特開2021-195671(P2021-195671A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2021-195671マスク補助具及びマスク補助ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2021-195671(P2021-195671A)
(43)【公開日】2021年12月27日
(54)【発明の名称】マスク補助具及びマスク補助ユニット
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20211129BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20211129BHJP
【FI】
   A41D13/11 Z
   A62B18/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-103352(P2020-103352)
(22)【出願日】2020年6月15日
(71)【出願人】
【識別番号】519061561
【氏名又は名称】エイチツー インベストメント リミテッド
【氏名又は名称原語表記】H2 Investment Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100199808
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 昌代
(74)【代理人】
【識別番号】100139354
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 昌子
(74)【代理人】
【識別番号】100208708
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 健志
(74)【代理人】
【識別番号】100215371
【弁理士】
【氏名又は名称】古茂田 道夫
(74)【代理人】
【識別番号】230116643
【弁護士】
【氏名又は名称】田中 厳輝
(72)【発明者】
【氏名】國田 敬
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185BA08
2E185CC32
(57)【要約】
【課題】本発明は、マスクと一体的に係合可能であり、着用者に違和感を与え難いマスク補助具を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様に係るマスク補助具は、マスクの肌接触面側に取り付けられ、上記マスクと着用者の口部との密着を抑制可能なマスク補助具であって、左右方向を長手方向とするシート状であり、上記着用者の口部に対応する箇所に設けられる中央部と、上記中央部の左右両側に延設される一対の接続部とを備え、上記中央部が開口を有し、上記一対の接続部が、左右方向に延びる軸部と、上記軸部から上下方向に突出し、上記マスクの肌接触面に係合可能な第1係合突起とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクの肌接触面側に取り付けられ、上記マスクと着用者の口部との密着を抑制可能なマスク補助具であって、
左右方向を長手方向とするシート状であり、
上記着用者の口部に対応する箇所に設けられる中央部と、
上記中央部の左右両側に延設される一対の接続部と
を備え、
上記中央部が開口を有し、
上記一対の接続部が、左右方向に延びる軸部と、上記軸部から上下方向に突出し、上記マスクの肌接触面に係合可能な第1係合突起とを有するマスク補助具。
【請求項2】
上記中央部が、観音開き状に開放可能な一対の舌片を有し、
上記開口が上記一対の舌片の折り曲げによって形成される請求項1に記載のマスク補助具。
【請求項3】
上記軸部が、上下方向に横断する折り曲げ容易線を有する請求項1又は請求項2に記載のマスク補助具。
【請求項4】
上記中央部が、上記一対の接続部と接続される部分よりも上側に突出する上側突出部及び下側に突出する下側突出部を有しており、
上記上側突出部及び上記下側突出部から左右両側に延設される第2係合突起をさらに備える請求項1、請求項2又は請求項3に記載のマスク補助具。
【請求項5】
