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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-194820(P2021-194820A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】制御回路及びインクジェットヘッド
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20211129BHJP
【FI】
   B41J2/14 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2020-101534(P2020-101534)
(22)【出願日】2020年6月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 敬
(72)【発明者】
【氏名】小野 俊一
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AG15
2C057AG45
2C057AK07
2C057AM19
2C057BA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ノズル列の個数に合わせて構成を変更することができる制御回路及びインクジェットヘッドを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、制御回路は、入力回路300と、複数のラッチ回路1001と、設定レジスタと、を備える。入力回路は、インクを吐出するチャネルの列ごとに、チャネルに供給する駆動信号を示す駆動情報を入力する。複数のラッチ回路は、駆動情報をシフトラッチし、列ごとに駆動情報を格納するラッチ回路列を形成する。設定レジスタは、前記チャネルの列数に応じて、複数のラッチ回路の接続モードを設定する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するチャネルの列ごとに、前記チャネルに供給する駆動信号を示す駆動情報を入力する入力回路と、
前記駆動情報をシフトラッチし、列ごとに前記駆動情報を格納するラッチ回路列を形成する複数のラッチ回路と、
前記チャネルの列数に応じて、前記複数のラッチ回路の接続モードを設定する設定レジスタと、
を備える制御回路。
【請求項2】
前記複数のラッチ回路は、所定の個数ごとに互いに接続して前記ラッチ回路列を形成する、
請求項1に記載の制御回路。
【請求項3】
前記設定レジスタは、2n−1番目のラッチ回路を接続し2n番目のラッチ回路を接続する第1の接続モードを設定する、
請求項2に記載の制御回路。
【請求項4】
前記設定レジスタは、4n−3番目のラッチ回路を接続し4n−2番目のラッチ回路を接続し4n−1番目のラッチ回路を接続し4n番目のラッチ回路を接続する第2の接続モードを設定する、
請求項2又は3に記載の制御回路。
【請求項5】
インクを吐出する複数列のチャネルから構成されるチャネル群と、
チャネルの列ごとに、前記チャネルに供給する駆動信号を示す駆動情報を入力する入力回路と、
前記駆動情報をシフトラッチし、列ごとに前記駆動情報を格納するラッチ回路列を形成する複数のラッチ回路と、
前記チャネルの列数に応じて、前記複数のラッチ回路の接続モードを設定する設定レジスタと、
を備える制御回路と、
を備えるインクジェットヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御回路及びインクジェットヘッドに関連する。
【背景技術】
【0002】
複数のノズル列がインクを吐出する液体吐出ヘッドが提供されている。そのような液体吐出ヘッドでは、ヘッド駆動回路(制御回路)は、内部のシフトレジスタにノズル列ごとに印刷データを順に送信するものがある。シフトレジスタは、各ノズル列に対応する印刷データをノズル列ごとに格納するように構成される。
【0003】
従来、ノズル列の個数に合わせてヘッド駆動回路の構成を変更する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−185949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、ノズル列の個数に合わせて構成を変更することができる制御回路及びインクジェットヘッドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、制御回路は、入力回路と、複数のラッチ回路と、設定レジスタと、を備える。入力回路は、インクを吐出するチャネルの列ごとに、前記チャネルに供給する駆動信号を示す駆動情報を入力する。複数のラッチ回路は、前記駆動情報をシフトラッチし、列ごとに前記駆動情報を格納するラッチ回路列を形成する。設定レジスタは、前記チャネルの列数に応じて、前記複数のラッチ回路の接続モードを設定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るプリンタの構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係るインクジェットヘッドの斜視図の例を示す。
図3図3は、実施形態に係るインクジェットヘッドの横断面図である。
図4図4は、実施形態に係るインクジェットヘッドの縦断面図である。
図5図5は、実施形態に係るヘッド駆動回路の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係るシフトレジスタの構成例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係る振分器の構成例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態に係るオリフィスプレートの例を示す図である。
図9図9は、実施形態に係るラッチ回路の接続例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係るシフトレジスタの信号を示すタイミングチャートである。
図11図11は、実施形態に係るインクジェットヘッドの動作例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係るオリフィスプレートの例を示す図である。
