【解決手段】改良されたヘッドセットが、ヘッドセットを装着者の頭部上で快適であるようにしっかりと位置合わせしながら、ヘッドセットの重量を選択的に分散させるために提供される。ヘッドセットは、1つ以上の柔軟性のあるアームと、ヘッドセットの重量を選択的に分散させ、ストラップまたはレバーの必要なく、ヘッドセットを装着者の頭部に固着させるためのフレームとを備える。柔軟性のあるアームは、ヘッドセットの重量を選択的に分散させるために、弾性体変形を通して、正常化力を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態は、保定力を提供し、ヘッドセットを装着者の頭部上に快適に固着された状態で保つための改良された装置を提供する。ヘッドセットは、1つ以上の柔軟性のある搭載アームを備え、ストラップまたはレバーの必要なく、ヘッドセットを装着者の頭部にしっかりと取り付けることを可能にする。柔軟性のある搭載アームは、正常化力を提供し、負荷を装着者の鼻梁から装着者の頭部の前額および他の面積に選択的に分散させる。柔軟性のある搭載アームは、負荷を頭蓋の最強構造部分に沿って選択的に分散させ得る。快適性は、柔軟性のある搭載アームのある点の近傍およびその周囲への負荷の均一または略均一の分散(すなわち、点負荷なし)および/または負荷の非均一分散等、種々の形態における負荷の選択的分散によって達成され得る。
【0009】
一実施形態では、ヘッドセットは、1つ以上の柔軟性のあるアームと、フレームとを含み、1つ以上の柔軟性のあるアームは、フレームに結合され、柔軟性のあるアームは、ヘッドセットの重量を選択的に分散させる。
【0010】
1つ以上の実施形態では、1つ以上の柔軟性のあるアームは、ヘッドセットの重量を均一に分散させ得る。1つ以上の柔軟性のあるアームはまた、ヘッドセットの重量を非均一に分散させ得る。1つ以上の柔軟性のあるアームはまた、同一のサイズおよび形状であってもよい。1つ以上の柔軟性のあるアームはまた、多軸上で調節可能であってもよい。1つ以上の柔軟性のあるアームはまた、水平平面に沿った種々の角度に沿って調節可能であってもよい。1つ以上の柔軟性のあるアームおよびフレームは、1つの単一本体として構築されてもよく、1つ以上の柔軟性のあるアームは、多軸上で調節可能であってもよい。
【0011】
1つ以上の実施形態では、ヘッドセットは、2つの上側の柔軟性のあるアームと、2つの柔軟性のあるアームと、1つのフレームとを含んでもよく、2つの上側の柔軟性のあるアームおよび2つの柔軟性のあるアームは、多軸上で調節可能である。1つ以上の柔軟性のあるアームは、コネクタによって継合されてもよく、スプールタイプばねを備える。1つ以上の柔軟性のあるアームは、上向き屈曲部を含んでもよい。ヘッドセットは、仮想現実または拡張現実ヘッドセットであってもよい。
【0012】
別の実施形態では、柔軟性のあるアームは、外壁と、内壁と、壁橋架部と、外壁、内壁、および壁橋架部を接続する複数のリブとを含んでもよく、外壁、内壁、壁橋架部、および複数のリブは、負荷を弾性体変形によって選択的に分散させる。
【0013】
1つ以上の実施形態では、柔軟性のあるアームは、単一本体であってもよい。柔軟性のあるアームは、同一材料から構築されてもよい。同一材料は、熱可塑性であってもよい。柔軟性のあるアームは、フレームに結合されると、多軸上で調節可能であってもよい。柔軟性のあるアームは、フレームに結合されると、垂直に調節可能であってもよい。柔軟性のあるアームは、フレームに結合されると、水平に調節可能であってもよい。
【0014】
1つ以上の実施形態では、複数のリブは、可変長であってもよい。複数のリブの各リブは、異なる細長比に対応してもよい。複数のリブはそれぞれ、異なる厚さであってもよい。複数のリブからのリブの厚さは、リブ全体を通して変動してもよい。複数のリブからの1つ以上のリブは、可変幅を有してもよい。
【0015】
1つ以上の実施形態では、外壁および複数のリブは、異なる材料から構築されてもよい。内壁は、圧縮下にあってもよく、外壁は、張力下にあってもよく、壁橋架部は、圧縮および張力下にあってもよく、複数のリブはそれぞれ、負荷が柔軟性のあるアームに適用されると、張力または圧縮のいずれか下にあってもよい。柔軟性のあるアームのアーム幅は、内壁に沿った異なる点において可変幅であってもよい。
【0016】
本明細書に説明および図示される個々の実施形態はそれぞれ、他のいくつかの実施形態のいずれかのコンポーネントおよび特徴から容易に分離される、またはそれと組み合わせられ得る、離散コンポーネントおよび特徴を有する。
【0017】
本開示の特徴、目的、および利点のさらなる詳細は、以下の詳細な説明、図面、および請求項に説明される。前述の発明の概要および後述の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的であって、本開示の範囲に関する限定であると意図されるものではない。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ヘッドセットであって、
1つ以上の柔軟性のあるアームと、
フレームであって、前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、前記フレームに結合されており、前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、前記ヘッドセットの重量を選択的に分散させる、フレームと
を備える、ヘッドセット。
(項目2)
前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、多軸上で調節可能である、項目1に記載のヘッドセット。
(項目3)
前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、水平平面に沿った種々の角度に沿って調節可能である、項目1または2のいずれかに記載のヘッドセット。
(項目4)
前記1つ以上の柔軟性のあるアームおよび前記フレームは、1つの単一本体として構築され、前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、多軸上で調節可能である、項目1−3のいずれかに記載のヘッドセット。
(項目5)
2つの上側の柔軟性のあるアームと、2つの柔軟性のあるアームと、1つのフレームとを備え、前記2つの上側の柔軟性のあるアームおよび前記2つの柔軟性のあるアームは、多軸上で調節可能である、項目1−4のいずれかに記載のヘッドセット。
(項目6)
前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、コネクタによって継合され、前記コネクタは、スプールタイプばねを備える、項目1−5のいずれかに記載のヘッドセット。
(項目7)
前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、上向き屈曲部を備える、項目1−6のいずれかに記載のヘッドセット。
(項目8)
前記ヘッドセットは、仮想現実または拡張現実ヘッドセットである、項目1−7のいずれかに記載のヘッドセット。
(項目9)
