【解決手段】遊技場用システム1Sは、遊技者側の有利度合いが異なる複数段階のモードのうちのいずれかを選択的に設定可能であって、所定の実行条件が成立した場合に高モード演出を実行する遊技機3に対応しており、遊技場用システム1Sを構成する遊技情報表示装置1及び管理装置100は、高モード演出を実行した旨を特定可能な高モード演出情報を遊技機3側から受信し、高モード演出の実行状況を表す演出実行情報を特定する。
前記遊技用装置としては、少なくとも、遊技機毎に個別に設けられた遊技用装置があり、当該遊技用装置は、前記演出実行情報を表示する表示手段を備えている請求項1に記載の遊技場用システム。
前記遊技用装置としては、少なくとも、遊技場に設置された複数の遊技機に対応して設けられた遊技用装置があり、当該遊技用装置は、遊技場に設置された各遊技機に設定されたモードを記憶する記憶手段と、各遊技機の演出実行情報を管理する情報管理手段と、を有し、
当該情報管理手段は、各遊技機の前記演出実行情報をモード単位で管理可能である請求項1または2に記載の遊技場用システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技機3が複数設置された遊技場において各遊技機3を管理する遊技場用システム1Sに関する例である。遊技機3では、遊技者側の有利度合いが異なる複数種類のモードを選択的に設定可能である。この遊技場用システム1Sは、遊技者側に有利な高モードを示す演出(高モード演出)が各遊技機3でどの程度、行われているかを把握可能であるという優れた特性を備えている。以下、
図1〜
図14を参照して遊技場用システム1Sを説明する。
【0010】
遊技場では、
図1のごとく、パチンコ遊技機3Aやスロットマシン3Bなどの遊技機3に対して、遊技装置2や遊技情報表示装置1等が個別に設置されている。玉やポイント等の遊技価値の付与機能や計数機能を備える遊技装置2は、対応する遊技機3と隣り合う他の遊技機3との間のスペースに設置されている。パチンコ遊技機3A向けの遊技装置2は、対応する遊技機の左側に配置され、スロットマシン3Bに対応する遊技装置2は、対応する遊技機の右側に配置されている。ランプ機能を備える遊技情報表示装置1は、遊技機3の上方に設置されている。
【0011】
遊技場内の通路に面して遊技機3が配列された遊技島では、2台の遊技機3毎に1台ずつ中継装置54が設置されている。遊技場内に設けられた管理スペースには、遊技場内の各種の機器の稼動状況を集中的に管理するための管理装置100が設置されている。遊技場内には、遊技者が遊技により獲得した遊技価値である所有価値を景品に交換するための景品カウンタが設けられる。この景品カウンタには、景品交換のためのPOS端末55が設置されている。また、遊技機3が配列された遊技島の島端等には、遊技カード53(
図2)に対応付けられた残高(プリペイド残高)の精算を受け付ける残高精算機57が設置されている。
【0012】
遊技場では、管理装置100が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク500が構築されている。遊技機3に対応して個別に設置された遊技情報表示装置1及び遊技装置2は、中継装置54を介して場内ネットワーク500に接続されている。遊技場用システム1Sでは、遊技装置2などの遊技機3の周辺装置と管理装置100との間の各種の通信が中継装置54を介して実現されている。
【0013】
管理装置100は、遊技場に設置された各種機器の動作状態を管理するほか、遊技装置2を介して各遊技機3の遊技結果を表す稼動情報を受信して、遊技機単位の遊技情報を集計・管理している。さらに、管理装置100は、遊技者が所持する遊技カード53(
図2参照。)に対応付けられる残高や持玉などの価値を記憶し、遊技カード53の識別情報であるカードIDを対応付けて管理している。
【0014】
以下、本例の遊技場用システム1Sを構成する遊技機3、遊技装置2、遊技情報表示装置1、管理装置100の構成及び動作を詳しく説明し、続いて遊技場用システム1Sの動作内容について説明する。
(遊技機)
パチンコ遊技機3A(以下、単に遊技機3という。)は、
図2のごとく、玉を遊技媒体として遊技が行われる種別の遊技機である。遊技機3は、遊技に伴い減算されると共に、遊技で入賞すると加算されるポイント(遊技価値)を記憶する所謂封入式の遊技機である。
【0015】
遊技機3では遊技媒体である玉が封入されており、遊技者側に玉が払い出されることがない。玉は、遊技領域である盤面330(
図2)への発射と、盤面330からの排出と、を繰り返し、遊技機3の内部で循環する。遊技機3は、遊技価値をなすポイントを遊技玉ポイントとして記憶している。遊技機3では、遊技玉ポイントを1P(ポイント)ずつ消費して玉を発射できる。いずれかの入賞口に玉が入賞すればポイントを獲得でき、これにより、遊技機3が記憶する遊技玉ポイントを増やすことができる。
【0016】
図2の遊技機3は、第1始動口31及び第2始動口32への入賞に応じて大当り抽選を実行する、所謂セブン機である。この遊技機3は、大当り抽選に応じて図柄変動を実行するゲームを開始し、大当り図柄の停止表示により大当り当選を報知する。大当り当選が発生すれば、大入賞口360が開放するラウンドが複数回繰り返される有利な大当り状態に移行できる。
【0017】
遊技機3の前面には、遊技台に着席した遊技者に対面する盤面330が設けられている。この盤面330の下方には、払出式の遊技機における上皿に代えて、棚状に遊技者側に張り出すカウンター部35が設けられている。さらにカウンター部35の下方、遊技者側から向かって右側には、盤面330に打ち込む玉の発射強度を調節するために遊技者が操作する操作ハンドル335が立設されている。
【0018】
封入式の遊技機3では、払出式の遊技機とは異なり、払出玉を貯留する上皿が必要ではない。カウンター部35では、上皿をなす窪みが形成されず、上面がほぼフラットになっている。カウンター部35の上面の中央付近には、6個の7セグメント表示器が横一列に配置された遊技玉P表示部355が埋め込まれている。遊技玉P表示部355の左側には、計数ボタン357が配置され、同右側には、残高表示部351、貸玉ボタン352、遊技カード53を返却等させるための返却ボタン353等が配置されている。
【0019】
遊技玉P表示部355は、遊技機3が記憶している遊技価値である遊技玉ポイントの数量の表示部である。遊技玉ポイントの1ポイントは、玉1個分に対応している。遊技玉P表示部355に表示される遊技玉ポイントは、払出式の遊技機における計数前の玉の数量に相当している。
【0020】
盤面330は、玉が流下する領域である。盤面330では、液晶表示部390を含む表示装置39を中心として、第1及び第2始動口31、32、通過ゲート34、開閉式の大入賞装置36等が配置されている。盤面330の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔338が開口している。
【0021】
