【解決手段】本発明のフェイスシールド10は、装着者Pの顔を保護するためのものであって、透光性を有するシート状の素材により構成されるシールド体20と、シールド体20を湾曲するように変形させて保持する保持部30と、を有し、保持部30には、シールド体20を支持しつつ装着者Pに装着するための装着体32と、シールド体20の装着体32から離間する部分を湾曲させて保持する形状保持部40と、が含まれることを特徴とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、最近ではウイルス拡散を抑制するために、医療従事者のみならず幅広い状況下で用いられるフェイスシールドのニーズが高まっている。特に、眼の周辺に加えて、鼻や口元など顔の略全域を覆うことができるフェイスシールドは特に需要が高まっており、飲食業などのサービス業や学校など、複数の人が集まる場においてフェイスシールドを着用して顔を飛沫感染から保護したいといった要望が高まっている。
【0005】
ここで、眼の周辺を覆う大きさのフェイスシールド(アイガード)では覆う領域が限られているため、シールド体もさほど大きいものを要さない。また、感染予防のアイガードは使い捨てのディスポーザブルのものが主となっており、透明シート状部材により構成されるシールド部分(シールド体)は厚みが薄いものが多くなっている。そのため、フェイスシールドを、顔全体を覆う大きさにした場合(フルフェイス型にした場合)、額側のシールド体は装着部材(スポンジやフレームなど)に沿って湾曲形状を維持する一方、顎側はシールド体の張力により広がってしまい、感染予防という機能を十分に果たせていないといった問題があった(
図10参照)。
【0006】
そこで本発明は、顔の横側(側方)からの曝露も抑制し、ウイルス等による感染を十分に抑制することができるフェイスシールドの提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述の課題を解決すべく提供される本発明のフェイスシールドは、装着者の顔を保護するためのフェイスシールドであって、透光性を有するシート状の素材により構成されるシールド体と、前記シールド体を保持する保持部と、を有し、前記保持部には、前記シールド体を支持しつつ装着者に装着するための装着体と、前記シールド体の前記装着体から離間する部分を湾曲させて保持する形状保持部と、が含まれることを特徴とする。
【0008】
本発明のフェイスシールドによれば、シールド体の他端側(顎側)を湾曲させて保持することができる。これにより、顎側(下方側)や頬側(横側)のシールド体を装着者の顔に沿うように湾曲させて装着者の顎側や頬側を覆って保護し、顎側(下方側)や頬側(顔側方)からの飛沫浸入を抑制することができる。その結果、本発明は、顔の横側(側方)からの曝露も抑制し、ウイルス等への感染を十分に抑制することができる。
【0009】
(2)本発明のフェイスシールドは、前記シールド体が装着者の顔を覆う状態における前記シールド体の上下方向両端部のうち、上方側を基端側とし、他方側を他端側とした場合に、前記シールド体には、前記基端側に前記装着体が取り付けられており、前記他端側に前記形状保持部が取り付けられているものであるとよい。
【0010】
(3)本発明のフェイスシールドは、前記シールド体が装着者の顔を覆う状態における前記シールド体の左右両端部の離間量を開き量とした場合、前記形状保持部は、前記シールド体の開き量を調整可能であるとよい。
【0011】
上述の構成によれば、装着者の顔の大きさ等に応じて、顎側の開き量を調整することができる。その結果、装着者の顔幅に合わせてフェイスシールドを装着し、より効果的に飛沫の浸入を抑制することができる。
【0012】
(4)本発明のフェイスシールドは、前記形状保持部は、前記シールド体の前記左右両端部を連結するように取り付けられた線条部材と、前記線条部材に対してスライド可能に取り付けられた係止部材と、を備え、前記線条部材に対する前記係止部材の位置に応じて、前記開き量を調整可能であるとよい。
【0013】
上述の構成によれば、係止部材をスライドさせる簡単な動作で、開き量を大きめとし、あるいは小さめとするなど、適宜調整することができる。
【0014】
(5)本発明のフェイスシールドは、前記形状保持部は、前記シールド体の一部を延伸するように形成された延伸部が前記シールド体の左右両端部にそれぞれ形成されたものとされ、一対の前記延伸部が着脱可能とされており、一対の前記延伸部を接続することで前記シールド体を湾曲させた状態を保持可能であるとよい。
【0015】