上記一対の接続部の外縁に複数の微細突起が設けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のマスク補助具。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のマスク補助具と、
上記マスク補助具の外周縁を取り囲む枠部材と
を備え、
上記マスク補助具と上記枠部材とが、破断容易線によって破断可能に接続されており、
上記枠部材が、上記マスクの一対の耳掛け部と接続可能な少なくとも一対の係合部を有しており、
上記枠部材が、上記一対の係合部と上記一対の耳掛け部とが接続された状態で上記着用者の後頭部側に掛け渡されるストラップとして機能するマスク補助ユニット。
【請求項7】
上記枠部材の内周縁の形状と上記マスク補助具の外周縁の形状とが相補的である請求項6に記載のマスク補助ユニット。
【請求項8】
上記枠部材が、長手方向に沿って2つ折りに折り畳み可能に構成されており、
上記係合部が、この折り畳み状態で重なり合う凹部又は切込みである請求項6又は請求項7に記載のマスク補助ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク補助具及びマスク補助ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
マスクの着用者の吸気によりマスクが着用者の口元に吸い付けられることで、着用者が息苦しさを感じることがある。このような息苦しさを解消できるように、マスクの肌接触面側に取り付けられてマスクの膨らみを保つことが可能なマスク補助具が提案されている(特開2015−9098号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−9098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記公報には、マスクの着用者の口元及び鼻元とマスク本体との間に挟み込まれるマスク補助具が記載されている。上記公報に記載されているマスク補助具は、左右方向に延び、互いに曲率の異なる第1の湾曲部及び第2の湾曲部と、第1湾曲部及び第2湾曲部の端部同士を接続する左右一対の頬当て部とを有している。上記公報に記載されているマスク補助具は、第1の湾曲部が着用者の口囲皮膚に沿うように湾曲すると共に、第2の湾曲部がマスク本体の膨らみを維持するように湾曲していることで、マスクの膨らみを維持できるとされている。
【0005】
しかしながら、上記公報に記載されているマスク補助具は、一対の頬当て部を着用者の頬に接触させることでマスクと着用者との間に保持されるものであり、例えばマスクの位置を動かした際等にマスクと着用者との隙間から脱落しやすい。また、このマスク補助具を使用した場合、着用者はマスク及びマスク補助具の2つの部材を別々に装着している感覚を生じやすいと考えられる。そのため、このマスク補助具を使用した場合、着用者は、頬近傍に違和感を生じやすいと考えられる。
【0006】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、マスクと一体的に係合可能であり、着用者に違和感を与え難いマスク補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るマスク補助具は、マスクの肌接触面側に取り付けられ、上記マスクと着用者の口部との密着を抑制可能なマスク補助具であって、左右方向を長手方向とするシート状であり、上記着用者の口部に対応する箇所に設けられる中央部と、上記中央部の左右両側に延設される一対の接続部とを備え、上記中央部が開口を有し、上記一対の接続部が、左右方向に延びる軸部と、上記軸部から上下方向に突出し、上記マスクの肌接触面に係合可能な第1係合突起とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係るマスク補助具は、マスクと一体的に係合可能であり、着用者に違和感を与え難い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るマスク補助ユニットを示す模式的平面図である。
図2図2は、図1のマスク補助ユニットをマスク補助具と枠部材とに分離した状態を示す模式的斜視図である。
図3図3は、図2のマスク補助具の開口を形成した状態を示す模式的平面図である。