遊技者側から見て表示装置39の右側には、通過ゲート34、一般入賞口343が配置され、表示装置39の右下に第2始動口32が配置されている。表示装置39の真下には、第1始動口31が配置され、第1始動口31と第2始動口32との間隙の下方に大入賞装置36が配置されている。表示装置39の左下には、一般入賞口345が配置されている。なお、一般入賞口343、345への玉の入賞に応じて遊技者が獲得できるポイントは12Pである。
【0022】
通過ゲート34は、通過玉を検知するゲートである。玉を通過させるのみの通過ゲート34には、ポイントの付与が設定されていない。通過ゲート34が通過玉を検知すると、普通図柄の当否判定(以下、普図判定という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図判定が実行される。
【0023】
第1始動口31は、大当り抽選の一つである第1の特別図柄の当否判定(以下、第1特図判定という。)の契機となる始動口である。第2始動口32は、大当り抽選の一つである第2の特別図柄の当否判定(以下、第2特図判定という。)の契機となる始動口である。表示装置39の直下に配置される第1始動口31は、入賞率が変動しない、所謂へそタイプの始動口である。第2始動口32は、入賞率が変動する所謂電チュータイプの始動口である。第2始動口32の開口部320には、第2始動口32への入賞率を高める電動チューリップ321が取り付けられている。この電動チューリップ321は、上記の普図判定の当選(普図当選)に応じて動作し、第2始動口32を開放する。なお、第1始動口31及び第2始動口32に玉が入賞したときに遊技者が獲得できるポイントは3Pである。
【0024】
大入賞装置36は、大入賞口360を開口させる、所謂アタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。アタッカー36は、横長矩形状の大入賞口360と、下開きで回動して大入賞口360を開閉する蓋部材361と、を有している。アタッカー36では、通常、蓋部材361が盤面330と略面一をなしており、大入賞口360が閉鎖されている。蓋部材361が手前に回動したときに大入賞口360が開放状態となる。なお、大入賞口360に入賞したときに遊技者が獲得できるポイントは15Pである。
【0025】
アタッカー36は、第1特図判定または第2特図判定により大当りが発生すると開放状態になる。大当りを契機とする大当り状態では、30秒経過あるいは玉が10個入賞するまでアタッカー36が開放されるラウンド処理が15回に亘って繰り返し実行される。
【0026】
表示装置39は、
図2のごとく、外枠の内側に液晶表示部390が配置された役物である。外枠の上部右側には、普図判定の当否を報知する普図表示部381、普図保留表示部382が配置されている。また、外枠の下部の左右には、第1特図保留表示部395Aと第2特図保留表示部395Bとが配設されている。
【0027】
普図表示部381は、内部にLEDが仕込まれた〇と×の表示部により形成されている。普図表示部381は、〇と×のいずれかの点灯表示により普図判定の当否を報知する。普図保留表示部382は、LEDを4個並べて配置された表示部である。普図保留表示部382は、抽出された普図判定の抽選用乱数のうち、当否が未報知の保留乱数(普図保留、保留上限4個)の個数を、LEDの点灯個数によって表示する。
【0028】
第1(第2)特図保留表示部395A(395B)は、普図保留表示部382と同様、LEDを4個並べて配置された表示部である。第1(第2)特図保留表示部395A(395B)は、抽出された第1(第2)特図判定の抽選用乱数のうち、当否を未報知の保留乱数(第1(第2)特図保留、保留上限4個)の個数を、LEDの点灯個数によって表示する。
【0029】
特図表示部としての液晶表示部390は、3桁の数字図柄を表示画面391に変動表示し、停止した3桁の数字図柄の組み合わせにより特図判定の当否を報知する。3桁のゾロ目が大当りを報知する大当り図柄となっている。後述する通り、この大当り図柄を構成する数字の種類によって、確変大当りであるか通常大当りであるかが異なってくる。
【0030】
特図判定の当否を報知する際、3桁の数字図柄が左→右→中の順番で停止する。この報知演出においては、左と右で同じ数字図柄が停止し、中の数字図柄が変動表示中というリーチ演出が発生する場合がある。リーチ演出には、シーンの切替が発生してキャラクタなどが登場するスーパーリーチ演出等が含まれる。
【0031】
また、液晶表示部390は、遊技者側の有利度合いが高いモードが設定されている旨を表す高モード演出(
図4を参照して後述する。)を実行する演出手段としての機能を有する。演出手段としての液晶表示部390は、後述する所定の実行条件が成立した場合に、高モード演出を実行する。
【0032】
次に、遊技機3の電気的な構成について、
図3を用いて説明する。遊技機3は、主回路40を中心として構成されている。主回路40に対しては、上記の構成のほか、遊技玉ポイントを記憶する記憶部43、玉の打込を制御する発射制御回路44、モード(設定値)を設定するためのモード設定部47、入賞玉あるいは通過玉の検出センサ411〜415、第2始動口32を開放する電チューソレノイド422、アタッカー36を開放させる大入賞口ソレノイド424、遊技演出を制御する演出制御回路45、外部インターフェースをなすI/F部48等が電気的に接続されている。さらに、主回路40には、電力を供給するための電源回路部428が接続されている。
【0033】
モード設定部47は、大当りの当選確率など遊技者側の有利度合いが異なる複数段階のモードのうちのいずれかを選択的に設定するための設定手段の一例である。このモード設定部47は、遊技機3の前面をなす開閉扉を開けたときにアクセス可能な遊技機3の内部に設けられている。モード設定部47には、操作のための専用の設定キー470が用意されている。モードの変更作業等は、設定キー470を所持する一部の従業員が、閉店後などの営業時間外に実施する運用が一般的である。
【0034】
演出制御回路45は、遊技演出動作を制御するための副制御部としての機能を有し、CPU(Central Processing Unit)451、ROM(Read Only Memory)452、RAM(Random Access Memory)453等を含んで構成されている。ROM452は、CPU451に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、各種の演出抽選テーブルを記憶している。演出制御回路45には、アンプ/スピーカ331や装飾ランプ部336や液晶表示部390等が電気的に接続されている。
【0035】
演出抽選テーブルとしては、特図判定の当否の報知演出の種類を決定するため報知演出抽選用のテーブルや、高モード演出を実行するか否かを決定するためのモード演出抽選用のテーブル等がある。
【0036】