前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、同一のサイズおよび形状ではない、項目1−8のいずれかに記載のヘッドセット。
(項目10)
前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、同一のサイズおよび形状である、項目1−8のいずれかに記載のヘッドセット。
(項目11)
前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、前記ヘッドセットの重量を均一に分散させる、項目1−10のいずれかに記載のヘッドセット。
(項目12)
前記1つ以上の柔軟性のあるアームは、前記ヘッドセットの重量を非均一に分散させる、項目1−10のいずれかに記載のヘッドセット。
【発明を実施するための形態】
【0020】
種々の実施形態が、ここで、当業者が本開示を実践することを可能にするように、本開示の例証的実施例として提供される、図面を参照して詳細に説明されるであろう。着目すべきこととして、以下の図および実施例は、本開示の範囲を限定することを意味するものではない。本開示の特定の要素が、部分的または完全に、公知のコンポーネント(または方法またはプロセス)を使用して実装され得る場合、本開示の理解のために必要である、そのような公知のコンポーネント(または方法またはプロセス)の一部のみが、説明され、そのような公知のコンポーネント(または方法またはプロセス)の他の部分の詳細な説明は、本開示を曖昧にしないように、省略されるであろう。さらに、種々の実施形態は、例証として本明細書に参照されるコンポーネントの現在および将来的に公知の均等物を包括する。
【0021】
本明細書に開示される装置は、ストラップを使用せず、ヘッドセットを装着者の頭部にしっかりと取り付けながら、ヘッドセットからの重量を選択的に分散させることに対処する。これは、1つ以上の柔軟性のある搭載アームをヘッドセット上に添着させることによって達成可能であって、ヘッドセットは、装着者に、ウェアラブルコンピューティングヘッドセットを提供し、例えば、VRまたはAR体験と相互作用するために要求されるコンポーネントを備える。
【0022】
負荷の分散をいかにして選択的に調節するかに関して、多くの異なる基本原理が存在する。したがって、負荷を選択的に分散させることによって達成され得る、多くのタイプの結果が存在する。例えば、達成され得る、1つの結果は、負荷の均一または略均一の分散である。これまでの例は、負荷を選択的に分散させるための結果の唯一のタイプでは決してない。例えば、別のタイプの結果は、人物の頭部の形状に依存し得る。本状況では、負荷を柔軟性のあるアームに沿った特定の場所における特定の点負荷に分散させることが有益であり得、これは、単に、柔軟性のある搭載アームに沿って異なる点を正確に狙い、負荷を分散させることによって、特定のタイプの非均一負荷結果を達成し得る。
【0023】
図1A−1Dは、本開示のいくつかの実施形態による、ヘッドセットを頭部にしっかり位置合わせさせながら負荷を装着者の頭部に選択的に分散させるための例示的ヘッドセットの複数の図を図示する。
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、ヘッドセットを装着者の頭部にしっかりと位置合わせさせながら、負荷を装着者の頭部に選択的に分散させための例示的ヘッドセットの斜視図を図示し、
図1Bは、上面図を図示し、
図1Cは、側面図を図示し、
図1Dは、正面図を図示する。
【0024】
ヘッドセット100は、いくつかの実施形態による、負荷を装着者の頭部上に選択的に分散させるために採用される。ヘッドセット100は、依然として、ヘッドセットおよびそのコンポーネントを装着者の頭部にしっかりと位置合わせさせながら、本能力を提供し、重量を選択的に分散させる。
【0025】
ヘッドセット100は、柔軟性のあるアーム110と、フレーム140と、前額パッド150と、鼻梁160とを備える。柔軟性のあるアーム110は、柔軟性のある機構であって、柔軟性のあるアーム110は、弾性体変形を通して、入力された力を別の点に伝達する。いくつかの実施形態では、柔軟性のあるアーム110は、同一のサイズおよび形状であってもよい。いくつかの実施形態では、柔軟性のあるアーム110は、少なくとも部分的に、変形外形に基づいて、左側の柔軟性のあるアームと右側の柔軟性のあるアームとの間で可変のサイズおよび形状であってもよい。いくつかの実施形態では、柔軟性のあるアームは、スプールタイプばねを有する、コネクタによって継合されてもよく、スプールタイプばねは、柔軟性のあるアームおよびヘッドセットをユーザの頭部に締め付けるための圧縮力の代わりに、異なる頭部サイズのためのフィッティング調節のための圧縮力を提供する。そのような実施形態では、フレーム、柔軟性のあるアーム、およびコネクタは、ユーザの頭部の周囲に巻着する。本願のための実施例として、柔軟性のあるアーム110は、説明を容易にするために、同一形状およびサイズであると仮定されるであろう。しかしながら、当業者は、可変変形外形のため、柔軟性のあるアーム110が同一形状およびサイズではなくてもよいことを理解する。
【0026】
フレーム140は、人物の眼の正面においてフレーム140に添着される特定のコンポーネントを保持する構造である。フレーム140は、VR/ARコンポーネント、例えば、センサ、カメラ、電子コンポーネント等を備えてもよい。フレーム140はまた、前額パッド150と、鼻梁160とを備える。フレーム140は、耳上に静置し、ヘッドセットが、ヘッドセットの重量の一部を耳上に伝達することを可能にする、つるを含んでもよい。フレーム140はまた、弾性特徴、例えば、可撓性点130を有し、フレーム140のつるアームを装着者の頭部の側面にしっかりと位置合わせさせ、装着者の頭部の側面上へのヘッドセット100の重量のある程度の伝達を提供してもよい。可撓性点130は、例えば、そのつるアームとその眼鏡フレームとの間にヒンジを伴わない、一対のラップアラウンド式サングラス等、適用される力に応じて屈曲および屈曲解除するように設計される、事前に形成された可撓性部材であってもよい。いくつかの実施形態では(図には図示せず)、柔軟性のあるつるは、ヘッドセットの重量の選択的分散を装着者の頭部の係留点/骨に向かって提供するために使用され得る、柔軟性のあるアームに加え、装着者の頭部の側面に沿ってヘッドセットの重量の均一分散を提供するために使用されてもよい。
【0027】
本開示のいくつかの実施形態では(
図1A−1Dに描写されるように)、2つ以上の柔軟性のあるアーム110が、1つのフレーム140に結合されてもよい。本議論の目的のために、例えば、2つの柔軟性のあるアーム110と、1つのフレーム140とを備える、ヘッドセット100が、さらに説明されるであろう。
【0028】
いくつかの実施形態では、1つのみの前額パッド150が、存在してもよい。他の実施形態では(
図1A−1Bに示されるように)、1つ以上の前額パッド150が、存在してもよい。前額パッド150は、ヘッドセット100を装着者の頭部の背面に向かって引動させる反力が存在すると、ヘッドセット100の重量の一部を取り除き得る、例えば、柔軟性のあるアーム110が、選択的分散力を装着者の頭部上にもたらすと、反作用力が、装着者の前額に対して前額パッド150上に存在し得る。
