(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-195635(P2021-195635A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】フェイスシールド
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20211129BHJP
【FI】
A41D13/11 L
A41D13/11 Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-100993(P2020-100993)
(22)【出願日】2020年6月10日
(11)【特許番号】特許第6836000号(P6836000)
(45)【特許公報発行日】2021年2月24日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2020年6月5日株式会社みやもとが佐藤印刷株式会社に発明品であるフェースシールドを卸した。
(71)【出願人】
【識別番号】520210103
【氏名又は名称】株式会社カシカ
(74)【代理人】
【識別番号】100160657
【弁理士】
【氏名又は名称】上吉原 宏
(72)【発明者】
【氏名】宮本 誠
(72)【発明者】
【氏名】大滝 健二
(57)【要約】
【課題】
本発明は、軽量で視界性に勝れ、長時間の使用に対する利用者の負担を軽減でき、飛沫飛散を防止するフェイスシールドの提供を課題とするものである。
【解決手段】
本発明は、遮蔽部材とフレームから構成されるフェイスシールドであって、前記遮蔽部材は曲げに対して復帰する弾性力を有する透明素材を用い、前記フレームは略楕円形状に成形され、頭部側に装着力調整用サブフレームと顔側に隙間形成用ビームを有するとともに、顔側の先端端部に前記遮蔽部材を固定するための装着部を有し、顔表面に接触するものがない構成を採用した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽部材(10)とフレーム(20)から構成されるフェイスシールドであって、
前記遮蔽部材(10)は曲げに対して復帰する弾性力を有する透明素材(11)を用い、
前記フレーム(20)は略楕円形状に成形され、後頭部側に装着力調整用サブフレーム(30)と顔側に隙間形成用ビーム(40)を有するとともに、顔側の先端端部に前記遮蔽部材(10)を固定するための装着部(50)を有し、該装着部(50)を装着するための装着部孔(60)が遮蔽部材(10)に成形され、前記装着部(50)と前記装着部孔(60)が嵌合によって脱着可能に結合され、顔表面には接触するものがないことを特徴とするフェイスシールド(1)。
【請求項2】
前記装着部(50)を遮蔽部材(10)への装着位置を変更可能とする装着位置可変構造(15)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のフェイスシールド(1)。
【請求項3】
前記透明素材(11)がPET(ポリエチレンテレフタレート)(12)、PC(ポリカーボネイト)(13)、或いは、PMMA(アクリル)(14)の何れかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフェイスシールド(1)。
【請求項4】
前記フレーム(20)がABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン、共重合合成樹脂)(21)を素材とすることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のフェイスシールド(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェイスシールドに関し、詳しくは、軽量で視界性に勝れ、長時間の使用に対する利用者の負担を軽減でき、飛沫飛散を防止するフェイスシールドの技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
西暦2020年の新型コロナウイルス蔓延に伴う飛沫飛散の防止手段として、医療関係者のみならず、飲食店や興行施設などの窓口業務等において、飛沫飛散防止用フェイスシールドの着用が増加している。係る従来のフェイスシールドは、その殆どが耳や帽子、或いはマスク等へ装着するもので、フェイスシールド以外の他の被装着部材を有しないタイプのものは、頭部全体への装着や、耳へ係止するものがほとんどである。従って長時間使用すると頭や耳が痛くなるなどの問題が生じやすい。また、装着用のフレームが、前方向に存在すると視界を損ない、また、接触するものでは、遮蔽部材を曇らせてしまったり、夏場だと暑くなってしまうという問題もある。
【0003】