報知演出抽選用のテーブルは、上記のスーパーリーチ演出を含む各種の演出の当選乱数が規定された抽選テーブルである。報知演出抽選用のテーブルは、モード1〜6の6段階のモード毎に用意されている。例えばモード5や6などの高設定ほど、スーパーリーチ演出の当選乱数の数を多くすると良い。この場合には、スーパーリーチ演出の出現頻度に応じてモードを推定する楽しみを遊技者側に提供できる。
【0037】
モード演出抽選用のテーブルは、高モード演出の当選乱数が規定された抽選テーブルである。モード演出抽選用のテーブルは、モード1〜6の6段階のモード毎に用意されている。例えばモード5や6などの高モードについて、高モード演出の当選乱数が設定されている一方、モード4以下については高モード演出の当選乱数が設定されていない。したがって、モード演出抽選の当選は、設定されたモードが5か6の場合に限って発生する。
【0038】
主回路40は、
図3に示すごとく、CPU401、記憶素子であるROM402・RAM403、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部407、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部406等を備えている。ROM402は、CPU401に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、第1特図判定及び第2特図判定に共用される抽選テーブル(以下、特図判定用の抽選テーブルという。)と、普図判定用の抽選テーブルと、を記憶している。
【0039】
普図判定用の抽選テーブルは、普図判定の当選乱数が規定された抽選テーブルである。普図判定用の抽選テーブルとしては、通常状態下の普図判定に適用する抽選テーブルと、時短状態(確変状態を含む)下の普図判定に適用する抽選テーブルと、の2種類が用意されている。普図判定用の抽選テーブルは、6段階のモードについて1種類の抽選テーブルが共用される。そのため、普図当選の確率については、モードによる違いが生じない。
【0040】
特図判定用の抽選テーブルは、特図判定の当選乱数が規定された抽選テーブルである。特図判定用の抽選テーブルとしては、モード1〜6の6段階のモード毎に、通常状態(時短状態を含む)下の特図判定用の抽選テーブルと、確変状態下の特図判定用の抽選テーブルと、が用意されている。つまり、特図判定用の抽選テーブルとしては、6段階のモード、及び確変状態であるか通常状態であるか、の組合せによる12種類が用意されている。第1特図判定あるいは第2特図判定時には、この12種類の抽選テーブルのうちのいずれかが、モード及び遊技状態の種類に応じて択一的に選択される。
【0041】
特図判定の当選乱数の個数はモードに応じて相違しており、モード5や6などの高設定ほど大当りの当選乱数が多く設定されている。これにより、本例の遊技機3では、モード毎、遊技状態毎の大当り確率が表1のようになっている。
【表1】
【0042】
表1に例示するように、大当りが当選する確率は、高設定ほど高い確率になっており、確変状態では通常状態よりも有利になっている。なお、モードや遊技状態に関わらず、大当りに当選した場合の通常大当り及び確変大当りの振分率(確変率)は、66%となっている。なお、これに代えて、大当りの当選確率をモードによらず一定とする一方、確変率をモードに応じて異ならせても良い。通常状態の大当り確率、確変状態の大当り確率、確変率の少なくともいずれか1つがモードに応じて異なり、モードに応じて遊技者側の有利度合いが異なっていれば良い。
【0043】
RAM403は、
図3のごとく、CPU401のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM403の記憶領域には、第1始動口31への入賞に対応する第1特図保留や、第2始動口32への入賞に対応する第2特図保留や、普図判定用の普図保留等の一時的な記憶エリアが設けられている。
【0044】
主回路40は、ROM402から読み出したプログラムをCPU401に実行させることにより、以下の(1)〜(5)、(8)の各手段としての機能を実現する。また、演出制御回路45は、同様に、以下の(6)、(7)の手段としての機能を実現する。
【0045】
(1)抽選手段:大当り抽選である特図判定を実行する手段。
(2)保留手段:特図判定用及び普図判定用の抽選用乱数を、特図保留あるいは普図保留として記憶し保留する手段。
(3)読出手段:特図判定用の抽選用乱数である特図保留を読み出す手段。読出手段は、第1特図保留よりも第2特図保留を優先して実行する。
(4)大当り状態発生手段:特図判定の当選(大当り)に応じて、大当り状態を発生させる手段。
(5)動作切替手段:モードに対応する遊技動作への切替を実行する手段。動作切替手段は、特図判定用の抽選テーブルの切替等により、遊技機3による遊技動作をモードに応じて切り替える。
(6)演出抽選手段:各種の演出抽選を実行する手段。演出抽選としては、特図判定結果の報知演出の種類を決定するための報知演出抽選や、高モード演出を実行するためのモード演出抽選などがある。なお、演出抽選手段は、通常状態下スタートの回数を計数し、100回に達する毎にモード演出抽選を実行する。
(7)成立判定手段:所定の実行条件が成立したか否かを判定する手段。成立判定手段が所定の実行条件の成立を判定すると、高モード演出が実行される。所定の実行条件としては、上記のモード演出抽選での当選が設定されている。
(8)情報出力手段:遊技装置2などの外部機器との間でデータ通信を実行する通信手段。情報出力手段は、高モード演出を実行した旨を特定可能な高モード演出情報や、遊技機3における遊技状況を表す遊技信号などを外部に出力可能である。なお、データ通信により遊技装置2との間でやり取りされるデータや信号等については、遊技装置2の構成を説明した後で説明する。
【0046】
次に、以上のように構成された本例の遊技機3の基本動作について概説する。主回路40は、操作ハンドル335に対する操作を検出すると、記憶部43が記憶する遊技玉ポイントの残存数量を参照する。遊技玉ポイントの残存数量があれば、1P分の減算を引き換えに玉を1個発射するよう、発射制御回路44を介して発射装置441を制御する。このように発射された玉は、通過ゲート34などが配置された盤面330を流下する。入賞しなかった玉は、盤面330の最下部に設けられたアウト孔338から回収される。玉がいずれかの入賞口に入賞した場合には、ポイントが付与されて遊技玉ポイントに加算される。
【0047】
主回路40は、通過ゲート34を通過する玉を検出したとき、乱数発生部407が発生する乱数の中から普図判定の抽選用乱数を抽出する抽選処理を実行する。主回路40は、この抽選用乱数を普図判定用の抽選テーブルと照合することにより、普図判定の結果を決定する。このとき、主回路40は遊技状態を参照し、普図表示部381を変動表示させる時間である普図の変動時間を併せて決定する。普図の変動時間としては、遊技状態が通常状態であれば30秒に決定され、時短状態であれば3秒に決定される。普図判定の結果が当選のときには、普図表示部381の○×が交互に点灯する変動表示の後、○が点灯状態となる。ハズレのときには、変動表示の後、×が点灯状態となる。主回路40は、普図判定に当選したとき、第2始動口32の電動チューリップ321を開放させる。なお、電動チューリップ321の開放時間は、通常状態において0.2秒×1回、時短状態(確変状態を含む)において5秒×1回となっている。
