【解決手段】特定手段563は、ゲーム大会においてプレイされるゲームの大会ゲームルールに関する情報に基づいて、大会ゲームルールに応じたゲームの設定情報を特定する。実行手段570は、設定情報に基づいて、ゲームを実行する。
前記実行手段は、前記設定情報に基づいて、前記ゲームが実行されている際に、ユーザの操作または前記ゲームの状況の少なくともいずれかが前記大会ゲームルールを逸脱した場合に、前記大会ゲームルールが逸脱されたことを示す逸脱情報を表示部に表示させる逸脱表示手段を含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載のゲームプログラム。
前記逸脱表示手段は、前記逸脱情報を前記表示部に表示させる際に、前記大会ゲームルールの内容と前記大会ゲームルールを逸脱したユーザの操作の内容とを前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする、請求項2に記載のゲームプログラム。
前記実行手段は、前記設定情報に基づいて、前記ゲームの状況が特定の状況になったことに応じて、前記大会ゲームルールを表示部に表示させるゲームルール表示手段を含む、
ことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
前記ゲームルール表示手段は、前記ゲームの状況が特定の状況になったことに応じて、前記特定の状況において前記設定情報に基づく前記ゲームの実行により適用されない大会ゲームルールである不適用ルールが存在する場合、前記不適用ルールに関する情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする、請求項7に記載のゲームプログラム。
前記進行ルール表示手段は、前記進行ルールを前記表示部に表示させる際に、前記ゲームの結果が前記特定の結果にならなかった場合に適用される進行ルールを前記表示部に表示させるための情報を、前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする、請求項9に記載のゲームプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
本開示の一実施形態に係るゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0023】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2、ゲーム装置5および他のゲーム装置7が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置5および他のゲーム装置7においてゲームが実行される。なお、通信ネットワーク6には、ゲーム装置5および他のゲーム装置7に加えて、さらにゲーム装置が通信可能に接続されてよい。
【0024】
本実施形態に係るゲームは、各種のゲーム大会においてプレイされる対戦ゲームである。ゲーム大会においてプレイされる対戦ゲームのルールは、市販されているゲームプログラムにより実行される対戦ゲームのルール(以下、「通常ルール」とも称する。)と異なっている。
【0025】
本実施形態に係る対戦ゲームでは、ゲーム装置5のユーザは、プレイヤキャラクタ(オブジェクトに相当)を仮想ゲーム空間で活動させる。対戦ゲームでは、ユーザは、使用するアイテム、使用するキャラクタおよび対戦ステージ等を選択することができ、選択した条件でプレイヤキャラクタを敵キャラクタと対戦させることができる。なお、第1実施形態では、ユーザは、シングルプレイ(1人でプレイ)によりゲームをプレイするものとする。
【0026】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5、を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0027】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、主として、サーバ装置2、ゲーム装置5および他のゲーム装置7にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5および他のゲーム装置7等の(下記のアカウント情報毎の)ゲームデータの管理を行う。
【0028】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいてゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0029】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲームの進行に必要なデータ(対戦ゲームの進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61(表示部)およびスピーカ62(音声出力部)に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0030】
<ゲームシステム1の構成>
以下、
図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、ゲーム装置5および他のゲーム装置7のそれぞれは、互いに実質的に同じ構成を有する。
【0031】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0032】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してゲーム装置5および他のゲーム装置7と通信可能に接続されている。
【0033】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221および大会DB222などの各種データなどが記憶されている。
【0034】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報(ステータスなど)、および仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額などが、対応づけて記憶されている。
【0035】
ここで、消費媒体は、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0036】
大会DB222には、ゲーム大会に関する各種の情報が記憶されている。ゲーム大会に関する情報は、例えば、ゲーム大会の運営者等の操作によりサーバ装置2に格納される。ゲーム大会に関する情報は、例えば、ゲーム大会の名称等のゲーム大会を特定する情報、開催地、開催日程、およびゲーム大会に関するルール等の情報である。ゲーム大会に関するルールは、例えば、ゲーム大会におけるゲームに関するルール(以下、「大会ゲームルール」とも称する。)およびゲーム大会の進行に関するルール(以下、「進行ルール」とも称する。)等を含む。以下では、大会ルールおよび進行ルールを特に区別しない場合には、これらをまとめて単に「ルール」とも称する。
