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特開2021-194670目標形状生成装置及び目標形状生成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-194670(P2021-194670A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】目標形状生成装置及び目標形状生成方法
(51)【国際特許分類】
   B21J 5/00 20060101AFI20211129BHJP
   G06F 30/10 20200101ALI20211129BHJP
   G06F 30/27 20200101ALI20211129BHJP
【FI】
   B21J5/00 Z
   G06F17/50 680C
   G06F17/50 604D
   G06F17/50 628Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-101883(P2020-101883)
(22)【出願日】2020年6月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】巴雅斯 其其格
(72)【発明者】
【氏名】小林 康彦
(72)【発明者】
【氏名】谷上 哲也
(72)【発明者】
【氏名】坂本 英次
【テーマコード(参考)】
4E087
5B046
5B146
【Fターム(参考)】
4E087AA10
4E087CA11
4E087GA11
4E087HA11
5B046AA05
5B046FA04
5B046FA18
5B046GA01
5B046JA01
5B046JA02
5B046KA05
5B146AA06
5B146DC03
5B146DL08
5B146EA17
5B146EC09
(57)【要約】
【課題】所定の加工対象物に対する型鍛造プロセスにおける目標形状を容易且つ適切に生成できるようにする。
【解決手段】所定の加工対象物に対する型鍛造プロセスにおける目標形状を生成する目標形状生成装置100において、CPU11と、CPU11に接続された記憶資源14と、を有し、CPU11は、型鍛造プロセスにおけるプレス方向及び加工対象物に対して要求される形状である要求形状の表面の角度に基づいて、目標形状を生成する目標形状生成処理を実行するように構成する。目標形状生成処理は、要求形状に対して所定の余肉部分を追加した余肉形状を特定する処理を含んでもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の加工対象物に対する型鍛造プロセスにおける目標形状を生成する目標形状生成装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続された記憶資源と、を有し、
前記プロセッサは、
前記型鍛造プロセスにおけるプレス方向及び加工対象物に対して要求される形状である要求形状 の表面の角度に基づいて、前記目標形状を生成する目標形状生成処理を実行する
目標形状生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の目標形状生成装置において、
前記目標形状生成処理は、
前記要求形状に対して所定の余肉部分を追加した余肉形状を特定する処理を含む、
目標形状生成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の目標形状生成装置において、
前記記憶資源は、前記型鍛造プロセスにおける加工での許容される勾配を示す許容勾配情報を記憶し、
前記プロセッサは、前記目標形状生成処理において、
前記余肉形状における勾配が、前記許容勾配情報が示す勾配を超えているか否かを判定し、前記余肉形状における勾配が、前記許容勾配情報が示す勾配を超えている場合には、前記余肉形状における前記勾配の部分に対して、前記許容勾配情報が示す勾配となるように、前記余肉形状を補正して前記目標形状を生成する
目標形状生成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の目標形状生成装置において、
前記記憶資源は、前記型鍛造プロセスにおける加工での許容される勾配を示す許容勾配情報として、前記加工対象の中心側を向く勾配についての第1許容勾配情報と、前記加工対象物の外側を向く勾配についての第2許容勾配情報とを記憶し、
前記プロセッサは、前記目標形状生成処理において、
前記余肉形状における勾配が、前記加工対象物の中心側を向く勾配であるか、前記加工対象物の外側を向く勾配であるかを判定し、
前記加工対象物の中心側を向く勾配である場合には、前記余肉形状における前記勾配の部分に対して、前記第1勾配基準情報が示す勾配となるように、前記余肉形状を補正して前記目標形状を生成し、
前記加工対象物の外側を向く勾配である場合には、前記余肉形状における前記勾配の部分に対して、前記第2勾配基準情報が示す勾配となるように、前記余肉形状を補正して前記目標形状を生成する
目標形状生成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の目標形状生成装置において、
前記記憶資源は、前記加工対象の所定の区間が中心側を向く勾配であるか、前記加工対象物の外側を向く勾配であるかを判定する基準となる角度情報を記憶し、
前記プロセッサは、前記目標形状生成処理において、
前記角度情報に基づいて、前記余肉形状における前記所定の区間の勾配が、前記加工対象物の中心側を向く勾配であるか、前記加工対象物の外側を向く勾配であるかを判定する
目標形状生成装置。
【請求項6】
請求項3に記載の目標形状生成装置において、
前記プロセッサは、前記目標形状生成処理において、
前記余肉形状における外縁の2点間の形状を、所定の半径の円弧、又は所定の半径の円弧及び円弧を挟む直線の形状に補正する
目標形状生成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の目標形状生成装置において、
前記プロセッサは、前記目標形状生成処理において、