【0029】
柔軟性のあるアーム110は、フレーム140に結合されると、多軸(例えば、垂直平面および/または水平平面)上で調節可能であってもよい。例えば、柔軟性のあるアーム110は、水平平面(アームがフレームに接続される状態に対する平面)に沿った種々の調節可能角度180に沿って調節可能であって、柔軟性のあるアーム110が、装着者の頭部に特定の角度において接触することを可能にし得、これは、大部分の頭部サイズおよび形状のために好適であり得る、または
図1Aおよび1Bに示されるように、特定の変形外形に起因して要求され得る。下側の柔軟性のあるアームを調節可能角度180に沿って調節する能力は、初期フィットを設定する装着者の柔軟性を可能にする。初期フィットのための調節可能角度180の設定は、柔軟性のあるアーム110の定位置へのスナップ留め、ばね荷重された戻り止め、特徴内のねじ、他の機構、または柔軟性のあるアーム110の調節可能角度180を調節する柔軟性のある機構の二次セットによるものであってもよい。柔軟性のあるアーム110はまた、いったんヘッドセット100が装着者の頭部上に適用されると、同一水平平面に沿って変位または歪曲されてもよい。水平平面に沿った本変位または歪曲は、柔軟性のあるアームが、その可撓性構造に沿った点負荷を装着者の頭部に選択的に分散させることを可能にし、これは、ひいては、反力を前額パッド150にもたらし、ヘッドセットからの重量を装着者の鼻梁から装着者の頭部の他の面積に再分散させる。
【0030】
いくつかの実施形態では、柔軟性のあるアーム110は、柔軟性のあるアーム110が水平軸を中心として垂直平面において調節可能であり得るように、水平軸等の別の軸に沿って調節可能であってもよい。柔軟性のあるアーム110は、
図1Cに示されるように、垂直平面(アームがフレームに結合される状態に対する平面)に沿った種々の調節可能角度190に沿って調節可能であってもよい。柔軟性のあるアーム110を種々の調節可能角度190に沿って調節する能力は、いくつかの実施形態によると、重要であり得る。例えば、ヘッドセット100からの重量の大部分は、装着者の鼻梁および耳から柔軟性のあるアーム110および前額パッド150に選択的に分散される必要があり得る。本状況では、柔軟性のあるアーム110を垂直平面に沿った調節可能角度190に沿って種々の角度によって調節可能であって、さらに、柔軟性のあるアーム110が、ヘッドセット100からの重量を選択的に分散させることを可能にすることが有益であり得る。当業者は、本実施例が、重量の大部分がヘッドセットの正面に向かうヘッドセットを開示するが、同一概念が、例えば、ヘッドセットの正面、中心、または背面に向かうかどうかにかかわらず、負荷集中がヘッドセット上で生じ得る度に、負荷を選択的に分散させるように柔軟性のあるアームを設計するためにも使用されることができることを理解する。
【0031】
図1E−1Fは、それぞれ、本開示のいくつかの実施形態による、ヘッドセットを頭部にしっかりと位置合わせさせながら負荷を装着者の頭部に選択的に分散させるための代替の例示的ヘッドセットの斜視および側面図を図示する。
【0032】
図1E−1Fに示されるように、ヘッドセット100aは、
図1A−1Dに説明されるヘッドセット100の類似実施形態である。ヘッドセット100aは、上側の柔軟性のあるアーム120を備える。上側の柔軟性のあるアーム120は、柔軟性のあるアーム110等の柔軟性のある機構である。上側の柔軟性のあるアーム120は、装着者の頭部上へのヘッドセットの重量の付加的な選択的分散を提供し得る。いくつかの実施形態では、ヘッドセット100aは、1つ以上のフレームアダプタ130を備える。
【0033】
フレームアダプタ130は、柔軟性のあるアームをフレーム140に結合する、アダプタである。いくつかの実施形態では、柔軟性のあるアーム110のみが、フレームアダプタ130に結合される。他の実施形態では、柔軟性のあるアーム110および上側の柔軟性のあるアーム120は両方とも、フレームアダプタ130に結合される。他の実施形態では、柔軟性のあるアーム110および複数の上側の柔軟性のあるアーム120が、フレームアダプタ130に結合される。さらに他の実施形態では、柔軟性のあるアームおよびフレームアダプタ130は、単一部品/本体として構築されてもよい。上側の柔軟性のあるアーム120および/または柔軟性のあるアーム110がフレームアダプタ130に結合される場合、柔軟性のあるアームは、単に、いくつか開示すると、例えば、ボルトオンアーム、スナップオンアーム、回転可能スナップフィットアーム、ラチェット特徴、および延在可能アーム搭載部または中心コンポーネント等、異なるタイプの取付を使用して、フレームアダプタに結合されてもよい。当業者は、柔軟性のあるアームをフレームアダプタ130に結合するための他のタイプの取付も存在し得ることを理解する。
【0034】
フレームアダプタ130は、例えば、フレームアダプタ130をフレーム140のつるアーム上に摺動またはスナップ留めする等、種々の技法を使用して、フレーム140上に堅く取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、柔軟性のあるアームを有するフレームアダプタ130およびフレーム140は、単一部品であってもよい。他の実施形態では、フレームアダプタ130は、フレーム140に沿って調節可能であって、異なる装着者の種々の頭部サイズおよび形状に対応してもよい。当業者は、フレームアダプタ130をフレーム140に取り付けるための多くの他の方法が存在することを理解する。
【0035】
上側の柔軟性のあるアーム120は、フレーム140またはフレームアダプタ130に結合されると、多軸(例えば、アームがフレームに結合される状態に対する垂直平面および/または水平平面)上で調節可能であってもよい。上側の柔軟性のあるアーム120は、水平平面(例えば、アームがフレームに結合される状態に対する平面)に沿った種々の調節可能角度170に沿って調節可能であって、上側の柔軟性のあるアームが、装着者の頭部に特定の角度において接触することを可能にし得、これは、大部分の頭部サイズおよび形状のために好適であり得る、または特定の変形外形に起因して要求され得る。上側の柔軟性のあるアームを調節可能角度170に沿って調節する能力は、初期フィットを設定する装着者の柔軟性を可能にする。初期フィットのための調節可能角度170の設定は、上側の柔軟性のあるアーム120の定位置へのスナップ留め、ばね荷重された戻り止め、特徴内のねじ、他の機構、または上側の柔軟性のあるアーム120の調節可能角度170を調節する柔軟性のある機構の二次セットによるものであってもよい。柔軟性のあるアームはまた、いったんヘッドセット100aが装着者の頭部上に適用されると、調節可能角度170と同一の垂直平面に沿って変位または歪曲されてもよい。いくつかの実施形態では、調節可能角度170に沿った力または重量の本変位または歪曲が、柔軟性のあるアームがその可撓性構造に沿った点負荷を装着者の頭部に選択的に分散させることを可能にする。
【0036】