図4図4は、図3のマスク補助具をマスクの肌接触面に取り付けた状態を示す模式図である。
図5図5は、図4のマスクの着用状態を示す模式図である。
図6図6は、図3のマスク補助具の軸部を折り曲げ容易線で折り畳んだ状態を示す模式的平面図である。
図7図7は、図6のマスク補助具をマスクの肌接触面に取り付けた状態を示す模式図である。
図8図8は、図7のマスクの着用状態を示す模式図である。
図9図9は、図2の枠部材を長手方向に沿って2つ折りに折り畳んだ状態を示す模式的平面図である。
図10図10は、図3のマスク補助具及び図9の枠部材をマスクに取り付けた状態を示す模式図である。
図11図11は、図10のマスクの着用状態を示す模式図である。
図12図12は、図9の枠部材をマスクに取り付けた状態の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
【0011】
本発明の一態様に係るマスク補助具は、マスクの肌接触面側に取り付けられ、上記マスクと着用者の口部との密着を抑制可能なマスク補助具であって、左右方向を長手方向とするシート状であり、上記着用者の口部に対応する箇所に設けられる中央部と、上記中央部の左右両側に延設される一対の接続部とを備え、上記中央部が開口を有し、上記一対の接続部が、左右方向に延びる軸部と、上記軸部から上下方向に突出し、上記マスクの肌接触面に係合可能な第1係合突起とを有する。
【0012】
当該マスク補助具は、マスクの肌接触面に取り付けられた状態で上記中央部が着用者の口部とマスクとの間に介在する。当該マスク補助具は、上記中央部が開口を有しているので、着用者の口部とマスクとの間に空間を形成することができる。これにより、当該マスク補助具は、マスクと着用者の口部との密着を抑制することができる。また、当該マスク補助具は、上記中央部の左右両側に延設される上記一対の接続部が、上記軸部から上下方向に突出する第1係合突起を有しているので、この第1係合突起をマスクの肌接触面と係合させることで、マスクからの意図しない脱落を抑制することができる。当該マスク補助具は、上記第1係合突起によってマスクの肌接触面と一体的に係合することができるので、マスクの着用者に違和感を与え難い。
【0013】
上記中央部が、観音開き状に開放可能な一対の舌片を有し、上記開口が上記一対の舌片の折り曲げによって形成されるとよい。このように、上記中央部が、観音開き状に開放可能な一対の舌片を有し、上記開口が上記一対の舌片の折り曲げによって形成されることによって、上記開口を形成した状態でこの開口近傍の強度及び厚さを大きくすることができる。これにより、上記開口近傍の形状が安定すると共に、マスクと着用者の口部との間隔を十分に確保することができ、マスクと着用者の口部との密着をより容易かつ確実に抑制することができる。
【0014】
上記軸部が、上下方向に横断する折り曲げ容易線を有するとよい。このように、上記軸部が、上下方向に横断する折り曲げ容易線を有することによって、上記折り曲げ容易線の折り曲げによって、サイズや形状の異なるマスクに対して容易に取り付けることができる。
【0015】
上記中央部が、上記一対の接続部と接続される部分よりも上側に突出する上側突出部及び下側に突出する下側突出部を有しており、上記上側突出部及び上記下側突出部から左右両側に延設される第2係合突起をさらに備えるとよい。このように、上記中央部が、上記一対の接続部と接続される部分よりも上側に突出する上側突出部及び下側に突出する下側突出部を有しており、上記上側突出部及び上記下側突出部から左右両側に延設される第2係合突起をさらに備えることによって、当該マスク補助具をマスクにより容易かつ確実に係合することができる。
【0016】
上記一対の接続部の外縁に複数の微細突起が設けられているとよい。このように、上記一対の接続部の外縁に複数の微細突起が設けられていることによって、当該マスク補助具をマスクにより容易かつ確実に係合することができる。
【0017】
本発明の他の一態様に係るマスク補助ユニットは、当該マスク補助具と、当該マスク補助具の外周縁を取り囲む枠部材とを備え、当該マスク補助具と上記枠部材とが、破断容易線によって破断可能に接続されており、上記枠部材が、上記マスクの一対の耳掛け部と接続可能な少なくとも一対の係合部を有しており、上記枠部材が、上記一対の係合部と上記一対の耳掛け部とが接続された状態で上記着用者の後頭部側に掛け渡されるストラップとして機能する。