【0048】
主回路40は、第1(第2)始動口31(32)への入賞玉を検出すると第1(第2)特図判定の抽選用乱数の抽出を実行し、第1(第2)特図保留として記憶する。ただし、第1(第2)特図保留の数が上限個数の4個である場合には、抽選用乱数は第1(第2)特図保留として記憶されることなくそのまま消去される。
【0049】
大当り状態の発生中ではないとき、主回路40は、図柄変動の停止中に第1特図保留あるいは第2特図保留を記憶時点の古いものから順番に1つずつ読み出す。そして、読み出した特図保留の抽選用乱数を特図判定用の抽選テーブルと照合して特図判定の当否(大当りかハズレか)、及び特図の変動時間を決定する。なお、特図保留の読出に当たっては、第2特図保留が優先的に読み出される。第1特図保留については、第2特図保留が無い場合に読み出される。
【0050】
主回路40は、特図判定の抽選結果(大当り抽選の当否、及び特図の変動時間)を演出制御回路45に入力する。特図判定の抽選結果を入力された演出制御回路45は、上記の報知演出抽選用のテーブルを用いて報知演出抽選を実行する。報知演出抽選では、スーパーリーチ演出などの特別演出を含め、特図判定の抽選結果を報知するための演出の方法や内容が決定される。
【0051】
演出制御回路45は、報知演出抽選の抽選結果に応じて液晶表示部390(表示装置39)による報知演出を開始させる。演出制御回路45は、特図当選である大当りの場合、中央の図柄を残して両側に同じ数字の図柄を停止表示するリーチ演出を含む図柄の変動表示の後、同じ数字の図柄の組合せである大当り図柄を液晶表示部390の表示画面391に停止表示させる。確変大当りか通常大当りかは、停止表示された数字に応じて異なる。例えば、7及び3の数字図柄による大当りは、確変大当りであり、それ以外の奇数の数字図柄による大当りは、通常大当りである。
【0052】
主回路40は、液晶表示部390による大当り図柄の停止表示による大当り(特図当選)の報知の後、大当り状態を発生させる。大当り状態では、30秒経過するか10個入賞するまで大入賞装置36を開放するラウンド処理が15回、繰り返して実行される。なお、1回のラウンド処理で遊技者が獲得できる平均的なポイントは150Pとなっている。これは、払出式の遊技機の出玉150玉に相当している。
【0053】
主回路40は、通常大当り状態の終了後には、第2始動口32の入賞確率が高くなる電動サポート有りの時短状態を、例えば図柄変動100回転に亘って発生させる。また、確変大当り状態の終了後には確変状態を発生させる。この確変状態は、時短状態を伴って発生し、新たな大当り状態の発生に応じて終了する。したがって、確変大当りが発生すれば、大当り状態が連続的に発生する連荘が確定する。
【0054】
なお、この遊技機3では、大入賞口360や第2始動口32が盤面330の右側領域に存在することから時短中や大当り中には盤面330の右側領域を狙って玉を打出す、所謂右打ちが行われる。以上は、特定の機種を例にした説明である。当然ながら、例示した値は、機種に応じて異なってくる。他の機種であれば、例えば、ラウンドの振分が異なる等、遊技性も異なっている。
【0055】
演出制御回路45は、通常状態下において、図柄変動の実行回数を計数している。そして、図柄変動回数が100回に達する毎に、上記のモード演出抽選を実行する。なお、演出制御回路45は、電源投入時、甘中が終了して通常状態に移行したとき、及びモード演出抽選を実行したとき、計数対象の図柄変動回数をゼロリセットする。演出制御回路45による以上の制御によれば、電源投入後あるいは通常状態への移行後、図柄変動が100回実行される毎に、モード演出抽選を実行できる。
【0056】
演出制御回路45は、モード演出抽選に当選すると、液晶表示部390における高モード演出画面(
図4)の表示等を含む高モード演出を実行する。上記の通り、モード毎の当選乱数が規定されたモード演出抽選用のテーブルでは、高モード(モード5、6)について当選乱数が設定されている一方、モード4以下の各モードについては、当選乱数が設定されていない。したがって、モード演出抽選での当選は、高モードの遊技機3においてのみ発生する。それ故、
図4の高モード演出が実行されれば、遊技中の遊技機3がモード5または6であることが確定する。
【0057】
(遊技装置)
遊技装置2(
図2)は、遊技に必要な玉やポイントを付与する付与処理や、遊技者が遊技により獲得した遊技価値である所有価値(遊技玉ポイント)を計数する計数処理等を実行する装置である。遊技場では、遊技装置2を利用して遊技に必要な玉やポイントの付与を受けると、対応する遊技機3での遊技が可能となる。
【0058】
遊技装置2の前面パネル25には、状態表示部21、貨幣投入口22、タッチ表示パネル23、遊技ボタン24、遊技カード53を受け付けるカード挿入口26等が設けられている。なお、遊技カード53としては、遊技場の会員向けの会員カード531と、一般カード532と、がある。
【0059】
遊技装置2は、
図5のごとく、CPU201、ROM202、RAM203等を備える制御部20を中心として電気的に構成されている。制御部20に対しては、上記の構成のほか、貨幣の受付処理を実行する貨幣処理部221、記憶媒体である遊技カード53に対応付けられた記録情報を読み書きするカードリーダライタ(カードRW)280、一般カード532をストックするカードストック部283、対応する遊技機3及び中継装置54との間の通信ポートをなすI/F部29、リモコン受光部290などが電気的に接続されている。
【0060】
遊技装置2の制御部20は、ROM202から読み出したプログラムをCPU201に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)稼動情報受信手段:遊技機3側から遊技結果を表す稼動情報を受信する手段。
(2)稼動情報送信手段:稼動情報受信手段が取得した遊技機3の稼動情報を外部に送信する手段。送信先としては、遊技情報表示装置1や管理装置100等がある。
【0061】
なお、稼動情報に基づいて各種の遊技情報を生成する機能を遊技装置2が具備していても良く、この場合、遊技装置2が生成した遊技情報を遊技情報表示装置1や管理装置100等に送信するように構成することも良い。
【0062】
ここで、遊技機3及び遊技装置2の基本動作を説明しておく。遊技場では、遊技装置2に貨幣を投入等することで、対応する遊技機3での遊技を開始できる。遊技装置2が貨幣を受付する(貨幣受付処理)と、遊技機3と遊技装置2との双方において、入金額が残高に加算されて表示される。残高がある状態で遊技機3の貸玉ボタン352が押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位(例えば125玉)分が貸出玉(売上玉)としてポイント(対価付与価値)に変換され(変換処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レート)に応じた対価分が残高から引落しされる。なお、遊技装置2は、複数回の対価付与処理の対応分の貨幣を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0063】
