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特開2021-193554ファイルを更新する為の方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-193554(P2021-193554A)
(43)【公開日】2021年12月23日
(54)【発明の名称】ファイルを更新する為の方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/17 20190101AFI20211126BHJP
【FI】
   G06F16/17 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2021-88796(P2021-88796)
(22)【出願日】2021年5月26日
(31)【優先権主張番号】2005707
(32)【優先日】2020年5月29日
(33)【優先権主張国】FR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521229588
【氏名又は名称】サングル−フェリエール ブルーノ
【氏名又は名称原語表記】SANGLE−FERRIERE BRUNO
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】サングル−フェリエール ブルーノ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電子デバイスにおいて存在する第1のファイルを、所与のファイルサイズ制限及びファイル解像度制限と互換性のある第2のファイルに変換する方法を提供する。
【解決手段】変換方法は、電子デバイスXによって又は他の装置Dによって実行され、他の装置Dに、電子デバイスX及びYが、ファイルAのバージョン、電子デバイスX又はYのレジスタ又はファイルにおいて定義されているファイルBについて受け入れ可能なバージョン、電子デバイスX、Y又はDが有する変換手段に基づいて接続する。サーバS又は他の装置Dは、ファイルAの、より新しいバージョンA’を有する。ファイルAは、その変換前にファイルA’に置き換えられる。サーバ又は他の装置Dにおいて存在するファイルA’は、ファイルAを置換することができるものとしてリストされている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスXにおいて存在する第1のファイルAを、前記電子デバイスXにおいて及び/又は他の電子デバイスYにおいて使用されることができ且つハードウェア、ソフトウェア又は所与のファイルサイズ制限及びファイル解像度制限と互換性のある第2のファイルBに変換する方法であって、該方法において、前記変換が、前記電子デバイスXによって又は他の装置Dによって実行されることができ、前記他の装置Dには前記電子デバイスX及びYが、
前記ファイルAのバージョン、
前記電子デバイスX又はYのレジスタ又はファイルにおいて定義されているファイルBについて受け入れ可能なバージョン、
前記電子デバイスX、Y又はDが有する変換手段
に基づいて接続することができ、
ここで、前記電子デバイスX、Y又はDのうちの1つがサーバSに又は前記他の装置Dに直接的に又は間接的に接続する場合に、前記サーバS又は前記他の装置Dは、前記ファイルAの、より新しいバージョンA’を有し、前記ファイルAは、その変換前にファイルA’で置き換えられ、前記サーバS又は前記他の装置Dにおいて存在する前記ファイルA’は、前記ファイルAを置換することができるものとしてリストされている、
前記方法。
【請求項2】
前記ファイルAがドキュメントモデルであり、ユーザによって変更されることができるが、前記ファイルAがファイルBに変換される場合には変更されないところの要素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デバイスX又はYが、前記ファイルAのオリジナルのバージョン又はそのより新しいバージョンA’を含むところのサーバS又は他の装置に接続する場合、前記電子デバイスX又はYは、前記ファイルAの前記オリジナルのバージョン又は、変換され又は変換されるべき最新のバージョンA’を取得し、ここで、該最新のバージョンA’は、前記ファイルAのオリジナルのバージョンを実行しなければならない若しくは前記ファイルAのオリジナルのバージョンを使用しなければならないところの前記電子デバイスX又はYと互換性がある、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記変換が、前記ファイルAの前記変換の結果であり且つ事前定義された最適化ルールを満たす1以上の前記ファイルBについての少なくとも1つの優先基準に基づいて生じる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記電子デバイスXが、他の電子デバイスYに又は前記サーバSに接続することができ、該方法において、前記ファイルAを変換する手段が、この接続の間に、前記電子デバイスXにインポートされる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
a.ファイルA及びファイルBに、使用されるファイルのバージョンについての情報I1及び変換されたファイルについての選好度を計算する為の情報I2を含めること、
b.変換されたファイルBを使用することができる各電子デバイスXに、該電子デバイスXに受け入れ可能なバージョンについての情報(A1)とこの電子デバイスXが有する変換手段についての情報(A2)を含むファイルを配置すること、
c.各ファイルAに、その様々なバージョンに共通の識別子(I3)を含めること、ここで、該識別子は、該ファイルAのオリジナルのファイル又は置換ファイル(該オリジナルのファイルの参照ファイル(R)とも呼ばれる)を前記ファイルAに関連付けることを可能にする、
d.前記参照ファイル(R)をサーバS上に所持すること、
e.前記サーバSにおいて、参照ファイル(R)を同じ識別子(I3)を有する他のファイルに置き換えることを許すこと