【0018】
当該マスク補助ユニットは、当該マスク補助具と上記枠部材とが破断容易線によって破断可能に接続されているので、マスクに取り付けられる前の状態における取扱性に優れる。当該マスク補助ユニットは、上記枠部材が、上記一対の係合部と上記一対の耳掛け部とが接続された状態で上記着用者の後頭部側に掛け渡されるストラップとして機能するので、マスク着用時における耳の締め付け感をなくすことができ、マスクの着用に起因する着用者の不快感を軽減しやすい。
【0019】
当該マスク補助ユニットは、上記枠部材の内周縁の形状と上記マスク補助具の外周縁の形状とが相補的であるとよい。このように、当該マスク補助ユニットは、上記枠部材の内周縁の形状と上記マスク補助具の外周縁の形状とが相補的であることによって、上記枠部材の内周縁に上記マスク補助具の外周縁に対応する凹凸を形成することができ、この凹凸によって上記係合部を容易に形成することができる。
【0020】
上記枠部材が、長手方向に沿って2つ折りに折り畳み可能に構成されており、上記係合部が、この折り畳み状態で重なり合う凹部又は切込みであるとよい。このように、上記枠部材が、長手方向に沿って2つ折りに折り畳み可能に構成されており、上記係合部が、この折り畳み状態で重なり合う凹部又は切込みであることによって、上記枠部材を上記一対の耳掛け部同士の間に掛け渡されるストラップとして機能させやすい。
【0021】
なお、本発明において、「左右」とは、マスクに取り付けられた状態における左右(マスクの耳掛け部同士が対向する方向)を意味する。また、「上下」とは、マスクに取り付けられた状態における上下(マスクの耳掛け部同士が対向する方向を左右とした場合の上下)を意味する。
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0023】
[マスク補助ユニット]
図1のマスク補助ユニット10は、マスク補助具20と、マスク補助具20の外周縁を取り囲む枠部材30とを備える。マスク補助具20は、それ自体本発明の一実施形態である。当該マスク補助ユニット10において、マスク補助具20と枠部材30とは破断容易線11によって破断可能に接続されている。破断容易線11としては、複数のスリットが間隔を空けて配置されたミシン目が挙げられる。枠部材30の内周縁の形状とマスク補助具20の外周縁の形状とは相補的である。つまり、枠部材30の内周縁の形状とマスク補助具20の外周縁の形状とは対応しており、枠部材30の内周縁には、マスク補助具20の外周縁の凹部に対応する凸部及びマスク補助具20の外周縁の凸部に対応する凹部が形成されている。
【0024】
当該マスク補助ユニット10は、マスク補助具20と枠部材30とが接続された状態で、1枚のシートから構成されている。当該マスク補助ユニット10は、マスク補助具20の左右方向(図1のX軸方向)を長手方向とする略矩形状である。当該マスク補助ユニット10は、長手方向の中央に上下方向(図1のY方向)に横断する折り曲げ容易線(第1折り曲げ容易線12)を有する。当該マスク補助ユニット10は、例えば第1折り曲げ容易線12で2つ折りに折り畳まれて袋体(不図示)に収容された状態で保管される。当該マスク補助ユニット10は、名刺やキャッシュカード等のサイズに折り畳んだ状態で保管することができ、携帯性に優れる。
【0025】
当該マスク補助ユニット10に用いられるシート材としては、合成樹脂シート、紙製シート、紙製シートと合成樹脂シートとの積層シート等が挙げられる。中でも、適度な可撓性を有すると共に、耐湿性及び形状安定性に優れる合成樹脂シートが好ましい。上記合成樹脂シートの厚さの下限としては、100μmが好ましく、200μmがより好ましく、300μmがさらに好ましい。一方、上記合成樹脂シートの厚さの上限としては、1000μmが好ましく、500μmがより好ましく、400μmがさらに好ましい。上記厚さが上記下限に満たないと、当該マスク補助ユニット10の強度が不十分となるおそれがある。また、当該マスク補助具20によって着用者の口部とマスクとの間隔を十分に確保できないおそれがある。逆に、上記厚さが上記上限を超えると、当該マスク補助ユニット10の取扱性、可撓性等が低下するおそれや、マスクの着用者に違和感を与えるおそれがある。
【0026】
<マスク補助具>