処理対象形状における各頂点における形状を円弧の形状に補正する
目標形状生成装置。
【請求項8】
請求項3に記載の目標形状生成装置において、
外部の装置との間で通信可能な通信インターフェースを更に備え、
前記プロセッサは、前記通信インターフェースを介して、ユーザーの識別情報と、要求形状と、前記加工対象物の材料と、前記加工対象物に対して使用した許容勾配情報との情報を受信して、前記記憶資源に格納する
目標形状生成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の目標形状生成装置において、
前記プロセッサは、目標形状を生成する対象となる加工対象物、目標形状の生成に関与しているユーザーの識別情報、要求形状、前記加工対象物の材料の少なくとも一つに基づいて、前記加工対象物に対する目標形状生成処理で利用する許容勾配情報を特定する
目標形状生成装置。
【請求項10】
請求項9に記載の目標形状生成装置において、
前記プロセッサは、
前記記憶資源に格納された、ユーザーの識別情報と、要求形状と、前記加工対象物の材料と、前記加工対象物に対して使用した許容勾配情報とを用いて機械学習することにより、ユーザーの識別情報と、要求形状と、前記加工対象物の材料との少なくとも一つを入力として、許容勾配情報を特定する学習モデルを生成し、
前記学習モデルを用いて、前記加工対象物に対する目標形状生成処理で利用する許容勾配情報を特定する
目標形状生成装置。
【請求項11】
所定の加工対象物に対する型鍛造プロセスにおける目標形状を生成する目標形状生成装置による目標形状生成方法であって、
前記目標形状生成装置は、
前記型鍛造プロセスにおけるプレス方向及び加工対象物に対して要求される形状である要求形状の表面の角度に基づいて、前記目標形状を生成する目標形状生成処理を実行する
目標形状生成方法。
【請求項12】
請求項11に記載の目標形状生成方法において、
前記目標形状生成処理は、
前記要求形状に対して所定の余肉部分を追加した余肉形状を特定する処理を含む、
目標形状生成方法。
【請求項13】
請求項12に記載の目標形状生成方法において、
前記目標形状生成装置は、前記型鍛造プロセスにおける加工での許容される勾配を示す許容勾配情報を記憶し、
前記目標形状生成処理において、
前記余肉形状における勾配が、前記許容勾配情報が示す勾配を超えているか否かを判定し、前記余肉形状における勾配が、前記許容勾配情報が示す勾配を超えている場合には、前記余肉形状における前記勾配の部分に対して、前記許容勾配情報が示す勾配となるように、前記余肉形状を補正して前記目標形状を生成する
目標形状生成方法。
【請求項14】
請求項13に記載の目標形状生成方法において、
前記目標形状生成装置は、前記型鍛造プロセスにおける加工での許容される勾配を示す許容勾配情報として、前記加工対象の中心側を向く勾配についての第1許容勾配情報と、前記加工対象物の外側を向く勾配についての第2許容勾配情報とを記憶し、
前記目標形状生成処理において、
前記余肉形状における勾配が、前記加工対象物の中心側を向く勾配であるか、前記加工対象物の外側を向く勾配であるかを判定し、
前記加工対象物の中心側を向く勾配である場合には、前記余肉形状における前記勾配の部分に対して、前記第1許容勾配情報が示す勾配となるように、前記余肉形状を補正して前記目標形状を生成し、
前記加工対象物の外側を向く勾配である場合には、前記余肉形状における前記勾配の部分に対して、前記第2許容勾配情報が示す勾配となるように、前記余肉形状を補正して前記目標形状を生成する
目標形状生成方法。
【請求項15】
請求項14に記載の目標形状生成方法において、
前記目標形状生成装置は、前記加工対象の所定の区間が中心側を向く勾配であるか、前記加工対象物の外側を向く勾配であるかを判定する基準となる角度情報を記憶し、
前記目標形状生成処理において、
前記角度情報に基づいて、前記余肉形状における前記所定の区間の勾配が、前記加工対象物の中心側を向く勾配であるか、前記加工対象物の外側を向く勾配であるかを判定する
目標形状生成方法。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の加工対象物に対する型鍛造プロセスにおける目標形状を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
型鍛造の工程設計では、まず、製品の図面情報から鍛造品の鍛造図面(目標形状の図面)を作成する。次に、作成した目標形状図面から必要となるいくつかの鍛造工程を想定し、各鍛造工程における材料の流れ及び荷重等を検討した後、鍛造金型の設計を行う。この工程設計は、設計者の経験を主として行われているため、設計者の経験や技能に左右され、予備知識のない設計者には難しい。また、熟練の設計者でも新たに目形形状の図面を作成しなければならないため工数がかかる。
【0003】
工程設計に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、「鍛造品の前工程での断面形状を、容易にかつ短時間に求め得る形状決定方法を提供する。 所定工程での形状が新規な新鍛造品における前工程での形状を決定する方法であって、まず所定工程に対応する形状が既知である複数の既鍛造品の形状およびそれぞれにおける前工程での形状を、棒状データの集合体として予め求めてデータベースDBに記憶しておき、次に新鍛造品と、各既鍛造品との類似度を類似度評価式に基づきそれぞれ求め、次にこの類似度が高い既鍛造品における前工程での形状を、新鍛造品における前工程での形状として選択し、かつこの既鍛造品における前工程での形状を選択する際に、複数の形状を選択するとともに、この選択された複数の既鍛造品における前工程での形状を合成することにより、新鍛造品における前工程での形状を求める方法である。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−234536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
