特開2021-195198(P2021-195198A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-195198(P2021-195198A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】エレベーターおよび乗りかご
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20211129BHJP
【FI】
   B66B11/02 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-101369(P2020-101369)
(22)【出願日】2020年6月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 浩史
(72)【発明者】
【氏名】島田 勝博
(72)【発明者】
【氏名】仮屋 智貴
【テーマコード(参考)】
3F306
【Fターム(参考)】
3F306AA12
3F306AA13
3F306CB06
3F306CB58
3F306CB60
(57)【要約】
【課題】乗りかごの昇降によって生じる騒音を低減する。
【解決手段】昇降路を昇降する乗りかごを備えるエレベーターであり、乗りかごは、乗りかご本体と、乗りかご本体の床部に取り付けられたエプロン18と、を備える。エプロン18は、エプロン18の下部に形成された傾斜部44と、傾斜部44に形成された通気部としての通気孔46と、通気孔46から流れ込む空気を分流させる分流部としての分流部材51,52と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路を昇降する乗りかごを備え、
前記乗りかごは、
乗りかご本体と、
前記乗りかご本体の床部に取り付けられたエプロンと、を備え、
前記エプロンは、
前記エプロンの下部に形成された傾斜部と、
前記傾斜部に形成された通気部と、
前記通気部から流れ込む空気を分流させる分流部と、を備える
エレベーター。
【請求項2】
前記分流部は、断面ハット型のレール状に形成された分流部材によって構成されている
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項3】
前記分流部は、
前記通気部から流れ込む空気を前記乗りかごの昇降方向に導く第1分流部と、
前記通気部から流れ込む空気を前記乗りかごの昇降方向に対して一方と他方に傾いた方向に導く少なくとも2つの第2分流部と、を備える
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項4】
前記少なくとも2つの第2分流部は、前記第1分流部を間に挟んでV字形に配置されている
請求項3に記載のエレベーター。
【請求項5】
前記第1分流部は1つ設けられ、
前記第2分流部は2つ設けられている
請求項4に記載のエレベーター。
【請求項6】
前記通気部は、前記エプロンの幅方向の中央寄りに形成されている
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項7】
前記通気部は、複数の通気孔によって形成されている
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項8】
前記分流部は、前記エプロンを補強する補強部材によって形成されている
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項9】
乗りかご本体と、
前記乗りかご本体の床部に取り付けられたエプロンと、を備え、
前記エプロンは、
前記エプロンの下部に形成された傾斜部と、
前記傾斜部に形成された通気部と、
前記通気部から流れ込む空気を分流させる分流部と、を備える
乗りかご。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターおよび乗りかごに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タワーマンションなどに代表される建築構造物の高層化にともなって、エレベーターの乗りかごを高速で昇降させることが求められている。乗りかごを高速で昇降させると、乗りかごの昇降によって空気の流れが生じ、これが原因で騒音が発生しやすくなる。また、乗りかごの床部にはエプロンが取り付けられている。乗りかごを下降させる場合は、このエプロンに沿って上向きに空気が流れる。その際、上向きに流れる空気の一部は乗りかごのドアの隙間などからかご室のなかに流入し、これが騒音を生じさせて乗客に不快感を与える。
【0003】
特許文献1には、乗りかごの高速化にともなって発生する風切り音を減らすために、エプロンに矢羽根状の溝または突起を形成し、エプロンの前面を上昇する空気を、溝または突起によって乗りかごの両側に分流させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−106460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術には、次のような解決すべき課題がある。