【0037】
大会ゲームルールは、例えば、アイテムの使用禁止、対戦ステージの選択方法に関するルール、および特定の状況における特定の操作の禁止(すなわち、特定の操作を行った選手が負けになる。)等の各種のルールを含む。特定の状況は、例えば、対戦中等の状況である。また、特定の操作は、例えば、ポーズボタンを押す操作等である。なお、通常ルールでは、大会ゲームルールでは禁止されている行為(アイテムの使用および特定の操作等)が禁止されておらず、対戦ステージの選択方法は大会ゲームルールの選択方法とは異なるものとする。
【0038】
また、進行ルールは、ゲームの結果(例えば、対戦結果)に応じたゲーム大会の進行を規定するルールを含む。具体的には、進行ルールは、選手が対戦で勝った(あるいは負けた)場合に、トーナメントあるいはリーグ戦において、ゲーム大会がどのように進行するのかを規定するルールを含む。例えば、進行ルールは、選手が勝者トーナメントの1回戦で負けた場合には、その選手は次の試合では敗者トーナメントで対戦すること等を規定する。また、進行ルールは、ゲーム大会のトーナメント表あるいはリーグ表等の示す情報を含んでよい。
【0039】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、サーバ装置2の動作を制御する。
【0040】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231および照合手段232として機能する。
【0041】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ゲーム装置との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ゲーム大会に関する情報のダウンロード要求、対戦ゲームの再開の要求、アカウント情報などが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲーム大会に関する情報、対戦ゲームの再開の許可、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報などが挙げられる。
【0042】
ここで、ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽せん方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、上記ユーザDB221に記憶され管理される。
【0043】
−照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0044】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62およびタッチパッド63が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0045】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0046】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0047】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0048】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0049】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、ゲーム装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0050】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ゲーム装置5の動作を制御する。
【0051】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、選択受付手段562、特定手段563および実行手段570として機能する。
【0052】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0053】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ゲーム大会に関する情報のダウンロード要求、および対戦ゲームの再開の要求等を、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送信された新たなゲームデータ、およびゲーム大会に関する情報等を、サーバ装置2から受信する。
【0054】
―特定手段―
特定手段563は、ゲーム大会においてプレイされるゲームの大会ゲームルールに関する情報に基づいて、大会ゲームルールに応じたゲームの設定情報を特定する。設定情報とは、各種の装置に設定される情報である。本実施形態では、設定情報は、ゲーム装置5に設定され、制御部56による各種の処理に用いられる。
【0055】
また、大会ゲームルールに応じたゲームの設定情報は、大会ゲームルールに応じたゲームに関する処理の内容を規定した情報である。例えば、大会ゲームルールが、対戦中にポーズボタン(対戦ゲームを停止させるためのボタン)を押すことを禁止するルールを含むとする。この場合、大会ゲームルールに応じたゲームの設定情報は、例えば、ユーザが対戦中にポーズボタンを押した場合には、ゲーム装置5がディスプレイ61に警告(ポーズボタンが押されたことを示す情報等)を表示させることを規定する情報である。
【0056】
また、本実施形態では、特定手段563は、ゲーム大会の進行に関する進行ルールに関する情報に基づいて、進行ルールに応じたゲームの設定情報を特定することができる。進行ルールに応じたゲームの設定情報は、進行ルールに応じたゲームに関する処理の内容を規定した情報である。例えば、進行ルールに応じたゲームの設定情報は、進行ルールの内容をディスプレイ61に表示すること規定した情報等である。進行ルールは、例えば、トーナメントまたはリーグ戦等におけるゲーム大会の進め方に関するルールを含む。具体的には、進行ルールは、選手が試合で勝った場合には勝者トーナメントに進み、選手が試合で負けた場合には敗者トーナメントに進むこと等を規定するルールである。進行ルールは、トーナメント表あるいはリーグ表等も含んでよい。
【0057】
―実行手段―
実行手段570は、ゲームに関する各種の処理を実行する。本実施形態では、実行手段570は、特定手段563により特定された設定情報に基づいて、ゲームを実行することができる。実行手段570は、ゲーム実行手段571、停止手段572、音声制御手段573および表示制御手段580として機能する。
【0058】
―ゲーム実行手段−