また、飛沫飛散によるウィルス等の感染から確実に防止するためには、少なくとも遮蔽部材は頻繁に交換しなくてはならない。即ち、交換が容易で、コストを抑えられ、頭部を締め付けない新たなフェイスシールドの提案が期待されるところである。
【0004】
そこで、上記の問題に鑑み、従来からも種々の技術が提案されてきた。例えば、発明の名称を「外科手術用顔面シールド」とし、解決しようとする課題を「装着時に圧迫感や閉塞感がなく、呼気によるシールドの曇りを防ぎ、さらに、マスクやキャップを着用したままで装着及び交換が極めて容易な顔面保護シールドを提供する。」とするもので、具体的な解決手段を「顔面を覆うシールドと、その左右四隅に鈍角に屈曲させた折り込み部、さらに折り込み部の先端に粘着テープを取り付けたのりしろ部を備える。粘着テープにより上部はキャップの前額面に、下部はマスクの前面に貼り付けて装着する。」とするものである。しかしながら、係る技術は、外科手術用であって、顔面用シールドをキャップやマスクに粘着テープで貼り付けるものであり、キャップ等を利用しなければ装着することができないものであり、このような被装着部材を必要としない本発明と相違している。
【0005】
また、発明の名称を「飛沫噴出を防ぐマスク」とし、解決しようとする課題を「呼気がこもらず、飛沫噴出を防ぐマスクの構造を提供する。」とするもので、具体的な解決手段を「フレーム、遮蔽シート及び二つのつる部で構成し、該遮蔽シートをフレームの上縁に組み立て、該二つのつる部はフレームの両端に組み立てる。アゴ当てシートおよびあて部をあごにあてがい、つる部の耳掛け部をユーザーの耳に掛けて使用することにより、遮蔽シートはユーザーの口の前を遮る。」としたものである。しかしながら、係る技術は、フレームのツル部の耳掛け部をユーザーの耳に掛けて使用するものであるため、長時間の使用では耳が痛くなるといった問題が考えられる。
【0006】
また、発明の名称を発明の名称を「顔面ガードフレーム」とし、解決しようとする課題を「手術時に飛散する血液や体液が顔面に付着しないように、又その他の飛来物から顔面を守る顔面ガードフレームを提供する。」とするもので、具体的な解決手段を「ガードフレームはフロントフレームの両先端にツル,を設け、そして、ツルの表面には表面との間に僅かな隙間を残して挟持片を設け、挟持片の裏面には2つの凸片を所定の間隔をおいて形成し、フロントフレームの正面には顔全面を覆うことが出来る透明なプラスチックシートを配置し、その側端部を挟持片に挟み込んで取付けている。」としたものである。しかしながら、係る技術もフロントフレームから両先端へツルを設け、使用者の耳に掛けて使用するものである点で先行技術文献2と同様に長時間の使用では耳が痛くなるという問題が解決できていないものである。
【0007】
また、発明の名称を「塗装作業用飛沫遮蔽板」とし、解決しようとする目的を「着脱がきわめて簡易で、軽量であって、確実に塗料飛沫から眼を保護でき、汚れたら気軽に使い捨てしても経済的負担が比較的軽易であるような塗装作業用飛沫遮蔽板を提供する。」とするもので、具体的な解決手段を「透明で可撓性ある薄いプラスチックで弯曲正面部とこれに続く左右の側面部とを形成した弯曲遮蔽板に、その上縁から左右に張出すクリップと、正面に張出すクリップとを突設し、クリップの外端が常時は作業帽のひさしの外縁より内側にあるように遮蔽板の曲率を定めて構成した塗装作業用飛沫遮蔽板。側面部を少し開いて、クリップを帽子のひさしに掛け止めすると、遮蔽板がもとの曲率に戻ろうとする弾力でひさしにしっかり固定され、塗装作業時に飛沫が眼に入るのを防止する。」というものである。係る技術は、塗装作業用の飛沫遮蔽板であるが軽量で使い捨て出来、経済的負担が比較的軽易である点で本発明の課題の一部を解決しているともいえる。しかしながら、係る発明は帽子のひさしに掛け止めするため、装着には帽子が必要であり、このような被装着物を必要としない本発明とは構成を異にするものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−70318号
【特許文献2】実登3159668号
【特許文献3】実登3194865号
【特許文献4】実開平6−34613号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、軽量で視界性に勝れ、長時間の使用に対する利用者の負担を軽減でき、飛沫飛散を防止するフェイスシールドの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、遮蔽部材とフレームから構成されるフェイスシールドであって、前記遮蔽部材は曲げに対して復帰する弾性力を有する透明素材を用い、前記フレームは略楕円形状に成形され、後頭部側に装着力調整用サブフレームと顔側に隙間形成用ビームを有するとともに、顔側の先端端部に前記遮蔽部材を固定するための装着部を有し、該装着部を装着するための装着部孔が遮蔽部材に成形され、前記装着部と前記装着部孔が嵌合によって脱着可能に結合され、顔表面には接触するものがない構成を採用する。