の工程を含み、
前記ファイルAを前記ファイルBに変換する工程が、
i)前記変換に参加する前記電子デバイスXが、前記ファイルAの前記バージョンについての前記情報(I1)を読み取り、前記ファイルBを受け入れ可能な前記バージョンについての前記ファイルから情報(A1)を読み取り、及び該電子デバイスXが有する変換手段についての前記情報(A2)を読み取ること、
ii)前記電子デバイスXが、前記ファイルAが前記ファイルBに変換されるべき該ファイルBの前記バージョンを決定すること、そして、
iii)前記電子デバイスXが、前記ファイルAをファイルBに変換すること
の工程を含む、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記工程i)と前記工程ii)との間に、
a)受け入れ可能でありうる各バージョンについて、前記選好度(I2)を計算する為に必要な値を推定すること、
b)受け入れ可能であるとみなされるバージョンが特定されるまで、好ましいと判断されたバージョンから開始して、受け入れ基準について必要な値を計算すること
の工程を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
受け入れ基準(A1)を満たし且つ選好度(I2)を最も満たす、コーディングと解像度との組み合わせを見つける為に、二分法が前記工程a)と前記工程b)との間で使用される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
選好度(I2)及び受け入れ基準(A1)の最初の計算が、前記ファイルAの様々なデータの、それぞれの解像度及びコーティング値についての中間値を使用して行われ、そして次に、最後の結果が受け入れ可能である場合にはより高いか又は等しい中間値が使用され、そして、そうでない場合などには、実行されることができる更なる新しい計算がなくなるまで、より低いか又は等しい値が使用される、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
選好度(I2)に従い重要であると判断されたファイルについてのより良い解像度と、重要でないファイルについての最小の解像度とを達成することを可能にする極値を採用すること、そして次に、結果が受け入れ基準(A1)に従って受け入れ可能でない場合には重要なファイルの解像度を下げることにより、又は2番目に重要なファイルの最大許容解像度が見つかるまで次々と、最も重要でないファイルまで、重要度の低いファイルの解像度を上げることにより、各後の計算についてのこれらの選択肢を変えることによって、二分法が、重要度係数(MP)を使用して最高の解像度及びコーディング値を選択する為に使用される、請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記変換がデュアルリーダーDによって行われる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
電子デバイスXが前記サーバSに接続するときに、該デバイスによってホストされ且つ前記オリジナルのファイルAよりも劣る品質又は前記オリジナルのファイルAの日付(D1)とは異なる日付(D1)のいずれかを有する在りうるファイルが、該サーバSにおいて存在する前記オリジナルのファイルAから変換されたファイルBで置き換えられる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ファイルAが少なくとも1人のユーザを識別する為の生体認証データ(Id1)を有し、及び変更されたバージョンBが、このユーザを他の追加の生体認証データ(Id2)で識別することを可能にする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記変更されたバージョンが、少なくとも1つの新しいコーディングタイプを用いて前記ファイルAのコンテントを表示又は使用することを可能にする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記変更されたバージョンBが、前記ファイルAの情報の表示を変更する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルを更新する為の方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファイルが更新されることを可能にする幾つかの方法が既にある。例えば、コンピュータソフトウェア及び電子デバイスがインターネット接続を介してサーバに接続する場合に、該コンピュータソフトウェア及び電子デバイスは定期的に更新される。サーバに接続する可能性がない場合には、手動による介入なしに、部分的な更新であってさえも更新を実行することはできない。
【0003】
その上、データ、例えばワードプロセッサのファイル又はスプレッドシート、を含むファイルが、ソフトウェアの別のバージョンによって使用される為に更新されるべき必要がある場合に、ユーザによる介入に応じて該ファイルを変換するのはこの同じソフトウェアであり、及びその逆変換は該ユーザによる別の介入が必要である。
【0004】
米国特許第7065588B2号明細書は、サーバを使用して異種ドキュメントを変換する為の方法を記載する。
【0005】
米国特許第5251314A号明細書はファイルを変換する為の方法を記載し、最終文書から最初の文書を再作成できるようにする為に、該方法は、最終文書に変換される最初の文書が受けた様々な逐次の変換のレジスタを作成する。
【0006】