ゲーム実行手段571は、ゲーム装置5のユーザによるタッチパッド63の操作(例えばタッチ操作)に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示され、ゲームが進行する。
【0059】
そして、ゲーム実行手段571は、ゲーム画像上に、ゲーム装置5のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行手段571は、ユーザのタッチパッド63を介し介した操作に応じて、対戦ゲームを実行する。
【0060】
―停止手段−
停止手段572は、ゲームの進行を停止することができる。より具体的には、停止手段572は、ゲーム実行手段571に、ゲームの進行の停止を指示することができる。ゲームの進行が停止すると、ディスプレイ61に表示される画面の動作が停止する。また、本実施形態では、停止手段572は、大会ゲームルールに応じた設定情報に基づいて、後述する逸脱表示手段582により逸脱情報がディスプレイ61に表示される際に、ゲームの進行を停止することができる。これにより、ユーザは、大会ゲームルールが逸脱されたことを落ち着いて認識することができる。
【0061】
また、停止手段572は、ユーザが対戦ゲームの再開を指示する操作を行ったことに応じて、対戦ゲームを再開することができる。より具体的には、停止手段572は、ユーザが対戦ゲームの再開を指示する操作を行ったことに応じて、対戦ゲームの再開をゲーム実行手段571に指示することができる。このとき、停止手段572は、対戦ゲームを停止したタイミングと同じタイミングから対戦ゲームを再開してもよいし、対戦ゲームを停止したタイミングよりも前のタイミングから対戦ゲームを再開してもよい。
【0062】
―音声制御手段−
音声制御手段573は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5のユーザの操作等に応じて、スピーカの音声出力制御を行う。
【0063】
―表示制御手段−
表示制御手段580は、ゲーム装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示制御を行う。本実施形態では、表示制御手段580は、特定手段563により特定された設定情報に基づいて、ディスプレイ61に各種の画面を表示させることができる。また、表示制御手段580は、ゲーム表示手段581、逸脱表示手段582、ゲームルール表示手段583、進行ルール表示手段584および選択表示手段585として機能する。
【0064】
―ゲーム表示手段−
ゲーム表示手段581は、ゲーム実行手段571により生成されたゲーム画像情報に基づいて、ゲームの進行に関わる各種の画像をディスプレイ61に表示させる。ゲーム表示手段581は、例えば、ディスプレイ61に、ユーザが操作するプレイヤキャラクタおよび背景等の画面を表示させる。
【0065】
―逸脱表示手段−
逸脱表示手段582は、大会ゲームルールに応じた設定情報に基づいて、ゲームが実行されている際に、ユーザの操作またはゲームの状況の少なくともいずれかが大会ゲームルールを逸脱した場合に、大会ゲームルールが逸脱されたことを示す逸脱情報をディスプレイ61に表示させる。これにより、ユーザは、大会ゲームルールが逸脱されたことを認識することができる。
【0066】
例えば、大会ゲームルールが、対戦中におけるポーズボタンを押す操作を禁止しているとする。この場合、ユーザが対戦中にポーズボタンを押す操作は、大会ゲームルールを逸脱する操作となる。このため、ユーザが対戦中にポーズボタンを押すと、逸脱表示手段582は、逸脱情報をディスプレイ61に表示させる。
【0067】
また、本実施形態では、逸脱表示手段582は、逸脱情報をディスプレイ61に表示させる際に、大会ゲームルールの内容と大会ゲームルールを逸脱したユーザの操作の内容とをディスプレイ61に表示させることができる。例えば、逸脱表示手段582は、対戦中にポーズボタンを押すことがゲーム大会では禁止されていることと共に、ユーザがポーズボタンを押したことをディスプレイ61に表示させることができる。
【0068】
―ゲームルール表示手段−
ゲームルール表示手段583は、大会ゲームルールに応じた設定情報に基づいて、ゲームの状況が特定の状況になったことに応じて、大会ゲームルールをディスプレイ61に表示させる。例えば、大会ゲームルールが、アイテムの使用を禁止するルールであるものとする。この場合、特定の状況(例えば、使用するアイテムを選択できる状況)になったことに応じて、ゲームルール表示手段583は、ゲーム大会ではアイテムの使用が禁止されることディスプレイ61に表示させることができる。
【0069】
本実施形態では、ゲームルール表示手段583は、ゲームの状況が特定の状況になったことに応じて、特定の状況において設定情報に基づくゲームの実行により適用されない大会ゲームルールである不適用ルールが存在する場合、不適用ルールに関する情報をディスプレイ61に表示させる。例えば、大会ゲームルールが、ゲーム大会当日に2人の選手がじゃんけんの勝者を決定し、じゃんけんの勝者が対戦ステージを選択できるルールを含むとする。この場合、ユーザは、ゲーム大会が開催される前に実際に相手選手とじゃんけんを行うことはできず、じゃんけんの勝者を決定するルールが不適用ルールとなる。この場合、ゲームルール表示手段583は、この不適用ルールに関する情報(ゲーム大会では、2人の選手がじゃんけんの勝者を決定し、じゃんけんの勝者が対戦ステージを選択できることを示す情報。)を、例えば、対戦ステージを選択するための画面等に表示させることができる。これにより、ユーザは、ゲーム大会当日でなければ体験できないルールについても、事前に認識することができる。
【0070】
また、本実施形態では、特定手段563は、不適用ルールが実現された場合における対戦ゲームの状況を仮定して、その仮定に応じた設定情報を特定することができる。上述のように、不適用ルールが、2人の選手でじゃんけんの勝者を決定することであるとする。このとき、特定手段563は、ユーザがじゃんけんで勝ったものと仮定して、その仮定に応じた設定情報を特定することができる。ゲーム実行手段571は、その設定情報に基づきゲームを実行することができる。例えば、ゲーム実行手段571は、ユーザが対戦ステージを選択させることができる。このとき、ゲームルール表示手段583は、特定手段563により仮定された状況をディスプレイ61に表示させることができる。例えば、ゲームルール表示手段583は、「今回はあなたがじゃんけんで勝ったと仮定して進めます。」などの情報をディスプレイ61に表示させることができる。
【0071】
―進行ルール表示手段−
進行ルール表示手段584は、進行ルールに応じたゲームの設定情報に基づいて、ゲームの結果が特定の結果になったことに応じて、進行ルールをディスプレイ61に表示させる。特定の結果は、例えば対戦の結果等である。より具体的には、特定の結果は、ユーザが対戦で勝つ結果等である。進行ルールが、例えば、対戦で勝った選手が勝者トーナメントに進むルールを含むとする。この場合、進行ルール表示手段584は、例えば、ユーザが対戦で勝ったことに応じて、ユーザが勝者トーナメントに進めること、および勝者トーナメント等をディスプレイ61に表示させることができる。