鍛造品の設計者が、製品の図面情報から目標形状を求める作業は熟練者の知識を要するもので、かつ時間を要するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、所定の加工対象物に対する型鍛造プロセスにおける目標形状を容易且つ適切に生成する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一観点に係る目標形状生成装置は、所定の加工対象物に対する型鍛造プロセスにおける目標形状を生成する目標形状生成装置であって、プロセッサと、前記プロセッサに接続された記憶資源と、を有し、前記プロセッサは、前記型鍛造プロセスにおけるプレス方向及び加工対象物に対して要求される形状である要求形状の表面の角度に基づいて、前記目標形状を生成する目標形状生成処理を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、所定の加工対象物に対する型鍛造プロセスにおける目標形状を容易且つ適切に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る目標形状生成装置の機能構成図である。
図2図2は、第1実施形態に係る目標形状生成装置の構成図である。
図3図3は、第1実施形態に係る基準記憶部の構成図である。
図4図4は、第1実施形態に係る製品形状の一例を説明する図である。
図5図5は、第1実施形態に係る目標形状の一例を説明する図である。
図6図6は、第1実施形態に係る目標形状生成処理のフローチャートである。
図7図7は、第1実施形態に係る余肉形状の生成を説明する図である。
図8図8は、第1実施形態に係る余肉形状における幾何特性を示すパラメータを説明する図である。
図9図9は、第1実施形態に係る勾配補正判定処理のフローチャートである。
図10図10は、第1実施形態に係る勾配の補正を説明する図である。
図11図11は、第1実施形態に係る外縁部形状生成処理のフローチャートである。
図12図12は、第1実施形態に係る外縁部形状の生成を説明する図である。
図13図13は、第2実施形態に係る目標形状生成システムの全体構成図である。
図14図14は、第2実施形態に係る目標形状生成装置の機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
<第1実施形態>
<機能構成>
図1は、第1実施形態に係る目標形状生成装置の機能構成図である。
【0012】
目標形状生成装置100は、所定の加工対象物についての製品形状の形状情報101を入力して、型鍛造プロセスにおける目標形状の形状情報102を生成して出力する装置である。ここで、製品形状とは、加工対象物の最終的な製品形状だけでなく、型鍛造プロセスを実行した後における、最終的な形状に至る前の形状であってもよい。製品形状は、加工対象物に対して要求される要求形状に対応する。
【0013】
目標形状生成装置100は、入力情報読込部110と、幾何特性算出部120と、修正要否判定部130と、形状修正処理部140と、出力情報作成部150と、基準記憶部170とを含む。入力情報読込部110、幾何特性算出部120、修正要否判定部130、形状修正処理部140、及び出力情報作成部150は、目標形状生成プログラム160が後述するCPU11により実行されることにより、実現される。
【0014】
基準記憶部170は、形状判定基準記憶部171と、形状生成基準記憶部172とを含む。形状判定基準記憶部171は、形状情報が示す形状の種類を判定するための基準(判定条件)を記憶する。形状生成基準記憶部172は、目標形状を生成するための基準(生成基準)を記憶する。
【0015】
入力情報読込部110は、製品形状の形状情報101を読み込む。形状情報101は、CAD等により作成された形状情報が書き込まれた記録媒体から読み込んでもよく、ネットワークを介して接続された他の装置から読み込んでもよい。
【0016】
幾何特性算出部120は、入力情報読込部110により読み込まれた形状情報から、この形状情報が示す製品形状の各頂点に関わる幾何特性を算出する。
【0017】
修正要否判定部130は、幾何特性算出部120により算出された各頂点に関わる幾何特性と、形状判定基準記憶部171に記憶されている判定条件とに基づいて、形状情報の修正要否の判定を行う。
【0018】
形状修正処理部140は、修正要否判定部130の判定結果と、形状生成基準記憶部172に記憶されている生成基準とに基づいて、形状修正の処理を行う。
【0019】
出力情報作成部150は、形状修正処理部140により修正(生成)された形状情報を目標形状の形状情報102として出力する。出力情報作成部150は、例えば、目標形状の形状情報102を、ネットワークを介して他の装置に出力してもよく、また、目標形状の形状情報102をユーザーが認識可能な図形やデータとしてディスプレイ等の出力装置に出力してもよい。
【0020】
次に、目標形状生成装置100のハードウェア構成について説明する。
【0021】
図2は、第1実施形態に係る目標形状生成装置の構成図である。
【0022】
目標形状生成装置100は、一例としてはパーソナルコンピュータ、汎用計算機である。目標形状生成装置100は、プロセッサの一例としてのCPU11、ネットワークインターフェース12(図ではNet I/Fと省略)、ユーザーインターフェース13(図ではUser I/F)、記憶資源14、及びこれら構成物を接続する内部ネットワークを含む。
【0023】
CPU11は、記憶資源14に格納されたプログラムを実行することができる。記憶資源14は、CPU11で実行対象となるプログラムや、このプログラムで使用する各種情報等を格納する。記憶資源14としては、例えば、半導体メモリ、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等であってよく、揮発タイプのメモリでも、不揮発タイプのメモリでもよい。
【0024】
ネットワークインターフェース12は、ネットワークを介して外部の装置(例えば、ユーザーが使用する端末や、プレス機等の各種加工機等)と通信するためのインターフェースである。
【0025】