米国特許出願公開第2013/097670号明細書は、様々なユーザに、様々な形式及びサイズにおける画像ファイルを表示し且つ該画像ファイルへのアクセスを制御する為のサーバ実装方法を開示し、ここで、ウェブサーバは、要求された画像ファイルの識別子を1以上の基準とともに含むユニフォームリソースロケータ(URL:Uniform Resource Locator)を受信し及び要求された画像ファイルの保存されたバージョンを1以上の基準に基づいて変更することによって、変換された画像ファイルを生成する。この方法はサーバベースであり、及び画像ファイルを処理する為にインターネット接続を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子デバイスのユーザにコンテントの変更を求める許可を求める必要なしに及びサーバを体系的に使用する必要なしに、電子デバイスの編集者がコンテントを変更できることを可能にすることによって、該電子デバイスによって使用されるファイルを改善する必要性がある。これは特に、編集者が時間の経過とともにファイルを最初に変更すること、例えばファイルのページレイアウトを変更すること、を可能にする為の場合だけでなく、該ファイルが様々なタイプの新しい電子デバイスと互換性があるようにする為の場合にでもあり、これらはおそらく、拡張されたデータ記憶手段、これらのデータを処理する為の、より高性能な手段、又はより優れた解像度若しくはより高品質のラウドスピーカーを有するディスプレイ画面を備えた、コンピュータ、接続された時計、タブレット若しくはスマートフォン等である。これらはまた、新しい機能、例えば新しい生体認証チェック、を備えている電子デバイスで有り得、新しい表示手段、例えばビデオ眼鏡、に接続することを可能にする電子デバイス、又は新しいタイプのオーディオ及びビデオコーディングと互換性がある電子デバイス、又は新しいより高性能な通信手段を備えている電子デバイスであり得、これらの更新は、上記ファイルが、より低い性能の装置によって、少なくとも部分的に使用されるこができることを妨げるものでない。
【0008】
アップデートはまた、ファイルに新しい機能を与える為に有用であり得、例えば、会員カードが、例えばポイントを集める為のポイントカードになる可能性があり、又は電子ロックキーが、ロッカーを開けるように変更されることができ、アイデンティティカード(identity card)が、予防接種記録に関する情報を該アイデンティティカード上に記録するように使用されることができ、又は例えば異なる会員カードを持つ2つのクラブが合併した場合に、該アイデンティティカードが他の事業者によって運営される他のシステムと互換性を持たせる為に使用されることができる。
【0009】
ファイルに含まれる情報を変更することを目的とした更新を実行できることは、特に、例えば金銭的利益若しくは宝くじで獲得したポイントを表すクレジットを追加する為に、又はより単純に誤植を修正する為に、また有益でありうる。
【0010】
加えて、場合によっては、ファイルを保存又は使用する為に必要とされる技術的機能を有していない電子デバイスに該ファイルが「コピーされた」又は「移動された」場合に、該ファイルを異なるバージョンにおいて使用されることができるべきであり、それ故に、該ファイルがより良い技術的機能を有する電子デバイスに再度転送される場合には、該ファイルを元の状態に又は後にその最後のバージョンに戻すことができる一方で、該ファイルが転送されるときに、該ファイルは変換されるべきである。
【0011】
そのような変換はまた、上記ファイルが同一の電子デバイス上に保持されているが、該電子デバイスそれ自体が可変の機能又は能力を有する場合に、例えば、該電子デバイスの情報格納場所が飽和状態になり、及び該電子デバイスが保持するファイルのサイズを減らすことを必要とする場合に、又は対照的に、該電子デバイスから他のファイルを削除することが最終的には、より大きく且つより高品質のファイルを保存することを可能にする場合に、有用でありうる。
【0012】
本発明は、特に電子デバイスの性能をよりよく利用し且つ使用されているファイルの有用な更新を許す為に、マルチメディア又は生物測定情報を含む可能性のある第1のファイルを、ハードウェア、ソフトウェア又は所与のファイルサイズ制限及び解像度制限と互換性のある第2のファイルに変換することを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、電子デバイスXにおいて存在する第1のファイルAを、該電子デバイスX、特にマルチメディア又は生体認証情報を含む該電子デバイスX、において及び/又は他の電子デバイスYにおいて使用されることができ且つハードウェア、ソフトウェア又は所与のファイルサイズ制限及びファイル解像度制限と互換性のある第2のファイルBに変換する方法であって、該方法において、該変換が、該電子デバイスXによって又は他の装置Dによって実行されることができ、該他の装置Dには前記電子デバイスX及びYが、
・該ファイルAのバージョン、
・該電子デバイスX又はYのレジスタ又はファイルにおいて定義されているファイルBについて受け入れ可能なバージョン、ここで、上記情報は好ましくは、該ファイルBが該電子デバイスYにおいて使用されることを意図されている場合に、該電子デバイスYから発信される、
・該電子デバイスX、Y又はDが有する変換手段
に基づいて接続することができ、
ここで、該電子デバイスX、Y又はDのうちの1つが、該ファイルAの、より新しいバージョンA’を有するところのサーバS又は他の装置Dに接続する場合に、該ファイルAは、その変換前にファイルA’で置き換えられ、該サーバS又は該他の装置Dにおいて存在する該ファイルA’は、該ファイルAを置換することができるものとしてリストされている、
上記方法によって、上記の目的を達成する。
【0014】
該サーバS又は該他の装置Dへの該電子デバイスX、Y又はDの接続は、直接的又は間接的でありうる。
【0015】
該ファイルAは、該当する場合、ドキュメントモデルであり得、該ファイルAは、ユーザによって変更されることができるが、該ファイルAがファイルBに変換される場合に変更されないところの要素を含む。
【0016】
該電子デバイスX、Y及びDは、ワールドワイドウェブを介してクライアントからの要求を受信しうるウェブサーバでない。従って、本発明は、サーバへの接続が不可欠であること無しにファイルを変換することを可能にする。従って、本発明のおかげでファイルを変更することがより容易であり、及び該電子デバイスXが別の電子デバイスYに、例えば該デバイスXと該デバイスYと情報を交換し及び情報がXからYに又はその逆に転送されることを許すデュアルリーダーD、特には米国特許第10643198号明細書に記載されているデュアルリーダー、を介して、接続されている場合に、該当する場合に、上記変換が行われうる。