【0072】
また、本実施形態では、進行ルール表示手段584は、進行ルールをディスプレイ61に表示させる際に、ゲームの結果が特定の結果にならなかった場合に適用される進行ルールをディスプレイ61に表示させるための情報(以下、「表示情報」とも称する。)を、ディスプレイ61に表示させることができる。例えば、ユーザが対戦で勝った場合に、進行ルール表示手段584は、ユーザが対戦で負けた場合に適用される進行ルール等を表示させるためのボタンを、ディスプレイ61に表示させてもよい。そのボタンが操作されると、例えば、進行ルール表示手段584は、ディスプレイ61に、ユーザが敗者トーナメントに進むこと、および敗者トーナメントの画像等の進行ルールを表示させることができる。
【0073】
<選択処理について>
―選択表示手段−
選択表示手段585は、複数のゲーム大会のそれぞれを特定する複数の大会特定情報をディスプレイ61に表示させる。大会特定情報は、例えば、ゲーム大会の名称、あるいは区分(予選、勝者トーナメントおよび敗者トーナメント)等を示す情報である。本実施形態では、複数のゲーム大会について、ゲーム大会の名称が同一であっても区分が異なる場合には、それぞれのゲーム大会が異なるゲーム大会となり得る。
【0074】
―選択受付手段−
選択受付手段562は、ユーザの操作に基づいて、複数の大会特定情報に基づくゲーム大会の選択を受け付けることができる。例えば、ユーザは、ディスプレイ61に表示される複数の大会特定情報に基づいて、ゲーム大会を選択する操作を行うことができる。選択受付手段562は、ユーザの操作に基づいて、ゲーム大会の選択を受け付けることができる。
【0075】
また、特定手段563は、選択受付手段562が受け付けたゲーム大会においてプレイされるゲームの大会ゲームルールに関する情報に基づいて、大会ゲームルールに応じたゲームの設定情報を特定することができる。具体的には、特定手段563は、ユーザの操作に基づき選択されたゲーム大会の大会ゲームルールに関する情報をサーバ装置2からダウンロードして、ダウンロードした情報に基づいて、その大会ゲームルールに応じた設定情報を特定することができる。これにより、ユーザは複数のゲーム大会から所望のゲーム大会を選択して、選択した大会の大会ゲームルールを体験することが可能になる。なお、1つのゲーム大会において複数の区分がある場合には、ユーザはその区分に応じた大会ゲームルールを体験することができる。
【0076】
図2〜
図6を参照して、通常ルールにおけるゲームの実行中にディスプレイ61に表示される画面を説明する。すなわち、
図2〜
図6は、大会ゲームルールに関する情報をゲーム装置5がダウンロードしていないときにディスプレイ61に表示される画面である。
【0077】
図2は、対戦ゲームを開始するための画面sc1の一例を示す図である。画面sc1には、ゲームのタイトル「格闘ゲーム」、通常プレイを開始するためのボタン610および大会模擬対戦を開始するためのボタン612が含まれている。ボタン610が選択されることにより、通常プレイが開始される。通常プレイは、大会ゲームルールに応じた設定情報によらないゲームのプレイである。また、ボタン612が選択されると、大会ゲームルールに応じた設定情報に基づくゲーム(大会模擬対戦)が開始される。ここでは、ボタン610が選択され、通常プレイが開始されるものとして説明する。
【0078】
なお、大会模擬対戦では、ユーザは報酬を取得することができず、スタミナが消費されないものとする。報酬は、例えば、アイテムまたはスタミナ等であってよく、ユーザが対戦で勝利した場合等にユーザに付与される。「スタミナ」とは、対戦ゲームを開始しプレイするために消費されるパラメータである。スタミナは、対戦ゲームの進行によらず、現実の時間経過に応じて回復する。また、スタミナは、消費媒体や各種ゲーム内アイテムの消費等のユーザの指示に応じて回復することができる。また、スタミナは、対戦ゲームの進行によるユーザランクアップ等、ユーザの指示に応じることなく回復される場合もある。
【0079】
図3は、通常プレイにおいて、ユーザが使用するキャラクタ(プレイヤキャラクタ)を選択するための画面sc2の一例を示す図である。画面sc2には、8つのキャラクタを示すキャラクタ画像620およびアイテムを選択するための画像622が含まれている。ユーザは、キャラクタ画像620を操作することにより、使用するキャラクタを少なくとも1体決定することができる。また、使用するキャラクタを決定したあとにユーザが画像622を操作すると、アイテムを選択するための画面がディスプレイ61に表示される。
【0080】
図4は、ユーザが対戦中に使用するアイテムを選択するための画面sc3の一例を示す図である。画面sc3には、12個のアイテムを示すアイテム画像630および対戦ステージを選択するための画像632が含まれている。ユーザは、アイテム画像630を操作することにより、対戦中に使用できるアイテムを決定することができる。また、ユーザは、画像632を操作することにより、対戦ステージを選択するための画面をディスプレイ61に表示させることができる。ユーザは、使用するアイテムを選択することなく、画像632を操作することもできる。
【0081】
図5は、対戦ステージを決定するための画面sc4の一例を示す図である。画面sc4には、5つのステージを示すステージ画像640が含まれる。ユーザは、5つのステージ画像640のうちの1つを操作することにより、対戦ステージを決定することができる。対戦ステージが決定されると、対戦が開始される。
【0082】
図6は、対戦中にディスプレイ61に表示される画面sc5を示す図である。画面sc5には、ユーザのプレイヤキャラクタ650および敵キャラクタ652が含まれている。ユーザは、プレイヤキャラクタ650を操作して敵キャラクタ652を攻撃し、敵キャラクタ652の体力を0にすることで勝つことができる。一方、プレイヤキャラクタ650の体力が0になると、ユーザの負けとなる。
【0083】
以上、
図2〜
図6を参照して、通常プレイ中に表示される画面について説明した。次いで、
図7〜
図14を参照して、ゲーム大会に関するルールに応じた設定情報に基づく対戦ゲームの実行中に、ディスプレイ61に表示される画面について説明する。
【0084】
図7は、ゲーム大会を選択するための画面sc6の一例を示す図である。画面sc6は、例えば、
図2に示した画面sc1において、ボタン612等が選択されると表示される。画面sc6には、3つの大会特定情報を示す画像が含まれている。具体的には、画面sc6には、「Xカップ」のゲーム大会の予選を示す画像660、「Xカップ」のゲーム大会の決勝トーナメントを示す画像662、および「Yリーグ」のゲーム大会を示す画像664が含まれている。
【0085】