図13図13は、実施形態に係るラッチ回路の接続例を示す図である。
図14図14は、実施形態に係るシフトレジスタの信号を示すタイミングチャートである。
図15図15は、実施形態に係るインクジェットヘッドの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係るプリンタについて、図面を用いて説明する。
【0009】
実施形態に係るプリンタは、インクジェットヘッドを用いて用紙などの媒体に画像を形成する。プリンタは、インクジェットヘッドが備える圧力室内のインクを媒体に吐出して媒体に画像を形成する。プリンタは、例えばオフィス用プリンタ、バーコードプリンタ、POS用プリンタ、産業用プリンタ、3Dプリンタ等である。なお、プリンタが画像を形成する媒体は、特定の構成に限定されるものではない。実施形態に係るプリンタが備えるインクジェットヘッドは液体吐出ヘッドの一例であり、インクは液体の一例である。
【0010】
図1は、プリンタ200の構成例を示すブロック図である。
図1が示すように、プリンタ200は、プロセッサ201、ROM202、RAM203、操作パネル204、通信インターフェース205、搬送モータ206、モータ駆動回路207、ポンプ208、ポンプ駆動回路209及びインクジェットヘッド100などを備える。インクジェットヘッド100は、ヘッド駆動回路101及びチャネル群102などを備える。
【0011】
また、プリンタ200は、アドレスバス、データバスなどのバスライン211を含む。プロセッサ201は、バスライン211を介して、ROM202、RAM203、操作パネル204、通信インターフェース205、モータ駆動回路207、ポンプ駆動回路209、ヘッド駆動回路101に直接又は入出力回路を介して接続する。モータ駆動回路207は、搬送モータ206と接続する。また、ポンプ駆動回路209は、ポンプ208と接続する。また、ヘッド駆動回路101は、チャネル群102に接続する。
【0012】
なお、プリンタ200は、図1が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、プリンタ200から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0013】
プロセッサ201は、プリンタ200全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ201は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ201は、内部キャッシュ又はROM202が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。プロセッサ201は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなどに従って、プリンタ200としての各種の機能を実現する。
【0014】
なお、プロセッサ201がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ201は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0015】
ROM202は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM202に記憶される制御プログラム及び制御データは、プリンタ200の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、ROM202は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなどを記憶する。
【0016】
RAM203は、揮発性のメモリである。RAM203は、プロセッサ201の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM203は、プロセッサ201からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムなどを格納する。また、RAM203は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。また、RAM203は、印刷データが展開される画像メモリとして機能してもよい。
【0017】
操作パネル204は、オペレータからの指示の入力を受け付け、オペレータに種々の情報を表示するインターフェースである。操作パネル204は、指示の入力を受け付ける操作部と、情報を表示する表示部とから構成される。
【0018】
操作パネル204は、操作部の動作として、オペレータから受け付けた操作を示す信号をプロセッサ201へ送信する。たとえば、操作部は、電源キー、用紙フィードキー、エラー解除キー等のファンクションキーを配置したものである。
【0019】
操作パネル204は、表示部の動作として、プロセッサ201の制御に基づいて種々の情報を表示する。たとえば、操作パネル204は、プリンタ200の状態などを表示する。たとえば、表示部は、液晶モニタから構成される。
なお、操作部は、タッチパネルから構成されてもよい。この場合、表示部は、操作部としてのタッチパネルと一体的に形成されてもよい。
【0020】
通信インターフェース205は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して外部装置とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信インターフェース205は、LAN接続をサポートするインターフェースである。たとえば、通信インターフェース205は、ネットワークを介してクライアント端末から印刷データを受信する。通信インターフェース205は、たとえば、プリンタ200にエラーが発生したとき、エラーを通知する信号をクライアント端末に送信する。
【0021】
モータ駆動回路207は、プロセッサ201からの信号に従って、搬送モータ206の駆動を制御する。たとえば、モータ駆動回路207は、電力又は制御信号を搬送モータ206に送信する。
【0022】
搬送モータ206は、モータ駆動回路207の制御に基づいて、用紙などの媒体を搬送する搬送機構の駆動源として機能する。搬送モータ206が駆動すると、搬送機構が媒体の搬送を開始する。搬送機構は、媒体をインクジェットヘッド100による印刷位置まで搬送する。搬送機構は、印刷を終えた媒体を図示しない排出口からプリンタ200の外部に排出する。