遊技機3は、上記の通り、所謂封入式の遊技機であり、盤面330に打ち出された玉が循環し、入賞した場合であっても遊技機の外に玉が払出されない。この遊技機3では、遊技玉ポイントが管理され、盤面330への玉の打出し(使用)に応じてポイントが減算され、入賞に応じて付与されたポイントが加算される(入賞付与処理)。
【0064】
なお、遊技装置2は持玉を管理している。持玉は、直接的には遊技に使用できないが、遊技ボタン24の押下に応じて貸出1単位分の持玉が変換玉として遊技玉ポイントに変換される変換処理(対価付与処理)が行われる。この場合、変換率を別途設けても良いが、本例では1:1の等価変換としている。なお、この等価変換については、下記の計数処理についても同様である。
【0065】
遊技に応じて遊技機3の遊技玉ポイントが増加した場合、遊技機3の計数ボタン357の押下に応じて遊技玉ポイントを計数玉とし、持玉に変換できる(計数処理)。この場合、1回押下(計数ボタン357)に応じて1玉が変換対象となるが、計数ボタン357の押下状態を継続させると連続的、且つ加速的に複数玉を計数玉に変換できる。このようにして遊技玉ポイント及び持玉が更新される。遊技装置2では、残高や持玉が残っている状態で遊技機3の返却ボタン353を押下する等の発行操作が行われたとき、遊技装置2にストックされていた持玉券としての一般カード532に残高や持玉が対応付けられて発行される(発行処理)。
【0066】
遊技機3⇔遊技装置2でやり取りされる信号あるいは情報としては以下のものがある。
(1)状態確認要求信号:状態確認応答(台データ)の要求信号。遊技装置2が200m秒毎に遊技機3に送信する。
(2)台データ:状態確認要求信号に応じて遊技機3が遊技装置2に返信する状態確認応答。なお、台データの内訳は後述の通りである。
(3)カード挿入通知:遊技カード53を受け付けた旨の遊技装置2による通知。
(4)カード挿入応答:カード挿入通知に対する遊技機3の応答。
(5)返却要求信号:遊技カード53の返却を求めて遊技機3が送信する信号。返却ボタン353の操作に応じて遊技機3が送信する。
(6)計数要求信号:遊技機3が備える計数ボタン357が操作されたときに遊技機3が送信する信号。計数要求信号は、遊技機3が記憶する遊技玉ポイントのうちの1P分の計数を要求する信号である。
【0067】
台データには、以下のデータや情報等が含まれている。なお、以下の説明では、遊技機3が遊技装置2に送信する台データを稼動情報という。
(1)アウト(回数):前回データ送信時からの消費価値(使用価値、打込価値、アウト)を1玉単位で示す。
(2)セーフ(回数):前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示す。
(3)S入賞(回数):前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示す。
(4)スタート(回数):前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(液晶表示部390)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示す。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数しても良い。
(5)大当り(回数):前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示す。高モード演出が発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
(6)高モード演出(回数):高モード演出を実行した旨を特定可能な高モード演出情報の一例であり、前回データ送信時からの演出回数を1回単位で示す。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数しても良い。
(7)大当りフラグ(状態):データ送信時に大当り状態の発生中であればON、大当り状態の発生中でなければOFFが示されるので、ONとなってからOFFとなるまでの期間を大当り中として特定できる。
(8)甘中フラグ(状態):データ送信時に、特別状態中(甘中)あるいは大当り状態の発生中であればON、それ以外であればOFFが示されるので、ONとなってからOFFとなるまでの期間を甘中あるいは大当り状態の発生中として特定できる。例えば甘中フラグ(状態)がONの場合、大当りフラグ(状態)がONであれば大当り状態の発生中、OFFなら甘中と特定できる。また、甘中は、時短状態や確変状態といった特別状態が対応する。なお、大当り状態の発生中では、甘中(状態)が必ずしもONにならなくとも良い。なお、大当りフラグ(状態)と甘中フラグ(状態)のいずれもOFFであれば通常状態と特定できる。
【0068】
(遊技情報表示装置)
遊技情報表示装置1は、
図1及び
図6のごとく、遊技機1台に対して1台ずつ個別に設置される遊技用装置の一例である。遊技情報表示装置1は、遊技機3の稼動情報(台データ)を中継装置54経由で受信して各種の遊技情報を生成・表示する。また、遊技情報表示装置1は、例えば遊技機3に関する案内情報など管理装置100から受信する各種の情報を表示する機能や、従業員の呼び出し機能などを備えている。
【0069】
遊技情報表示装置1は、
図6のごとく、大型の液晶表示部13を備えている。液晶表示部13の表示エリア130の下側には、従業員を呼び出すための呼出ボタン141Aやメニューボタン141B等の操作ボタン群141が配置され、遊技情報表示装置1の上部では、呼び出し中等に所定パターンで点灯するランプ部12が上半分を取り囲むように設けられている。また、外側に軽く張り出すように形成された左下の角部には、図示しないNFC(Near Field Communication)リーダの読取面145が設けられ、同様の右下の角部には、リモコン受光部147の受光面が配置されている。
【0070】
液晶表示部13は、透明シート状のタッチパネル(図示略)が積層されたタッチ操作可能なタッチ表示パネルである。液晶表示部13の表示エリア130には、大当り履歴や過去の遊技情報等、各種の情報を表示可能である。液晶表示部13は、対応する遊技機3における高モード演出の実行状況を表す演出実行情報を表示する表示手段としての機能を有する。遊技情報表示装置1では、メニューボタン141Bの操作に応じて、液晶表示部13の表示内容を切替可能である。
【0071】
遊技情報表示装置1は、