ユーザーインターフェース13は、例えば、タッチパネル、ディスプレイ、キーボード、マウス等であるが、作業者(ユーザー)からの操作を受け付け、情報表示ができるのであれば、他のデバイスであってもよい。ユーザーインターフェース13は、これら複数のデバイスで構成されてもよい。
【0026】
<<データ等>>
記憶資源14は、目標形状生成プログラム160と、形状判定基準情報1710と、形状生成基準情報1720と、を格納する。なお、記憶資源14は、これ以外の情報を格納してもよい。なお、各情報、又は各情報の一部の項目は省略してもよい。記憶資源14は、基準記憶部170を構成する。
【0027】
図3は、第1実施形態に係る基準記憶部の構成図である。
【0028】
基準記憶部170の形状判定基準記憶部171には、形状判定基準情報1710が格納される。形状判定基準情報1710は、形状を判定するための基準を記憶する。形状判定基準情報1710のエントリは、例えば、形状判定基準項目1711と、基準値1712とのフィールドを有する。
【0029】
形状判定基準項目1711には、形状判定を行う基準を識別する名称が格納される。図3においては、「AA11」は、形状の中心側を向いた勾配(内側勾配)であることを判定するための後述するベクトル角度についての最低角度を示し、「AA12」は、内側勾配であることを判定するためのベクトル角度についての最大角度を示す。また、「AA21」は、形状の外側を向いた勾配(外側勾配)であることを判定するための後述するベクトル角度についての最低角度を示し、「AA22」は、外側勾配であることを判定するためのベクトル角度についての最大角度を示す。「AA4」は、勾配を補正する必要があるかを判定する際の最大角度を示す。
基準値1712には、エントリに対応する基準値が格納される。
このように、形状判定を行う基準をテーブル形式で記憶しているので、基準値の変更を容易にできる。
【0030】
基準記憶部170の形状生成基準記憶部172には、形状生成基準情報1720が格納される。形状生成基準情報1720は、形状を生成するための基準を記憶する。形状生成基準情報1720のエントリは、例えば、形状生成基準項目1721と、基準値1722とのフィールドを有する。
【0031】
形状生成基準項目1721には、形状生成を行うための基準を識別する名称が格納される。図3においては、「AA31」は、内側勾配である場合における勾配の最大角度を示し、「AA32」は、外側勾配である場合の勾配の最大角度を示す。また、「rm」は、外縁部での形状に使用する円弧の半径(外縁部丸み半径)を示す。また、「Am1」は、外縁部の上側で生成する勾配の角度(上部勾配角度)を示す。「Am2」は、外縁部の下側で生成する勾配の角度(下部勾配角度)を示す。「rc1」は、隅部(凹状の頂点)で生成する曲面の半径を示す。「rc2」は、角部(凸状の頂点)で生成する曲面の半径を示す。「rc3」は、外縁部の角の曲面の半径を示す。
基準値1722には、エントリに対応する項目の基準値が格納される。ここで、AA31に対応する基準値が第1許容勾配情報であり、AA32に対応する基準値が第2許容勾配情報である。
【0032】
上記した形状生成基準情報1720においては、内側勾配である場合における勾配の最大角度の基準値と、外側勾配である場合の勾配の最大角度の基準値を別々に管理しているので、内側勾配と、外側勾配とで、最大角度を適切に異ならせることができる。
【0033】
次に、目標形状生成装置100による目標形状生成処理の処理動作について説明する。
【0034】
目標形状生成処理では、目標形状生成装置100は、製品形状の形状情報を読み込み、読み込んだ形状情報から各頂点に関する幾何特性を算出する。次に、目標形状生成装置100は、幾何特性と判定基準とから製品形状に基づく処理対象の形状の形状修正の要否を判定し、生成基準に従って、形状修正における修正量の計算を行い、目標形状を生成する。そして、目標形状生成装置100は、生成した目標形状を所定の出力条件に従って編集し、目標形状の形状情報を出力する。
【0035】
ここで、目標形状生成処理の詳細を説明する前に製品形状及び目標形状の一例を説明する。本実施形態では、軸(軸O:図4(b)参照)に対して対称な形状(軸対称形状)である製品を一例として説明する。
【0036】
図4は、第1実施形態に係る製品形状の一例を説明する図である。図4(a)は、製品の断面における各頂点についての頂点情報から構成される形状情報の一例を示し、図4(b)は、製品(製品の一部)の断面形状を示す。ここで、本実施形態では、X軸は、加工を行う加工機(プレス機)のプレス面上の軸を示し、Y軸は、プレス面に対して垂直な方向(プレス方向)の軸、を示している。
【0037】
形状情報を構成する頂点情報は、P(i,x,y,r)で構成されている。ここで、iは、頂点の番号を示す。本実施形態では、頂点の番号は、例えば、図4(b)に示すように、製品形状の断面の軸Oの上側の点から時計回りの方向での順番に従って決定されている。xは、頂点のX軸の座標を示し、yは、頂点のY軸の座標を示す。rは、その頂点における丸み形状の半径を示す。
【0038】
図5は、第1実施形態に係る目標形状の一例を説明する図である。図5(a)は、目標形状の断面における各頂点についての頂点情報から構成される形状情報の一例を示し、図5(b)は、目標形状の断面形状を示す。
【0039】
目標形状は、図5(b)に示すように製品形状を包含する形状に生成される。目標形状の形状情報の頂点情報も、P(i,x,y,r)で構成されている。なお、目標形状の頂点には、例えば、図5(b)のP(8)に示すように、目標形状上に存在しないが、目標形状を規定する点も含まれている。
【0040】
次に、目標形状生成処理について詳細に説明する。
【0041】
図6は、第1実施形態に係る目標形状生成処理のフローチャートである。
【0042】
目標形状生成処理は、例えば、USER I/F13がユーザーから目標形状を生成する指示を受け付けた場合に、CPU11が目標形状生成プログラム160を実行することにより開始される。なお、目標形状生成処理の説明においては、図4(a)に示す製品形状の形状情報101から図5(a)に示す目標形状の形状情報102を生成する場合の具体例を適宜用いて説明する。また、図7図12について、適宜参照して説明する。