モータ駆動回路207及び搬送モータ206は、媒体を搬送する搬送部を構成する。
【0023】
ポンプ駆動回路209は、ポンプ208の駆動を制御する。
ポンプ208は、インクタンクからインクがインクジェットヘッド100に供給する。
【0024】
インクジェットヘッド100は、印刷データに基づいてインク滴を媒体に吐出する。インクジェットヘッド100は、ヘッド駆動回路101及びチャネル群102などを備える。
【0025】
以下、実施形態に係るインクジェットヘッドについて、図面を用いて説明する。実施形態においては、シェアモードタイプのインクジェットヘッド100(図2を参照)を例示する。インクジェットヘッド100は、用紙にインクを吐出するものとして説明する。なお、インクジェットヘッド100がインクを吐出する媒体は、特定の構成に限定されるものではない。
【0026】
次に、インクジェットヘッド100の構成例について、図2乃至図4を用いて説明する。
【0027】
図2は、インクジェットヘッド100の一部を分解して示す斜視図である。図3は、インクジェットヘッド100の横断面図である。図4は、インクジェットヘッド100の縦断面図である。
【0028】
インクジェットヘッド100は、ベース基板9を有する。インクジェットヘッド100は、ベース基板9の上面に第1の圧電部材1を接合し、第1の圧電部材1の上に第2の圧電部材2を接合する。接合された第1の圧電部材1と第2の圧電部材2とは、図3の矢印で示すように、板厚方向に沿って互いに相反する方向に分極する。
【0029】
ベース基板9は、誘電率が小さく、かつ第1の圧電部材1及び第2の圧電部材2との熱膨張率の差が小さい材料を用いて形成する。ベース基板9の材料としては、例えばアルミナ(Al203)、窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)又はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等がよい。第1の圧電部材1及び第2の圧電部材2の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)又はタンタル酸リチウム(LiTaO3)等が用いられる。
【0030】
インクジェットヘッド100は、接合された第1の圧電部材1及び第2の圧電部材2の先端側から後端側に向けて、多数の長尺な溝3を設ける。各溝3は、間隔が一定でありかつ平行である。各溝3は、先端が開口し、後端が上方に傾斜する。
【0031】
インクジェットヘッド100は、各溝3の側壁及び底面に電極4を設ける。電極4は、ニッケル(Ni)と金(Au)との二層構造となっている。電極4は、例えばメッキ法によって各溝3内に均一に成膜される。電極4の形成方法は、メッキ法に限定されない。他に、スパッタ法や蒸着法等を用いることもできる。
【0032】
インクジェットヘッド100は、各溝3の後端から第2の圧電部材2の後部上面に向けて引出し電極10を設ける。引出し電極10は、電極4から延出する。
【0033】
インクジェットヘッド100は、天板6とオリフィスプレート7とを備える。天板6は、各溝3の上部を塞ぐ。オリフィスプレート7は、各溝3の先端を塞ぐ。インクジェットヘッド100は、天板6とオリフィスプレート7とで囲まれた各溝3によって、複数の圧力室15を形成する。圧力室15は、インクタンクから供給されるインクを充填する。圧力室15は、例えば深さが300μmで幅が80μmの形状を有し、169μmのピッチで平行に配列される。このような圧力室15は、インク室とも称される。
【0034】
天板6は、その内側後方に共通インク室5を備える。オリフィスプレート7は、各溝3と対向する位置にノズル8を備える。ノズル8は、対向する溝3、即ち、圧力室15と連通する。ノズル8は、圧力室15側から反対側のインク吐出側に向けて先細りの形状である。ノズル8は、隣り合う3つの圧力室15に対応したものを1セットとし、溝3の高さ方向(図3の紙面の上下方向)に一定の間隔でずれて形成される。
【0035】
圧力室15にインクが充填されると、ノズル8にはインクのメニスカス20が形成される。メニスカス20は、ノズル8の内壁に沿って形成される。
【0036】
圧力室15の隔壁を構成する第1の圧電部材1及び第2の圧電部材2は、各圧力室15に設けた電極4によって挟まれ、圧力室15を駆動するアクチュエータ16を形成する。
【0037】
インクジェットヘッド100は、ベース基板9の後方側の上面に、導電パターン13が形成されたプリント基板11を接合する。インクジェットヘッド100は、プリント基板11に、ヘッド駆動回路101を実装したドライブIC12を搭載する。ドライブIC12は、導電パターン13に接続する。導電パターン13は、各引出し電極10とワイヤボンディングにより導線14で結合する。
【0038】
インクジェットヘッド100が有する圧力室15、電極4及びノズル8の組をチャネルと称する。インクジェットヘッド100は、溝3の数Nだけチャネルch.1,ch.2,…,ch.Nを有する。
【0039】
インクジェットヘッド100は、複数のノズル列を有する。即ち、インクジェットヘッド100は、ノズル8を含むチャネルから構成される複数列のチャネルを有する。オリフィスプレート7は、ノズル8から構成されるノズル列を複数個備える。各ノズル列は、主走査方向に形成される。また、各ノズル列は、互いに副走査方向に離れた位置に形成される。
【0040】
また、ノズル列を構成するノズル8は、他のノズル列を構成するノズル8と主走査方向に重ならない位置に形成される。所定のノズル列を構成する隣接するノズル8の間において、副走査方向にずれた位置に他のノズル列を構成するノズル8が形成される。
ここでは、インクジェットヘッド100は、2つ又は4つのノズル列を有する。
【0041】
次に、ヘッド駆動回路101(制御回路)について説明する。
ヘッド駆動回路101は、プロセッサ201などからの印刷データに基づきインクジェットヘッド100のチャネル群102を駆動する。
【0042】
チャネル群102は、圧力室15、アクチュエータ16、電極4及びノズル8などを含む複数のチャネル(ch.1,ch.2,…,ch.N)から構成される。即ち、チャネル群102は、ヘッド駆動回路101からの駆動信号に基づいて、アクチュエータ16が拡張収縮する各圧力室15の動作によりインク滴を吐出する。