ユーザが画面sc6に表示されている3つの画像のうちのいずれかを操作すると、ゲーム装置5は、操作された画像に対応するゲーム大会に関する情報を、サーバ装置2からダウンロードする。例えば、ユーザは、画像662をタッチ操作等すると、ゲーム装置5はサーバ装置2からXカップの決勝トーナメントのルールに関する情報をダウンロードし、ダウンロードした情報に基づいて設定情報を特定する。これにより、ユーザは、Xカップの決勝トーナメントのルールを体験できるようになる。以下の
図8〜
図14に示す画面は、Xカップのルールに応じた設定情報に基づく画面であるものとして説明する。
【0086】
図8は、アイテムに関する大会ゲームルールの内容を含む画面sc7の一例を示す図である。画面sc7は、
図4に示した画面sc3上に、大会ゲームルールを示す画像670を重ねて表示した画面である。ユーザは、画像670を参照することにより、Xカップでは、アイテムを使用できないことを規定する大会ゲームルールがあることを認識することができる。また、ゲーム装置5は、ユーザのアイテム画像630に対する操作を受け付けることを禁止し、対戦中に使用できるアイテムを決定できないようにする。これにより、ユーザは確実にXカップの大会ゲームルールを体験できる。なお、ユーザが対戦ステージを選択するための画像672を選択すると、
図9に示す画面がディスプレイ61に表示される。
【0087】
ここで、Xカップの大会ゲームルールは、対戦ステージが以下の手順(第1〜第4ステージルール)で決定されることを規定するルールを含むものとする。
第1ステージルール:2人の選手がじゃんけんを行い、じゃんけんの勝者を決定する。
第2ステージルール:じゃんけんの勝者が、5つのステージから1つのステージを削除する。
第3ステージルール:じゃんけんの敗者が、残りの4つのステージから2つのステージを削除する。
第4ステージルール:じゃんけんの勝者が、残りの2つのステージから対戦ステージを選択する。
【0088】
図9は、大会ゲームルールに応じた設定情報に基づき対戦ゲームを選択するための画面sc8の一例を示す図である。画面sc8は、5つのステージを示すステージ画像681,682,683,684,685を含む。また、画面sc8は、大会ゲームルールに関する情報を示す画像686を含む。具体的には、画像686は、「Xカップでは、じゃんけんで勝った選手が対戦ステージを決定します。」という第4ステージルールに関する情報を含んでいる。
【0089】
ここでは、ユーザが、大会当日とは異なり、大会ゲームルールを体験する時点においては対戦相手とじゃんけんを実際に行うことができない。このため、第1ステージルールは、設定情報に基づくゲームの実行により適用されない不適用ルールとなっている。本実施形態では、その不適用ルールが適用されない代わりに不適用ルールが仮に実現されたものとして、対戦ゲームの少なくとも一部が自動的に進行する。具体的には、画像678に「今回はあなたがじゃんけんで勝ったことにします。」と示されるように、ユーザがじゃんけんで勝ったものとして対戦ゲームが実行される。このため、第2ステージルールに基づき、ユーザは、5つのステージから1つのステージを削除することができる。
【0090】
画面sc8の上部には、「削除するステージを1つ選択してください」という第2ステージルールに関する情報が表示されている。ユーザが、5つのステージ画像のうちの1つを操作すると、操作されたステージ画像はバツ印を付され、ステージが削除される。ここでは、5つのステージのうちの、上段の左端のステージが削除されるものとする。ステージが削除されると、
図10に示す画面がディスプレイ61に表示される。
【0091】
図10は、1つのステージが削除された状態における、対戦ステージを選択するための画面sc9を示す図である。ここでは、削除されたステージのステージ画像691には、バツ印が付されている。ステージが1つ削除されると、第3ステージルールに基づいて、2つのステージが削除される。ここでは、相手の選手がいないため、ゲーム実行手段571が、残りの4つのステージからランダムで2つのステージを選択して削除する。ゲーム実行手段571が2つのステージを削除すると、
図11に示す画面sc10が、ディスプレイ61に表示される。なお、ユーザが対戦相手のユーザと通信対戦する場合には、画面sc9等は、対戦相手のユーザであって、じゃんけんの敗者とされたユーザのゲーム装置のディスプレイに表示されてもよい。
【0092】
図11は、3つのステージが削除された状態における、対戦ステージを選択するための画面sc10を示す画面である。ここでは、
図10参照して説明した削除された2つのステージを示すステージ画像692,693には、破線のバツ印が付されている。画面sc10の上部には、「対戦ステージを選択してください」という第4ステージルールに関する情報が表示されている。ユーザが残りの2つのステージ画像684,685のいずれかを操作すると、操作された画像のステージが対戦ステージとなり、対戦が開始される。
【0093】
図12は、ユーザの操作が対戦中に大会ゲームルールを逸脱した際にディスプレイ61に表示される画面sc11の一例を示す図である。ここでは、対戦中にポーズボタンを押すことを禁止する大会ゲームルールがあるものとする。ユーザが対戦中にポーズボタンを押すと、ユーザの操作が大会ゲームルールを逸脱したことを示す逸脱情報を含む画像710が表示される。画像710には、逸脱情報に加えて、大会ゲームルールを逸脱したユーザの操作の内容「ポーズボタンを押した。」と、大会ゲームルールの内容「対戦中にポーズボタンを押すと、負けになります。」とが含まれている。これにより、ユーザは、自らが行った操作のうちのどの操作が大会ゲームルールを逸脱しているかを認識できる。このとき、ポーズボタンの操作に基づいて対戦の進行が一時停止されており、ユーザは、再開ボタン712を押すと、対戦を再開させることができる。なお、ポーズボタンの操作自体が無効とされていることにより、画像710が表示されている間も対戦ゲームの進行が停止されていなくてもよい。
【0094】
対戦の決着がつくと、
図13に示す画面sc12が表示される。ここでは、ユーザが対戦で勝ったものとする。
図13には、ユーザが対戦で勝ったことを示す情報(You Win)、および勝者トーナメントの次の試合に進めることを示す情報が含まれている。ユーザは、「勝者トーナメントの次の試合へ進む」のボタン720を操作すると、新たな対戦をプレイすることができる。一方、ユーザが「負けた場合の進行ルールを確認する」のボタン722(表示情報)を操作すると、
図14に示す画面sc13がディスプレイ61に表示される。
【0095】
図14は、勝者トーナメントと敗者トーナメントとを含む画面sc13を示す図である。画面sc13には、勝者トーナメントを示す画像730と、敗者トーナメントを示す画像732とが含まれる。また、画面sc13の上部には、「負けた場合には、敗者トーナメントに進みます」という進行ルールが示されている。ユーザは、画面sc13を参照することにより、負けた場合の進行ルールを確認することができる。なお、戻るボタン734が操作されると、ディスプレイ61の画面が
図13に示す画面sc12に戻る。
