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特開2021-194269筋電位検出器及び筋電位検出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-194269(P2021-194269A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】筋電位検出器及び筋電位検出システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/389 20210101AFI20211129BHJP
   A61B 5/25 20210101ALI20211129BHJP
【FI】
   A61B5/04 330
   A61B5/04 300E
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-103332(P2020-103332)
(22)【出願日】2020年6月15日
(11)【特許番号】特許第6964355号(P6964355)
(45)【特許公報発行日】2021年11月10日
(71)【出願人】
【識別番号】592218300
【氏名又は名称】学校法人神奈川大学
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(74)【代理人】
【識別番号】100134728
【弁理士】
【氏名又は名称】奥川 勝利
(72)【発明者】
【氏名】衣笠 竜太
(72)【発明者】
【氏名】小川 博司
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127HH06
4C127KK03
4C127KK05
4C127LL02
4C127LL04
4C127LL22
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生体に装着される筋電位検出器の単体で、筋電位の検出から報知までを行うことを課題とする。
【解決手段】生体の筋電位を検出する筋電位検出器10A,10Bであって、生体の筋電位を検出する電極部材16a,16bと、音声出力部14と、電極部材により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに音声出力部に報知させる制御を実行する制御部11とが、生体に装着される電極装着部18a,18b及び回路搭載部18c上に設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の筋電位検出器において、
前記報知部は、聴覚又は触覚を通じて報知するものであることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の筋電位検出器において、
前記所定の報知条件は、前記検出部により検出された筋電位が所定の閾値以下であるという条件であり、
前記制御部は、前記所定の報知条件を満たさないときには前記報知部に報知させない制御を実行することを特徴とする筋電位検出器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記生体装着部は、伸縮性部材又は可撓性部材によって互いに連結された複数の部材によって構成されていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項6】
生体の筋電位を検出する検出部が、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
前記生体装着部は、伸縮性部材又は可撓性部材によって互いに連結された複数の部材によって構成されていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記検出部により検出された筋電位のデータを外部装置へ送信する送信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
導電性ケースを備えたバイブレータを、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
導電性を有する磁石を、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記生体装着部における生体の被検出面に接触する接触部分が、前記検出部の電極部材と導電性を有する粘着性材料とによって構成されていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに報知音を出力する報知部を有し、
前記報知部に報知音を出力させる制御を実行する制御部は、前記報知部に2種類以上の報知音の中から選択される報知音を出力させる制御を実行することを特徴とする筋電位検出器。
【請求項12】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部と、前記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器と、
前記所定の報知条件を設定するための設定データを前記筋電位検出器へ送信する送信部を備えた外部装置とから構成されることを特徴とする筋電位検出システム。
【請求項13】
検出部により検出された筋電位のデータを外部装置へ送信する送信部を備えている請求項1乃至11のいずれか1項に記載の筋電位検出器と、
前記筋電位のデータを前記筋電位検出器から受信する受信部、及び、前記受信部で受信したデータを記憶する記憶部を備えた外部装置とから構成されることを特徴とする筋電位検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の筋電位を検出する筋電位検出器及び筋電位検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
