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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-195128(P2021-195128A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】電子部品包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/86 20060101AFI20211129BHJP
   B65D 73/02 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
   B65D85/86 300
   B65D73/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2020-100135(P2020-100135)
(22)【出願日】2020年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡▲崎▼ 忠宏
【テーマコード(参考)】
3E067
3E096
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB41
3E067AC04
3E067AC05
3E067AC12
3E067BA24A
3E067BA25A
3E067BB14A
3E067BC07A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EB27
3E067EE46
3E067FA01
3E067FC01
3E096AA04
3E096BA08
3E096CA14
3E096EA02
3E096GA01
(57)【要約】
【課題】電子部品の供給量を向上すること。
【解決手段】電子部品包装体10は、長手方向Xに間隔をあけて並ぶ複数の収容凹部211,212と、複数の収容凹部211,212から幅方向Yにずれた位置で長手方向Xに間隔をあけて並ぶ複数の送り孔24と、を有するキャリアテープ20と、複数の収容凹部211,212にそれぞれ収容される複数の電子部品50と、複数の収容凹部211,212を覆うカバーテープ30と、キャリアテープ20とカバーテープ30とを接合する接合部40と、を備える。複数の収容凹部211,212は、長手方向Xに並ぶ複数の第1収容凹部211と、複数の第1収容凹部211と複数の送り孔24との幅方向Yの間に設けられており、長手方向Xに並ぶ複数の第2収容凹部212と、を含む。接合部40は、キャリアテープ20の第1部分231、第2部分232および第3部分233とカバーテープ30とを接合する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に間隔をあけて並ぶ複数の収容凹部と、複数の前記収容凹部から幅方向にずれた位置で前記長手方向に間隔をあけて並ぶ複数の送り孔と、を有するキャリアテープと、
複数の前記収容凹部にそれぞれ収容される複数の電子部品と、
複数の前記収容凹部を覆うカバーテープと、
前記キャリアテープと前記カバーテープとを接合する接合部と、を備え、
複数の前記収容凹部は、前記長手方向に並ぶ複数の第1収容凹部と、複数の前記第1収容凹部と複数の前記送り孔との前記幅方向の間に設けられており、前記長手方向に並ぶ複数の第2収容凹部と、を含み、
前記キャリアテープにおいて、複数の前記第1収容凹部および複数の前記第2収容凹部の前記幅方向における間で前記長手方向に延びる部分を第1部分とし、複数の前記第1収容凹部に対して前記第1部分とは前記幅方向における反対側で前記長手方向に延びる部分を第2部分とし、複数の前記第2収容凹部に対して前記第1部分とは前記幅方向における反対側で前記長手方向に延びる部分を第3部分としたとき、
前記接合部は、前記キャリアテープの前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分と前記カバーテープとを前記長手方向にわたって接合する
電子部品包装体。
【請求項2】
複数の前記電子部品のうち、前記第1収容凹部に収容される第1電子部品と前記第2収容凹部に収容される第2電子部品とは、異なる種類の電子部品である
請求項1に記載の電子部品包装体。
【請求項3】
前記第1収容凹部の形状は、前記第2収容凹部の形状と異なる
請求項2に記載の電子部品包装体。
【請求項4】
前記長手方向において、前記第2収容凹部の形成間隔は、前記第1収容凹部の形成間隔以下であり、
複数の前記第2収容凹部の各々は、複数の前記第1収容凹部のいずれかと前記幅方向に隣り合う
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品包装体。
【請求項5】
前記長手方向において、前記第1収容凹部の形成間隔および前記第2収容凹部の形成間隔は等しく、
前記キャリアテープにおいて、前記長手方向に隣り合う2つの前記第1収容凹部の間の部分を第1中間部とし、前記長手方向に隣り合う2つの前記第2収容凹部の間の部分を第2中間部としたとき、
前記接合部は、
前記キャリアテープの前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分のうち、複数の前記第1収容凹部および複数の前記第2収容凹部と前記幅方向に隣り合う部分を前記カバーテープに接合する第1接合部と、
前記キャリアテープの前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分のうち、複数の前記第1中間部および複数の前記第2中間部と前記幅方向に隣り合う部分を前記カバーテープに接合する第2接合部と、
を有し、
前記長手方向における単位長さあたりの前記キャリアテープおよび前記カバーテープの接合強度は、前記第1接合部よりも前記第2接合部の方が小さい
請求項4に記載の電子部品包装体。
【請求項6】
前記長手方向において、前記第1収容凹部の形成間隔および前記第2収容凹部の形成間隔は等しく、
複数の前記第1収容凹部および複数の前記第2収容凹部は、前記長手方向にそれぞれずれて位置している
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品包装体。
【請求項7】
前記長手方向における前記第1収容凹部および前記第2収容凹部のずれ量は、前記第1収容凹部の形成間隔の半分である
請求項6に記載の電子部品包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子部品包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の電子部品と、複数の電子部品をそれぞれ収容する複数の収容凹部を有するキャリアテープと、複数の収容凹部を塞ぐようにキャリアテープに圧着されるカバーテープと、を備える電子部品包装体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−162090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電子部品包装体は、カバーテープが剥離された状態でマウンターに搬送される。そして、電子部品包装体に収容される電子部品は、マウンターによって、基板上の所定の位置まで運搬された後に基板に実装される。このため、電子部品の実装速度を向上させるためには、単位時間あたりのマウンターへの電子部品の供給量を向上させることが望ましい。