【0096】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図15は、ゲームシステム1が大会ゲームルールに応じた設定情報に基づいてゲームを実行する流れを示すシーケンス図である。
【0097】
まず、ゲーム装置5の通信手段561は、ユーザの操作に基づいて、サーバ装置2に大会特定情報の要求を送信する(ステップst101)。次いで、サーバ装置2の情報処理手段231は、大会特定情報の要求に応じて、ゲーム装置5に大会特定情報を送信する(ステップst103)。ここでは、情報処理手段231は、複数の大会特定情報をゲーム装置5に送信するものとする。
【0098】
次いで、ゲーム装置5の選択表示手段585は、ステップst103において送信された複数の大会特定情報をディスプレイ61に表示させる(ステップst105)。次いで、選択受付手段562は、ユーザの操作に基づいて、複数の大会特定情報に基づくゲーム大会の選択を受け付ける(ステップst107)。
【0099】
次いで、通信手段561は、ステップst107において受け付けられたゲーム大会の大会ゲームルールに関する情報の要求を、サーバ装置2に送信する(ステップst109)。次いで、サーバ装置2の情報処理手段231は、ゲーム大会の大会ゲームルールに関する情報をゲーム装置5に送信する(ステップst111)。
【0100】
次いで、ゲーム装置5の特定手段563は、ステップst111において送信された大会ゲームルールに関する情報に基づいて、大会ゲームルールに応じた設定情報を特定する(ステップst113)。次いで、ゲーム実行手段571は、対戦ゲームを実行する(ステップst115)。具体的には、ゲーム実行手段571は、ステップst113において特定された設定情報に基いて、ユーザの操作に応じて、プレイヤキャラクタの選択、対戦ステージの選択およびプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの対戦等、各種の対戦ゲームに関する処理を実行する。
【0101】
対戦ゲームが実行されている際に、逸脱表示手段582は、ユーザの操作またはゲームの状況の少なくともいずれかが大会ゲームルールを逸脱したか否かを判定する(ステップst117)。逸脱表示手段582が、大会ゲームルールが逸脱されていないことを判定すると(ステップst117:NO)、ステップst117の処理が再度実行される。一方、逸脱表示手段582が、大会ゲームルールが逸脱されたことを判定すると(ステップst117:YES)、ステップst119に進む。
【0102】
ステップst117においてYESと判定されると、逸脱表示手段582は、逸脱情報をディスプレイ61に表示させる(ステップst119)。このとき、逸脱表示手段582は、逸脱情報と共に、大会ゲームルールを逸脱したユーザの操作の内容および大会ゲームルールの内容をディスプレイ61に表示させることができる。
【0103】
次いで、停止手段572は、対戦ゲームの進行を停止する(ステップst121)。これにより、ディスプレイ61の画面の動作が停止する。なお、ステップst119およびステップst121の処理は、同時に実行されるものとする。したがって、ディスプレイ61の画面の動作が停止した状態で、逸脱情報がディスプレイ61に表示される。
【0104】
次いで、停止手段572は、対戦ゲームを再開するか否かを判定する(ステップst123)。停止手段572は、例えば、ユーザが対戦ゲームの再開を指示する操作をした場合には、対戦ゲームを再開することを判定し、ユーザが対戦ゲームの再開を指示する操作をしていない場合には、対戦ゲームを再開しないことを判定する。停止手段572が対戦ゲームを再開しないことを判定すると(ステップst123:NO)、ステップst123の処理が再度実行される。一方、停止手段572が対戦ゲームを再開することを判定すると(ステップst123:YES)、ステップst125に進む。
【0105】
ステップst123においてYESと判定されると、停止手段572は、対戦ゲームを再開する(ステップst125)。対戦ゲームが再開されると、
図15に示す処理は終了する。
【0106】
以上をまとめると、本開示のゲームプログラムは、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、ゲーム大会においてプレイされるゲームの大会ゲームルールに関する情報に基づいて、大会ゲームルールに応じたゲームの設定情報を特定する特定手段と、設定情報に基づいて、ゲームを実行する実行手段と、として機能させるものである。
【0107】
<効果>
本実施形態によれば、ユーザは、ゲーム大会のルールを簡便に体験できる。このため、ユーザは、ゲーム大会に参加する前に、ゲーム大会のルールに慣れておくことができる。
【0108】
また、本実施形態によれば、ユーザが大会ゲームルールの内容を認識することができる。また、本実施形態によれば、ユーザは、対戦ゲームが停止した状態で、大会ゲームルールの内容を落ち着いて確認することができる。さらに、本実施形態によれば、ユーザは、設定情報に基づき実現されない大会ゲームルールについても認識することができる。
【0109】
また、本実施形態によれば、対戦ゲームの結果が特定の結果となった場合に、ユーザは大会の進行ルールを認識することができる。さらに、本実施形態によれば、対戦ゲームの結果が特定の結果とならなかった場合に適用される進行ルールについて認識することができる。
【0110】
また、本実施形態によれば、ユーザは、通常プレイか大会ゲームルールに応じたプレイを選択してプレイすることができる。さらに、ユーザは、複数のゲーム大会から選んだゲーム大会のルールに応じた設定情報で対戦ゲームをプレイできる。
【0111】
[第2実施形態]
第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と実質的に同一の内容を適宜省略して説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態で説明した各種の構成が適用され得る。
【0112】
第1実施形態では、ユーザがシングルプレイで対戦ゲームをプレイするものとして説明した。第2実施形態に係る対戦ゲームは、複数(本実施形態では2人)のユーザにより同時にプレイされる。第2実施形態では、ユーザがオンラインによるマルチプレイで対戦ゲームをプレイするものとして説明する。
【0113】
−逸脱表示手段−
第2実施形態に係る逸脱表示手段582は、他のユーザの操作が大会ゲームルールから逸脱した場合に、逸脱情報をディスプレイ61に表示させる。他のユーザは、ユーザのゲーム装置5とは異なる他のゲーム装置7のユーザある。また、ディスプレイ61表示される逸脱情報は、他のユーザの操作が大会ゲームルールから逸脱したことを示す情報を含む。
【0114】
−停止手段−