筋電位検出器は、例えば、筋電位の検出結果から筋肉の動き(筋繊維の活動)を把握し、運動能力等の検査、リハビリテーション、トレーニングなどの用途に利用される。特許文献1には、筋電位検出電極(検出部)により検出した筋電位を整流した後に、筋電位長時間記憶装置(外部装置)に対してFM送信する携帯型整流筋電位送信装置が開示されている。筋電位長時間記憶装置では、受信した筋電位のデータに基づいて筋電位図の表示や筋活動の各種指標をプリンタにて出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−303616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の筋電位検出器では、検出した筋電位のデータを外部装置へ送信し、外部装置において筋電位に関する情報を出力するため、筋電位の検知結果についての報知を受けるためには、外部装置と組み合わせる必要がある。そのため、従来の筋電位検出器は、外部装置とセットで取り扱う必要があり、使い勝手の悪いものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明は、筋電位検出器であって、生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、検出部、報知部及び制御部のいずれもが筋電位検出器の生体装着部上に設けられているので、生体に装着される筋電位検出器の単体で、筋電位の検出から報知までを行うことができる。また、本発明によれば、実時間報知も実現しやすい。
【0006】
また、本発明は、前記筋電位検出器において、前記報知部は、聴覚又は触覚を通じて報知するものであることを特徴とする。
本発明によれば、報知のためにモニターなどの表示部を必要としないので、筋電位検出器の小型化、軽量化が容易となる。
【0007】
また、本発明は、前記筋電位検出器において、前記所定の報知条件は、前記検出部により検出された筋電位が所定の閾値以下であるという条件であり、前記制御部は、前記所定の報知条件を満たさないときには前記報知部に報知させない制御を実行することを特徴とする。
一般に、筋肉の動きが大きい(筋繊維の活動が多い)ほど、検出される筋電位の値は大きくなる。そのため、筋電位検出器の筋電位検出結果に基づき、筋肉が大きく動いているかどうかの情報を報知する場合、検出部により検出された筋電位が所定の閾値を超えるときに報知を行うのが通常である。しかしながら、筋電位が所定の閾値を超えるような筋肉の動きを継続して行うような場合、その間ずっと報知が継続され、報知が煩わしいものとなってしまう。
本発明によれば、筋電位が所定の閾値以下であるときには報知が行われるが、筋電位が所定の閾値を超えるときには報知が行われない。よって、筋電位が所定の閾値を超えるような筋肉の動きを継続して行うような場合の報知の煩わしさを解消することができる。
【0008】
また、本発明は、前記筋電位検出器において、前記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、パソコン、スマートフォンやタブレット端末などの外部装置から、報知条件を設定することができる。これにより、筋電位検出器に受信部を搭載しておけば、報知条件の設定を行うための操作部などを筋電位検出器に設ける必要がなくなり、筋電位検出器の小型化、軽量化を実現することができる。
【0009】
また、本発明は、前記筋電位検出器において、前記生体装着部は、伸縮性部材又は可撓性部材によって互いに連結された複数の部材によって構成されていることを特徴とする。
生体装着部が装着される生体の被検出面(例えば人間の皮膚表面)は、筋肉の動きに応じて拡大したり収縮したりして変形したりする。一方、検知部、報知部、制御部などを構成する部品が搭載される生体装着部の部分は、通常、製造上の制約あるいはコスト上の制約によって、生体の被検出面の拡大、収縮、変形に追従できるほどの柔軟性を備えていない部材によって構成されることが多い。そのため、生体装着部を単一の部材によって構成すると、生体装着部が生体の被検出面の拡大、収縮、変形に追従して変形できず、生体装着部が被検出面からずれたり離脱したりしやすい。
本発明においては、生体装着部が複数の部材によって構成され、当該複数の部材が互いに伸縮性部材又は可撓性部材によって連結された構成になっている。この構成によれば、生体の被検出面が筋肉の動きに応じて拡大したり収縮したりして変形したりしても、これに追従して伸縮性部材が伸縮したり可撓性部材が撓んだり湾曲したりすることができる。よって、たとえ当該複数の部材が柔軟性を備えていない部材であっても、当該複数の部材間の相対位置が柔軟に変化でき、当該複数の部材と生体の被検知面との装着状態を維持できる。
【0010】
また、本発明は、生体の筋電位を検出する検出部が、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、前記生体装着部は、伸縮性部材又は可撓性部材によって互いに連結された複数の部材によって構成されていることを特徴とする。
生体装着部が装着される生体の被検出面(例えば人間の皮膚表面)は、筋肉の動きに応じて拡大したり収縮したりして変形したりする。一方、検知部を構成する部品が搭載される生体装着部の部分は、通常、製造上の制約あるいはコスト上の制約によって、生体の被検出面の拡大、収縮、変形に追従できるほどの柔軟性を備えていない部材によって構成されることが多い。そのため、生体装着部を単一の部材によって構成すると、生体装着部が生体の被検出面の拡大、収縮、変形に追従して変形できず、生体装着部が被検出面からずれたり離脱したりしやすい。
本発明においては、生体装着部が複数の部材によって構成され、当該複数の部材が互いに伸縮性部材又は可撓性部材によって連結された構成になっている。この構成によれば、生体の被検出面が筋肉の動きに応じて拡大したり収縮したりして変形したりしても、これに追従して伸縮性部材が伸縮したり可撓性部材が撓んだり撓みを伸ばしたり湾曲したりすることができる。よって、たとえ当該複数の部材が柔軟性を備えていない部材であっても、当該複数の部材間の相対位置が柔軟に変化でき、当該複数の部材と生体の被検知面との装着状態を維持できる。
【0011】
また、本発明は、前記筋電位検出器において、前記検出部により検出された筋電位のデータを外部装置へ送信する送信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、検出部により検出された筋電位のデータを、パソコン、スマートフォンやタブレット端末などの外部装置へ送信することができる。これにより、筋電位検出器に送信部を搭載しておけば、データを記憶する記憶部や演算加工するデータ処理部などを筋電位検出器に設ける必要がなくなり、筋電位検出器の小型化、軽量化を実現することができる。