【0005】
本開示の目的は、電子部品の供給量を向上できる電子部品包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電子部品包装体は、長手方向に間隔をあけて並ぶ複数の収容凹部と、複数の前記収容凹部から幅方向にずれた位置で前記長手方向に間隔をあけて並ぶ複数の送り孔と、を有するキャリアテープと、複数の前記収容凹部にそれぞれ収容される複数の電子部品と、複数の前記収容凹部を覆うカバーテープと、前記キャリアテープと前記カバーテープとを接合する接合部と、を備え、複数の前記収容凹部は、前記長手方向に並ぶ複数の第1収容凹部と、複数の前記第1収容凹部と複数の前記送り孔との前記幅方向の間に設けられており、前記長手方向に並ぶ複数の第2収容凹部と、を含み、前記キャリアテープにおいて、複数の前記第1収容凹部および複数の前記第2収容凹部の前記幅方向における間で前記長手方向に延びる部分を第1部分とし、複数の前記第1収容凹部に対して前記第1部分とは前記幅方向における反対側で前記長手方向に延びる部分を第2部分とし、複数の前記第2収容凹部に対して前記第1部分とは前記幅方向における反対側で前記長手方向に延びる部分を第3部分としたとき、前記接合部は、前記キャリアテープの前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分と前記カバーテープとを前記長手方向にわたって接合する。
【0007】
上記構成の電子部品包装体は、複数の第1収容凹部に複数の電子部品をそれぞれ収容でき、複数の第2収容凹部に複数の電子部品をそれぞれ収容できる。このため、電子部品包装体をマウンターに搬送する状況下において、第1収容凹部に収容される電子部品および第2収容凹部に収容される電子部品を一度に供給できる点で、電子部品の供給量を向上できる。
【0008】
また、電子部品包装体は、接合部が第1部分、第2部分および第3部分とカバーテープとを接合していることにより、第1収容凹部に収容された電子部品および第2収容凹部に収容された電子部品が脱離することを抑制できる。特に、第1収容凹部および第2収容凹部が幅方向に並んで設けられる構成であって、かつ、第1部分が接合されていない構成においては、幅方向における第1収容凹部および第2収容凹部の間の部分である第1部分を介して、電子部品が移動する可能性がある。すると、第1収容凹部および第2収容凹部の一方の収容凹部に収容されている電子部品が他方の収容凹部に収容されるおそれがある。この点、上記構成の電子部品包装体は、第1部分が接合されているため、上述したような電子部品の移動を抑制できる。
【発明の効果】
【0009】
上記電子部品包装体によれば、電子部品の供給量を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の電子部品包装体の平面図。
図2図1の電子部品包装体の2−2線の断面図。
図3】第1実施形態の電子部品包装体の幅方向と直交する断面図。
図4】第2実施形態の電子部品包装体の平面図。
図5】第3実施形態の電子部品包装体の平面図。
図6】第4実施形態の電子部品包装体の平面図。
図7】第5実施形態の電子部品包装体の平面図。
図8】第6実施形態の電子部品包装体の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、電子部品包装体の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1および図2に示すように、電子部品包装体10は、キャリアテープ20と、カバーテープ30と、接合部40と、複数の電子部品50と、を備えている。
【0012】
電子部品包装体10は、長尺状をなし、例えば、リールに巻き取られた状態で運搬されたり保管されたりする。以降の説明では、電子部品包装体10の長手方向を「長手方向X」とし、電子部品包装体10の幅方向を「幅方向Y」とし、長手方向Xおよび幅方向Yの両方向と直交する方向を「厚さ方向Z」とする。
【0013】
図1および図2に示すように、キャリアテープ20は、帯状をなしている。キャリアテープ20は、例えば、ポリエチレンテレフタレート又はポリスチレンなどの樹脂材料からなる。キャリアテープ20は、長手方向Xに並ぶ複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212と、長手方向Xに隣り合う2つの第1収容凹部211の間の部分である複数の第1中間部221と、長手方向Xに隣り合う2つの第2収容凹部212の間の部分である複数の第2中間部222と、を有している。また、キャリアテープ20は、複数の収容凹部211,212および複数の中間部221,222から幅方向Yにずれた位置で長手方向Xに延びる第1部分231、第2部分232および第3部分233と、長手方向Xに並ぶ複数の送り孔24を有している。ここで、収容凹部211,212は、第1収容凹部211および第2収容凹部212を短く表記したものであり、中間部221,222は、第1中間部221および第2中間部222を短く表記したものである。
【0014】
収容凹部211,212は、中間部221,222と第1部分231、第2部分232および第3部分233とに対して、厚さ方向Zに凹んでいる。収容凹部211,212は、収容する電子部品50の形状に応じた形状であればよい。このため、収容凹部211,212は、厚さ方向Zにおける平面視において、多角形状、円形状又は楕円形状をなしていてもよい。収容凹部211,212は、例えば、エンボス加工によって形成される。
【0015】
複数の第1収容凹部211は長手方向Xに並び、複数の第2収容凹部212は複数の第1収容凹部211から幅方向Yにずれた位置で長手方向Xに並んでいる。複数の第2収容凹部212は、幅方向Yにおける複数の第1収容凹部211と複数の送り孔24との間で長手方向Xに並んでいる。
【0016】
第1収容凹部211および第2収容凹部212は、同一形状である。詳しくは、第1収容凹部211および第2収容凹部212は、厚さ方向Zにおける平面視において、ともに矩形状をなしている。また、第1収容凹部211の長手方向Xの長さが第2収容凹部212の長手方向Xの長さと等しく、第1収容凹部211の幅方向Yの長さが第2収容凹部212の幅方向Yの長さと等しく、第1収容凹部211の厚さ方向Zの長さが第2収容凹部212の厚さ方向Zの長さと等しい。
【0017】
