ7824間の領域を充填し、ナノアンテナ7824を被覆する、第1の誘電層7825と、第1の誘電層7825にわたって配置される、第2の誘電層7826と、第2の誘電層7826にわたって配置される、第3の誘電層7827と、第3の誘電層7827にわたって配置される、第4の誘電層7828とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ナノアンテナ7824は、シリコン(例えば、非晶質シリコン)を含んでもよく、第1の誘電層7825および第3の誘電層7827は、フォトレジストまたは同等物を含んでもよく、第2の誘電層7826および第4の誘電層7828は、TiO
2および同等物を含んでもよい。第2の誘電層7826および第4の誘電層7828は、メタ表面7820の反射率を増加させる役割を果たし得る。
【0454】
図77Aおよび77Bに図示される単層1次元メタ表面7710は、
図76に図示されるものに類似する、所与の入射角に関してある波長において顕著な反射率ピークを呈し得る。しかしながら、ピーク波長は、入射角が変動されるにつれて偏移し得る。本角度依存性は、有効角度視野を限定し得る。誘電材料の付加的層をナノ構造の上部に追加することは、反射スペクトルを調整するための別の自由度を与えることができる。例えば、
図77Cおよび77Dに図示される多層1次元メタ表面7720は、さらに以下に議論されるように、入射角範囲に関して実質的に角度に鈍感な反射率スペクトルを有するように構成されてもよい。
図78Cおよび78Dに図示される多層2次元メタ表面7820はまた、反射スペクトルを調整するための付加的自由度を提供することができる。
【0455】
図79は、いくつかの実施形態による、TE偏光に関して
図77Cおよび77Dに図示される、多層1次元メタ表面7720の緑色に対応する波長(例えば、約520nm)(実線)および赤色に対応する波長(例えば、約650nm)(破線)に関する入射角の関数としてのシミュレートされた反射率のプロットを示す。図示されるように、緑色波長に関する反射率は、約−30度〜約30度の角度範囲に関して非常に平坦(例えば、約70%)のままである。同一角度範囲では、赤色波長に関する反射率は、非常に低いままである(例えば、約10%を下回る)。
【0456】
図80は、いくつかの実施形態による、TE偏光に関して
図77Cおよび77Dに図示される、多層1次元メタ表面7720のシミュレートされた反射率スペクトル(実線)およびシミュレートされた透過スペクトル(破線)のプロットを示す。図示されるように、反射率スペクトルは、約480nm〜約570nmの広ピークを示す。対応して、透過スペクトルは、同一波長範囲内で広い谷を示す。したがって、角度鈍感性は、反射率スペクトルのより広い帯域幅を犠牲にして達成され得る。拡張現実システムに関して、より広い反射率帯域幅は、世界からのより多くの自然光が、波長選択的反射体によって反射され得、したがって、視認者の眼に到達し得ないことを意味する。
【0457】
図81は、いくつかの実施形態による、TM偏光に関して
図77Cおよび77Dに図示される、多層1次元メタ表面7720の緑色に対応する波長(例えば、約520nm)(実線)および赤色に対応する波長(例えば、約650nm)(破線)に関する入射角の関数としてシミュレートされた反射率のプロットを示す。図示されるように、緑色波長に関する反射率は、約−30度〜約30度の角度範囲に関して非常に平坦(例えば、約75%)のままである。同一角度範囲では、赤色波長に関する反射率は、非常に低い(例えば、約5%を下回る)ままである。
図79と比較して、緑色波長に関するピーク反射率値は、TE偏光(例えば、約70%)に関するその対応物よりTM偏光(例えば、約75%)に関して若干高い。
【0458】
図82は、いくつかの実施形態による、TM偏光に関して
図77Cおよび77Dに図示される、多層1次元メタ表面7720のシミュレートされた反射率スペクトル(実線)およびシミュレートされた透過スペクトル(破線)のプロットを示す。図示されるように、反射率スペクトルは、約480nm〜約570nmの広ピークを示す。対応して、透過スペクトルは、同一波長範囲内の広い谷を示す。
図80と比較して、TM偏光に関する反射率スペクトルは、TE偏光に関するその対応物より丸みを帯びたピークを呈する。また、TM偏光に関する透過スペクトルは、TE偏光に関するその対応物と比較して、反射率帯域外のより高い値を呈する。一般に、共振波長(例えば、反射ピークが生じる波長)は、ナノ構造の幾何学形状サイズを増加させるために、より長い波長に偏移し得る。反射率スペクトルの帯域幅および角度スペクトルの角度幅は、ナノ構造の縦横比を減少させるために増加し得る。
【0459】
いくつかの実施形態では、複数のメタ表面が、交互配置され、複合メタ表面を形成し、所望のスペクトル性質を達成してもよい。
図83A−83Fは、いくつかの実施形態による、複合メタ表面が2つのサブメタ表面を交互配置することによって形成され得る方法を図式的に図示する。
【0460】
図83Aは、基板8302上に形成される複数の第1のナノアンテナ8314を含む、第1のサブメタ表面8310の上面図を示す。各第1のナノアンテナ8314は、第1の縦横比を伴う長方形形状を有する。
図83Bは、入射角の関数として、第1のサブメタ表面8310の反射率スペクトルを図式的に図示する。図示されるように、第1のナノアンテナ8314の幾何学形状は、反射率スペクトルが第1の入射角においてピークを呈するように設計されてもよい。
【0461】
図83Cは、基板8304上に形成される、複数の第2のナノアンテナ8324を含む、第2のサブメタ表面8320の上面図を示す。各第2のナノアンテナ8324は、第1の縦横比を上回る(例えば、より伸長である)、第2の縦横比を伴う長方形形状を有する。
図83Dは、入射角の関数として、第2のサブメタ表面8320の反射率スペクトルを図式的に図示する。図示されるように、第2のナノアンテナ8324の幾何学形状は、反射率スペクトルが第1の入射角と異なる第2の入射角においてピークを呈するように設計されてもよい。
【0462】
図83Eは、基板8306上に形成される、複数の第1のナノアンテナ8314と、複数の第2のナノアンテナ8324と、複数の第3のナノアンテナ8334と、複数の第4のナノアンテナ8344と、複数の第5のナノアンテナ8354とを含む、複合メタ表面8330の上面図を示す。複合メタ表面8330は、第1のサブメタ表面8310、第2のサブメタ表面8320等の複合と見なされ得る。各サブメタ表面のナノアンテナは、相互にランダムに交互配置されてもよい。
図83Fは、入射角の関数として、複合メタ表面8330の反射率スペクトルを図式的に図示する。図示されるように、複合メタ表面8330は、複数の入射角における複数の反射率ピーク8316、8326、8336、8346、および8356によって特徴付けられ得、各反射率ピークは、個別の成分サブメタ表面に対応する。複合メタ表面8330は、種々の実施形態による、5つより多いまたはより少ないサブメタ表面を含んでもよい。いくつかの実施形態では、サブメタ表面毎の波長の関数としての反射率スペクトルは、比較的に狭帯域幅を伴う反射率ピークを呈し得、複数のサブメタ表面は、ほぼ同一波長範囲における反射率ピークを呈するように構成されてもよい。
【0463】
複数のメタ表面は、多重化され、所望のスペクトル性質を伴う複合メタ表面を形成してもよい。
図84Aおよび84Bは、それぞれ、いくつかの実施形態による、メタ表面8400の上面図および側面図を示す。メタ表面8400は、基板8402の表面上の第1の側方領域内に配列される、第1のナノアンテナ8410の第1のアレイと、第1の側方領域に隣接する第2の側方領域内に配列される、第2のナノアンテナ8420の第2のアレイと、第2の側方領域に隣接する第3の側方領域内に配列される、第3のナノアンテナ8430の第3のアレイと、第3の側方領域に隣接する第4の側方領域内に配列される、第4のナノアンテナ8440の第4のアレイと、第4の側方領域に隣接する第5の側方領域内に配列される、第5のナノアンテナ8450の第5のアレイと、第5の側方領域に隣接する第6の側方領域内に配列される、第6のナノアンテナ8460の第6のアレイとを含んでもよい。
【0464】
各第1のナノアンテナ8410は、
図84Cに図示されるように、第1のナノアンテナ8410の第1のアレイが第1の入射角8412においてピークを有する、第1の反射率スペクトル8412によって特徴付けられるように設計される、第1の縦横比を伴う長方形形状を有してもよく、各第2のナノアンテナ8420は、第1のナノアンテナ8420の第2のアレイが第2の入射角8422におけるピークを有する第2の反射率スペクトル8422によって特徴付けられるように設計される、第2の縦横比を伴う長方形形状を有してもよい等となる。このように、ナノアンテナ8410、8420、8430、8440、8450、または8460の各アレイは、
図84Bに図示されるように、視認者の眼8401に到達し得る、光線ために最適化される。
【0465】
図85Aは、いくつかの実施形態による、接眼レンズ8500の部分的側面図を図式的に図示する。接眼レンズは、導波管8510と、導波管8510の背面表面上に形成される、格子8520と、導波管8510の正面表面上に形成される、波長選択的反射体8530とを含む。
図85Bは、いくつかの実施形態による、波長選択的反射体8530の上面図を図式的に図示する。波長選択的反射体8530は、複数の重複領域8532を含んでもよい。各領域8532は側方(例えば、Y軸に沿って)および垂直(例えば、
図85Aに図示されるように、X軸に沿って)の両方において、視認者の眼8501に到達し得る光線に対応する個別の入射角において反射率ピークを有するように最適化されたメタ表面を備えてもよい。例えば、各領域8532は、ナノアンテナのアレイを含んでもよく、個別の縦横比は、
図84Aに図示されるように、第1のアンテナ8410の第1のアレイ、第2のアンテナ8420の第2のアレイ、第3のアンテナ8430の第3のアレイ、第4のアンテナ8440の第4のアレイ、第5のアンテナ8450の第5のアレイ、または第6のアンテナ8460の第6のアレイに類似する。いくつかの実施形態では、各領域8532のサイズは、有利には、視認者の眼8501の瞳孔の直径に所定のマージンを加えたものに合致するように設計されてもよい。
【0466】
いくつかの実施形態では、波長選択的反射体は、体積位相ホログラム(体積位相格子とも称され得る)を備えてもよい。体積位相ホログラムは、透過媒体、通常、二色性ゼラチンまたはホログラフィックフォトポリマーの層内に形成される、周期的位相構造であって、これは、概して、二色性ゼラチンの場合、クリアガラスまたは融合シリカの2つの層の間にシールされる。入射光の位相は、周期的屈折率を有する光学的に厚い膜を通して通過させるにつれて変調され、故に、「体積位相」と称される。これは、表面起伏パターンの深度が入射光の位相を変調させる、従来の格子とは対照的である。体積位相ホログラムは、屈折率変調の周期および媒体の屈折率変調深度(すなわち、高屈折率値と低屈折率値との間の差異)を調節することによって、異なる波長で機能するように設計されることができる。反射体積位相ホログラムの周期は、記録レーザおよび記録幾何学形状の波長によって決定される。変調深度(回折効率および有効スペクトル帯域幅の両方に影響を及ぼす)は、記録媒体の材料性質および総露光(典型的には、mJ/cm
2として表される)によって決定され得る。体積位相ホログラムのスペクトルおよび角度選択性は、記録媒体の厚さによって決定され得る。これらのパラメータの全ての間の関係は、Kogelnikの結合波方程式によって表され、これは、文献(例えば、H. Kogelnik、Bell Syst. Tech. J.48、2909、1969参照)から利用可能である。体積位相ホログラムの角度および波長性質は、概して、文献では、「Bragg選択性」と称される。Bragg選択性のため、体積位相ホログラムは、所望の入射角において所望の波長に関して高反射率効率を有するように設計されることができる。拡張現実システムのための接眼レンズにおいて使用され得る体積位相ホログラムについてのさらなる詳細は、米国仮特許出願第62/384,552号(その内容は、あらゆる目的のために、全体として本明細書に組み込まれる)に提供される。
【0467】
図86Aは、いくつかの実施形態による、基板8602(例えば、導波管)上に形成される第1の体積位相ホログラム8610の部分断面図を図式的に図示する。第1の体積位相ホログラム8610は、
図86Bに図式的に図示されるように、第1の入射角において高反射率ピークを生産するように設計される、第1の変調された屈折率パターン8612を有してもよい。例えば、第1の変調された屈折率パターン8612は、光を具体的波長範囲内および所定の角度範囲にわたって視認者に向かって後方反射させるために、Z軸に対して第1の傾斜角度でタイル化された周期的屈折率ストライプを備えてもよい。この場合、反射される光の角度範囲は、屈折率変調平面の傾斜に関連する。体積位相ホログラムは、適切な材料厚を選定することによって、非常に選択的にされることができる。いくつかの実施形態では、媒体厚は、約8ミクロン〜約50ミクロの範囲内であって、所望の角度およびスペクトル選択性を達成し得る。
【0468】
図86Cは、いくつかの実施形態による、第2の体積位相ホログラム8620の部分断面図を図式的に図示する。第2の体積位相ホログラム8620は、
図86Dに図式的に示されるように、第1の入射角と異なる第2の入射角において高反射率ピークを生産するように設計される、第2の変調された屈折率パターン8622を有してもよい。例えば、第2の変調された屈折率パターン8622は、
図86Aおよび86Cに図示されるように、第1の傾斜角度を上回るZ軸に対して第2の傾斜角度でタイル化された周期的屈折率ストライプを備えてもよい。
【0469】
図86Eは、いくつかの実施形態による、複合体積位相ホログラム8630の部分断面図を図式的に図示する。
図86Fは、いくつかの実施形態による、導波管8602の表面上に形成される、複合体積位相ホログラム8630の側面図を図式的に図示する。(
図86Eおよび
図86Fは、Z軸に沿って異なるスケールを有することに留意されたい)。複合体積位相ホログラム8630は、複数の領域8631−8637を含んでもよい。各領域8631−8637は、
図86Fに図示されるように、視認者の眼8601に到達し得る光線に対応する個別の入射角のために最適化されてもよい。例えば、各領域8631−8637は、Z軸に対して個別の傾斜角度で傾斜される周期的屈折率ストライプを備えてもよく、複数の領域8631−8637の傾斜角度は、
図86Eに図示されるように、相互に異なる。
【0470】
いくつかの実施形態では、また、同一体積位相ホログラム内の複数の屈折率変調プロファイルを多重化することが可能である。各別個の変調プロファイルは、適切な露光波長を選定することによって、ホログラム記録の間、狭波長範囲内で光を反射させるように設計されることができる。好ましくは、対応する露光は、同時に実施される(別個のレーザを使用して)。また、格子を連続して記録することも可能である。そのような多重化された体積位相ホログラムは、
図73に図示される波長選択的反射体7356のために使用されてもよい。
【0471】
図85Aおよび85Bに図示されるメタ表面と同様に、複合体積位相ホログラムは、いくつかの実施形態では、2次元アレイとして配列される重複領域を備えてもよい。各領域は、側方(例えば、Y軸に沿って)および垂直(例えば、X軸に沿って)の両方において視認者の眼に到達し得る光線に対応する個別の入射角においてピークを呈する、反射率スペクトルを有するように最適化されてもよい。
【0472】
図87は、一実施形態による、プロジェクタ8700を図示する、概略図である。プロジェクタ8700は、
図90A−90Cに関連して以下に議論されるように、所定の分布を伴う具体的配向に位置付けられる、空間的に変位された光源8705(例えば、LED、レーザ等)のセットを含む。光源8705は、単独で、または、例えば、光パイプまたはミラー等の集光光学を形成し、より多くの光を集光し、副瞳を光パイプまたは集光ミラーの端部に形成する、副瞳と併用されることができる。明確性目的のために、3つの光源のみが、図示される。いくつかの実施形態では、準コリメーション光学8725が、光がよりコリメートされた様式で偏光ビームスプリッタ(PBS)8710に進入し、より多くの光がディスプレイパネル8707に辿り着くように、光源8705から放出される光を準コリメートするために利用される。他の実施形態では、コリメート要素(図示せず)が、PBS8710の一部を通して伝搬後、光源から放出される光をコリメートするために利用される。いくつかの実施形態では、前置偏光器が、準コリメート光学8725とPBS8710との間にあって、PBS8710の中に進む光を偏光させてもよい。前置偏光器はまた、光の一部を再循環させるために使用されてもよい。PBS8710に進入する光は、反射し、ディスプレイパネル8707上に入射し、そこで場面が、形成される。いくつかの実施形態では、時間シーケンシャルカラーディスプレイが、カラー画像を形成するために使用されることができる。
【0473】
ディスプレイパネル8707から反射された光は、PBS8710を通して通過し、結像光学または結像光学のセットとも称される、プロジェクタレンズ8715を使用して結像され、場面の画像を遠距離に形成する。プロジェクタレンズ8715は、ディスプレイパネル8707の大まかなフーリエ変換を接眼レンズ8720上または中に形成する。プロジェクタ8700は、光源8705および集光光学によって形成される副瞳の反転画像である、副瞳を接眼レンズ内に提供する。
図87に図示されるように、接眼レンズ8720は、複数の層を含む。例えば、接眼レンズ8720は、6つの層または導波管を含み、それぞれ、色(例えば、3つの色)および深度平面(例えば、色毎に2つの深度平面)と関連付けられる。色および深度層の「切替」は、オンにされる光源を切り替えることによって実施される。その結果、シャッタまたはスイッチは、図示されるシステムでは、色と深度平面との間で切り替えるために利用されない。
【0474】
プロジェクタ8700およびプロジェクタ8700のアーキテクチャに関する変形例に関連する付加的議論は、本明細書で議論される。
【0475】
図88は、別の実施形態による、プロジェクタ8800を図示する、概略図である。
図88に図示される実施形態では、ディスプレイパネル8820は、LCOSパネルであるが、本開示は、本実装に限定されない。他の実施形態では、正面照明LCOS(FLCOS)、DLP、および同等物を含む、他のディスプレイパネルが、利用されることができる。いくつかの実施形態では、カラーシーケンシャルLCOS設計が、
