(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-194127(P2021-194127A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】カバー
(51)【国際特許分類】
A61L 2/238 20060101AFI20211129BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20211129BHJP
H04M 1/17 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
A61L2/238
A45C11/00 E
H04M1/17 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-100984(P2020-100984)
(22)【出願日】2020年6月10日
(71)【出願人】
【識別番号】520206944
【氏名又は名称】高村 克也
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】高村 克也
【テーマコード(参考)】
3B045
4C058
5K023
【Fターム(参考)】
3B045BA26
3B045CE06
3B045DA22
3B045DA23
3B045FC04
3B045FC06
4C058AA02
4C058AA30
4C058BB07
4C058JJ03
4C058JJ05
5K023AA07
5K023BB23
5K023DD06
5K023MM03
5K023MM06
5K023PP02
5K023QQ02
(57)【要約】
【課題】本発明の解決しようとする課題は、電子機器を清潔に保つカバーを提供することにある。
【解決手段】本発明は、電子機器の表面側に当接される当接面を有した表面側カバーと、前記電子機器に装着可能な裏面側カバーと、を備え、前記当接面は、殺菌作用を有する材料を含む、カバーである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の表面側に当接される当接面を有した表面側カバーと、
前記電子機器に装着可能な裏面側カバーと、を備え、
前記当接面は、殺菌作用を有する材料を含む、カバー。
【請求項2】
前記殺菌作用を有する材料は、銀、銅、亜鉛、水銀およびそれら金属の化合物およびそれら金属の合金からなる群のうちから選ばれた1つまたは複数の材料である、請求項1に記載のカバー。
【請求項3】
前記当接面は、可撓性を有する材料で構成される、請求項1又は請求項2に記載のカバー。
【請求項4】
前記表面側カバー及び/又は前記裏面側カバーは、前記殺菌作用を有する材料を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載のカバー。
【請求項5】
前記表面側カバーと前記裏面側カバーとを固定する固定手段をさらに備える、請求項1〜4の何れか一項に記載のカバー。
【請求項6】
前記裏面側カバーは、前記電子機器の表面側に突出する凸部を有する、請求項1〜5の何れか一項に記載のカバー。
【請求項7】
前記表面側カバーは、前記当接面が設けられる凸領域と、
前記凸部に対応する位置に設けられる凹領域と、を有する、請求項6に記載のカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に装着可能なカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、殺菌作用を有した材料を含むカバーを対象に装着することにより、清潔に保ちたい部分を保護する技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「ゴム等の可撓性を有する材料またはプラスチックス等の可塑性材料に対し、銅、銀、水銀等の殺菌性を有する殺菌イオン性金属、同金属の化合物、または同金属を含有する合金のうち少なくとも一つを添加混入し、受話器のうち少なくとも通話口を覆うように成形したことを特徴とする殺菌性を有する受話器用カバー」の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】平1−108836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、タッチスクリーンを備える電子機器が普及している。特に、スマートフォン等の使用頻度の高い電子機器は、使用者の接触回数が多く使用時間も長いため、電子機器の表面がウイルスや細菌の温床となることがわかってきた。
【0006】
上述した問題に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、電子機器を清潔に保つカバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決する本発明は、電子機器の表面側に当接される当接面を有した表面側カバーと、前記電子機器に装着可能な裏面側カバーと、を備え、前記当接面は、殺菌作用を有する材料を含む、カバーである。
【0008】
このように、当接面が殺菌作用を有する材料を含むことにより、電子機器の表面側を清潔に保つことができる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記殺菌作用を有する材料は、銀、銅、亜鉛、水銀およびそれら金属の化合物およびそれら金属の合金からなる群のうちから選ばれた1つまたは複数の材料である。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記当接面は、可撓性を有する材料で構成される。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記表面側カバー及び/又は前記裏面側カバーは、前記殺菌作用を有する材料を含む。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記表面側カバーと前記裏面側カバーとを固定する固定手段をさらに備える。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記裏面側カバーは、前記電子機器の表面側に突出する凸部を有する。