複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212は、長手方向Xに等間隔に位置している。長手方向Xにおいて、複数の第1収容凹部211の形成間隔および複数の第2収容凹部212の形成間隔は等しい。複数の第2収容凹部212の各々は、複数の第1収容凹部211のいずれかと幅方向Yに隣り合っている。換言すると、幅方向Yにおいて、複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212はそれぞれ整列している。さらに換言すると、複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212は、厚さ方向Zから視て、幅方向Yにおいて互いに揃った状態で長手方向Xにおいてそれぞれ離間して配列されている。
【0018】
なお、第1収容凹部211の形成間隔とは、長手方向Xに隣り合う2つの第1収容凹部211の中心間距離であり、第2収容凹部212の形成間隔とは、長手方向Xに隣り合う2つの第2収容凹部212の中心間距離である。
【0019】
キャリアテープ20の長手方向Xと直交する断面形状は、収容凹部211,212のある部分と中間部221,222のある部分とで異なっている。収容凹部211,212が厚さ方向Zに突出している点で、収容凹部211,212のある部分の方が中間部221,222のある部分よりも、断面二次モーメントが高くなっている。換言すると、キャリアテープ20において、収容凹部211,212のある部分の方が中間部221,222のある部分よりも剛性が高くなっている。このため、キャリアテープ20に対して曲げ荷重が作用する場合、中間部221,222のある部分よりも、収容凹部211,212のある部分の方が曲がりにくくなっている。
【0020】
複数の第1中間部221は、長手方向Xにおいて、複数の第1収容凹部211と交互に並び、複数の第2中間部222は、長手方向Xにおいて、複数の第2収容凹部212と交互に並んでいる。第1中間部221および第2中間部222は、同一形状である。詳しくは、第1中間部221および第2中間部222は、長手方向Xおよび幅方向Yにおける長さが等しくなっている。長手方向Xにおいて、第1中間部221および第2中間部222の長さは第1収容凹部211および第2収容凹部212の長さよりも短くなっている。
【0021】
第1部分231、第2部分232および第3部分233は、キャリアテープ20において、カバーテープ30と接合される部分である。第1部分231は、幅方向Yにおいて、複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212の間で長手方向Xに延びている。第2部分232は、複数の第1収容凹部211に対して第1部分231とは幅方向Yにおける反対側で長手方向Xに延びている。第3部分233は、複数の第2収容凹部212に対して第1部分231とは幅方向Yにおける反対側で長手方向Xに延びている。
【0022】
幅方向Yにおいて、第3部分233の長さは、第1部分231および第2部分232の長さよりも長くなっている。第1部分231および第2部分232は、全体にわたってカバーテープ30に覆われている。これに対し、第3部分233は、幅方向Yにおいて、複数の第2収容凹部212に近い部位がカバーテープ30に覆われ、キャリアテープ20の側端に近い部位がカバーテープ30に覆われていない。第3部分233のカバーテープ30に覆われない部位には、複数の送り孔24が貫通している。
【0023】
送り孔24は、厚さ方向Zにおける平面視において略円形をなしている。送り孔24の内径は、中間部221,222の長手方向Xにおける長さよりも小さくなっている。複数の送り孔24の形成間隔は、第1収容凹部211の形成間隔および第2収容凹部212の形成間隔と等しくなっている。幅方向Yからの側面視において、隣り合う第2収容凹部212の中間に送り孔24の中心が位置している。換言すると、複数の送り孔24と複数の第2中間部222とは、それぞれ幅方向Yに並んでいる。複数の送り孔24は、電子部品包装体10の搬送に使用される。このため、複数の送り孔24の形状および形成間隔は、電子部品包装体10の搬送に影響を与えない範囲で適宜に変更することができる。
【0024】
一例として、キャリアテープ20は、厚さが0.1mm以上1.1mm以下、幅が4.0mm以上20mm以下である。キャリアテープ20の長さは、電子部品包装体10が収容する電子部品50の数に応じた長さとなる。また、収容凹部211,212は、長手方向Xにおける長さが0.16mm以上7.5mm以下、幅方向Yにおける長さが0.16mm以上4.6mm以下、厚さ方向Zにおける長さが0.05mm以上3.0mm以下である。中間部221,222は、長手方向Xにおける長さが0.5mm以上7.8mm以下である。
【0025】
図1および図2に示すように、カバーテープ30は、キャリアテープ20と同様に帯状をなしている。カバーテープ30は、長手方向Xにおける長さがキャリアテープ20と同等であり、幅方向Yにおける長さがキャリアテープ20よりも僅かに短くなっている。図2に示すように、カバーテープ30は、キャリアテープ20に接合される接合層31と、接合層31に積層される基材層32と、を有する。接合層31は、例えば、ポリエチレンなどの樹脂材料からなり、基材層32は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂材料からなる。一例として、基材層32の厚さは、40μm以上100μm以下であり、接合層31の厚さは、基材層32の厚さ未満である。そして、カバーテープ30は、キャリアテープ20に接合されることにより、キャリアテープ20の複数の収容凹部211,212を覆う。こうして、複数の収容凹部211,212は閉じた空間となる。
【0026】
図1および図2に示すように、接合部40は、キャリアテープ20の第1部分231とカバーテープ30とを接合する第1部分接合部41と、キャリアテープ20の第2部分232とカバーテープ30とを接合する第2部分接合部42と、キャリアテープ20の第3部分233とカバーテープ30とを接合する第3部分接合部43と、を有している。第1部分接合部41、第2部分接合部42および第3部分接合部43は、厚さ方向Zにおける平面視において、略帯状をなしている。第1実施形態では、幅方向Yにおいて、第1部分接合部41、第2部分接合部42および第3部分接合部43の長さが互いに等しいが、例えば、幅方向Yにおいて、第1部分接合部41の長さを第2部分接合部42および第3部分接合部43の長さよりも短くしたり長くしたりしてもよい。第1部分接合部41、第2部分接合部42および第3部分接合部43は、長手方向Xにわたって連続的にキャリアテープ20およびカバーテープ30を接合する。
【0027】