図91に関連して議論される時間シーケンシャルエンコーディングに関連して議論されるように利用されるが、全ての色(例えば、RGB)が並行して表示される、他の設計も、実装されることができる。カラーフィルタは、性能を改良し、ピクセルサイズが、減少されるため、システム性能が、改良し、本開示の実施形態は、そのような改良から利点を享受するであろう。したがって、いくつかの反射または透過ディスプレイパネルが、本明細書に開示される分散型副瞳アーキテクチャと併せて利用されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0476】
いくつかの実施形態では、集光光学を含む、光源8810によって放出され、前置偏光器8825によって偏光される、光は、偏光ビームスプリッタ(PBS)8830を通して伝搬し、4分の1波プレート8827を通して通過し、例えば、ミラーレンズ、反射レンズ、または湾曲反射体として実装され得る、コリメータ8832上に衝突する。光源8810間の空間分離は、分散型副瞳アーキテクチャを可能にする。いくつかの実施形態では、反射コリメータである、コリメータ8832は、光源8810によって放出されるビームを準コリメートまたは集光し、コリメートされたビームを、4分の1波プレート8827を通して、再び、光をディスプレイパネル8820上に指向するように変化された偏光状態を伴うPBS8830の中に後方指向する。
【0477】
コリメートされたビームが、PBS8830を通して伝搬するにつれて、それらは、界面8831において反射され、ディスプレイパネル8820に向かって指向される。ディスプレイパネル8820は、場面または一連の場面を形成し、これは、続いて、接眼レンズ上に結像されることができる。いくつかの実施形態では、異なる色および深度平面のための時間シーケンシャル画像形成は、ディスプレイパネルの動作と併せて、光源8810を連続して動作させることによって遂行される。いくつかの実施形態では、補償要素が、PBS8830に設置される、またはディスプレイパネル8820に取り付けられ、ディスプレイパネル8820の性能を改良する。ディスプレイパネル8820からの反射後、光は、界面8831を通して伝搬し、側8804においてPBS8830から出射する。プロジェクタレンズ8840とも称される、光学レンズ8840が、次いで、利用され、ディスプレイのフーリエ変換を形成し、コリメータ8832と併せて、光源8810の副瞳の反転画像を接眼レンズまたはその中に形成する。界面8831は、偏光膜、ワイヤグリッド偏光器、誘電スタックコーティング、それらの組み合わせ、および同等物を使用して実装されることができる。
【0478】
いくつかの実施形態によると、プロジェクタアセンブリが、提供される。プロジェクタアセンブリは、PBS(例えば、PBS8830)を含む。プロジェクタアセンブリはまた、PBS8830に隣接する空間的に変位される光源(例えば、光源8810)のセットを含む。光源8810は、異なる色LED、レーザ、または同等物であり得る。いくつかの実施形態では、空間的に変位される光源8810は、PBS8830の第1の側8801に隣接する。PBS8830は、第1の通過の間、光源8810によって放出される光を通過させる。
【0479】
反射ミラーであり得る、コリメータ8832は、PBS8830に隣接して配置され、光を受光し、最初に、PBS8830を通して通過させる。コリメータ8832は、空間的に変位される光源8810に隣接する第1の側8801の反対である、PBS8830の第2の側8802に隣接する。コリメータ8832は、放出される光をコリメートおよび集光し、コリメートされた光をPBS8830の第2の側8802の中に後方指向する。
【0480】
プロジェクタアセンブリはまた、第1の側8801と第2の側8802との間に位置付けられるPBS8830の第3の側8803に隣接する、ディスプレイパネル8820を含む。ディスプレイパネルは、LCOSパネルであることができる。PBS8830を通した第2の通過の間、コリメートされた光は、4分の1波プレート8827を2回通過することによって生じるその偏光状態の変化に起因して、PBS8830内の内部界面から反射し、ディスプレイパネルに向かって指向される。
【0481】
プロジェクタアセンブリはさらに、第1の側8801と第2の側8802との間かつ第3の側8803と反対に位置付けられる、PBS8830の第4の側8804に隣接する、プロジェクタレンズ8840を含む。PBS8830と投影ディスプレイアセンブリによって形成される最終的画像との間のプロジェクタレンズ8840の位置は、図示されるシステムがPBS8830をプロジェクタアセンブリの背面において利用することを示す。
【0482】
プロジェクタアセンブリは、画像場所における副瞳の画像およびディスプレイパネル8820のフーリエ変換を形成する。接眼レンズとの内部結合界面は、画像場所の近傍に位置付けられる。空間的に変位される光源8810によって放出される光は、プロジェクタアセンブリ内の異なる経路を通して伝搬するため、システムの画像平面において空間的に変位される、光源8810の各光源と関連付けられた画像は、接眼レンズを構成する異なる導波管の中に結合することを可能にする。
【0483】
図89は、一実施形態による、各導波管内に配置される内部結合要素を使用して対応する導波管の中に結合されている複数の色の光を図示する、概略図である。第1の導波管8910、第2の導波管8920、および第3の導波管8930は、平行配列において相互に隣接して位置付けられる。ある実施例では、第1の導波管8910は、第1の波長範囲8901(例えば、赤色波長)内の光を受光および伝搬するように設計されることができ、第2の導波管8920は、第2の波長範囲8902(例えば、緑色波長)内の光を受光および伝搬するように設計されることができ、第3の導波管8930は、第3の波長範囲8903(例えば、青色波長)内の光を受光および伝搬するように設計されることができる。
【0484】
全3つの波長範囲8901、8902、および8903内の光は、ほぼ同一平面上のプロジェクタレンズ8940のフーリエ変換力に起因して集束されるが、大まかには、光モジュール内の副瞳の間隔と、該当する場合、光学システムの拡大とによって、平面に表示される。個別の層8910、8920、および8930の内部結合格子8912、8922、および8932は、ビームの一部を捕捉し、個別の導波管層の中に結合させるように、正しいカラー副瞳に対応する経路内に設置される。
【0485】
内部結合格子であり得る、内部結合要素は、内部結合回折光学要素(DOE)の要素であることができる。所与の光源が、オンにされると、その光源からの光は、対応する平面において結像される(例えば、第1の深度平面における赤色LED#1、第1の導波管8910)。これは、単に、光源のオフおよびオンを切り替えることによって、色の間の切替を可能にする。
【0486】
残影画像または他の反射とも称される、アーチファクトの発生および/または影響を低減させるために、本開示の実施形態は、ある偏光フィルタおよび/またはカラーフィルタを利用する。フィルタは、単一瞳システムにおいて使用されてもよい。
【0487】
図90A−90Cは、いくつかの実施形態による、分散型副瞳アーキテクチャの上面図である。分散型副瞳は、異なる副瞳と関連付けられることができ、異なる波長および異なる位置で動作する、異なる光源(例えば、LEDまたはレーザ)と関連付けられる。
図90Aを参照すると、本第1の実施形態または配列は、2つの深度平面および深度平面あたり3つの色と関連付けられる、6つの副瞳を有する。例えば、2つの副瞳9010および9012は、第1の色と関連付けられ(例えば、赤色副瞳)、2つの副瞳9020および9022は、第2の色と関連付けられ(例えば、緑色副瞳)、2つの副瞳9030および9032は、第3の色と関連付けられる(例えば、青色副瞳)。これらの副瞳は、放出平面において空間的にオフセットされる、6つの光源に対応する。図示される6つの副瞳実施形態は、3色の2深度平面アーキテクチャにおいて使用するために好適であり得る。分散型副瞳アーキテクチャに関連する付加的説明は、2016年11月10日に公開された米国特許出願公開第2016/0327789号(本開示は、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に提供される。
【0488】
実施例として、2つの光源が、光学軸に対して相互に反対に位置付けられる場合、光源のうちの1つ(すなわち、第1の光源)からの光は、光学システムを通して伝搬し、接眼レンズ、例えば、内部結合格子または接眼レンズの他の表面から反射し、光学システムを通して後方伝搬し、次いで、再び、ディスプレイパネルにおいて反射し、その場所に再び現れ得ることが可能性として考えられる。別の副瞳の場所に現れる、本二重反射は、光が第1の光源によって元々放出されたため、残影画像を作成するであろう。
図90Aに図示される配列では、副瞳9010/9012、9020/9022、および9030/9032は、光学軸および副瞳分布の中心に対して相互に反対に位置付けられるため、副瞳9010からの光は、副瞳9012に、9020から9022に、および9030から9032に結合され得る。この場合、残影画像とも称される、アーチファクトが、光学システム内に形成され得る。代替配列では、光源は、異なるカラー副瞳が、光学軸に対して相互に反対に位置するように位置付けられることができることに留意されたい。
【0489】
図90Bを参照すると、9つの副瞳実施形態が、図示され、これは、3色の3深度平面アーキテクチャにおいて使用するために好適であろう。本実施形態では、第1の色と関連付けられた副瞳9040、9042、および9044を含む、第1の副瞳のセット(例えば、赤色副瞳)は、相互に対して120°に位置付けられる。第2の色(例えば、緑色)と関連付けられた副瞳9050、9052、および9054を含む、第2の副瞳のセットは、相互に対して120°に位置付けられ、その分布は、第1の色から60°回転される。故に、副瞳9040からの光が、システム内で反射される場合、副瞳9040と反対の副瞳9054に再び現れ、色の重複は、存在しないであろう。第3の色(例えば、青色)と関連付けられた副瞳9060、9062、および9064を含む、第3の副瞳のセットは、第1および第2の副瞳の分布の内側に位置付けられ、相互に対して120°に位置付けられる。
【0490】
図90Cは、6つの副瞳配列を図示し、第1の色(例えば、赤色)と関連付けられた副瞳9070および9072は、副瞳分布の2つの角に位置付けられ、第2の色(例えば、緑色)と関連付けられた副瞳9080および9082は、副瞳分布の他の2つの角に位置付けられ、第3の色(例えば、青色)と関連付けられた副瞳9090および9092は、長方形副瞳分布の側面に沿って位置付けられる。したがって、
図90B−90Cに図示されるような副瞳配列は、残影画像からの影響を低減させるために利用されることができる。例えば、異なる色の副瞳が光学軸を横断して相互に反対である、副瞳配列等、代替副瞳配列もまた、利用されてもよい。残影は、色選択的要素(例えば、色選択的回転子)またはカラーフィルタを各個別の内部結合格子において使用することによって、低減されることができる。
【0491】
図91は、一実施形態による、複数の深度平面のための色の時間シーケンシャルエンコーディングを図示する、概略図である。
図91に図示されるように、深度平面(本例証では、3つ)は、シェーダを介して、ピクセルあたり最下位ビット(LSB)にエンコードされる。本明細書で議論されるプロジェクタアセンブリは、所望の深度平面に色毎のピクセルの精密な設置を提供する。3つの色は、連続して、深度平面(平面0のためのR0、G0、B0)9102、(平面1のためのR1、G1、B1)9104、および(平面2のためのR2、G2、B2)9106毎にエンコードされる。1.39msに関する各色の照明は、720Hzの照明フレームレート9108と、80Hzの全3つの色および3つの深度平面のためのフレームレート9110(全ての色および平面をリフレッシュするための12.5msに基づいて)とを提供する。いくつかの実施形態では、フレームあたり単一深度平面のための単一色が、その特定の深度平面のためのその特定の色と関連付けられた光源のみを使用することによって使用されてもよい。
【0492】
いくつかの実施形態では、複数の深度平面が、コード化された色を連続して受光する、可変焦点レンズの使用を通して実装されることができる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0493】
図92Aは、一実施形態による、プロジェクタアセンブリを図示する、概略図である。
図92Bは、
図92Aに示されるプロジェクタアセンブリを図示する、展開された概略図である。
図92Aに図示されるように、プロジェクタアーキテクチャ9200は、照明源9210を含み、これは、例えば、レーザ等のコリメートされた光ビームのセットを放出することができる。本実施形態では、システムの光がすでにコリメートされているため、コリメータは、光学設計から省略されることができる。照明源9210は、偏光された、偏光されない、または部分的に偏光された光を放出することができる。図示される実施形態では、照明源9210は、p偏光で偏光される光9212を放出する。第1の光学要素9215(例えば、前置偏光器)は、p偏光を伴う光を偏光ビームスプリッタ(PBS)9220に通過させるように整合される。最初に、光は、PBS9220の界面9222(例えば、偏光界面)を通して通過し、空間光変調器(SLM)9230上に衝突する。SLM9230は、空間変調を信号に付与し、画像を提供する。オン状態では、SLM9230は、明状態(例えば、白色ピクセル)が示されるように、入力光を第1の偏光状態(例えば、p偏光状態)から第2の偏光状態(例えば、s偏光状態)に変調させる。第2の偏光状態は、90°変調(例えば、偏移)された第1の偏光状態であってもよい。オン状態では、第2の偏光状態を有する光は、界面9222によって反射され、プロジェクタレンズ9240へと下流に進む。オフ状態では、SLM9230は、入力光を第1の偏光状態から回転させず、したがって、暗状態(例えば、黒色ピクセル)が、示される。オフ状態では、第1の偏光状態を有する光は、界面9222を通して透過され、照明源9210へと上流に進む。中間状態では、SLM9230は、入力光を第1の偏光からある楕円形偏光状態に変調させる。中間状態では、楕円形偏光状態(例えば、p偏光状態)を有する光の一部は、界面9222によって反射され、照明源9210へと上流に進み、楕円形偏光状態(例えば、s偏光状態)を有する光の一部は、界面9222を通して透過され、プロジェクタレンズ9240へと下流に進む。
【0494】
SLM9230からの反射後、反射された光9214は、界面9222から反射され、PBS9220から出射する。放出される光は、プロジェクタレンズ9240を通して通過し、接眼レンズ(図示せず)の内部結合格子9250上に結像される。
【0495】
図92Bは、接眼レンズの内部結合格子9250上の照明源9210の第1の副瞳9211と関連付けられた光の結像を図示する。光は、PBS9220の中への進入前に集光され、SLM9230から反射し、プロジェクタレンズ9240を通して通過し、内部結合格子9250上に中継される。光学軸9205は、
図92Bに図示される。
【0496】
図93Aは、プロジェクタアセンブリ内の後方反射を図示する、概略図である。明確性目的のために、
図92Aにおいて使用される参照番号はまた、
図93Aでも使用される。
図93Aを参照すると、
図92Aにおけるプロジェクタアセンブリ9200の動作に類似する様式において、ディスプレイパネルとも称される、空間光変調器(SLM)9230からのs偏光は、PBS9220の内側の界面9222において反射される。界面9222からの反射後の光線の傾斜は、単に、明確性目的のために提供されることに留意されたい。PBS9220から放出される光の大部分は、プロジェクタレンズ9240を通して通過し、プロジェクタレンズ9240によって中継され、副瞳の画像を接眼レンズの内部結合格子9250に提供する。
【0497】
PBS9220から放出される光の一部は、プロジェクタレンズ9240の1つ以上の表面9242において反射され、PBS9220に向かって後方伝搬する。本反射された光9302は、再度、界面9222、SLM9230、界面9222から反射し、プロジェクタレンズ9240を通して通過し、プロジェクタレンズ9240によって中継され、副瞳の画像を、側方にオフセットされ、光学軸に対して内部結合格子9250と反対に位置付けられる、接眼レンズの第2の内部結合格子9252に提供する。内部結合格子9250および9252の両方における光源は、同一であるため、内部結合格子9252における光は、SLM9230から生じるように現れ、それによって、アーチファクトまたは残影画像を生産する。
【0498】
図93Bは、
図93Aに示されるプロジェクタアセンブリ内のアーチファクト形成を図示する、展開された概略図である。照明源9210の第1の副瞳9211からの光は、第1の光学要素9215によって集光され、PBS9220を通して伝搬し、SLM9230から反射し、PBS9220を通して再び通過し、界面9222(図示せず)から反射し、光源の副瞳をIG9250(図示せず)に結像する、プロジェクタレンズ9240を通して通過させる。
【0499】
プロジェクタレンズ9240の1つ以上の表面から反射された光は、PBS9220を通して通過し、SLM9230から反射する。PBS9220内の反射後、光は、プロジェクタレンズ9240を通して下流経路内を伝搬し、プロジェクタレンズ9240によって中継され、副瞳の焦点ぼけ画像を、側方にオフセットされ、光学軸に対して第1の内部結合格子9250と反対に位置付けられる、接眼レンズの第2の内部結合格子9252に提供する。この場合、内部結合格子9250および9252の両方における光源は、同一であるため、内部結合格子9252における光は、SLM9230から生じるように現れ、それによって、アーチファクトまたは残影画像を生産する。
【0500】
図94は、
図93Aに図示されるプロジェクタアセンブリに関する場面内のアーチファクトの存在を図示する。
図94に見られるように、テキスト「9:45AM」が、プロジェクタによる表示のために意図される。意図されるテキスト9410に加え、アーチファクト9420も、表示される。アーチファクト9420もまた、テキスト「9:45AM」を有するが、低減された強度を伴い、意図されるテキスト9410に対して反転される。
【0501】
図95Aは、一実施形態による、残影画像防止とも称される、アーチファクト防止を伴うプロジェクタアセンブリ9500を図示する、概略図である。
図95Aに図示されるプロジェクタアセンブリは、いくつかの共通要素を
図92Aに図示されるプロジェクタアセンブリと共有し、
図92Aに提供される説明は、必要に応じて、
図95Aにおけるプロジェクタアセンブリに適用可能である。本明細書に説明されるように、アーチファクト防止を伴うプロジェクタアセンブリ9500は、プロジェクタレンズ9240から反射され得る具体的偏光における上流経路内を伝搬する光の減衰または遮断を可能にする、円形偏光器9510を含む。
