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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-195237(P2021-195237A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】給紙装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/46 20060101AFI20211129BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20211129BHJP
   G03G 21/20 20060101ALI20211129BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
   B65H3/46 310
   B65H7/02
   G03G21/20
   B41J29/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-103797(P2020-103797)
(22)【出願日】2020年6月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三輪 真治
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
3F048
3F343
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ06
2C061AS02
2C061HJ03
2C061HK07
2C061HN08
2C061HN15
2H270LA24
2H270LC05
2H270LD05
2H270LD09
2H270MC56
3F048AA02
3F048AB01
3F048BA14
3F048BB05
3F048DA00
3F048DC02
3F343FA02
3F343FB02
3F343FC03
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA32
3F343KB03
3F343MA05
3F343MA07
3F343MA47
(57)【要約】
【課題】無駄な電力消費を抑制しつつ、吸湿による搬送不良や紙しわの発生を抑制できる給紙装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】実施形態の給紙装置は、収容部と、搬送部と、ヒータと、配線と、サーモスタットと、スイッチと、を持つ。収容部は、シート束を収容する。搬送部は、収容部に収容されるシート束からシートを1枚ずつ搬送する。ヒータは、収容部に収容されるシート束を加熱する。配線は、ヒータに電力を供給する。サーモスタットは、ヒータの駆動状態を制御する。スイッチは、配線の途中に挿入され、入力される制御信号に応じて配線のON状態とOFF状態とを切り替える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート束を収容する収容部と、
前記収容部に収容される前記シート束からシートを1枚ずつ搬送する搬送部と、
前記収容部に収容される前記シート束を加熱するヒータと、
前記ヒータに電力を供給する配線と、
前記ヒータの駆動状態を制御するサーモスタットと、
前記配線の途中に挿入され、入力される制御信号に応じて前記配線のON状態とOFF状態とを切り替えるスイッチと、を備える
給紙装置。
【請求項2】
別のシート束を収容する別の収容部と、
前記別の収容部に収容される前記別のシート束を加熱する別のヒータと、
前記別のヒータに電力を供給する別の配線と、
前記別のヒータを制御する別のサーモスタットと、
前記別の配線の途中に挿入され、前記制御信号に応じて前記別の配線のON状態とOFF状態とを前記スイッチとは独立して切り替え可能な別のスイッチと、を備える
請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記スイッチはリレーであり、
前記収容部が収容する前記シート束が普通紙である場合に前記配線をON状態とし、
前記収容部が収容する前記シート束が前記普通紙よりも厚い厚紙である場合に前記配線をOFF状態とする
請求項1または請求項2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記搬送部が前記収容部から搬送した前記シートに画像を形成するプリンタ部と、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の給紙装置と、を備える