図7のように、制御部10を中心として電気的に構成されている。制御部10は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU101、記憶領域をなすROM102、RAM104、信号の入出力を行うI/O部105を含んでいる。制御部10に対しては、ランプ部12、液晶表示部13、呼出ボタン141Aやメニューボタン141Bなどの操作ボタン群141、従業員が携帯するリモコン(図示略)に対応するリモコン受光部147等のほか、中継装置54との間で信号や情報を送受信する送受信部108が電気的に接続されている。
【0072】
遊技情報表示装置1は、ROM102から読み出したプログラムをCPU101に実行させることで、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)受信手段:中継装置54を介して遊技装置2から稼動情報を受信する手段。受信手段が遊技機側から受信する稼動情報(台データ)には、少なくとも、高モード演出を実行した旨を特定可能な高モード演出情報が含まれている。
(2)遊技情報特定手段:対応する遊技機3が出力した稼動情報(遊技信号の一例)に基づいて遊技結果を表す遊技情報を特定する手段。
(3)演出実行情報特定手段:高モード演出の実行状況を表す演出実行情報を特定する手段。演出実行情報特定手段は、対応する遊技機3が出力した稼動情報に基づいて演出実行情報を特定する。
(4)情報管理手段:各遊技機3の演出実行情報及び遊技情報を管理する手段。情報管理手段は、各遊技機3の演出実行情報をモード単位で管理可能であるほか、高モード演出が実行されたか否かで区分して各遊技機3の遊技情報を管理可能である。
【0073】
(管理装置)
管理装置100(
図1)は、遊技場に設置された各遊技機3に対応して設けられた遊技用装置の一例である。管理装置100は、
図8のごとく、液晶ディスプレイ及び図示しないプリンタ等の出力部111と、各種の演算処理を実行する装置本体110と、キーボードやマウス等を含む入力部112と、遊技装置2などの外部機器との通信を実現する通信I/F部113と、を備えている。装置本体110は、演算処理を実行するCPU121のほか、ROM122・RAM123などの記憶素子や、I/Oを構成する通信制御素子等が実装された電子基板のほか、ハードディスクドライブ等の記憶装置115を備えている。
【0074】
管理装置100は、記憶装置115から読み出した実行プログラムをCPU121に実行等させることで、遊技機3単位で遊技情報を記憶し、管理する機能を実現する。管理装置100は、場内ネットワーク500経由で遊技装置2が200m秒毎に送信してくる稼動情報(台データ)を受信する。管理装置100は、各遊技機3の稼動情報に基づいて遊技機3単位で遊技情報を集計等する。
【0075】
管理装置100は、ROM122から読み出したプログラムをCPU121に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)受信手段:稼動情報送信手段としての遊技装置2から稼動情報を受信する手段。受信手段は、データ通信用の回線である場内ネットワーク500を介して稼動情報を受信する。稼動情報には、少なくとも、高モード演出を実行した旨を特定可能な高モード演出情報が含まれている。
(2)遊技情報特定手段:遊技場に設置された各遊技機3が出力した稼動情報(遊技信号の一例)に基づいて各遊技機3の遊技結果を表す遊技情報を特定する手段。
(3)演出実行情報特定手段:高モード演出の実行状況を表す演出実行情報を特定する手段。演出実行情報特定手段は、各遊技機3が出力する稼動情報に含まれる高モード演出情報に基づいて各遊技機3の演出実行情報を特定する。
(4)記憶手段:遊技場に設置された各遊技機3に設定されたモードを記憶する手段。
(5)情報管理手段:対応する遊技機3の演出実行情報及び遊技情報を管理する手段。情報管理手段は、高モード演出が実行されるまでの期間と、高モード演出が実行された後の期間と、で区分して遊技情報を管理可能である。
【0076】
以上のように構成された遊技場用システム1Sでは、遊技機3→遊技装置2→中継装置54→遊技情報表示装置1・管理装置100の経路にて、遊技機3の稼動情報が遊技情報表示装置1および管理装置100に送信される。封入式の遊技機3は、200m秒という所定期間単位(周期)で稼動情報(台データ)を随時、出力(送信)する。遊技機3が出力する稼動情報は、前回送信時(200m秒前)からの累計データである。遊技情報表示装置1および管理装置100は、遊技機側から稼動情報を受信し、集計処理等を施して遊技情報を生成する。
【0077】
遊技情報表示装置1は、遊技装置2を経由して受信する稼動情報(台データ)に基づいて、対応する遊技機3の遊技情報を集計する。また、管理装置100は、遊技装置2を経由して受信する稼動情報(台データ)に基づいて、遊技場に設置された複数の遊技機3の遊技情報を集計する。遊技情報表示装置1及び管理装置100は、対応する遊技機3あるいは各遊技機3での遊技の進行に応じて、例えば
図9の遊技履歴を生成する。同図の遊技履歴は、モード6(高モード)が設定された台番4の遊技機3の遊技履歴の例示である。
【0078】
図9の遊技履歴は、No.1、No.2・・・など大当り単位の遊技レコードにより構成されている。各遊技レコード中の「時刻」は、大当たりの発生時刻である。「遊技状態」は、大当りが発生したときの遊技状態であり、「通常」は通常状態下の大当りを意味し、「甘中」は甘中での大当りを意味している。通常状態下の大当りは、初当りであり、甘中での大当りは、連荘による大当りである。同図中の各項目は、以下の通りである。
【0079】
(1)アウト:遊技機3にて消費された遊技価値。なお、以下の各データを含め、遊技機3が出力する稼動情報(台データ)により特定される。
(2)セーフ:遊技機3への入賞に応じて付与された遊技価値。
(3)スタート、S入賞:スタートは遊技機3における役物の作動回数。S入賞は始動入賞回数。なお、「甘中」は、時短状態や確変状態などの特別状態の発生期間に対応した遊技情報を示す。「通常」は、通常時に対応した遊技情報を示す。
(4)T1アウト/T1セーフ:T1中(大当り中)のアウト/セーフ。
(5)高モード演出回数:高モード演出の実行回数。この高モード演出回数は、高モード演出の実行状況を表す演出実行情報の一例をなす。
【0080】
遊技情報表示装置1は、
図10及び
図11の遊技情報を生成し、管理している。
図10は、
図9に例示した遊技履歴を構成する各遊技レコードを集計した遊技情報の例示である。
図10の項目のうち、
図9にない項目は以下の通りである。
(1)Tアウト/Tセーフ:T中(大当り中、及び甘中)のアウト/セーフ。
(2)大当り数:大当りの発生回数。「通常」は通常時に発生した大当り数であり、所謂「初当り」の回数を示している。「甘中」は、時短状態や確変状態などの特別状態の継続期間に発生した連荘による大当り数である。
【0081】
図11は、対応する遊技機3の過去30日間に亘る高モード演出回数の履歴である。同図に例示する高モード演出回数の履歴によれば、過去7日間(1週間)で高モード演出が実行された日数や、過去30日間(1か月)で高モード演出が実行された日数など、高モード演出の実行状況を特定可能である。