第2実施形態に係る停止手段572は、他のユーザの操作が大会ゲームルールを逸脱したことに応じて逸脱情報がディスプレイ61に表示される際に、対戦ゲームの進行を停止することができる。また、停止手段572は、対戦ゲームの進行を停止したあとに、対戦ゲームをプレイする全てのユーザが対戦ゲームの再開を指示する操作を行ったことに応じて、対戦ゲームを再開することができる。本実施形態では、停止手段572は、対戦ゲームをプレイしている2人のユーザの両者が対戦ゲームの再開を指示する操作を行ったことに応じて、対戦ゲームを再開する。このとき、停止手段572は、対戦ゲームを停止したタイミングから対戦ゲームを再開してもよいし、対戦ゲームを停止したタイミングより少し前(例えば、数秒程度前)のタイミングから対戦ゲームを再開してもよい。なお、対戦ゲームの停止は、各ユーザから操作入力がなされたとしても一切のゲームに関する処理を進行させないことだけでなく、ゲームに関する処理の少なくとも一部が進行させないことであってもよい。例えば、対戦ゲームの停止は、ユーザの操作入力に基づいてキャラクタを移動させることはできるが、相手キャラクタにダメージを与えることができない処理等であってもよい。
【0115】
図16は、他のユーザの操作が対戦中に大会ゲームルールを逸脱した際にディスプレイ61に表示される画面sc14の一例を示す図である。画面sc14には、他のユーザの操作が大会ゲームルールを逸脱したことを示す逸脱情報を含む画像740と、対戦ゲームの再開を指示するための再開ボタン742とが含まれる。
【0116】
画像740には、「Aさんの操作が大会ゲームルールを逸脱しました。」という逸脱情報が含まれている。ここで、「Aさん」は、ユーザの対戦相手である他のユーザである。また、画像740には、Aさんが「XXXボタンを押しました。」という大会ゲームルールを逸脱した操作の内容が含まれている。さらに、画像740には、「Y大会では、対戦中にXXXボタンを押してはいけません。」という大会ゲームルールの内容が含まれている。
【0117】
また、ユーザは、再開ボタン742を操作することにより、ゲーム装置5に対戦ゲームの再開を指示することができる。本実施形態では、他のゲーム装置7のディスプレイにも再開ボタンが表示され、他のユーザはその再開ボタンを操作することにより、他のゲーム装置7に対戦ゲームの再開を指示することができる。本実施形態では、ユーザおよび他のユーザの両者が対戦ゲームの再開を指示する操作を行ったことに応じて、ゲーム装置5および他のゲーム装置7において対戦ゲームが再開される。
【0118】
なお、第1実施形態においては、ユーザは、対戦中のポーズボタンを操作すると負けになるものとして説明した。しかし、ユーザが大会ゲームルールを体験する段階においては、そのように対戦ゲームが進行することはシビアに過ぎ、ユーザによる大会ゲームルールの体験を容易にすることが妨げられる場合もある。その場合には、逸脱情報を含む画像740が表示されつつ、大会ゲームルールとは異なるように対戦ゲームが進行してもよい。即ち、対戦中にポーズボタンをユーザが操作したとしても、操作したユーザがすぐに敗者とはならずに、対戦が再開可能であってもよい。
【0119】
図17は、第2実施形態に係るゲームシステム1が対戦ゲームを実行する流れを示すシーケンス図である。ここでは、ユーザと他のユーザとが対戦ゲームで対戦し、対戦中に他のユーザの操作が大会ゲームルールを逸脱するものとして説明する。また、
図17に示す処理が開始される時点で、ゲーム装置5は大会ゲームルールに関する情報をダウンロードし、大会ゲームルールに応じた設定情報を特定しているものとする。
【0120】
まず、ゲーム装置5の情報処理手段231は、ユーザの操作に基づいて、サーバ装置2に他のユーザとの対戦ゲームのプレイ要求を送信する(ステップst201)。次いで、サーバ装置2の情報処理手段231は、対戦ゲームのプレイ要求を受信して、他のゲーム装置7に対戦ゲームのプレイ要求を通知する(ステップst203)。
【0121】
次いで、他のゲーム装置7は、他のユーザの操作に基づいて、対戦ゲームの参加要求をサーバ装置2に送信する(ステップst205)。次いで、サーバ装置2の情報処理手段231は、他のゲーム装置7に、大会ゲームルールに関する情報を送信する(ステップst207)。ここでは、情報処理手段231は、ゲーム装置5がダウンロードした大会ゲームルールに関する情報と同一の情報を他のゲーム装置7に送信するものとする。次いで、他のゲーム装置7は、大会ゲームルールに関する情報を受信して、大会ゲームルールに応じた設定情報を特定する(ステップst209)。
【0122】
他のゲーム装置7が設定情報を特定すると、ゲーム装置5および他のゲーム装置7は、サーバ装置2と通信しながら、対戦ゲームの進行処理を実行する(ステップst211およびステップst213)。具体的には、ゲーム装置5および他のゲーム装置7は、それぞれの装置のユーザの操作に基づいて、プレイヤキャラクタの選択、対戦ステージの選択および対戦等に関する処理を実行する。
【0123】
また、ゲーム装置5および他のゲーム装置7が対戦ゲームの進行処理を実行する際に、サーバ装置2は、対戦ゲームの進行の共有処理を実行する(ステップst215)。具体的には、サーバ装置2は、ゲーム装置5および他のゲーム装置7のそれぞれのユーザによる操作の内容等を、ゲーム装置5および他のゲーム装置7において共有するための処理を実行する。
【0124】
次いで、他のゲーム装置7において、他のユーザの操作が大会ゲームルールを逸脱する(ステップst217)。次いで、他のゲーム装置7は、サーバ装置2に大会ゲームルールを逸脱した操作の内容を通知する(ステップst219)。
【0125】
次いで、サーバ装置2の情報処理手段231は、他のユーザの操作が大会ゲームルールを逸脱したことを示す逸脱情報をゲーム装置5に送信する(ステップst221)。ここでは、情報処理手段231は、逸脱情報に加えて、大会ゲームルールを逸脱した操作の内容と、その操作に関する大会ゲームルールの内容とをゲーム装置5に送信するものとする。
【0126】
次いで、ゲーム装置5の通信手段561がステップst221において送信された情報を受信し、逸脱表示手段582が逸脱情報等の情報をディスプレイ61に表示させる(ステップst223)。次いで、停止手段572は、ゲーム装置5における対戦ゲームの進行を停止する(ステップst225)。次いで、他のゲーム装置7は、逸脱情報を表示するとともに、対戦ゲームの進行を停止する(ステップst227)。
【0127】
次いで、ゲーム装置5の通信手段561は、ユーザの対戦ゲームの再開を指示する操作に基づいて、サーバ装置2に対戦ゲームの再開の要求を送信する(ステップst229)。次いで、他のゲーム装置7は、他のユーザの対戦ゲームの再開を指示する操作に基づいて、サーバ装置2に対戦ゲームの再開の要求を送信する(ステップst231)。
【0128】
次いで、サーバ装置2の情報処理手段231は、ゲーム装置5および他のゲーム装置7から対戦ゲームの再開の要求を受信して、ゲーム装置5および他のゲーム装置7に、対戦ゲームの再開の許可を送信する(ステップst233およびステップst235)。次いで、ゲーム装置5の停止手段572は、対戦ゲームを再開する(ステップst237)。次いで、他のゲーム装置7は、対戦ゲームを再開する(ステップst239)。ゲーム装置5および他のゲーム装置7のそれぞれが対戦ゲームを再開すると、