【0017】
該ファイルAは、該サーバSに接続すること無しに、好ましくは自動的に、ファイルBに変換されうるが、本発明はまた、該デバイスX又はYが、該ファイルAのオリジナルのバージョン又はファイルAの全てのバージョンの最新バージョン、すなわちより新しいバージョンA’を含むところのサーバS又は他の装置に接続する場合、該電子デバイスX又はYが、該サーバから又はこの他の装置から、該ファイルAの該オリジナルのバージョン又は、変換され又は変換されるべき最新のバージョンA’を取得することができ、ここで、該最新のバージョンA’は、前記ファイルAのオリジナルのバージョンを実行しなければならない若しくは前記ファイルAのオリジナルのバージョンを使用しなければならないところの前記電子デバイスX又はYと互換性がある、ところの方法を提供する。言い換えれば、サーバSへの接続がない場合の変換中に劣化したファイルは、該ファイルAのオリジナルのバージョン又はより新しいバージョンA’を有するところのサーバS又は他の装置への接続に応じて、新しいバージョンA’の元の、劣化していないバージョンAに、好ましくは自動的に、戻される。
【0018】
該ファイルAは、該ファイルAの変換から結果として生じる1以上のファイルBの少なくとも1つの選好基準に基づいて、特に事前定義された最適化規則を満たす該選好基準に基づいて、有利に変換され、ここで、この選好基準又はこれらの選好度は、該変換を導く。1以上の複数の選好度を使用することは、該選好度を使用する電子デバイスの機能及び/又はこのデバイスに設定されたユーザの選好度に最もよく適合するファイルBへの変換を実行することが可能になりうる。
【0019】
該電子デバイスXが、他の電子デバイスYに又は上述されたサーバに、特に直接的に又は間接的に、接続することができる場合に、この方法は、この接続中に、該ファイルAを変換する手段、例えばフォーマット変換ソフトウェア、を、該電子デバイスXに、好ましくは自動的に、インポートする工程を含みうる。
【0020】
電子デバイスがサーバに接続されている場合、該デバイスAによってホストされ且つオリジナルのファイルAの品質よりも悪い品質又は該ファイルAの最新のバージョンの日付D1と異なる日付D1のいずれかを有するところの在りうるファイルAを、オリジナルのファイルA又は該ファイルAのより最新のバージョンのうちの1つから変換されたファイルに置き換えることが有利にありうる。
【0021】
該ファイルAは、少なくとも1人のユーザを識別する為の生体認証データ、例えば彼の指紋、を含み得、及び、変更されたバージョンBは、追加の生体認証データ、例えば彼の顔のプリント、又は他の個人の生体認証データ、例えば該ファイルの新しいバージョンを使用するために必要とされる他の個人の生体認証データ、を用いてこのユーザを識別することを可能にしうる。
【0022】
該変更されたバージョンBはまた、少なくとも1つの新しいコーディングタイプを用いて、該ファイルAのコンテントを表示又は使用することが可能でありうる。
【0023】
該変更されたバージョンBはまた、該ファイルAの情報、例えばドキュメントの背景画像、の提示を修正しうる。
【0024】
幾つかの例示的な実装において、該方法は、下記の特徴の全て又は幾つかを有し得、特に、
・サーバの存在無しに、好ましくは自動的に、変換すること;
・ドキュメント又はフォーマットを、サーバに由来する別のバージョンに置き換えることによって、ドキュメント又はフォーマットを更新すること;
・ファイルに含まれる情報をコーディングすることのモードを変換すること;及び/又は
・ファイルに含まれる情報をコーディングすることを最適化すること
を可能にする。
【0025】
該方法は好ましくは、下記を行うことによって実装される。
・変換されるべきファイルA及び変換されたファイルBに、ファイルのバージョンについての情報I1及び該ファイルの該変換されたファイルBについての選好度を計算する為の情報I2を含めること、
・変換されたファイルを使用することができる各電子デバイスXに、この電子デバイスに受け入れ可能なバージョンについての情報A1とこの電子デバイスが、特にメモリ容量及び/又はプロセッサ若しくは利用可能な変換ソフトウェアの性能に関して、この電子デバイスが有する変換手段についての情報A2を含むファイルを配置すること、
・各ファイルAに、その様々なバージョンに共通の識別子I3を含めること、ここで、該識別子は、該ファイルAのオリジナルのファイル又は置換ファイル(該オリジナルのファイルの参照ファイルRとも呼ばれる)を前記ファイルAに関連付けることを可能にする、
・上記参照ファイルRをサーバS上に所持することによって、
・上記サーバSにおいて、参照ファイルを同じ識別子I3を有する他のファイルに置き換えることを許すことによって、ここで、該2つのバージョンは、該2つのバージョンが上記サーバにおいてサービスを開始された日付D1(ファイルのバージョンに関する情報I1に含まれている)によって、互いに区別されることができ、新しいファイルの前の参照ファイルは、好ましくは該サーバS上に保持される、
・該当する場合、ユーザによって変更されることが出来るが、変換中に変更されないところの要素を該ファイルが含むことを許すことによって、ここで、該参照ファイルは「フォーマット」ファイルであり、電子デバイスが上記変更可能な情報を表示すること、伝送すること又は使用することを許す。
【0026】
該ファイルAを該ファイルBに変換する工程が、下記の工程を含みうる。
i.該変換に参加する該電子デバイスXが、該ファイルAの該バージョンについての該情報I1を読み取り、該ファイルBを受け入れ可能な該バージョンについての該ファイルから情報A1を読み取り、及び該電子デバイスXが有する変換手段についての該情報A2を読み取ること、
ii.該電子デバイスXが、該ファイルAが該ファイルBに変換されるべき該ファイルBの該バージョンを決定すること、そして、
iii.該電子デバイスXが、該ファイルAをファイルBに変換すること。
【0027】