【0043】
ステップS100:目標形状生成プログラム160(厳密には、目標形状生成プログラム160を実行するCPU11)は、製品形状(要求形状)の形状情報を構成する各頂点の頂点情報P(i,x,y,r)を読み込む。
【0044】
ステップS200:目標形状生成プログラム160は、製品形状のすべての隣接する2つの頂点(隣接2点)P(m),P(m+1)を結ぶ直線(製品形状直線:図7の直線Line m参照)の方程式をそれぞれ算出する。mは、1から(製品形状の各頂点の数−1)までの数である。ここで、算出された直線の方程式をa*x+b*y+c=0とする。
【0045】
ステップS300:目標形状生成プログラム160は、ステップS200で対象としたて隣接2点P(m),P(m+1)を結ぶ各製品形状直線について、製品形状で必要な余肉厚みtを考慮した直線(余肉考慮直線:図7の直線Line tm)、すなわち、直線を外側に余肉厚みt分だけ平行移動した直線の方程式a*x+b*y+ct=0を算出する。ここで、ctは、製品形状直線からの平行移動の幅が余肉厚みtとなる場合の定数を示す。
【0046】
ステップS400:目標形状生成プログラム160は、ステップS300で算出した隣接2点P(m−1),P(m)の余肉形状直線Line tm−1と、隣接2点P(m),P(m+1)の余肉形状直線Line tmとの交点Pt(m)(m,xt,yt,r)の座標を算出する。具体的には、目標形状生成プログラム160は、図7に示すように、隣接2点P(m−1),P(m)の余肉形状直線Line tm−1と、隣接2点P(m),P(m+1)の余肉形状直線Line tmとの方程式から交点Pt(m)を算出する。なお、余肉形状における最初の点と、最後の点とは、余肉形状直線と、軸Oとの交点となる。このように、目標形状生成プログラム160が、全ての交点Pt(m)の座標を算出すると、図7に示すような余肉形状を構成する頂点の座標が得られることとなる。
ステップS200〜S400の処理によると、製品形状に対して適切な余肉厚みを考慮した形状(余肉形状)の形状情報を容易且つ適切に生成することができる。
【0047】
ステップS500:目標形状生成プログラム160は、ステップS400で算出した余肉形状の頂点の頂点情報Pt(m)(m,xt,yt,r)を用いて、各頂点に関する幾何特性のベクトル角度を算出し、各頂点における勾配タイプと、勾配修正の要否とを判定する勾配補正判定処理を行う。なお、余肉形状における表面の角度は、製品形状における表面の角度に相当又は対応しており、余肉形状における表面の角度は、製品形状の表面の角度と同一視することができる。
【0048】
ここで、余肉形状の頂点情報Pt(m)(m,xt,yt,r)から勾配タイプと修正要否を判定する勾配補正判定処理について、図8図10を参照して説明する。
【0049】
図8は、第1実施形態に係る余肉形状における幾何特性を示すパラメータを説明する図である。図9は、第1実施形態に係る勾配補正判定処理のフローチャートである。図10は、第1実施形態に係る勾配の補正を説明する図である。
【0050】
ステップG510:目標形状生成プログラム160は、ステップS400で算出した余肉形状の各頂点の頂点情報(Pt(m)(m,xt,yt,r))を読込む。
【0051】
ステップG520:目標形状生成プログラム160は、それぞれの隣接2点Pt(m−1),Pt(m)のベクトル角度PA(m)(図8参照)を算出する。ここで、ベクトル角度PA(m)は、隣接2点Pt(m−1),Pt(m)の直線と、X軸との成す角度である。次いで、目標形状生成プログラム160は、ベクトル角度PA(m+1)と、PA(m)との差分を算出して、頂点Pt(m)における曲げ角度A(m)とする。なお、曲げ角度A(m)<0の時は、A(m)=A(m)+2πとする。
【0052】
ステップG530:目標形状生成プログラム160は、頂点Pt(m)の前後に隣接する2点Pt(m−1),Pt(m+1)のベクトル角度PB(m)を算出する。
【0053】
ステップG540:目標形状生成プログラム160は、形状基準判定記憶部171に記憶されている内側勾配判定条件AA11,AA12と、外側勾配判定条件AA21,AA22との基準値を読み込む。なお、プレス面を基準に勾配を生成する時には、それぞれの基準値は、例えば、AA11=0、AA12=π、AA21=π、AA22=2πとする。
【0054】
ステップG550:目標形状生成プログラム160は、ステップG540で読み込んだ内側勾配判定条件AA11とAA12と、ステップG530で算出したベクトル角度PB(m)とが、以下の式(1)を満たす場合には、目標形状生成プログラム160は、2点Pt(m−1),Pt(m+1)の勾配のタイプは、内側勾配であると判定する。
AA11≦PB(m)<AA12 ・・・(1)
【0055】
また、目標形状生成プログラム160は、ステップG540で読み込んだ外側勾配判定条件「AA21」と「AA22」と、ステップG530で算出したベクトル角度PB(m)とが、以下の式(2)を満たす場合には、目標形状生成プログラム160は、2点Pt(m−1),Pt(m+1)の勾配のタイプは、外側勾配であると判定する。
AA21≦PB(m)<AA22 ・・・(2)
【0056】
ステップG560:目標形状生成プログラム160は、ステップG550で判定した勾配タイプに対応した勾配生成基準値(内側勾配生成基準AA31と外側勾配生成基準AA32の基準値)を読み込み、勾配生成基準AA3に設定する。次いで、目標形状生成プログラム160は、勾配要否判定条件AA4の基準値を形状基準判定記憶部171から読み込む。ここで、プレス面を基準に勾配を生成する時は、AA4=πとする。
【0057】
ステップG570:目標形状生成プログラム160は、ステップG520で算出した各頂点における曲げ角度A(m)と、ステップG560で設定した勾配生成基準値AA3(勾配タイプが内側勾配の場合は、内側勾配生成基準AA31であり、外側勾配の場合は、外側勾配生成基準AA32である)と、勾配要否判定基準値AA4とを用いて勾配要否の判定を行う。具体的には、目標形状生成プログラム160は、曲げ角度A(m)が式(3)を満たす場合に、曲げ角度が基準値よりも大きいことを示しているので、勾配の補正が必要であると判定する。