図1及び図2に示すように、当該マスク補助具20は、破断容易線11を破断することで枠部材30から分離される。当該マスク補助具20は、左右方向を長手方向とするシート状である。当該マスク補助具20は、着用者の口部に対応する箇所に設けられる中央部21と、中央部21の左右両側に延設される一対の接続部22とを備える。また、当該マスク補助具20は、一対の接続部22よりも上側及び下側において中央部21から左右両側に延設される第2係合突起23、24を備える。図3に示すように、中央部21は開口25を有する。当該マスク補助具20は、開口25の中心を基準として点対称の形状に形成されている。
【0027】
図4に、当該マスク補助具20がプリーツ型マスクに取り付けられた状態を示す。図4に示すように、当該マスク補助具20は、マスク50の肌接触面51に取り付けられる。図5に示すように、当該マスク補助具20は、着用者Pとマスク50の肌接触面51との間に介在することで、マスク50と着用者Pの口部との密着を抑制可能に構成される。より詳しくは、当該マスク補助具20は、中央部21が開口25を有することで、着用者Pの口部とマスク50の肌接触面51との間に空間を設けることができ、これにより着用者Pの呼吸が害されることを抑制しつつ、マスク50と着用者Pの口部との密着を抑制することができる。
【0028】
(中央部)
中央部21は、左右方向を長手方向とする概略矩形状である。中央部21の上縁及び下縁は蛇行している。中央部21は上縁及び下縁が蛇行していることで、この上縁及び下縁をマスク50の肌接触面51に形成されるプリーツ51aに係合しやすい。
【0029】
中央部21の上縁及び下縁の左右方向中央部分には、上下に突出する中央係合突起21aが形成されている。中央係合突起21aの先端は尖っている(丸められていない)。中央係合突起21aは、マスク50の肌接触面51に突き刺さることで、マスク50の肌接触面51に対する当該マスク補助具20の左右方向のずれを抑制する。当該マスク補助具20は、中央部21の上縁及び下縁に中央係合突起21aが形成されていることで、開口25と着用者Pの口部とのずれを容易に抑制することができる。中央係合突起21aは、当該マスク補助具20における最上端部及び最下端部に位置することが好ましい。
【0030】
図2及び図3に示すように、中央部21は、観音開き状に開放可能な一対の舌片21bを有する。一対の舌片21bは、左右方向に開放可能に構成されている。また、中央部21は、一対の舌片21bを折り返し状態で固定する一対の係止片21cを有する。中央部21の開口25は、一対の舌片21bの折り曲げによって形成される。より詳しくは、開口25は、一対の舌片21bが折り返された状態で一対の係止片21cに固定されることで形成される。当該マスク補助具20は、開口25が一対の舌片21bの折り曲げによって形成されることで、開口25近傍の強度及び厚さを大きくすることができる。これにより、開口25近傍の形状が安定すると共に、マスク50と着用者Pの口部との間隔を十分に確保することができ、マスク50と着用者Pの口部との密着をより容易かつ確実に抑制することができる。
【0031】
中央部21は、一対の接続部22と接続される部分よりも上側に突出する上側突出部21d及び下側に突出する下側突出部21eを有する。このように、上側突出部21d及び下側突出部21eを有することで開口25の大きさを大きくしやすい。また、開口25の大きさに対応して一対の舌片21bの大きさを大きくすることで、開口25近傍の強度を大きくしやすい。
【0032】
中央部21の外縁(上縁及び下縁)には、複数の微細突起21fが設けられている。複数の微細突起21fは、ミシン目の継ぎ目に由来している。つまり、複数の微細突起21fは、破断容易線11を破断した際にミシン目の継ぎ目が中央部21の外縁に残ることで形成されたものである。複数の微細突起21fは、当該マスク補助具20をマスク50の肌接触面51に取り付けた状態で肌接触面51の繊維間等に嵌る。その結果、当該マスク補助具20とマスク50の肌接触面51との係合がより確実となる。
【0033】
(接続部)
一対の接続部22は、左右方向に延びる軸部26と、軸部26から上下方向に突出し、マスク50の肌接触面51に係合可能な第1係合突起27とを有する。図4に示すように、接続部22は、左右方向外側の側縁がマスク50の肌接触面51の側方接合部51bの内側に保持される。接続部22は、第1係合突起27をマスク50の肌接触面51と干渉させることで、当該マスク補助具20をマスク50の肌接触面51側の所定の位置に保持することができる。