図17に示す処理が終了する。
【0129】
本実施形態によれば、ユーザは、他のユーザの操作が大会ゲームルールから逸脱したことを認識することができる。
【0130】
また、本実施形態によれば、対戦ゲームが停止したあとに、全てのユーザが対戦ゲームの再開を指示する操作を行った場合に対戦ゲームが再開される。このため、全てのユーザが大会ゲームルールを理解したあとに対戦ゲームが再開されることが促進される。
【0131】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0132】
上記実施形態では、主に、逸脱表示手段582は、ユーザの操作が大会ゲームルールを逸脱したことに応じて、ディスプレイ61に逸脱情報等を表示させるものとして説明した。これに限らず、逸脱表示手段582は、ゲームの状況が特定の状況になったことに応じて、ディスプレイ61に逸脱情報等を表示させてもよい。例えば、ユーザのポーズボタンを押すことによりゲームが停止することが可能になった状況となった場合に、ユーザが大会ゲームルールを逸脱する操作を実際に入力するのに先立って、逸脱表示手段582は逸脱情報等をディスプレイ61に表示させてもよい。
【0133】
また、上記実施形態では、逸脱表示手段582は、大会ゲームルールが逸脱された際に、ディスプレイ61に逸脱情報等を表示させるものとして説明した。これに限らず、ゲーム装置5は、大会ゲームルールが逸脱された際に、ユーザが何らかの形で認識可能な態様でユーザに警告すればよい。例えば、ゲーム装置5は、音声を発したり振動したりすることにより、大会ゲームルールが逸脱されたことをユーザに警告してもよい。より具体的には、音声制御手段573は、対戦ゲームが実行されている際に、ユーザの操作または対戦ゲームの状況の少なくともいずれかが大会ゲームルールを逸脱した場合に、大会ゲームルールが逸脱されたことを示す逸脱情報等をスピーカ62に出力させてもよい。これにより、ユーザは、大会ゲームルールが逸脱されたことを音声により認識することができる。このとき、音声制御手段573は、大会ゲームルールを逸脱したユーザの操作の内容および大会ゲームルールの内容などの各種の情報をスピーカ62に出力させてもよい。また、ゲーム装置5を振動させるとともにディスプレイ61に逸脱情報等を表示させるなど、これらの警告を組み合わせても良い。
【0134】
上記実施形態では、ユーザの操作が大会ゲームルールから逸脱した場合に、逸脱情報等の情報がディスプレイ61に表示されたり、対戦ゲームが停止されたりするものとして説明した。これに限らず、ユーザの操作が大会ゲームルールから逸脱した場合に、大会ゲームルールに応じた結果が実現されてもよい。例えば、ゲーム実行手段571は、対戦中にユーザの操作が大会ゲームルールから逸脱した場合に、ユーザを負けにして対戦を終了してもよい。
【0135】
また、上記実施形態では、大会模擬対戦が行われる場合には、報酬およびスタミナの消費がないものとして説明した。これに限らず、大会模擬対戦においても、報酬およびスタミナの消費があってもよい。
【0136】
また、上記実施形態では、大会模擬対戦は、通常プレイの進捗とは関係のないプレイであるものとして説明した。これに限らず、大会模擬対戦は、通常プレイの進捗に影響を与えるプレイであってもよい。あるいは、大会模擬対戦は、通常プレイの進捗に応じた対戦であってよい。具体的には、通常プレイにおける進捗に応じて、ユーザが選択できるキャラクタおよびステージ等が変化し得る。
【0137】
また、第1実施形態では、
図13および
図14を参照して、ユーザが対戦で勝った場合に表示される画面について説明した。ユーザが対戦で負けた場合には、
図13および
図14に示した画面とは異なる画面が表示される。例えば、ユーザが対戦で負けた場合には、ユーザが対戦で負けたことを示す情報、試合で負けた場合の進行ルールおよび試合で勝った場合の進行ルールをディスプレイ61に表示させるためのボタンなどが、ディスプレイ61に表示されてもよい。
【0138】
上記実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0139】
上記実施形態では、ゲームが1対1の対戦ゲームである場合を例示したが、ゲームは1対複数あるいは複数対複数の対戦ゲームであってよい。また、ゲームは、対戦ゲームに限定されるものではない。ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなど、様々な種類のゲームであってよい。
【0140】
例えば、ゲームがカードゲームである場合、プレイヤキャラクタが描写された当該プレイヤキャラクタに対応するカードオブジェクトが、仮想空間上のデッキに設定され、そのカードオブジェクトに対応するプレイヤキャラクタが敵キャラクタと対戦する。
【0141】
上記実施形態では、オブジェクトがプレイヤキャラクタである場合を例示したが、これに限定されない。例えば、オブジェクトは、仮想ゲーム空間内で使用されるカードやアイテム(武器、防具などの装備品)などであることができる。
【0142】
上記実施形態では、ゲーム装置5がゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムのすべての手段、すなわち、選択受付手段562、特定手段563、実行手段570、ゲーム実行手段571、停止手段572、音声制御手段573、表示制御手段580、ゲーム表示手段581、逸脱表示手段582、ゲームルール表示手段583、進行ルール表示手段584および選択表示手段585などが、サーバ装置単体、ゲーム装置5単体、サーバ装置およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ゲーム装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。例えば、サーバ装置2の制御部23が、選択受付手段562、特定手段563、実行手段570、ゲーム実行手段571、停止手段572、音声制御手段573、表示制御手段580、ゲーム表示手段581、逸脱表示手段582、ゲームルール表示手段583、進行ルール表示手段584および選択表示手段585の少なくともいずれかを有してもよい。
【0143】
また、上記実施形態においてシーケンス図を用いて説明した処理では、
図15及び
図17に示した順序に沿って時系列に実行されてもよいし、矛盾が生じない限り、各ステップの処理が上述した順序と異なる順序で実行されるようにしてもよい。また、各ステップの処理は本明細書で説明したように直列で実施されてもよいし、複数のステップの処理が並列に実行されてもよい。
【0144】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。