【0502】
プロジェクタアセンブリからの光は、画像平面、例えば、接眼レンズが位置付けられる、接眼レンズの内部結合格子9250に画像を作成する。プロジェクタアセンブリからの光の一部は、プロジェクタレンズ9240の要素9242から反射され、プロジェクタアセンブリに向かって上流に戻ることができる。反射された光9502が、遮断されない場合、SLM9230に進行し、そこから反射し、例えば、内部結合格子9252に向かって下流に進み、接眼レンズ内で生産される、アーチファクトまたは残影画像をもたらし得る。これらの残影画像の強度を防止または低減させるために、本開示の実施形態は、反射された光の大部分または全てを遮断し、反射された光の大部分または全てがSLM9230上に衝突することを防止する。
【0503】
アーチファクト防止を伴うプロジェクタアセンブリ9500は、線形偏光器9512と、4分の1波プレート9514とを組み込む、円形偏光器9510を含む。円形偏光器9510は、PBS9220とプロジェクタレンズ9240との間に位置付けられる。
図95Aにおける挿入図に図示されるように、円形偏光器9510は、s偏光された光をPBS9220から受光し、円形に偏光された光(例えば、左回りに円形に偏光された(LHCP)光)を下流経路内に生成する。円形偏光器9510の1つの利点は、プロジェクタアセンブリ9500のためのクリーンアップ偏光器として作用し、これが、コントラストを改良することである。
【0504】
図95Aに図示されるように、下流光は、LHCP偏光され、プロジェクタレンズ9240の1つ以上の表面9242からの反射は、反射された光が対向掌性を伴って円形に偏光されるように(例えば、右回りに円形に偏光された(RHCP))、位相偏移を導入するであろう。挿入図を参照すると、RHCP光は、4分の1波プレート9514によって、線形に偏光された光に変換される。線形に偏光された光は、4分の1波プレート9514を通して通過させるにつれて、線形偏光器9512の透過軸に直交する方向に偏光され、したがって、線形偏光器9512によって遮断される。したがって、プロジェクタレンズ9240から反射された光は、SLM9230上に衝突しないように遮断および防止される。したがって、本開示の実施形態は、円形偏光器9510の使用を通して、これらの望ましくないアーチファクトまたは残影画像の強度を防止または低減させる。いくつかの実施形態では、反射された光の一部9504は、4分の1波プレート9514から反射されることができる。4分の1波プレート9514から反射された光の本部分9504は、4分の1波プレートから離れるように結像光学9240のセットに向かって伝搬するであろう。
【0505】
図95Bは、一実施形態による、光学アーチファクトを低減させる方法9550を図示する、フローチャートである。方法9550は、照明源によって生成された光ビームを偏光ビームスプリッタ(PBS)の中に投入するステップ(9552)と、光ビームの空間的に画定された部分をディスプレイパネルから反射させるステップ(9554)とを含む。光ビームは、光ビームのセットのうちの1つであることができる。実施例として、光ビームのセットは、空間的に変位される光源、例えば、LEDのセットを含むことができる。
【0506】
方法9550はまた、PBS内の界面において、光ビームの空間的に画定された部分をプロジェクタレンズに向かって反射させるステップ(9556)と、光ビームの空間的に画定された部分の少なくとも一部をPBSとプロジェクタレンズとの間に配置される円形偏光器を通して通過させるステップ(9558)とを含む。光ビームの空間的に画定された部分は、線形偏光によって特徴付けられ得る。方法9550はさらに、プロジェクタレンズの1つ以上の要素によって、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を反射させるステップ(9560)と、円形偏光器において、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を減衰させるステップ(9562)とを含む。光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分は、円形偏光によって特徴付けられ得る。
【0507】
図95Bに図示される具体的ステップは、一実施形態による、光学アーチファクトを低減させる特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本開示の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図95Bに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0508】
図96は、
図95Aに示されるプロジェクタアセンブリを使用したアーチファクトの強度における低減を図示する。
図94に図示されるアーチファクト9420は、強度が低減され、例えば、排除され、反射低減システムの有効性を実証する。
【0509】
図97Aは、一実施形態による、投影ディスプレイシステム内の接眼レンズの内部結合格子要素または基板表面からの反射から生じるアーチファクト形成を図示する、概略図である。
図97Bは、
図97Aに示される投影ディスプレイシステム内の接眼レンズの内部結合格子または基板表面からの反射から生じるアーチファクト形成を図示する、展開された概略図である。
図97Aおよび97Bに図示されるプロジェクタアセンブリは、
図93Aおよび93Bに図示されるプロジェクタアセンブリといくつかの共通要素を共有し、
図93Aおよび93Bに提供される説明は、必要に応じて、
図97Aおよび97Bにおけるプロジェクタアセンブリに適用可能である。いくつかの実施形態では、
図97Aに図示されるプロジェクタアセンブリは、PBS9220とプロジェクタレンズ9240との間の円形偏光器(例えば、
図95Aの円形偏光器9510)を含んでもよい。
【0510】
明確性目的のために、
図93Aにおいて使用される参照番号はまた、
図97Aでも使用される。
図97Aを参照すると、
図92Aにおけるプロジェクタアセンブリ9200の動作に類似する様式において、ディスプレイパネルとも称される、SLM9230からのs偏光9702は、PBS9220の内側の界面9222において反射される。界面9222からの反射後の光線の傾斜は、単に、明確性目的のために提供されることに留意されたい。PBS9220から放出される光の大部分は、プロジェクタレンズ9240を通過し、プロジェクタレンズ9240によって中継され、副瞳の画像を接眼レンズの内部結合格子9250に提供する。
【0511】
内部結合格子9250上に入射する光の一部は、内部結合格子9250によって反射される。
図97Aに図示されるように、内部結合格子9250上に入射する光は、単一偏光(例えば、s偏光)内にあることができるが、内部結合格子9250から反射された光は、偏光の混合(A
*s+B
*p)9704を有することができ、式中、AおよびBは、ゼロ〜1の係数である。接眼レンズの平面内に段階を伴う回折光学内部結合格子に関して、反射は、主に、反転された円形偏光である。しかしながら、内部結合格子が、接眼レンズの平面から傾けられる場合、他の偏光状態が、反射されるであろう。反射された光9704は、プロジェクタレンズ9240を通して通過し、PBS9220に向かって後方伝搬するにつれて、偏光の混合(C
*s+D
*p)9706として出現し、式中、CおよびDは、ゼロ〜1の係数である。概して、内部結合格子9250の特性の結果、A>CおよびB>Dである。
【0512】
界面の偏光(C
*s)9708と適切に整合される、上流経路内の光は、界面9222、SLM9230、界面9222から反射し、プロジェクタレンズ9240を通して通過し、プロジェクタレンズ9240によって結像され、画像を接眼レンズ(E
*s)9712の第2の内部結合格子9252に提供する。内部結合格子9250および9252の両方における光源は、同一であるため、内部結合格子9252における光は、SLM9230から生じるように現れ、それによって、アーチファクトまたは残影画像を生産する。
【0513】
図97Bを参照すると、光学軸9205の周囲の対称性は、PBS9220およびプロジェクタレンズ9240を通した第1の通過後の内部結合格子9250における結像と、反射された光9704が再度SLM9230から反射された後の内部結合格子9252における結像とによって実証される。
【0514】
図98は、一実施形態による、内部結合格子要素からの反射を図示する、概略図である。接眼レンズは、カバーガラス9810と、内部結合格子9820とを含むことができる。入射光は、LHCP入力光9801として図示される。円形偏光を伴う入力光が、図示されるが、本開示の実施形態は、円形に偏光された光に限定されず、入力光は、所定の長軸および短軸を伴う楕円形に偏光されることができる。接眼レンズからの反射は、カバーガラス9810の正面表面9812からの反射9803と、カバーガラス9810の背面表面9814からの反射9805とを含むことができる。加えて、内部結合格子9820からの反射9807も、図示される。本実施例では、反射9803および9805は、RHCPであって、反射9807は、LHCPである。これらの反射の和は、PBS9220に向かって上流に伝搬する、混合された偏光状態をもたらす。故に、
図97Aでは、内部結合格子9250からの反射は、A
*s+B
*pとして図示されるが、反射された光の偏光状態が、線形偏光の組み合わせに限定されず、楕円形偏光も同様に含むことができることが、当業者に明白となるであろう。特に、内部結合格子9250の回折要素が、ブレーズド格子特徴を含むとき、反射された光の偏光状態は、複雑な楕円形偏光によって特徴付けられる。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0515】
図99Aは、一実施形態による、残影画像防止とも称される、アーチファクト防止を伴うプロジェクタアセンブリを図示する、概略図である。
図99Aに図示されるプロジェクタアセンブリは、いくつかの共通要素を
図92Aに図示されるプロジェクタアセンブリと共有し、
図92Aに提供される説明は、必要に応じて、
図99Aにおけるプロジェクタアセンブリに適用可能である。
【0516】
上記に説明されるように、プロジェクタアセンブリからの光は、画像平面、例えば、接眼レンズが位置付けられる、接眼レンズの内部結合格子に画像を作成する。プロジェクタアセンブリからの光の一部は、内部結合格子を含む、接眼レンズの要素から反射され、プロジェクタアセンブリに向かって上流に戻ることができる。反射された光が、遮断されない場合、ディスプレイパネルに進行し、そこから反射され、接眼レンズ内に生産される、アーチファクトまたは残影画像をもたし得る。これらの残影画像の強度を防止または低減させるために、本開示の実施形態は、反射された光の大部分または全てを遮断し、反射された光の大部分または全てがディスプレイパネル上に衝突することを防止する。
【0517】
アーチファクト防止を伴うプロジェクタアセンブリ9900は、コリメートされた光ビームのセットであり得る、照明源9910を含む。照明源9910は、偏光された、偏光されない、または部分的に偏光された光を放出することができる。図示される実施形態では、照明源9910は、p偏光を用いて偏光された光を放出する。第1の光学要素9915(例えば、前置偏光器)は、p偏光を伴う光を偏光ビームスプリッタ(PBS)9920に通過させるように整合される。最初に、光は、PBS9920の界面9922を通して通過し、空間光変調器(SLM)9930上に衝突する。SLM9930からの反射およびs偏光への偏光の変化後、反射された光は、界面9922から反射され、PBS9920から出射する。放出された光は、プロジェクタレンズ9940を通して通過し、接眼レンズ(図示せず)の内部結合格子9950上に結像される。
【0518】
入射光の一部は、反射された光線9902によって図示されるように、内部結合格子9950から反射し、プロジェクタアセンブリに向かって後方伝搬するであろう。アーチファクト防止を伴うプロジェクタアセンブリは、内部結合格子9950からの反射を減衰させ、好ましくは、プロジェクタアセンブリに戻ることを防止する、アーチファクト防止要素9960を含む。
図99Aに図示されるように、内部結合格子9950からの反射は、下流経路内のアーチファクト防止要素9960を通して通過させるが、上流経路内では減衰または遮断される。アーチファクト防止要素9960に関連する付加的説明は、
図101および102に関連して説明される。
【0519】
図99Bは、一実施形態による、光学システム内のアーチファクトを低減させる方法9951を図示する、フローチャートである。方法9951は、照明源によって生成された光ビームを偏光ビームスプリッタ(PBS)の中に投入するステップ(9952)と、光ビームの空間的に画定された部分をディスプレイパネルから反射させるステップ(9954)とを含む。方法(9951)はまた、PBS内の界面において、光ビームの空間的に画定された部分をプロジェクタレンズに向かって反射させるステップ(9956)と、光ビームの空間的に画定された部分の少なくとも一部をプロジェクタレンズを通して通過させるステップ(9958)とを含む。
【0520】
方法(9951)はさらに、プロジェクタレンズによって、接眼レンズの内部結合格子に画像を形成するステップ(9960)と、接眼レンズの内部結合格子によって、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を反射させるステップ(9962)とを含む。いくつかの実施形態では、接眼レンズの1つ以上の層は、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を可変強度で反射させることができる。接眼レンズの1つ以上の層から反射された光は、概して、接眼レンズの内部結合格子によって反射された光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分より低い強度である。また、アーチファクト防止要素において、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を減衰させるステップ(9964)も含む。画像を形成するステップは、光ビームの空間的に画定された部分の少なくとも一部を下流アーチファクト防止要素を通して通過させるステップを含むことができる。一実施形態では、アーチファクト防止要素は、プロジェクタレンズと内部結合格子との間に配置される。
【0521】
アーチファクト防止要素は、第1の4分の1波プレートと、第1の4分の1波プレートに隣接して配置される、線形偏光器と、線形偏光器に隣接して配置される、第2の4分の1波プレートと、第2の4分の1波プレートに隣接して配置される、色選択コンポーネントとを含むことができる。実施例として、第1の4分の1波プレートは、光ビームの空間的に画定された部分を線形に偏光された光に変換するように動作可能である、アクロマート4分の1波プレートを含むことができる。さらに、線形偏光器は、線形に偏光された光を第2の4分の1波プレートへと下流に通過させることができる。
【0522】
ある実施形態では、第2の4分の1波プレートは、線形に偏光された光を楕円形に偏光された光に変換するように動作可能である。色選択コンポーネントは、楕円形に偏光された光を波長依存楕円形に偏光された光に変換するように動作可能であることができる。例えば、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分は、色選択コンポーネント上に衝突することができる。この場合、色選択コンポーネントは、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を楕円形に偏光された戻り部分に変換するように動作可能である。第2の4分の1波プレートは、楕円形に偏光された戻り部分を線形に偏光された戻り部分に変換するように動作可能であることができる。この場合、線形偏光器は、画定された偏光と垂直である、線形に偏光された戻り部分を減衰させる。
【0523】
いくつかの実施形態では、アーチファクト防止要素は、第1の4分の1波プレートを含まなくてもよく、線形偏光器と、線形偏光器に隣接して配置される、第2の4分の1波プレートと、第2の4分の1波プレートに隣接して配置される、色選択コンポーネントとを含んでもよい。
【0524】
図99Bに図示される具体的ステップは、一実施形態による、光学システム内のアーチファクトを低減させる特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本開示の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図99Bに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0525】
いくつかの実施形態では、接眼レンズは、副瞳毎に、内部結合格子を含み、これはそれぞれ、
図90A−90Cに図示される空間的に分散される光源と関連付けられる。いくつかの実装では、内部結合格子は、金属化されることができ、これは、投影ディスプレイアセンブリに向かった後方反射をもたらすことができる。加えて、多層接眼レンズ内の表面からの反射も、後方反射に寄与し得る。
【0526】
分離された副瞳照明システムとPBSベースのプロジェクタアセンブリの統合は、従来の設計より小さく、かつより軽量である、コンパクト設計を可能にする。したがって、本開示の実施形態によって提供されるPBSベースのプロジェクタアセンブリは、ウェアラブルデバイスの中への統合のために好適なコンパクト設計を利用する。
【0527】
放出型ディスプレイパネル、例えば、OLEDディスプレイパネルが利用される、実施形態では、誘電フィルタが、所与の導波管のために適切な色を選択するために導波管上で利用されることができる。実施例として、OLEDディスプレイからの放出は、導波管上に結像され、導波管毎の光は、フィルタを通して導波管の中に通過するであろう一方、他の導波管と関連付けられた波長は、反射されるであろう。
【0528】
いくつかの実施形態では、画像分解能が画像を横断して変動する、中心窩化ディスプレイが、ディスプレイ平面として利用される。中心窩化ディスプレイに関連する付加的説明は、米国特許出願公開第2014/0218468号(本開示は、あらゆる目的のために、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に提供される。
【0529】