画像形成装置。
【請求項5】
前記シートが厚紙であるか否かの情報が入力されるコントロールパネルと、
前記コントロールパネルに入力された前記情報に基づいて前記制御信号を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記シートが普通紙である場合に前記スイッチをON状態にし、前記シートが前記普通紙よりも厚い厚紙である場合に前記スイッチをOFF状態にする前記制御信号を出力する
請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、給紙装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、除湿装置によってシートの吸湿を抑制して紙詰まり等の搬送不良や紙しわを抑制する画像形成装置がある。しかしながら、上記画像形成装置では、シートの種類によらず除湿装置を常に駆動させるため、吸湿が生じ難いシートに対しても除湿装置が動作し続けることで電力を無駄に消費してしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−1677号公報
【特許文献2】特開2011−232616号公報
【特許文献3】特開2011−46511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、無駄な電力消費を抑制しつつ、吸湿による搬送不良や紙しわの発生を抑制できる給紙装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の給紙装置は、収容部と、搬送部と、ヒータと、配線と、サーモスタットと、スイッチと、を持つ。収容部は、シート束を収容する。搬送部は、収容部に収容されるシート束からシートを1枚ずつ搬送する。ヒータは、収容部に収容されるシート束を加熱する。配線は、ヒータに電力を供給する。サーモスタットは、ヒータの駆動状態を制御する。スイッチは、配線の途中に挿入され、入力される制御信号に応じて配線のON状態とOFF状態とを切り替える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の画像形成装置の全体構成を示す正面図である。
図2】実施形態の画像形成装置のハードウェア構成図である。
図3】給紙装置の構成を示す模式図である。
図4】実施形態の画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図5】パネル部に表示される用紙種類設定用の操作画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の給紙装置及び画像形成装置を、図面を参照して説明する。以下の各図において、特に断らない限り、同一または相当する構成については同一の符号を付す。
【0008】
図1は、実施形態の画像形成装置の全体構成を示す正面図である。例えば、画像形成装置1は、複合機(MFP:Multi Function Peripheral)である。ただし、画像形成装置1は、上記例に限らず、複写機又はプリンタなどでもよい。
図1に示すように、画像形成装置1は、筐体11、スキャナ部12、給紙装置13、プリンタ部14、排紙部15、コントロールパネル16、制御部17及び電源部18を備えている。
【0009】
筐体11は、画像形成装置1の外郭を形成している。筐体11は、スキャナ部12、給紙装置13、プリンタ部14、制御部17及び電源部18を収容している。画像形成装置1は、電源部18から供給される電力によって各部位が動作することで駆動される。
【0010】
スキャナ部12は、読み取り対象の画像を光の明暗として読み取る。スキャナ部12は、読み取られた画像を示す画像情報を生成し記録する。スキャナ部12は、生成された画像情報をプリンタ部14へ出力する。記録された画像情報は、ネットワークを介して外部の装置等へ送信されてもよい。
【0011】
給紙装置13は、プリンタ部14がトナー像を形成するタイミングに合わせて、用紙などのシート状記録媒体であるシートSを1枚ずつ搬送路24へ供給する。
プリンタ部14は、スキャナ部12又は外部の装置から取得した画像情報に基づいて、トナー等の記録剤により出力画像であるトナー像をシートSに形成する。
【0012】
実施形態では、説明の便宜上、中間転写方式のプリンタ部14を例に取り上げて説明する。実施形態の構成は、直接転写方式のプリンタ部を有した画像形成装置にも適用可能である。プリンタ部14は、中間転写部21、二次転写部22、定着器23、及び搬送路24を有する。
【0013】
中間転写部21は、中間転写ベルト31、複数のローラ321,322,323,324、及び複数の画像形成部33Y,33M,33C,33Kを有する。