いくつかの実施形態では、上側の柔軟性のあるアーム120は、フレーム140またはフレームアダプタ130に結合されると、多軸(例えば、アームがフレームに結合される状態に対する垂直平面および/または水平平面)上で調節可能であってもよい。例えば、上側の柔軟性のあるアーム120は、
図1Fに示されるように、垂直平面に沿った調節可能角度195に沿って調節可能であってもよい。上側の柔軟性のあるアーム120を調節可能角度195に沿って調節する能力は、上側の柔軟性のあるアーム120と装着者の頭部との間の特定の接触角度を維持し、上側の柔軟性のあるアーム120の特定の縁を装着者の頭部と直接接触させることを回避するために、フレームアダプタ130がフレーム140に対して前方または後方に調節可能である場合、重要であり得る。さらに、上側の柔軟性のあるアーム120を調節可能角度195に沿って調節する能力はまた、上側の柔軟性のあるアーム120から装着者の頭部への重量の分散の均一性を改良することに役立ち得る。
【0037】
図1E−1Fにおけるヘッドセット100aは、
図1A−1Dに示されるヘッドセット100からの2つのバリエーションを含有する。2つのバリエーションは、フレームアダプタ130と、上側の柔軟性のあるアーム120とである。2つの付加的変形(例えば、フレームアダプタ130および上側の柔軟性のあるアーム120)は、ヘッドセット100の独立のバリエーションである。ヘッドセット100は、独立して動作してもよく、フレームアダプタ130および/または上側の柔軟性のあるアーム120を有する必要はない。ヘッドセット100aは、ヘッドセット100がいかにして構成され得るかの代替の実施例を説明する。
【0038】
柔軟性のある機構は、弾性本体を通して入力された力または変位を別の点に伝達する、可撓性機構である。柔軟性のある機構は、変形を通してその弾性本体の所定の部分を選択的に横断して入力された力を伝達するように設計されることができる。柔軟性のある機構は、弾性である。柔軟性のある機構は、可動継目からではなく、可撓性部材の偏向から、その可動性の少なくとも一部を得る。柔軟性のある機構は、可撓性部材の偏向に依拠するため、エネルギーは、歪みエネルギーの形態で可撓性部材内に貯蔵される。本貯蔵されたエネルギーは、偏向ばね内のポテンシャルエネルギーに類似し、ばねの効果は、柔軟性のある機構設計の中に統合され、印加される負荷を分散させ得る。これは、後にまたは異なる様式で解放されるためのエネルギーを容易に貯蔵および/または変換するために使用されることができる。弓矢システムは、これの単純実施例である。エネルギーが、射手が弓を引くにつれてリム内に貯蔵される。本ポテンシャルエネルギーは、次いで、矢の運動エネルギーに変換される。これらのエネルギー貯蔵特性はまた、具体的力偏向性質を設計する、または機構を特定の位置に向かわせるために使用されてもよい。
【0039】
柔軟性のある機構は、具体的には、弾性体変形を通して機構の1つの点における入力された力または変位を別の点に伝達するように設計される。柔軟性のある機構は、変形外形および細長比に基づいて設計されてもよい。
【0040】
変形外形は、事前に規定された負荷が印加された後、物体によって取得される幾何学形状である。いくつかの実施形態に関して、変形外形は、装着者の頭部の外形または幾何学形状または輪郭に可能な限り近似して合致するものであってもよい。加えて、柔軟性のある機構の固定位置に適用される点負荷は、少なくとも部分的に、変形外形に基づいて、弾性体変形を通して柔軟性のある機構を横断して負荷を非均一または均一/略均一に分散させるように設計されてもよい。例えば、柔軟性のある搭載アームの変形外形は、柔軟性のあるアームを装着者の頭部の輪郭に沿って変形させ、アームを横断して、かつ装着者の頭部上において、点負荷の正常化負荷を選択的に分散させるように設計されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態(非均一分散)では、柔軟性のあるアームの変形は、負荷の点負荷を柔軟性のあるアーム上の特定のピンポイントの場所に分散させ、負荷を点負荷として装着者の頭部上の係留点/骨に非均一に分散させてもよい。係留点/骨は、不快感なく負荷に耐え得る、強固な骨構造、例えば、後頭骨、側頭骨、乳様/茎状突起、および頭頂骨に沿った隆起であってもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、柔軟性のあるアームの変形(均一/略均一分散)は、装着者の頭部の周囲に巻着し、正常化力を装着者の頭部上に均一/略均一に分散させ得る。柔軟性のある機構に関して、柔軟性のある機構の設計は、柔軟性のある機構全体の弾性体変形を介して、単一点負荷の変換を可能にし得る。これは、単一点負荷が、単に、別の単一点負荷として伝達されず、代わりに、柔軟性のある機構本体の複数の点を横断して可能な限り均一に分散されるように所望され得る。
【0043】
当業者は、柔軟性のある機構が、負荷を均一または非均一のいずれかで分散させるように設計されることができることを理解する。いくつかの実施形態では、柔軟性のある機構は、両タイプの負荷分散結果を達成するように設計されてもよく、柔軟性のあるアームの特定の部分は、負荷の一部を均一に分散させるように設計されてもよい一方、柔軟性のあるアームの他の部分は、負荷の一部を係留点/骨に非均一に分散させるように設計されてもよい。
【0044】
柔軟性のあるアームの実施形態は、
図2A−2Dに関して議論されるであろう。
【0045】
図2A−2Dは、本開示のいくつかの実施形態による、柔軟性のあるアームの実施例の複数の図を図示する。
図2Aは、柔軟性のあるアームの斜視図を図示し、
図2Bは、上面図を図示し、
図2Cは、底面図を図示し、
図2Dは、側面図を図示する。
【0046】
柔軟性のあるアーム200は、弾性体変形を通して点負荷を柔軟性のあるアーム200の他の点に選択的に分散させるように設計される、柔軟性のある機構である。
図1A−1Dに議論されるように、柔軟性のあるアーム200は、柔軟性のあるアーム110であってもよい。
【0047】
外壁210は、装着者の頭部に直接接触しない、柔軟性のあるアーム200の外壁である。外壁210は、構造強度を伴う、可撓性部材である。外壁210は、柔軟性のあるアーム200に導入される力に応じて、圧縮または張力下にあってもよい。内壁220は、装着者の頭部と直接接触する、柔軟性のあるアーム200の部分である。内壁220は、ある程度の構造強度を伴う、可撓性部材である。内壁220は、柔軟性のあるアーム200に導入される力に応じて、圧縮または張力下にあってもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、リブ230は、構造剛性を伴う、可撓性部材である。いくつかの実施形態では、リブ230は、リブ230の両端において外壁210および内壁220に係留される。負荷が、可撓性リブ230を伴う柔軟性のあるアーム200に印加されるにつれて、可撓性リブ230は、その特定の細長比および弾性率に従って変形し、それによって、柔軟性のあるアーム200内の所与のリブ230の場所に伴って負荷の量を分散させる。
【0049】