図1および図2に示すように、複数の電子部品50は、キャリアテープ20の複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212に対して1つずつ収容される。第1実施形態において、第1収容凹部211に収容される電子部品50は、第2収容凹部212に収容される電子部品50と同じ種類である。電子部品50は、例えば、LED、チップ抵抗器、コンデンサおよびLSIパッケージ部品といった比較的小さな電子部品である。一例として、電子部品50は、長手方向Xにおける長さが0.15mm以上7.3mm以下、幅方向Yにおける長さが0.15mm以上4.35mm以下、厚さ方向Zにおける長さが0.05mm以上1.0mm以下である。
【0028】
次に、図1および図2を参照して、電子部品包装体10の製造方法について説明する。
電子部品包装体10の製造方法は、キャリアテープ20の第1収容凹部211および第2収容凹部212に電子部品50を収容する収容工程と、電子部品50を収容したキャリアテープ20上にカバーテープ30を重ねて配置する配置工程と、キャリアテープ20にカバーテープ30を接合する接合工程と、を備える。収容工程、配置工程および接合工程は、間欠的に搬送されるキャリアテープ20の搬送方向における上流、中流および下流でそれぞれ実施される工程である。
【0029】
接合工程では、キャリアテープ20の搬送が停止したタイミングで、カバーテープ30に加熱されたコテが押し付けられる。すると、キャリアテープ20の第1部分231、第2部分232および第3部分233に重なるカバーテープ30の接合層31が加熱される。カバーテープ30の接合層31を溶融させるのに十分な時間が経過すると、カバーテープ30からコテが離され、キャリアテープ20が搬送される。カバーテープ30の接合層31の溶融した部分が固化すると、キャリアテープ20の第1部分231、第2部分232および第3部分233とカバーテープ30とを接合する接合部40が形成される。詳しくは、長手方向Xにおいて、コテの長さに応じた第1部分接合部41、第2部分接合部42および第3部分接合部43が形成される。
【0030】
第1実施形態の作用について説明する。
詳しくは、電子部品包装体10に収容される電子部品50を実装するときの作用について説明する。
【0031】
図3に示すように、電子部品包装体10に収容される電子部品50を実装する場合には、まず、剥離ローラ100を用いて、キャリアテープ20からカバーテープ30が剥離される。そして、カバーテープ30から露出した電子部品50は、一点鎖線矢印で示すように、マウンターによってピックアップされた後、基板上の任意の位置に配置される。その後、電子部品50は基板に対して実装される。マウンターによる電子部品50のピックアップおよび電子部品50の配置は、連続的かつ高速に行われることが一般的である。
【0032】
ところで、電子部品50の実装速度を向上させるためには、単位時間あたりのマウンターへの電子部品50の供給量を向上させることが望ましく、たとえば電子部品包装体10の搬送速度をさらに高速にすることが考えられる。
【0033】
しかし、電子部品包装体10の搬送速度をさらに高速にした場合、搬送時において電子部品包装体10に与えられる振動が大きくなるおそれがある。その結果、電子部品50の配置姿勢が変わってしまい、マウンターによって電子部品50が正確な姿勢でピックアップされないおそれがある。
【0034】
この点、第1実施形態では、第1収容凹部211に収容される電子部品50および第2収容凹部212に収容される電子部品50が幅方向Yに並んだ状態でマウンターに供給される。このため、電子部品包装体10は、例えば、複数の第1収容凹部211のみを有する比較例の電子部品包装体と比較して、電子部品包装体10のマウンターに対する搬送速度を上げることなく、単位時間あたりの電子部品50の供給量を向上させることが可能となる。
【0035】
第1実施形態の効果について説明する。
(1−1)電子部品包装体10は、複数の第1収容凹部211に複数の電子部品50をそれぞれ収容でき、複数の第2収容凹部212に複数の電子部品50をそれぞれ収容できる。このため、電子部品包装体10をマウンターに供給する場合において、電子部品50の供給量を向上できる。
【0036】
(1−2)電子部品包装体10は、接合部40がキャリアテープ20の第1部分231、第2部分232および第3部分233とカバーテープ30とを接合していることにより、第1収容凹部211に収容された電子部品50および第2収容凹部212に収容された電子部品50が脱離することを抑制できる。特に、第1収容凹部211および第2収容凹部212が幅方向Yに並んで設けられる構成であって、かつ、第1部分231が接合されていない比較例を想定すると、幅方向Yにおける第1収容凹部211および第2収容凹部212の間の部分である第1部分231を介して、電子部品50が移動する可能性がある。つまり、比較例では、第1収容凹部211および第2収容凹部212の一方の収容凹部に収容されている電子部品50が他方の収容凹部に収容されるおそれがある。この点、電子部品包装体10は、第1部分231が接合されているため、上述したような電子部品50の移動を抑制できる。
【0037】
(1−3)キャリアテープ20において、送り孔24は、第2中間部222と幅方向Yに隣り合った位置に設けられている。換言すると、キャリアテープ20において、送り孔24は、第2収容凹部212と幅方向Yに隣り合った位置に設けられていない。このため、電子部品包装体10の搬送時に送り孔24に荷重が作用しても、当該荷重が第2収容凹部212に伝達されにくく、第2収容凹部212が変形しにくい。したがって、電子部品包装体10は、マウンターに向かって搬送される際に、第2収容凹部212に収容される電子部品50の姿勢を維持しやすい。
【0038】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る電子部品包装体10Aについて図面を参照しつつ説明する。第2実施形態に係る電子部品包装体10Aは、第1実施形態に係る電子部品包装体10と比較したとき、キャリアテープの構成が異なる。以降の説明では、第1実施形態と共通する構成について第1実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0039】
図4に示すように、電子部品包装体10Aは、キャリアテープ20Aと、カバーテープ30と、接合部40と、複数の電子部品50と、を備えている。
図4に示すように、キャリアテープ20Aは、帯状をなしている。キャリアテープ20Aは、長手方向Xに並ぶ複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212Aと、長手方向Xに隣り合う2つの第1収容凹部211の間の部分である複数の第1中間部221と、長手方向Xに隣り合う2つの第2収容凹部212の間の部分である複数の第2中間部222Aと、を有している。また、キャリアテープ20Aは、複数の収容凹部211,212Aおよび複数の中間部221,222Aから幅方向Yにずれた位置で長手方向Xに延びる第1部分231、第2部分232および第3部分233と、長手方向Xに並ぶ複数の送り孔24を有している。
【0040】