【0012】
また、本発明は、前記筋電位検出器において、導電性ケースを備えたバイブレータを、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする。
本発明によれば、生体に接する検出部を振動させることが可能となる。この振動を利用すれば、例えば、筋電位に関する情報の報知方法として、検出部を振動させて報知するという方法を採用することが可能となる。また、例えば、筋肉に対して振動による刺激を与えることで、筋肉の動きを促したり、被検出者に筋肉の動かし方を伝えたりするような用途も実現可能である。なお、バイブレータのケースが導電性であるため、筋電位の検出は可能である。
【0013】
また、本発明は、前記筋電位検出器において、導電性を有する磁石を、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする。
本発明によれば、筋肉に対して磁気的影響を及ぼすことが可能となる。
【0014】
また、本発明は、前記筋電位検出器において、前記生体装着部における生体の被検出面に接触する接触部分が、前記検出部の電極部材と導電性を有する粘着性材料とによって構成されていることを特徴とする。
本発明においては、生体の被検出面に接触する接触部分に粘着性材料が使われているので、生体の被検出面に対する装着、取り外しを繰り返し行うことが可能となり、繰り返しの使用に耐えることができる。また、本発明においては、この粘着性材料が導電性を有するので、検出部の電極部材だけでなく粘着性材料の部分も筋電位の検出に使用することができ、検出部の検出領域を拡大して、より適切に筋電位の検出を行うことが可能となる。
【0015】
また、本発明は、前記筋電位検出器において、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに報知音を出力する報知部を有し、前記報知部に報知音を出力させる制御を実行する制御部は、前記報知部に2種類以上の報知音の中から選択される報知音を出力させる制御を実行することを特徴とする。
本発明によれば、例えばユーザ操作などによって2種類以上の報知音の中から選択される報知音を報知部から出力することができる。これにより、例えば、当該筋電位検出器を複数同時に使用する場合でも、各筋電位検出器からそれぞれ異なる報知音を出力できるので、筋電位検出器ごとに区別された報知を行うことができる。したがって、例えば、複数の筋電位検出器を体の複数部位にそれぞれ取り付けて使用する場合には、ユーザは、体の部位ごとに区別された報知を受けることができる。
また、当該筋電位検出器を複数同時に使用する場合に、それぞれの筋電位検出器の報知部から同時に異なる周波数の音を出力することができるので、これらの音で和音の報知音を出力するようなことも可能である。また、当該筋電位検出器を複数同時に使用する場合に、それぞれの筋電位検出器の報知部から出力される音を組み合わせたメロディ音を出力するようなことも可能である。
【0016】
また、本発明は、筋電位検出システムであって、生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部と、前記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器と、前記所定の報知条件を設定するための設定データを前記筋電位検出器へ送信する送信部を備えた外部装置とから構成されることを特徴とする。
本発明によれば、検出部、報知部及び制御部のいずれもが筋電位検出器の生体装着部上に設けられているので、生体に装着される筋電位検出器の単体で、筋電位の検出から報知までを行うことができる。
しかも、本発明においては、パソコン、スマートフォンやタブレット端末などの外部装置から、報知条件を設定することができる。これにより、筋電位検出器に受信部を搭載しておけば、報知条件の設定を行うための操作部などを筋電位検出器に設ける必要がなくなり、筋電位検出器の小型化、軽量化を実現することができる。
【0017】
また、本発明は、筋電位検出システムであって、検出部により検出された筋電位のデータを外部装置へ送信する送信部を備えている前記筋電位検出器と、前記筋電位のデータを前記筋電位検出器から受信する受信部、及び、前記受信部で受信したデータを記憶する記憶部を備えた外部装置とから構成されることを特徴とする。
本発明によれば、検出部により検出された筋電位のデータを、パソコン、スマートフォンやタブレット端末などの外部装置へ送信することができる。これにより、筋電位検出器に送信部を搭載しておけば、データを記憶する記憶部や演算加工するデータ処理部などを筋電位検出器に設ける必要がなくなり、筋電位検出器の小型化、軽量化を実現することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、生体に装着される筋電位検出器の単体で、筋電位の検出から報知までを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態における筋電位検出システムの概略構成を示す説明図。
図2】同筋電位検出システムを構成する筋電位検出器の側面図。
図3】同筋電位検出システムのブロック図。
図4】実施形態における報知処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を、筋電位検出器と外部装置であるスマートフォンとから構成される筋電位検出システムに適用した一実施形態について説明する。
【0021】
本実施形態の筋電位検出システムは、筋電位検出器を生体(本実施形態では人間)の被検出部分に装着し、当該被検出部分の筋電位を筋電位検出器によって検出し、当該被検出部分における筋肉の動き(筋繊維の活動)を把握する。本実施形態において、検出した筋電位に関する筋電位情報(筋電位図など)は、例えば、スマートフォンの画面に表示されたり、スマートフォンから外部の情報収集サーバに送信され、情報収集サーバにおいてビッグデータとして収集されたりする。