AA3<A(m)<AA4 ・・・(3)
【0058】
上記した勾配補正判定処理によると、曲げ角度が基準値より大きくて勾配を補正する必要がある部分を適切に判定することができる。
【0059】
ステップG570の実行が終了した後、図6のステップS600の処理に進む。
ステップS600:目標形状生成プログラム160は、ステップG570で勾配の補正が必要と判定された頂点に関して、勾配形状の生成処理を行う。具体的には、目標形状生成プログラム160は、まず、ステップG570で勾配の補正が必要と判定した頂点について、ステップG530で算出した角度PB(m)と、頂点Pt(m)の前後のPt(m−1),Pt(m+1)を用いて、以下の(A)、(B)に示すように、作成する勾配の線(勾配線)の通過点と、勾配線との交差する可能性のある線とを判定する。
【0060】
(A)Pt(m+1)>Pt(m−1)の場合、すなわち、余肉形状の上側の部分である場合
(A−1)内側勾配の場合(図10:ケース1)
目標形状生成プログラム160は、勾配線の通過点を頂点Pt(m+1)とし、頂点Pt(m−1)と頂点Pt(m)との線分を交差線Line1とし、頂点Pt(m−2)と、頂点Pt(m−1)の線分を交差線Line2とする。
(A−2)外側勾配の場合(図10:ケース2)
目標形状生成プログラム160は、勾配線の通過点を頂点Pt(m−1)とし、頂点Pt(m)と頂点Pt(m+1)の線分を交差線Line1とし、頂点Pt(m+1)と頂点Pt(m+2)の線分を交差線Line2とする。
【0061】
(B)Pt(m+1)<Pt(m−1)の場合、すなわち、余肉形状の下側の部分である場合
(B−1)内側勾配の場合(図10:ケース3)
目標形状生成プログラム160は、勾配線の通過点を頂点Pt(m−1)とし、頂点Pt(m)と頂点Pt(m+1)の線分を交差線Line1とし、頂点Pt(m+1)と頂点Pt(m+2)の線分を交差線Line2とする。
(B−2)外側勾配の場合(図10:ケース4)
目標形状生成プログラム160は、勾配線の通過点を頂点Pt(m+1)とし、頂点Pt(m−1)と頂点Pt(m)の線分を交差線Line1とし、頂点Pt(m−2)、頂点Pt(m−2)と頂点Pt(m−1)の線分を交差線Line2とする。
【0062】
次に、目標形状生成プログラム160は、通過点を通る勾配AA3の直線(勾配線:LineS)の方程式を算出し、直線LineSと、交差線Line1との交点があれば、その交点を算出し、Pc(m)(m,xc,yc,r)とする。なお、勾配線が交差線Line1と交差しない時には、交差線Line2との交点があれば、その交点を算出し、Pc(m)(m,xc,yc,r)とし、交差線Line2との交点が無ければ、さらに前方の隣接2点を結ぶ線分について、勾配線との交点が見つかるまで処理し、交点をPc(m)(m,xc,yc,r)とする。ここで、目標形状生成プログラム160は、余肉形状において、勾配の補正が必要であったPt(m)を通る線を含む形状に代えて、点Pc(m)、勾配線LineSを通る形状に補正する。ここで、この時点の形状を勾配形状とする。この勾配形状の各頂点情報をPc(m)(m,xc,yc,r)として以下の説明で使用する。
【0063】
上記ステップS600によると、適切な勾配によって構成された形状に補正することができる。
【0064】
ステップS700:目標形状生成プログラム160は、ステップS600で生成した勾配形状の外縁部を探索し、外縁部について所定の外縁形状を生成する外縁部形状生成処理を実行する。
【0065】
勾配形状の頂点情報Pc(m)(m,xc,yc,r)から外縁部形状を生成する外縁部形状生成処理について、図11図12を参照して説明する。
【0066】
図11は、第1実施形態に係る外縁部形状生成処理のフローチャートである。図12は、第1実施形態に係る外縁部形状の生成を説明する図である。
【0067】
ステップG710:目標形状生成プログラム160は、ステップS600で算出した勾配形状(処理対象形状)の頂点情報Pc(m)(m,xc,yc,r)を読込み、Pc(m)におけるxc(X座標)が最大の2点(ここでは、この2点をPc(m1),Pc(m2)とする)を探索し、Pc(m1)と、Pc(m2)のうちのyc(Y座標)が大きい点、すなわち、上側の点を外縁部上点Pc1とし、ycが小さい点を外縁部下点Pc2とし、2点の距離Lを算出する。
【0068】
ステップG720:目標形状生成プログラム160は、形状生成基準記憶部172に記憶されている外縁部丸み半径を示すrmと、外縁部の上部勾配角度を示すAm1と、下部勾配角度を示すAm2との基準を読み込む。
【0069】
ステップG730:目標形状生成プログラム160は、ステップG710で算出した外縁部の2点の距離Lと、ステップG720で読み込んだ外縁部丸み半径rmとを用いて比較する。
【0070】
この結果、以下の式(4)の判定条件を満たす場合には、目標形状生成プログラム160は、ステップG741〜G743の処理を実行し、式(4)の判定条件を満たさない場合には、ステップG751〜G753の処理を実行する。
L≧2*rm ・・・(4)
【0071】
まず、ステップG741〜G743の処理について説明する。この説明においては、図12(a)を適宜参照して説明する。
ステップG741:目標形状生成プログラム160は、外縁部上点Pc1を通過する勾配角度が−Am1の勾配線Linem1を生成する。
ステップG742:目標形状生成プログラム160は、外縁部下点Pc2を通過する勾配角度がAm2の勾配線Linem2を生成する。
ステップG743:目標形状生成プログラム160は、勾配線Linem1と勾配線Linem2の交点の交点情報Pk(k,xk,yk,rm)を算出する。
【0072】
次に、ステップG751〜G753の処理について説明する。この説明においては、図12(b)を適宜参照して説明する。
ステップG751:目標形状生成プログラム160は、図12(b)に示すように外縁部上点Pc1と、外縁部下点Pc2とを通る半径rmの円弧Cm1を生成する。