【0014】
本発明の好ましい形態では、表面側カバーは、前記当接面が設けられる凸領域と、
前記凸部に対応する位置に設けられる凹領域と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
開示した技術によれば、電子機器を清潔に保つカバーを提供することができる。
【0016】
他の課題、特徴および利点は、図面および特許請求の範囲と共に取り上げられる際に、以下に記載される発明を実施するための形態を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施の形態にかかるカバーの斜視図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかるカバーの平面図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかるカバーの測断面図である。
【
図4】第2の実施の形態にかかるカバーの平面図である。
【
図5】第3の実施の形態にかかるカバーの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるカバーの好適な実施の形態を詳細に説明する。本発明の技術的範囲は、添付図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、適宜変更が可能である。また、添付の図面は概念図であり、各部材の相対的な寸法等は、本発明を限定するものではない。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
《第1の実施の形態》
本発明は、電子機器Eに装着するカバーである。
図1は、電子機器Eに装着した状態のカバーの斜視図である。
図2は、電子機器Eに装着していない状態のカバーの平面図である。
図3は、電子機器Eに装着した状態のカバーの測断面図である。
【0020】
第1の実施の形態にかかるカバーは、電子機器Eの表面側に当接される当接面11を有した表面側カバー10と、電子機器Eに装着可能な裏面側カバー20と、表面側カバー10と裏面側カバー20を接続する接続部30と、を備える。
【0021】
電子機器Eは、使用者が触れることにより電子機器Eを操作するタッチスクリーンやキーボード等の操作部E1を有している。この電子機器Eは、例として、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコンである。なお、
図1ないし
図5は、スマートフォンに装着した様子を示している。
【0022】
表面側カバー10は、電子機器Eの表面側を覆うカバーである。この表面側カバー10は、操作部E1が配置された電子機器Eの表面側に当接される当接面11と、表カバー面12と、当接面11が設けられる凸領域13と、裏面側カバー20の凸部21に対応する位置に設けられる凹領域14と、電子機器Eの受話用スピーカやカメラに対応する位置に設けられる孔15と、を有する。
【0023】
表面側カバー10の寸法は、電子機器Eの寸法に応じて設定される。少なくとも操作部E1をカバーする大きさに設定されることが望ましい。
【0024】
当接面11は、殺菌作用を有する材料を含んで構成されている。この殺菌作用を有する材料は、銀、銅、亜鉛、水銀およびそれら金属の化合物およびそれら金属の合金からなる群のうちから選ばれた1つまたは複数の材料である。
【0025】
すなわち、当接面11は、銅等の殺菌作用を有するイオンを放出する金属、この金属の化合物、または、この金属を含有する合金、を含む材料で構成されている。当接面11は、この金属・化合物・合金で形成されたシートや板を採用しても良いし、ゴムやシリコ−ン、プラスチック等の基材に対して、これら金属・化合物・合金の微粒子を添加混錬した材料を採用しても良い。具体的には、シリコンゴムやプラスチックに対して銅微粒子を添加混錬した材料を例示することができる。
【0026】
なお、殺菌作用を有する材料は、ウイルス及び/又は細菌を減少または不活性化する材料であり除菌の概念を含む材料である。具体的には、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス(SARS−Cov−2)等のエンベロープウイルス、ノロウイルス、O−157、レジオネラ菌、チフス菌等、の少なくとも何れかを減少または不活性化することができる材料である。
【0027】
また、当接面11は、可撓性を有する材料で構成されていることが望ましい。当接面11や、この当接面11が設けられる凸領域13が可撓性を有する材料で構成されていることにより、当接面11を操作部E1に密着させることができる。
【0028】
表カバー面12は、当接面11の背面に設けられている。この表カバー面12は、上述した殺菌作用を有する材料を含んで構成されることが望ましい。また、表面側カバー10の全体が、上述した殺菌作用を有する材料を含んで構成されることが望ましい。
【0029】
凸領域13は、電子機器Eの操作部E1に当接可能なよう、操作部E1に向かって盛り上がった領域である。当接面11が設けられる凸領域13は、可撓性を有する材料で構成されていることが望ましい。また、表面側カバー10の全体が、可撓性を有する材料で構成されていることが望ましい。
【0030】
また、凸領域13は、上述した殺菌作用を有する材料を含んで構成されていても良い。すなわち、凸領域13が殺菌作用を有する材料を含んで構成される場合には、凸領域13上に当接面11が形成されることとなる。
なお、凸領域13上に、殺菌作用を有する材料で構成されたシートを設ける等して、当接面11を形成することも当然に可能である。
【0031】
また、凸領域13は、電子機器Eの形状に対応した形状を採用しても良い。すなわち、電子機器Eに操作ボタン等の凸凹がある場合には、この凹凸に対応した凹凸構造を更に備えても良い(図示せず)。このように、凸領域13は、電子機器Eの形状に対応した凹凸構造を備えることで、当接面11を操作部E1に密着させることができる。
【0032】
可撓性を有する材料としては、ゴムやシリコーン、プラスチック等の基材を例示することができる。すなわち、凸領域13上に設けられる当接面11が、電子機器Eの操作部E1の形状に合わせて変形可能な材料を採用することが望ましい。