乗りかごの床部に取り付けられるエプロンに関しては、エレベーターの安全性を確保する観点から次のような規定がある。
(1)エプロンの下部に傾斜面(以下、「傾斜部」ともいう。)を形成すること。
(2)傾斜面の角度は水平に対して60°より大きい角度とすること。
(3)傾斜面の水平投影寸法は20mm以上とすること。
このような規定を満たすエプロンを乗りかごの床部に取り付けて乗りかごを下降させると、この下降によって生じた空気の多くが、エプロンの傾斜部に案内されてエプロンの前面側に流れ込む。そうした場合、特許文献1に記載の技術では、エプロンの前面を上昇する空気を溝または突起によって充分に分流させることができず、所望のレベルに騒音を抑えることが困難になるおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、乗りかごの昇降によって生じる騒音を低減することができるエレベーターおよび乗りかごを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、たとえば、特許請求の範囲に記載された構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一つを挙げるならば、昇降路を昇降する乗りかごを備えるエレベーターであり、乗りかごは、乗りかご本体と、乗りかご本体の床部に取り付けられたエプロンと、を備える。エプロンは、エプロンの下部に形成された傾斜部と、傾斜部に形成された通気部と、通気部から流れ込む空気を分流させる分流部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乗りかごの昇降によって生じる騒音を低減することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るエレベーターの構成を示す概略斜視図である。
図2】第1実施形態に係る乗りかごの一部を示す斜視図である。
図3】第1実施形態に係る乗りかごが備えるエプロンを示す斜視図である。
図4】第1実施形態に係る乗りかごが備えるエプロンを背面側から見た図である。
図5図4に示すエプロンのA−A位置の断面図である。
図6】エプロンに対する分流部材の取り付け状態を説明する断面図である。
図7】第1実施形態に係る乗りかごが備えるエプロンの変形例を説明する図である。
図8】第2実施形態に係る乗りかごが備えるエプロンを背面側から見た図である。
図9】第2実施形態に係る乗りかごが備えるエプロンの変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本明細書および図面において、実質的に同一の機能または構成を有する要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るエレベーターの構成を示す概略斜視図である。
図1に示すように、エレベーター10は、昇降路12と、この昇降路12を昇降する乗りかご14と、を備えている。昇降路12は、建築構造物の各階を上下に貫通するように形成される。乗りかご14は、乗りかご本体16と、エプロン18と、を備えている。
【0012】
(乗りかご本体)
乗りかご本体16は、乗客を収容する中空のかご室を形成している。乗りかご本体16は、天井部20と、床部22と、側板部24と、前板部26と、後板部(図示せず)と、を備えている。床部22の前端部には、図示しないかご敷居が取り付けられる。側板部24は、乗りかご本体16を正面から見て左右に対をなして配置されている。前板部26は、かごドア28と共に乗りかご本体16の前面部に配置されている。また、前板部26は、乗りかご本体16を正面から見て左右に対をなして配置されている。
【0013】
乗りかご本体16の周囲には、複数のレール把持部30と、縦枠32と、上枠34と、下枠(図示せず)と、安全柵36とが配置されている。レール把持部30は、図示しないガイドレールを把持する部分である。縦枠32は、側板部24に沿って鉛直に配置されている。縦枠32は、乗りかご本体16を正面から見て左右に対をなして配置されている。上枠34は、天井部20に沿って水平に配置されている。下枠は、床部22に沿って水平に配置される。安全柵36は、乗りかご本体16の天井部20に乗って所定のメンテナンス作業を行う作業者の落下を防止するための柵である。
【0014】
(エプロン)
エプロン18は、金属製の板状部材であり、乗りかご本体16の床部22に取り付けられている。エプロン18は、上述したかご敷居にリベット等によって固定されることにより、床部22に取り付けられる。エプロン18の幅は、かごドア28の全開によって形成される出入口の全幅にわたってエプロン18が配置されるように設定されている。以下、エプロン18について詳しく説明する。