【0022】
本実施形態の筋電位検出システムは、種々の用途に利用することができる。例えば、怪我や老衰などによって不十分になっている筋肉の動きを改善するために、筋電位図などの筋電位情報を確認しながら筋肉を動かすようなリハビリテーションの用途に、有効利用できる。また、例えば、筋力アップ等のためのトレーニングにおいて、筋電位情報を確認しながら筋肉を動かすことで、効果的なトレーニングを実現する用途にも、有効利用できる。また、例えば、被検査者の筋肉の動きを検査する用途(例えば、運転試験場において運転に必要な筋肉の動きができるかどうかの検査する用途など)にも、有効利用できる。なお、本実施形態の筋電位検出システムは、ここに例示した用途に限られず、様々な分野で様々な用途に利用することができる。
【0023】
図1は、本実施形態における筋電位検出システム1の概略構成を示す説明図である。
図2は、筋電位検出システム1を構成する筋電位検出器10Aの側面図である。
本実施形態の筋電位検出システム1は、2つの筋電位検出器10A,10Bと、1つのスマートフォン20とから構成されている。筋電位検出器10A,10Bとスマートフォン20との間は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によってデータ通信可能に接続されている。なお、これらの間の通信は、その他の無線通信方式によって実現してもよいし、有線通信方式によって実現してもよい。
【0024】
2つの筋電位検出器10A,10Bは、実質的に同じ構成のものである。本実施形態では、第一筋電位検出器10Aをマスターとし、第二筋電位検出器10Bをスレーブとして用い、第一筋電位検出器10Aと第二筋電位検出器10Bとスマートフォン20との同時接続を実現している。なお、本実施形態の筋電位検出システムでは、例えば両足の各脹脛の筋肉の動きを同時に検出する場合など、2箇所の被検出部分の筋電位を同時に検出する場合を考慮して、2つの筋電位検出器10A,10Bを備えているが、筋電位検出器10A,10Bの数は、1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
【0025】
本実施形態の筋電位検出器10A,10Bは、生体(人間)に装着される生体装着部が、2つの電極装着部18a,18bと回路搭載部18cという3つの部材によって構成されている。2つの電極装着部18a,18b及び回路搭載部18cには、図2に示すように、それぞれ、人間の皮膚面に接触する側の面(装着面)に、電極部材16a,16b,16cが設けられている。これらの電極部材16a,16b,16cのうち、第一電極装着部18aと第二電極装着部18bに設けられる電極部材16a,16bは、それぞれ筋電位を検知する電極部材として用いられ、回路搭載部18cに設けられる電極部材16cは、グラウンド(GND)用のアース電極部材として用いられる。
【0026】
電極部材16a,16b,16cは 通常の導電性部材を用いることができるが、導電性を有する磁石を用いてもよい。この場合、電極部材16a,16b,16cが接触する被検出者の皮膚面下の筋肉等の人体部分に対して磁気的影響を及ぼすことが可能となり、例えば血行促進などの効果を期待することができる。また、電極部材16a,16b,16cが磁石であることで 例えば、筋電位検出器10A,10Bを磁性体シートなどに磁力によって吸着させた状態で保管したり携帯したりすることが可能となり、保管性、携帯性を向上させることができる。
【0027】
また、本実施形態の電極装着部18a,18b及び回路搭載部18cの装着面には、人間の皮膚面に粘着力で貼り付くように、粘着性ゲルのような粘着性材料からなる粘着シート17a,17b,17cが設けられている。これにより、この粘着シート17a,17b,17cの粘着力だけで、電極装着部18a,18b及び回路搭載部18cが人間の皮膚面に貼り付いて装着可能である。そのため、装着用のゴムバンドなどの装着用部材を別途設ける必要がなく、筋電位検出器10A,10Bの小型化、軽量化を図ることができる。また、本実施形態の粘着シート17a,17b,17cは、いったん剥がしても粘着力が維持されることから、装着と剥離を繰り返すことが可能である。
【0028】
また、本実施形態の粘着シート17a,17b,17cを構成する粘着性材料は、筋電の発生周波数帯域において良好な導電性を有するものが好ましい。粘着シート17a,17b,17cが導電性を有することで、電極部材16a,16b,16cだけでなく、粘着シート17a,17b,17cも電極面として使用することが可能となり、筋電位の検出領域が拡大して、より適切に筋電位の検出を行うことが可能になる。
【0029】
また、本実施形態の回路搭載部18cには、アース電極部材16cのほか、制御部11及び近距離無線通信装置15の構成部品がパッケージ化された回路部品、電源部12、信号処理部13、音出力部14などが実装された回路基板が設けられている。アース電極部材16cは、人間の皮膚面に接触する装着面側に設けられているが、残りは、図2に示すように、装着面とは反対側の面に設けられている。
【0030】
本実施形態における2つの電極装着部18a,18bは、回路搭載部18cの両側にそれぞれフレキシブル基板19によって連結されている。2つの電極装着部18a,18b上の電極部材16a,16bは、フレキシブル基板19を介して、回路搭載部18cに搭載されている回路基板に電気的に接続されている。これにより、2つの電極装着部18a,18b上の電極部材16a,16bで検出される筋電位の検出信号(電気信号)は、フレキシブル基板19を通じて、回路搭載部18cの回路基板に入力される。
【0031】
本実施形態では、2つの電極装着部18a,18bがフレキシブル基板19のような可撓性部材によって回路搭載部18cに連結されていることで、筋肉の動きによって皮膚面が拡大、収縮、変形しても、以下に説明するように、電極装着部18a,18bや回路搭載部18cが皮膚面からずれにくく、離脱しにくい。
【0032】