【0082】
一方、管理装置100は、
図12のごとく、遊技機単位で遊技情報を管理している。同図は、例えば機種Aの遊技機3の遊技情報の一覧である。同図中の「台番」は、各遊技機3の識別情報である。「平均」は、機種Aの遊技機3全体の平均値を示している。同図中の「モード」は、遊技機3に設定されたモードの値である。モードは、別途の操作入力等により特定される。
【0083】
管理装置100は、
図12のごとく、高モード演出(
図4参照。)の実行状況を遊技機単位で管理している。例えば、同図の場合、台番4の遊技機3においてのみ高モード演出が実行され、他の遊技機3では高モード演出が実施されていない。ここで、本例の管理装置100は、上記の通り、各遊技機3に設定されたモードを管理している。管理装置100が遊技機単位で管理する
図12の遊技情報によれば、モード6のような高モードが設定された遊技機3のうち、4番台では高モード演出が実行されているが、6番台では高モード演出が実行されておらず、モードが4以下の他の遊技機では、高モード演出が実行されていないことが分かる。
【0084】
管理装置100は、
図13〜
図15に例示する態様で高モード演出に関連する遊技情報を管理している。なお、管理装置100は、管理している遊技情報を適宜、出力部111を利用して出力可能である。管理装置100が遊技情報を出力する方法としては、液晶ディスプレイによる表示や、プリンタ等による印字出力等がある。遊技場の管理者等は、管理装置100が出力する遊技情報を閲覧等することで、例えば、高モード演出の実行状況など、遊技場経営に役立つ情報を取得できる。
【0085】
図13は、高モード演出の実行状況を表すモード単位の遊技情報の例示である。
図13によれば、モード5及び6の高モードの遊技機3においてのみ高モード演出が行われていることが分かる。また、1台当りの高モード演出回数は、モード6よりもモード5の方が高いことが分かる。モード6よりもモード5の遊技機3の方が大当りの確率が低いため、大当り間スタートが多くなる傾向にあるが、モード6よりもモード5の高モード演出の実行頻度を高くすれば、大当り間スタートが多くなったことでモード5であるにも関わらず遊技を諦めてしまう遊技者を減らすことができる。
【0086】
図14は、高モード演出を実行するまでの期間と、高モード演出を実行した後の期間と、で区分した遊技情報の例示である。同図は、いずれか1台の遊技機3の遊技情報の例である。同図中、高モード演出前の累積営業時間は、稼動/非稼働に関わらず、当日の営業開始後、高モード演出が実行されるまでの経過時間である。また、同図中、高モード演出後の累積営業時間は、高モード演出後の経過時間である。稼動率(%)は、対象期間の全期間に亘って稼動が継続された場合に想定される仮想アウトに対する実際のアウトの割合である。仮想アウトは、1分当りのアウトである100Pを累積営業時間(分)に乗じて得られる。なお、遊技情報表示装置1においても
図14に例示する遊技情報を管理しても良い。
図14によれば、高モード演出の実行に応じた稼動率の変動を把握できる。同図の場合、高モード演出実行後の稼動率の向上が顕著である。
【0087】
図15は、高モード演出の履歴の有無、すなわち高モード演出が実行されたか否かによって区別した遊技情報の例示である。同図中の各項目のモードの値、及び遊技情報のデータ値は、すべて平均値である。同図によれば、高モード演出が実行された遊技機グループの方が、実行されていない遊技機グループよりも、大当り数などの遊技結果が良好であることが分かる。
【0088】
次に、遊技情報表示装置1による高モード演出に関する演出実行情報の表示動作について、
図16及び
図17を参照して説明する。遊技情報表示装置1の表示エリア130には、通常、
図16に例示する通常画面がトップ画面として表示される。同図の通常画面では、向かって左側の上から順番に、本日、前日(1日前)、前々日(2日前)の初当り回数の表示欄161、大当り間スタートの表示欄163、及び本日のスタート回数の表示欄165が表示される。画面の中央には、本日、前日、前々日の大当り回数を表示するメイン表示欄171が表示され、その下側には、過去の最高差玉の表示欄172、及び大当り間スタート回数を棒グラフで表すグラフ表示欄173が表示される。
【0089】
メニューボタン141B(
図6参照。)を操作すれば、所望の遊技情報の表示を含む各種の画面に切替可能である。例えば
図17は、高モード演出の実行状況を表す演出実行情報がメイン表示欄171に表示された画面である。同図のメイン表示欄171では、当日の高モード演出回数、週単位7日間で高モード演出が実行された日数、及び月単位30日間で高モード演出が実行された日数、が表示される。
【0090】
当日の高モード演出回数の表示があれば、遊技者側で、高モード演出の実行頻度や、高モード演出が実行されたか否か、すなわち遊技中の遊技機3の高モードが確定済みであるか否か、等を把握できる。さらに、週単位7日間のうち高モード演出が実行された日数や、月単位30日間のうち高モード演出が実行された日数、等の表示があれば、遊技中の遊技機3について高モードが設定される頻度を把握できる。
【0091】
以上のように構成された遊技場用システム1Sは、遊技者側の有利度合いが異なる複数段階のモードのうちのいずれかを選択的に設定可能であって、所定の実行条件(モード演出抽選の当選。)が成立した場合に高モード演出を実行する遊技機3に対応するシステムである。この遊技場用システム1Sを構成する遊技用装置の一例である遊技情報表示装置1や管理装置100は、高モード演出を実行した旨を特定可能な高モード演出情報を遊技機3側から受信し、高モード演出の実行状況を表す演出実行情報を特定する。
【0092】
このように本例の遊技場用システム1Sは、遊技者側の有利度合いが異なるモードの設定が可能な遊技機3において、高モードを示す演出がどの程度、行われているかを把握可能な優れた特性のシステムである。
【0093】
遊技場用システム1Sを構成する遊技用装置としては、少なくとも、遊技機3毎に個別に設けられた遊技用装置の一例である遊技情報表示装置1がある。遊技情報表示装置1は、演出実行情報の一例である高モード演出回数を表示可能である。遊技情報表示装置1による高モード演出回数の表示があれば、遊技中の遊技機3について高モードが確定しているか否か、遊技者が把握できるようになる。また、高モード演出回数の表示があれば、高モード演出の実行頻度を遊技者が把握できるようになる。
【0094】
遊技場用システム1を構成する遊技用装置としては、少なくとも、遊技場に設置された各遊技機3に対応して設けられた遊技用装置の一例である管理装置100がある。管理装置100は、遊技場に設置された各遊技機3で実行された高モード演出回数(演出実行情報の一例)を管理している。この管理装置100は、各遊技機3に設定されたモードを記憶している。それ故、管理装置100は、各遊技機3での高モード演出回数(演出実行情報)をモード単位で管理可能である。遊技場側では、管理装置100が管理するモード単位の高モード演出回数に応じて、どのモードのときに高モード演出が発生し易いのか、高モード演出の頻度など、高モード演出の傾向を把握できる。