本開示の実施形態によると、コンテンツが、所望の深度平面において、また、所望の分解能においてレンダリングされることができる。実施例として、画像の周辺部分は、より低い(またはより高い)分解能で表示されることができ、近傍深度平面では、画像の中心部分は、より高い(またはそれより低い)分解能で表示され得るが、より遠い深度平面では、より高い分解能の中心(または周辺)部分の明確性を強調する。したがって、実施形態は、それらが中心窩化画像を3次元で提供し得るため、単一平面のみに異なる分解能を有する中心窩化ディスプレイに優る改良を提供する。本明細書に説明される実施形態は、複数の深度平面を利用し、場面を表すため、中心窩化ディスプレイは、中心窩化画像を各深度平面に提供し、単一平面における中心窩化画像を使用して利用不可能な3次元中心窩化をもたらすことができる。
【0530】
本開示の実施形態は、非常に高速の切替速度、例えば、720Hzフレームレート更新を提供し、これは、色割れ効果を有意に低減または排除させる。実施例として、ディスプレイは、120Hzフレームレートにおける最大2つの同時深度平面および80Hzフレームレートにおける3つの深度平面を可能にする。他の実施形態では、これらのレートまたはより高いまたはより低いレートにおける付加的深度平面が、実装されることができる。加えて、本開示の実施形態は、深度混成を提供し、64の仮想深度平面をサポートする。他の実施形態では、64より多いまたはより少ない仮想深度平面が、実装されることができる。線形および非線形の両方の混成モードが、ルックアップテーブルを介した調節とともにサポートされる。深度混成に加え、スケーラサポートが、光学に起因した深度平面歪曲/拡大変化のためのスケール調節を含め、提供される。
【0531】
水平/垂直偏移サポートに関連して、本明細書に説明される実施形態は、層あたりおよびフレームあたりH/V偏移サポートを可能にし、頭部移動および角膜位置における視差効果に起因する変化を可能にする。加えて、実施形態は、色あたりおよび層あたりレンズ歪曲補正を提供する。第1の行フレーム更新は、第1の行上のフレームあたりディスプレイデータおよびパラメータの変化を可能にし、かつタイムスタンプ情報の通信を可能にする。さらに、垂直同期可視性が、提供され、往復測定および光子間測定を可能にする。
【0532】
図100は、反射防止要素の不在下の接眼レンズの内部結合格子における光の反射を図示する。内部結合格子を含む導波管を伴う接眼レンズに関して、内部結合格子に指向される光の一部は、導波管の中に発せられ、光の一部は、反射(例えば、鏡面反射)されるであろう。内部結合格子内の格子の設計、加工、および製造感度に応じて、反射された光は、光の掌性を完全に逆転させない場合がある。ある場合には、掌性を全く修正しない場合がある。したがって、いくつかの要素が、導波管および回折要素のスタック内に存在する場合、プロジェクタに後方反射される光は、混合された偏光状態のセットを含み得る。
【0533】
図100を参照すると、円形に偏光された光(例えば、RHCP)10010は、接眼レンズの内部結合格子10005から反射し、回転された楕円形戻り状態によって特徴付けられる。内部結合格子10005が、導波管に取り付けられる場合、状態の混合が存在し得(内部結合格子10005および導波管から)、状態の混合内には、優勢状態が存在する。本実施例では、内部結合格子10005からの反射のみを検討すると、第1の波長の反射された光10020は、負の傾きを伴って傾斜される長軸を有する、左回りの楕円形偏光状態を有し得る。第2の波長の反射された光10030は、正の傾きを伴って傾斜される長軸を有する、左回りの楕円形偏光状態を有し得る。故に、内部結合格子10005の固有値は、波長の関数である、異なる所定の楕円形偏光状態への入力光の変換を定義する。
【0534】
したがって、本開示の実施形態は、内部結合格子10005、例えば、ブレーズド格子の格子構造の固有値が、反射された光の偏光状態に及ぼす影響に対処する。単に、入力光の掌性を反転させる、平面反射表面とは対照的に、ブレーズド格子は、
図100に図示されるように、異なる波長における入力光を所定の楕円形偏光状態に変換する。接眼レンズからの反射である、
図98に関連して議論されるように、接眼レンズを構成する種々の光学要素およびブレーズド格子の利用を含むICGの特性のため、反射された光の偏光は、容易に特徴付けられない。むしろ、反射された光の偏光状態は、複雑な楕円形偏光によって特徴付けられ得る。
【0535】
図101Aは、一実施形態による、アーチファクト防止要素を使用した反射の遮断を図示する。光が、アーチファクト防止要素10100上に衝突する。一実施形態では、円形偏光器(例えば、円形偏光器9510)が、PBS(例えば、PBS9220)とプロジェクタレンズ(例えば、プロジェクタレンズ9240)との間に存在してもよい。本実施形態では、アーチファクト防止要素10100上に衝突する光は、
図101Aに描写されるように、円形に偏光される。円形に偏光された光10010が、アーチファクト防止要素10100上に衝突するにつれて、アクロマート4分の1波プレート10112が、円形に偏光された光10010を線形に偏光された光10011に変換する。アクロマート4分の1波プレート10112は、全ての色を線形に偏光された光10111に変換し、線形偏光器10114を通して高透過効率を達成する。別の実施形態では、円形偏光器(例えば、円形偏光器9510)は、PBS(例えば、PBS9220)とプロジェクタレンズ(例えば、プロジェクタレンズ9240)との間に存在しなくてもよい。本実施形態では、アーチファクト防止要素10100上に衝突する光は、線形に偏光され、アーチファクト防止要素10100は、アクロマート4分の1波プレート10112を含まない。線形に偏光された光10111は、線形偏光器10114を通して通過し、第2の4分の1波プレート10116によって、楕円形に偏光された光10118に変換される。必ずしもアクロマートではない、第2の4分の1波プレート10116は、所定の楕円形偏光を伴う、楕円形に偏光された光10118を出力する。色選択コンポーネント10122は、色選択コンポーネント10122が波長の関数として偏光を回転させるにつれて、楕円形に偏光された光10118の種々の波長特有成分を異なる楕円形偏光状態に変換する。言い換えると、色選択コンポーネント10122は、波長の関数として量を変動させることによって、位相を遅らせる。例えば、色選択コンポーネント10122は、第1の色帯域の偏光状態を90度回転させる一方、相補的第2の色帯域は、その入力偏光状態を留保する。例示的色選択コンポーネントは、色選択的回転子である。
【0536】
図101Aに図示されるように、第1の波長10130における光は、楕円形に偏光された光10118から負の傾きの長軸を伴う右回りの楕円形に偏光された光に変換される。第2の波長10140における光は、楕円形に偏光された光10118から若干正の傾きの長軸を伴う右回りの楕円形に偏光された光に変換される。内部結合格子10005からの反射後、第1の波長10130における光は、正の傾きの長軸を伴う左回りの楕円形(10132)に偏光され、第2の波長10140おける光は、若干負の長軸を伴う左回りの楕円形(10142)に偏光された。
【0537】
内部結合格子10005の固有値を前提として、10130の偏光状態から10132への変換が、決定される。故に、色選択コンポーネント10122の性質は、楕円形に偏光された光10118を前提として、所望の偏光状態10130を提供するように決定される。色選択コンポーネント10122は、内部結合格子10005の固有値および内部結合格子10005からの反射から生じる変換を前提として、反射された偏光状態(色毎)が、楕円形に偏光された光10118に合致するが、反対回りを伴う、楕円形に偏光された光10120に変換されるであろうように、楕円形に偏光された光10118から第1の/第2の波長10130/10140における光への所定の変換を提供する。
【0538】
色選択コンポーネント10122を通して通過後、両波長における光は、楕円形に偏光された光10118と合致される(掌性以外)、楕円形に偏光された光10120の左回りの円形に偏光された光に変換される。第2の4分の1波プレート10116は、楕円形に偏光された光10120を、線形に偏光された光10111に対して直交に回転され、したがって、線形偏光器10114によって遮断される、線形に偏光された光10113に変換する。
【0539】
楕円形の長軸の具体的掌性および回転角度が、説明目的のために、
図101Aに関連して議論されたが、本開示の実施形態は、これらの特定の実装に限定されず、他の掌性および楕円形特性も、本開示の範囲内内に含まれる。加えて、2つのみの色が、図示されるが、実施形態は、特定の用途の必要に応じて、3つ以上の色にも適用可能である。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0540】
言い換えると、接眼レンズ、具体的には、内部結合格子10005からの反射後、光は、色選択コンポーネント10122を通して通過し、第2の4分の1波プレート10116によって、線形に偏光された光に逆変換される。掌性が、反射に応じて回転されるため、線形に偏光された光は、上流通過に応じて回転され、線形偏光器10114によって遮断され、それによって、ディスプレイパネル上の残影画像を防止する。
【0541】
図101Bは、一実施形態による、光学システム内のアーチファクトを低減させる方法10150を図示する、フローチャートである。方法10150は、照明源によって生成された光ビームを偏光ビームスプリッタ(PBS)の中に投入するステップ(10152)と、光ビームの空間的に画定された部分をディスプレイパネルから反射させるステップ(10154)とを含む。方法10150はまた、PBS内の界面において、光ビームの空間的に画定された部分をプロジェクタレンズに向かって反射させるステップ(10156)と、光ビームの空間的に画定された部分の少なくとも一部をプロジェクタレンズを通して通過させるステップ(10158)とを含む。
【0542】
方法10150はさらに、プロジェクタレンズによって、画像を接眼レンズの内部結合格子に形成するステップ(10160)と、接眼レンズの内部結合格子によって、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を反射させるステップ(10162)とを含む。方法10150はまた、第1の光学要素によって、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を第2の光学要素に通過させるステップ(10164)を含む。第1の光学要素は、戻り部分を第1の偏光(例えば、円形偏光)に変換するように動作可能である。第1の光学要素は、色選択コンポーネントを含むことができる。方法10150はさらに、第2の光学要素によって、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を第3の光学要素に通過させるステップ(10166)を含む。第2の光学要素は、戻り部分を第2の偏光(例えば、線形偏光)に変換するように動作可能である。加えて、方法10150は、第3の光学要素において、第2の偏光と関連付けられた光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を減衰させるステップ(10168)を含む。
【0543】
図101Bに図示される具体的ステップは、一実施形態による、光学システム内のアーチファクトを低減させる特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本開示の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図101Bに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0544】
図102は、別の実施形態による、アーチファクト防止要素10200を使用した反射の遮断を図示する。本実装では、第2の4分の1波プレート10116および色選択コンポーネント10122の位置は、線形システムに類似する様式において入れ替えられ、動作の順序も、相互に交換されることができる。色選択コンポーネント10122は、波長の関数として、線形に偏光された光10111を異なる線形偏光10210および10220に変換する。第2の4分の1波プレート10116は、次いで、
図101Aに関連して議論されるように、これらの異なる線形偏光を所望の偏光状態10130/10140に変換する。第2の4分の1波プレート10116は、異なる波長における反射された楕円形に偏光された光を、線形に偏光された光10210/10220に直交に回転される、線形に偏光された光10212/10222に変換する。図示されるように、類似結果が、
図101Aに関連して議論されるように達成され、反射された光は、線形偏光器10114によって遮断される。
【0545】
図103は、一実施形態による、複数のアーチファクト防止要素を伴うプロジェクタアセンブリの概略図である。本実施形態では、線形偏光器10321と、アクロマート波プレート10323とを含む、円形偏光器10320が、PBS10310と、プロジェクタレンズ10330との間に位置付けられ、プロジェクタレンズ10330からの反射を遮断または低減させる。
図103に図示される円形偏光器10320はまた、内部結合格子10352からの反射を遮断または低減させ得る。代替実施形態では、円形偏光器10320は、プロジェクタレンズ10330と接眼レンズ10350との間に位置付けられ、内部結合格子10352からの反射を遮断または低減させる。代替実施形態は、プロジェクタレンズ10330が十分な反射防止コーティングを有する場合、使用されてもよい。
【0546】
加えて、第2のアーチファクト防止要素10360は、接眼レンズ10350、具体的には、接眼レンズ10350の内部結合格子10352に隣接して位置付けられる。第2のアーチファクト防止要素10360は、内部結合格子10352からの反射を遮断または低減させる。第2のアーチファクト防止要素10360は、アクロマート4分の1波プレート10361と、線形偏光器10363と、第2の4分の1波プレート10365と、特定の内部結合格子10352および関連付けられた導波管(図示せず)と関連付けられた色に合致される、
図101Aに関連して議論されるような色選択コンポーネント10367とを含む。
【0547】
図104Aは、一実施形態による、カラーフィルタを使用した、アーチファクト防止を伴うプロジェクタアセンブリを図示する、概略図である。
図104Aに図示されるプロジェクタアセンブリは、
図99Aに図示されるプロジェクタアセンブリといくつかの共通要素を共有し、
図99Aに提供される説明は、必要に応じて、
図104Aにおけるプロジェクタアセンブリに適用可能である。
【0548】
アーチファクト防止を伴うプロジェクタアセンブリ10400は、コリメートされた光ビームのセットであり得る、照明源9910を含む。照明源9910は、偏光された、偏光されない、または部分的に偏光された光を放出することができる。図示される実施形態では、照明源9910は、p偏光を用いて偏光される光を放出する。第1の光学要素9915(例えば、前置偏光器)が、p偏光を伴う光を偏光ビームスプリッタ(PBS)9920に通過させるように整合される。最初に、光は、PBS9920の界面9922を通して通過し、空間光変調器(SLM)9930上に衝突する。SLM9930からの反射およびs偏光への偏光の変化後、反射された光は、界面9922から反射され、PBS9920から出射する。放出された光は、プロジェクタレンズ9940を通して通過し、接眼レンズ(図示せず)の内部結合格子9950上に結像される。
【0549】
リターダスタック膜(RSF)フィルタ10410、10412のセットが、それぞれ、内部結合格子9950および内部結合格子9960に隣接して配置される。RSFフィルタ10410および10412は、偏光器間に設置された複数の層のポリマー膜を含み、波長の関数として変動する透過率を含む、スペクトル性質を提供する。RSFフィルタの付加的議論は、
図104Cに関連して提供される。
【0550】
図104Dに図示されるように、RSFフィルタは、第1の波長のセットを通過させる第1の領域と、第2の波長のセットを通過させる第2の領域とを伴う、分裂フィルタであることができる。下流経路では、内部結合格子9950に向かって指向される光は、RSFフィルタ10410を通して通過し、内部結合格子9950上に衝突する。
【0551】
入射光の一部は、内部結合格子9950から反射し、プロジェクタアセンブリに向かって後方伝搬するであろう。
図104Aに図示されるように、内部結合格子9950上に入射する光は、単一偏光(例えば、s偏光)内にあることができるが、内部結合格子9950から反射された光は、偏光の混合(A
*s+B
*p)10402を有することができ、式中、AおよびBは、ゼロ〜1の係数である。反射された光は、プロジェクタレンズ9940を通して通過し、PBS9920に向かって後方伝搬するにつれて、偏光の混合(C
*s+D
*p)10404を伴って出現し、式中、CおよびDは、ゼロ〜1の係数である。概して、プロジェクタレンズ9940の特性の結果、A>CおよびB>Dとなる。
【0552】
界面の偏光(C
*s)10406と適切に整合される、上流経路内の光は、界面9922、SLM9930、界面9922から反射し、プロジェクタレンズ9940を通して通過させる。RSFフィルタ10410、10412の不在下では、プロジェクタレンズ9940を通して通過させる光(E
*s)10408は、接眼レンズの第2の内部結合格子9960において結像されるであろう。しかしながら、RSFフィルタ10412の存在は、第2の内部結合格子10452における画像を減衰または排除し、それによって、アーチファクトまたは残影画像の形成を低減または防止する。
【0553】
図104Bは、
図104Aに示されるプロジェクタアセンブリを図示する、展開された概略図である。照明源9910からの光は、第1の光学要素9915によってコリメートされ、PBS9920を通して伝搬し、SLM9930から反射し、PBS9920を通して再度通過し、界面9922(図示せず)から反射し、プロジェクタレンズ9940を通して通過させる。下流経路内の光は、RSFフィルタ10410を通して通過し、内部結合格子9950において結像される。
【0554】
反射された光は、RSFフィルタ10410を通して通過し、プロジェクタレンズ9940を通して通過し、PBS9920を通してその中に通過し、界面9922(図示せず)から反射し、SLM9930から反射する。PBS9920を通してその中に通過する光は、界面9922から反射し、プロジェクタレンズ9940を通して下流経路内を伝搬し、RSFフィルタ10412によって遮断または減衰される。
【0555】
図104Cは、一実施形態による、シアン色およびマゼンタ色カラーフィルタに関する透過率プロットである。シアンカラーフィルタ10410に関する透過率値は、例えば、青色および緑色波長に関しては、約100%または100%と高く、例えば、赤色波長に関しては、約ゼロまたはゼロまで減少する。対照的に、マゼンタカラーフィルタ10412に関する透過率値は、例えば、青色波長に関しては、約100%または100%と高く、例えば、緑色波長に関しては、約ゼロまたはゼロまで減少し、例えば、赤色波長に関しては、約100%または100%と高い。