上述の構成によれば、形状保持部を形成するための部材点数を削減して、製造コストを抑制することができる。
【0016】
(6)本発明のフェイスシールドは、前記形状保持部は、前記シールド体に対して着脱可能な部材であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、顔の横側(側方)からの曝露も抑制し、ウイルス等への感染を十分に抑制することができるフェイスシールドを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係るフェイスシールド10について図面を参照しつつ説明する。
【0020】
フェイスシールド10は、装着者Pの顔を覆うことで、他の者の飛沫が装着者Pの顔に付着することを抑制する、あるいは装着者Pの飛沫が拡散することを抑制し、ウイルス等の感染リスクを低減させるために用いられるものである。フェイスシールド10は、例えば、医療従事者等(医師や看護師等)が手術や看護に際して、あるいは接客業等のサービス従事者、複数人が集まる場(学校など)など、様々な状況で用いることができる。
【0021】
図1に示すとおり、フェイスシールド10は、シールド体20、及び保持部30を備えている。また、保持部30には、装着体32、及び形状保持部40が含まれている。
【0022】
なお、以下の説明では、シールド体20が装着者Pの顔を覆う状態において、左右方向を単に「幅方向W」と、上下方向を単に「上下方向H」と記載して説明する場合がある。
【0023】
また、シールド体20が装着者Pの顔を覆う状態において、装着者Pの額側となるシールド体20の端部(上方側の端部)を単に「基端21a」と、装着者Pの顎側となるシールド体20の端部(下方側の端部)を単に「他端21b」と記載して説明する場合がある。
【0024】
さらに、シールド体20が装着者Pの顔を覆う状態において、装着者Pの頬側となるシールド体20の両端部(左右の端部)のうち、一方を「側方端22a」と、他方を「側方端22b」と記載して説明する場合がある。また、シールド体20の左右の側方端22a及び側方端22bを、単に「両端部22a,22b」と記載して説明する場合がある。
【0025】
保持部30は、シールド体20の左右を湾曲させた形状を保持するためのものである。上述のとおり、保持部30には、装着体32及び形状保持部40が含まれている。
【0026】
図2に示すとおり、装着体32は、シールド体20の基端21a側に取り付けられている。また、形状保持部40は、シールド体20の他端21b側に取り付けられている。すなわち、シールド体20は、基端21a側が装着体32により湾曲した状態が保持されるとともに、他端21b側が形状保持部40により湾曲した状態として保持可能とされている。別の言い方をすれば、シールド体20は、装着状態における上下方向Hのうち、基端21a側(上方側)と他端21b側(下方側)とが、それぞれ湾曲するように変形された状態を保持可能とされている。
【0027】
図2に示すとおり、フェイスシールド10は、装着体32にシールド体20が取り付けられており、装着体32を装着者Pの頭部などに装着することで、シールド体20が装着者の顔を覆うようになっている。具体的には、
図2に示すとおり、フェイスシールド10は、装着者Pに装着された状態において、装着者Pの額から顎に至るように顔の正面側を覆うことができる。
【0028】
また、
図5に示すとおり、フェイスシールド10は、形状保持部40によりシールド体20の顎側(下方側)を絞るように湾曲させ、装着者Pの頬から耳近傍の顔側部を覆うことができる。このように、フェイスシールド10は、装着者Pの顔を覆った状態において、飛沫が顔側に浸入する隙間を少なくして、効率的に飛沫の付着等を抑制可能となっている。
【0029】
以下、フェイスシールド10を構成するシールド体20、装着体32(保持部30)、及び形状保持部40(保持部30)について、それぞれ詳細に説明する。
【0030】
シールド体20は、装着者Pの顔を覆い、他の者の飛沫が装着者Pの顔に付着することや、装着者Pの飛沫が拡散することを抑制するためのものである。シールド体20は、装着者Pの額から顎を覆う上下方向Hの大きさを備えるとともに、装着者Pの顔の両側方を覆う大きさ(両頬に到達する幅方向Wの大きさ)を備えている。すなわち、本実施形態のシールド体20は、装着者Pの顔の略全域を覆う大きさとされている。このように、シールド体20は、装着者Pの顔を広範囲に覆い、眼、鼻、口など、粘膜が露出する部分を覆って保護することができる。
【0031】