【0015】
図2は、第1実施形態に係る乗りかごの一部を示す斜視図であり、図3は、第1実施形態に係る乗りかごが備えるエプロンを示す斜視図である。また、図4は、第1実施形態に係る乗りかごが備えるエプロンを背面側から見た図であり、図5は、図4に示すエプロンのA−A位置の断面図である。
【0016】
図2に示すように、エプロン18は、乗りかご本体16の床部22に取り付けられたかご敷居40にリベットによって固定されている。すなわち、エプロン18は、かご敷居40を介して床部22に取り付けられている。エプロン18は、図2図5に示すように、主面部42と、傾斜部44と、を一体に有する。主面部42は、床部22にエプロン18を取り付けた場合に、かご敷居40から鉛直下方に延在するように配置される部分である。主面部42は平面に形成されている。
【0017】
傾斜部44は、エプロン18の下部に形成されている。傾斜部44は、床部22にエプロン18を取り付けた場合に、水平に対して60°より大きい角度で傾斜するように配置される部分である。傾斜部44には複数の通気孔46が設けられている。第1実施形態においては、一例として、2つの通気孔46が傾斜部44に形成されている。2つの通気孔46は、エプロン18の幅方向の中央寄りに形成されている。エプロン18の幅方向とは、エプロン18を正面から見たときの左右方向をいう。エプロン18の幅方向の中央寄りとは、エプロン18の幅方向の中心位置と端部位置とで比較した場合に、中心位置に近い側を意味する。また、2つの通気孔46は、エプロン18の幅方向の中心から左右均等な位置に配置されている。各々の通気孔46は、エプロン18の幅方向を長軸方向とする孔、すなわち横長の長孔である。通気孔46は、通気部の一例として傾斜部44に形成されている。
【0018】
一方、主面部42には、計3つの分流部材51,52が取り付けられている。3つの分流部材51,52は、互いに同じ形状および寸法を有する。主面部42は、表裏の関係となる2つの面を有し、そのうちの一方の面が前面42aであり、他方の面が背面42bである。主面部42の前面42aは、乗り場側に面して配置され、主面部42の背面42bは、乗り場と反対側に面して配置される。3つの分流部材51,52は、主面部42の背面42bに取り付けられている。3つの分流部材51,52は、それぞれ分流部を構成する部材であると共に、エプロン18を補強する補強部材でもある。また、分流部材51は、第1分流部を構成する部材であり、分流部材52は、第2分流部を構成する部材である。各々の分流部材51,52は、断面ハット型のレール状に形成されている。
【0019】
分流部材51は、エプロン18の幅方向の中心部に縦向きに配置されている。分流部材51は、床部22にエプロン18を取り付けた場合に、鉛直方向と平行に配置される。分流部材51の上端部51aは、分流部材51の下端部51bから見て鉛直上方に配置されている。また、分流部材51の上端部51aは、分流部材52の上端部52aよりも上方に配置されている。分流部材51は、図6に示すように、断面ハット型の鍔部51cを主面部42の背面42bに密着させた状態で、図示しないリベットにより鍔部51cを主面部42に固定することにより、エプロン18に取り付けられている。このように分流部材51をエプロン18に取り付けることにより、分流部材51の内側に空気の通り道、すなわち通気路55(図5および図6を参照)が形成される。この通気路55は、エプロン18の主面部42と分流部材51の凹状部とによって形成される断面四角形の空間、すなわち閉じた空間になる。このように通気路55を閉じた空間とすることにより、分流部材51の内側に流れ込んだ空気を、分流部材51に沿って確実に導くことができる。この点は、後述する分流部材52についても同様である。
【0020】
分流部材52は、1つの分流部材51を間に挟むように2つ設けられている。2つの分流部材52は、エプロン18を正面から見て左右に対をなして配置されている。分流部材52の上端部52aは、分流部材52の下端部52bから見て斜め上方に配置されている。また、エプロン18の幅方向において、分流部材52の上端部52aは、エプロン18の端部近傍に配置され、分流部材52の下端部52bは、エプロン18の中心部近傍に配置されている。また、2つの分流部材52は、エプロン18の幅方向の中心を通る鉛直軸を中心に左右対称に配置されている。すなわち、2つの分流部材52は、分流部材51を間に挟んでV字形に配置されている。また、分流部材52の下端部52bは、分流部材51の下端部51bよりも下方に配置されている。分流部材52は、上述した分流部材51と同様に、断面ハット型の鍔部を主面部42の背面42bに密着させた状態で、図示しないリベットによりエプロン18に取り付けられる。このため、分流部材52の内側には、エプロン18の主面部42と分流部材52の凹状部とによって断面四角形の空間(閉じた空間)に形成される。
【0021】