【0556】
図104Dは、一実施形態による、カラーフィルタおよび副瞳の空間配列を図示する、概略図である。
図104Dに図示されるように、緑色内部結合格子10470のために意図される光は、光学軸に対して緑色内部結合格子10470と反対に配置される、赤色内部結合格子10472においてアーチファクトとして現れるであろう。同様に、緑色内部結合格子10474のために意図される光は、光学軸に対して緑色内部結合格子10474と反対に配置される、赤色内部結合格子10476においてアーチファクトとして現れるであろう。緑色内部結合格子10470のために意図される光は、シアンカラーフィルタ10410が緑色波長に関して高透過率を有するため、プロジェクタレンズから接眼レンズへの初期通過の間、シアンカラーフィルタ10410を通して通過させるであろう。しかしながら、アーチファクトは、緑色波長に関して低透過率を有する、マゼンタカラーフィルタ10412によって遮断または減衰されるであろう。故に、緑色内部結合格子10470のために意図される光は、通過されるであろうが、赤色内部結合格子10472上に衝突するであろう、関連付けられたアーチファクトは、遮断または減衰されるであろう。類似議論は、緑色内部結合格子10474および赤色内部結合格子10476を含む、対にも適用される。
【0557】
赤色内部結合格子10472のために意図される光を検討すると、マゼンタカラーフィルタ10412は、意図される光を通過させるであろう一方、アーチファクトは、シアンカラーフィルタ10410によって遮断されるであろう。RSFフィルタを利用する本開示の実施形態は、それらが吸光プロセスを利用し、改良された色平衡および増加されるスループットのためのカットオフ波長のカスタム化を可能にするため、反射を低減させる。さらに、いくつかの実施形態は、好ましくは、内部結合格子の中への光の結合を最大限にするために線形に偏光される、内部結合格子に送達される光の偏光を保存する。いくつかの実施形態では、
図104Dにおける6つの副瞳(赤色内部結合格子10476および10472、緑色内部結合格子10470および10474、および青色内部結合格子10480および10482)が、同一平面、例えば、内部結合格子平面10484上またはその近傍に位置することができる。内部結合格子平面は、接眼レンズにおける平面上に位置することができる。RSFフィルタ、シアンカラーフィルタ10410、およびマゼンタカラーフィルタ10412は、プロジェクタレンズと内部結合格子平面10484との間の平面上に位置することができる。
【0558】
図104Eは、一実施形態による、光学システム内のアーチファクトを低減させる方法10450を図示する、フローチャートである。方法10450は、照明源によって生成された光ビームを偏光ビームスプリッタ(PBS)の中に投入するステップ(10452)と、光ビームの空間的に画定された部分をディスプレイパネルから反射させるステップ(10454)とを含む。方法10450はまた、PBS内の界面において、光ビームの空間的に画定された部分をプロジェクタレンズに向かって反射させるステップ(10456)と、光ビームの空間的に画定された部分の少なくとも一部をプロジェクタレンズを通して通過させるステップ(10458)とを含む。
【0559】
方法10450はさらに、光ビームの空間的に画定された部分の少なくとも一部をRSFフィルタの第1の領域を通して通過させるステップ(10460)と、プロジェクタレンズによって、画像を接眼レンズの内部結合格子に形成するステップ(10462)と、接眼レンズの内部結合格子によって、光ビームの空間的に画定された部分の戻り部分を反射させるステップ(10464)とを含む。方法10450はまた、RSFフィルタの第2の領域において、戻り部分の少なくとも一部を減衰させるステップステップ(10468)を含む。
【0560】
図104Eに図示される具体的ステップは、一実施形態による、光学システム内のアーチファクトを低減させる特定の方法を提供することを理解されたい。他のステップのシーケンスもまた、代替実施形態に従って実施されてもよい。例えば、本開示の代替実施形態は、上記に概略されたステップを異なる順序で実施してもよい。さらに、
図104Eに図示される個々のステップは、個々のステップの必要に応じて種々のシーケンスで実施され得る、複数のサブステップを含んでもよい。さらに、付加的ステップが、特定の用途に応じて、追加または除去されてもよい。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0561】
図105は、一実施形態による、カラーフィルタシステム10500を図示する、概略図である。
図105に図示されるように、カラーフィルタシステム10500は、反射防止コーティングを含み得る、カバーガラス10510と、線形偏光器10512と、二重カラーRSFフィルタ10410/10412と、二重偏光器10516とを含む。線形偏光器10512は、PBS9920およびレンズ9940から受光された第1の偏光、例えば、s偏光された光を通過させるように整合される。二重カラーフィルタ10514は、
図104Cおよび104Dに関してさらに詳細に説明される。二重偏光器10516は、第1の領域10517と、第2の領域10518とを含む。第1の領域10517は、シアンカラーフィルタ10410に隣接して配置され、第1の偏光における光(例えば、s偏光された光)を通過させる。第2の領域10518は、マゼンタカラーフィルタ10412に隣接して配置され、第1の偏光に直交する第2の偏光(例えば、p偏光された光)における光を通過させる。
図105に図示されるように、シアンカラーフィルタ10410を通して通過させる、光はまた、緑色内部結合格子10470、10474および青色内部結合格子10480に到達するために、第1の領域10517を通して通過させるであろう。マゼンタカラーフィルタ10412を通して通過させる、光はまた、赤色内部結合格子10472、10476および青色内部結合格子10482に到達するために、第2の領域10518を通して通過させるであろう。
【0562】
いくつかの実施形態では、例えば、
図89および90に図示されるように、副瞳が側方(例えば、x、y方向)および縦方向(例えば、z方向)の両方に空間的に分離される、多重瞳システムが、利用される。他の実施形態では、
図109に図示されるように、単一瞳システムが、利用される。
図109は、一実施形態による、プロジェクタアセンブリと、接眼レンズとを含む、単一瞳システムを図示する、概略図である。アーチファクト防止要素10100は、プロジェクタレンズ10930と接眼レンズ10910との間に配置されるように図示される。
【0563】
図109に図示されるように、瞳は、側方(例えば、x、y方向)に複製され、縦方向(例えば、z方向)にのみ空間的に分離される。プロジェクタレンズ10930は、光を、本実施例では、それぞれ、赤色、緑色、および青色波長のための3つの導波管層10920、10922、および10924を含む、接眼レンズ10910に向かって指向する。緑色、青色、赤色を含む、他の順序も、本開示の範囲内に含まれることを理解されるであろう。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。導波管層毎の内部結合格子は、導波管の平面と平行方向に重複し、単一瞳システムをもたらす。当業者に明白であろうように、導波管を通して移動するにつれた光の集束は、正確な縮尺ではない。
【0564】
したがって、本明細書で議論される本開示の実施形態は、多重瞳および単一瞳システムの両方と併用するために好適である。瞳が側方に複製される、実施形態では、本明細書に説明されるアーチファクト防止システムは、光が光学システムを通して接眼レンズに向かって伝搬するにつれて、これらの単一瞳システムのためのアーチファクトを低減または排除させるであろう。その結果、本開示の実施形態は、単一瞳および多重瞳システムの両方に適用可能である。
【0565】
本開示の実施形態は、ディスプレイパネルを利用する、投影ディスプレイシステムに関連して説明されたが、本開示の実施形態は、これらの特定の投影ディスプレイシステムに限定されず、ファイバスキャナをプロジェクタのコンポーネントとして利用する、ファイバ走査システムにも適用可能である。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0566】
いくつかの実施形態では、光源(例えば、LED源)によって放出された光が、集光され、プロジェクタアセンブリによって利用される、集光効率は、光源の設計によって影響され得る。特に、いくつかのLED光源に関して、コリメート光学を可能な限りLED光源の放出平面に近接して設置することが有益である。
【0567】
図106は、一実施形態による、ワイヤ接合されたLEDを図示する、概略図である。ワイヤ接合されたLEDパッケージ10600は、サファイア基板10610を含み、これは、金属反射体10620と統合されることができる。GaN LED10630が、放出表面の一部にわたって透明電極10640を具備し、ワイヤ接合部10650が、別の部分にわたって接合パッド10660に取り付けられる。サファイア基板10610を通した放熱10670および透明電極10640を通した光放出10690が、図示される。LEDによって放出される光の一部は、ワイヤ接合部10650および/またはワイヤ接合部が接合される接合パッド10660上に衝突し、それによって遮断10680され、ワイヤ接合部が照明表面を覆い隠すため、非均一照明パターンを作成する。非均一照明に加え、ワイヤ接合された構造は、プロジェクタアセンブリの移動に応答したワイヤ接合部の潜在的運動/振動と関連付けられた信頼性問題を提示し得る。加えて、環境劣化が、問題として提示される。ワイヤ接合部のカプセル化は、運動/振動を阻止し得るが、また、放出される光の強度に悪影響を及ぼし得る。
【0568】
図107は、一実施形態による、フリップチップ接合されたLED10700を図示する、概略図である。本実装では、GaN LED10710が、反射構造10720上に配置され、これは、銀反射体であって、サファイアキャップ10730でシールされることができる。基板10750を通した放熱10740およびサファイアキャップ10730を通した光放出が、図示される。ワイヤ接合された構造とは対照的に、フリップチップ幾何学形状は、複合放物面型集光器(CPC)等のコリメートまたはビーム成形光学を含む、光学が、放出表面により近接して設置され、それによって、光集光効率およびシステム明度を増加させることを可能にする。
図107に図示されるように搭載されるフリップチップLEDは、
図88に図示される変位された光源としての使用のために好適である。
【0569】
図108は、本明細書に説明されるある実施形態による、放物線ビームエクスパンダと統合されるLEDを図示する、概略図である。
図108に示されるように、フリップチップ接合されたLED10810は、ビームエクスパンダ構成内で利用される、CPC10820の入口開口10822に位置付けられる。LEDからの光は、発散ビームプロファイルによって特徴付けられ、これは、CPC10820によって集光および拡張される。故に、CPC10820と
図107に図示されるフリップチップLED設計の併用は、ワイヤ接合部の除去およびCPCをLEDパッケージの放出表面により近い位置に位置付ける能力の結果として、LEDの光放出効率を改良する。
【0570】
図110A−110Bは、光学デバイス11000の斜視図を示す。
図110Aは、完全に組み立てられた状態における光学デバイス11000を示す。光学デバイス11000は、2つの開口部を画定し、その中に2つの接眼レンズ11001が、相互および光学デバイス11000の他のコンポーネントに対して精密に位置合わせされて保持されることができる。これを遂行するために、剛性内部フレームが、精密な位置合わせを維持するために利用される。内部フレームは、次いで、ユーザの頭部への光学デバイス11000の固着を促進する、より可撓性の正面バンド11004に結合されることができる。
【0571】
図110Bは、光学デバイス11000の選択コンポーネントの分解図を示す。当業者は、付加的コンポーネントおよび/または任意の特定のコンポーネントの代替場所も、当然ながら、可能性として考えられるが、本発明を理解する目的のために描写される必要はないことを理解するであろう。光学デバイス11000は、ユーザの耳を越えて延在し、少なくとも部分的に、ユーザの頭部の周囲に巻着するように構成される、アーム11002を有するように描写される。いくつかの実施形態では、光学デバイス11000に類似する光学デバイスは、より従来のアームまたはつる11002を有し得ることを理解されたい。描写されるように、アーム11002は、正面バンド11004と協働し、光学デバイス11000をユーザの頭部に固着させる。正面バンド11004は、正面バンド11004が、光学フレーム11008を変形させずに、少なくとも部分的に、ユーザの顔に共形化可能であるように、変形可能な材料から形成されることができる。熱拡散器11006が、正面バンド11004と光学フレーム11008との間のロバストな温度界面を作成するために使用されることができる。熱拡散器11006は、光学フレーム11008に搭載される電子コンポーネントによって生成された熱を正面バンド11004に伝達するために、ロバストな熱的に伝導性の経路を確立することができる。このように、アルミニウム合金から形成され得る、正面バンド11004は、光学デバイス11000の電気コンポーネントの少なくともいくつかによって生成された熱を受け取るための放熱板として作用することができる。
【0572】
図110Bはまた、プロジェクタ11010および光学フレーム11008に対するその位置を描写するが、プロジェクタ11010の他の構成も、可能性として考えられる。例えば、プロジェクタ11010は、接眼レンズ11001間に位置付けられ得る。光学フレーム11008は、いくつかの実施形態では、外部要因が、光学フレーム11008を変形させずに、正面バンド11004を変形させ得るように、可撓性の正面バンド11004を形成するために使用される材料よりはるかに強く、より高い弾性率を伴う材料から作製されることができる。そのような実施形態では、正面バンド11004は、温度効果または負荷効果等のこれらの外部要因を吸収し、光学フレーム11008の材料ステータスおよびそれが格納するコンポーネントの安定性を保存するものとして特徴付けられ得る。例えば、正面バンド11004は、機械加工されたアルミニウム合金から形成されることができる一方、光学フレーム11008は、マグネシウムまたはチタン合金から形成されることができる。いくつかの実施形態では、正面バンド11004は、両アーム11002に結合され、光学フレーム11008の中心領域に取り付けられることができる。本理由から、正面バンド11004またはアーム11002に適用される任意の対称力は、光学フレーム11008の変形を殆どまたは全くもたらし得ない。本構成は、本質的に、光学フレーム11008が、正面バンド11004およびアーム11002内に浮設され、それによって保護されることを可能にする。
【0573】
図110Bの分解図はまた、プロジェクタ11010を示し、これは、光学フレーム11008に固着され、接眼レンズ11001によって占有される眼開口部のそれぞれを通して、画像を投影するように構成される。センサカバー11012は、光学フレーム11008と結合され、視認光学11012の周囲にまたはそれに隣接して分散されたセンサを被覆するように構成されることができる。センサカバー11012は、正面バンド11004と異なるタイプの材料から構築されることができる。いくつかの実施形態では、センサカバー11012は、光学フレーム11008から受け取られた任意の熱から実質的変形を受ける可能性が低い、低熱膨張係数を伴うポリマーまたは別の材料から形成されることができる。いくつかの実施形態では、センサカバー11012は、正面バンド11004からある間隙だけ物理的に分離され、センサカバー11012の過熱を回避することができる。残りの図はそれぞれ、多重フレーム実施形態を図示するであろうが、一体型フレームを伴う実施形態もまた、可能性として考えられることに留意されたい。変形可能正面バンドを有する代わりに、剛性光学フレーム11008が、一対のアームに可撓性に結合されることができる。アームは、剛性光学フレームを屈曲させずに、アームをユーザの頭部上でさらに後方に移動させるために、蝶着され、および/またはばねおよび/またはレールを含むことができる。このように、一体型フレームの歪曲は、別個の正面バンドを利用せずに回避されることができる。
【0574】
図110Cは、複数の電子コンポーネントがそこに取り付けられている、光学フレーム11008の斜視図を示す。電子コンポーネントは、中心印刷回路基板(PCB)11014を含み、これは、光学フレーム11008のブリッジ領域に添着される。いくつかの実施形態では、中心PCB11014は、光学デバイス11000を動作させるための命令を実行するように構成される、1つ以上のプロセッサを含むことができる。例えば、プロセッサは、命令をプロジェクタ11010に提供するように構成されることができる。多くの他の電子デバイスもまた、光学フレーム11008に結合されることができる。センサは、光学フレーム11008の剛性が、光学デバイス11000の動作の間、他のセンサまたは接眼レンズ11001と精密に整合されたセンサの位置を維持可能であることを根拠として、特に、光学フレーム11008に結合されることから利点を享受し得る。センサは、限定ではないが、深度センサ11016、正面に面した世界カメラ11018、側方に面した世界カメラ11020、および光カメラ11022を含むことができる。いくつかの実施形態では、世界カメラは、接眼レンズ11001を通して投影された拡張現実画像が、より現実的に表示され、ある場合には、その周囲の実世界と相互作用し得るように、光学デバイス11000のユーザの周囲の面積を特徴付けることに役立つように構成される、外向きに向いたビデオカメラである。その結果、外側世界を特徴付けるセンサの任意の不整合はプロジェクタ11010によって投影された拡張現実画像が対応する実世界オブジェクトに対して定位置からずれて著しく偏移される結果をもたらし得る。さらに、使用の間の相互に対する接眼レンズ11001のピッチ、ヨー、またはロールにおける任意の変化も、両眼較正を大幅に劣化させ、深刻な結像問題をもたらし得る。
【0575】