シールド体20は、透光性及び柔軟性を有するシート状の素材により構成されている。より具体的には、本実施形態のシールド体20は、透光性を有する(透明の)PETシートとされている。また、シールド体20は、湾曲あるいは屈曲等、変形可能な厚みDとされている。すなわち、シールド体20は、弾性変形可能な厚みDであり、柔軟性を有するシート部材とされている。
【0032】
なお、本実施形態のシールド体20では、PETのシート材が用いられているが、本発明のフェイスシールドは本実施形態に限定されない。具体的には、本発明のフェイスシールドのシールド体は、透光性を備え、湾曲等の変形が可能なシート材であればよく、塩ビやTACなどの防曇加工されたシート材(透明フィルム)を用いてもよい。本実施形態のシールド体20では、130μの厚みのPETのシート材とされている。また、シールド体20を構成するシート材の厚みは、シート材の柔軟性などに応じて種々選択可能である。
【0033】
ここで、2ミリ程度の厚みのある透明のアクリル板などを予め曲げて形成し、シールド体とした場合、顎の部分も曲げの形状を維持することができるものの、(1)コストが上がってしまうため需要が少なくなることが予測されること、(2)シールド体を構成するシート材の厚みが大きいと透明板のエッジで、装着者が怪我をしたり、患者に怪我をさせてしまう、などの懸念が発生する。
【0034】
上述の懸念に対応するため、本発明のフェイスシールドのシールド体は、1ミリ以下の厚みとされることが望ましい。すなわち、シールド体を、1ミリ以下の透明フィルム(装着されると湾曲する程度の厚み)とすれば、感染対策で複数回の使用で使い捨て可能であることが望ましいという製品の性質上、安価で製品化して多くの商品を流通させることができる。また、シールド体の厚みが薄いことで、顔や胸にフィルムが当たっても怪我をするといった懸念を低減させることができる。
【0035】
図3に示すとおり、シールド体20の他端21b側の両端部22a,22b近傍には、挿通孔24が設けられている。挿通孔24は、後述する線条部材42を取り付けるために設けられている。
【0036】
装着体32は、シールド体20を支持しつつ装着者Pに装着するための部材である。本実施形態の装着体32は、装着部材33と、介在部材34とを備えている。装着体32は、シールド体20の基端21a側に取り付けられている。
【0037】
本実施形態の装着体32の装着部材33は、伸縮自在な帯状のゴムバンドを環状に形成したものとされている。また、本実施形態の装着体32の介在部材34は、スポンジなどクッション性を備える緩衝部材とされており、所定の厚みを有している。本実施形態のフェイスシールド10では、シールド体20は、介在部材34を介在させて装着部材33に取り付けられている。別の言い方をすれば、装着体32は、装着者Pの頭部に装着される装着部材33に対して、介在部材34が鍔状となるように取り付けられている。そのため、フェイスシールド10が装着者Pに装着された状態では、シールド体20が介在部材34の厚み分装着者Pの額から離間して空間が形成される(
図2参照)。
【0038】
なお、本実施形態では、装着体32の装着部材33について、ゴムバンドを用いたものとした例を挙げて説明したが、本発明のフェイスシールドは上述の実施形態に限定されない。すなわち、装着体32は、帽子型のもの(キャップ型やサンバイザー型)としてもよいし、後述する変形例のようにフレーム部材としてもよい(
図6及び
図7参照)。また、装着部材33は、ゴムバンドなど伸縮自在のものに限定されず、環状(O字状、C字状問わず)に形成されて頭部に装着可能なものであれば、樹脂や紙材などいかなる素材であってもよい。また、装着体32を帽子型のものとする場合、鍔となる部分(鍔部)にシールド体20を取り付けたものとしてもよい。
【0039】
また、上述の実施形態では、ゴムバンドとされた装着部材33と、緩衝部材(スポンジなど)とされた介在部材34とにより、装着体32を構成した例を示したが、本発明のフェイスシールドは上述の実施形態に限定されない。例えば、本発明のフェイスシールドは、装着体の額の部分(介在部材や装着部材の前方部)を、スポンジなどの柔らかい素材で構成するほか、薄いプラスチック板などの樹脂材を用いたものであってもよい。また、装着体の頭に固定する部材(装着部材)は、ゴムバンドなど伸縮可能なものを用いるほか、薄いプラスチック板などの樹脂材で構成して、頭の大きさに応じて調整可能なものとしてもよい。
【0040】
さらに、上述の実施形態では、装着部材33と介在部材34とを別素材とした例を示したが、本発明のフェイスシールドは装着部材と介在部材とを同じ素材で構成してもよい。
【0041】