生体装着部を構成する2つの電極装着部18a,18b及び回路搭載部18cが装着される人間の皮膚面は、筋肉の動きに応じて拡大したり収縮したり変形したりする。一方、筋電位検出器10A,10Bを構成する構成部品が搭載される生体装着部は、通常、製造上の制約あるいはコスト上の制約によって、人間の皮膚面の拡大、収縮、変形に追従できるほどの柔軟性を備えていないソリッド基板などの部材で構成されることが多い。そのため、生体装着部を単一の部材によって構成すると、生体装着部の全体が人間の皮膚面の拡大、収縮、変形に追従して変形できず、生体装着部が皮膚面からずれたり離脱したりしやすい。
【0033】
そこで、本実施形態では、生体装着部を、2つの電極装着部18a,18b及び回路搭載部18cという3つの部材によって構成し、これらを互いにフレキシブル基板19という可撓性部材によって連結する構成を採用している。この構成によれば、人間の皮膚面が筋肉の動きに応じて拡大したり収縮したり変形したりしても、これに追従してフレキシブル基板19が撓んだり、撓みを戻したり、湾曲したり、ねじられたり等することができる。よって、たとえ電極装着部18a,18b及び回路搭載部18cが柔軟性を備えていない部材(例えばソリッド基板)で構成されていても、電極装着部18a,18b及び回路搭載部18cの相対位置が柔軟に変化して、電極装着部18a,18b及び回路搭載部18cと人間の皮膚面との装着状態を維持することができる。
【0034】
なお、本実施形態では、電極装着部18a,18bと回路搭載部18cとの連結部材として可撓性部材を用いた例であるが、材質そのものが伸縮し又は形状(スプリング形状等)が変形して伸縮するような伸縮性部材を用いても同様の効果を得ることが可能である。
【0035】
図3は、本実施形態における筋電位検出システム1のブロック図である。
本実施形態の筋電位検出システム1を構成する筋電位検出器10Aは、制御部11、電源部12、信号処理部13、音出力部14、近距離無線通信装置15、第一電極部材16a、第二電極部材16b、アース電極部材16cから構成されている。なお、第二筋電位検出器10Bは、第一筋電位検出器10Aと実質的に同じ構成であるため、その説明は省略する。
【0036】
制御部11は、CPUなどの演算装置やROMやRAMなどの記憶装置によって構成され、筋電位検出器10Aに搭載されている各種構成部品を制御したり、必要なデータ処理を行ったりする。本実施形態では、2つの電極装着部18a,18b上の電極部材16a,16bから入力される筋電位の検出信号を信号処理部13を介して受信し、その筋電位の検出信号が所定の報知条件を満たすときに、報知部としての音出力部14や後述するアース電極部材16cを構成しているバイブレータを制御して、所定の報知制御を実行する。
【0037】
本実施形態の制御部11は、その構成部品が後述の近距離無線通信装置15とともにパッケージ化された回路部品として構成され、回路搭載部18cの回路基板上に実装されている。
【0038】
電源部12は、筋電位検出器10Aに搭載されている各種構成部品へ電力を供給するものであり、小型の電池で構成される。電池は、一次電池でもよいし二次電池でもよいが、特に非接触充電が可能な二次電池であるのが好ましい。
【0039】
信号処理部13は、2つの電極装着部18a,18b上の電極部材16a,16bから入力される筋電位の検出信号を信号処理して、制御部11へ送信する。信号処理部13が行う信号処理としては、例えば、微弱な筋電位の検出信号を増幅させる信号増幅処理、筋電位の検出信号以外のノイズ成分を除去するノイズ除去処理などが挙げられる。本実施形態では、筋電位の検出信号が微弱であり、また、ノイズ成分も多く含まれることから、信号処理部13として計装アンプを用い、信号増幅処理及び同相ノイズ除去処理を行う。
【0040】
音出力部14は、制御部11の制御の下、所定の報知条件を満たすときに報知を行うための報知音を出力するもので、音発生部やスピーカー等によって構成される。報知音の種類は、聴覚を通じて報知することが可能であれば、音声でも、ブザー音でも、メロディでもよい。
【0041】
報知音は、制御部11内の記憶装置内に記憶されている。この記憶装置内に2種類以上の報知音を記憶しておき、音出力部14から出力される報知音が、各筋電位検出器10A,10B上に設けられる操作部への操作やスマートフォン20での操作によって切り替えられるように構成してもよい。このような構成により、体の複数部位に取り付けられた2つの筋電位検出器10A,10Bがそれぞれ異なる報知音を出力できるようになるので、体の部位ごとに区別された報知をすることが可能となる。
【0042】
また、このような構成によれば、体の複数部位に取り付けられた2つの筋電位検出器10A,10Bの各音出力部14が同時に異なる周波数の音を出力することで和音の報知音を出力することも可能である。また、2つの筋電位検出器10A,10Bの音出力部14から出力される音を組み合わせたメロディ音を出力することも可能である。
【0043】
近距離無線通信装置15は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行うものであり、その構成部品は、上述したとおり、制御部11の構成部品とともにパッケージ化された回路部品として構成され、回路搭載部18cの回路基板上に実装されている。近距離無線通信装置15は、第二筋電位検出器10Bの近距離無線通信装置とスマートフォン20の近距離無線通信装置との通信が可能であり、第二筋電位検出器10Bの近距離無線通信装置とスマートフォン20の近距離無線通信装置との間のデータの中継処理も行う。
【0044】
アース電極部材16cは、バイブレータによって構成されている。このバイブレータのケースは導電性であるため、その導電性ケースがアース電極部材16cとしての機能を果たしている。また、アース電極部材16cがバイブレータによって構成されていることで、人間の皮膚面に振動を与えることができる。この振動を利用することで、上述した音出力部14とともに又は音出力部14に代えて、報知部として利用することができる。本実施形態では、アース電極部材16cのバイブレータを報知部として利用し、制御部11の制御の下、アース電極部材16cのバイブレータは所定の報知条件を満たすときに報知を行うための報知振動を発生させる。
【0045】
なお、本実施形態では、振動によって報知を行う方法を例示しているが、触覚を通じて報知する方法としては、振動以外にも、押圧刺激、電気刺激などを与える方法なども採用することが可能である。