いくつかの実施形態では、種々の温度センサおよび歪みセンサは、光学フレーム11008、正面バンド11004、および/またはアーム11002を横断して分散されることができる。温度および歪みセンサは、複数の機能を果たすように構成されることができる。例えば、温度センサは、光学デバイス11000が所定の温度快適性レベルを超えると、警告をトリガするように構成されることができる。加えて、歪みセンサおよび温度センサは両方とも、センサのうちの1つ以上のものが、整合から偏移されるときを決定するように構成されることができる。例えば、PCB11014搭載プロセッサは、熱膨張または収縮の量を示すテーブルを含み、所与の温度変化を予期することができる。いくつかの実施形態では、温度または歪み読取値が、整合状態からずれていることを示すとき、プロジェクタ11010は、信号出力を調節する、またはある場合には、一時的に、光学デバイス11000を再較正し、偏移に適応させるように指示されることができる。
【0576】
大きな温度変化が概して生じる、1つの一般的シナリオは、室温まで冷却するために十分に長く使用されずにおいた後のウェアラブルデバイスの始動の際である。大きな温度変化を考慮するための1つの方法は、始動の際および電子機器がデバイスの温度を通常動作と関連付けられた定常状態温度まで上昇させる機会を有する前に、そのコンテンツを偏移させ、プロジェクタの出力に適応させ、フレーム内に存在する実質的により低い温度を考慮するようにプロジェクタを構成することである。いくつかの実施形態では、始動時の温度変化は、剛性フレームの変形を生じさせ、プロジェクタと剛性フレームとの間の整合問題をもたらすために十分であり得る。プロジェクタが添着される、剛性フレームの領域は、プロジェクタによって放出される光をユーザの眼に向かって再配向する回折光学と関連付けられた入力結合格子を含み得るため、プロジェクタと入力結合格子との間の結果として生じる不整合は、提示されている画像の実質的歪曲を生じさせ得る。その結果、プロジェクタのコンテンツ出力は、変形を考慮するために偏移されることができる。温度が定常状態に接近するにつれて、温度センササンプリング周波数は、低減されることができる。いくつかの実施形態では、温度センササンプリング周波数は、ウェアラブルデバイスが、長時間使用中であるとき、または温度がウェアラブルデバイスの正常定常状態温度を上回って増加することが予期され得る任意の時間に増加され得る。
【0577】
他の電子コンポーネントもまた、
図110Cに描写される。例えば、いくつかの回路基板およびフレキシブル回路が、光学フレーム11008の両側から延在するように描写され、アーム11002のうちの個別の1つによって画定された内部体積内にフィットするように配列される。
【0578】
光学デバイス11000の使用の間、熱が、
図110Dに描写される熱拡散器11006によって、PCB11014から消散されることができる。熱拡散器11006は、光学フレーム11008に結合される種々の電子デバイスによって放出される熱を正面バンド11004に伝達可能である。熱拡散器11006は、特に、高熱伝導性を有する、材料のシートから形成されることができる。いくつかの実施形態では、熱分解グラファイトシート(PGS)が、使用されることができ、これは、特に、その優れた面内熱伝達特性を前提として、熱を拡散させる際に効果的であり得る。高熱伝導性材料から形成される他の材料もまた、可能性として考えられる。
図110Dはまた、センサカバー11012を描写し、これは、種々の開口部を含み、それを通して、正面に向いたセンサは、ユーザの視線内のオブジェクトを監視することができる。例えば、開口部11024および11026は、深度センサ11016および正面に面した世界カメラ11018が、センサカバー11012の正面の視野を特徴付けることを可能にするように構成されることができる。センサカバー11012が、直接、光学フレーム11008に結合されるとき、光学フレーム11008に搭載されるコンポーネントによって生成された熱の大部分を受け取るために使用されている、正面バンド11004の任意の熱的に誘発される膨張または収縮は、センサカバー11012に応じて、最小限の影響を有することができる。
【0579】
図110Eは、光学フレーム11008の斜視図を示す。特に着目すべきこととして、プロジェクタ11010は、接眼レンズ11001とともに全体図として描写される。接眼レンズ11001およびプロジェクタ11010は、光学デバイス11000のディスプレイアセンブリの少なくとも一部を形成する。接眼レンズ11001は、光をプロジェクタ11010から受光し、プロジェクタ11010によって光学デバイス11000のユーザの眼の中に放出される画像を再指向するように構成される。
【0580】
図111A−111Dは、熱が光学デバイス11000に沿って拡散される方法を示す。
図111Aは、プロジェクタ11010および周囲回路の背面部分の斜視図を示す。特に、熱拡散器11102の一端は、プロジェクタ11010の背面に面した表面に添着されて示される。このように位置付けられると、熱拡散器11102は、熱をプロジェクタ11010の光源から受け取るように構成される。熱拡散器11102は、プロジェクタ11010の真下に、次いで、光学デバイス11000のバンドまたはつるの内部表面に沿って配索される、熱分解グラファイトシートの形態をとることができる(以下の
図111Cの説明参照)。熱拡散器11102が、電気的に伝導性材料から形成されるとき、プロジェクタ11010は、電気絶縁パック11104によって熱拡散器11102から電気的に絶縁されることができる。いくつかの実施形態では、電気絶縁パック11104は、良好な熱伝導性を伴う窒化アルミニウムまたは他の電気絶縁材料から形成されることができる。
【0581】
図111Bは、プロジェクタ11010および周囲回路の背面部分の別の斜視図を示す。特に、熱拡散器11106の第1の端部は、プロジェクタ11010の上部に位置付けられるドライバボードによって生成された熱と、また、プロジェクタ11010の光源からの熱とを受け取るように描写され、位置付けられる。熱拡散器11106の第2の端部は、次いで、熱拡散器11102と反対のアーム11002(描写せず)の側に沿って配索される。このように、アーム11002の内部および外部側は両方とも、プロジェクタ11010によって生成された熱を分散させる際に使用されることができる。このように、アーム11002はまた、光学デバイス11000によって生成された熱を受け取り、分散させるために、放熱板としても機能することができる。
【0582】
図111Cは、光学デバイス11000の片側の斜視図を示す。特に、本図は、熱拡散器11102がアームの長さに延在する方法を示す。このように、アーム11002の実質的に全体が、プロジェクタ11010等の光学デバイス11000のコンポーネントによって生成された熱を吸収するための放熱板として作用することができる。
【0583】
図111Dは、光学デバイス11000の正面斜視図を示す。伝導層11108は、PCB11014の表面上にオーバーレイされて示され、PCB11014を横断して分散される種々の熱生成コンポーネントからの熱を熱拡散器11006に伝達するように構成され、これは、上記に説明されるように、熱を正面バンド11004を横断して分散させる。いくつかの実施形態では、正面バンド11004およびアーム11002は、アーム内の放熱が、主に、プロジェクタ11010から受け取られた熱に限定され、正面バンド11004が、光学デバイス11000の他の電子コンポーネントによって生成された熱の残りを消散させることに関与するように、少なくとも部分的に、ゴムガスケットによって熱的に隔離されることができる。ゴムガスケットが加熱するにつれて、熱は、アーム11002とバンド11004との間により容易に伝達され得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、熱伝達経路が、種々の熱伝達コンポーネントによって、正面バンド11004とアーム11002との間に確立されることができる。例えば、熱拡散器11102に類似する熱パイプまたは付加的熱拡散器が、利用され、熱を熱負荷の実質的量を受ける光学デバイス11000の部分から分散させることができる。いくつかの実施形態では、アーム11002への熱の直接伝達は、特に、アーム11002が、光学フレーム11008に取り付けられるものより熱損傷を受けにくい電気コンポーネントを含むとき、熱を正面バンド11004に放つために好ましくあり得る。議論される種々の熱伝達機構は、約7Wの総電力出力を消散させるように構成されることができる。
【0584】
図111E−111Gは、前の実施形態に図示される受動対流とは対照的に、強制対流を利用する、放熱システムの斜視および側面断面図を示す。
図111Eは、熱をPCB11014上に搭載される種々の熱生成コンポーネント11168(
図111G参照)から引き出すように構成される、放熱システム11150を示す。熱生成コンポーネント11162は、例えば、論理チップ等の電子コンポーネントを含むことができ、コンピュータビジョンまたは他の高需要高出力プロセスに関わり得る。熱生成コンポーネント11168の過熱を防止するために、第1の熱拡散器11152は、熱生成コンポーネント11168のうちの1つ以上のものに熱的に結合されることができる。いくつかの実施形態では、金属遮蔽体または温度接着剤等の温度界面11170(
図111G参照)が、熱生成コンポーネント11162と第1の熱拡散器11152との間に配置され、より効率的熱伝達を促進してもよい。当技術分野において公知の他のタイプの温度界面または伝導層もまた、使用されてもよく、種々の温度界面が、組み合わせて使用されてもよい。
【0585】
熱生成コンポーネント11162からの熱は、放熱システム11150の一部にわたる温度勾配の存在に起因する伝導によって、温度界面11164を横断して第1の熱拡散器11152の中に移動する。熱パイプ11154は、第1の熱拡散器11152から熱パイプ11154の両端に位置付けられる第2の熱拡散器11156に向かって熱の伝導を促進するために使用されてもよい。第1の熱拡散器11152から熱パイプ11154の中への熱の配索は、熱パイプ11154の一部である、暴露金属または別様に伝導性の材料が、熱接着剤によって第1の熱拡散器11152に熱的に結合されるとき、伝導によって生じ得る。熱パイプ11154は、作業流体を熱パイプ11154と第1の熱拡散器11152との間の温度界面から、熱パイプ11154が第2の熱拡散器11156と界面接触する、熱パイプ11154の端部間の温度界面に循環させる、内部ウィッキング構造を含むことができる。第2の熱拡散器11156は、同様に、熱パイプ11154の両端において、熱パイプ11154に熱的に結合されてもよい。第2の熱拡散器11156は、放熱板またはファン11158等の強制対流デバイスに熱的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、熱拡散器11156は、冷却フィンのアレイを含み、それを横断してファン11158が空気の冷却を強制する、有効表面積を増加させることができる。
【0586】
図111Fは、ウェアラブルデバイス11160の中に組み込まれる、放熱システム11150の斜視図を示す。ヘッドセットアーム11102の内部に面した壁は、除去され、ヘッドセットアーム11102内の簡略化された内部図を示す。いくつかの実施形態では、
図111Fに示されるように、冷却空気11162が、ヘッドセットアーム11102によって画定された通気口11164を通して、ヘッドセットアーム11102の中に引き込まれることができる。いったん冷却空気11162が、熱を第2の熱拡散器11156から対流消散させると、冷却空気11162は、ヘッドセットアームの端部が、付加的退出通気口を含むとき、ヘッドセットアーム11102の端部に進行し得る。このように、ロバストな空気流動が、ヘッドセットアーム11102を通して、確立され、加熱された冷却空気に、ヘッドセットアーム11102から退出すべきロバストなルートを与えることができる。他の実施形態では、通気口11160は、代わりに、加熱された空気がヘッドセットアーム11102から退出するための排出ルートを提供してもよい。
【0587】
いくつかの実施形態では、熱パイプ11154は、ポリマー材料等の可撓性の材料から作製されてもよい。可撓性の熱パイプ材料は、最小限またはゼロ負荷が、PCB11014または正面バンド11004に結合される熱生成コンポーネント11162または他のコンポーネントに伝達されるように、システム内の機械的歪みまたは振動を吸収するように構成されてもよい。示されるような熱パイプ11154は、平坦断面を有する。しかしながら、円形、丸形、卵形、または伸長等の任意の他の断面形状が、熱伝達および歪み緩和を促進するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、断面形状またはサイズは、熱パイプの一部にわたって可変であって、所望の熱伝達特性を達成してもよい。
【0588】
熱パイプ11154を正面バンド11004に締結し、固着させる形態をとり得る、アンカポイント11166は、熱パイプ11154の撓曲に適応するように構成されてもよい。例えば、熱パイプ11154を過度に拘束することを回避するために、アンカポイント11166の数を最小限にすることが望ましくあり得る。熱パイプ11154が歪みに応答して撓曲することを可能にすることは、電気コンポーネントに伝達される負荷を低減させ得る。アンカポイントの数に加え、アンカポイントの場所も、検討されてもよい。例えば、アンカポイントを最小限の撓曲が予期されるフレーム負荷条件に応答して生じる可能性が高い場所に熱パイプ11154に沿って設置することが有利であり得る。また、熱パイプ11154をフレームの最も堅性部分に沿って配索し、フレーム上に搭載の敏感なコンポーネントへのモーメント負荷をさらに低減させることが有利であり得る。さらに、熱パイプ11154内でU形状の屈曲の形態をとる、サービスループ11167が、正面バンド11004に対するヘッドセットアーム屈曲および撓曲から生じる応力の任意の伝達を最小限にするために配列されることができる。熱を両ヘッドセットアーム11102に分散させる、二重ファン実施形態が、描写されるが、いくつかの実施形態では、熱パイプ11156は、ヘッドセットアーム11102のうちの1つのみに延在し得ることを理解されたい。
【0589】
図111Gは、熱分散システム11150の側面図を示し、特に、熱パイプ11152が、温度界面11170および熱拡散器11152を経由して、熱生成コンポーネント11168およびPCB11014と熱接触する方法を示す。このように、熱パイプ11154は、熱を熱生成コンポーネント11168から効率的に取り除くことが可能であって、ウェアラブルデバイス11160のより高い性能を可能にする。
【0590】
図112Aは、PCB11014から伝導層11108を通した熱拡散器11006への熱の伝達を描写する、断面図を示す。伝導層11108は、ポリエチレンテレフタレート(PET)パウチ内に配置される半シール材料から形成されることができる。半シール材料は、変形し、複雑な幾何学形状に適応可能である、非常に低い接触熱抵抗を伴う熱可塑性樹脂である。伝導層11108は、そうでなければ、PCB11014に搭載される異なる電気コンポーネントの可変高さに起因して生じるであろう、熱拡散器11006とPCB11014との間の任意の間隙を充填する。このように、熱伝導層11108は、熱をPCB11014に搭載されるチップおよびPCB11014自体のそれぞれから効率的に除去するためのロバストな熱伝達経路を作成する。
図112Aはまた、伝導層11108の表面が、PCB11014に沿って配列される電子コンポーネントの種々の形状に適応するための領域を画定する方法を示す。
図112Bは、1つの特定のタイプの伝導層11108の種々の厚さの材料性質を示す。
【0591】
図113A−113Dは、光学デバイス11000の部品の上にオーバーレイされた種々の熱マップを示す。熱マップは、光学デバイス11000の動作の間のより高い熱負荷の領域を識別する。熱マップは、より明るい色がより高い温度に対応するようにコード化される。凡例が、各熱マップの側面に示され、示される領域毎に度数℃の範囲を識別する。熱負荷は、30℃の周囲温度を有する部屋内で分析された。
図113A−113Bは、光学フレーム11008の熱マップを示す。
図113Aは、光学フレーム11008を描写し、熱負荷が光学フレーム11008の中心において最強であることを示す。これは、主に、PCB11014によって生成された熱によって生じ得る。
図113Bでは、光学フレーム11008およびPCB11014は、熱マップを使用して特徴付けられ、光学フレーム11008およびPCB11014内の熱分布を識別する。PCB11014の最も高温部分は、概して、1つ以上のプロセッサを含み得る、C形状の領域11301に対応する。熱の具体的分布が、本明細書に描写されるが、光学デバイス11000を横断した熱の分布は、異なるタイプの使用、使用の持続時間、および他の環境要因に従って変化し得ることを理解されたい。
【0592】
図113A−113Bに描写されるような光学フレーム11008内の熱の分布は、多くの方法で制御されることができる。いくつかの実施形態では、光学フレーム11008の厚が、変動されることができる。例えば、一般に平均量を上回る熱負荷を受ける、光学フレーム11008の部分は、厚化され、光学フレーム11008のその部分が熱を吸収および消散させる能力を増加させることができる。いくつかの実施形態では、光学フレーム11008の厚化部分はまた、光学フレーム11008と正面バンド11004との間の任意の空気間隙のサイズを低減させ得るため、有益であり得る。これらのタイプの調節はまた、熱に敏感なコンポーネントが、低減された機能性の過熱保護モードに移行する必要なく、より長い時間周期にわたって動作し得るように、熱に敏感なコンポーネントを囲繞する光学フレーム11008の面積上でも実施されることができる。いくつかの実施形態では、光学フレーム11008は、異なる材料を組み込み、熱をフレームを横断して拡散させることに役立つ、熱分散システムの形態をとることができる。例えば、光学フレーム11008の外部表面を銅合金または別の高度に熱的に伝導性の材料で鍍着することもまた、銅合金が大部分のマグネシウムまたはチタン合金より実質的に高い熱伝導性を有することを根拠として、熱をより均一に分散させることに役立ち得る。いくつかの実施形態では、熱分解グラファイトシートが、熱を光学フレーム11008を横断してより均一に分散させるために、光学フレーム11008の両側に接着され得る。他のソリューションは、AlSiC等の熱的に伝導性の複合材料を光学フレーム11008の中に組み込むことを伴い得る。AlSiCの1つの利点は、その合金が、その熱膨張性質が他の材料の温度に合致するように調節され得ることである。
【0593】
図113C−113Dは、正面バンド11004の正面および背面表面を横断した熱の分布を特徴付ける、熱マップを示す。
図113Cは、正面バンド11004のブリッジ領域11302が、光学フレーム11004の部分と関連付けられた90+度の温度より実質的に低い、わずか約65℃の温度に到達する様子を示す。