形状保持部40は、シールド体20の顎側を湾曲させた状態を保持するために設けられている。本実施形態の形状保持部40は、シールド体20の他端21b側の両端部22a,22bの離間量を調整可能とされている。また、形状保持部40は、シールド体20の両端部22a,22bの離間量(シールド体20の他端21b側の湾曲の大きさ)を保持することができる。
【0042】
なお、以下の説明では、シールド体20の他端21b側の両端部22a,22bの離間量(一方の側方端22aと他方の側方端22bとの離間量)を、「開き量M」と記載して説明する場合がある。
【0043】
本実施形態のフェイスシールド10では、シールド体20の両端部22a,22bを連結するように取り付けられた線条部材42と、線条部材42に対してスライド可能に取り付けられた係止部材44とにより構成されている。また、形状保持部40は、線条部材42に対する係止部材44の位置に応じて、開き量Mを調整可能とされている。
【0044】
より具体的には、線条部材42は、細長い形状の部材とされており、シールド体20の幅方向Wの両側に形成された挿通孔24を挿通するようにシールド体20に取り付けられている。また、二つの係止部材44は、シールド体20を左右両側から挟むように線条部材42に取り付けられている。
【0045】
図3に示すとおり、フェイスシールド10では、二つの係止部材44の離間距離Lが大きい状態では、自由端とされたシールド体20の他端21b側が張力で開いた状態となる。また、フェイスシールド10では、二つの係止部材44の離間距離Lが少なくなるように係止部材44をスライドさせると、自由端とされたシールド体20の他端21bが張力に反して湾曲した状態(絞られた状態)となる(
図4及び
図5参照)。このように、形状保持部40は、二つの係止部材44の離間距離Lを調整することで、開き量Mを大きくする、あるいは小さくするなど、適宜調整することができる。
【0046】
このように、本実施形態のフェイスシールド10では、形状保持部40により、シールド体20の他端21b側を湾曲させた状態で保持するとともに、開き量Mを調整可能とされている。すなわち、本実施形態のフェイスシールド10では、形状保持部40は、紐状の部材(線条部材42)にパーツ(係止部材44)を取り付け、このパーツ(係止部材44)が線条部材42から抜けないように(脱落しないように)なっており、シールド体20を湾曲させた状態で保持可能となっている。また、係止部材44の位置に応じてシールド体20の開き量Mを調整可能となっているため、シールド体20を装着者の顔幅にピッタリ合わせ、万全を期して感染予防を行うことができる。別の観点から説明すると、フェイスシールド10では、シールド体20の厚みを薄くすることで発生するデメリット(額部分は額に添わせてR形状を維持する一方、顎部分は広がってしまう)を解消し、十分な感染予防を実現している。
【0047】
なお、シールド体20の顎側(他端21b側の両側)を連結する手段(形状保持部)は、シールド体20に穴を形成して紐などを通して結び目を形成して抜けないように構成してもよい。また、形状保持部は、後述する延伸部62のように、シールド体20の顎側を帯のように形成して、重なり合ったところをマジックテープ(登録商標)などの面ファスナーで着脱可能なものとしてもよい。さらに、形状保持部は、後述する帯状部材72のように、シールド体20とは別のパーツ(帯状部材72)をシールド体20の顎の部分に貼り付けて固定するものなど、種々選択可能である。
【0048】
本発明のフェイスシールドは、形状保持部によるシールド体の左右両端の繋ぎ方について調整可能とすれば(開き量Mを調整可能とすれば)、シールド体20を装着者の顔幅にピッタリ合わせ、万全を期して感染予防を行うことができる。
【0049】
なお、本実施形態のフェイスシールド10では、形状保持部40をシールド体20と別部材とされたものとした例を示したが、本発明のフェイスシールドは本実施形態に限定されない。例えば、後述するフェイスシールド60のように、形状保持部はシールド体20の一部を延伸させて設けられたもの(延伸部62)であってもよい(
図8参照)。
【0050】
また、本実施形態のフェイスシールド10では、形状保持部40によりシールド体20の開き量Mを調整可能とした例を示したが、本発明のフェイスシールドは本実施形態に限定されない。例えば、後述するフェイスシールド70のように、形状保持部はシールド体20の開き量Mの調整ができない(開き量Mが一定の状態で保持する)もの(帯状部材72)であってもよい(
図9参照)。
【0051】
続いて、フェイスシールド10の使用例について図面を参照しつつ説明する。
【0052】