上記方法が、上記工程i)と上記工程ii)との間に、下記の工程を含みうる。
a)受け入れ可能でありうる各バージョンについて、上記選好度I2を計算する為に必要な値、特に、ファイルに含まれる様々なマルチメディア又は生体認証情報の解像度及びサイズ並びに様々な情報の表示に影響を与えうる、特に装飾しうる、情報の存在又は不存在、を推定すること、並びに、
b)受け入れ可能であるとみなされるバージョンが特定されるまで、好ましいと判断されたバージョンから開始して、受け入れ基準を計算する為に必要な値を計算すること。
【0028】
幾つかの例において、ファイルを変換する装置又はサーバは、ファイルに電子的に署名する為の手段を有し得、これは、例えば、ファイルのハッシュを計算すること、秘密鍵と公開鍵とのペアのうちの秘密鍵を介して該ハッシュを暗号化すること、又は、変形として、秘密にされている番号と一緒にされた、ファイルのハッシュを計算することを含み、ここで、ハッシュは秘密に保たれている使い捨て鍵によって暗号化され、及び秘密番号(secret number)及び該秘密鍵は依然として、装置、例えば署名をチェックするサーバ、によってアクセス可能である。
【0029】
該当する場合、上記装置又は上記サーバは、変換されるべきファイルに、ファイルの署名及びそれ自体の識別子、並びに該当する場合、署名を計算する為に使用された該秘密番号及び使い捨て鍵の識別子を有利に追加しうる。
【0030】
ファイルAをファイルBに変換する場合、該ファイルAの変換に関与する電子デバイスCは好ましくは、該ファイルAを運ぶもの、又は該ファイルBを運ぶ必要があるもの、又は中間電子デバイスであり、おそらくは例えば、転送を指示するデュアルリーダーDである。
【0031】
1つの例示的な実装において、この電子デバイスCは、上述されている通り、該ファイルAのバージョンについての情報I1、ファイルBに受け入れ可能なバージョンについてのファイルから情報A1、及びこの電子デバイスが有する変換手段についての情報A2を読み取りうる。
【0032】
1つの例において、該デバイスは、
1.受け入れ可能でありうる各バージョンについて、I2に書き込まれた選好度を計算する為に必要な値、例えば、ファイルに含まれる様々なマルチメディア又は生体認証情報の解像度及びサイズ、並びに、参照ファイルRを含むサーバSにおそらく問い合わせた後、様々な情報の提示を装飾しうる情報の存在又は不存在を推定する、ここで、該電子デバイスが情報を変換する為の何らの手段も有していない場合に、このことは、空白(blank)又は欠落情報(missing information)に変換されうる。サーバSが到達可能でない場合は、該サーバからの情報の抽出を必要としないバージョンのみが受け入れ可能として選択されうる;
2.受け入れ基準について必要な値、例えばファイルのサイズ及びファイルを使用する為に必要な様々なソフトウェア及びハードウェアのバージョン等、を計算する、好ましくは、受け入れ可能であるとみなされるバージョンが特定されるまで、好ましいものであると判断されたバージョンから開始して、受け入れ基準について必要な値を計算する;
3.ファイルAがそれに変換されるべきであるところのファイルBのバージョンを決定する;
4.該ファイルAを選択されたファイルBに変換する、ここで、この変換はおそらく、工程2又は3において接続された場合、サーバSに問い合わせが必要であり、及び該ファイルBを生成する為に選択されたバージョンは、電子デバイスCに対してまた利用できない情報であることを必要とする。
【0033】
代替として、上記の工程2及び3は一緒にされうる;二分法が、例えば、受け入れ可能なコーディングの最適な組み合わせを見つける為に使用される。受け入れ基準(A1)を満たし且つ選好度(I2)を最も満たす、コーディングと解像度との組み合わせを見つける為に、二分法が例えば上記の工程a)と工程b)との間で使用される。該選好度と該受け入れ基準の最初の計算が、例えば、該ファイルAの様々なデータの、それぞれの解像度及びコーディング値についての中間値、例えば中央値に最も近い値のうちの1つの値、を使用して行われ、そして次に、最後の結果が受け入れ可能である場合にはより高いか又は等しい中間値が使用され、そして、そうでない場合などには、実行されることができる更なる新しい計算がなくなるまで、より低いか又は等しい値が使用される。
【0034】
幾つかのマルチメディア又は生体認証情報の解像度が他の解像度よりも多かれ少なかれ重要であり、それ故に、多かれ少なかれ好ましい場合、該情報についての重要度はファイルI2に含まれうる。音楽ファイルを読み取るためのリーダーは例えば、関連付けられた任意の画像の品質よりもオーディオファイルの品質に対して選好度を与える。中間解像度の値を採用するのではなく、二分法を使用して、重要であると判断されたファイルについてのより良い解像度と、重要でないファイルについての最小の解像度とを達成することを可能にする極値を採用すること、そして次に、結果が受け入れ基準(A1)に従って受け入れ可能でない場合には重要なファイルの解像度を下げること、又は2番目に重要なファイルの最大許容解像度が見つかるまで次々と、最も重要でないファイルまで、重要度の低いファイルの解像度を上げることがまた可能である。
【0035】
該サーバが工程2と工程4との間に電子デバイスCから切断された場合、手順が該工程2から開始して繰り返されうるが、該サーバへの接続はない。
【0036】
接続されたありうる電子デバイスにおいて利用可能な、より良い変換機能から利益を得る為に、下記の場合が好ましい。
・上記の工程4で該電子デバイスによって計算されたファイルBのサイズは、該ファイルAのサイズよりも小さいサイズ、例えば20%超小さいサイズ、を有し、及び変換されたファイルBについての受け入れ可能なサイズはこれよりも大きく、例えば20%超である、及び
・該ファイルAは、別の電子デバイスDによって、例えば該ファイルAが配置されている電子デバイス、によって変換されることができる。このことが、該ファイルAを受け入れ可能なバージョンに変換する為に必要な手段を備えている場合において、結果として得られるファイルが、該電子デバイスCによって生成することができる変換されたファイルよりも好ましい場合に、この他の電子デバイスDは上述の工程1〜4を実行しうる。