【0043】
ヘッド駆動回路101は、各ノズル列からインクを吐出させる。ヘッド駆動回路101は、同時に複数のノズル列からインクを吐出させることができる。
【0044】
図5は、ヘッド駆動回路101の構成例を示す。図5が示すように、ヘッド駆動回路101は、駆動制御部110及びシフトレジスタ120などを備える。駆動制御部110とシフトレジスタ120とは、データバス又はインターフェースなどを介して互いに接続する。
【0045】
なお、ヘッド駆動回路101は、図5が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、ヘッド駆動回路101から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0046】
駆動制御部110は、シフトレジスタ120にデータを供給する。
駆動制御部110は、プロセッサ201などから印刷データを入力する。駆動制御部110は、印刷データに基づいて、ノズル列からインクを吐出させるための列データをノズル列ごとに生成する。列データは、ヘッド駆動回路101がノズル8に供給する駆動信号を示す情報(駆動情報)を各列のノズル8の順序に沿って並べたデータである。たとえば、駆動情報は、ドットを形成するためのインクの吐出回数又は吐出量などを示すものであってもよい。
【0047】
駆動制御部110は、インクジェットヘッド100が備えるノズル列に応じた列データを生成する。駆動制御部110は、生成した列データを順にシフトレジスタ120に出力する。
【0048】
たとえば、インクジェットヘッド100が2つのノズル列(A列及びB列)を備える場合、駆動制御部110は、A列に対応する列データ(A列データ)とB列に対応する列データ(B列データ)とを生成する。駆動制御部110は、A列データ及びB列データを順にシフトレジスタ120に出力する。
【0049】
また、インクジェットヘッド100が4つのノズル列(A列乃至D列)を備える場合、駆動制御部110は、A列に対応する列データ(A列データ)とB列に対応する列データ(B列データ)とC列に対応する列データ(C列データ)とD列に対応する列データ(D列データ)とを生成する。駆動制御部110は、A列データ乃至D列データを順にシフトレジスタ120に出力する。
【0050】
また、駆動制御部110は、シフトレジスタ120の構成を設定する設定信号をシフトレジスタ120に出力する。設定信号は、シフトレジスタ120の構成をノズル列の個数に対応する構成に設定する。駆動制御部110は、起動時などにおいてシフトレジスタ120に設定信号を送信する。
【0051】
たとえば、インクジェットヘッド100が2つのノズル列を備える場合、駆動制御部110は、2列モード(第1の接続モード)に設定する設定信号(ここでは、「0」)をシフトレジスタ120に送信する。
【0052】
また、インクジェットヘッド100が4つのノズル列を備える場合、駆動制御部110は、4列モード(第2の接続モード)に設定する設定信号(ここでは、「1」)をシフトレジスタ120に送信する。
【0053】
シフトレジスタ120は、駆動制御部110からの各列データをシフトラッチする。シフトレジスタ120は、各チャネルに接続する。
【0054】
ヘッド駆動回路101は、シフトレジスタ120が格納する各列データに基づいて、各チャネルに駆動信号を供給する。即ち、ヘッド駆動回路101は、所定の列データに基づいて、当該列データに対応するノズル列の各チャネルに駆動信号を供給する。
【0055】
なお、ヘッド駆動回路101は、レベルシフタなどを用いて各チャネルに駆動信号を供給してもよい。
【0056】
次に、シフトレジスタ120について説明する。
図6は、シフトレジスタ120の構成例を示す。図6が示すように、シフトレジスタ120は、振分器300及び複数のラッチ回路などを備える。ここでは、代表して、ラッチ回路1001乃至1008について説明する。
【0057】
なお、シフトレジスタ120は、図6が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、シフトレジスタ120から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0058】
振分器300(入力回路)は、駆動制御部110から列データを入力する。また、振分器300は、入力した列データをラッチ回路に出力する。ここでは、振分器300は、ラッチ回路1001乃至1004に接続する。即ち、振分器300は、駆動制御部110からの列データをラッチ回路1001乃至1004に出力する。
【0059】
また、振分器300は、駆動制御部110からの設定信号に応じてシフトレジスタ120の構成などを設定する。
振分器300については、後に詳述する。
【0060】
ラッチ回路1001乃至1008は、4way用の入力端子及び2way用の入力端子と出力端子とを備える。4way用の入力端子は、インクジェットヘッド100が4つのノズル列を備える場合にデータを入力する。2way用の入力端子は、インクジェットヘッド100が2つのノズル列を備える場合にデータを入力する。
【0061】
ラッチ回路1001乃至1008は、4way用の入力端子又は2way用の入力端子から入力されたデータをシフトラッチする。ラッチ回路1001乃至1008は、それぞれ駆動情報をシフトラッチする。
【0062】
ラッチ回路1001乃至1008は、それぞれチャネル群102の各チャネルに接続する。ここでは、ラッチ回路1001乃至1008は、ch.1乃至ch.8に対応する。即ち、ラッチ回路1001乃至1008は、ch.1乃至ch.8に対応する駆動情報を格納する。
【0063】
また、n番目のラッチ回路の出力端子は、n+2番目のラッチ回路の2way用の入力端子又はn+4番目のラッチ回路の4way用の入力端子に択一的に接続する。ここでは、n番目のラッチ回路は、ch.nに対応するラッチ回路である。また、nは、1以上の整数である。
【0064】
図6が示す例では、ラッチ回路1001の出力端子は、ラッチ回路1003の2way用の入力端子又はラッチ回路1005の4way用の入力端子に択一的に接続する。また、ラッチ回路1002の出力端子は、ラッチ回路1004の2way用の入力端子又はラッチ回路1006の4way用の入力端子に択一的に接続する。ラッチ回路1003の出力端子は、ラッチ回路1005の2way用の入力端子又はラッチ回路1007の4way用の入力端子に択一的に接続する。ラッチ回路1004の出力端子は、ラッチ回路1006の2way用の入力端子又はラッチ回路1008の4way用の入力端子に択一的に接続する。