また、エプロン18の両側には耳部48が形成されている。耳部48は、主面部42の左右2つの辺部から直角に折れ曲がった状態に形成されている。耳部48には、抜き孔48aが形成されている。48aは、エプロン18の高さ方向を長軸方向とする孔、すなわち縦長の長孔である。抜き孔48aは、分流部材52の長手方向の延長線上に配置されている。抜き孔48aは、分流部材52によって分流される空気をエプロン18の外側に逃がすための孔である。
【0022】
上記構成からなるエレベーター10において、乗りかご14は、昇降路12に沿って上昇または下降する。その際、乗りかご14が下降すると、乗りかご14の周囲に上向きの空気流が発生する。また、乗りかご14が、ある階の乗り場を通過するように下降すると、乗り場側の敷居にエプロン18が接近し、両者の隙間が小さくなる。そうすると、乗りかご14の前面側を流れる空気の通り道が狭くなるため、乗り場側の敷居とエプロン18との間を流れる空気の速度が速くなる。
【0023】
ここで、エプロン18の傾斜部44に通気孔46が形成されていない場合は、乗りかご14の下降によって発生する空気流の多くが、傾斜部44に案内されてエプロン18の前面42a側に回り込む。また、エプロン18の前面42a側に回り込んだ空気流は、かごドア28の隙間や床部22の隙間からかご室のなかに入り込む。その結果、がご室内の乗客には、風切り音などの騒音によって不快感や不安感を与えてしまう。
【0024】
これに対し、エプロン18の傾斜部44に通気孔46が形成されている場合は、乗りかご14の下降によって発生する空気流の一部が、通気孔46を透してエプロン18の背面42b側に回り込む。エプロン18の背面42b側に回り込んだ空気流は、3つの分流部材51,52によって複数の方向に分かれる。具体的には、分流部材51は、通気孔46から流れ込む空気を乗りかご14の昇降方向(上方向)に導く。また、2つの分流部材52のうち、一方の分流部材52は、通気孔46から流れ込む空気を乗りかご14の昇降方向に対して一方に傾いた方向に導き、他方の分流部材52は、通気孔46から流れ込んだ空気を乗りかご14の昇降方向に対して他方に傾いた方向に導く。
【0025】
このように、通気孔46から流れ込む空気を3つの分流部材51,52によって分流することにより、通気孔46および分流部材51,52を設けない場合に比べて、かごドア28の隙間や床部22の隙間からかご室のなかに入り込む空気の量が少なくなる。このため、乗りかご14の昇降によって生じる騒音を低減することができる。
【0026】
また、各々の分流部材51,52は断面ハット型のレール状に形成されている。このため、各々の分流部材51,52をエプロン18に取り付ける場合に、断面ハット型のつばの部分を利用することができる。したがって、各々の分流部材51,52の取り付けを容易に行うことができる。
【0027】
また、第1分流部を構成する分流部材51と、第2分流部を構成する分流部材52とを備えている。このため、通気孔46から流れ込む空気を複数(本形態では3つ)の方向に分流させることができる。
【0028】
また、2つの分流部材52は、分流部材51を間に挟んでV字形に配置されている。このため、通気孔46から流れ込む空気を広範囲に分流させることができる。
【0029】
また、通気孔46は、エプロン18の幅方向の中央寄りに形成されている。このため、通気孔46から流れ込む空気を、エプロン18の幅方向の両側に向けて分流させることができる。エプロン18の幅方向の両側とは、エプロン18を正面から見たときの左側および右側を意味する。
【0030】
また、通気部は、2つの通気孔46によって形成されている。このため、同じ面積の孔を1つの通気孔46によって形成する場合に比べて、傾斜部44の機械的な強度低下を抑制することができる。
【0031】
また、分流部を構成する分流部材51,52は、エプロン18を補強する補強部材を兼ねている。このため、補強部材を別途、設ける場合に比べて、部品点数を削減することができる。
【0032】
なお、上記第1実施形態において、分流部は、分流部材51と分流部材52とによって構成されているが、本発明はこれに限らず、分流部は分流部材52のみによって構成されていてもよい。すなわち、分流部材51は、必要に応じて設けてもよい。
図7は、第1実施形態に係る乗りかごが備えるエプロンの変形例を説明する図である。
図7に示すように、エプロン18の主面部42には、2つの分流部材52がV字形に配置されている。このように2つの分流部材52によって分流部を構成した場合でも、分流部材52を設けない場合に比べて、かごドア28の隙間や床部22の隙間からかご室のなかに入り込む空気の量が少なくなる。このため、乗りかご14の昇降によって生じる騒音を低減することができる。
【0033】
また、上記第1実施形態において、分流部材51,52の各々は、一様な幅でレール状に形成されているが、本発明はこれに限らず、分流部材51の下端部51bの幅を上端部51aの幅より広く形成してもよい。この点は、分流部材52についても同様である。
【0034】