【0033】
凸領域13の高さ13Hは、電子機器Eの操作部E1に接触可能な高さに設定されていることが望ましい。
【0034】
凹領域14は、凸領域13に対して肉薄に形成されている。この凹領域14は、後述する裏面側カバー20の凸部21に対応する位置に設けられている。表カバー面12を閉じた際に、凸部21が凹領域14に収まることにより、凸領域13に設けられた当接面11が操作部E1に接触する。
【0035】
裏面側カバー20は、電子機器Eを装着可能な凸部21(装着手段)と、裏カバー面22と、電子機器Eのカメラに対応する位置に設けられる孔23と、を有する。
【0036】
なお、この実施の形態では、装着手段として凸部21を用いて電子機器Eを挟持する構成を採用した例を示したが、電子機器Eを装着可能な手段であれば当然に採用することができる。例えば、接着剤や粘着剤を用いて、電子機器Eを固定する構成も当然に採用することができる。
【0037】
凸部21は、裏面側カバー20の縁部に沿って設けられている。この凸部21は、
図2に示すように、電子機器Eを挟持可能な位置に配置されていれば良い。また、電子機器Eの側面に設けられた操作ボタンを露出するよう凸部21の配置を調整しても良い。
【0038】
図3(a)は、カバーを開いた状態のX−X’線断面図であり、
図3(b)は、カバーを閉じた状態のX−X’線断面図である。
【0039】
凸部21は、電子機器Eの操作部E1よりも表面側に突出する高さ21Hに設定されている。このように、凸部21が操作部E1(電子機器Eの表面)よりも表面側に突出している。これにより、不注意で電子機器Eを落としてしまった場合であっても、地面が操作部E1に接触して破損することを抑制することができる。
【0040】
また、この凸部21の高さ21Hは、凸領域13の高さ13Hよりも小さい値に設定されている。このように設定することにより、凸領域13に設けられた当接面11を操作部E1に当接させることができる。
【0041】
裏カバー面22は、上述した殺菌作用を有する材料を含んで構成されることが望ましい。また、裏面側カバー20の全体が、上述した殺菌作用を有する材料を含んで構成されることが望ましい。
【0042】
本発明によれば、電子機器Eの表面側(操作部E1を含む)に当接される当接面11を備え、この当接面11は、殺菌作用を有する材料を含んで構成される。この当接面11を操作部E1に当接(接触)させておくことで、操作部E1に存在するウイルスや細菌等を殺菌することができる。すなわち、本発明にかかるカバーを電子機器Eに装着しておくことで、操作を行う操作部E1に付着したウイルスや細菌等を殺菌し清潔に保つことができる。
【0043】
また、本発明によれば、表面側カバー10及び/又は裏面側カバー20を、殺菌作用を有する材料を含んで構成される。その結果、電子機器Eを保持する際に接触する表カバー面12や裏カバー面22に付着したウイルスや細菌等を殺菌し清潔に保つことができる。さらには、カバー全体を、殺菌作用を有する材料で構成することにより、電子機器Eを清潔に保つことができる。
【0044】
また、本発明によれば、凸領域13及び/又は表面側カバー10が、可撓性を有する材料で構成される。その結果、当接面11を操作部E1の形状等に合わせて変形することができ、当接面11と操作部E1との密着性を向上させることができる。
【0045】
また、本実施の形態によれば、表面側カバー10と裏面側カバー20を接続する接続部30を備える。このように、接続部30を備えることにより、表面側カバー10を紛失することなく、常に持ち歩くことができる。
【0046】
《第2の実施の形態》
以下、第2の実施の形態にかかるカバーについて、
図4を参照して詳細に説明する。なお、同実施の形態において、先の実施の形態と基本的に同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を簡略化する。
【0047】
第2の実施の形態にかかるカバーは、電子機器Eの操作部E1に当接される当接面11を有した表面側カバー10と、電子機器Eを固定可能な裏面側カバー20と、を備える。
【0048】
本実施の形態によれば、表面側カバー10と裏面側カバー20とが分離して構成されている。使用者が電子機器Eを使用していない時に、表面側カバー10の当接面11を操作部E1に接触させておくことで、操作部E1に存在するウイルスや細菌等を殺菌することができる。
【0049】
また、本実施の形態によれば、裏面側カバー20を、殺菌作用を有する材料を含んで構成することが望ましい。これにより、電子機器Eを保持する際に接触する裏カバー面22に付着したウイルスや細菌等を殺菌し清潔に保つことができる。
【0050】
《第3の実施の形態》
以下、第3の実施の形態にかかるカバーについて、
図5を参照して詳細に説明する。なお、同実施の形態において、先の実施の形態と基本的に同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を簡略化する。
【0051】
第3の実施の形態にかかるカバーは、電子機器Eの操作部E1に当接される当接面11を有した表面側カバー10と、電子機器Eを固定可能な裏面側カバー20と、表面側カバー10と裏面側カバー20を接続する接続部30と、表面側カバー10と裏面側カバー20とを固定する固定手段40と、を備える。
【0052】
固定手段40は、慣用の手段であれば当然に採用することができる。例えば、ベルトループ留め、磁石留め、ギボシ留め、スナップボタン、面ファスナー等、様々な手段を採用することができる。
【0053】
本実施の形態によれば、固定手段40により、表面側カバー10と裏面側カバー20とを密着させて固定することができる。その結果、表面側カバー10の当接面11を操作部E1に接触させておくことができ、操作部E1に存在するウイルスや細菌等を殺菌することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 表面側カバー
11 当接面
12 表カバー面
13 凸領域
14 凹領域
15 孔
20 裏面側カバー
21 凸部
22 裏カバー面
23 孔
30 接続部
40 固定手段
E 電子機器
E1 操作部