【0034】
軸部26は、左右方向の中間部分で上下方向に横断する折り曲げ容易線(第2折り曲げ容易線26a)を有する。また、軸部26は、第2折り曲げ容易線26aで左右方向外側の部分を折り返した際にこの折り返し部分を係止する係止片26bを有する。軸部26の第2折り曲げ容易線26aよりも左右方向外側の部分を第2折り曲げ容易線26aで折り返し、この折り返し部分を係止片26bに係止した状態を図6に示す。当該マスク補助具20は、軸部26の第2折り曲げ容易線26aよりも左右方向外側の部分を第2折り曲げ容易線26aで折り返すことで、サイズや形状の異なるマスクに対して容易に取り付けることができる。より具体的には、図7及び図8に示すように、立体型マスク60の肌接触面61に対して容易に取り付けることができる。
【0035】
第2折り曲げ容易線26aによる折り返し状態で、接続部22の側縁にはマスク60の肌接触面61に突き刺し可能な側方係合突起26cが形成されることが好ましい。側方係合突起26cは、例えば第2折り曲げ容易線26aの両端から軸部26の上縁及び下縁に延びるスリットを形成し、このスリットを第2折り曲げ容易線26aの折り返し状態で微細突起を形成可能な形状とすることで設けられる。当該マスク補助具20は、側方係合突起26cをマスク60の肌接触面61に突き刺すことで、当該マスク補助具20のマスク60に対するずれを抑制することができる。
【0036】
第2折り曲げ容易線26aは、第1係合突起27よりも左右方向内側に形成されていることが好ましい。この構成によると、第2折り曲げ容易線26aでの折り曲げが容易となると共に、サイズや形状の異なる複数のマスクに容易に取り付けできるように軸部26の長さを調節しやすい。
【0037】
第1係合突起27は、軸部26の左右方向外側の端部から上下方向に突出している。プリーツ型のマスクの場合、図4に示すように、第1係合突起27は、その先端部がマスク50のプリーツ51aに嵌まり込むことでマスク50の肌接触面51に係合される。また、立体型マスクの場合、図7に示すように、第1係合突起27は、マスク60の肌接触面61に上下方向から挟圧又は挟まれることでマスク60の肌接触面61に係合される。
【0038】
図4に示すように、第1係合突起27は、当該マスク補助具20がマスク50(プリーツ型マスク)に取り付けられた状態でプリーツ51aと側方接合部51bとの間の隅部に嵌まり込むよう、基端側から先端側に向けて左右方向外側に突出していることが好ましい。
【0039】
接続部22の外縁(外周縁)には、複数の微細突起22aが設けられている。複数の微細突起22aは、中央部21の外縁に設けられる複数の微細突起21fと同様、ミシン目の継ぎ目に由来している。複数の微細突起22aは、当該マスク補助具20をマスク50の肌接触面51に取り付けた状態で肌接触面51の繊維間等に嵌る。その結果、当該マスク補助具20とマスク50の肌接触面51との係合がより確実となる。
【0040】
(第2係合突起)
第2係合突起23、24は、中央部21の上側突出部21d及び下側突出部21eから左右両側に延設されている。図4に示すように、第2係合突起23、24は、マスク50の肌接触面51に設けられるプリーツ51aに嵌まり込む。当該マスク補助具20は、第2係合突起23、24を備えることで、当該マスク補助具20をマスク50により容易かつ確実に係合することができる。
【0041】
第2係合突起23、24の外縁(外周縁)には、複数の微細突起23a、24aが設けられている。複数の微細突起23a、24aは、中央部21の外縁に設けられる複数の微細突起21fと同様、ミシン目の継ぎ目に由来している。すなわち、当該マスク補助具20は、その外周縁の全体に亘ってミシン目の継ぎ目に由来する微細突起21f、22a、23a、24aが設けられている。当該マスク補助具20は、微細突起21f、22a、23a、24aを有することで、当該マスク補助具20をマスク50により容易かつ確実に係合することができる。
【0042】
<枠部材>
枠部材30は、当該マスク補助具20が型抜きされてなる開口を有する。枠部材30の外周縁は、当該マスク補助具20の長手方向(図1のX方向)を長手方向とする略矩形状である。