【0011】
また、本発明は、前記装着部を遮蔽部材への装着位置を変更可能とする装着位置可変構造を備えた構成を採用することもできる。
【0012】
また、本発明は、前記透明素材がPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)、或いは、PMMA(アクリル)の何れかを素材とする構成を採用することもできる。
【0013】
また、本発明は、前記フレームがABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン、共重合合成樹脂)を素材とする構成を採用することもできる。
【発明の効果】
【0014】
また、本発明に係るフェイスシールドによれば、フレームが側頭部から後頭部へかけて位置し、前方には視界を防ぐものが正面の透明な遮蔽部材のみであり、他に視界を妨げるものが存在しないため、広い視野を確保することができるという優れた効果を発揮する。
【0015】
また、本発明に係るフェイスシールドによれば、前部(顔側)に接触物がないため、暑い季節でも蒸れたり、曇ったりすることもなく、また、女性であれば化粧落ちがないというという優れた効果を発揮する。
【0016】
また、本発明に係るフェイスシールドによれば、顔から遮蔽部材までの距離が離れるため、閉塞感がなく、髪型も崩れず、装着による不快感を伴わない。更に、マスク、眼帯、又は眼鏡等を併用した利用も可能であるという優れた効果を発揮する。
【0017】
また、本発明に係るフェイスシールドによれば、従来のフェイスシールドが多く採用している耳への弾性部材による係止という構成を採用せず、遮蔽物の曲げに対して平板状に戻る弾性力と、フレームの先端側(装着部)の開きに対して閉じようとする弾性力との関係で調整された保持力が、こめかみから後頭部にかけて作用するものであり、耳への係止を必要としないため、耳が痛くならないという優れた効果を発揮する。
【0018】
また、本発明に係るフェイスシールドによれば、装着部を装着部穴に差し込むだけで、フレームへ遮蔽部材を装着でき、取り外しも容易であるという優れた効果を発揮する。
【0019】
また、本発明に係るフェイスシールドにおいて、装着部穴を複数設ける構成を採用した場合には遮蔽物の装着位置の調整ができるという優れた効果を発揮する。
【0020】
また、本発明に係るフェイスシールドによれば、構成が極めてシンプルであるため、軽量且つ低コストで大量生産が可能であるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るフェイスシールドの基本構成を説明する基本構成説明投影図である。
【
図2】本発明に係るフェイスシールドの基本構成を説明する基本構成説明斜視図である。
【
図3】本発明に係るフェイスシールドの装着状態を説明する装着状態説明図である。
【
図4】本発明に係るフェイスシールドの装着部の構造を説明する装着部構造説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、遮蔽部材とフレームから構成されるフェイスシールドであって、前記遮蔽部材は曲げに対して復帰する弾性力を有する透明素材を用い、前記フレームは略楕円形状に成形され、頭部側に装着力調整用サブフレームと顔側に隙間形成用ビームを有するとともに、顔側の先端端部に前記遮蔽部材を固定するための装着部を有し、顔表面に接触するものがないことを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
【0023】
図1は、本発明に係るフェイスシールドの基本構成を説明する基本構成説明投影図であり、
図1(a)は左側面図、
図1(b)は正面図、
図1(c)は右側面図、
図1(d)は底面図、
図1(e)は背面図を示している。なお、平面図については底面図の対称となるため省略した。
【0024】
フェイスシールド1は、遮蔽部材10とフレーム20から構成されるフェイスシールド1であって、前記遮蔽部材10は曲げに対して復帰する弾性力を有する透明素材11を用い、前記フレーム20は略楕円形状に成形され、頭部側に装着力調整用サブフレーム30と顔側に隙間形成用ビーム40を有するとともに、顔側の先端端部に前記遮蔽部材10を固定するための装着部50を有し、顔表面に接触するものがないことを基本構成とするものである。以下、各構成部材について説明する。
【0025】
遮蔽部材10は、曲げに対して復帰する弾性力を有する透明素材を用い、該素材にはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネイト)、或いは、PMMA(アクリル)の何れかの素材が好ましく、形状については図示したものに限定することなく、略矩形で顔を覆うことができる面積を有すればよい。具体的には、略A4サイズが適当であると考えられ、クリアファイルなどに装着部孔60を設けるなどして代用することも可能である。