いくつかの実施形態では、リブ230は、剛性であって、柔軟性のあるアーム200への負荷の印加下では、変形しない、すなわち、内壁220および外壁220は、変形するが、リブ230は、変形せず、代わりに、印加される負荷に応答した硬い本体の回転によって、その配向を偏移させる。そのような実施形態では、リブ230は、リブ230の両端を外壁210および内壁220に結合するヒンジ(描写せず)を通して、外壁210と内壁220との間の配向を調節する。負荷は、したがって、そのような硬い本体回転下、剛性リブ230の方向に、かつそのベクトル配向に比例して、柔軟性のあるアーム200に沿って分散される。
【0050】
柔軟性のあるアーム200は、1つ以上のリブ230を有し、所望の変形外形を達成してもよい。リブ厚290は、特定のリブ230の厚さである。リブ長295は、特定のリブ230の長さである。リブ230は、所望の細長比に応じて、可変長および/または可変厚であってもよい。
【0051】
細長比は、柱長とその断面の最小回転半径の比率である。これは、設計負荷を見出すため、かつ種々の柱を短/中/長に分類する際に広範に使用されている。いくつかの実施形態では、各リブは、その独自の細長比を有し、負荷の非均一分散を生み出してもよい。いくつかの実施形態では、複数のリブに適用され、負荷のより均一/略均一分散を生み出すための一定細長比が、存在してもよい。したがって、細長比は、柔軟性のあるアーム200への入力負荷を前提とした、リブ230に対する撓曲の相対的量に関する定量可能メトリックである。
【0052】
リブが長いほど、類似のより短いリブよりも可撓性を有するであろう。いくつかの実施形態では、リブは、その長さ295全体を通して可変厚290を有し、所望の変形外形を達成してもよい。例えば、リブ230の基部(内壁への接続)は、リブ230の上部(外壁への接続)を上回るまたは下回る厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、リブ230の基部およびリブ230の上部は、リブの長さの残りを上回るリブ厚290を有し、リブが壁に衝合する場所における応力集中を回避してもよい。そのような実施形態では、これは、リブが内壁220と外壁210との間の相対的変形をもたらすように撓曲することが意味されるため、望ましい。リブ230はまた、内壁220および装着者の頭部に沿った負荷の均一分散の大部分を達成するように、標的変形外形に応じて、別のリブ230との間で可変に離間されてもよい。柔軟性のあるアーム200上への負荷の印加の間、リブ230のうちの1つ以上のものは、圧縮または張力下にあってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のリブ230は、圧縮下にあってもよい一方、同一の柔軟性のあるアーム200内の1つ以上の他のリブ230は、張力下にあってもよい。1つ以上のリブ230は、内壁220に垂直に接続され、装着者の頭部に合致するように輪郭線を維持してもよい。リブ230の長さ、リブ間の間隔、およびリブ230のリブ厚290は、所望の変形外形を達成し、負荷を選択的に分散させるように修正され得る、変数である。
【0053】
壁橋架部240は、搭載孔250と最も反対側にある最後のリブである。いくつかの実施形態では、壁橋架部240は、リブ230より剛性であって、装着者の頭部上の係留点/骨に一致する追加強度を提供してもよい。係留点は、強固な骨、例えば、後頭骨、側頭骨、乳様/茎状突起、および頭頂骨に沿った隆起である。壁橋架部240のより高い相対的剛性は、入力された力に曝されると、外壁210および内壁220が所与の点において相補的な張力および圧縮を有することを確実にする。搭載孔250は、柔軟性のあるアーム200をフレーム(
図1A−1D参照)に取り付けるための任意の搭載孔である。
【0054】
いくつかの実施形態では、搭載孔250は、例えば、柔軟性のあるアーム200およびフレーム140が単一部品であり得るとき等、存在しなくてもよい。他の実施形態では、搭載孔250は、搭載孔ではなく、代わりに、例えば、ボールおよびソケット、取付部上のスナップ等の代替搭載構造であってもよい。いくつかの実施形態では、搭載孔250は、全く搭載孔ではなく、代わりに、搭載構造であってもよい。例えば、搭載構造は、ボールおよびソケット構造であってもよく、搭載孔250は、ボールおよびソケット取付構造内のボールであってもよい。
【0055】
したがって、搭載孔250は、柔軟性のあるアーム200の説明の目的のための任意の搭載孔である。
【0056】
いくつかの実施形態では、
図2Bに関する搭載孔250の直上のリブである、第1のリブ230は、柔軟性のあるアーム200内のリブのすべてのうちで最も厚く、最も長く、かつ最も可撓性ではなくてもよい。本第1のリブ230は、柔軟性のあるアーム200構造の残りに対して可変反作用力を提供する。第1のリブ230が、薄く、かつ非常に可撓性であって、上向き力が壁橋架部に適用される場合、柔軟性のあるアーム200全体が、搭載孔250の点にわたって回転し得、第1のリブは、完全に圧縮され、したがって、柔軟性のあるアーム200が装着者の頭部の輪郭に対して変形しないように、搭載孔にわたる柔軟性のあるアーム200の潜在的回転をもたらし、構造を変形させるであろう。しかしながら、第1のリブが、幾分、剛性である場合、アーム全体が、搭載孔にわたって回転せず、代わりに、反作用力を柔軟性のあるアーム200の残りにもたらし、柔軟性のあるアーム構造を横断して負荷を再分散させ、例えば、他のリブ、外壁、内壁、および壁橋架部等の他のコンポーネントを変形させ、内壁を横断して、かつ装着者の頭部上に均一に、単一点負荷に対する反作用力を分散させながら、柔軟性のあるアーム200を装着者の頭部の輪郭の周囲に巻着させる所望の変形外形を達成するであろう。
【0057】
いくつかの実施形態では、リブ230の各々に対して一定の細長比は、リブの制御される座屈/屈曲を通して、柔軟性のあるアーム200を横断して比較的に均一な力を維持し、内壁220および外壁210の相対的運動を駆動し得る。例えば、リブが、可変長および可変厚さを有し得る場合でも、それらは、負荷の均一分散を支持するように設計されてもよい。他の実施形態では、任意の1つのリブにおける可変細長比を用いて、力の分散は、非均一であってもよい。例えば、前のリブが、後のリブより高い細長比を有する場合(前のリブは、ヘッドセット100の正面により近いリブであって、後のリブは、ヘッドセット100の背面により近いリブである)、前のリブは、より低い細長比を伴って、後のリブより変形し、したがって、実施例として、壁橋架部240に向かって端部上により多くの力を分散させるであろう。さらに、壁橋架部240は、非均一に分散された負荷を点負荷として装着者の頭部上の係留点/骨に印加してもよく、その場合、均一に分散された負荷を係留点/骨ではない装着者の頭部に沿って印加するより有利であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、隣接するリブに対して可変の細長比は、印加される力がユーザの解剖学的構造上の所望の点に分散され得るため、複数のリブを横断して共通の細長比を使用するよりも快適性を提供し、負荷の均一分散を生み出し得る。例えば、柔軟性のあるアームの正面に向かった前のリブが、より高い細長比を有し、柔軟性のあるアームの後方に向かった各連続リブが、前のリブに対して減少細長比を有する場合、印加される負荷は、柔軟性のあるアームの後方に向かってより局在化されるであろう。当業者は、印加される負荷を柔軟性のあるアームの両端に向かって分散させるために、前および後のリブにおける比較的により低い細長比を伴う中心リブにおける高細長比等、種々の細長比を伴うリブを配列する多くの代替構成を理解するであろう(例えば、ヘッドセットの使用では、そのような分散は、負荷を、それぞれ、つるまたは後頭骨に向かって指向するであろう)。