複数の第1収容凹部211は長手方向Xに並び、複数の第2収容凹部212Aは複数の第1収容凹部211から幅方向Yにずれた位置で長手方向Xに並んでいる。第1収容凹部211および第2収容凹部212Aは、形状が異なっている。詳しくは、長手方向Xにおいて、第1収容凹部211の長さは第2収容凹部212Aの長さよりも長くなっている。一方、幅方向Yおよび厚さ方向Zにおいて、第1収容凹部211の長さは第2収容凹部212Aの長さと等しくなっている。
【0041】
複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212Aは、長手方向Xに等間隔に位置している。長手方向Xにおいて、複数の第1収容凹部211の形成間隔および複数の第2収容凹部212Aの形成間隔は等しく、幅方向Yにおいて、複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212Aはそれぞれ整列している。
【0042】
複数の第1中間部221は、長手方向Xにおいて、複数の第1収容凹部211と交互に並び、複数の第2中間部222Aは、長手方向Xにおいて、複数の第2収容凹部212Aと交互に並んでいる。第1中間部221および第2中間部222Aは、形状が異なっている。詳しくは、長手方向Xにおいて、第1中間部221の長さは第2中間部222Aの長さ未満となっている。一方、幅方向Yにおいて、第1中間部221の長さは第2中間部222Aの長さと等しくなっている。
【0043】
複数の電子部品50は、キャリアテープ20Aの複数の第1収容凹部211にそれぞれ収容される複数の第1電子部品51と、キャリアテープ20Aの複数の第2収容凹部212Aにそれぞれ収容される複数の第2電子部品52と、を有する。第1電子部品51は、第2電子部品52と異なる種類の電子部品である。第2実施形態においては、第1電子部品51は、第2電子部品52と異なる形状の電子部品である。つまり、第1電子部品51および第2電子部品52は、同じ機能の電子部品であって、サイズが異なる部品であってもよい。このように、異なる種類の電子部品とは、電子部品の機能、性能、サイズおよび形状の少なくとも1つが異なるものである。ここで、電子部品の性能とは、たとえば抵抗器であれば抵抗値や定格電力等、コンデンサであれば容量値や定格電力等といった電子部品の性能を示すものである。
【0044】
厚さ方向Zにおける平面視において、第1電子部品51は第1収容凹部211よりも一回り小さな形状をなし、第2電子部品52は第2収容凹部212Aよりも一回り小さな形状をなしている。つまり、第1収容凹部211は第1電子部品51に応じた形状をなし、第2収容凹部212Aは第2電子部品52に応じた形状をなしている。この点で、キャリアテープ20Aにおいて、第1収容凹部211は第1電子部品51を収容するための収容凹部であり、第2収容凹部212Aは第2電子部品52を収容するための収容凹部である。
【0045】
第2実施形態の作用および効果について説明する。
(2−1)電子部品包装体10Aは、第1収容凹部211に第1電子部品51を収容し、第2収容凹部212Aに第1電子部品51と異なる種類の第2電子部品52を収容する。このため、電子部品包装体10Aは、マウンターに対して、2種類の電子部品50を同時に供給できる。
【0046】
(2−2)電子部品包装体10Aにおいて、第1収容凹部211は第1電子部品51に応じた形状をなし、第2収容凹部212Aは第2電子部品52に応じた形状をなしている。このため、電子部品包装体10Aは、第1収容凹部211の中で第1電子部品51の姿勢が変化することを抑制でき、第2収容凹部212Aの中で第2電子部品52の姿勢が変化することを抑制できる。
【0047】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る電子部品包装体10Bについて図面を参照しつつ説明する。第3実施形態に係る電子部品包装体10Bは、第1実施形態に係る電子部品包装体10と比較したとき、キャリアテープの構成が異なる。以降の説明では、第1実施形態と共通する構成について第1実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0048】
図5に示すように、電子部品包装体10Bは、キャリアテープ20Bと、カバーテープ30と、接合部40と、複数の電子部品50と、を備えている。
図5に示すように、キャリアテープ20Bは、帯状をなしている。キャリアテープ20Bは、長手方向Xに並ぶ複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212と、長手方向Xに隣り合う2つの第1収容凹部211の間の部分である複数の第1中間部221と、長手方向Xに隣り合う2つの第2収容凹部212の間の部分である複数の第2中間部222と、を有している。また、キャリアテープ20Bは、複数の収容凹部211,212および複数の中間部221,222から幅方向Yにずれた位置で長手方向Xに延びる第1部分231、第2部分232および第3部分233と、長手方向Xに並ぶ複数の送り孔24を有している。
【0049】
複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212は、長手方向Xに等間隔に位置している。長手方向Xにおいて、複数の第1収容凹部211の形成間隔および複数の第2収容凹部212の形成間隔は等しい。複数の第1収容凹部211は、複数の第2収容凹部212に対して長手方向Xにそれぞれずれて位置している。第3実施形態では、長手方向Xに隣り合う2つの第1収容凹部211の中間位置から幅方向Yにずれた位置に第2収容凹部212の中心が位置している。換言すると、長手方向Xに隣り合う2つの第2収容凹部212の中間位置から幅方向Yにずれた位置に第1収容凹部211の中心が位置している。したがって、長手方向Xにおける第1収容凹部211および第2収容凹部212のずれ量ΔLは、第1収容凹部211の形成間隔の半分となっている。ここで、ずれ量ΔLとは、図5に示すように、長手方向Xにおいて、第1収容凹部211の中心および第2収容凹部212の中心の間をなす距離である。
【0050】
第3実施形態は、第1実施形態の効果(1−1)に加え、以下の効果を得ることができる。
(3−1)キャリアテープ20Bにおいて、第1中間部221および第2収容凹部212が幅方向Yに隣り合って位置し、第1収容凹部211および第2中間部222が幅方向Yに隣り合って位置する。このため、電子部品包装体10Bは、長手方向Xにおける剛性のばらつきを抑制できる。
【0051】
(3−2)長手方向Xにおける第1収容凹部211および第2収容凹部212のずれ量ΔLは、第1収容凹部211の形成間隔の半分となっている。このため、電子部品包装体10Bは、長手方向Xにおける剛性のばらつきを一層抑制できる。