【0037】
使用されるバージョンに関する情報は好ましくは、該ファイルが配置されている電子デバイスによって該ファイルが使用されることができるかどうかを示すフラグを含むであろう。具体的には、本発明の幾つかの例示的な実装態様において、ファイルは、別の電子デバイスにコピーされるか、又は該サーバへの接続に応じて更新されることができるとしても、このデバイスによって使用されることができずに、ファイルは電子デバイス上に存在しうる。任意のビデオ表示手段又は任意のオーディオリーダを備えていないデバイスは例えば、ビデオ、テキスト又はオーディオファイルを含むファイルを受け入れうる。
【0038】
1つの例示的な実装態様において、該サーバに接続された電子デバイスは、該電子デバイスがホストし及びオリジナルのファイルよりも品質劣るか又はオリジナルのファイルの日付D1とは異なる日付D1のいずれかを有する在りうるファイルを、サーバにおいて存在する上記のオリジナルのファイルから変換されたファイルに、好ましくは自動的に、置き換える。
【0039】
1以上の選考度基準I2
本発明の意味における選好度基準は例えば、様々な情報の品質についての評価等級の合計であり、各等級は、データの項目に固有の重要度係数(MP)によってそれぞれが重み付けされている。ファイルの品質の評価は、使用されるコーディングのタイプに応じた等級であり得、該等級は、そのサイズを掛け、テキスト、ビデオ又はオーディオファイルの場合には、上記のファイルによってコード化されたビデオのページ数又はサウンドの分(minutes)数で割った値である。
【0040】
選考度基準はまた、上記の追加要素に様々なデータを変換する為の評価時間に重み係数を掛けて、ファイルを変換する為におそらく必要である作業を考慮に入れうる。例えば、様々なタイプのオーディオコーディングが同等の品質であり、異なるが、全ての受け入れ可能である場合、最小の変換を必要とするコーディングは、本発明の1つの例示的な実装において、他のものよりも好ましい。
【0041】
ファイルのバージョンに関する情報I1
ファイルのバージョンに関する情報I1は例えば、下記の情報の全て又は幾つかを含む。
・バージョンの日付D1;
・メインファイルのコーディング:テキスト、htm、html、pdf等、及びそのサイズ;
・画像の解像度とそれらのコーディング(JPEG、TIF、TFF JPEG、PNG等);
・ビデオの解像度とそのコーディング(avi、mpg2、mpg4、wmv等);
・オーディオファイルの解像度とそのコーディング(VAV、FLAC、MP3等);
・他のファイルの解像度とそれらのコーディング(例えば、指紋ファイル、顔ファイル、及び他の生体認証プリントファイル、例えば声紋を包含する他の生体認証プリントファイル)。
【0042】
受け入れ可能なバージョン
受け入れ可能なバージョンに関する情報A1は例えば、下記の情報の全て又は幾つかを含む。
・ファイルの最大サイズ;
・メインファイルのコーディング:テキスト、htm、html、pdf等とその最大サイズ;
・画像の最大解像度とそれらのコーディング(JPEG、TIF、TIFF JPEG、PNG等)、並びに各ファイルの最大サイズ、及びメインファイルに関連付けられた画像ファイルの最大サイズ。
・ビデオの最大解像度とそれらのコーディング(avi、mpg2、mpg4、wmv等)、及び各ファイルの最大サイズ、及びメインファイルに関連付けられたビデオファイルの最大サイズ。
・オーディオファイルの最大解像度とそのコーディング(VAV、FLAC、FLAC、MP3等)、並びに各ファイルの最大サイズ、及びメインファイルに関連付けられたオーディオファイルの最大サイズ。
・他のファイルの解像度、それらのコーディング(例えば、指紋ファイル、顔ファイル、及び他の生体認証プリントファイル、例えば声紋を包含する生体認証プリントファイル)、並びに各ファイルの最大サイズ、及びメインファイルに関連付けられたこのタイプのファイルの最大サイズ。
・メインファイルそれ自体を含む、メインファイルに関連付けられた全てのファイルの最大サイズ。
【0043】
しかしながら、全てのファイルの最大サイズが設定されている場合は特に、ファイル又はファイルのグループの一部のサイズ又は解像度が制限されえない。
【0044】
最近のバージョン
サーバに接続された電子デバイスは、メインファイルについて、より新しいバージョンが存在しないかどうかをチェックしうる。より新しいバージョンが存在する場合、関連付けられたファイルの解像度は、特にファイル変換方法の上記の例で使用されている選好度及び受け入れ基準に沿って選択されうる。次に、該変換されたファイルは、該電子デバイスにコピーされうる。
【0045】
ありうる使用
本発明に従う方法は、なかんずく、下記の場合に実装されうる。
・従って、マルチメディアコンテントプロバイダーによって、マルチメディアコンテントを再生する電子デバイスの品質が向上する場合に、又はユーザがより高品質の電子デバイスを取得した後に、提供される写真、オーディオ録音若しくはビデオの品質を向上させることを可能にする、ここで、変更されたバージョンは、ファイルAのコンテンツが表示されること又は少なくとも1つの新しいコーディングタイプで使用されることを許す;
・使用されるファイル又はファイル形式が、該ファイルを読み取る為の該リーダーによって提供される新しい機能と一致することを保証する為に、特に、新しい機能、例えば新しい生体認証チェックを使用する可能性等、が表示される場合、次に、新しい形式が、新しいタイプの生体認証チェックを許すファイルをメインファイルに関連付ける可能性を提供する;
・ファイルの機能、特にドキュメントの機能、が変更される場合。例えば、クラブ会員カードは、施設にアクセスする為の電子キーに関連付けられうる。
【0046】