【0046】
また、アース電極部材16cのバイブレータは、報知部としての用途以外にも、例えば、筋肉に対して振動による刺激を与えることで筋肉の動きを促すような用途にも利用することが可能である。例えば、筋肉を動かすリズムや強さなどを、振動のリズムや強さによって被検出者に伝えたり、筋肉の動かし方を振動によって被検出者に伝えたりするような用途にも利用することが可能である。
【0047】
また、本実施形態の筋電位検出システム1を構成するスマートフォン20は、本筋電位検出システム1に関わる主要部としては、制御部21、記憶部22、操作部23、表示部24、近距離無線通信装置25、外部通信装置26から構成されている。
【0048】
制御部21は、CPUなどの演算装置やROMやRAMなどの記憶装置によって構成され、記憶装置に記憶されているアプリを演算装置によって実行することにより、スマートフォン20に搭載されている各種構成部品を制御したり、必要なデータ処理を行ったりする。例えば、筋電位検出器10A,10Bから送信される筋電位のデータに基づいて、スマートフォン20の表示部24に筋電位図などの筋電位情報を表示したり、スマートフォン20の記憶部22に筋電位の記録をとったりすることができる。
【0049】
本実施形態の制御部21は、筋電位検出器10A,10Bの制御部11が報知処理を実行する際に用いる報知条件の設定をするためのアプリを実行することで、報知条件の設定データを近距離無線通信装置25から筋電位検出器10A,10Bへ送信する。これにより、本実施形態では、スマートフォン20を操作することで、筋電位検出器10A,10Bの音出力部14又はアース電極部材16cのバイブレータによる報知の条件を設定変更することができる。
【0050】
そのほかにも、スマートフォン20では、制御部21が用途に応じた様々なアプリを実行することで、種々のサービスを提供することが可能である。例えば、被検出者に対して筋肉の動かし方を表示部24の表示や音声によってガイドするようなことも実現可能である。また、筋電位検出器10A,10Bから送信される筋電位のデータを、外部通信装置26から情報収集サーバ30へ送信し、情報収集サーバ30においてビッグデータとして収集することも可能である。
【0051】
記憶部22は、制御部21の制御の下、各種データを記憶するものであり、例えば、筋電位検出器10A,10Bから送信される筋電位のデータを記憶する。
【0052】
操作部23は、スマートフォン20の操作者による操作の入力を受け付けるものであり、タッチパネルやメカニカルボタンなどによって構成される。
【0053】
表示部24は、スマートフォン20のタッチパネルやランプなどによって構成される。
【0054】
近距離無線通信装置25は、第一筋電位検出器10Aの近距離無線通信装置15との近距離無線通信を実現するものである。近距離無線通信装置25は、制御部21の制御の下、例えば、第一筋電位検出器10Aから送信される筋電位のデータ等、第二筋電位検出器10Bから送信される筋電位のデータ等を受信する。また、近距離無線通信装置25は、制御部21の制御の下、例えば、筋電位検出器10A,10Bの報知条件の設定データを筋電位検出器10A,10Bへ送信する。
【0055】
外部通信装置26は、移動通信回線、無線LANなどを介した無線通信により、情報収集サーバ30を含む各種外部装置とのデータ通信を実現する。外部通信装置26は、制御部21の制御の下、例えば、筋電位検出器10A,10Bから送信される筋電位のデータを情報収集サーバ30へ送信する。
【0056】
図4は、本実施形態における報知処理の流れを示すフローチャートである。
筋電位検出器10A,10Bを筋電位の検出箇所となる被検出者の皮膚面に装着したら、筋電位検出器10A,10Bの電源をONにする(S1)。これにより、制御部11が起動し、被検者の筋肉の動き(筋繊維の活動)に応じた筋電位が、筋電位検出器10A,10Bの第一電極装着部18aと第二電極装着部18bに設けられる電極部材16a,16bによって検出される(S2)。
【0057】
制御部11は、電極部材16a,16bによって検出された筋電位のデータを信号処理部13から受信し、受信した筋電位のデータを近距離無線通信装置15からスマートフォン20へ送信する処理を開始する(S3)。
【0058】
また、制御部11は、信号処理部13から受信した筋電位のデータに基づき、所定の報知条件を満たすか否かの判断を行う(S4)。報知条件は、用途や要求される機能などに応じて任意に設定することができる。
【0059】
例えば、リハビリテーションやトレーニング等において、筋肉に一定以上の動きをさせる運動を被検出者が行うような場合、検出される筋電位の値が所定の閾値を超えているという報知条件を設定する。この場合、制御部11は、例えば、閾値を超える筋電位が検知されている期間に、音出力部14から報知音を出力させたり、アース電極部材16cのバイブレータを振動させたりする報知制御を実行する(S5)。
【0060】
このとき、閾値を超える筋電位が検知されている期間すっと報知音が出力され続けたり、振動が継続されたりすると、被検出者や周囲の人間などが煩わしさを感じるおそれがある。そのような場合には、検出される筋電位が所定の閾値以下であるときに報知を行うという報知条件に設定し、検出される筋電位が所定の閾値を超えるときには報知が行われないようにしてもよい。この場合、検出される筋電位が所定の閾値を超えるような筋肉の動きを継続して行うような場合の報知の煩わしさを解消することが可能となる。
【0061】
以上の処理動作(S2〜S5)は、筋電位検出器10A,10Bの電源がOFFにされるまで継続される(S6)。
【符号の説明】
【0062】
1 :筋電位検出システム
10A,10B:筋電位検出器
11 :制御部
12 :電源部
13 :信号処理部
14 :音出力部
15 :近距離無線通信装置
16a,16b:電極部材
16c :アース電極部材
17a,17b,17c:粘着シート
18a,18b:電極装着部
18c :回路搭載部
19 :フレキシブル基板
20 :スマートフォン
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作部
24 :表示部
25 :近距離無線通信装置
26 :外部通信装置