【0052】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る電子部品包装体10Cについて図面を参照しつつ説明する。第4実施形態に係る電子部品包装体10Cは、第1実施形態に係る電子部品包装体10と比較したとき、キャリアテープの構成が異なる。以降の説明では、第1実施形態と共通する構成について第1実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0053】
図6に示すように、電子部品包装体10Cは、キャリアテープ20Cと、カバーテープ30と、接合部40と、複数の電子部品50と、を備えている。
図6に示すように、キャリアテープ20Cは、帯状をなしている。キャリアテープ20Cは、長手方向Xに並ぶ複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212と、長手方向Xに隣り合う2つの第1収容凹部211の間の部分である複数の第1中間部221と、長手方向Xに隣り合う2つの第2収容凹部212の間の部分である複数の第2中間部222Cと、を有している。また、キャリアテープ20Cは、複数の収容凹部211,212および複数の中間部221,222Cから幅方向Yにずれた位置で長手方向Xに延びる第1部分231、第2部分232および第3部分233と、長手方向Xに並ぶ複数の送り孔24を有している。
【0054】
複数の第1収容凹部211は、長手方向Xに等間隔に位置し、複数の第2収容凹部212は、長手方向Xに等間隔に位置している。長手方向Xにおいて、複数の第2収容凹部212の形成間隔は、複数の第1収容凹部211の形成間隔以下である。詳しくは、長手方向Xにおいて、複数の第2収容凹部212の形成間隔は、複数の第1収容凹部211の形成間隔の半分である。複数の第2収容凹部212の各々は、複数の第1収容凹部211のいずれかと幅方向Yに隣り合っている。第4実施形態では、複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212において、第2収容凹部212の中心位置が第1収容凹部211の中心位置と幅方向Yに揃っている。複数の第1収容凹部211は、複数の第1電子部品51をそれぞれ収容し、複数の第2収容凹部212は、第1電子部品51と異なる種類の複数の第2電子部品52をそれぞれ収容する。
【0055】
複数の第1中間部221は、長手方向Xにおいて、複数の第1収容凹部211と交互に並び、複数の第2中間部222Cは、長手方向Xにおいて、複数の第2収容凹部212と交互に並んでいる。第1中間部221および第2中間部222Cは、形状が異なる。詳しくは、長手方向Xにおいて、第1中間部221の長さは第2中間部222Cの長さ未満となっている。一方、幅方向Yにおいて、第1中間部221の長さは第2中間部222Cの長さと等しくなっている。また、長手方向Xにおいて、第1中間部221の長さは、第1収容凹部211および第2収容凹部212の長さ未満であり、第2中間部222Cの長さは、第1収容凹部211および第2収容凹部212の長さよりも長くなっている。
【0056】
第4実施形態は、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(4−1)電子部品包装体10Cは、第1電子部品51および第2電子部品52のマウンターに対する搬送時において、第2電子部品52の単位時間あたりの供給量を第1電子部品51の単位時間あたりの供給量未満にできる。詳しくは、電子部品包装体10Cは、第2電子部品52の単位時間あたりの供給量を第1電子部品51の単位時間あたりの供給量の半分にできる。こうして、電子部品包装体10Cは、基板に対する第1電子部品51および第2電子部品52の実装個数が互いに異なる場合に、適切な比率で第1電子部品51および第2電子部品52を供給しやすくなる。詳しくは、電子部品包装体10Cは、基板に対する第1電子部品51の実装個数が第2電子部品52の実装個数よりも多い場合に、適切な比率で第1電子部品51および第2電子部品52を供給しやすくなる。
【0057】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る電子部品包装体10Dについて図面を参照しつつ説明する。第5実施形態に係る電子部品包装体10Dは、第1実施形態に係る電子部品包装体10と比較したとき、キャリアテープの構成が主に異なる。以降の説明では、第1実施形態と共通する構成について第1実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0058】
図7に示すように、電子部品包装体10Dは、キャリアテープ20Dと、カバーテープ30と、接合部40Dと、複数の電子部品50と、を備えている。
図7に示すように、キャリアテープ20Dは、帯状をなしている。キャリアテープ20Dは、長手方向Xに並ぶ複数の第1収容凹部211、複数の第2収容凹部212および複数の第3収容凹部213を有している。また、キャリアテープ20Dは、長手方向Xに隣り合う2つの第1収容凹部211の間の部分である複数の第1中間部221と、長手方向Xに隣り合う2つの第2収容凹部212の間の部分である複数の第2中間部222と、長手方向Xに隣り合う2つの第3収容凹部213の間の部分である複数の第3中間部223と、を有している。さらに、キャリアテープ20Dは、複数の収容凹部211〜213および複数の中間部221〜223から幅方向Yにずれた位置で長手方向Xに延びる第1部分231D、第2部分232D、第3部分233Dおよび第4部分234Dと、長手方向Xに並ぶ複数の送り孔24を有している。
【0059】
複数の第1収容凹部211は長手方向Xに並び、複数の第2収容凹部212は複数の第1収容凹部211から幅方向Yにずれた位置で長手方向Xに並び、複数の第3収容凹部213は、複数の第2収容凹部212に対して複数の第1収容凹部211とは幅方向Yにおける反対側の位置で長手方向Xに並んでいる。つまり、複数の第2収容凹部212は、幅方向Yにおいて、複数の第1収容凹部211と複数の送り孔24との間に設けられ、複数の第3収容凹部213は、幅方向Yにおいて、複数の第2収容凹部212と複数の送り孔24との間に設けられている。
【0060】
第1収容凹部211、第2収容凹部212および第3収容凹部213は、同一形状である。複数の第1収容凹部211、複数の第2収容凹部212および複数の第3収容凹部213は、長手方向Xに等間隔に位置している。長手方向Xにおいて、複数の第1収容凹部211の形成間隔、複数の第2収容凹部212の形成間隔および複数の第3収容凹部213の形成間隔は等しく、幅方向Yにおいて、複数の第1収容凹部211、複数の第2収容凹部212および複数の第3収容凹部213はそれぞれ整列している。
【0061】
複数の第1中間部221は、長手方向Xにおいて複数の第1収容凹部211と交互に並び、複数の第2中間部222は、長手方向Xにおいて複数の第2収容凹部212と交互に並び、第3中間部223は、長手方向Xにおいて複数の第3収容凹部213と交互に並んでいる。第1中間部221、第2中間部222および第3中間部223は、同一形状である。
【0062】