中間転写ベルト31は、無端状に形成されている。複数のローラ321,322,323,324は、中間転写ベルト31を支持する。これにより、中間転写ベルト31は、図1中の矢印mで示す方向に、無端走行可能である。
【0014】
複数の画像形成部33Y,33M,33C,33Kは、イエロー画像形成部33Y、マゼンタ画像形成部33M、シアン画像形成部33C、及びブラック画像形成部33Kを含む。画像形成部33Y,33M,33C,33Kの各々は、感光体ドラム331、帯電チャージャ332、露光ユニット333、現像器334、及び転写ローラ335を含む。各画像形成部33Y,33M,33C,33Kは、感光体ドラム331の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト31に転写する。
【0015】
二次転写部22は、転写ローラ221を有する。転写ローラ221は、中間転写ベルト31の外面に接する。中間転写ベルト31を支持する一つのベルトローラ321は、二次転写部22の構成要素に含まれる。シートSは、中間転写ベルト31とともに、転写ローラ221とベルトローラ321との間に挟まれる。これにより、中間転写ベルト31上のトナー像がシートSに転写される。
【0016】
定着器23は、ヒートローラ231と、プレスローラ232とを有する。定着器23は、ヒートローラ231とプレスローラ232との間を通るシートSを加熱及び加圧する。これにより、シートSに転写されたトナー像がシートSに定着する。
【0017】
搬送路24は、給紙装置13から二次転写部22及び定着器23を通り排紙部15に至る。シートSは、搬送路24を搬送されることで、給紙装置13から二次転写部22及び定着器23を通り排紙部15に移動する。排紙部15は、プリンタ部14によって画像が形成されたシートSが排出される。
【0018】
コントロールパネル16は、パネル161とディスプレイ162とを含む。パネル161は、各種の操作指示の入力を受け付ける。ディスプレイ162は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ162は、画像形成装置1に関する種々の情報を表示する。ディスプレイ162は、例えば、ユーザによって選択される画像形成装置1の動作モードを表示する。動作モードには、画像形成を行うシートの種類設定を行うためのシート種類設定モードが含まれる。本実施形態のコントロールパネル16は、画像形成装置1の全体に対する入力操作を受け付けるものであるが、給紙装置13専用のコントロールパネルを個別に設けてもよい。
【0019】
画像形成装置1は、例えばパネル161が備える入力ボタン等を押下する操作入力が行われることで、動作モードを指定する。又は、ユーザは、例えばディスプレイ162及びパネル161を一体に構成したタッチパネルに表示されたアイコン等をタップする操作入力を行うことにより、画像形成装置1の動作モードを指定するようにしてもよい。
【0020】
制御部17は、画像形成装置1の全体を制御する。例えば、制御部17は、スキャナ部12、給紙装置13、プリンタ部14、及びコントロールパネル16の動作を制御する。
【0021】
次に、図2を参照して画像形成装置1のハードウェア構成について説明する。
図2は、実施形態の画像形成装置1のハードウェア構成図である。
【0022】
画像形成装置1は、スキャナ部12と、給紙装置13と、プリンタ部14と、パネル161及びディスプレイ162を含むコントロールパネル16と、制御部17と、通信部90とを備える。各機能部は、互いにバスで接続されている。
【0023】
制御部17は、CPU(Central Processing Unit)91、メモリ92、及び補助記憶装置93を備える。なお、CPU91の代わりに他のプロセッサが用いられてもよい。CPU91は、例えば補助記憶装置93に記憶されたプログラムを読み出し、メモリ92にロードする。CPU91は、メモリ92にロードされたプログラムを実行することによって、画像形成装置1の動作を制御する。
【0024】
メモリ92及び補助記憶装置93は、各種の記憶媒体を含んで構成される。なお、メモリ92及び補助記憶装置93は、一体の記憶媒体によって構成されてもよい。
メモリ92は、画像形成装置1が備える各機能部によって用いられるデータ及びプログラムを一時的に記憶する。メモリ92は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体を含んで構成される。
補助記憶装置93は、画像形成装置1が備える各機能部によって用いられるデータ及びプログラムを記憶する。補助記憶装置93は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM(Read Only Memory)、又はこれらの記憶媒体の組み合わせ等を含んで構成される。