図3に示すとおり、フェイスシールド10を使用する際には、先ず装着体32を頭部に装着する。具体的には、装着部材33を頭部の周部に装着する。これにより、シールド体20が装着者Pの顔を覆うように装着される。
【0053】
次に、自由端となっているシールド体20の他端21b側(顎側)を湾曲させる。具体的には、
図4及び
図5に示すとおり、形状保持部40の二つの係止部材44の位置を近づけて、シールド体20の他端21b側(顎側)を湾曲させる。これにより、シールド体20が装着者Pの顔側方(頬側)を覆うとともに、顎側の開放領域を少なくすることができる。これにより、フェイスシールド10は、顎側や頬側からの飛沫浸入を抑制することができる。
【0054】
<第二実施形態>
次に、第二実施形態に係るフェイスシールド50について説明する。第一実施形態に係るフェイスシールド10では、装着体32を装着部材33及び介在部材34により構成されたものを例として示したが、本発明のフェイスシールドでは、例えば
図6及び
図7に示すフェイスシールド50のように、装着体をフレーム状の部材(フレーム部材52)により構成してもよい。
【0055】
フレーム部材52(装着体)は、プラスチック等の樹脂、あるいは金属部材により構成することができる。また、フレーム部材を金属素材により構成する場合には、弾性変形可能な金属部材としてもよい。
図6に示すフレーム部材52(装着体)は、屈曲あるいは湾曲形状を有する細長い部材とされている。フレーム部材52は、平面視において略U字状の形状を備えている。より具体的には、フレーム部材52は、装着者Pのこめかみ近傍から後頭部に至るように装着者Pに装着される側方部53と、装着者Pの額前方に配置される前方部54とが形成されている。
【0056】
図6に示すとおり、フレーム部材52は、側方部53が装着者Pのこめかみから後頭部に至る領域に装着される。すなわち、フレーム部材52は、装着者Pの頭部に取り付けられる。フレーム部材52が装着者Pの頭部に取り付けられた状態では、前方部54が装着者Pの額から離間した状態となり、シールド体20と装着者Pの顔との間の空間が形成される。
【0057】
なお、
図6及び
図7に示すフレーム部材52は、装着者Pのこめかみから後頭部に至る領域に接触して装着されるものとした例を示したが、フレーム部材(装着体)は、装着者Pの耳や鼻に接触して装着者Pが着用可能なもの(メガネタイプ)であってもよい。
【0058】
<第三実施形態>
続いて、本発明の第三実施形態に係るフェイスシールド60について説明する。本発明のフェイスシールドは、例えば
図8に示すフェイスシールド60のように、形状保持部を延伸部62としてもよい。
図8に示すとおり、第三実施形態に係るフェイスシールド60の形状保持部は、シールド体20の一部を幅方向に延伸するように形成された延伸部62とされている。
【0059】
より詳細に説明すると、延伸部62(形状保持部)は、シールド体20の他端21b側の両端部を幅方向Wに延長するように形成された帯状の部分として設けられている。すなわち、延伸部62は、シールド体20の一部として形成されている。一対の延伸部62は、自由端とされた端部が相互に着脱可能とされており、一対の延伸部62を接続(連結)することでシールド体20の他端21b側を絞るように湾曲させることができる。なお、一対の延伸部62を着脱させる手段は、マジックテープ(登録商標)等の面ファスナーを用いてもよいし、延伸部62に切り込み等を設けて着脱可能としてもよい。
【0060】
<第四実施形態>
続いて、本発明の第四実施形態に係るフェイスシールド70について説明する。本発明のフェイスシールドは、例えば
図9に示すフェイスシールド70のように、形状保持部を帯状部材72としてもよい。
図9に示すとおり、帯状部材72は、シールド体20に対して取り付けられる。
【0061】
図9(a)に示すとおり、フェイスシールド70では、シールド体20に帯状部材72を取り付けることで、シールド体20の他端21b側を湾曲させた状態として保持することができる。なお、帯状部材72は、シールド体20に対して着脱可能としてもよいし、シールド体20から取り外しができないものであってもよい。また、帯状部材72は、帯状の部材に限定されず、紐、ワイヤー等、シールド体20の幅方向Wの離間距離を保持可能なものであればいかなるものであってもよい。
【0062】
なお、上述の実施形態では、シールド体20が装着体32に対して固定されたものとした例を挙げて説明したが、本発明のフェイスシールドは本実施形態に限定されない。すなわち、本発明のフェイスシールドは、装着体からシールド体を取り外し可能なものとしてもよい。