第1部分231D、第2部分232D、第3部分233Dおよび第4部分234Dは、キャリアテープ20Dにおいて、カバーテープ30が接合される部分である。第1部分231Dは、幅方向Yにおける複数の第1収容凹部211および複数の第2収容凹部212の間で長手方向Xに延びている。第2部分232Dは、複数の第1収容凹部211に対して第1部分231Dとは幅方向Yにおける反対側で長手方向Xに延びている。第3部分233Dは、幅方向Yにおける複数の第2収容凹部212および複数の第3収容凹部213の間で長手方向Xに延びている。第4部分234Dは、複数の第3収容凹部213に対して第3部分233Dとは幅方向Yにおける反対側で長手方向Xに延びている。
【0063】
幅方向Yにおいて、第4部分234Dは、第1部分231D、第2部分232Dおよび第3部分233Dよりも長くなっている。第1部分231D、第2部分232Dおよび第3部分233Dは、全体にわたってカバーテープ30に覆われ、第4部分234Dは、幅方向Yにおいて、複数の第3収容凹部213に近い部位がカバーテープ30に覆われている。第4部分234Dのカバーテープ30に覆われない部位には、複数の送り孔24が貫通している。
【0064】
図7に示すように、接合部40Dは、第1部分231Dとカバーテープ30とを接合する第1部分接合部41Dと、第2部分232Dとカバーテープ30とを接合する第2部分接合部42Dと、第3部分233Dとカバーテープ30とを接合する第3部分接合部43Dと、第4部分234Dとカバーテープ30とを接合する第4部分接合部44Dと、を有している。
【0065】
第5実施形態の効果について説明する。
(5−1)電子部品包装体10Dは、第1収容凹部211、第2収容凹部212および第3収容凹部213に電子部品50を収容できるため、第1実施形態の効果をより顕著に得ることができる。
【0066】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る電子部品包装体10Eについて図面を参照しつつ説明する。第6実施形態に係る電子部品包装体10Eは、第1実施形態に係る電子部品包装体10と比較したとき、接合部の構成が異なる。以降の説明では、第1実施形態と共通する構成について第1実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0067】
図8に示すように、電子部品包装体10Eは、キャリアテープ20と、カバーテープ30と、接合部40Eと、複数の電子部品50と、を備えている。
接合部40Eは、キャリアテープ20の第1部分231とカバーテープ30とを接合する第1部分接合部41Eと、キャリアテープ20の第2部分232とカバーテープ30とを接合する第2部分接合部42Eと、キャリアテープ20の第3部分233とカバーテープ30とを接合する第3部分接合部43Eと、を有している。部分接合部41E〜43Eは、互いに同一形状をなし、長手方向Xに延びている。
【0068】
以降の説明では、部分接合部41E〜43Eにおいて、キャリアテープ20の複数の収容凹部211,212の幅方向Yにおける両側部分とカバーテープ30とを接合する部位を第1接合部401とし、キャリアテープ20の複数の中間部221,222の幅方向Yにおける両側部分とカバーテープ30とを接合する部位を第2接合部402とする。換言すると、接合部40Eは、複数の第1接合部401および複数の第2接合部402を有しているといえる。キャリアテープ20において、収容凹部211,212と中間部221,222とが長手方向Xに交互に配置されている点で、部分接合部41E〜43Eにおいて、第1接合部401および第2接合部402は長手方向Xに交互に位置している。
【0069】
第1接合部401および第2接合部402は、厚さ方向Zにおける平面視において、長手方向Xに延びる一対の長辺および幅方向Yに延びる一対の短辺からなる略長方形状をなしている。幅方向Yにおいて、第2接合部402の長さは、第1接合部401の長さよりも短くなっている。さらに、第1接合部401の幅方向Yにおける中心を通りつつ長手方向Xに延びる第1接合部401の中心線と第2接合部402の幅方向Yにおける中心を通りつつ長手方向Xに延びる第2接合部402の中心線とは、同一直線上に位置している。
【0070】
接合部40Eがどれだけの強さでキャリアテープ20およびカバーテープ30を接合しているかを示す指標を接合強度としたとき、第1接合部401の単位面積あたりの接合強度は、第2接合部402の単位面積あたりの接合強度と略等しくなっている。ただし、幅方向Yにおいて、第2接合部402の長さが第1接合部401の長さ未満である点で、第2接合部402の長手方向Xにおける単位長さあたりの接合強度は、第1接合部401の長手方向Xにおける単位長さあたりの接合強度よりも小さくなっている。したがって、カバーテープ30をキャリアテープ20から長手方向Xに順に剥離する際には、第1接合部401が接合している部分が剥離される場合よりも、第2接合部402が接合している部分が剥離される場合の方が、カバーテープ30を剥離するのに必要な力が小さくなる。
【0071】
なお、接合部40Eは、第1実施形態と同様に、接合工程において、カバーテープ30をキャリアテープ20に対して熱圧着することによって形成される。このため、厚さ方向Zにおける平面視において、第1接合部401および第2接合部402は、明確な4辺を有する矩形状とはならない場合もある。
【0072】
第6実施形態の作用について説明する。
図3に示すように、キャリアテープ20からカバーテープ30を剥離する場合には、カバーテープ30を剥離する荷重(以下、「剥離荷重」ともいう。)がキャリアテープ20に対する曲げ荷重として作用する。このため、図3に示すように、キャリアテープ20における剥離荷重が作用する部分が湾曲する。上述したように、キャリアテープ20の長手方向Xと直交する断面形状は、収容凹部211,212のある部分と中間部221,222のある部分とで異なっている。つまり、キャリアテープ20において、収容凹部211,212のある部分と中間部221,222のある部分とでは、曲げ荷重に対する剛性が異なっている。
【0073】
このため、長手方向Xに対する接合部の接合強度が一定の場合、換言すると、幅方向Yにおける第1接合部および第2接合部の長さが等しい比較例を考えると、キャリアテープが次のように撓む。
【0074】
この比較例では、長手方向Xに対するカバーテープの剥離荷重が一定である。このため、カバーテープにおけるキャリアテープと第1接合部を介して接合される部分を剥離する場合、換言すると、キャリアテープの剛性の高い部分からカバーテープを剥離する場合には、カバーテープに引っ張られてもキャリアテープが撓みにくい。一方、カバーテープにおけるキャリアテープと第2接合部を介して接合される部分を剥離する場合、換言すると、キャリアテープの剛性の低い部分からカバーテープを剥離する場合には、カバーテープに引っ張られることによりキャリアテープが撓みやすい。
【0075】