図113Dは、正面バンド11004が光学フレーム11008より低温に留まり得る程度を図示する。温度の本著しい低減は、光学デバイス11000のユーザが、正面バンド11004およびアーム11002の一部と直接接触する可能性が最も高いため、ユーザ快適性および光学デバイス11000の長時間の使用にとって重要であり得る。本特定の例証はまた、正面バンド11004が、円筒形突出部として描写される、構造部材11304によって、光学フレーム11008に結合され得る方法を示す。構造部材11304は、任意の好適な機械的コネクタの形態をとることができる。例えば、突出部は、ねじを受容するためのボス構造の形態をとることができる。構造部材11304の中心場所は、任意の実質的曲げモーメントが光学フレーム11008に伝達されることを防止し、それによって、光学フレーム11008に実質的に影響を及ぼすことなく、正面バンド11004がアーム11002との相互接続の近傍で屈曲および撓曲することを可能にする。
【0594】
図114Aは、光学デバイス14000の斜視図を示す。光学デバイス14000は、アーム14004が正面バンド14006に固定して結合され得る間、より大きい頭部を伴うユーザに適応するために、矢印14003の方向に回転するように構成される、アーム14002を有する。
図140B−140Cは、光学デバイス14000の上面斜視図および上面図を示す。
図140Bは、最も変形する光学デバイス14000の部分を図示する、オーバーレイを示す。アーム14002に対する変形を限定することによって、正面バンド14006に対するアーム14004の位置は、光学デバイス14000が使用中のとき、実質的に不変のままであることができる。いくつかの実施形態では、本タイプの構成は、アーム撓曲に起因するセンサの配向における実質的偏移を心配する必要なく、アーム14004の中への種々の光学センサの統合を可能にし得る。
図140Cは、光学デバイス14000の上面図およびアーム14002の運動範囲を示す。
図140Dは、
図140Bとの比較のために提供され、両アーム14002および14004が屈曲および/または撓曲を可能にされるときに生成される、相対的移動の量を図示する。
(格子構造)
【0595】
いくつかの実施形態は、ナノ格子状接眼レンズ層(例えば、ICG、OPE、および/またはEPE)を使用して、画像を視認者の眼に通過させてもよい。
図115は、本発明のいくつかの実施形態による、視認光学アセンブリの接眼レンズのための最適化を説明する、簡略化された略図である。例証は、バイナリ「トップハット」構造と比較して、回折効率を増加させる、多段階階段EPE11500を示す。いくつかの実施形態では、階段構造は、鋸歯構造に類似する、ブレーズド格子を含む。いくつかの実施形態では、構造は、バイナリ格子およびブレーズド格子の両方と関連付けられた特徴を組み込む。バイナリ格子は、光を両方向に等しく回折する。ブレーズド格子は、接眼レンズの対称性を破壊し得、したがって、光は、所望の方向に進行し、効率および全体的明度を増加させる。
図115に図示される多段階階段構造は、その選択性に起因して、視認者の眼と反対の世界に向かって進行する光を減少させ、実世界から接眼レンズの中に結合する光を抑制する。
【0596】
EPE格子構造の回折効率、輝度、および均一性はまた、空間にわたるエッチング深度を調節することによって増加されてもよい。したがって、画像を横断した良好な均一性が、達成され得る。加えて、接眼レンズの増加される効率が、実際に瞳孔に到達するように進んでいる光を偏光させることによって達成され得る。増加される効率はまた、接眼レンズ構造内のガラス基板の上部に設置されたフォトレジストにより良好に合致させることによって達成され得る。一般に、レジストの屈折率は、基板の高nに合致するように増加され、レジストの界面からの反射の欠如に起因してより良好な効率をもたらし得る。
【0597】
EPEに関して説明されたが、本明細書に説明される最適化された格子構造は同様に、OPEおよび/またはICG上に実装されてもよいことが検討される。例えば、増加される効率はまた、光が後方バウンスする必要がある機会を最小限にすることにより、ICG内の再バウンス結合解除を低減させることによって達成され得る。
(接眼レンズ層の性質)
【0598】
視認光学アセンブリの接眼レンズに関する基板性質は、本発明のいくつかの実施形態によると、変動してもよい。いくつかの実施形態では、非常に低い粗度および低総厚変動(TTV)を伴う、非常に平坦なガラス基板が、利用されてもよい。低粗度は、散乱を最小限にし、したがって、画像コントラストを維持し得る。低TTVは、OPEディザリング(本明細書にさらに説明される)を用いた予測性能を可能にし得る。低TTVはまた、そうでなければ、算出および分解能損失費用を伴って、ソフトウェア内で補正された必要があるであろう、仮想画像歪曲を低減させ得る。
【0599】
いくつかの実施形態では、接眼レンズ層(基板を含む)の厚さも同様に、最適化されてもよい。例えば、一実施形態では、各接眼レンズ層は、厚さ300〜340μmであってもよい。適正に外部結合される光線サンプルは、ヒトの眼のための所望の密度を提供し得る。さらに、接眼レンズ層の厚さは、接眼レンズのためのバウンスの総数を低減させ得る。適正な全内部反射(TIR)バウンス間隔(および適正に外部結合された光線間隔)は、均一光分布を視認者の瞳孔内に作成し得る。加えて、接眼レンズ層の厚さは、接眼レンズの剛性に影響を及ぼし得る。
【0600】
図116Aは、いくつかの実施形態による、EPE内のドーム頂点に関する視野歪曲に及ぼす総厚変動(TTV)影響を図示する、グラフである。
図116Bは、いくつかの実施形態による、平坦基板に関する視野歪曲に及ぼすTTV影響を図示する、グラフである。
図116Cは、いくつかの実施形態による、測定されたTTVを図示する、グラフである。
(ブレーズド格子のための製造プロセス)
【0601】
いくつかの実施形態では、ある製造プロセスが、格子を入力結合格子(ICG)上に実装するために使用されてもよい。ICGに関して説明されるが、類似方法が類似格子をOPEおよび/またはEPE上に実装するために使用されてもよいことが検討される。いくつかの実施形態では、組み合わせられたブレーズドおよびバイナリ格子が、ICGのために使用される。例えば、3−1−1に切断されたシリコンウエハが、ウェットエッチングプロセスと併用され、ブレーズを生産してもよい。他の実施例では、イオンビームミリングおよび/またはバイナリ段階プロファイルを伴う区分的ブレーズドプロファイルが、使用されてもよい。
【0602】
図117Aは、本発明のいくつかの実施形態による、ブレーズド格子構造のための製造プロセスを図示する、簡略化された略図である。本明細書に説明されるブレーズド格子構造は、例えば、ICG、OPE、および/またはEPE上で使用されてもよい。
図117Aに示されるように、シリコンウエハまたは他の好適な材料が、ある角度にスライスされ、次いで、エッチングマスク(例えば、SiO
2)を用いて堆積されてもよい。ウエハは、次いで、例えば、KOHを用いてエッチングされてもよい。ウエハは、ある角度でスライスされるため、生じる異方性エッチングは、ブレーズド格子をシリコンウエハ内にもたらす(例えば、一実施例では、70.5度の開口部を有する、シリコンウエハ内の三角形開口部)。
図117Bは、例えば、
図117Aのプロセス等によって生産される、本発明のいくつかの実施形態による、ICGのためのブレーズド格子を図示する、写真を示す。
図117Bに図示されるように、格子と関連付けられた角度は、部分的に、エッチングされている基板の結晶学によって決定されることができ、例えば、ブレーズド格子は、70.5度の角度を伴い、1つの表面は、基板表面に対して30度で傾斜される。いくつかの実施形態では、<211>および/または<311>結晶平面が、例えば、シリコン基板内で利用され、それによって、利用可能な基板の数の増加を可能にする。
【0603】
図117Cは、本発明のいくつかの実施形態による、三角形格子構造とブレーズド格子構造の製造プロセスを比較する、簡略化された略図である。両プロセスにおいて、基板およびエッチングマスクは、11701Cに図示されるように開始する。ウエハが、エッチングに先立ってスライスされない場合、ウエハは、11702Cに図示されるように、三角形方式でエッチングされるであろう。ウエハがエッチングに先立ってスライスされる場合、ウエハは、11703Cに図示されるように、ブレーズド格子とともにエッチングされるであろう。故に、所定の角度における基板のスライスは、基板表面に対して45度以外の角度で角度付けられ、ブレーズド格子構造をもたらす、シリコン基板の<111>平面をもたらす。
【0604】
図117Dは、本発明のいくつかの実施形態による、先鋭上部ICG構造11720Dと比較した平坦上部ICG構造11710Dを図示する、簡略化された略図である。ブレーズドICGは、平均して、約50%の1次入力結合効率を提供する一方、バイナリICGは、約20%を与える。加えて、平坦上部ICG構造4410は、先鋭上部ICG構造11720Dによって図示されるような鋭的上部を伴う真のブレーズに対して、より高い1次回折効率を与える。ブレーズド格子は、いくつかの実施形態では、ICGに関連して議論されるが、本発明の実施形態はまた、EPEおよびOPEを含む、他の回折構造にも適用可能である。当業者は、多くの変形例、修正、および代替を認識するであろう。
【0605】
図118は、本発明のいくつかの実施形態による、ブレーズド格子構造の製造プロセスを図示する、簡略化されたプロセスフロー図である。
図118は、制御され、かつ最適な幾何学形状を加工し、シリコン基板内に高効率導波管デバイステンプレートを達成する際に関わるステップを示す。一実施形態では、シリコン基板は、軸外で切断されたシリコンであってもよい。本テンプレートは、例えば、ICG、OPE、および/またはEPEを加工するために使用されてもよい。
【0606】
図118の加工方法は、個々のフィールド毎に、所定の(例えば、最も最適な)ナノまたはマイクロ構造を伴う導波管デバイスの異なるコンポーネント(すなわち、フィールド)のパターン化を可能にし、高効率のデバイスを任意の大または小ウエハスケールフォーマット上に可能にする。加工方法は、所望の基板または材料層の中への正方形、長方形、またはブレーズド格子等の種々のナノおよびマイクロパターンのパターン転写と組み合わせて、ウェットおよびドライプラズマエッチングステップを使用する。犠牲ダミーフィールド(同一臨界寸法およびより大きいピッチまたは同一ピッチおよびより小さい臨界寸法を伴う)の含有および使用は、ウェットおよびドライプロセスの臨界エッチングタイミングの正確度を改良する。上部平坦臨界寸法を制御する本側面は、ブレーズド格子深度を制御し、光トラッピングを回避するための方法であって、導波管パターンのための所定の(例えば、最大)量の効率を達成するために行われる。エッチングされた基板は、次いで、デバイス生産プロセスにおいてインプリントリソグラフィを使用したパターン転写のためのテンプレートとして使用されることができる。
【0607】
光導波管デバイスは、種々の機能のために、異なるナノおよびマイクロパターンを利用することができる。種々のフィールド内およびその間でパターンを変動させる能力は、本発明のいくつかの実施形態によって、デバイス加工プロセスの特徴として提供される。加工ステップはまた、従来のプロセス機器を利用して、生産のために十分な量において、大ウエハスケールでこれを達成する。標準的材料、パターン化、プロセスツール、および機器は、典型的には、それ自体の上へのそのようなデバイスの加工を可能にしない。しかしながら、加工は、あるプロセス、犠牲パターン、および処理シーケンスと組み合わせて、ある材料を使用して達成されることができる。
【0608】
本明細書に説明される加工方法に従って、リソグラフィプロセス(例えば、フォトリソグラフィ、インプリントリソグラフィ等)を使用して、一次パターンが、ステップ11801において、接着層および所望のシリコン結晶ラティス軸との1度未満のパターン整合の有無にかかわらず、シリコン上の二酸化ケイ素にわたって加工される。ステップ11802では、プラズマプロセスが、使用され、インプリントの残留層厚(RLT)を除去し(インプリントリソグラフィが、最初に使用される場合)、および/または続いて、ドライエッチングが、使用され、二酸化ケイ素層の中にパターン転写する。ステップ11803では、ポリマー(厚い)層が、入力結合器(IC)フィールドにわたってコーティングされ、基板は、11804において、ドライエッチングされ、他のフィールドを通して、シリコンの中にパターン転写する。ポリ(ビニルアルコール)、PMMA、PAAc等のポリマーが、使用されてもよい。本ポリマー層は、ICフィールドを通したエッチング転写を防止する。
【0609】
ステップ11805では、エッチングパターンが、剥離および清掃され、他のフィールド(非IC)が、ステップ11806Aおよび11806Bにおいて、マスクの使用を用いて、チタン金属および第2のポリマー層で被覆される。チタン層は、他のフィールドをシャドーマスクしながら、PVDタイププロセスを使用して堆積される。他のパターン化されたフィールドとのIC近接度およびフィールドサイズに基づいて、チタン金属層堆積は、回避されることができる。第2のポリマー層は、PVA、PMMA、PAAc等であってもよい。
【0610】
ステップ11807では、ICフィールドシリコンが露光された状態で、ウェットエッチングステップ(例えば、KOH)は、所望のブレーズド幾何学形状を{111}シリコン結晶ラティス平面に沿って作成する。ウェットエッチング率は、パターン密度(ピッチ変動のように)、シリコンドーピング等を変動させることによって変動し得る。エッチング率は、例えば、KOHの異なる濃度を使用することによって制御されてもよい。
【0611】
第6段階として、所望の(例えば、最適)IC効率を得るために、二酸化ケイ素の中にエッチングされたIC格子は、ステップ11808において、臨界寸法(CD)幅にトリミングされ、より広いかつより深いブレーズドパターンを促進することができる。
図119Aは、いったんウェットエッチングされた後の本ブレーズ幾何学形状の特性を図示する。
図119Cは、高効率ICを作成する際の二酸化ケイ素内のICのCDの制御を示す。
図119Bは、4つの異なるCDの例示的SEMを図示する。ブレーズド深度を制御し、光トラッピングを回避するための方法として、上部平坦CDを制御する本側面は、導波管パターンのための所定の(例えば、最大)量の効率を達成するために行われる。所望のCDをICフィールド内に作成するためのウェットエッチングは、適切に希釈されたBOE溶液を使用して行われることができる。希釈率は、二酸化ケイ素のエッチングを制御するように選定されることができる。例えば、35秒のウェットエッチングプロセスウィンドウは、6:1から20:1 BOE溶液に切り替えることによって、2分まで増加されることができる。ICフィールド内の所望のCDが、達成されると、上記に説明される第5のステップは、導波管デバイスのための適切な高効率ブレーズプロファイルを作成する。ウエハウェットエッチングプロセス制御のため、より小さいCD、同一ICピッチまたは同一CD、より大きいICピッチを伴う、ダミーフィールドが、ウェットエッチングタイミング目的のために、デバイスパターン面積の外側に存在することができる。例えば、回折パターン可視性が、ウェットエッチングの間、ダミーフィールドから消失する場合、これは、ウェットエッチングの完了を信号伝達し、後続シリコンウェットエッチングのために適切なCDを二酸化ケイ素内に開放することができる。
【0612】
マスクおよびパターン化ステップは、交互され、繰り返され、任意のウエハフォーマットにわたるフィールド毎のパターン転写プロファイルにおける変動を達成してもよい。第8段階として、残りのポリマーおよび/または金属層が、剥離され、基板は、清掃され、本パターンが大面積11808にわたって高スループットで複製される、テンプレートとしての使用のための準備ができる。
(インプリントベースの製造およびリフトオフ)
【0613】
いくつかの実施形態によると、インプリントベースの製造が、実装されてもよい。本タイプの製造は、低残留層厚およびより高い接眼レンズ効率をもたらし得る。ジェットおよびフラッシュインプリントが、使用されてもよく、高速で複製し得る。レジスト調合は、高均一性を伴ってジェット噴霧を可能にするように実装されてもよい。インプリントベースの製造は、ポリマーおよびガラス基板を含む、種々の基板上に実装されてもよい。
【0614】
図120は、本発明のいくつかの実施形態による、インプリントベースの製造を図示する、簡略化された略図である。ステップ12005では、精密な流体レジスト液滴が、基板上に設置される。ステップ12010では、マスクが、流体レジスト液滴と接触して基板上に設置される。ステップ12015では、流体レジストは、紫外線光源を使用して重合化される。ステップ12020では、マスクは、基板から分離され、強い基板接着力に起因して、重合化されたレジストを基板上に残す。結果として生じる表面は、表面12025として図示され、50nm線および線間の50nm空間を伴う。
【0615】
図121Aは、本発明のいくつかの実施形態による、導波管のためのパターン化された格子構造の製造プロセスを図示する、簡略化されたプロセスフロー図である。本明細書に説明されるパターン化された格子構造は、例えば、OPEおよび/またはEPE上で使用されてもよい。いくつかの実施形態では、パターン化された格子構造は、インプリントおよびリフトオフを使用して、高屈折率無機材料から構築される。高屈折率無機材料は、産業において現在使用されているプラズマエッチングプロセスを介してエッチングすることが困難であり得る。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、そうでなければ、CuおよびAg等の材料をエッチングすることが困難である、エッチングを回避するためのプロセスを実装する。リフトオフプロセスが、使用され、その場合、高屈折率無機材料のみが、堆積され(PVD)、事前にパターン化されたリフトオフ(溶媒可溶性)層を使用して、高屈折率ガラスまたはプラスチック等の所望の基板にわたってパターン化される。
【0616】
図121Aは、リフトオフプロセスを図示し、これは、TiO
2、ZnO、HfO
2、ZrO
2等の無機高屈折率材料のパターン化を可能にする(すなわち、n>1.6を伴う、金属酸化物または無機材料)。そのような材料は、従来のイオンプラズマエッチングツールを使用してエッチングすることが非常に困難であり得る。ステップ12101Aでは、可溶性層が、基板上にコーティングされる。可溶性層は、一実施形態では、水溶性ポリマー層であってもよい。水溶性層は、大規模加工のための生産ラインにおいて、かつ水以外の溶媒がポリマー基板と反応し得るポリマー基板の使用に関して、より柔軟性があり得る。
【0617】