【0058】
図2Dは、本開示のいくつかの実施形態による、柔軟性のあるアーム200の側面図を図示する。アーム幅260は、柔軟性のあるアーム200の幅である。いくつかの実施形態では、アーム幅260は、
図2D上に示されるように、均一幅であってもよい。他の実施形態では、アーム幅260は、内壁220および/または外壁210に沿った種々の点において可変幅であって、種々の変形外形または異なる形状の柔軟性のあるアームに対処してもよい。そのような実施形態では、リブ230の幅は、可変幅であって、内壁220および/または外壁210の可変幅に対応してもよい。他の実施形態では、リブ230の幅は、リブ230の長さに沿って可変幅であってもよい。柔軟性のあるアーム200内の種々のコンポーネントに関する幅サイズのバリエーションは、特定の変形外形のために柔軟性のあるアームを設計する時に考慮される要因であり得、リブ230の幅サイズのバリエーションは、細長比を決定する際に考慮するための変数であり得る。
【0059】
上側の柔軟性のあるアーム120(
図1E−1F参照)が利用される、いくつかの実施形態では、上側縁270は、装着者の頭部の正面部分に最も近い柔軟性のあるアーム200の縁である。柔軟性のあるアーム110に関して、上側縁270は、頭部の上部に向かう柔軟性のあるアーム200の縁である。上側の柔軟性のあるアーム120に関して、下側縁280は、人物の頭部の正面部分から最も遠い、例えば、頭部の背面に向かった、柔軟性のあるアーム200の縁である。柔軟性のあるアーム110に関して、下側縁280は、頭部の底部に向かう柔軟性のあるアーム200の縁である。
【0060】
入力された力に基づく、外壁210、内壁220、リブ230、および壁橋架部240間の相互作用は、柔軟性のあるアーム200構造全体を通して入力された力の再分散を生み出すであろう。柔軟性のあるアーム上に伝達される入力された力の再分散および装着者の頭部に選択的に分散される方法は、少なくとも、変形外形および細長比に依存する。さらに、変形外形および細長比に基づいて、柔軟性のあるアーム200内のコンポーネントの材料は、可変であってもよい。いくつかの実施形態では、柔軟性のあるアーム200内のコンポーネントは全て、同一材料、例えば、熱硬化性材、熱可塑性材、金属、および複合物から作製される。いくつかの実施形態では、柔軟性のあるアーム200内のコンポーネントは、単に、いくつか挙げると、異なる材料、例えば、熱硬化性材、熱可塑性材、金属、および複合物から構築されてもよい。いくつかの実施形態では、外壁210の材料は、例えば、非常に弾性のプラスチック材料から構築されてもよい一方、壁橋架部240の材料は、可撓性金属から構築されてもよく、リブ230は、外壁210ほど可撓性ではないが、複合物から作製される内壁220を伴う壁橋架部240より可撓性を伴う、さらに別のプラスチック材料から構築されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリブ230は、同一の柔軟性のあるアーム200内に可変長を有し、特定の変形外形を達成し、負荷を選択的に分散させてもよい。さらに、各リブ230間の間隔もまた、変動され、所望の変形外形を達成し、負荷を選択的に分散させてもよい。リブ厚290はまた、所望の変形外形を達成し、負荷を選択的に分散させる要因であり得る。加えて、リブ幅もまた、所望の変形外形を達成する要因であり得る。柔軟性のあるアーム200内の他のコンポーネントと同様に、リブ230は、所望の変形外形に応じて、種々の材料から構築され、負荷を選択的に分散させてもよい。当業者は、柔軟性のあるアーム200の形状およびサイズが、単に、いくつか挙げると、柔軟性のあるアーム200の材料、リブ長295、リブ厚290、リブ幅、リブ230の間隔、リブ230の数、内壁220および外壁210の材料および厚さ、外壁210および内壁220のアーム幅260、および/または壁橋架部240の堅度に応じて、可変であってもよいことを理解する。
【0062】
柔軟性のある搭載アームは、1つ以上の柔軟性のあるアームを有する、受動的柔軟性のある機構であって、少なくとも部分的に、変形外形および細長比に基づいて、ヘッドセットの重量を選択的に再分散させる。受動的機構は、システムを意図的に作動させない、機構である。したがって、柔軟性のある機構は、人物が柔軟性のあるアームを伴うヘッドセットをその頭部上に設置する時に生じる力によって作動される(弾性体変形)。
【0063】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、柔軟性のあるアームが変形し、負荷を均一に分散させる方法の実施例を図示する。柔軟性のあるアーム200の静置状態が、柔軟性のあるアーム310として描写される。柔軟性のあるアーム310は、上側の柔軟性のあるアーム120または柔軟性のあるアーム110のうちの1つのアームであってもよい。本実施例の目的のために、柔軟性のあるアーム310は、上側の柔軟性のあるアーム120(
図1E−1F)である。一実施形態では、点負荷320(例えば、ヘッドセットの重量から)に応答した柔軟性のあるアーム310の変形状態は、点線として描写され、点負荷320の結果としてのサンプル弾性体変形を図示する。柔軟性のあるアーム310の変形状態のコンポーネントはそれぞれさらに、参照番号340およびそれ以上として開示および説明される。点負荷320は、ヘッドセット、例えば、VR/ARコンポーネントが装填されたフレーム140の重量の結果として生成され得る。反力330は、柔軟性のあるアーム310の弾性体変形の結果として生成された均一に分散された力である。反力330を描写するより小さい矢印は、類似長さであって、装着者の頭部に対する内壁350の負荷の均一性/略均一性を図示する。本特定の実施例では、内壁350は、圧縮下にあって、外壁370は、張力下にあって、リブ360、362、および364は、リブの座屈形状によって示されるように、圧縮下にある。第1のリブ340は、依然として、直線であって、点負荷320とほぼ真逆方向にあるため、張力下にある。壁橋架部380は、変形し、装着者の頭部の周囲に巻着するため、圧縮および張力の両方下にある。当業者は、柔軟性のあるアーム310に沿った力の均一分散に関連した可変弾性変形度が、異なる材料を使用し、可変長リブを有し、リブの可変間隔を有し、リブの可変厚を有し、リブ、上側壁、下側壁、および壁橋架部の可変幅を有することによって、可変し得ることを理解する。当業者は、柔軟性のあるアーム310が、負荷320を壁橋架部380に向かって選択的に分散させ、非均一に分散された負荷を係留点/骨(