該方法は、上記の米国特許第10643198号明細書に記載されている通り、システム、特にデュアルリーダーを備えているシステム、に実装され得、電子文書の真正性を保証することを可能にする。これらのデバイスの技術的機能が異なる場合であってさえも、該デュアルリーダーは、ファイルを変換しうる、又は該デュアルリーダーに接続されているデバイス間で情報を交換しうる。該デュアルリーダーへの該デバイスの接続は、コネクタを介して、物理的に行うことも、bluetooth、Wi−Fi、又はNFCリンク等を介してワイヤレスで及びリモートで実行されうる。該デュアルリーダーはまた、有利には、サーバに接続することができる。
【0047】
本発明は、その非限定的な例示的な実装の以下の詳細な説明を読むこと及び添付された図面を考察することからよりよく理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は、本発明に従うシステムの一例の様々な要素を示す。
図2図2は、ファイルを変換する工程を示す。
図3図3は、ファイルを変更して新しい生体認証手段を追加する方法の使用の一例を示す。
図4図4は、ビデオファイルが転送される転送先のメディアに応じて、該ビデオデータの画像の鮮明度が変化する、ビデオファイルの販売方法の使用を示す。
図5図5は、更新されたファイルに変更可能な情報が含まれている場合の本発明の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、本発明に従う方法を実装する範囲内で更新の対象でありうるファイルAを有する電子デバイスXを概略的に示す。
【0050】
電子デバイスは、別の装置への又はサーバへの直接的な又は間接的な接続を介して更新することができる少なくとも1つのファイルを使用する任意の電子デバイス、特に任意の支払い手段又はアクセスフォブ、マルチメディア装置、接続された装置、特に、センサー、オーディオリーダ、ビデオリーダー、携帯電話、写真機器、カメラ、電子キー、接続された時計、接続されたヘッドセット、車両、コンピュータ等、を意味すると理解されるべきである。
【0051】
該電子デバイスは、プロセッサ、内部メモリ、ヒューマン/マシンインターフェース、リモート通信回路、例えば、RFID、Wi−Fi、Bluetooth、NFC、オプティカル(optical)等、及び/又はその環境に反応する1以上のセンサーを備えうる。
【0052】
該電子デバイスは好ましくは、情報を表示するための画面、特にタッチスクリーン、を有する。
【0053】
該電子デバイスは、それ自体の電力供給、特に充電式電池、を有する携帯型装置、例えばハンドヘルド装置、でありうる。
【0054】
2つの装置間の直接接続は、交換されたデータが別の装置を介して転送されない接続を意味する。間接接続とは、交換されたデータが別の装置を介して転送される接続を意味する。仕様が指定されていない場合、該接続は直接又は間接でありうることを考慮されるべきである。該直接接続はワイヤレスであってもよく又はワイヤレスでなくてもよい。
【0055】
該ファイルAは、なかんずく、下記の情報を含みうる。
・上記ファイルAのバージョンに関する情報I1、
・上記ファイルAの様々なありうるバージョンの選好度に関する情報I2、
・上記ファイルAの様々なバージョンに共通の、該ファイルAの識別子I3、
・上記ファイルAのバージョンの日付D1、
特にファイルAの使用中に、該デバイスのユーザによって変更できる情報M。
【0056】
該電子デバイスXは有利には、該電子デバイスXのレジスタの幾つかに配置された下記の情報をさらに含む。
・ファイルAの変換から結果として生じる1以上のファイルBの、該電子デバイスに受け入れられるバージョンに関する情報A1、
・変換されたファイルBを生成する為の、該デバイスXが有する変換手段に関する情報A2。
【0057】
このデバイスXは、リモート接続、例えば、該デバイスに対して外部のリーダーに含まれうる且つコンタクター(contactors)を介してインターネットに接続されうるところのモデムを介したインターネット接続、を介してサーバSと通信しうる。
【0058】
該サーバSは、必要に応じて、該ファイルAの少なくとも1つの、より新しいバージョンA’を含みうる。この場合、該ファイルAは、該ファイルA’で又は該ファイルA’から変換されたファイルBで置き換えられうる。
【0059】
図2は、本発明に従う変換方法の一例を実装する工程を示す。
【0060】
この図において、Cは、ファイルAを変換する電子デバイスを示す。
【0061】
これは、図1を参照して記載された、該ファイルAを含む電子デバイスX、又は該ファイルAが転送される電子デバイスYであり得、このファイルは例えば、例えば2つのデバイスが接続できるデュアルリーダーを介して又は2つのデバイス間の直接の物理的接続又はワイヤレス接続を介して、2つの間の物理的接続に続いて、デバイスXからデバイスYに転送される。該デバイスCはまた、上述されたデュアルリーダーでありうる。
【0062】
工程1において、該電子デバイスCは、該ファイルAのバージョンについての情報I1を読み取り、該ファイルBに受け入れ可能なバージョンについてのファイルAから情報A1を読み取る。該デバイスCは、変換を実行する為に該デバイスCが有する変換手段についての情報A2を読み取る。
【0063】
次に、該電子デバイスCは、工程2において、受け入れ可能でありうるファイルBの各バージョンについて、ファイルAではなく参照ファイルに基づく計算を行う為に、I2に書き込まれた選好度を計算する為に必要な値、例えば該ファイルA中に含まれる様々なマルチメディア又は生体情報の解像度、コーディング及びサイズ等、並びに参照ファイルRを含むサーバSにおそらく問い合わせた後、様々な情報の提示表示に影響を与えうる、特に修飾しうる、情報、例えばロゴ又は本のイラスト、の存在又は不存在を推定する。該電子デバイスCが情報を変換する為の何らの手段を有していない場合に、このことは、空白(blank)又は欠落情報(missing information)に変換されうる。
【0064】
工程3において、該電子デバイスCは、受け入れ基準について必要な値を計算する、好ましくは、受け入れ可能であるとみなされるバージョンが特定されるまで、好ましいものであると判断されたバージョンから開始して、受け入れ基準について必要な値を計算する。
【0065】