【0065】
次に、振分器300について説明する。
図7は、振分器300の構成例を示す。図7が示すように、振分器300は、カウンタ301、カウンタ302、設定レジスタ303、アンド回路311並びに312、及び、アンド回路321乃至324などを備える。
【0066】
設定レジスタ303は、カウンタ301及びカウンタ302に接続する。カウンタ301は、アンド回路311及びアンド回路312に接続する。カウンタ302は、アンド回路321乃至324に接続する。
【0067】
なお、振分器300は、図7が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、振分器300から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0068】
設定レジスタ303は、駆動制御部110から設定信号を入力する。設定レジスタ303は、入力した設定信号を格納する。ここでは、設定レジスタ303は、2つのノズル列に対応する構成に設定する設定信号(ここでは、「0」)又は4つのノズル列に対応する構成に設定する設定信号(ここでは、「1」)を格納する。
【0069】
設定レジスタ303は、格納した設定信号をカウンタ301及びカウンタ302に出力する。
【0070】
カウンタ301は、アンド回路311及びアンド回路312に制御信号を出力する。
カウンタ301は、設定レジスタ303に格納された設定信号に基づいて有効となる(起動する)。ここでは、設定信号が「0」である場合に、カウンタ301は、有効となる。カウンタ301は、無効である場合、アンド回路311及びアンド回路312に「0」(たとえば、「low」)を出力する。
【0071】
カウンタ301は、有効後の初期状態においてアンド回路311及びアンド回路312に「0」を出力する。
【0072】
有効となると、カウンタ301は、駆動制御部110から列データを入力する。即ち、カウンタ301は、列データとして連続した駆動情報を入力する。
【0073】
カウンタ301は、列データを構成する駆動情報の個数(列データ構成数)を予め格納する。ここでは、カウンタ301は、インクジェットヘッド100が2つのノズル列を有する場合における列データ構成数を格納する。
【0074】
カウンタ301は、駆動制御部110から駆動情報を入力すると、アンド回路311に「1」(たとえば、「high」)を出力する。カウンタ301は、入力した駆動情報をカウントする。カウンタ301は、カウントした駆動情報の個数が列データ構成数に達すると、アンド回路311に「0」を出力する。即ち、カウンタ301は、駆動制御部110がA列データを出力している間においてアンド回路311に「1」を出力する。
【0075】
アンド回路311に「0」を出力すると、カウンタ301は、アンド回路312に「1」を出力する。ここで、カウンタ301は、カウントをリセットする。カウンタ301は、再び、入力した駆動情報をカウントする。カウンタ301は、カウントした駆動情報の個数が列データ構成数に達すると、アンド回路312に「0」を出力する。即ち、カウンタ301は、駆動制御部110がB列データを出力している間においてアンド回路312に「1」を出力する。
【0076】
カウンタ302は、アンド回路321乃至アンド回路324に制御信号を出力する。
【0077】
カウンタ302は、設定レジスタ303に格納された設定信号に基づいて有効となる(起動する)。ここでは、設定信号が「1」である場合に、カウンタ302は、有効となる。カウンタ302は、無効である場合、アンド回路321乃至アンド回路324に「0」を出力する。
【0078】
カウンタ302は、有効後の初期状態においてアンド回路321乃至アンド回路324に「0」を出力する。
【0079】
有効となると、カウンタ302は、駆動制御部110から列データを入力する。即ち、カウンタ302は、列データとして連続した駆動情報を入力する。
【0080】
カウンタ302は、列データ構成数を予め格納する。ここでは、カウンタ302は、インクジェットヘッド100が4つのノズル列を有する場合における列データ構成数を格納する。
【0081】
カウンタ302は、駆動制御部110から駆動情報を入力すると、アンド回路321に「1」を出力する。カウンタ302は、入力した駆動情報をカウントする。カウンタ302は、カウントした駆動情報の個数が列データ構成数に達すると、アンド回路321に「0」を出力する。即ち、カウンタ302は、駆動制御部110がA列データを出力している間においてアンド回路321に「1」を出力する。
【0082】
アンド回路321に「0」を出力すると、カウンタ302は、アンド回路322に「1」を出力する。ここで、カウンタ302は、カウントをリセットする。カウンタ302は、再び、入力した駆動情報をカウントする。カウンタ302は、カウントした駆動情報の個数が列データ構成数に達すると、アンド回路322に「0」を出力する。即ち、カウンタ302は、駆動制御部110がB列データを出力している間においてアンド回路322に「1」を出力する。
【0083】
アンド回路322に「0」を出力すると、カウンタ302は、アンド回路323に「1」を出力する。ここで、カウンタ302は、カウントをリセットする。カウンタ302は、再び、入力した駆動情報をカウントする。カウンタ302は、カウントした駆動情報の個数が列データ構成数に達すると、アンド回路323に「0」を出力する。即ち、カウンタ302は、駆動制御部110がC列データを出力している間においてアンド回路323に「1」を出力する。
【0084】
アンド回路323に「0」を出力すると、カウンタ302は、アンド回路324に「1」を出力する。ここで、カウンタ302は、カウントをリセットする。カウンタ302は、再び、入力した駆動情報をカウントする。カウンタ302は、カウントした駆動情報の個数が列データ構成数に達すると、アンド回路324に「0」を出力する。即ち、カウンタ302は、駆動制御部110がD列データを出力している間においてアンド回路324に「1」を出力する。
【0085】