図3には図示せず)に印加することによって、弾性体変形を通して重量を選択的に分散させるように設計されてもよいことを理解する。
【0064】
いくつかの実施形態では、柔軟性のあるアーム310は、
図2A−2Cに示されるように、4つのリブを備えてもよい。他の実施形態では、柔軟性のあるアーム310は、2つ以上のリブを備えてもよい。柔軟性のあるアーム310内のリブの数は、所望の変形外形に依存する。より多くのリブは、柔軟性のあるアームに沿ってより均一に分散された力を可能にし得る一方、より少ないリブは、柔軟性のあるアームに沿って力のより選択的な局在化を可能にし得る。しかしながら、リブの数はまた、外壁および内壁の長さにも同様に依存し得る。
【0065】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、柔軟性のある搭載アームを使用することによって装着者の頭部上のヘッドセットの重量が選択的に分散され得る方法の実施例を図示する。
図4における矢印は、いくつかの実施形態による、ヘッドセット400の重量の一般的方向および柔軟性のある搭載アームを使用した力分散の方向を図示する。いくつかの実施形態では、ヘッドセット410の重量の大部分は、ヘッドセットの装着者に仮想現実/AR体験を提供するために前述のように要求される付加的コンポーネントのため、ヘッドセットの正面に向かって位置する。
【0066】
重量410は、ヘッドセットの重量の大部分を装着者の鼻梁上にかける、下向き力を有する。ヘッドセット410の重量は、付加的VR/ARコンポーネント(
図4には図示せず)の重量のため、重い。しかしながら、柔軟性のあるアームによってもたらされる反作用力は、力の大部分を装着者の鼻梁から装着者の頭部上の他の面積、例えば、前額および頭部上の係留点/骨、例えば、後頭骨、側頭骨、乳様/茎状突起、および頭頂骨に沿った隆起にオフセットさせる。
【0067】
作用力420が、柔軟性のあるアーム110から生成される。柔軟性のあるアーム110は、重量410によって生成された下向き力のため、装着者の頭部の頭頂または後頭骨に合わせて変形される。柔軟性のあるアーム110の変形は、作用力420を生成し、これは、ひいては、反力430および反力450を前額パッド150に対して生み出す。反力430および反力450はまた、ヘッドセットを装着者の前額に固着し、装着者の鼻梁上にかかるヘッドセットからの重量410を低減させる。
【0068】
いくつかの実施形態では、ヘッドセット400は、上側の柔軟性のあるアーム120を備えてもよい。上側の柔軟性のあるアーム120は、フレーム140とより垂直に整合される、柔軟性のあるアームである。柔軟性のあるアーム110および前額パッド150は、重量410の大部分を選択的に分散させ得るが、本開示のいくつかの実施形態は、負荷のさらに選択的な分散のために、上側の柔軟性のあるアーム120を含んでもよい。作用力440は、上側の柔軟性のあるアーム120から生成される。上側の柔軟性のあるアーム120は、重量410によって生成された下向き力のため、装着者の頭部の頭頂骨に合わせて変形される。上側の柔軟性のあるアーム120の変形は、作用力440を生成し、これは、ひいては、前額パッド150に対する反力450および反力430を生み出す。反力450は、上側の柔軟性のあるアーム120の存在に依存しない。いくつかの実施形態では、反力450は、上側の柔軟性のあるアーム120を伴わずに、柔軟性のあるアーム110のみを有することによって、生み出されてもよい。これは、重量410と結合される作用力420および反力430によって可能である。
【0069】
反力450はまた、上向き力を用いてヘッドセットを装着者の前額に固着し、装着者の鼻梁上にかかるヘッドセットからの重量410をさらに低減させ得る。反力430および反力450はまた、十分な上向き力を提供し、ヘッドセットが装着者の顔に滑動/落下することを防止し、前額パッド150を介して、ヘッドセットを装着者の前額にしっかりと位置合わせされたまま保ち得る。作用力420および反力430は、装着者の鼻梁上の重量410を低減させ得るため、作用力440および反力450はさらに、装着者の鼻梁上の重量410を低減させ得る。いくつかの実施形態では、作用力および反力は、装着者の鼻梁上にかかる任意の負荷を完全に除去するために十分であり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、上側の柔軟性のあるアーム120は、柔軟性のあるアーム110が、作用力420を生成するように設計され得、これが、ひいては、反力430および反力450を生成し、重量410を前額パッド150に対して反作用させるため、要求されなくてもよい。他の実施形態では、4つまたは6つの上側の柔軟性のあるアーム120が存在し、重量410を装着者の頭部のより多くの部分を横断してさらに分散させ、装着者のためのさらなる快適性および装着者の頭部上のヘッドセットのさらなる安定性のために、さらにより分散された力を提供してもよい。
【0071】
当業者は、他の実施形態では、ヘッドセットの重量が、単に、正面に向かってではなく、ヘッドセットの他の面積に集中し得ることを理解する。そのような実施形態では、柔軟性のあるアームはまた、ヘッドセットの重量を選択的に分散させるように展開されてもよい。
【0072】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、柔軟性のある搭載アームを使用した仮想現実/拡張現実ヘッドセットの実施例を図示する。ヘッドセット500は、追加重量を
図1からのフレーム140に追加する、コンポーネントを含む。レンズ510は、ヘッドセット500の装着者が、装着者の眼を用いて、覗き込む、または見通すであろう、レンズである。いくつかの実施形態では、レンズ510は、例えば、LCD画面を動作させるための付加的電子コンポーネントをLCD画面内に含み得る、LCD画面であってもよい。いくつかの実施形態では、1つのみのレンズ510が存在してもよい。他の実施形態では、2つ以上のレンズ510が存在してもよい。他の実施形態では、レンズ510は、レンズのいくつかの部分では、眼鏡のようにクリアであって、他の部分では、非不透明であってもよい。他の実施形態では、レンズ510は、プロジェクタ540のための投影画面として使用され、画像/ビデオをレンズ510上に投影してもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、プロジェクタ540は、装着者が、VR/ARシステムを見て、それと相互作用するために、画像および/またはビデオをレンズ510上に投影してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のプロジェクタ540が存在してもよい。いくつかの実施形態では、プロジェクタ540は、ヘッドセット500の構成に応じて、存在しなくてもよい。
【0074】
カメラ530は、装着者の周囲環境の画像またはビデオを捕捉するために使用される。いくつかの実施形態では、カメラ530は、装着者に対して外向きに面している。1つ以上のカメラ530によって捕捉された画像およびビデオは、処理、レンダリング、および/またはヘッドセットの外部システム(図には図示せず)に送信するために、電子コンポーネント520にフィードされてもよい。