また、上記第1実施形態において、エプロン18は、2つの分流部材52を備えているが、エプロン18が備える分流部材52の数は3つ以上であってもよい。また、エプロン18が備える分流部材51の数は1つに限らず、2つ以上であってもよい。
【0035】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係る乗りかごが備えるエプロンを背面側から見た図である。
図8に示すように、エプロン18の傾斜部44には、2つの通気孔46が形成されている。また、エプロン18の主面部42には、1つの分流部材53が取り付けられている。分流部材53は、分流部を構成する部材であると共に、エプロン18を補強する補給部材でもある。分流部材53は、エプロン18の幅方向と平行に配置されている。また、分流部材53は、エプロン18の幅方向の中心位置に配置されている。分流部材53は、断面ハット型のレール状に形成されている。
【0036】
第2実施形態においては、乗りかご14を下降させたときに通気孔46から流れ込む空気が、分流部材53に当たる。分流部材53に当たった空気は、エプロン18の幅方向、あるいは、エプロン18の背面42bから離れる方向に分かれる。このように、通気孔46から流れ込む空気を分流部材53によって分流することにより、分流部材53を設けない場合に比べて、かごドア28の隙間や床部22の隙間からかご室のなかに入り込む空気の量が少なくなる。このため、乗りかご14の昇降によって生じる騒音を低減することができる。
【0037】
なお、上記第2実施形態においては、エプロン18に1つの分流部材53を取り付けた構成を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば図9に示すようにエプロン18に2つの分流部材53を取り付けた構成を採用してもよい。図9に示す構成においては、2つの分流部材53がエプロン18の幅方向と平行に一直線上に配置されている。2つの分流部材53の間には隙間54が設けられている。また、2つの分流部材53は、2つの通気孔46と1対1の対応関係で配置されている。このような構成においては、一方の通気孔46から流れ込む空気を一方の分流部材53で分流させるとともに、他方の通気孔46から流れ込む空気を他方の分流部材53で分流させることができる。また、2つの通気孔46から流れ込んだ空気の一部を、隙間54を通して乗りかご14の昇降方向に逃がすことができる。
【0038】
<変形例等>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例を含む。たとえば、上述した実施形態では、本発明の内容を理解しやすいように詳細に説明しているが、本発明は、上述した実施形態で説明したすべての構成を必ずしも備えるものに限定されない。また、ある実施形態の構成の一部を、他の実施形態の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、これを削除し、または他の構成を追加し、あるいは他の構成に置換することも可能である。
【0039】
たとえば、上述した実施形態において、通気孔46は、エプロン18の幅方向の中央寄りに形成されているが、本発明はこれに限らず、たとえば、通気孔46は、エプロン18の幅方向の一方端寄りに形成されていてもよい。その場合、分流部は、通気孔46から流れ込む空気を、乗りかご14の昇降方向と、この昇降方向に対して傾いた方向とに分流させる構成とすればよい。
【0040】
また、上述した実施形態において、分流部は、エプロン18とは別部材である分流部材51,52によって構成されているが、本発明はこれに限らず、分流部はエプロン18と一体構造で形成されていてもよい。
【0041】
また、上述した実施形態において、通気部は2つの通気孔46によって構成されているが、通気部を構成する通気孔46の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0042】
また、上述した実施形態において、通気部は通気孔46によって構成されているが、本発明はこれに限らず、通気部は切り欠き部(図示せず)によって構成されていてもよい。
【0043】
また、上述した実施形態において、分流部材51,52,53の各々は、断面ハット型に形成されているが、本発明はこれに限らず、分流部材51,52,53の各々は、断面U字形に形成されていてもよい。また、分流部材51,52,53の各々の断面形状は、通気部から流れ込む空気を分流させることができる形状であれば、どのような形状であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
10…エレベーター、14…乗りかご、16…乗りかご本体、18…エプロン、44…傾斜部、46…通気孔(通気部)、51…分流部材(第1分流部)、52…分流部材(第2分流部)、53…分流部材(分流部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9