【0025】
通信部90は、画像形成装置1を外部の装置と通信接続させるための通信インタフェースである。
【0026】
次に、給紙装置13の構成について詳細に説明する。
図3は給紙装置13の構成を示す模式図である。
図3に示すように、実施形態の給紙装置13は複数の給紙部50を有する。実施形態において、複数の給紙部50は第1の給紙部151と第2の給紙部152とを含む。なお、給紙装置13における給紙部50の数は2つに限定されず、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0027】
第1の給紙部151は、第1収容部51と、第1搬送部52と、第1ヒータ部53と、を備える。
【0028】
実施形態の第1収容部51は給紙カセットである。第1収容部51は、図1に示される筐体11に対して引き出し可能に取り付けられる。第1収容部51は、底壁511と、底壁511の周端部から起立した側壁512とを有する。第1収容部51は、上方が開放された凹状に形成されている。第1収容部51は、画像を印刷するためのシートSを収容する収容部である。本実施形態において、第1収容部51に収容されるシートSを第1シートSaと称す。実施形態の第1収容部51は、複数の第1シートSaを含むシート束としての第1シート束SSaを収容する。
【0029】
第1搬送部52は、第1収容部51に収容される第1シート束SSaから第1シートSaを1枚ずつ搬送する搬送部である。第1搬送部52は、ピックアップローラ61、給紙ローラ62、及び分離ローラ63を有する。
【0030】
ピックアップローラ61は、第1収容部51の上方に設けられている。ピックアップローラ61は、第1収容部51に収容された第1シート束SSaのうちの最上部の第1シートSaを給紙ローラ62に向けて送る。ピックアップローラ61は、図1に示される筐体11から第1収容部51が引き出される際、ピックアップローラ駆動部64により上方に退避される。ピックアップローラ61は、筐体11に対して第1収容部51が閉じられる場合、ピックアップローラ駆動部64により第1シート束SSaの上面に接触する位置に移動される。
【0031】
給紙ローラ62及び分離ローラ63は、第1収容部51よりもシート搬送方向の下流に設けられる。給紙ローラ62及び分離ローラ63の各々は、例えばモータなどの駆動源によって駆動される。給紙ローラ62は、第1収容部51から供給される第1シートSを搬送路24に送る。分離ローラ63は、第1収容部51から2枚の第1シートSaが搬送されようとした場合、2枚の第1シートSaのうち下方の第1シートSaを第1収容部51に戻す。
【0032】
第1ヒータ部53は、第1収容部51に収容される第1シート束SSaを加熱することで第1シートSaを除湿する。第1ヒータ部53は、第1ヒータ71と、第1配線72と、第1サーモスタット73と、第1スイッチ74と、を備える。
【0033】
第1ヒータ71は、第1シート束SSaを加熱するヒータである。第1ヒータ71は、例えば電熱線などを用いたパネル状のヒータや、温風ヒータで構成される。第1ヒータ71は、第1シート束SSaの上面に対向するように設けられている。第1ヒータ71は第1収容部51の底壁511や側壁512に設けられていてもよい。
【0034】
第1配線72は電源部18に接続され、第1ヒータ71に電源部18からの電力を供給する配線である。
【0035】
第1サーモスタット73は、第1配線72の途中に挿入されている。第1サーモスタット73は、予め設定した温度に達したときに、自動的に接点が開閉する。第1サーモスタット73は、例えば、周辺の環境温度が20度より高くなった際に接点を開く。第1サーモスタット73において接点が開くと、第1ヒータ71に電源部18からの電力が供給されない状態となる。第1サーモスタット73は、周辺の環境温度が20度より低くなった際に接点を閉じる。第1サーモスタット73において接点が閉じると、第1ヒータ71に電源部18からの電力が供給可能な状態となる。実施形態の第1サーモスタット73は、周辺の環境温度に基づいて第1ヒータ71の駆動状態を制御するサーモスタットである。
【0036】
第1スイッチ74は、第1配線72の途中に挿入されている。実施形態の第1スイッチ74はリレーである。第1スイッチ74は、制御部17と電気的に接続されている。第1スイッチ74はトランジスタで構成されてもよい。制御部17は、第1スイッチ74に対して、第1ヒータ71の駆動状態をONまたはOFFに切り替える制御信号を出力する。第1スイッチ74は、制御部17から入力される制御信号に応じて第1配線72のON状態とOFF状態とを切り替えるスイッチである。