ステップ12102Aでは、パターンは、可溶性層内にインプリントされる。一括大面積パターン化が、一実施形態では、J−FILを使用して、堆積されるポリマー層上に使用されてもよい。これは、接着剤層の使用を回避し、より小さい面積上の光学リソグラフィの限界と、反応性溶媒を使用して光学リソグラフィレジストを現像する必要性とを克服する。
【0618】
ステップ12103Aでは、エッチングは、可溶性層を通して、そしてその中で完了される。底部犠牲ポリマー層にわたるインプリントされた硬化ポリマーは、単一エッチング化学性質を伴って、異なる率でエッチングされる。これは、リフトオフプロセスのために必要なアンダーカットを生産する。これはまた、エッチングプロファイルを作成するための二次硬質マスクの使用を回避する。
【0619】
ステップ12104Aでは、高屈折率材料が、可溶性層および基板上に堆積される。高屈折率材料は、離線が存在し、断続高屈折率層を形成することを可能にする、蒸着技法(例えば、PVD)を使用して堆積されてもよい。堆積パラメータは、エッチングプロファイルとともに、いくつかの実施形態では、
図121Cに図示されるように、台形または三角形プロファイルのいずれかを得るように制御されることができる。
図121Cは、本発明のいくつかの実施形態による、堆積パラメータおよびエッチングプロファイルに基づいて堆積される材料の可変プロファイルを図示する、簡略化された略図である。三角形プロファイルは、例えば、パターンおよび基板を通して透過される光のヘイズを低減させ得る。
【0620】
図121Aに戻ると、ステップ12105Aでは、可溶性層および可溶性層上の高屈折率材料は、リフトオフされ、パターン化された高屈折率材料を基板上に残す。本プロセスは、そうでなければ、高屈折率金属酸化物、無機、金属酸化物−ポリマーハイブリッド、金属等のように容易にパターン化されることができない、材料が、例えば、ガラスまたはポリマー基板にわたって高正確度を伴って、100nmスケールでパターン化されることを可能にする。
図121Dは、>50mm×50mmパターン面積にわたってポリカーボネート膜上にパターン化された100nm〜200nmAg線を図示する。
【0621】
言い換えると、パターン化は、可溶性犠牲層をエッチングし、次いで、堆積技法を使用して、高屈折率材料を堆積させることによって可能となる。
図121Aの写真12106A、12110A、12115Aは、上記に説明されるプロセスによって形成される、パターン化された幅190nmおよび高さ280nmのAg線を示す、SEM画像である。
図121Bは、本発明のいくつかの実施形態による、PVDタイププロセスを使用して堆積される、ZrOx膜の屈折率を図示する、グラフである。最終的パターン化された高屈折率材料は、基板上に組み込まれると、機能導波管の要素として使用されることができる。
(多段階格子)
【0622】
いくつかの実施形態によると、多段階バイナリ格子が、導波管のための格子構造上で使用されることができる。本明細書に説明される多段階バイナリ格子構造は、例えば、ICG、OPE、および/またはEPE上で使用されてもよい。多段階(すなわち、3−D)マイクロまたはナノ構造の加工は、いくつかのリソグラフィステップを使用し、100nmを下回るパターンおよび非常に高いオーバーレイ正確度に依拠し得るため、困難であり得る。本発明のいくつかの実施形態は、
図122に示されるもの等の複数のバイナリステップを用いて、高分解能多段階マイクロまたはナノ構造および回折格子を加工する方法を提供する。本発明のこれらの実施形態は、多段階構造の全体的加工プロセスを簡略化し、直接、光学コンポーネントを加工する、またはナノインプリント金型を作成するために使用されることができる。
【0623】
光学デバイスに関して、三角形格子が、光を操作するその能力に起因して、望ましくあり得る。ナノレベルでは、三角形パターンは、達成することが困難である。したがって、一連の段階的格子が、三角形パターンを模倣するように作成されてもよい。各段階の高さおよび段階の数は、現在の加工技法に基づいて固定されてもよい。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態によると、段階の数は、増加されてもよく、高さは、段階間で変動され、所望の三角形パターンにより近似して類似かつ模倣する、所望の格子パターンを作成してもよい。
【0624】
多段階バイナリ格子の加工は、典型的には、高整合正確度を伴う、複数のリソグラフィステップによって達成され得る。概して、n数のリソグラフィステップを用いて生成され得る、最大段階数(m)は、m=2
nによって与えられる。プロセスは、リソグラフィツールおよびエッチングプロセスの整合精度によって限定される。両方とも、特徴の寸法が、100nmを下回るとき、困難であって、通常、光学用途のための多段階バイナリ格子の低品質につながる。
【0625】
本発明のいくつかの実施形態は、側壁およびエッチング深度の両方の観点から高品質を伴う、多段階格子を加工するプロセスを提供する。いくつかの実施形態によると、「停止層」のスタックが、多段階格子を作成するために使用される。いくつかの実施形態では、第1の停止層は、随意である。他の2つの停止層は、格子内の各段階の深度の精密な画定を可能にし、角の品質を増加させ、エッチングプロセスを1つのステップに簡略化し、高垂直プロファイルを可能にする。言い換えると、いくつかの実施形態は、各サブ格子のプロファイルおよび深度にわたって精密な制御を可能にし、1つのみのエッチングプロセスを利用する。
【0626】
図123は、反復プロセスを図示し、各サイクルにおいて、基板およびマスクの層が、連続して堆積される。全てのサイクルは、段階を生成する。
図123では、2つのサイクルプロセスが、示される(サイクル1:ステップ12303、12304、12305;サイクル2:ステップ12306、12307、12308)。いくつかの実施形態では、最終エッチング停止層の堆積は、ステップ12302において行われる。3Dエッチングマスクの作成後、単一エッチングプロセスが、3Dプロセスをもたらし得る(ステップ12309)。いくつかの実施形態では、最終エッチング停止層は、選択的にエッチング除去されてもよい(ステップ12310)。ステップ12301に示される開始基板は、例えば、シリコン、石英、または任意の他の材料であってもよい。
【0627】
サイクル(例えば、サイクル1および2)は、(I)追加基板層を堆積させるステップ(ステップ12303および12306)と、(II)エッチング停止層を堆積させるステップ(ステップ12304および12307)と、(III)リフトオフを実施するステップ(ステップ12305および12308)とを含む。ステップ12303および12306では、追加基板層が、堆積されてもよい。本層は、種々の方法(例えば、スパッタリング、蒸発、ALD等)によって堆積されてもよく、停止層を用いて良好なエッチング選択性を有する、材料の膜を備えてもよい。いくつかの実施形態では、シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、および同等物が、使用されてもよい。転写層の厚さは、サブ格子の高さに対応してもよい。
【0628】
ステップ12304および12307では、リソグラフィは、完了されてもよく、マスク(すなわち、エッチング停止層)が、堆積されてもよい。リソグラフィは、UV、電子ビームリソグラフィ、NIL、または他の技法を用いて、実施されてもよい。エッチング停止層は、種々の方法(例えば、スパッタリング、蒸発、ALD等)によって堆積されてもよい。エッチング停止層は、金属(例えば、Au、Al、Ag、Ni、Cr等)または金属酸化物(例えば、SiO
2、TiO
2等)またはシリコン、窒化ケイ素、および同等物等の他の材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エッチング停止層の厚さは、2nm〜40nmである。
【0629】
ステップ12305および12308では、リフトオフが、実施される。リソグラフィプロセスにおいて使用されるレジストに応じて、具体的溶媒が、レジストを溶解し、エッチング停止層のみを残してもよい。いくつかの実施形態では、本ステップは、堆積およびエッチングによって置換されてもよい。
【0630】
いくつかの実施形態では、エッチングマスクの「シャドー」堆積が、
図124に図示されるように、多段階格子を作成するために使用される。これらの実施形態は、低減された数のリソグラフィステップを有するプロセスを可能にする。例えば、
図124に示されるように、1つのみのリソグラフィステップが、利用され、3つの段階構造を作成する。開始構造は、バイナリ格子であって、これは、ステップ12401において、リソグラフィおよびエッチング等の任意の公知のプロセスによって加工されることができる。金属または誘電マスク層が、ステップ12402において、ある角度で格子にわたって堆積されてもよく、金属膜の格子の堆積の指向性およびシャドーイングは、部分的に、トレンチの底部を被覆するであろう。いくつかの実施形態では、スパッタリング、蒸発、または任意の他の指向性堆積技法が、マスク層を堆積させるために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ALDは、マスク層を堆積させるために使用されない。清浄面積wは、方程式
【化18】
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によって与えられ、式中、hは、トレンチの高さであって、シータは、堆積角度である。同一方程式は、任意の所望の幅のための堆積角度を見出すことを可能にする。トレンチの高さへの依存性に起因して、本アプローチの制御および再現性は、縦横比に伴って減少する。構造は、次いで、マスク層をマスクとして使用してエッチングされてもよく、マスク層は、除去され、ステップ12403において示される多段階バイナリ格子構造を形成することができる。プロセスは、反復され、複数の層を生成してもよい。
【0631】
図125は、異なる堆積角度が第2の段階の異なる幅をもたらす方法を図示する。例えば、プロセスAでは、55度堆積角度が、ステップ12501Aにおいて使用され、ステップ12502Aにおいて、70%清浄面積をもたらし、ステップ12503Aにおいて、狭い第2の段階をもたらす。プロセスBでは、65度堆積角度が、ステップ12501Bにおいて使用され、ステップ12502Bにおいて、47%清浄面積をもたらし、ステップ12503Bにおいて、中間幅の第2の段階をもたらす。プロセスCでは、80度堆積角度が、ステップ12501Cにおいて使用され、ステップ12502Cにおいて、18%清浄面積をもたらし、ステップ12503Cにおいて、広い第2の段階をもたらす。(段階的な格子デューティサイクル)
【0632】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される格子は、段階的なデューティサイクルを有し、段階的な様式で光を反射させてもよい。これは、接眼レンズから出力される画像を横断して均一強度をもたらし得る。さらに本明細書に説明されるように、接眼レンズは、入力光をICGから受光してもよい。光は、OPEに結合され、拡張され、EPEに伝搬され、視認者の眼に反射されてもよい。光が、これらの回折要素のうちの1つ以上のものの格子面積を通して伝搬するにつれて、典型的には、光が回折の結果として格子によって外部結合されるため、強度が減少するであろう。したがって、回折要素、例えば、EPEによって出力される画像は、位置の関数としての明度における勾配によって特徴付けられ得る。
【0633】
いくつかの実施形態によると、格子のデューティサイクルは、位置の関数として調節されてもよい。これは、接眼レンズ層内の光がより強い強度を有する領域では、低減された光回折をもたらし、接眼レンズ層内の光がより低い強度を有する領域では、増加された光回折をもたらし得る。したがって、均一明度を有する画像が、段階的なデューティサイクル格子構造の使用を通してもたらされ得る。
【0634】
図126Aは、本発明のいくつかの実施形態による、一定格子構造を図示する、簡略化された平面図略図である。
図126Aによると、光12610は、接眼レンズ層12620の中に縦方向(すなわち、z方向)に沿って入力されてもよい。接眼レンズ層12620は、例えば、本明細書にさらに説明されるように、ICG、OPE、および/またはEPEであってもよい。接眼レンズ層12620は、縦方向に沿ってアレイ化された複数の格子12630を有してもよい。格子12630は、それらが中実かつ縦方向に沿って相互に対して均一に離間されるという意味において、一定であり得る。
【0635】
図126Bは、本発明のいくつかの実施形態による、
図126Aに図示される一定格子構造から出力される光強度を図示する、グラフである。
図126Bに示されるように、一定格子12630は、光が格子を通して伝搬するにつれて、接眼レンズ層12620の上部表面12602と接眼レンズ層12620の底部表面12604との間に光強度の連続減少をもたらし得る。これは、より離れた縦方向位置(すなわち、より大きなz値)と関連付けられた格子構造の部分から視認者に投影されるために利用可能な光の減少をもたらし得る。
【0636】
図127Aは、本発明のいくつかの実施形態による、段階的なデューティサイクルを伴う格子構造を図示する、簡略化された平面図略図である。
図127Aによると、光12710は、接眼レンズ層12720の中に入力され、縦方向(すなわち、z方向)に沿って伝搬し得る。接眼レンズ層12720は、例えば、本明細書にさらに説明されるように、ICG、OPE、および/またはEPEであってもよい。接眼レンズ層12720は、縦方向に沿ってアレイ化された複数の格子12730を有してもよい。格子12730は、各格子12730の個々の部分が側方方向(すなわち、y方向)に離間され得るという意味において、段階的なデューティサイクルを有し得る。デューティサイクルは、低デューティサイクル(すなわち、格子材料と格子部分間の間隔の低比率)から高デューティサイクル(すなわち、格子材料と格子部分間の間隔の高比率)に変動し得る。いくつかの実施形態では、格子12730は、接眼レンズ層12720内への精密な書込を可能にする、走査ツールを使用して製造されてもよい。
図127Bに図示されるように、接眼レンズ層12720は、進入表面12702および終端表面12704によって特徴付けられ得る。
【0637】
図127Cは、接眼レンズ層12720の拡大図を図示する。
図127Aおよび127Cに示されるように、各格子12730の部分12732間の側方方向における間隔12734は、縦方向位置(例えば、接眼レンズ層12720の進入表面12702および終端表面12704に対する格子12730の位置)に依存し得る。したがって、
図126Aと比較して、格子12730は、側方方向に中実ではなくてもよく、異なる間隔12734を個々の部分12732間に有してもよい。
図127Aに示される実施形態では、格子12730は、光の伝搬経路12710に沿って(すなわち、縦方向に)デューティサイクルが増加するように配列されてもよい。言い換えると、格子12730の部分12732の側方サイズと隣接する部分間の間隔12734の比率は、進入表面12702から終端表面12704までの縦方向位置の関数として増加し得る。
【0638】
縦方向位置の関数としてのデューティサイクルにおける変動は、接眼レンズ層12720によって放出される強度が接眼レンズ層12720全体を通して縦方向位置の関数として均一または実質的に均一であるように、実装されてもよい。いくつかの実施形態では、デューティサイクルは、接眼レンズ層12720の進入表面12702から終端表面12704まで0%〜100%に変動してもよい。いくつかの実施形態では、デューティサイクルは、接眼レンズ層12720の進入表面12702から終端表面12704まで50%〜90%に変動してもよい。接眼レンズ層12720がEPEである、いくつかの実施形態では、進入表面12702は、OPEの最も近くに位置付けられる表面であってもよい一方、終端表面12704は、OPEから最も遠くに位置付けられる表面であってもよい。
【0639】
図127Aに示されるもの等のいくつかの実施形態では、格子12730は、縦方向に沿って相互に対して均一に離間されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、格子12730は、縦方向に沿って相互に対して可変に離間されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるディザリング技法は、
図127Aに示される段階的なデューティサイクルと組み合わせられ、視認者に出力される光の強度の均一性を増加させてもよい。
【0640】
図127Bは、いくつかの実施形態による、
図127Aに図示される段階的なデューティサイクルを伴う格子構造から出力される光強度を図示する、グラフである。
図127Bに示されるように、段階的なデューティサイクル格子12730は、接眼レンズ層12720の進入表面12702と接眼レンズ層12720の終端表面12704との間に出力される一定光強度をもたらし得る。本一定強度出力は、次いで、光経路をさらに辿って視認者に投影されるために利用可能である、より均一な光プロファイルをもたらし得る。
【0641】
図128は、本発明のいくつかの実施形態による、段階的なデューティサイクルを伴う格子構造を有する接眼レンズ層によって光を操作する例示的方法のフロー
図12800である。本方法は、光源からの光を格子パラメータの第1のセットによって特徴付けられる第1の格子構造を有する入力結合格子において受光するステップ(12810)を含む。
【0642】
本方法はさらに、入力結合格子からの光を格子パラメータの第2のセットによって特徴付けられる第2の格子構造を有する拡張格子において受光するステップ(12820)を含む。本方法はさらに、拡張格子からの光を格子パラメータの第3のセットによって特徴付けられる第3の格子構造を有する出力結合格子において受光するステップ(12830)を含む。第1の格子構造、第2の格子構造、および第3の格子構造のうちの少なくとも1つは、段階的なデューティサイクルを有する。格子構造のデューティサイクルは、光を受光する接眼レンズ層の表面から光を出力する接眼レンズ層の表面まで増加してもよい。格子パラメータの第1のセット、格子パラメータの第2のセット、および/または格子パラメータの第3のセットは、接眼レンズ層を横断したデューティサイクルおよびデューティサイクルの段階化を規定してもよい。接眼レンズ層を通した光強度は、一定であってもよい。本方法はさらに、光を視認者に出力するステップ(12840)を含む。
【0643】
また、本明細書に説明される実施例および実施形態は、例証的目的のためだけのものであって、それに照らして、種々の修正または変更が、当業者に示唆され、本願の精神および権限および添付の請求項の範囲内に含まれるべきであることを理解されたい。