30 :情報収集サーバ
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2020年10月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
前記所定の報知条件は、前記検出部により検出された筋電位が所定の閾値以下であるという条件であり、
前記制御部は、前記所定の報知条件を満たさないときには前記報知部に報知させない制御を実行することを特徴とする筋電位検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の筋電位検出器において、
前記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項3】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
前記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記生体装着部は、伸縮性部材又は可撓性部材によって互いに連結された複数の部材によって構成されていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項5】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
前記生体装着部は、伸縮性部材又は可撓性部材によって互いに連結された複数の部材によって構成されていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
導電性ケースを備えたバイブレータを、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項7】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
導電性ケースを備えたバイブレータを、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
導電性を有する磁石を、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項9】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
導電性を有する磁石を、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに報知音を出力する報知部を有し、
前記報知部に報知音を出力させる制御を実行する制御部は、前記報知部に2種類以上の報知音の中から選択される報知音を出力させる制御を実行することを特徴とする筋電位検出器。
【請求項11】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに報知音を出力する報知部を有し、
前記報知部に報知音を出力させる制御を実行する制御部は、前記報知部に2種類以上の報知音の中から選択される報知音を出力させる制御を実行することを特徴とする筋電位検出器。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記報知部は、聴覚又は触覚を通じて報知するものであることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記検出部により検出された筋電位のデータを外部装置へ送信する送信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記生体装着部における生体の被検出面に接触する接触部分が、前記検出部の電極部材と導電性を有する粘着性材料とによって構成されていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項15】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部と、前記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器と、
前記所定の報知条件を設定するための設定データを前記筋電位検出器へ送信する送信部を備えた外部装置とから構成されることを特徴とする筋電位検出システム。
【請求項16】
検出部により検出された筋電位のデータを外部装置へ送信する送信部を備えている請求項1乃至14のいずれか1項に記載の筋電位検出器と、
前記筋電位のデータを前記筋電位検出器から受信する受信部、及び、前記受信部で受信したデータを記憶する記憶部を備えた外部装置とから構成されることを特徴とする筋電位検出システム。
【手続補正書】
【提出日】2021年3月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
前記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の筋電位検出器において、
前記所定の報知条件は、前記検出部により検出された筋電位が所定の閾値以下であるという条件であり、
前記制御部は、前記所定の報知条件を満たさないときには前記報知部に報知させない制御を実行することを特徴とする筋電位検出器
【請求項3】
求項1又は2に記載の筋電位検出器において、
前記生体装着部は、伸縮性部材又は可撓性部材によって互いに連結された複数の部材によって構成されていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項4】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
前記生体装着部は、伸縮性部材又は可撓性部材によって互いに連結された複数の部材によって構成されていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
導電性ケースを備えたバイブレータを、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項6】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