アンド回路311は、駆動制御部110から列データを入力し、カウンタ301から制御信号を入力する。アンド回路311は、カウンタ301から「1」を入力する間において、入力した列データをラッチ回路1001の2way用の入力端子に出力する。即ち、アンド回路311は、インクジェットヘッド100が2つのノズル列を備える場合、A列データをラッチ回路1001の2way用の入力端子に出力する。
【0086】
アンド回路312は、駆動制御部110から列データを入力し、カウンタ301から制御信号を入力する。アンド回路312は、カウンタ301から「1」を入力する間において、入力した列データをラッチ回路1002の2way用の入力端子に出力する。即ち、アンド回路312は、インクジェットヘッド100が2つのノズル列を備える場合、B列データをラッチ回路1002の2way用の入力端子に出力する。
【0087】
アンド回路321は、駆動制御部110から列データを入力し、カウンタ302から制御信号を入力する。アンド回路321は、カウンタ302から「1」を入力する間において、入力した列データをラッチ回路1001の4way用の入力端子に出力する。即ち、アンド回路321は、インクジェットヘッド100が4つのノズル列を備える場合、A列データをラッチ回路1001の4way用の入力端子に出力する。
【0088】
アンド回路322は、駆動制御部110から列データを入力し、カウンタ302から制御信号を入力する。アンド回路322は、カウンタ302から「1」を入力する間において、入力した列データをラッチ回路1002の4way用の入力端子に出力する。即ち、アンド回路322は、インクジェットヘッド100が4つのノズル列を備える場合、B列データをラッチ回路1002の4way用の入力端子に出力する。
【0089】
アンド回路323は、駆動制御部110から列データを入力し、カウンタ302から制御信号を入力する。アンド回路323は、カウンタ302から「1」を入力する間において、入力した列データをラッチ回路1003の4way用の入力端子に出力する。即ち、アンド回路323は、インクジェットヘッド100が4つのノズル列を備える場合、A列データをラッチ回路1003の4way用の入力端子に出力する。
【0090】
アンド回路324は、駆動制御部110から列データを入力し、カウンタ302から制御信号を入力する。アンド回路324は、カウンタ302から「1」を入力する間において、入力した列データをラッチ回路1004の4way用の入力端子に出力する。即ち、アンド回路321は、インクジェットヘッド100が4つのノズル列を備える場合、D列データをラッチ回路1004の4way用の入力端子に出力する。
【0091】
次に、ヘッド駆動回路101の動作例について説明する。
まず、インクジェットヘッド100が2つのノズル列を備える場合について説明する。
【0092】
図8は、2つのノズル列を備えるオリフィスプレート7の例を示す。図8が示すように、オリフィスプレート7は、ノズル列として、A列及びB列を備える。A列のノズル8とB列のノズル8とは、交互に配置されている。
【0093】
また、A列の各ノズル8は、それぞれ2n−1.chに対応する。即ち、A列の各ノズル8は、それぞれ2n−1番目のラッチ回路に対応する。
【0094】
同様に、B列の各ノズル8は、それぞれ2n.chに対応する。即ち、B列の各ノズル8は、それぞれ2n番目のラッチ回路に対応する。
【0095】
また、ここでは、オペレータは、2列モードに設定する設定信号(「0」)をシフトレジスタ120に出力させるように、駆動制御部110を設定する。
【0096】
駆動制御部110は、起動時などにおいて、2列モードに設定する設定信号をシフトレジスタ120に出力する。シフトレジスタ120の設定レジスタ303は、当該設定信号を入力し格納する。
【0097】
設定レジスタ303が当該設定信号を格納すると、各ラッチ回路は、2列モードに対応する構成となるように互いに接続する。
【0098】
図9は、2列モードに設定された各ラッチ回路の接続関係を示す。図8では、各ラッチ回路は、互いに接続してラッチ回路列401及びラッチ回路列401を形成する。各ラッチ回路は、2way用の入力端子を介して互いに接続する。
【0099】
ラッチ回路列401は、ラッチ回路1001、ラッチ回路1003、ラッチ回路1005、ラッチ回路1007…が振分器300から順に接続して形成される。即ち、2n−1番目のラッチ回路が順に接続する。つまり、ラッチ回路列401は、A列データを格納する。
【0100】
また、ラッチ回路列402は、ラッチ回路1002、ラッチ回路1004、ラッチ回路1006、ラッチ回路1008…が振分器300から順に接続して形成される。即ち、2n番目のラッチ回路が順に接続する。つまり、ラッチ回路列402は、B列データを格納する。
【0101】
次に、駆動制御部110が出力する列データ及びカウンタ301が出力する制御信号について説明する。
図10は、駆動制御部110が出力する列データ及びカウンタ301が出力する制御信号を説明するためのタイミングチャートである。
【0102】
ここでは、カウンタ302は、有効とならず、「0」を出力する。
【0103】
図10では、「A_EN」は、カウンタ301がアンド回路311に出力する制御信号を示す。また、「B_EN」は、カウンタ301がアンド回路312に出力する制御信号を示す。
【0104】
図10が示すように、駆動制御部110がA列データを出力する間、カウンタ301は、アンド回路311に有効(「1」)を出力し、アンド回路312に無効(「0」)を出力する。その結果、アンド回路311は、駆動制御部110からのA列データをラッチ回路列401に供給する。即ち、アンド回路312は、A列に対応するラッチ回路列にA列データを供給する。
【0105】
また、駆動制御部110がB列データを出力する間、カウンタ301は、アンド回路312に有効(「1」)を出力し、アンド回路312に無効(「0」)を出力する。その結果、アンド回路312は、駆動制御部110からのB列データをラッチ回路列に供給する。即ち、アンド回路312は、B列に対応するラッチ回路列にB列データを供給する。
【0106】
図11は、プリンタ200が用紙Pに画像を印刷する動作例を示す。図11が示すように、プロセッサ201は、搬送モータ206などに、矢印方向(図11では、下方向)に用紙Pを搬送させる。
【0107】
ヘッド駆動回路101は、用紙Pの印刷領域がA列に掛かると、A列のノズル8から用紙Pにインクを吐出させる。即ち、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列401が格納する駆動情報に基づいて、A列の各チャネルに駆動信号を出力する。この動作によって、用紙Pには、インクによるドット(1st)が形成される。