【0043】
図1に示すように、枠部材30は、短手方向(図1のY方向)の中央部分に長手方向に延びる第3折り曲げ容易線31を有する。図9に示すように、枠部材30は、第3折り曲げ容易線31による折り曲げによって、長手方向に沿って2つ折りに折り畳み可能に構成されている。
【0044】
図9に示すように、枠部材30は、マスク50の一対の耳掛け部52と接続可能な少なくとも一対の係合部(第1係合部32)を有する。第1係合部32は、枠部材30の折り畳み状態で重なり合う凹部によって構成されている。より詳しくは、第1係合部32は、当該マスク補助具20の第2係合突起23、24に対応する凹部によって構成されている。当該マスク補助ユニット10は、枠部材30の内周縁の形状と当該マスク補助具20の外周縁の形状とが相補的であるので、枠部材30の内周縁に当該マスク補助具20の外周縁に対応する凹凸を形成することができ、この凹凸によって第1係合部32を容易に形成することができる。
【0045】
図10及び図11に示すように、枠部材30は、一対の第1係合部32とマスク50の一対の耳掛け部52とが接続された状態で着用者Pの後頭部側に掛け渡されるストラップとして機能する。
【0046】
図9に示すように、枠部材30は、2つ折りに折り畳まれた状態で重なり合う凹部(第1係合部32)及び切込み(第2係合部33)を有する。上述のように、第1係合部32は、当該マスク補助具20の第2係合突起23、24に対応する凹部によって構成されている。また、第2係合部33は、2つ折りに折り畳まれた状態で重なり合う切込みによって構成されている。枠部材30は、長手方向に沿って複数の第2係合部33を有する。複数の第2係合部33は、枠部材30の長手方向の中央部分を基準として左右対称に設けられている。図12に示すように、枠部材30は、着用者Pの頭部のサイズに合わせて適切な係合部32、33を選択できるようになっている。これにより、マスク50の着用に起因する着用者の不快感をより確実に軽減することができる。
【0047】
当該マスク補助ユニット10は、係合部32、33が、枠部材30の折り畳み状態で重なり合う凹部又は切込みであることによって、枠部材30を一対の耳掛け部52同士の間に掛け渡されるストラップとして機能させやすい。
【0048】
第2係合部33の具体的な形状としては、特に限定されるものではないが、枠部材30の内周縁から延びる直線状の第1部分と、この第1部分の先端部に設けられ、耳掛け部52を保持可能な第2部分とを有することが好ましい。図9では、上記第2部分はC字状である。上記第2部分がC字状に湾曲していることで、上記第2部分からの耳掛け部52の抜けを抑制しやすい。また、上記第2部分の形状としては、C字状に限定されるものではない。上記第2部分の具体的形状としては、例えば十字状、ドット状等が挙げられる。
【0049】
<利点>
当該マスク補助具20は、マスク50、60の肌接触面51、61に取り付けられた状態で中央部21が着用者Pの口部とマスク50、60との間に介在する。当該マスク補助具20は、中央部21が開口25を有しているので、着用者Pの口部とマスク50、60との間に空間を形成することができる。これにより、当該マスク補助具20は、マスク50、60と着用者Pの口部との密着を抑制することができる。また、当該マスク補助具20は、中央部21の左右両側に延設される一対の接続部22が、軸部26から上下方向に突出する第1係合突起27を有しているので、この第1係合突起27をマスク50、60の肌接触面51、61と係合させることで、マスク50、60からの意図しない脱落を抑制することができる。当該マスク補助具20は、第1係合突起27によってマスク50、60の肌接触面51、61と一体的に係合することができるので、マスク50、60の着用者Pに違和感を与え難い。
【0050】
当該マスク補助具20は、マスク50,60の肌接触面51、61に取り付けられた状態で、肌接触面51、61の形状に合わせて適度に撓む。従って、当該マスク補助具20は、マスク50、60の外観に影響を与え難い。
【0051】