【0037】
第2の給紙部152は、第1の給紙部151と同様の構成を有する。第2の給紙部152は、第2収容部55と、第2搬送部56と、第2ヒータ部57と、を備える。
【0038】
第2収容部55は給紙カセットである。第2収容部55は、図1に示される筐体11に対して引き出し可能に取り付けられる。第2収容部55は、第1収容部51と同様の構成を有する。第2収容部55は、底壁551と、底壁551の周端部から起立した側壁552とを有する。第2収容部55は、上方が開放された凹状に形成されている。第2収容部55は、画像を印刷するためのシートSとして、第1シートSaとは別のシートである第2シートSbを収容する。実施形態の第2収容部55は、複数の第2シートSbを含む別のシート束としての第2シート束SSbを収容する。
【0039】
第2収容部55に収容される第2シートSbは、第1収容部51に収容される第1シートSaと同じ種類やサイズでもよいし、異なる種類やサイズでもよい。実施形態の画像形成装置1において、第1シートSaおよび第2シートSbは異なる種類のシートである。第1シートSaは普通紙であり、第2シートSbは厚紙である。実施形態において、普通紙とは、例えば35〜90g/m2程度の坪量を有する紙を意味し、厚紙とは、90g/m2を超える坪量を有する紙を意味する。
【0040】
第2搬送部56は、第2収容部55に収容される第2シート束SSbから第2シートSbを1枚ずつ搬送する。第2搬送部56は第1搬送部52と同様の構成を有する。第2搬送部56は、第1搬送部52と同様、ピックアップローラ61、給紙ローラ62、及び分離ローラ63を有する。
【0041】
第2ヒータ部57は、第1ヒータ部53と同様の構成を有する。第2ヒータ部57は、第2ヒータ75と、第2配線76と、第2サーモスタット77と、第2スイッチ78と、を備える。第2ヒータ75は、第2シート束SSbを加熱する。第2ヒータ75は、第1ヒータ71とは別のヒータである。第2ヒータ75は、第2シート束SSbの上面に対向するように設けられている。第2ヒータ75は第2収容部55の底壁551や側壁552に設けられていてもよい。第2配線76は電源部18に接続され、第2ヒータ75に電力を供給する第1配線72とは別の配線である。
【0042】
第2サーモスタット77は、第2配線76の途中に挿入されている。第2サーモスタット77は、第1サーモスタット73と同様、周辺の環境温度が20度より高くなった際に接点を開き、周辺の環境温度が20度より低くなった際に接点を閉じる。第2サーモスタット77は周辺の環境温度に基づいて第2ヒータ75の駆動状態を制御する、第1サーモスタット73とは別のサーモスタットである。
【0043】
第2スイッチ78は、第2配線76の途中に挿入されている。実施形態の第2スイッチ78はリレーである。第2スイッチ78は制御部17と電気的に接続されている。第2スイッチ78はトランジスタで構成されてもよい。制御部17は、第2スイッチ78に対して、第2ヒータ75の駆動状態をONまたはOFFに切り替える制御信号を出力する。第2スイッチ78は、制御部17から入力される制御信号に応じて第2配線76のON状態とOFF状態とを第1スイッチ74とは独立して切り替え可能な別のスイッチである。
【0044】
以下、実施形態の画像形成装置1の動作の一例について説明する。
図4は実施形態の画像形成装置1の動作の一例を示すフローチャートである。本フローチャートは、画像形成装置1の制御部17に対してシートの種類設定指示が出力された際に開始される。
【0045】
シートの種類設定指示は、第1収容部51に第1シート束SSaがセットされた際、あるいは第2収容部55に第2シート束SSbがセットされた際の少なくともいずれかにおいて、制御部17に出力される。
【0046】
制御部17はシートの種類設定指示を受け付けると、コントロールパネル16のパネル161にシート種類を設定するための操作画像を表示する(ACT001)。図5はパネル161に表示されるシート種類設定用の操作画像を示す図である。
【0047】
図5に示す操作メニューでは、第1収容部51に収容する第1シートSaを普通紙として設定し、第2収容部55に収容する第2シートSbを厚紙として設定する入力操作が行われている。
【0048】
コントロールパネル16からシートの種類設定の入力操作がなされると、制御部17は、入力結果に応じた制御信号を、第1ヒータ部53の第1スイッチ74及び第2ヒータ部57の第2スイッチ78に出力する。
【0049】
シートの種類設定指示において、厚紙が設定されない場合(ACT002:NO)、制御部17は、普通紙である第1シートSaに対応する第1ヒータ部53の第1スイッチ74に対して、第1スイッチ74をON状態とする制御信号を出力する(ACT003)。