【0108】
また、ヘッド駆動回路101は、用紙Pの印刷領域がB列に掛かると、A列のノズル8及びB列のノズル8から用紙Pにインクを吐出させる。即ち、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列401が格納する駆動情報に基づいて、A列の各チャネルに駆動信号を出力する。また、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列402が格納する駆動情報に基づいて、B列の各チャネルに駆動信号を出力する。この動作によって、用紙Pには、インクによるドット(2nd)が形成される。
【0109】
また、ヘッド駆動回路101は、所定の時間が経過すると、再びA列のノズル8及びB列のノズル8から用紙Pにインクを吐出させる。この動作によって、用紙Pには、インクによるドット(3rd)が形成される。
【0110】
同様に、ヘッド駆動回路101は、ドット(4th)、ドット(5th)…を用紙Pに形成する。
なお、ヘッド駆動回路101は、最後にB列のノズル8から用紙Pにインクを吐出させてもよい。
上記の動作によって、ヘッド駆動回路101は、用紙Pに画像を印刷する。
【0111】
次に、インクジェットヘッド100が4つのノズル列を備える場合について説明する。
【0112】
図12は、4つのノズル列を備えるオリフィスプレート7の例を示す。図12が示すように、オリフィスプレート7は、ノズル列として、A列、B列、C列及びD列を備える。A列のノズル8、B列のノズル8、C列のノズル8及びD列のノズル8は、順に主走査方向及び副走査方向にずれながら配置されている。
【0113】
また、A列の各ノズル8は、それぞれ4n−3.chに対応する。即ち、A列の各ノズル8は、それぞれ4n−3番目のラッチ回路に対応する。
【0114】
同様に、B列の各ノズル8は、それぞれ4n−2.chに対応する。即ち、B列の各ノズル8は、それぞれ4n−2番目のラッチ回路に対応する。
【0115】
同様に、C列の各ノズル8は、それぞれ4n−1.chに対応する。即ち、C列の各ノズル8は、それぞれ4n−1番目のラッチ回路に対応する。
【0116】
同様に、D列の各ノズル8は、それぞれ4n.chに対応する。即ち、B列の各ノズル8は、それぞれ4n番目のラッチ回路に対応する。
【0117】
また、ここでは、オペレータは、4列モードに設定する設定信号(「1」)をシフトレジスタ120に出力させるように、駆動制御部110を設定する。
【0118】
駆動制御部110は、起動時などにおいて、4列モードに設定する設定信号をシフトレジスタ120に出力する。シフトレジスタ120の設定レジスタ303は、当該設定信号を入力し格納する。
【0119】
設定レジスタ303が当該設定信号を格納すると、各ラッチ回路は、4列モードに対応する構成となるように互いに接続する。
【0120】
図13は、4列モードに設定された各ラッチ回路の接続関係を示す。図13は、各ラッチ回路は、互いに接続してラッチ回路列501乃至504を形成する。各ラッチ回路は、4way用の入力端子を介して互いに接続する。
【0121】
ラッチ回路列501は、ラッチ回路1001、ラッチ回路1005…が振分器300から順に接続して形成される。即ち、4n−3番目のラッチ回路が順に接続する。つまり、ラッチ回路列501は、A列データを格納する。
【0122】
また、ラッチ回路列502は、ラッチ回路1002、ラッチ回路1006…が振分器300から順に接続して形成される。即ち、4n−2番目のラッチ回路が順に接続する。つまり、ラッチ回路列502は、B列データを格納する。
【0123】
また、ラッチ回路列503は、ラッチ回路1003、ラッチ回路1007…が振分器300から順に接続する。即ち、4n−1番目のラッチ回路が順に接続して形成される。つまり、ラッチ回路列503は、C列データを格納する。
【0124】
また、ラッチ回路列504は、ラッチ回路1004、ラッチ回路1008…が振分器300から順に接続して形成される。即ち、4n番目のラッチ回路が順に接続する。つまり、ラッチ回路列504は、D列データを格納する。
【0125】
次に、駆動制御部110が出力する列データ及びカウンタ302が出力する制御信号について説明する。
図14は、駆動制御部110が出力する列データ及びカウンタ302が出力する制御信号を説明するためのタイミングチャートである。
【0126】
ここでは、カウンタ301は、有効とならず、「0」を出力する。
【0127】
図13では、「A_EN」は、カウンタ302がアンド回路321に出力する制御信号を示す。また、「B_EN」は、カウンタ302がアンド回路322に出力する制御信号を示す。また、「C_EN」は、カウンタ302がアンド回路323に出力する制御信号を示す。また、「D_EN」は、カウンタ302がアンド回路324に出力する制御信号を示す。
【0128】
図13が示すように、駆動制御部110がA列データを出力する間、カウンタ302は、アンド回路321に有効(「1」)を出力し、アンド回路322、323及び324に無効(「0」)を出力する。その結果、アンド回路321は、駆動制御部110からのA列データをラッチ回路列501に供給する。即ち、アンド回路321は、A列に対応するラッチ回路にA列データを供給する。
【0129】
また、駆動制御部110がB列データを出力する間、カウンタ302は、アンド回路322に有効(「1」)を出力し、アンド回路321、323及び324に無効(「0」)を出力する。その結果、アンド回路322は、駆動制御部110からのB列データをラッチ回路列502に供給する。即ち、アンド回路322は、B列に対応するラッチ回路にB列データを供給する。
【0130】
また、駆動制御部110がC列データを出力する間、カウンタ302は、アンド回路323に有効(「1」)を出力し、アンド回路321、322及び324に無効(「0」)を出力する。その結果、アンド回路323は、駆動制御部110からのC列データをラッチ回路列503に供給する。即ち、アンド回路323は、C列に対応するラッチ回路にC列データを供給する。
【0131】
また、駆動制御部110がD列データを出力する間、カウンタ302は、アンド回路324に有効(「1」)を出力し、アンド回路321、322及び323に無効(「0」)を出力する。その結果、アンド回路324は、駆動制御部110からのD列データをラッチ回路列504に供給する。即ち、アンド回路324は、D列に対応するラッチ回路にD列データを供給する。