【0075】
電子コンポーネント520は、ヘッドセット500上において、特定のソフトウェアプログラム、例えば、画像およびビデオ捕捉、レンダリング、および処理をローカルで処理するために使用されてもよい。電子コンポーネント520はまた、計算能力を提供し、画像およびビデオを外部システムから受信し、1つ以上のプロジェクタ540を介して、画像およびビデオをレンズ510上に表示および投影してもよい。さらに、電子コンポーネント520は、1つ以上のセンサ550から受信された入力データを処理してもよい。
【0076】
センサ550は、装着者の場所、装着者の視線の姿勢を決定するための装着者の移動等を追跡してもよい。センサ550はまた、周囲温度を感知してもよい。センサによって追跡されるデータは、処理または外部システムへの中継のために、電子コンポーネント520に送信されてもよい。
【0077】
いくつかの実施形態では、フレーム140上に位置する、1つ以上の電子コンポーネントが存在してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ550が存在してもよい。当業者は、フレーム140上の複数のコンポーネントの集合が付加的重量をフレーム140に追加することを理解する。さらに、付加的重量の大部分は、概して、フレーム140の正面部分(例えば、レンズ510に向う部分)に向かっており、したがって、付加的重量は、分散されない場合、装着者の鼻梁上に静置する可能性が最も高いであろう。
【0078】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、仮想現実/拡張現実ヘッドセットの実施例を図示する。ヘッドセット600は、フレーム140に取り付けられる、
図5に類似するAR/VRコンポーネントを含む。柔軟性のあるアーム610は、柔軟性のあるアーム610(ヘッドセットのフレーム内にあるように描写される)がユーザの頭部全体の周囲に巻着するように、フレーム140に取り付けられてもよい。柔軟性のあるアーム610は、コネクタ620によって、ともに継合されてもよい。コネクタ620は、圧縮力を提供し、柔軟性のあるアームを継合する、スプールタイプばねを含んでもよく、スプールタイプばねは、柔軟性のあるアームおよびヘッドセットをユーザの頭部に締め付ける圧縮力の代わりに、異なる頭部サイズに適応するためのフィッティング調節のために、柔軟性のあるアームをともに継合する、圧縮力を提供する。
【0079】
コネクタ620は、いったんヘッドセット600がユーザの頭部にフィットするように調節されると、柔軟性のあるアームまたはコネクタ620をユーザが手動で調節する必要がないように、スプールタイプばねを介して、連続力を維持してもよい。例えば、ユーザは、コネクタ620のスプールタイプばねが、圧縮力を維持し、適切な周を提供し、異なるサイズの頭部のための快適なフィットを維持する形状に柔軟性のあるアーム610を保持し得るように、柔軟性のあるアーム610を分離することによって、ヘッドセット600のラップアラウンド構成の周を調節(例えば、拡張)してもよい。ヘッドセット600は、正面視光学アセンブリに対するカウンターウェイトを維持しながら、ユーザの後頭骨の直上に位置する頭頂骨上に静置し、ユーザの耳への干渉を防止してもよい。ヘッドセット600は、ヘッドセット600の重量をユーザの鼻梁からユーザの頭部の他の面積(例えば、頭頂骨/頭頂部、後頭骨、および前額)に伝達させることによって、正面視光学アセンブリを有するフレーム140が鼻梁に滑動することを防止してもよい。
【0080】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、仮想現実/拡張現実ヘッドセットの側面図を図示する。ヘッドセット700は、ラップアラウンド構成をさらに含む、
図6と同様に、AR/VRコンポーネントと、柔軟性のあるアーム610と、コネクタ620と、フレーム140とを含んでもよい。柔軟性のあるアーム610は、柔軟性のあるアーム610が、ヘッドセット700をユーザの頭部の周囲にしっかりと巻着するための締め付け力を要求する代わりに、ユーザの頭部の後頭骨および/または頭頂骨の上部部分上に静置および/または吊架することを可能にする、上向き屈曲部710を含んでもよい。
【0081】
柔軟性のあるアームの上向き屈曲部は、継合された柔軟性のあるアームを有する、ヘッドセット700の背面が、後頭骨の上方および/または頭骨頭頂部上に静置し得るように、AR/VRコンポーネントを備える、フレーム140に関連する。加えて、上向き屈曲部は、頭部の頭蓋冠領域を中心とする複合または多指向性/多軸方向曲線または輪郭であってもよい。そのような多指向性/多軸方向曲線または輪郭は、少なくとも、頭部を通して略垂直である軸を中心として、そして垂直軸に直交する水平軸を中心として生じ、概して、ユーザの耳間に延設される。柔軟性のあるアームの多指向性/多軸方向曲線または輪郭は、矢状平面において視認されると、頭頂骨の後側面の傾きに近似する角度を有する、2つの柔軟性のあるアーム間のコネクタと組み合わせて、ヘッドセット700が、頭部との接触界面を維持し、ユーザの頭部の後頭骨の上部部分上および/または頭頂骨/頭頂部上に静置することを可能にする。上向き屈曲部710は、頭部に締付または抱持するのではなく、ヘッドセット700を頭部から吊架することによって、ヘッドセット700の重量平衡を改良し、別様に、ユーザの頭蓋構造または毛髪への干渉を最小限にし得る。さらに、いくつかの実施形態では、遠位端において上向き屈曲部710に達する多指向性/多軸方向曲線または輪郭は、後頭骨のものより小さい幾何学形状を有することによって、ヘッドセット700がユーザの耳まで摺動し、その上に静置することを防止することに役立ち得、これは、そのような摺動運動に対する解剖学的障害物としての役割を果たすであろう。加えて、上向き屈曲部710はまた、異なる頭部形状および/またはサイズのためのより汎用のフィットを可能にし得る。さらになお、上向き屈曲部710は、正面視光学アセンブリに対するカウンターウェイトを維持しながら、ヘッドセット700が、後頭髷および/または頭頂骨/頭頂部上に静置し、および/またはそこから吊架することを可能にし、ユーザの耳への干渉を防止し得る。上向き屈曲部710はまた、ヘッドセット700の重量の圧力および力をユーザの鼻梁からユーザの頭部の他の面積(例えば、後頭髷、頭頂部等…)に伝達することによって、正面視光学アセンブリが鼻梁に滑動することを防止し得る。
【0082】
前述の明細書では、本開示は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本開示のより広義の精神および範囲から逸脱することなく、そこに成されてもよいことは、明白であろう。例えば、前述のプロセスフローは、プロセスアクションの特定の順序を参照して説明される。しかしながら、説明されるプロセスアクションの多くの順序は、本開示の範囲または動作に影響を及ぼさずに、変更されてもよい。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証的と見なされるべきである。