ステップG752:目標形状生成プログラム160は、ステップG751で生成した円弧Cm1の外縁部上点Pc1における接線Linem3と、外縁部下点Pc2における接線Linem4を生成する。
ステップG753:目標形状生成プログラム160は、接戦Linem3と接線Linem4との交点の交点情報Pk(k,xk,yk,rm)を算出する。
【0073】
ステップG770:目標形状生成プログラム160は、ステップG743又はステップG753で算出した交点の交点情報Pk(k,xk,yk,rm)を、ステップG710で読み込んだ勾配形状の形状情報Pc(m)(m,xc,yc,r)の外縁部上点Pc1と、外縁部下点Pc2の交点情報の間に追加し、各交点の交点情報の番号mを新たに降り直して、外縁部の形状を補正した新しい形状の形状情報Pck(m)(m,xck,yck,rck)を生成する。
【0074】
上記した外縁部形状生成処理によると、外縁部の形状を、適切な形状、例えば、円弧、又は、円弧及円弧を挟む直線の形状に補正することができる。
【0075】
ステップS800:目標形状生成プログラム160は、ステップS700で生成した形状情報Pck(m)(m,xck,yck,rck)の各頂点について、角部であるか、隅部であるかを判定し、隅部の丸み形状を生成する。ここで、角部とは、外側に突出する形状(凸形状)の頂点の部分を意味し、隅部とは、内側に凹んでいる形状(凹形状)の頂点の部分を意味している。
【0076】
具体的には、目標形状生成プログラム160は、ステップG520で算出した各頂点における曲げ角度A(m)を用いて、角部と隅部との判定を行う。本実施形態では、目標形状生成プログラム160は、A(m)<πの頂点を、隅部と判定し、A(m)≧πの頂点を角部と判定する。
【0077】
次に、目標形状生成プログラム160は、形状生成基準記憶部172に記憶されている隅部丸み生成基準rc1と、角丸み生成基準rc2と、外縁部角生成基準rc3とを読み込み、対象頂点のPck(m)のrckを、対応する部分の基準値に書き換える。
【0078】
ここで、角部に丸み形状を生成すると、角部の余肉厚みが減少するため、角部の余肉厚みを確保する必要がある。この場合、余肉厚みを確保するために角部となる頂点に接続されている2本の直線を、余肉厚みを大きくする方向に平行移動する必要がある。そこで、目標形状生成プログラム160は、角部となる頂点の前後の直線と、鍛造面との角度Atを算出し、角度Atが大きい直線Line11を角度Atが小さい直線Line12に沿って、距離dlだけ移動させて、移動させた後の新しい形状の各頂点を特定し、新たな形状情報Pi(i,xi,yi,ri)とする。移動距離dlは、以下の手順により算出することができる。まず、角度Atが小さい直線Line12と角部の頂点の丸み半径rc1との接点P10(x,y)を算出する。次に、角部の頂点との距離が最短となる形状の頂点Pl(x、y)を探索する。点P10と、点Plとの直線Line12における距離を算出し、この距離を直線Line11の移動距離DLとする。
【0079】
ステップS800によると、角部や隅部が角張っている形状を、丸みを帯びた形状に適切に補正することができる。
【0080】
ステップS900:目標形状生成プログラム160は、ステップS800で算出した形状の形状情報Pi(i,xi,yi,ri)を型鍛造プロセスの目標形状の形状情報102として出力する。
【0081】
上記した目標形状生成処理によると、製品形状の形状情報から、型鍛造プロセスでの適切な目標形状の形状情報を容易且つ適切に生成することができる。これにより、型鍛造に対して熟練の知識を有していなくても、ユーザーは、適切な目標形状の形状情報を生成することができる。
【0082】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る目標形状生成システムについて説明する。なお、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付している。
【0083】
<システム構成>
図13は、第2実施形態に係る目標形状生成システムの全体構成図である。
【0084】
目標形状生成システム1は、目標形状生成装置100と、ユーザー操作装置202と、ユーザー操作装置203と、を有する。目標形状生成装置100と、ユーザー操作装置202と、ユーザー操作装置203とは、例えば、ネットワーク201を介して接続されている。ネットワーク201は、有線ネットワークでも無線ネットワークでもよい。
【0085】
本実施形態では、例えば、目標形状生成装置100は、場所Aに配置され、ユーザー操作装置202は、場所Bに配置され、ユーザー操作装置203は、場所Cに配置されている。
【0086】
目標形状生成装置100は、WEBインターフェース180と、目標形状生成プログラム160と、基準記憶部170とを有する。基準記憶部170は、形状判定基準記憶部171と、形状生成基準記憶部172とを有する
【0087】
ユーザー操作装置202は、例えば、目標形状生成装置100のWEBインターフェース180に対してユーザーの指示を行う機能を有している。ユーザー操作装置202は、マイク等を介してユーザーの音声指示を受け付けてもよく、表示装置を介して操作入力を受け付けてもよい。ユーザー操作装置202は、以下の機能を有している。
*入力情報選択。例えば、入力に使用する製品形状の形状情報の選択を受け付ける。
*目標形状自動生成。目標形状生成装置100に対して製品形状の形状情報を送信し、目標形状情報生成装置100から目標形状を受信して表示する。
*基準情報呼び出し。目標形状生成装置100に格納している形状判定基準や形状生成基準を呼び出して表示等する。
*基準情報調整。形状判定基準や形状生成基準をユーザーの指示に従って調整する。
*再計算。調整した基準情報等を用いて、目標形状生成装置100に対して、目標形状の再計算を実行させる。
*編集条件保存。ユーザーID,製品形状の形状情報、製品形状を生成する素材、目標形状の生成に使用した形状判定基準や形状生成基準等を自身で保存したり、目標形状生成装置100に送信して格納させたりすることができる。
【0088】