【0050】
第1スイッチ74がON状態とされた場合、第1ヒータ部53では、第1ヒータ71に電源部18からの電力が供給された状態とされる。第1ヒータ部53は、第1サーモスタット73によって第1ヒータ71の駆動状態が制御可能な状態とされる。第1ヒータ部53は、第1サーモスタット73によって周辺の環境温度が20度より低くなった場合、第1ヒータ71を駆動させて普通紙である第1シートSaを加熱して除湿することができる。
【0051】
一方、シートの種類設定指示において、厚紙が設定された場合(ACT002:YES)、制御部17は、厚紙である第2シートSbに対応する第2ヒータ部57の第2スイッチ78に対して、第2スイッチ78をOFF状態とする制御信号を出力する(ACT004)。
【0052】
第2スイッチ78がOFF状態とされた場合、第2ヒータ部57では、第2ヒータ75に対して電力を供給する回路が遮断された状態となる。第2ヒータ部57の第2ヒータ75には電源部18からの電力が供給されない状態となる。第2ヒータ部57は、第2サーモスタット77の制御によらず第2ヒータ75を強制的に駆動させない状態とする。
以上で、図4のフローチャートが示す画像形成装置1におけるシート種類の設定動作が終了する。
【0053】
従来、普通紙は吸湿によって搬送不良や紙しわを生じさせる可能性があった。実施形態の給紙装置13では、第1シートSaとして普通紙を用いる場合、制御部17からの制御信号によって第1ヒータ71に電力を供給する第1配線72の途中に挿入された第1スイッチ74をON状態に切り替えることで、第1ヒータ71を有効に機能させることができる。第1シートSaは第1ヒータ71によって加熱されて除湿されるので、吸湿の発生を抑制することができる。実施形態における給紙装置13は、第1の給紙部151の第1収容部51に収容された普通紙である第1シートSaを搬送する際、吸湿による搬送不良や紙しわの発生を抑制することができる。
【0054】
また、厚紙である第2シートSbは普通紙である第1シートSaに比べて吸湿の影響を受け難く、第2シートSbに対する除湿動作を行うと、第2ヒータ75を駆動させるための電力を無駄に消費することとなってしまう。
実施形態の給紙装置13では、第2シートSbとして厚紙を用いる場合、制御部17からの制御信号によって第2ヒータ75に電力を供給する第2配線76の途中に挿入された第2スイッチ78をOFF状態に切り替えることで、第2ヒータ75を強制的に機能させない状態とすることができる。実施形態の給紙装置13は、第2ヒータ75による無駄な電力消費を無くして省エネルギー化を図ることができる。
以上のように実施形態の画像形成装置1によれば、無駄な電力消費を抑制しつつ、吸湿による搬送不良や紙しわの発生を抑制することができる。
【0055】
実施形態の給紙装置は、隣同士に並べて配置した第1収容部および第2収容部間においてシートの移送を行う方式の給紙装置にも適用可能である。例えば、第1収容部内に収容されるシートが無くなった場合、第2収容部内に収容されるシート束を第1収容部側へと移送してもよい。
【0056】
第1収容部および第2収容部間でシートの移送を行う方式を採用する場合において、第1収容部及び第2収容部が画像形成装置の筐体内部に設置された構造に適用することが可能である。また、第1収容部が画像形成装置の筐体内部に設置され、第2収容部が筐体外部に外付けされた構成に適用することも可能である。
【0057】
実施形態の画像形成装置1は、コントロールパネル16からの入力操作に代えて、シート種類を判別可能な検出部からの検出信号に基づいて、制御部17が第1スイッチ74及び第2スイッチ78に対して制御信号を出力する方式にも適用可能である。
【0058】
実施形態の給紙装置13は、画像形成装置1の制御部17から出力される制御信号に基づいて、第1スイッチ74及び第2スイッチ78を切り替える構成を例に挙げたが、給紙装置専用の制御部を設ける構成にも適用可能である。このとき、給紙装置13において、給紙装置専用の制御部は、画像形成装置1の制御部17から出力された制御信号に基づいて第1スイッチ74及び第2スイッチ78の切り替えを制御する。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0060】
1…画像形成装置、13…給紙装置、16…コントロールパネル、17…制御部、51…第1収容部、52…第1搬送部、55…第2収容部、71…第1ヒータ、72…第1配線、73…第1サーモスタット、74…第1スイッチ、75…第2ヒータ、76…第2配線、77…第2サーモスタット、78…第2スイッチ、Sa…第1シート、Sb…第2シート、SSa…第1シート束、SSb…第2シート束。
図1
図2
図3
図4
図5