導電性ケースを備えたバイブレータを、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
導電性を有する磁石を、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項8】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
導電性を有する磁石を、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに報知音を出力する報知部を有し、
前記報知部に報知音を出力させる制御を実行する制御部は、前記報知部に2種類以上の報知音の中から選択される報知音を出力させる制御を実行することを特徴とする筋電位検出器。
【請求項10】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに報知音を出力する報知部を有し、
前記報知部に報知音を出力させる制御を実行する制御部は、前記報知部に2種類以上の報知音の中から選択される報知音を出力させる制御を実行することを特徴とする筋電位検出器。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記報知部は、聴覚又は触覚を通じて報知するものであることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記検出部により検出された筋電位のデータを外部装置へ送信する送信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記生体装着部における生体の被検出面に接触する接触部分が、前記検出部の電極部材と導電性を有する粘着性材料とによって構成されていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項14】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部と、前記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器と、
前記所定の報知条件を設定するための設定データを前記筋電位検出器へ送信する送信部を備えた外部装置とから構成されることを特徴とする筋電位検出システム。
【請求項15】
検出部により検出された筋電位のデータを外部装置へ送信する送信部を備えている請求項1乃至13のいずれか1項に記載の筋電位検出器と、
前記筋電位のデータを前記筋電位検出器から受信する受信部、及び、前記受信部で受信したデータを記憶する記憶部を備えた外部装置とから構成されることを特徴とする筋電位検出システム。
【手続補正書】
【提出日】2021年7月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の筋電位を検出する検出部と、報知部と、前記検出部により検出された筋電位が所定の報知条件を満たすときに前記報知部に報知させる制御を実行する制御部とが、生体に装着される生体装着部上に設けられている筋電位検出器であって、
前記所定の報知条件は、前記検出部により正常に検出された筋電位が所定の閾値以下であるという条件であり、
前記制御部は、前記所定の報知条件を満たさないときには前記報知部に報知させない制御を実行することを特徴とする筋電位検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の筋電位検出器において、
前記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の筋電位検出器において、
前記生体装着部は、伸縮性部材又は可撓性部材によって互いに連結された複数の部材によって構成されていることを特徴とする筋電位検出器
【請求項4】
求項1乃至のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
導電性ケースを備えたバイブレータを、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器
【請求項5】
求項1乃至のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
導電性を有する磁石を、前記検出部の電極部材として用いることを特徴とする筋電位検出器
【請求項6】
求項1乃至のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記報知部は報知音を出力するものを含み
記制御部は、前記検出部により検出された筋電位が前記所定の報知条件を満たすときに、前記報知部に2種類以上の報知音の中から選択される報知音を出力させる制御を実行することを特徴とする筋電位検出器
【請求項7】
求項1乃至のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記報知部は、聴覚又は触覚を通じて報知するものを含むことを特徴とする筋電位検出器。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記検出部により検出された筋電位のデータを外部装置へ送信する送信部が、前記生体装着部上に設けられていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の筋電位検出器において、
前記生体装着部における生体の被検出面に接触する接触部分が、前記検出部の電極部材と導電性を有する粘着性材料とによって構成されていることを特徴とする筋電位検出器。
【請求項10】
記所定の報知条件を設定するための設定データを外部装置から受信する受信部を備えている請求項1乃至9のいずれか1項に記載の筋電位検出器と、
前記所定の報知条件を設定するための設定データを前記筋電位検出器へ送信する送信部を備えた外部装置とから構成されることを特徴とする筋電位検出システム。
【請求項11】
前記検出部により検出された筋電位のデータを外部装置へ送信する送信部を備えている請求項1乃至のいずれか1項に記載の筋電位検出器と、
前記筋電位のデータを前記筋電位検出器から受信する受信部、及び、前記受信部で受信したデータを記憶する記憶部を備えた外部装置とから構成されることを特徴とする筋電位検出システム。