工程4において、該電子デバイスCは、工程5においてサーバからダウンロードされたファイルA又は該ファイルAのオリジナルをファイルBに変換する前に、選択されるべきファイルBのバージョンを決定する。
【0066】
図3は、個人のM1の指紋をチェックする為にファイルの変換に適用される方法の一例の工程を示す。従って、このファイルはまた、個人の顔がチェックされることを許しうる。
【0067】
該ファイルAは、少なくとも1人のユーザを識別する為の生体認証データを含み、及び、変更されたバージョンA’は、このユーザを他の生体認証データを用いて識別することを可能にする。
【0068】
この方法において、顔の生体認証登録を監督する認定を受けた人物の指紋Id2がファイルA’に含まれ、及びこの人物が個人の顔の登録を承認することができるように使用される。図面において、参照記号Id1、Id2及びF1は、それらが提供されるデータを表す場合は太字で記載され、及び情報の在りうる項目がそれらの中に含まれていない前記データ項目のレジスタがある場合は通常のフォントで記載されている。図面は、ユーザと、登録を監督する為に認定された人とをそれぞれ表す半身像の黒と白のアイコンを通して、個人からの必要な介入を示す。
【0069】
工程1において、個人M1は、電子デバイスにおける彼の指紋Id1に関する情報を所有している。
【0070】
工程2において、該個人は、顔の生体認証と互換性のある参照ファイルA’を有するサーバSに電子デバイスを接続する。それ故に、この新しいファイルは、ファイルBに変換された後に電子デバイス上に配置され、従って該ファイルBは、該ファイルAの、該電子デバイスと互換性のあるファイルBへの変換の好ましいバージョンである。該ファイルAに由来する個々のM1のフィンガープリントId1がそれに導入され、これらのデータは「交換可能」であり、すなわち、これらのデータは、実行される変換にかかわらず保持される。ファイルA’、及びそれ故にファイルBはまた、個人M1の顔写真(faceprint)のエントリを認定できる人物の指紋Id2を含む。
【0071】
工程3において、顔写真の取得を承認する資格のある人が、指紋をスキャンすることによって自分の存在を確認する。
【0072】
工程4において、自分の部分についての個人M1が指紋をスキャンすることによって自分の存在を確認し、そして次に、工程5におけるシステムを使用して自分自身の写真を撮る。次に、該システムは自分の顔写真F1を取得する。
【0073】
工程6において、個人は最後に自分の指紋をスキャンし、認定された人がまた工程7においてこれを再度実行する。このステップは、ユーザと認定者が、実行されたばかりの顔写真の入力を確認することを許す。
【0074】
図4は、本発明に従う方法を使用する別の例として、ビデオファイルの提供を示し、該ビデオファイルの画像の鮮明度は、該ビデオファイルが転送される媒体に応じて、好ましくは自動的に、変化しうる。
【0075】
工程1において、ユーザは、高解像度(HD:high-definition)ビデオファイルAをサーバSから彼のコンピュータによって形成されたデバイスYにダウンロードする。このファイルはまた、ビデオ中に含まれているフィルムの表示を表す画像を含む。
【0076】
工程2において、該ユーザは、このビデオファイルAを該ユーザの電話によって形成されたデバイスXに転送する。該デバイスXにおいて存在するファイルA1中の情報は、該デバイスXにおいて利用可能なメモリが該ファイルを受け入れることに十分ではないことを示し、該ファイルのサイズは、該ファイルAから抽出された情報I1中に書き込まれる。次に、該ファイルAは、該ファイルAが該デバイスXに転送されるときに、該デバイスXそれ自体によって標準のビデオコーディングを用いてファイルBに、好ましくは自動的に、変換される。
【0077】
工程3において、該ユーザは、該ファイルBを該ユーザの電話から該ユーザのコンピュータに再転送し、しかし該ビデオを提供したウェブサイトは今、同じビデオのHDバージョンとUHDバージョンとの両方を含むファイルに、UHD形式のビデオを含む。このファイルは例えば、読み取り能力を有する装置についてのHDファイル、例えば装置YのUHDファイル、を置き換えることができるのでサーバにおいてリストされている。該コンピュータにおいて該ファイルBを読み取る前に、該コンピュータは、該ファイルからの識別子I3及び情報I1並びに該コンピュータYからの情報A1を該サーバに送信することによって、該サーバに問い合わせる。該サーバは、該コンピュータと互換性のある超高解像度(UHD)バージョンのファイルを、該コンピュータのハードディスクにおいて十分な空き容量がある場合はHDバージョンとともに送信することによって応答する。
【0078】
図5は、更新されたファイルが変更可能な情報を含む場合に、本発明を実装する別の例を示す。
【0079】
工程1において、ユーザは、該ユーザの電子デバイスXをサーバ又は別の電子デバイスSに接続し、そして該ファイルAの識別子I3、情報I1及びその情報A1を該デバイスSに送信する。この例において、ファイルAが古く、該デバイスSにおいてこのファイルの最新の更新A’がある。特に、該デバイスSは、該ファイルA’が該ファイルAのより新しいバージョンであることがリストされているA’のレジスタS1を有する。
【0080】
工程2において、該電子デバイスXは、S上に存在する新しいファイルA’から変換されたファイルBを受信する。
【0081】
工程3において、該電子デバイスXは、該ファイルAに含まれる可変情報をコピーし、そして該可変情報をそのために予約された場所で新しいファイル中に挿入し、それによって新しいファイルBを生成する。代替として、工程2において、該デバイスSは、該ファイルBを該デバイスXに送信する前に、該交換可能な情報を該ファイルB内に挿入するように、例えば、該デバイスXが限定された計算手段を有する場合、交換可能な情報は、工程1において該デバイスSに送信されうる。
【0082】
言うまでもなく、本発明は今説明されている例に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】
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