【0026】
透明素材11は、遮蔽部材10において、視界を良好に保つために、光透過率の高いものを用いることが望ましく、また、強度面やコスト面に考慮して適宜選択することとなる。以下にその代表的な素材についてそれぞれ説明する。
【0027】
PET(ポリエチレンテレフタレート)12は、光透過率が87%とアクリルには及ばないものの、アクリルに対して約4倍程度の強度を有し、燃焼しても有毒ガスが発生しにくいため環境にも優しい材料といえる。
【0028】
PC(ポリカーボネイト)13は、光透過率が80%から90%で、アクリルと比較して約50倍の耐衝撃性を有し、その強度の高さから薄くすることが可能であり、重量的に軽量化を図ることが可能である。
【0029】
PMMA(アクリル)14は、光透過率がガラスをも凌ぐ93%と、極めて透明度が高く、強度的にも強い素材であり、耐候性や加工性にも優れるものである。
【0030】
なお、コストダウンを図るためにPVC(ポリ塩化ビニール)を用いることも有効である。光透過率も約80%はあり、耐薬品性にも優れ、殆どの酸、アルカリ、塩類に侵されることはない素材である。
【0031】
装着位置可変構造15は、フレーム20に対して遮蔽部材10の取り付け位置を変えることができる構造であり、
図4に示すように複数の略矩形孔に対して、挿通される装着部50の装着位置を選択することによって、遮蔽部材10の装着角度や顔からの距離を上下、或いは前後に調整することを可能とするものである。
【0032】
フレーム20は、使用者の頭部を周接するような略楕円形状を有し、後頭部側に装着力調整用サブフレーム30と、顔側に隙間形成用ビーム40と、装着部50を備え、その材料は特に限定されるものではないが、成形性や強度面からABS樹脂22を用いることが好適である。
【0033】
ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン、共重合合成樹脂)22は、樹脂の中でも最も汎用性が高く、成形性に勝れ射出成型による大量生産にも向いている。また、引っ張りや曲げといった機械的特性にも優れ、更に表面の光沢性が良いことから塗装しなくても高品質な質感を出すことができるものである。
【0034】
装着力調整用サブフレーム30は、フレーム20全体を軽量化しつつ、フレーム20部分の素材の持つ曲げ特性のみでは装着力が弱くなるため、これを補填し、装着力を強くするなどの調整を図るために、
図1及び
図2に示すような形状のサブフレームを設けるものである。係る装着力調整用サブフレーム30が存在することによって、後頭部側にしっかりとフレーム20を挟持させることが可能となる。
【0035】
隙間形成用ビーム40は、こめかみ付近で両外側へフレーム20の前方先端に位置する装着部を広げ、顔の表面と遮蔽部材10との間に距離をおくため、フレーム20から内側へ突き出されたビームである。
【0036】
装着部50は、フレーム20に遮蔽部材10を装着するための装着構造を有し、具体的には略直方体形状の突起であり、略遮蔽部材10に成形された略矩形形状の孔に挿入して固定する部材である。なお、円形としていないのは固定箇所を左右それぞれ一か所で保持するためである。
【0037】
装着部孔60は、遮蔽部材10に設けられる装着部50と嵌合させるための孔であり、装着部50の形状に対応した略矩形状に形成される。なお、係る装着部孔60を複数設けて遮蔽部材10の取り付け位置を可変可能とすることも好適である。
【0038】
図2は、本発明に係るフェイスシールドの基本構成を説明する基本構成説明斜視図であり、
図2(a)は、右側面、及び正面側からの斜視図であり、
図2(b)は、左側面及び背面側からの斜視図を示している。
【0039】
なお、
図2は、本発明に係るフェイスシールドの基本構造を説明し、その形状を特定しやすくするために表したものであり、係る形状は射出成型により一体成型することが望ましく、また、3Dプリンターなどでも製造は可能である。
【0040】
図3は、本発明に係るフェイスシールドの装着状態を説明する装着状態説明図であり、
図3(a)は、装着状態を示し、
図3(b)は、装着状態を説明するための拡大図である。
【0041】
図3に示すように、本発明に係るフェイスシールド1は、フレーム20を側頭部から後頭部に向かって配置される為、被装着者の視界には透明素材11による遮蔽部材10しか存在せず、良好な視界を確保することができる。また、
図3に例示したように、マスクを装着するという利用態様も可能である。
【0042】
従って、多くの人と接するレジの担当者、美容関係、又は医療従事者などの対面感染対策に資することが