ユーザー操作装置203は、例えば、入力装置、ディスプレイ等を有している計算機であり、ユーザー操作装置202と同様な機能を有している。なお、ユーザー操作装置203では、ユーザーからの各種指示をキーボード、マウス等に対する入力によって受け付けている。
【0089】
図14は、第2実施形態に係る目標形状生成装置の機能構成図である。
【0090】
目標形状生成装置100は、WEBインターフェース180と、目標形状自動生成プログラム160と、基準記憶部170とを有する。基準記憶部170は、形状判定基準記憶部171と、形状生成基準記憶部172とを有する。なお、目標形状生成装置100は、図14に図示していない、第1実施形態に係る目標形状生成装置が有する機能や構成を有している。
【0091】
形状判定基準記憶部171は、複数の形状判定基準情報1710を記憶する。形状判定基準情報1710は、実際に使用された際の製品形状、ユーザーID、材料等の条件情報と対応付けられて記憶されている。形状生成基準記憶部172は、複数の形状生成基準情報1720を記憶する。形状生成基準情報1720は、実際に使用された際の製品形状、ユーザーID、材料等の条件情報と対応付けられて記憶されている。
【0092】
WEBインターフェース180は、ネットワーク201を介してユーザー端末装置202,203から送信される入力情報に基づいて、各種機能を実行し、処理結果等をユーザー端末装置202,203に送信する。WEBインターフェース180は、具体的には、以下の機能を有している。
*製品形状の選択と表示
*材料の指定
*目標形状の生成結果の表示と修正
*基準情報における形状判定基準と形状生成基準との表示
*基準情報の編集、保存
*目標形状の再計算
*目標形状の修正
*目標形状生成における生成情報の保存。生成情報は、目標形状を生成したユーザーの識別情報(ユーザーID)、加工対象の材料、製品形状、使用した形状判定基準及び形状生成基準等の少なくとも何れか1つを含む。
【0093】
目標形状生成プログラム160は、CPU11に実行されることにより、入力された製品形状の形状情報101から目標形状の形状情報102を生成する。本実施形態の目標形状生成プログラム160は、WEBインターフェース180を介して入力された、製品形状、ユーザーID、使用する材料等の条件情報を取得し、条件情報に基づいて、基準記憶部170から目標形状の形状情報102を生成する際に使用する形状判定基準情報1710及び形状生成基準情報1720を取得する。これにより、条件情報に適した形状判定基準情報1710及び形状生成基準情報1720を取得して、目標形状の形状情報102の生成に使用することができる。
【0094】
本実施形態による目標形状生成装置100では、WEBインターフェース180がネットワーク201を介してユーザー操作端末(202,203)から目標形状の生成に関する条件(製品形状の選択指示や、ユーザーID、材料等)を受け取り、目標形状生成プログラム160(厳密には、目標形状生成プログラムを実行するCPU11)が、入力された条件等に適切な形状判定基準1710及び形状生成基準1720を基準記憶部170から取得する。次いで、目標形状生成プログラム160が取得した形状判定基準1710及び形状生成基準1720に基づいて、目標形状の形状情報102を生成し、WEBインターフェース180を介して、ユーザー操作端末に送信する。ユーザー操作端末では、目標形状の修正等を行うことができる。WEBインターフェース180は、ユーザー操作端末側で決定された最終的な目標形状の生成に使用した生成情報を受信して、生成情報に含まれる形状判定基準情報や形状生成基準情報を基準記憶部170に登録する。
【0095】
これにより、生成情報が基準記憶部170に蓄積されることとなり、以降において、目標形状生成プログラム160は、蓄積された形状判定基準情報や形状生成基準情報の中から適切なものを選択して使用することができる。
【0096】
<バリエーション>
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。また、下記で説明した処理は組み合わせて用いてもよい。
【0097】
<<学習モデルの利用>>
第2実施形態では、目標形状生成プログラム160が条件に従って、適切な形状判定基準情報及び形状生成基準情報を取得して、目標形状の生成に使用するようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば目標形状を生成したユーザーの識別情報(ユーザーID)、加工対象の材料、製品形状、使用した形状判定基準及び形状生成基準等の生成情報を用いて、ユーザーの識別情報(ユーザーID)、加工対象の材料、製品形状等を入力した際に、形状判定基準及び/又は形状生成基準を出力する学習モデル(例えば、ニューラルネットワークモデル)を機械学習させておき、目標形状生成プログラム160は、この学習モデルを用いて、使用する形状判定基準及び/又は形状生成基準を取得するようにしてもよい。このようにすると、入力に応じた適切な形状判定基準及び形状生成基準を容易に取得することができる。
【0098】
<<<その他>>>
また、上記実施形態において、CPU11が行っていた処理の一部又は全部を、ハードウェア回路で行うようにしてもよい。また、上記実施形態におけるプログラムは、プログラムソースからインストールされてよい。プログラムソースは、プログラム配布サーバ又は不揮発性の記憶メディア(例えば可搬型の記憶メディア)であってもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、軸対称形状の製品形状を対象として目標形状を生成するようにしていたが、本発明はこれに限られず、軸対称形状以外の製品形状に対しても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0100】
1 目標形状生成システム、100 目標形状生成装置、11 CPU、12 ネットワークインターフェース、13 ユーザーインターフェース、14 記憶資源、160 目標形状生成プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14