このため、キャリアテープの剛性の高い部分からカバーテープを剥離する場合には、キャリアテープの剛性の低い部分からカバーテープを剥離する場合よりも、キャリアテープの撓み量が多くなる。したがって、比較例では、剛性の高い部分および剛性の低い部分の境界に跨って、キャリアテープからカバーテープを剥離する際、キャリアテープが振動するおそれがある。この場合、カバーテープから露出した電子部品の姿勢がマウンターにピックアップされる前に変化するおそれがある。
【0076】
この点、第6実施形態に係る電子部品包装体10Eにおいて、長手方向Xにおける単位長さあたりの接合強度は、第1接合部401よりも第2接合部402の方が低くなっている。このため、カバーテープ30におけるキャリアテープ20と第1接合部401を介して接合される部分を剥離する場合よりも、カバーテープ30におけるキャリアテープ20と第2接合部402を介して接合される部分を剥離する場合の方が、剥離荷重が小さくなる。換言すると、キャリアテープ20の剛性の高い部分からカバーテープ30を剥離する場合よりも、キャリアテープ20の剛性の低い部分からカバーテープ30を剥離する場合の方が、剥離荷重が小さくなる。その結果、キャリアテープ20の剛性の高い部分からカバーテープ30を剥離する場合と、キャリアテープ20の剛性の低い部分からカバーテープ30を剥離する場合とで、キャリアテープ20の撓み量に差が生じにくくなる。したがって、剛性の高い部分および剛性の低い部分の境界に跨って、キャリアテープ20からカバーテープ30を剥離する際、キャリアテープ20に振動が発生しにくくなる。
【0077】
第6実施形態は、第1実施形態の効果に加え、以下の効果を得ることができる。
(6−1)電子部品包装体10Eにおいて、長手方向Xにおける単位長さあたりの接合強度は、第1接合部401よりも第2接合部402の方が低い。このため、キャリアテープ20からカバーテープ30を剥離する際、キャリアテープ20の剛性の高い部分に作用する剥離荷重よりも、キャリアテープ20の剛性の低い部分に作用する剥離荷重が小さくなる。こうして、電子部品包装体10Eは、剛性の高い部分および剛性の低い部分の境界に跨って、カバーテープ30を剥離するときのキャリアテープ20の振動を抑制できる。
【0078】
(変更例)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0079】
・第1実施形態、第3実施形態、第5実施形態および第6実施形態において、第1収容凹部211に第1電子部品51を収容し、第2収容凹部212に第1電子部品51とは異なる種類の第2電子部品52を収容してもよい。
【0080】
・第2実施形態において、第1電子部品51は、第2電子部品52と形状が同一であって異なる機能の電子部品であってもよい。この場合においても、第1電子部品51は、第2電子部品52と異なる種類の電子部品であるといえる。
【0081】
・第2実施形態において、第1収容凹部211および第2収容凹部212Aは、長手方向Xにおける長さ、幅方向Yにおける長さおよび厚さ方向Zにおける長さのうち、少なくとも1つが異なっていればよい。
【0082】
・第2実施形態において、長手方向Xにおける収容凹部211,212Aの一方の端部を前端とし、収容凹部211,212Aの他方の端部を後端としたとき、複数の第2収容凹部212Aの各々が複数の第1収容凹部211の何れかと幅方向Yに隣り合う態様には、以下の態様が含まれる。すなわち、複数の第2収容凹部212Aの各々が複数の第1収容凹部211の何れかと幅方向Yに隣り合う態様には、第1収容凹部211の前端および第2収容凹部212Aの前端が幅方向Yに揃っている態様と、第1収容凹部211の後端および第2収容凹部212Aの後端が幅方向Yに揃っている態様と、が含まれる。
【0083】
・第1実施形態において、電子部品包装体10は2列分の収容凹部211,212を備え、第5実施形態において、電子部品包装体10Dは3列分の収容凹部211,212,213を備えるが、電子部品包装体は4列以上の収容凹部を備えてもよい。
【0084】
・第1実施形態において、送り孔24の形成間隔は任意に変更できる。換言すると、送り孔24の形成間隔は、第1収容凹部211の形成間隔および第2収容凹部212の形成間隔と等しくする必要はない。他の実施形態でも同様である。
【0085】
・第1実施形態において、接合工程は、熱圧着以外の態様でキャリアテープ20とカバーテープ30とを接合してもよい。例えば、接合工程は、接着剤により、キャリアテープ20とカバーテープ30とを接合してもよい。この場合、接着剤の固化した部分が接合部となる。他の実施形態でも同様である。
【0086】
・第1実施形態において、第1部分接合部41、第2部分接合部42および第3部分接合部43の接合強度は、適宜に差を設けてもよい。例えば、第1部分接合部41の接合強度は、第2部分接合部42および第3部分接合部43の接合強度よりも低くてもよい。また、キャリアテープ20において、送り孔24に近い部分を接合する第3部分接合部43は、第1部分接合部41および第2部分接合部42の接合強度よりも高くてもよい。他の実施形態でも同様である。
【0087】
・第1実施形態において、第1部分接合部41、第2部分接合部42および第3部分接合部43は、長手方向Xにおいて間欠的に設けてもよい。例えば、第1部分接合部41、第2部分接合部42および第3部分接合部43は、キャリアテープ20における収容凹部211,212と幅方向Yに隣り合う部分とカバーテープ30とを接合するだけでもよい。第6実施形態を除く他の実施形態でも同様である。
【0088】
・第6実施形態において、第1接合部401の幅方向Yにおける長さおよび第2接合部402の幅方向Yにおける長さは等しくてもよい。この場合、第1接合部401の単位面積あたりの接合強度は、第2接合部402の単位面積あたりの接合強度よりも高くすることが好ましい。これによれば、幅方向Yにおいて、第1接合部401および第2接合部402の長さが等しくても、第2接合部402の長手方向Xにおける単位長さあたりの接合強度は、第1接合部401の長手方向Xにおける単位長さあたりの接合強度よりも低くなる。
【符号の説明】
【0089】
10,10A〜10E…電子部品包装体
20,20A〜20D…キャリアテープ
24…送り孔
30…カバーテープ
31…接合層
32…基材層
40,40D,40E…接合部
41,41D,41E…第1部分接合部
42,42D,42E…第2部分接合部
43,43D,43E…第3部分接合部
44D…第4部分接合部
50…電子部品
51…第1電子部品
52…第2電子部品
100…剥離ローラ
211…第1収容凹部
212,212A…第2収容凹部
213…第3収容凹部
221…第1中間部
222,222A,222C…第2中間部
223…第3中間部
231,231D…第1部分
232,232D…第2部分
233,233D…第3部分
234D…第4部分
401…第1接合部
402…第2接合部
X…長手方向
Y…幅方向
Z…厚さ方向
ΔL…ずれ量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8