図3に示されており、軽量で前頭部には直接触れるものはなく、装着の煩わしさや圧迫感を軽減することができるものである。
【0043】
図4は、本発明に係るフェイスシールド1の装着部50の構造を説明する装着部構造説明図であり、
図4(a)は、装着部50と該装着部50に装着された遮蔽部材10との関係を三面図により示し、
図4(b)は、装着部50を遮蔽部材10の装着部孔60へ装着するための方法を示し、
図4(b)は、フレーム20に対して遮蔽部材10の装着位置を可変可能とする装着位置可変構造15における係止形状を示したものである。
【0044】
また、
図4(a)は、上側に平面図、左下に正面図、右下に側面図を示したもので、装着部50は
図4(c)に示すように、フレーム20から外側に突き出した略L字状の突起であり、装着した状態から角度が変化しないように、
図4(b)に示すとおり、装着部50及び装着部孔60はいずれも正面視において略矩形形状に成形されるものである。
【0045】
また、
図4(b)は、装着部50を遮蔽部材10の装着部孔60へ装着するための方法について、左側に装着前の状態を示し、右側は装着途中の状態を示した。
【0046】
図4(c)に示した装着位置可変構造15の実施例は、極めてシンプルな構成のものである。左側に示した実施例は、前後並びに上下への位置を可変可能とし、右側に示した実施例は、前後と上下への位置並びに角度を可変可能とするものである。被装着者の頭部の形状や大きさには個人差があるため、複数設けた装着部孔60を適宜選択することでこれらの調整が可能となる。係る配置構成は、
図4(c)に例示したものに限られるものではなく、配置位置、距離、角度、数については特に限定されるものではなく、適宜決定すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明に係るフェイスシールドによれば、多くの人と接するレジの担当者、美容関係、又は医療従事者などの対面感染対策に資するものであり、軽量で前頭部に直接触れるものは存在せず、装着の煩わしさや圧迫感を軽減することができるものであることから、対面業務等を必要となる多くの店舗等において飛沫飛散によるウイルス感染等を防止することができ、産業上利用可能性は高いと思慮されるものである。
【符号の説明】
【0048】
1 フェイスシールド
10 遮蔽部材
11 透明素材20 フレーム
12 PET(ポリエチレンテレフタレート)
13 PC(ポリカーボネイト)
14 PMMA(アクリル)
15 装着位置可変構造
22 ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン、共重合合成樹脂)
30 装着力調整用サブフレーム
40 隙間形成用ビーム
50 装着部
60 装着部孔
【手続補正書】
【提出日】2020年11月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽部材(10)とフレーム(20)から構成されるフェイスシールドであって、
前記遮蔽部材(10)は曲げに対して復帰する弾性力を有する透明素材(11)を用い、
前記フレーム(20)は略楕円形状に成形され、後頭部側に装着力調整用サブフレーム(30)と顔側に隙間形成用ビーム(40)を有するとともに、顔側の先端端部に前記遮蔽部材(10)を固定するための装着部(50)を有し、
前記装着力調整用サブフレーム(30)は、後頭部側の前記フレーム(20)と異なる曲率を有する三日月形に後方へ突き出す形状で備えられ、
前記隙間形成用ビーム(40)は、こめかみ付近で前記装着部50を両外側に広げ、顔の表面と遮蔽部材(10)との間に距離を置くために前記フレーム(20)から内側へ突き出す形状で備えられ、
該装着部(50)を装着するための装着部孔(60)が遮蔽部材(10)に成形され、前記装着部(50)と前記装着部孔(60)が嵌合によって脱着可能に結合され、顔表面には接触するものがないことを特徴とするフェイスシールド(1)。
【請求項2】
前記装着部(50)を遮蔽部材(10)への装着位置を変更可能とする装着位置可変構造(15)を備えたことを特徴とする請求項1に記載のフェイスシールド(1)。
【請求項3】
前記透明素材(11)がPET(ポリエチレンテレフタレート)(12)、PC(ポリカーボネイト)(13)、或いは、PMMA(アクリル)(14)の何れかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフェイスシールド(1)。
【請求項4】
前記フレーム(20)がABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン、共重合合成樹脂)(21)を素材とすることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のフェイスシールド(1)。