当該マスク補助ユニット10は、当該マスク補助具20と枠部材30とが破断容易線11によって破断可能に接続されているので、マスクに取り付けられる前の状態における取扱性に優れる。また、当該マスク補助ユニット10は、枠部材30が、係合部32、33とマスクの耳掛け部とが接続された状態で着用者Pの後頭部側に掛け渡されるストラップとして機能するので、マスク着用時における耳の締め付け感をなくすことで、マスク50、60の着用に起因する着用者の不快感を軽減しやすい。また、この構成によると、マスク50、60の外周縁部と着用者Pとの密着性を確保し、防護性を高めやすい。
【0052】
当該マスク補助ユニット10は、当該マスク補助具20と枠部材30とが破断容易線11によって破断可能に接続されており、かつ当該マスク補助具20の開口25が一対の舌片21bの折り曲げによって形成されるので、当該マスク補助具20及び枠部材30の使用にあたって不要部分が生じない。つまり、当該マスク補助ユニット10は、切断片等のゴミが生じない。従って、当該マスク補助ユニット10は、使用する際の取扱性に優れる。
【0053】
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0054】
上記第1係合突起は、基端側を折り曲げて上記軸部に折り重ねられた状態で使用することも可能である。この構成によると、シート材の反力を利用して、上記第1係合突起と上記軸部との重なり部分をマスクのプリーツ内に保持しやすい。
【0055】
上記開口は、切断片の切り離し等によって形成することも可能である。但し、上記開口近傍の強度及び厚さを大きくすると共に、ゴミの発生を防止する観点からは、上記開口は舌片の折り曲げによって形成されることが好ましい。なお、上記開口は1つの舌片の折り曲げによって形成することや、3以上の舌片の折り曲げによって形成することも可能である。
【0056】
当該マスク補助具は、取付対象のマスクの大きさが規定されているような場合であれば、上記軸部を上下方向に横断する第2折り曲げ容易線を有しなくてもよい。
【0057】
上記中央部は、上述の上側突出部及び下側突出部の両方又はいずれか一方を有しない構成とすることも可能である。また、当該マスク補助具は、必ずしも上側突出部及び下側突出部から左右両側に延設される第2係合突起を備えなくてもよい。さらに、当該マスク補助具は、上記中央部や上記接続部等から突出する他の係合突起を備えていてもよい。
【0058】
当該マスク補助具は、上記枠部材と破断可能に構成されていなくてもよい。また、当該マスク補助具は、その外周縁に微細突起を有しない構成とすることも可能である。
【0059】
当該マスク補助具は、例えば両面テープ等の他の部材を用いてマスクの肌接触面に取り付けられてもよい。
【0060】
上記枠部材は、マスクの一対の耳掛け部と接続されるストラップとして機能するよう設けられていなくてもよい。例えば上記枠部材は、当該マスク補助具の保管時における保護部材としてのみ機能するものであってもよい。
【0061】
上記枠部材の具体的な形状は特に限定されるものではない。例えば上記枠部材の内周縁の形状は、当該マスク補助具の外周縁の形状と対応していなくてもよい。
【0062】
上記枠部材が上記ストラップとして機能する場合であっても、この枠部材は、一対の係合部のみを有していてもよい。また、この係合部の形状は特に限定されるものではない。さらに、上記枠部材は、2つ折りに折り畳まれていない状態でストラップとして機能するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上のように、本発明の一態様に係るマスク補助具は、着用者の口部とマスクとの密着を抑制するのに適している。
【符号の説明】
【0064】
10 マスク補助ユニット
11 破断容易線
12 第1折り曲げ容易線
20 マスク補助具
21 中央部
21a 中央係合突起
21b 舌片
21c 係止片
21d 上側突出部
21e 下側突出部
21f、22a、23a、24a 微細突起
22 接続部
23、24 第2係合突起
25 開口
26 軸部
26a 第2折り曲げ容易線
26b 係止片
26c 側方係合突起
27 第1係合突起
30 枠部材
31 第3折り曲げ容易線
32 第1係合部
33 第2係合部
50 マスク(プリーツ型マスク)
51、61 肌接触面
51a プリーツ
51b 側方接合部
52 耳掛け部
60 マスク(立体型マスク)
P 着用者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12