【0095】
情報出力手段としての各遊技機3は、遊技状況を表す遊技信号を稼動情報(台データ)として外部に出力可能である。遊技場用システム1Sを構成する遊技用装置としては、少なくとも、遊技場に設置された各遊技機に対応して設けられた管理装置100がある。管理装置100は、遊技場に設置された各遊技機3が出力した遊技信号に基づいて各遊技機3の遊技結果を表す遊技情報を特定でき、各遊技機3の演出実行情報および遊技情報を管理可能である。特に、管理装置100は、高モード演出が実行されたか否かで区分して、各遊技機の遊技情報を管理可能である。
【0096】
高モード演出が行われるまでの期間か、高モード演出が行われた後の期間か、により区分して遊技情報を管理すれば、高モード演出がどの程度、遊技に影響するかを把握できるようになる。遊技場側では、例えば高モード演出により稼動が向上し難い遊技機については、購入対象から除外するといった遊技機選定のための指標を得られる。
【0097】
遊技機3は、高モード演出の契機となる所定の実行条件が成立したか否かを判定する成立判定手段を有している。本例では、所定の実行条件として、通常状態下でのスタート100回毎に実行されるモード演出抽選での当選、という条件を例示している。一般的に、大当りがなかなか発生しない苦しい状況のとき、スタート100回、200回、300回などの区切りまで遊技を継続し、区切りで遊技を終了するという遊技動向が多く見受けられる。スタートが100回、200回などの区切りに達したときに実行されるモード演出抽選に当選すれば、高モード演出の実行に応じて遊技者の遊技意欲を高揚できる。
【0098】
また、スタートやアウトなど、予め定められた所定の遊技結果が所定値に達したこと、を所定の実行条件として設定することも良い。この場合には、大当り間スタートが多くなった状況で高モード演出を実行できるようになり、諦めることなく遊技を継続するように遊技者を促すことができる。あるいは、特図判定と同時に実行されるモード演出抽選での当選を、所定の実行条件に設定しても良い。あるいは、モード演出抽選を実行するかの抽選を、特図判定と同時に実行することも良い。モード演出抽選では、大当り間スタートが多くなるほど、モード演出抽選での当選確率が高くなるように設定することも良い。
【0099】
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
本例では、モード5または6の高モードが設定された遊技機3に限定して、高モード演出を実行する構成を例示している。すなわち、本例の高モード演出は、高モードの確定演出となっている。これに代えて、高モードであっても高モード演出が行われない場合や、低モードの遊技機3がガセの高モード演出を実行する場合を設けることも良い。この場合には、高モード演出が実行されても遊技中の遊技機3が低モードである可能性が残る。それ故、高モード演出に応じて遊技者の期待感を高めることができる一方、低モードである可能性を残すことにより高モード演出後も遊技者のハラハラ感やドキドキ感を持続でき、遊技の興趣を向上できる。
【0100】
本例では、図柄変動数が100回等の所定数となる毎に、モード演出抽選を実行する構成を例示したが、所定数を1として図柄変動毎にモード演出抽選を実行しても良いし、例えば図柄変動数が1000回を超えることを条件としてモード演出抽選を実行しても良い。また、図柄変動毎にモード演出抽選を実行する一方、図柄変動100回毎、或いは1000回を超えることによりモード演出抽選の当選確率を高めることや、累計の図柄変動数が3000回を超えた場合(所定の遊技結果が所定値に達したことの一例)や、所定時刻となった場合等に、モード演出抽選に関わらず高モード演出を実行する構成等も例示でき、高モード演出はどのような実行条件の成立により実行しても良い。
【0101】
本例では、高モードである旨を直接的に示す情報を表示する高モード演出(
図4参照。)を例示したが、例えばリーチ中に特定のキャラクタを出現させたり、背景色表示を変更させたりといった間接的な情報表示により高モード演出を行っても良い。
高モード演出の有無に応じた
図14や
図15にて例示の情報管理を、更にモードにより区分して行っても良い。また、例えばモード5とモード6といったように高モードとなるモードを予め設定しても良く、更に当該高モード以外を除外して高モードを対象とした情報管理を行っても良い。
【0102】
遊技場用システム1では、遊技装置2から中継装置54を経由して遊技情報表示装置1や管理装置100に稼動情報が送信される。この構成に代えて、遊技装置2から直接、遊技情報表示装置1や管理装置100に稼動情報を送信する構成を採用することも良い。また、本例では、遊技機3から稼動情報を受信した遊技装置2が、その稼動情報を管理装置100等に転送し、管理装置100等が集計処理等を実施して遊技情報を生成する。この構成に代えて、遊技装置2が遊技情報を生成し、遊技情報表示装置1や管理装置100に送信する構成を採用することも良い。
【0103】
本例では、封入式遊技機3を例示したが、従来の遊技媒体を払出す遊技機を対象としても良い。
遊技機3のモードは、管理者が任意に操作入力により設定しても良く、予め管理装置100の製造メーカにて設定しても良く、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。なお、この場合もサーバにて操作入力により入力されたモードとなる。また、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
【0104】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、遊技信号としてパルス信号やシリアル通信による電文情報等を例示したがどのような遊技信号を対象としても良い。
機種としては、例えばレート別やフロア別に機種をグループ化する等、どのような区分により構成しても良い。
【0105】
説明中の数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
対象となる遊技機3としては例示したパチンコ遊技機3以外のパチンコ遊技機や、スロットマシン等にも採用できる。なお、例示した封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0106】
遊技装置2が行う処理の一部を中継装置54、遊技情報表示装置1、或いは管理装置100等にて行っても良い等、どの様に構成しても良い。さらに例示した構成は変形例も含めて、どのように組合せても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。遊技用装置としての機能を、遊技装置2に組み込むことも良い。
【0107】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。