【0132】
図15は、プリンタ200が用紙Pに画像を印刷する動作例を示す。図15が示すように、プロセッサ201は、搬送モータ206などに、矢印方向(図15では、下方向)に用紙Pを搬送させる。
【0133】
ヘッド駆動回路101は、用紙Pの印刷領域がA列に掛かると、A列のノズル8から用紙Pにインクを吐出させる。即ち、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列501が格納する駆動情報に従って、A列の各チャネルに駆動信号を出力する。この動作によって、用紙Pには、インクによるドット(1st)が形成される。
【0134】
また、ヘッド駆動回路101は、用紙Pの印刷領域がB列に掛かると、A列のノズル8及びB列のノズル8から用紙Pにインクを吐出させる。即ち、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列501が格納する駆動情報に従って、A列の各チャネルに駆動信号を出力する。また、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列502が格納する駆動情報に従って、B列の各チャネルに駆動信号を出力する。この動作によって、用紙Pには、インクによるドット(2nd)が形成される。
【0135】
また、ヘッド駆動回路101は、用紙Pの印刷領域がC列に掛かると、A列のノズル8、B列のノズル8及びC列のノズル8から用紙Pにインクを吐出させる。即ち、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列501が格納する駆動情報に従って、A列の各チャネルに駆動信号を出力する。また、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列502が格納する駆動情報に従って、B列の各チャネルに駆動信号を出力する。また、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列503が格納する駆動情報に従って、C列の各チャネルに駆動信号を出力する。この動作によって、用紙Pには、インクによるドット(3rd)が形成される。
【0136】
また、ヘッド駆動回路101は、用紙Pの印刷領域がD列に掛かると、A列のノズル8、B列のノズル8、C列のノズル8及びD列のノズル8から用紙Pにインクを吐出させる。即ち、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列501が格納する駆動情報に従って、A列の各チャネルに駆動信号を出力する。また、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列502が格納する駆動情報に従って、B列の各チャネルに駆動信号を出力する。また、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列503が格納する駆動情報に従って、C列の各チャネルに駆動信号を出力する。また、ヘッド駆動回路101は、ラッチ回路列504が格納する駆動情報に従って、D列の各チャネルに駆動信号を出力する。この動作によって、用紙Pには、インクによるドット(4th)が形成される。
【0137】
また、ヘッド駆動回路101は、所定の時間が経過すると、再びA列のノズル8、B列のノズル8、C列のノズル8及びD列のノズル8から用紙Pにインクを吐出させる。この動作によって、用紙Pには、インクによるドット(5th)が形成される。
【0138】
同様に、ヘッド駆動回路101は、ドット(6th)、ドット(7th)…を用紙Pに形成する。
上記の動作によって、ヘッド駆動回路101は、用紙Pに画像を印刷する。
【0139】
なお、シフトレジスタ120は、2列又は4列以外のノズル列に対応するものであってもよい。たとえば、シフトレジスタ120は、ノズル列が6列、8列又はそれ以上の列に数に対応するものであってもよい。ラッチ回路は、所定の個数ごとに互いに接続してラッチ回路列を形成する。
【0140】
たとえば、インクジェットヘッド100がm列(mは、1以上の整数)のノズル列を備える場合、シフトレジスタ120は、n×m−m+1番目のラッチ回路、n×m−m+2番目のラッチ回路…n×m番目のラッチ回路をそれぞれ順に接続してラッチ回路列を形成する。
【0141】
また、インクジェットヘッド100が1列のノズル列を備える場合、シフトレジスタ120は、各ラッチ回路を順に接続してもよい。
【0142】
また、プリンタ200は、インクジェットヘッド100を移動させて媒体に画像などを形成するものであってもよい。
また、インクジェットヘッド100は、循環型であってもよい。
【0143】
以上のように構成されたヘッド駆動回路は、インクジェットヘッドが備えるノズル列の個数(列数)に応じてノズル列ごとの列データを格納可能なようにシフトレジスタの構成を設定することができる。その結果、ヘッド駆動回路は、列数に合わせて構成を変更することができる。従って、ヘッド駆動回路は、複数の列数に対応することができる。
【0144】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0145】
1…第1の圧電部材、2…第2の圧電部材、3…溝、4…電極、5…共通インク室、6…天板、7…オリフィスプレート、8…ノズル、9…ベース基板、10…電極、11…プリント基板、12…ドライブIC、13…導電パターン、14…導線、15…圧力室、16…アクチュエータ、20…メニスカス、100…インクジェットヘッド、101…ヘッド駆動回路、102…チャネル群、110…駆動制御部、120…シフトレジスタ、200…プリンタ、201…プロセッサ、202…ROM、203…RAM、204…操作パネル、205…通信インターフェース、206…搬送モータ、207…モータ駆動回路、208…ポンプ、209…ポンプ駆動回路、211…バスライン、300…振分器、301及び302…カウンタ、303…設定レジスタ、311及び312…アンド回路、321乃至324…アンド回路、401及び402…ラッチ回路列、501乃至504…ラッチ回路列、1001乃至1008…ラッチ回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15